説明

フレキシブルプリント基板及び電子機器

【課題】基板上の最も外側の配線に限らず、容易に信号配線の断線を検知できるフレキシブルプリント基板を提供する。
【解決手段】電気的に使用される信号配線37と、該信号配線37と絶縁されたダミー配線38とが基板34に形成されたフレキシブルプリント基板3において、ダミー配線38は信号配線37よりも曲げに対して断線しやすい構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント基板及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブルプリント基板上の配線パターンの断線は、目視では認識できない場合が多く、実際に機器を動作させて断線のチェックを行う必要があった。
【0003】
これに対し、例えば特許文献1には、フレキシブルプリント基板表面の長手方向に沿って互いに平行に伸延する銅箔等からなる複数の配線パターンのうち、最も外側の2本の配線パターンを断線検知専用の配線パターンとして使用し、それ以外の配線パターンを信号用の配線パターンとして使用するケーブルの断線検知装置が開示されている。かかる断線検知装置は、基板に形成された複数の配線パターンのうち最も外側の配線が断線し易いことに着目し、最も外側の配線を断線検知専用の配線パターンとして使用するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−211052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記断線検知装置にあっては、基板とともに配線が湾曲した状態で使用されるフレキシブルプリント基板においては、必ずしも最も外側の配線が最も断線し易いとは限らず、特に湾曲する部分においては、最も外側以外の配線も断線し易いという問題があった。
【0006】
そこで本発明の課題は、基板上の最も外側の配線に限らず、容易に信号配線の断線を検知できるフレキシブルプリント基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
電気的に使用される信号配線と、該信号配線と絶縁されたダミー配線とが基板に形成されたフレキシブルプリント基板において、
前記ダミー配線は前記信号配線よりも曲げに対して断線し易い構造であることを特徴とするフレキシブルプリント基板が提供される。
【0008】
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記ダミー配線はニッケル金メッキを含む。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記ニッケル金メッキはダミー配線に直接接触するニッケル層と該ニッケル層上に形成された金層とを含む。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記ニッケル金メッキはダミー配線に直接接触する金層と該金層上に形成されたニッケル層とを含む。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記信号配線に接続された端子は直金メッキを含む。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記ダミー配線及び前記信号配線はそれぞれ複数形成され、
前記複数のダミー配線間の距離が、前記複数の信号配線間の距離よりも小さい。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記ダミー配線は、前記基板上において前記信号配線の断線が生じ易い第一信号配線形成領域に隣接して形成される第一ダミー配線と、前記基板上において前記第一信号配線形成領域よりも前記信号配線の断線が生じにくい第二信号配線形成領域に隣接して形成される第二ダミー配線と、を有し、
前記第二ダミー配線は、前記第一ダミー配線よりも曲げに対して断線し易い構造である。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記第二ダミー配線は、前記第一ダミー配線よりも細く形成されている。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記第二ダミー配線が延設した方向と前記基板が湾曲される方向とがなす角は、前記第一ダミー配線が延設した方向と前記基板が湾曲される方向とがなす角よりも小さい。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記ダミー配線は、前記基板が湾曲される方向に交差する方向に沿って配置された複数の領域にそれぞれ形成され、
前記複数の領域の間にそれぞれ前記信号配線が配置され、
前記第一ダミー配線が前記複数の領域のうち一の領域に形成され、前記第二ダミー配線が前記複数の領域のうち他の領域に形成されている。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記ダミー配線は、前記基板が湾曲される方向に交差する方向に沿って配置された複数の領域にそれぞれ形成され、
前記複数の領域の間にそれぞれ前記信号配線が配置されている。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記複数の領域のそれぞれに前記ダミー配線が複数形成されている。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記ダミー配線と前記基板との視覚的な差異が、前記信号配線と前記基板との視覚的な差異よりも大きい。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、前記基板の前記信号配線が形成された部分が湾曲した状態となるとき、前記基板の前記ダミー配線が形成された部分も湾曲した状態となる。
