説明

ブロックノイズ検出装置及び方法、並びにブロックノイズ除去装置及び方法

【課題】ブロック境界(BLB)の一方の側においてのみ信号変化の大きい時にも、ブロック境界(BLB)をエッジと判定することができる、比較的構成が簡単なブロック検出装置を提供する。
【解決手段】入力映像信号(Va)に対して、隣接画素間の空間差分を算出し、隣接する複数個の上記空間差分の比較結果から、空間差分比較判定信号(SDJ)を出力する空間差分比較部(101)と、上記空間差分比較判定信号(SDJ)を位相毎にカウントして、累積値信号(CAV0〜CAV7)を出力する位相累積部(102)と、複数個の上記累積値信号(CAV0〜CAV7)の値を比較して、値が最大である累積値信号を最大累積値信号(MAS)に対応する位相を最大累積時位相信号(MAS)として出力する最大累積時位相検出部(103)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、映像信号を複数のブロックに分割した後に符号化し伝送あるいは記録したものを復号化した際に生じるブロックノイズに対する映像信号処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のブロック歪検出装置では、ブロック歪検出装置を構成するブロックエッジ判定回路で、注目している輝度信号差分値がその左右周辺の輝度信号差分値の平均の係数倍より大きい時に、エッジと判定していた。また、ブロック歪検出装置を構成する境界特定手段が垂直同期信号に同期したタイミングで、ブロック境界を特定していた(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】再公表特許WO2005/004489号(6頁4行目〜11行目、図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のブロック歪検出装置では、エッジ判定の際に、注目している信号差分値とその左右周辺の信号差分値とを左右同時に比較するので、例えば、ブロック境界の右側において信号変化が小さく、左側において信号変化が大きい時に、ブロック境界をエッジと判定しないという問題があった。
【0005】
また、従来のブロック歪検出装置では、垂直同期信号に同期したタイミングで、ブロック境界を特定するので、1フレームに対するブロック境界を特定する。このため、ブロック歪検出装置を構成するエッジ回数カウンタのビット数が大きくなり、ブロック歪検出装置の回路規模が大きくなるという問題があった。さらに、1フレームに対するブロック境界を特定するため、ブロック歪検出装置を用いてブロック歪除去装置を構成する際に、ブロック歪検出結果をふまえてブロック歪除去処理を行うには、回路規模の大きなフレーム記憶回路を必要とするという問題があった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、ブロック境界の一方の側のみで信号変化が大きい時にもブロック境界をエッジと判定することができ、回路規模が小さくても検出精度の高いブロックノイズ検出装置を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のブロックノイズ検出装置は、
入力映像信号を受信してブロック境界を検出して出力するブロックノイズ検出装置であって、
上記入力映像信号に対して、隣接画素間の空間差分を算出して出力する空間差分算出部と、隣接する複数個の上記空間差分の比較結果から、空間差分比較判定信号を出力する空間差分比較判定部とを備えた空間差分比較部と、
上記空間差分判定信号を位相毎にカウントして、それぞれの位相に対応するカウント値を累積値信号として上記入力映像信号の水平同期信号に同期したタイミングで出力する複数個のカウンタを備えた位相累積部と、
複数個の上記累積値信号の値のうち、値が最大である累積値信号を最大累積値信号として出力し、上記値が最大である上記累積値信号に対応する位相を最大累積時位相信号として出力する最大累積値検出部を備えた最大累積時位相検出部とを備え、
上記最大累積時位相信号に基づいて、検出されたブロック境界の位置を示す検出ブロック位相信号を出力する。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、空間差分比較判定の際に、注目している空間差分とその左右周辺の空間差分を左右別々に比較して、かつ、検出ブロック位相信号を出力する際に、水平同期信号に同期したタイミングで出力し、1フレームを構成するライン毎にブロックノイズ検出を行うことで、ブロック境界の一方の側のみで信号変化が大きい時にもブロック境界をエッジと判定することができ、回路規模が小さくても検出精度の高いブロックノイズ検出装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明のブロックノイズ検出装置及び該ブロックノイズ検出装置を備えたブロックノイズ除去装置について説明する。本発明のブロックノイズ検出装置は、所定の矩形ブロック単位で圧縮伸張処理された映像信号におけるブロックノイズを検出するためのものであり、以下に詳述する例では、ブロックの水平方向のサイズは8画素であるものとする。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1であるブロックノイズ検出装置100を示すものである。図示のブロックノイズ検出装置100は、空間差分比較部101と、位相累積部102と、最大累積時位相検出部103と、制御部109を有する。
【0011】
入力映像信号Vaは、空間差分比較部101に供給されるが、この際、制御部109により入力映像信号Va中の水平同期信号Hsyncが抽出されて、これらが位相累積部102に供給される。
また、制御部109において、水平同期信号Hsyncに同期して、画素サンプリング周期に等しい周期の画素クロックCLKHが発生され、位相累積部102に供給される。
なお、制御部109では、垂直同期信号Vsyncも抽出され、垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsyncは、空間差分比較部101及び最大累積時位相検出部103の制御にも用いられるが、その詳細は省略する。
【0012】
空間差分比較部101は、入力された入力映像信号Vaの空間差分を算出し、算出した空間差分に対して、隣接する複数の空間差分の比較判定を行い、判定結果を空間差分比較判定信号SDJとして位相累積部102に出力する。
【0013】
