説明

プログラム、情報記憶媒体、画像生成システム及びサーバシステム

【課題】立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現できるプログラム、情報記憶媒体、画像生成システム及びサーバシステム等の提供。
【解決手段】画像生成システムは、移動体の制御を行う移動体制御部と、移動体を用いたタイミング判定処理を行う判定部と、立体視用画像を生成する画像生成部を含む。画像生成部は、タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて移動体の画像の視差が所定視差になるように、移動体が表示された立体視用画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体、画像生成システム及びサーバシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映画やゲーム等の分野において、より臨場感が溢れる画像を生成するシステムとして、立体視画像の生成システムが脚光を浴びている。例えば立体視画像生成システムの1つである2眼式の立体視画像生成システムでは、左眼用画像と右眼用画像を生成する。そしてプレーヤが立体視用の眼鏡を装着して、左眼は左眼用画像のみを見て、右眼は右眼用画像のみを見るようにすることで、立体視を実現する。このような立体視を実現する画像生成システムの従来技術としては、例えば特許文献1に開示される技術がある。また立体視方式としては、眼鏡式以外にも裸眼式がある。例えば、パララックスバリアによって、画素ごとに、「左眼には見えるが右眼には見えない」、「右眼には見えるが左眼には見えない」という状態を作り出すことで、裸眼の立体視システムを実現できる。また、レンチキュラ等の光学素子による光の屈折等を利用することで、画素ごとに光の方向を制御し、上記と同様の状態を作り出すことでも、裸眼の立体視システムを実現できる。
【0003】
一方、音楽ゲームや、野球ゲームなどの球技ゲームなどでは、音符(指示マーカ)やボールなどの移動体をゲーム画面上で移動させ、この移動体を用いて、プレーヤの入力タイミングが所定の判定基準内にあるか否かのタイミング判定処理を行う。
【0004】
しかしながら、立体視システムにより実現される立体視ゲームにおいて、このようなタイミング判定処理を行う場合に、タイミング判定における移動体の表示状態が適正な表示状態でないと、適切なタイミング判定処理を実現できなくなるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−126902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の幾つかの態様によれば、立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現できるプログラム、情報記憶媒体、画像生成システム及びサーバシステム等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、移動体の制御を行う移動体制御部と、前記移動体を用いたタイミング判定処理を行う判定部と、立体視用画像を生成する画像生成部とを含み、前記画像生成部は、前記タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が所定視差になるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成する画像生成システムに関係する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラム、又は該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に関係する。
【0008】
本発明の一態様によれば、移動体制御部により制御される移動体を用いて、タイミング判定処理が行われる。そして、タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて、移動体の画像の視差が所定視差になるように立体視用画像が生成される。このようにすれば、判定基準タイミングにおいて画像の視差が所定視差になる移動体を用いて、タイミング判定処理が行われるようになるため、立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現することが可能になる。
【0009】
また本発明の一態様では、前記判定基準タイミングのデータを記憶するタイミングデータ記憶部を含み(タイミングデータ記憶部としてとしてコンピュータを機能させ)、前記判定部は、前記タイミングデータ記憶部に記憶される前記判定基準タイミングのデータと、プレーヤの入力タイミングとに基づいて、前記タイミング判定処理を行ってもよい。
【0010】
このようにすれば、タイミングデータ記憶部に記憶された判定基準タイミングのデータを用いてタイミング判定処理を行いながら、判定基準タイミングにおいて移動体の画像の視差が所定視差になる立体視用画像を生成できるようになる。
【0011】
また本発明の一態様では、ゲーム演算処理を行うゲーム演算部を含み(ゲーム演算部としてコンピュータを機能させ)、前記判定部は、前記タイミング判定処理として、前記入力タイミングと前記判定基準タイミングとのタイミング関係に基づく評価処理を行い、前記ゲーム演算部は、前記評価処理の結果に基づいて、前記ゲーム演算処理を行ってもよい。
【0012】
このようにすれば、判定基準タイミングにおいて画像の視差が所定視差になる移動体を用いてタイミング判定処理を実現できると共に、入力タイミングと判定基準タイミングとのタイミング関係に基づく評価処理の結果により、ゲーム演算処理を実行できる。従って、立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現しながら、そのタイミング判定処理の評価処理の結果をゲーム演算処理に反映させることが可能になる。
【0013】
また本発明の一態様では、前記ゲーム演算部は、前記プレーヤのゲーム成績の演算処理、前記移動体の表示制御処理、及びゲーム演出処理の少なくとも1つを、前記評価処理の結果に基づく前記ゲーム演算処理として行ってもよい。
【0014】
このようにすれば、タイミング判定処理の評価結果を、プレーヤのゲーム成績や移動体の表示制御やゲーム演出処理に反映させることが可能になる。
【0015】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記評価処理の結果を表示する評価表示用オブジェクトの画像として、前記評価結果に応じて視差の度合いが変化する画像が表示された立体視用画像を生成してもよい。
【0016】
このようにすれば、タイミング判定の評価処理の結果を、評価表示用オブジェクトの視差の度合いの変化により、プレーヤに伝えることができる。これにより、プレーヤは、評価表示用オブジェクトの視差の度合いによって、自身に与えられた評価を直感的に認識することが可能になる。
【0017】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成してもよい。
【0018】
このようにすれば、判定基準タイミングにおいて画像の視差が無くなる移動体を用いて、タイミング判定処理が行われるようになるため、立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現することが可能になる。
【0019】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記入力タイミングと前記判定基準タイミングとのタイミング差に応じて、前記移動体の画像の視差が変化する立体視用画像を生成してもよい。
【0020】
このようにすれば、入力タイミングと判定基準タイミングとのタイミング差を、移動体の画像の視差の変化により表すことが可能になり、プレーヤがタイミングを把握しやすいタイミング判定処理を実現できるようになる。
【0021】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成すると共に、前記タイミング判定処理においてプレーヤの入力タイミングが前記判定基準タイミングと合致したと判定され、前記プレーヤの入力が成功であると判定された場合には、ゲーム演出効果表示用オブジェクトの画像として、視差のある画像が表示された立体視用画像を生成してもよい。
【0022】
このようにすれば、移動体が視差の無い画像になっている場合にも、ゲーム演出効果表示用オブジェクトが視差のある画像として表示されることで、ゲーム演出効果を向上できる。
【0023】
また本発明の一態様では、前記移動体は、プレーヤが入力すべきタイミングを指示する指示マーカであり、前記判定部は、前記指示マーカで指示されたタイミングで前記プレーヤが入力を行った場合に、前記プレーヤの入力タイミングと前記判定基準タイミングとの合致判定処理を、前記タイミング判定処理として行ってもよい。
【0024】
このようにすれば、プレーヤが、指示マーカで指示された操作の入力を行うと、その入力タイミングと判定基準タイミングとの合致判定処理が行われるようになる。そして、判定基準タイミングでは移動体の画像の視差が所定視差になるため(例えば視差が無くなるため)、プレーヤは、指示マーカで指示された操作を、判定基準タイミングにおいて容易に入力できるようになる。
【0025】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記指示マーカについては、前記判定基準タイミングにおいて視差の無い画像が表示され、前記プレーヤの入力が行われたことを示す入力動作表示用オブジェクトについては、視差のある画像が表示された立体視用画像を生成してもよい。
【0026】
このようにすれば、プレーヤは、入力動作表示用オブジェクトを見ることで、自身の入力動作が行われたことを確認できる。また、指示マーカが視差の無い画像であっても、それを補うように、入力動作表示用オブジェクトが視差のある画像になるため、あたかも指示マーカが視差のある画像として立体視表示されているかのように見える演出効果を実現できるようになる。
【0027】
また本発明の一態様では、前記移動体制御部は、視点側から見て奥側から手前側に前記移動体を移動させる制御を行ってもよい。
【0028】
このようにすれば、視点側から見て奥側から手前側に移動体を移動させ、判定基準タイミングにおいて、その移動体の画像の視差が所定視差になるような立体視用画像(例えば視差が無くなるような立体視用画像)を生成することで、移動体を用いた適切なタイミング判定処理を実現できるようになる。
【0029】
また本発明の一態様では、前記移動体制御部は、前記判定基準タイミングにおいて、入力すべきタイミングをプレーヤに知らせるための判定基準エリアを前記移動体が通過するように、前記移動体を移動させる制御を行ってもよい。
【0030】
このようにすれば、判定基準タイミングにおいて移動体が判定基準エリアを通過し、その際の移動体の画像は視差が所定視差になる画像(例えば視差の無い画像)になる。従って例えばプレーヤは、判定基準エリアの通過タイミングにおいて視差が所定視差になる移動体の画像を見ながら、操作入力を行うことが可能になるため、立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現できる。
【0031】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記判定基準エリアに対応する位置に設定された基準スクリーンに対して前記移動体のオブジェクトを透視投影して描画することで、前記判定基準タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が無くなる立体視用画像を生成してもよい。
【0032】
このようにすれば、基準スクリーンへの移動体のオブジェクトの透視投影を行うことで、判定基準エリアを通過する判定基準タイミングにおいて視差が無くなるような移動体の画像を生成できるようになる。
【0033】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記判定基準タイミングにおいて前記移動体の色、形状及びサイズの少なくとも1つが変化する立体視用画像を生成してもよい。
【0034】
このようにすれば、判定基準タイミングでの移動体の視認性が向上するようになり、プレーヤが把握しやすいタイミング判定処理等を実現できるようになる。
【0035】
また本発明の一態様では、音を生成する音生成部を含み(音生成部としてコンピュータを機能させ)、前記音生成部は、前記移動体の視差に応じて、音像定位が変化する音を生成してもよい。
【0036】
このようにすれば、移動体の視差のみならず、移動体の視差に連動する音像定位も利用して、移動体の立体感をプレーヤに感じさせることが可能になる。
【0037】
また本発明の一態様では、前記判定部は、前記移動体又はタイミング判定処理用の操作対象物に対応する仮想的な表示物であって前記立体視用画像に基づき表示部の表示画面側空間に仮想表示される仮想表示物と、現実空間の被ヒット体とのヒット判定処理を行ってよい。
【0038】
