プリント配線板
【課題】配線パターン設計を変更することなく、電子部品の実装及びランド部間のショートを容易に実現可能とするプリント配線板を提供する。
【解決手段】プリント配線板1は、基材2と、基材2上に形成された第1のランド部3と、基材2上における、第1のランド部3の近傍に形成された第2のランド部4と、第1のランド部3及び第2のランド部4を覆うレジスト膜7と、を備え、レジスト膜7は、第1のランド部3を露出させる第1の開口部8と、第1の開口部8とは分離して形成され、第2のランド部4を露出させる第2の開口部9と、第1の開口部8及び第2の開口部9とは分離して形成され、かつ第1のランド部3から第2のランド部4に亘って形成され、第1のランド部3及び第2のランド部4をそれぞれ露出させる第3の開口部10と、を備えている。
【解決手段】プリント配線板1は、基材2と、基材2上に形成された第1のランド部3と、基材2上における、第1のランド部3の近傍に形成された第2のランド部4と、第1のランド部3及び第2のランド部4を覆うレジスト膜7と、を備え、レジスト膜7は、第1のランド部3を露出させる第1の開口部8と、第1の開口部8とは分離して形成され、第2のランド部4を露出させる第2の開口部9と、第1の開口部8及び第2の開口部9とは分離して形成され、かつ第1のランド部3から第2のランド部4に亘って形成され、第1のランド部3及び第2のランド部4をそれぞれ露出させる第3の開口部10と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の実装及びランド部間のショートが可能なランド部を有するプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板に電子部品を実装する過程や電子部品が実装されたプリント配線板を製造する過程で、電気検査や導通チェックを行ったり、プリント配線板に実装された電子部品が外部からの静電気の影響を受けないように、予めランド部間をショートさせておく場合がある。
また、実装される電子部品の定数(抵抗値や容量値等)が設計上確定していない状態でプリント配線板を作製する場合があり、電子部品の定数が確定したときに電子部品を実装する必要がなくなったランド部間をショートさせることがある。
【0003】
一般的に、ランド部間をショートさせる手段として、ランド部間に例えば0(ゼロ)Ω(Ohm)のチップ部品を実装する方法がある。
しかしながら、上記方法では、0Ωのチップ部品が必要になるため、余計な部品コストが発生したり、0Ωのチップ部品を実装するための余計な実装時間を要するため、生産性を悪化させる要因となる。
【0004】
ランド部間をショートさせる他の手段が例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−205335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている、ランド部間をショートさせる手段は、配線パターン設計のときに予めランド部間を配線パターンでショートさせておくものである。
しかしながら、特許文献1に開示されている手段では、配線パターン設計を変更しなければならないため、高額の改版費用が発生する。
また、ランド部間ショート用の配線パターンを後でレーザ加工等で切断する場合があり、配線パターンを切断するための高い切断精度を有する生産設備が必要になり、かつ切断の工数が掛かるため、生産性を悪化させる要因となる。
【0007】
そこで、本発明は、配線パターン設計を変更することなく、電子部品の実装及びランド部間のショートを容易に実現可能とするプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は次のプリント配線板を提供する。
1)基材(2)と、前記基材上に形成された第1のランド部(3)と、前記基材上における、前記第1のランド部の近傍に形成された第2のランド部(4)と、前記第1のランド部及び前記第2のランド部を覆うレジスト膜(7)と、を備え、前記レジスト膜は、前記第1のランド部を露出させる第1の開口部(8)と、前記第1の開口部とは分離して形成され、前記第2のランド部を露出させる第2の開口部(9)と、前記第1の開口部及び前記第2の開口部とは分離して形成され、かつ前記第1のランド部から前記第2のランド部に亘って形成され、前記第1のランド部及び前記第2のランド部をそれぞれ露出させる第3の開口部(10)と、を備えていることを特徴とするプリント配線板(1)。
2)前記第1の開口部を介して前記第1のランド部に接続し、前記第2の開口部を介して前記第2のランド部に接続する電子部品(200)をさらに備えていることを特徴とする1)記載のプリント配線板。
3)前記第3の開口部を介して前記第1のランド部と前記第2のランド部とを短絡させる導電部材(S)をさらに備えていることを特徴とする1)記載のプリント配線板。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プリント配線板において、配線パターン設計を変更することなく、電子部品の実装及びランド部間のショートが容易に実現可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のプリント配線板の実施例1を説明するための模式図である。
【図2】実施例1のプリント配線板において電子部品が実装されるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図3】実施例1のプリント配線板に電子部品が実装された状態の一例を示す模式図である。
【図4】実施例1のプリント配線板に電子部品を実装するときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図5】実施例1のプリント配線板におけるランド部間がショートされるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図6】実施例1のプリント配線板におけるランド部間が半田でショートされた状態の一例を示す模式図である。
【図7】実施例1のプリント配線板のランド部間をショートさせるときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図8】本発明のプリント配線板の実施例2を説明するための模式図である。
【図9】実施例2のプリント配線板において電子部品が実装されるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図10】実施例2のプリント配線板に電子部品が実装された状態の一例を示す模式図である。
【図11】実施例2のプリント配線板に電子部品を実装するときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図12】実施例2のプリント配線板におけるランド部間がショートされるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図13】実施例2のプリント配線板におけるランド部間が半田でショートされた状態の一例を示す模式図である。
【図14】実施例2のプリント配線板のランド部間をショートさせるときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図15】本発明のプリント配線板の実施例3を説明するための模式図である。
【図16】実施例3のプリント配線板において電子部品が実装されるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図17】実施例3のプリント配線板に電子部品が実装された状態の一例を示す模式図である。
【図18】実施例3のプリント配線板に電子部品を実装するときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図19】実施例3のプリント配線板におけるランド部間がショートされるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図20】実施例3のプリント配線板におけるランド部間が半田でショートされた状態の一例を示す模式図である。
【図21】実施例3のプリント配線板のランド部間をショートさせるときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図22】本発明のプリント配線板の実施例4を説明するための模式図である。
【図23】実施例4のプリント配線板において電子部品が実装されるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図24】実施例4のプリント配線板に電子部品が実装された状態の一例を示す模式図である。
【図25】実施例4のプリント配線板に電子部品を実装するときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図26】実施例4のプリント配線板におけるランド部間がショートされるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図27】実施例4のプリント配線板におけるランド部間が半田でショートされた状態の一例を示す模式図である。
【図28】実施例4のプリント配線板のランド部間をショートさせるときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図29】実施例1の変形例を説明するための模式的平面図である。