上記フレキシブルプリント基板において、好ましくは、製造時又は使用時に湾曲される部分に前記ダミー配線が形成されている。
【0009】
また、本発明の他の態様によれば、
上記フレキシブルプリント基板と、電子機器本体部と、を備える電子機器であって、
前記基板の前記ダミー配線が形成された部分が湾曲した状態で、前記フレキシブルプリント基板が前記電子機器本体部に取り付けられていることを特徴とする電子機器が提供される。
【0010】
上記電子機器において、好ましくは、前記電子機器本体部は、前記フレキシブルプリント基板が接続された透明基板を有する表示パネル又はタッチパネルである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板上に信号配線よりも曲げに対して断線し易いダミー配線が設けられ、このダミー配線が断線しているか否かを確認することで信号配線の断線を容易に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係るフレキシブルプリント基板を備える電子機器の正面斜視図である。
【図2】電子機器の背面斜視図である。
【図3】フレキシブルプリント基板の正面図である。
【図4】出力端子、入力端子又はダミー配線が形成された部分のフレキシブルプリント基板の模式断面図である。
【図5】(a)は、出力端子又は入力端子が形成された部分における図4のVa部の拡大模式断面図、(b)は、ダミー配線が形成された部分における図4のVa部の拡大模式断面図である。
【図6】第2の実施形態に係るフレキシブルプリント基板の模式正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる各実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0014】
<第1の実施の形態>
図1は、電子機器100の正面斜視図であり、図2は、電子機器100の背面斜視図であり、図3は、湾曲されていない状態のフレキシブルプリント基板3を示した正面図である。図1及び図2に示すように電子機器100は、表示パネル(電子機器本体部)1、筺体2及びフレキシブルプリント基板3等を備えている。なお、図1及び図2においては、フレキシブルプリント基板3の信号配線37及び各種端子を省略して示している。
【0015】
表示パネル1は、第一透明基板4と第二透明基板5とが液晶層(図示省略)を介して対向配置されて構成される液晶表示パネルである。第一透明基板4と第二透明基板5の互いに向き合う内面には、第一と第二の透明電極(図示省略)が設けられている。第一と第二の透明電極は、電圧の印加により液晶層の液晶分子の配向状態を変化させて光の透過を制御する複数の画素をマトリクス状に形成している。また、観察側に位置する第二透明基板5の前面には偏光板6が貼り付けられている。後面側に位置する第一透明基板4には、第二透明基板5から張り出す張出部41が形成されている。張出部41上には透明電極間に駆動電圧を印加するための表示用駆動回路7が搭載されている。
【0016】
なお、表示パネル1は液晶表示パネルでなくともよく、EL(Electro Luminescence)表示パネル、PDP(Plasma Display Panel)表示パネル又はOLED(Organic light-Emitting Diode)表示パネル等であってもよい。また、電子機器100は、表示パネル1の代わりに静電容量方式を含む諸方式によるタッチパネルを備えていてもよい。
【0017】
筺体2は、表示パネル1を内側に収容する板状の略箱型部材である。筺体2は矩形板状の底板22と、該底板22の4つの辺部のうち張出部41に沿った一辺を除く残りの三辺から該底板22に対して立設された3つの側壁23a、23b及び23cとを有する。略矩形状の表示パネル1の4つの側面のうち張出部41に沿った一つの側面が筺体2に覆われずに露出するとともに、該一つの側面を除く残りの三つの側面が3つの側壁23a、23b及び23cにそれぞれ対向するように、筺体2内に表示パネル1が配置されている。表示パネル1の前面全体は筺体2に覆われずに露出している。
【0018】
フレキシブルプリント基板3は、電子機器100の前面の一部及び後面の一部に重なるように湾曲されて設けられている。即ちフレキシブルプリント基板3の一端部31が表示パネル1の張出部41上に接続され(図1参照)、フレキシブルプリント基板3の他端部32が筺体2の後面に配置されている(図2参照)。そしてフレキシブルプリント基板3の湾曲部分33が筺体2の底板22の側面の一部を覆っている。ここで、フレキシブルプリント基板3が湾曲されている方向をX方向とする。
【0019】
図3に示すように、フレキシブルプリント基板3は、可撓性を有する基板34上に、出力端子35、入力端子36、信号配線37、ダミー配線38及びその他の各種端子が設けられて構成されている。
基板34は、フレキシブルプリント基板3の本体部をなしている。この基板34上であってフレキシブルプリント基板3のX方向における一端部31側には出力端子35が形成され、X方向における他端部32側には入力端子36が形成されている。この出力端子35が張出部41上に形成された接続端子(図示省略)に接続されることで、フレキシブルプリント基板3の一端部31が固定されている。
