説明

プロラクチン濃度調整剤及び調整方法

【課題】副作用が少なく長期間に亘り安定に体液中のプロラクチン濃度を調整する組成物の提供。
【解決手段】スイートオレンジオイルからなるプロラクチン調整用組成物で、香料として嗅がせることによるか、化粧料として使用する。またスイートオレンジオイルを含む雑貨類、又は衣類として用いても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料成分から成るプロラクチン調整剤、ならびに香料成分の香りによって体液中のプロラクチン濃度を調整する美容方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロラクチンは、脳の下垂体前葉からから分泌される乳腺刺激ホルモンであり、通常、妊娠〜分娩後授乳期間中に乳腺を刺激して乳汁分泌を促し、また排卵抑制作用を有する。また、下垂体前葉以外に、脳、脱落膜、子宮筋層、涙腺、脾臓、リンパ球、乳腺上皮細胞、皮膚繊維芽細胞、汗腺などでもプロラクチン遺伝子の発現が認められ、局所ホルモンとしての機能も注目されている。さらに、プロラクチンの生理作用に関与するプロラクチン受容体が、乳腺、下垂体、肝臓、副腎皮質、腎臓、前立腺、卵巣、睾丸、腸、膵島、肺臓、心筋、脳、リンパ球などに存在することが知られており、プロラクチンが生体内におけるさまざまな機能に関与することが示唆されている。下垂体からのプロラクチン分泌は、視床下部から分泌されるプロラクチン放出ホルモンとプロラクチン抑制ホルモンとによって調整されており、通常は血中のプロラクチン濃度によるフィードバック作用によって視床下部からのホルモン分泌のバランスが調節され、それによって下垂体からのプロラクチン分泌が調整される。しかしながら、プロラクチノーマ(プロラクチン産生下垂体線腫)などによる腫瘍性の原因や、ドーパミン阻害薬剤等の服用による薬剤性の原因の他、肉体的および精神的ストレスなどによる視床下部におけるホルモンバランスの不調による機能性の原因により、非妊娠時にプロラクチン分泌が異常亢進して高プロラクチン血症が生じる。高プロラクチン血症は、胸の張りや痛み、乳汁分泌などの不快症状を生じさせるのみならず、無月経や無排卵月経などの月経異常を生じさせて不妊症の原因となる。また、ホルモンバランスの不調によるプロラクチンの過剰分泌は、乳房痛や不定愁訴などの様々な身体的および精神的症状を伴う月経前症候群(PMS)の原因の1つとも考えられている。
【0003】
高プロラクチン血症に対して、パーロデル、テルロン、カバサールなどの抗プロラクチン薬が開発されているが、いずれも吐き気や悪心、便秘などの副作用が大きな問題となっている。また、マカなどを用いた植物療法や漢方治療が経験的に行われている。さらに、ソマトスタチン5型受容体アゴニストを用いた高プロラクチン血症の治療(特許文献1)や、プロラクチン分泌調節作用を有するポリペプチドの開発(特許文献2)など、高プロラクチン血症またはプロラクチンの過剰分泌を治療する様々な試みがなされている。
【0004】
一方で、芳香療法(アロマテラピー)において、香料等の芳香物質を吸入させることによって女性ホルモンに関係する心身の症状を和らげることが経験的に知られている。さらに、生体の恒常性維持に深い関わりを持つ自律神経系(交感神経系および副交感神経系)に対する香料の影響についても報告されている(例えば特許文献3)。しかしながら、これまで、精油(香料)の香りが内分泌に及ぼす影響については、コルチゾールなどのストレス関連ホルモン、および女性ホルモン(エストラジオール)(非特許文献1)に関する報告がなされているのみであり、その他のホルモンに対する精油(香料)の影響については知られていない。
【0005】
