説明

フレキソ印刷用感光性構成体

支持体(A)、接着剤層(B)、及び該接着剤層(B)と異なる感光性樹脂層(C)を積層してなるフレキソ印刷用感光性構成体であって、該接着剤層(B)が少なくとも1種類のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとから得られる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物(b)、及び少なくとも1種類の重合開始剤(c)を含有する接着剤層(B)であって、該エチレン性不飽和化合物(b)が少なくとも1種類の、分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)をフレキソ印刷用感光性構成体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による取り込み
本出願は、2003年5月15日に出願された日本特許出願第2003−146713号に基づく優先権を主張するものであり、その内容を参照することにより本出願に取り込むものである。
【0002】
技術分野
本発明は、フレキソ印刷版の製版に用いられるフレキソ印刷用感光性構成体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的なフレキソ印刷用感光性構成体は支持体としてポリエステルフィルムを使用し、その上に感光性樹脂を積層した構成となっている。フレキソ印刷用感光性構成体を製版する方法は、透明画像担体(ネガフィルム)を通して感光性樹脂の面に画像露光(レリーフ露光)を行った後、未露光部分を現像用溶剤で洗い流して、所望の画像、即ちレリーフ画像を形成し、印刷版を得るという手順を採っている。更には、まず支持体を通して感光性樹脂の全面に紫外線露光を行い(バック露光)、薄い均一な硬化層を設けた後、ネガフィルムを通してレリーフ露光を行うことも行われている。フレキソ印刷版の一般的な厚みは0.5〜10mmであり、版の厚みは被印刷体や印刷機の設定によって、適した厚みが選択される。
【0004】
得られたフレキソ印刷版は印刷機の版胴に両面テープなどで固定され、使用されるが、印刷の際に印刷版に版胴と圧胴の間でせん断応力が生じる。このせん断応力により印刷版が支持体から剥離してしまうと印刷を中断しなければならないなどのトラブルが生じる。また、印刷終了後に版胴から印刷版を剥がすときに感光性樹脂を引っ張ることにより版胴から剥離されることがあり、その場合には感光性樹脂と支持体に応力がかかる。このとき支持体と感光性樹脂層が剥離すると、印刷版を再利用することができないため、改めて印刷版を作成しなければならなくなってしまう。
【0005】
このような観点から支持体であるポリエステルフィルムと感光性樹脂は強固に接着している必要があり、その接着力は180°の剥離角度で、支持体と感光性樹脂を強制剥離させた場合、5.9N/cm以上であることが好ましい。更には、印刷版の再利用の観点から、感光性樹脂を製版後、エージングさせた場合でも5.9N/cm以上の接着力が保持されていることがより好ましい。
【0006】
このような観点から支持体と感光性樹脂層の間に接着剤層を設けることが、例えば、特許文献1(特開2000−155410号公報)及び特許文献2(特開2001−264959号公報)の各公報で提案されている。しかし、これらの公報では感光性樹脂層に含まれるエチレン性不飽和化合物の不飽和結合数の制限があり、各公報に記載のエチレン性不飽和化合物を含まない感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層について良好な接着力を示す接着剤層は述べられていない。
【0007】
また、特許文献3(特開平4−204447号公報)では、接着剤処理を施した支持体上に光硬化させたインキ洗い油に対する障害層を設けた感光性樹脂凸版材が提案されている。しかしながら、この場合には接着剤層を設け、更に障害層を設けるため、感光性樹脂版材を作成する工程が複雑になってしまう。
フレキソ印刷用版材として、特許文献4(特開平1−296252号公報)では、支持体と接着剤層の間に下地層を介在させることが提案されている。この場合でも支持体上には下地層と接着剤層の二層が積層されることになり、フレキソ印刷用版材を作成する工程が複雑になる。
【0008】
特許文献5(特開平2−8849号公報)及び特許文献6(特開平2−8851号公報)の各公報では支持体上に少なくとも1層の中間層、更にその上に感光性レリーフ層を設けてなる印刷版が提案されている。これらの公報では中間層に用いるバインダーとしてポリビニルアルコールやポリアミドを示しているが、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる熱可塑性エラストマーについては記載がされていない。
【0009】
また、特許文献6では、中間層に特定の化合物を含ませることが記載されているが、その特定化合物は単官能性であり、多官能化合物については記載されていない。更には、その発明の効果として、改善された接着性や現像材についての改善については述べられているが、印刷版として使用されるときに求められるインキ溶剤への耐性については記載がない。
【0010】
また、フレキソ印刷版の製造で発生するロス品の再利用に関する方法が特許文献7(特開平6−214378号公報)にて提案されている。この公報では支持体から記録層を分離する段階と、必要に応じて記録層を微粉砕する段階、微粉砕材料を合成樹脂混合物に添加する段階からなる再利用が述べられている。しかしながら、この再利用は工程数が多く、複雑になってしまうことがあった。
【0011】
上述したように、接着力が良好であり、製造効率に優れ、製造工程にて発生するロス品を簡便に再利用可能なフレキソ印刷用感光性構成体は見出されていないのが現状であった。
【特許文献1】特開2000−155410号公報
【特許文献2】特開2001−264959号公報
【特許文献3】特開平4−204447号公報
【特許文献4】特開平1−296252号公報
【特許文献5】特開平2−8849号公報
【特許文献6】特開平2−8851号公報
【特許文献7】特開平6−214378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、接着力が良好で、製造効率に優れ、製造工程にて発生するロス品を簡便に再利用可能なフレキソ印刷用感光性構成体を提供することである。本発明の更なる目的は、経時での接着力の安定性に優れ、版内での接着力に斑がなく、インキ溶剤への耐性に優れた接着剤層を有するフレキソ印刷用感光性構成体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記の課題について鋭意検討した結果、接着剤層を工夫することにより上記課題を解決し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)支持体(A)、接着剤層(B)、及び該接着剤層(B)と異なる感光性樹脂層(C)を積層してなるフレキソ印刷用感光性構成体であって、該接着剤層(B)が少なくとも1種類のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとから得られる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物(b)、及び少なくとも1種類の重合開始剤(c)を含有する接着剤層(B)であって、該エチレン性不飽和化合物(b)が少なくとも1種類の、分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)を含むフレキソ印刷用感光性構成体。
(2)前記エチレン性不飽和化合物(b)中の分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)が、2つ以上のエチレン性不飽和基を有する(1)に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
(3)前記エチレン性不飽和化合物(b)中の分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)が、ビスフェノール骨格を有する(1)又は(2)に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