そして基板34上に形成された信号配線37は、出力端子35、入力端子36その他の各種端子間を電気的に接続する配線パターンである。この出力端子35、入力端子36には直金メッキ56が施されている。
【0020】
また基板34上には、信号配線37が形成されていない複数の領域341〜344が設けられている。この領域341〜344は、図1及び図2に示すようにフレキシブルプリント基板3の湾曲部分33に位置し、X方向に略直交する方向に沿って配置されている。また、各領域341〜344の間には信号配線37が配置されている。
【0021】
ダミー配線38は、信号配線37と電気的に絶縁された配線パターンであり、基板34上の何れの端子にも接続されていない。したがってこのダミー配線38が断線してもフレキシブルプリント基板3の機能には何ら影響を及ぼさない。
かかるダミー配線38は、基板34の領域341〜344に複数本ずつ設けられ、X方向に沿って延設されている。また、ダミー配線38にはニッケル金メッキ57が施されており、このニッケル金メッキ57は信号配線37よりも曲げに対して断線し易い構造となっている。
【0022】
また、ダミー配線38の外観は、ダミー配線38と基板34との視覚的な差異が、信号配線37と基板34との視覚的な差異よりも大きくなるように形成されている。ここで視覚的な差異とは、明暗比(コントラスト)によるものであってもよいし色調の違いによるものであってもよい。これによりダミー配線38に断線が生じた場合に視認し易くなっている。
【0023】
ここでフレキシブルプリント基板3の領域341,344は、基板34上において信号配線37が断線し易い箇所(第一信号配線形成領域)に隣接しているものとし、領域342,343は、基板34上において信号配線37が断線しにくい箇所(第二信号配線形成領域)に隣接しているものとする。領域341,344には幅が太い第一ダミー配線381,384が形成され、領域342,343には幅が細い第二ダミー配線382,383が形成されている。幅が細いほどダミー配線38は曲げに対して断線し易いため、第二ダミー配線382,383は第一ダミー配線381,384よりも断線し易い構造となっている。ダミー配線の幅とは、該ダミー配線が延設された方向に対して直交する方向に沿った長さのことをいう。
【0024】
図4は、出力端子35、入力端子36又はダミー配線38が形成された部分のフレキシブルプリント基板3の断面図であり、図5(a)は、出力端子35又は入力端子36が形成された部分における図4のVa部の拡大断面図、図5(b)は、ダミー配線38が形成された部分における図4のVa部の拡大断面図である。
フレキシブルプリント基板3はポリイミドからなるベース材51の両面に接着剤52A,52Bを介して形成された銅箔53A,53Bがパターニングされることによって、信号配線37とダミー配線38とが設けられている。また銅箔53A,53B及びベース材51を覆い、且つ、銅箔53A,53Bのうち出力端子35、入力端子36及びダミー配線38となる部分において銅箔53A,53Bを露出するように、カバーレイ55A,55Bが接着剤54A,54Bを介して設けられている。
カバーレイ55Aから露出した銅箔53Aのうち、出力端子35及び入力端子36に対応する部分には銅箔53Aに直接接触するように直金メッキ56が施されており、カバーレイ55Aから露出した銅箔53Aのうち、ダミー配線38に対応する部分には銅箔53Aに直接接触するようにニッケル金メッキ57が施されている。ニッケル金メッキ57は、ニッケル層57aが銅箔53Aに直接接触するように設けても良いし、金層57bが銅箔53Aに直接接触するように設けても良い。
【0025】
この直金メッキ56及びニッケル金メッキ57の形成方法について以下に述べる。
カバーレイ55Aから露出した銅箔53Aのうち、出力端子35及び入力端子36に対応する部分を覆い、且つ、ダミー配線38に対応する部分を露出するマスク(不図示)を形成した状態で、電解メッキ法によりニッケル層57aを形成する。次いで、出力端子35、入力端子36及びダミー配線38に対応する部分を露出するマスク(不図示)が形成された状態で、電解メッキ法により金層57bを形成する。これにより、カバーレイ55Aから露出した銅箔53Aのうち、出力端子35及び入力端子36に対応する部分には銅箔53Aに直接接触するように直金メッキ56が施され、ダミー配線38に対応する部分には銅箔53Aに直接接触するようにニッケル金メッキ57が施された状態となる。この方法により、銅箔53A側から順にニッケル層57a、金層57bが形成されたニッケル金メッキ57が形成される。
なお、カバーレイ55Aから露出した銅箔53Aのうち、出力端子35、入力端子36及びダミー配線38に対応する部分を露出するマスク(不図示)が形成された状態で、電解メッキ法により金層57bを形成し、次いで、出力端子35及び入力端子36に対応する部分を覆い、且つ、ダミー配線38に対応する部分を露出するマスク(不図示)を形成した状態で、電解メッキ法によりニッケル層57aを形成することにより、銅箔53A側から順に金層57b、ニッケル層57aが形成されたニッケル金メッキ57を形成しても良い。
【0026】
以上、本実施形態によれば、フレキシブルプリント基板3の湾曲される部分に、ダミー配線38が形成されており、そのダミー配線38にはニッケル金メッキ57が施されていることにより直金メッキ56が施された信号配線37よりも曲げに対して断線し易い構造になっている。これにより信号配線37に断線が生じるよりも先にダミー配線38に断線が生じ、このダミー配線38が断線しているか否かを確認することにより信号配線37が断線しているか否かを容易に検知することができる。
