説明

プラズマを用いたシランガス除去装置

【課題】本発明は、プラズマを用いてシランガスを効果的に分解するための手段を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、プラズマを用いたシランガス除去装置に関する。本発明の一実施形態によるシランガス除去装置は、既設定された周波数の電磁波を発振する電磁波供給部と、前記電磁波供給部から供給された前記電磁波及び渦流ガスからプラズマを発生させる放電管と、前記放電管に前記渦流ガスを供給する渦流ガス供給部と、前記放電管で発生された前記プラズマとシランガスとの反応により二酸化珪素及び水が生成される反応炉と、前記放電管内に前記プラズマの発生のための初期電子を供給する点火部と、前記反応炉の上端に形成され、前記反応炉内部の前記プラズマに前記シランガスを供給するシランガス供給部と、前記反応炉で生成された前記二酸化珪素及び水を排出するガス排出部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマを用いたシランガス除去技術に関する。
【背景技術】
【0002】
シランガスは、半導体産業及び太陽電池産業などで実施されている化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition)において通常用いられる気体である。シランガスは、大気中に排出される場合、環境汚染及び爆発事故などが生じるおそれがあるため、大気中に排出される前に完全に除去されなければならない。
【0003】
現在、最も多く用いられているシランガスの除去方法としては、LNGバーナーまたは電気炉を用いた焼却法が挙げられる。しかしながら、現在使用されているLNGバーナーまたは電気炉は、焼却温度が低くシランガスを燃焼しきることは非常に困難である。さらに、完全に焼却されていない残留物が外部に排出される過程において排気ダクトに蒸着し、排出ガスの円滑な排出に支障を来たす恐れがあり、焼却過程において多量のLNGまたは電気を使用してしまう。
【0004】
これにより、高温を利用してシランガスを効率よく分解することができる方法に関する研究が必要となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述した問題を解決するためのものであって、プラズマを用いてシランガスを効果的に分解するための手段を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態によるシランガス除去装置は、既設定された周波数の電磁波を発振する電磁波供給部と、前記電磁波供給部から供給された前記電磁波及び渦流ガスからプラズマを発生させる放電管と、前記放電管に前記渦流ガスを供給する渦流ガス供給部と、前記放電管から発生された前記プラズマとシランガスとの反応により二酸化珪素及び水が生成される反応炉と、前記放電管内に前記プラズマの発生のための初期電子を供給する点火部と、前記反応炉の上端に形成され、前記反応炉内部の前記プラズマに前記シランガスを供給するシランガス供給部と、前記反応炉で生成された前記二酸化珪素及び水を排出するガス排出部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明による場合、プラズマを用いて短時間でほぼ完全にシランガスを分解することにより、シランガスの分解効率を高めることができるといった長所がある。
【0008】
また、本発明による場合、シランガスがHSiOまたはSiHのような不安定な化合物ではなく、二酸化珪素及び水などの安定した単分子化合物に変換されることにより、シランガス分解の残留物を容易に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態によるシランガス除去装置100のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるシランガス除去装置100の導波管126及び放電管104の連結部の垂直断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による反応炉及びシランガス供給管の連結状態を説明するための反応炉の水平断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による反応炉及びシランガス供給管の連結状態を説明するための反応炉の垂直断面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるシランガス除去装置100の効率を測定するための実験結果を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態によるシランガス除去装置100の効率を測定するための実験結果を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施形態によるシランガス除去装置100の効率を測定するための実験結果を示すグラフである。