位相累積部102は、入力された空間差分比較判定信号SDJを空間方向の位相毎に(即ち、水平方向のブロックサイズに一致する、8個の相連続する画素を1周期とする8個の位相毎に)累積して、1ライン分の累積結果を、(8個の位相にそれぞれ対応する)
8個の累積値信号CAV0〜CAV7として最大累積時位相検出部103に入力映像信号Vaから抽出された水平同期信号Hsyncに同期したタイミングで出力する。
【0014】
最大累積時位相検出部103は、入力された8個の累積値信号CAV0〜CAV7の内、値が最大であるものに対応する位相(累積値信号が最大になる時の位相)を検出ブロック位相信号DBPとして出力する。このような累積値信号CAV0〜CAV7の内の値が最大であるものに対応する位相の検出、及び検出ブロック位相信号DBPの出力は各ライン毎に行われる。
【0015】
図2はブロックノイズ検出装置100を構成する空間差分比較部101の一例を示すものである。図示の空間差分比較部101は、空間差分算出部111と、隣接空間差分保持出力部112と、空間差分比較判定部113を有する。
【0016】
空間差分算出部111は、入力された入力映像信号Vaに対して、隣接画素間の階調差の絶対値を算出し、階調差を空間差分信号SPDとして隣接空間差分保持出力部112に出力する。例えば、図3(a)に示すように、ブロック境界BLBを有する階調分布の入力映像信号Vaにおいて、画素p0とp1の階調に対して、図3(b)に示すように、隣接画素間の階調差の絶対値G0を算出し、空間差分として出力する。他の画素間においても、同様に隣接画素間の階調差の絶対値を算出する。
【0017】
隣接空間差分保持出力部112は、入力された空間差分信号SPDに対して、複数のフリップフロップ等で保持し、隣接する9個の空間差分信号G1〜G9を空間差分比較判定部113に出力する。
【0018】
空間差分比較判定部113は、入力された隣接する9個の空間差分信号G1〜G9の内、5番目の空間差分信号値G5が、1〜4番目の4個全ての空間差分信号値G1〜G4か、6〜9番目の4個全ての空間差分信号値G6〜G9のどちらかより大きい場合、空間差分比較判定信号SDJとして「1」を出力する。上記の条件を満たさない場合、空間差分比較判定信号SDJとして「0」を出力する。例えば、図3(b)に示す空間差分信号SDJでは、空間差分値G1〜G9が下記の式(1)と式(2)の両方を満たすので、図3(c)に示すように、空間差分比較判定信号SDJとして「1」を出力する。
G5>MAX(G1,G2,G3,G4) …(1)
G5>MAX(G6,G7,G8,G9) …(2)
【0019】
同様に、空間差分算出部111は、図4(a)に示すように、ブロック境界BLBを有する階調分布の入力映像信号Vaに対して、図4(b)に示す空間差分信号SPDを出力し、空間差分比較判定部113は、図4(b)に示す空間差分信号SPDに対して、図4(c)に示す空間差分比較判定信号SDJを出力する。この時、図4(b)に示す空間差分SPDでは、空間差分値G1〜G9が式(1)は満たさないが、式(2)を満たすので、図4(c)に示すように、空間差分比較判定信号SDJとして「1」を出力する。
【0020】
図4(c)では、ブロック境界BLBの位相である位相PH6の画素位置p6とp14において空間差分比較判定信号SDJが「1」であるが、ブロック境界BLB以外の位相の画素位置p4とp15でも空間差分比較判定信号SDJが「1」である。しかし、位相PH6の画素位置では常に空間差分比較判定信号SDJが「1」であるのに対し、他の位相の画素位置では時々空間差分比較判定信号SDJが「1」になり、大抵「0」である。よって、位相累積部102から出力される8個の累積値信号CAV0〜CAV7の内、累積値信号が最大になる時の位相はブロック境界BLBの位相となる。
【0021】
図5はブロックノイズ検出装置100を構成する位相累積部102の一例を示すものである。図示の位相累積部102は、位相番号出力部121と、空間差分比較判定信号振分部122と、8個のカウンタ1230〜1237を有する。
【0022】
位相番号出力部121は、水平同期信号Hsyncと同期して動作し、画素クロックCLKHをカウントすることで位相を検出し、位相PH0〜PH7を順次特定する位相番号信号PNSを空間差分比較判定信号振分部122に出力する。
例えば、位相番号出力部121は、水平同期信号Hsyncを受けたときに位相PHが特定の位相、例えばPH0であるものとし、その後画素クロックCLKHが一つ入力されるごとに位相を示す値(番号)を1ずつ増加させ、最大値PH7に達したら、初期値PH0に戻し、以下同様の処理を繰り返す。
【0023】
空間差分比較判定信号振分部122は、入力された空間差分比較判定信号SDJを、入力された位相番号信号PNSで示される位相に応じて、カウンタ1230〜1237に振り分けて出力する。具体的には、位相番号信号PNSがある位相PHn(0≦n≦7)を示すものである場合、n番目の空間差分比較判定信号SDJをn番目のカウンタ123n(位相PHnに対応して設けられたカウンタ123n)に出力する。
【0024】
例えば、空間差分比較判定信号SDJが図6(a)に示すもので、位相番号信号PNSが図6(b)に示すものである場合、画素p6の位置においては空間差分比較判定信号SDJは「1」であり、画素p6の位置においては位相番号信号PNSは位相PH6を示すものであるので、図6(c)〜図6(j)に示すように、位相PH6に対応するカウンタ1236に空間差分比較判定信号SDJとして「1」を出力する。
【0025】
カウンタ1230〜1237は、空間差分比較判定信号振分部122を介して入力された空間差分比較判定信号SDJを累積加算し、1ライン分の累積値を累積値信号CAV0〜CAV7として水平同期信号Hsyncに同期したタイミングで出力する。
【0026】
例えば、1ライン分の画素数がLである場合、図6(c)〜(j)に示すように、(L−1)番目の画素p(L−1)の時の累積値を表す信号を累積値信号CAV0〜CAV7として出力する。
【0027】
図7はブロックノイズ検出装置100を構成する最大累積時位相検出部103の一例を示すものである。図示の最大累積時位相検出部103は、最大累積値検出部131を有する。
【0028】
最大累積値検出部131は、入力された8個の累積値信号CAV0〜CAV7の値を比較し、値が最大である累積値信号を最大累積値信号MASとして出力し、値が最大である累積値信号(CAVm)に対応する位相(PHm)を表す信号を最大累積時位相信号MAPとして出力する。このような累積値信号CAV0〜CAV7の内の値が最大である累積値信号を最大累積値信号MASとして出力する処理、及び値が最大である累積値信号(CAVm)に対応する位相(PHm)を表す信号を最大累積時位相信号MAPとして出力する処理は、各ライン毎に行われる。
