プレゼンテーション装置
【課題】レーザポインタ以外の機器を使用することなく、プレゼンテーションを行うことのできるプレゼンテーション装置を提供する。
【解決手段】プレゼンテーション装置1は、スクリーン4に投影する表示画像を制御するPC2と、レーザ光L1およびレーザ光L2を照射するレーザポインタ9と、スクリーン4を撮像するカメラ6とを備える。レーザポインタ9は、第一操作ボタン10a、第二操作ボタン10bおよび第三操作ボタン10cを備えている。レーザポインタ9から照射されるレーザ光L2の形状は、第一操作ボタン10a、第二操作ボタン10bおよび第三操作ボタン10cのうち押下されたボタンに応じて変化する。PC2は、カメラ6を通じてスクリーン4に照射されるレーザ光L2の形状を認識し、この認識したレーザ光L2の形状に基づいて表示画像を制御する。
【解決手段】プレゼンテーション装置1は、スクリーン4に投影する表示画像を制御するPC2と、レーザ光L1およびレーザ光L2を照射するレーザポインタ9と、スクリーン4を撮像するカメラ6とを備える。レーザポインタ9は、第一操作ボタン10a、第二操作ボタン10bおよび第三操作ボタン10cを備えている。レーザポインタ9から照射されるレーザ光L2の形状は、第一操作ボタン10a、第二操作ボタン10bおよび第三操作ボタン10cのうち押下されたボタンに応じて変化する。PC2は、カメラ6を通じてスクリーン4に照射されるレーザ光L2の形状を認識し、この認識したレーザ光L2の形状に基づいて表示画像を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を用いて行うプレゼンテーションを支援するプレゼンテーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータにて作成・記録した画像をスクリーンに投影したり、ディスプレイに表示しながら種々の事項を説明するプレゼンテーションが広く一般に行われている。
このようなプレゼンテーションでは、スクリーンに投影された画像もしくはディスプレイに表示された画像の任意の位置を指し示すために、可視光からなるレーザ光を使用する場合が多い。
【0003】
近年、このようなレーザ光を利用して、プレゼンテーションの実行中、スクリーンまたはディスプレイに、使用者の指示に従って画像を新たに表示する装置が開発されている。例えば、特許文献1には、スクリーンに投影された画像をカメラにて撮像し、この撮影した画像からレーザ光の照射位置を検出して、この位置と同等の位置に新たな画像を重ねて投影する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−325411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような装置を用いてプレゼンテーションを行う場合、使用者が誤って意図しない箇所に新たな画像を投影するよう指示を出してしまうことがある。この場合、使用者は、マウスやキーボード等といったレーザポインタ以外の機器を用いて、誤って投影させた新たな画像を消去しなければならなくなる。
また、ページ送りやページ戻しなどのコマンドを出力するときには、使用者はレーザポインタを用いて画像中の任意の位置を指し示しつつ、マウスやキーボード等といったレーザポインタ以外の機器を用いて画像の出力元にコマンドを出力する必要があった。
【0006】
このように、従来、プレゼンテーションを行う際、使用者はレーザポインタとともに、レーザポインタ以外の機器を使用する必要があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、プレゼンテーションを行う際、煩雑な作業を行うことなく表示面に表示される画像を制御することのできるプレゼンテーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一態様は、表示面に表示すべき表示画像を制御する制御手段と、前記表示面に指示画像を照射するレーザポインタと、前記表示面に表示される画像の形状を認識する画像認識手段とを備えるプレゼンテーション装置であって、前記レーザポインタは、複数の命令を受け付ける受け付け手段を備え、前記受け付け手段が受け付けた命令に応じて前記指示画像を異なる形状に変更するものであり、前記制御手段は、前記画像認識手段を通じて認識された前記指示画像の形状に基づいて前記表示画像を制御することを特徴としている。
【0009】
同構成によれば、レーザポインタから照射される指示画像の形状に基づいて表示画像が制御される。このため、使用者は、レーザポインタの操作を通じて、すなわちマウス等を用いることなく、表示面に表示される表示画像を制御することができる。したがって、使用者は、煩雑な作業を行うことなく表示面に表示される表示画像を制御することができるようになる。
【0010】
本発明の第二態様は、第一態様のプレゼンテーション装置であって、前記指示画像が、前記複数の命令のうち第一命令に対応していると前記画像認識手段を通じて認識されたときには、前記制御手段は、前記指示画像が示される位置に所定の画像を描画すべく、前記表示画像を制御することを特徴としている。
【0011】
同構成によれば、指示画像が照射される位置に所定の画像が描画されるため、使用者は、マウス等を用いることなく、レーザポインタを用いることで、表示面に所定の画像を描画することができるようになる。
【0012】
本発明の第三態様は、第一態様または第二態様のプレゼンテーション装置であって、前記画像認識手段から出力される画像情報をネットワーク経由で送信することを特徴としている。
【0013】
同構成によれば、レーザポインタの操作を通じて制御された画像を遠隔地に送信することができる。
【0014】
本発明の第四態様は、第一態様〜第三態様のいずれかのプレゼンテーション装置であって、前記指示画像は非可視光からなり、前記画像認識手段は、前記非可視光に基づいて前記指示画像を認識することを特徴としている。
【0015】
同構成によれば、指示画像は非可視光からなるため、指示画像を照射しても、表示画像の可視光からなる部分に変化は生じない。このため、指示画像が照射されることにより、表示画像が見えづらくなることを防止することができる。
【0016】
本発明の第五態様は、第一態様〜第四態様のいずれかのプレゼンテーション装置であって、前記指示画像が、前記複数の命令のうち第二命令に対応していると前記画像認識手段を通じて認識されたときには、前記表示画像を現在表示されている表示画像とは異なる表示画像に切り替えることを特徴としている。
【0017】
同構成によれば、使用者は、マウス等を用いることなく、レーザポインタを用いることで表示面に表示されている表示画像を異なる表示画像に切り替えることができるようになる。
【0018】
本発明の第六態様は、第一態様〜第五態様のいずれかのプレゼンテーション装置であって、前記指示画像が、前記複数の命令のうち第三命令に対応していると前記画像認識手段を通じて認識されたときには、前記制御手段は、前記指示画像が示される位置を含む所定範囲において前記表示画像を消去することを特徴としている。
【0019】
同構成によれば、使用者は、マウス等を用いることなく、レーザポイントを用いることで、表示画像を消去することができる。
【0020】
また、本発明は、スクリーンに投影すべき投影画像を制御する制御手段と、前記制御手段から出力される前記投影画像の画像情報に基づいて前記投影画像を前記スクリーンに投影する投影手段と、前記スクリーンに指示画像を照射するレーザポインタと、前記スクリーンの画像を認識する画像認識手段とを備えるプレゼンテーション装置であって、前記レーザポインタは、複数の命令を受け付ける受け付け手段を備え、前記受け付け手段が受け付けた命令に応じて前記指示画像を異なる形状に変更するものであり、前記制御手段は、前記画像認識手段を通じて認識された前記指示画像の形状に基づいて前記投影画像を制御することを特徴としてもよい。
【0021】
また、第一態様〜第五態様のいずれかのプレゼンテーション装置であって、前記画像認識手段を通じて前記指示画像を認識した後、前記指示画像を含む所定範囲について、前記指示画像の認識を禁止することを特徴とするプレゼンテーション装置とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、プレゼンテーションを行う際、煩雑な作業を行うことなく表示面に表示される画像を制御することのできるプレゼンテーション装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態にかかるプレゼンテーション装置の概略構成図。
【図2】(a)は、本実施形態にかかるレーザポインタの外観構造を示す上面側模式図、(b)は、本実施形態にかかるレーザポインタの内部構造を示す断面模式図、(c)〜(e)は、本実施形態にかかるレーザポインタから照射されるレーザ光L2の形状を示す模式図。
【図3】本実施形態にかかるパーソナルコンピュータの電気的構成の概略構成を示すブロック図。
【図4】本実施形態にかかるキャリブレーション処理の処理手順を示すフローチャート。
【図5】(a)は、本実施形態にかかるキャリブレーション処理において、スライドイメージ画像に表示される画像の模式図、(b)は、本実施形態にかかるキャリブレーション処理において、スクリーンに表示される画像の模式図。
【図6】本実施形態にかかる表示処理の処理手順を示すフローチャート。
【図7】本実施形態にかかる撮像画像のスキャン方法を示す模式図。
【図8】(a)は、描画モードが選択された場合にスクリーンに照射されるレーザ光L2の形状、(b)は、コマンドモードが選択された場合にスクリーンに照射されるレーザ光L2の形状、(c)は、イレースモードが選択された場合にスクリーンに照射されるレーザ光L2の形状を示す模式図。
【図9】描画モードが選択された場合にスクリーンに投影する画像の画像処理手順を示すフローチャート。
【図10】コマンドモードが選択された場合にスクリーンに投影する画像の画像処理手順を示すフローチャート。
【図11】イレースモードが選択された場合にスクリーンに投影する画像の画像処理手順を示すフローチャート。
【図12】本実施形態にかかるプレゼンテーション装置の使用状態を示す模式図。
【図13】他の実施形態にかかるプレゼンテーション装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。
まず、図1を参照しながら、本発明の実施形態にかかるプレゼンテーション装置1について説明する。図1は、本発明の実施形態にかかるプレゼンテーション装置1の概略構成を示す。
【0025】
同図1に示されるように、プレゼンテーション装置1は、カメラ6(本発明の「画像認識手段」に相当)と、このカメラ6およびネットワークに接続されたPC(パーソナルコンピュータ、本発明の「制御手段」および「画像認識手段」に相当)2と、PC2に接続されたプロジェクタ3と、プロジェクタ3から照射された画像が投影されるスクリーン4と、レーザポインタ9とを備えている。このプレゼンテーション装置1では、PC2に記憶されている画像を使用者7の操作に応じてスクリーン4(本発明の「表示面」に相当)に投影表示する。なお、本発明において、画像認識手段は「カメラ6」と「PC2」とを用いて構成される。