上述したように、生体には本来、プロラクチン分泌を調整する機能が備わっており、フィードバック調節機構が働いて視床下部からのホルモン分泌のバランスが調節され、それによってプロラクチン分泌が調整されているが、様々な内的または外的要因によってそのホルモンバランス調節機能に支障が生じると、プロラクチン分泌が異常亢進して高プロラクチン血症が生じると考えられている。したがって、そのようなホルモンバランスの不調を原因とするプロラクチンの過剰分泌による月経異常、不妊、あるいは不定愁訴等、さまざまな症状を予防、改善または治療するために、副作用が大きく投薬管理が必要な抗プロラクチン剤を用いるのではなく、日常生活の中で化粧料や食品、雑貨などに適用して少ない副作用で長期間に亘りプロラクチンを調整できる新規な方法が強く望まれていた。
【特許文献1】特開平10−101567号公報
【特許文献2】特開平9−216823号公報
【特許文献3】特開2002−265977号公報
【非特許文献1】加藤雅光 他、日皮協ジャーナル 27(1), 63-67, (2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑み、安全性が高く長期間にわたり使用可能であるプロラクチン調整剤を提供することを目的とするものである。
【0007】
また、本発明は、副作用が少なく長期間にわたり安定して体液中のプロラクチン濃度を調整できる方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、特定の香料(精油)を嗅がせることによって体液中のプロラクチン濃度を低下させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明のプロラクチン調整剤は、スイートオレンジオイルから成ることを特徴とする。スイートオレンジオイルの香りを嗅がせることによって体液中のプロラクチン濃度を低下させることができる。
【0010】
オレンジはスイートオレンジとビターオレンジの2種類に大別され、またビターオレンジからは、果皮から採取されるビターオレンジオイルのみならず、花、枝、葉などそれぞれ異なる部位から、ネロリオイル、オレンジフラワーアブソリュート、プチグレンオイルなど様々な天然香料が採取されている。本発明者は、それらの各種オレンジ由来の天然香料のうち、スイートオレンジの果皮の圧搾により採取された精油であるスイートオレンジオイルが、体液中のプロラクチン濃度を低下させることを見出した。
【0011】
本発明のプロラクチン調整用の化粧料等の組成物、雑貨類または衣類は、プロラクチン調整剤であるスイートオレンジオイルを含むことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の美容方法は、香料成分の香りを嗅がせることによって体液中のプロラクチン濃度を調整することを特徴とする。これまで、香料(精油)の香りがプロラクチン濃度に影響を及ぼすことは全く知られていなかった。上述したように、プロラクチン分泌は視床下部から分泌されるプロラクチン放出ホルモンとプロラクチン抑制ホルモンとによって調整されており、通常は血中のプロラクチン濃度によるフィードバック作用によって視床下部からのホルモン分泌のバランスが調節され、それによって下垂体からのプロラクチン分泌が調整されている。したがって、香料による嗅覚刺激を介して、視床下部におけるプロラクチンのフィードバック調節機構を刺激することによって、プロラクチン濃度を調整することができると考えられる。
【0013】
図1に、生体におけるプロラクチンの調整機構を概説する。
【0014】