【0029】
実施の形態1では、最大累積値検出部131から出力された最大累積時位相信号MAPを検出ブロック位相信号DBPとしている。
【0030】
図8は実施の形態1のブロックノイズ検出装置100を用いて構成したブロックノイズ除去装置200を示すものである。図示のブロックノイズ除去装置200は、水平ブロックノイズ検出装置201と、ラインメモリ202と、水平平滑化部203を有する。
【0031】
水平ブロックノイズ検出装置201は、図1に示したブロックノイズ検出装置100と同構成のもので、入力された入力映像信号Vaに対して、検出ブロック位相信号DBPを水平平滑化部203に出力する。
【0032】
ラインメモリ202は、入力された入力映像信号Vaを1ライン分保持した後、1ライン遅延入力映像信号Vbとして水平平滑化部203に出力する。
【0033】
水平平滑化部203は、入力された1ライン遅延入力映像信号Vbを、当該ラインの、検出ブロック位相信号DBPで特定される位相において平滑化処理した後、出力映像信号Vdとして出力する。
【0034】
図9はブロックノイズ除去装置200を構成する水平平滑化部203の一例を示すものである。図示の水平平滑化部203は、位相番号出力部231と、番号比較部232と、平滑化処理部233と、選択器234を有する。
【0035】
位相番号出力部231は、図5に示した位相番号出力部121と同様のもので、水平ブロックノイズ検出装置201の制御部109から出力される、水平同期信号Hsync及び画素クロックCLKHを受け、水平同期信号Hsyncに同期して動作し、画素クロックCLKHをカウントすることで、位相PH0〜PH7を順次特定する位相番号信号PMSを番号比較部232に出力する。
【0036】
番号比較部232は、入力された位相番号信号PMSと入力された検出ブロック位相信号DBPを比較し、比較結果に応じて平滑化処理判定信号FPJを選択器234に出力する。具体的には、検出ブロック位相信号DBPがある位相PHn(0≦n≦7)を示すものであり、位相番号信号PNSによって示される位相PHnが位相(n−2)から位相(n+1)までのいずれかである場合には平滑化処理判定信号FPJとして「1」を選択器234に出力し、上記の条件が満たさない場合には平滑化処理判定信号FPJとして「0」を選択器234に出力する。
【0037】
例えば、位相番号信号PMSが図10(a)に示すごとくであり、検出ブロック位相信号DBPが位相PH6を示すものである(n=6である)場合、(n―2)=4、(n+1)=7であり、画素p4〜p7の位置において位相番号信号PMSが位相PH4〜PH7を示すものであるので、図10(b)に示すように、画素p4〜p7においては平滑化処理判定信号FPJとして「1」を出力し、その他の画素では、平滑化処理判定信号FPJとして「0」を出力する。
【0038】
平滑化処理部233は、入力された1ライン遅延入力映像信号Vbに対して、平滑化処理し、平滑化出力信号Vfとして選択器234に出力する。
【0039】
例えば、1ライン遅延入力映像信号Vbが図10(c)に示すごとくであって、ブロック境界BLBを有する場合、平滑化処理の後、平滑化出力信号Vfとして図10(d)に示すものが出力される。
【0040】
図11は平滑化処理部233の構成例を示すものである。図示の平滑化処理部233は、遅延回路240g、240h、240i、240jと、平均値算出部241を有する。
【0041】
遅延回路240gは、入力された1ライン遅延入力映像信号Vbに対して、画素サンプリング1回分の遅延(1画素クロックCLKH周期の遅延)を与えて、1画素遅延入力映像信号Vgとして遅延回路240hに出力する。遅延回路240hは、入力された1画素遅延入力映像信号Vgに対して、画素サンプリング1回分の遅延を与えて、2画素遅延入力映像信号Vhとして遅延回路240iに出力する。遅延回路240iは、入力された2画素遅延入力映像信号Yhに対して、画素サンプリング1回分の遅延を与えて、3画素遅延入力映像信号Viとして遅延回路240jに出力する。遅延回路240jは、入力された2画素遅延入力映像信号Viに対して、画素サンプリング1回分の遅延を与えて、4画素遅延入力映像信号Yjとして平均値算出部241に出力する。
【0042】
平均値算出部241は、入力された1ライン遅延入力映像信号Vb、1画素遅延入力映像信号Vg、2画素遅延入力映像信号Vh、3画素遅延入力映像信号Vi、4画素遅延入力映像信号Vjの平均値を算出して、平滑化出力信号Vfとして出力する。なお、平均値産出部241で算出する平均値は、単純平均値であっても良く、加重平均値であっても良い。
【0043】
選択器234は、入力された平滑化処理判定信号FPJに応じて、入力された平滑化出力信号Vfと入力された1ライン遅延入力映像信号Vbの何れかを選択し、出力映像信号Vdとして出力する。具体的には、平滑化処理判定信号FPJが「1」の場合には、平滑化出力信号Vfを選択して出力映像信号Vdとして出力し、平滑化処理判定信号FPJが「0」の場合には、1ライン遅延入力映像信号Vbを選択して出力映像信号として出力する。
【0044】
例えば、図10(a)〜(e)に示す動作においては、図10(b)に示すように、平滑化処理判定信号FPJが、画素p4〜p7の位置で「1」であるので、図10(e)に示すように、これらの画素の位置では、出力映像信号Vdとして、図10(d)に示す平滑化出力信号Vfを出力する。これに対して、平滑化処理判定信号FPJは、画素p4〜p7以外の画素の位置では「0」であるので、これらの画素の位置では、出力映像信号Vdとして、図10(c)に示す1ライン遅延入力映像信号Vbを出力する。
【0045】
以上のように、空間差分比較判定の際に、注目している空間差分とその左右周辺の空間差分を左右別々に比較して、かつ、検出ブロック位相信号DBPを出力する際に、入力映像信号Vaから分離された水平同期信号Hsyncに同期したタイミングで出力し、1フレームを構成するライン毎にブロックノイズ検出を行うことで、回路規模が小さくても検出精度の高いブロックノイズ検出装置を実現することができる。
【0046】
なお、以上の説明では、水平方向のブロックサイズが8画素であることに対応して、ブロックノイズ検出装置100を構成するカウンタ1230〜1237の個数は8個とされているが、ブロックサイズが8以外であっても、それに応じて数のカウンタ(1230〜1237と同等のもの)を設け、これに合わせて位相番号信号PNS、PMSがとり得る値の数などを変更することで、ブロックサイズに応じたブロックノイズ検出装置(やブロックノイズ除去装置)を構成することができる。
【0047】
実施の形態2.
