説明

プレコート鋼板

【課題】良好な外観と加工性を有し、塗膜の耐候性に優れかつ美観の劣化の起こり難い、プレコート鋼板を提供する。
【解決手段】亜鉛系めっき鋼板の少なくとも片面に、化成処理皮膜と、その上に形成された樹脂皮膜とを有するプレコート鋼板において、上記樹脂皮膜は、防錆顔料を含有する熱硬化性樹脂からなるプライマー層Aと、そのプライマー層Aの上に形成された着色樹脂層Bと、その着色樹脂層Bの上に形成された、ケイ素化合物を主成分とし膜厚が0.2μm以上のクリアー皮膜層Cと、さらに上記クリアー皮膜層Cの上に、光触媒活性を有する酸化チタン粒子を含んだ皮膜を面積率で40〜95%の島状に被覆したクリアー皮膜層Dを形成してなることを特徴とするプレコート鋼板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器製品の外装材、建築分野で用いられる内外装材および道路用部材などに用いられる、加工性や耐候性に優れるとともに、長期に亘って美観を維持することができるプレコート鋼板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プレコート鋼板は、成形加工後に塗装を施す必要がないため、加工メーカーでの工程省略や作業環境改善等の観点から、電気機器製品の外装材、建築物の屋根、壁等の外装材やパーティション等の内装材などとして広く用いられている。このプレコート鋼板は、プレス成形やロール成形あるいはエンボス成形によって、90度曲げあるいは180度曲げを伴う様々な加工を受けるため、加工性に優れることだけでなく、加工後においても、長期に亘る塗膜耐久性に優れていることが求められる。
【0003】
これらの要求に応えるため、プレコート鋼板の塗膜用樹脂には、一般に、200℃以上の温度で焼き付けして硬化塗膜を形成する熱硬化型のポリエステル系樹脂が適用されているが、より高い耐候性が求められる場合には、フッ素系樹脂が適用されている。
【0004】
一方、近年では、プレコート鋼板に対する高性能化、高機能化のニーズが高まっており、中でも美観耐久性に優れること、具体的には、黴や菌類、藻類などの発生がなく、大気中の浮遊煤煙や各種油性ミスト、排気ガス、カーボンブラックなどの燃焼生成物、その他各種物質の付着による美観の低下が起こり難いことが求められるようになってきている。
【0005】
しかし、抗菌性や耐汚染性のような単一の機能を有するプレコート鋼板は、既に開発、市販されているが、多機能を複合的に高いレベルで実現したものは、今のところない。例えば、塗膜面における黴や菌類、藻類の発生を抑制あるいは防止するものとしては、銀や銅などを含む化合物を塗膜中に分散させた、いわゆる抗菌プレコート鋼板が開発されている。また、塗膜面の汚染を改善する技術としては、塗膜表面を親水性とすることにより、表面の付着した異物を雨水等と一緒に洗い流して、付着物が堆積するのを抑制する技術が知られている。
【0006】
さらに、付着した有機物等を分解するための技術としては、光触媒を利用する技術が知られている。この光触媒技術は、光触媒活性のある物質を塗膜中に分散させ、生成する活性酸素によって付着した有機物を分解するものである。
【0007】
しかし、塗膜中に分散された光触媒は、有機物などの表面付着物を分解する機能を有する反面、マトリックスの塗膜自体をも徐々に分解し、これによって塗膜の白亜化(チョーキング)や塗膜の減耗を促進する逆の効果もある。そのため、単に樹脂塗膜に光触媒を添加して分散させるだけでは、プレコート鋼板に適用するには限界がある。
【0008】
そこで、マトリックス塗膜を、分解され難い無機質やフッ素樹脂としたり、あるいは有機−無機複合体にしたりすることが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、光触媒をプレコート鋼板に適用した技術として、光触媒とフッ素樹脂ワックスを含む無機質塗膜を、無機質塗膜にて形成された保護層を介して形成する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2007−055207号公報
【特許文献2】特開2006−233073号公報
【特許文献3】特開2006−192716号公報