このようにすれば、移動体又は操作対象物に対応する仮想表示物と、現実空間の被ヒット体とのヒット判定処理を行って、ヒット判定結果をゲーム結果等に反映させることが可能になる。
【0039】
また本発明の一態様では、前記判定部は、前記仮想表示物と前記被ヒット体とのヒット判定処理を、プレーヤを撮影する撮像部からの撮像情報に基づいて行ってもよい。
【0040】
このようにすれば、撮像部からの撮像情報を利用して、仮想表示物と被ヒット体とのヒット判定処理を実現できるようになる。
【0041】
また本発明の他の態様は、移動体の制御を行う移動体制御部と、前記移動体を用いたタイミング判定処理を行う判定部と、立体視用画像を生成するための画像生成用データを生成する画像生成用データ生成部とを含み、前記画像生成用データ生成部は、前記タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が所定視差になるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成するための画像生成用データを生成するサーバシステムに関係する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施形態の画像生成システムの構成例。
【図2】立体視におけるオブジェクトの描画位置の説明図。
【図3】図3(A)〜図3(C)は本実施形態の手法の説明図。
【図4】図4(A)、図4(B)は移動体の画像の視差についての説明図。
【図5】タイミングデータ記憶部についての説明図。
【図6】図6(A)〜図6(E)は入力タイミングの評価処理についての説明図。
【図7】図7(A)、図7(B)は本実施形態が適用される携帯型ゲーム装置の構成例。
【図8】本実施形態を音楽ゲームに適用した場合に生成される画像の例。
【図9】本実施形態を音楽ゲームに適用した場合に生成される画像の例。
【図10】図10(A)〜図10(C)は本実施形態を音楽ゲームに適用した場合のタイミング判定手法の説明図。
【図11】図11(A)〜図11(C)は本実施形態を音楽ゲームに適用した場合の入力タイミングの評価手法の説明図。
【図12】図12(A)、図12(B)は評価表示用オブジェクトの表示制御手法の説明図。
【図13】図13(A)、図13(B)も評価表示用オブジェクトの表示制御手法の説明図。
【図14】図14(A)、図14(B)も評価表示用オブジェクトの表示制御手法の説明図。
【図15】図15(A)、図15(B)はゲーム演出効果表示用オブジェクトの表示制御手法の説明図。
【図16】図16(A)、図16(B)は入力動作表示用オブジェクトの表示制御手法の説明図。
【図17】図17(A)、図17(B)は判定基準タイミングにおいて移動体の色、形状又はサイズを変化させる手法の説明図。
【図18】移動体の視差に応じて音像定位が変化する音を生成する手法の説明図。
【図19】図19(A)、図19(B)は仮想表示物とプレーヤの指等の被ヒット体とのヒット判定処理を行う手法の説明図。
【図20】本実施形態を野球ゲームに適用した場合に生成される画像の例。
【図21】本実施形態を野球ゲームに適用した場合に生成される画像の例。
【図22】本実施形態の詳細な処理を説明するフローチャート。
【図23】本実施形態の詳細な処理を説明するフローチャート。
【図24】本実施形態のサーバシステムの構成例。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0044】
1.構成
図1に本実施形態の画像生成システム(ゲームシステム)のブロック図の例を示す。なお、本実施形態の画像生成システムの構成は図1に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0045】
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、方向指示キー、操作ボタン、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
【0046】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(DRAM、VRAM)などにより実現できる。そしてゲームプログラムや、ゲームプログラムの実行に必要なゲームデータは、この記憶部170に保持される。
【0047】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリ(ROM等)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0048】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0049】
補助記憶装置194(補助メモリ、2次メモリ)は、記憶部170の容量を補うために使用される記憶装置であり、SDメモリーカード、マルチメディアカードなどのメモリーカードなどにより実現できる。
【0050】
通信部196は、有線や無線のネットワークを介して外部(例えば他の画像生成システム、サーバ、ホスト装置)との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
【0051】
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバ(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170、補助記憶装置194)に配信してもよい。このようなサーバ(ホスト装置)による情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0052】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などを行う。処理部100は記憶部170をワーク領域として各種処理を行う。この処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0053】
処理部100は、ゲーム演算部102、オブジェクト空間設定部104、移動体制御部106、仮想カメラ制御部108、判定部110、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0054】
ゲーム演算部102はゲーム演算処理を行う。ここでゲーム演算としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。
【0055】
オブジェクト空間設定部104は、複数のオブジェクトが配置されるオブジェクト空間の設定処理を行う。例えば、キャラクタ(人、動物、ロボット、車、船舶、飛行機等)、指示マーカ、ボール、マップ(地形)、建物、コース(道路)、樹木、壁などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェイスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。即ちワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。具体的には、記憶部170のオブジェクトデータ記憶部172には、オブジェクト(パーツオブジェクト)の位置、回転角度、移動速度、移動方向等のデータであるオブジェクトデータがオブジェクト番号に対応づけて記憶される。オブジェクト空間設定部104は、例えば各フレーム毎にこのオブジェクトデータを更新する処理などを行う。
【0056】
移動体制御部106は、指示マーカ、ボール、キャラクタ等の移動体を移動させるための制御処理を行う。また移動体(移動体オブジェクト)を動作させるための制御処理を行う。即ち操作部160によりプレーヤが入力した操作データや、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、移動体(オブジェクト、モデルオブジェクト)をオブジェクト空間内で移動させたり、移動体を動作(モーション、アニメーション)させる制御処理を行う。具体的には、移動体の移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)や動作情報(パーツオブジェクトの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。なおフレームは、移動体の移動・動作処理(シミュレーション処理)や画像生成処理を行う時間の単位である。
【0057】
仮想カメラ制御部108は、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点、基準仮想カメラ)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置、視線方向あるいは画角を制御する処理)を行う。
【0058】
例えば仮想カメラによりキャラクタを後方から撮影する場合には、キャラクタの位置又は方向の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置(視点位置)や方向(視線方向)を制御する。この場合には、移動体制御部106で得られたキャラクタの位置、方向又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御できる。或いは、仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させたり、予め決められた移動経路で移動させる制御を行ってもよい。この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)又は方向を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。
【0059】
判定部110は各種の判定処理を行う。判定部110が行う判定処理の詳細については後述する。
【0060】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理、シミュレーション処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。具体的には、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換、或いは光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)を、描画バッファ178(フレームバッファ、ワークバッファ等のピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ)に描画する。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。なお、描画処理は頂点シェーダ処理やピクセルシェーダ処理等により実現することができる。
【0061】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0062】
そして本実施形態では、移動体制御部106が、指示マーカ(音符)、ボール等の移動体の制御を行う。例えば移動体のオブジェクトをオブジェクト空間内で移動させる制御を行う。また判定部110が、移動体を用いたタイミング判定処理を行う。例えばプレーヤの入力タイミングと移動体の位置等に基づいて、音楽ゲームや野球ゲームなどの各種のゲームにおけるタイミング判定処理を行う。
【0063】
そして画像生成部120は立体視用画像を生成する。具体的には画像生成部120は、タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて移動体の画像の視差が所定視差になるように、移動体が表示された立体視用画像を生成する。例えば判定基準タイミングにおいて移動体の画像の視差が無くなるように、移動体が表示された立体視用画像を生成する。
【0064】
ここで立体視用画像は、2眼分離眼鏡方式等を例にとれば、左眼用画像、右眼用画像である。但し立体視用画像は、2眼分離眼鏡方式の左眼用画像、右眼用画像には限定されず、裸眼方式の立体視用画像であってもかまわない。裸眼方式には、裸眼2眼式のほか、多眼方式や、空間像方式等が含まれる。空間像方式としては、例えば「フラクショナル・ビュー方式」が提案されている。
【0065】
また判定基準タイミングは、移動体を用いたタイミング判定処理の基準となるタイミングであり、例えば判定基準フレームとして表される。
【0066】
また、移動体の画像の視差が所定視差になるとは、移動体の画像の視差が、予め想定されている視差になることであり、例えば所定の視差範囲内になることである。具体的には左眼用画像(広義には第1視点画像)のオブジェクトの基準スクリーン(透視投影面)での描画位置である第1描画位置と、右眼用画像(広義には第2視点画像)の対応するオブジェクトの基準スクリーンでの描画位置である第2描画位置とのずれ(差)が、所定の基準値になったり、所定の基準範囲内になることである。この所定基準値や所定基準範囲のデータは例えば記憶部170に記憶される。
【0067】