図12はこの発明の実施の形態2であるブロックノイズ検出装置300を示すものである。図12において、図1と同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素や信号を示し、これらの構成要素や信号については説明を省略する。図示のブロックノイズ検出装置300は、図1に示されるブロックノイズ検出装置と概して同様のものであるが、位相相互判定部104が付加されている点で異なる。この位相相互判定部104は、最大累積時位相検出部103の出力側に設けられ、最大累積時位相検出部103から出力される最大累積時位相信号MAPが位相相互判定部104に供給される。
【0048】
図12のブロックノイズ検出装置300においてはまた、制御部109により、入力映像信号Vaから、水平同期信号Hsyncのほか、垂直同期信号Vsyncが抽出され、抽出された水平同期信号Hsync及び垂直同期信号Vsyncは、位相相互判定部104に供給される。
【0049】
位相相互判定部104は、連続する8個のラインのそれぞれについての入力された最大累積時位相信号MAPを8個格納し、これらを互いに比較し、8個の最大累積時位相信号MAPが互いに一致した時に、最大累積時位相信号MAPを検出ブロック位相信号DBPとして出力する。
【0050】
図13は位相相互判定部104の一例を示すものである。図示の位相相互判定部104は、ライン番号出力部141と、位相信号振分部142と、位相信号比較判定部143を有する。
【0051】
ライン番号出力部141は、垂直同期信号Vsyncに同期して動作し、水平同期信号Hsyncをカウントすることで、ライン番号PV0〜PV7を順次特定するライン番号信号LNSを位相信号振分部142に出力する。
【0052】
位相信号振分部142は、入力された最大累積時位相信号MAPを、入力されたライン番号信号LNSで示されるライン番号に応じて、ライン番号PV0〜PV7の何れか1つのライン最大累積時位相信号(MAP0乃至MAP7の何れか)として、位相信号比較判定部143に出力する。具体的には、ライン番号信号LNSがあるライン番号PVn(0≦n≦7)を示すものである場合、最大累積時位相信号MAPをn番目のラインにおけるライン最大累積時位相信号MAPnとして出力する。
【0053】
例えば、最大累積時位相信号MAPが図14(a)に示すごとくであり、ライン番号信号LNSが図14(b)に示すものである場合、ラインL0の位置においては最大累積時位相信号MAPが「PH6」で、ライン番号信号LNSがライン番号PV0を示すものであるので、図14(c)に示すように、ライン最大累積時位相信号MAP0として「PH6」を示す信号を出力する。
【0054】
位相信号比較判定部143は、入力されたライン最大累積時位相信号MAP0〜MAP7を比較し、8個のライン最大累積時位相信号MAP0〜MAP7が互いに一致した時には、ライン最大累積時位相信号MAP0〜MAP7に等しい値を持つ信号を検出ブロック位相信号DBPとして出力し、一致しない時には、検出ブロック位相信号DBPとして何も出力しない。
【0055】
例えば、図14(a)乃至(k)に示す動作においては、ラインL7の位置で、ライン最大累積時位相信号MAP0〜MAP7の値が全て「PH6」で一致しているので、検出ブロック位相信号DBPとして「PH6」を表す信号を出力する。この検出ブロック位相信号DBPは、同じ画面(フィールド乃至フレーム)内において、次にライン最大累積時位相信号MAP0〜MAP7の値がすべて、異なる値(上記の例では「PH6」以外の値)に一致するまで同じ値(「PH6」)に維持される。
【0056】
また、図14(a)乃至(k)に示す例では、ラインL7の次のラインL8の位置では、ライン最大累積時位相信号MAP0の値が「PH0」となるので、ライン最大累積時位相信号MAP0〜MAP7の値が互いに一致すると言う条件が満たされなくなるが、一旦上記の条件に満たされた後は、その画面においては、次にライン最大累積時位相信号MAP0〜MAP7の値が全て「PH6」以外の値に一致するまで「PH6」を表す検出ブロック位相信号DBPが出力され続ける。例えば、次にライン最大累積時位相信号MAP0〜MAP7の値が全て「PH2」に一致したとすると、その後は、「PH2」を表す検出ブロック位相信号DBPが出力され続ける。
【0057】
図15は実施の形態2のブロックノイズ検出装置300を用いて構成したブロックノイズ除去装置400を示すものである。図示のブロックノイズ除去装置400は、水平ブロックノイズ検出装置401と、ラインメモリ204と、水平平滑化部203を有する。なお、水平平滑化部203は、図8に示されたものと同様の構成を有するものであり、その説明を省略する。
【0058】
水平ブロックノイズ検出装置401は、図12に示したブロックノイズ検出装置300と同構成のもので、入力された入力映像信号Vaに対して、検出ブロック位相信号DBPを水平平滑化部203に出力する。
【0059】
ラインメモリ204は、入力された入力映像信号Vaを8ライン分保持した後、8ライン遅延入力映像信号Vcとして水平平滑化部203に出力する。
【0060】
水平平滑化部203の動作は、図8を参照して説明したのと同様である。但し、図8において、1ライン遅延入力映像信号Vbを入力しているのに対して、8ライン遅延入力映像信号Vcを入力している点で異なる。1ライン遅延入力映像信号Vbの代りに、8ライン遅延入力映像信号Vcを入力するのは、ブロックノイズ検出装置401内の位相相互判定部104において、8ライン分のデータに基づいて、検出ブロック位相信号DBPが生成されるので、これにタイミングを合わせるためである。
【0061】
以上のように、連続する8個のラインから得られた8個の最大累積時位相信号MAP0〜MAP7が互いに一致した時に検出ブロック位相信号DBPとして出力することで、ブロックノイズの誤検出を防ぐことができる。
【0062】
なお、以上の説明では、比較対象の最大累積時位相信号MAP0〜MAP7の個数が8個であるが、この数は、2以上であれば良く、多いほど誤検出を防ぐ上では有効であるが、一方処理に要する時間が長くなり、処理に用いられるハードウェアの規模が大きくなるので、これらを勘案して最適な数とすることが望ましい。
【0063】
実施の形態3.
図16はこの発明の実施の形態3であるブロックノイズ検出装置500を示すものである。図16において、図1と同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素や信号を示し、これらの構成要素や信号については説明を省略する。図示のブロックノイズ検出装置500は、図1に示されるブロックノイズ検出装置と概して同様のものであるが、位相閾値判定部105が付加されている点で異なる。この位相閾値判定部105は、最大累積時位相検出部103の出力側に設けられ、最大累積時位相検出部103から出力される最大累積値信号MAS及び最大累積時位相信号MAPが位相閾値判定部105に供給される。
【0064】
位相閾値判定部105は、入力された最大累積値信号MASを閾値と比較し、最大累積値信号MASの方が大きい場合のみ最大累積時位相信号MAPを検出ブロック位相信号DBPとして出力する。
【0065】
以上のように、最大累積値信号MASの方が閾値より大きい場合のみ最大累積時位相信号MAPを検出ブロック位相信号DBPとして出力することで、画面の一部に発生する四角形等をブロックノイズとして誤検出することを防ぐことができる。
【0066】
図16に示すブロックノイズ検出装置500を、図1に示されるブロックノイズ検出装置100の代わりに、図8に示される水平ブロックノイズ検出装置201として用いて、ブロックノイズ除去装置を構成することもできる。
【0067】
実施の形態4.
