ブラシコンディショニングおよびパッドコンディショニングのための装置および方法
ブラシボックス内に配置された円柱状ローラの処理表面をコンディショニングするための方法および装置を記載する。一実施形態では、ブラシボックスを記載する。ブラシボックスは、内部容積を有するタンクと、内部容積内に少なくとも部分的に配置された1対の円柱状ローラであって、円柱状ローラの各々が、それぞれの軸の周りを回転可能である、1対の円柱状ローラと、円柱状ローラが近接している第1の位置と円柱状ローラが互いに間隔を空けて離れている第2の位置との間でそれぞれの円柱状ローラを移動させるために円柱状ローラの各々に連結されたアクチュエータアセンブリと、円柱状ローラの各々のためのコンディショニング装置であって、各コンディショニング装置が内部容積内に配置されたコンディショナを含み、ローラが第2の位置にあるときに、コンディショナが円柱状ローラの各々の外側表面と接触する、コンディショニング装置とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子デバイス製造に関係する。特に、実施形態は、半導体基板、ウエハ、コンパクトディスク、ガラス基板、等などの薄いディスクを洗浄するおよび/または研磨するためのスクラバボックスに関係する。
【背景技術】
【0002】
スクラバまたはスクラバボックスと時には呼ばれるブラシ洗浄装置を、電子デバイス製造プロセスの1つまたは複数のステージにおいて半導体基板を研磨するためおよび/または洗浄するために多くの場合に利用する。例えば、その上に配置されたパッド材料またはブラシ本体を有する円柱状ローラを使用する洗浄デバイスを、基板の主要面から材料を除去するために基板の少なくとも1つの主要面と接触させることができる。1つの典型的なプロセスでは、化学機械研磨(CMP)プロセスを使用して基板を研磨するために、その上に配置されたパッド材料を有する円柱状ローラを、回転する基板に対して回転させ、強く押し付けるようにさせる。別の1つの典型的なプロセスでは、CMPプロセスの後で基板を洗浄するために、その上に配置されたブラシ本体を有する円柱状ローラを、回転する基板に対して回転させ、強く押し付けるようにさせる。
【0003】
これらの装置において円柱状ローラ上に配置されたパッド材料またはブラシ本体の研磨表面は、時間とともに摩耗する傾向があり、これが除去速度または洗浄効率を低下させる。したがって、所望の研磨結果または洗浄結果を実現するために、パッド材料またはブラシ本体を頻繁に交換する必要がある場合がある。パッド材料またはブラシ本体の交換は、費用がかかり、ダウンタイムを生じさせ、これがより大きな所有コストおよびより低いスループットという結果をもたらす。
【0004】
集積回路に対する要求が増加し続けるので、チップ製造業者は、増加したスループットを有する半導体プロセス工作機械設備およびより確固とした処理装置を要求している。かかる要求を満足させるために、スループットを最大にし、機器構成要素の耐用年数を増加させ、所有コストを低下させるために、装置および方法が開発されている。
【0005】
必要とされるものは、表面の摩耗を取り除き、表面から凝集した材料を除去することのほか、パッド材料またはブラシ本体の耐用寿命を延ばすために、円柱状ローラ上に配置されたパッド材料またはブラシ本体の処理表面をリフレッシュさせるための装置および方法である。
【発明の概要】
【0006】
本明細書において説明する実施形態は、基板研磨システムまたは基板洗浄システムの一部であるブラシボックス内に配置された円柱状ローラの処理表面をコンディショニングするための方法および装置に関係する。一実施形態では、ブラシボックスを記載する。ブラシボックスは、内部容積を有するタンクと、内部容積内に少なくとも部分的に配置された1対の円柱状ローラであって、円柱状ローラの各々がそれぞれの軸の周りを回転可能である、1対の円柱状ローラと、円柱状ローラが互いに近接している第1の位置と円柱状ローラが互いに間隔を空けて離れている第2の位置との間でそれぞれの円柱状ローラを移動させるために、円柱状ローラの各々に連結されたアクチュエータアセンブリと、円柱状ローラの各々のためのコンディショニング装置であって、各コンディショニング装置が内部容積内に配置されたコンディショナを含み、ローラが第2の位置にあるときに、コンディショナが円柱状ローラの各々の外側表面と接触する、コンディショニング装置とを含む。
【0007】
別の一実施形態では、ブラシボックスを記載する。ブラシボックスは、内部容積を有するタンクと、内部容積内に配置された1対の円柱状ローラであって、ローラの各々がそれぞれの第1の軸の周りを回転可能である、1対の円柱状ローラと、ローラが互いに近接している第1の位置とローラが互いに間隔を空けて離れている第2の位置との間でそれぞれのローラを移動させるために、円柱状ローラの各々に連結されたアクチュエータアセンブリと、ローラの各々のためのコンディショニング装置であって、各コンディショニング装置が内部容積内に配置されたコンディショナを含み、ローラが第2の位置にあるときに、各コンディショナが円柱状ローラの各々の外側表面と接触し、各コンディショナが第1の軸とは異なる第2の軸の周りを回転可能である、コンディショニング装置とを含む。
【0008】
別の一実施形態では、基板を処理するための方法を記載する。本方法は、タンクへ基板を搬送するステップと、タンク内に配置された2つの円柱状ローラの間に基板を設置するステップと、円柱状ローラの各々の処理表面が基板の主要面に接触する第1の位置へと2つの円柱状ローラの各々を移動させるステップと、2つの円柱状ローラのうちの少なくとも1つと基板との間に相対的な運動を与えることによって基板を処理するステップと、基板の主要面から間隔を空けて離れた第2の位置へ2つの円柱状ローラの各々を移動させるステップであって、第2の位置が処理表面をコンディショニング装置と接触させることを含む、移動させるステップと、処理表面をコンディショニングしながらタンクの外へ基板を搬送するステップとを含む。
【0009】
したがって、本発明の上に記述した特徴を詳細に理解することが可能な方式で、上に簡潔に要約されている本発明のより詳しい説明を、その一部が添付した図面に図示されている実施形態を参照することによって知ることができる。しかしながら、添付した図面が本発明の典型的な実施形態だけを図示し、本発明が他の同様に有効な実施形態を許容することができるので、それゆえ、本発明の範囲を限定するようには見なされないことに、留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】スクラバボックスの等角図である。
【図2A】基板処理位置にある円柱状ローラを示す図1のスクラバボックスの上面図である。
【図2B】基板搬送位置にある円柱状ローラを示す図2Aのスクラバボックスの上面断面図である。
【図3A】コンディショニング装置の一実施形態の上面図である。
【図3B】図3Aの円柱状ローラおよびコンディショナの側面断面図である。
【図3C】コンディショニング装置の別の一実施形態の側面断面図である。
【図4A】コンディショニング装置の別の一実施形態の上面図である。
【図4B】図4Aの円柱状ローラおよびコンディショナの断面図である。
【図5A】コンディショニング装置の別の一実施形態の上面図である。
【図5B】図5Aの円柱状ローラおよびコンディショナの断面図である。
【図6】コンディショニング方法の一実施形態を示す流れ図である。
【図7】基板処理方法の一実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするために、可能である場合には、複数の図に共通な同一の要素を示すために、同一の参照番号を使用している。一実施形態において開示した要素を、具体的な記述がなくとも別の実施形態において利益をもたらすように利用することができることが予想される。
【0012】
本明細書において説明する実施形態は、スクラバボックスにおいて利用されるブラシ型洗浄システム内で円柱状ローラ上に配置されたパッド材料またはブラシ本体の処理表面をコンディショニングするためまたはリフレッシュするための装置および方法を一般に提供する。本発明による利点に適合することができるスクラバボックスの実施形態は、SYCAMORE(商標)研磨システムおよびDESICA(登録商標)洗浄装置の一部である洗浄モジュールを含み、両者ともSanta Clara、Californiaに所在するApplied Materials,Inc.から入手可能である。本明細書において説明する実施形態を、他の製造業者から入手可能なブラシ型洗浄システムおよび研磨システムにおいてやはり利用することができる。加えて、スクラバボックスの実施形態を、垂直の向きである基板を処理するように説明しているが、ある実施形態を、水平の向きである基板を処理するように構成されたスクラバボックスにおいて利用することができる。
【0013】
