説明

フレーム構造及びその製造方法

【課題】フレーム構造及びその製造方法において、重量増加をできるだけ少なくして軽量化を図るとともに強度及び剛性を向上させること。
【解決手段】接着剤塗布工程でアウタパネル2,インナパネル3,リインフォースメント4のそれぞれの該当箇所に、硬化したときのヤング率が2000MPaで剪断強度が23MPaのエポキシ系接着剤が塗布され(S10)、溶接工程でアウタパネル2,インナパネル3,リインフォースメント4がスポット溶接によって組み立てられ(S12)、硬化工程で加熱されて、熱硬化型接着剤が加熱硬化されてフレーム構造1,1A,1Bが形成される(S14)。このようにして、溶接部分及び一方のパネルとリインフォースメントの間にヤング率及び剪断強度の高い樹脂を充填することによって、殆ど重量増加を伴わずに強度及び剛性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体におけるセンターピラー等の、複数枚のパネル材を組み合わせて構成されるフレーム構造及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体等におけるフレーム構造としては、センターピラーのように二つのパネル材(アウタパネルとインナパネル)によってフレーム断面が閉断面状に形成されたものが良く知られており、強度や剛性が特に必要な部分においては、二つのパネル材の間にリインフォースメント(Reinforcement:補強板)を設けることによってフレーム構造を補強している。このようなフレーム構造において、強度・剛性・衝突安全性の更なる向上を図るためには、パネル材やリインフォースメントの板厚を大きくしたり、新たなリインフォースメントを追加したりすることが考えられる。
【0003】
しかし、近年では、地球環境に配慮して自動車の燃費性能を向上させることが要求されており、この要求を満たす一つの方法として、車体を軽量化するという要請がある。上述の如く、パネル材やリインフォースメントの板厚を大きくしたり新たなリインフォースメントを追加したりすることは、かかる要請に反することになるため、車体を軽量化して燃費性能を向上させつつ、車体の強度や剛性を更に大きくして衝突安全性をも向上させる技術が求められている。
【0004】
そこで、特許文献1においては、フランジが互いに溶接によって接合される二枚のメインパネルと、これら二枚のメインパネル間に介装されるリインフォースメントとを備え、このリインフォースメントがフランジの溶接部を回避してメインパネルと接触する接触部において、フランジと接着剤によって固着されていることを特徴とする車体の板金接合構造の発明について開示している。これによって、複数の板金部品が接合されて形成された自動車等の車体の剛性化及び軽量化に的確に対応することができるとしている。
【0005】
また、特許文献2においては、アウタパネルとインナパネルとリインフォースメントとからなるセンターピラーにおいて、アウタパネルとリインフォースメントとの間のみに充填材を充填するとともに、その充填材の平均圧縮強度を4MPa以上に設定し、最大曲げ強度を10MPa以上に設定することを特徴とする車体のフレーム構造の発明について開示している。これによって、充填材の使用量をできるだけ少なくして車体の軽量化を図るとともに、衝突安全性を効果的に向上させることができるとしている。
【0006】
更に、特許文献3においては、ピラー本体の内部にリインフォースメントを設けた車体構造において、リインフォースメントを断面コ字状に形成し、このリインフォースメントをピラーアウタパネルに溶接するとともに、ピラーインナパネルの内側面に構造用接着剤によって固定したことを特徴とする車体構造の考案について開示している。これによって、作業穴を設けることなく、リインフォースメントをピラー本体の内部に固定して、ピラー本体の高強度及び高剛性を得ることができるとしている。
【特許文献1】特開2006−273145号公報
【特許文献2】特開2001−048054号公報
【特許文献3】実願昭60−115115号(実開昭62−23176号)のマイクロフィルム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、フランジとリインフォースメントの接合部分が強化されるのみであり、アウタパネルとリインフォースメントとの接合が不十分で、強度を向上させる効果が小さいという問題点があった。
【0008】
また、上記特許文献2に記載の技術においては、十分な効果を得るためにはアウタパネルとリインフォースメントとの間に十分な間隔を開ける必要があり、しかもアウタパネルとリインフォースメントとの間に完全に充填材を充填する必要があるため、多量の充填材を使用することになり、重量が大きくなるとともに、製造コストも増加するという問題点があった。
【0009】
