説明

プロジェクタ

【課題】投影領域上からある程度離れた高さ位置での検出対象物の座標を検出することが可能なプロジェクタを提供する。
【解決手段】このプロジェクタ100は、レーザ光を照射する赤色LD61a、緑色LD62a、青色LD63aおよび赤外線LD64aと、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aから照射されるレーザ光を走査させることにより、テーブル1およびスクリーン2に画像を投影するMEMSミラー69aおよび69bと、検出対象物により反射された光により検出対象物の投影領域からの高さを検出する赤外線検出器10a、赤外線検出器10b、および、減算器12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プロジェクタに関し、特に、レーザ光発生部を備えるプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ光発生部を備えるプロジェクタが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、赤、緑および青の3色のレーザ光をそれぞれ発生させる複数のレーザダイオード(レーザ光発生部)と、赤外線レーザ光を発生させるレーザダイオード(レーザ光発生部)と、回転可能なMEMSミラーと、赤外線レーザ光の反射光を検出するフォトダイオードとを備えるレーザ走査型プロジェクタが開示されている。このレーザ走査型プロジェクタは、複数のレーザダイオードからそれぞれ発生される赤、緑および青の3色のレーザ光をMEMSミラーによって反射させるとともに、MEMSミラーの回転によって走査させることにより、壁面などに画像を投影するように構成されている。
【0004】
また、このレーザ走査型プロジェクタでは、レーザダイオードから発生される赤外線レーザ光が、壁面上の近傍(壁面から1mm上)を壁面の表面に沿って照射させるように構成されている。なお、赤外線レーザ光は、MEMSミラーの回転により、壁面上を水平に走査されるように構成されている。これにより、壁面上をユーザの指が触れた場合に、指により反射される光をフォトダイオードで検出することにより、指とフォトダイオードとの間の距離を測定するように構成されている。そして、指とフォトダイオードとの間の距離と、指から反射される光が検出された時点での赤、緑および青の3色のレーザ光が照射する画像の水平面内の座標とに基づいて、指が触れた壁面上の座標が求められる。これにより、たとえば赤、緑および青の3色のレーザ光によりアイコンなどを投影した場合、指が触れた壁面上の座標に基づいて、指がアイコンを触れたことを検出することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−258569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のレーザ走査型プロジェクタでは、検出対象物(指)の壁面上の座標(水平面内の座標)を検出することが可能である一方、壁面上(投影領域上)からある程度離れた高さ位置での指の座標を検出することができないという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、投影領域上からある程度離れた高さ位置での検出対象物の座標を検出することが可能なプロジェクタを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
この発明の一の局面によるプロジェクタは、レーザ光を照射するレーザ光発生部と、レーザ光発生部から照射されるレーザ光を走査させることにより、任意の投影領域に画像を投影する投影部と、検出対象物により反射された光により検出対象物の投影領域からの高さを検出する高さ検出手段とを備える。
【0009】
この一の局面によるプロジェクタでは、上記のように、検出対象物により反射された光により検出対象物の投影領域からの高さを検出する高さ検出手段を備えることによって、検出対象物の投影領域からの高さを検出することができる。これにより、たとえばレーザ光の走査によって投影領域上に画像を投影している場合、検出対象物により光が反射された時点のレーザ光が投影する画像の水平面内の座標と、検出対象物の投影領域からの高さとに基づいて、投影領域上からある程度離れた高さ位置での検出対象物の座標を検出することができる。
【0010】
上記一の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、高さ検出手段は、検出対象物により反射された光を検出するための光検出器を含み、光検出器が検出対象物により反射された光を検出する部分毎における光の強度差に基づいて、検出対象物の投影領域からの高さを算出するように構成されている。このように構成すれば、検出対象物により反射される光の強度は、検出対象物の投影領域からの高さに応じて変化するとともに、検出対象物により反射される光の強度は、光検出器が光を検出する部分毎に異なるので、光検出器が光を検出する部分毎における光の強度差に基づく算出により、容易に、検出対象物の投影領域からの高さを検出することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、光検出器は、第1光検出器と、投影領域からの高さが第1光検出器よりも高い第2光検出器とを含み、第1光検出器により検出される光の強度と、第2光検出器により検出される光の強度とを差分した値の大きさに基づいて、検出対象物の投影領域からの高さを算出するように構成されている。このように構成すれば、検出対象物により反射される光の強度は、検出対象物の投影領域からの高さが比較的高い場合には、第2光検出器の方が大きくなり、検出対象物の投影領域からの高さが比較的低い場合には、第1光検出器の方が大きくなる。これにより、第1光検出器により検出される光の強度と、第2光検出器により検出される光の強度との差分を求めることにより、容易に、検出対象物の投影領域からの高さを検出することができる。