図1は、上に説明したような洗浄モジュールにおいて利用することができるスクラバボックス100の等角図である。スクラバボックス100は、第1の支持体125および第2の支持体130中に少なくとも部分的に入れられているタンク105を含む。支持体125、130の各々を、スクラバボックス100のタンク105に対して外である(すなわち外側にある)リンケージ110に連結する。支持体125、130の各々は、アクチュエータ135を支持するように適合している。各アクチュエータ135を、タンク105の内側に置かれた円柱状ローラ115、120(図2Aに図示する)に連結する。アクチュエータ135は、軸A’およびA”の周りでのそれぞれ円柱状ローラ115、120の回転運動を与える。アクチュエータ135の各々を、軸A’およびA”の周りにそれぞれ円柱状ローラ115、120を回転させるように適合した直接駆動サーボモータなどの駆動モータとすることができる。アクチュエータ135の各々を、円柱状ローラ115、120の回転速度を制御するように適合したコントローラに連結する。
【0014】
リンケージ110を、支持体125、130の各々、ベース140、およびアクチュエータ145に連結する。基板101(図2に図示する)の主要面に対して、タンク105の内側に置かれた円柱状ローラ115、120の使いやすく正確な作動/運動のために、リンケージ110を利用する。加えて、ブラシ115、120、アクチュエータ135、および支持体125、130の間の回転連結を実現するために、クリアランスホール(図示せず)をタンク105内に形成することができる。フレキシブルワッシャ、シールまたはベローズなどの柔軟な結合素子150を、各穴の周りに配置することができ、タンク105と支持体125、130との間に装着することができる。かかる配置は、(1)タンク105の壁に対して円柱状ローラ115、120の相対運動を可能にし、(2)別のやり方ではタンク壁中の穴を通してタンク105の内部へと通過するはずの粒子汚染に対して基板101を保護し、および/または(3)流体が穴を通って排出されることを防止する一方で、タンク105内の流体レベルが穴のレベルに達するまたは超えることを可能にする。リンケージ110の運動を制御するために、アクチュエータ145をコントローラに連結する。
【0015】
第1の支持体125および第2の支持体130を(互いに上側におよび内側に向かって、ならびに/または互いに下側におよび外側に向かって離れて)ピボット回転するように適合させることができるピボット点112によって、第1の支持体125および第2の支持体130の各々をベース140に連結する。動作では、第1の支持体125および第2の支持体130を、ベース140に対して、図1に示したように、それぞれの円弧1461、1462を介して同時に移動させることができる。かかる運動は、第1の円柱状ローラ115および第2の円柱状ローラ120を図2Aに示したように基板101に対して閉じさせることができる、またはスクラバボックス100への基板101の挿入および/またはこれからの取り出しを可能にするために、第1の円柱状ローラ115および第2の円柱状ローラ120を(図2Bに示したように)間の間隔を空けて離すことができる。
【0016】
図2Aは、円柱状ローラ115、120が閉じられている、すなわち基板101の主要面に対して押し付けられている処理位置にある円柱状ローラ115、120を示している図1のスクラバボックス100の上面図である。図2Bは、円柱状ローラ115、120が基板の搬送を容易にするように間隔を空けて離れている搬送位置にある図2Aのスクラバボックス100の上面図である。スクラバボックス100はまた、1つまたは複数の駆動モータ144および回転装置147を含む。基板101を支持するようにおよび/または係合するように構成され、基板101の回転を容易にするように構成されたローラアセンブリに、駆動モータ144の各々および回転装置147を連結する。
【0017】
円柱状ローラ115、120の各々は、その上に配置された管状カバー128を含む。管状カバー128を、基板101を研磨するために利用することができるパッド材料または基板101を洗浄するように適合したブラシ本体から作られた脱着可能なスリーブとすることができる。
【0018】
管状カバー128として利用することができるパッド材料の例は、化学機械研磨(CMP)プロセスにおいて典型的に利用される高分子パッド材料を含む。高分子材料を、ポリウレタン、ポリカーボネート、フロロポリマ、PTFE、PTFA、硫化ポリフェニレン(PPS)、またはこれらの組み合わせとすることができる。パッド材料は、連続気泡または独立気泡発泡ポリマ、エラストマ、フェルト、含浸フェルト、プラスチック、および処理化学薬品に対応する類似の材料をさらに備えることができる。別の一実施形態では、パッド材料は、多孔質コーティングを用いて含浸させたフェルト材料である。
【0019】
管状カバー128として利用することができるブラシ本体の例は、発泡材料(例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン)などの高分子材料、ならびに熱可塑性材料、またはナイロンなどのポリアミド材料を含む。管状カバー128は、基板101を削り落すためおよび基板101の洗浄を引き起こすために利用する複数の盛り上がった形体、小結節、またはブリッスル(図示せず)をさらに含むことができる。
【0020】
管状カバー128の具体的な材料に応じて、管状カバー128の処理表面の洗浄効果および/または研磨効果は、適した気孔率および平均細孔サイズに一般に依存する。ある実施形態では、管状カバー128の処理表面の気孔率を、約85%よりも大きくすることができる。管状カバー128の他の特性は、望ましい平均細孔サイズまたは開口を含む。細孔サイズ開口は、ある実施形態では約10ミクロンから約200ミクロンまでの範囲である。細孔構造が、基板の機能面の洗浄またはそこからの材料除去をもたらす。研磨コンパウンド保持、研磨活性度または除去活性度、ならびに材料搬送および流体搬送などの属性が、除去速度にやはり影響を及ぼす。
【0021】
基板からの材料の最適な除去を容易にするように、比較的高く安定な除去速度および/または最大にした洗浄効率を提供するために、これらの微視的な細孔を完全にかつ均等に開かせなければならない。これらの細孔構造は、開いているときに、処理表面の濡れ性を向上させることによって、処理表面粗さを維持することによって、および、例えば、研磨コンパウンドから供給される砥粒粒子などの研磨コンパウンドを分散させることによって、材料除去を促進させる。
【0022】
研磨プロセスまたは洗浄プロセス中の基板から材料を除去するプロセスにおいて、管状カバー128の処理表面は、摩耗するようになり、除去した材料、化学物質、およびその他の副生成物が管状カバー128の処理表面に付着するようになる。管状カバー128の洗浄効率および/または研磨効率を維持するために、管状カバー128を交換することができる、これはコストがかかり、時間がかかる。あるいは、管状カバー128の処理表面を向上させるために、管状カバー128の処理表面を、定期的にコンディショニングするまたはリフレッシュすることができる。
【0023】
図2Aおよび図2Bは、円柱状ローラ115、120の各々の上に配置された管状カバー128の処理表面をコンディショニングするためおよび/またはリフレッシュするために利用することができるコンディショニング装置200の一実施形態を図示する。この実施形態では、専用のコンディショニング装置200を、円柱状ローラ115、120の各々に対して設けているが、1つだけのコンディショニング装置200を利用することができる。コンディショニング装置200を、1つまたは複数の支持体部材210によってタンク105の側壁205に隣接して装着する。コンディショニング装置200をタンク105の中心から離して設置する、それで、コンディショニング装置200が基板搬送および/または基板研磨プロセスもしくは洗浄プロセスを邪魔しない。しかしながら、第1の支持体125および第2の支持体130を互いに離して下に向けておよび外に向けて作動させるときには、コンディショニング装置200を円柱状ローラ115、120の各々と接触するように設置する。一実施形態では、第1の支持体125および第2の支持体130の移動が、円柱状ローラ115、120をそれぞれのコンディショニング装置200と接触させる。円柱状ローラ115、120がこの位置にあるときには、円柱状ローラ115、120とコンディショニング装置200との間に相対的な運動を生じさせることによって、円柱状ローラ115、120の各々の上に配置された管状カバー128の処理表面を、コンディショニングすることができる。
【0024】
一実施形態では、円柱状ローラ115、120は、コンディショニング装置200に対してそれぞれの第1の軸A’およびA”の周りを回転する。軸A’およびA”の回転方向は、同じであることも異なることもある。例えば、第1の軸A’および第2の軸A”の回転方向を、両方とも時計回りまたは反時計回りとすることができる。あるいは、第1の軸A’の回転方向を時計回りとすることができ、第2の軸A”の回転方向を反時計回りとすることができる、またはこの逆にすることができる。別の一実施形態では、円柱状ローラ115、120の運動または軸回転に基づいて円柱状ローラ115、120の各々に対して、コンディショニング装置200を回転させることができる。別の一実施形態では、コンディショニング装置200および円柱状ローラ115、120の両方を独立に回転させることができる。
