説明

プリズム及びその製造方法

【課題】導光体と遮光体とからなるプリズムであって、遮光体の周囲の照度が低下することが抑制されたプリズムを提供する。
【解決手段】透光樹脂から成る導光体と、遮光樹脂から成る遮光体と、を備え、導光体は、第1光源から照射される光を導光する第1領域と、第1光源とは異なる第2光源から照射される光を導光する第2領域と、を有し、第1領域と第2領域とは、遮光体を介して連結され、導光体と遮光体との対向面の一部が融着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から照射された光を導光するプリズム及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように、透光性樹脂からなる導光体と、遮光性樹脂からなる連結部とが多色成形(2色成形)されてなる導光体部を有する透過型光結合装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2958223明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、特許文献1に示されるような導光体部を、オートマチック車両のシフトポジションを表示する文字盤に白色光を導光するプリズムとして適用することを検討した。上記した文字盤には、リバース状態を表すRマークと、ニュートラル状態を表すNマークと、ドライブ状態を表すDマークと、パーキング状態を表すPマークと、回生ブレーキを多用するドライブ状態を表すBマークとが形成されている。Rマーク、Nマーク、及びDマークは、文字盤の表面に沿う一方向に順次並んで配置され、DマークとBマークとが、文字盤の表面に沿い、且つ一方向に交差する方向に並んで配置されている。Rマークは、シフトポジション操作に応じて黄色に点灯表示され、N,D,P,Bマークのいずれか1つは、シフトポジション操作に応じて緑色に点灯表示される。黄色または緑色に表示されない他のマークは、白色に点灯表示若しくは消灯表示される。黄色または緑色に点灯表示されているマークが、使用中のシフトポジションを示し、白色に点灯表示されているマークが、切り換え可能なシフトポジションを示す。そして、消灯表示されているマークが、切り換え不可能なシフトポジションを示す。
【0005】
黄色光を発光する発光素子(緑色光源)は、Rマークに応じて設けられ、緑色光を発光する発光素子(緑色光源)は、N,D,Pマークそれぞれに応じて設けられている。これに対して、白色光を発光する発光素子(白色光源)は、R,N,D,Pマークに対して共通に設けられ、Bマークに対して専用に設けられている。これは、シフトポジション操作において、ドライブ状態(D状態)から、回生ブレーキを多用するドライブ状態(B状態)へ切り換えるのが通常操作であり、この通常操作から逸脱することを防止するために、D状態時にのみ、Bマークを白色に点灯表示するためである。Bマークは、Rマークが黄色、若しくは、N,D,Pマークのいずれかが緑色に点灯表示されている場合に、消灯表示される。もちろん、車両がB状態の場合、Bマークは、緑色に点灯表示される。
【0006】
各白色光源から照射された白色光は、1つの導光体によって各マークに導光される。したがって、上記したように、D状態時にのみBマークを白色に点灯表示するためには、R,N,D,Pマークに共通の白色光源から照射される白色光が、Bマークに照射されることを防止しなくてはならない。
【0007】
そこで、本発明者は、特許文献1に記載された発明に基づいて、透光性樹脂からなる導光体が、遮光性樹脂からなる遮光体によって、R,N,D,Pマークに共通の白色光源から照射される白色光を導光する第1領域と、Bマークに専用の白色光源から照射される白色光を導光する第2領域とに分割されたプリズムを作成してみた。これによれば、遮光体によって、R,N,D,Pマークに共通の白色光源から照射される白色光が、第2領域に導光されることが遮られる。これにより、D状態時にのみ、Bマークを白色に点灯表示することが実現される。
【0008】
ところで、本発明者は、上記した導光体と遮光体とを2色成形することで、上記したプリズムを形成した。しかしながら、この場合、以下に示す問題が生じた。導光体と遮光体とを2色成形した場合、導光体と遮光体とは、その接触した部位が互いに溶融することで、機械的に接続される。すなわち、導光体と遮光体とが融着し、その界面が分子レベルで機械的に接続される。この接続状態の場合、導光体から遮光体に向かって照射された光は、導光体と遮光体との界面で反射され難く、その多くが遮光体に吸収される。この結果、遮光体の周囲の照度が低下する、という問題が生じた。このように、遮光体の周囲の照度が低下すると、遮光体の周囲に位置するマーク(例えば、DマークやBマーク)を運転者が視認し辛くなる。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、導光体と遮光体とからなるプリズムであって、遮光体の周囲の照度が低下することが抑制されたプリズムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、透光樹脂から成る導光体と、遮光樹脂から成る遮光体と、を備え、導光体は、第1光源から照射される光を導光する第1領域と、第1光源とは異なる第2光源から照射される光を導光する第2領域と、を有し、第1領域と第2領域とは、遮光体を介して連結され、導光体と遮光体との対向面の一部が融着されていることを特徴とする。
【0011】
このように本発明によれば、導光体と遮光体との対向面の一部が融着されて、導光体と遮光体との対向面の一部が分子レベルで機械的に接続されている。換言すれば、融着された対向面の一部を除く残りの対向面間の領域では、導光体と遮光体とが分子レベルで機械的に接続されていない。したがって、その分子レベルで接続されていない領域では、導光体から遮光体に向かって照射された光が、導光体と遮光体との境界で反射され易く、光が遮光体に吸収されることが抑制される。これにより、遮光体の周囲の照度が低下することが抑制される。
【0012】
請求項2に記載のように、第2光源が、第1光源よりも照度が低い場合、第1領域と遮光体との対向面の全域が融着され、第2領域と遮光体との対向面の一部が融着された構成としても良い。これによれば、第2領域と遮光体との境界で第2光源から照射された光が反射されるので、その光が遮光体に吸収されることが抑制される。したがって、第2領域と隣接する遮光体の周囲の照度が、第1領域と隣接する遮光体の周囲の照度と比べて著しく低下することが抑制される。なお、請求項2に記載のように、第2光源が第1光源よりも照度が低くなることは、例えば、請求項3に記載のように、第2光源が、第1光源と比べて、照明の数が少ない場合に生じる。
【0013】
上記したプリズムは、請求項4に記載のように、車両のインジケータのプリズムに採用することができる。例えば、[発明が解決しようとする課題]で説明したように、本発明に係るプリズムを、特に、オートマチック車両のシフトポジションの文字盤に白色光源の光を集光する用途に適用すると良い。この場合、導光体の第1領域によって、R,N,D,Pマークに共通の白色光源から照射される光が、R,N,D,Pマークそれぞれに導光され、第2領域によって、Bマークに専用の白色光源から照射される光が、Bマークに導光されるように、プリズムを構成する。これにより、遮光体の周囲の照度が低下することが抑制され、遮光体の周囲に位置するマーク(例えば、DマークやBマーク)を、運転者が視認し辛くなる、という問題が生じることを抑制することができる。