(4)前記エチレン性不飽和化合物(b)が分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)と、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上有するポリエステル(メタ)アクレリート(ii)とを含む(1)〜(3)のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
(5)前記エチレン性不飽和化合物(b)が分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)と、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上有するポリエステル(メタ)アクレリート(ii)とを含み、(i):(ii)の重量比が0.01:1〜10:1である(1)〜(4)のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
(6)前記接着剤層(B)の厚みが、0.0001〜1mmである(1)〜(5)のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
(7)前記感光性樹脂層(C)が、少なくとも1種類のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとから得られる熱可塑性エラストマー、少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物、及び少なくとも1種類の光重合開始剤との混合物である(1)〜(6)のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
(8)接着剤層(B)の前記熱可塑性エラストマー(a)がスチレン−ブタジエンブロック共重合体及び/又はスチレン−イソプレンブロック共重合体を含む(1)〜(7)のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
(9)前記接着剤層(B)が、熱エネルギー及び/又は光エネルギーによって一部又は完全に重合されている(1)〜(8)のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
(10)前記接着剤層(B)が、回収された感光性樹脂組成物を含む(1)〜(9)のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
(11)前記支持体(A)が、前記接着剤層(B)を積層する面に下引き層を少なくとも1層有する(1)〜(10)のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
(12)前記支持体(A)が、少なくとも1層の下引き層を有し、該下引き層が(メタ)アクリレートの重合物又はその共重合体を主成分とする組成物、芳香環を含むポリイソシアネートとポリオールとから得られる芳香族ポリウレタン樹脂を主成分とする組成物、及びその両方を主成分とする組成物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む(1)〜(11)のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
(13)支持体(A)、接着剤層(B)、及び接着剤層(B)と異なる感光性樹脂層(C)を積層してなるフレキソ印刷用感光性構成体であって、該接着剤層(B)が少なくとも1種類のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとから得られる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物(b)、及び少なくとも1種類の重合開始剤(c)を含有する接着剤層(B)であって、該エチレン性不飽和化合物(b)が少なくとも1種類の、分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)を含むフレキソ印刷用感光性構成体の製造方法であって、該支持体(A)、該接着剤(B)、及び感光性樹脂層(C)を順に積層することを含む上記方法。
(14)熱又は光によって一部又は完全に重合させた接着剤層(B)を積層することを含む(13)に記載の方法。
(15)前記支持体(A)が、少なくとも1層の下引き層を有し、下引き層が(メタ)アクリレートの重合物又はその共重合体を主成分とする組成物、芳香環を含むポリイソシアネートとポリオールとから得られる芳香族ポリウレタン樹脂を主成分とする組成物、及びその両方を主成分とする組成物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む(13)〜(14)のいずれかに記載の方法。
(16)支持体(A)上に接着剤層(B)を設けてなるフレキソ印刷用感光性構成体用の支持基材であって、該接着剤層(B)が少なくとも1種類のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとから得られる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物(b)、及び少なくとも1種類の重合開始剤(c)を含有する接着剤層(B)であって、該エチレン性不飽和化合物(b)が少なくとも1種類の分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)を含む上記支持基材。
(17)前記接着剤層(B)が、熱エネルギー及び/又は光エネルギーによって一部又は完全に重合されている(16)に記載の支持基材。
(18)前記支持体(A)が、接着剤層(B)を積層する面に下引き層を少なくとも1層有する(16)〜(17)のいずれかに記載の支持基材。
本発明によれば、接着力が良好で、製造効率に優れ、製造工程にて発生するロス品を簡便に再利用可能なフレキソ印刷用感光性構成体を提供するという効果を有する。更には経時での接着力の安定性に優れ、版内での接着力に斑がなく、インキ溶剤への耐性に優れた接着剤層を有するフレキソ印刷用感光性構成体を提供するという効果も有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明について、特にその好ましい形態を中心に、以下具体的に説明する。
本発明に使用される支持体(A)としては、公知の支持体が使用でき、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドシート、金属板などを使用できる。好ましくは、厚みが75〜300μmの範囲を持つ寸法安定なポリエステルフィルムを用いる。このようなポリエステルフィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなど、あらゆる芳香族ポリエステルフィルムを挙げることができる。また、接着剤層と支持体であるポリエステルフィルムとの間に更に高い接着力を得るために、少なくとも1層以上の下引き層を設けることが更に好ましい。
【0015】
ポリエステルフィルムには接着性を向上させる目的で塗布される層(下引き層)があり、この下引き層は通常0.001〜1μm程度の厚みで塗布により設けられる。下引き層を有するポリエステルフィルムは、二軸延伸フィルムを製造する工程で下引き層成分を塗布する、いわゆるインライン工程で製造されることが好ましい。
これら下引き層の有無については、赤外線吸収スペクトル測定や電子分光法による測定などの公知技術によって調べることができる。更には支持体にイオンビームを照射し、支持体表面を分解し、その分解物を調べることによっても、下引き層の有無を調べることができる。
【0016】
このような下引き層を有するフィルムは市販されており、本発明でも使用できる。このような下引き層を有するポリエステルフィルムの例としては、東レ株式会社製の「ルミラーT90番」(商標)シリーズや、東洋紡株式会社製「コスモシャインA4000番」(商標)シリーズや帝人株式会社の「テトロンHPE、SG2」(商標)、デュポン株式会社の「メリネックス700番」(商標)シリーズなどが挙げられる。