【0025】
コンディショニング装置200は、管状カバー128との機械的接触によって管状カバー128の処理表面を洗浄するように、削り落すように、または向上させるように構成された物品である。一実施形態では、コンディショニング装置200は、研磨剤材料から作られた研磨剤物品であるおよび/またはダイアモンドもしくはセラミック材料などの研磨剤粒子を含む。あるいは、コンディショニング装置200を、管状カバー128の処理表面の硬度よりも硬い材料から作ることができる。例は、とりわけ他の材料の中で、ガラス、ケイ素材料、熱硬化性物質、アルミニウムまたはタングステンなどのプロセス対応金属を含む。コンディショニング装置200の外側表面を、管状カバー128の処理表面の研磨作用を向上させるために粗くすることができる。この実施形態では、各コンディショニング装置200は、細長い円柱状部材または管状部材である。他の実施形態では、各コンディショニング装置200を、ブリッスルを有する平坦なブラシもしくは円柱状ブラシまたはディスク形状をした部材として構成することができる。
【0026】
図3Aは、円柱状ローラ115上に配置された管状カバー128の処理表面301と接触しているコンディショナ300を有するコンディショニング装置200の一実施形態の上面図である。この実施形態では、コンディショナ300は、円柱状ロッドまたは円柱状チューブ302形である。一実施形態では、コンディショナ300は、管状カバー128の処理表面301を削り落すように適合した粗くした外側表面303を含む。一実施形態では、コンディショナ300の外側表面303は、複数の研磨剤粒子305を含む。
【0027】
この実施形態では、コンディショナ300を、円柱状ローラ115に対して回転するように適合させる。コンディショナ300を、スピンドル312によって各端部で支持体部材210に連結する。スピンドル312は、支持体部材210および円柱状ローラ115に対するコンディショナ300の回転を可能にする。コンディショナ300を、円柱状ローラ115の回転に基づいて回転させるように適合させることができる、またはコンディショナ300を、円柱状ローラ115とは独立に回転させることができる。一実施形態では、第3の軸Bと呼ぶことができる軸Bの周りにコンディショナ300を回転させるアクチュエータ315に、コンディショナ300を連結する。一実施形態では、コンディショナ300を回転させることができるが、円柱状ローラ115は静止している。別の一実施形態では、コンディショナ300を軸Bの周りに回転させることができるが、円柱状ローラ115は軸A”の周りを回転する。一態様では、回転軸A”およびBは、実質的に平行である。一実施形態では、回転軸A’およびA”の回転方向を、両方とも時計回りまたは反時計回りとすることができる。あるいは、軸A’の回転方向を時計回りとすることができ、軸A”の回転方向を反時計回りとすることができる、またはこの逆にすることができる。別の一実施形態では、軸Bの回転方向を時計回りとすることも反時計回りとすることもでき、回転運動を、円柱状ローラ115、120の回転とは独立にすることができる。さらに別の一実施形態では、円柱状ローラ115、120およびコンディショナ300のうちのいずれかまたはすべての回転力を、パルス的にオンおよびオフさせることができ、回転速度を変更するために変えることができ、および/または間欠的に反対にすることができる。
【0028】
図3Bは、図3Aの円柱状ローラ115およびコンディショナ300の断面図である。コンディショナ300は、コア320を含み、これをコンディショナ300の縦軸上に配置されたシャフトとすることができる。コア320を、スピンドル312(図3A)に連結することができる。円柱状ローラ115は、円柱状ローラ115の縦軸上の管状コア317を含むマンドレルアセンブリ316を含む。管状コア317は、管状コア317から円柱状ローラ115の周辺へと延びる複数の放射状導管318と連通する。一実施形態では、基板の処理中に放射状導管318を通して管状カバー128へ洗浄流体または研磨流体を与える流体源319に、管状コア317を連結する。別の一実施形態では、流体源319は、処理表面301の洗浄を向上させるために、コンディショニング中に管状カバー128へ流体を与える。この実施形態では、流体源319は、放射状導管318を通して管状カバー128へ液体またはガスを与える。一実施形態では、流体を、処理表面301からの材料の除去を促進させることができる他の材料の中でとりわけ、イオンが除去された水(DIW)、アルゴン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガスとすることができる。
【0029】
図3Cは、コンディショナ300の少なくとも一部の周囲を囲むまたは取り巻くハウジング325を有するコンディショニング装置200の別の一実施形態の側面断面図である。ハウジング325は、管状カバー128の処理表面301と接触するように適合したワイパ328を含む。一実施形態では、ワイパ328は、処理表面301を削り落すために利用されるブリッスルおよび/または研磨剤(図示せず)を含む。この実施形態では、ワイパ328を、コンディショナ300を用いてまたは用いずに利用することができる。例えば、一実施形態では、ワイパ328を、コンディショナ300を必要とせずにコンディショニング装置として利用することができる。別の一実施形態では、ワイパ328を、コンディショニングプロセスによって生成されるいずれかの材料を抑制するためにコンディショナ300とともに利用する。この実施形態では、ワイパ328を、管状カバー128の処理表面301のトポロジに対応するように適合したフレキシブル材料または柔軟な材料から作成する。コンディショナ300を用いるまたは用いないワイパ328の使用に応じて、ワイパ328用の材料は、セラミック、ガラス、熱可塑性物質などの堅固な材料ならびにポリマ、プラスチック、シリコン、エラストマおよびゴムなどのより柔軟な材料を含む。
【0030】
一実施形態では、ハウジング325が、負圧領域335の周囲を囲む。この実施形態では、ハウジング325は、領域335内に負圧を発生させるまたは維持するように適合した真空ポンプ330と流体連結する。この実施形態では、ワイパ328を、ハウジング325内に負圧を封じ込めるための柔軟なシールとして構成する。処理表面301の洗浄を、真空ポンプ330からの吸引によって向上させることができる。管状カバー128の処理表面301から除去した材料ならびに何らかの流体を、ハウジング325の内部から除去し、廃棄物システムまたは排除システムへ送ることができる。
【0031】
図4Aは、円柱状ローラ115上に配置された管状カバー128の処理表面301と接触しているコンディショナ400を有するコンディショニング装置200の別の一実施形態の上面図である。この実施形態では、コンディショナ400を、円柱状ローラ115の長さに及ぶ棒状の形状をした構造部材402を有するブラシまたはコームとして構成する。構造部材402の各端部を、支持体部材210に連結する。この実施形態では、支持体部材210のうちの一方または両方を、構造部材402の一方または両方の端部に圧力をかけるように適合した線形アクチュエータ415に連結する。このようにして、コンディショナ400と管状カバー128の処理表面301との間の圧力または力を、変えることができる。動作では、円柱状ローラ115を軸A”の周りに回転させ、一方でコンディショナ400を管状カバー128の処理表面301に対して制御できるように強く押し付ける。
【0032】
図4Bは、図4Aの円柱状ローラ115およびコンディショナ400の断面図である。一実施形態では、コンディショナ400は、ブリッスル、研磨剤粒子、構造的突起物、またはこれらの組み合わせとすることができる複数の盛り上がった形体405を含む。図示していないが、コンディショナ400を、図3Cに示したような真空ポンプと連通するハウジングによって周囲を囲むことができる。
【0033】
図5Aは、円柱状ローラ115上に配置された管状カバー128の処理表面301と接触しているコンディショナ500を有するコンディショニング装置200の別の一実施形態の上面図である。この実施形態では、コンディショナ500は、本体502の幾何学的中心のところで支持体部材510に連結されたディスク形状をした本体502を含む。この実施形態では、支持体部材510をアクスルとして適合させ、アクスルを、軸Cの周りに本体502を回転させるために利用するアクチュエータ515に連結する。この実施形態では、タンク105の内部容積が真空ポンプ330によってもたらされる負圧を封じ込めることを可能にするリッド(図示せず)とともに、タンク105を設けることができる。材料が管状カバー128の処理表面301から除去されるので、除去された材料、ならびに何らかの流体を、タンク105の内部から除去し、廃棄物システムまたは排除システムへと送ることができる。
【0034】
