説明

フレキシブルチューブ

【課題】 エンジンに連なる排気系に接続されて、その排気系の軸方向の振動を減衰するフレキシブルチューブであって、その小型化を達成する。
【解決手段】 ベローズ管10と、その内側のインタロック管20と、ベローズ管10の両端に連結される上流側および下流側ジョイントパイプ40,41を備え、インタロック管20の両端の固定端部20u,20dの径を、その中央部の径よりも大きくし、その固定端部の内周面に、上、下流側ジョイントパイプ40,41の延出部40e,41eを嵌合して固定し、固定端部20u,20d上のベローズ部11の谷部13の深さDe,Deを他の部分の深さDmより浅くした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルチューブ、主として車両用などのエンジンの排気系に接続されてエンジンからの振動を吸収するようにした、振動吸収パイプとしてのフレキシブルチューブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用の排気系は、エンジンに組み付けられたエキゾーストマニホールドに連なる排気管に、触媒コンバータ、サブマフラ、メインマフラなどを接続して構成され、エンジンからの振動を排気系後方のマフラなどに伝達しないように、たとえば、エキゾーストマニホールドと触媒コンバータとの間の排気管に振動吸収パイプとしてのフレキシブルチューブを介在させ、エンジンからの振動を吸収するものが知られている。
【0003】
ところで、後記特許文献1には、こうしたフレキシブルチューブ(1)として、円筒状のベローズ管(2)と、このベローズ管(2)の内側に配置される円筒状のインタロック管(9)と、ベローズ管(2)の両端の連結端部に連結される上流側と下流側のジョイントパイプ(5)(7)とを備え、ベローズ管(2)は両端の連結端部の間に山部と谷部とが軸方向に交互に形成されるベローズ部を有し、上流側と下流側のジョイントパイプ(5)(7)は、ベローズ管(2)との連結部から軸方向中央寄りに延出する延出部(5a)(7a)がインタロック管(9)の両端の固定端部の内周面に嵌合して固定されるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−42548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前記特許文献1のものは、上流側と下流側のジョイントパイプの延出部を、全長に亘り等径に形成されるインタロック管の内周面に嵌合させているため、上流側と下流側のジョイントパイプの延出部の先端とインタロック管との間に「つなぎ段差」を生じ、この「つなぎ段差」があることにより、上流側ジョイントパイプと下流側ジョイントパイプとの間で排気ガス通路が拡張している。
【0006】
しかしながら、前記「つなぎ段差」程度の排気ガス通路の拡張は排気音の抑制や背圧(排気の吐出を妨げる圧力)の抑制などに対する効果はほとんどなく、むしろ、「つなぎ段差」があることによって、その分ベローズ管の外径を大きくせざるを得ず、フレキシブルチューブを大型化させてしまうという問題があり、さらに、排気ガス通路を流れる排気ガスが前記「つなぎ段差」のところで流れに乱れを生じ、これが排気ガスの流れ抵抗を増大させるという問題もある。
【0007】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたもので、前記問題を解決した、新規なフレキシブルチューブを提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本請求項1の発明は、円筒状のベローズ管と、ベローズ管の内側に配置される円筒状のインタロック管と、ベローズ管の両端の連結端部に連結される上流側と下流側のジョイントパイプとを備え、
ベローズ管は両端の連結端部の間に山部と谷部とが軸方向に交互に形成されるベローズ部を有し、上流側と下流側のジョイントパイプは、ベローズ管との連結部から軸方向中央寄りに延出する延出部がインタロック管の両端の固定端部に嵌合して固定される、フレキシブルチューブにおいて、
