説明

プラスチックラミネートフィルム

a)プラスチック製ベースフィルムと、b)金属箔と、c)機能性プラスチック層を重ね合わせた、プラスチックラミネートフィルムにおいて、金属箔であるb)層の、少なくともc)層の方に向けられた面と、機能性プラスチック層であるc)層の、金属箔b)層の方に向けられた面と、機能性プラスチック層の内部とに、又は、そのうちのいずれかに、少なくとも1つの、真空蒸着法やスパッタリング法等の物理気相蒸着法によって成膜された、厚さ0.1乃至1000nm(ナノメートル)の例えばクロム層のような金属製保護層が配置されている、プラスチックラミネートフィルムであり、リチウムイオンポリマー電池やリチウムポリマー電池のクラッディングに使用されるプラスチックラミネートフィルムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重ね合わされて層状に配置された次の複数の層、すなわち、
a)プラスチック製のベースフィルム、
b)金属箔、及び、
c)機能性プラスチック層、
を含む、プラスチックラミネートフィルムに関するものである。
本発明は、また、このようなプラスチックラミネートフィルムの製造と、バッテリー・モジュール用のクラッディングとしての、このようなプラスチックラミネートフィルムの使用とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、バッテリー・モジュールは、すなわち、電池及び蓄電池(一次電池および二次電池)の電気エネルギーを生成する部分は、匡体又はクラッディングに特徴を備えている。例えば、リチウムイオンポリマー電池やリチウムポリマー電池のバッテリー・モジュールは、本質的に、正極及び負極と、これらの間の電解質ゲル層とによって構成される。このバッテリー・モジュールは、指定された目的に応じて、クラッディングの形態で囲繞される。このクラッディングは、プラスチックで構成された複数層ラミネートのバッグや予め成形された包装の形態であることができる。ゲル型の電解質は、侵食性の塩類と溶媒を含み、かつ余剰な湿気と反応するガスを形成可能であるから、このような侵食性の物質が上記クラッディングを破損又は破壊し、結果として、電池が組み込まれた機器を破損又は破壊する危険がある。電池の耐用年限を増加させるために、このラミネートは、例えば、アルミニウム箔のバリア層を含むことができる。この侵食性の物質は、腐食や孔食によってアルミニウム箔を弱化させ又は破壊し、すなわち、前述のラミネートやクラッディングを構成する個々の層が層剥離し、言い換えると、個々の層の間の密着が失われる可能性がある。同様に、クラッディングに対する前述の化学的な攻撃は、種々の化学反応の影響を受けるその他の一次電池及び二次電池にも当てはまる。
【0003】
アメリカ合衆国特許第6,761,994号には、プラスチック、接着剤、アルミニウム箔及び密封層からなるベース層で構成された複数のプラスチックラミネートフィルムを有する、リチウムイオンポリマー電池又はリチウムポリマー電池のバッテリー・モジュールのクラッディングが開示されている。このアルミニウム箔の耐食性を向上させるため、リン酸塩―クロム酸塩処理法によって、アルミニウム箔の表面に、化学的に変換層が形成される。
【0004】
ヨーロッパ特許第1 160 892号には、ベース層と、アルミニウム層と、フェノール樹脂と三価クロムホスフェートとリン酸とによって生成された化学変換層と、ポリプロピレン樹脂で作られた最内側層とを含む、バッテリー・モジュールの包装が開示されている。
【0005】
日本国特願2002−075298は、クロム酸とリン酸やフッ化水素酸等の無機酸と有機物成分とを用いる湿式化学手段によってクロム層が形成されたアルミニウム箔を、他の構成要素の間に含む、ポリマー電池用の包装材に言及している。
【0006】
湿式化学手段で変換層を生成するには、場合によっては、溶媒溶液に溶解された、腐食性の、毒性の高い物質を必要とする。湿式化学法で溶着されるクロム層の生成は、特に、ここで用いられる薄いアルミニウム箔に生成する場合には、極めて複雑であるばかりでなく、廃棄処理にコストのかかる毒性のある混合物を生じる結果にもなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US 6 761 994
【特許文献2】EP 1 160 892
【特許文献3】日本国特願2002―075298
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前述の不利な点を排除し、バッテリー・モジュールを被覆するのに特に適したプラスチックラミネートフィルム及びその製造方法並びにこのプラスチックラミネートフィルムの用途を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、物理的析出法によって、厚さ0.1乃至1000nm(ナノメートル)を有する、少なくとも1つの保護金属層が、b)金属箔の層の少なくともc)機能性プラスチック層に向かう側面に形成され、及び/又は、c)機能性プラスチック層のb)金属箔の層に向かう側面に形成され、及び/又は、c)前記機能性プラスチック層の内部に形成される、本発明によって達成される。