【特許文献4】特開2007−181951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、光触媒活性のある物質を無機質塗膜に分散させた特許文献1の鋼板は、変色や退色などの耐候性には優れるものの、塗膜自体の柔軟性に乏しいため、プレコート鋼板にそのまま適用すると曲げ加工や絞り加工を施した際、クラックが発生しやすく、塗膜剥離を起こすことがある。そのため、この鋼板の用途は、ほとんど加工を施さないものか、加工後に塗装するポストコート鋼板のようなものに限定されていた。また、光触媒活性のある物質をフッ素樹脂塗膜に分散させた特許文献2の鋼板は、屋外南面に位置する外装材に適用した場合に、光触媒によるマトリックスの分解を起こすことと、光触媒機能が十分ではないという問題を有している。これを防止するには、塗膜厚を厚くする必要があるが、その場合には、加工性が低下するという新たな問題が発生する。また、光触媒活性のある物質を有機−無機複合体からなる塗膜に分散させた特許文献3の鋼板は、無機塗膜に比べて加工性に優れるものの、プレコート鋼板として必要な加工性を満たすには、さらなる薄膜化が必要とされるため、光触媒機能の低下を招く。さらに、光触媒活性のある物質をフッ素樹脂ワックスと合せて無機質塗膜に分散させた特許文献4のプレコート鋼板は、やはり外装材に適用した場合には、光触媒によるマトリクスの分解が起こるという問題点を有する。
【0010】
以上説明したように、光触媒機能を塗膜表面に付与する従来技術は、プレコート鋼板への適用が困難なものであるか、あるいは、プレコート鋼板に必要とされる加工性と、高度な光触媒機能やそれによるマトリクス自体の耐分解性とを兼ね備えたものではなかった。
【0011】
さらに、光触媒機能を有する皮膜層は、一般的に屈折率が高いため、連続塗装ラインで塗布する際に発生する塗膜付着量のムラなどによって、干渉色を呈することがある。特に、処理する下地素材の表面が高光沢であるものや表面粗さの小さいものでは、処理ムラや干渉色が発生しやすく、美観を損ね易いという問題がある。この点について、上記従来技術では、何らの考慮もしていない。
【0012】
そこで、本発明の目的は、良好な外観と加工性を有し、塗膜の耐候性に優れかつ美観の劣化の起こり難いプレコート鋼板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明者らは、従来技術が抱える上記問題点を解決するべく鋭意研究を重ねた。その結果、めっき鋼板の表面に、化成処理皮膜およびプライマー層を介して着色樹脂層を形成し、さらにその上に、所定の厚さのクリアー皮膜と島状に形成された光触媒含有クリアー皮膜を順次形成することにより、高光沢と外観の均一性を両立し、かつ、プレコート鋼板に必要な加工性と、高度の美観耐久性および光触媒に対する耐分解能とを併せ持つプレコート鋼板を得ることができることを見出した。本発明は、上記知見に、さらに検討を加えてなされたものである。
【0014】
すなわち、本発明は、亜鉛系めっき鋼板の少なくとも片面に化成処理皮膜と、その上に形成された樹脂皮膜とを有するプレコート鋼板において、上記樹脂皮膜は、防錆顔料を含有する熱硬化性樹脂からなるプライマー層Aと、そのプライマー層Aの上に形成された着色樹脂層Bと、その着色樹脂層Bの上に形成された、ケイ素化合物を主成分とし膜厚が0.2μm以上のクリアー皮膜層Cと、さらにそのクリアー皮膜層Cの上に、光触媒活性を有する酸化チタン粒子を含んだ皮膜を面積率で40〜95%の島状に被覆したクリアー皮膜層Dを形成してなることを特徴とするプレコート鋼板である。
【0015】
本発明のプレコート鋼板における上記着色樹脂層Bは、ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂とが質量比で85:15〜50:50のオルガノゾル系焼付型フッ素樹脂を主成分とするものであることを特徴とする。
【0016】
本発明のプレコート鋼板における上記クリアー皮膜層C中のケイ素化合物は、アクリルシリコン樹脂であることを特徴とする。
【0017】
本発明のプレコート鋼板における上記酸化チタン粒子は、アナターゼ型結晶質酸化チタンと非晶質酸化チタンとの混合物からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、プレコート鋼板に要求される良好な外観と加工性を有するだけでなく、塗膜の耐候性に優れかつ美観の劣化の起こり難いプレコート鋼板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のプレコート鋼板は、化成処理皮膜を有する亜鉛系めっき鋼板表面の上層に形成された樹脂皮膜からなり、その樹脂皮膜は、防錆顔料を含有する熱硬化性樹脂からなるプライマー層Aと、そのプライマー層Aの上に形成された着色樹脂層Bと、その着色樹脂層Bの上に形成された、ケイ素化合物を主成分とし膜厚が0.2μm以上のクリアー皮膜層Cと、さらにそのクリアー皮膜層Cの上に、光触媒活性を有する酸化チタン粒子を含んだ皮膜を面積率で40〜95%の島状に被覆したクリアー皮膜層Dとからなることを特徴とするものである。以下、詳細に説明する。
【0020】
<プライマー層A>
上記樹脂皮膜を形成する第一の皮膜であるプライマー層Aは、防錆顔料を含有した熱硬化性樹脂からなることが特徴である。このプライマー層Aは、上層の塗膜と素地間との密着性付与、耐食性付与のために設けられ、厚さは2μm以上であることが好ましい。厚さが2μmを下回ると、充分な防錆性が得られないことがある。