更に、上記特許文献3に記載の技術においては、ピラーアウタパネルは溶接によってのみリインフォースメントに接合されており、ピラーインナパネルは構造用接着剤によってのみリインフォースメントに接合されているため、十分な高強度及び高剛性を得ることができないという問題点があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、溶接部分及び一方のパネルとリインフォースメントの間にヤング率及び剪断強度が高い樹脂を充填することによって、重量増加をできるだけ少なくして軽量化を図るとともに強度及び剛性を向上させることができるフレーム構造及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明に係るフレーム構造は、互いに溶接される一対のパネルと、該一対のパネルの間において該一対のパネルのうちの一方のパネルに溶接されるリインフォースメントとを具備するフレーム構造であって、前記溶接される部分に沿って、前記一対のパネルの間及び前記一方のパネルと前記リインフォースメントの間に、ヤング率が500MPa以上、好ましくは1000MPa以上で剪断強度が5MPa以上、好ましくは10MPa以上の樹脂を挟んだものである。
【0012】
ここで、溶接方法としては、スポット溶接・レーザ溶接、等がある。また、樹脂としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、等を用いることができ、熱硬化性樹脂としてはエポキシ系樹脂・フェノール系樹脂・ポリウレタン系樹脂・メラミン樹脂・尿素樹脂・不飽和ポリエステル樹脂・アルキド樹脂、等がある。
【0013】
請求項2の発明に係るフレーム構造は、請求項1の構成において、前記一方のパネルと前記リインフォースメントとが溶接されないR形状部分においても、前記一方のパネルと前記リインフォースメントとの間に、ヤング率が500MPa以上、好ましくは1000MPa以上で剪断強度が5MPa以上、好ましくは10MPa以上の樹脂を挟んだものである。
【0014】
請求項3の発明に係るフレーム構造は、請求項1または請求項2の構成において、更に、前記溶接される部分に近接するR形状部分にまでも拡がって、ヤング率が500MPa以上、好ましくは1000MPa以上で剪断強度が5MPa以上、好ましくは10MPa以上の樹脂を挟んだものである。
【0015】
請求項4の発明に係るフレーム構造は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つの構成において、前記樹脂は熱硬化性樹脂であるものである。ここで、熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂・フェノール系樹脂・ポリウレタン系樹脂・メラミン樹脂・尿素樹脂・不飽和ポリエステル樹脂・アルキド樹脂、等を用いることができる。
【0016】
請求項5の発明に係るフレーム構造の製造方法は、互いに溶接される一対のパネルと該一対のパネルの間において該一対のパネルのうちの一方のパネルに溶接されるリインフォースメントとを具備するフレーム構造の製造方法であって、前記溶接される部分に沿って、前記一対のパネルの間及び前記一方のパネルと前記リインフォースメントの間に、硬化したときのヤング率が500MPa以上、好ましくは1000MPa以上で剪断強度が5MPa以上、好ましくは10MPa以上の接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記一対のパネル及び前記リインフォースメントを組み合わせて前記溶接される部分を溶接する溶接工程と、前記接着剤を硬化させる硬化工程とを具備するものである。
【0017】
ここで、溶接方法としては、スポット溶接・レーザ溶接、等がある。また、接着剤としては、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、等を用いることができ、熱硬化型接着剤としてはエポキシ系接着剤・フェノール系接着剤・ポリウレタン系接着剤・メラミン系接着剤・尿素系接着剤・不飽和ポリエステル系接着剤・アルキド系接着剤、等がある。更に、硬化方法としては、加熱硬化・紫外線硬化、等の方法がある。
【0018】
請求項6の発明に係るフレーム構造の製造方法は、請求項5の構成において、前記接着剤塗布工程において、前記一方のパネルと前記リインフォースメントとが溶接されないR形状部分においても、前記一方のパネルと前記リインフォースメントとの間に、硬化したときのヤング率が500MPa以上、好ましくは1000MPa以上で剪断強度が5MPa以上、好ましくは10MPa以上の接着剤を塗布するものである。
【0019】
請求項7の発明に係るフレーム構造の製造方法は、請求項5または請求項6の構成において、前記接着剤塗布工程において、更に、前記溶接される部分に近接するR形状部分にまでも拡がって、硬化したときのヤング率が500MPa以上、好ましくは1000MPa以上で剪断強度が5MPa以上、好ましくは10MPa以上の接着剤を塗布するものである。
【0020】