【0026】
なお、カメラ6とPC2との接続方法、およびPC2とプロジェクタ3との接続方法は、特に限定されるものではなく、例えば、有線方式や無線方式のネットワークを介して接続されていてもよい。また、PC2の代わりに他の情報端末装置を用いてもよい。
【0027】
カメラ6は、スクリーン4の正面前方の所定の位置に配設され、スクリーン4に投影される画像(以下、「表示画像」とする)を含むスクリーン4全体を正面から一定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で撮像する。ここで、カメラ6による撮像範囲は、表示画像が十分収まる範囲とすればよく、表示画像の範囲に必ずしも合わせる必要はない。
カメラ6が撮像した画像の画像情報は、PC2に出力される。
【0028】
PC2は、プレゼンテーションの際、スクリーン4に投影するために予め作成された画像(以下、「スライドイメージ画像」とする)を記憶している。なお、このスライドイメージ画像は、文字情報や画像情報等が入力された単一または複数のスライド画像から形成される。
PC2は、スライドイメージ画像の画像情報G3およびカメラ6から出力される画像(以下、「撮像画像」とする)の画像情報G2に基づいて、スクリーン4に投影する表示画像を作成し、この表示画像の画像情報G1をプロジェクタ3に出力する。プロジェクタ3は、表示画像の画像情報G1に基づいて生成される画像をスクリーン4に投影する。
【0029】
また、このPC2は、インターネットなどのネットワークに接続することも可能であるため、撮像画像の画像情報G2をネットワークを介して遠隔地にある他のPCに送信してもよい。
次に、図2(a)および(b)を参照しながらレーザポインタ9の概略構成について説明する。図2(a)には、レーザポインタ9の上面側の外観構造を、(b)には、レーザポインタ9の内部構造を示す。
【0030】
同図2(a)および(b)に示されるように、レーザポインタ9には、第一発光スイッチ9a、第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9d(本発明の「受け付け手段」に相当)、およびこれらスイッチ9a〜9dのオンオフを制御するための第一操作ボタン10a、第二操作ボタン10bおよび第三操作ボタン10c(本発明の「受け付け手段」に相当)が設けられている。使用者7は、第一操作ボタン10a、第二操作ボタン10bおよび第三操作ボタン10cのうち、いずれか一つを選択して押下することができる。
【0031】
また、同図2(b)に示されるように、レーザポインタ9は、赤色のレーザ光L1を照射する第一光源15および赤外色のレーザ光L2を照射する第二光源16を備えている。また、レーザポインタ9には、第一光源15から照射されるレーザ光L1が通過する第一スリット18および第二光源16から照射されるレーザ光L2が通過する第二スリット19が形成されている。
【0032】
また、第二光源16と第二スリット19との間には、レンズやスリット等(図示せず)から構成されるレーザ光形状変更部17が設けられている。第二光源16から照射されたレーザ光L2は、このレーザ光形状変更部17、第二スリット19の順に通過して、レーザポインタ9の外部に照射される。
【0033】
第一操作ボタン10aは、第一発光スイッチ9aおよび第二発光スイッチ9bのオンオフを制御するものであり、第一発光スイッチ9aおよび第二発光スイッチ9bがオフであるときに第一操作ボタン10aが押下されると、第一発光スイッチ9aがオンとなる。この状態で第一操作ボタン10aが再度押下されると、第一発光スイッチ9aに加えて第二発光スイッチ9bがオンとなる。そして、再度、第一操作ボタン10aが押下されると、第一発光スイッチ9aおよび第二発光スイッチ9bのいずれもオフとなる。
同様に、第二操作ボタン10bは第三発光スイッチ9cのオンオフを制御し、第三操作ボタン10cは第四発光スイッチ9dのオンオフを制御する。
【0034】
第一発光スイッチ9aは、第一光源15のオンオフを制御する。第一発光スイッチ9aがオンとなると、第一光源15から赤色のレーザ光L1が照射される。使用者7は、このレーザ光L1を用いて、スクリーン4の任意の位置を指示する。
【0035】
第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dは、第二光源16のオンオフを制御する。第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dのうちいずれかのスイッチがオンとなると、第二光源16から赤外色のレーザ光L2が照射される。
【0036】
上述したように、本実施形態では、使用者7は第一操作ボタン10a、第二操作ボタン10bおよび第三操作ボタン10cのうちいずれかひとつだけを押下することができる。このため、第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dは、複数がオンとなることはなく、いずれかひとつだけがオンとなり得る。
【0037】
第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dのうち、いずれのスイッチがオンとなったかによって、レーザ光形状変更部17を構成するレンズおよびスリット(図示せず)の配設位置は異なるものとなる。このレーザ光形状変更部17を構成するレンズおよびスリットの配設位置に違いに応じて、第二光源16から照射されるレーザ光L2の形状は異なるものとなる。
【0038】
第二発光スイッチ9bがオンとなると、同図2(c)に示されるように、点形状のレーザ光L2(本発明の「指示画像」に相当)が照射される。一方、第三発光スイッチ9cがオンとなると、同図2(d)に示されるように、線形状のレーザ光L2(本発明の「指示画像」に相当)が照射される。また一方、第四発光スイッチ9dがオンとなると、同図2(e)に示されるように、円形状のレーザ光L2(本発明の「指示画像」に相当)が照射される。
【0039】
次に、図3を参照しながらPC2の詳細な構成について説明する。
PC2は、メインコントローラ(CPU)によって回路各部の動作が制御されるもので、その制御プログラムはメモリのROMに予め記憶されている。このPC2は、撮像画像の画像情報G2が入力される画像処理部11、CPUの動作中に各種の画像情報が一時的に記憶される描画メモリ12、および上述したスライドイメージメモリ13を備えている。
【0040】
画像処理部11には、第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dのうち、いずれのスイッチがオンとなっているかを検出するモード検出部14が含まれている。
また、スライドイメージメモリ13には、予め作成されたスライドイメージ画像、および文字や画像等に関する情報が入力されていないブランクのスライドイメージ画像が記憶されている。
【0041】
カメラ6から出力される撮像画像の画像情報G2は、まず、画像処理部11に入力される。画像処理部11に入力された画像情報G2は、モード検出部14に出力される。PC2がネットワークに接続されている場合は、画像情報G2を当該ネットワークを介して遠隔地にある他のPCに送信するようにしてもよい。
【0042】
画像処理部11は、モード検出部14に出力された撮像画像の画像情報G2に基づいて、使用者7がいずれのモードを選択しているか判断する。画像処理部11は、選択されているモードに応じて、撮像画像の画像情報G2に所定の処理を施すか、もしくはスライドイメージメモリ13に所定のコマンドを出力するかを選択する。なお、本実施形態において「所定のコマンド」とは、スクリーン4に投影するスライドイメージ画像が次のスライドイメージ画像となるようにページ送りをするコマンドを示す。
【0043】
撮像画像の画像情報G2に所定の処理を施した場合、画像処理部11は、この処理を施した撮像画像の画像情報G2を描画メモリ12に一時的に保存する(図3の矢印A)。描画メモリ12に書き込まれた撮像画像の画像情報G2は、スライドイメージメモリ13に記憶されているスライドイメージ画像の画像情報G3に重畳される。この重畳された画像情報から、表示画像の画像情報G1が生成され、この画像情報G1はプロジェクタ3に出力される。
【0044】
一方、スライドイメージメモリ13に所定のコマンドを出力する場合は、次のスライドイメージ画像に関する画像情報を表示画像の画像情報G1として読み出す旨、スライドイメージメモリ13に出力する(図3の矢印B)。この表示画像の画像情報G1は、プロジェクタ3に出力され、プロジェクタ3からスクリーン4に投影される。
【0045】
ところで、撮像画像には、スクリーン4に投影表示される表示画像に加えて、スクリーン4の背景の画像が含まれることがある。また、カメラ6やプロジェクタ3がスクリーン4に対して傾斜して配設される等、カメラ6にて撮像される撮像画像に歪みが生じることもある。
【0046】
そこで、本実施形態では、プレゼンテーション装置1の電源が入れられる度にキャリブレーション処理を実行するようにしている。以下、このキャリブレーション処理について、図4および図5を参照しながら説明する。なお、本実施形態では横軸方向をX軸方向として、縦軸方向をY軸方向とする。
【0047】
キャリブレーション処理が開始されると、まず、図5(a)に示されるように、スライドイメージメモリ13に記憶されるブランクのスライドイメージ画像の左端(SX=「SX0」の位置)に、n個の点を縦方向に並べて表示する(ステップS100)。このようにn個の点が並べて表示されたブランクのスライドイメージ画像は、図5(b)に示されるようにプロジェクタ3を通じてスクリーン4に投影される。
【0048】
次に、描画メモリ12をスキャンする(ステップS101)。すなわち、カメラ6にて撮像され、描画メモリ12に出力された撮像画像の画像情報G2を描画メモリ12から読み出し、この撮像画像をスキャンする。
【0049】
そして、ステップS100にて表示したn個の点を検出したか否か判断する(ステップS102)。n個の点を検出したと判断する場合(ステップS102:YES)、次に検出した各点のスライドイメージ画像上の座標(SX0,SYn)(n=0,1,2,3・・・n)と、撮像画像上の座標(X0,Yn)(n=0,1,2,3・・・n)をそれぞれ記憶する(ステップS103)。
【0050】
そして、スライドイメージ画像に表示しているn個の点を所定幅だけ右に移動する(ステップS104)。すなわち、図5(a)に示されるように、ブランクのスライドイメージ画像の所定の位置(SX=「SX1」の位置)に、n個の点を縦方向に並べて表示する。
このようにn個の点を右に移動した後、またはスクリーン4に表示されたn個の点のうち、検出していない点があると判断する場合(ステップS102:NO)、次に1画面についての処理が終了したか、すなわち表示したn個の点のスライドイメージ画像上の移動が終了してn個の点がスライドイメージ画像の右端(SX=「SXn」の位置)にあるか否かを判断する(ステップS105)。
【0051】
1画面についての処理が終了していないと判断する場合(ステップS105:NO)、ステップS101以降の処理を再度実行する。