図17はこの発明の実施の形態4であるブロックノイズ除去装置600を示すものである。図示のブロックノイズ除去装置600は、信号分離部601と、水平ブロックノイズ検出装置201と、輝度信号ラインメモリ202Yと、青色差信号ラインメモリ202CBと、赤色差信号ラインメモリ202CRと、輝度信号水平平滑化部203Yと、青色差信号水平平滑化部203CBと、赤色差信号水平平滑化部203CRとを有する。本実施の形態は、入力映像信号Vaが、入力輝度信号Yaと、入力青色差信号CBaと、入力青色差信号CRaの3つの映像信号により構成される場合に用いられるものである。
【0068】
信号分離部601は、入力映像信号Vaを、入力輝度信号Yaと、入力青色差信号CBaと、入力青色差信号CRaとに分離する。
水平ブロックノイズ検出装置201は、図8に示したものと同構成のもので、入力映像信号Vaを構成する入力輝度信号Yaを入力として、該入力輝度信号Ya中のブロックノイズを検出し、検出ブロック位相信号DBPを輝度信号水平平滑化部203Y、青色差信号水平平滑化部203CB、及び赤色差信号平滑化部203CRに出力する。
【0069】
輝度信号ラインメモリ202Yは、図8に示したラインメモリ202と同構成のもので、入力映像信号Vaの代わりに、入力輝度信号Yaが入力され、該入力輝度信号Yaを1ライン分保持した後、1ライン遅延入力輝度信号Ybとして輝度信号水平平滑化部203Yに出力する。
【0070】
青色差信号ラインメモリ202CBは、図8に示したラインメモリ202と同構成のもので、入力映像信号Vaの代わりに、入力青色差信号CBaが入力され、該入力青色差信号CBaを1ライン分保持した後、1ライン遅延入力青色差信号CBbとして青色差信号水平平滑化部203CBに出力する。
【0071】
赤色差信号ラインメモリ202CRは、図8に示したラインメモリ202と同構成のもので、入力映像信号Vaの代わりに、入力赤色差信号CRaが入力され、該入力赤色差信号CRaを1ライン分保持した後、1ライン遅延入力赤色差信号CRbとして赤色差信号水平平滑化部203CRに出力する。
【0072】
輝度信号水平平滑化部203Yは、図8に示した水平平滑化部203と同構成のもので、1ライン遅延入力映像信号Vbの代わりに、1ライン遅延入力輝度信号Ybが入力され、該1ライン遅延入力輝度信号Ybを、当該ラインの検出ブロック位相信号DBPで特定される位相において平滑化処理した後、出力輝度信号Ydとして出力する。
【0073】
青色差信号水平平滑化部203CBは、図8に示した水平平滑化部203と同構成のもので、1ライン遅延入力映像信号Vbの代わりに、1ライン遅延入力青色差信号CBbが入力され、該1ライン遅延入力青色差信号CBbを、当該ラインの検出ブロック位相信号DBPで特定される位相において平滑化処理した後、出力青色差信号CBdとして出力する。
【0074】
赤色差信号水平平滑化部203CRは、図8に示した水平平滑化部203と同構成のもので、1ライン遅延入力映像信号Vbの代わりに、1ライン遅延入力赤色差信号CBbが入力され、該1ライン遅延入力赤色差信号CRbを、当該ラインの検出ブロック位相信号DBPで特定される位相において平滑化処理した後、出力赤色差信号CRdとして出力する。
【0075】
以上のように、入力映像信号Vaを構成する入力輝度信号Ya、入力青色差信号CBa、入力青色差信号CRaの3つの映像信号全てに対して平滑化処理を行うことで、赤色や青色の画面に発生するブロックノイズを除去することができる。
【0076】
実施の形態5.
図18はこの発明の実施の形態5であるブロックノイズ除去装置700を示すものである。図示のブロックノイズ除去装置700は、信号分離部602と、水平ブロックノイズ検出装置201と、輝度信号ラインメモリ202Yと、色差信号202Cと、輝度信号水平平滑化部203Yと、色差信号水平平滑化部701とを有する。本実施の形態は、入力映像信号Vaが、入力輝度信号Yaと、入力色差信号Caの2つの映像信号により構成される場合のものである。入力色差信号Caは、青色差信号成分を表すデータと赤色差信号成分を表すデータとが画素ごとに交互に現れるように構成されたデータ列である。なお、水平ブロックノイズ検出装置201と、輝度信号ラインメモリ202Yと、輝度信号水平平滑化部203Yは、図17に示されたものと同様の構成を有するものであり、その説明を省略する。
【0077】
信号分離部602は、入力映像信号Vaを、入力輝度信号Yaと、入力色差信号Caとに分離する。
色差信号ラインメモリ202Cは、図8に示したラインメモリ202と同構成のもので、入力映像信号Vaの代わりに、入力色差信号Caが入力され、該入力色差信号Caを1ライン分保持した後、1ライン遅延入力色差信号Cbとして色差信号水平平滑化部701に出力する。
【0078】
色差信号水平平滑化部701は、入力された1ライン遅延入力色差信号Cbを、当該ラインの検出ブロック位相信号DBPで特定される位相において平滑化処理した後、出力青色差信号Cdとして出力する。
【0079】
図19はブロックノイズ除去装置700を構成する色差信号水平平滑化部701を示すものである。図示の色差信号水平平滑化部701は、位相番号出力部231と、番号比較部232と、色差信号平滑化処理部702と、選択器234とを有する。位相番号出力部231と、番号比較部232と、選択器234は、図9に示されたものと同様の構成を有するものであり、その説明を省略する。
【0080】
色差信号平滑化処理部702は、入力された1ライン遅延入力色差信号Cbに対して、平滑化処理し、平滑化出力信号Cfとして選択器234に出力する。入力色差信号Caは、上記のように青色差信号と赤色差信号が画素ごとに交互に並べられたものであり、1ライン遅延入力色差信号Cbも同様のものであるので、それを考慮して構成されている。
【0081】
図20は色差信号水平平滑化部701を構成する色差信号平滑化処理部702の構成例を示すものである。図示の色差信号平滑化処理部702は、遅延回路240g、240h、240i、240jと、色差信号平均値算出部703を有する。遅延回路240g、240h、240i、240jは、図11に示されたものと同様の構成を有する。但し、1ライン遅延映像信号Vbの代わりに、1ライン遅延入力色差信号Cbが入力され、それぞれ1画素遅延入力色差信号Cg、2画素遅延入力色差信号Ch、3画素遅延入力色差信号Ci、4画素遅延入力色差信号Cjを出力する。
【0082】
色差信号平均値算出部703は、入力された1ライン遅延入力色差信号Cb、2画素遅延入力色差信号Ch、4画素遅延入力色差信号Cjの平均値を算出して、平滑化出力信号Cfとして出力する。この平均値の算出は、単純平均値の算出であっても良く、加重平均の算出であっても良い。