【0012】
上記高さ検出手段が光検出器を含むプロジェクタにおいて、好ましくは、レーザ光発生部は、可視光を照射する第1レーザ光発生部と、第1レーザ光発生部から照射されるレーザ光と略同一の光軸を有し、第1レーザ光発生部から照射されるレーザ光と同期して走査される可視光以外の光を照射する第2レーザ光発生部とを含み、第1レーザ光発生部から照射されるレーザ光を走査させることにより、任意の投影領域に画像が投影され、第2レーザ光発生部から照射され、検出対象物により反射された光の光検出器の部分毎における強度差に基づいて、検出対象物の投影領域からの高さを算出するように構成されている。このように構成すれば、検出対象物の色が黒である場合でも、検出対象物から可視光以外の光が反射されるので、検出対象物の投影領域からの高さを検出することができる。
【0013】
上記一の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、高さ検出手段が検出する検出対象物の投影領域からの高さに基づいて、所定の操作を行う制御部をさらに備える。このように構成すれば、投影画像に対して、投影領域上の動作に加えて、投影領域からある程度離れた高さ位置での動作も制御部により容易に行うことができる。
【0014】
この場合、好ましくは、レーザ光発生部から照射されるレーザ光を走査させることにより、投影領域にアイコンに対応する画像を投影するように構成されており、制御部は、高さ検出手段が検出する検出対象物の投影領域からの高さに基づいて、アイコンをドラッグする動作と、アイコンから検出対象物が離れる動作とを判別するとともに、アイコンをドラッグしたと判別した場合に、アイコンをドラッグするとともに検出対象物の移動に連動してアイコンを移動する映像を投影するように構成されている。このように構成すれば、アイコンを選択するような投影領域上の動作に加えて、アイコンをドラッグするような投影領域からある程度離れた高さ位置での動作も行うことができるので、操作可能な動作の種類を多くすることができる。
【0015】
上記検出対象物の投影領域からの高さに基づいて所定の操作を行う制御部を備えるプロジェクタにおいて、好ましくは、レーザ光発生部は、右目用の画像と左目用の画像とに対応するレーザ光を各々照射する複数のレーザ光発生部を含み、複数のレーザ光発生部から照射されるレーザ光を走査させることにより、投影領域に3次元画像を投影するように構成されており、制御部は、高さ検出手段が検出する検出対象物の投影領域からの高さに基づいて、3次元画像に検出対象物が接触したか否かを判別するとともに、3次元画像に検出対象物が接触したと判別した場合に、検出対象物の移動に連動して3次元画像を移動させる映像を投影するように構成されている。このように構成すれば、アイコンを選択するような投影領域上の動作に加えて、3次元画像を移動させるような投影領域からある程度離れた高さ位置での動作も行うことができるので、操作可能な動作の種類を多くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態によるプロジェクタの使用状態を示した模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるプロジェクタの構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるプロジェクタの制御部の動作を示したフロー図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるプロジェクタの比較的低い位置にある検出対象物の高さを検出する動作を説明するための図である。
【図5】本発明の第1実施形態によるプロジェクタの比較的高い位置にある検出対象物の高さを検出する動作を説明するための図である。
【図6】本発明の第1実施形態によるプロジェクタのポインタを移動させる動作を説明するための図である。
【図7】図6に示すポインタを移動させる動作を説明するための平面図である。
【図8】本発明の第1実施形態によるプロジェクタのドラッグおよびドロップの動作を説明するための図である。
【図9】図8に示すドラッグおよびドロップの動作を説明するための平面図である。
【図10】本発明の第1実施形態によるプロジェクタのアイコンから指を離す動作を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態によるプロジェクタの構成を示したブロック図である。
【図12】本発明の第3実施形態によるプロジェクタの構成を示したブロック図である。
【図13】本発明の第3実施形態によるプロジェクタの3次元画像を水平方向に移動させる動作を説明するため図である。
【図14】本発明の第3実施形態によるプロジェクタの3次元画像を斜め下方向に移動させる動作を説明するため図である。
【図15】本発明の第3実施形態によるプロジェクタの3次元画像を倒す動作を説明するため図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態によるプロジェクタ100の構成を説明する。
【0019】
本発明の第1実施形態によるプロジェクタ100は、図1に示すように、テーブル1上に配置して使用されるように構成されている。そして、プロジェクタ100は、スクリーン2などの投影領域に向けてプレゼンテーション用(表示用)の画像2aが投影(2D表示(平面表示))されるように構成されている。なお、テーブル1およびスクリーン2は、本発明の「投影領域」の一例である。また、プロジェクタ100は、テーブル1などの投影領域の上面に対して、プレゼンテーション用の画像2aと同様の画像1aが投影(2D表示(平面表示))されるように構成されている。なお、テーブル1上に投影される画像1aの大きさは、スクリーン2に投影される画像2aの大きさよりも小さくなるように投影される。ここで、第1実施形態では、プロジェクタ100の画像1aが投影される側の側面には、赤外線を検出するための2つの赤外線検出器10aおよび10bが設けられている。なお、赤外線検出器10bのテーブル1の表面上からの高さが、赤外線検出器10aのテーブル1の表面上からの高さよりも大きくなるように赤外線検出器10bが配置されている。なお、赤外線検出器10aは、本発明の「光検出器」、「第1光検出器」および「高さ検出手段」の一例である。また、赤外線検出器10bは、本発明の「光検出器」、「第2光検出器」および「高さ検出手段」の一例である。