【0010】
使用可能な金属箔は、鉄、鋼、ニッケル、銅等の鉄類金属箔又は非鉄金属箔である。この金属箔は12乃至200μmの厚さを有し、実用的には厚さ20乃至200μmであり、好ましくは厚さ25乃至75μmであり、特に厚さ40乃至50μmである。好ましいのは、アルミニウム及びアルミニウム合金から作られた箔であり、そのためには、軟質のアルミニウムが好ましい。アルミニウム又はアルミニウム合金から作られた箔の実例は、Al 99.0又はAl 99.5で作られたもの、又は、AA 1xxx系及びAA 8xxx系の合金であり、そのためには、特に、AA 8006、AA 8014及びAA 8021が適している。アルミニウム又はアルミニウム合金で作られた箔は、前述の厚さを有することができる。アルミニウム箔の典型的な厚さの値は、40、45、50、60及び100μmである。
【0011】
プラスチック製ベースフィルムは、一又はそれ以上の層を含むことができる。例を挙げると、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)等のポリエステルフィルムや、例えば、延伸ポリアミドフィルム(oPA)等のポリアミドフィルムや、例えば、延伸ポリプロピレンフィルム(oPP)等のポリオレフィンフィルムや、酸変性ポリオレフィンを含むフィルム又は層であることができる。ベースフィルムが複数層を含む場合には、ベースフィルムは、互いに接着剤によって結合され、押出しラミネーションを施され、及び/又は、熱間カレンダー加工された、二又はそれ以上の層又はフィルムであることができる。接着剤で結合された複数の層又はフィルムは、水性接着剤や溶剤型接着剤や無溶剤型接着剤を用いて加工されることができる。ベースフィルムの厚さは、12乃至50μmの厚さであることが可能であり、実用的には15乃至25μmの厚さであることができる。これらのフィルムの典型的な厚さは、12、15、20、23及び25μmである。本発明によるプラスチックラミネートフィルムをバッテリー・モジュールのクラッディングとして使用するとき、ベースフィルムはこのクラッディングの外側であり、言い換えると、ベースフィルムは外側に向いている。
【0012】
このベースフィルムは金属箔に当接する。金属箔に対するベースフィルムの必要な結合を達成するために、ベースフィルムと金属箔の間に接着剤層を備えることができる。この接着剤は、無溶剤型接着剤や溶剤型接着剤や水性接着剤であることができる。結合されるべき層又はフィルム間に適切な接着を達成するために、他の実施形態では、ベースフィルムは酸変性ポリオレフィンを含むことが可能であり、又は、ベースフィルムと金属箔の間に酸変成ポリオレフィンで作られた層を備えることができる。ベースフィルムは、また、カーテン・コーティングや押出しラミネーションによって、及び/又は、熱間カレンダリンクによって、金属箔に結合されることができる。前述の加工工程には、必要に応じて、プライマーを使用することができる。その結合性を向上させるために、互いに結合される面の一方又は双方に、プラズマ又はコロナ予備処理や化学的な予備処理を施すことができる。
【0013】
機能性プラスチック層は、一層で又は幾つかの層で構成することができる。機能性プラスチック層が複数層で構成されている場合には、機能性プラスチック層は、接着ラミネーション、押出しラミネーション、熱間カレンダリング加工、及び/又は、カーテン・コーティングによって互いに結合された、二つ又はそれ以上の相互に結合された層であることができる。好ましいのは、二つ又はそれ以上の共押出しされた層である。この機能層は、例えば、延伸ポリアミド(oPA)等のポリアミドや、例えば、ポリプロピレンや延伸ポリプロピレン(oPP)やポリエチレン等のポリオレフィンや、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルや、例えば、酸変性ポリプロピレンや酸変性ポリエチレン等の酸変性ポリオレフィンや、例えば、メタロセン含有ポリプロピレン又はメタロセン含有ポリエチレン等のメタロセン含有ポリオレフィンや、メチルアクリル酸含有ポリプロピレン又はメチルアクリル酸含有エチレン等のメチルアクリル酸含有オレフィンを含有する。ポリプロピレンの場合には、プロピレンとポリエチレン又は他のポリオレフィンとの混合物であることもできる。また、プロピレンとエチレン又は他のオレフィンのコポリマーや、シクロオレフィンコポリマー(CoC)や、シクロオレフィンポリマー(COP)や、アクリルニトリルのポリマーや、例えば、アクリルニトリル/メタクリレート−コポリマー(登録商標BAREX)等のアクリルニトリルのコポリマーを使用することもできる。機能層は、少なくとも2つの層、すなわち、ポリプロピレン層及び/又はメタロセン含有プロピレンと、メタクリル酸含有ポリプロピレン層とを有することが望ましい。機能層全体の厚さは、例えば、12乃至100μmであることが可能であり、これによって、個々の層の厚さは15乃至60μmであり、二つ又はそれ以上の層の合計の厚さは40乃至100μmであることができる。