また移動体の画像の視差が無くなるとは、例えば移動体の画像の視差がゼロになることである。具体的には左眼用画像(第1視点画像)のオブジェクトの基準スクリーンでの第1描画位置と、右眼用画像(第2視点画像)の対応するオブジェクトの基準スクリーンでの第2描画位置が一致することである。但し、移動体の画像の視差は完全にゼロである必要はなく、視差の値が所定しきい値以下である場合でもよい。例えば左眼用画像のオブジェクトの第1描画位置と右眼用画像の対応するオブジェクトの第2描画位置のずれ(差)が所定しきい値以下(例えば1ピクセル以下)である場合でもよい。また、この場合の視差(両眼視差)は、左眼(第1視点)と右眼(第2視点)で見る像の位置の差異のことであり、両眼像差(Binocular parallax)と呼ばれるものである。
【0068】
例えば記憶部170のタイミングデータ記憶部174は、判定基準タイミングのデータを記憶する。即ち、複数の判定基準タイミングを例えば複数の判定基準フレームとして記憶する。そして判定部110は、タイミングデータ記憶部174に記憶される判定基準タイミングのデータと、プレーヤの入力タイミングとに基づいて、タイミング判定処理を行う。例えば判定基準タイミングとプレーヤの入力タイミングの比較処理を行うことで、タイミング判定処理を実現する。そして画像生成部120は、判定基準タイミングにおいて移動体の画像の視差が所定視差になるように(例えば視差が無くなるように)、移動体が表示された立体視用画像(左眼用画像、右眼用画像)を生成する。例えば指示マーカやボール等の移動体は、移動体制御部106の制御により例えばオブジェクト空間内で移動する。またプレーヤが操作部160を用いてタイミング判定のための操作を行うと、その操作の入力タイミング(操作を入力したフレーム)が取得される。そして判定部110は、プレーヤの入力タイミングと、判定基準タイミングとの一致判定処理(合致判定処理)を、タイミング判定処理として行う。この場合に画像生成部120は、指示マーカやボール等の移動体が、判定基準タイミングにおいてその画像の視差が所定視差になるように(視差が無くなるように)、立体視用画像を生成する。例えば左眼用画像での移動体のオブジェクトの第1描画位置と右眼用画像での移動体のオブジェクトの第2描画位置との差が、判定基準タイミングにおいて所定基準値や所定基準範囲内になったり、第1描画位置と第2描画位置が判定基準タイミングにおいて一致(略一致を含む)するように、左眼用画像、右眼用画像を生成する。
【0069】
また判定部110は、タイミング判定処理として、入力タイミングと判定基準タイミングとのタイミング関係に基づく評価処理を行う。例えば入力タイミングと判定基準タイミングのタイミング差(時間差、フレーム差)に基づく評価処理を行う。するとゲーム演算部102は、評価処理の結果(良い評価か悪い評価か)に基づいて、ゲーム演算処理を行う。具体的には、プレーヤのゲーム成績の演算処理、移動体の表示制御処理、及びゲーム演出処理の少なくとも1つを、評価処理の結果に基づくゲーム演算処理として行う。
【0070】
ここでゲーム成績の演算処理は、タイミング判定処理に基づくゲームにより獲得されたプレーヤの得点やポイントや操作評価の演算処理である。例えば入力タイミングと判定基準タイミングのタイミング差(時間差)が少ないほど、プレーヤに対して高い得点や高いポイントや高い操作評価が与えられる。また移動体の表示制御処理は、例えば入力タイミングと判定基準タイミングとに基づく判定処理後における移動体の表示制御処理である。例えば評価結果に基づいて、移動体の移動方向や移動速度や移動加速度や表示態様を変化させる処理である。またゲーム演出処理は、タイミング判定処理の結果を視覚的又は聴覚的に表現するための演出処理であり、評価結果に基づく映像効果やサウンド効果を、ゲーム演出のために発生させる処理である。
【0071】
また画像生成部120は、評価処理の結果を表示する評価表示用オブジェクトの画像として、評価結果に応じて視差の度合いが変化する画像が表示された立体視用画像を生成する。例えば評価結果が第1の結果(例えば「良」)である場合には、視点側から見て基準スクリーンの手前側に見えるような視差を有する評価表示用オブジェクトを表示する。また評価結果が第2の結果(例えば「不可」)である場合には、例えば視点側から見て基準スクリーンの奥側に見えるような視差を有する評価表示用オブジェクトを表示する。また評価結果が第3の結果(例えば「可」)である場合には、例えば視差がゼロの評価表示用オブジェクトを表示する。
【0072】
また画像生成部120は、入力タイミングと判定基準タイミングとのタイミング差に応じて、移動体の画像の視差が変化する立体視用画像を生成する。例えば入力タイミングと判定基準タイミングとのタイミング差が大きくなるにつれて、移動体の画像の視差が大きくなったり、小さくなる立体視用画像を生成する。更に具体的には画像生成部120は、入力タイミングと判定基準タイミングとのタイミング差が大きくなるほど、移動体の画像の視差が大きくなる立体視用画像を生成する。例えば入力タイミングと判定基準タイミングとのタイミング差が大きい場合には、立体視において基準スクリーンから飛び出したり引っ込んで見えるような立体視用画像を生成する。
【0073】
また画像生成部120は、タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて移動体の画像の視差が無くなるように移動体が表示された立体視用画像を生成する。そしてタイミング判定処理においてプレーヤの入力タイミングが判定基準タイミングと合致したと判定され、プレーヤの入力が成功であると判定された場合には、ゲーム演出効果表示用オブジェクトの画像として、視差のある画像が表示された立体視用画像を生成する。例えば視差の無い画像の移動体の配置場所から、視差のある画像のゲーム演出効果表示用オブジェクトを発生させる処理などを行う。このようにすることで、移動体自身には視差が無くても、視差のあるゲーム演出効果表示用オブジェクトを用いて効果的なゲーム演出効果を実現できるようになる。
【0074】
また移動体は、例えばプレーヤが入力すべきタイミングを指示する指示マーカである。そして判定部110は、この指示マーカで指示されたタイミングでプレーヤが入力を行った場合に、プレーヤの入力タイミングと判定基準タイミングとの合致判定処理を、タイミング判定処理として行う。即ち、移動体である指示マーカは移動体制御部106の制御により移動し、この指示マーカが、プレーヤが入力すべきタイミングを指示する。そしてプレーヤが、指示されたタイミングで操作入力を行うと、その入力タイミングと判定基準タイミングとの合致判定処理(比較処理)が行われる。このようにすれば、指示マーカを用いた音楽ゲーム等のゲームを実現できるようになる。
【0075】
この場合に画像生成部120は、指示マーカについては、判定基準タイミングにおいて視差の無い画像が表示され、プレーヤの入力が行われたことを示す入力動作表示用オブジェクトについては、視差のある画像が表示された立体視用画像を生成する。即ち、判定基準タイミングにおいて、指示マーカについては視差の無い画像が表示されている場合にも、入力動作表示用オブジェクトについては視差のある画像が表示されるようにする。このようにすること、プレーヤは、入力が適正に行われたか否かを、視差のある入力動作表示用オブジェクトにより容易に把握できるようになる。
【0076】
移動体制御部106は、視点側から見て奥側から手前側に移動体を移動させる制御を行う。例えば移動体の奥行き値が、視点側から見て奥側を示す奥行き値から、手前側を示す奥行き値に変化するように、移動体を移動させる。そして判定基準タイミングにおいては、移動体の視差が所定視差になるような画像(視差が無くなるような画像)を生成する。こうすることで、移動体を用いたタイミング判定処理として、プレーヤにとって分かりやすい判定処理を実現できる。
【0077】
なお、移動体は球技ゲームにおけるボール(ボールを表すオブジェクト)であってもよい。そして判定部110は、球技ゲームに登場するキャラクタの所持物(バット、ラケット等)又は部位(足、手、頭等)によりボールがヒットされるようなヒット判定処理を、タイミング判定処理として行う。球技ゲームとしては、例えば野球ゲーム、テニスゲーム、サッカーゲーム等の種々のゲームを想定できる。そして移動体制御部106は、判定基準タイミングにおいて、入力すべきタイミングをプレーヤに知らせるための判定基準エリアを移動体が通過するように、移動体を移動させる制御を行う。例えば移動体制御部106は、タイミングデータ記憶部174に記憶される判定基準タイミングのデータに基づいて、判定基準タイミングにおいて移動体が判定基準エリアを通過するように、移動体の移動を制御する。こうすることで、判定基準エリアの通過時に視差が所定視差になるような移動体の画像(視差がゼロになるような移動体の画像)を生成できるようになる。
【0078】
なお、タイミングデータ記憶部174に、判定基準タイミングのデータと、表示基準タイミングのデータの両方を記憶してもよい。そしてプレーヤの入力タイミングについてのタイミング判定処理については、判定基準タイミングのデータを用いて行い、移動体の移動制御処理については、表示基準タイミングのデータを用いて行う。この場合に、判定基準タイミングと表示基準タイミングは、そのタイミングが同期するようなデータとなっており、このように同期したデータを用いることで、判定基準エリアの通過時に視差が所定視差になるような移動体の画像(視差がゼロになるような移動体の画像)を生成できるようになる。
【0079】
また画像生成部120は、判定基準エリアに対応する位置に設定された基準スクリーンに対して移動体のオブジェクトを透視投影して描画することで、判定基準タイミングにおいて移動体の画像の視差が無くなる立体視用画像を生成する。具体的には、基準スクリーンに対して移動体のオブジェクトを、左眼用仮想カメラの視点で透視投影して描画することで、左眼用画像を生成する。また基準スクリーンに対して移動体のオブジェクトを、右眼用仮想カメラの視点で透視投影して描画することで、右眼用画像を生成する。
【0080】
例えば2眼分離眼鏡方式の場合には、画像生成部120は、左眼用画像生成部(広義には第1視点画像生成部)122、右眼用画像生成部(広義には第2視点画像生成部)124を含む。そして左眼用画像生成部122が、左眼用仮想カメラの視点(第1の視点)での画像である左眼用画像(第1視点画像)を生成する。また右眼用画像生成部124が、右眼用仮想カメラの視点(第2の視点)での画像である右眼用画像(第2視点画像)を生成する。
【0081】
なお仮想カメラ制御部108は、例えば左眼用、右眼用仮想カメラを設定するための基準となる基準仮想カメラの制御を行う。そして、得られた基準仮想カメラの位置情報、方向情報と、設定されたカメラ間距離の情報に基づいて、左眼用、右眼用仮想カメラの位置情報(視点位置)、方向情報(視線方向)を求める。なお仮想カメラ制御部108が、左眼用、右眼用仮想カメラを直接制御するようにしてもよい。
【0082】
また立体方式としては、2眼分離眼鏡方式や、パララックスバリアやレンチキュラや、その他、光線の方向を制御することができる光学素子を用いた裸眼方式などの様々な方式を想定できる。2眼分離眼鏡方式としては、例えば偏光眼鏡方式、継時分離方式、色分離方式などがある。偏光眼鏡方式では、例えば表示部190の奇数ラインと偶数ラインに左眼用画像と右眼用画像を交互に表示し、これを偏光眼鏡(例えば左眼に水平方向の偏光フィルタ、右眼に垂直方向の偏光フィルタを付けた眼鏡)で見ることで立体視を実現する。或いは左眼用画像と右眼用画像を特殊な偏光フィルタを有するプロジェクタで投影し、投影画像を偏光眼鏡で見ることで立体視を実現してもよい。また継時分離方式(ページ・フリップ方式)では、表示部190に左眼用画像、右眼用画像を所定期間毎(例えば1/120秒毎、1/60秒毎)に交互に表示する。そして、この表示の切り替えに連動して液晶シャッター付きの眼鏡の左眼、右眼の液晶シャッターを交互に開閉することで、立体視を実現する。色分離方式では、例えばアナグリフ画像を生成し、赤青眼鏡等で見ることで、立体視を実現する。
【0083】
また左眼用画像と右眼用画像から立体用視画像を生成する機能は、画像生成部120に持たせてもよいし、表示部190(テレビ等)に持たせてもよい。例えば画像生成部120が、サイドバイサイド方式の画像信号を出力する。すると表示部190が、このサイドバイサイドの画像信号に基づいて、奇数ラインと偶数ラインに左眼用画像と右眼用画像が交互に割り当てられるフィールドシーケンシャル方式の画像を表示する。或いは、左眼用画像と右眼用画像が所定期間毎に交互に切り替えられるフレームシーケンシャル方式の画像を表示する。或いは画像生成部120の方が、フィールドシーケンシャル方式やフレームシーケンシャル方式の画像を生成して、表示部190に出力するようにしてもよい。
【0084】
また画像生成部120は、判定基準タイミングにおいて移動体の色、形状及びサイズの少なくとも1つが変化する立体視用画像を生成してもよい。例えば移動体の色、形状又はサイズを、判定基準タイミング(ジャストタイミング)においては、判定基準タイミング以外のタイミングとは異なった色、形状又はサイズに設定する。このようにすることで、判定基準タイミングでの移動体の視認性が高くなり、プレーヤがタイミングを把握しやすいタイミング判定処理を実現できる。
【0085】