【0020】
図2に示すように、プロジェクタ100は、操作パネル20と、制御処理ブロック30と、データ処理ブロック40と、デジタル信号プロセッサ(DSP)50と、レーザ光源60と、Video RAM(SD RAM)71と、ビームスプリッタ80と、2つの拡大レンズ90および91とを含む。
【0021】
制御処理ブロック30は、プロジェクタ100全体の制御を司る制御部31と、外部ビデオ信号を受信するためのインターフェース(I/F)であるVideo I/F32と、SD−RAM33と、外部I/F34とを含む。
【0022】
データ処理ブロック40は、データ/階調変換器41と、ビットデータ変換器42と、タイミングコントローラ43と、データコントローラ44とを含んでいる。
【0023】
デジタル信号プロセッサ50は、ミラーサーボブロック51と、変換器52とを含んでいる。
【0024】
また、レーザ光源60は、赤色レーザ制御回路61と、緑色レーザ制御回路62と、青色レーザ制御回路63と、赤外線レーザ制御回路64とを含んでいる。ここで、第1実施形態では、赤色レーザ制御回路61と、緑色レーザ制御回路62と、青色レーザ制御回路63と、赤外線レーザ制御回路64とには、それぞれ、赤色のレーザ光を照射する赤色LD(レーザダイオード)61aと、緑色のレーザ光を照射する緑色LD62aと、青色のレーザ光を照射する青色LD63aと、赤外線のレーザ光を照射する赤外線LD64aとが接続されている。なお、赤色LD61aと、緑色LD62aと、青色LD63aと、赤外線LD64aとが各々照射するレーザ光のMEMSミラー69aに入射する際の光軸は、略一致するように構成されている。また、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aと、赤外線LD64aとは、同期して動作するように構成されている。なお、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aからそれぞれ照射される赤色、緑色および青色のレーザ光が走査されることにより、テーブル1およびスクリーン2にそれぞれ画像1aおよび2aが投影される。また、赤外線LD64aから照射され、検出対象物により反射された光は、赤外線検出器10aおよび10bにより検出される。また、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aからそれぞれ照射される赤色、緑色および青色のレーザ光の光量は、投影される画像に応じて変化する一方、赤外線LD64aから照射される赤外線のレーザ光の光量は、略一定である。なお、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aは、本発明の「レーザ光発生部」の一例であるとともに、「第1レーザ光発生部」の一例である。また、赤外線LD64aは、本発明の「レーザ光発生部」の一例であるとともに、「第2レーザ光発生部」の一例である。
【0025】
また、レーザ光源60は、4つのコリメートレンズ65と、3つの偏光ビームスプリッタ66a、66bおよび66cと、光検出器67と、レンズ68と、レーザ光を水平方向に走査するためのMEMSミラー69aと、レーザ光を垂直方向に走査するためのMEMSミラー69bと、MEMSミラー69aおよびMEMSミラー69bを水平方向および垂直方向に駆動させるためのアクチュエータ70とを含んでいる。なお、MEMSミラー69aおよび69bは、本発明の「投影部」の一例である。
【0026】
操作パネル20は、プロジェクタ100の筐体の表面または側面に設けられている。操作パネル20は、たとえば、操作内容を表示するためのディスプレイ装置(図示せず)や、プロジェクタ100に対する操作入力を受け付けるスイッチなどを含む。操作パネル20は、使用者からの操作を受け付けると、操作内容に応じた信号を制御処理ブロック30の制御部31に送信するように構成されている。
【0027】
また、プロジェクタ100の外部から与えられた外部ビデオ信号は、Video I/F32に入力されるように構成されている。また、外部I/F34は、たとえば、SDカード92などのメモリを装着することが可能に構成されている。そして、制御部31は、SDカード92からデータを読み出し、読み出されたデータは、Video RAM71に格納されるように構成されている。
【0028】
また、制御部31は、データ処理ブロック40のタイミングコントローラ43と相互に通信することにより、Video RAM71に一時的に保持されている画像データに基づく映像の表示を制御するように構成されている。
【0029】
また、データ処理ブロック40では、タイミングコントローラ43は、制御部31から出力される信号に基づいて、データコントローラ44を介してVideo RAM71に保持されているデータを読み出すように構成されている。データコントローラ44は、読み出したデータをビットデータ変換器42に送信するように構成されている。ビットデータ変換器42は、タイミングコントローラ43からの信号に基づいて、データをデータ/階調変換器41に送信するように構成されている。ビットデータ変換器42は、外部から与えられた画像データをレーザ光により投影可能な形式に適合したデータに変換する機能を有する。また、タイミングコントローラ43は、赤外線レーザ制御回路64に接続されており、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aから照射されるレーザ光に同期して、赤外線LD64aからレーザ光を照射するように赤外線レーザ制御回路64に信号を送信するように構成されている。