【0014】
上記した請求項1〜4いずれかに記載のプリズムを製造するためには、請求項5又は請求項6に記載のように、溶融した透光樹脂を、第1金型と第2金型とによって構成される第1キャビティ内に注入し、該透光樹脂を冷却固化することで、導光体を形成する第1形成工程と、該第1形成工程終了後、第2金型を第1金型から取り外し、導光体が設けられている第1金型に第3金型を取り付け、第1金型、第3金型、及び導光体によって構成される第2キャビティ内に、溶融した遮光樹脂を注入し、該遮光樹脂を冷却固化することで、遮光体を形成する第2形成工程と、該第2形成工程終了後、第1金型から第3金型を取り外して、第1金型から、融着して、一体化した導光体と遮光体とを取り出す取出工程と、を実施する。
【0015】
その際、請求項5に記載のように、第1金型として、導光体における遮光体との対向面の一部を覆う凸部が形成された第1金型を用いる。これによれば、凸部によって、導光体における遮光体との対向面の一部に遮光樹脂が接触することが抑制されるので、導光体と遮光体との対向面の一部が融着されたプリズムが製造される。
【0016】
若しくは、請求項6に記載のように、取出工程後に、導光体と遮光体との融着面の一部を剥離する剥離工程を実施することで、導光体と遮光体との対向面の一部が融着したプリズムを製造しても良い。
【0017】
請求項6に記載の製造方法にて、導光体と遮光体との融着面の一部を剥離するために、請求項7に記載のように、剥離工程において、遮光体と導光体との融着が剥離される部分における、遮光体と導光体との融着面積が、剥離工程において、遮光体と導光体との融着が維持される部分における、遮光体と導光体との融着面積よりも小さくすると良い。これによれば、遮光体と導光体との融着が維持される部分の融着を確保しつつ、遮光体と導光体との融着が剥離されるべき部分を剥離することが容易となる。
【0018】
請求項7に記載のように、融着面積に差を設けるには、請求項8に記載のように、剥離工程において、遮光体と導光体との融着が剥離される導光体と遮光体との対向面のみが融着され、剥離工程において、遮光体と導光体との融着が維持される導光体における遮光体との対向面と、該対向面から延びる複数の側面の少なくとも1つが、遮光体と融着された構成を採用することができる。
【0019】
具体的には、請求項9に記載のように、第3金型として、第1金型と対向する底面と、底面から導光体に向かう側面とから成る凹部によって第2キャビティを構成する第3金型を用いる。そして、導光体は、剥離工程において、遮光体との融着が剥離される部分において、第2形成工程時に、凹部の側面が導光体における遮光体との対向面に連なるように、且つ、遮光体との融着が維持される部分において、凹部の側面が導光体の上面に達するように配置され、遮光体との融着が維持される導光体の先端部が、第2キャビティにおける第1金型と第3金型とによって構成される空間内にせり出した構成を採用することで確保される。
【0020】
これによれば、剥離工程において遮光体との融着が維持される導光体の先端部(導光体における第1金型と第3金型とによって構成される空間内にせり出した部位)の全面に遮光樹脂が接触して、そのせり出した部位の全面と遮光体とが融着する。また、剥離工程において遮光体との融着が剥離される導光体(導光体における第1金型と第3金型とによって構成される空間内にせり出していない部位)の遮光体との対向面にのみ遮光樹脂が接触して、対向面と遮光体とが融着する。したがって、剥離工程において遮光体との融着が維持される導光体と遮光体との融着面積が、剥離工程において遮光体との融着が剥離される導光体と遮光体との融着面積よりも大きくなる。
【0021】
なお、上記した導光体のせり出した部位の面とは、例えば、導光体の遮光体側の端部の端面と、該端面から延びる側面とを示しており、導光体のせり出していない部位の面とは、例えば、導光体の遮光体側の端部の端面を示している。
【0022】
請求項6に記載の製造方法にて、導光体と遮光体との融着面の一部を剥離するには、具体的には、請求項10に記載のように、剥離工程は、第3金型を第1金型から取り外す際に、第3金型から遮光体に作用する応力によって実行すれば良い。これによれば、取出工程時に、遮光体と導光体との融着された部位を剥離することができるので、製造工程が簡略化される。
【0023】
請求項10に記載の剥離工程を実施するためには、具体的には、請求項11に記載のように、第3金型として、第1金型と対向する底面と、底面から導光体に向かう側面とから成る凹部によって第2キャビティの一部を構成し、且つ、凹部における、第1領域側の側面若しくは第2領域側の側面に、第3金型を取り出す方向とは垂直な方向に突出する突出部を遮光体に形成するための溝部が形成された第3金型を用いる。
【0024】
これによれば、取出工程において、突出部と溝部とが引っ掛かるので、そのアンカー効果のために、突出部が形成された側面が、第3金型を取り出す方向に引っ張られる。すると、突出部が形成された側面は、突出部が形成されていない側面と比べて、第3金型を取り出す方向に弾性変形し、突出部が形成された側面と該側面と対向する導光体の対向面との融着面にせん断応力が生じる。この結果、突出部が形成された遮光体の対向面と該対向面と対向する導光体の対向面との融着面が引き剥がれる。
【0025】
請求項12に記載のように、第2キャビティにおける、第3金型によって構成される部位は、第1金型と対向する底面と、底面から導光体に向かう側面とから成る凹部であり、剥離工程において、遮光体と導光体との融着が維持される遮光体の側面を形作る凹部の側面(以下、第1側面と示す)と、第3金型を取り出す方向とが成す第1角度は、剥離工程において、遮光体と導光体との融着が剥離される遮光体の側面(以下、第2側面と示す)を形作る凹部の側面と、第3金型を取り出す方向とが成す第2角度よりも大きい構成が良い。
【0026】
このように、第1角度が第2角度と異なると、第3金型を取り出す際に側面と遮光体との接着面に作用する、接着面に対して垂直な力の成分(第3金型と遮光体との接着を引き剥がす力)に差が生じる。この接着を引き剥がす力は、上記した角度に比例する性質を有する。
【0027】
上記したように、第1角度が第2角度よりも大きいと、第3金型と遮光体との接着を引き剥がす力は、第1側面と遮光体との接着面(以下、第1接着面と示す)のほうが、第2側面と遮光対との接着面(以下、第2接着面と示す)よりも強く作用する。したがって、第1接着面よりも、第2接着面のほうが、上記した接着を引き剥がす力に対して引き剥がれ難い。換言すれば、上記した接着を引き剥がす力に対する、第3金型と遮光体との接着強度は、第1接着面よりも、第2接着面のほうが強い。この結果、第3金型と遮光体との接着を引き剥がす力が、第1接着面よりも第2接着面に長く作用する。それに伴い、遮光体と導光体との融着を引き剥がす力が、第1側面と連結された遮光体の部位と、その部位と融着した導光体との融着面(以下、第1融着面と示す)よりも、第2接着面と連結された遮光体の部位と、その部位と融着した導光体との融着面(以下、第2融着面と示す)に長く作用する。これにより、第2融着面のほうが第1融着面よりも剥離し易くなる。このように、融着面に作用する応力に差が生じるので、第3金型を取り出す際に、遮光体と導光体との融着面に作用する力によって、導光体と遮光体との機械的な接続部位の一部が剥離したプリズムを製造することが容易となる。換言すれば、導光体と遮光体との機械的な接続部位の一部が融着したプリズムを製造することが容易となる。
