説明

フレキシブルな基板及びシフトレジスタを有するディスプレイ装置

マトリクスアレイディスプレイ装置(100)は、ポリイミド基板のようなフレキシブルな基板(110)上に備えられ、複数の第2導体(130)と交差する複数の第1導体(120)を有し、第1導体(120)と第2導体(130)の間の交差部分の近傍に位置付けられた複数の画素(140)を有する。ディスプレイ装置(100)はフレキシブルなシフトレジスタ(150)と、第1導体(120)をアドレス指定するための任意の更なるフレキシブルなシフトレジスタ(160)とを有する。フレキシブルなシフトレジスタは、好適には、有機半導体材料を用いて実現され、例えば、バス構造より小さいフレキシブルな基板の面積を占め、それ故、ディスプレイ装置(100)の有効な表示面積を増加させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マトリクスアレイを有するフレキシブルな基板を有するマトリクスアレイディスプレイ装置に関する。
【0002】
本発明は、そのようなマトリクスアレイディスプレイ装置を制御するように備えられた電子装置に更に関する。
【背景技術】
【0003】
フレキシブルなディスプレイ装置、即ち、使用していない状態でディスプレイ装置のサイズを著しく減少させるように丸めることができる表示装置は、益々、研究努力の焦点が当てられるようになってきた。そのようなディスプレイ装置の例について、文献、Applied Physucs Letters,Vol.78,No.23,pp.3592−3594,2001に記載されている。
【0004】
このように関心が高まっている理由の1つは、そのようなディスプレイ装置は広範なアプリケーションドメインの範囲において有用であることである。そのようなアプリケーションドメインの1つは携帯電話市場であり、その市場において、インターネットからの情報にアクセスするため又は映像データストリームを表示するために携帯電話が使用されるとき、大きい表示面積を有することができることは有利である。
【0005】
そのようなディスプレイ装置のフレキシビリティは、典型的には、アクティブマトリクスアレイディスプレイ装置の場合に、基板及び薄膜トランジスタのようなディスプレイ装置の幾つかの部品のために有機高分子材料のようなフレキシブルな材料を使用することにより得られる。高いフレキシビリティを維持するために、マトリクスアレイを制御するための制御回路構成は、好適には、フレキシブルなマトリクスアレイディスプレイ装置の片側に位置付けられている。明らかに、制御回路構成に対して実質的に直交状態にあるマトリクスアレイの導体への接続は、制御回路構成に対して実質的に平行状態にあるマトリクスアレイの導体への接続に比べて非常に単純である。通常、制御回路構成と平行状態にある導体は、ディスプレイ装置の1つ又は2つのフレキシブルな側に複数の導電性接続トラックを有することにより制御回路構成に接続されていて、導電性トラックは第2導体と平行状態にあり、導電性トラックの各々は制御回路構成に第1導体を接続している。
【0006】
しかしながら、そのようなディスプレイ装置の行数が大きくなると、接続トラックは画像表示面積の大きな部分を必要とし、それは不所望なことである、
接続トラック数が多いことは付加的な不利点を有する。有機材料に固有の問題点は、それらの材料は空気及び湿気に対して敏感であることであり、そのことはディスプレイ装置の寿命を制限することとなる。これは、保護層でディスプレイ装置を包み込むことにより解決することができるが、そのような層はフレキシビリティに関して悪影響を与え、ディスプレイ装置の全体的なコストを増加させる不利点を有する。それに代えて、ディスプレイ装置は保護されないままにする、その場合、ディスプレイ装置は制限された寿命を有する。しかしながら、そのような制限された寿命は、保護していないフレキシブルなディスプレイ装置のコストは低く保つことができるため、主な不利点ではなく、そのことは、置き換え用ディスプレイ装置が手頃な価格で市場供給されることを意味する。しかしながら、使い捨てディスプレイ装置は容易に置き換えることができることが望ましい。ディスプレイ装置と制御回路構成との間の接続数が多くなると、そのようなディスプレイ装置の交換は複雑になり、そのことは又、望まれるところではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、フレキシブルなディスプレイ装置の改善を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、改善されたフレキシブルなディスプレイ装置を制御するための電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1特徴に従って、マトリクスアレイディスプレイ装置であって、複数の第1導体を有するマトリクスアレイを有するフレキシブルな基板と、複数の第2導体であって、第2導体の各々は複数の第1導体と交差する複数の第2導体と、複数の画素であって、各々の画素は、第1導体と第2導体の交差部分の近傍に位置付けられている、複数の画素と、を有し、画素は第1導体と第2導体とによりアドレス可能である電気光学要素を有し、ディスプレイ装置は複数の第1導体にアドレスするためのフレキシブルなシフトレジスタを更に有し、そのフレキシブルなシフトレジスタは複数のシフトレジスタセルを有し、各々のシフトレジスタセルは第1導体の1つと結合されている、マトリクスアレイディスプレイ装置を提供する。