そのような香料成分としてスイートオレンジオイルが挙げられ、スイートオレンジオイルの香りを嗅がせることによって体液中のプロラクチン濃度を低下させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のプロラクチン調整剤またはプロラクチン濃度を調整する美容方法は、香料成分を用いるため副作用がなく、長期間に亘り安定にプロラクチン濃度を調整することができ、したがって、ホルモンバランスの不調を原因とするプロラクチンの過剰分泌による月経異常、不妊、あるいは不定愁訴等、さまざまな症状を安全かつ効果的に予防、改善または治療することを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明において用いられる香料成分は、その香りを嗅がせたときに、体液中のプロラクチン濃度を調整できるものであれば特に限定されず、天然香料、合成香料、半合成香料等のいずれであってもよい。また、そのような香料成分は、任意の抽出方法や蒸留方法、合成方法等によって調製することができ、また市販されているものを用いてもよい。
【0017】
本明細書において、「体液中のプロラクチン濃度を調整する」とは、被験者に対象の香料成分の香りを嗅がせたときに、その香料成分の香りを嗅がせない場合と比較して、例えば血液、血漿、血清、唾液、リンパ液、組織液等の、被験者の任意の体液中のプロラクチン濃度を変化させることを意味する。尚、それら体液の採取部位は限定されない。プロラクチンは下垂体で産生され、血中に分泌された後、血流とともに体内を循環し、一定の比率で唾液やその他各種生体組織に移行することから、血液中のプロラクチン濃度と例えば唾液のような他の体液中のプロラクチン濃度との間に相関性があると考えられている。
【0018】
本発明で用いるスイートオレンジオイルは、ミカン科に属するスイートオレンジ(Citrus sinensis)の果皮を圧搾して採取することができ、例えばGivaudan社などから市販されているものを用いることができる。
【0019】
本発明のスイートオレンジオイルから成るプロラクチン調整剤は、スイートオレンジオイル単独で用いてもよいが、他の任意の香料と適当な割合で調合し、好適な香となるように調香して用いてもよい。あるいは、様々な対象物に含めることができ、その対象物の種類に応じて、スイートオレンジオイルの他に、通常その対象物に含まれる任意の構成要素をさらに含めてよい。また、他のプロラクチンを調整する薬剤とスイートオレンジオイルを併用してもよい。
【0020】
本発明のスイートオレンジオイルを含む対象物は、スイートオレンジオイルが気化して吸入可能な形態で配合され得るものであればどのようなものでもよく、その剤型や製品形態によって限定されるものではない。
【0021】
例えば、本発明のスイートオレンジオイルを含む組成物の製品形態として、限定はされないが、化粧料、医薬品、医薬部外品、食品、飲料等が挙げられ、またその剤形として、例えば、液剤、粉末剤、顆粒剤、エアゾール剤、固形剤、ジェル剤等が挙げられる。
【0022】
特に好適な態様の1つである化粧料として、限定はされないが、例えば、香水、オードトワレ、オーデコロン、クリーム、乳液類、化粧水、ファンデーション類、粉白粉、口紅、石鹸、シャンプー・リンス類、ボディーシャンプー、ボディーリンス、ボディーパウダー類、浴剤類等が挙げられる。
【0023】
さらに、例えば、芳香剤、消臭剤、アロマキャンドル、インセンス、文房具、財布、バッグ、靴等の任意の雑貨類や、例えば下着、洋服、帽子、ストッキング、靴下等、任意の衣類に、スイートオレンジオイルを含めることができる。それらの素材にスイートオレンジオイルを加えても、あるいはそれらの製品にスイートオレンジオイルを加えてもよい。
【0024】
尚、本発明のプロラクチン調整剤の様々な使用態様を例示したが、それらに限定されるものではなく、本発明の効果を達成できる限り、任意の態様で用いることができる。また、具体的な態様に応じて、スイートオレンジオイルの他に、本発明の効果を損なわない限り一般的な香料成分を配合することができる。
【0025】
上記のような対象物中のスイートオレンジオイルの配合量は、他の配合成分および用途等によって適宜選択することができ、特に限定されないが、通常、対象物の全質量に対して、0.0001〜99質量%であり、より好適には、0.001〜50質量%であり、さらに好適には、0.01〜20質量%である。
【0026】