また、ダミー配線38と基板34との視覚的な差異が、信号配線37と基板34との視覚的な差異よりも大きくなっているので、ダミー配線38に断線が生じた際に視認し易くなっている。
更に、本実施形態によれば、基板34上において信号配線37の断線が生じ易い箇所に隣接して幅が太い第一ダミー配線381,384が配置され、信号配線37の断線か生じにくい箇所に隣接して幅が細い第二ダミー配線382,383が配置されている。ここでダミー配線38は幅が細いほど曲げに対して断線し易く、幅が太いほど断線しにくい。したがってダミー配線38の幅の大きさを調節することにより、ダミー配線38の曲げに対する強度を調節することができ、基板34上の断線し易い箇所と断線しにくい箇所とで断線検知能を均一にすることができる。
【0027】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態について図6を参照して説明する。第1の実施の形態に対応する部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0028】
図6は、第2の実施形態に係るフレキシブルプリント基板3aの一部を模式的に示した正面図である。
第2の実施形態におけるフレキシブルプリント基板3aにおいては、各領域341〜344に形成された複数のダミー配線38aの幅が均一であり、且つそれぞれX方向に対して傾斜して延設されている。そしてこの複数のダミー配線38aはその形成される領域によってその傾斜度が異なっている。即ち、基板34a上において信号配線37が断線し易い箇所に隣接する領域341,344には、傾斜度の大きい第一ダミー配線381a,384aが形成されている。また、信号配線37が断線しにくい箇所に隣接する領域342,343には、傾斜度の小さい第二ダミー配線382a,383aが形成されている。X方向に対する傾斜度が小さいほどダミー配線38は曲げに対して断線し易いため、第二ダミー配線382a,383aは第一ダミー配線381a,384aよりも断線し易い構造となっている。
なお、第二ダミー配線382a,383aはX方向に対して傾斜していなくてもよく、X方向に対して平行に延設されていてもよい。即ち、第二ダミー配線382a,383aが延在した方向とフレキシブルプリント基板3aが湾曲される方向Xとがなす角が、第一ダミー配線381a,384aが延在した方向とフレキシブルプリント基板3aが湾曲される方向とがなす角よりも小さいことが好ましい。
【0029】
また、各領域341〜344に形成されている複数のダミー配線38a間の距離は、複数の信号配線37間の距離よりも小さくなっている。つまり複数のダミー配線38aは密に配置されている。
【0030】
以上、第2の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と同様の作用効果を奏するとともに以下の作用効果を奏する。
本実施形態によれば、基板34a上において信号配線37の断線が生じ易い箇所の近傍に、X方向に対する傾斜度の大きい第一ダミー配線381a,384aが配置され、信号配線37の断線が生じにくい箇所の近傍に、X方向に対する傾斜度の小さい第二ダミー配線382a,383aが配置されている。ダミー配線38aはX方向に対する傾斜度が小さいほどX方向の曲げに対して断線し易く、X方向に対する傾斜度が大きいほどX方向の曲げに対して断線しにくい。したがってダミー配線38aが延設される方向のX方向に対する傾斜度を調節することにより、ダミー配線38aの曲げに対する強度を調節することができ、基板34a上の断線し易い箇所と断線しにくい箇所とで断線検知能を均一にすることができる。
また、複数のダミー配線38aが密に配置されていることにより、ダミー配線38aに断線が生じた場合には複数のダミー配線38aに同時に断線が生じる。これによりその断線箇所がライン状になり、断線の発生がより検知し易い。
【0031】
なお、上記各実施形態においては、フレキシブルプリント基板において使用時に湾曲される部分(湾曲部分33)にダミー配線が設けられるものとしたが、製造時に湾曲される部分にダミー配線が設けられるものとしてもよい。ここで製造時とは、フレキシブルプリント基板自体の製造工程中又はフレキシブルプリント基板を備えた電子機器の製造工程中を意味するものとする。
また、フレキシブルプリント基板3の領域341〜344は、X方向に必ずしも直交する方向ではなく、X方向に斜めに交差する方向に沿って配置されていてもよい。更に、ダミー配線38は、基板34の領域341〜344に必ずしも複数本ずつではなく、基板34の領域341〜344のうちいずれかにおいて1本だけ設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 表示パネル(電子機器本体部)
2 筺体
3 フレキシブルプリント基板
4 第一透明基板
5 第二透明基板
35 出力端子(端子)
36 入力端子(端子)
37 信号配線
38 ダミー配線
56 直金メッキ
57 ニッケル金メッキ
57a ニッケル層
57b 金層
100 電子機器
381,381a 第一ダミー配線
382,382a 第二ダミー配線
383,383a 第一ダミー配線