【0017】
より良好な接着を得るという観点からは、下引き層を構成する主成分としては(メタ)アクリレートの重合物であることが好ましい。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの重合物やその共重合物が用いられる。また、必要に応じて、これらの(共)重合物は、(メタ)アクリル酸やスチレン、アクリロニトリル、塩化ビニルなどと共重合させて使用することもできる。
【0018】
その他の下引き層の成分は、ウレタン結合を有することが好ましく、1つ以上の芳香環を有するイソシアネート化合物から得られるウレタン結合を有することが更に好ましい。このような化合物としては、例えば、以下の活性水素を有する化合物とイソシアネート基を有する化合物との反応物を挙げることができる。活性水素を有する成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、又はそれらのポリエーテルからなるポリエーテルジオールなどのジオール類などがある。更にはポリエステル化合物も活性水素を有することができるため、ウレタン結合を生成することができる。例えば、ポリエステル化合物の、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸など、アルコール成分としてはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、それらのポリエーテルポリオール化合物などを挙げることができる。これらのジカルボン酸成分とアルコール成分(ジオール、ポリオール)の縮合物を使用することができる。ポリイソシアネートとしてはトルエンジイソシアネートや4,4−ジフェニレンメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネートを挙げることができる。
【0019】
本発明で使用される接着剤層(B)は、少なくとも1種類のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとから得られる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物(b)、及び少なくとも1種類の重合開始剤(c)を含有する接着剤層(B)であって、エチレン性不飽和化合物(b)が少なくとも1種類の、分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)を含むことが必要である。
【0020】
熱可塑性エラストマー(a)は、一般的に使用されている、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンモノマーとの重合物を使用できる。該モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどが、また、共役ジエンモノマーとしてはブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。熱可塑性エラストマー(a)としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体などが挙げられる。熱可塑性エラストマー(a)としては、これらブロック共重合体を単独でも使用しても、又は組み合わせて使用してもよい。
【0021】
接着力の観点から、熱可塑性エラストマー(a)は接着剤層に対して、20重量%以上であることが好ましく、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは40重量%以上である。
接着剤層(B)中のエチレン性不飽和化合物(b)の量は、接着剤層(B)に対して1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%が好ましい。そのエチレン性不飽和化合物(b)の分子量は5000未満、より好ましくは3000以下である。
【0022】
エチレン性不飽和化合物(b)は分子内に芳香環、水酸基又はその両方を有する(メタ)アクリレート(i)を含むことが必要である。
本発明の芳香環とは化学大辞典(株式会社東京化学同人発行、1989年)に記述されている、芳香族に属する環の総称を示す。また、水酸基も化学大辞典(株式会社東京化学同人発行、1989年)に記述されている、ヒドロキシル基を示す。
【0023】
1つ以上の芳香環を含む(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、安息香酸と(メタ)アクリル酸と他アルコールのエステル化合物、(メタ)アクリレートのビスフェノールAの付加物を挙げることができる。
本発明で使用される1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0024】
1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を含む(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジルエーテル類の(メタ)アクリル酸の付加物などを挙げることができる。
接着力の観点から、また、インキ溶剤に対する耐性やエージングしたときの安定性の点から、分子内に芳香環、水酸基又はその両方を有する(メタ)アクリレート(i)は2つ以上のエチレン性不飽和基を有していることが好ましい。
【0025】
また、接着力の観点から、分子内に芳香環、水酸基又はその両方を有する(メタ)アクリレート(i)はビスフェノール骨格を有していることも好ましい。本発明のビスフェノール骨格とは、日刊工業新聞社「プラスチック材料講座5 ポリカーボネート樹脂」(松金幹夫、田原省吾、加藤修士著、昭和44年発行)に記載されているように、芳香族ジオキシ化合物である。この骨格は、下式(1)で表される化合物から合成により得ることができ、下式(2)で表される骨格である。

R’、R’’:水素、炭素数1〜12のアルカン(シクロアルカンを含む)、炭素数6〜12の芳香環
X、Y:水素、炭素数1〜6のアルカン(シクロアルカンを含む)、ハロゲン

R’、R’’:水素、炭素数1〜12のアルカン(シクロアルカンを含む)、炭素数6〜12の芳香環
X、Y:水素、炭素数1〜6のアルカン(シクロアルカンを含む)、ハロゲン
【0026】
このようなビスフェノール骨格を有する化合物として、例えば、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物ジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0027】
エチレン性不飽和化合物(b)として、接着力の観点から、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上有するポリエステル(メタ)アクリレート(ii)を含むことが好ましい。例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートや1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
組み合わせて使用することで、接着剤層と支持体、接着剤層と感光性樹脂層の接着力を飛躍的に向上させることが可能である。
【0028】
エチレン性不飽和化合物化合物(b)の分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上有するポリエステル(メタ)アクリレート(i)と分子内に芳香環、水酸基又はその両方を有する(メタ)アクリレート(ii)との重量比(i):(ii)は、0.01:1〜10:1であり、好ましくは0.01:1〜8:1であり、より好ましくは0.01:1〜6:1である。
【0029】
接着力の観点から、分子内に芳香環、水酸基、又はその両方を有する(メタ)アクリレート(i)は2つ以上のエチレン性不飽和基を有していることが好ましい。この場合、エチレン性不飽和結合を2つ以上有するポリエステル(メタ)アクリレート(ii)と分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)の両方の性質を満たすことができる。また、接着剤層の物性の観点から、分子内に芳香環、水酸基又はその両方を有する(メタ)アクリレートが、2つ以上のエチレン性不飽和基を有している場合でも、更に芳香環も水酸基も有しない2つ以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和化合物を追加することが好ましい。