【図30】実施例1〜4の変形例を説明するための模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を実施例1~実施例4により図1〜図30を用いて説明する。
【0012】
<実施例1>[図1〜図7参照]
実施例1では、電子部品として1005サイズチップ抵抗部品を実装する、又は実装せずにランド部間をショートさせる場合について説明する。
【0013】
まず、実施例1のプリント配線板1の構成について図1を用いて説明する。
図1は、実施例1のプリント配線板における、電子部品(1005サイズチップ抵抗部品)の実装及びランド部間のショートを行うためのランド部及びその近傍の領域を示す模式図である。図1(a)は上面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における断面図である。
【0014】
図1に示すように、プリント配線板1は、基材2と、基材2上に形成された一組のランド部3,4と、一方のランド部3に接続する配線パターン5と、他方のランド部4に接続する配線パターン6と、ランド部3,4及び配線パターン5,6を覆うソルダーレジスト膜7と、を有して構成されている。
ソルダーレジスト膜7は、ランド部3を露出させる開口部8と、ランド部4を露出させる開口部9と、開口部8,9とは分離して形成されると共にランド部3からランド部4に亘って形成され、ランド部3,4を露出させる開口部10とを有している。
【0015】
実施例1では、ランド部3とランド部4との間隔S34をプリント配線板の設計ルールにおける最小寸法、例えば0.1mmとした。
また、実施例1では、開口部8と開口部9との間隔S89を0.4mmとした。
また、実施例1では、ランド部3との中心点までの距離とランド部4との中心点までの距離とがほぼ等しくなるように直径R10が0.25mmの円形の開口部10を形成した。
【0016】
次に、上述したプリント配線板1に、電子部品として1005サイズチップ抵抗部品200を実装する場合について図2〜図4を用いて説明する。図2(a)及び図3(a)は図1(a)に対応するものであり、図2(b)及び図3(b)は図1(b)に対応するものである。図4はプリント配線板1に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図1〜図3の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0017】
図2に示すように、ランド部3の開口部8により露出している領域及びランド部4の開口部9により露出している領域に、図4に示すメタルマスク100を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク100は、ランド部3に半田ペーストSPを印刷するための開口部101と、ランド部4に半田ペーストSPを印刷するための開口部102と、を有している。
【0018】
実施例1では、メタルマスク100において、開口部101,102をそれぞれ楕円形状とし、開口部101と開口部102との間隔S112を0.4mmとした。
半田ペーストSPは市販品を用いることができる。
【0019】
次に、図3に示すように、1005サイズチップ抵抗部品200を、一方の端子(電極)201がランド部3の半田ペーストSPに接触し、他方の端子(電極)202がランド部4の半田ペーストSPに接触するように、プリント配線板1に実装する。
1005サイズチップ抵抗部品200は、幅W200が0.5mmであり、長さL200が1mmである。
【0020】
その後、1005サイズチップ抵抗部品200が実装されたプリント配線板1を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部3とランド部4とは半田S及び1005サイズチップ抵抗部品200を介して電気的に接続される。
【0021】
次に、上述したプリント配線板1のランド部3,4間をショートさせる場合について図5〜図7を用いて説明する。図5(a)及び図6(a)は図1〜図3の各(a)にそれぞれ対応するものであり、図5(b)及び図6(b)は図1〜図3の各(b)にそれぞれ対応するものである。図7はプリント配線板1に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図1〜図3,図5、及び図6の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0022】
図5に示すように、ランド部3,4の開口部10により露出している領域に、図7に示すメタルマスク110を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク110は、ランド部3からランド部4に亘って半田ペーストSPを印刷するための開口部111を有している。
【0023】
実施例1では、メタルマスク110に直径R111が0.3mmの円形の開口部111を形成した。
【0024】
次に、図6に示すように、ランド部3からランド部4に亘って半田ペーストSPが印刷されたプリント配線板1を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部3とランド部4とは半田Sにより電気的に接続(ショート)される。
【0025】
上述した実施例1のプリント配線板1によれば、配線パターン設計を変更することなく、ランド部3,4に対する半田ペーストSPの塗布位置(塗布領域)を変えるだけで、電子部品の実装及びランド部間のショートを容易に行うことができる。
また、上述した実施例1のプリント配線板1によれば、ランド部3,4に電子部品である1005サイズチップ抵抗部品200を実装する場合においても、ランド部3とランド部4との間にソルダーレジスト膜7が介在しているので、半田Sによるランド部3,4間のショート不良の発生をランド部3,4間に介在するソルダーレジスト膜7で抑制することができる。
【0026】
<実施例2>[図8〜図14参照]
実施例2では、電子部品として1608サイズチップ抵抗部品を実装する、又は実装せずにランド部間をショートさせる場合について説明する。
【0027】
まず、実施例2のプリント配線板21の構成について図8を用いて説明する。
図8は、実施例2のプリント配線板における、電子部品(1608サイズチップ抵抗部品)の実装及びランド部間のショートを行うためのランド部及びその近傍の領域を示す模式図である。図8(a)は上面図であり、図8(b)は図8(a)のB−B線における断面図である。
【0028】
図8に示すように、プリント配線板21は、基材22と、基材22上に形成された一組のランド部23,24と、一方のランド部23に接続する配線パターン25と、他方のランド部24に接続する配線パターン26と、ランド部23,24及び配線パターン25,26を覆うソルダーレジスト膜27と、を有して構成されている。
ソルダーレジスト膜27は、ランド部23を露出させる開口部28と、ランド部24を露出させる開口部29と、開口部28,29とは分離して形成されると共にランド部23からランド部24に亘って形成され、ランド部23,24を露出させる開口部30と、を有している。
【0029】
実施例2では、ランド部23とランド部24との間隔S234をプリント配線板の設計ルールにおける最小寸法、例えば0.1mmとした。
また、実施例2では、開口部28と開口部29との間隔S289を0.8mmとした。
また、実施例2では、ランド部23との中心点までの距離とランド部24との中心点までの距離とがほぼ等しくなるように直径R30が0.3mmの円形の開口部30を形成した。
【0030】
次に、上述したプリント配線板21に、電子部品として1608サイズチップ抵抗部品210を実装する場合について図9〜図11を用いて説明する。図9(a)及び図10(a)は図8(a)に対応するものであり、図9(b)及び図10(b)は図8(b)に対応するものである。図11はプリント配線板21に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図8〜図10の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0031】
図9に示すように、ランド部23の開口部28により露出している領域及びランド部24の開口部29により露出している領域に、図11に示すメタルマスク120を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク120は、ランド部23に半田ペーストSPを印刷するための開口部121と、ランド部24に半田ペーストSPを印刷するための開口部122と、を有している。
【0032】
実施例2では、メタルマスク120において、開口部121,122を楕円形状とし、開口部121と開口部122との間隔S212を0.8mmとした。
半田ペーストSPは市販品を用いることができる。
【0033】
次に、図10に示すように、1608サイズチップ抵抗部品210を、一方の端子(電極)211がランド部23の半田ペーストSPに接触し、他方の端子(電極)212がランド部24の半田ペーストSPに接触するように、プリント配線板21に実装する。
1608サイズチップ抵抗部品210は、幅W210が0.8mmであり、長さL210が1.6mmである。