【0010】
フレキシブルなシフトレジスタを使用することは、第1導体のための必要な信号全てを最小の3つの外部接続により供給することができるという有利点を有する。それらの接続の2つは電力供給用であり、第3の接続は、シフトレジスタセルから対応する第1導体にデータ信号をシフトさせるクロック信号用である。第1導体が行導体である場合、データはフレキシブルなディスプレイ装置において生成されることが可能であり、又は、更なる外部接続によりシフトレジスタに供給されることが可能である。その結果、ディスプレイ装置においては、必要な接続はより少なく、従来技術におけるフレキシブルな基板上のディスプレイ装置より大きい有効画像表示面積を有する。このことにより、特に、各々の画素が関連する第2導体と電気光学要素との間にスイッチを有し、そのスイッチは有機半導体材料と関連する第1導体に結合した制御端子とを有し、即ち、アクティブマトリクスアレイディスプレイ装置はフレキシブルな有機のTFTを有し、通常、非常に多くの第1導体を有するディスプレイ装置が成立する。
【0011】
有利であることに、各々のシフトレジスタセルは複数の更なるスイッチを有し、各々の更なるスイッチは更なる有機半導体材料を有する。有機スイッチ、例えば、トランジスタを使用することにより、シフトレジスタのフレキシビリティを高くすることができる。
【0012】
実施形態においては、シフトレジスタはフレキシブルな基板により担持されている。これは、画素におけるスイッチ及びシフトレジスタの更なるスイッチが同じ技術において実現され、それ故、ディスプレイ装置のコストを削減することができるため、アクティブマトリクスディスプレイ装置の場合、特に有利である。
【0013】
代替の実施形態においては、シフトレジスタは更なるフレキシブルな基板により担持され、その更なるフレキシブルな基板はそのフレキシブルな基板の第1側に接着されている。これは、マトリクスアレイの製造プロセス及びシフトレジスタの製造プロセスが互いから分離され、その場合、それらの2つの部分の一における製造誤差が全体的なディスプレイ装置の故障に自動的には結び付かないため、ディスプレイ装置の製造プロセスの全体的な歩留まりが向上する有利点を有する。更に、分離した製造プロセスは又、アクティブマトリクスアレイの画素におけるスイッチ及びシフトレジスタの更なるスイッチのための異なる半導体材料又は異なる製造プロセスを用いることを可能にし、それらを種々のスイッチの性能を最適化するために選択することができる。又、更なる基板を使用することは、更なるスイッチの相当数がシフトレジスタ機能性を改善するために形成される必要がある更なる基板のより高価な製造プロセスから安価なパッシブマトリクスの製造プロセスを分離することができるため、パッシブマトリクスアレイディスプレイ装置の場合には有利である。
【0014】
ディスプレイ装置が複数の第1導体をアドレス指定するための更なるフレキシブルなシフトレジスタを有する場合、更なるフレキシブルなシフトレジスタは複数の更なるシフトレジスタセルであって、各々の更なるシフトレジスタセルは第1導体の1つに結合され、更なるシフトレジスタはシフトレジスタと平行に配置されていることは、更に有利である。
【0015】
第2の更なるフレキシブルな基板に担持されることが可能である、又は、第2の更なるフレキシブルな基板により担持されることが可能である更なるシフトレジスタであって、
第2の更なるフレキシブルな基板がフレキシブルな基板の第2側に接着された、更なるシフトレジスタの存在は多くの有利点を有する。第1に、ディスプレイ装置の寿命は、シフトレジスタの機能性の必要な動作時間はシフトレジスタと更なるシフトレジスタとの間で分割されることができ、それ故、それらの寿命を長くするそれぞれのシフトレジスタのスイッチにおけるストレスを低減するために、第2シフトレジスタの存在により長くなる。更に、フレキシブルな基板における更なるシフトレジスタの存在により、シフトレジスタの1つの欠点が全体のディスプレイ装置の故障にもはや繋がることはないため、ディスプレイ装置の生産歩留まりは増加する。
【0016】