【0028】
なお、請求項13に記載のように、剥離工程において、遮光体と導光体との融着が剥離される導光体、若しくは、遮光体と導光体との融着が剥離される遮光体に、剥離工程において応力を印加することで、導光体と遮光体との融着面の一部を剥離しても良い。
【0029】
請求項14に記載の発明の作用効果は、請求項1に記載の発明の作用効果と同様なので、その記載を省略する。
【0030】
請求項15に記載の発明の作用効果は、請求項4に記載の発明の作用効果と同様なので、その記載を省略する。
【0031】
請求項16又は請求項17に記載の発明の作用効果は、請求項5又は請求項6に記載の発明の作用効果と同様なので、その記載を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】シフトポジションを表示するインジケータの概略構成を示す断面図である。
【図2】文字盤の概略構成を示す正面図である。
【図3】プリズムとマークとの位置関係を示す正面図である。
【図4】プリズムと光源との位置関係を示す正面図である。
【図5】図3及び図4に示すV−V線に沿う断面図である。
【図6】図1に示すプリズムの拡大断面図である。
【図7】マークの点灯状態を説明するための正面図であり、(a)は、シフトポジションがリバース状態であることを示し、(b)は、シフトポジションがドライブ状態であることを示す。
【図8】図4に示すV−V線に沿う断面形状の変形例を示す断面図である。
【図9】図6に示す断面形状の変形例を示す断面図である。
【図10】図6に示す断面形状の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係るプリズムを、オートマチック車両のシフトポジションを表示するマークが形成された文字盤に白色光源の光を集光するプリズムに適用した場合の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、シフトポジションを表示するインジケータの概略構成を示す断面図である。図2は、文字盤の概略構成を示す正面図である。図3は、プリズムとマークとの位置関係を示す正面図である。図4は、プリズムと光源との位置関係を示す正面図である。図5は、図3及び図4に示すV−V線に沿う断面図である。図6は、図1に示すプリズムの拡大断面図である。図7は、マークの点灯状態を説明するための正面図であり、(a)は、シフトポジションがリバース状態であることを示し、(b)は、シフトポジションがドライブ状態であることを示す。
【0034】
なお、図2に示すA−A線に沿う断面図が、図1に示す文字盤20の断面図を示しており、図3及び図4に示すB−B線に沿う断面図が、図1に示すプリズム40の断面図を示している。本実施形態では、説明の都合上、図3において、プリズム40とz方向にて重なるマーク10の位置を破線で示し、図4において、プリズム40とz方向にて重なる光源30の位置を破線で示す。z方向は、光源30が発光する光の主な照射方向である。以下においては、z方向に垂直な一方向をx方向、z方向とx方向とに垂直な方向をy方向と示す。
【0035】
図1及び図2に示すように、シフトポジションを表示するインジケータ100は、要部として、マーク10が形成された文字盤20と、該文字盤20を照らす光源30と、該光源30(白色光源31)から照射された光(白色光)をマーク10に導光するプリズム40と、該プリズム40や文字盤20を支持し、光源30から照射された光を反射する支持体60と、を有する。図1に示すように、光源30が搭載された回路基板34と、プリズム40と、文字盤20とが、z方向に沿って順次並んで配置されており、光源30からz方向に照射された光が、プリズム40を介して、文字盤20に照射されるようになっている。
【0036】
マーク10は、要部として、リバース状態を表すRマーク11と、ニュートラル状態を表すNマーク12と、ドライブ状態を表すDマーク13と、パーキング状態を表すPマーク14と、回生ブレーキを多用するドライブ状態を表すBマーク15と、を有する。本実施形態に係るマーク10は、図2に示すように、上記したマーク11〜15の他に、シフトレバーの可動方向を示す矢印マーク16a〜16dと、シフトレバーの原点位置を示す原点マーク17と、マーク11〜13及びマーク15〜17とPマーク14とを分かつラインマーク18と、を有する。
【0037】
文字盤20は、矩形状に形成されており、その短手方向がx方向に沿い、その長手方向がy方向に沿い、その厚さ方向がz方向に沿う形状となっている。図2に示すように、文字盤20の一面には、Rマーク11と、Nマーク12と、Dマーク13とが、y方向に沿って順次並んで形成され、Dマーク13とBマーク15とが、x方向に沿って並んで形成されている。そして、原点マーク17(矢印マーク16a〜16c)と、矢印マーク16dと、ラインマーク18と、Pマーク14とが、y方向に沿って順次並んで形成されている。これらマーク14,16〜18は、x方向において、Dマーク13とBマーク15との間に形成されている。
【0038】
図3に示すように、マーク11〜14,16a〜16c,17,18それぞれは、後述する導光体41の第1領域41aとz方向で重なるように、文字盤20に形成され、マーク15,16dが、後述する導光体41の第2領域41bとz方向で重なるように、文字盤20に形成されている。
【0039】
光源30は、プリズム40の構成要素である導光体41を介して、マーク10に光を照射するものである。光源30は、PN接合部に電流が流れることで発光するLEDであり、図1に示すように、回路基板34に搭載されている。光源30は、回路基板34を介して外部電源から供給される電流によって発光する。
【0040】
光源30は、図4に示すように、白色光を発光する白色光源31と、黄色光を発光する黄色光源32と、緑色光を発光する緑色光源33と、を有する。白色光源31は、第1領域41aを介して、第1領域41aとz方向で重なるマーク11〜14,16a〜16c,17,18それぞれに白色光を照射する第1白色光源31aと、第2領域41bを介して、第2領域41bとz方向で重なるBマーク15及び矢印マーク16dそれぞれに白色光を照射する第2白色光源31bと、を有する。第1白色光源31aが、特許請求の範囲に記載の第1光源に相当し、第2白色光源31bが、特許請求の範囲に記載の第2光源に相当する。なお、第1白色光源31aは2個設けられ、第2白色光源31bは1個のみ設けられている。そして、白色光源31a,31bそれぞれは、ほぼ同等の照度の白色光を発光する。
【0041】
黄色光源32は、Rマーク11に対応しており、第1領域41aを介して、Rマーク11に緑色光を照射する。緑色光源33は、マーク12〜15それぞれに対応した緑色光源33a〜33dを有する。第1緑色光源33aは、第1領域41aを介して、Nマーク12に緑色光を照射し、第2緑色光源33bは、第1領域41aを介して、Dマーク13に緑色光を照射し、第3緑色光源33cは、第1領域41aを介して、Pマーク14に緑色光を照射する。これに対して、第4緑色光源33dは、第2領域41bを介して、Bマーク15に緑色光を照射する。
【0042】