【0083】
以上の構成例を有する輝度信号水平平滑化部203Yと色差信号水平平滑化部701は、図21に示すような動作を行う。
【0084】
図21(a)は、1ライン遅延入力輝度信号Ybとして順次供給される画素p0、p1、p2、…の階調を符号Y0、Y1、Y2、…で示す。
同様に、図21(c)は、1ライン遅延入力色差信号Cbとして順次供給される画素p0、p1、p2、…の階調を符号CB0、CB1、CB2、…で示す。
輝度信号水平平滑化部203Yは、図21(a)に示すように、1ライン遅延入力輝度信号Ybとして、画素p4の輝度の階調Y4が遅延回路240gに入力されるタイミングで、画素p2及びその周辺の画素p0、p1、p3、p4の輝度の階調Y0〜Y4の平均値の階調Yave2を、図21(b)に示すように、平滑化出力信号Yfとして出力する。
【0085】
また、色差信号水平平滑化部701は、図21(c)に示すように、1ライン遅延入力色差信号Cbとして、画素p4の赤色差の階調CB4が遅延回路240gに入力されるタイミングで、画素p2及びその周辺の画素p0、p4の赤色差の階調CB0、CB2、CB4の平均値の階調CBave2を、図21(d)に示すように、平滑化出力色差信号Cfとして出力し、画素p5の青色差の階調CR5が遅延回路240gに入力されるタイミングで、画素p3及びその周辺の画素p1、p5の赤色差の階調CR1、CR3、CR5の平均値の階調CRave3を、図21(d)に示すように、平滑化出力色差信号Cfとして出力する。
このように、色差信号平均値算出部703は、青色差の階調の平均値と、赤色差の階調の平均値を1画素ごとに交互に出力する。
【0086】
以上のように、入力輝度信号Yaと入力色差信号Caから成る2つの映像信号により構成される入力映像信号Vaに対して平滑化処理を行うことで、実施の形態4と比較して、水平平滑化部の個数を3個から2個に減らすことが可能であり、ブロックノイズ除去装置700の規模を3分の2にすることができる。
【0087】
実施の形態6.
図22はこの発明の実施の形態6であるブロックノイズ除去装置800を示すものである。図示のブロックノイズ除去装置800は、信号分離部601と、輝度信号ブロックノイズ除去装置800Yと、青色差信号ブロックノイズ除去装置800CBと、赤色差信号ブロックノイズ除去装置800CRとを有する。
【0088】
信号分離部601は、入力映像信号Vaを、入力輝度信号Yaと、入力青色差信号CBaと、入力青色差信号CRaとに分離する。
輝度信号ブロックノイズ除去装置800Yは、輝度信号水平ブロックノイズ検出装置201Yと、輝度信号ラインメモリ202Yと、輝度信号水平平滑化部203Yとを有する。
青色差信号ブロックノイズ除去装置800CBは、青色差信号水平ブロックノイズ検出装置201CBと、青色差信号ラインメモリ202CBと、青色差信号水平平滑化部203CBとを有する。
赤色差信号ブロックノイズ除去装置800CRは、赤色差信号水平ブロックノイズ検出装置201CRと、赤色差ラインメモリ202CRと、赤色差信号水平平滑化部203CRとを有する。
【0089】
本実施の形態は、入力映像信号Vaが、入力輝度信号Ya、入力青色差信号CBa、及び入力青色差信号CRaの3つの映像信号により構成される場合に用いられるものである。
なお、輝度信号ラインメモリ202Y、青色差信号ラインメモリ202CB、及び赤色差信号ラインメモリ202CRは、それぞれ図17に示されたものと同様の構成を有するものであり、その説明を省略する。
【0090】
水平ブロックノイズ検出装置201Yは、図17に示したものと同構成のもので、入力映像信号Vaを構成する入力輝度信号Yaを入力として、該入力輝度信号Ya中のブロックノイズを検出し、検出ブロック位相信号DBPを輝度信号水平平滑化部203Yに出力する。
【0091】
青色差信号水平ブロックノイズ検出装置201CBは、図8に示したものと同構成のもので、入力映像信号Vaを構成する入力青色差信号CBaを入力として、該入力青色差信号CBa中のブロックノイズを検出し、検出ブロック位相信号DBP_CBを青色差信号水平平滑化部203CBに出力する。
【0092】
水平ブロックノイズ検出装置201CRは、図8に示したものと同構成のもので、入力映像信号Vaを構成する入力赤色差信号CRaを入力として、該入力赤色差信号CRa中のブロックノイズを検出し、検出ブロック位相信号DBP_CRを赤色差水平平滑化部203CRに出力する。
【0093】
輝度信号水平平滑化部203Y、青色差信号水平平滑化部203CB、及び赤色差信号水平平滑化部203CRは、それぞれ図17に示されたものと同様の構成を有するものであり、その説明を省略する。但し、青色差信号水平平滑化部203CBは、青色差信号水平ブロックノイズ検出装置201CBが出力する水平同期信号Hsync_CB及び画素クロック信号CLKH_CBを受けて動作し、赤色差信号水平平滑化部203CRは、赤色差信号水平ブロックノイズ検出装置201CRが出力する水平同期信号Hsync_CR及び画素クロック信号CLKH_CRを受けて動作する。
【0094】
以上のように、入力映像信号Vaを構成する入力輝度信号Ya、入力青色差信号CBa、及び入力赤色差信号CRaの3つの映像信号それぞれに対して水平ブロックノイズ検出装置201Y、201CB、及び201CRを設けることで、入力輝度信号Yaの階調が一定で、入力青色差信号CBaか入力赤色差信号CRaの少なくとも何れか一方にブロックノイズが発生した場合でも、そのブロックノイズを除去できる。
【0095】
本構成により、青空や夕焼け空等の、青色や赤色の画面に発生するブロック状の色ノイズを除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】この発明の実施の形態1であるブロックノイズ検出装置100を示すブロック図である。
【図2】ブロックノイズ検出装置100を構成する空間差分比較部101を示すブロック図である。
【図3】(a)乃至(c)は、ブロックノイズ検出装置100を構成する空間差分比較部101の動作を示すタイムチャートである。
【図4】(a)乃至(c)は、ブロックノイズ検出装置100を構成する空間差分比較部101の動作を示すタイムチャートである。
【図5】ブロックノイズ検出装置100を構成する位相累積部102を示すブロック図である。
【図6】(a)乃至(j)は、ブロックノイズ検出装置100を構成する位相累積部102の動作を示すタイムチャートである。
【図7】ブロックノイズ検出装置100を構成する最大累積時位相検出部103を示すブロック図である。