前記インタロック管は、その両端の固定端部の径を、その軸方向中央寄りの径よりも大径に形成し、前記固定端部の内周面に、上流側と下流側のジョイントパイプの前記延出部をそれぞれ嵌合して固定し、前記インタロック管の両端の固定端部の外周面上に位置する、前記ベローズ部の谷部の深さを、これよりも軸方向中央寄りのベローズ部の谷部の深さよりも浅くしたことを特徴としている。
【0009】
前記目的を達成するため、本請求項2の発明は、円筒状のベローズ管と、ベローズ管の内側に配置される円筒状のインタロック管と、ベローズ管の両端の連結端部に連結される上流側と下流側のジョイントパイプとを備え、
ベローズ管は両端の連結端部の間に山部と谷部とが軸方向に交互に形成されるベローズ部を有し、上流側と下流側のジョイントパイプは、ベローズ管との連結部から軸方向中央寄りに延出する延出部がインタロック管の両端の固定端部に嵌合して固定される、フレキシブルチューブにおいて、
前記インタロック管は、その両端の固定端部の内の一方の固定端部の径を、その軸方向中央寄りの径よりも大径に形成し、前記一方の固定端部の内周面に、上流側と下流側のジョイントパイプの内の一方のジョイントパイプの前記延出部を嵌合して固定し、上流側と下流側のジョイントパイプの内の他方のジョイントパイプの前記延出部の径を前記一方のジョイントパイプの前記延出部の径よりも大きく形成して、この他方のジョイントパイプの前記延出部を、インタロック管の両端の固定端部の内の他方の固定端部の外周面に嵌合して固定し、前記インタロック管の両端の固定端部の外周面上に位置する、前記ベローズ部の谷部の深さを、これよりも軸方向中央寄りのベローズ部の谷部の深さよりも浅くしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本請求項1の発明によれば、インタロック管は、その両端の固定端部の径を、その軸方向中央寄りの径よりも大きく形成したので、これらの固定端部の内周面に嵌合して固定する上流側と下流側のジョイントパイプの延出部の径を小さくすることなく、軸方向中央寄りのインタロック管の径を、インタロック管の内周と前記延出部の内径とが略同径になるまで小さくでき、換言すれば、前記「つなぎ段差」を解消でき、その分ベローズ管の外径も小さくできる。これにより、排気ガス通路を狭めることなく、フレキシブルチューブの小型化を図ることができ、その上、前記「つなぎ段差」の解消により、排気ガス通路を流れる排気ガスの流動抵抗を低減することができる。また、ベローズ管の外径を小さくしても、拡径されたインタロック管の固定端部外周面上に位置するベローズ部の谷部の深さをこれよりも軸方向中央寄りのベローズ部の谷部の深さよりも浅くしたので、ベローズ管とインタロック管との隙間もインタロック管の全長に亘って確保でき、フレキシブルチューブの本来の振動吸収機能を高めることができる。
【0011】
また、本請求項2の発明によれば、上流側と下流側のジョイントパイプの延出部をインタロック管の両端の固定端部に嵌合して固定するにあたり、一方についてはインタロック管の固定端部の径を大きくしてジョイントパイプの延出部をその内周面に嵌合して固定し、他方についてはジョイントパイプの延出部の径を大きくして、その延出部をインタロック管の固定端部の外周面に嵌合して固定したので、インタロック管の一方の固定端部を拡径させるだけで、前記請求項1の発明と同等の前記作用効果を達成することができ、その上、前記請求項1の発明に比べてフレキシブルチューブの生産性に優れ、そのコストダウンを達成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明フレキシブルチューブを備えた車両用エンジンの排気系の全体側面図
【図2】図1の2−2線に沿うフレキシブルチューブの拡大断面図(第1実施例)
【図3】図2の3矢視仮想線囲い部分の拡大図(第1実施例)
【図4】フレキシブルチューブの組立工程を示す図(第1実施例)
【図5】フレキシブルチューブの組立工程を示す図(第1実施例)
【図6】図1の2−2線に沿うフレキシブルチューブの拡大断面図(第2実施例)