請求項8の発明に係るフレーム構造の製造方法は、請求項5乃至請求項7のいずれか1つの構成において、前記接着剤は熱硬化型接着剤であり、前記硬化工程は加熱硬化工程であるものである。ここで、熱硬化型接着剤としては、エポキシ系接着剤・フェノール系接着剤・ポリウレタン系接着剤・メラミン系接着剤・尿素系接着剤・不飽和ポリエステル系接着剤・アルキド系接着剤、等を用いることができる。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明に係るフレーム構造は、互いに溶接される一対のパネルとそのうちの一方のパネルに溶接されるリインフォースメントとを具備し、溶接される部分に沿って、一対のパネルの間及び一方のパネルとリインフォースメントの間に、ヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の樹脂が挟まれた構造となっている。
【0022】
本発明者らは、一対のパネルとリインフォースメントとからなるフレーム構造において、全体の重量を殆ど増加させずに強度及び剛性を向上させる方法について鋭意実験研究を積み重ねた結果、溶接される部分に沿って、一対のパネルの間及び一方のパネルとリインフォースメントの間に、ヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の樹脂を挟むことによって、強度及び剛性が向上することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成したものである。
【0023】
すなわち、互いに溶接される一対のパネルとリインフォースメントとからなるフレーム構造を強化するためには、溶接される部分にヤング率及び剪断強度が高い樹脂を充填することが効果的であり、この樹脂はヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上でないと、顕著な効果を得ることができない。そして、溶接される部分の一対のパネルの間隔及び一方のパネルとリインフォースメントの間隔は極めて狭いため、充填される樹脂は少量であり、フレーム構造の重量を殆ど増加させることがない。
【0024】
ここで、ヤング率が1000MPa以上で剪断強度が10MPa以上の樹脂を挟むことによって、重量増加を伴うことなく強度及び剛性をより一層向上させることができるため、より好ましい。
【0025】
このようにして、溶接部分及び一方のパネルとリインフォースメントの間にヤング率及び剪断強度が高い樹脂を充填することによって、重量増加をできるだけ少なくして軽量化を図るとともに強度及び剛性を向上させることができるフレーム構造となる。
【0026】
請求項2の発明に係るフレーム構造においては、一方のパネルとリインフォースメントとが溶接されないR形状部分にも、ヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の樹脂を挟んだことによって、溶接部分から離れたR形状部分にもヤング率及び剪断強度の高い樹脂が充填されるため、殆ど重量増加を伴うことなく、強度及び剛性をより向上させることができる。
【0027】
すなわち、溶接したいが溶接することができないR形状部分にもヤング率及び剪断強度が高い樹脂を充填することによって、溶接できない箇所を簡単に接着させることができるとともに、強度及び剛性を確保することができる。ここで、ヤング率が1000MPa以上で剪断強度が10MPa以上の樹脂を挟むことによって、重量増加を伴うことなく強度及び剛性をより一層向上させることができるため、より好ましい。
【0028】
このようにして、溶接部分及び一方のパネルとリインフォースメントの間にヤング率及び剪断強度が高い樹脂を充填することによって、重量増加をできるだけ少なくして軽量化を図るとともに強度及び剛性を向上させることができるフレーム構造となる。
【0029】
請求項3の発明に係るフレーム構造においては、溶接される部分に近接するR形状部分にまでも拡がって、ヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の樹脂を挟んだことによって、R形状部分に近接した溶接部分からR形状部分に架けてヤング率及び剪断強度の高い樹脂が充填されるため、殆ど重量増加を伴うことなく、強度及び剛性をより一層向上させることができる。
【0030】
ここで、ヤング率が1000MPa以上で剪断強度が10MPa以上の樹脂を挟むことによって、重量増加を伴うことなく強度及び剛性をより一層向上させることができるため、より好ましい。
【0031】
このようにして、溶接部分及び一方のパネルとリインフォースメントの間にヤング率及び剪断強度が高い樹脂を充填することによって、重量増加をできるだけ少なくして軽量化を図るとともに強度及び剛性を向上させることができるフレーム構造となる。
【0032】
請求項4の発明に係るフレーム構造においては、樹脂が熱硬化性樹脂であることから、請求項1乃至請求項3に係るフレーム構造を形成するに当っては、一対のパネルの溶接される部分に沿って一対のパネルのいずれか一方または両方に、そして一方のパネルとリインフォースメントの溶接される部分に沿っていずれか一方または両方に、それぞれ硬化する前の樹脂を塗布して、当該部分を溶接すると同時に、または溶接した後に、フレーム構造を加熱することによって、請求項1乃至請求項3に係るフレーム構造を容易に形成することができる。