【図8】実施の形態1のブロックノイズ検出装置100を用いて構成したブロックノイズ除去装置200を示すブロック図である。
【図9】ブロックノイズ除去装置200を構成する水平平滑化部203を示すブロック図である。
【図10】(a)乃至(e)は、ブロックノイズ除去装置200を構成する水平平滑化部203の動作を示すタイムチャートである。
【図11】図9の平滑化処理部233の一例を示すブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態2であるブロックノイズ検出装置300を示すブロック図である。
【図13】ブロックノイズ検出装置300を構成する位相相互判定部104を示すブロック図である。
【図14】(a)乃至(k)は、ブロックノイズ検出装置300を構成する位相相互判定部104の動作を示すタイムチャートである。
【図15】実施の形態2のブロックノイズ検出装置300を用いて構成したブロックノイズ除去装置400を示すブロック図である。
【図16】この発明の実施の形態3であるブロックノイズ検出装置500を示すブロック図である。
【図17】この発明の実施の形態4であるブロックノイズ検出装置600を示すブロック図である。
【図18】この発明の実施の形態5であるブロックノイズ検出装置700を示すブロック図である。
【図19】ブロックノイズ検出装置700を構成する色差信号水平平滑化部701を示すブロック図である。
【図20】図19の色差信号平滑化処理部702の一例を示すブロック図である。
【図21】(a)乃至(d)は、平滑化処理部233と色差信号平滑化処理部702の動作を示すタイムチャートである。
【図22】この発明の実施の形態6であるブロックノイズ検出装置800を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0097】
100、300、500 ブロックノイズ検出装置、 101 空間差分比較部、 102 位相累積部、 103 最大累積時位相検出部、 104 位相相互判定部、 105 位相閾値判定部、 111 空間差分算出部、 112 隣接空間差分保持出力部、 113 空間差分比較判定部、 121、231 位相番号出力部、 122 空間差分比較判定信号振分部、 1230〜1237 カウンタ、 131 最大累積値検出部、 141 ライン番号出力部、 142 位相信号振分部、 143 位相信号比較判定部、 200、400、600、700、800 ブロックノイズ除去装置、 201、401 水平ブロックノイズ検出装置、 201Y 輝度信号水平ブロックノイズ検出装置、 201CB 青色差信号水平ブロックノイズ検出装置、 201CR 赤色差信号水平ブロックノイズ検出装置、 201CB 青色差信号水平ブロックノイズ検出装置、 202 1ラインメモリ、 202Y 輝度信号1ラインメモリ、 202CB 青色差信号1ラインメモリ、 202CR 赤色差信号1ラインメモリ、 202C 色差信号1ラインメモリ、 203 水平平滑化部、 203Y 輝度信号水平平滑化部、 203CB 青色差信号水平平滑化部、 203CR 赤色差信号水平平滑化部、 204 ラインメモリ、 232 番号比較部、 233 平滑化処理部、 234 選択器、 240g、240h、240i,240j 遅延回路、 241 平均値算出部、 701 色差信号水平平滑化部、 702 色差信号平滑化処理部、 703 色差信号平均値算出部。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力映像信号を受信してブロック境界を検出して出力するブロックノイズ検出装置であって、
上記入力映像信号に対して、隣接画素間の空間差分を算出して出力する空間差分算出部と、隣接する複数個の上記空間差分の比較結果から、空間差分比較判定信号を出力する空間差分比較判定部とを備えた空間差分比較部と、
上記空間差分判定信号を位相毎にカウントして、それぞれの位相に対応するカウント値を累積値信号として上記入力映像信号の水平同期信号に同期したタイミングで出力する複数個のカウンタを備えた位相累積部と、
複数個の上記累積値信号の値のうち、値が最大である累積値信号を最大累積値信号として出力し、上記値が最大である上記累積値信号に対応する位相を最大累積時位相信号として出力する最大累積値検出部を備えた最大累積時位相検出部とを備え、
上記最大累積時位相信号に基づいて、検出されたブロック境界の位置を示す検出ブロック位相信号を出力する
ブロックノイズ検出装置。
【請求項2】
上記最大累積時位相信号を上記検出ブロック位相信号として出力することを特徴とする請求項1に記載のブロックノイズ検出装置。
【請求項3】
上記カウンタの個数が、ブロックサイズを表す画素数に等しいことを特徴とする請求項1に記載のブロックノイズ検出装置。
【請求項4】
上記ブロックサイズが8であることを特徴とする請求項3に記載のブロックノイズ検出装置。
【請求項5】
上記最大累積時位相信号を受け、互いに連続する複数個のラインからそれぞれ得られた複数個の上記最大累積時位相信号を比較して、全て一致したときに上記検出ブロック位相信号を出力する位相信号比較判定部を備えた位相相互判定部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のブロックノイズ検出装置。
【請求項6】
上記最大累積値信号を閾値と比較し、上記最大累積値信号の方が大きい場合のみ上記最大累積時位相信号を検出ブロック位相信号として出力する位相閾値判定部をさらに備えることを特徴とする、
請求項1に記載のブロックノイズ検出装置。
【請求項7】
入力映像信号を受信してブロック境界を検出して出力するブロックノイズ検出方法であって、
上記入力映像信号に対して、隣接画素間の空間差分を算出し、
隣接する複数個の上記空間差分の比較結果から、空間差分比較判定信号を出力し、
上記空間差分判定信号を位相毎にカウントして、それぞれの位相に対応するカウント値を累積値信号として入力映像信号の水平同期信号に同期したタイミングで出力し、
複数個の上記累積値信号のうち、値が最大である累積値信号に対応する位相を最大累積時位相信号として出力し、
上記最大累積時位相信号に基づいて、検出されたブロック境界の位置を示す信号を検出ブロック位相信号として出力する
ブロックノイズ検出方法。
【請求項8】
互いに連続する複数個のラインからそれぞれ得られた複数個の上記最大累積時位相信号を比較して、全て一致したときに検出ブロック位相信号を出力する
請求項7に記載のブロックノイズ検出方法。
【請求項9】
上記最大累積値信号を閾値と比較し、上記最大累積値信号の方が大きい場合のみ上記最大累積時位相信号を検出ブロック位相信号として出力する