有利であることに、シフトレジスタは外部の制御回路構成にそのシフトレジスタを接続するための第1の複数のコネクタを有し、更なるシフトレジスタは外部の制御回路構成に更なるシフトレジスタを接続するための第2の複数のコネクタを有し、そして、ディスプレイ装置は、フレキシブルな基板の第3側において更なる複数のコネクタを更に有し、それらの複数のコネクタは、外部の制御回路構成にディスプレイ装置の第2導体を接続するための複数の第2導体に導通するように結合されている。
【0017】
それらのコネクタは、雄コネクタ又は雌コネクタであることが可能であり、それらのライフサイクルの終了に達したとき、ディスプレイ装置の容易な交換が可能である。
【0018】
本発明の他の特徴に従って、外部の制御回路構成にシフトレジスタを接続するための第1の複数のコネクタと外部の回路構成に第2導体を接続するための更なる複数のコネクタとを少なくとも有するディスプレイ装置を制御するための回路構成を有する電子装置であって、ソケットが少なくとも第1の複数のコネクタと更なる複数のコネクタとに制御回路構成を相互接続するように備えられている電子装置を提供する。そのような電子装置は、ディスプレイ装置の交換が限定された数のコネクタのために容易であるために、本発明のディスプレイ装置から恩恵を受けるものである。このことは、電子装置の市場性を改善する。
【0019】
本発明について、以下、添付図を参照して非限定的な実施例に関して詳述する。
【0020】
それらの図は模式図であり、スケーリングして描かれていないことを理解する必要がある。同じ参照番号は同一又は類似する部分を示すように全部の図を通して用いていることを又、理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、丸められた状態の本発明のフレキシブルなディスプレイ装置100を示している。ディスプレイ装置100はマトリクスアレイを担持するフレキシブルな基板110を有する。フレキシブルな基板110は、何れの適切な材料、例えば、ポリイミドのような高分子材料から成る適切なフォイルを用いることにより実現されることが可能である。マトリクスアレイは、典型的には、複数の第1導体120と複数の第2導体とを有し、第2導体130の各々は複数の第1導体120と交差している。図1に示す実施形態においては、第1導体120は行導体であり、第2導体130は列導体である。
【0022】
更に、マトリクスアレイは複数の画素140を有し、各々の画素140は第1導体120及び第2導体130の交差部分の近傍に位置付けられている。画素140は電気光学要素142を有し、その電気光学要素は第1導体120及び第2導体130によりアドレス指定可能である。電気光学要素142は、例えば、液晶又は電気泳動材料等の何れの適切な光バルブ材料を有することが可能であり、又は、発光高分子を有することが可能である。例えば、上記の実施形態及び光感応性要素の組み合わせ等の電気光学要素142の他の実施形態が又、実現可能である。
【0023】
図1に示す実施形態においては、画素140は、関連する第2導体130と電気光学要素142との間に結合されたスイッチ144を更に有する。スイッチ144は、関連する第1導体120に結合した制御端子を有し、有機半導体材料を有する。有機半導体材料を使用することは、フレキシブルな基板110が熱に対して敏感であり且つ有機半導体材料は比較的低温でフレキシブルな基板110において処理されることができるため、好ましい。有機半導体材料を使用することは、スイッチ144のフレキシビリティを高くするという、更なる利点を有する。スイッチ144が存在することにより、図1に示すディスプレイ装置100のマトリクスアレイがアクティブタイプであることを示しているが、ディスプレイ装置100においてパッシブマトリクスアレイを使用することが同様に実現可能であることを強調しておく。スイッチ144は、当業者により容易に利用可能である周知の製造技術を用いて製造されることが可能である。そのような技術の例については、文献、Applied Physics Letters,Vol.77,No.10,page1487−1489,2000に記載されている。
【0024】
ディスプレイ装置100は、複数の第1導体120をアドレス指定するためのフレキシブルなシフトレジスタ150を更に有し、そのシフトレジスタ150は、各々が第1導体の1つに結合されている複数のシフトレジスタセル152により実現される。この実施形態においては、シフトレジスタ150は、スイッチ144と同じ技術で実現されるシフトレジスタセル152と共に基板100上に集積される。シフトレジスタ150に結合されたフレキシブルな付加電子構成要素、例えば、バッファを、本発明の範囲から逸脱することなく、備えることが可能であることを理解されたい。
【0025】