第1白色光源31aは、車両のイグニッションスイッチがオン状態時に点灯する。これに対して、第2白色光源31bは、車両がドライブ状態(D状態)若しくは、回生ブレーキを多用するドライブ状態(B状態)時にのみ点灯する。これは、シフトポジション操作において、D状態から、B状態へ切り換えるのが通常操作であり、この通常操作から逸脱することを防止するためである。
【0043】
黄色光源32及び各緑色光源33a〜33dは、シフトレバーの位置に応じて点灯する。すなわち、車両がリバース状態(R状態)の場合に、黄色光源32が点灯し、車両がニュートラル状態(N状態)の場合に、第1緑色光源33aが点灯し、車両がD状態の場合に、第2緑色光源33bが点灯する。そして、車両がパーキング状態(P状態)の場合に、第3緑色光源33cが点灯し、車両がB状態の場合に、第4緑色光源33dが点灯する。
【0044】
プリズム40は、透光性を有する導光体41と、遮光性を有する遮光体42と、を有する。導光体41は、第1白色光源31aから照射される光を導光する第1領域41aと、第2白色光源31bから照射される光を導光する第2領域41bと、を有する。領域41a,41bそれぞれは、断面がくの字状の湾曲部43と、該湾曲部43と連結された、x方向及びy方向によって規定されるXY平面と平行な平面を有する平面部44と、を有する。図1に、第2領域41bを構成する、湾曲部43と平面部44とを示す。
【0045】
図1に示すように、第2領域41bの湾曲部43の端部と第2白色光源31bとがz方向で対向している。第2白色光源31bからz方向に照射された白色光は、湾曲部43の端部を介して、湾曲部43の内部に入射する。湾曲部43の内部に入射した白色光は、くの字状を成す湾曲部43と空気との境界にて全反射され、導光体41における文字盤20と対向する平面部44の内部に入射する。この平面部44の内部に入射した白色光が、平面部44の上面44aから出射され、その白色光によって、第2領域41bとz方向で重なるマーク15,16dそれぞれが白色表示される。なお、図示しないが、第1領域41aの湾曲部43の端部も第1白色光源31aとz方向で対向しており、第1白色光源31aから第1領域41aの平面部44に照射された白色光によって、第1領域41aとz方向で重なるマーク11〜14,16a〜16c,17,18それぞれが白色表示される。
【0046】
ところで、黄色光源32及び緑色光源33a〜33dそれぞれは、導光体41を介して、対応するマーク11〜15とz方向で対向している。したがって、黄色光源32から照射された黄色光、及び緑色光源33a〜33dそれぞれから照射された緑色光の一部が、導光体41内における導光体41と空気との境界で幾度も反射され、その幾度も反射された黄色光及び緑色光の一部が、黄色光源32及び緑色光源33a〜33dそれぞれに対応するマークとは異なるマークに照射される虞がある。本実施形態では、このような不具合が生じることを防ぐために、導光体41に、黄色光が黄色光源32に対応するマーク(Rマーク11)とは異なるマークに照射されることを防止し、且つ、緑色光が緑色光源33a〜33dそれぞれに対応するマークとは異なるマークに照射されることを防止する溝45が形成されている。図1、図3、及び図4に、代表的な溝45を1つ示す。
【0047】
溝45は、図3に示すように、平面部44における矢印マーク16dとBマーク15との間に形成されている。Bマーク15に対応する第4緑色光源33dから照射された緑色光の一部は、導光体41の平面部44内における平面部44と空気との境界で幾度も反射して、矢印マーク16dとz方向で重なる平面部44の部位の手前に位置する溝45に入射する。溝45に入射した光は、溝45によって乱反射される。この結果、矢印マーク16dとz方向で重なる平面部44の部位に緑色光が入射されることが抑制される。これにより、矢印マーク16dが緑色に点灯表示することが抑制される。
【0048】
遮光体42は、光を吸収する樹脂材料から形成され、導光体41を、第1領域41aと第2領域41bとに分割するものである。後述するように、導光体41と遮光体42とは、2色成形することで一体化され、その機械的な接続部位が融着されている。すなわち、導光体41と遮光体42との融着部位(界面)は、分子レベルで機械的に接続されている。図3及び図4に示すように、本実施形態では、第1領域41aの遮光体42との対向面46aと、遮光体42の第1領域41aとの対向面47aとが全域で融着しており、第2領域41bの遮光体42との対向面46bの一部と、遮光体42の第2領域41bとの対向面47bの一部とが融着している。すなわち、第2領域41bの対向面46bと遮光体42の対向面47bとの一部が分子レベルで機械的に接続されておらず、第2領域41bと遮光体42との間に、空気が介在されている。この第2領域41bと遮光体42との間の空隙は、後述するように、第2領域41bと遮光体42との融着面の一部を剥離することで形成される。以下、この剥離された部位を剥離部位48と示す。
【0049】
導光体41を介して、白色光源31から導光体41と遮光体42との融着面に達した白色光は、融着面が分子レベルで機械的に接続されているので、その白色光の多くが融着面を介して遮光体に入射し、入射した白色光の多くが遮光体42に吸収される。これに対して、導光体41を介して、白色光源31から剥離部位48に達した白色光は、導光体41と遮光体42との間に空気が介在しているので、その白色光の多くが導光体41と空気との境界にて反射される。上記したように、本実施形態では、剥離部位48が、第2領域41bと遮光体42との間に形成されている。したがって、第2白色光源31bから、第2領域41bを介して、平面部44の対向面46bに達した光は、対向面46bと剥離部位48(空気)との境界にて反射され、反射された光の一部が、平面部44の上面44aから外部に出射される。
【0050】
次に、遮光体42の断面形状を説明する。図1に示すように、図3及び図4のB−B線に沿う遮光体42の断面形状は、長手方向がz方向に沿う矩形状を成す。そして、図6にその断面形状を詳しく示すように、遮光体42の第2領域41b側の側面の上方に、x方向に突出する突出部49が形成されている。これに対して、図5に示すように、図3及び図4のV−V線に沿う遮光体42の断面形状は、T字状を成す。すなわち、遮光体42は、文字盤20側に配置され、XY平面に平行な平面を有する平板部50と、該平板部50に垂直な軸部51とから成る。軸部51の上面と平板部50の下面の中央とが連結されている。本実施形態では、剥離部位48を構成する遮光体42(第1領域41aとのみ融着する遮光体42)全ての断面形状が矩形状を成し、第1領域41a及び第2領域41bそれぞれと融着する遮光体42全ての断面形状がT字状を成す。なお、上記した突出部49は、剥離部位48を形成するための機能を奏するものであるが、その機能は、後述するプリズム40の製造方法で詳述する。
【0051】
次に、導光体41と遮光体42との融着状態を詳しく説明する。図1に示すように、第1領域41aの対向面46aと、断面矩形状を成す遮光体42の対向面47aとが融着している。そして、第2領域41bの対向面46bと、断面矩形状を成す遮光体42の対向面47bとが空気を介して対向して、剥離部位48が形成されている。これに対して、図5に示すように、領域41a,41bそれぞれの対向面46a,46bと、断面T状を成す遮光体42の軸部51の側面(対向面47a,47b)とが融着し、領域41a,41bそれぞれの上面の一部と平板部50の下面とが融着している。このように、導光体41と遮光体42とは、その融着面積が、剥離部位48が形成される部位よりも、形成されない部位のほうが広くなっている。換言すれば、融着強度が、剥離部位48が形成される部位よりも、形成されない部位のほうが強くなっている。