【0030】
データ/階調変換器41は、ビットデータ変換器42から出力されたデータを赤色(R:Red)、緑色(G:Green)および青色(B:Blue)の3色の階調に変換し、変換後のデータを赤色レーザ制御回路61と、緑色レーザ制御回路62と、青色レーザ制御回路63とにそれぞれ送信するように構成されている。
【0031】
また、赤色レーザ制御回路61は、データ/階調変換器41からのデータを赤色LD61aに送信するように構成されている。また、緑色レーザ制御回路62は、データ/階調変換器41からのデータを緑色LD62aに送信するように構成されている。また、青色レーザ制御回路63は、データ/階調変換器41からのデータを青色LD63aに送信するように構成されている。
【0032】
また、プロジェクタ100の画像1aが投影される側の側面に設けられる2つの赤外線検出器10aおよび10bには、それぞれ、加算器11と減算器12とが接続されている。加算器11は、赤外線検出器10aが検出した光の強度と赤外線検出器10bが検出した光の強度とを加算する機能を有する。また、減算器12は、赤外線検出器10aが検出した光の強度と赤外線検出器10bが検出した光の強度とを減算する機能を有する。また、加算器11および減算器12から出力された信号は、変換器52を介して、制御部31に入力されるように構成されている。なお、減算器12は、本発明の「高さ検出手段」の一例である。
【0033】
ここで、第1実施形態では、制御部31は、赤外線検出器10aおよび10bが検出する検出対象物(ユーザの指)からの反射光の強度差に基づいて、検出対象物のテーブル1からの高さを算出するとともに、所定の操作を行うように構成されている。具体的には、制御部31は、赤外線検出器10aおよび10bが検出する検出対象物のテーブル1からの高さに基づいて、アイコンをドラッグする動作と、アイコンから検出対象物が離れる動作とを判別するとともに、アイコンをドラッグしたと判別した場合に、アイコンをドラッグするとともに検出対象物の移動に連動してアイコンを移動する映像を投影するように構成されている。
【0034】
次に、図1および図3〜図10を参照して、プロジェクタ100が検出対象物を検出する際の制御部31の動作について説明する。
【0035】
図1に示すように、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63a(図2参照)からそれぞれ赤色、緑色および青色のレーザ光が照射されるとともに、レーザ光が走査されることにより、テーブル1およびスクリーン2上にそれぞれ画像1aおよび2aが投影される。たとえば、テーブル1およびスクリーン2上には、アイコンなどの画像が投影されている。また、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aに同期して、赤外線LD64aから赤外線のレーザ光が照射されるとともに、レーザ光が走査される。そして、図3に示すように、ステップS1において、赤外線LD64aから照射され、検出対象物(たとえばユーザの指)により反射される赤外線のレーザ光が赤外線検出器10aおよび10bによって検出されたか否かが判断される。なお、検出対象物により反射される赤外線のレーザ光が赤外線検出器10aおよび10bによって検出されない場合は、ステップS1の動作が繰り返される。
【0036】
そして、ステップS1において、検出対象物により反射される赤外線のレーザ光が赤外線検出器10aおよび10bによって検出されたと判断された場合、ステップS2に進む。ステップS2では、赤外線検出器10aおよび10bが検出対象物からの反射光を検出した時点での、赤色LD61aから照射されるレーザ光が走査している画像1aの座標(テーブル1の座標)を、検出対象物のテーブル1上の座標として判断する。なお、検出対象物がユーザの指である場合には、指の爪からの反射光の強さが、指の皮膚からの反射光の強さよりも大きくなる。そこで、赤外線検出器10aおよび10bがそれぞれ検出する検出対象物からの反射光の強度を加算器11(図2参照)によって加算して、加算された反射光の強度が最も大きい時点(指から反射された時点)の赤色LD61aから照射される画像1aの座標を、検出対象物のテーブル1上の座標として判断することにより、ユーザの指が触れている画像の部分を特定することが可能となる。
【0037】
次に、ステップS3に進んで、赤外線検出器10aおよび10bによって検出された検出対象物からの反射光の強度差に基づいて、検出対象物のテーブル1からの高さが算出される。具体的には、たとえば図4に示すように、検出対象物(ユーザの指)がテーブル1の表面に触れている場合では、赤外線検出器10aが検出する検出対象物からの反射光の強度は、赤外線検出器10aよりも高い位置に設けられる赤外線検出器10bが検出する検出対象物からの反射光の強度よりも、反射光の赤外線検出器10aへの入射角度が垂直に近い分、大きくなる。一方、図5に示すように、検出対象物(ユーザの指)がテーブル1の表面から離れた位置にある場合では、赤外線検出器10bが検出する検出対象物からの反射光の強度は、赤外線検出器10bよりも低い位置に設けられる赤外線検出器10aが検出する検出対象物からの反射光の強度よりも、反射光の赤外線検出器10bへの入射角度が垂直に近い分、大きくなる。このように、検出対象物のテーブル1の表面からの高さが異なることにより、赤外線検出器10aおよび10bが検出する反射光の強度がそれぞれ異なるので、赤外線検出器10aおよび10bが検出する反射光の強度の差分の大きさにより、検出対象物のテーブル1の表面からの高さを算出することが可能となる。
【0038】