本発明の美容方法において、「香料成分の香りを嗅がせる」とは、気化した香料成分の吸入によって嗅覚を刺激することを意味し、そのやり方や手段は特に限定されず、例えば、香料成分またはそれを含有する組成物を皮膚に直接塗布したり、または直接吸入させてよく、あるいは香料成分を配合した芳香剤、消臭剤、アロマキャンドル、インセンス、文房具、財布、バッグ、靴等の任意の雑貨類や、例えば下着、洋服、帽子、ストッキング、靴下等の任意の衣類を介して、その香りを嗅がせてもよい。
【0027】
尚、本発明のプロラクチン調整剤やそれを配合した対象物、ならびに本発明の美容方法の具体的な適用は、プロラクチンの調整に関連するものであれば特に限定されない。例えば、ホルモンバランスの不調を原因とするプロラクチンの過剰分泌による月経異常、不妊、乳房痛、乳汁分泌、あるいは不定愁訴などの様々な身体的および精神的症状の予防や改善等に適用できる。
【実施例】
【0028】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。尚、実施例では、Givaudan社製の精油を用いた。
【0029】
プロラクチン濃度に対する香料成分(精油)の効果の検討
唾液中のプロラクチン濃度は、血液中のその濃度と高い相関性を有することが分かっており、非侵襲的かつ簡便に検体を採取できることから、血液中のプロラクチン濃度の測定に代わって、唾液中の濃度の測定を行った。軽度のストレス負荷時に様々な香料成分を嗅がせることによる、唾液中のプロラクチン濃度に対する効果について検討した。
【0030】
月経随伴症状や月経前症候群などの判定尺度として知られるMDQ質問紙(Menstrual Distress Questionnaires)を用いて、正常な周期を示していながら不定愁訴を自覚している20代女性を抽出し、パネルとした。
【0031】
パネルを30分間安静状態にさせた後、香料を含まないコットン(香料なし)または各香料(スイートオレンジオイル、トリメトキシベンゼン(TMB)、改質バレリアンオイル)をしみこませたコットンを鼻下につけて香を嗅がせながら、軽度のストレス(カラーワードストループテスト)を60分間負荷した。各群(n=5)においてストレス負荷後の唾液を採取し、ELISAキット(IBLハンブルク社製)を用いて唾液中プロラクチン濃度を測定した。結果を図2に示す。
【0032】
図2から明らかであるように、スイートオレンジオイルの香りを嗅がせることによって、香料なしの場合と比較して、プロラクチン濃度が低下することが認められた。一方、ストレス緩和(鎮静)効果が脳波などで確認されているTMBおよび改質バレリアンオイルを嗅がせても、香料なしの場合と比較して、プロラクチン濃度の有意な変化は認められなかった。
【0033】
コルチゾール濃度に対するスイートオレンジオイルの影響の検討
次に、スイートオレンジオイルによるプロラクチン濃度の低下とストレス緩和との関連性を調べるため、ストレスにより上昇することが分かっているストレスホルモンのコルチゾールの唾液中濃度に対するスイートオレンジオイルの影響について検討した。上記と同様の方法で香料なしまたはスイートオレンジオイルの香りを嗅がせながら軽度ストレスを60分間負荷し、ストレス負荷前(安静時)、ストレス負荷時およびストレス負荷後に唾液を採取し、ELISAキット(Salimetrics 社製)を用いて唾液中コルチゾール濃度を測定した。結果を図3に示す。
【0034】
図3から明らかであるように、ストレスホルモンであるコルチゾールの唾液中濃度がストレス負荷によって上昇することが確認されたが、香りなしの場合とスイートオレンジオイルの香りを嗅がせた場合で、コルチゾール濃度の変化に有意な差は認められなかった。従って、スイートオレンジオイルによるプロラクチン濃度の低下はストレス緩和によるものではないことが示唆された。
【0035】
上記の結果から、スイートオレンジオイルが、ストレス緩和とは異なる機序を介して、ストレス負荷時にプロラクチン分泌を抑制し得ることが示唆された。