【0052】
支持体60は、文字盤20を支持する第1支持体61と、プリズム40を支持する第2支持体62と、を有する。支持体60は、光を反射する材料から形成されており、光源30から照射された光を、プリズム40に向けて反射する機能を果たす。光源30は、支持体60によってその周囲が囲まれ、支持体60によって光源30から照射された光がプリズム40に反射されるようになっている。図1に、第2白色光源31bと第3緑色光源33cそれぞれの周囲が、第1支持体61と第2支持体62とによって囲まれ、第4緑色光源33dの周囲が、第2支持体62によって囲まれた構成を示す。
【0053】
次に、本実施形態に係るプリズム40の製造方法を説明する。先ず、第1金型と、該第1金型と組み合わされることで、導光体41の外形を形作る第1キャビティを構成する第2金型とを準備する。そして、第1金型と第2金型とを組み合わせた後、第1キャビティ内に、溶融した透光樹脂を注入して、その透光樹脂を冷却固化する。これにより、導光体41を形成する。以上が、第1形成工程である。
【0054】
なお、上記した第1キャビティは、第1領域41aを構成する第1空間と、第2領域41bを構成する第2空間とから構成されている。そして、第1空間と第2空間とは、第2金型に設けられた区切り部によって区切られており、その区切り部の端面と、第1金型の内壁面における第1領域41aと第2領域41bとの間の面が接触し、その区切り部の端面から延びる複数の側面の一つと第1領域41aの端面とが接触し、その側面の裏面と第2領域41bの端面とが接触している。この区切り部と接触する第1領域41aの端面が、第1領域41aの対向面46aに相当し、区切り部と接触する第2領域41bの端面が、第2領域41bの対向面46bに相当する。したがって、第1形成工程終了時においては、第1領域41aと第2領域41bとが、それぞれ独立して第1キャビティ内に配置されており、第1領域41aの対向面46aと、第2領域41bの対向面46bとが区切り部を介して対向している。
【0055】
第1形成工程終了後、先ず、第2金型を第1金型から取り外す。その次に、第1金型と組み合わされることで、遮光体42の外形を形作る第2キャビティを導光体41と共に構成する第3金型を準備する。そして、導光体41が設けられた第1金型に第3金型を組み合わせた後、第2キャビティ内に、溶融した遮光樹脂を注入する。これにより、導光体41と遮光体42とを融着して、一体化する。その後、遮光樹脂を冷却固化することで、遮光体42を形成する。以上が、第2形成工程である。
【0056】
なお、上記した第2キャビティは、導光体41が搭載された第1金型の内壁面における第1領域41aと第2領域41bとの間の面と、第1領域41aの対向面46a側の端部と、第2領域41bの対向面46bの側の端部と、第3金型における第1金型と対向する底面及び該底面から導光体41に向かう側面から成る凹部と、によって構成される。この第2キャビティに遮光樹脂が注入され、遮光樹脂が冷却固化されるので、第2形成工程終了時では、遮光体42の対向面47aと第1領域41aの対向面46aだけではなく、剥離部位48を構成する予定の遮光体42の対向面47bと、第2領域41bの対向面46bも融着している。また、断面T字状の遮光体42と融着する予定の導光体41の端部が、第1金型と第3金型とによって構成される第2キャビティ内にせり出しており、そのせり出した部位の端面(対向面46a,46b)と、上面とに遮光樹脂が接触し、該遮光樹脂が冷却固化されることで、上記した断面T字状の遮光体42が形成される。なお、剥離部位48を構成する予定の遮光体42と融着される導光体41が、特許請求の範囲に記載の、剥離工程において、遮光体と導光体との融着が剥離される導光体に相当し、断面T字状の遮光体42と融着する予定の導光体41が、特許請求の範囲に記載の、剥離工程において、遮光体と導光体との融着が維持される導光体に相当する。
【0057】
また、溶融した遮光樹脂の温度は、導光体41(透光樹脂)の融点よりも若干(約5〜20℃)高く設定され、遮光樹脂を冷却固化する時間は、遮光樹脂の温度に応じて、適宜設定される。これら冷却時間や遮光樹脂の温度を調整することで、導光体41と遮光体42との融着強度が適宜設定される。
【0058】
第2形成工程終了後、第3金型を、第1金型から離反する方向(z方向)に取り出す。この際、剥離部位48を構成する予定の遮光体42と、第2領域41bとの融着部位を剥離して、剥離部位48を形成する。最後に、第1金型から、導光体41と遮光体42の一部が融着したプリズム40を取り出す。以上が、取出工程である。上記工程を経ることで、本実施形態に示したプリズム40が形成される。
【0059】
なお、上記したように、剥離部位48を構成する(第1領域41aとのみ融着する)予定の遮光体42は断面矩形状を成し、第1領域41a及び第2領域41bそれぞれと融着する予定の遮光体42は断面T字状を成す。したがって、第1領域41aとのみ融着する予定の遮光体42は、第1領域41a及び第2領域41bそれぞれと融着する予定の遮光体42と比べて、導光体41との融着面積が小さく、導光体41との融着強度が低くなっている。
【0060】
また、上記したように、本実施形態では、第1領域41aとのみ融着する予定の遮光体42の第2領域41b側の側面の上方に、x方向に突出する突出部49が形成されている。したがって、第3金型を取り出す際に、突出部49と、第3金型における突出部49を形成するための溝部とが引っ掛かり、そのアンカー効果のために、第1領域41aとのみ融着する予定の遮光体42が、第3金型を取り出す方向(z方向)に引っ張られる。突出部49と溝部とが引っ掛かると、突出部49が形成された側面が、突出部49が形成されていない側面と比べて、z方向に大きく弾性変形する。すると、遮光体42における突出部49が形成された側面(対向面47b)と、該側面と対向する導光体41の対向面46bとにせん断応力が生じる。また、突出部49が溝部から外れて、突出部49が第3金型の内壁面と接触すると、遮光体42は、突出部49が形成された側面から、突出部49が形成されていない側面に向かって弾性変形する。すると、遮光体42における突出部49が形成された側面(対向面47b)と、該側面と対向する導光体41の対向面46bとに、それぞれの面を離反する応力が作用し、遮光体42における突出部49が形成されていない側面(対向面47a)と、該側面と対向する導光体41の対向面46aとに、それぞれの面を圧縮する応力が生じる。このように、第3金型を第1金型から取り出す過程において、上記した圧縮する応力のために、突出部49が形成されていない対向面47aと該対向面47aと対向する対向面46aとの融着が保持された状態で、上記したせん断応力や離反する応力のために、突出部49が形成された対向面47bと該対向面47bと対向する対向面46bとの融着面が引き剥がれ、剥離部位48が形成される。
【0061】