【0021】
プライマー層Aに含まれる防錆顔料は、防錆性を付与するために添加されるもので、クロム酸塩、シリカ系顔料、亜リン酸塩系顔料、カルシウム化合物、アルミニウム酸化物、ジルコン酸および/またはジルコン酸化合物、バナジン酸および/またはバナジン酸化合物、モリブデン酸化合物、リン酸および/またはリン酸化合物などのうちから選ばれる1種または2種以上を混合したものが好ましい。中でも、より防錆性を高める観点からは、クロム酸塩を含有するのが好ましい。上記防錆顔料を含まない場合には、各種加工を受けて屋外で使用されたときに、切断エッジ部や塗膜損傷部から塗膜膨れや腐食が発生することがあり、好ましくない。
【0022】
また、プライマー層Aの主体である樹脂は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。常温乾燥型樹脂や熱可塑性樹脂を用いた場合、上層塗膜を焼き付けて形成する際の加熱によって、軟化に伴う変形や劣化が生じたり、上層樹脂塗膜との強固な密着性が得られなくなったりするなどの問題が発生するので、好ましくない。
【0023】
熱硬化性樹脂の種類は、特に限定されないが、本発明の作用効果を充分に得るためには、ポリエステル系樹脂および/またはエポキシ系樹脂を用いることが望ましい。
上記ポリエステル系樹脂としては、ビスフェノールA付加ポリエステル樹脂が含まれる。
また、上記エポキシ系樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等のビスフェノール類とエピハロヒドリンあるいはβメチルエピハロヒドリンとからなるエポキシ化合物、またはこれらの共重合物が挙げられる。さらに、これらのエポキシ化合物のモノカルボン酸あるいはジカルボン酸変性物、モノ、ジもしくはポリアルコール変性物、モノもしくはジアミン変性物、モノ、ジもしくはポリフェノール変性物もエポキシ樹脂として使用できる。
【0024】
また、プライマー層Aの硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物および/またはアミノ樹脂を用いることができる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、一般的製法で得られるヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDI)およびその誘導体、トリレンジイソシアネート(以下、TDI)およびその誘導体、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDI)およびその化合物、キシリレンジイソシアネート(以下、XDI)およびその誘導体、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDI)およびその誘導体、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(以下、TMDI)およびその誘導体、水素添加TDIおよびその誘導体、水素添加MDIおよびその誘導体、水素添加XDIおよびその誘導体などの化合物を用いることができる。中でも、一液型塗料としての使用が可能であるフェノール、クレゾール、芳香族第二アミン、第三級アルコール、ラクタム、オキシム等のブロック剤でブロック化されたポリイソシアネート化合物は、一液での保存が可能となり、塗料としての使用が容易となることから好ましい。
また、上記アミノ樹脂としては、尿素、ベンゾグアナミン、メラミンなどとホルムアルデヒドとの反応で得られる樹脂、およびこれらをメタノール、ブタノールなどのアルコールによりアルキルエーテル化したものが使用できる。具体的には、メチル化尿素樹脂、n−ブチル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル化メラミン樹脂、n−ブチル化メラミン樹脂、iso−ブチル化メラミン樹脂などを挙げることができる。
【0025】
なお、プライマー層Aへの硬化剤の配合量は、樹脂固形分中での割合で、9〜50mass%とすることが好ましい。9mass%未満では、塗膜硬度が十分ではなく、一方、50mass%を超えると加工性が不十分となる。
【0026】
このような構成からなるプライマー層Aには、p−トルエンスルホン酸、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジラウレート等の硬化触媒を含有させることができる。また、炭酸カルシウム、カオリン、クレーなどの体質顔料や、酸化チタン、弁柄、マイカ、カーボンブラック、アルミニウム粉などの着色顔料を添加してもよい。さらに、消泡剤やレベリング剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0027】
<着色樹脂層B>