一方、1画面についての処理が終了していると判断する場合(ステップS105:YES)、検出した各点の座標(SXn,SYn)(n=0,1,2,3・・・n)および(Xn,Yn)(n=0,1,2,3・・・n)に基づいて公知の手法により座標変換を実行し(ステップS106)、この処理を一旦終了する。
このような処理を通じて、撮像画像中の表示画像の座標系をスライドイメージ画像の座標系に対応付けることができるようになる。
【0052】
次に、図6および図7を参照しながら、使用者7がいずれのモードを選択しているかを判断し、選択されているモードに応じてスクリーン4に表示する表示画像を制御する表示処理について説明する。
【0053】
まず、PC2は、カメラ6から出力された撮像画像の各画素値を順次スキャンしていく。本実施形態では、同図7に示されるように、まず左上端部から右上端部に向かってスキャンし(図7に(1)の矢印で示す方向)、次に(1)の矢印で示す位置から所定幅だけ下方の位置を左端から右端に向かってスキャンする(図7に(2)の矢印で示す方向)。このように、下端に至るまで順次スキャンを繰り返す。
【0054】
次に、図6に示されるように、PC2は、スキャンしている領域がスキャン領域であるか否かを判断する(ステップS200)。スキャン領域とは、撮像画像において、上述したキャリブレーション処理を通じて抽出された表示画像に相当する領域であって、スキャンすべき領域を示す。
【0055】
スキャンしている領域がスキャン領域であると判断した場合(ステップS200:YES)、次にホットスポットPoを検出したか否かを判断する(ステップS201)。ホットスポットPoとは、レーザポインタ9から照射されるレーザ光L2のスクリーン4上の光点のことを示す。PC2は、所定値以上の画素値を有する赤外色の点を検出したことをもって、ホットスポットPoを検出したと判断する。
【0056】
ホットスポットPoを検出したと判断した場合(ステップS201:YES)、次にいずれのモードが選択されているかを判断するモード判断処理を実行する(ステップS202)。なお、モード判断処理は、モード検出部14にて実行される。
【0057】
ここで、図8(a)〜(c)を参照しながら、モード判断処理について説明する。
上述したとおり、レーザポインタ9から照射されるレーザ光L2の形状は、オンとなった発光スイッチに応じて異なる。図8(a)には第二発光スイッチ9bがオンとなった場合にスクリーン4に照射されるレーザ光L2の形状、図8(b)には第三発光スイッチ9cがオンとなった場合にスクリーン4に照射されるレーザ光L2の形状、図8(c)には第四発光スイッチ9dがオンとなった場合にスクリーン4に照射されるレーザ光L2の形状をそれぞれ示す。PC2は、レーザ光L2の形状が上記図8(a)〜(c)のいずれの形状であるかを判断し、その形状に応じていずれのモードが選択されているかを判断する。
【0058】
図8(a)〜(c)に矢印にて示すように、モード検出部14は、ホットスポットPoを検出すると、このホットスポットPoから所定距離r1にある範囲をスキャンする。そして、所定値以上の画素値を有する点がいくつ検出されたかに応じて、第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dのうち、いずれのスイッチがオンとなっているかを判断する。以下、詳細に説明する。
【0059】
ホットスポットPoから所定距離r1にある範囲に所定値以上の画素値を有する点が検出されない場合、図8(a)に示されるように、点形状のレーザ光L2がスクリーン4に照射されていると考えられる。この場合、モード検出部14は第二発光スイッチ9bがオンである、すなわち第一操作ボタン10aが押下されていると判断し、画像処理部11は描画モードに移行する(ステップS203)。
【0060】
一方、ホットスポットPoから所定距離r1の範囲に所定値以上の画素値を有する点が1点検出された場合、同図8(b)に示されるように、直線形状のレーザ光L2がスクリーン4に照射されていると考えられる。この場合、モード検出部14は第三発光スイッチ9cがオンである、すなわち第二操作ボタン10bが押下されていると判断し、画像処理部11はコマンドモードに移行する(ステップS204)。また、所定値以上の画素値を有する赤外色の点P1の座標(X1,Y1)を記憶する。
【0061】
また一方、ホットスポットPoから所定距離r1にある範囲に所定値以上の画素値を有する点が2点検出された場合、同図8(c)に示されるように、ホットスポットPoを通過する円形状のレーザ光L2がスクリーン4に照射されていると考えられる。この場合、モード検出部14は第四発光スイッチ9dがオンである、すなわち第三操作ボタン10cが押下されていると判断し、画像検出部11はイレースモードに移行する(ステップS205)。また、所定値以上の画素値を有する赤外色の点P1の座標(X1,Y1)、および点P2の座標(X2,Y2)を記憶する。
【0062】
このように、モード検出部14は、第一操作ボタン10a、第二操作ボタン10bおよび第三操作ボタン10cのうちのいずれが押下されているのか判断し、描画モード、コマンドモードもしくはイレースモードのうちのいずれかのモードに移行する。
【0063】
描画モードに移行した場合の処理について、図9を参照しながら説明する。
同図9に示されるように、この処理が開始されると、まず、ホットスポットPoの座標(X0,Y0)を検出する(ステップS301)。
【0064】
次に、このホットスポットPoの座標(X0,Y0)の画素値を規定値C以上の値にする(ステップS302)。なお、規定値Cは200以上が好ましい。本実施形態では最大値(255)となるようにしている。そして、座標(X0,Y0)の画素値が最大値(255)となった撮像画像の画像情報G2を描画メモリ12に出力する。
このように、ホットスポットPoの座標(X0,Y0)の画素値を最大値(255)とすることで、使用者7がレーザポインタ9で示した点が最大の画素値でスクリーン4に表示されることとなる。
【0065】
一方、モード判断処理(ステップS202)を通じて、コマンドモードが選択されていると判断した場合、画像処理部11はコマンドモードに移行する(ステップS204)。
【0066】
次に、コマンドモードに移行した場合の処理について、図10を参照しながら説明する。
同図10に示されるように、この処理が開始されると、点P1の座標(X1,Y1)をコマンド選択用座標として記憶する(ステップS401)。
【0067】
そして、点P1の座標(X1,Y1)が所定領域にあるか否かを判断する(ステップS402)。ここで、所定領域とは、例えば、スクリーン4の右下端に設定される領域である。この所定領域は、予め設定されていてもよいし、コマンドモードに移行したことをもって設定されるようにしてもよい。また、この所定領域は、使用者7が視認することができるように画素値を高い値に設定することが望ましい。
【0068】
P1の座標(X1,Y1)が所定領域にあると判断した場合(ステップS402:YES)、すなわち、使用者7が所定領域にレーザ光L2を照射していると判断した場合、コマンドを実行する(ステップS403)。本実施形態では、ページ送りをするようにスライドイメージメモリ13にコマンドを出力する。
【0069】
一方、座標(X1,Y1)が所定領域にないと判断した場合(ステップS402:NO)、この処理を一旦終了する。
本実施形態によれば、使用者7は、コマンドモードを選択するとともに、レーザ光L2を所定領域に向けて照射することで、マウス等を使用することなくページ送りを実行することができるようになる。
【0070】
また一方、モード判断処理(ステップS202)を通じて、イレースモードが選択されていると判断した場合、画像処理部11はイレースモードに移行する(ステップS205)。
次に、イレースモードに移行した場合の処理について、図8(c)および図11を参照しながら説明する。
【0071】
上述したように、モード判断処理を実行し、所定値以上の画素値を有する赤外色の点が2つ検出された場合、画像処理部11はイレースモードに移行する。
図11に示されるように、この処理が開始されると、まず所定値以上の画素値を有する赤外色の点P1および点P2(図8(c)参照)の座標を記憶する。そして、点P1と点P2とを結ぶ仮想線上において点P1および点P2から等しい距離にある中点Pcの座標(Xc,Yc)を記憶する(ステップS501)。
【0072】
次に、中点Pcの座標(Xc,Yc)を含むX軸方向に20ピクセル、Y軸方向に20ピクセルの範囲の画素値を最小値(0)とする(ステップS502)。なお、このように画素値を最小値(0)とする範囲は上記X軸方向に20ピクセル、Y軸方向に20ピクセルの範囲が好ましく、X軸方向に10ピクセル、Y軸方向に10ピクセルの範囲がより好ましい。そして、この撮像画像の画像情報G2を描画メモリ12に出力する。これにより、使用者7は、座標(Xc,Yc)を含むX軸方向に20ピクセル、Y軸方向に20ピクセルの範囲における画像を消去することができる。
【0073】
ところで、本実施形態では、撮像画像の全範囲をスキャンするようにしている。このため、撮像画像をスキャンしてホットスポットPoを検出した場合(ステップS201:YES)であっても、当該ホットスポットPoを形成するレーザ光L2の他の部分を、異なるホットスポットPoとして再度検出するおそれがある。この場合は、使用者7が意図していないにも関わらず、描画モードまたはコマンドモードまたはイレースモードのいずれかに再度移行してしまう。そこで、本実施形態では、ホットスポットPoを検出した場合は、図7に示されるように、当該ホットスポットPoを含む所定の領域を非スキャン領域として設定するようにしている(ステップS206)。
【0074】
すなわち、描画モード(ステップS203)、コマンドモード(ステップS204)およびイレースモード(ステップS205)のいずれかに移行した後、次に、図7に示されるように、当該ホットスポットPoを含む所定の領域を非スキャン領域として設定する(ステップS206)。なお、この非スキャン領域の好ましい設定範囲は、ホットスポットPoを含むX軸方向に10ピクセル、Y軸方向に10ピクセルの範囲であり、より好ましくはX軸方向に5ピクセル、Y軸方向に5ピクセルの範囲である。このように非スキャン領域を設定することにより、当該ホットスポットPoの周囲はスキャンされないこととなる。
【0075】
このように、ホットスポットPoを含む所定の領域を非スキャン領域として設定した(ステップS206)後、またはスキャン領域にないと判断する場合(ステップS200:NO)、またはホットスポットPoを検出していないと判断する場合(ステップS201:NO)、PC2は、スキャン領域のスキャンが終了したか否かを判断する(ステップS207)。
【0076】
スキャン領域のスキャンが終了したと判断する場合(ステップS207:YES)、この処理を一旦終了する。
一方、スキャン領域のスキャンが終了していないと判断する場合(ステップS207:NO)、ステップS200以降の処理を再度実行する。
【0077】