図5Bは、図5Aの円柱状ローラ115およびコンディショナ500の断面図である。コンディショナ500は、外側表面503を含み、外側表面を、管状カバー128の処理表面301を削り落すために粗くすることができる。一実施形態では、外側表面503は、複数の盛り上がった形体505を含み、これを、ブリッスル、研磨剤粒子、構造的突起物、またはこれらの組み合わせとすることができる。
【0035】
この実施形態では、コンディショナ500を、円柱状ローラ115に対して回転するように適合させる。円柱状ローラ115に対する本体502の回転を容易にするために、コンディショナ500を支持体部材510に連結する。コンディショナ500を、円柱状ローラ115の回転に基づいて回転させるように適合させることができる、またはコンディショナ500が、円柱状ローラ115とは独立に回転させられる場合がある。一実施形態では、本体502を第4の軸Cと呼ぶことができる軸Cの周りで回転させるアクチュエータ515に、コンディショナ500を連結する。一実施形態では、本体502を回転させることができるが、円柱状ローラ115は静止している。別の一実施形態では、本体502を軸Cの周りに回転させることができるが、円柱状ローラ115は軸A”の周りを回転する。一態様では、回転軸A”は、回転軸Cに実質的に垂直である。
【0036】
図6は、本明細書において説明したコンディショニング装置200を使用するコンディショニング方法600の一実施形態を示す流れ図である。610ところでは、処理表面301を有する円柱状ローラ115、120の一方または両方を、本明細書において説明したコンディショナ300、400または500などのコンディショナに接触するように設置する。620ところでは、相対的な運動を、処理表面301とコンディショナとの間に与える。相対的な運動を、コンディショナに対して円柱状ローラ115、120を回転させることによって、円柱状ローラ115、120に対してコンディショナを回転させることによって、またはこれらの組み合わせによって与えることができる。
【0037】
図7は、本明細書において説明したようなスクラバボックス100を使用する基板処理方法700の一実施形態を示す流れ図である。710ところでは、基板を、2つの円柱状ローラ115、120の間の位置までタンク105へと搬送する。720ところでは、2つの円柱状ローラ115、120の各々を、円柱状ローラ115、120の処理表面301と基板の主要面との間の接触を容易にする第1の位置へと基板に向けて強く押し付ける。ステップ720中には、円柱状ローラ115、120および基板を、洗浄プロセスまたは研磨プロセスを実行するために相対的に回転させることができる。
【0038】
730のところでは、基板の搬送を容易にするために、基板から離して円柱状ローラ115、120を間隔を空けて設置する第2の位置へと、円柱状ローラ115、120を移動させる。第2の位置は、円柱状ローラ115、120の各々の処理表面をコンディショニング装置と接触させることをやはり含み、コンディショニング装置を本明細書において説明したようなコンディショナ300、400、または500とすることができる。図6に説明したようなコンディショニング方法を、基板をタンク105の外へ搬送しながら実行することができる。もう1つの基板をタンク105中へと搬送し、方法を710のとろで始めて繰り返すことができるまで、コンディショニング方法を継続することができる。
【0039】
本明細書において説明したようなコンディショニング装置200の実施形態は、スクラバボックス100の円柱状ローラ115、120上で利用される管状カバー128の処理表面301の寿命を延長する。コンディショニング装置200の使用は、円柱状ローラ115、120をタンク105から取り除く必要がないように、円柱状ローラ115、120の処理表面301のその場洗浄を提供する。一実施形態では、新品または未使用の管状カバー128の処理表面301を、スクラバボックス100内で実行されるブレークインプロセスにおいてコンディショニングすることができる。ブレークインプロセスにおいてコンディショニング装置200を使用することは、ダミーウエハの必要性を最小にするまたは削除し、時間を節約する。加えて、基板搬送プロセス中での円柱状ローラ115、120の処理表面301のコンディショニングは、スクラバボックス100のスループットに影響を及ぼさない。本明細書において説明したようなコンディショニング装置200は、細孔を開かせることによって、ならびに処理表面301から凝集物および/または余剰な材料を除去することによって、管状カバー128の最適な処理表面301をやはり維持する。最適な処理表面301は、除去速度または洗浄効率を増加させ、管状カバー128の交換頻度を最小にする。したがって、スループットを最大にしながら、所有コストを最小にする。
【0040】
上記は本発明の実施形態に向けられているが、本発明の別の実施形態およびさらなる実施形態を、本発明の基本的な範囲から乖離せずに考案することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子デバイス製造に関係する。特に、実施形態は、半導体基板、ウエハ、コンパクトディスク、ガラス基板、等などの薄いディスクを洗浄するおよび/または研磨するためのスクラバボックスに関係する。
【背景技術】
【0002】
スクラバまたはスクラバボックスと時には呼ばれるブラシ洗浄装置を、電子デバイス製造プロセスの1つまたは複数のステージにおいて半導体基板を研磨するためおよび/または洗浄するために多くの場合に利用する。例えば、その上に配置されたパッド材料またはブラシ本体を有する円柱状ローラを使用する洗浄デバイスを、基板の主要面から材料を除去するために基板の少なくとも1つの主要面と接触させることができる。1つの典型的なプロセスでは、化学機械研磨(CMP)プロセスを使用して基板を研磨するために、その上に配置されたパッド材料を有する円柱状ローラを、回転する基板に対して回転させ、強く押し付けるようにさせる。別の1つの典型的なプロセスでは、CMPプロセスの後で基板を洗浄するために、その上に配置されたブラシ本体を有する円柱状ローラを、回転する基板に対して回転させ、強く押し付けるようにさせる。
【0003】
これらの装置において円柱状ローラ上に配置されたパッド材料またはブラシ本体の研磨表面は、時間とともに摩耗する傾向があり、これが除去速度または洗浄効率を低下させる。したがって、所望の研磨結果または洗浄結果を実現するために、パッド材料またはブラシ本体を頻繁に交換する必要がある場合がある。パッド材料またはブラシ本体の交換は、費用がかかり、ダウンタイムを生じさせ、これがより大きな所有コストおよびより低いスループットという結果をもたらす。
【0004】
集積回路に対する要求が増加し続けるので、チップ製造業者は、増加したスループットを有する半導体プロセス工作機械設備およびより確固とした処理装置を要求している。かかる要求を満足させるために、スループットを最大にし、機器構成要素の耐用年数を増加させ、所有コストを低下させるために、装置および方法が開発されている。
【0005】
必要とされるものは、表面の摩耗を取り除き、表面から凝集した材料を除去することのほか、パッド材料またはブラシ本体の耐用寿命を延ばすために、円柱状ローラ上に配置されたパッド材料またはブラシ本体の処理表面をリフレッシュさせるための装置および方法である。
【発明の概要】
【0006】
本明細書において説明する実施形態は、基板研磨システムまたは基板洗浄システムの一部であるブラシボックス内に配置された円柱状ローラの処理表面をコンディショニングするための方法および装置に関係する。一実施形態では、ブラシボックスを記載する。ブラシボックスは、内部容積を有するタンクと、内部容積内に少なくとも部分的に配置された1対の円柱状ローラであって、円柱状ローラの各々がそれぞれの軸の周りを回転可能である、1対の円柱状ローラと、円柱状ローラが互いに近接している第1の位置と円柱状ローラが互いに間隔を空けて離れている第2の位置との間でそれぞれの円柱状ローラを移動させるために、円柱状ローラの各々に連結されたアクチュエータアセンブリと、円柱状ローラの各々のためのコンディショニング装置であって、各コンディショニング装置が内部容積内に配置されたコンディショナを含み、ローラが第2の位置にあるときに、コンディショナが円柱状ローラの各々の外側表面と接触する、コンディショニング装置とを含む。
【0007】
別の一実施形態では、ブラシボックスを記載する。ブラシボックスは、内部容積を有するタンクと、内部容積内に配置された1対の円柱状ローラであって、ローラの各々がそれぞれの第1の軸の周りを回転可能である、1対の円柱状ローラと、ローラが互いに近接している第1の位置とローラが互いに間隔を空けて離れている第2の位置との間でそれぞれのローラを移動させるために、円柱状ローラの各々に連結されたアクチュエータアセンブリと、ローラの各々のためのコンディショニング装置であって、各コンディショニング装置が内部容積内に配置されたコンディショナを含み、ローラが第2の位置にあるときに、各コンディショナが円柱状ローラの各々の外側表面と接触し、各コンディショナが第1の軸とは異なる第2の軸の周りを回転可能である、コンディショニング装置とを含む。
【0008】