【0034】
その後、1608サイズチップ抵抗部品210が実装されたプリント配線板21を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部23とランド部24とは半田S及び1608サイズチップ抵抗部品210を介して電気的に接続される。
【0035】
次に、上述したプリント配線板21のランド部23,24間をショートさせる場合について図12〜図14を用いて説明する。図12(a)及び図13(a)は図8〜図10の各(a)にそれぞれ対応するものであり、図12(b)及び図13(b)は図8〜図10の各(b)にそれぞれ対応するものである。図14はプリント配線板21に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図8〜図10,図12、及び図13の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0036】
図12に示すように、ランド部23,24の開口部30により露出している領域に、図14に示すメタルマスク130を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク130は、ランド部23からランド部24に亘って半田ペーストSPを印刷するための開口部131を有している。
【0037】
実施例2では、メタルマスク130に直径R131が0.35mmの円形の開口部131を形成した。
【0038】
次に、図13に示すように、ランド部23からランド部24に亘って半田ペーストSPが印刷されたプリント配線板21を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部23とランド部24とは半田Sにより電気的に接続(ショート)される。
【0039】
上述した実施例2のプリント配線板21によれば、配線パターン設計を変更することなく、ランド部23,24に対する半田ペーストSPの塗布位置(塗布領域)を変えるだけで、電子部品の実装及びランド部間のショートを容易に行うことができる。
また、上述した実施例2のプリント配線板21によれば、ランド部23,24に電子部品である1608サイズチップ抵抗部品210を実装する場合においても、ランド部23とランド部24との間にソルダーレジスト膜27が介在しているので、半田Sによるランド部23,24間のショート不良の発生をランド部23,24間に介在するソルダーレジスト膜27で抑制することができる。
【0040】
<実施例3>[図15〜図21参照]
実施例3では、電子部品として2125サイズチップ抵抗部品を実装する、又は実装せずにランド部間をショートさせる場合について説明する。
【0041】
まず、実施例3のプリント配線板41の構成について図15を用いて説明する。
図15は、実施例3のプリント配線板における、電子部品(2125サイズチップ抵抗部品)の実装及びランド部間のショートを行うためのランド及びその近傍の領域を示す模式図である。図15(a)は上面図であり、図15(b)は図15(a)のC−C線における断面図である。
【0042】
図15に示すように、プリント配線板41は、基材42と、基材42上に形成された一組のランド部43,44と、一方のランド部43に接続する配線パターン45と、他方のランド部44に接続する配線パターン46と、ランド部43,44及び配線パターン45,46を覆うソルダーレジスト膜47と、を有して構成されている。
ソルダーレジスト膜47は、ランド部43を露出させる開口部48と、ランド部44を露出させる開口部49と、開口部48,49とは分離して形成されると共にランド部43からランド部44に亘って形成され、ランド部43,44を露出させる開口部50と、を有している。
【0043】
実施例3では、ランド部43とランド部44との間隔S434をプリント配線板の設計ルールにおける最小寸法、例えば0.1mmとした。
また、実施例3では、開口部48と開口部49との間隔S489を1.2mmとした。
また、実施例3では、ランド部43との中心点までの距離とランド部44との中心点までの距離とがほぼ等しくなるように直径R50が0.4mmの円形の2つの開口部50を形成した。2つの開口部50の中心間の距離L50は0.8mmである。
【0044】
次に、上述したプリント配線板41に、電子部品として2125サイズチップ抵抗部品220を実装する場合について図16〜図18を用いて説明する。図16(a)及び図17(a)は図15(a)に対応するものであり、図16(b)及び図17(b)は図15(b)に対応するものである。図18はプリント配線板41に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図15〜図17の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0045】
図16に示すように、ランド部43の開口部48により露出している領域及びランド部44の開口部49により露出している領域に、図18に示すメタルマスク140を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク140は、ランド部43に半田ペーストSPを印刷するための開口部141と、ランド部44に半田ペーストSPを印刷するための開口部142と、を有している。
【0046】
実施例3では、メタルマスク140において、開口部141,142を矩形形状とし、開口部141と開口部142との間隔S412を1.2mmとした。
半田ペーストSPは市販品を用いることができる。
【0047】
次に、図17に示すように、2125サイズチップ抵抗部品220を、一方の端子(電極)221がランド部43の半田ペーストSPに接触し、他方の端子(電極)222がランド部44の半田ペーストSPに接触するように、プリント配線板41に実装する。
2125サイズチップ抵抗部品220は、幅W220が1.25mmであり、長さL220が2.0mmである。
【0048】
その後、2125サイズチップ抵抗部品220が実装されたプリント配線板41を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部43とランド部44とは半田S及び2125サイズチップ抵抗部品220を介して電気的に接続される。
【0049】
次に、上述したプリント配線板41のランド部43,44間をショートさせる場合について図19〜図21を用いて説明する。図19(a)及び図20(a)は図15〜図17の各(a)にそれぞれ対応するものであり、図19(b)及び図20(b)は図15〜図17の各(b)にそれぞれ対応するものである。図21はプリント配線板41に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図15〜図17,図19、及び図20の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0050】
図19に示すように、ランド部43,44の開口部50により露出している領域に、図21に示すメタルマスク150を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク150は、ランド部43からランド部44に亘って半田ペーストSPを印刷するための開口部151を有している。
【0051】
実施例3では、メタルマスク150に直径R151が0.45mmの円形の2つの開口部151を形成した。2つの開口部151の中心間の距離L151は0.8mmである。
【0052】
次に、図20に示すように、ランド部43からランド部44に亘って半田ペーストSPが印刷されたプリント配線板41を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田が溶融した後に固化し、ランド部43とランド部44とは半田Sにより電気的に接続(ショート)される。
【0053】
上述した実施例3のプリント配線板41によれば、配線パターン設計を変更することなく、ランド部43,44に対する半田ペーストSPの塗布位置(塗布領域)を変えるだけで、電子部品の実装及びランド部間のショートを容易に行うことができる。
また、上述した実施例3のプリント配線板41によれば、ランド部43,44に電子部品である2125サイズチップ抵抗部品220を実装する場合においても、ランド部43とランド部44との間にソルダーレジスト膜47が介在しているので、半田Sによるランド部43,44間のショート不良の発生をランド部43,44間に介在するソルダーレジスト膜47で抑制することができる。
【0054】
<実施例4>[図22〜図28参照]
実施例4では、電子部品として3216サイズチップ抵抗部品を実装する、又は実装せずにランド部間をショートさせる場合について説明する。
【0055】
まず、実施例4のプリント配線板61の構成について図22を用いて説明する。
図22は、実施例4のプリント配線板における、電子部品(3216サイズチップ抵抗部品)の実装及びランド部間のショートを行うためのランド部及びその近傍の領域を示す模式図である。図22(a)は上面図であり、図22(b)は図22(a)のD−D線における断面図である。
【0056】
図22に示すように、プリント配線板61は、基材62と、基材62上に形成された一組のランド部63,64と、一方のランド部63に接続する配線パターン65と、他方のランド部64に接続する配線パターン66と、ランド部63,64及び配線パターン65,66を覆うソルダーレジスト膜67と、を有して構成されている。