【0030】
接着剤層(B)には重合開始剤(c)を含ませることが必要である。重合開始剤としては光重合開始剤、熱重合開始剤を使用することができる。これら重合開始剤は公知の重合開始剤を使用することができる。生産性や取り扱い上の観点から重合開始剤は光重合開始剤を使用することが好ましい。
このような光重合開始剤は感光材樹脂組成物に一般的に使用されている光重合開始剤を使用することができる。このような光重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類やベンゾイルエーテル類などの公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノンなどの中から選択して使用することができ、それらを組み合わせて使用することもできる。紫外線に対する感度の観点から、光重合開始剤は接着剤層全体の重量に基づいて、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.1〜8重量%である。
【0031】
その他にも接着剤層には、可塑剤、増感剤、熱重合禁止剤、着色材、染料、顔料、フィラー、親水性共重合体を添加することができる。
本発明で使用される感光性樹脂層(C)は接着剤層(B)と異なることが必要である。感光性樹脂層(C)が接着剤層(B)中の熱可塑性エラストマー(a)と異なるバインダーを含む場合や、その添加量が異なる場合も、接着剤層(B)と感光性樹脂層(C)は異なっているとする。更に、本発明では、接着剤層(B)及び感光性樹脂層(C)成分の、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤の添加種や添加量が異なっている場合も、接着剤層(B)と感光性樹脂層(C)が異なることこととする。添加量は0.01重量%以上異なる場合を異なる組成物とする。その他にも接着剤層に含まれる可塑剤、増感剤、熱重合禁止剤、着色材、染料、顔料、フィラー、親水性共重合体の有無や添加種、添加量が異なる場合には組成が異なるとする。
【0032】
本発明で使用される感光性樹脂層(C)としては公知の感光性樹脂組成を使用することができる。
印刷品質や取り扱いの観点から、感光性樹脂層に使用される感光性樹脂組成物としては、感光性樹脂層(C)が少なくとも1種類のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとからなる熱可塑性エラストマー、少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物、及び少なくとも1種類の光重合開始剤の混合物であることが好ましい。
【0033】
本発明に使用される熱可塑性エラストマーは一般的に使用されている、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンモノマーとの重合物を用いることができる。該モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどが、また共役ジエンモノマーとしてはブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。熱可塑性エラストマーの代表的な例としてはスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などが挙げられる。
印刷版として必要な機械的物性を得るためには、分子量が5000以上、更には10000以上、より好ましくは20000以上を有する熱可塑性エラストマーを、感光性樹脂全体の重量に基づいて、好ましくは50重量%以上、より好ましくは50〜85重量%の量で用いる。
【0034】
エチレン性不飽和化合物としては一般的に感光性組成物に使用されているモノマーを使用することができる。例えば、t−ブチルアルコールやラウリルアルコールなどのアルコールとアクリル酸のエステル、ラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミドなどのマレイミド誘導体、ジオクチルフマレートなどのアルコールのフマル酸エステル、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ノナンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロール(メタ)アクリレートなどの多価アルコールとアクリル酸若しくはメタクリル酸とのエステルなどを単独で又は組み合わせて感光性樹脂組成中に使用することができる。
エチレン性不飽和化合物の量は、感光性樹脂の紫外線に対する反応性に関する点から、感光性樹脂全体の重量に基づいて、1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%であり、そのエチレン性不飽和化合物の分子量は5000未満が好ましく、より好ましくは3000以下である。
【0035】
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類やベンゾイルエーテル類などの公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノンなどの中から選択して使用することができ、それらを組み合わせても使用できる。
【0036】
紫外線に対する感度の点から、光重合開始剤の量は感光性樹脂全体の重量に基づいて、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.1〜8重量%である。
更に、感光性樹脂には必要に応じて、可塑剤、増感剤、熱重合禁止剤、着色剤、染料、含量、フィラー、親水性共重合体などを添加することができる。
【0037】
上述した感光性樹脂組成物は接着剤層成分としても使用することができる。感光性樹脂組成物に、エチレン性不飽和化合物(b)として、分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)を含んでいる場合には、その感光性樹脂組成物を接着剤層とすることができ、含まれない場合には分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)を添加することで接着剤層とすることができる。この場合に使用される感光性樹脂層は、例えば、製造工程で生じることもある、ロス品などを使用することができ、この場合、ロス品をリサイクルすることが可能となるため、好ましい。
【0038】
本発明の回収とは、製造工程で生じることもあるロス品を再利用することを意味する。回収された感光性樹脂とは、少なくとも1回は感光性樹脂層として製造された感光性樹脂組成を再利用するときに、その再利用された感光性樹脂を言う。
本発明の接着剤層(B)及び感光性樹脂層(C)は様々な方法で調製することができる。例えば、熱可塑性エラストマー、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤などを適当な溶媒、例えば、クロロホルム、トルエンなどに溶解させて混合し、型枠の中に流延し、溶媒を蒸発させることで得ることができる。その他にもニーダーやロールで混練し、押し出し機、射出成形機、プレスなどにより、希望の厚みにすることができる。支持体(A)、接着剤層(B)、及び感光性樹脂層(C)を順に積層することによって、感光性構成体を得ることができる。
更には、接着剤層(B)を支持体(A)に積層させ、接着剤層(B)を有する支持体(A)を感光性樹脂層(C)と貼り合わせることによっても感光性構成体を得ることができる。
【0039】
接着剤層(B)は熱可塑性エラストマー(a)、エチレン性不飽和化合物(b)、光重合開始剤(c)などを適当な溶媒、例えば、トルエン、酢酸エチルなどに溶解させた後、支持体(A)にコーティングすることによっても作成できる。コーティング方法は公知の方法を使用することができ、例えば、バーコーターやグラビアコーターなどを用いることができる。