【0014】
本発明によるプラスチックラミネートフィルムをバッテリー・モジュールのクラッディングとして使用するとき、機能性プラスチック層はクラッディングの内側面を形成し、言い換えると、機能性プラスチック層はバッテリー・モジュールの内側に向く。
【0015】
機能層の典型的な例は、厚さが30乃至50μmの共押出しされたポリプロピレンの層、又は、厚さ30μmの共押出しされたポリエチレンの層である。
【0016】
機能性プラスチックラミネートフィルムが、例えば、二つの層で構成されているときには、一方の層は金属箔に向けられ、他方の層はバッテリー・モジュールの内側面に向けられる。
【0017】
このような複数の層の典型例は、金属箔に向いた側が、厚さ15μmの延伸ポリアミドの層で構成され、内側に向いた側が、厚さ30乃至50μmの共押出しされたポリプロピレンの層で構成されているか、又は、金属箔に向いた側が、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートの層で構成され、内側に向いた側が、厚さ50μmの共押出しされたポリプロピレンの層で構成されているか、又は、金属箔に向いた側が、厚さ15μmの延伸ポリアミドの層で構成され、内側に向いた側が、厚さ30μmの共押出しされたポリプロピレンの層で構成されているか、又は、金属箔に向いた側が、厚さ20μmの延伸ポリプロピレンの層で構成され、内側に向いた側は、厚さ30乃至50μmの共押出しされたポリプロピレンの層で構成される。
【0018】
同様に、三つ又はそれ以上の個別の層を有する機能層を使用することもできる。
【0019】
有利なことに、機能層は密封特性を示し、言い換えると、機能層は冷間又は熱間シールによって密封可能である。機能層は、通常、包装の他の部分に密封可能であり、機能層自体に対しても密封可能である。機能層が幾つかの個別の層によって構成されているときには、特に、最外側の露出層が密封性を有し、又は、密封可能であり、又は、最外側の露出層が融着に都合が良いか、又は、接着剤によって結合可能である。
【0020】
ベースフィルムは、金属箔の一方の側面に当接している。金属箔の他方の側面は、機能層に当接している。機能層と金属箔の間に必要な結合を達成するために、両者の間に接着剤層を設けることができる。この接着剤は、無溶剤型接着剤、溶剤ベースの接着剤、又は、水性接着剤であることができる。他の実施態様においては、互いに結合される複数の層の間に十分な結合を達成するために、機能層は酸変性ポリオレフィンを含有することが可能であり、又は、酸変性ポリオレフィンの層を機能層と金属箔の間に設けることができる。また、機能層を、押出しラミネーション、押出しコーティング、及び/又は、熱間カレンダリングによって、金属箔に結合することができる。必要に応じて、前述の工程にプライマーを使用することができる。結合形成を増進させるために、結合される面の一方又は双方にプラズマ予備処理又はコロナ予備処理を施すことができる。
【0021】
本発明によるプラスチックラミネートフィルムは、金属製保護層を有する。金属製保護層を設ける意図は、金属箔を侵食的な物質から保護することにある。本発明による一つの実施形態では、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金で作られた金属箔の上に、厚さ0.1乃至1000nm(ナノメートル)の金属製保護層がある。また、他の実施形態では、金属製保護層は、金属層に当接する代わりに機能層に当接している。金属箔と機能層の結合に際して、金属製保護層は、必要に応じて接着剤や接着媒体を介して、金属箔の一方の表面に当接して存することとなる。金属製保護層は、また、前述のプラスチックの一つの層又はフィルムの上に析出することが可能であり、ここで、前述のプラスチックの一つの層又はフィルムは、複数層の機能層又は複数フィルムの機能層を作るために、前述のプラスチックで作られた他の層又はフィルムと共に加工される。このとき、金属製保護層は、機能層の二つのプラスチック層の間に置かれる。
【0022】
幾つかの金属製保護層を設けることができる。第一の金属製保護層は金属箔上に置かれ、第二の金属製保護層は機能層上の置かれ、これにより、本発明によるプラスチックラミネートフィルムにおいては、これらの金属製保護層は、必要に応じて接着剤又は結合剤を介して、互いに当接する。
【0023】
更に他の実施形態においては、一つの金属製保護層が金属箔の上に設けられ、かつ、一つの金属製保護層が、機能層の内部の複数のプラスチック層の間に設けられる。