【0036】
以下に、本発明のプロラクチン調整剤としてのスイートオレンジオイルを含む各種組成物、雑貨類、衣類等の典型的な製品形態の処方例を実施例として示す。尚、配合量は全て製品全量に対する質量%で表す。
【0037】
実施例1
化粧水(処方例1)
(1)グリセリン 2.0
(2)ジプロピレングリコール 2.0
(3)PEG−60 水添ひまし油 0.3
(4)トリメチルグリシン 0.1
(5)防腐剤 適量
(6)キレート剤 適量
(7)染料 適量
(8)スイートオレンジオイル 0.05
(9)精製水 残余
【0038】
実施例2
化粧水(処方例2)
(1)アルコール 30.0
(2)ブチレングリコール 4.0
(3)グリセリン 2.0
(4)PPG−13デシルテトラデス24 0.3
(5)オクチルメトキシシンナメート 0.1
(6)メントール 0.2
(7)酢酸トコフェロール 0.1
(8)キレート剤 適量
(9)染料 適量
(10)スイートオレンジオイル 0.01
(11)精製水 残余
【0039】
実施例3
乳液(処方例1)
(1)ステアリン酸 2.0
(2)セチルアルコール 1.5
(3)ワセリン 4.0
(4)スクワラン 5.0
(5)グリセロールトリー2−エチルヘキサン酸エステル 2.0
(6)ソルビタンモノオレイン酸エステル 2.0
(7)ジプロピレングリコール 5.0
(8)PEG1500 0.3
(9)トリエタノールアミン 0.1
(10)防腐剤 適量
(11)スイートオレンジオイル 0.2
(12)精製水 残余
【0040】
実施例4
乳液(処方例2)
(1)エチルアルコール 10.0
(2)シクロメチコン 0.1
(3)ブチレングリコール 5.0
(4)ジメチコン 3.0
(5)グリセン 0.1
(6)メントール 1.0
(7)トリメチルシロキシケイ酸 0.1
(8)カフェイン 1.0
(9)トリメチルグリシン 1.0
(10)キサンタンガム 0.001
(11)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(12)大豆発酵エキス 1.0
(13)ラウリルベタイン 0.5
(14)カルボマー 0.2
(15)キレート剤 適量
(16)パラベン 適量
(17)安息香酸 適量
(18)スイートオレンジオイル 0.1
(19)酸化鉄 適量
(20)苛性カリ 0.05
(21)グリチルリチン酸ジカルシウム 0.01
(22)塩酸ピリドキシン 0.01
(23)アスコルビン酸グルコシド 0.01
(24)アルブチン 3.0
(25)ユキノシタ抽出液 0.1
(26)水 残余
【0041】
実施例5
乳液(処方例3)
(1)ブチレングリコール 4.0
(2)プロピレングリコール 4.0
(3)カルボマー 0.2
(4)苛性カリ 0.2
(5)ベヘニン酸 0.5
(6)ステアリン酸 0.5
(7)イソステアリン酸 0.5
(8)ステアリン酸グリセリル 1.0
(9)イソステアリン酸グリセリル 1.0
(10)ベヘニルアルコール 0.5
(11)スクワラン 5.0
(12)トリオクタノイン 3.0
(13)フェニルトリメチコン 2.0
(14)バチルアルコール 0.5
(15)グリチルリチン酸ジカルシウム 0.01
(16)防腐剤 適量
(17)キレート剤 適量
(18)顔料 適量
(19)スイートオレンジオイル 0.15
(20)精製水 残余
【0042】
実施例6
乳液(処方例4)
(1)グリセリン 3.0
(2)キシリトール 2.0
(3)カルボマー 0.1
(4)苛性カリ 0.1
(5)イソステアリン酸グリセリル 1.0
(6)ステアリン酸グリセリル 0.5
(7)ベヘニルアルコール 1.0
(8)バチルアルコール 1.0
(9)パーム硬化油 2.0
(10)ワセリン 1.0
(11)スクワラン 5.0
(12)オクタン酸エリスリチル 3.0
(13)シクロメチコン 1.0