上記樹脂皮膜を形成する第二の皮膜である着色樹脂層Bは、その主体が、プライマー層Aとの密着性を有し、プレコート鋼板製造設備で連続塗装が可能な樹脂であることが好ましく、例えば、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂あるいはこれらの成分を複合化した樹脂を使用することができる。ここで、着色樹脂層Bの主体となる樹脂の含有量は、塗膜中の固形分として、40〜85mass%の範囲であることが好ましい。
【0028】
また、着色樹脂層Bの主体である樹脂としては、本発明の作用効果をより十分なものとし、さらには、加工性や屋外での耐久性を改善するためには、ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂が質量比で85:15〜50:50であるオルガノゾル系焼付型フッ素樹脂を主成分とするものがより好ましい。ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂を混合する理由は、結晶性樹脂であるポリフッ化ビニリデンの結晶化を抑制することにより、耐久性や加工性を向上させ、さらには、下地塗膜であるプライマー層および上層に形成するクリアー皮膜との密着性を向上させるためである。
【0029】
なお、上記アクリル樹脂には、熱可塑性のものおよび熱硬化性のものを単独または複合して使用することができる。
熱可塑性アクリル樹脂としては、ポリフッ化ビニリデンとの相溶性の観点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミルなどの内から選ばれる1種または2種以上のモノマーの重合体、あるいはこれらのモノマーとアクリル酸やスチレンなどとの共重合体を用いることができる。
また、熱硬化性アクリル樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、ギリシジル基、イソシアネート基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂とアルキル化メラミン、ポリオール、ポリアミドなどの硬化剤とから構成されたものを用いることができる。
【0030】
なお、ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂を質量比で85:15〜50:50とする理由は、着色樹脂層Bの主体樹脂におけるポリフッ化ビニリデンの比率が質量比で85%を超えると、プレコート鋼板としての塗装性が低下したり、塗膜の結晶性が高くなりすぎて加工性の低下を招いたりし、また、50%未満になると、ポリフッ化ビニリデンのもつ耐久性、特に耐候性の大幅な低下を招き好ましくないからである。より好ましくは、ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂の質量比は85:15〜75:25である。
【0031】
また、着色樹脂層Bは、最終的な外観色調を決定するものであるため、酸化チタン、弁柄、マイカ、カーボンブラック、焼成ブラック、チタンイエロー、黄色酸化鉄、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの各種着色顔料を含有するのが好ましい。
【0032】
また、必要に応じて、合成シリカ等の光沢調整剤や塗装作業性を改善するための消泡剤や表面調整剤、塗膜の傷付き防止剤等の添加剤を配合することもできる。さらに、着色樹脂層Bには、様々な色調、光沢のものを適用でき、例えば、光沢は、つや消し剤の添加により調整することができる。
【0033】
着色樹脂層Bの形成方法は、プレコート鋼板を製造する通常の方法であればよく、例えば有機溶剤で希釈した薬液を、ロールコーターやカーテンコーターによって連続的に塗布し、ただちに230〜270℃程度の温度で焼き付ける方法を用いることができる。
【0034】
また、着色樹脂層Bの塗膜厚は、8〜25μmの範囲であることが好ましい。塗膜厚が8μmを下回ると、隠蔽性の低下によって色調が不安定になり、さらに、十分な加工性や耐久性および加工部の耐食性が得られなくなる。一方、塗膜厚が25μmを超えると、ワキ等の塗膜欠陥が発生しやすくなり、さらに、加工時の内部歪の増加によって、塗膜にクラックが発生するなど、性能の低下を招くため好ましくない。
【0035】
<クリアー皮膜層C>
着色樹脂層Bの上に形成される第三の皮膜のクリアー皮膜層Cは、最表層に形成されるクリアー皮膜層Dと着色樹脂層Bとの密着性を強固にするためと、クリアー皮膜層D中に配合される酸化チタン微粒子の光触媒作用によって、着色樹脂層Bが経時的に分解されて劣化するのを防止するために形成する。
【0036】