またゲーム音や効果音等の音を生成する音生成部130は、移動体の視差に応じて、音像定位が変化する音を生成してもよい。即ち移動体の立体視の度合いに応じて、音出力部192から出力される音の音像定位を変化させる。例えば移動体が画面から飛び出して見えるような視差(立体視用画像)の場合には、音の音像定位を画面よりも手前側(プレーヤ側)の位置に設定する。一方、移動体が画面の奥側に引っ込むような視差の場合には、音の音像定位を画面よりも奥側の位置に設定する。このようにすることで、立体視用画像における移動体の立体感と、音の音像定位による立体感とが連動するようになり、プレーヤが感じる立体感を向上できる。
【0086】
また判定部110は、仮想表示物と、現実空間の被ヒット体とのヒット判定処理を行ってもよい。そして例えばゲーム演算部102が、このヒット判定処理の結果に基づいて、プレーヤの得点やポイント等のゲーム結果を演算するゲーム演算処理を行う。ここで、仮想表示物は、例えば移動体又はタイミング判定処理用の操作対象物に対応する仮想的な表示物であって、立体視用画像に基づき表示部190の表示画面側空間等に仮想表示されるものである。タイミング判定処理用の操作対象物とは、移動体を用いたタイミング判定処理において、プレーヤの操作対象となる表示物である。また被ヒット体は、現実空間の物体である。更に具体的には、判定部110は、仮想表示物と、プレーヤの部位(指、手等)やポインティングデバイス等の被ヒット体とのヒット判定処理を、プレーヤ(プレーヤの部位やポインティングデバイス)を撮影する撮像部(カメラ)からの撮像情報に基づいて行う。こうすることで、撮像部を利用した簡易な処理で、仮想表示物と被ヒット体とのヒット判定処理を実現できる。なお、撮像部の撮像センサとは異なるセンサ(人感センサ、光センサ、赤外線センサ等)からのセンサ情報に基づいて、仮想表示物と被ヒット体とのヒット判定処理を行ってもよい。
【0087】
なお本実施形態の画像生成システムはサーバシステムにより実現してもよい。図24にサーバシステムにより実現する場合の構成例を示す。
【0088】
サーバシステム500は、端末装置TM1〜TMnとネットワーク510を介して通信接続される。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1〜TMnはクライアントである。サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲームサーバ、通信サーバ、課金サーバ等)により実現できる。ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
【0089】
端末装置TM1〜TMnは、例えば携帯型ゲーム装置、据え置き型の家庭用ゲーム装置、或いは業務用ゲーム装置等により実現される。携帯型ゲーム装置は専用のゲーム装置であってもよいし、携帯電話機や携帯型情報端末などのゲームプログラムの実行が可能な汎用の装置であってもよい。
【0090】
サーバシステム500は、処理部600、記憶部670、情報記憶媒体680、通信部696を含む。処理部600は、ゲーム演算部602、オブジェクト空間設定部604、移動体制御部606、仮想カメラ制御部608、判定部610、画像生成用データ生成部620、音生成用データ生成部630を含む。なおこれらの各部(各ブロック)の機能、動作等は、図1の各部(各ブロック)と同様である。
【0091】
例えばサーバシステム500の移動体制御部606は、移動体の制御を行い、判定部610は、移動体を用いたタイミング判定処理を行う。そして画像生成用データ生成部620は、立体視用画像を生成するための画像生成用データデータを生成する。また音生成用データ生成部630は、音を生成するための音生成用データを生成する。
【0092】
そして本実施形態では画像生成用データ生成部620は、タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて移動体の画像の視差が所定視差になるように(例えば視差が無くなるように)、移動体が表示された立体視用画像を生成するための画像生成用データを生成する。
【0093】
ここで、画像を生成するための画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像をTM1〜TMnの各端末装置において表示するためのデータであり、画像データそのものであってもよいし、各端末装置が画像を生成するために使用する各種データ(オブジェクトデータ、制御結果データ、判定結果データ又は表示画面の設定データ等)であってもよい。例えばサーバシステム500が、各端末装置の操作部からの操作情報を取得し、各種の制御処理や各種の判定処理を行い、画像を生成して、TM1〜TMnの各端末装置に配信(ストリーム配信等)する場合には、上述の画像生成用データは画像データそのものになる。一方、サーバシステム500が、各端末装置の操作部からの操作情報を取得し、各種の制御処理や各種の判定処理を行い、その制御結果や判定結果に基づいてTM1〜TMnの各端末装置が画像を生成する場合には、上述の画像生成用データは、制御結果データや判定結果データやオブジェクトデータなどになる。音生成用データ生成部630が生成する音生成用データについても同様である。
【0094】
なおゲーム演算部602、オブジェクト空間設定部604、移動体制御部606、仮想カメラ制御部608、判定部610、画像生成用データ生成部620、記憶部670、情報記憶媒体680、通信部696等の詳細な機能、動作は図1で上述に説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0095】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について具体的に説明する。
【0096】
2.1 判定基準タイミングを用いたタイミング判定処理
まず、本実施形態の手法について説明する前に、立体視におけるビューボリュームの設定について説明する。図2に示すように、立体視用画像を生成するためには、所与のカメラ間距離だけ離れた位置に設定される左眼用仮想カメラVCLと右眼用仮想カメラVCRを用いる。
【0097】
そして左眼用仮想カメラVCLに対応して左眼用ビューボリュームVVL(左眼用視錐台)が設定され、右眼用仮想カメラVCRに対応して右眼用ビューボリュームVVR(右眼用視錐台)が設定される。具体的には左眼用、右眼用仮想カメラVCL、VCRの位置や方向に基づいて、左眼用、右眼用ビューボリュームVVL、VVRの位置や方向が設定される。
【0098】
この場合に左眼用仮想カメラVCLから見える画像である左眼用画像は、左眼用ビューボリュームVVL内に存在するオブジェクトをスクリーンSC(基準スクリーン)に透視投影して描画することで生成される。同様に右眼用仮想カメラVCRから見える画像である右眼用画像は、右眼用ビューボリュームVVR内に存在するオブジェクトをスクリーンSCに透視投影して描画することで生成される。
【0099】
この場合、スクリーンSCに透視投影されない位置にあるオブジェクトは、描画対象にはならないため、これらのオブジェクトに対して透視投影変換処理を行うと、処理の無駄となる。このため、各左眼用、右眼用仮想カメラにおいてスクリーンSCに透視投影されない位置にあるオブジェクトがビューボリューム内に入らないように、図2に示すように左眼用、右眼用ビューボリュームVVL、VVRが設定される。なお図2において、CNL、CFLは、各々、左眼用ビューボリュームVVLの前方クリッピング面、後方クリッピング面であり、CNR、CFRは、各々、右眼用ビューボリュームVVRの前方クリッピング面、後方クリッピング面である。
【0100】
以上のように左眼用画像、右眼用画像を生成して立体視を実現する手法では、左眼用画像と右眼用画像の視差により奥行き感を認識させている。
【0101】
例えば図2において、スクリーンSC上の点Aに位置するオブジェクトについての、左眼用画像での描画位置ALと、右眼用画像での描画位置ARは同じ位置になる。
【0102】
これに対して、点Bに位置するオブジェクトは、左眼用画像では点BLの位置に描画され、右眼用画像では点BRの位置に描画される。そして、このように左眼用画像、右眼用画像の描画位置にズレを持たせることで、点Bに位置するオブジェクトが、画面からユーザの方に飛び出して見える立体視表現を実現できる。
【0103】
さて、このような立体視システムにおいて音楽ゲームや野球ゲームなどのタイミング判定処理を行った場合に、何ら工夫を施さないと、プレーヤのタイミングの取り方が難しくなるおそれがあることが判明した。
【0104】
そこで本実施形態では、音楽ゲームにおける指示マーカ(音符)や野球ゲームにおけるボールなどの移動体を用いてタイミング判定を行う場合に、タイミング判定の判定基準タイミングにおいて移動体の画像の視差が所定視差になるように立体視用画像を生成する手法を採用している。例えば判定基準タイミングにおいて移動体の画像の視差が無くなるように立体視用画像を生成する。このようにすることで、例えば判定基準タイミングを境にして移動体が飛び出たり引っ込む立体視用画像などが生成され、この移動体を用いた判定処理が行われるようになる。従って、例えば判定基準タイミングがベストなタイミングになるようなタイミング判定を実現することができ、立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現できる。
【0105】
例えば図3(A)では、指示マーカ等の移動体MOB1、MOB2、MOB3が移動している。具体的には、例えばオブジェクト空間内において視点側(仮想カメラ側)から見て奥側から手前側に移動体MOB1〜MOB3が移動する。この場合に、移動体MOB1〜MOB3の画像は所定視差とは異なる視差の画像になっている。例えば移動体MOB1〜MOB3の画像は視差のある画像になっている。具体的には、例えば基準スクリーン(透視投影面)に対して奥側に移動体MOB1〜MOB3が引っ込んだように見える立体視用画像が生成される。
【0106】
図3(B)では、判定基準タイミングTMB1において移動体MOB1の画像の視差が所定視差になるように、立体視用画像が生成される。例えば移動体MOB1の画像の視差が無くなるように、立体視用画像が生成される。この時、移動体MOB2、MOB3については、所定視差とは異なる視差の画像になっている。例えば視差のある画像になっている。
【0107】
その後、移動体MOB1〜MOB3は移動を続け、図3(C)に示すように、判定基準タイミングTMB2では、今度は移動体MOB2の画像の視差が所定視差になるように、立体視用画像が生成される。例えば移動体MOB2の画像の視差が無くなるように立体視用画像が生成される。この時、移動体MOB1、MOB3については所定視差とは異なる視差となっている。例えば視差のある画像になっている。具体的には、例えば移動体MOB1については基準スクリーンに対して手前側に飛び出して見え、移動体MOB3については基準スクリーンに対して奧側に引っ込んで見える立体視用画像が生成される。
【0108】
そしてプレーヤは、図3(B)の判定基準タイミングTMB1と入力タイミングとが一致するように、ゲームの操作入力を行う。音楽ゲームを例にとれば、移動体MOB1〜MOB3は、プレーヤの操作入力を指示する指示マーカとなる。プレーヤは、指示マーカとなる移動体MOB1により指示される操作入力を、判定基準タイミングTMB1において行う。この際、移動体MOB1は、判定基準タイミングTMB1において所定視差の画像(例えば視差の無い画像)になる。
【0109】
またプレーヤは、図3(C)の判定基準タイミングTMB2と入力タイミングとが一致するように、ゲームの操作入力を行う。音楽ゲームを例にとれば、プレーヤは、指示マーカとなる移動体MOB2により指示される操作入力を、判定基準タイミングTMB2において行う。この際、移動体MOB2は、判定基準タイミングTMB2において所定視差の画像(例えば視差の無い画像)になる。
【0110】
このようにすれば、プレーヤは、移動体MOB1、MOB2の画像が所定視差の状態(視差の無い状態)になる判定基準タイミングTMB1、TMB2に合わせて、操作入力を行うことが可能になる。従って、操作入力のジャストのタイミングが、所定視差の移動体MOB1、MOB2の画像が表示された状態になるため、プレーヤの操作入力を容易化できる。即ち、例えば所定視差の状態が視差の無い状態である場合には、判定基準タイミングTMB1、TMB2は、立体視において移動体が飛び出して見えるか引っ込んで見えるかの境目のタイミングになる。従って、この判定基準タイミングを、タイミング判定のジャストのタイミングに設定することで、プレーヤの操作入力が容易化される。音楽ゲームを例にとれば、判定基準タイミングTMB1、TMB2では移動体MOB1、MOB2は視差の無い画像になり、プレーヤは、移動体MOB1、MOB2が視差が無くなるタイミングに合わせて、指示された操作入力を行う。従って、プレーヤにとってタイミングのとりやすい音楽ゲームを実現できる。なお、入力タイミングは、プレーヤが操作部160を実際に操作するタイミングには限定されず、プレーヤが操作部160を操作することで、タイミング判定処理においてプレーヤの入力タイミングであると見なされるタイミングであってもよい。楽器を演奏する音楽ゲームを例にとれば、プレーヤが操作部160を操作することにより楽器が演奏される場合に、実際に楽器から音が出るタイミング等を、プレーヤの入力タイミングとしてもよい。