別の一実施形態では、基板を処理するための方法を記載する。本方法は、タンクへ基板を搬送するステップと、タンク内に配置された2つの円柱状ローラの間に基板を設置するステップと、円柱状ローラの各々の処理表面が基板の主要面に接触する第1の位置へと2つの円柱状ローラの各々を移動させるステップと、2つの円柱状ローラのうちの少なくとも1つと基板との間に相対的な運動を与えることによって基板を処理するステップと、基板の主要面から間隔を空けて離れた第2の位置へ2つの円柱状ローラの各々を移動させるステップであって、第2の位置が処理表面をコンディショニング装置と接触させることを含む、移動させるステップと、処理表面をコンディショニングしながらタンクの外へ基板を搬送するステップとを含む。
【0009】
したがって、本発明の上に記述した特徴を詳細に理解することが可能な方式で、上に簡潔に要約されている本発明のより詳しい説明を、その一部が添付した図面に図示されている実施形態を参照することによって知ることができる。しかしながら、添付した図面が本発明の典型的な実施形態だけを図示し、本発明が他の同様に有効な実施形態を許容することができるので、それゆえ、本発明の範囲を限定するようには見なされないことに、留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】スクラバボックスの等角図である。
【図2A】基板処理位置にある円柱状ローラを示す図1のスクラバボックスの上面図である。
【図2B】基板搬送位置にある円柱状ローラを示す図2Aのスクラバボックスの上面断面図である。
【図3A】コンディショニング装置の一実施形態の上面図である。
【図3B】図3Aの円柱状ローラおよびコンディショナの側面断面図である。
【図3C】コンディショニング装置の別の一実施形態の側面断面図である。
【図4A】コンディショニング装置の別の一実施形態の上面図である。
【図4B】図4Aの円柱状ローラおよびコンディショナの断面図である。
【図5A】コンディショニング装置の別の一実施形態の上面図である。
【図5B】図5Aの円柱状ローラおよびコンディショナの断面図である。
【図6】コンディショニング方法の一実施形態を示す流れ図である。
【図7】基板処理方法の一実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするために、可能である場合には、複数の図に共通な同一の要素を示すために、同一の参照番号を使用している。一実施形態において開示した要素を、具体的な記述がなくとも別の実施形態において利益をもたらすように利用することができることが予想される。
【0012】
本明細書において説明する実施形態は、スクラバボックスにおいて利用されるブラシ型洗浄システム内で円柱状ローラ上に配置されたパッド材料またはブラシ本体の処理表面をコンディショニングするためまたはリフレッシュするための装置および方法を一般に提供する。本発明による利点に適合することができるスクラバボックスの実施形態は、SYCAMORE(商標)研磨システムおよびDESICA(登録商標)洗浄装置の一部である洗浄モジュールを含み、両者ともSanta Clara、Californiaに所在するApplied Materials,Inc.から入手可能である。本明細書において説明する実施形態を、他の製造業者から入手可能なブラシ型洗浄システムおよび研磨システムにおいてやはり利用することができる。加えて、スクラバボックスの実施形態を、垂直の向きである基板を処理するように説明しているが、ある実施形態を、水平の向きである基板を処理するように構成されたスクラバボックスにおいて利用することができる。
【0013】
図1は、上に説明したような洗浄モジュールにおいて利用することができるスクラバボックス100の等角図である。スクラバボックス100は、第1の支持体125および第2の支持体130中に少なくとも部分的に入れられているタンク105を含む。支持体125、130の各々を、スクラバボックス100のタンク105に対して外である(すなわち外側にある)リンケージ110に連結する。支持体125、130の各々は、アクチュエータ135を支持するように適合している。各アクチュエータ135を、タンク105の内側に置かれた円柱状ローラ115、120(図2Aに図示する)に連結する。アクチュエータ135は、軸A’およびA”の周りでのそれぞれ円柱状ローラ115、120の回転運動を与える。アクチュエータ135の各々を、軸A’およびA”の周りにそれぞれ円柱状ローラ115、120を回転させるように適合した直接駆動サーボモータなどの駆動モータとすることができる。アクチュエータ135の各々を、円柱状ローラ115、120の回転速度を制御するように適合したコントローラに連結する。
【0014】
リンケージ110を、支持体125、130の各々、ベース140、およびアクチュエータ145に連結する。基板101(図2に図示する)の主要面に対して、タンク105の内側に置かれた円柱状ローラ115、120の使いやすく正確な作動/運動のために、リンケージ110を利用する。加えて、ブラシ115、120、アクチュエータ135、および支持体125、130の間の回転連結を実現するために、クリアランスホール(図示せず)をタンク105内に形成することができる。フレキシブルワッシャ、シールまたはベローズなどの柔軟な結合素子150を、各穴の周りに配置することができ、タンク105と支持体125、130との間に装着することができる。かかる配置は、(1)タンク105の壁に対して円柱状ローラ115、120の相対運動を可能にし、(2)別のやり方ではタンク壁中の穴を通してタンク105の内部へと通過するはずの粒子汚染に対して基板101を保護し、および/または(3)流体が穴を通って排出されることを防止する一方で、タンク105内の流体レベルが穴のレベルに達するまたは超えることを可能にする。リンケージ110の運動を制御するために、アクチュエータ145をコントローラに連結する。
【0015】
第1の支持体125および第2の支持体130を(互いに上側におよび内側に向かって、ならびに/または互いに下側におよび外側に向かって離れて)ピボット回転するように適合させることができるピボット点112によって、第1の支持体125および第2の支持体130の各々をベース140に連結する。動作では、第1の支持体125および第2の支持体130を、ベース140に対して、図1に示したように、それぞれの円弧1461、1462を介して同時に移動させることができる。かかる運動は、第1の円柱状ローラ115および第2の円柱状ローラ120を図2Aに示したように基板101に対して閉じさせることができる、またはスクラバボックス100への基板101の挿入および/またはこれからの取り出しを可能にするために、第1の円柱状ローラ115および第2の円柱状ローラ120を(図2Bに示したように)間の間隔を空けて離すことができる。
【0016】
図2Aは、円柱状ローラ115、120が閉じられている、すなわち基板101の主要面に対して押し付けられている処理位置にある円柱状ローラ115、120を示している図1のスクラバボックス100の上面図である。図2Bは、円柱状ローラ115、120が基板の搬送を容易にするように間隔を空けて離れている搬送位置にある図2Aのスクラバボックス100の上面図である。スクラバボックス100はまた、1つまたは複数の駆動モータ144および回転装置147を含む。基板101を支持するようにおよび/または係合するように構成され、基板101の回転を容易にするように構成されたローラアセンブリに、駆動モータ144の各々および回転装置147を連結する。
【0017】
円柱状ローラ115、120の各々は、その上に配置された管状カバー128を含む。管状カバー128を、基板101を研磨するために利用することができるパッド材料または基板101を洗浄するように適合したブラシ本体から作られた脱着可能なスリーブとすることができる。
【0018】
管状カバー128として利用することができるパッド材料の例は、化学機械研磨(CMP)プロセスにおいて典型的に利用される高分子パッド材料を含む。高分子材料を、ポリウレタン、ポリカーボネート、フロロポリマ、PTFE、PTFA、硫化ポリフェニレン(PPS)、またはこれらの組み合わせとすることができる。パッド材料は、連続気泡または独立気泡発泡ポリマ、エラストマ、フェルト、含浸フェルト、プラスチック、および処理化学薬品に対応する類似の材料をさらに備えることができる。別の一実施形態では、パッド材料は、多孔質コーティングを用いて含浸させたフェルト材料である。
【0019】
管状カバー128として利用することができるブラシ本体の例は、発泡材料(例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン)などの高分子材料、ならびに熱可塑性材料、またはナイロンなどのポリアミド材料を含む。管状カバー128は、基板101を削り落すためおよび基板101の洗浄を引き起こすために利用する複数の盛り上がった形体、小結節、またはブリッスル(図示せず)をさらに含むことができる。
【0020】