ソルダーレジスト膜67は、ランド部63を露出させる開口部68と、ランド部64を露出させる開口部69と、開口部68,69とは分離して形成されると共にランド部63からランド部64に亘って形成され、ランド部63,64を露出させる開口部70と、を有している。
【0057】
実施例4では、ランド部63とランド部64との間隔S634をプリント配線板の設計ルールにおける最小寸法、例えば0.1mmとした。
また、実施例4では、開口部68と開口部69との間隔S689を2.2mmとした。
また、実施例4では、ランド部63との中心点までの距離とランド部64との中心点までの距離とがほぼ等しくなるように直径R70が0.5mmの円形の2つの開口部70を形成した。2つの開口部70の中心間の距離L70は1.0mmである。
【0058】
次に、上述したプリント配線板61に、電子部品として3216サイズチップ抵抗部品230を実装する場合について図23〜図25を用いて説明する。図23(a)及び図24(a)は図22(a)に対応するものであり、図23(b)及び図24(b)は図22(b)に対応するものである。図25はプリント配線板61に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図22〜図24の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0059】
図23に示すように、ランド部63の開口部68により露出している領域及びランド部64の開口部69により露出している領域に、図25に示すメタルマスク160を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク160は、ランド部63に半田ペーストSPを印刷するための開口部161と、ランド部64に半田ペーストSPを印刷するための開口部162と、を有している。
【0060】
実施例4では、メタルマスク160において、開口部161,162を矩形形状とし、開口部161と開口部162との間隔S612を2.2mmとした。
半田ペーストSPは市販品を用いることができる。
【0061】
次に、図24に示すように、3216サイズチップ抵抗部品230を、一方の端子(電極)231がランド部63の半田ペーストSPに接触し、他方の端子(電極)232がランド部64の半田ペーストSPに接触するように、プリント配線板61に実装する。
3216サイズチップ抵抗部品230は、幅W230が1.6mmであり、長さL230が3.2mmである。
【0062】
その後、3216サイズチップ抵抗部品230が実装されたプリント配線板61を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部63とランド部64とは半田S及び3216サイズチップ抵抗部品230を介して電気的に接続される。
【0063】
次に、上述したプリント配線板61のランド部63,64間をショートさせる場合について図26〜図28を用いて説明する。図26(a)及び図27(a)は図22〜図24の各(a)にそれぞれ対応するものであり、図26(b)及び図27(b)は図22〜図24の各(b)にそれぞれ対応するものである。図28はプリント配線板61に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図22〜図24,図26、及び図27の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0064】
図26に示すように、ランド部63,64の開口部70により露出している領域に、図28に示すメタルマスク170を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク170は、ランド部63からランド部64に亘って半田ペーストSPを印刷するための開口部171を有している。
【0065】
実施例4では、メタルマスク170に直径R171が0.55mmの円形の2つの開口部171を形成した。2つの開口部171の中心間の距離L171は1.0mmである。
【0066】
次に、図27に示すように、ランド部63からランド部64に亘って半田ペーストSPが印刷されたプリント配線板61を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部63とランド部64とは半田Sにより電気的に接続(ショート)される。
【0067】
上述した実施例4のプリント配線板61によれば、配線パターン設計を変更することなく、ランド部63,64に対する半田ペーストSPの塗布位置(塗布領域)を変えるだけで、電子部品の実装及びランド部間のショートを容易に行うことができる。
また、上述した実施例4のプリント配線板61によれば、ランド部63,64に電子部品である3216サイズチップ抵抗部品230を実装する場合においても、ランド部63とランド部64との間にソルダーレジスト膜67が介在しているので、半田Sによるランド部63,64間のショート不良の発生をランド部63,64間に介在するソルダーレジスト膜67で抑制することができる。
【0068】
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
【0069】
例えば、実施例1の1005サイズチップ抵抗部品200のように小型の電子部品をプリント基板に実装する場合、電子部品のサイズに応じて実装させるランド部のサイズも小さくなる。ランド部と電子部品との接続面積が減少すると、ランド部と電子部品との間で接触抵抗が発生したり、接着強度が不足してしまう場合があるため、電子部品が実装されるランド部の開口部をできるだけ大きくしたい。
一方、ランド部間を確実にショートさせるためには、ランド部間をショートさせるための開口部をできるだけ大きくしたい。
そうすると、実施例1の構成では、電子部品が実装されるランド部の開口部とランド部間をショートさせるための開口部との間に介在するソルダーレジスト膜の幅が狭くなってしまうため、電子部品をプリント配線板に実装した際に、半田がソルダーレジスト膜を乗り越えて、ランド部間をショートさせるための開口部に達し、ランド部間がショートしてしまう虞がある。
【0070】
そこで、ランド部間をショートさせるための開口部をできるだけ広く形成し、且つ、電子部品が実装されるランド部の開口部とランド部間をショートさせるための開口部との間に介在するソルダーレジスト膜を所定の幅に確保するために、図29に示すように、上記ソルダーレジスト膜を電子部品が実装されるランド部側に湾曲させた形状とすることにより、上述した虞を回避することができる。
【0071】
また、実施例1〜実施例4では、ランド部間をショートさせるための開口部を円形としたがこれに限定させるものではなく、例えば図30に示す楕円形状、又はそれ以外の形状としてもよい。
このときも図29と同様に、ランド部間をショートさせるための開口部をできるだけ広く形成し、且つ、電子部品が実装されるランド部の開口部とランド部間をショートさせるための開口部との間に介在するソルダーレジスト膜を所定の幅に確保するために、上記ソルダーレジスト膜を電子部品が実装されるランド部側に湾曲させた形状としてもよい。
【0072】
また、実施例1〜実施例4では、説明をわかりやすくするために、互いに異なる基材2,22,42,62上にランド部(3,4),(23,24),(43,44),(63,64)を形成したが、同一の基材上に、実装される電子部品の仕様に合わせてランド部(3,4),(23,24),(43,44),(63,64)を組み合わせて形成するようにしてもよい。
【0073】
また、実施例1〜実施例4では、実装される電子部品としてチップ抵抗部品を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は複数の端子(電極)を有する全ての電子部品に適用可能である。
【0074】
また、実施例1〜実施例4では、ランド部間をショートさせる材料として半田を用いたが、これに限定させるものではなく、例えば半田に替えて銅ペースト等の導電性ペーストを用いることができる。
【符号の説明】
【0075】
1_プリント配線板、 2_基材、 3,4_ランド部、 5,6_配線パターン、 7_ソルダーレジスト膜、 8〜10_開口部、 100,110_メタルマスク、 101,102,111_開口部、 200_電子部品(チップ抵抗部品)、 201,202_端子(電極)、 S34,S89,S112_間隔、 R10,R111_直径、 SP_半田ペースト、 S_半田、 W200_幅、 L200_長さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の実装及びランド部間のショートが可能なランド部を有するプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板に電子部品を実装する過程や電子部品が実装されたプリント配線板を製造する過程で、電気検査や導通チェックを行ったり、プリント配線板に実装された電子部品が外部からの静電気の影響を受けないように、予めランド部間をショートさせておく場合がある。
また、実装される電子部品の定数(抵抗値や容量値等)が設計上確定していない状態でプリント配線板を作製する場合があり、電子部品の定数が確定したときに電子部品を実装する必要がなくなったランド部間をショートさせることがある。