【0024】
更に他の実施形態においては、第一の金属製保護層が機能層の外側の面に設けられ、かつ、第二の金属製保護層が、機能層の内部の二つのプラスチック層の間に設けられる。機能層は、外部に配置された第一の保護層を介して、場合によっては接着剤又は結合剤を介して、金属箔に結合される。
【0025】
更に他の実施形態においては、第一の金属製保護層は金属箔上に配置することが可能であり、第二の金属製保護層は機能層上に配置することが可能であり、このとき、プラスチックラミネートフィルム内において、金属製保護層は、必要に応じて接着剤又は接着媒体を介して、互いに当接又は隣接し、かつ、第三の金属製保護層が機能層内のプラスチックの二つの層又はコーティングの間に配置される。
【0026】
前述の各金属製保護層は、物理的成膜法(物理気相蒸着法)によって析出される。物理的成膜法(物理気相蒸着法)の例は真空蒸着法やスパッタリング法である。
【0027】
金属製保護層でコーティングするために、金属箔又はプラスチックフィルム又は金属−プラスチックフィルムラミネートは、個々のシートとして、そして、特に実用的にはコイル又はロールから、真空室内で真空中に伸ばされ、そして、本質的に気化され又はスパッタリングされた金属の雰囲気にさらされる。金属含有蒸気は、金属箔の少なくとも一つの面上に、厚さ0.1乃至1000nmの層として堆積する。蒸着された金属製保護層を有する金属箔は、再度、カウンター・コイル又はカウンター・ロールに連続的に巻取られる。金属製保護層は、例えば、Cu、Au、Ag、Ni、Pd、Pt、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Mo、W、Zn、Cd、Hg、Si、Ge、Sn、Pb、Fe、Ru、Os、Mn、Tc、Re、Ga、In、Tl、Bi、又はそれらの混合物であることができる。Cr、Ti及びZrがそれぞれ単独に用いられるか、これらの三種の金属のうちの二種の金属の混合物又は三種の全ての金属の混合物として用いられるのが好ましく、特に、Crが用いられるのが好ましい。必要な金属製保護層に応じて、出発物質は、上述の要素を含む物質から選択されるか、上述の要素からなる物質から選択される。例えば、金属は、真空室の中に置かれ、ターゲット材に向けられた電子ビーム銃を用いて蒸発させられ、又は、スパッタリング法を用いてスパッタリングされる。ターゲット材は、例えば、蒸発させられる金属で作られた板である。金属の混合物が析出されるべきときには、前述の異なる金属の混合物や、前述の異なる金属で作られた幾つかの金属板を、蒸発させ、又は、スパッタリングさせることができる。このようにして蒸発させられ、又は、スパッタリングされた金属は、金属箔の表面に前述の厚さだけ堆積する。析出した金属の厚さは、例えば、金属箔の繰り出し速度や電子ビームの強度やスパッタリングカソードの出力を介して制御することができる。
【0028】
金属箔又は複数のプラスチックフィルム又は層を、例えば、アルゴン(Ar)、窒素(N)、NH、NO(酸化窒素)を使用して、好ましくは、酸素プラズマを介して、真空装置の中でプラズマ予備処理することが、特に有用であることが判明している。この予備処理は、真空装置中で、又は、コーティング前に、直接行うことができる。このプラズマ予備処理は、金属箔と金属製保護層と複数のプラスチックフィルム又は層の相互間の特に良好な結合を得るために施される。金属製保護層は、ターゲット材としてクロムを用いて、電子ビーム蒸着により製造されるのが望ましい。特に、好ましいのは、酸素プラズマを用いてプラズマ予備処理が施され、ターゲット材としてクロムを用いて電子ビームによる蒸着がなされることである。
【0029】
本発明によるプラスチックラミネートフィルムを製造する間に、金属製保護層を堆積させる方法の例は、金属製保護層の蒸着がクロム析出法を用いて実施されるようにすることである。アルミニウム箔に結合されたベースフィルムは、又は、機能層は、真空室内において、酸素プラズマ中でプラズマ処理され、次いで、電子ビーム蒸発により生成されたクロム含有蒸気雲に晒されて、これにより、前述の箔又は層の露出面にクロムが沈積される。このクロム析出法は、例えば、延伸ポリエチレン又はポリエステルとアルミニウム箔とで作られたプラスチック−アルミニウムフィルムを、真空室内において、酸素プラズマでプラズマ処理し、次いで、クロム含有蒸気雲に晒すようなやり方で実施してもよい。この蒸気雲は、30乃至40kVの電子ビームと、例えば、1.1乃至1.5Aのビーム電流とによって、加熱されて蒸発させられたクロム粒子から形成される。プラスチック−アルミニウムフィルム又は機能層の処理能力が、例えば、120m/minであるとき、厚さが約約80nmのクロム層を生成することができる。
【0030】