このような作用をもつクリアー皮膜層Cの主成分は、ケイ素化合物であることが必要であり、例えば、アクリルシリコン樹脂、トリアルコキシシランおよびその縮合物、アクリルシリケートおよびその縮合物、オルガノヒドロキシシランおよびその縮合物、あるいはこれらの組成物とシリカとの複合組成物を使用することができる。ここで、クリアー皮膜層C中のケイ素化合物の含有量は、塗膜固形分中のSiO換算質量として、凡そ20〜60mass%の範囲であることが好ましい。
【0037】
上記ケイ素化合物として特に好ましいのは、アクリルシリコン樹脂である。アクリルシリコン樹脂としては、アクリレートとシリコンを複合化、共重合化あるいは他の架橋剤で架橋させたもの、アクリレートまたはシリコンを含有する架橋剤を用いて他成分を架橋させたもの等を使用することができる。
【0038】
上記アクリルシリコン樹脂のアクリレート成分は、皮膜層に柔軟性を付与し、さらに、下層である着色樹脂層Bとの強固な密着性を確保する効果を有する。また、クリアー皮膜層Cの加工性を改善し、プレコート鋼板に施される各種加工時のクラック発生を抑制するので、クリアー皮膜層Cの膜厚範囲を広げることが可能となる。
【0039】
上記アクリレート成分としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタアクリレートなどのアルキル含有アクリル系モノマー、オリゴマーまたはポリマー、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどの水酸機含有アクリル系モノマー、オリゴマーまたはポリマー、アクリル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸系モノマー、オリゴマーまたはポリマー、さらにはアミド基やグリシジル基を含有したアクリル系モノマー、オリゴマーまたはポリマー等の1種または2種以上を使用することができる。
【0040】
また、アクリルシリコン樹脂中のシリコン成分は、上層に形成されるクリアー皮膜層Dとの密着性を強固にする効果と、上層に含まれる光触媒によるクリアー皮膜層Cの分解を抑制する効果を有する。上記シリコン成分としては、例えば、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシラン、フエ二ルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物やその加水分解物あるいはその縮合物の内から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
【0041】
なお、クリアー皮膜層Cには、色調を変えない範囲で、各種添加剤、例えばシリカ微粒子、分散剤、カップリング剤、あるいは紫外線吸収剤などを添加しても構わない。
【0042】
クリアー皮膜層Cの膜厚は、上記効果を得るためには、0.2μm以上であることが必要である。好ましくは、0.5μm以上である。膜厚の上限には特に制限はないが、組成物自体の柔軟性が乏しい場合には、膜厚が薄い方が、加工性の低下を抑えるためには好ましく、例えば、1μm以下にすることにより、組成物の種類によらず良好な加工性を得ることができる。
【0043】
なお、クリアー皮膜層Cを連続塗装ラインで形成するには、有機溶剤に希釈した溶液をカーテンコーター、ロールコーターあるいはダイコーターにより塗布し、焼き付ける方法が好適である。クリアー皮膜層Cの主成分として、アクリルシリコン樹脂を用いる場合、焼付温度は、150〜200℃程度とするのが好ましい。
【0044】
<クリアー皮膜層D>
クリアー皮膜層Cの上に形成されるクリアー皮膜層Dは、本発明のプレコート鋼板に新たな機能、つまり、内外装材として使用されたときに、表面に付着する各種有機物等を分解して清浄化し、表面の美観性を永続的に維持させる美観耐久性機能を付与するため、光触媒活性を有する酸化チタン粒子を含有するところに特徴がある。
【0045】
酸化チタンは、塗料などの白色顔料としてルチル型酸化チタンが広く使用されており、これも光触媒活性を示すが、クリアー皮膜として必要な高レベルの光触媒活性を有する酸化チタン粒子としては、アナターゼ型結晶質酸化チタンの方が好適である。なお、酸化チタン以外にも光触媒活性を示す粒子として、例えば、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化クロム、酸化錫などがあるが、クリアー皮膜に適用できる程度の光触媒活性を有するものはない。アナターゼ型結晶質酸化チタンとしては、0.001〜0.2μm程度の粒子径のものが塗装性や光触媒特性の面からは最適である。このようなアナターゼ型結晶質酸化チタンとしては、例えば、石原産業(株)製のST−01、ST−21、ST−30Lなどが挙げられる。
【0046】