【0040】
接着剤層(B)を支持体(A)に積層させた後、感光性樹脂層(C)と貼り合わせるとき、接着剤層(B)を、一部又は完全に重合させることが接着力の観点から好ましい。生産効率の観点から、重合方法は光重合によることが好ましく、光重合させる方法や光重合させる時期は限定されない。例えば、接着剤層(B)を塗布した支持体(A)に紫外線を照射し、重合反応を実施した後、感光性樹脂層(C)と貼り合わせることもできる。更には接着剤層(B)を塗布した支持体(A)を感光性樹脂層(C)に貼り合わせた後に紫外線を照射し、重合反応を行ってもよい。
【0041】
重合反応の有無については、適当な溶媒、例えば、トルエン、テトラクロロエチレンなどのフレキソ印刷用感光性構成体の現像溶剤への溶解性の変化によって調べることができる。例えば、一部又は完全に重合させた接着剤層(B)を前述した溶剤に浸積したときに、接着剤層(B)が、完全に又は一部分が溶解しない場合には重合反応が起こったとする。
【0042】
更には溶剤に完全に溶解した場合でも接着剤層の分子量分布を調べることでも、重合反応の有無を確認できる。このような分子量分布を調べる手段としては、公知の解析技術を用いることができる。例えば、GPC(ゲルパーミテーションクロマトグラフィー)法によって、その重合反応前後の分子量を調べることにより重合反応の有無を調べることができる。
【0043】
重合後の接着剤層から、重合前の接着剤層組成についても確認することができる。その場合、公知の解析技術を用いることにより重合前の接着剤層組成を確認することができる。
重合させた接着剤の赤外線吸収スペクトルを測定することにより、接着剤層の組成を調べることができる。また、重合させた接着剤層を熱分解ガスクロマトグラフィーで調べることにより、未重合のエチレン性不飽和化合物や重合開始剤の存在を調べることができる。また、熱分解ガスクロマトグラフィー中で検出される重合開始剤の分解物からも、重合前に開始剤を含むか否かについての判断が可能である。
【0044】
他には、重合させた接着剤層を溶剤、例えば、クロロホルムに浸漬し、未反応のエチレン性不飽和化合物、重合開始剤やそれらの分解物を抽出し、その抽出物をNMR法やガスクロマトグラフィー法によって調べることにより、重合前の接着剤組成を確認することが可能である。
更には接着剤層にイオンビームを照射し、接着剤組成物を分解し、分解物を調べることによっても、重合前の接着剤組成を調べることができる。
接着剤層(B)の厚みは0.0001〜1mmであることが好ましく、好ましくは0.001〜1mm、より好ましくは0.001〜0.5mmである。
【0045】
本発明の支持基材は、支持体(A)上に接着剤層(B)を積層しているものであって、接着剤層(B)が少なくとも1種類のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとから得られる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物(b)、及び少なくとも1種類の重合開始剤(c)を含有する接着剤層(B)であって、エチレン性不飽和化合物(b)が少なくとも1種類の分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)を含む接着剤層が積層されている。前述した接着剤層(B)を上述した方法によって支持体(A)に積層することができる。
【0046】
支持基材上の接着剤層は一部又は完全に重合させても使用してもよく、重合反応を行う場合には、生産効率の観点から光反応による重合が好ましい。光反応によって支持基材上の接着剤層を重合させる場合は光照射は支持体側から、つまり、支持体を光が通過する形式でも照射してもよく、あるいは、接着剤側から、つまり、光が支持体を通せずに光照射を行ってもよい。重合反応の有無については前述した方法によって調べることができる。
【0047】
感光性樹脂層は組成によっては粘着性を有することがあるため、製版時に感光性樹脂層の上に重ねられる透明画像担体との接触を良くするために、又は透明画像担体の再使用を可能にするために、現像液に可溶性な薄いたわみ性の保護膜を設けることができる。例えば、現像液に可溶性のポリアミド、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ニトロセルロース、セルロースエステル、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合体、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合体の水素添化反応物(例えば、特開2002−268228号公報参照)などから成る薄膜を挙げることができる。
【0048】
上記のフレキソ印刷版用感光性構成体を通常の方法で製版処理することにより、フレキソ印刷版を得ることができる。製版処理において用いられる、感光性樹脂を光硬化させる紫外線露光源として、高圧水銀灯や紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプなどがある。紫外線を透明画像担体を通して感光性樹脂に露光することにより目的の画像を得ることができる。支持体と感光性樹脂層との接着をより強固にするために、更にはレリーフ画像を未露光部分の洗い出し時の応力に対してより安定的なものにするために、支持体側から全面露光を行うことが有効である。この透明画像担体側からの露光と支持体側からの露光はどちらを先に実施してもよく、また同時に行ってもよい。画像再現性の観点からは支持体側からの露光を先に行うことが好ましい。
【0049】
未露光部を洗い出すのに用いられる現像溶剤としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエチレンなどの塩素系溶剤や、ヘプチルアセテート、3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類、石油留分、トルエン、デカリンなどの炭化水素類や、これらにプロパノール、ブタノールなどのアルコール類を混合したものを挙げることができる。未露光部の洗い出しは、ノズルからの噴射によって、又はブラシによるブラッシングによって行われる。得られた印刷版はリンス洗浄し、乾燥後に後露光を実施して印刷版を得る。
【0050】
また、感光性樹脂層全面に紫外線を照射することにより硬化させたレーザー彫刻可能な層を形成し、その後レーザービームを照射し、ビームの当たった部分の樹脂を除去することによりパターンを形成するレーザー彫刻用印刷版を作成することもできる。
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
後述する組成に関しては特に記載がない限り、重量部とする。
【実施例】
【実施例1】
【0051】
(1)感光性樹脂層の調製
感光性樹脂組成として表1に示す組成をニーダーにて混練し、感光性樹脂組成1、2を得た。得られた感光性樹脂組成はシリコーン処理されたポリエステルフィルムとポリアミド膜を有するポリエチレンテレフタレートフィルムとで挟み、3mmのスペーサーを用いて130℃の条件で4分間、1.96×10Paの圧力をかけて加圧成形を行った。得られた感光性樹脂層の厚みを測定したところ、3.0mmであった。
(2)接着剤層の調製
接着剤層として、スチレン−ブタジエンコポリマー(旭化成株式会社製、商標「タフプレン912」)55部、パラフィンオイル(平均炭素数33、平均分子量470、15℃における密度0.868)38部、1,9−ノナンジオールジアクリレート2.5部、2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノン1.5部、及び表2に記載のモノマー1を3部をトルエンに溶解させ固形分25%溶液とした。ナイフコーターを用いて、ポリエステルフィルムに厚さ100μmとなるように塗布し、接着剤層とした。
(3)フレキソ印刷用感光性構成体の調製
シリコーン処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを感光性樹脂層から剥がし、130℃に加熱したステンレス板に載せ、感光性樹脂1、2からなるそれぞれの層を加熱した。加熱した感光性樹脂層に接着剤層が接するように、積層し、感光性樹脂構成体を作成した。