なお、第3金型を第1金型から取り出す際に、遮光体42がz方向に引っ張られるので、第1領域41a及び第2領域41bそれぞれと融着する予定の遮光体42と導光体41との融着面にも、引っ張り応力が印加される。しかしながら、第1領域41a及び第2領域41bそれぞれと融着する予定の遮光体42は、断面T字状を成し、導光体41との融着面積が広くなっているので、引っ張り応力によって、導光体41と遮光体42との融着面が剥離することが抑制される。
【0062】
次に、インジケータ100の点灯状態を説明する。図7の(a)に示すように、車両がR状態の場合、Rマーク11が黄色に点灯表示され、マーク12〜14,16a〜16c,17,18それぞれが、第1白色光源31aの白色光によって、白色に点灯表示される。これは、第1白色光源31aと、黄色光源32とが点灯された状態を示している。なお、第1白色光源31aから照射された白色光は、第1領域41aに入射することとなるが、遮光体42のために、その第1領域41aに入射した白色光が、第2領域41bに入射することが抑止される。このため、第1白色光源31aの白色光によって、マーク15,16dが白色に点灯表示されることが抑止される。言うまでもないが、上記例で言えば、黄色光源32から第1領域41aに入射した緑色光も、遮光体42のために、第2領域41bに入射することが抑止される。なお、第1白色光源31aは、車両が、R状態、N状態、D状態、P状態、B状態いずれの状態においても点灯される。
【0063】
これに対して、図7の(b)に示すように、車両がD状態の場合、Dマーク13が緑色に点灯表示され、マーク11,12,14〜18それぞれが、第1白色光源31aと第2白色光源31bの白色光によって、白色に点灯表示される。これは、第1白色光源31aと、第2白色光源31bと、第2緑色光源33bとが点灯された状態を示している。第2白色光源31bは、車両がD状態、若しくはB状態時にのみ点灯される。
【0064】
次に、本実施形態に係るインジケータ100の作用効果を説明する。上記したように導光体41と遮光体42との融着した部位の一部が剥離され、導光体41と遮光体42との間に空気が介在されている。本実施形態では、剥離部位48が、第2領域41bと遮光体42との間に形成されている。したがって、第2白色光源31bから、第2領域41bを介して、平面部44の対向面46bに達した光は、対向面46bと剥離部位48(空気)との境界にて反射され、その反射された光の一部が、平面部44の上面44aから外部に出射され、その出射された光の一部が、剥離部位48の近くに位置するマーク(Bマーク15と矢印マーク16d)に照射される。このように、Bマーク15と矢印マーク16dに照射される白色光が確保されるので、Bマーク15と矢印マーク16dを、運転者が視認し辛くなる、という問題が生じることが抑制される。
【0065】
本実施形態では、第1領域41aとのみ融着する予定の遮光体42の第2領域41b側の側面の上方に、x方向に突出する突出部49が形成されている。したがって、第3金型を取り出す際に、突出部49と、第3金型における突出部49を形成するための溝部とを引っ掛けて、第1領域41aとのみ融着する予定の遮光体42を、第3金型を取り出す方向(z方向)に引っ張ることができる。この際、遮光体42における突出部49が形成された側面が、突出部49が形成されていない側面と比べてz方向に弾性変形し、且つ突出部49が形成された側面から突出部49が形成されていない側面に向かって遮光体42が弾性変形するので、第1領域41aと遮光体42との融着が確保された状態で、第2領域41bと遮光体42との融着部位を剥離して、剥離部位48を形成することができる。
【0066】
本実施形態では、剥離部位48を構成する遮光体42(第1領域41aとのみ融着する遮光体42)全てが断面矩形状を成し、第1領域41a及び第2領域41bそれぞれと融着する遮光体42全てが断面T字状を成す。したがって、第1領域41aとのみ融着する遮光体42は、第1領域41a及び第2領域41bそれぞれと融着する遮光体42と比べて、導光体41との融着面積が小さく、導光体41との融着強度が低くなっている。これにより、第3金型を第1金型から取り出す際に、導光体41と遮光体42との融着面に作用する力によって、剥離部位48を構成する遮光体42と第2領域41bとの融着面を容易に剥離し、且つ、第1領域41a及び第2領域41bそれぞれと融着する遮光体42と導光体41との融着面が剥離されることを抑制することができる。
【0067】
本実施形態では、溶融した遮光樹脂の温度は、導光体41(透光樹脂)の融点よりも若干(約5〜20℃)高く設定され、遮光樹脂を冷却固化する時間は、遮光樹脂の温度に応じて、適宜設定される。このように、冷却時間と遮光樹脂の温度とを調整し、導光体41と遮光体42との融着強度を調整することで、第3金型を第1金型から取り出す際に、導光体41と遮光体42との融着面に作用する力によって、導光体41と遮光体42との融着面(機械的な接続部位)の一部を剥離することができる。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0069】
本実施形態では、本発明に係るプリズムを、オートマチック車両のシフトポジションを表示するマークが形成された文字盤に白色光源の光を集光するプリズムに適用した場合を説明した。しかしながら、本発明に係るプリズムは、上記例に限定されず、例えば携帯電話などの民生機器に適用することができる。
【0070】
本実施形態では、剥離部位48が、第2領域41bと遮光体42との間に形成された例を示した。しかしながら、剥離部位48の形成位置は、上記例に限定されないことは言うまでもない。例えば、Dマーク13と、矢印マーク16cに照射される白色光を確保するために、剥離部位48を、第1領域41aと遮光体42との間に形成しても良い。若しくは、剥離部位48を、第1領域41aと遮光体42との間及び第2領域41bと遮光体42との間に形成しても良い。
【0071】
本実施形態では、第1領域41a及び第2領域41bそれぞれと融着する遮光体42が、断面T字状を成す例を示した。しかしながら、例えば図8に示すように、遮光体42を、断面矩形状に形成し、その上端に、z方向(第3金型から第1金型を取り出す方向)に対して傾斜するテーパ52が形成された構成を採用することができる。図8は、図4に示すV−V線に沿う断面形状の変形例を示す断面図である。
【0072】
テーパ52の効果を以下に示す。断面矩形状であり、その端部にテーパ52が形成された遮光体42(第1領域41a及び第2領域41bそれぞれと融着する遮光体42)の場合、テーパ52を成す傾斜面とz方向とが成す角度は、断面矩形状を成す遮光体42(第1領域41aとのみ融着する遮光体42)の側面とz方向とが成す角度と比べて大きい。そのため、第3金型を第1金型から取り出す際に第3金型の内壁面と遮光体42との接着面に作用する、接着面に対して垂直な力の成分(第3金型と遮光体42との接着を引き剥がす力)が、テーパ52のほうが大きくなる。したがって、テーパ52が形成されているほうが、第3金型と遮光体42との接着面が剥がれ易いので、テーパ52が形成された遮光体42の側面には、第3金型を取り出す際に、導光体41と遮光体42との融着面に作用する力が、テーパ52が形成されていない遮光体42の側面と比べて、短く作用する。これにより、テーパ52が形成された遮光体42(第1領域41a及び第2領域41bそれぞれと融着する遮光体42)と導光体41との融着面が剥離することが抑制される。
【0073】