上述したプレゼンテーション装置1によれば、使用者7はマウス等を用いることなく、レーザポインタ9の操作のみを通じて、スクリーン4に任意の画像を描画したり、ページ送りをする等、スクリーン4に投影される画像を制御することができる。
【0078】
次に、図12を参照しながら、A会場およびB会場(遠隔地)のいずれにも本実施形態にかかるプレゼンテーション装置1が配設されている状況のもと、A会場にてプレゼンテーションが行われ、B会場にネットワークを通じてその内容が送信される場合について説明する。
【0079】
同図12に示されるように、A会場で撮像された撮像画像の画像情報G2はB会場のPCに送信されるため、A会場で使用者7がレーザポインタ9を用いて画像Aおよび画像Bを描いた場合、B会場のスクリーン4にも、A会場で撮像された撮像画像の画像情報G2に基づいて画像Aおよび画像Bが表示される。また、B会場で使用者7がレーザポインタ9を用いて画像Cを描いた場合も同様に、B会場で撮像された撮像画像の画像情報G2がA会場に送信されるため、A会場のスクリーン4に画像Cが表示される。
【0080】
また、特に図示はしないが、A会場において使用者7がコマンドモードを選択してA会場のスクリーン4に投影される画像についてページ送りのコマンドを出力した場合、B会場のスクリーン4に投影される画像についても、ページ送りが実行される。また同様に、A会場において使用者7がイレースモードを選択してA会場のスクリーン4に投影される画像の一部を消去した場合、B会場のスクリーン4に投影される画像においても、A会場のスクリーン4にて消去された位置と同等の位置の画像が消去される。
【0081】
上記実施形態によれば、以下に説明する作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、レーザポインタ9から照射されるレーザ光L2の形状に基づいて、いずれのモードが選択されているかを判断し、選択されたモードに応じて表示画像を変更するようにしている。このため、使用者7は、マウス等を用いることなく、レーザポインタ9の操作を通じて、スクリーン4に投影される画像を制御することができるようになる。
【0082】
(2)また、描画モードが選択されている場合、レーザポインタ9から照射されるレーザ光L2が示す位置の画素値を最大にするようにしている。このため、使用者7は、マウス等を用いることなく、スクリーン4上に、最大の画素値からなる画像を残すことができるようになる。
【0083】
(3)また、PC2がネットワークに接続されているため、レーザポインタ9の操作を通じて変更された表示画像の画像情報G1を遠隔地に送信することができる。
【0084】
(4)また、レーザ光L2は非可視光である赤外光からなるため、レーザ光L2を照射してもスクリーン4に表示される可視光からなる画像は変化しない。このため、表示画像が見えづらくなることを防止することができる。
【0085】
(5)また、撮像画像の全体をスキャンするようにしているため、複数のレーザポインタ9を用いてプレゼンテーションを実行する場合であっても、それぞれのレーザポインタ9から出力される命令を受け付けることができる。
【0086】
(その他の実施形態)
なお、この発明にかかるプレゼンテーション装置1は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0087】
(a)上記実施形態では、プロジェクタ3およびスクリーン4を備えるプレゼンテーション装置1について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、図13に示されるように、プロジェクタ3とスクリーン4に代えて、ディスプレイ20を備えるようにしてもよい。本変形例では、PC2をディスプレイ20に接続して、ディスプレイ20にプレゼンテーション画像を表示する。そして、ディスプレイ20を撮像することができる位置にカメラ6を配設し、カメラ6にて撮像される撮像画像の画像情報G2をPC2に出力するようにする。本変形例においても、上記作用効果に準じた作用効果を奏することができるようになる。
【0088】
(b)上記実施形態では、PC2の画像情報を遠隔地にあるPCに送信するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、PC2が遠隔地にあるPCから画像情報を受信し、スクリーン4に当該画像情報に基づいて生成される画像を表示するようにしてもよい。
【0089】
(c)表示画像に関する画像情報G1を複数のレイヤーを用いて生成するようにしてもよい。本変形例においては、描画モードに移行した際、画像処理部11は、レーザ光L2が照射される点について、スライドイメージ画像の画像情報G3が入力されているレイヤーとは異なるレイヤーの画素値を最大値になるようにすることが好ましい。本変形例によれば、スライドイメージ画像の画像情報G3に変更が加えられないため、使用者7が誤って意図しない変更をスライドイメージ画像に加えてしまうことを抑制することができるようになる。
【0090】
(d)上記(c)において、イレースモードが選択された場合、画像処理部11は、スライドイメージ画像の画像情報G3が入力されているレイヤーとは異なるレイヤーであって、描画モードが選択された際に変更が加えられたレイヤーの画素値のみを「0」とするようにしてもよい。本変形例によれば、スライドイメージ画像が入力されているレイヤーの画素値が「0」となることが抑制される。このため、イレースモードが選択された場合であっても、プレゼンテーションの実行中にスライドイメージ画像そのものに変更が加えられることを抑制することができる。
【0091】
(e)上記実施形態では、1台のレーザポインタ9を使用する場合について説明したが、使用するレーザポインタ9の台数はこれに限られるものではなく、複数のレーザポインタ9を使用することもできる。
【0092】
(f)上記(e)において、特定のレーザポインタ9から照射されるレーザ光L2を他のレーザポインタ9から照射されるレーザ光L2よりも大きくし、最も大きいレーザ光L2の形状のみをPC2が認識するようにしてもよい。本変形例によれば、特定の使用者7の意図を画像に反映する一方、当該特定の使用者7が意図しないコマンド等を他の使用者7が出力することを抑制することができる。
【0093】
(g)上記実施形態では、PC2をネットワークに接続するようにしていたが、このネットワークとしては、インターネットのみならず、イントラネットなど、種々のネットワークを採用することができる。
【0094】
(h)コマンドモードが選択されているときに、複数の所定領域をスクリーン4に表示するようにしてもよい。この際、レーザ光L2が検出された所定領域毎に異なるコマンドを実行するようにしてもよい。例えば、特定の所定領域にレーザ光L2が検出されたときには、ページ送りを実行し、他の所定領域にレーザ光L2が検出されたときにはページ戻りを実行するようにしてもよい。またさらに、他の所定領域にレーザ光L2が検出されたときにはプレゼンテーションを終了するようにしたり、他の所定領域にレーザ光L2が検出されたときには最初のページに戻るようにすることもできる。
【0095】
(i)上記実施形態では、撮像画像の全体をスキャンするようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、ホットスポットPoを検出したことをもってスキャンを終了するようにしてもよい。
【0096】
(j)上記実施形態では、撮像画像の画像情報G2を遠隔地にある他のPCに送信するようにしたが、他のPCに送信する画像情報は撮像画像の画像情報G2に限られるものではなく、撮像画像およびスライドイメージ画像に基づいて生成される表示画像の画像情報G1を他のPCに送信するようにしてもよい。
【0097】
(K)上記実施形態では、赤外色からなるレーザ光L2を用いるようにしたが、本発明のレーザ光L2は可視光でなければよく、紫外線からなるようにしてもよい。
【0098】
(L)上記実施形態では、第一発光スイッチ9a、第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dを備えるレーザポインタ9について説明したが、本発明のレーザポインタ9はこれに限られるものではなく、上述した発光スイッチ9a〜9dのうちのいずれかを備えるものであってもよい。
【0099】
(M)上記実施形態では、撮像画像の画像情報G2を遠隔地のPCに送信するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、表示画像の画像情報G1を遠隔地のPCに送信してもよい。
【符号の説明】
【0100】
1…プレゼンテーション装置
2…PC
3…プロジェクタ
4…スクリーン
6…カメラ
7…使用者
9…レーザポインタ
9a…第一発光スイッチ
9b…第二発光スイッチ
9c…第三発光スイッチ
9d…第四発光スイッチ
10a…第一操作ボタン
10b…第二操作ボタン
10c…第三操作ボタン
11…画像処理部
12…描画メモリ
13…スライドイメージメモリ
14…モード検出部
15…第一光源
16…第二光源
17…レーザ光形状変更部
18…第一スリット
19…第二スリット
20…ディスプレイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を用いて行うプレゼンテーションを支援するプレゼンテーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータにて作成・記録した画像をスクリーンに投影したり、ディスプレイに表示しながら種々の事項を説明するプレゼンテーションが広く一般に行われている。
このようなプレゼンテーションでは、スクリーンに投影された画像もしくはディスプレイに表示された画像の任意の位置を指し示すために、可視光からなるレーザ光を使用する場合が多い。
【0003】
近年、このようなレーザ光を利用して、プレゼンテーションの実行中、スクリーンまたはディスプレイに、使用者の指示に従って画像を新たに表示する装置が開発されている。例えば、特許文献1には、スクリーンに投影された画像をカメラにて撮像し、この撮影した画像からレーザ光の照射位置を検出して、この位置と同等の位置に新たな画像を重ねて投影する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−325411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような装置を用いてプレゼンテーションを行う場合、使用者が誤って意図しない箇所に新たな画像を投影するよう指示を出してしまうことがある。この場合、使用者は、マウスやキーボード等といったレーザポインタ以外の機器を用いて、誤って投影させた新たな画像を消去しなければならなくなる。
また、ページ送りやページ戻しなどのコマンドを出力するときには、使用者はレーザポインタを用いて画像中の任意の位置を指し示しつつ、マウスやキーボード等といったレーザポインタ以外の機器を用いて画像の出力元にコマンドを出力する必要があった。
【0006】