【図7】フレキシブルチューブの組立工程を示す図(第2実施例)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0014】
本実施例は、本発明フレキシブルチューブを、自動用エンジンの排気系に実施した場合であり、以下の説明において、前後、左右および上下とは、自動車の前進方向を基準にしていう。
【0015】
図1において、自動車の前部には、その走行用エンジンEが横置き(そのクランク軸が車両の左右方向に延長)に搭載されており、そのエンジンEの頭部後面に開口される排気ポートには排気系EXが接続される。この排気系EXは、排気ポートに一体に接続されるエキゾーストマニホールドMeの下流側に排気管Peが接続されており、この排気管Peは、自動車の床下を前後方向に長く延びていて上流側排気管1と下流側排気管2とを備え、上流側排気管1には、触媒コンバータCが介在され、上流側排気管1と下流側排気管2との間には、本発明にかかるフレキシブルチューブTfが介在され、下流側排気管2には、サブマフラMsおよびメインマフラMmが接続されている。
【0016】
そして、エンジンEの運転により、そこから排出された排気ガスは、触媒コンバータCにより、そこに含まれるHC、CO、NOxなどの有害成分が浄化されたのち、サブマフラMsを通って補助的に消音されたのち、メインマフラMmにより主たる消音がなされて外部に排出される。そして、エンジンEからの振動は、本発明にかかるフレキシブルチューブTfにより吸収される。
【0017】
つぎに、図2〜5を参照して本発明にかかるフレキシブルチューブTfの第1実施例について説明する。
【0018】
このフレキシブルチューブTfは、円筒状のベローズ管10と、その内側に配置される円筒状のインタロック管20と、その外周を覆うアウタブレード30と、ベローズ管10の両端の連結端部14,15にそれぞれ連結される上流側ジョイントパイプ40と下流側ジョイントパイプ41を備える。
【0019】
ベローズ管10の主体部分を構成するベローズ部(蛇腹部)11は、軸方向に交互に形成される断面ループ状の、山部12と谷部13のそれぞれが軸方向に交互にベローズ管10の一端側から他端側へ形成されており、そのベローズ部11の前後両端には、ベローズ部11の外径よりも小径な円筒状の、上流側および下流側連結端部14,15が形成される。そして、このベローズ管10は、インタロック管20の両端の固定端部20u,20dの外周面上に位置するベローズ部11の谷部13u,13dの深さDe,Deが、それよりも軸方向中央寄りのベローズ部11の谷部13の深さDmよりも浅く形成されている。
【0020】
インタロック管20は、図3に明瞭に示すように、両側縁が鉤状に形成された帯板材21を連続的に螺旋状に巻回して円筒状に形成されており、この帯板材21の両側縁に、鉤状に形成された鉤状部22,23を有して、その鉤状部22,23を所定の範囲で軸方向に相対移動可能に係合させたインタロック機構24を備えている。そして、隣接するインタロック機構24の間には、インタロック管20の一端側から他端側へ螺旋状に連続する凹み部25が形成されている。
【0021】
インタロック管20の上流側および下流側の両端の固定端部20u,20dは、円筒状に形成されており、その固定端部20u,20dの径は、インタロック管20の軸方向中央寄りの径よりも大きく形成されており、それらの固定端部20u,20dの内周面に、上流側および下流側ジョイントパイプ40,41の延出部40e,41eの外周面が嵌合して固定される。それらの延出部40e,41eは、ジョイントパイプ40,41よりも小径に形成される。
【0022】
図2,3に示すように、上流側および下流側ジョイントパイプ40,41の延出部40e,41eの内径と、インタロック管20の中間部(固定端部20u,20dを除く)の内径とは略等しくされており、それらの間に段差が形成されないようにされる。
【0023】
前記アウタブレード30は、円筒状に形成されており、その内周面に、ベローズ管10の山部12の頂が当接され、その前後両端部は漸次に縮径されてその前後両端に接続端部31,32が形成されている。アウタブレード30の両端外周面には、リング状のキャップ50,51がそれぞれ溶接により結合される。