管状カバー128の具体的な材料に応じて、管状カバー128の処理表面の洗浄効果および/または研磨効果は、適した気孔率および平均細孔サイズに一般に依存する。ある実施形態では、管状カバー128の処理表面の気孔率を、約85%よりも大きくすることができる。管状カバー128の他の特性は、望ましい平均細孔サイズまたは開口を含む。細孔サイズ開口は、ある実施形態では約10ミクロンから約200ミクロンまでの範囲である。細孔構造が、基板の機能面の洗浄またはそこからの材料除去をもたらす。研磨コンパウンド保持、研磨活性度または除去活性度、ならびに材料搬送および流体搬送などの属性が、除去速度にやはり影響を及ぼす。
【0021】
基板からの材料の最適な除去を容易にするように、比較的高く安定な除去速度および/または最大にした洗浄効率を提供するために、これらの微視的な細孔を完全にかつ均等に開かせなければならない。これらの細孔構造は、開いているときに、処理表面の濡れ性を向上させることによって、処理表面粗さを維持することによって、および、例えば、研磨コンパウンドから供給される砥粒粒子などの研磨コンパウンドを分散させることによって、材料除去を促進させる。
【0022】
研磨プロセスまたは洗浄プロセス中の基板から材料を除去するプロセスにおいて、管状カバー128の処理表面は、摩耗するようになり、除去した材料、化学物質、およびその他の副生成物が管状カバー128の処理表面に付着するようになる。管状カバー128の洗浄効率および/または研磨効率を維持するために、管状カバー128を交換することができる、これはコストがかかり、時間がかかる。あるいは、管状カバー128の処理表面を向上させるために、管状カバー128の処理表面を、定期的にコンディショニングするまたはリフレッシュすることができる。
【0023】
図2Aおよび図2Bは、円柱状ローラ115、120の各々の上に配置された管状カバー128の処理表面をコンディショニングするためおよび/またはリフレッシュするために利用することができるコンディショニング装置200の一実施形態を図示する。この実施形態では、専用のコンディショニング装置200を、円柱状ローラ115、120の各々に対して設けているが、1つだけのコンディショニング装置200を利用することができる。コンディショニング装置200を、1つまたは複数の支持体部材210によってタンク105の側壁205に隣接して装着する。コンディショニング装置200をタンク105の中心から離して設置する、それで、コンディショニング装置200が基板搬送および/または基板研磨プロセスもしくは洗浄プロセスを邪魔しない。しかしながら、第1の支持体125および第2の支持体130を互いに離して下に向けておよび外に向けて作動させるときには、コンディショニング装置200を円柱状ローラ115、120の各々と接触するように設置する。一実施形態では、第1の支持体125および第2の支持体130の移動が、円柱状ローラ115、120をそれぞれのコンディショニング装置200と接触させる。円柱状ローラ115、120がこの位置にあるときには、円柱状ローラ115、120とコンディショニング装置200との間に相対的な運動を生じさせることによって、円柱状ローラ115、120の各々の上に配置された管状カバー128の処理表面を、コンディショニングすることができる。
【0024】
一実施形態では、円柱状ローラ115、120は、コンディショニング装置200に対してそれぞれの第1の軸A’およびA”の周りを回転する。軸A’およびA”の回転方向は、同じであることも異なることもある。例えば、第1の軸A’および第2の軸A”の回転方向を、両方とも時計回りまたは反時計回りとすることができる。あるいは、第1の軸A’の回転方向を時計回りとすることができ、第2の軸A”の回転方向を反時計回りとすることができる、またはこの逆にすることができる。別の一実施形態では、円柱状ローラ115、120の運動または軸回転に基づいて円柱状ローラ115、120の各々に対して、コンディショニング装置200を回転させることができる。別の一実施形態では、コンディショニング装置200および円柱状ローラ115、120の両方を独立に回転させることができる。
【0025】
コンディショニング装置200は、管状カバー128との機械的接触によって管状カバー128の処理表面を洗浄するように、削り落すように、または向上させるように構成された物品である。一実施形態では、コンディショニング装置200は、研磨剤材料から作られた研磨剤物品であるおよび/またはダイアモンドもしくはセラミック材料などの研磨剤粒子を含む。あるいは、コンディショニング装置200を、管状カバー128の処理表面の硬度よりも硬い材料から作ることができる。例は、とりわけ他の材料の中で、ガラス、ケイ素材料、熱硬化性物質、アルミニウムまたはタングステンなどのプロセス対応金属を含む。コンディショニング装置200の外側表面を、管状カバー128の処理表面の研磨作用を向上させるために粗くすることができる。この実施形態では、各コンディショニング装置200は、細長い円柱状部材または管状部材である。他の実施形態では、各コンディショニング装置200を、ブリッスルを有する平坦なブラシもしくは円柱状ブラシまたはディスク形状をした部材として構成することができる。
【0026】
図3Aは、円柱状ローラ115上に配置された管状カバー128の処理表面301と接触しているコンディショナ300を有するコンディショニング装置200の一実施形態の上面図である。この実施形態では、コンディショナ300は、円柱状ロッドまたは円柱状チューブ302形である。一実施形態では、コンディショナ300は、管状カバー128の処理表面301を削り落すように適合した粗くした外側表面303を含む。一実施形態では、コンディショナ300の外側表面303は、複数の研磨剤粒子305を含む。
【0027】
この実施形態では、コンディショナ300を、円柱状ローラ115に対して回転するように適合させる。コンディショナ300を、スピンドル312によって各端部で支持体部材210に連結する。スピンドル312は、支持体部材210および円柱状ローラ115に対するコンディショナ300の回転を可能にする。コンディショナ300を、円柱状ローラ115の回転に基づいて回転させるように適合させることができる、またはコンディショナ300を、円柱状ローラ115とは独立に回転させることができる。一実施形態では、第3の軸Bと呼ぶことができる軸Bの周りにコンディショナ300を回転させるアクチュエータ315に、コンディショナ300を連結する。一実施形態では、コンディショナ300を回転させることができるが、円柱状ローラ115は静止している。別の一実施形態では、コンディショナ300を軸Bの周りに回転させることができるが、円柱状ローラ115は軸A”の周りを回転する。一態様では、回転軸A”およびBは、実質的に平行である。一実施形態では、回転軸A’およびA”の回転方向を、両方とも時計回りまたは反時計回りとすることができる。あるいは、軸A’の回転方向を時計回りとすることができ、軸A”の回転方向を反時計回りとすることができる、またはこの逆にすることができる。別の一実施形態では、軸Bの回転方向を時計回りとすることも反時計回りとすることもでき、回転運動を、円柱状ローラ115、120の回転とは独立にすることができる。さらに別の一実施形態では、円柱状ローラ115、120およびコンディショナ300のうちのいずれかまたはすべての回転力を、パルス的にオンおよびオフさせることができ、回転速度を変更するために変えることができ、および/または間欠的に反対にすることができる。
【0028】
図3Bは、図3Aの円柱状ローラ115およびコンディショナ300の断面図である。コンディショナ300は、コア320を含み、これをコンディショナ300の縦軸上に配置されたシャフトとすることができる。コア320を、スピンドル312(図3A)に連結することができる。円柱状ローラ115は、円柱状ローラ115の縦軸上の管状コア317を含むマンドレルアセンブリ316を含む。管状コア317は、管状コア317から円柱状ローラ115の周辺へと延びる複数の放射状導管318と連通する。一実施形態では、基板の処理中に放射状導管318を通して管状カバー128へ洗浄流体または研磨流体を与える流体源319に、管状コア317を連結する。別の一実施形態では、流体源319は、処理表面301の洗浄を向上させるために、コンディショニング中に管状カバー128へ流体を与える。この実施形態では、流体源319は、放射状導管318を通して管状カバー128へ液体またはガスを与える。一実施形態では、流体を、処理表面301からの材料の除去を促進させることができる他の材料の中でとりわけ、イオンが除去された水(DIW)、アルゴン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガスとすることができる。
【0029】