(4)フレキソ印刷版の作成及び接着力の評価
得られた感光性構成体を「AFP−1500」(旭化成株式会社製、商標)上で、370nmを中心波長を有する紫外線蛍光灯を用いて、透明画像担体を通して6000mJ/cmの画像露光を行った。このとき、露光強度をオーク製作所製のUV照度計「MO−2型」(商標)でUV−35フィルターを用いて測定した。次いで、テトラクロロエチレン/n−ブタノール3/1(容積比)を現像液として「AFP−1500」現像機(旭化成株式会社製)にて現像し、60℃1時間乾燥後、後露光を行ってフレキソ印刷版を得た。
得られたフレキソ印刷版において支持体と感光性樹脂の剥離強度について、硬化樹脂層を1cm幅の短冊状に切断したサンプルから支持体を強制的に剥がし、引っ張り試験機を用いて180°の角度で、50mm/分の速度で支持体と樹脂層を剥離したところ、表3の結果を得た。表3に示す通り、5.9N/cmを感光性樹脂1、2いずれからも得ることができた。
また、得られたフレキソ印刷版を用いて、酢酸エステルを約15体積%含むインキを用いて、ポリエチレンフィルム上への印刷を行ったところ、版胴と圧胴の煎断応力により、支持体と硬化樹脂が剥離することもなく、更に印刷が終了して両面テープで固定された印刷版を版胴から取り外すために、硬化樹脂層部分を持って引き剥がそうとして硬化樹脂層に大きな力が加わった場合でも、印刷版は破損しないで支持体としっかりと密着していた。
また、取り外した印刷後のフレキソ印刷版の側面を観察したところ、接着剤層は使用したインキの溶剤によって、溶解している様子もなく、インキ溶剤に対して耐性を持っていることが分かった。
印刷を行った版を20℃条件にて14日間エージング後、接着力を測定したところ、表3に記載の通り、感光性樹脂1、2いずれも、良好な接着力を維持していた。
【実施例2】
【0052】
(1)感光性樹脂の調製
実施例1と同じように、感光性樹脂組成1、2からなる各感光性樹脂層を作成した。
(2)ポリエステルフィルムの調製
エチレングリコール93g、ネオペンチルグリコール374g、及びフタル酸382gを空気雰囲気中、反応温度180℃、1.33×10Paの減圧下で6時間縮合反応させた後、4,4−ジフェニレンジイソシアネート125gを加え、更に80℃で5時間反応させた。得られた樹脂を10%水溶液とし、溶融押し出したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、塗布後、2軸延伸することで、下引き層を有するポリエステルフィルムを得た。得られた下引き層の厚みは0.05μmであった。
(3)接着剤層の調製
接着剤層として、スチレン−ブタジエンコポリマー(旭化成株式会社製、商標「タフプレン912」)55部、パラフィンオイル(平均炭素数33、平均分子量470、15℃における密度0.868)38部、1,9−ノナンジオールジアクリレート2.5部、2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノン1.5部、及び表2に記載のモノマー2を3部をトルエンに溶解させ固形分25%溶液とした。ナイフコーターを用いて、(2)で得られたポリエステルフィルムに厚さ25μmとなるように塗布し、接着剤層とした。
(4)感光性樹脂構成体の調製
実施例1と同様に感光性樹脂構成体を作成した。また、実験1と同様にエージング評価サンプルも作成した。
(5)フレキソ印刷版の作成及び接着力の評価
実施例1と同様に製版工程を行い、接着力を測定した。測定した結果、表3に示すように、感光性樹脂組成1、2ともにエージングの有無に関わらず、良好な接着力を示した。更に、実施例1と同様に印刷による剥離試験も実施したが、剥離することもなく良好な接着力を示した。
また、取り外した印刷後のフレキソ印刷版の側面を観察したところ、接着剤層は使用したインキの溶剤によって、溶解している様子もなく、インキ溶剤に対して耐性を持っていることが分かった。
印刷を行った版を20℃条件にて14日間エージング後、接着力を測定したところ、表3に記載の通り、感光性樹脂1、2いずれも、良好な接着力を維持していた。
【実施例3】
【0053】
(1)感光性樹脂の調製
実施例1と同じように、感光性樹脂組成1、2からなる各感光性樹脂層を作成した。
(2)ポリエステルフィルムの調製
実施例2と同じ下引き層を有するポリエステルフィルムを作成した。
(3)接着剤層の調製
接着剤層として、スチレン−ブタジエンコポリマー(旭化成株式会社製、商標「タフプレン912」)18部、スチレン−イソプレンコポリマー(クレイトンポリマージャパン株式会社製、商標「KRATON D1112」)37部、パラフィンオイル(平均炭素数33、平均分子量470、15℃における密度0.868)38部、1,9−ノナンジオールジアクリレート2.5部、2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノン1.5部、及び表2に記載のモノマー1を3部をトルエンに溶解させ固形分25%溶液とした。ナイフコーターを用いて、(2)で得られたポリエステルフィルムに厚さ25μmとなるように塗布し、接着剤層とした。
得られた接着剤層に接するように、シリコーン処理させたポリエステルフィルムを貼り合わせ、得られた接着剤層を有する支持体を「AFP−1500」(旭化成株式会社製、商標)上で、370nmを中心波長を有する紫外線蛍光灯を用いて、透明画像担体を通して50mJ/cmの露光を行った。このとき、露光強度をオーク製作所製のUV照度計「MO−2型」(商標)でUV−35フィルターを用いて測定した。
(4)感光性樹脂構成体の調製
実施例1と同様に、感光性樹脂層及び接着剤層から、シリコーン処理されたポリエステルフィルムを剥がし、各層が接するように、貼り合わせ、感光性樹脂構成体を作成した。また、実験1と同様にエージング評価サンプルも作成した。
(5)フレキソ印刷版の作成及び接着力の評価
実施例1と同様に製版工程を行い、接着力を測定した。測定した結果、表3に示すように、感光性樹脂組成1、2ともに良好な接着力を示した。更に、実施例1と同様に印刷による剥離試験も実施したが、剥離することもなく良好な接着力を示した。
また、取り外した印刷後のフレキソ印刷版の側面を観察したところ、接着剤層は使用したインキの溶剤によって、溶解している様子もなく、インキ溶剤に対して耐性を持っていることが分かった。
印刷を行った版を20℃条件にて14日間エージング後、接着力を測定したところ、表3に記載の通り、感光性樹脂1、2いずれも、良好な接着力を維持していた。
【実施例4】
【0054】
(1)感光性樹脂の調製
実施例1と同じように、感光性樹脂組成1、2からなる各感光性樹脂層を作成した。
(2)ポリエステルフィルムの調製
実施例2と同じ下引き層を有するポリエステルフィルムを作成した。
(3)接着剤層の調製
接着剤層として、スチレン−ブタジエンコポリマー(旭化成株式会社製、商標「タフプレン912」)22部、スチレン−イソプレンコポリマー(クレイトンポリマージャパン株式会社製、商標「KRATON D1112」)33部、パラフィンオイル(平均炭素数33、平均分子量470、15℃における密度0.868)38部、1,9−ノナンジオールジアクリレート2.5部、2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノン1.5部、及び表2に記載のモノマー3を3部をトルエンに溶解させ固形分25%溶液とした。ナイフコーターを用いて、(2)で得られたポリエステルフィルムに厚さ25μmとなるように塗布し、接着剤層とした。
(4)感光性樹脂構成体の調製
実施例1と同様に感光性樹脂構成体を作成した。
(5)フレキソ印刷版の作成及び接着力の評価
実施例1と同様に製版工程を行い、接着力を測定した。測定した結果、表3に示すように、感光性樹脂組成1、2ともに良好な接着力を示した。更に、実施例1と同様に印刷による剥離試験も実施したが、剥離することもなく良好な接着力を示した。
また、取り外した印刷後のフレキソ印刷版の側面を観察したところ、接着剤層は使用したインキの溶剤によって、溶解している様子もなく、インキ溶剤に対して耐性を持っていることが分かった。