本実施形態では、第1領域41aとのみ融着する遮光体42が、断面矩形状である例を示した。しかしながら、例えば図9に示すように、第1領域41aとのみ融着する遮光体42の断面形状を、逆L字状とすると良い。遮光体42は、文字盤20側に配置され、XY平面に平行な平面を有する平板部53と、平板部53に垂直な連結部54と、から成る。連結部54の上面と平板部53の下面の一端側とが連結されることで、遮光体42が断面逆L字状となっている。そして、平板部53の第2領域41b側の端部の上方に、突出部49が形成されている。この構成の場合、第2形成工程終了時では、連結部54の対向面47bと、第2領域41bの対向面46bも融着しているが、取出工程において、突出部49と第3金型の溝部とが引っ掛かる。すると、連結部54と第2領域41bとの融着面に、その融着面を剥離する応力が印加され、その融着面が剥離されることで、遮光体42と第2領域41bとの間に剥離部位48が形成される。
【0074】
もちろん、第3金型を第1金型から取り出す際に、遮光体42がz方向に引っ張られるので、第1領域41aと遮光体42との融着面にも、引っ張り応力が印加される。しかしながら、第1領域41aと遮光体42とは、連結部54の対向面47aと第1領域41aの対向面46aだけではなく、平板部53の下面と第1領域41aの上面とが融着して、融着強度が確保されている。これにより、引っ張り応力によって、第1領域41aと遮光体42との融着面が剥離することが抑制される。図9は、図6に示す断面形状の変形例を示す断面図である。
【0075】
本実施形態では、導光体41と遮光体42との融着面の一部を完全に剥離することで、剥離部位48を形成する例を示した。しかしながら、例えば図10に示すように、融着面の一部が部分的に剥離された構成を採用することもできる。この構成の場合、本実施形態で示した構成と比べて、遮光体42の周囲の照度が低下することを抑制する、という効果では多少劣るが、Bマーク15と、矢印マーク16dに照射される白色光を確保することができる。図10は、図6に示す断面形状の変形例を示す断面図である。
【0076】
本実施形態では、導光体41と遮光体42との機械的な接続強度(融着強度)を調整し、遮光体42の一部に突出部49を形成することで、剥離部位48を形成する例を示した。しかしながら、例えば、導光体41の対向面46bと遮光体42の対向面47bとが融着することを抑止する凸部が設けられた第1金型を採用することで、上記した剥離部位48に相当する空隙を形成しても良い。この凸部は、導光体41における遮光体42との対向面46bに設けられ、その対向面46bを覆う機能を奏する。
【0077】
本実施形態では、第1形成工程から、取出工程までの各工程を経ることで、プリズム40を製造する例を示した。そして、取出工程にて、導光体41と遮光体42との融着面の一部を剥離する例を示した。しかしながら、上記した取出工程にて、導光体41の対向面46a,46bの全てに、遮光体42の対向面47a,47bの全てが融着された導光体41を取り出した後に、導光体41の対向面46bと、遮光体42の対向面47bとの融着面の一部に応力を局所的に印加することで、上記した融着面を剥離する剥離工程を実施して、プリズム40を形成しても良い。
【0078】
若しくは、上記した剥離工程において、導光体41の対向面46a,46bと、遮光体42の対向面47a,47bとの融着面を全て剥離した後に、導光体41の対向面46a,46bと、遮光体42の対向面47a,47bとを接触させた状態で、導光体41と遮光体42とを接続部材(図示略)によって機械的に接続する接続工程を実施して、プリズム40を形成しても良い。これによれば、導光体41と遮光体42とが融着しておらず、導光体41と遮光体42との間の全てに、剥離部位48に相当する空隙が生じるので、導光体41と遮光体42の一部が融着した構成と比べて、遮光体42の周囲の照度が低下することがより効果的に抑制される。ただし、本実施形態で示したプリズム40は、上記変形例とは異なり、接続部材が不要のために、その体格の増大が抑制される。
【0079】
本実施形態では、導光体41と遮光体42とを融着することで、プリズム40を製造する例を示した。しかしながら、導光体41を単体で形成する第1形成工程と、遮光体42を単体で形成する第2形成工程と、導光体41の一面と、遮光体42の一面とを接触させた状態で、導光体41と遮光体42とを接続部材(図示略)によって機械的に接続する接続工程と、を実施することで、プリズム40を形成しても良い。これによれば、導光体41と遮光体42とが融着しておらず、導光体41と遮光体42との間の全てに、剥離部位48に相当する空隙が生じるので、導光体41と遮光体42の一部が融着した構成と比べて、遮光体42の周囲の照度が低下することをより効果的に抑制することができる。ただし、本実施形態で示したプリズム40は、上記変形例とは異なり、接続部材が不要のために、その体格の増大が抑制される。
【符号の説明】
【0080】
10・・・マーク
13・・・Dマーク
14・・・Bマーク
30・・・光源
31・・・白色光源
32・・・黄色光源
33・・・緑色光源
40・・・プリズム
41・・・導光体
41a・・・第1領域
41b・・・第2領域
42・・・遮光体
46a,46b・・・対向面
47a,47b・・・対向面
48・・・剥離部位
100・・・インジケータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光樹脂から成る導光体と、
遮光樹脂から成る遮光体と、を備え、
前記導光体は、第1光源から照射される光を導光する第1領域と、前記第1光源とは異なる第2光源から照射される光を導光する第2領域と、を有し、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記遮光体を介して連結され、
前記導光体と前記遮光体との対向面の一部が融着されていることを特徴とすることを特徴とするプリズム。
【請求項2】
前記第2光源は、前記第1光源よりも照度が低く、
前記第1領域と前記遮光体との対向面の全域が融着され、
前記第2領域と前記遮光体との対向面の一部が融着されていることを特徴とする請求項1に記載のプリズム。
【請求項3】
前記第2光源は、前記第1光源と比べて、照明の数が少ないことを特徴とする請求項2に記載のプリズム。
【請求項4】
車両のインジケータのプリズムであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のプリズム。
【請求項5】
請求項1〜4いずれかに記載のプリズムの製造方法であって、
溶融した前記透光樹脂を、第1金型と第2金型とによって構成される第1キャビティ内に注入し、該透光樹脂を冷却固化することで、前記導光体を形成する第1形成工程と、
該第1形成工程終了後、前記第2金型を前記第1金型から取り外し、前記導光体が設けられている前記第1金型に第3金型を取り付け、前記第1金型、前記第3金型、及び前記導光体によって構成される第2キャビティ内に、溶融した前記遮光樹脂を注入し、該遮光樹脂を冷却固化することで、前記遮光体を形成する第2形成工程と、
該第2形成工程終了後、前記第1金型から前記第3金型を取り外して、前記第1金型から、融着して、一体化した前記導光体と前記遮光体とを取り出す取出工程と、を有し、
前記第1金型には、前記導光体における前記遮光体との対向面の一部を覆う凸部が形成されていることを特徴とするプリズムの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4いずれかに記載のプリズムの製造方法であって、