図3Cは、コンディショナ300の少なくとも一部の周囲を囲むまたは取り巻くハウジング325を有するコンディショニング装置200の別の一実施形態の側面断面図である。ハウジング325は、管状カバー128の処理表面301と接触するように適合したワイパ328を含む。一実施形態では、ワイパ328は、処理表面301を削り落すために利用されるブリッスルおよび/または研磨剤(図示せず)を含む。この実施形態では、ワイパ328を、コンディショナ300を用いてまたは用いずに利用することができる。例えば、一実施形態では、ワイパ328を、コンディショナ300を必要とせずにコンディショニング装置として利用することができる。別の一実施形態では、ワイパ328を、コンディショニングプロセスによって生成されるいずれかの材料を抑制するためにコンディショナ300とともに利用する。この実施形態では、ワイパ328を、管状カバー128の処理表面301のトポロジに対応するように適合したフレキシブル材料または柔軟な材料から作成する。コンディショナ300を用いるまたは用いないワイパ328の使用に応じて、ワイパ328用の材料は、セラミック、ガラス、熱可塑性物質などの堅固な材料ならびにポリマ、プラスチック、シリコン、エラストマおよびゴムなどのより柔軟な材料を含む。
【0030】
一実施形態では、ハウジング325が、負圧領域335の周囲を囲む。この実施形態では、ハウジング325は、領域335内に負圧を発生させるまたは維持するように適合した真空ポンプ330と流体連結する。この実施形態では、ワイパ328を、ハウジング325内に負圧を封じ込めるための柔軟なシールとして構成する。処理表面301の洗浄を、真空ポンプ330からの吸引によって向上させることができる。管状カバー128の処理表面301から除去した材料ならびに何らかの流体を、ハウジング325の内部から除去し、廃棄物システムまたは排除システムへ送ることができる。
【0031】
図4Aは、円柱状ローラ115上に配置された管状カバー128の処理表面301と接触しているコンディショナ400を有するコンディショニング装置200の別の一実施形態の上面図である。この実施形態では、コンディショナ400を、円柱状ローラ115の長さに及ぶ棒状の形状をした構造部材402を有するブラシまたはコームとして構成する。構造部材402の各端部を、支持体部材210に連結する。この実施形態では、支持体部材210のうちの一方または両方を、構造部材402の一方または両方の端部に圧力をかけるように適合した線形アクチュエータ415に連結する。このようにして、コンディショナ400と管状カバー128の処理表面301との間の圧力または力を、変えることができる。動作では、円柱状ローラ115を軸A”の周りに回転させ、一方でコンディショナ400を管状カバー128の処理表面301に対して制御できるように強く押し付ける。
【0032】
図4Bは、図4Aの円柱状ローラ115およびコンディショナ400の断面図である。一実施形態では、コンディショナ400は、ブリッスル、研磨剤粒子、構造的突起物、またはこれらの組み合わせとすることができる複数の盛り上がった形体405を含む。図示していないが、コンディショナ400を、図3Cに示したような真空ポンプと連通するハウジングによって周囲を囲むことができる。
【0033】
図5Aは、円柱状ローラ115上に配置された管状カバー128の処理表面301と接触しているコンディショナ500を有するコンディショニング装置200の別の一実施形態の上面図である。この実施形態では、コンディショナ500は、本体502の幾何学的中心のところで支持体部材510に連結されたディスク形状をした本体502を含む。この実施形態では、支持体部材510をアクスルとして適合させ、アクスルを、軸Cの周りに本体502を回転させるために利用するアクチュエータ515に連結する。この実施形態では、タンク105の内部容積が真空ポンプ330によってもたらされる負圧を封じ込めることを可能にするリッド(図示せず)とともに、タンク105を設けることができる。材料が管状カバー128の処理表面301から除去されるので、除去された材料、ならびに何らかの流体を、タンク105の内部から除去し、廃棄物システムまたは排除システムへと送ることができる。
【0034】
図5Bは、図5Aの円柱状ローラ115およびコンディショナ500の断面図である。コンディショナ500は、外側表面503を含み、外側表面を、管状カバー128の処理表面301を削り落すために粗くすることができる。一実施形態では、外側表面503は、複数の盛り上がった形体505を含み、これを、ブリッスル、研磨剤粒子、構造的突起物、またはこれらの組み合わせとすることができる。
【0035】
この実施形態では、コンディショナ500を、円柱状ローラ115に対して回転するように適合させる。円柱状ローラ115に対する本体502の回転を容易にするために、コンディショナ500を支持体部材510に連結する。コンディショナ500を、円柱状ローラ115の回転に基づいて回転させるように適合させることができる、またはコンディショナ500が、円柱状ローラ115とは独立に回転させられる場合がある。一実施形態では、本体502を第4の軸Cと呼ぶことができる軸Cの周りで回転させるアクチュエータ515に、コンディショナ500を連結する。一実施形態では、本体502を回転させることができるが、円柱状ローラ115は静止している。別の一実施形態では、本体502を軸Cの周りに回転させることができるが、円柱状ローラ115は軸A”の周りを回転する。一態様では、回転軸A”は、回転軸Cに実質的に垂直である。
【0036】
図6は、本明細書において説明したコンディショニング装置200を使用するコンディショニング方法600の一実施形態を示す流れ図である。610ところでは、処理表面301を有する円柱状ローラ115、120の一方または両方を、本明細書において説明したコンディショナ300、400または500などのコンディショナに接触するように設置する。620ところでは、相対的な運動を、処理表面301とコンディショナとの間に与える。相対的な運動を、コンディショナに対して円柱状ローラ115、120を回転させることによって、円柱状ローラ115、120に対してコンディショナを回転させることによって、またはこれらの組み合わせによって与えることができる。
【0037】
図7は、本明細書において説明したようなスクラバボックス100を使用する基板処理方法700の一実施形態を示す流れ図である。710ところでは、基板を、2つの円柱状ローラ115、120の間の位置までタンク105へと搬送する。720ところでは、2つの円柱状ローラ115、120の各々を、円柱状ローラ115、120の処理表面301と基板の主要面との間の接触を容易にする第1の位置へと基板に向けて強く押し付ける。ステップ720中には、円柱状ローラ115、120および基板を、洗浄プロセスまたは研磨プロセスを実行するために相対的に回転させることができる。
【0038】
730のところでは、基板の搬送を容易にするために、基板から離して円柱状ローラ115、120を間隔を空けて設置する第2の位置へと、円柱状ローラ115、120を移動させる。第2の位置は、円柱状ローラ115、120の各々の処理表面をコンディショニング装置と接触させることをやはり含み、コンディショニング装置を本明細書において説明したようなコンディショナ300、400、または500とすることができる。図6に説明したようなコンディショニング方法を、基板をタンク105の外へ搬送しながら実行することができる。もう1つの基板をタンク105中へと搬送し、方法を710のとろで始めて繰り返すことができるまで、コンディショニング方法を継続することができる。
【0039】
本明細書において説明したようなコンディショニング装置200の実施形態は、スクラバボックス100の円柱状ローラ115、120上で利用される管状カバー128の処理表面301の寿命を延長する。コンディショニング装置200の使用は、円柱状ローラ115、120をタンク105から取り除く必要がないように、円柱状ローラ115、120の処理表面301のその場洗浄を提供する。一実施形態では、新品または未使用の管状カバー128の処理表面301を、スクラバボックス100内で実行されるブレークインプロセスにおいてコンディショニングすることができる。ブレークインプロセスにおいてコンディショニング装置200を使用することは、ダミーウエハの必要性を最小にするまたは削除し、時間を節約する。加えて、基板搬送プロセス中での円柱状ローラ115、120の処理表面301のコンディショニングは、スクラバボックス100のスループットに影響を及ぼさない。本明細書において説明したようなコンディショニング装置200は、細孔を開かせることによって、ならびに処理表面301から凝集物および/または余剰な材料を除去することによって、管状カバー128の最適な処理表面301をやはり維持する。最適な処理表面301は、除去速度または洗浄効率を増加させ、管状カバー128の交換頻度を最小にする。したがって、スループットを最大にしながら、所有コストを最小にする。
【0040】
上記は本発明の実施形態に向けられているが、本発明の別の実施形態およびさらなる実施形態を、本発明の基本的な範囲から乖離せずに考案することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部容積を有するタンクと、
前記内部容積の外部に配置されたそれぞれの支持体部材に連結された1対の円柱状ローラであって、前記円柱状ローラの各々が、前記内部容積内に少なくとも部分的に配置され、それぞれの軸の周りを回転可能である、1対の円柱状ローラと、