【0111】
図4(A)、図4(B)は、立体視における画像の視差について説明する図である。図4(A)に示すように視差のある画像では、左眼用画像でのオブジェクトMOBLの描画位置と、右眼用画像でのオブジェクトMOBRの描画位置がずれている。例えば図2の点Bの位置にあるオブジェクトは、左眼用画像ではスクリーンSCの点BLの位置に描画され、右眼用画像ではスクリーンSC上の点BRの位置に描画されるからである。
【0112】
一方、図4(B)に示すように視差の無い画像では、左眼用画像でのオブジェクトMOBLの描画位置と、右眼用画像でのオブジェクトMOBRの描画位置は一致している。例えば図2の点Aの位置にあるオブジェクトは、左眼用画像でも右眼用画像でもスクリーンSC上の点Aの位置に描画されるからである。
【0113】
図5は、タイミングデータについて説明する図である。例えば図1のタイミングデータ記憶部174は、判定基準タイミングTMB1〜TMB5のデータを記憶する。これらの判定基準タイミングTMB1〜TMB5のデータはタイミングデータ記憶部174に記憶される。
【0114】
そして図5に示すように、移動体MOB1は判定基準タイミングTMB1において画像の視差が所定視差になるように制御される(視差が無くなるように制御される)。同様に、移動体MOB2〜MOB5は判定基準タイミングTMB2〜TMB5において画像の視差が所定視差になるように制御される(視差が無くなるように制御される)。具体的には、移動体MOB1は、判定基準タイミングTMB1において判定基準エリアを通過するように制御される。同様に移動体MOB2〜MOB5は、判定基準タイミングTMB2〜TMB5において判定基準エリアを通過するように制御される。
【0115】
ここで判定基準エリアは、入力すべきタイミングをプレーヤに知らせるためのエリアである。判定基準エリアは、2次元図形のエリアであってもよいし、3次元図形のエリアであってもよい。或いは判定基準エリアは、判定基準となる位置であってもよい。
【0116】
例えば、MOB1〜MOB5の各移動体は、タイミングデータ記憶部174に記憶されるタイミングデータに基づいて制御される。即ち、TMB1〜TMB5の各判定基準タイミングにおいて、MOB1〜MOB5の各移動体が判定基準エリアを通過するように制御される。そしてMOB1〜MOB5の各移動体は、判定基準エリアを通過する際に、その画像の視差が所定視差になるように(視差が無くなるように)、立体視用画像が生成される。これにより、TMB1〜TMB5の各判定基準タイミングにおいて、MOB1〜MOB5の各移動体の視差が所定視差になる画像(視差が無くなる画像)が生成されるようになる。
【0117】
なお、プレーヤの入力タイミングのタイミング判定処理については、判定基準タイミングのデータに基づいて判定を行い、MOB1〜MOB5の各移動体の移動制御については、この判定基準タイミングのデータに同期するように作成された表示基準タイミングのデータに基づき制御することが望ましい。例えば表示基準タイミングのデータは、図5のTMB1〜TMB5の各判定基準タイミングにおいて、MOB1〜MOB5の各移動体が、例えば判定基準エリア(判定基準位置)を通過するように制御するためのデータである。この場合に、プレーヤの入力タイミングについては、1フレーム内において複数回サンプリングできる。従って、判定基準タイミングのデータについては、例えばmsec単位のデータにする一方で、表示基準タイミングのデータについては、フレーム単位のデータにすることが望ましい。
【0118】
次に本実施形態のタイミング判定処理の詳細について説明する。本実施形態では、タイミング判定処理として、プレーヤの入力タイミングと、判定基準タイミングとのタイミング関係に基づく評価処理を行っている。なお、以下では、移動体の視差が所定視差である状態が、視差が無い状態であるとして、説明を行う。
【0119】
例えば図6(A)では、プレーヤの入力タイミングと、判定基準タイミングは一致している。例えば図3(B)において、移動体MOB1に対応する判定基準タイミングTMB1において、プレーヤが操作入力を行っており、判定基準タイミングTMB1と入力タイミングとが一致したと判定されている。そして、このタイミングでは、移動体MOB1の画像は視差が無い画像になっている。
【0120】
具体的には、プレーヤの入力タイミングを、例えばmsec単位の時間間隔(表示基準タイミングよりも短い時間間隔)でサンプリングして取得する。そして、取得された入力タイミングの近傍に、判定基準タイミングが存在するか否かを検索する。そして、入力タイミングとのタイミング差が例えば1フレーム以内(広義には所定しきい値以下)である判定基準タイミングが検索された場合には、その判定基準タイミングと入力タイミングとが一致したと判定する。
【0121】
そして本実施形態では、この入力タイミングと判定基準タイミングとのタイミング関係に基づく評価処理が行われ、評価処理の結果に基づいて、プレーヤのゲーム成績の演算処理、移動体の表示制御処理、或いはゲーム演出処理などのゲーム演算処理が行われる。
【0122】
例えば図6(A)では、プレーヤの入力タイミングと判定基準タイミングが一致したと評価されているため、プレーヤのゲーム成績(得点、ポイント)は高いゲーム成績となる。また、野球ゲームを例にとれば、移動体であるボールの移動方向が、真っ直ぐな方向であるセンター方向に設定される。また、プレーヤの入力操作の成功を表すようなゲーム演出処理が行われる。
【0123】
一方、図6(B)、図6(C)では、プレーヤの入力タイミングと判定基準タイミングは一致しておらず、図6(B)では入力タイミングの方が判定基準タイミングよりも早くなっており、図6(C)では入力タイミングの方が判定基準タイミングよりも遅くなっている。この場合にも入力タイミングは、判定基準タイミングを基準(中心)に設定される許容期間TR内に収まっている。従って、プレーヤの入力操作は成功であると判断されて、プレーヤの入力操作に対する評価処理が行われる。そしてこの評価処理は、入力タイミングと判定基準タイミングのタイミング差や前後関係などのタイミング関係に基づいて行われる。
【0124】
例えば入力タイミングと判定基準タイミングのタイミング差(時間差)が短くなるほど、プレーヤの入力操作に対する評価は高くなり、プレーヤに与えられるゲーム成績が高くなる。即ち図6(A)のようにタイミングが一致すると、図6(B)、図6(C)に比べてプレーヤの得点、ポイント等のゲーム成績は高くなる。またタイミング差が短くなるほど、ヒット後の移動体の速度や加速度が高くなるという移動体の表示制御を行ってもよい。或いはタイミング差が短くなるほど、ゲーム演出効果を高くするようにしてもよい。例えば図6(A)のように入力タイミングが判定基準タイミングに対してジャストタイミングである場合には、タイミング判定における高いゲーム演出効果の画像や音が出力される。一方、図6(B)、(C)のように入力タイミングと判定基準タイミングの間にずれがあると、図6(A)に比べて、ゲーム演出用表示物やゲーム演出音などで実現されるゲーム演出効果が低くなる。
【0125】
またタイミング差ではなく、入力タイミングと判定基準タイミングの前後関係を評価してもよい。例えば図6(B)のように入力タイミングの方が判定基準タイミングよりも早い場合と図6(C)のように入力タイミングの方が判定基準タイミングよりも遅い場合とで、プレーヤに与えるゲーム成績を異ならせたり、ヒット後の移動体の移動方向を変化させる。或いは、入力タイミングが判定基準タイミングよりも早い場合と遅い場合とで、ゲーム演出用表示物やゲーム演出音などで実現されるゲーム演出効果を変化させてもよい。
【0126】
また本実施形態では、プレーヤの入力タイミングと判定基準タイミングとのタイミング差に応じて、移動体の画像の視差が変化する立体視用画像が生成される。具体的には、例えばプレーヤの入力タイミングと判定基準タイミングとのタイミング差が大きくなるほど、移動体の画像の視差が大きくなる立体視用画像が生成される。例えば図6(D)に比べて図6(E)の方が、入力タイミングと判定基準タイミングのタイミング差は大きくなっているため、図6(D)よりも図6(E)の方が移動体の画像の視差が大きくなる。
【0127】
例えば図3(B)のように判定基準タイミングTMB1で、プレーヤが操作入力を行った場合には、移動体MOB1の画像の視差はゼロになる。一方、判定基準タイミングTMB1から、時間的に遅れてプレーヤが操作入力を行った場合には、移動体MOB1の画像の視差は大きくなる。即ち、判定基準タイミングと入力タイミングのタイミング差が大きくなると、それにつれて移動体MOB1の画像の視差が大きくなる。
【0128】
このようにすれば移動体の画像の視差が無い状態のタイミングで、プレーヤが操作入力を行った場合には、プレーヤの操作に対して与えられる評価等が高くなり、移動体の画像の視差が大きくなった状態のタイミングで、プレーヤが操作入力を行った場合には、プレーヤの操作に対して与えられる評価等が低くなる。従って、移動体の画像の視差と、プレーヤの操作に対して与えられる評価の大小が連動するようになり、プレーヤにとって分かりやすく、立体視システムに好適な入力タイミングの評価処理を実現できるようになる。
【0129】
2.2 音楽ゲームへの適用例
次に各種ゲームへの本実施形態の手法の適用例について説明する。まず、本実施形態が適用される携帯型ゲーム装置の構成例について、図7(A)、図7(B)を用いて説明する。なお、以下においても、移動体の視差が所定視差である状態が、移動体の視差の無い状態であるとして、説明を行う、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0130】
この携帯型ゲーム装置は、メイン表示部190Mとサブ表示部190Sを有する。サブ表示部190Sは、例えばタッチパネル方式の液晶ディスプレイにより実現され、ゲーム装置の筐体10に設けられる。メイン表示部190Mは、サブ表示部190Sよりも例えば画素数が多いディスプレイとなっており、例えば液晶ディスプレイなどにより実現される。なお、メイン表示部190Mは、例えば裸眼の立体視画像を表示できるディスプレイになっており、ゲーム画像が立体視で表示される。
【0131】
携帯型ゲーム装置の筐体10と筐体20は回動自在に設けられており、筐体10には、方向指示キー12、アナログスティック(ジョイスティック)14、操作ボタン16が設けられている。また図7(B)に示すように、筐体20の背面側(メイン表示部190Mの反対側)には第1、第2のカメラCM1、CM2が設けられている。これらの第1、第2のカメラCM1、CM2を用いて被写体を撮影することで、視差のある左眼用画像と右眼用画像を得ることが可能になり、立体視表示が可能になる。
【0132】
また筺体20の正面側(メイン表示部190側)には、カメラCM3(広義には撮像部)が設けられている。このようなカメラCM3を設けることで、携帯型ゲーム装置を持ってプレイしているプレーヤの画像を撮影することが可能になる。
【0133】
更に携帯型ゲーム装置には図示しないモーションセンサ(6軸センサ)が内蔵されている。そして、プレーヤが携帯型ゲーム装置を手に持って動かした場合に、このモーションセンサを用いることで、図7(A)のX軸、Y軸、Z軸方向での加速度や、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りでの角速度を検出できる。
【0134】
次に音楽ゲームへの本実施形態の手法の適用例について説明する。図8、図9は本実施形態の手法を音楽ゲームに適用した場合に生成される画像の例である。なお、以下では音楽ゲームとして太鼓の演奏ゲームを例にとり説明するが、本実施形態の手法を適用できる音楽ゲームの分野はこれに限定されない。
【0135】
図8、図9では、メイン表示部190Mには、指示マーカMK1〜MK5、判定基準エリアARB、太鼓のキャラクタCHT、評価表示用オブジェクトSOB、ゲージGOBが表示されている。サブ表示部190Sには、プレーヤが叩く太鼓TOBの画像が表示されている。
【0136】
指示マーカMK1〜MK5(広義には移動体)は、例えば視点側(仮想カメラ側)から見て奥側から手前側に移動して、判定基準エリアARBを通過する。具体的には、MK1〜MK5の各指示マーカは、図5等で説明したように、TMB1〜TMB5の各判定基準タイミングで判定基準エリアARBを通過する。例えば図8では、判定基準タイミングTMB1で指示マーカMK1が判定基準ARBを通過する。また図9では、判定基準タイミングTMB2で指示マーカMK2が判定基準ARBを通過する。プレーヤは、これらの各指示マーカが判定基準ARBを通過するタイミングである各判定基準タイミングで、サブ表示部190Sの画面を、タッチペン30(ポインティングデバイス)でタッチする。
【0137】
具体的には、「ドン」の操作を指示する指示マーカMK1が判定基準エリアARBを通過する判定基準タイミングTMB1では、プレーヤは、図8のB1に示すように、サブ表示部190Sの画面のうち、太鼓TOBの画像の部分をタッチペン30でタッチする。これにより、太鼓の真ん中部分を叩いて「ドン」という音を出す太鼓の演奏を、プレーヤに疑似体験させることができる。
【0138】