【0033】
このようにして、溶接部分及び一方のパネルとリインフォースメントの間にヤング率及び剪断強度が高い樹脂を充填することによって、重量増加をできるだけ少なくして軽量化を図るとともに強度及び剛性を向上させることができ、しかも製造が容易なフレーム構造となる。
【0034】
請求項5の発明に係るフレーム構造の製造方法は、互いに溶接される一対のパネルとそのうちの一方のパネルに溶接されるリインフォースメントとを具備するフレーム構造の製造方法であって、溶接される部分に沿って一対のパネルの間及び一方のパネルとリインフォースメントの間に、硬化したときのヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、一対のパネル及びリインフォースメントを組み合わせて溶接される部分を溶接する溶接工程と、接着剤を硬化させる硬化工程とを具備する。
【0035】
本発明者らは、一対のパネルとリインフォースメントとからなるフレーム構造において、全体の重量を殆ど増加させずに強度及び剛性を向上させるための製造方法について鋭意実験研究を積み重ねた結果、溶接される部分に沿って、一対のパネルの間及び一方のパネルとリインフォースメントの間に、硬化したときのヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の接着剤を挟むことによって、強度及び剛性が向上することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成したものである。
【0036】
すなわち、互いに溶接される一対のパネルとリインフォースメントとからなるフレーム構造を強化するためには、溶接される部分に硬化したときのヤング率及び剪断強度が高い接着剤を充填することが効果的であり、この接着剤は硬化したときのヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上でないと、顕著な効果を得ることができない。そして、溶接される部分の一対のパネルの間隔及び一方のパネルとリインフォースメントの間隔は極めて狭いため、充填される接着剤は少量であり、フレーム構造の重量を殆ど増加させることがない。
【0037】
ここで、ヤング率が1000MPa以上で剪断強度が10MPa以上の接着剤を挟むことによって、重量増加を伴うことなく強度及び剛性をより一層向上させることができるため、より好ましい。
【0038】
このようにして、溶接部分及び一方のパネルとリインフォースメントの間にヤング率及び剪断強度が高い樹脂を充填することによって、重量増加をできるだけ少なくして軽量化を図るとともに強度及び剛性を向上させることができるフレーム構造の製造方法となる。
【0039】
請求項6の発明に係るフレーム構造の製造方法においては、接着剤塗布工程において、一方のパネルとリインフォースメントとが溶接されないR形状部分にも、硬化したときのヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の接着剤を塗布することによって、溶接部分から離れたR形状部分にも、硬化したときのヤング率及び剪断強度が高い接着剤が充填されるため、殆ど重量増加を伴うことなく、強度及び剛性をより向上させることができる。
【0040】
すなわち、溶接したいが溶接することができないR形状部分にも硬化したときのヤング率及び剪断強度が高い接着剤を充填することによって、溶接できない箇所を簡単に接着させることができるとともに、強度及び剛性を確保することができる。ここで、硬化したときのヤング率が1000MPa以上で剪断強度が10MPa以上の接着剤を挟むことによって、重量増加を伴うことなく強度及び剛性をより一層向上させることができるため、より好ましい。
【0041】
このようにして、溶接部分及び一方のパネルとリインフォースメントの間にヤング率及び剪断強度が高い樹脂を充填することによって、重量増加をできるだけ少なくして軽量化を図るとともに強度及び剛性を向上させることができるフレーム構造の製造方法となる。
【0042】
請求項7の発明に係るフレーム構造の製造方法においては、接着剤塗布工程において、更に、溶接される部分に近接するR形状部分にまでも拡がって、硬化したときのヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の接着剤を塗布することによって、R形状部分に近接した溶接部分からR形状部分に架けて、硬化したときのヤング率及び剪断強度の高い接着剤が充填されるため、殆ど重量増加を伴うことなく、強度及び剛性をより一層向上させることができる。
【0043】
ここで、硬化したときのヤング率が1000MPa以上で剪断強度が10MPa以上の接着剤を挟むことによって、重量増加を伴うことなく強度及び剛性をより一層向上させることができるため、より好ましい。
【0044】
このようにして、溶接部分及び一方のパネルとリインフォースメントの間にヤング率及び剪断強度が高い樹脂を充填することによって、重量増加をできるだけ少なくして軽量化を図るとともに強度及び剛性を向上させることができるフレーム構造の製造方法となる。