(14)防腐剤 適量
(15)キレート剤 適量
(16)スイートオレンジオイル 0.2
(17)精製水 残余
(18)トラネキサム酸 1.0
(19)パントテニルエチルエーテル 0.5
(20)ニコチン酸アミド 0.1
(21)トレハロース 0.1
(22)ローズマリーエキス 0.1
(23)ビタミンA 0.1
(24)アスコルビン酸グリコシド 0.001
(25)キイチゴ抽出液 1.0
(26)オウゴン抽出液 0.001
(27)オウバク抽出液 0.01
【0043】
実施例7
乳液(処方例5)
(1)エタノール 2.0
(2)シクロメチコン 10.0
(3)グリセリン 5.0
(4)ジブチレングリコール 1.0
(5)ジメチコン 1.0
(6)コーンスターチ 4.0
(7)ミネラルオイル 2.0
(8)トリメチルシロキシケイ酸 5.0
(9)ポリエチレングリコール 3.0
(10)乳酸メンチル 0.1
(11)PEG−60水添ヒマシ油 1.0
(12)アミノプロピルジメチコン 1.0
(13)キサンタンガム 0.01
(14)酢酸トコフェロール 0.01
(15)カフェイン 0.1
(16)ヒアルソン酸ナトリウム 0.1
(17)大豆発酵エキス 0.01
(18)ハマメリスエキス 0.01
(19)ドクダミエキス 0.01
(20)カルボマー 0.3
(21)アクリル酸マタクリル酸アルキル共重合体 0.2
(22)HEDTA 適量
(23)防腐剤 適量
(24)スイートオレンジオイル 0.3
(25)顔料 適量
(26)苛性カリ 0.15
(27)アミノメチルプロパノール 0.05
(28)水 残余
【0044】
実施例8
乳液(処方例6)
(1)エタノール 15.0
(2)シクロメチコン 6.0
(3)ブチレングリコール 0.5
(4)ジメチコン 1.0
(5)グリセリン 1.0
(6)ポリエチレングリコール 1.0
(7)乳酸メンチル 1.0
(8)メントール 0.1
(9)トリメチルシロキシケイ酸 1.0
(10)カフェイン 0.5
(11)トリメチレングリシン 0.1
(12)キサンタンガム 0.1
(13)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(14)大豆発酵エキス 0.01
(15)酢酸トコフェロール 0.05
(16)ラウリルベタイン 0.01
(17)渇藻エキス 0.01
(18)ドクダミエキス 0.01
(19)紅藻エキス 0.01
(20)緑藻エキス 0.01
(21)セルロース沫 1.0
(22)イソステアリン酸PEG−60グリセリル 1.0
(23)イソステアリン酸 1.0
(24)カルボマー 0.1
(25)アクリル酸メタクリル酸アルキル重合体 0.1
(26)EDTA 0.1
(27)メタリン酸ナトリウム 0.1
(28)フェノキシエタノール 0.2
(29)パラベン 0.2
(30)スイートオレンジオイル 0.45
(31)酸化鉄(赤) 0.02
(32)メンチルグリセリルエーテル 0.01
(33)水 残余
【0045】
実施例9
クリーム(処方例1)
(1)グリセリン 10.0
(2)ブチレングリコール 5.0
(3)カルボマー 0.1
(4)苛性カリ 0.2
(5)ステアリン酸 2.0
(6)スタリン酸グリセリル 2.0
(7)イソステアリン酸グリセリル 2.0
(8)ワセリン 5.0
(9)防腐剤 適量
(10)酸化防止剤 適量
(11)スイートオレンジオイル 0.3
(12)精製水 残余
(13)キレート剤 適量
(14)顔料 適量
(15)ステアリルアルコール 2.0
(16)ベヘニルアルコール 2.0
(17)パーム硬化油 2.0
(18)スクワラン 10.0
(19)4−メトキシサリチル酸K 3.0
【0046】
実施例10
クリーム(処方例2)
(1)グリセリン 3.0
(2)ジプロピレングリコール 7.0
(3)ポリエチレングリコール 3.0
(4)ステアリン酸グリセリル 3.0