一方、「カツ」と表示される指示マーカMK2が判定基準エリアARBを通過するタイミングである判定基準タイミングTMB2では、図9のB2に示すように、サブ表示部190Sの画面のうち、太鼓TOBの画像以外の部分をタッチペン30でタッチする。これにより、太鼓の枠の部分を叩いて「カツ」という音を出す太鼓の演奏を、プレーヤに疑似体験させることができる。そして、プレーヤの太鼓を叩く操作が成功する毎に、ゲージGOBで表されるプレーヤの獲得ポイントが高くなって行く。
【0139】
そして本実施形態では、各指示マーカが判定基準エリアARBを通過する各判定基準タイミングでは、各指示マーカの画像は視差が無い画像(広義には所定視差の画像)になっている。
【0140】
例えば図10(A)では、指示マーカMK1〜MK3のいずれもが、判定基準エリアARBを通過せずに、判定基準エリアARBの奥側に位置するため、MK1〜MK3は視差のある画像になっている。
【0141】
一方、図10(B)では、指示マーカMK1が判定基準タイミングTMB1で判定基準エリアARBを通過しており、MK1の画像は視差が無い画像になっている。この時、指示マーカMK2、MK3は、判定基準エリアARBを通過せずに、判定基準エリアARBの奥側に位置するため、視差のある画像になっている。
【0142】
また図10(C)では、指示マーカMK2が判定基準タイミングTMB2で判定基準エリアARBを通過しており、MK2の画像は視差が無い画像になっている。この時、指示マーカMK1は判定基準エリアARBの手前側に位置し、指示マーカMK3はARBの奥側に位置するため、MK1、MK3は視差のある画像になっている。具体的には指示マーカMK1は立体視において判定基準エリアARBから飛び出して見える画像になり、指示マーカMK3は判定基準エリアARBから引っ込んで見える画像になる。
【0143】
以上のようにすることで、プレーヤの眼には、各判定基準タイミングを境として、各指示マーカが、スクリーンの奥側に引っ込んでいる状態からスクリーンの手前側に飛び出して来るように見える。従って、プレーヤは、指示マーカの画像の視差の無い状態がジャストタイミングであることを認識することができ、指示マーカにより指示される操作(「ドン」、「カツ」の操作)を行うタイミングを容易に把握することが可能になる。これにより、プレーヤの操作インターフェース環境を向上できる。
【0144】
なお図8〜図10(C)では判定基準エリアARBは2次元の四角形状になっているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば判定基準エリアARBは四角形状以外の形状であってもよいし、立体形状であってもよい。
【0145】
また例えば図10(A)〜図10(C)において、指示マーカMK1〜MK3の移動経路に沿ったレーン表示物(音符等の指示マーカが流れてくるラインを表す表示物)を表示するようにしてもよい。この場合には、レーン表示物と、指示マーカMK1〜MK3(移動体)との立体視度合いを変えることが望ましい。例えば判定基準タイミング(判定基準エリア)に近づくにつれて、MK1〜MK3の各指示マーカが、レーン表示物から浮き上がって見えるような立体視表示を行うようにしてもよい。
【0146】
次に図8〜図10(C)の音楽ゲームへの適用例におけるタイミング判定処理の詳細について説明する。
【0147】
図11(A)ではプレーヤの入力タイミングTMIと、指示マーカMKの判定基準タイミングTMBとが一致している。例えば図8において「ドン」の操作を指示する指示マーカMK(MK1)が判定基準エリアARBを通過する判定基準タイミングTMB(TMB1)と同じタイミングで、プレーヤが、タッチペン30でサブ表示部190Sの太鼓TOBの画像をタッチしている。そして、このタイミングでは、指示マーカMKの画像は視差が無い画像になっている。
【0148】
このようにプレーヤの入力タイミングと判定基準タイミングが一致していると判断されると、プレーヤの入力操作に対して非常に高い評価が与えられ、入力操作の評価が「良」であることを知らせる評価表示用オブジェクトSOBが表示される。
【0149】
例えば図11(B)、図11(C)ではプレーヤの入力タイミングと、指示マーカMKが判定基準エリアARBを通過する判定基準タイミングTMBは一致しておらず、図11(B)では入力タイミングの方が判定基準タイミングよりも早くなっており、図11(C)では入力タイミングの方が判定基準タイミングよりも遅くなっている。この場合にも入力タイミングは、判定基準タイミングを基準(中心)に設定された許容期間TR内に収まっている。従って、プレーヤの入力操作はある程度成功していると判断されて、入力操作の評価が「可」であることを知らせる評価表示用オブジェクトSOBが表示される。
【0150】
以上のようにすることで、音楽ゲームにおいて、入力タイミングと判定基準タイミングのタイミング関係に応じた適正な評価を、プレーヤに対して与えることが可能になる。そして本実施形態では図11(A)のように判定基準タイミングTMBでプレーヤが操作入力を行った場合に、プレーヤに対して高い評価が与えられ、この時の指示マーカMKの画像は視差の無い画像になる。従って、プレーヤは、指示マーカMKの画像の視差が無くなるタイミングを判断して、操作入力を行えばよくなるため、プレーヤが直感的に把握しやすい操作インターフェース環境を提供できるようになる。
【0151】
2.3 各種オブジェクトの表示制御
本実施形態では、図8、図9に示すように、操作入力の評価処理の結果を表示する評価表示用オブジェクトSOBを表示する。具体的には、評価表示用オブジェクトSOBの画像として、評価結果に応じて視差の度合いが変化する画像を表示する。
【0152】
例えば図12(A)では判定基準タイミングTMBにおいて指示マーカMKが判定基準エリアARBを通過しており、プレーヤは、指示マーカMKが判定基準エリアARBを通過する判定基準タイミングTMBで、「ドン」の操作を指示する操作入力を行っている。従って、図12(B)に示すように、入力タイミングTMIと判定基準タイミングTMBは一致しており、プレーヤに対しては、高い評価結果である「良」の評価が与えられる。このため、「良」の評価結果をプレーヤに知らせる評価表示用オブジェクトSOBが表示される。
【0153】
この場合に、評価表示用オブジェクトSOBは、図12(B)に示すように、判定基準エリアARBに対応する基準スクリーンSC(透視投影面)よりも手前側に配置される。従って、図12(A)に示すように、評価表示用オブジェクトSOBが画面から飛び出して見える立体視用画像が生成されて、プレーヤに表示されるようになる。即ち、指示マーカMKについては、基準スクリーンSC(判定基準エリア)の位置にあり、視差の無い画像になっている一方で、評価表示用オブジェクトSOBについては、視差のある画像になっており、画面から手前側に飛び出して見える画像になっている。
【0154】
一方、図13(A)、図13(B)では、プレーヤは、指示マーカMKが判定基準エリアARBを通過した後に、「ドン」の操作を指示する操作入力を行っており、プレーヤの入力タイミングTMIの方が、判定基準タイミングTMBよりも遅れている。そして、入力タイミングTMIは、判定基準タイミングTMBを基準に設定された許容期間TR内に収まっているため、プレーヤに対しては、「可」の評価が与えられる。このため、「可」の評価結果をプレーヤに知らせる評価表示用オブジェクトSOBが表示される。
【0155】
そして、この「可」を表す評価表示用オブジェクトSOBは、図13(B)に示すように、判定基準エリアARBに対応する基準スクリーンSCの位置に配置される。従って、評価表示用オブジェクトSOBは視差の無い画像になる。また、指示マーカMKは判定基準エリアARBを通過しているため、指示マーカMKの画像は、画面から飛び出して見える画像になっている。
【0156】
また、図14(A)、図14(B)では、プレーヤの入力タイミングTMIの方が判定基準タイミングTMBよりも遅れており、且つ、入力タイミングTMIは許容期間TR内に収まっていない。従って、プレーヤに対しては、「不可」の評価が与えられ、「不可」の評価結果をプレーヤに知らせる評価表示用オブジェクトSOBが表示される。
【0157】
そして、この「不可」を表す評価表示用オブジェクトSOBは、図14(B)に示すように、基準スクリーンSCの奥側の位置に配置される。従って、評価表示用オブジェクトSOBが画面の奥側に引っ込んで見える立体視用画像が生成されて、プレーヤに表示されるようになる。
【0158】
このように図12(A)〜図14(B)では、評価表示用オブジェクトSOBは、評価結果に応じてその視差の度合いが変化する画像になっている。即ち図12(A)、図12(B)のように評価結果が「良」である場合には、評価表示用オブジェクトSOBは画面から手前側に飛び出して見える画像になり、図13(A)、図13(B)のように評価結果が「可」である場合には、視差の無い画像になる。そして図14(A)、図14(B)のように評価結果が「不可」である場合には、評価表示用オブジェクトSOBは、画面から奥側に引っ込んで見える画像になる。
【0159】
従って、プレーヤは、評価表示用オブジェクトSOBの視差の度合いによって、自身に与えられた評価を直感的に認識することが可能になる。即ち、プレーヤは、評価表示用オブジェクトSOBが画面から飛び出し見える場合には、操作入力が良い評価であったと認識し、評価表示用オブジェクトSOBが画面から引っ込んで見える場合には、操作入力が悪い評価であったと認識することができる。従って、評価結果を、直感的に分かりやすくプレーヤに伝えることが可能になる。
【0160】
また本実施形態では、プレーヤの入力が成功であると判定された場合に、ゲーム演出効果表示用オブジェクトの画像を表示すると共に、このゲーム演出効果表示用オブジェクトとして、視差のある画像を表示している。
【0161】
例えば図15(A)では、太鼓のキャラクタCHTにより、太鼓を連打することが指示されている。そして、この連打の操作入力に成功している場合には、図15(A)に示すようなゲーム演出効果表示用オブジェクトEOB1、EOB2、EOB3の画像を表示する。具体的には図15(B)に示すように、ゲーム演出効果表示用オブジェクトEOB1、EOB2、EOB3は、指示マーカMKの位置から画面の手前側に向かって放出されるように移動する。従って、指示マーカMKについては視差の無い画像になっている一方で、ゲーム演出効果表示用オブジェクトEOB1、EOB2、EOB3については、画面の手前側に次々と飛び出し見える立体視用画像が生成されるようになる。このため、指示マーカMKが視差の無い画像になっている場合に、ゲーム演出効果表示用オブジェクトEOB1、EOB2、EOB3が立体視的に画面から飛び出して見えるようになることで、これらのオブジェクトEOB1、EOB2、EOB3による演出効果を格段に向上できる。
【0162】
また本実施形態では、指示マーカについては、判定基準タイミングにおいて視差の無い画像を表示すると共に、プレーヤの入力が行われたことを示す入力動作表示用オブジェクトについては、視差のある画像を表示するようにしている。
【0163】
例えば図16(A)では、図8で説明したように、サブ表示部190Sの太鼓TOBの画像の部分をタッチペン30でタッチすることで、「ドン」の操作を行っている。この場合に、このような「ドン」の操作が行われたことを示す入力動作表示用オブジェクトIOBが表示される。具体的には図16(A)に示すように、指示マーカMKの周囲に入力動作表示用オブジェクトIOBの画像が表示される。このような入力動作表示用オブジェクトIOBの画像を表示することで、プレーヤは、自身が正常に入力動作を行ったことを確認することが可能になる。
【0164】
この場合に、図16(B)に示すように、指示マーカMKについては判定基準タイミングにおいて基準スクリーンSC(判定基準エリア)の位置にあるため、視差の無い画像になっている。これに対して、入力動作表示用オブジェクトIOBについては、例えば基準スクリーンSCよりも視点側から見て手前側に配置される。
【0165】
このようにすることで、指示マーカMKの周りにある入力動作表示用オブジェクトIOBの画像については、画面から飛び出して見えるようになり、演出効果を向上できる。即ち、指示マーカMKが視差の無い画像であっても、それを補うように、入力動作表示用オブジェクトIOBが視差のある画像になることで、あたかも指示マーカMKが画面から飛び出し見えるような演出効果を実現できるようになる。
【0166】
なお本実施形態では、判定基準タイミングにおいて、指示マーカ等の移動体の色、形状及びサイズの少なくとも1つが変化する立体視用画像を生成してもよい。
【0167】
例えば図17(A)では、指示マーカMKが判定基準エリアARBに向かって移動している。そして図17(B)の判定基準タイミングTMにおいては、指示マーカMKの色、形状又はサイズ等が変化している。即ち、図17(B)では、指示マーカMKの色、形状又はサイズ等が、図17(A)とは異なった色、形状又はサイズになっている。
【0168】
このようにすれば、例えばタイミング判定処理のジャストタイミングである判定基準タイミングにおいて、指示マーカMKの色、形状又はサイズ等が変化することで、指示マーカMKの視認性が高まる。これにより、プレーヤは、図17(B)のタイミングが判定基準タイミングであることを、指示マーカMKの視差の状態(所定視差の状態、視差の無い状態)のみならず、色、形状又はサイズの変化によっても、把握できるようになる。従って、プレーヤにとってタイミングを把握しやすいタイミング判定処理を実現できる。