【0003】
一般的に、ランド部間をショートさせる手段として、ランド部間に例えば0(ゼロ)Ω(Ohm)のチップ部品を実装する方法がある。
しかしながら、上記方法では、0Ωのチップ部品が必要になるため、余計な部品コストが発生したり、0Ωのチップ部品を実装するための余計な実装時間を要するため、生産性を悪化させる要因となる。
【0004】
ランド部間をショートさせる他の手段が例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−205335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている、ランド部間をショートさせる手段は、配線パターン設計のときに予めランド部間を配線パターンでショートさせておくものである。
しかしながら、特許文献1に開示されている手段では、配線パターン設計を変更しなければならないため、高額の改版費用が発生する。
また、ランド部間ショート用の配線パターンを後でレーザ加工等で切断する場合があり、配線パターンを切断するための高い切断精度を有する生産設備が必要になり、かつ切断の工数が掛かるため、生産性を悪化させる要因となる。
【0007】
そこで、本発明は、配線パターン設計を変更することなく、電子部品の実装及びランド部間のショートを容易に実現可能とするプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は次のプリント配線板を提供する。
1)基材(2)と、前記基材上に形成された第1のランド部(3)と、前記基材上における、前記第1のランド部の近傍に形成された第2のランド部(4)と、前記第1のランド部及び前記第2のランド部を覆うレジスト膜(7)と、を備え、前記レジスト膜は、前記第1のランド部を露出させる第1の開口部(8)と、前記第1の開口部とは分離して形成され、前記第2のランド部を露出させる第2の開口部(9)と、前記第1の開口部及び前記第2の開口部とは分離して形成され、かつ前記第1のランド部から前記第2のランド部に亘って形成され、前記第1のランド部及び前記第2のランド部をそれぞれ露出させる第3の開口部(10)と、を備えていることを特徴とするプリント配線板(1)。
2)前記第1の開口部を介して前記第1のランド部に接続し、前記第2の開口部を介して前記第2のランド部に接続する電子部品(200)をさらに備えていることを特徴とする1)記載のプリント配線板。
3)前記第3の開口部を介して前記第1のランド部と前記第2のランド部とを短絡させる導電部材(S)をさらに備えていることを特徴とする1)記載のプリント配線板。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プリント配線板において、配線パターン設計を変更することなく、電子部品の実装及びランド部間のショートが容易に実現可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のプリント配線板の実施例1を説明するための模式図である。
【図2】実施例1のプリント配線板において電子部品が実装されるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図3】実施例1のプリント配線板に電子部品が実装された状態の一例を示す模式図である。
【図4】実施例1のプリント配線板に電子部品を実装するときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図5】実施例1のプリント配線板におけるランド部間がショートされるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図6】実施例1のプリント配線板におけるランド部間が半田でショートされた状態の一例を示す模式図である。
【図7】実施例1のプリント配線板のランド部間をショートさせるときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図8】本発明のプリント配線板の実施例2を説明するための模式図である。
【図9】実施例2のプリント配線板において電子部品が実装されるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図10】実施例2のプリント配線板に電子部品が実装された状態の一例を示す模式図である。
【図11】実施例2のプリント配線板に電子部品を実装するときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図12】実施例2のプリント配線板におけるランド部間がショートされるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図13】実施例2のプリント配線板におけるランド部間が半田でショートされた状態の一例を示す模式図である。
【図14】実施例2のプリント配線板のランド部間をショートさせるときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図15】本発明のプリント配線板の実施例3を説明するための模式図である。
【図16】実施例3のプリント配線板において電子部品が実装されるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図17】実施例3のプリント配線板に電子部品が実装された状態の一例を示す模式図である。
【図18】実施例3のプリント配線板に電子部品を実装するときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図19】実施例3のプリント配線板におけるランド部間がショートされるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図20】実施例3のプリント配線板におけるランド部間が半田でショートされた状態の一例を示す模式図である。
【図21】実施例3のプリント配線板のランド部間をショートさせるときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図22】本発明のプリント配線板の実施例4を説明するための模式図である。
【図23】実施例4のプリント配線板において電子部品が実装されるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図24】実施例4のプリント配線板に電子部品が実装された状態の一例を示す模式図である。
【図25】実施例4のプリント配線板に電子部品を実装するときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図26】実施例4のプリント配線板におけるランド部間がショートされるランド部に半田ペーストが塗布された状態の一例を示す模式図である。
【図27】実施例4のプリント配線板におけるランド部間が半田でショートされた状態の一例を示す模式図である。
【図28】実施例4のプリント配線板のランド部間をショートさせるときに用いるメタルマスクの一例を説明するための模式的平面図である。
【図29】実施例1の変形例を説明するための模式的平面図である。
【図30】実施例1〜4の変形例を説明するための模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を実施例1~実施例4により図1〜図30を用いて説明する。
【0012】
<実施例1>[図1〜図7参照]
実施例1では、電子部品として1005サイズチップ抵抗部品を実装する、又は実装せずにランド部間をショートさせる場合について説明する。
【0013】
まず、実施例1のプリント配線板1の構成について図1を用いて説明する。
図1は、実施例1のプリント配線板における、電子部品(1005サイズチップ抵抗部品)の実装及びランド部間のショートを行うためのランド部及びその近傍の領域を示す模式図である。図1(a)は上面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における断面図である。
【0014】
図1に示すように、プリント配線板1は、基材2と、基材2上に形成された一組のランド部3,4と、一方のランド部3に接続する配線パターン5と、他方のランド部4に接続する配線パターン6と、ランド部3,4及び配線パターン5,6を覆うソルダーレジスト膜7と、を有して構成されている。
ソルダーレジスト膜7は、ランド部3を露出させる開口部8と、ランド部4を露出させる開口部9と、開口部8,9とは分離して形成されると共にランド部3からランド部4に亘って形成され、ランド部3,4を露出させる開口部10とを有している。
【0015】
実施例1では、ランド部3とランド部4との間隔S34をプリント配線板の設計ルールにおける最小寸法、例えば0.1mmとした。
また、実施例1では、開口部8と開口部9との間隔S89を0.4mmとした。
また、実施例1では、ランド部3との中心点までの距離とランド部4との中心点までの距離とがほぼ等しくなるように直径R10が0.25mmの円形の開口部10を形成した。
【0016】