前記円柱状ローラが互いに近接している第1の位置と前記円柱状ローラが互いに間隔を空けて離れている第2の位置との間で前記それぞれの円柱状ローラを移動させるために、前記円柱状ローラの各々に連結されたアクチュエータアセンブリと、
前記円柱状ローラの各々のためのコンディショニング装置であって、各コンディショニング装置が前記内部容積内に配置されたコンディショナを含み、前記ローラが前記第2の位置にあるときに、前記コンディショナが前記円柱状ローラの各々の外側表面と接触する、コンディショニング装置と
を備えた、ブラシボックス。
【請求項2】
前記コンディショナが、1つまたは複数の支持体部材によって前記タンクの側壁に連結される、請求項1に記載のブラシボックス。
【請求項3】
前記コンディショナが、前記1つまたは複数の支持体部材によって前記タンクの前記側壁に回転できるように連結される、請求項2に記載のブラシボックス。
【請求項4】
前記1つまたは複数の支持体部材が、アクチュエータに連結される、請求項3に記載のブラシボックス。
【請求項5】
前記円柱状ローラが、第1の軸および第2の軸の周りを回転可能であり、前記第1の軸が、前記第2の軸とは異なり、前記第2の軸に平行である、請求項4に記載のブラシボックス。
【請求項6】
前記アクチュエータが、前記第1の軸または前記第2の軸に実質的に平行である第3の軸の周りに前記コンディショナを回転させる、請求項5に記載のブラシボックス。
【請求項7】
前記アクチュエータが、前記第1の軸または前記第2の軸に実質的に垂直である第4の軸の周りに前記コンディショナを回転させる、請求項5に記載のブラシボックス。
【請求項8】
前記コンディショニング装置が、
前記コンディショナの周りに配置されたハウジングであって、前記ハウジングが真空ポンプに連結される、ハウジング
をさらに備えた、請求項1に記載のブラシボックス。
【請求項9】
前記ハウジングが、前記第2の位置にある前記円柱状ローラの前記外側表面と接触するように適合した少なくとも1つのワイパを含む、請求項8に記載のブラシボックス。
【請求項10】
内部容積を有するタンクと、
前記内部容積の外部に移動できるように配置されたそれぞれの支持部材に連結された1対の円柱状ローラであって、前記円柱状ローラの各々が、前記内部容積内に少なくとも部分的に配置され、それぞれの軸の周りを回転可能である、1対の円柱状ローラと、
前記ローラが互いに近接している第1の位置と前記ローラが互いに間隔を空けて離れている第2の位置との間で前記それぞれのローラを移動させるために、前記円柱状ローラの各々に連結されたアクチュエータアセンブリと、
前記ローラの各々のためのコンディショニング装置であって、各コンディショニング装置が前記内部容積内に配置されたコンディショナを含み、前記ローラが前記第2の位置にあるときに、各コンディショナが前記円柱状ローラの各々の外側表面と接触し、各コンディショナが前記第1の軸とは異なる第2の軸の周りを回転可能である、コンディショニング装置と
を備えた、ブラシボックス。
【請求項11】
各コンディショナが、1つまたは複数の支持体部材によって前記タンクの側壁に回転できるように連結される、請求項10に記載のブラシボックス。
【請求項12】
前記1つまたは複数の支持体部材が、アクチュエータに連結される、請求項11に記載のブラシボックス。
【請求項13】
前記アクチュエータが、前記第2の軸の周りに前記コンディショナを回転させ、前記第2の軸が前記第1の軸に実質的に平行である、請求項12に記載のブラシボックス。
【請求項14】
前記アクチュエータが、前記第2の軸の周りに前記コンディショナを回転させ、前記第2の軸が前記第1の軸に実質的に垂直である、請求項12に記載のブラシボックス。
【請求項15】
前記コンディショニング装置が、
前記コンディショナの周りに配置されたハウジングであって、前記ハウジングが真空ポンプに連結される、ハウジング
をさらに備えた、請求項10に記載のブラシボックス。
【請求項1】
内部容積を有するタンクと、
前記内部容積の外部に配置されたそれぞれの支持体部材に連結された1対の円柱状ローラであって、前記円柱状ローラの各々が、前記内部容積内に少なくとも部分的に配置され、それぞれの軸の周りを回転可能である、1対の円柱状ローラと、
前記円柱状ローラが互いに近接している第1の位置と前記円柱状ローラが互いに間隔を空けて離れている第2の位置との間で前記それぞれの円柱状ローラを移動させるために、前記円柱状ローラの各々に連結されたアクチュエータアセンブリと、
前記円柱状ローラの各々のためのコンディショニング装置であって、各コンディショニング装置が前記内部容積内に配置されたコンディショナを含み、前記ローラが前記第2の位置にあるときに、前記コンディショナが前記円柱状ローラの各々の外側表面と接触する、コンディショニング装置と
を備えた、ブラシボックス。
【請求項2】
前記コンディショナが、1つまたは複数の支持体部材によって前記タンクの側壁に連結される、請求項1に記載のブラシボックス。
【請求項3】
前記コンディショナが、前記1つまたは複数の支持体部材によって前記タンクの前記側壁に回転できるように連結される、請求項2に記載のブラシボックス。
【請求項4】
前記1つまたは複数の支持体部材が、アクチュエータに連結される、請求項3に記載のブラシボックス。
【請求項5】
前記円柱状ローラが、第1の軸および第2の軸の周りを回転可能であり、前記第1の軸が、前記第2の軸とは異なり、前記第2の軸に平行である、請求項4に記載のブラシボックス。
【請求項6】
前記アクチュエータが、前記第1の軸または前記第2の軸に実質的に平行である第3の軸の周りに前記コンディショナを回転させる、請求項5に記載のブラシボックス。
【請求項7】
前記アクチュエータが、前記第1の軸または前記第2の軸に実質的に垂直である第4の軸の周りに前記コンディショナを回転させる、請求項5に記載のブラシボックス。
【請求項8】
前記コンディショニング装置が、
前記コンディショナの周りに配置されたハウジングであって、前記ハウジングが真空ポンプに連結される、ハウジング
をさらに備えた、請求項1に記載のブラシボックス。
【請求項9】
前記ハウジングが、前記第2の位置にある前記円柱状ローラの前記外側表面と接触するように適合した少なくとも1つのワイパを含む、請求項8に記載のブラシボックス。
【請求項10】
内部容積を有するタンクと、
前記内部容積の外部に移動できるように配置されたそれぞれの支持部材に連結された1対の円柱状ローラであって、前記円柱状ローラの各々が、前記内部容積内に少なくとも部分的に配置され、それぞれの軸の周りを回転可能である、1対の円柱状ローラと、
前記ローラが互いに近接している第1の位置と前記ローラが互いに間隔を空けて離れている第2の位置との間で前記それぞれのローラを移動させるために、前記円柱状ローラの各々に連結されたアクチュエータアセンブリと、
前記ローラの各々のためのコンディショニング装置であって、各コンディショニング装置が前記内部容積内に配置されたコンディショナを含み、前記ローラが前記第2の位置にあるときに、各コンディショナが前記円柱状ローラの各々の外側表面と接触し、各コンディショナが前記第1の軸とは異なる第2の軸の周りを回転可能である、コンディショニング装置と
を備えた、ブラシボックス。
【請求項11】
各コンディショナが、1つまたは複数の支持体部材によって前記タンクの側壁に回転できるように連結される、請求項10に記載のブラシボックス。
【請求項12】
前記1つまたは複数の支持体部材が、アクチュエータに連結される、請求項11に記載のブラシボックス。
【請求項13】
前記アクチュエータが、前記第2の軸の周りに前記コンディショナを回転させ、前記第2の軸が前記第1の軸に実質的に平行である、請求項12に記載のブラシボックス。
【請求項14】
前記アクチュエータが、前記第2の軸の周りに前記コンディショナを回転させ、前記第2の軸が前記第1の軸に実質的に垂直である、請求項12に記載のブラシボックス。
【請求項15】
前記コンディショニング装置が、
前記コンディショナの周りに配置されたハウジングであって、前記ハウジングが真空ポンプに連結される、ハウジング
をさらに備えた、請求項10に記載のブラシボックス。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2013−508969(P2013−508969A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535203(P2012−535203)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/046599
【国際公開番号】WO2011/049671
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/046599
【国際公開番号】WO2011/049671
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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