印刷を行った版を20℃条件にて14日間エージング後、接着力を測定したところ、表3に記載の通り、感光性樹脂1、2いずれも、良好な接着力を維持していた。
【実施例5】
【0055】
(1)感光性樹脂の調製
実施例1と同じように、感光性樹脂組成1、2からなる各感光性樹脂層を作成した。
(2)ポリエステルフィルムの調製
実施例2と同じ下引き層を有するポリエステルフィルムを作成した。
(3)接着剤層の調製
実施例1で得られた感光性樹脂組成1を94部、ヘキサメチレンジメタクリレート3部、及び表2記載のモノマー1を3部をトルエンに溶解させ固形分25%溶液を作成した。
実施例2と同様にポリエステルフィルムに塗布し、厚さ25μmの膜厚を有する接着剤層を作成した。この接着剤層に対して、実施例3と同様に50mJ/cmの露光を行った。
(4)感光性樹脂構成体の調製
実施例1と同様に感光性樹脂構成体を作成した。
(5)フレキソ印刷版の作成及び接着力の評価
実施例1と同様に製版工程を行い、接着力を測定した。測定した結果、表3に示すように、感光性樹脂組成1、2ともに良好な接着力を示した。更に、実施例1と同様に印刷による剥離試験も実施したが、剥離することもなく良好な接着力を示した。
また、取り外した印刷後のフレキソ印刷版の側面を観察したところ、接着剤層は使用したインキの溶剤によって、溶解している様子もなく、インキ溶剤に対して耐性を持っていることが分かった。
印刷を行った版を20℃条件にて14日間エージング後、接着力を測定したところ、表3に記載の通り、感光性樹脂1、2いずれも、良好な接着力を維持していた。
【実施例6】
【0056】
(1)感光性樹脂の調製
実施例1と同じように、感光性樹脂組成1、2からなる各感光性樹脂層を作成した。
(2)ポリエステルフィルムの調製
実施例2と同じ下引き層を有するポリエステルフィルムを作成した。
(3)接着剤層の調製
接着剤層として、スチレン−ブタジエンコポリマー(旭化成株式会社製、商標「タフプレン912」)55部、パラフィンオイル(平均炭素数33、平均分子量470、15℃における密度0.868)38部、1,9−ノナンジオールジアクリレート2.5部、2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノン1.5部、及び表2に記載のモノマー4を3部をトルエンに溶解させ固形分25%溶液とした。ナイフコーターを用いて、(2)で得られたポリエステルフィルムに厚さ25μmとなるように塗布し、接着剤層とした。
(4)感光性樹脂構成体の調製
実施例1と同様に感光性樹脂構成体を作成した。
(5)フレキソ印刷版の作成及び接着力の評価
実施例1と同様に製版工程を行い、接着力を測定した。測定した結果、表3に示すように、感光性樹脂組成1、2ともに良好な接着力を示したが、印刷版内に接着力の不均一が観察された。しかしながら、実施例1と同様に印刷による剥離試験も実施したが、剥離することもなく良好な接着力を示した。
また、印刷後のフレキソ印刷版の側面を観察したところ、接着剤層は使用したインキの溶剤によって、わずかであるが、溶解している様子が観察された。
印刷を行った版を20℃条件にて14日間エージング後、接着力を測定したところ、表3に記載の通り、感光性樹脂1、2いずれも、5.9N/cmを下回る結果となった。
【0057】
比較例1
(1)感光性樹脂の調製
実施例1と同じように、感光性樹脂組成1、2からなる各感光性樹脂層を作成した。
(2)接着剤層の調製
ネオペンチルグリコール624g、エチレングリコール93g、セバシン酸、及びイソフタル酸382gを空気雰囲気中、反応温度180℃、1330Paの減圧下で6時間縮合反応させた後、87gのトリメチレンジイソシアネートを加えて、更に5時間反応させた。得られたポリオール15部に対して、キシレンジイソシアネート1部を加え、酢酸エチルに溶解させ、均一な溶液とし、実施例1と同様に塗布し、接着剤層を有する支持体を作成した。
(3)感光性樹脂構成体の調製
実施例1と同様に感光性樹脂構成体を作成した。
(4)フレキソ印刷版の作成及び接着力の評価
実施例1と同様に製版工程を行い、接着力を測定した。測定した結果、表3に示すように、感光性樹脂組成1では良好な接着力が得られたが、感光性樹脂層2では不十分な接着力となった。
更に、実施例1と同様に印刷テストを行い、その接着力を測定したが、感光性樹脂1では剥離することもなく、良好な接着力を有していた。一方、感光性樹脂2の場合は印刷後、フレキソ印刷版を版胴から剥がすときに、感光性樹脂層が支持体から剥離する現象が見られた。感光性樹脂1については実施例1と同様にエージングを行い、接着力を評価したが、エージングも良好な接着力を示した。
感光性樹脂2については、フレキソ印刷版を版胴から剥離させるときに、感光性樹脂層から剥離したため、エージングするサンプルを得ることができず、そのため、エージング評価を行うことができなかった。
また、取り外した印刷後の感光性樹脂1のフレキソ印刷版の側面を観察したところ、接着剤層は使用したインキの溶剤によって、溶解している様子もなく、インキ溶剤に対して耐性を持っていることが分かった。
感光性樹脂2については印刷版を版胴から取り外すときに、感光性樹脂が剥離したため、接着剤層が不明瞭となり、そのため、インキ溶剤に対する耐性を明確化できなかった。
【0058】
比較例2
(1)感光性樹脂の調製
実施例1と同じように、感光性樹脂組成1、2からなる各感光性樹脂層を作成した。
(2)接着剤層の調製
実施例1の接着剤層からモノマー1を除いた以外は、実施例1と同様に、接着剤層を作成した。
(3)感光性樹脂構成体の調製
実施例1と同様に感光性樹脂構成体を作成した。
(4)フレキソ印刷版の作成及び接着力の評価
実施例1と同様に製版工程を行い、接着力を測定した。測定した結果、表3に示すように、感光性樹脂組成1、2、において、不十分な接着力となった。
更に、実施例1と同様に印刷テストを行い、その接着力を測定したが、感光性樹脂1、2ともに、印刷後、フレキソ印刷版を版胴から剥がすときに、感光性樹脂層が支持体から剥離する現象が見られた。
感光性樹脂1,2ともに、フレキソ印刷版を版胴から剥離させるときに、感光性樹脂層から剥離したため、エージングするサンプルを得ることができず、そのため、エージング評価を行うことができなかった。
感光性樹脂1、2ともに印刷版を版胴から取り外すときに、感光性樹脂が剥離したため、接着剤層が不明瞭になり、そのため、インキ溶剤に対する耐性を明確化できなかった。
【0059】
比較例3
(1)感光性樹脂の調製
実施例1と同じように、感光性樹脂組成1、2からなる各感光性樹脂層を作成した。
(2)接着剤層の調製
熱可塑性ポリアミド(ヘンケルジャパン株式会社製、商標「マクロメルト6900」)90部、1,9−ノナンジオールジアクリレート4部、2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノン2部、及び表2に記載のモノマー4を4部をトルエン/イソプロピルアルコールが1:1(重量比)の混合溶液に重量濃度が25%になるように溶解させた。
この溶液を用いて、実施例1と同様に厚さ25μmの接着剤層をポリエステルフィルム上の形成させた。このポリエステルフィルムに実施例3と同様に50mJ/cmの紫外線を照射した。
(3)感光性樹脂構成体の調製
実施例1と同様に感光性樹脂構成体を作成した。
(4)フレキソ印刷版の作成及び接着力の評価
実施例1と同様に製版工程を行い、接着力を測定した。測定した結果、表3に示すように、感光性樹脂組成1、2、両感光性樹脂層において、不十分な接着力となった。
更に、実施例1と同様に印刷テストを行い、その接着力を測定したが、感光性樹脂1、2ともに、印刷後、フレキソ印刷版を版胴から剥がすときに、感光性樹脂層が支持体から剥離する現象が見られた。
感光性樹脂1,2ともに、フレキソ印刷版を版胴から剥離させるときに、感光性樹脂層から剥離したため、エージングするサンプルを得ることができず、そのため、エージング評価を行うことができなかった。