【0045】
請求項8の発明に係るフレーム構造の製造方法においては、接着剤が熱硬化型接着剤であり、硬化工程が加熱硬化工程であることから、請求項5乃至請求項7に係るフレーム構造の製造方法において、一対のパネルの溶接される部分に沿って一対のパネルのいずれか一方または両方に、そして一方のパネルとリインフォースメントの溶接される部分に沿っていずれか一方または両方に、それぞれ接着剤を塗布して、当該部分を溶接すると同時に、または溶接した後に、フレーム構造を加熱することによって接着剤が硬化して、強度及び剛性の大きいフレーム構造を容易に形成することができる。
【0046】
このようにして、溶接部分及び一方のパネルとリインフォースメントの間に、硬化したときのヤング率及び剪断強度が高い接着剤を充填することによって、重量増加をできるだけ少なくして軽量化を図るとともに強度及び剛性を向上させることができ、しかも容易なフレーム構造の製造方法となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1乃至図5を参照しつつ説明する。
【0048】
図1(a)は本発明の実施の形態(実施例1)に係るフレーム構造を示す正面図、(b)は側面図である。図2(a)は本発明の実施の形態の第1変形例(実施例2)に係るフレーム構造を示す正面図、(b)は本発明の実施の形態の第2変形例(実施例3)に係るフレーム構造を示す正面図である。図3(a)は比較例1に係るフレーム構造を示す正面図、(b)は比較例2に係るフレーム構造を示す正面図である。
【0049】
図4は本発明の実施の形態に係るフレーム構造及び比較例に係るフレーム構造の強度試験の方法を示す説明図である。図5は本発明の実施の形態に係るフレーム構造の製造方法を示すフローチャートである。
【0050】
図1(a)に示されるように、本実施の形態(実施例1)に係るフレーム構造1は、一対のパネルとしての一方のパネル(アウタパネル)2及び他方のパネル(インナパネル)3、並びにリインフォースメント(補強板)4を組み合わせて構成されるものである。アウタパネル2,インナパネル3,リインフォースメント4は、いずれも厚さ1.4mmの鋼板からなり、以下に説明する本実施の形態の変形例(実施例2,実施例3)に係るフレーム構造、及び比較例1,比較例2に係るフレーム構造においても同様である。
【0051】
アウタパネル2,インナパネル3,リインフォースメント4の各部の寸法は、図1(a),(b)に示される通りであり、本実施の形態(実施例1)に係るフレーム構造1においては、図1(a)に示されるように、アウタパネル2とインナパネル3のフランジ部分が2箇所においてスポット溶接5aによって溶接され、アウタパネル2とその下面に沿った形状を有するリインフォースメント4とが、上面部の1箇所及び側面部の2箇所がスポット溶接5b,5cによって溶接される。
【0052】
更に、図1(b)の側面図に示されるように、スポット溶接5a,5b,5cは、それぞれアウタパネル2のフランジ部分、上面部及び側面部の2箇所において、50mmの間隔で実施される。したがって、実施例1に係るフレーム構造1においては、スポット溶接5a,5b,5cは、合計10箇所で実施されることになる。これらの溶接箇所についても、以下に説明する本実施の形態の変形例(実施例2,実施例3)に係るフレーム構造、及び比較例1,比較例2に係るフレーム構造においても同様である。
【0053】
そして、図1(a),(b)に示されるように、実施例1に係るフレーム構造1においては、これらのスポット溶接5a,5b,5cの箇所に沿って、一対のパネルとしてのアウタパネル2とインナパネル3の間及び一方のパネルとしてのアウタパネル2とリインフォースメント4の間に、硬化した樹脂6a,6b,6cが挟まれている。これらの硬化した樹脂6a,6b,6cは、熱硬化性樹脂であるエポキシ系樹脂であり、ヤング率が2000MPaで剪断強度が23MPaである。
【0054】
したがって、本実施の形態(実施例1)に係るフレーム構造1は、溶接される部分5a,5b,5cに沿って、一対のパネル2,3の間及び一方のパネル2とリインフォースメント4の間に、ヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の樹脂6a,6b,6cを挟んだものであり、また樹脂が熱硬化性樹脂であるから、請求項1及び請求項4の発明に係るフレーム構造に該当する。
【0055】
また、図2(a)に示されるように、本実施の形態の第1変形例(実施例2)に係るフレーム構造1Aにおいては、スポット溶接5a,5b,5cの箇所に沿って、一対のパネルとしてのアウタパネル2とインナパネル3の間、及び一方のパネルとしてのアウタパネル2とリインフォースメント4の間に、硬化した樹脂6a,6b,6cが挟まれている。
【0056】
そして、実施例2に係るフレーム構造1Aにおいては、溶接されないR形状部分においても、一方のパネルとしてのアウタパネル2とリインフォースメント4の間に、硬化した樹脂6dが挟まれている。これらの硬化した樹脂6a,6b,6c,6dは、熱硬化性樹脂であるエポキシ系樹脂であり、ヤング率が2000MPaで剪断強度が23MPaである。