次に、ステップS4に進んで、検出対象物がテーブル1の表面に触れたか否か(検出対象物のテーブル1の表面からの高さがゼロか否か)が判断される。なお、ステップS4において、検出対象物がテーブル1の表面に触れていないと判断された場合には、ステップS1に戻る。つまり、検出対象物がテーブル1の表面に触れるまで、ステップS1〜ステップS4の動作が繰り返される。ステップS4において、検出対象物がテーブル1の表面に触れたと判断された場合には、ステップS5に進んで、検出対象物が、テーブル1の表面を水平方向に移動したか否かが判断される。つまり、図6に示すように、検出対象物のテーブル1の表面からの高さがゼロのまま、テーブル1の表面上を移動したか否かが判断される。そして、検出対象物がテーブル1の表面上を水平方向に移動したと判断された場合には、ステップS6に進んで、図7に示すように、検出対象物の移動に連動してポインタを移動する映像をテーブル1およびスクリーン2に投影する。その後、ステップS1に戻る。
【0039】
また、ステップS5において、検出対象物がテーブル1の表面を水平方向に移動しないと判断された場合には、ステップS7に進んで、検出対象物がテーブル1の表面から離れたか否か(検出対象物のテーブル1の表面からの高さがゼロよりも大きいか否か)が判断される。なお、検出対象物のテーブル1上の座標は、アイコンの画像に対応しているとする。そして、ステップS7において、検出対象物がテーブル1の表面から離れたと判断された場合には、ステップS8に進んで、検出対象物がテーブル1の表面から離れた距離が所定の距離以上か否かが判断される。ステップS8において、検出対象物がテーブル1の表面から離れた距離が所定の距離未満(図8の状態A参照)と判断された場合には、ステップS9に進んで、検出対象物(ユーザの指)がテーブル1に投影されるアイコンをドラッグしたと判断される。そして、図9に示すように、アイコンをドラッグする映像がテーブル1(スクリーン2)に投影される。その後、検出対象物の移動(図8の状態B)に連動して、アイコンの画像を移動させる。そして、ステップS10において、検出対象物がテーブル1の表面に触れたと判断された場合には、アイコンをドロップしたと判断される。そして、ステップS11において、アイコンをドロップする映像がテーブル1(スクリーン2)に投影される。その後、ステップS1に戻る。
【0040】
また、ステップS8において、検出対象物がテーブル1の表面から離れた距離が所定の距離以上(図10参照)と判断された場合には、検出対象物(ユーザの指)がテーブル1に投影されるアイコンを離したと判断される。その後、ステップS1に戻る。
【0041】
第1実施形態では、上記のように、検出対象物により反射された光により検出対象物のテーブル1からの高さを検出する赤外線検出器10a、10bおよび減算器12を備えることによって、検出対象物のテーブル1からの高さを検出することができる。これにより、レーザ光の走査によってテーブル1上に画像1aを投影している場合、検出対象物により光が反射された時点のレーザ光が投影する画像1aの水平面内の座標と、検出対象物のテーブル1からの高さとに基づいて、テーブル1上からある程度離れた高さ位置での検出対象物の座標を検出することができる。
【0042】
また、第1実施形態では、上記のように、検出対象物により反射された光を検出する部分毎(赤外線検出器10aまたは10b)における光の強度差に基づいて、検出対象物のテーブル1からの高さを算出するように構成する。これにより、検出対象物により反射される光の強度は、検出対象物のテーブル1からの高さに応じて変化するとともに、検出対象物により反射される光の強度は、光を検出する部分毎(赤外線検出器10aまたは10b)に異なるので、光を検出する部分毎(赤外線検出器10aまたは10b)における光の強度差に基づく算出により、容易に、検出対象物のテーブル1からの高さを検出することができる。
【0043】
また、第1実施形態では、上記のように、赤外線検出器10aにより検出される光の強度と、赤外線検出器10bにより検出される光の強度とを差分した値の大きさに基づいて、検出対象物のテーブル1からの高さを算出する。これにより、検出対象物により反射される光の強度は、検出対象物のテーブル1からの高さが比較的高い場合には、赤外線検出器10bの方が大きくなり、検出対象物のテーブル1からの高さが比較的低い場合には、赤外線検出器10aの方が大きくなる。これにより、赤外線検出器10aにより検出される光の強度と、赤外線検出器10bにより検出される光の強度との差分を求めることにより、容易に、検出対象物のテーブル1からの高さを検出することができる。
【0044】
また、第1実施形態では、可視光を照射する赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aから照射されるレーザ光と略同一の光軸を有し、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aから照射されるレーザ光と同期して走査される赤外線のレーザ光を照射する赤外線LD64aを設けて、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aから照射されるレーザ光を走査させることにより、テーブル1に画像1aが投影され、赤外線LD64aから照射され、赤外線検出器10aおよび10bが受光する検出対象物により反射された光の強度差に基づいて、検出対象物のテーブル1からの高さを算出する。これにより、検出対象物の色が黒である場合でも、検出対象物から赤外線が反射されるので、検出対象物のテーブル1からの高さを検出することができる。
【0045】
また、第1実施形態では、上記のように、赤外線検出器10aおよび10bが検出する検出対象物のテーブル1からの高さに基づいて、所定の操作を行う制御部31を設けることによって、投影画像に対して、テーブル1上の動作に加えて、テーブル1からある程度離れた高さ位置での動作も制御部31により容易に行うことができる。