【0024】
上流側および下流側ジョイントパイプ40,41の外端の内周面には、上流側および下流側排気管1,2がそれぞれ溶接により結合される。
【0025】
つぎに、図4,5を参照して、第1実施例のフレキシブルチューブTfの組付工程について説明する。
【0026】
(1) 図4(A)に示すように、アウタブレード30の上流側接続端部31の外周に、上流側キャップ50を、周方向の4箇所にてスポット溶接W1により結合する。このとき、後記(2) において、アウタブレード30の中にベローズ管10を挿入できるようにするため、アウタブレード30の下流側接続端部32は縮径されていない。
【0027】
(2) 図4(B)に示すように、アウタブレード30の中にベローズ管10を、縮径されていない下流側接続端部32側から挿入し、ベローズ管10の上流側連結端部14とアウタブレード30の上流側接続端部31および上流側キャップ50の3者を周方向の4箇所でスポット溶接W2により結合する。
【0028】
(3) 図5(C)に示すように、ベローズ管10を上流側に押し込みながら、アウタブレード30を下流側に引っ張り、アウタブレード30のばね力を調整した後、アウタブレード30の下流側接続端部32を縮径加工して、ベローズ管10の下流側連結端部15、アウタブレード30の下流側接続端部32および下流側キャップ51の3者を周方向の4箇所でスポット溶接W3により結合する。
【0029】
(4) 図5(D)に示すように、上流側および下流側のジョイントパイプ40,41とインタロック管20のサブアッセンブリー体SAを、ベローズ管10内の所定位置に挿入した後、上流側ジョイントパイプ40および下流側ジョイントパイプ41を軸方向の2箇所P1,P2でそれぞれ拡径加工する(このとき、2箇所P1,P2の拡径加工は同時に行なっても、別々に行なってもよい)。これにより、インタロック管20の上流側および下流側の固定端部20u,20dも拡径加工される。
【0030】
(5) 図2に示すように、上流側ジョイントパイプ40、ベローズ管10の上流側連結端部14、アウタブレード30の上流側接続端部31および上流側キャップ50と、下流側ジョイントパイプ41、ベローズ管10の下流側連結端部15、アウタブレード30の下流側接続端部32および下流側キャップ51をそれぞれ全周溶接W4により結合する。
【0031】
以上により、フレキシブルチューブテーブルTfが完成する。
【0032】
そして、このフレキシブルチューブTfの上流側および下流側ジョイントパイプ40,41に、上、下流側排気管1、2を内側からそれぞれ嵌合してそれらを溶接W5により結合し、図1に示すように、排気系Exの、上流側排気管1と下流側排気管2との間にフレキシブルチューブTfが接続される。
【0033】
しかして、この第1実施例のフレキシブルチューブTfのインタロック管20は、その両端の固定端部20u,20dの径を、その軸方向中央寄りの径よりも大きく形成したので、これらの固定端部20u,20dの内周面に嵌合して固定される上流側と下流側のジョイントパイプ40,41の延出部40e,41eの径を小さくすることなく、軸方向中央寄りのインタロック管20の径を、インタロック管20の内周と前記延出部40e,41eの内径とが略同径になるまで小さくでき、前述の「つなぎ段差」を解消でき、その分ベローズ管10の外径も小さくできる。これにより、排気ガス通路を狭めることなく、フレキシブルチューブTfの小型化を図ることができ、その上、前記「つなぎ段差」の解消により、排気ガス通路を流れる排気ガスの流動抵抗を低減することができる。また、ベローズ管10の外径を小さくしても、拡径されたインタロック管20の固定端部20u,20dの外周面上に位置するベローズ部11の谷部13u,13dの深さDe,Deをこれよりも軸方向中央よりのベローズ部11の谷部13の深さDmよりも浅くしたので、ベローズ管10とインタロック管20との隙間をインタロック管20の全長に亘って確保でき、フレキシブルチューブTfの本来の振動吸収機能を高めることができる。
【0034】