【0057】
したがって、本実施の形態の実施例2に係るフレーム構造1Aは、一方のパネル2とリインフォースメント4とが溶接されないR形状部分においても、一方のパネル2とリインフォースメント4との間に、ヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の樹脂を挟んだものであり、また樹脂が熱硬化性樹脂であるから、請求項1,請求項2及び請求項4の発明に係るフレーム構造に該当する。
【0058】
更に、図2(b)に示されるように、本実施の形態の第2変形例(実施例3)に係るフレーム構造1Bにおいては、一対のパネルとしてのアウタパネル2とインナパネル3のフランジ部分の間に、溶接される部分5aに近接するR形状部分にまでも拡がって、硬化した樹脂6aRが挟まれている。そして、一方のパネルとしてのアウタパネル2とリインフォースメント4の間に、硬化した樹脂6b,6c,6dが挟まれている。これらの硬化した樹脂6aR,6b,6c,6dは、熱硬化性樹脂であるエポキシ系樹脂であり、ヤング率が2000MPaで剪断強度が23MPaである。
【0059】
したがって、本実施の形態の実施例3に係るフレーム構造1Bは、溶接される部分5aに近接するR形状部分にも、ヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の樹脂を挟んだものであり、また樹脂が熱硬化性樹脂であるから、請求項1,請求項2,請求項3及び請求項4の発明に係るフレーム構造に該当する。
【0060】
これらのフレーム構造1,1A,1Bにおけるエポキシ系樹脂の加熱硬化条件としては、180℃で30分間加熱することによって実施した。なお、これらのフレーム構造1,1A,1Bが自動車の車体のセンターピラー等である場合には、特別に加熱しなくても、車体の電着焼付け工程において加熱されるため、製造工程を短縮することができ、製造コストを低減できるという作用効果も得ることができる。
【0061】
これに対して、図3(a)に示されるように、比較例1に係るフレーム構造10は、上記実施の形態の実施例1,2,3に係るフレーム構造1,1A,1Bと同様に、アウタパネル2及びインナパネル3、並びにリインフォースメント4を組み合わせて構成されるものであり、これらのパネル2,3,4が合計10箇所でスポット溶接5a,5b,5cによって溶接されてなるものであるが、溶接される部分5a,5b,5cに沿って樹脂が挟まれていない。
【0062】
また、図3(b)に示されるように、比較例2に係るフレーム構造11においては、溶接される部分5a,5b,5cに沿って樹脂16aR,16b,16cが挟まれており、更に一方のパネル2とリインフォースメント4とが溶接されないR形状部分においても、一方のパネル2とリインフォースメント4との間に樹脂16dが挟まれている。しかし、これらの樹脂16dは、塩化ビニル系樹脂であり、ヤング率が50MPaで剪断強度が2MPaである。
【0063】
したがって、比較例1,2に係るフレーム構造10,11のいずれも、請求項1に記載の要件を満たしておらず、フレーム構造10,11は、いずれも本発明に係るフレーム構造には該当しない。
【0064】
以上説明した本実施の形態の実施例1,2,3に係るフレーム構造1,1A,1B、及び比較例1,2に係るフレーム構造10,11の五種類の供試体について、塑性変形点の圧縮強度を試験によって検証した。試験方法としては、図4に示されるように、土台の上に載せた供試体を、圧子によって圧縮して次第に荷重を大きくしていき、アウタパネル2が変形を始めた時点における荷重を比較した。五種類の供試体についての試験の結果を、五種類の供試体の構成とともに、表1に示す。
【0065】
【表1】

【0066】
表1に示されるように、実施例1に係るフレーム構造1においては、塑性変形点の圧縮荷重が39KNであり、実施例2に係るフレーム構造1Aにおいては45KN、実施例3に係るフレーム構造1Bにおいては50KN、と次第に大きくなっており、フレーム構造内に挟まれる樹脂の面積が大きくなるほど圧縮強度が向上していることが分かる。このように、本発明に係るフレーム構造であるフレーム構造1,1A,1Bにおいては、ヤング率及び剪断強度の高い樹脂を充填することによって、強度及び剛性が向上している。
【0067】
更に、フレーム構造1A,1Bにおいては、溶接したいが溶接することができないR形状部分にもヤング率及び剪断強度が高い樹脂6dを充填することによって、溶接できない箇所を簡単に接着させることができるとともに、強度及び剛性を確保することができる。
【0068】
これに対して、比較例1に係るフレーム構造10においては塑性変形点の圧縮荷重が35KNと小さく、比較例2に係るフレーム構造11においても、実施例3に係るフレーム構造1Bと同様の面積の樹脂が挟まれているにも関わらず、圧縮荷重が36KNと小さく、比較例1に係るフレーム構造10とほぼ同じである。このように、本発明の要件を満たさないフレーム構造10,11においては、強度及び剛性が不足している。