【0046】
また、第1実施形態では、上記のように、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aから照射されるレーザ光を走査させることにより、テーブル1にアイコンに対応する画像を投影して、赤外線検出器10aおよび10bが検出する光の強度差に基づいて算出される検出対象物のテーブル1からの高さに基づいて、アイコンをドラッグする動作と、アイコンから検出対象物が離れる動作とを判別する制御部31を設けて、制御部31が、アイコンをドラッグしたと判別した後、アイコンをドラッグするとともに検出対象物の移動に連動してアイコンを移動する映像を投影するように構成する。これにより、アイコンを選択するようなテーブル1上の動作に加えて、アイコンをドラッグするようなテーブル1からある程度離れた高さ位置での動作も行うことができるので、操作可能な動作の種類を多くすることができる。
【0047】
(第2実施形態)
次に、図11を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記赤外線LD64aから照射され、検出対象物により反射される光を赤外線検出器10aおよび10bによって検出する第1実施形態と異なり、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aから照射され、検出対象物により反射される光を可視光検出器13aおよび13bによって検出する。
【0048】
図11に示すように、第2実施形態では、プロジェクタ100aの画像1aが投影される側の側面には、可視光を検出する2つの可視光検出器13aおよび13bが設けられている。なお、可視光検出器13bのテーブル1の表面上からの高さが、可視光検出器13aのテーブル1の表面上からの高さよりも大きくなるように可視光検出器13bが配置されている。なお、可視光検出器13aは、本発明の「光検出器」、「第1光検出器」および「高さ検出手段」の一例である。また、可視光検出器13bは、本発明の「光検出器」、「第2光検出器」および「高さ検出手段」の一例である。
【0049】
また、レーザ光源60aは、赤色レーザ制御回路61と、緑色レーザ制御回路62と、青色レーザ制御回路63とを含んでいる。また、赤色レーザ制御回路61と、緑色レーザ制御回路62と、青色レーザ制御回路63とには、それぞれ、赤色のレーザ光を照射する赤色LD61aと、緑色のレーザ光を照射する緑色LD62aと、青色のレーザ光を照射する青色LD63aとが接続されている。
【0050】
ここで、第2実施形態では、制御部31は、可視光検出器13aおよび13bが検出する検出対象物(ユーザの指)からの反射光(赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aから照射されるレーザ光の反射光)の強度差に基づいて、検出対象物のテーブル1からの高さを算出するように構成されている。そして、制御部31は、可視光検出器13aおよび13bが検出する検出対象物のテーブル1からの高さに基づいて、アイコンをドラッグする動作と、アイコンから検出対象物が離れる動作とを判別して、アイコンをドラッグしたと判別した後、アイコンをドラッグするとともに検出対象物の移動に連動してアイコンを移動する映像を投影するように構成されている。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。また、第2実施形態の動作および効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0051】
(第3実施形態)
次に、図12を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記テーブル1およびスクリーン2にアイコンなどの平面的な画像が投影されていた第1および第2実施形態と異なり、テーブル1およびスクリーン2に3次元画像が投影される。
【0052】
図12に示すように、レーザ光源60bは、赤色レーザ制御回路61と、緑色レーザ制御回路62と、青色レーザ制御回路63とを含んでいる。赤色レーザ制御回路61には、赤色のP波のレーザ光を照射する赤色LD61aと、赤色のS波のレーザ光を照射する赤色LD61bとが接続されている。また、緑色レーザ制御回路62には、緑色のP波のレーザ光を照射する緑色LD62aと、緑色のS波のレーザ光を照射する緑色LD62bとが接続されている。また、青色レーザ制御回路63には、青色のP波のレーザ光を照射する青色LD63aと、青色のS波のレーザ光を照射する青色LD63bとが接続されている。なお、赤色LD61a、赤色LD61b、緑色LD62a、緑色LD62b、青色LD63aおよび青色LD63bが各々照射するレーザ光のMEMSミラー69aに入射する際の光軸は、略一致するように構成されている。また、赤色LD61a、赤色LD61b、緑色LD62a、緑色LD62b、青色LD63aおよび青色LD63bは、本発明の「レーザ光発生部」の一例であるとともに、「第1レーザ光発生部」の一例である。ここで、第3実施形態では、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aは、右目用画像および左目用画像の一方を照射するとともに、赤色LD61b、緑色LD62bおよび青色LD63bは、右目用画像および左目用画像の他方を照射するように構成されている。
【0053】
また、第3実施形態では、制御部31は、上記第2実施形態と同様に、可視光検出器13aおよび13bが検出する検出対象物(ユーザの指)からの反射光の強度差に基づいて、検出対象物のテーブル1からの高さを算出するとともに、所定の操作を行うように構成されている。具体的には、制御部31は、可視光検出器13aおよび13bが検出する検出対象物のテーブル1からの高さに基づいて、3次元画像に検出対象物が接触したか否かを判別するとともに、3次元画像に検出対象物が接触したと判別した場合に、検出対象物の移動に連動して3次元画像を移動させる映像を投影するように構成されている。