つぎに、図6,7を参照して、本発明にかかるフレキシブルチューブTfの第2実施例について説明する。
【0035】
この第2実施例において、前記第1実施例と同じものには同じ符号が付される。
【0036】
この第2実施例では、インタロック管20は、その上流側固定端部20uの径を、それよりも軸方向中央寄りのインタロック管20の径よりも大きく形成する一方、その下流側固定端部20dの径を、それよりも軸方向中央寄りのインタロック管20の径と同じに形成される。また、上流側ジョイントパイプ40の延出部40eの径を、下流側ジョイントパイプ41の延出部41eの径よりも小さく形成し、上流側ジョイントパイプ40の延出部40eの外周面を、インタロック管20の上流側固定端部20uの内周面に嵌合して固定し、一方下流側ジョイントパイプ41の延出部41eの内周面を、インタロック管20の下流側固定端部20dの外周面に嵌合して固定する。そして、インタロック管20の両端の、上流側および下流側固定端部20u,20dの外周面上に位置するベローズ部11の上流側および下流側谷部13u,13dの深さDe,Deを、これよりも軸方向中央寄りのベローズ部11の谷部13の深さDmより浅く形成されている。
【0037】
つぎに、第2実施例のフレキシブルチューブTfの組付工程ついて説明するに、前記第1実施例の組立工程(1) 〜(5) の内、(4) の工程が、つぎの(4) ′に変更されるだけで、他の組付工程は前記第1実施例と同じである。
【0038】
(4) ′上流側および下流側のジョイントパイプ40,41とインタロック管20のサブアッセンブリーSAを、ベローズ管10内の所定位置に挿入した後、図7(D)に示すように、上流側ジョイントパイプ40を軸方向に2箇所で拡径加工する(このとき、2箇所の拡径加工は同時に行なっても、別々に行なってもよい)。これにより、インタロック管20の上流側も拡径加工される(図7参照)。
【0039】
しかして、この第2実施例によれば、上流側と下流側のジョイントパイプ40,41の延出部40e,41eをインタロック管20の両端の固定端部20u,20dに嵌合して固定するにあたり、インタロック管20の上流側固定端部20uの径を大きくして、上流側ジョイントパイプ40の延出部40eを、上流側固定端部20uの内周面に嵌合して固定し、下流側ジョイントパイプ41の延出部41eの径を大きくして、その延出部41eをインタロック管20の下流側固定端部20dの外周面に嵌合して固定したので、インタロック管20は、その上流側固定端部20uのみを拡径加工させるだけで、前記第1実施例と同じ作用効果が得られるだけでなく、前記第1実施例のものに比べてフレキシブルチューブTfの生産性に優れて、そのコストダウンが図れる。
【0040】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0041】
たとえば、前記実施例では、本発明フレキシブルチューブを自動車用エンジンEの排気系Exに実施した場合を説明したが、これを汎用など、他の用途のエンジンの排気系、その他の軸方向の振動を伴う配管に実施することができる。
【0042】
また、前記第2実施例において、インタロック管20は、その下流側固定端部20dの径を、それよりも軸方向中央寄りのインタロック管20の径よりも大きく形成する一方、その上流側固定端部20uの径を、それよりも軸方向中央寄りのインタロック管20の径と同じに形成し、下流側ジョイントパイプ41の延出部41eの径を、上流側ジョイントパイプ40の延出部40eの径よりも小さく形成し、下流側ジョイントパイプ41の延出部41eの外周面を、インタロック管20の下流側固定端部20dの内周面に嵌合して固定し、一方上流側ジョイントパイプ40の延出部40eの内周面を、インタロック管20の上流側固定端部20uの外周面に嵌合して固定してもよい。
【符号の説明】
【0043】
10・・・・ベローズ管
11・・・・ベローズ部
12・・・・山部
13・・・・谷部
13u・・・上流側谷部(上流側固定端部20u上の谷部)
13d・・・下流側谷部(下流側固定端部20d上の谷部)
14・・・・連結端部(上流側連結端部)
15・・・・連結端部(下流側連結端部)