【図8】窒素100lpmに混合された500sccmのシランガスが、反応炉108内で高温プラズマと接触して自己燃焼する場面を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の具体的な実施形態を説明する。しかしながら、これらは例示に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0011】
本発明を説明するにあたり、本発明に係る公知技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。そして、後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であって、これは使用者、運用者の意図または慣例などにより変わり得る。従って、その定義は本明細書の全般にわたる内容に基づいて下されなければならない。
【0012】
本発明の技術的思想は特許請求の範囲によって定められ、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に効率的に説明するための一手段に過ぎない。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態によるシランガス除去装置100のブロック図である。図示するように、本発明の一実施形態によるシランガス除去装置100は、電磁波供給部102、放電管104、渦流ガス供給部106、反応炉108、点火部110、シランガス供給部112、及びガス排出部114を備える。
【0014】
電磁波供給部102は、プラズマ発生のために既設定された周波数の電磁波を発振する。具体的には、電磁波供給部102は、電源供給部116、マグネトロン118、循環器120、方向性結合器122、スタブチューナー124、及び導波管126を備える。
【0015】
電源供給部116は、シランガス除去装置100の駆動に必要な電力を供給する。
【0016】
マグネトロン118は、電源供給部116から前記電力供給を受けて所定の周波数の電磁波を発振する。マグネトロン118は、例えば、10MHz〜10GHz帯域の電磁波を発振するように構成され、好ましくは、2.45GHzの電磁波を発振するように構成され得る。
【0017】
循環器120は、マグネトロン118から発振された電磁波を出力するとともに、インピーダンス不整合でマグネトロン118に反射される反射波を吸収且つ消滅させることにより、マグネトロン118を保護する。
【0018】
方向性結合器122は、循環器120から伝送された電磁波を出力するとともに、方向性結合器122に入射される入射波及び循環器120に反射される反射波の強さを使用者が目視にて確認できるようにモニタリングする機能を提供する。
【0019】
スタブチューナー124は、前記電磁波から誘導される電場の強さが放電管104内で最大になるように、方向性結合器122から入力される電磁波の入射波及び反射波の強さを調節してインピーダンス整合を誘導する。具体的には、スタブチューナー124は、反射波の強さが入射波の1%以内になるように、前記入射波及び反射波の強さを調節するように構成され得る。
【0020】
導波管126は、スタブチューナー124から入力される電磁波を放電管104に伝送する。
【0021】
放電管104は、電磁波供給部102から供給された電磁波及び渦流ガスからプラズマが発生される空間である。放電管104は、中空円筒状に形成され、前記円筒の内周面に沿って渦流ガスが渦巻き状に流動するように構成される。
【0022】
渦流ガス供給部106は、放電管104に渦流ガスを供給する。前記渦流ガスは、放電管104で生成されたプラズマを安定化し、放電管104の内壁を保護するためのものであって、例えば、空気、酸素、窒素、及びアルゴンガスのうち一以上を含んで構成され得る。
【0023】
反応炉108は、放電管104で発生されたプラズマとシランガスとの反応により二酸化珪素(SiO)及び水(H0)が生成される空間である。反応炉108は、放電管104の上部に形成され、放電管104で発生されたプラズマ火炎とシランガスが爆発することなく容易に反応できるように、放電管104より一般的に大きい内径を有する中空円筒状に形成され得る。そのため、放電管104で発生されたプラズマは、反応炉108を経て反応炉108の内部に供給されるシランガスを二酸化珪素及び水に変化させる。
【0024】
点火部110は、放電管104内に前記プラズマの発生のための初期電子を供給する。
【0025】
シランガス供給部112は、反応炉108の上端に形成され、反応炉108の内部に形成されたプラズマにシランガスを供給する。シランガス供給部112は、放電管104の内部で発生される電気放電によってシランガスが爆発することを防止するために、放電管104と充分な隔離距離を有するように形成される。すなわち、放電管104の内部では点火部110により電気放電が起きるが、一般的なNF、CF、SFなどの不活性ガスとは異なり、シランガスが存在する環境下で電気放電が起きる場合、シランガスが爆発してしまう。従って、本発明におけるシランガス供給部112は、放電管104と充分な隔離距離を有するように反応炉108の上端に形成されることにより、シランガスが放電管104で発生されたプラズマ火炎の後端に供給されるように構成される。また、図示するように、シランガス供給部112は、シランガスが容易にプラズマの中心部へ供給されるように、反応炉108の内周面から反応炉108の中心部に突出するように形成され得る。