感光性樹脂1、2ともに、印刷版を版胴から取り外すときに、感光性樹脂が剥離したため、接着剤層が不明瞭となり、そのため、インキ溶剤に対する耐性を明確化できなかった。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によれば、接着力が良好で、製造効率に優れ、製造工程にて発生するロス品を簡便に再利用可能なフレキソ印刷用感光性構成体を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体(A)、接着剤層(B)、及び該接着剤層(B)と異なる感光性樹脂層(C)を積層してなるフレキソ印刷用感光性構成体であって、該接着剤層(B)が少なくとも1種類のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとから得られる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物(b)、及び少なくとも1種類の重合開始剤(c)を含有する接着剤層(B)であって、該エチレン性不飽和化合物(b)が少なくとも1種類の、分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)を含むフレキソ印刷用感光性構成体。
【請求項2】
前記エチレン性不飽和化合物(b)中の分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)が、2つ以上のエチレン性不飽和基を有する請求項1に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【請求項3】
前記エチレン性不飽和化合物(b)中の分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)が、ビスフェノール骨格を有する請求項1又は2に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【請求項4】
前記エチレン性不飽和化合物(b)が分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)と、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上有するポリエステル(メタ)アクレリート(ii)とを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【請求項5】
前記エチレン性不飽和化合物(b)が分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)と、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上有するポリエステル(メタ)アクレリート(ii)とを含み、(i):(ii)の重量比が0.01:1〜10:1である請求項1〜4のいずれか一項に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【請求項6】
前記接着剤層(B)の厚みが、0.0001〜1mmである請求項1〜5のいずれか一項に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【請求項7】
前記感光性樹脂層(C)が、少なくとも1種類のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとから得られる熱可塑性エラストマー、少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物、及び少なくとも1種類の光重合開始剤との混合物である請求項1〜6のいずれか一項に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【請求項8】
接着剤層(B)の前記熱可塑性エラストマー(a)がスチレン−ブタジエンブロック共重合体及び/又はスチレン−イソプレンブロック共重合体を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【請求項9】
前記接着剤層(B)が、熱エネルギー及び/又は光エネルギーによって一部又は完全に重合されている請求項1〜8のいずれか一項に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【請求項10】
前記接着剤層(B)が、回収された感光性樹脂組成物を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【請求項11】
前記支持体(A)が、前記接着剤層(B)を積層する面に下引き層を少なくとも1層有する請求項1〜10のいずれか一項に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【請求項12】
前記支持体(A)が、少なくとも1層の下引き層を有し、該下引き層が(メタ)アクリレートの重合物又はその共重合体を主成分とする組成物、芳香環を含むポリイソシアネートとポリオールとから得られる芳香族ポリウレタン樹脂を主成分とする組成物、及びその両方を主成分とする組成物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【請求項13】
支持体(A)、接着剤層(B)、及び接着剤層(B)と異なる感光性樹脂層(C)を積層してなるフレキソ印刷用感光性構成体であって、該接着剤層(B)が少なくとも1種類のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとから得られる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物(b)、及び少なくとも1種類の重合開始剤(c)を含有する接着剤層(B)であって、該エチレン性不飽和化合物(b)が少なくとも1種類の、分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)を含むフレキソ印刷用感光性構成体の製造方法であって、該支持体(A)、該接着剤(B)、及び感光性樹脂層(C)を順に積層することを含む上記方法。
【請求項14】
熱又は光によって一部又は完全に重合させた接着剤層(B)を積層することを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記支持体(A)が、少なくとも1層の下引き層を有し、下引き層が(メタ)アクリレートの重合物又はその共重合体を主成分とする組成物、芳香環を含むポリイソシアネートとポリオールとから得られる芳香族ポリウレタン樹脂を主成分とする組成物、及びその両方を主成分とする組成物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む請求項13〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
支持体(A)上に接着剤層(B)を設けてなるフレキソ印刷用感光性構成体用の支持基材であって、該接着剤層(B)が少なくとも1種類のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとから得られる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物(b)、及び少なくとも1種類の重合開始剤(c)を含有する接着剤層(B)であって、該エチレン性不飽和化合物(b)が少なくとも1種類の分子内に1つ以上の芳香環及び/又は1つ以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート(i)を含む上記支持基材。
【請求項17】
前記接着剤層(B)が、熱エネルギー及び/又は光エネルギーによって一部又は完全に重合されている請求項16に記載の支持基材。
【請求項18】
前記支持体(A)が、接着剤層(B)を積層する面に下引き層を少なくとも1層有する請求項16〜17のいずれか一項に記載の支持基材。

【国際公開番号】WO2004/104701
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506319(P2005−506319)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006245
【国際出願日】平成16年5月10日(2004.5.10)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】