フレキシブルなシフトレジスタ150の存在により、複数の第1導体120を駆動するためのバス構造の必要性を不要にすることができる。シフトレジスタ150はバス構造より非常に小さく、そのことは、従って、画素140をレイアウトするために用いることができる基板110の面積の増加に繋がる。シフトレジスタ150は、外部の制御回路構成にシフトレジスタを接続するためのオプションの第1の複数のコネクタ154、156及び158を有する。そのようなコネクタは、フレキシブルなディスプレイ装置100が使い捨て装置として使用するように予測可能であるときに必要とされ、その場合、容易な交換が望ましい。そのようなアプリケーションに対して、外部の制御回路構成に第2導体130を接続するための更なる複数のコネクタ132が又、存在する。
【0026】
第1の複数のコネクタにおいては、3つと少ないコネクタであって、例えば、電力供給バイナリデータ入力をシフトレジスタ150に供給するためのコネクタ154及び156と、制御入力、例えば、クロック信号をシフトレジスタ150に供給するためのコネクタ158とで十分である。シフトレジスタのためのバイナリデータ入力は、付加コネクタ(図示せず)により供給されることが可能であり、又、フレキシブルなエレクトロニクスにより実現される専用の制御回路構成(図示せず)により生成されることが可能である。例えば、シフトレジスタ150のデータ入力は、新しい行アドレスサイクルの各々の第1クロックパルスにおけるバイナリ‘1’と、他のクロックパルス全てにおけるバイナリ‘0’とを生成するカウンタに結合されることが可能である。そのような内部のデータ信号生成は、第1導体120が行導体であるときに適用可能であることを理解されたい。その結果、フレキシブルなシフトレジスタ150は、駆動信号を第1導体120に供給するためにバス構造を有するフレキシブルなディスプレイに比べて外部コネクタにおいて著しい減少をもたらし、ここで、外部コネクタ数は、典型的には、第1導体120の数と一致している。コネクタ132、154、156及び158と数が少ないことは、それらのコネクタをより大きいピッチでレイアウトすることができ、それにより、上記のバス構造を担持するフレキシブルなディスプレイ装置に比べて、フレキシブルはディスプレイ装置100の更に容易な交換を可能になる。
【0027】
この点で、第1導体120は又、本発明の範囲から逸脱することなく、列導体であることが可能であることを強調しておく。このことは、画素140がオン状態又はオフ状態のみに対して駆動される場合に有利であり、その場合、バイナリデータは、シフトレジスタ150から列導体に直接動かすことができる。代替として、フレキシブルなディジタル/アナログ変換回路構成をシフトレジスタ150と第1導体120との間に結合させることが可能である。
【0028】
図1に示す実施形態においては、シフトレジスタセル162を有し、任意の第1の複数のコネクタ164、166及び168を有する任意の更なるフレキシブルなシフトレジスタ160が又、ディスプレイ装置100のフレキシブルな基板110上に存在する。その更なるシフトレジスタ160は又、画素140のスイッチ144と同じ技術で実現される。更なるシフトレジスタ160を任意に有することは少なくとも2つの目的のために役に立つ。
【0029】
第1に、ディスプレイ装置100の動作中、第1導体120の駆動は、フレキシブルなシフトレジスタ150と更なるフレキシブルなシフトレジスタ160との間で交互に繰り返される。このことは、有機半導体材料に基づくスイッチはスイッチング特性の低下、例えば、そのようなスイッチが長すぎる程度にバイアスされているとき又はそれらのオン/オフの切り換え周波数が大き過ぎるときであって、それ故、各々のバイアス期間からスイッチが回復できないときの、閾値電圧のドリフトを有するとして周知であるため、大きいピクチャリフレッシュレートを必要とするディスプレイアプリケーションにおいて、特に有利である。そのような劣化は、画像品質及びスイッチ自体の寿命に負の影響を与える。フレキシブルなシフトレジスタ150と更なるフレキシブルなシフトレジスタ160との間の駆動信号を多重化することにより、そのような負の影響は非常に低減される。
【0030】
第2に、有機半導体材料に基づくスイッチを有する装置の製造プロセスは、そのようなプロセスの複雑性のために低い製造歩留まりを被る。明らかに、低い歩留まりのリスクは、装置における集積化がなされるスイッチの総数における増加に伴って増加する。フレキシブルなシフトレジスタ150は、典型的には、数千個のそれらのスイッチを有し、それらのスイッチは、ディスプレイ装置100の非最適製造プロセスにおいて歩留まりの問題点をもたらすこととなる。冗長化シフトレジスタであるように意図された更なるフレキシブルなシフトレジスタを有することにより、それらの問題点は低減され、歩留まりは改善される。しかしながら、ディスプレイ装置100の試験が、フレキシブルなシフトレジスタ150が故障していることを示す場合、更なるフレキシブルなシフトレジスタ160をバックアップレジスタとして使用することができる。
【0031】