アナターゼ型結晶質酸化チタンは、一般に、紫外線領域の短波長光に対して活性を示すため、プレコート鋼板を外装部材に使用する場合には、太陽光に含まれる紫外線によって光触媒特性を発現することができる。しかし、太陽光の照射がほとんどない内装材等に使用する場合には、可視光応答型のアナターゼ型結晶質酸化チタンを用いることが望ましい。このような酸化チタンとしては、窒素や硫黄あるいは炭素をドープした酸化チタン、酸素欠乏型の酸化チタン、色素増感型の酸化チタン、金属担持型の酸化チタン等を挙げることができる。
【0047】
クリアー皮膜層Dには、上記のようなアナターゼ型結晶質酸化チタンのほかに、非晶質酸化チタンを配合することが好ましい。非晶質酸化チタンを配合することにより、塗装薬液としての安定性が向上し、アナターゼ型結晶質酸化チタンが分散した皮膜層Dのマトリックスとして作用し、さらには、皮膜の加工性や耐久性を向上することができる。この場合、アナターゼ型結晶質酸化チタンと非晶質酸化チタンの混合比は、質量比で10:90〜80:20の範囲が好ましい。
【0048】
また、クリアー皮膜層Dは、酸化チタン粒子以外に、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムなどの金属の酸化物や化合物、あるいは、リン酸化合物の1種または2種以上の無機化合物を、皮膜形成のバインダーや添加剤として含んでもよい。なお、樹脂などの有機物をバインダーとして用いることも考えられるが、光触媒活性による分解が不可避であるため好ましくない。さらに、クリアー皮膜層Dには、色調を変えない範囲で、抗菌剤や、活性炭、ゼオライトなどの吸着剤を添加することにより、美観耐久性、抗菌性などの機能をより高めることが可能である。
【0049】
ここで、本発明のプレコート鋼板の特徴は、上記クリアー皮膜層Dを、被覆率が40〜95%で、0.1〜10mm程度の大きさの島状に形成するところにある。島状とする理由は、連続塗装ラインにおいてロールコーティング法などで連続皮膜を形成すると、膜厚のバラツキあるいはローピングやチャターマークなどの塗布ムラによって干渉色が筋状に見えることがあり、美観を大いに損ねるからである。この現象は、特に、着色樹脂皮膜Bの光沢が高い場合に顕著に見られる。
【0050】
また、被覆率を40〜95%とする理由は、クリアー皮膜層Dの被覆率が95%を超えると、同様に干渉色が発生し、また、曲げ加工性も悪くなる。一方、被覆率が40%未満では、光触媒活性としての機能が不十分となり、好ましくないからである。なお、ここでいう被覆率とは、例えば、鋼板表面をSEMやEPMAを用いてTiの分布状態を測定し、マッピングして得たTiの面積率のことである。
【0051】
このような島状のクリアー皮膜層Dを形成するには、連続塗装ラインを走行しているクリアー皮膜層Cを形成後の鋼板を、例えば、光触媒含有塗液をスプレー等で霧化したゾーンを通過させ、その後、150〜250℃の温度で焼き付ける方法が適用できる。
【0052】
クリアー皮膜層Dの付着量は、光触媒特性を発揮し、皮膜自体の白濁化や加工によるクラック等の発生を抑制する観点からは、TiO換算で10〜2000mg/mの範囲が望ましい。より好ましいクリアー皮膜層Dの付着量は、TiO換算で50〜1000mg/mである,
【0053】
なお、上述のしたプライマー層A〜クリアー皮膜層Dの皮膜は、鋼板の少なくとも片面(表面)に形成されるものであるが、他方の面(裏面)にも同一皮膜を形成しても構わず、また、通常のプレコート鋼板で用いられる1コート1ベークのいわゆるサービスコートを形成しても構わない。
【0054】
<素材鋼板>
本発明のプレコート鋼板の素材(素地)となる亜鉛系めっき鋼板は、プレコート鋼板として成形加工が可能なものであればよく、具体的には、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板、溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板等を使用することができる。素材鋼板の厚さは、特に限定しないが、0.2〜1.6mmが成型加工の面からは好ましい。
【0055】
プライマー層Aの塗装前に形成する化成処理皮膜は、特に規定しないが、例えば、リン酸塩処理皮膜、クロメート処理皮膜、シリカ含有クロメート処理皮膜、各種金属酸化物からなるクロメートフリー系防錆剤と有機樹脂などの単独もしくは複合物からなる皮膜などを適用することができる。密着性に優れかつ外観均一性にも優れた皮膜を形成する観点からは、有機樹脂と、金属酸化物、リン酸系化合物およびクロム酸のうちの1種または2種以上とを含む薄膜を形成することが好ましい。この場合、有機樹脂としては、例えば、アクリル樹脂やウレタン樹脂を乳化剤で分散させた水分散性樹脂が適用である。
【0056】
上記化成処理皮膜の成分中のクロム酸は、めっき層との密着性を得るためのバインダーとして作用し、また、有機樹脂は、上層皮膜との密着性を高める作用を有する。なお、化成処理皮膜中のクロム量は、金属クロム換算で20mg/m以上が好ましい。
【0057】