【0169】
なお、指示マーカMK(移動体)の画像の変化は、その判定基準タイミングの視認性を高めることができるものであれば、色、形状、サイズの変化以外の表示態様の変化であってもよい。
【0170】
また本実施形態では、移動体の視差に応じて、音像定位が変化する音を生成してもよい。即ち立体音響の音出力が、立体視の位置に合うような音を生成する。
【0171】
例えば図18では、図7(A)の携帯型ゲーム装置の筺体20のメイン表示部190M側に、音出力部SP1、SP2(スピーカ)が設けられている。またメイン表示部190M(広義には表示部)の表示画面側空間には、指示マーカMK(移動体)に対応する仮想指示マーカMKV(広義には仮想表示物)が立体視表示されている。この仮想指示マーカMKVは、表示画面側空間に実在するものではなく、指示マーカMKの立体視用画像(左眼用画像、右眼用画像)に基づいて、プレーヤが、その位置に存在するかのように認識する仮想表示物である。
【0172】
そして、音出力部SP1、SP2からは、仮想指示マーカMKVの表示位置(仮想表示位置)に連動するような音像定位の音(ステレオ音)が出力される。例えば指示マーカMKの視差が、メイン表示部190Mの画面の手前側になるような視差であり、仮想指示マーカMKVが画面の手前側に仮想表示される場合には、音出力部SP1、SP2からの音により形成される音像定位も、画面の手前側の位置に設定される。
【0173】
一方、指示マーカMKの視差が画面の奧側になるような視差であり、仮想指示マーカMKVが画面の奧側に仮想表示される場合には、音出力部SP1、SP2からの音により形成される音像定位も、画面の奥側の位置に設定される。
【0174】
このようにすれば、例えば指示マーカ(仮想指示マーカ)が画面から手前側に飛び出して見えるような状況においては、音像の定位も画面から手前側に飛び出してくるように聞こえる定位になる。一方、指示マーカが画面から奥側に引っ込んで見えるような状況においては、音像の定位も画面から奥側に引っ込んでいるように聞こえる定位になる。これにより、立体視の効果を、より強調することが可能になり、ゲーム演出効果等を向上できる。
【0175】
なお、音の音像定位の設定手法としては、公知の種々の手法を採用できる。例えば音量差、時間差、周波数特性の変化、位相の変化、或いは残響の変化などによって、音像定位等の立体音響の制御が可能である。音量差を用いる場合には、例えば距離による音量の減衰や両耳間強度差により、音の音像定位を制御する。時間差を用いる場合には、音波が到達する時間差により、音の音像定位を制御すればよい。周波数特性の変化を用いる場合には、音波の伝達や遮断による周波数特性の変化により、音の音像定位を制御すればよい。位相の変化を用いる場合には、音波の伝達や遮断による位相の変化により、音の音像定位を制御すればよい。残響の変化を用いる場合には、残響特性により周辺環境の音場を再現することで、音の音像定位を制御すればよい。
【0176】
また本実施形態では、移動体又はタイミング判定処理用の操作対象物に対応する仮想的な表示物であって立体視用画像に基づき表示部の表示画面側空間に仮想表示される仮想表示物と、現実空間の被ヒット体とのヒット判定処理を行ってもよい。例えば仮想表示物と、プレーヤの部位やポインティングデバイスなどである被ヒット体とのヒット判定処理を、プレーヤを撮影する撮像部からの撮像情報に基づいて行う。
【0177】
例えば図19(A)では、携帯型ゲーム装置のメイン表示部190M側に設けられたカメラCM3(撮像部)により、プレーヤPLを撮影できるようになっている。具体的には、プレーヤPLがメイン表示部190Mの画面に指を近づける動作を行うと、カメラCM3からの撮影情報に基づいて、その動作が検知される。
【0178】
そして図19(B)では、前述の図18で説明したのと同様に、メイン表示部190Mの表示画面側空間に、仮想指示マーカMKV(広義には仮想表示物)が仮想表示されている。即ち指示マーカMKの立体視用画像(左眼用画像、右眼用画像)に基づいて、あたかも図19(B)の位置に仮想指示マーカMKVが存在しているかのように見える立体視表示が行われる。
【0179】
そして図19(B)では、この仮想指示マーカMKVと、現実空間の被ヒット体であるプレーヤPLの指等とのヒット判定処理が行われる。例えば仮想指示マーカMKVの判定基準タイミング(表示タイミング)において、プレーヤPLの指(広義には被ヒット体)が画面付近に存在することが、カメラCM3により検知された場合には、仮想指示マーカMKVとプレーヤPLの指がヒットしたと判定する。この場合に、例えば仮想指示マーカMKVの画面からの距離情報を、指示マーカMKの画像の視差情報から特定し、この距離情報も用いて、ヒット判定処理を行ってもよい。或いは、カメラCM3が、奥行き情報を検出できるデプスカメラ等である場合には、この奥行き情報に基づいて、プレーヤPLの指の画面内での位置情報(X、Y座標)を特定し、特定された位置情報も用いて、ヒット判定処理を行ってもよい。そして、例えば判定基準タイミングにおいて、プレーヤPLの指と仮想指示マーカMKがヒットしたと判定された場合には、プレーヤの得点やポイントを加算するなどのゲーム演算処理を行う。
【0180】
このようにすれば、指示マーカ等の移動体を用いたタイミング判定処理を、立体視を有効利用して行うことが可能になり、従来にないヒット判定処理によるタイミング判定処理を実現することが可能になる。
【0181】
なお図19(A)、図19(B)では、指示マーカ等の移動体に対応する仮想表示物と、プレーヤの部位等の被ヒット体とのヒット判定処理を行っているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、指示マーカ等の移動体とは別に、タイミング判定処理用の操作対象物を画面上に立体視表示してもよい。これにより、このタイミング判定処理用の操作対象物に対応する仮想表示物が、表示部の表示画面側空間に仮想表示される。そして、例えばプレーヤは、指示マーカ等の移動体の判定基準タイミングにおいて、このタイミング判定処理用の操作対象物に対応する仮想表示物に対して、指やポインティングデバイスなどの被ヒット体で触れる操作を行う。そして、操作対象物に対応する仮想表示物に被ヒット体がヒットしたと判定された場合(触れたと判定された場合)には、プレーヤの得点やポイント等が加算されるなどのゲーム演算処理が行われることになる。
【0182】
2.4 野球ゲームへの適用例
次に野球ゲームへの適用例について説明する。図20、図21は本実施形態の手法を野球ゲームに適用した場合に生成される画像の例である。図20では、メイン表示部190Mには、投手キャラクタCHPが打者キャラクタCHBに対してボールBL(広義には移動体)を投げる場面の画像が表示されている。またメイン表示部190Mには、判定基準エリアARBも表示されており、サブ表示部190Sには、判定基準エリアARBに対応する操作入力エリアARIが表示されている。プレーヤは、この操作入力エリアARIのうち、ボールBLが飛んで来ると予想したコースの位置を、タッチペン30(広義にはポインティングデバイス)でタッチすることで、ボールBLを打つバッティング操作を行う。
【0183】
判定基準エリアARBは例えばホームベース上に設定されており、タッチペン30によりポインティングされる操作入力エリアARIの各ポインティング位置は、判定基準エリアARBの各位置に対応している。例えば操作入力エリアARIの右上位置をタッチすると、判定基準エリアARBの右上位置が指示され、操作入力エリアARIの左下位置をタッチすると、判定基準エリアARBの左下位置が指示される。
【0184】
そして図20のようにボールBLが判定基準エリアARBを通過する際に、ボールBLの画像は視差がゼロの画像になっている。即ち、ボールBLは、判定基準タイミングにおいて判定基準エリアARBを通過するように制御され、その時にボールBLの画像は視差がゼロの画像になる。このため、プレーヤの眼には、判定基準エリアARBを境として、ボールBLが、スクリーンの奥側に引っ込んでいる状態からスクリーンの手前側に飛び出して来るように見える。従って、プレーヤは、ボールBLの画像の視差の無い状態がジャストタイミングであることを認識することができ、ボールBLを打つタイミングを容易に把握することが可能になる。これにより、プレーヤの操作インターフェース環境を向上できる。
【0185】
なお図20では判定基準エリアARBと操作入力エリアARIはほぼ同じサイズになっているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば操作入力エリアARIのサイズを変化させることで、プレーヤの操作入力の難易度の設定を行ってもよい。例えば操作入力エリアARIのサイズを判定基準エリアARBよりも小さくすることで、プレーヤの操作入力の難易度が高難易度に設定されるようにする。
【0186】
図21ではプレーヤは、ボールBLのコースが内角高めであると予想して、A1に示すように、タッチペン30(或いは指)を用いて、サブ表示部190Sの操作入力エリアARIの右上の位置をタッチしている。また図21では、メイン表示部190MにはボールBLの通過後の画像が表示されており、プレーヤの指示位置表示用オブジェクトDOBと、ボール位置表示用オブジェクトPOBが表示されている。
【0187】
指示位置表示用オブジェクトDOBは、プレーヤのヒット指示位置を知らせるためのオブジェクトであり、判定基準エリアARBの位置に表示される。即ち指示位置表示用オブジェクトDOBは、判定基準エリアARBと同じ奥行き位置(同じZ値)に配置されて表示される。そして図21ではプレーヤは、タッチペン30により、サブ表示部190Sの操作入力エリアARIの右上の位置をタッチしている。従って、メイン表示部190Mでは、判定基準エリアARBの右上の位置に指示位置表示用オブジェクトDOBが配置されて表示される。これによりプレーヤは、ボールBLの通過時に自分がどのコースをタッチしたのかを、指示位置表示用オブジェクトDOBを見ることで、事後的に確認できるようになる。
【0188】
またボール位置表示用オブジェクトPOB(広義には移動体位置表示用オブジェクト)は、プレーヤがヒット指示位置を指示した入力タイミングでのボールBLの位置をプレーヤに知らせるためのオブジェクトである。例えばボール位置表示用オブジェクトPOBは、プレーヤの入力タイミングでのボールBLの位置に配置されて表示される。
【0189】
そして図21では、プレーヤがタッチペン30でヒット指示位置を指示した入力タイミングにおいて、ボールBLのコースは真ん中であり、判定基準エリアARBの真ん中付近をボールBLが通過している。従って、ボール位置表示用オブジェクトPOBは真ん中付近に配置されて表示される。これによりプレーヤは、自分が操作入力を行いバットを振ったタイミングでのボールBLの位置を、事後的に確認することが可能になる。
【0190】
そしてプレーヤは、指示位置表示用オブジェクトDOBとボール位置表示用オブジェクトPOBの位置関係を見ることで、入力タイミングでのヒット位置とボール位置のズレを確認できる。例えば図21では、指示位置表示用オブジェクトDOBとボール位置表示用オブジェクトPOBの位置のずれは比較的大きい。従って、プレーヤは、図21では、自身の指示位置がボールBLのコースと、あまり合っていなかったことを、事後的に確認することが可能になる。これにより、野球ゲームに好適なインターフェース環境をプレーヤに提供できる。
【0191】
また図21では、判定基準エリアARBを含むヒット判定ボリュームHVが設定されている。そしてプレーヤがタッチペン30で操作入力エリアARIをタッチした入力タイミングにおいて、ヒット判定ボリュームHV内にボールBLが位置していた場合には、バッティングに成功してバットにボールが当たったと判定される。そして入力タイミングにおけるボールBLの位置や、操作入力エリアARIでのタッチ位置とボールBLの通過位置との関係に基づいて、ボールBLのヒット強さやヒット方向などが設定されるようになる。
【0192】
2.5 詳細な処理例
次に本実施形態の詳細な処理例について図22、図23のフローチャートを用いて説明する。
【0193】
図22は、本実施形態の全体的な処理の詳細を説明するためのフローチャートである。まず、タイミングデータ記憶部174から、図5で説明したような判定基準タイミングTMB1〜TMBNのデータを読み出す(ステップS1)。そしてフレーム更新のタイミングか否かを判断する(ステップS2)。
【0194】
フレーム更新のタイミングであった場合には、指示マーカ、ボール等の移動体の移動処理を行う(ステップS3)。例えば視点側から見て奥側から手前側に移動体を移動させる処理を行う。また入力タイミングTMIを取得する(ステップS4)。図8等を例にとれば、プレーヤがタッチペン30や指でサブ表示部190Sをタッチしたタイミングを取得する。
【0195】