(5)イソステアリン酸グリセリル 2.0
(6)ステアリルアルコール 2.0
(7)ベヘニルアルコール 2.0
(8)流動パラフィン 7.0
(9)シクロメチコン 3.0
(10)ジメチコン 1.0
(11)オクチルメトキシシンナメート 0.1
(12)ヒアルロン酸Na 0.05
(13)防腐剤 適量
(14)酸化防止剤 適量
(15)スイートオレンジオイル 0.4
(16)精製水 残余
(17)キレート剤 適量
(18)顔料 適量
【0047】
実施例11
ジェル
(1)エチルアルコール 10.0
(2)グリセリン 5.0
(3)ブチレングリコール 5.0
(4)カルボマー 0.5
(5)アミノメチルプロパノール 0.3
(6)PEG−60水添ヒマシ油 0.3
(7)メントール 0.02
(8)防腐剤 適量
(9)キレート剤 適量
(10)スイートオレンジオイル 0.1
(11)精製水 残余
【0048】
実施例12
エアゾール(処方例1)
(1)グリセリン 2.0
(2)ジプロピレングリコール 2.0
(3)PEG−60水添ヒマシ油 0.3
(4)HPPCD 1.0
(5)防腐剤 適量
(6)キレート剤 適量
(7)染料 適量
(8)スイートオレンジオイル 0.2
(9)精製水 適量
(10)LPG 残余
【0049】
実施例13
エアゾール(処方例2)
(1)アルコール 15.0
(2)ブチレングリコール 2.0
(3)グリセリン 1.0
(4)PPG−13デシルテトラデス24 0.1
(5)銀担持ゼオライト 1.0
(6)キレート剤 適量
(7)染料 適量
(8)スイートオレンジオイル 0.15
(9)精製水 残余
(10)LPG 40.0
【0050】
実施例14
エアゾール(処方例3)
(1)エタノール 60.0
(2)乳酸メンチル 0.1
(3)乳酸ナトリウム 0.1
(4)酢酸トコフェロール 0.01
(5)乳酸 0.01
(6)カフェイン 0.01
(7)ウイキョウエキス 1.0
(8)ハマメリスエキス 1.0
(9)ドクダミエキス 1.0
(10)ジプロピレングリコール 1.0
(11)窒素ガス 0.9
(12)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン 1.0
デシルテトラデシルエーテル
(13)ブチレングリコール 2.0
(14)トコフェロール 0.05
(15)スイートオレンジオイル 0.1
(16)PEG−60水添ヒマシ油 0.1
(17)水 残余
【0051】
実施例15
シャンプー
(1)ラウリルポリエキシエチレン(3)
硫酸エステルナトリウム塩(30%水溶液) 30.0
(2)ラウリル硫酸エステルナトリウム塩(30%水溶液) 10.0
(3)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
(4)グリセリン 1.0
(5)防腐剤 適量
(6)スイートオレンジオイル 0.5
(7)色素 適量
(8)金属イオン封鎖剤、pH調整剤 適量
(9)精製水 残余
【0052】
実施例16
リンス
(1)シリコーン油 3.0
(2)流動パラフィン 1.0
(3)セチルアルコール 1.5
(4)ステアリルアルコール 1.0
(5)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7
(6)グリセリン 3.0
(7)スイートオレンジオイル 0.5
(8)色素、防腐剤 適量
(9)精製水 残余
【0053】
実施例17
ボディーシャンプー
(1)ラウリン酸 2.5
(2)ミリスチン酸 5.0
(3)パルミチン酸 2.5
(4)オレイン酸 2.5
(5)ココイルジエタノールアミド 1.0
(6)グリセリン 20.0
(7)苛性カリ 3.6
(8)染料 適量
(9)スイートオレンジオイル 0.5
(10)金属イオン封鎖剤 適量
(11)精製水 残余
【0054】
実施例18
フレグランス