金属箔が真空室内のコーティングローラー上を通過する場合には、金属蒸気は、金属箔の露出面にのみ堆積し、言い換えると、金属箔のコーティングローラーに接触している面には堆積しない。金属箔が、所謂、フリースパンの方法で、真空室を通過する場合には、金属箔の両面が被覆される。コーティング速度を高速に維持し、かつ、使用されるエネルギーの総量とターゲット材の総量を減少させるには、金属箔の片面にのみコーティングするのが有用である。
【0031】
既にベースフィルムをコーティングされた金属箔を、真空室内において蒸発金属に晒し、これにより、金属箔の露出面を金属製保護層で被覆することもできる。
【0032】
このように、本発明は、また、電池のクラッディングに使用されるプラスチックラミネートフィルムの製造方法にも関する。本発明の方法によれば、金属箔の二つの表面のうちの少なくとも一つの面に、金属製保護層を堆積させることができる。この金属製保護層は、また、プラスチックラミネートフィルムの金属箔に面する機能層の表面にも形成することができる。また、金属製保護層は、機能層の二つの層又はフィルムの間に設けることもできる。また、第一の金属製保護層を機能層の金属箔に面する表面に設け、第二の金属製保護層を機能層の二つの層又はフィルムの間に設けることができる。金属製保護層の堆積は、物理的成膜法を用いて行われ、これにより、0.1乃至1000nm(ナノメートル)の厚さの層が堆積される。
【0033】
好ましくは、金属製保護層は、真空蒸着法を用いて、又は、スパッタリング法によって、金属箔の少なくとも一方の面に析出される。
【0034】
金属製保護層は、2乃至100nmの厚さまで堆積可能であり、好ましくは、5乃至50nmの厚さに、特に10nmの厚さに析出される。
【0035】
本発明による方法では、金属製保護層として、ジルコニウム又はチタニウム、そして、好ましくはクロムが析出されることが実用的である。
【0036】
金属製保護層を被覆された金属箔は、好ましくは、クロム層をコーティングされたアルミニウム箔は、実用的には、接着剤、積層用接着剤、シーリングラッカー又はフィルム、及び/又は、プライマーによって、その一方の面がベースフィルムに結合される。金属箔の他方の面には、蒸着された金属保護層が存在し、この金属製保護層には、必要に応じて、接着剤、積層用接着剤、シーリングラッカー又はフィルム、及び/又は、プライマーを介して、機能性プラスチック層が結合されている。
【0037】
従って、本発明に従って構成された特に望ましいプラスチックラミネートフィルムは、そのプラスチック製のベースフィルムが、厚さ15乃至25μmのポリアミド層か、厚さ12乃至23μmのポリエチレンテレフタレート層か、又は、それぞれの厚さが15乃至25μmの延伸ポリアミドの二つの層で構成された層であり、金属箔が、厚さ45乃至60μmのアルミニウムで構成され、金属製保護層が、厚さが約40nmのクロムで構成され、そして、機能性プラスチック層が、厚さ15μmの延伸ポリアミドと30乃至50μmの共押出しされたポリプロピレンで構成された層、又は、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートと厚さ50μmの共押出しされたポリプロピレンで構成された層、又は、厚さ15μmの延伸ポリアミドと厚さ30μmの共押出しされたポリエチレンで構成された層、又は、厚さ20μmの延伸ポリプロピレンと厚さ30乃至50μmの共押出しされたポリプロピレンで構成された層である。
【0038】
本発明によるプラスチックラミネートフィルムは、一次電池及び二次電池のような、特にリチウムイオン電池やリチウムポリマー電池のような、電池及び蓄電池のバッテリー・モジュール用のバッテリー・クラッディングとして使用される。
【0039】
例えば、プラスチックラミネートフィルムは、バッグの形状に成形可能であり、このバッグの中にバッテリー・モジュールが配置され、バッグの開口端は、密封され、融着され、接着剤で結合される。また、バッテリー・モジュールを、これに対応するように切断されたプラスチックラミネートフィルムの一片に包み、包装し、包み込むことが可能であり、このプラスチックラミネートフィルムの縁部を、互いに密封し、融着し、又は、接着剤で結合することができる。
【0040】
さらに別の方法では、プラスチックラミネートフィルムを、例えば、熱間成形によって、特に、冷間成形によって、成形体に成形することができる。この成形は、深絞り成形やストレッチ成形或いは両者の組合せを用いて行うことができる。このような成形体は、皿形、半貝殻形、又は、箱形の容器の形態を成すことができる。バッテリー・モジュールは皿形容器の中に置かれ、この皿形容器は蓋を形成するフィルムによって閉鎖されることができる。この蓋を形成するフィルムは、特に、本発明によるプラスチックラミネートフィルムの適当な断片である。この閉鎖は、皿形容器の縁部に沿って延在する密封継ぎ目を使用して行うことができる。バッテリー・モジュールが半貝殻形容器の下半分に入れられ、この下半分の容器の上に半貝殻形容器の上半分の容器が重ね合わされても良い。