このように、従来、プレゼンテーションを行う際、使用者はレーザポインタとともに、レーザポインタ以外の機器を使用する必要があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、プレゼンテーションを行う際、煩雑な作業を行うことなく表示面に表示される画像を制御することのできるプレゼンテーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一態様は、表示面に表示すべき表示画像を制御する制御手段と、前記表示面に指示画像を照射するレーザポインタと、前記表示面に表示される画像の形状を認識する画像認識手段とを備えるプレゼンテーション装置であって、前記レーザポインタは、複数の命令を受け付ける受け付け手段を備え、前記受け付け手段が受け付けた命令に応じて前記指示画像を異なる形状に変更するものであり、前記制御手段は、前記画像認識手段を通じて認識された前記指示画像の形状に基づいて前記表示画像を制御することを特徴としている。
【0009】
同構成によれば、レーザポインタから照射される指示画像の形状に基づいて表示画像が制御される。このため、使用者は、レーザポインタの操作を通じて、すなわちマウス等を用いることなく、表示面に表示される表示画像を制御することができる。したがって、使用者は、煩雑な作業を行うことなく表示面に表示される表示画像を制御することができるようになる。
【0010】
本発明の第二態様は、第一態様のプレゼンテーション装置であって、前記指示画像が、前記複数の命令のうち第一命令に対応していると前記画像認識手段を通じて認識されたときには、前記制御手段は、前記指示画像が示される位置に所定の画像を描画すべく、前記表示画像を制御することを特徴としている。
【0011】
同構成によれば、指示画像が照射される位置に所定の画像が描画されるため、使用者は、マウス等を用いることなく、レーザポインタを用いることで、表示面に所定の画像を描画することができるようになる。
【0012】
本発明の第三態様は、第一態様または第二態様のプレゼンテーション装置であって、前記画像認識手段から出力される画像情報をネットワーク経由で送信することを特徴としている。
【0013】
同構成によれば、レーザポインタの操作を通じて制御された画像を遠隔地に送信することができる。
【0014】
本発明の第四態様は、第一態様〜第三態様のいずれかのプレゼンテーション装置であって、前記指示画像は非可視光からなり、前記画像認識手段は、前記非可視光に基づいて前記指示画像を認識することを特徴としている。
【0015】
同構成によれば、指示画像は非可視光からなるため、指示画像を照射しても、表示画像の可視光からなる部分に変化は生じない。このため、指示画像が照射されることにより、表示画像が見えづらくなることを防止することができる。
【0016】
本発明の第五態様は、第一態様〜第四態様のいずれかのプレゼンテーション装置であって、前記指示画像が、前記複数の命令のうち第二命令に対応していると前記画像認識手段を通じて認識されたときには、前記表示画像を現在表示されている表示画像とは異なる表示画像に切り替えることを特徴としている。
【0017】
同構成によれば、使用者は、マウス等を用いることなく、レーザポインタを用いることで表示面に表示されている表示画像を異なる表示画像に切り替えることができるようになる。
【0018】
本発明の第六態様は、第一態様〜第五態様のいずれかのプレゼンテーション装置であって、前記指示画像が、前記複数の命令のうち第三命令に対応していると前記画像認識手段を通じて認識されたときには、前記制御手段は、前記指示画像が示される位置を含む所定範囲において前記表示画像を消去することを特徴としている。
【0019】
同構成によれば、使用者は、マウス等を用いることなく、レーザポイントを用いることで、表示画像を消去することができる。
【0020】
また、本発明は、スクリーンに投影すべき投影画像を制御する制御手段と、前記制御手段から出力される前記投影画像の画像情報に基づいて前記投影画像を前記スクリーンに投影する投影手段と、前記スクリーンに指示画像を照射するレーザポインタと、前記スクリーンの画像を認識する画像認識手段とを備えるプレゼンテーション装置であって、前記レーザポインタは、複数の命令を受け付ける受け付け手段を備え、前記受け付け手段が受け付けた命令に応じて前記指示画像を異なる形状に変更するものであり、前記制御手段は、前記画像認識手段を通じて認識された前記指示画像の形状に基づいて前記投影画像を制御することを特徴としてもよい。
【0021】
また、第一態様〜第五態様のいずれかのプレゼンテーション装置であって、前記画像認識手段を通じて前記指示画像を認識した後、前記指示画像を含む所定範囲について、前記指示画像の認識を禁止することを特徴とするプレゼンテーション装置とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、プレゼンテーションを行う際、煩雑な作業を行うことなく表示面に表示される画像を制御することのできるプレゼンテーション装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態にかかるプレゼンテーション装置の概略構成図。
【図2】(a)は、本実施形態にかかるレーザポインタの外観構造を示す上面側模式図、(b)は、本実施形態にかかるレーザポインタの内部構造を示す断面模式図、(c)〜(e)は、本実施形態にかかるレーザポインタから照射されるレーザ光L2の形状を示す模式図。
【図3】本実施形態にかかるパーソナルコンピュータの電気的構成の概略構成を示すブロック図。
【図4】本実施形態にかかるキャリブレーション処理の処理手順を示すフローチャート。
【図5】(a)は、本実施形態にかかるキャリブレーション処理において、スライドイメージ画像に表示される画像の模式図、(b)は、本実施形態にかかるキャリブレーション処理において、スクリーンに表示される画像の模式図。
【図6】本実施形態にかかる表示処理の処理手順を示すフローチャート。
【図7】本実施形態にかかる撮像画像のスキャン方法を示す模式図。
【図8】(a)は、描画モードが選択された場合にスクリーンに照射されるレーザ光L2の形状、(b)は、コマンドモードが選択された場合にスクリーンに照射されるレーザ光L2の形状、(c)は、イレースモードが選択された場合にスクリーンに照射されるレーザ光L2の形状を示す模式図。
【図9】描画モードが選択された場合にスクリーンに投影する画像の画像処理手順を示すフローチャート。
【図10】コマンドモードが選択された場合にスクリーンに投影する画像の画像処理手順を示すフローチャート。
【図11】イレースモードが選択された場合にスクリーンに投影する画像の画像処理手順を示すフローチャート。
【図12】本実施形態にかかるプレゼンテーション装置の使用状態を示す模式図。
【図13】他の実施形態にかかるプレゼンテーション装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。
まず、図1を参照しながら、本発明の実施形態にかかるプレゼンテーション装置1について説明する。図1は、本発明の実施形態にかかるプレゼンテーション装置1の概略構成を示す。
【0025】
同図1に示されるように、プレゼンテーション装置1は、カメラ6(本発明の「画像認識手段」に相当)と、このカメラ6およびネットワークに接続されたPC(パーソナルコンピュータ、本発明の「制御手段」および「画像認識手段」に相当)2と、PC2に接続されたプロジェクタ3と、プロジェクタ3から照射された画像が投影されるスクリーン4と、レーザポインタ9とを備えている。このプレゼンテーション装置1では、PC2に記憶されている画像を使用者7の操作に応じてスクリーン4(本発明の「表示面」に相当)に投影表示する。なお、本発明において、画像認識手段は「カメラ6」と「PC2」とを用いて構成される。
【0026】
なお、カメラ6とPC2との接続方法、およびPC2とプロジェクタ3との接続方法は、特に限定されるものではなく、例えば、有線方式や無線方式のネットワークを介して接続されていてもよい。また、PC2の代わりに他の情報端末装置を用いてもよい。
【0027】
カメラ6は、スクリーン4の正面前方の所定の位置に配設され、スクリーン4に投影される画像(以下、「表示画像」とする)を含むスクリーン4全体を正面から一定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で撮像する。ここで、カメラ6による撮像範囲は、表示画像が十分収まる範囲とすればよく、表示画像の範囲に必ずしも合わせる必要はない。
カメラ6が撮像した画像の画像情報は、PC2に出力される。
【0028】
PC2は、プレゼンテーションの際、スクリーン4に投影するために予め作成された画像(以下、「スライドイメージ画像」とする)を記憶している。なお、このスライドイメージ画像は、文字情報や画像情報等が入力された単一または複数のスライド画像から形成される。
PC2は、スライドイメージ画像の画像情報G3およびカメラ6から出力される画像(以下、「撮像画像」とする)の画像情報G2に基づいて、スクリーン4に投影する表示画像を作成し、この表示画像の画像情報G1をプロジェクタ3に出力する。プロジェクタ3は、表示画像の画像情報G1に基づいて生成される画像をスクリーン4に投影する。
【0029】
また、このPC2は、インターネットなどのネットワークに接続することも可能であるため、撮像画像の画像情報G2をネットワークを介して遠隔地にある他のPCに送信してもよい。
次に、図2(a)および(b)を参照しながらレーザポインタ9の概略構成について説明する。図2(a)には、レーザポインタ9の上面側の外観構造を、(b)には、レーザポインタ9の内部構造を示す。
【0030】
同図2(a)および(b)に示されるように、レーザポインタ9には、第一発光スイッチ9a、第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9d(本発明の「受け付け手段」に相当)、およびこれらスイッチ9a〜9dのオンオフを制御するための第一操作ボタン10a、第二操作ボタン10bおよび第三操作ボタン10c(本発明の「受け付け手段」に相当)が設けられている。使用者7は、第一操作ボタン10a、第二操作ボタン10bおよび第三操作ボタン10cのうち、いずれか一つを選択して押下することができる。
【0031】
また、同図2(b)に示されるように、レーザポインタ9は、赤色のレーザ光L1を照射する第一光源15および赤外色のレーザ光L2を照射する第二光源16を備えている。また、レーザポインタ9には、第一光源15から照射されるレーザ光L1が通過する第一スリット18および第二光源16から照射されるレーザ光L2が通過する第二スリット19が形成されている。
【0032】
また、第二光源16と第二スリット19との間には、レンズやスリット等(図示せず)から構成されるレーザ光形状変更部17が設けられている。第二光源16から照射されたレーザ光L2は、このレーザ光形状変更部17、第二スリット19の順に通過して、レーザポインタ9の外部に照射される。
【0033】