20・・・・インタロック管
20u・・・上流側固定端部(一方の固定端部)
20d・・・下流側固定端部(他方の固定端部)
40・・・・上流側ジョイントパイプ
40e・・・上流側ジョイントパイプの延出部
41・・・・下流側ジョイントパイプ
41e・・・下流側ジョイントパイプの延出部
De・・・・ベローズ部の、インタロック管の固定端部上に位置する谷部の深さ
Dm・・・・ベローズ部の深さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のベローズ管(10)と、ベローズ管(10)の内側に配置される円筒状のインタロック管(20)と、ベローズ管(10)の両端の連結端部(14,15)に連結される上流側と下流側のジョイントパイプ(40,41)とを備え、
ベローズ管(10)は両端の連結端部(14,15)の間に山部(12)と谷部(13)とが軸方向に交互に形成されるベローズ部(11)を有し、上流側と下流側のジョイントパイプ(40,41)は、ベローズ管(10)との連結部から軸方向中央寄りに延出する延出部(40e,41e)がインタロック管(20)の両端の固定端部(20u,20d)に嵌合して固定される、フレキシブルチューブにおいて、
前記インタロック管(20)は、その両端の固定端部(20u,20d)の径を、その軸方向中央寄りの径よりも大径に形成し、前記固定端部(20u,20d)の内周面に、上流側と下流側のジョイントパイプ(40,41)の前記延出部(40e,41e)をそれぞれ嵌合して固定し、前記インタロック管(20)の両端の固定端部(20u,20d)の外周面上に位置する、前記ベローズ部(11)の谷部(13u,13d)の深さ(De,De)を、これよりも軸方向中央寄りのベローズ部(11)の谷部(13)の深さ(Dm)よりも浅くしたことを特徴とするフレキシブルチューブ。
【請求項2】
円筒状のベローズ管(10)と、ベローズ管(10)の内側に配置される円筒状のインタロック管(20)と、ベローズ管(10)の両端の連結端部(14,15)に連結される上流側と下流側のジョイントパイプ(40,41)とを備え、
ベローズ管(10)は両端の連結端部(14,15)の間に山部(12)と谷部(13)とが軸方向に交互に形成されるベローズ部(11)を有し、上流側と下流側のジョイントパイプ(40,41)は、ベローズ管(10)との連結部から軸方向中央寄りに延出する延出部(40e,41e)がインタロック管(20)の両端の固定端部(20u,20d)に嵌合して固定される、フレキシブルチューブにおいて、
前記インタロック管(20)は、その両端の固定端部(20u,20d)の内の一方の固定端部(20u)の径を、その軸方向中央寄りの径よりも大径に形成し、前記一方の固定端部(20u)の内周面に、上流側と下流側のジョイントパイプ(40,41)の内の一方のジョイントパイプ(40)の前記延出部(40e)を嵌合して固定し、上流側と下流側のジョイントパイプ(40,41)の内の他方のジョイントパイプ(41)の前記延出部(41e)の径を前記一方のジョイントパイプ(40)の前記延出部(40e)の径よりも大きく形成して、この他方のジョイントパイプ(41)の前記延出部(41e)を、インタロック管(20)の両端の固定端部(20u,20d)の内の他方の固定端部(20d)の外周面に嵌合して固定し、前記インタロック管(20)の両端の固定端部(20u,20d)の外周面上に位置する、前記ベローズ部(11)の谷部(13u,13d)の深さ(De,De)を、これよりも軸方向中央寄りのベローズ部(11)の谷部(13)の深さ(Dm)よりも浅くしたことを特徴とする、フレキシブルチューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−75046(P2011−75046A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228073(P2009−228073)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000175766)三恵技研工業株式会社 (50)
【Fターム(参考)】