【0026】
ガス排出部114は、反応炉108で生成された二酸化珪素及び水を外部に排出する。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態によるシランガス除去装置100の導波管126及び放電管104の連結部の垂直断面図である。
【0028】
導波管126は、例えば、標準型の矩形導波管であって、スタブチューナー124側から放電管104側に行くほどその断面積が減少するテーパー(taper)状に形成され、放電管104側に行くほどスタブチューナー124から入力された電磁波のエネルギー密度が増加するように構成され得る。
【0029】
放電管104は、導波管126の終端から放電管104に供給される電磁波の波長の1/8〜1/2の位置で導波管126を垂直に貫通するように設置され、好ましくは、導波管126の終端から管内波長の1/4離隔した位置に設置され得る。放電管104は、電磁波の容易な透過のために石英、アルミナまたはセラミックスなどで構成され得る。
【0030】
渦流ガス供給部106は、放電管104の下端に設置され、一以上の渦流ガス供給管106aを備えることができる。前記各々の渦流ガス供給管106aは、放電管104の内周面に沿って等間隔に配列され得る。また、各渦流ガス供給管は、放電管104の内部に供給される渦流ガスが放電管104の内周面に沿って渦巻き(swirl)を形成しながらプラズマ火炎の進行方向に移動できるように、渦流ガス供給部106の外壁から内壁に行くほど上方に傾斜して形成され得る。
【0031】
点火部110は、放電管104に初期プラズマ生成のための電子を供給する。点火部110は一対の点火電極110aを備え、各電極の終端は0.1〜50mmの放電間隔を維持するように構成され得る。前記点火電極110aは、例えば、タングステンで構成することができる。
【0032】
シランガス供給部112は、反応炉108の外壁を貫通して反応炉108の内部にシランガスを注入する一以上のシランガス供給管112aを備える。
【0033】
図3は、シランガス供給管112aを備えた反応炉108の水平断面図である。図示された実施形態では、反応炉108に二のシランガス供給管112aが備わる。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、必要に応じて適切な数のシランガス供給管112aを備えることができる。各々のシランガス供給管112aは反応炉108を取り囲んで等間隔に配置され得る。
【0034】
前述したように、一以上のシランガス供給管112aは、放電管104の内部で発生される電気放電によってシランガスが爆発することを防止するために、放電管104と充分な隔離距離を有するように形成され得る。このようなシランガス供給管112aと放電管104との隔離距離は、放電管104の内部で起きる電気放電の強さ、放電管104及び反応炉108の内径などの多様な要素を反映してシランガスの爆発が起きない範囲内で適切に定めることができる。
【0035】
また、一以上のシランガス供給管112aは、図3に示すように、反応炉108の内部と連結される一端が反応炉108の内部に形成されたプラズマの中心部に向かうように形成され得る。これにより、シランガス供給管112aを通して供給されるシランガスは、プラズマの中心部に向かって直接噴出されることにより、シランガスの分解効率を高めることができる。
【0036】
さらに、一以上のシランガス供給管112aは、図4に示すように、反応炉108の外側から内側に行くほど放電管104方向に傾斜して形成され得る。この場合、シランガス供給管112aが水平に形成されるときと比較して反応炉108の内部に供給されるシランガスの反応炉108内部での滞留時間を増加させることができるため、シランガスの分解効率を高めることができる。
【0037】
一方、本発明の一実施形態によるシランガス除去装置100は、別のブラウンガス供給部(図示せず)をさらに備えることができる。前記ブラウンガス供給部は、放電管104及び反応炉108の間に形成され、放電管104で形成されたプラズマにブラウンガス(Brown's Gas)を供給することにより、前記プラズマはさらに高い温度及び大きい火炎を有することができる。
【0038】
また、本発明の一実施形態によるシランガス除去装置100は、反応炉108のプラズマが形成される内部空間が2000K〜6000Kの温度を維持するように、反応炉108の内周面を取り囲む断熱手段または伝熱手段のうち一以上を含むことができる。シランガスの分解率は反応炉108内部の温度により変わるため、このように断熱手段または伝熱手段を備える場合、反応炉108内部の温度をシランガス分解のための最適な水準に維持することができるため、シランガスの分解効率を高めることができる。
【0039】
以下では、反応炉108内部でのシランガスの反応について説明する。
【0040】
高温において、シランガス(SiH)は、以下のような過程を経てシリレン(Silyene)及び水素に分解される。
【0041】
【化1】

【0042】
このとき、シランガスの分解定数は、
αH4=2.5×1015exp(−32474/T)/s