次に、上述したプリント配線板1に、電子部品として1005サイズチップ抵抗部品200を実装する場合について図2〜図4を用いて説明する。図2(a)及び図3(a)は図1(a)に対応するものであり、図2(b)及び図3(b)は図1(b)に対応するものである。図4はプリント配線板1に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図1〜図3の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0017】
図2に示すように、ランド部3の開口部8により露出している領域及びランド部4の開口部9により露出している領域に、図4に示すメタルマスク100を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク100は、ランド部3に半田ペーストSPを印刷するための開口部101と、ランド部4に半田ペーストSPを印刷するための開口部102と、を有している。
【0018】
実施例1では、メタルマスク100において、開口部101,102をそれぞれ楕円形状とし、開口部101と開口部102との間隔S112を0.4mmとした。
半田ペーストSPは市販品を用いることができる。
【0019】
次に、図3に示すように、1005サイズチップ抵抗部品200を、一方の端子(電極)201がランド部3の半田ペーストSPに接触し、他方の端子(電極)202がランド部4の半田ペーストSPに接触するように、プリント配線板1に実装する。
1005サイズチップ抵抗部品200は、幅W200が0.5mmであり、長さL200が1mmである。
【0020】
その後、1005サイズチップ抵抗部品200が実装されたプリント配線板1を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部3とランド部4とは半田S及び1005サイズチップ抵抗部品200を介して電気的に接続される。
【0021】
次に、上述したプリント配線板1のランド部3,4間をショートさせる場合について図5〜図7を用いて説明する。図5(a)及び図6(a)は図1〜図3の各(a)にそれぞれ対応するものであり、図5(b)及び図6(b)は図1〜図3の各(b)にそれぞれ対応するものである。図7はプリント配線板1に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図1〜図3,図5、及び図6の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0022】
図5に示すように、ランド部3,4の開口部10により露出している領域に、図7に示すメタルマスク110を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク110は、ランド部3からランド部4に亘って半田ペーストSPを印刷するための開口部111を有している。
【0023】
実施例1では、メタルマスク110に直径R111が0.3mmの円形の開口部111を形成した。
【0024】
次に、図6に示すように、ランド部3からランド部4に亘って半田ペーストSPが印刷されたプリント配線板1を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部3とランド部4とは半田Sにより電気的に接続(ショート)される。
【0025】
上述した実施例1のプリント配線板1によれば、配線パターン設計を変更することなく、ランド部3,4に対する半田ペーストSPの塗布位置(塗布領域)を変えるだけで、電子部品の実装及びランド部間のショートを容易に行うことができる。
また、上述した実施例1のプリント配線板1によれば、ランド部3,4に電子部品である1005サイズチップ抵抗部品200を実装する場合においても、ランド部3とランド部4との間にソルダーレジスト膜7が介在しているので、半田Sによるランド部3,4間のショート不良の発生をランド部3,4間に介在するソルダーレジスト膜7で抑制することができる。
【0026】
<実施例2>[図8〜図14参照]
実施例2では、電子部品として1608サイズチップ抵抗部品を実装する、又は実装せずにランド部間をショートさせる場合について説明する。
【0027】
まず、実施例2のプリント配線板21の構成について図8を用いて説明する。
図8は、実施例2のプリント配線板における、電子部品(1608サイズチップ抵抗部品)の実装及びランド部間のショートを行うためのランド部及びその近傍の領域を示す模式図である。図8(a)は上面図であり、図8(b)は図8(a)のB−B線における断面図である。
【0028】
図8に示すように、プリント配線板21は、基材22と、基材22上に形成された一組のランド部23,24と、一方のランド部23に接続する配線パターン25と、他方のランド部24に接続する配線パターン26と、ランド部23,24及び配線パターン25,26を覆うソルダーレジスト膜27と、を有して構成されている。
ソルダーレジスト膜27は、ランド部23を露出させる開口部28と、ランド部24を露出させる開口部29と、開口部28,29とは分離して形成されると共にランド部23からランド部24に亘って形成され、ランド部23,24を露出させる開口部30と、を有している。
【0029】
実施例2では、ランド部23とランド部24との間隔S234をプリント配線板の設計ルールにおける最小寸法、例えば0.1mmとした。
また、実施例2では、開口部28と開口部29との間隔S289を0.8mmとした。
また、実施例2では、ランド部23との中心点までの距離とランド部24との中心点までの距離とがほぼ等しくなるように直径R30が0.3mmの円形の開口部30を形成した。
【0030】
次に、上述したプリント配線板21に、電子部品として1608サイズチップ抵抗部品210を実装する場合について図9〜図11を用いて説明する。図9(a)及び図10(a)は図8(a)に対応するものであり、図9(b)及び図10(b)は図8(b)に対応するものである。図11はプリント配線板21に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図8〜図10の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0031】
図9に示すように、ランド部23の開口部28により露出している領域及びランド部24の開口部29により露出している領域に、図11に示すメタルマスク120を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク120は、ランド部23に半田ペーストSPを印刷するための開口部121と、ランド部24に半田ペーストSPを印刷するための開口部122と、を有している。
【0032】
実施例2では、メタルマスク120において、開口部121,122を楕円形状とし、開口部121と開口部122との間隔S212を0.8mmとした。
半田ペーストSPは市販品を用いることができる。
【0033】
次に、図10に示すように、1608サイズチップ抵抗部品210を、一方の端子(電極)211がランド部23の半田ペーストSPに接触し、他方の端子(電極)212がランド部24の半田ペーストSPに接触するように、プリント配線板21に実装する。
1608サイズチップ抵抗部品210は、幅W210が0.8mmであり、長さL210が1.6mmである。
【0034】
その後、1608サイズチップ抵抗部品210が実装されたプリント配線板21を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部23とランド部24とは半田S及び1608サイズチップ抵抗部品210を介して電気的に接続される。
【0035】
次に、上述したプリント配線板21のランド部23,24間をショートさせる場合について図12〜図14を用いて説明する。図12(a)及び図13(a)は図8〜図10の各(a)にそれぞれ対応するものであり、図12(b)及び図13(b)は図8〜図10の各(b)にそれぞれ対応するものである。図14はプリント配線板21に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図8〜図10,図12、及び図13の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0036】
図12に示すように、ランド部23,24の開口部30により露出している領域に、図14に示すメタルマスク130を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク130は、ランド部23からランド部24に亘って半田ペーストSPを印刷するための開口部131を有している。
【0037】
実施例2では、メタルマスク130に直径R131が0.35mmの円形の開口部131を形成した。
【0038】
次に、図13に示すように、ランド部23からランド部24に亘って半田ペーストSPが印刷されたプリント配線板21を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部23とランド部24とは半田Sにより電気的に接続(ショート)される。
【0039】
上述した実施例2のプリント配線板21によれば、配線パターン設計を変更することなく、ランド部23,24に対する半田ペーストSPの塗布位置(塗布領域)を変えるだけで、電子部品の実装及びランド部間のショートを容易に行うことができる。
また、上述した実施例2のプリント配線板21によれば、ランド部23,24に電子部品である1608サイズチップ抵抗部品210を実装する場合においても、ランド部23とランド部24との間にソルダーレジスト膜27が介在しているので、半田Sによるランド部23,24間のショート不良の発生をランド部23,24間に介在するソルダーレジスト膜27で抑制することができる。