【0069】
このようにして、本実施の形態に係るフレーム構造1,1A,1Bにおいては、溶接部分5a,5b,5c及び一方のパネル2とリインフォースメント4の間にヤング率及び剪断強度の高い樹脂6a(6aR),6b,6c(,6d)を充填することによって、重量増加をできるだけ少なくして軽量化を図ることができるとともに、強度及び剛性を向上させることができる。
【0070】
続いて、本実施の形態に係るフレーム構造1,1A,1Bの製造方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。図5に示されるように、まず、接着剤塗布工程において、厚さ1.4mmの鋼板をプレスしてなるアウタパネル2,インナパネル3,リインフォースメント4のそれぞれの該当箇所に、熱硬化型接着剤としての、硬化したときのヤング率が2000MPaで剪断強度が23MPaのエポキシ系接着剤が塗布される(ステップS10)。
【0071】
この接着剤塗布工程(ステップS10)においては、互いに接着されるアウタパネル2とインナパネル3、及びアウタパネル2とリインフォースメント4の両方の接着面に硬化したときのヤング率が2000MPaで剪断強度が23MPaのエポキシ系接着剤を塗布しても良いし、アウタパネル2とインナパネル3、及びアウタパネル2とリインフォースメント4のいずれかのみに、エポキシ系接着剤を塗布しても良い。
【0072】
次に、溶接工程において、アウタパネル2とインナパネル3がフランジ部分5aで、またアウタパネル2とリインフォースメント4が上面部5b及び側面部5cにおいて、それぞれスポット溶接によって溶接されて組み立てられる(ステップS12)。そして、硬化工程において、組み立てられたフレーム構造が加熱されることによって、熱硬化型接着剤が加熱硬化されてヤング率が2000MPaで剪断強度が23MPaの樹脂となり、フレーム構造1,1A,1Bが形成される(ステップS14)。
【0073】
ここで、これらのフレーム構造1,1A,1Bにおけるエポキシ系樹脂の加熱硬化条件としては、180℃で30分間加熱することによって実施した。なお、フレーム構造1,1A,1Bが、車両のセンターピラー等の自動車の車体部品である場合には、特別に硬化工程を設けなくとも、車体の電着焼付け工程において加熱されることによって熱硬化型接着剤が加熱硬化されるため、自動車の車体の製造工程を短縮することができ、製造コストを低減することができる。
【0074】
このようにして、本実施の形態に係るフレーム構造の製造方法においては、溶接部分5a,5b,5c及び一方のパネル2とリインフォースメント4の間にヤング率及び剪断強度の高い樹脂6a(6aR),6b,6c(,6d)を充填することによって、重量増加をできるだけ少なくして軽量化を図ることができるとともに、強度及び剛性を向上させることができ、更に製造コストを低減することができる。
【0075】
本実施の形態においては、フレーム構造及びその製造方法として、主として自動車の車体のセンターピラーを形成する場合について説明したが、本発明のフレーム構造及びその製造方法は、車体のセンターピラーのみならず、車体のその他のフレーム部分、更には車体以外のフレーム構造であって、軽量化と高強度及び高剛性を必要とする全ての対象について適用することができる。
【0076】
また、本実施の形態においては、樹脂としてヤング率が2000MPaで剪断強度が23MPaである熱硬化性樹脂としてのエポキシ系樹脂を、また接着剤として硬化したときのヤング率が2000MPaで剪断強度が23MPaである熱硬化型接着剤としてのエポキシ系接着剤を使用する場合についてのみ説明したが、樹脂及び接着剤としてはこれに限られるものではなく、フェノール系樹脂・ポリウレタン系樹脂・メラミン樹脂・尿素樹脂・不飽和ポリエステル樹脂・アルキド樹脂等の他の熱硬化性樹脂、フェノール系接着剤・ポリウレタン系接着剤・メラミン系接着剤・尿素系接着剤・不飽和ポリエステル系接着剤・アルキド系接着剤等の他の熱硬化型接着剤を使用しても良い。
【0077】
また、紫外線硬化性樹脂、紫外線硬化型接着剤をも用いることができ、その他にも、ヤング率が1000MPa以上で剪断強度が10MPa以上の樹脂及び接着剤であれば、どのようなものを使用しても良い。
【0078】
更に、本実施の形態においては、溶接方法としてスポット溶接を実施する場合について
説明したが、溶接方法としてはこれに限られるものではなく、レーザ溶接等の他の溶接方法を適用することもできる。
【0079】
また、本実施の形態においては、アウタパネル2,インナパネル3,リインフォースメント4がいずれも厚さ1.4mmの鋼板からなる場合について説明したが、これらのパネル材は全て厚さが同一である必要はなく、仕様に応じてそれぞれ適切な厚さのものを用いることができる。
【0080】
本発明を実施するに際しては、フレーム構造のその他の部分の構成、形状、材質、大きさ、接続関係、製造方法等についても、フレーム構造の製造方法のその他の工程についても、本実施の形態に限定されるものではない。
【0081】