溶融した前記透光樹脂を、第1金型と第2金型とによって構成される第1キャビティ内に注入し、該透光樹脂を冷却固化することで、前記導光体を形成する第1形成工程と、
該第1形成工程終了後、前記第2金型を前記第1金型から取り外し、前記導光体が設けられている前記第1金型に第3金型を取り付け、前記第1金型、前記第3金型、及び前記導光体によって構成される第2キャビティ内に、溶融した前記遮光樹脂を注入し、該遮光樹脂を冷却固化することで、前記遮光体を形成する第2形成工程と、
該第2形成工程終了後、前記第1金型から前記第3金型を取り外して、前記第1金型から、融着して、一体化した前記導光体と前記遮光体とを取り出す取出工程と、
前記導光体と前記遮光体との融着面の一部を剥離する剥離工程と、を有することを特徴とするプリズムの製造方法。
【請求項7】
前記剥離工程において、前記遮光体と前記導光体との融着が剥離される部分における、前記遮光体と前記導光体との融着面積が、
前記剥離工程において、前記遮光体と前記導光体との融着が維持される部分における、前記遮光体と前記導光体との融着面積よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載のプリズムの製造方法。
【請求項8】
前記剥離工程において、前記遮光体と前記導光体との融着が剥離される導光体と遮光体との対向面のみが融着され、
前記剥離工程において、前記遮光体と前記導光体との融着が維持される導光体における遮光体との対向面と、該対向面から延びる複数の側面の少なくとも1つが、前記遮光体と融着されていることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記第2キャビティにおける、前記第3金型によって構成される部位は、前記第1金型と対向する底面と、前記底面から前記導光体に向かう側面とから成る凹部であり、
前記導光体は、前記剥離工程において、前記遮光体との融着が剥離される部分において、第2形成工程時に、前記凹部の側面が前記導光体における前記遮光体との対向面に連なるように、且つ、前記遮光体との融着が維持される部分において、前記凹部の側面が前記導光体の上面に達するように前記第2キャビティ内に配置されて、前記遮光体との融着が維持される前記導光体の先端部が、前記第2キャビティにおける前記第1金型と前記第3金型とによって構成される空間内にせり出していることを特徴とする請求項8に記載のプリズムの製造方法。
【請求項10】
前記剥離工程は、前記第3金型を前記第1金型から取り外す際に、前記第3金型から前記遮光体に作用する応力によって実行されることを特徴とする請求項6〜9いずれか1項に記載のプリズムの製造方法。
【請求項11】
前記第2キャビティにおける、前記第3金型によって構成される部位は、前記第1金型と対向する底面と、前記底面から前記導光体に向かう側面とから成る凹部であり、
前記凹部における、前記第1領域側の側面若しくは前記第2領域側の側面には、前記第3金型を取り出す方向とは垂直な方向に突出する突出部を前記遮光体に形成するための溝部が形成されており、
前記取出工程時において、前記第1金型から前記第3金型を取り外す際に、前記突出部と前記溝部とを引っ掛けて、前記突出部が形成された遮光体の対向面と、該対向面と対向する前記導光体の対向面との融着面を引き剥がすことで、前記剥離工程を実施することを特徴とする請求項10に記載のプリズムの製造方法。
【請求項12】
前記第2キャビティにおける、前記第3金型によって構成される部位は、前記第1金型と対向する底面と、前記底面から前記導光体に向かう側面とから成る凹部であり、
前記剥離工程において、前記遮光体と前記導光体との融着が維持される遮光体の側面を形作る前記凹部の側面と、前記第3金型を取り出す方向とが成す第1角度は、
前記剥離工程において、前記遮光体と前記導光体との融着が剥離される遮光体の側面を形作る前記凹部の側面と、前記第3金型を取り出す方向とが成す第2角度よりも大きいことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のプリズムの製造方法。
【請求項13】
前記剥離工程において、前記遮光体と前記導光体との融着が剥離される導光体、若しくは、前記遮光体と前記導光体との融着が剥離される遮光体に、前記剥離工程において応力を印加することで、前記導光体と前記遮光体との融着面の一部を剥離することを特徴とする請求項6〜9いずれか1項に記載のプリズムの製造方法。
【請求項14】
透光性を有する導光体と、
遮光性を有する遮光体と、を備え、
前記導光体は、前記遮光体によって、第1光源から照射される光を導光する第1領域と、前記第1光源とは異なる第2光源から照射される光を導光する第2領域とに分割され、
前記導光体における前記遮光体との対向面と、前記遮光体における前記導光体との対向面とが接触した状態で、前記導光体と前記遮光体とが接続部材を介して機械的に接続されていることを特徴とすることを特徴とするプリズム。
【請求項15】
車両のインジケータのプリズムであることを特徴とする請求項14に記載のプリズム。
【請求項16】
請求項14又は請求項15に記載のプリズムの製造方法であって、
溶融した透光樹脂を、第1金型と第2金型とによって構成される第1キャビティ内に注入し、該透光樹脂を冷却固化することで、前記導光体を形成する第1形成工程と、
該第1形成工程終了後、前記第2金型を前記第1金型から取り外し、前記導光体が設けられている前記第1金型に第3金型を取り付け、前記第1金型、前記第3金型、及び前記導光体によって構成される第2キャビティ内に、溶融した遮光樹脂を注入し、該遮光樹脂を冷却固化することで、前記遮光体を形成する第2形成工程と、
該第2形成工程終了後、前記第1金型から前記第3金型を取り外して、前記第1金型から、融着して、一体化した前記導光体と前記遮光体とを取り出す取出工程と、
該取出工程後、前記導光体と前記遮光体との融着面全てを剥離する剥離工程と、
該剥離工程後、前記導光体における前記遮光体から剥離された面と、前記遮光体における前記導光体から剥離された面とを接触させた状態で、前記導光体と前記遮光体とを接続部材によって機械的に接続する接続工程と、を有することを特徴とするプリズムの製造方法。
【請求項17】
請求項14又は請求項15に記載のプリズムの製造方法であって、
溶融した透光樹脂を、第1金型と第2金型とによって構成される第1キャビティ内に注入し、該透光樹脂を冷却固化することで、前記導光体を形成する第1形成工程と、
溶融した遮光樹脂を、第3金型と第4金型とによって構成される第2キャビティ内に注入し、該遮光樹脂を冷却固化することで、前記遮光体を形成する第2形成工程と、
前記導光体における前記遮光体との対向面と、前記遮光体における前記導光体との対向面とを接触させた状態で、前記導光体と前記遮光体とを接続部材によって機械的に接続する接続工程と、を有することを特徴とするプリズムの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−150081(P2011−150081A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10219(P2010−10219)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】