また、金属酸化物からなるクロメートフリー系防錆剤としては、ケイ酸および/またはケイ酸化合物、カルシウムおよび/またはカルシウム化合物、ジルコン酸および/またはジルコン酸化合物、バナジン酸および/またはバナジン酸化合物、モリブデン酸化合物、リン酸および/またはリン酸系化合物のうちの1種以上を含むものが好ましく、この場合の付着量は0.3〜3g/mであることが好ましい。なお、この場合のバインダーとしては、例えば、水分散性のアクリル樹脂やウレタン樹脂等の樹脂を適用することができる。
【実施例1】
【0058】
厚さ0.5mmの溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板(めっき付着量:片側105g/m)の表面に、シリカ含有塗布型クロメート処理を付着量が金属クロム換算で40mg/mになるよう施した鋼板を素材とし、この鋼板の表面に、防錆顔料としてクロム酸ストロンチウムを約20mass%含有したメラミン硬化型ポリエステル樹脂塗料(プレカラープライマーFX−2(BASFコーティングスジャパン(株)製))を乾燥塗膜厚が5μmになるようにバーコータで塗布後、約230℃で60秒間焼き付けし、プライマー層Aを形成し、次いで、ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂が質量比で80:20のオルガノゾル系焼付型フッ素樹脂(プレカラーNo.8800(BASFコーティングスジャパン(株)製))に、着色顔料として酸化チタンと焼成ブラックを、表面調整用として焼成シリカを混合した塗料(b−1)を乾燥塗膜厚が21μmとなるようバーコータで塗布後、約240℃で60秒間焼き付けし、着色樹脂層Bを形成し、次いで、アクリル成分としてn−ブチルアクリレートとメチルメタクリレート、シリコン成分としてγ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランからなる質量平均分子量が約2万のアクリルシリコン樹脂塗料(c−1)を乾燥膜厚が1μmとなるようにバーコータで塗布後、約150℃で15秒間乾燥し、クリアー皮膜層Cを形成した。さらに、そのクリアー皮膜層Cの上に、アナターゼ型結晶質酸化チタンとして石原産業(株)製ST−21を固形分比で20mass%になるように、非晶質酸化チタン分散液(日本パーカライジング(株)製PTI−5600)に混合した薬液(d−1)を付着量がTiO換算で150mg/mとなるように霧化スプレーして塗布後、約180℃で20秒間乾燥し、島状のクリアー皮膜層D(被覆率:85%)を形成し、プレコート鋼板(表1のNo.1の鋼板)を得た。
【実施例2】
【0059】
実施例1で用いたのと同じ、溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき層の上にプライマー層Aを形成した鋼板の表面に、表1下欄に示した本発明に適合する塗料b−1、b−2およびb−3のいずれかを用いて着色塗膜層Bを形成し、次いで、同じく表1下欄に示した本発明に適合する塗料c−1またはc−2を用いてクリアー皮膜層Cを形成し、さらに、その上に、同じく表1下欄に示した本発明に適合する薬液d−1またはd−2を用いてクリアー皮膜層Dを形成して、表1のNo.2〜9に示した各種プレコート鋼板を得た。
【実施例3】
【0060】
実施例1で用いたのと同じ、溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき層の上にプライマー層Aを形成した鋼板の表面に、表1下欄に示した本発明に適合する塗料b−1またはb−3を用いて着色塗膜層Bを形成し、次いで、同じく表1下欄に示した本発明に適合する塗料c−1または本発明外の塗料c−3を用いてクリアー皮膜層Cを形成し、さらに、その上に、同じく表1下欄に示した本発明に適合する薬液d−1または本発明外の薬液d−3を用いてクリアー皮膜層Dを形成して、表1のNo.9〜15に示した各種プレコート鋼板を得た。
【0061】
【表1】

【0062】
上記実施例1〜3で得られた各種プレコート鋼板を下記の評価試験に供した。
(1)外観均一性
上記のようにして得たプレコート鋼板表面の外観を、目視で観察し、下記の基準で外観均一性を評価した。
○:干渉色やムラ等の発生がなく、外観良好であるもの
△:若干干渉色が認められるもの
×:干渉色やムラ等の発生が明らかに認められるもの
(2)曲げ加工性
温度が20℃の室内で、試験板と同じ板厚の鋼板を2枚挟んで180度の曲げ試験を行い、曲げ凸部の塗膜クラックの発生有無を目視観察し、下記の基準で曲げ加工性を評価した。
◎:クラックの発生が認められないもの
○:クラックの発生が僅かに認められるもの
△:クラックの発生が明らかに認められるもの
×:クラックの発生が著しいもの
(3)塗膜密着性