なお、本発明の実施の形態で挙げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1(a)は本発明の実施の形態(実施例1)に係るフレーム構造を示す正面図、(b)は側面図である。
【図2】図2(a)は本発明の実施の形態の第1変形例(実施例2)に係るフレーム構造を示す正面図、(b)は本発明の実施の形態の第2変形例(実施例3)に係るフレーム構造を示す正面図である。
【図3】図3(a)は比較例1に係るフレーム構造を示す正面図、(b)は比較例2に係るフレーム構造を示す正面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態に係るフレーム構造及び比較例に係るフレーム構造の強度試験の方法を示す説明図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態に係るフレーム構造の製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1,1A,1B フレーム構造
2 一方のパネル(アウタパネル)
3 他方のパネル(インナパネル)
4 リインフォースメント
5a,5b,5c 溶接
6a,6aR,6b,6c,6d 樹脂(接着剤)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに溶接される一対のパネルと、該一対のパネルの間において該一対のパネルのうちの一方のパネルに溶接されるリインフォースメントとを具備するフレーム構造であって、
前記溶接される部分に沿って、前記一対のパネルの間及び前記一方のパネルと前記リインフォースメントの間に、ヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の樹脂を挟んだことを特徴とするフレーム構造。
【請求項2】
前記一方のパネルと前記リインフォースメントとが溶接されないR形状部分においても、前記一方のパネルと前記リインフォースメントとの間に、ヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の樹脂を挟んだことを特徴とする請求項1に記載のフレーム構造。
【請求項3】
更に、前記溶接される部分に近接するR形状部分にまでも拡がって、ヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の樹脂を挟んだことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフレーム構造。
【請求項4】
前記樹脂は熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のフレーム構造。
【請求項5】
互いに溶接される一対のパネルと該一対のパネルの間において該一対のパネルのうちの一方のパネルに溶接されるリインフォースメントとを具備するフレーム構造の製造方法であって、
前記溶接される部分に沿って、前記一対のパネルの間及び前記一方のパネルと前記リインフォースメントの間に、硬化したときのヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記一対のパネル及び前記リインフォースメントを組み合わせて前記溶接される部分を溶接する溶接工程と、
前記接着剤を硬化させる硬化工程と
を具備することを特徴とするフレーム構造の製造方法。
【請求項6】
前記接着剤塗布工程において、前記一方のパネルと前記リインフォースメントとが溶接されないR形状部分においても、前記一方のパネルと前記リインフォースメントとの間に、硬化したときのヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の接着剤を塗布することを特徴とする請求項5に記載のフレーム構造の製造方法。
【請求項7】
前記接着剤塗布工程において、更に、前記溶接される部分に近接するR形状部分にまでも拡がって、硬化したときのヤング率が500MPa以上で剪断強度が5MPa以上の接着剤を塗布することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のフレーム構造の製造方法。
【請求項8】
前記接着剤は熱硬化型接着剤であり、前記硬化工程は加熱硬化工程であることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1つに記載のフレーム構造の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−64669(P2010−64669A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234512(P2008−234512)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000100780)アイシン化工株式会社 (171)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】