【0040】
<実施例3>[図15〜図21参照]
実施例3では、電子部品として2125サイズチップ抵抗部品を実装する、又は実装せずにランド部間をショートさせる場合について説明する。
【0041】
まず、実施例3のプリント配線板41の構成について図15を用いて説明する。
図15は、実施例3のプリント配線板における、電子部品(2125サイズチップ抵抗部品)の実装及びランド部間のショートを行うためのランド及びその近傍の領域を示す模式図である。図15(a)は上面図であり、図15(b)は図15(a)のC−C線における断面図である。
【0042】
図15に示すように、プリント配線板41は、基材42と、基材42上に形成された一組のランド部43,44と、一方のランド部43に接続する配線パターン45と、他方のランド部44に接続する配線パターン46と、ランド部43,44及び配線パターン45,46を覆うソルダーレジスト膜47と、を有して構成されている。
ソルダーレジスト膜47は、ランド部43を露出させる開口部48と、ランド部44を露出させる開口部49と、開口部48,49とは分離して形成されると共にランド部43からランド部44に亘って形成され、ランド部43,44を露出させる開口部50と、を有している。
【0043】
実施例3では、ランド部43とランド部44との間隔S434をプリント配線板の設計ルールにおける最小寸法、例えば0.1mmとした。
また、実施例3では、開口部48と開口部49との間隔S489を1.2mmとした。
また、実施例3では、ランド部43との中心点までの距離とランド部44との中心点までの距離とがほぼ等しくなるように直径R50が0.4mmの円形の2つの開口部50を形成した。2つの開口部50の中心間の距離L50は0.8mmである。
【0044】
次に、上述したプリント配線板41に、電子部品として2125サイズチップ抵抗部品220を実装する場合について図16〜図18を用いて説明する。図16(a)及び図17(a)は図15(a)に対応するものであり、図16(b)及び図17(b)は図15(b)に対応するものである。図18はプリント配線板41に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図15〜図17の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0045】
図16に示すように、ランド部43の開口部48により露出している領域及びランド部44の開口部49により露出している領域に、図18に示すメタルマスク140を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク140は、ランド部43に半田ペーストSPを印刷するための開口部141と、ランド部44に半田ペーストSPを印刷するための開口部142と、を有している。
【0046】
実施例3では、メタルマスク140において、開口部141,142を矩形形状とし、開口部141と開口部142との間隔S412を1.2mmとした。
半田ペーストSPは市販品を用いることができる。
【0047】
次に、図17に示すように、2125サイズチップ抵抗部品220を、一方の端子(電極)221がランド部43の半田ペーストSPに接触し、他方の端子(電極)222がランド部44の半田ペーストSPに接触するように、プリント配線板41に実装する。
2125サイズチップ抵抗部品220は、幅W220が1.25mmであり、長さL220が2.0mmである。
【0048】
その後、2125サイズチップ抵抗部品220が実装されたプリント配線板41を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部43とランド部44とは半田S及び2125サイズチップ抵抗部品220を介して電気的に接続される。
【0049】
次に、上述したプリント配線板41のランド部43,44間をショートさせる場合について図19〜図21を用いて説明する。図19(a)及び図20(a)は図15〜図17の各(a)にそれぞれ対応するものであり、図19(b)及び図20(b)は図15〜図17の各(b)にそれぞれ対応するものである。図21はプリント配線板41に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図15〜図17,図19、及び図20の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0050】
図19に示すように、ランド部43,44の開口部50により露出している領域に、図21に示すメタルマスク150を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク150は、ランド部43からランド部44に亘って半田ペーストSPを印刷するための開口部151を有している。
【0051】
実施例3では、メタルマスク150に直径R151が0.45mmの円形の2つの開口部151を形成した。2つの開口部151の中心間の距離L151は0.8mmである。
【0052】
次に、図20に示すように、ランド部43からランド部44に亘って半田ペーストSPが印刷されたプリント配線板41を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田が溶融した後に固化し、ランド部43とランド部44とは半田Sにより電気的に接続(ショート)される。
【0053】
上述した実施例3のプリント配線板41によれば、配線パターン設計を変更することなく、ランド部43,44に対する半田ペーストSPの塗布位置(塗布領域)を変えるだけで、電子部品の実装及びランド部間のショートを容易に行うことができる。
また、上述した実施例3のプリント配線板41によれば、ランド部43,44に電子部品である2125サイズチップ抵抗部品220を実装する場合においても、ランド部43とランド部44との間にソルダーレジスト膜47が介在しているので、半田Sによるランド部43,44間のショート不良の発生をランド部43,44間に介在するソルダーレジスト膜47で抑制することができる。
【0054】
<実施例4>[図22〜図28参照]
実施例4では、電子部品として3216サイズチップ抵抗部品を実装する、又は実装せずにランド部間をショートさせる場合について説明する。
【0055】
まず、実施例4のプリント配線板61の構成について図22を用いて説明する。
図22は、実施例4のプリント配線板における、電子部品(3216サイズチップ抵抗部品)の実装及びランド部間のショートを行うためのランド部及びその近傍の領域を示す模式図である。図22(a)は上面図であり、図22(b)は図22(a)のD−D線における断面図である。
【0056】
図22に示すように、プリント配線板61は、基材62と、基材62上に形成された一組のランド部63,64と、一方のランド部63に接続する配線パターン65と、他方のランド部64に接続する配線パターン66と、ランド部63,64及び配線パターン65,66を覆うソルダーレジスト膜67と、を有して構成されている。
ソルダーレジスト膜67は、ランド部63を露出させる開口部68と、ランド部64を露出させる開口部69と、開口部68,69とは分離して形成されると共にランド部63からランド部64に亘って形成され、ランド部63,64を露出させる開口部70と、を有している。
【0057】
実施例4では、ランド部63とランド部64との間隔S634をプリント配線板の設計ルールにおける最小寸法、例えば0.1mmとした。
また、実施例4では、開口部68と開口部69との間隔S689を2.2mmとした。
また、実施例4では、ランド部63との中心点までの距離とランド部64との中心点までの距離とがほぼ等しくなるように直径R70が0.5mmの円形の2つの開口部70を形成した。2つの開口部70の中心間の距離L70は1.0mmである。
【0058】
次に、上述したプリント配線板61に、電子部品として3216サイズチップ抵抗部品230を実装する場合について図23〜図25を用いて説明する。図23(a)及び図24(a)は図22(a)に対応するものであり、図23(b)及び図24(b)は図22(b)に対応するものである。図25はプリント配線板61に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図22〜図24の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0059】
図23に示すように、ランド部63の開口部68により露出している領域及びランド部64の開口部69により露出している領域に、図25に示すメタルマスク160を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク160は、ランド部63に半田ペーストSPを印刷するための開口部161と、ランド部64に半田ペーストSPを印刷するための開口部162と、を有している。
【0060】
実施例4では、メタルマスク160において、開口部161,162を矩形形状とし、開口部161と開口部162との間隔S612を2.2mmとした。
半田ペーストSPは市販品を用いることができる。
【0061】