384,384a 第二ダミー配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に使用される信号配線と、該信号配線と絶縁されたダミー配線とが基板に形成されたフレキシブルプリント基板において、
前記ダミー配線は前記信号配線よりも曲げに対して断線し易い構造であることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
【請求項2】
前記ダミー配線はニッケル金メッキを含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項3】
前記ニッケル金メッキはダミー配線に直接接触するニッケル層と該ニッケル層上に形成された金層とを含むことを特徴とする請求項2に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項4】
前記ニッケル金メッキはダミー配線に直接接触する金層と該金層上に形成されたニッケル層とを含むことを特徴とする請求項2に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項5】
前記信号配線に接続された端子は直金メッキを含むことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項6】
前記ダミー配線及び前記信号配線はそれぞれ複数形成され、
前記複数のダミー配線間の距離が、前記複数の信号配線間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項7】
前記ダミー配線は、前記基板上において前記信号配線の断線が生じ易い第一信号配線形成領域に隣接して形成される第一ダミー配線と、前記基板上において前記第一信号配線形成領域よりも前記信号配線の断線が生じにくい第二信号配線形成領域に隣接して形成される第二ダミー配線と、を有し、
前記第二ダミー配線は、前記第一ダミー配線よりも曲げに対して断線し易い構造であることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項8】
前記第二ダミー配線は、前記第一ダミー配線よりも細く形成されていることを特徴とする請求項7に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項9】
前記第二ダミー配線が延設した方向と前記基板が湾曲される方向とがなす角は、前記第一ダミー配線が延設した方向と前記基板が湾曲される方向とがなす角よりも小さいことを特徴とする請求項5又は6に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項10】
前記ダミー配線は、前記基板が湾曲される方向に交差する方向に沿って配置された複数の領域にそれぞれ形成され、
前記複数の領域の間にそれぞれ前記信号配線が配置され、
前記第一ダミー配線が前記複数の領域のうち一の領域に形成され、前記第二ダミー配線が前記複数の領域のうち他の領域に形成されていることを特徴とする請求項7から9の何れか一項に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項11】
前記ダミー配線は、前記基板が湾曲される方向に交差する方向に沿って配置された複数の領域にそれぞれ形成され、
前記複数の領域の間にそれぞれ前記信号配線が配置されていることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項12】
前記複数の領域のそれぞれに前記ダミー配線が複数形成されていることを特徴とする請求項10又は11に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項13】
前記ダミー配線と前記基板との視覚的な差異が、前記信号配線と前記基板との視覚的な差異よりも大きいことを特徴とする請求項1から12の何れか一項に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項14】
前記基板の前記信号配線が形成された部分が湾曲した状態となるとき、前記基板の前記ダミー配線が形成された部分も湾曲した状態となることを特徴とする請求項1から13の何れか一項に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項15】
製造時又は使用時に湾曲される部分に前記ダミー配線が形成されていることを特徴とする請求項1から14の何れか一項に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項16】
請求項1〜15の何れか一項に記載のフレキシブルプリント基板と、電子機器本体部と、を備える電子機器であって、
前記基板の前記ダミー配線が形成された部分が湾曲した状態で、前記フレキシブルプリント基板が前記電子機器本体部に取り付けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項17】
前記電子機器本体部は、前記フレキシブルプリント基板が接続された透明基板を有する表示パネル又はタッチパネルであることを特徴とする請求項16に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−33670(P2012−33670A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171420(P2010−171420)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】