第一操作ボタン10aは、第一発光スイッチ9aおよび第二発光スイッチ9bのオンオフを制御するものであり、第一発光スイッチ9aおよび第二発光スイッチ9bがオフであるときに第一操作ボタン10aが押下されると、第一発光スイッチ9aがオンとなる。この状態で第一操作ボタン10aが再度押下されると、第一発光スイッチ9aに加えて第二発光スイッチ9bがオンとなる。そして、再度、第一操作ボタン10aが押下されると、第一発光スイッチ9aおよび第二発光スイッチ9bのいずれもオフとなる。
同様に、第二操作ボタン10bは第三発光スイッチ9cのオンオフを制御し、第三操作ボタン10cは第四発光スイッチ9dのオンオフを制御する。
【0034】
第一発光スイッチ9aは、第一光源15のオンオフを制御する。第一発光スイッチ9aがオンとなると、第一光源15から赤色のレーザ光L1が照射される。使用者7は、このレーザ光L1を用いて、スクリーン4の任意の位置を指示する。
【0035】
第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dは、第二光源16のオンオフを制御する。第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dのうちいずれかのスイッチがオンとなると、第二光源16から赤外色のレーザ光L2が照射される。
【0036】
上述したように、本実施形態では、使用者7は第一操作ボタン10a、第二操作ボタン10bおよび第三操作ボタン10cのうちいずれかひとつだけを押下することができる。このため、第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dは、複数がオンとなることはなく、いずれかひとつだけがオンとなり得る。
【0037】
第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dのうち、いずれのスイッチがオンとなったかによって、レーザ光形状変更部17を構成するレンズおよびスリット(図示せず)の配設位置は異なるものとなる。このレーザ光形状変更部17を構成するレンズおよびスリットの配設位置に違いに応じて、第二光源16から照射されるレーザ光L2の形状は異なるものとなる。
【0038】
第二発光スイッチ9bがオンとなると、同図2(c)に示されるように、点形状のレーザ光L2(本発明の「指示画像」に相当)が照射される。一方、第三発光スイッチ9cがオンとなると、同図2(d)に示されるように、線形状のレーザ光L2(本発明の「指示画像」に相当)が照射される。また一方、第四発光スイッチ9dがオンとなると、同図2(e)に示されるように、円形状のレーザ光L2(本発明の「指示画像」に相当)が照射される。
【0039】
次に、図3を参照しながらPC2の詳細な構成について説明する。
PC2は、メインコントローラ(CPU)によって回路各部の動作が制御されるもので、その制御プログラムはメモリのROMに予め記憶されている。このPC2は、撮像画像の画像情報G2が入力される画像処理部11、CPUの動作中に各種の画像情報が一時的に記憶される描画メモリ12、および上述したスライドイメージメモリ13を備えている。
【0040】
画像処理部11には、第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dのうち、いずれのスイッチがオンとなっているかを検出するモード検出部14が含まれている。
また、スライドイメージメモリ13には、予め作成されたスライドイメージ画像、および文字や画像等に関する情報が入力されていないブランクのスライドイメージ画像が記憶されている。
【0041】
カメラ6から出力される撮像画像の画像情報G2は、まず、画像処理部11に入力される。画像処理部11に入力された画像情報G2は、モード検出部14に出力される。PC2がネットワークに接続されている場合は、画像情報G2を当該ネットワークを介して遠隔地にある他のPCに送信するようにしてもよい。
【0042】
画像処理部11は、モード検出部14に出力された撮像画像の画像情報G2に基づいて、使用者7がいずれのモードを選択しているか判断する。画像処理部11は、選択されているモードに応じて、撮像画像の画像情報G2に所定の処理を施すか、もしくはスライドイメージメモリ13に所定のコマンドを出力するかを選択する。なお、本実施形態において「所定のコマンド」とは、スクリーン4に投影するスライドイメージ画像が次のスライドイメージ画像となるようにページ送りをするコマンドを示す。
【0043】
撮像画像の画像情報G2に所定の処理を施した場合、画像処理部11は、この処理を施した撮像画像の画像情報G2を描画メモリ12に一時的に保存する(図3の矢印A)。描画メモリ12に書き込まれた撮像画像の画像情報G2は、スライドイメージメモリ13に記憶されているスライドイメージ画像の画像情報G3に重畳される。この重畳された画像情報から、表示画像の画像情報G1が生成され、この画像情報G1はプロジェクタ3に出力される。
【0044】
一方、スライドイメージメモリ13に所定のコマンドを出力する場合は、次のスライドイメージ画像に関する画像情報を表示画像の画像情報G1として読み出す旨、スライドイメージメモリ13に出力する(図3の矢印B)。この表示画像の画像情報G1は、プロジェクタ3に出力され、プロジェクタ3からスクリーン4に投影される。
【0045】
ところで、撮像画像には、スクリーン4に投影表示される表示画像に加えて、スクリーン4の背景の画像が含まれることがある。また、カメラ6やプロジェクタ3がスクリーン4に対して傾斜して配設される等、カメラ6にて撮像される撮像画像に歪みが生じることもある。
【0046】
そこで、本実施形態では、プレゼンテーション装置1の電源が入れられる度にキャリブレーション処理を実行するようにしている。以下、このキャリブレーション処理について、図4および図5を参照しながら説明する。なお、本実施形態では横軸方向をX軸方向として、縦軸方向をY軸方向とする。
【0047】
キャリブレーション処理が開始されると、まず、図5(a)に示されるように、スライドイメージメモリ13に記憶されるブランクのスライドイメージ画像の左端(SX=「SX0」の位置)に、n個の点を縦方向に並べて表示する(ステップS100)。このようにn個の点が並べて表示されたブランクのスライドイメージ画像は、図5(b)に示されるようにプロジェクタ3を通じてスクリーン4に投影される。
【0048】
次に、描画メモリ12をスキャンする(ステップS101)。すなわち、カメラ6にて撮像され、描画メモリ12に出力された撮像画像の画像情報G2を描画メモリ12から読み出し、この撮像画像をスキャンする。
【0049】
そして、ステップS100にて表示したn個の点を検出したか否か判断する(ステップS102)。n個の点を検出したと判断する場合(ステップS102:YES)、次に検出した各点のスライドイメージ画像上の座標(SX0,SYn)(n=0,1,2,3・・・n)と、撮像画像上の座標(X0,Yn)(n=0,1,2,3・・・n)をそれぞれ記憶する(ステップS103)。
【0050】
そして、スライドイメージ画像に表示しているn個の点を所定幅だけ右に移動する(ステップS104)。すなわち、図5(a)に示されるように、ブランクのスライドイメージ画像の所定の位置(SX=「SX1」の位置)に、n個の点を縦方向に並べて表示する。
このようにn個の点を右に移動した後、またはスクリーン4に表示されたn個の点のうち、検出していない点があると判断する場合(ステップS102:NO)、次に1画面についての処理が終了したか、すなわち表示したn個の点のスライドイメージ画像上の移動が終了してn個の点がスライドイメージ画像の右端(SX=「SXn」の位置)にあるか否かを判断する(ステップS105)。
【0051】
1画面についての処理が終了していないと判断する場合(ステップS105:NO)、ステップS101以降の処理を再度実行する。
一方、1画面についての処理が終了していると判断する場合(ステップS105:YES)、検出した各点の座標(SXn,SYn)(n=0,1,2,3・・・n)および(Xn,Yn)(n=0,1,2,3・・・n)に基づいて公知の手法により座標変換を実行し(ステップS106)、この処理を一旦終了する。
このような処理を通じて、撮像画像中の表示画像の座標系をスライドイメージ画像の座標系に対応付けることができるようになる。
【0052】
次に、図6および図7を参照しながら、使用者7がいずれのモードを選択しているかを判断し、選択されているモードに応じてスクリーン4に表示する表示画像を制御する表示処理について説明する。
【0053】
まず、PC2は、カメラ6から出力された撮像画像の各画素値を順次スキャンしていく。本実施形態では、同図7に示されるように、まず左上端部から右上端部に向かってスキャンし(図7に(1)の矢印で示す方向)、次に(1)の矢印で示す位置から所定幅だけ下方の位置を左端から右端に向かってスキャンする(図7に(2)の矢印で示す方向)。このように、下端に至るまで順次スキャンを繰り返す。
【0054】
次に、図6に示されるように、PC2は、スキャンしている領域がスキャン領域であるか否かを判断する(ステップS200)。スキャン領域とは、撮像画像において、上述したキャリブレーション処理を通じて抽出された表示画像に相当する領域であって、スキャンすべき領域を示す。
【0055】
スキャンしている領域がスキャン領域であると判断した場合(ステップS200:YES)、次にホットスポットPoを検出したか否かを判断する(ステップS201)。ホットスポットPoとは、レーザポインタ9から照射されるレーザ光L2のスクリーン4上の光点のことを示す。PC2は、所定値以上の画素値を有する赤外色の点を検出したことをもって、ホットスポットPoを検出したと判断する。
【0056】
ホットスポットPoを検出したと判断した場合(ステップS201:YES)、次にいずれのモードが選択されているかを判断するモード判断処理を実行する(ステップS202)。なお、モード判断処理は、モード検出部14にて実行される。
【0057】
ここで、図8(a)〜(c)を参照しながら、モード判断処理について説明する。
上述したとおり、レーザポインタ9から照射されるレーザ光L2の形状は、オンとなった発光スイッチに応じて異なる。図8(a)には第二発光スイッチ9bがオンとなった場合にスクリーン4に照射されるレーザ光L2の形状、図8(b)には第三発光スイッチ9cがオンとなった場合にスクリーン4に照射されるレーザ光L2の形状、図8(c)には第四発光スイッチ9dがオンとなった場合にスクリーン4に照射されるレーザ光L2の形状をそれぞれ示す。PC2は、レーザ光L2の形状が上記図8(a)〜(c)のいずれの形状であるかを判断し、その形状に応じていずれのモードが選択されているかを判断する。
【0058】
図8(a)〜(c)に矢印にて示すように、モード検出部14は、ホットスポットPoを検出すると、このホットスポットPoから所定距離r1にある範囲をスキャンする。そして、所定値以上の画素値を有する点がいくつ検出されたかに応じて、第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dのうち、いずれのスイッチがオンとなっているかを判断する。以下、詳細に説明する。
【0059】