半貝殻形容器の下半分と上半分は、互いに接する縁部に沿って封着され、分離しないように結合される。バッテリー・モジュールを、ほぼ箱形の容器の中に入れ、この挿入口を容器の変形により密封し、又は、この開口の上に蓋又はプラスチックラミネートフィルムを重ねることにより密封することも可能である。いずれにしても、バッテリー・モジュールから導かれる電極は、電池のクラッディングを貫通しなければならない。電極は、バッテリー・モジュールの挿入口を貫通することが実用的である。電極は、バッグの挿入口を貫通するか、皿形容器と蓋体の間を貫通するか、両半貝殻容器の間の継目を貫通するか、又は、容器と蓋の間の継目を貫通することができる。バッグ、皿形容器、半貝殻形容器及び箱形容器の密封継ぎ目は、少なくとも液体を通さないものであることが有用であり、望ましくは、気密性又はガス不透過性のものであって、かつ、分離し難いものであることが有用である。同様に、電極の経路は、電極を辿って如何なる物質も流入及び流出することができないように、緊密に密閉されなければならない。必要に応じて、密封の代わりに、融着や接着剤による結合を用いることができる。
【0041】
冷間成形されたプラスチックラミネートフィルムを用いた電池のクラッディングが望ましい。プラスチックラミネートフィルムは、皿形容器の形状に冷間成形されることが望ましい。ここで、「冷間成形される」とは、例えば、深絞り成形やストレッチ成形等の成形法により、室温約20乃至30℃で、場合によっては、約50乃至70℃までの温度でなされる、成形作業を意味する。バッテリー・モジュールは皿形容器に入れられ、電極が皿形容器の縁部の上に導出され、皿形容器は、実用的には、本発明によるプラスチックラミネートフィルムで作られた蓋フィルムに、緊密に、分離しないように密封され、又は、皿形容器は、実用的には、本発明によるプラスチックラミネートフィルムで作られた載置密封形状の蓋部品に、緊密に、分離しないように密封されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1乃至図5は、実施例として、本発明を更に詳細に説明する。
【図1】図1は、本発明のプラスチックラミネートフィルムの層構造の概略図である。(実施例1)
【図2】図2は、本発明のプラスチックラミネートフィルムの他の層構造の概略図である。(実施例2)
【図3】図3は、本発明のプラスチックラミネートフィルムの更に他の層構造の概略図である。(実施例3)
【図4】図4は、本発明のプラスチックラミネートフィルムの更に他の層構造の概略図である。(実施例4)
【図5】図5は、本発明の電池外装を使用した電池の断面図である。(実施例5)
【実施例1】
【0043】
図1は、プラスチックラミネートフィルム(17)の例として、ベースフィルム(10)と、粘着層(11)と、金属箔(12)と、金属製保護層(13)と、例えば、変性ポリオレフィン(15)の層及びポリオレフィン層(16)で構成された機能層(14)とからなる層構造を示している。ベースフィルム(10)は、特に電池のクラッディングの外側の層となり、延伸ポリアミドで構成される。アルミニウム箔等の金属箔(12)のバッテリー・モジュールに向かって内側に向かう側面は、物理的成膜法によって、例えば、クロムイオンを含む層等が沈積された、厚さ0.1乃至1000nmの金属製保護層(13)で被覆されている。金属製保護層(13)は、その下に横たわる金属箔(12)を、特に、腐食から防御する性能において、突出した保護性を提供する。バッテリー・モジュールから漏れ出る、金属箔(12)にとって有害な、例えば腐食性の物質は、機能層(14)を貫通する場合があるが、蒸着された金属製保護層(13)によって確実に押し止められ、それ故、金属箔(12)に達することはない。従って、このような侵食性物質が、金属箔(12)に破壊的な影響を及ぼすことはできず、特に、金属箔(12)を腐食させることはできない。金属箔(12)は、湿気及びガスの漏出に対する遮断層を提供する。腐食又は孔食は、この遮断作用を損ない又は破壊する。この遮断作用が無いと、バッテリー・モジュールから物質が外部へ漏出するだけでなく、外部から湿気等の物質がバッテリー・モジュールの中へ侵入することができるであろう。金属箔(12)に対する障害や損害は、プラスチックラミネートフィルムの層剥離をも生じる。層剥離は、電池のクラッディングに対する上述の攻撃がもはや起こりえないので、回避することができる。
【実施例2】
【0044】
図2は、ベースフィルム(10)と、粘着層(11)と、金属箔(12)と、機能層(14)とからなる層構造を有する、プラスチックラミネートフィルム(17)の例を示している。機能層(14)は、プラスチック(15,16)の層で構成されている。層(15,16)の間には、物理気相蒸着を用いて、例えば厚さ40nmに成膜された、例えばクロム層のような金属製保護層(13a)が配備されている。金属製保護層(13a)は、プラスチック層(15)やプラスチック層(16)に蒸着可能であり、必要に応じて、これらの両プラスチック層(15,16)上に蒸着することができる。蒸着後、両プラスチック層(15,16)は、金属製保護層(13a)が両プラスチック層(15,16)の間に配置されるように、接合される。