請求項7に記載のブロックノイズ検出方法。
【請求項10】
請求項1乃至6の何れかに記載のブロックノイズ検出装置と、
上記入力映像信号に対して、平滑化処理し、平滑化映像出力信号として出力する平滑化処理部と、上記入力映像信号と上記平滑化出力信号の内、上記検出ブロック位相信号に対応する位相及びその前後の所定範囲内の位相では上記平滑化出力信号を、他の位相では上記入力映像信号を出力映像信号として出力する選択器とを備えた水平平滑化部と
を備えることを特徴とするブロックノイズ除去装置。
【請求項11】
請求項7乃至9の何れかに記載のブロックノイズ検出方法によりブロックノイズを検出し、
上記入力映像信号に対して、平滑化処理し、平滑化出力信号として出力し、
上記入力映像信号と上記平滑化出力信号の内、上記最大累積時位相信号に対応する位相及びその前後の所定範囲内の位相では上記平滑化出力信号を、他の位相では上記入力映像信号を出力映像信号として出力する
ブロックノイズ除去方法。
【請求項12】
請求項1乃至6の何れかに記載のブロックノイズ検出装置と、輝度信号水平平滑化部と、青色差信号水平平滑化部と、赤色差信号水平平滑化部とを備えたブロックノイズ除去装置であって、
上記入力映像信号として、入力輝度信号、入力青色差信号及び入力赤色差信号を含むものが入力され、
上記ブロックノイズ検出装置が、上記入力輝度信号に基づいて上記検出ブロック位相信号を出力し、
上記輝度信号水平平滑化部が、上記入力輝度信号に対して、平滑化処理し、平滑化輝度出力信号として出力する平滑化処理部と、上記入力輝度信号と上記平滑化輝度出力信号の内、上記検出ブロック位相信号に対応する位相及びその前後の所定範囲内の位相では上記平滑化輝度出力信号を、他の位相では上記入力輝度信号を出力輝度信号として出力する選択器とを備え、
上記青色差信号水平平滑化部が、上記入力青色差信号に対して、平滑化処理し、平滑化青色差出力信号として出力する平滑化処理部と、上記入力青色差信号と上記平滑化青色差出力信号の内、上記検出ブロック位相信号に対応する位相及びその前後の所定範囲内の位相では上記平滑化青色差出力信号を、他の位相では上記入力青色差信号を出力青色差信号として出力する選択器とを備え、
上記赤色差信号水平平滑化部が、上記入力赤色差信号に対して、平滑化処理し、平滑化赤色差出力信号として出力する平滑化処理部と、上記入力赤色差信号と上記平滑化赤色差出力信号の内、上記検出ブロック位相信号に対応する位相及びその前後の所定範囲内の位相では上記平滑化赤色差出力信号を、他の位相では上記入力赤色差信号を出力赤色差信号として出力する選択器とを備える
ことを特徴とするブロックノイズ除去装置。
【請求項13】
請求項1乃至6の何れかに記載のブロックノイズ検出装置と、輝度信号水平平滑化部と、色差信号水平平滑化部とを備えたブロックノイズ除去装置であって、
上記入力映像信号として、入力輝度信号及び入力色差信号を含むものが入力され、
上記ブロックノイズ検出装置が、上記入力輝度信号に基づいてブロックノイズを検出して、上記検出ブロック位相信号を出力し、
上記輝度信号水平平滑化部が、上記入力輝度信号に対して、平滑化処理し、平滑化輝度出力信号として出力する平滑化処理部と、上記入力輝度信号と上記平滑化輝度出力信号の内、上記検出ブロック位相信号に対応する位相及びその前後の所定範囲内の位相では上記平滑化輝度出力信号を、他の位相では上記入力輝度信号を出力輝度信号として出力する選択器とを備え、
上記入力映像信号を構成する入力色差信号に対して、平滑化処理し、平滑化色差出力信号として出力する平滑化処理部と、
上記色差信号水平平滑化部が、上記入力色差信号に対して、平滑化処理し、平滑化色差出力信号として出力する平滑化処理部と、上記入力色差信号と上記平滑化色差出力信号の内、上記検出ブロック位相信号に対応する位相及びその前後の所定範囲内の位相では上記平滑化色差出力信号を、他の位相では上記入力色差信号を出力色差信号として出力する選択器とを備える
ことを特徴とするブロックノイズ除去装置。
【請求項14】
輝度信号ブロックノイズ除去装置と、青色差信号ブロックノイズ除去装置と、赤色差信号ブロックノイズ除去装置とを備えたブロックノイズ除去装置であって、
上記入力映像信号として、入力輝度信号、入力青色差信号及び入力赤色差信号を含むものが入力され、
上記輝度信号ブロックノイズ除去装置、上記青色差信号ブロックノイズ除去装置、及び上記赤色差信号ブロックノイズ除去装置の各々が、請求項1乃至6の何れかに記載のブロックノイズ検出装置と、水平平滑化部とを備え、
上記輝度信号ブロックノイズ除去装置の上記ブロックノイズ検出装置が、上記入力輝度信号に基づいて上記検出ブロック位相信号を出力し、
上記輝度信号ブロックノイズ除去装置の上記水平平滑化部が、上記入力輝度信号に対して、平滑化処理し、平滑化輝度出力信号として出力する平滑化処理部と、上記入力輝度信号と上記平滑化輝度出力信号の内、上記輝度信号ブロックノイズ除去装置の上記ブロックノイズ検出装置が出力した上記検出ブロック位相信号に対応する位相及びその前後の所定範囲内の位相では上記平滑化輝度出力信号を、他の位相では上記入力輝度信号を出力輝度信号として出力する選択器とを備え、
上記青色差信号ブロックノイズ除去装置の上記水平平滑化部が、上記入力青色差信号に対して、平滑化処理し、平滑化青色差出力信号として出力する平滑化処理部と、上記入力青色差信号と上記平滑化青色差出力信号の内、上記青色差信号ブロックノイズ除去装置の上記ブロックノイズ検出装置が出力した上記検出ブロック位相信号に対応する位相及びその前後の所定範囲内の位相では上記平滑化青色差出力信号を、他の位相では上記入力青色差信号を出力青色差信号として出力する選択器とを備え、
上記赤色差信号ブロックノイズ除去装置の上記水平平滑化部が、上記入力赤色差信号に対して、平滑化処理し、平滑化青色差出力信号として出力する平滑化処理部と、上記入力赤色差信号と上記平滑化赤色差出力信号の内、上記赤色差信号ブロックノイズ除去装置の上記ブロックノイズ検出装置が出力した上記検出ブロック位相信号に対応する位相及びその前後の所定範囲内の位相では上記平滑化赤色差出力信号を、他の位相では上記入力赤色差信号を出力赤色差信号として出力する選択器とを備える
ことを特徴とするブロックノイズ除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−228264(P2008−228264A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172062(P2007−172062)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】