ホットスポットPoから所定距離r1にある範囲に所定値以上の画素値を有する点が検出されない場合、図8(a)に示されるように、点形状のレーザ光L2がスクリーン4に照射されていると考えられる。この場合、モード検出部14は第二発光スイッチ9bがオンである、すなわち第一操作ボタン10aが押下されていると判断し、画像処理部11は描画モードに移行する(ステップS203)。
【0060】
一方、ホットスポットPoから所定距離r1の範囲に所定値以上の画素値を有する点が1点検出された場合、同図8(b)に示されるように、直線形状のレーザ光L2がスクリーン4に照射されていると考えられる。この場合、モード検出部14は第三発光スイッチ9cがオンである、すなわち第二操作ボタン10bが押下されていると判断し、画像処理部11はコマンドモードに移行する(ステップS204)。また、所定値以上の画素値を有する赤外色の点P1の座標(X1,Y1)を記憶する。
【0061】
また一方、ホットスポットPoから所定距離r1にある範囲に所定値以上の画素値を有する点が2点検出された場合、同図8(c)に示されるように、ホットスポットPoを通過する円形状のレーザ光L2がスクリーン4に照射されていると考えられる。この場合、モード検出部14は第四発光スイッチ9dがオンである、すなわち第三操作ボタン10cが押下されていると判断し、画像検出部11はイレースモードに移行する(ステップS205)。また、所定値以上の画素値を有する赤外色の点P1の座標(X1,Y1)、および点P2の座標(X2,Y2)を記憶する。
【0062】
このように、モード検出部14は、第一操作ボタン10a、第二操作ボタン10bおよび第三操作ボタン10cのうちのいずれが押下されているのか判断し、描画モード、コマンドモードもしくはイレースモードのうちのいずれかのモードに移行する。
【0063】
描画モードに移行した場合の処理について、図9を参照しながら説明する。
同図9に示されるように、この処理が開始されると、まず、ホットスポットPoの座標(X0,Y0)を検出する(ステップS301)。
【0064】
次に、このホットスポットPoの座標(X0,Y0)の画素値を規定値C以上の値にする(ステップS302)。なお、規定値Cは200以上が好ましい。本実施形態では最大値(255)となるようにしている。そして、座標(X0,Y0)の画素値が最大値(255)となった撮像画像の画像情報G2を描画メモリ12に出力する。
このように、ホットスポットPoの座標(X0,Y0)の画素値を最大値(255)とすることで、使用者7がレーザポインタ9で示した点が最大の画素値でスクリーン4に表示されることとなる。
【0065】
一方、モード判断処理(ステップS202)を通じて、コマンドモードが選択されていると判断した場合、画像処理部11はコマンドモードに移行する(ステップS204)。
【0066】
次に、コマンドモードに移行した場合の処理について、図10を参照しながら説明する。
同図10に示されるように、この処理が開始されると、点P1の座標(X1,Y1)をコマンド選択用座標として記憶する(ステップS401)。
【0067】
そして、点P1の座標(X1,Y1)が所定領域にあるか否かを判断する(ステップS402)。ここで、所定領域とは、例えば、スクリーン4の右下端に設定される領域である。この所定領域は、予め設定されていてもよいし、コマンドモードに移行したことをもって設定されるようにしてもよい。また、この所定領域は、使用者7が視認することができるように画素値を高い値に設定することが望ましい。
【0068】
P1の座標(X1,Y1)が所定領域にあると判断した場合(ステップS402:YES)、すなわち、使用者7が所定領域にレーザ光L2を照射していると判断した場合、コマンドを実行する(ステップS403)。本実施形態では、ページ送りをするようにスライドイメージメモリ13にコマンドを出力する。
【0069】
一方、座標(X1,Y1)が所定領域にないと判断した場合(ステップS402:NO)、この処理を一旦終了する。
本実施形態によれば、使用者7は、コマンドモードを選択するとともに、レーザ光L2を所定領域に向けて照射することで、マウス等を使用することなくページ送りを実行することができるようになる。
【0070】
また一方、モード判断処理(ステップS202)を通じて、イレースモードが選択されていると判断した場合、画像処理部11はイレースモードに移行する(ステップS205)。
次に、イレースモードに移行した場合の処理について、図8(c)および図11を参照しながら説明する。
【0071】
上述したように、モード判断処理を実行し、所定値以上の画素値を有する赤外色の点が2つ検出された場合、画像処理部11はイレースモードに移行する。
図11に示されるように、この処理が開始されると、まず所定値以上の画素値を有する赤外色の点P1および点P2(図8(c)参照)の座標を記憶する。そして、点P1と点P2とを結ぶ仮想線上において点P1および点P2から等しい距離にある中点Pcの座標(Xc,Yc)を記憶する(ステップS501)。
【0072】
次に、中点Pcの座標(Xc,Yc)を含むX軸方向に20ピクセル、Y軸方向に20ピクセルの範囲の画素値を最小値(0)とする(ステップS502)。なお、このように画素値を最小値(0)とする範囲は上記X軸方向に20ピクセル、Y軸方向に20ピクセルの範囲が好ましく、X軸方向に10ピクセル、Y軸方向に10ピクセルの範囲がより好ましい。そして、この撮像画像の画像情報G2を描画メモリ12に出力する。これにより、使用者7は、座標(Xc,Yc)を含むX軸方向に20ピクセル、Y軸方向に20ピクセルの範囲における画像を消去することができる。
【0073】
ところで、本実施形態では、撮像画像の全範囲をスキャンするようにしている。このため、撮像画像をスキャンしてホットスポットPoを検出した場合(ステップS201:YES)であっても、当該ホットスポットPoを形成するレーザ光L2の他の部分を、異なるホットスポットPoとして再度検出するおそれがある。この場合は、使用者7が意図していないにも関わらず、描画モードまたはコマンドモードまたはイレースモードのいずれかに再度移行してしまう。そこで、本実施形態では、ホットスポットPoを検出した場合は、図7に示されるように、当該ホットスポットPoを含む所定の領域を非スキャン領域として設定するようにしている(ステップS206)。
【0074】
すなわち、描画モード(ステップS203)、コマンドモード(ステップS204)およびイレースモード(ステップS205)のいずれかに移行した後、次に、図7に示されるように、当該ホットスポットPoを含む所定の領域を非スキャン領域として設定する(ステップS206)。なお、この非スキャン領域の好ましい設定範囲は、ホットスポットPoを含むX軸方向に10ピクセル、Y軸方向に10ピクセルの範囲であり、より好ましくはX軸方向に5ピクセル、Y軸方向に5ピクセルの範囲である。このように非スキャン領域を設定することにより、当該ホットスポットPoの周囲はスキャンされないこととなる。
【0075】
このように、ホットスポットPoを含む所定の領域を非スキャン領域として設定した(ステップS206)後、またはスキャン領域にないと判断する場合(ステップS200:NO)、またはホットスポットPoを検出していないと判断する場合(ステップS201:NO)、PC2は、スキャン領域のスキャンが終了したか否かを判断する(ステップS207)。
【0076】
スキャン領域のスキャンが終了したと判断する場合(ステップS207:YES)、この処理を一旦終了する。
一方、スキャン領域のスキャンが終了していないと判断する場合(ステップS207:NO)、ステップS200以降の処理を再度実行する。
【0077】
上述したプレゼンテーション装置1によれば、使用者7はマウス等を用いることなく、レーザポインタ9の操作のみを通じて、スクリーン4に任意の画像を描画したり、ページ送りをする等、スクリーン4に投影される画像を制御することができる。
【0078】
次に、図12を参照しながら、A会場およびB会場(遠隔地)のいずれにも本実施形態にかかるプレゼンテーション装置1が配設されている状況のもと、A会場にてプレゼンテーションが行われ、B会場にネットワークを通じてその内容が送信される場合について説明する。
【0079】
同図12に示されるように、A会場で撮像された撮像画像の画像情報G2はB会場のPCに送信されるため、A会場で使用者7がレーザポインタ9を用いて画像Aおよび画像Bを描いた場合、B会場のスクリーン4にも、A会場で撮像された撮像画像の画像情報G2に基づいて画像Aおよび画像Bが表示される。また、B会場で使用者7がレーザポインタ9を用いて画像Cを描いた場合も同様に、B会場で撮像された撮像画像の画像情報G2がA会場に送信されるため、A会場のスクリーン4に画像Cが表示される。
【0080】
また、特に図示はしないが、A会場において使用者7がコマンドモードを選択してA会場のスクリーン4に投影される画像についてページ送りのコマンドを出力した場合、B会場のスクリーン4に投影される画像についても、ページ送りが実行される。また同様に、A会場において使用者7がイレースモードを選択してA会場のスクリーン4に投影される画像の一部を消去した場合、B会場のスクリーン4に投影される画像においても、A会場のスクリーン4にて消去された位置と同等の位置の画像が消去される。
【0081】
上記実施形態によれば、以下に説明する作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、レーザポインタ9から照射されるレーザ光L2の形状に基づいて、いずれのモードが選択されているかを判断し、選択されたモードに応じて表示画像を変更するようにしている。このため、使用者7は、マウス等を用いることなく、レーザポインタ9の操作を通じて、スクリーン4に投影される画像を制御することができるようになる。
【0082】
(2)また、描画モードが選択されている場合、レーザポインタ9から照射されるレーザ光L2が示す位置の画素値を最大にするようにしている。このため、使用者7は、マウス等を用いることなく、スクリーン4上に、最大の画素値からなる画像を残すことができるようになる。
【0083】
(3)また、PC2がネットワークに接続されているため、レーザポインタ9の操作を通じて変更された表示画像の画像情報G1を遠隔地に送信することができる。
【0084】
(4)また、レーザ光L2は非可視光である赤外光からなるため、レーザ光L2を照射してもスクリーン4に表示される可視光からなる画像は変化しない。このため、表示画像が見えづらくなることを防止することができる。
【0085】
(5)また、撮像画像の全体をスキャンするようにしているため、複数のレーザポインタ9を用いてプレゼンテーションを実行する場合であっても、それぞれのレーザポインタ9から出力される命令を受け付けることができる。
【0086】
(その他の実施形態)
なお、この発明にかかるプレゼンテーション装置1は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0087】