と定義される。前記分解定数の値は、ガス温度T=2000Kにおいて、αH4=2.23×10/sである一方、ガス温度T=1000Kにおいては、αH4=20/sである。すなわち、2000Kにおけるシランガスの分解速度は、1000Kであるときと比べて非常に大きな差がある。
【0043】
一般的にLNGバーナー及び電気炉はその中心温度が1200K以下であるので、前記分解定数を考慮すると、シランガスを効果的に分解することはほとんど不可能である。しかしながら、電磁波プラズマの内部温度は約2000K〜6000Kであるので、プラズマを用いる場合、非常に短時間でほぼ完全にシランガスを分解することができる。
【0044】
一方、前記過程から生成されるシリレンは、以下のような過程を経て分解される。
【0045】
【化2】

【0046】
前記反応の反応定数は、
αH2=3×1015exp(−19244/T)/s
であり、前記値は、ガス温度T=2000KにおいてはαH2=2×1011/sであり、ガス温度T=1000KにおいてはαH2=1×10/sとなる。すなわち、シリレンガスも2000K以上の高温では迅速に分解されることが分かる。
【0047】
前記分解から発生される珪素(Silicon)原子は以下のように酸化し、水素(H)は酸素と結合して水となる。
【0048】
【化3】

【0049】
これとは異なり、約T=1000Kの比較的低温の火炎及び電気炉ではシランが前述した過程を経て分解されるのではなく、HSiOまたはSiHのような化合物を生成する機会が多くなる。すなわち、本発明による場合、シランガスの分解速度を画期的に促進させるのみならず、シランガスを安定した単分子化合物、つまり、二酸化珪素(SiO)及び水(HO)に分解することにより、効果的にシランガスを除去することができる。
【0050】
以下では、本発明の実施例を説明する。
【0051】
[実施例]
マグネトロン118で発生された振動数2.45GHzの電磁波が内径30mmの放電管104に流入させる。このとき、前記電磁波の出力は1.5kWである。60lpmの空気が渦流ガス供給部106を通して渦流ガス(Swirl Gas)の形態で放電管104に流入され、放電管内にボルテックス・フロー(Vortex Flow)が形成される。500sccmのシランガスが100lpmの窒素に混合され、シランガス供給部112を通して反応炉108の内部に流入される。流入されたシランガスは、放電管104で発生したプラズマにより分解されて酸化珪素及び水に転換される。このとき、反応炉108に流入される総ガス流量は160.5lpmであり、ここには5lpmのブラウンガスが含まれる。
【0052】
反応炉108で噴出されるガスを照射すると、シランガスの分解効率を測定することができる。但し、シランガスが空気と接触すると爆発するため、プラズマ処理前にはシランガスを観測することができないといった問題点がある。従って、以下では、シランガス除去装置100の効率を測定するために、シランガスの代わりにフッ化窒素(NF)を用いた。
【0053】
シランガス除去装置100の効率を測定するために、フッ化窒素300sccmに窒素100lpmを混合して反応炉108に注入した後、放電管108で発生したプラズマによりこれを分解する実験を行った。分解効率は、排出ガスをFTIR(Fourier Transform Infrared)で測定した。図5は、プラズマにより処理されていない排出ガスのFTIRスペクトルであって、図示するように、NFに該当する信号が確実に表れていることを確認することができる。また、空気中に一般的に存在する水(HO)、二酸化炭素(CO)そしてメタン(CH)に該当する信号もFTIRスペクトルで観察することができる。図6は、プラズマにより処理された排出ガスのFTIRスペクトルであって、NFがプラズマ処理で完全に除去されたことを図面から確認することができる。
【0054】
図7は、プラズマにより処理されたシランガスのFTIRスペクトルである。前述したように、プラズマ処理前にはシランガスを測定することができないが、プラズマ処理後に排出ガスを捕集して観測することは可能である。図示されたグラフは、500sccmのシランガスが窒素に混合されて反応炉108に流入されてプラズマにより処理された後のFTIRスペクトルである。スペクトル波数3100/cm付近にあるべきシランガスの痕跡が完全に消滅したことから鑑みると、プラズマによってシランガスが完全分解されたということが分かる。
【0055】
図8は、窒素100lpmに混合された500sccmのシランガスが反応炉108内で高温プラズマと接触しながら自己燃焼する場面を撮影したものである。図面において明るい部分が燃焼中のシランガスである。すなわち、図示した図面からシランガスが高温のプラズマにより燃焼され消滅することを視覚的に確認することができる。100lpmの窒素に500sccmのシランガスを混合したガスを高温プラズマで数時間連続的に処理する場合、副産物としては二酸化珪素及び水が発生し、発生された副産物はほとんどが蒸発し、少量の土類のみが冷却水に溶解されていることを観察することができた。
【0056】