次に、判定基準タイミングTMBm(1≦m≦N)と入力タイミングTMIを比較する(ステップS5)。そしてTD=|TMBm−TMI|≦TR/2であるか否かを判断する(ステップS6)。即ち図6(A)〜図6(C)等で説明したように、入力タイミングTMIが、判定基準タイミングTMBmを基準とした許容期間TR内に収まっているか否かを判断する。そして、TD=|TMBm−TMI|≦TR/2である場合には、入力タイミングTMIが許容期間TR内に収まっていると判断して、入力成功と判定し、ゲーム成績演算処理、移動体の表示制御処理、ゲーム演出処理などのゲーム演算処理を実行する(ステップS7)。
【0196】
次に、基準スクリーンにオブジェクトを透視投影して描画することで、左眼用仮想カメラから見える左眼用画像を生成する(ステップS8)。また、基準スクリーンにオブジェクトを透視投影して描画することで、右眼用仮想カメラから見える右眼用画像を生成する(ステップS9)。これにより、立体視用画像である左目用画像、右目用画像が生成される。例えば、判定基準タイミングにおいて基準スクリーンを通過するように移動体を制御すると共に、基準スクリーンに対して移動体のオブジェクトを透視投影して描画することで、判定基準タイミングにおいて移動体の画像の視差が無くなる立体視用画像が生成されるようになる。
【0197】
図23は、本実施形態の手法を音楽ゲームに適用した場合の評価処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0198】
まず、TD=|TMBm−TMI|≦TTHか否かを判断する(ステップS11)。ここでTTHは、評価処理のしきい値であり、TD=|TMBm−TMI|≦TTHである場合には、判定基準タイミングTMBmと入力タイミングTMIは一致(合致)しているものと見なされる。そして、TD=|TMBm−TMI|≦TTHである場合には、入力の評価結果は「良」であると判定する(ステップS12)。そして図12(A)、図12(B)で説明したように、基準スクリーンよりも手前側に評価結果表示用オブジェクトを配置する(ステップS13)。これにより、「良」の評価結果を表す評価表示用オブジェクトが画面から飛び出して見える立体視用画像が生成されるようになる。
【0199】
一方、TD=|TMBm−TMI|≦TTHではない場合には、TD=|TMBm−TMI|≦TR/2であるか否かを判断する(ステップS14)。ここでTRは、操作入力が成功か否かを判断するための許容期間である。そしてTD=|TMBm−TMI|≦TR/2である場合には、入力タイミングTMIが許容期間TR内に収まっているため、入力の評価結果は「可」であると判定する(ステップS15)。そして、図13(A)、図13(B)で説明したように、基準スクリーンの位置に評価結果表示用オブジェクトを配置する(ステップS16)。
【0200】
一方、TD=|TMBm−TMI|≦TR/2ではない場合には、入力の評価結果は「不可」であると判定する(ステップS17)。そして図14(A)、図14(B)で説明したように、基準スクリーンの奥側に評価結果表示用オブジェクトを配置する(ステップS18)。これにより、「不可」の評価結果を表す評価表示用オブジェクトが画面から奥側に引っ込んで見える立体視用画像が生成されるようになる。
【0201】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(所定視差の画像、第1視点画像、第2視点画像、移動体等)と共に記載された用語(視差の無い画像、左眼用画像、右眼用画像、指示マーカ・ボール等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、タイミング判定手法、判定基準タイミングの設定手法、立体視用画像の生成手法、移動体の移動制御手法等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。また本発明は種々のゲームに適用できる。また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯電話等の種々の画像生成システムに適用できる。
【符号の説明】
【0202】
TMB1〜TMB5 判定基準タイミング、MOB、MOB1〜MOB3 移動体、
MK、MK1〜MK5 指示マーカ、SOB 評価表示用オブジェクト、
GOB ゲージ CHT 太鼓キャラクタ、TOB 太鼓、
ARB 判定基準エリア、ARI 操作入力エリア、
CHP 投手キャラクタ、CHB 打者キャラクタ、BL ボール、
DOB 指示位置表示用オブジェクト、POB ボール位置表示用オブジェクト、
HV ヒット判定ボリューム、
VCL 左眼用仮想カメラ、VCR 右眼用仮想カメラ、
SC スクリーン(基準スクリーン)、VVL 左眼用ビューボリューム、
VVR 右眼用ビューボリューム、CNL、CNR、CFL、CFR クリッピング面、
CM1、CM2、CM3 カメラ、
MKV 仮想指示マーカ、PL、プレーヤ、SP1、SP2 音出力部、
10 筺体、12 方向指示キー、14 アナログスティック、16 操作ボタン、
20 筺体、30 タッチペン、190M メイン表示部、190S サブ表示部、
100 処理部、102 ゲーム演算部、104 オブジェクト空間設定部、
106 移動体制御部、108 仮想カメラ制御部、110 判定部、
120 画像生成部、122 左眼用画像生成部、124 右眼用画像生成部、
170 記憶部、172 オブジェクトデータ記憶部、
174 タイミングデータ記憶部、178 描画バッファ、180 情報記憶媒体、
190 表示部、192 音出力部、194 補助記憶装置、196 通信部、
500 サーバシステム、510 ネットワーク、TM1〜TMn 端末装置、
600 処理部、602 ゲーム演算部、604 オブジェクト空間設定部、
606 移動体制御部、608 仮想カメラ制御部、610 判定部、
620 画像生成用データ生成部、630 音生成用データ生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の制御を行う移動体制御部と、
前記移動体を用いたタイミング判定処理を行う判定部と、
立体視用画像を生成する画像生成部として、
コンピュータを機能させ、
前記画像生成部は、
前記タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が所定視差になるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記判定基準タイミングのデータを記憶するタイミングデータ記憶部として、
コンピュータを機能させ、
前記判定部は、
前記タイミングデータ記憶部に記憶される前記判定基準タイミングのデータと、プレーヤの入力タイミングとに基づいて、前記タイミング判定処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項2において、
ゲーム演算処理を行うゲーム演算部として、
コンピュータを機能させ、
前記判定部は、
前記タイミング判定処理として、前記入力タイミングと前記判定基準タイミングとのタイミング関係に基づく評価処理を行い、
前記ゲーム演算部は、
前記評価処理の結果に基づいて、前記ゲーム演算処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項3において、
前記ゲーム演算部は、
前記プレーヤのゲーム成績の演算処理、前記移動体の表示制御処理、及びゲーム演出処理の少なくとも1つを、前記評価処理の結果に基づく前記ゲーム演算処理として行うことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項3又は4において、
前記画像生成部は、
前記評価処理の結果を表示する評価表示用オブジェクトの画像として、前記評価結果に応じて視差の度合いが変化する画像が表示された立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記画像生成部は、
前記タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記画像生成部は、
前記入力タイミングと前記判定基準タイミングとのタイミング差に応じて、前記移動体の画像の視差が変化する立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記画像生成部は、
前記タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成すると共に、
前記タイミング判定処理においてプレーヤの入力タイミングが前記判定基準タイミングと合致したと判定され、前記プレーヤの入力が成功であると判定された場合には、ゲーム演出効果表示用オブジェクトの画像として、視差のある画像が表示された立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかにおいて、
前記移動体は、プレーヤが入力すべきタイミングを指示する指示マーカであり、
前記判定部は、
前記指示マーカで指示されたタイミングで前記プレーヤが入力を行った場合に、前記プレーヤの入力タイミングと前記判定基準タイミングとの合致判定処理を、前記タイミング判定処理として行うことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項9において、
前記画像生成部は、
前記指示マーカについては、前記判定基準タイミングにおいて視差の無い画像が表示され、前記プレーヤの入力が行われたことを示す入力動作表示用オブジェクトについては、視差のある画像が表示された立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかにおいて、
前記移動体制御部は、
視点側から見て奥側から手前側に前記移動体を移動させる制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかにおいて、
前記移動体制御部は、
前記判定基準タイミングにおいて、入力すべきタイミングをプレーヤに知らせるための判定基準エリアを前記移動体が通過するように、前記移動体を移動させる制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項12において、
前記画像生成部は、
前記判定基準エリアに対応する位置に設定された基準スクリーンに対して前記移動体のオブジェクトを透視投影して描画することで、前記判定基準タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が無くなる立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかにおいて、
前記画像生成部は、
前記判定基準タイミングにおいて前記移動体の色、形状及びサイズの少なくとも1つが変化する立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれかにおいて、
音を生成する音生成部として、
コンピュータを機能させ、
前記音生成部は、
前記移動体の視差に応じて、音像定位が変化する音を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかにおいて、
前記判定部は、
前記移動体又はタイミング判定処理用の操作対象物に対応する仮想的な表示物であって前記立体視用画像に基づき表示部の表示画面側空間に仮想表示される仮想表示物と、現実空間の被ヒット体とのヒット判定処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項17】
請求項16において、
前記判定部は、
前記仮想表示物と前記被ヒット体とのヒット判定処理を、プレーヤを撮影する撮像部からの撮像情報に基づいて行うことを特徴とするプログラム。
【請求項18】
コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項1乃至17のいずれかに記載のプログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項19】
移動体の制御を行う移動体制御部と、
前記移動体を用いたタイミング判定処理を行う判定部と、
立体視用画像を生成する画像生成部と、
を含み、
前記画像生成部は、
前記タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成することを特徴とする画像生成システム。
【請求項20】
移動体の制御を行う移動体制御部と、
前記移動体を用いたタイミング判定処理を行う判定部と、
立体視用画像を生成するための画像生成用データを生成する画像生成用データ生成部と、
を含み、
前記画像生成用データ生成部は、
前記タイミング判定処理に用いられる判定基準タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成するための画像生成用データを生成することを特徴とするサーバシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−141826(P2012−141826A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294528(P2010−294528)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】