曲げ加工性と同じ180度の曲げ試験を行い、この曲げ凸部について、セロハンテープ(ニチバン製)を用いたテープ剥離試験を行い、塗膜の剥離面積を測定し、下記の基準で塗膜の密着性を評価した。
○:剥推率5%未満
△:剥離率5%以上30%未満
×:剥離率30%以上
【0063】
(4)耐候性〔促進耐候性試験〕
下記の条件で促進耐候性試験を行い、外観を目視観察し、下記の基準で耐候性を評価した。
<試験条件>
・サンシャインカーボンアーク灯の数:1灯(フィルターは用いない)
・電源電圧:単相交流180〜230V
・消灯−照射のサイクル:60分−60分
・照射時の条件;ブラックパネルの温度:63±3%、相対湿度:50±5%
・消灯時の条件;空気温度:30℃、相対湿度:98%以上、試験片裏面の冷却水の温度:約7℃(試験片表面への水の噴射は行わない)
・試験片表面が受ける放射照度:300〜700nmについて285±50W/m
・試験時間:1000時間
<評価基準>
◎:色調・光沢の変化はほとんど認められないもの
○:色調・光沢の変化が僅かに認められるもの
△:色調・光沢の変化が明らかに認められるもの
×:白亜化などの色調・光沢の変化が著しく認められるもの
【0064】
(5)美観耐久性
上記プレコート鋼板から200mm×300mmの寸法の試験片を採取し、
i)道路に隣接した建物の壁(地上約1mの高さ)、
ii)水田に隣接した小屋の壁(地上に接触)
の2箇所に、垂直の状態でそれぞれ6ヶ月間暴露し、暴露後の外観を目視観察し、下記の基準で美観耐久性を評価した。
○:表面に付着物がほとんどなく、初期の美観を維持しているもの
△:表面が軽度の付着物で覆われ、初期の美観がほぼ消失しているもの
×:洗浄しても除去できないレベルの付着物(藻類などの生物やカーボンなどの異物等)が存在し、初期の美観が消失しているもの
【0065】
上記評価試験の結果を表1に纏めて示した。
この結果から、実施例3で製造したクリアー皮膜層Cを形成しないNo.9の鋼板およびその皮膜厚が本発明の範囲より薄いNo.10の鋼板は、いずれも耐候性試験による外観変化大きく、また、クリアー皮膜層Dを形成しないNo.11の鋼板およびその皮膜層の被覆率が本発明の範囲より小さいNo.12の鋼板、また、光触媒活性のある酸化チタンを含有しないNo.14の鋼板、クリアー皮膜層Cにケイ素化合物を含まないNo.15の鋼板は、いずれも暴露試験後の美観が大きく低下している。また、クリアー皮膜層Dの被覆率が本発明の範囲より高いNo.13の鋼板は、干渉色の発生が認められ、外観の均一性に劣っている。これに対し、本発明の条件に適合するNo.1〜9の鋼板は、すべての項目において優れた特性が得られている。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、加工性、耐候性および長期間に亘る美観性等に優れるプレコート鋼板を提供するものであり、電気機器製品の外装材や建築用の内・外装材として好適であることは勿論、その他の抗菌性や消臭性等の光触媒機能が要求される用途にも好ましく適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜鉛系めっき鋼板の少なくとも片面に化成処理皮膜と、その上に形成された樹脂皮膜とを有するプレコート鋼板において、
上記樹脂皮膜は、防錆顔料を含有する熱硬化性樹脂からなるプライマー層Aと、
そのプライマー層Aの上に形成された着色樹脂層Bと、
その着色樹脂層Bの上に形成された、ケイ素化合物を主成分とし膜厚が0.2μm以上のクリアー皮膜層Cと、
さらにそのクリアー皮膜層Cの上に、光触媒活性を有する酸化チタン粒子を含んだ皮膜を面積率で40〜95%の島状に被覆したクリアー皮膜層Dを形成してなることを特徴とするプレコート鋼板。
【請求項2】
上記着色樹脂層Bは、ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂とが質量比で85:15〜50:50のオルガノゾル系焼付型フッ素樹脂を主成分とするものであることを特徴とする請求項1に記載のプレコート鋼板。
【請求項3】
上記クリアー皮膜層C中のケイ素化合物は、アクリルシリコン樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のプレコート鋼板。
【請求項4】
上記酸化チタン粒子は、アナターゼ型結晶質酸化チタンと非晶質酸化チタンとの混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレコート鋼板。

【公開番号】特開2009−131987(P2009−131987A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308460(P2007−308460)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000200323)JFE鋼板株式会社 (77)
【Fターム(参考)】