以上、代表的な実施形態を通じて本発明について詳細に説明したが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、詳述した実施形態について本発明の範疇から外れない範囲内で様々な変形が可能であることを理解しなければならない。
【0057】
従って、本発明の権利範囲は説明された実施形態に限定して定めてはおらず、後述する特許請求の範囲のみならず、この特許請求の範囲と均等なものなどによって定めなければならない。
【符号の説明】
【0058】
100: シランガス除去装置
102: 電磁波供給部
104: 放電管
106: 渦流ガス供給部
106a: 渦流ガス供給管
108: 反応炉
110: 点火部
110a: 点火電極
112: シランガス供給部
112a: シランガス供給管
114: ガス排出部
116: 電源供給部
118: マグネトロン
120: 循環器
122: 方向性結合器
124: スタブチューナー
126: 導波管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設定された周波数の電磁波を発振する電磁波供給部と、
前記電磁波供給部から供給された前記電磁波及び渦流ガスからプラズマを発生させる放電管と、
前記放電管に前記渦流ガスを供給する渦流ガス供給部と、
前記放電管で発生された前記プラズマとシランガスとの反応により二酸化珪素及び水が生成される反応炉と、
前記放電管内に前記プラズマの発生のための初期電子を供給する点火部と、
前記反応炉の上端に形成され、前記反応炉内部の前記プラズマに前記シランガスを供給するシランガス供給部と、
前記反応炉で生成された前記二酸化珪素及び水を排出するガス排出部と
を備える、シランガス除去装置。
【請求項2】
前記電磁波供給部は、
前記シランガス除去装置の駆動に必要な電力を供給する電源供給部と、
前記電源供給部から電力供給を受けて電磁波を発振するマグネトロンと、
前記マグネトロンから発振された電磁波を出力し、前記マグネトロンに反射される反射波を吸収する循環器と、
前記循環器から伝送された電磁波を出力する方向性結合器と、
前記電磁波に誘導される電場の強さが前記放電管内で最大になるように、前記方向性結合器から入力される電磁波の入射波及び反射波の強さを調節するスタブチューナーと、
前記スタブチューナーから入力される電磁波を前記放電管に伝送する導波管と
を備える、請求項1に記載のシランガス除去装置。
【請求項3】
前記放電管は、前記導波管の終端から前記放電管に供給される電磁波の波長の1/8〜1/2位置で前記導波管を垂直に貫通する、請求項2に記載のシランガス除去装置。
【請求項4】
前記渦流ガスは、空気、酸素、窒素、及びアルゴンガスのうち一以上を含む、請求項1に記載のシランガス除去装置。
【請求項5】
前記渦流ガス供給部は、前記放電管の内部に供給される前記渦流ガスが前記放電管の内周面に沿って回転しながら渦巻き(swirl)を形成するように前記渦流ガスを供給する、請求項1に記載のシランガス除去装置。
【請求項6】
前記シランガス供給部は、前記反応炉の外壁を貫通して前記反応炉の内部に前記シランガスを注入する一以上のシランガス供給管を備える、請求項1に記載のシランガス除去装置。
【請求項7】
前記一以上のシランガス供給管は、前記放電管の内部で発生される電気放電によって前記シランガスが爆発することを防止するために、前記放電管と充分な隔離距離を有するように形成される、請求項6に記載のシランガス除去装置。
【請求項8】
前記一以上のシランガス供給管は、前記反応炉の内部と連結される一端が前記反応炉の内部に形成されたプラズマの中心部に向かうように形成されることにより、前記シランガス供給管を通して供給される前記シランガスが前記プラズマの中心部に向かって噴出されるように構成される、請求項6に記載のシランガス除去装置。
【請求項9】
前記一以上のシランガス供給管は、前記反応炉の外側から内側に行くほど前記放電管方向に傾斜するように形成される、請求項6に記載のシランガス除去装置。
【請求項10】
前記放電管及び前記反応炉の間に形成され、前記放電管で形成された前記プラズマにブラウンガスを供給するブラウンガス供給部をさらに備える、請求項1に記載のシランガス除去装置。
【請求項11】
前記反応炉は、前記プラズマが形成される内部空間が2000K〜6000Kの温度を維持するように、前記反応炉の内周面を取り囲む断熱手段または伝熱手段のうち一以上を含む、請求項1に記載のシランガス除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−86095(P2013−86095A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−232265(P2012−232265)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【出願人】(512271701)
【氏名又は名称原語表記】UHM, Han Sup
【住所又は居所原語表記】#507−1802, LG Village 5 Cha Apt., 110, Sinbong−dong, Suji−gu, Yongin−si, Gyeonggi−do 448−537, Republic of Korea
【Fターム(参考)】