【0054】
また、レーザ光源60bは、6つのコリメートレンズ65と、3つの偏光ビームスプリッタ66d、66eおよび66f、と、光検出器67および67aと、空間変調器68aとを含んでいる。なお、空間変調器68aは、P波のレーザ光およびS波のレーザ光をそのまま透過させる状態と、P波のレーザ光の偏光方向およびS波のレーザ光の偏光方向を90度回転させて透過させる状態とに切り替え可能に構成されている。なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0055】
次に、図13〜図15を参照して、3次元画像を投影する動作と、検出対象物の移動に連動して3次元画像を移動させる動作とについて説明する。
【0056】
まず、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aにより、右目用画像および左目用画像の一方が照射されるとともに、赤色LD61b、緑色LD62bおよび青色LD63bにより、右目用画像および左目用画像の他方が照射される。なお、右目用画像と左目用画像とは、両方同時に照射されてもよいし、片方ずつ交互に照射されてもよい。そして、テーブル1(スクリーン2)に投影される右目用画像および左目用画像をユーザが偏光眼鏡を用いて鑑賞することにより、図13に示すように、ユーザが3次元画像Aを鑑賞することが可能となる。
【0057】
次に、検出対象物(ユーザの指)が、テーブル1上に配置されると、検出対象物により反射される光が可視光検出器13aおよび13bによって検出される。そして、可視光検出器13aおよび13bによって検出される反射光の強度差に基づいて検出対象物のテーブル1からの高さが算出される。また、検出対象物によりレーザ光が反射された時点でのレーザ光が走査する画像1aの水平面内の座標に基づいて検出対象物の水平面内の座標が求められる。その結果、検出対象物の3次元の座標が求められる。この3次元の座標に基づいて、検出対象物が3次元画像Aに触れたか否かが制御部31によって判断される。そして、制御部31により、図13の状態Aに示すように3次元画像Aに検出対象物が接触したと判別された後、図13の状態Bに示すように、検出対象物の移動に連動して3次元画像を水平に移動させる映像を投影する。また、図14に示すように、検出対象物の移動に連動して、斜め下方に3次元画像Aを移動させるような画像を投影することも可能である。さらに、検出対象物の3次元の座標が求められることにより、図15に示すように、検出対象物が水平に移動する場合に、検出対象物のテーブル1からの高さよりも小さい高さを有する3次元画像Bには検出対象物は触れずに素通りし、検出対象物のテーブル1からの高さよりも大きい高さを有する3次元画像Cに検出対処物が触れた後に3次元画像Cが倒れるような画像を投影することも可能である。
【0058】
第3実施形態では、上記のように、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aと、赤色LD61b、緑色LD62bおよび青色LD63bとを、それぞれ、右目用の画像または左目用の画像に対応するレーザ光を各々照射して、レーザ光を走査させることにより、テーブル1に3次元画像を投影するように構成する。また、可視光検出器13aおよび13bが検出する検出対象物のテーブル1からの高さに基づいて、3次元画像A(C)に検出対象物が接触したか否かを判別する制御部31を設けて、制御部31を、3次元画像A(C)に検出対象物が接触したと判別した後、検出対象物の移動に連動して3次元画像A(C)を移動させる映像を投影するようにする。これにより、アイコンを選択するようなテーブル1上の動作に加えて、3次元画像A(C)を移動させるようなテーブル1からある程度離れた高さ位置での動作も行うことができるので、操作可能な動作の種類を多くすることができる。
【0059】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0060】
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、赤色、緑色および青色の3色のレーザ光を照射することにより画像を投影する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、1色または2色のレーザ光により画像を投影してもよいし、4色以上のレーザ光により画像を投影してもよい。
【0061】
また、上記第1〜第3実施形態では、プロジェクタに赤外線検出器(可視光検出器)が2つ設けられる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、プロジェクタに赤外線検出器(可視光検出器)を1つまたは3つ以上設けてもよい。
【0062】
また、上記第1〜第3実施形態では、赤外線検出器(可視光検出器)が検出する光の強度差に基づいて、検出対象物のテーブルからの高さを算出する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、赤外線検出器(可視光検出器)が検出する光の強度差に基づく算出以外の方法によって、検出対象物のテーブルからの高さを求めてもよい。
【0063】
また、上記第1〜第3実施形態では、本発明の光検出器として赤外線検出器または可視光検出器を用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、本発明の光検出器として、CCDセンサやCMOSセンサを用いてもよい。CCDセンサやCMOSセンサは、フォトダイオードがマトリクス状に配置されているので、検出対象物からの反射光を面で受光する。これにより、CCDセンサ(CMOSセンサ)が受光する反射光の強度は、CCDセンサ(CMOSセンサ)の表面の部分毎に異なる。そして、部分毎に異なる反射光の強度差に基づいて、検出対象物のテーブルからの高さを算出するようにしてもよい。