次に、図24に示すように、3216サイズチップ抵抗部品230を、一方の端子(電極)231がランド部63の半田ペーストSPに接触し、他方の端子(電極)232がランド部64の半田ペーストSPに接触するように、プリント配線板61に実装する。
3216サイズチップ抵抗部品230は、幅W230が1.6mmであり、長さL230が3.2mmである。
【0062】
その後、3216サイズチップ抵抗部品230が実装されたプリント配線板61を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部63とランド部64とは半田S及び3216サイズチップ抵抗部品230を介して電気的に接続される。
【0063】
次に、上述したプリント配線板61のランド部63,64間をショートさせる場合について図26〜図28を用いて説明する。図26(a)及び図27(a)は図22〜図24の各(a)にそれぞれ対応するものであり、図26(b)及び図27(b)は図22〜図24の各(b)にそれぞれ対応するものである。図28はプリント配線板61に半田ペーストを印刷する際に用いるメタルマスクを説明するための模式図であり、図22〜図24,図26、及び図27の各(a)にそれぞれ対応するものである。
【0064】
図26に示すように、ランド部63,64の開口部70により露出している領域に、図28に示すメタルマスク170を用いて半田ペーストSPを印刷する。メタルマスク170は、ランド部63からランド部64に亘って半田ペーストSPを印刷するための開口部171を有している。
【0065】
実施例4では、メタルマスク170に直径R171が0.55mmの円形の2つの開口部171を形成した。2つの開口部171の中心間の距離L171は1.0mmである。
【0066】
次に、図27に示すように、ランド部63からランド部64に亘って半田ペーストSPが印刷されたプリント配線板61を、例えばリフロー炉を用いて所定の温度プロファイルで加熱及び冷却させることにより、半田ペーストSP中の半田Sが溶融した後に固化し、ランド部63とランド部64とは半田Sにより電気的に接続(ショート)される。
【0067】
上述した実施例4のプリント配線板61によれば、配線パターン設計を変更することなく、ランド部63,64に対する半田ペーストSPの塗布位置(塗布領域)を変えるだけで、電子部品の実装及びランド部間のショートを容易に行うことができる。
また、上述した実施例4のプリント配線板61によれば、ランド部63,64に電子部品である3216サイズチップ抵抗部品230を実装する場合においても、ランド部63とランド部64との間にソルダーレジスト膜67が介在しているので、半田Sによるランド部63,64間のショート不良の発生をランド部63,64間に介在するソルダーレジスト膜67で抑制することができる。
【0068】
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
【0069】
例えば、実施例1の1005サイズチップ抵抗部品200のように小型の電子部品をプリント基板に実装する場合、電子部品のサイズに応じて実装させるランド部のサイズも小さくなる。ランド部と電子部品との接続面積が減少すると、ランド部と電子部品との間で接触抵抗が発生したり、接着強度が不足してしまう場合があるため、電子部品が実装されるランド部の開口部をできるだけ大きくしたい。
一方、ランド部間を確実にショートさせるためには、ランド部間をショートさせるための開口部をできるだけ大きくしたい。
そうすると、実施例1の構成では、電子部品が実装されるランド部の開口部とランド部間をショートさせるための開口部との間に介在するソルダーレジスト膜の幅が狭くなってしまうため、電子部品をプリント配線板に実装した際に、半田がソルダーレジスト膜を乗り越えて、ランド部間をショートさせるための開口部に達し、ランド部間がショートしてしまう虞がある。
【0070】
そこで、ランド部間をショートさせるための開口部をできるだけ広く形成し、且つ、電子部品が実装されるランド部の開口部とランド部間をショートさせるための開口部との間に介在するソルダーレジスト膜を所定の幅に確保するために、図29に示すように、上記ソルダーレジスト膜を電子部品が実装されるランド部側に湾曲させた形状とすることにより、上述した虞を回避することができる。
【0071】
また、実施例1〜実施例4では、ランド部間をショートさせるための開口部を円形としたがこれに限定させるものではなく、例えば図30に示す楕円形状、又はそれ以外の形状としてもよい。
このときも図29と同様に、ランド部間をショートさせるための開口部をできるだけ広く形成し、且つ、電子部品が実装されるランド部の開口部とランド部間をショートさせるための開口部との間に介在するソルダーレジスト膜を所定の幅に確保するために、上記ソルダーレジスト膜を電子部品が実装されるランド部側に湾曲させた形状としてもよい。
【0072】
また、実施例1〜実施例4では、説明をわかりやすくするために、互いに異なる基材2,22,42,62上にランド部(3,4),(23,24),(43,44),(63,64)を形成したが、同一の基材上に、実装される電子部品の仕様に合わせてランド部(3,4),(23,24),(43,44),(63,64)を組み合わせて形成するようにしてもよい。
【0073】
また、実施例1〜実施例4では、実装される電子部品としてチップ抵抗部品を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は複数の端子(電極)を有する全ての電子部品に適用可能である。
【0074】
また、実施例1〜実施例4では、ランド部間をショートさせる材料として半田を用いたが、これに限定させるものではなく、例えば半田に替えて銅ペースト等の導電性ペーストを用いることができる。
【符号の説明】
【0075】
1_プリント配線板、 2_基材、 3,4_ランド部、 5,6_配線パターン、 7_ソルダーレジスト膜、 8〜10_開口部、 100,110_メタルマスク、 101,102,111_開口部、 200_電子部品(チップ抵抗部品)、 201,202_端子(電極)、 S34,S89,S112_間隔、 R10,R111_直径、 SP_半田ペースト、 S_半田、 W200_幅、 L200_長さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材上に形成された第1のランド部と、
前記基材上における、前記第1のランド部の近傍に形成された第2のランド部と、
前記第1のランド部及び前記第2のランド部を覆うレジスト膜と、
を備え、
前記レジスト膜は、
前記第1のランド部を露出させる第1の開口部と、
前記第1の開口部とは分離して形成され、前記第2のランド部を露出させる第2の開口部と、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部とは分離して形成され、かつ前記第1のランド部から前記第2のランド部に亘って形成され、前記第1のランド部及び前記第2のランド部をそれぞれ露出させる第3の開口部と、
を備えていることを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】
前記第1の開口部を介して前記第1のランド部に接続し、前記第2の開口部を介して前記第2のランド部に接続する電子部品をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
【請求項3】
前記第3の開口部を介して前記第1のランド部と前記第2のランド部とを短絡させる導電部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
【請求項1】
基材と、
前記基材上に形成された第1のランド部と、
前記基材上における、前記第1のランド部の近傍に形成された第2のランド部と、
前記第1のランド部及び前記第2のランド部を覆うレジスト膜と、
を備え、
前記レジスト膜は、
前記第1のランド部を露出させる第1の開口部と、
前記第1の開口部とは分離して形成され、前記第2のランド部を露出させる第2の開口部と、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部とは分離して形成され、かつ前記第1のランド部から前記第2のランド部に亘って形成され、前記第1のランド部及び前記第2のランド部をそれぞれ露出させる第3の開口部と、
を備えていることを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】
前記第1の開口部を介して前記第1のランド部に接続し、前記第2の開口部を介して前記第2のランド部に接続する電子部品をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
【請求項3】
前記第3の開口部を介して前記第1のランド部と前記第2のランド部とを短絡させる導電部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−15145(P2012−15145A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147313(P2010−147313)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
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