図2は、本発明のディスプレイ装置100の歩留まりを改善するための代替の実施形態を示している。この実施形態においては、ディスプレイ装置100のマトリクスアレイは、第1導体120及び第2導体130により駆動される画素140において電気光学要素142を有する、従来のパッシブマトリクスアレイである。又、これは、単に非限定的な実施例としてのものであり、アクティブマトリクスアレイは、この実施形態に対して同様に実現可能である。ディスプレイ装置100は又、この実施形態において、更なるフレキシブルな基板210により担持されるシフトレジスタ150を有する。更なるフレキシブルな基板210は基板110と同じ材料から成ることが可能であるが、これは必ずしもそうでなくても良い。更なる基板210は、接着性の接着のような既知の接着技術を用いて、基板110に接着される。別個の更なる基板210上にシフトレジスタを用いているため、ディスプレイ装置100及びシフトレジスタ150のマトリクスアレイの製造プロセスは別個のプロセスとなり、そのことは、ディスプレイ装置100の2つの部分の一における不良がもはや全体のディスプレイ装置の損失に繋がらないという有利点を有する。又、別個のシフトレジスタの製造は、ディスプレイ装置100のマトリクスアレイをシフトレジスタ150のためのスイッチの製造を容易化する、複雑な技術ではない単純な製造技術を用いて製造することができるため、パッシブマトリクスディスプレイ装置100の製造を益々コストパフォーマンスの高いものにする。
【0032】
明らかに、任意の更なるシフトレジスタ160は又、第2の更なるフレキシブルな基板270において実現されることが可能である。
【0033】
図3は、本発明のディスプレイ装置100の恩恵を受ける電子装置300の実施例を示している。電子装置300は、丸めた状態にディスプレイ装置100を保つように設計されたカートリッジ180を有する。更に、電子装置300は制御モジュール320を有し、その制御モジュールは、ディスプレイ装置100を制御するための制御回路構成324と、制御回路構成324に電力供給するための電源(図示せず)とを有する。制御モジュール320は、戦士装置300の主ユニット350に物理的に接続され、その場合、カートリッジ180は主ユニット350から物理的に分離されることが可能であり、又、制御モジュール320は主ユニット350から物理的に分離されることが可能であり、その場合、制御モジュール320は、無線プロトコルを用いて主ユニット350と通信するように備えられることが可能である。
【0034】
制御モジュール320は第2の更なる複数のコネクタ322を有し、それらのコネクタは、制御回路構成324にディスプレイ装置100の複数のコネクタ132、154、156及び158を接続するための回路構成に接続されている。この実施例においては示していないが、制御モジュールは又、制御回路構成324に更なるシフトレジスタ160のコネクタ164、166及び168を接続するためのコネクタ322を有することが可能であることは、当業者には明らかであろう。制御回路構成324は、典型的には、ディスプレイ装置100の第2導体130において制御信号を駆動するための列ドライバ回路構成及びシフトレジスタ150にクロック信号を供給するための行ドライバ回路構成と、電源と、任意に、シフトレジスタのためのビットパターンとを有する。ディスプレイ装置100における限定された数のコネクタ132、154、156及び158はディスプレイ装置100の容易な交換を促進し、それ故、そのようなディスプレイ装置を有する電子装置300の市場性を改善する。
【0035】
上記の実施形態は本発明を限定するものではなく例示的なものであり、同時提出の特許請求の範囲における範囲から逸脱することなく代替の実施形態を当業者は構成することができることに留意する必要がある。用語‘を有する’は、請求項に挙げられていない要素又は段階の存在を排除するものではない。要素の単数表現はその様な要素の複数の存在を排除するものではない。本発明を、幾つかの個別の要素を有するハードウェアにより実施することができる。幾つかの手段を挙げている装置請求項においては、それらの手段の幾つかを同一のハードウェアにより実施することができる。特定の手段が互いに異なる独立請求項に列挙されていることは、それらの手段の組み合わせが有利に用いられることができないことを意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のディスプレイ装置の実施形態を示す図である。
【図2】本発明のディスプレイ装置の他の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の電子装置を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置であって、マトリクスアレイを担持しているフレキシブルな基板は:
複数の第1導体;
複数の第2導体であって、該複数の第2導体は前記複数の第1導体と交差している、複数の第2導体;並びに
複数の画素であって、各々の画素は第1導体と第2導体との交差部分の近傍に位置付けられ、前記画素は前記第1導体と前記第2導体とによりアドレス指定可能である電気光学要素を有する、複数の画素;