【0064】
また、上記第1〜第3実施形態では、プロジェクタがテーブルに、アイコン、ポインタおよび3次元画像を投影する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、プロジェクタをキーボードを有しない電子機器に接続するとともに、プロジェクタが投影領域にキーボードの画像を投影するようにしてもよい。そして、投影されたキーボードの画像をユーザの指が触れることにより、触れた位置に対応するキーを電子機器に入力するようにしてもよい。また、プロジェクタをノートパソコンにUSBケーブルなどを介して接続するとともに、プロジェクタがテーブルにノートパソコンに表示される画像を投影するようにしてもよい。そして、投影されたノートパソコンの画像をユーザの指が触れることにより、触れた位置に対応する操作(アイコンのドラッグ、ドロップなど)をノートパソコンに入力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 テーブル(投影領域)
2 スクリーン(投影領域)
10a 赤外線検出器(光検出器、第1光検出器、高さ検出手段)
10b 赤外線検出器(光検出器、第2光検出器、高さ検出手段)
12 減算器(高さ検出手段)
13a 可視光検出器(光検出器、第1光検出器、高さ検出手段)
13b 可視光検出器(光検出器、第2光検出器、高さ検出手段)
31 制御部
61a、61b 赤色LD(レーザ光発生部、第1レーザ光発生部)
62a、62b 緑色LD(レーザ光発生部、第1レーザ光発生部)
63a、63b 青色LD(レーザ光発生部、第1レーザ光発生部)
64a 赤外線LD(レーザ光発生部、第2レーザ光発生部)
69a、69b MEMSミラー(投影部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を照射するレーザ光発生部と、
前記レーザ光発生部から照射される前記レーザ光を走査させることにより、任意の投影領域に画像を投影する投影部と、
検出対象物により反射された光により前記検出対象物の前記投影領域からの高さを検出する高さ検出手段とを備える、プロジェクタ。
【請求項2】
前記高さ検出手段は、前記検出対象物により反射された光を検出するための光検出器を含み、
前記光検出器が前記検出対象物により反射された光を検出する部分毎における光の強度差に基づいて、前記検出対象物の前記投影領域からの高さを算出するように構成されている、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記光検出器は、第1光検出器と、前記投影領域からの高さが前記第1光検出器よりも高い第2光検出器とを含み、
前記第1光検出器により検出される光の強度と、前記第2光検出器により検出される光の強度とを差分した値の大きさに基づいて、前記検出対象物の前記投影領域からの高さを算出するように構成されている、請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記レーザ光発生部は、可視光を照射する第1レーザ光発生部と、前記第1レーザ光発生部から照射される前記レーザ光と略同一の光軸を有し、前記第1レーザ光発生部から照射される前記レーザ光と同期して走査される可視光以外の光を照射する第2レーザ光発生部とを含み、
前記第1レーザ光発生部から照射される前記レーザ光を走査させることにより、任意の投影領域に画像が投影され、
前記第2レーザ光発生部から照射され、前記検出対象物により反射された光の前記光検出器の部分毎における強度差に基づいて、前記検出対象物の前記投影領域からの高さを算出するように構成されている、請求項2または3に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記高さ検出手段が検出する前記検出対象物の前記投影領域からの高さに基づいて、所定の操作を行う制御部をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記レーザ光発生部から照射される前記レーザ光を走査させることにより、前記投影領域にアイコンに対応する画像を投影するように構成されており、
前記制御部は、前記高さ検出手段が検出する前記検出対象物の前記投影領域からの高さに基づいて、前記アイコンをドラッグする動作と、前記アイコンから前記検出対象物が離れる動作とを判別するとともに、前記アイコンをドラッグしたと判別した場合に、前記アイコンをドラッグするとともに前記検出対象物の移動に連動して前記アイコンを移動する映像を投影するように構成されている、請求項5に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記レーザ光発生部は、右目用の画像と左目用の画像とに対応するレーザ光を各々照射する複数のレーザ光発生部を含み、前記複数のレーザ光発生部から照射される前記レーザ光を走査させることにより、前記投影領域に3次元画像を投影するように構成されており、
前記制御部は、前記高さ検出手段が検出する前記検出対象物の前記投影領域からの高さに基づいて、前記3次元画像に前記検出対象物が接触したか否かを判別するとともに、前記3次元画像に前記検出対象物が接触したと判別した場合に、前記検出対象物の移動に連動して前記3次元画像を移動させる映像を投影するように構成されている、請求項5に記載のプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−32465(P2012−32465A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169948(P2010−169948)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】