(a)上記実施形態では、プロジェクタ3およびスクリーン4を備えるプレゼンテーション装置1について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、図13に示されるように、プロジェクタ3とスクリーン4に代えて、ディスプレイ20を備えるようにしてもよい。本変形例では、PC2をディスプレイ20に接続して、ディスプレイ20にプレゼンテーション画像を表示する。そして、ディスプレイ20を撮像することができる位置にカメラ6を配設し、カメラ6にて撮像される撮像画像の画像情報G2をPC2に出力するようにする。本変形例においても、上記作用効果に準じた作用効果を奏することができるようになる。
【0088】
(b)上記実施形態では、PC2の画像情報を遠隔地にあるPCに送信するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、PC2が遠隔地にあるPCから画像情報を受信し、スクリーン4に当該画像情報に基づいて生成される画像を表示するようにしてもよい。
【0089】
(c)表示画像に関する画像情報G1を複数のレイヤーを用いて生成するようにしてもよい。本変形例においては、描画モードに移行した際、画像処理部11は、レーザ光L2が照射される点について、スライドイメージ画像の画像情報G3が入力されているレイヤーとは異なるレイヤーの画素値を最大値になるようにすることが好ましい。本変形例によれば、スライドイメージ画像の画像情報G3に変更が加えられないため、使用者7が誤って意図しない変更をスライドイメージ画像に加えてしまうことを抑制することができるようになる。
【0090】
(d)上記(c)において、イレースモードが選択された場合、画像処理部11は、スライドイメージ画像の画像情報G3が入力されているレイヤーとは異なるレイヤーであって、描画モードが選択された際に変更が加えられたレイヤーの画素値のみを「0」とするようにしてもよい。本変形例によれば、スライドイメージ画像が入力されているレイヤーの画素値が「0」となることが抑制される。このため、イレースモードが選択された場合であっても、プレゼンテーションの実行中にスライドイメージ画像そのものに変更が加えられることを抑制することができる。
【0091】
(e)上記実施形態では、1台のレーザポインタ9を使用する場合について説明したが、使用するレーザポインタ9の台数はこれに限られるものではなく、複数のレーザポインタ9を使用することもできる。
【0092】
(f)上記(e)において、特定のレーザポインタ9から照射されるレーザ光L2を他のレーザポインタ9から照射されるレーザ光L2よりも大きくし、最も大きいレーザ光L2の形状のみをPC2が認識するようにしてもよい。本変形例によれば、特定の使用者7の意図を画像に反映する一方、当該特定の使用者7が意図しないコマンド等を他の使用者7が出力することを抑制することができる。
【0093】
(g)上記実施形態では、PC2をネットワークに接続するようにしていたが、このネットワークとしては、インターネットのみならず、イントラネットなど、種々のネットワークを採用することができる。
【0094】
(h)コマンドモードが選択されているときに、複数の所定領域をスクリーン4に表示するようにしてもよい。この際、レーザ光L2が検出された所定領域毎に異なるコマンドを実行するようにしてもよい。例えば、特定の所定領域にレーザ光L2が検出されたときには、ページ送りを実行し、他の所定領域にレーザ光L2が検出されたときにはページ戻りを実行するようにしてもよい。またさらに、他の所定領域にレーザ光L2が検出されたときにはプレゼンテーションを終了するようにしたり、他の所定領域にレーザ光L2が検出されたときには最初のページに戻るようにすることもできる。
【0095】
(i)上記実施形態では、撮像画像の全体をスキャンするようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、ホットスポットPoを検出したことをもってスキャンを終了するようにしてもよい。
【0096】
(j)上記実施形態では、撮像画像の画像情報G2を遠隔地にある他のPCに送信するようにしたが、他のPCに送信する画像情報は撮像画像の画像情報G2に限られるものではなく、撮像画像およびスライドイメージ画像に基づいて生成される表示画像の画像情報G1を他のPCに送信するようにしてもよい。
【0097】
(K)上記実施形態では、赤外色からなるレーザ光L2を用いるようにしたが、本発明のレーザ光L2は可視光でなければよく、紫外線からなるようにしてもよい。
【0098】
(L)上記実施形態では、第一発光スイッチ9a、第二発光スイッチ9b、第三発光スイッチ9cおよび第四発光スイッチ9dを備えるレーザポインタ9について説明したが、本発明のレーザポインタ9はこれに限られるものではなく、上述した発光スイッチ9a〜9dのうちのいずれかを備えるものであってもよい。
【0099】
(M)上記実施形態では、撮像画像の画像情報G2を遠隔地のPCに送信するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、表示画像の画像情報G1を遠隔地のPCに送信してもよい。
【符号の説明】
【0100】
1…プレゼンテーション装置
2…PC
3…プロジェクタ
4…スクリーン
6…カメラ
7…使用者
9…レーザポインタ
9a…第一発光スイッチ
9b…第二発光スイッチ
9c…第三発光スイッチ
9d…第四発光スイッチ
10a…第一操作ボタン
10b…第二操作ボタン
10c…第三操作ボタン
11…画像処理部
12…描画メモリ
13…スライドイメージメモリ
14…モード検出部
15…第一光源
16…第二光源
17…レーザ光形状変更部
18…第一スリット
19…第二スリット
20…ディスプレイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に表示すべき表示画像を制御する制御手段と、前記表示面に指示画像を照射するレーザポインタと、前記表示面に表示される画像の形状を認識する画像認識手段とを備えるプレゼンテーション装置であって、
前記レーザポインタは、複数の命令を受け付ける受け付け手段を備え、前記受け付け手段が受け付けた命令に応じて前記指示画像を異なる形状に変更するものであり、
前記制御手段は、前記画像認識手段を通じて認識された前記指示画像の形状に基づいて前記表示画像を制御する
ことを特徴とするプレゼンテーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプレゼンテーション装置であって、
前記指示画像が、前記複数の命令のうち第一命令に対応していると前記画像認識手段を通じて認識されたときには、
前記制御手段は、前記指示画像が示される位置に所定の画像を描画すべく、前記表示画像を制御する
ことを特徴とするプレゼンテーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプレゼンテーション装置であって、
前記画像認識手段から出力される画像情報をネットワーク経由で送信する
ことを特徴とするプレゼンテーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のプレゼンテーション装置であって、
前記指示画像は非可視光からなり、
前記画像認識手段は、前記非可視光に基づいて前記指示画像を認識する
ことを特徴とするプレゼンテーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のプレゼンテーション装置であって、
前記指示画像が、前記複数の命令のうち第二命令に対応していると前記画像認識手段を通じて認識されたときには、前記表示画像を現在表示されている表示画像とは異なる表示画像に切り替える
ことを特徴とするプレゼンテーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のプレゼンテーション装置であって、
前記指示画像が、前記複数の命令のうち第三命令に対応していると前記画像認識手段を通じて認識されたときには、
前記制御手段は、前記指示画像が示される位置を含む所定範囲において前記表示画像を消去する
ことを特徴とするプレゼンテーション装置。
【請求項1】
表示面に表示すべき表示画像を制御する制御手段と、前記表示面に指示画像を照射するレーザポインタと、前記表示面に表示される画像の形状を認識する画像認識手段とを備えるプレゼンテーション装置であって、
前記レーザポインタは、複数の命令を受け付ける受け付け手段を備え、前記受け付け手段が受け付けた命令に応じて前記指示画像を異なる形状に変更するものであり、
前記制御手段は、前記画像認識手段を通じて認識された前記指示画像の形状に基づいて前記表示画像を制御する
ことを特徴とするプレゼンテーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプレゼンテーション装置であって、
前記指示画像が、前記複数の命令のうち第一命令に対応していると前記画像認識手段を通じて認識されたときには、
前記制御手段は、前記指示画像が示される位置に所定の画像を描画すべく、前記表示画像を制御する
ことを特徴とするプレゼンテーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプレゼンテーション装置であって、
前記画像認識手段から出力される画像情報をネットワーク経由で送信する
ことを特徴とするプレゼンテーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のプレゼンテーション装置であって、
前記指示画像は非可視光からなり、
前記画像認識手段は、前記非可視光に基づいて前記指示画像を認識する
ことを特徴とするプレゼンテーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のプレゼンテーション装置であって、
前記指示画像が、前記複数の命令のうち第二命令に対応していると前記画像認識手段を通じて認識されたときには、前記表示画像を現在表示されている表示画像とは異なる表示画像に切り替える
ことを特徴とするプレゼンテーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のプレゼンテーション装置であって、
前記指示画像が、前記複数の命令のうち第三命令に対応していると前記画像認識手段を通じて認識されたときには、
前記制御手段は、前記指示画像が示される位置を含む所定範囲において前記表示画像を消去する
ことを特徴とするプレゼンテーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−230653(P2012−230653A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100222(P2011−100222)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(505225197)長崎県公立大学法人 (31)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(505225197)長崎県公立大学法人 (31)
【Fターム(参考)】
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