【実施例3】
【0045】
図3は、ベースフィルム(10)と、粘着層(11)と、金属箔(12)と、金属製保護層(13)と、機能層(14)とからなる層構造を有する、プラスチックラミネートフィルム(17)の例を示している。機能層(14)は、プラスチック(15、16)の層で構成されている。層(15、16)の間には、第二の金属製保護層(13a)が配備されている。この金属製保護層(13a)は、プラスチック層(15)やプラスチック層(16)に蒸着可能であり、必要に応じて、これらの両プラスチック層(15、16)上に蒸着することができる。蒸着後、両プラスチック層(15、16)は、金属製保護層(13a)が両プラスチック層(15、16)の間に配置されるように、接合される。
【実施例4】
【0046】
図4は、ベースフィルム(10)と、粘着層(11)と、金属箔(12)と、金属製保護層(13)と、機能層(14)とからなる層構造を有する、プラスチックラミネートフィルム(17)の例を示している。機能層(14)は、プラスチック(15、16)の層で構成されている。層(15)の上には、第二の金属製保護層(13a)が配備されている。この第二の金属製保護層(13a)は、プラスチック層(15)上に蒸着されている。必要に応じて、これらの両金属製保護層(13、13a)の間に、粘着層又は接着剤(図示されていない)を設けることができる。完全を期するために、図4に従う層構造の更に可能な変形例を記載する。すなわち、プラスチックの層(15、16)の間に第三の金属製保護層を配置することができる。
【実施例5】
【0047】
図5は、電池の断面を示している。本発明によるプラスチックラミネートフィルム(17)を冷間成形して作成した、例えば、方形底面の皿形容器(18)の中に、バッテリー・モジュール(19)が入れられている。電極(20)は、バッテリー・モジュールから突き出て、皿形容器(18)の縁部を横切っている。電池を使用する際、皿形容器(18)から突き出た電極部分でエネルギーを取り出すことができる。皿形容器(18)は、蓋フィルム(21)で覆われている。蓋フィルム(21)は、例えば、皿形容器(18)と同じプラスチックラミネートフィルム(17)で作ることができる。一本の切れ目のない密封継ぎ目(22)が、皿形容器(18)の肩(22)に沿って、皿形容器(18)と蓋フィルム(21)の間に位置している。この結果、バッテリー・モジュールは、ガス及び湿気の通過と外部の影響に対して、堅固に閉鎖されている。
【実施例6】
【0048】
以下の表に本発明によるプラスチックラミネートフィルムの実施例が挙げられている。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
【表4】

【0053】
表の実施例において、PP共押出しコーティング又はPE共押出しコーティングの代わりに、ラミネート加工された又は熱間カレンダー加工されたPPフィルム又はPEフィルムを選択的に用いることも可能である。
【0054】
表中の略号は以下の意味を持つ。
プラスチックフィルム又は層の厚さの数値の単位はμmである。
oPA: 延伸ポリアミド
PET: ポリエチレンテレフタレート
oPP: 延伸ポリプロピレン
Al: アルミニウム
Cr: クロム
nm: ナノメートル
PP: ポリプロピレン
PE: ポリエチレン
PAN: ポリアクリロニトリル
CoC: シクロオレフィニックコポリマー
Coex:共押出しされた

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)プラスチック製のベースフィルムと、b)金属箔と、c)機能性プラスチック層を重ね合わせたプラスチックラミネートフィルムにおいて、
金属箔であるb)層の、少なくともc)層の方に向けられた面と、機能性プラスチック層であるc)層の、金属箔b)層の方に向けられた面と、機能性プラスチック層の内部とに、又は、そのうちのいずれかに、厚さ0.1乃至1000nm(ナノメートル)の少なくとも1つの金属製保護層が真空蒸着法やスパッタリング法等の物理気相蒸着法によって成膜されていることを特徴とする、プラスチックラミネートフィルム。
【請求項2】
請求項1に記載されたプラスチックラミネートフィルムにおいて、前記金属製保護層の厚さは、2乃至100nm、望ましくは5乃至50nm、特に40nmであることを特徴とする、前記プラスチックラミネートフィルム。
【請求項3】