を有する、ディスプレイ装置であり、
前記複数の第1導体をアドレス指定するためのフレキシブルなシフトレジスタであって、該フレキシブルなシフトレジスタは複数のシフトレジスタセルを有し、各々のシフトレジスタセルは前記第1導体の1つに接続されている、フレキシブルなシフトレジスタ;
を更に有することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のディスプレイ装置であって、各々の画素は関連する前記第2導体と電気光学要素との間に結合されたスイッチを有し、前記スイッチは有機半導体材料と関連する前記第1導体に結合された制御端子とを有する、ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のディスプレイ装置であって、各々のシフトレジスタセルは複数の更なるスイッチを有し、各々の更なるスイッチは更なる有機半導体材料を有する、ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のディスプレイ装置であって、前記シフトレジスタは前記フレキシブルな基板により担持されている、ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れ一項に記載のディスプレイ装置であって、前記シフトレジスタは更なるフレキシブルな基板により担持され、前記更なるフレキシブルな基板は前記フレキシブルな基板の第1側に結合されている、ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れ一項に記載のディスプレイ装置であって、前記シフトレジスタは外部の制御回路構成に前記シフトレジスタを接続するための第1の複数のコネクタを有する、ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れ一項に記載のディスプレイ装置であって、前記ディスプレイ装置は前記複数の第1導体をアドレス指定するための更なるフレキシブルなシフトレジスタを更に有し、前記更なるフレキシブルなシフトレジスタは複数の更なるシフトレジスタセルを有し、各々の更なるシフトレジスタセルは前記第1導体の1つに結合され、前記更なるシフトレジスタは前記シフトレジスタと平行に備えられている、ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のディスプレイ装置であって、前記更なるシフトレジスタは前記フレキシブルな基板により担持されている、ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項9】
請求項7に記載のディスプレイ装置であって、前記更なるシフトレジスタは第2の更なるフレキシブルな基板により担持され、前記第2の更なるフレキシブルな基板は前記フレキシブルな基板の第2側に結合されている、ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項10】
請求項7乃至9の何れ一項に記載のディスプレイ装置であって、前記シフトレジスタは外部の制御回路構成に前記更なるシフトレジスタを接続するための第2の複数のコネクタを有する、ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項11】
請求項6又は10に記載のディスプレイ装置であって、前記ディスプレイ装置は前記フレキシブルな基板の第3側において更なる複数のコネクタを更に有し、前記複数のコネクタは外部の制御回路構成に前記ディスプレイ装置の前記第2導体を接続するための前記複数の第2導体に導通するように結合されている、ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項12】
電子装置であって:
請求項11に記載のディスプレイ装置を制御するための制御回路構成;及び
前記制御回路構成に結合された第2の更なる複数のコネクタであって、該第2の更なる複数のコネクタは、少なくとも第1の複数のコネクタ及び更なる複数のコネクタに制御回路構成を相互接続するように備えられている、第2の更なる複数のコネクタ;
を有することを特徴とする電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−503012(P2007−503012A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523705(P2006−523705)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002641
【国際公開番号】WO2005/017868
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】