請求項1および2に記載されたプラスチックラミネートフィルムにおいて、前記金属製保護層は、真空蒸着法またはスパッタリング法によって作り出された金属製保護層であることを特徴とする、前記プラスチックラミネートフィルム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載されたプラスチックラミネートフィルムにおいて、前記金属製保護層は、クロム、チタン、又は亜鉛の層、望ましくは、クロム層であることを特徴とする、前記プラスチックラミネートフィルム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載されたプラスチックラミネートフィルムにおいて、前記プラスチック製のベースフィルムは、厚さ15乃至25μmの延伸ポリアミド層か、厚さ12乃至23μmのポリエチレンテレフタレート層か、各々の厚さが15乃至25μmの二層の延伸ポリアミドからなる層であり、前記金属箔は、厚さ45乃至60μmのアルミニウム箔であり、前記金属製保護層は、厚さ40nmのクロム層であり、前記機能性プラスチック層は、厚さ15μmの延伸ポリアミドと30乃至50μmの共押出しポリプロピレンからなる層か、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートと50μmの共押出しポリプロピレンからなる層か、厚さ15μmの延伸ポリアミドと30μmの共押出しポリエチレンからなる層か、厚さ20μmの延伸ポリプロピレンと20乃至50μmの共押出しポリプロピレンからなる層で構成されていることを特徴とする、前記プラスチックラミネートフィルム。
【請求項6】
請求項1に記載されたプラスチックラミネートフィルムを使用した、バッテリー・モジュール、特にリチウムイオンポリマー電池及びリチウムポリマー電池用の電池のクラッディング。
【請求項7】
請求項6に記載された電池のクラッディングにおいて、冷間成形されたプラスチックラミネートフィルムが使用されることを特徴とする、前記電池のクラッディング。
【請求項8】
請求項1に記載されたプラスチックラミネートフィルムの製造方法において、金属箔であるb)層の少なくとも1つの面上と、少なくともc)層の方を向いた面上と、機能性プラスチック層であるc)層の、金属箔であるb)層の方を向いた面上と、機能性プラスチック層内部、又はそのいずれかに、少なくとも1つの、厚さ0.1乃至1000nm(ナノメートル)の金属製保護層が、物理気相蒸着法により成膜されることを特徴とする、プラスチックラミネートフィルムの製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載されたプラスチックラミネートフィルムの製造方法において、前記金属箔の少なくとも1つの面上に、前記金属製保護層が、真空蒸着法またはスパッタリング法により成膜されることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項10】
請求項8および9のいずれか一項に記載されたプラスチックラミネートフィルムの製造方法において、前記金属製保護層は、2乃至100nmの厚さに、望ましくは、5乃至50nmの厚さに、特に40nmの厚さに成膜されることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれか一項に記載されたプラスチックラミネートフィルムの製造方法において、前記金属製保護層として、ジルコニウム又はチタンが蒸着され、望ましくは、クロムが蒸着されることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれか一項に記載されたプラスチックラミネートフィルムの製造方法において、前記金属製保護層の蒸着がクロム蒸着法により行われ、これにより、前記ベースフィルムa)は、真空室内で、酸素プラズマ中で、金属箔b)又は機能層c)に結合され、その後、電子ビーム蒸発により生成されたクロム含有蒸気雲に晒されて、前記フィルム/箔又は層の上にクロム層が析出することを特徴とする、前記製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−544492(P2009−544492A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521135(P2009−521135)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006131
【国際公開番号】WO2008/011987
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(504313044)アルカン テヒノロギー ウント メーニッジメント リミテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】ALCAN TECHNOLOGY & MANAGEMENT LTD.
【住所又は居所原語表記】Badische Bahnhofstrasse 16, CH−8212 Neuhausen am Rheinfall, Switzerland
【Fターム(参考)】