(1)アルコール 75.0
(2)精製水 残余
(3)ジプロピレングリコール 5.0
(4)スイートオレンジオイル 10.0
(5)酸化防止剤 8.0
(6)色素 適量
(7)紫外線吸収剤 適量

ここで、「フレグランス」とは、アルコール(例えばエチルアルコール)または水性アルコールに精油を溶解したものである。フレグランスは、精油を1%〜99%質量%含有する。水とアルコールの配合比は50:50〜0:100の範囲である。フレグランスは、溶解剤、柔軟化剤、ヒューメクタン、濃化剤、静菌剤、またはそのほか通常化粧品に用いられる材料を含有することができる。
【0055】
実施例19
ルームフレグランス
(1)アルコール 80.0
(2)精製水 残余
(3)酸化防止剤 5.0
(4)スイートオレンジオイル 3.0
(5)3−メチルー3メトキシブタノール 5.0
(6)ジベンジリデンソルビトール 5.0
【0056】
実施例20
インセンス
(1)タブ粉 75.5
(2)安息香酸ナトリウム 15.5
(3)スイートオレンジオイル 5.0
(4)ユーカリオイル 1.0
(5)フェンネルオイル 1.0
(6)精製水 残余
【0057】
実施例21
入浴剤
(1)硫酸ナトリウム 45.0
(2)炭酸水素ナトリウム 45.0
(3)ヒソップオイル 9.0
(4)スイートオレンジオイル 1.0
【0058】
実施例22
マッサージ用ジェル
(1)エリスリトール 2.0
(2)カフェイン 5.0
(3)オウバク抽出物 3.0
(4)グリセリン 50.0
(5)カルボキシビニルポリマー 0.4
(6)ポリエチレングリコール400 30.0
(7)エデト3ナトリウム 0.1
(8)ポリオキシレン(10)メチルポリシロキサン共重合体 2.0
(9)スクワラン 1.0
(10)水酸化カリウム 0.15
(11)スイートオレンジオイル 1.0
【0059】
実施例23
マッサージクリーム
(1)固形パラフィン 5.0
(2)ミツロウ 10.0
(3)ワセリン 15.0
(4)流動パラフィン 41.0
(5)1.3−ブチレングリコール 4.0
(6)モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0
(8)ホウ砂 0.2
(9)カフェイン 2.0
(10)防腐剤 適量
(11)酸化防止剤 適量
(12)スイートオレンジオイル 1.0
(13)精製水 残余
【0060】
実施例24
芳香性繊維
キュプロアンモニウムセルロース溶液(セルロース濃度10重量%、アンモニウム濃度7重量%、銅濃度3.6重量%)に、スイートオレンジオイルを内包したマイクロカプセル(粒子径50μm以下、マイクロカプセルに占める精油の割合は50重量%)をセルロース重量に対して0.1〜20重量%の範囲内で添加、混和した後、通常の湿式紡糸方法に従って紡糸し、精錬工程、乾燥工程を経て、芳香性繊維を得た。
【0061】
実施例25
顆粒
(1)スクラロース 0.1
(2)スイートオレンジオイル 0.1
(3)香味料 5.0
(4)賦形剤(セオラス) 10.0
(5)マルチトール 残余
【0062】
実施例26
錠剤(チュアブルタイプ)
(1)イノシトール 11.0
(2)マルチトール 21.0
(3)スクロース 0.5
(4)鮭白子抽出物(DNA Na) 0.1
(5)酵母抽出物 0.1
(6)スイートオレンジオイル 0.1
(7)香味料 5.0
(8)賦形剤 残余
【0063】
実施例27
タブレット
(1)潤沢剤(ショ糖脂肪酸エステル等) 1.0
(2)アラビアガム水溶液(5%) 2.0
(3)酸味料 1.0
(4)着色料 適量
(5)スイートオレンジオイル 0.1
(6)糖質(粉糖またはソルビトール等) 残余
【0064】
実施例28
キャンディー
(1)砂糖 50.0
(2)水飴 47.95
(3)有機酸 2.0
(4)スイートオレンジオイル 0.05
【0065】
実施例29
ガム
(1)砂糖 43.0
(2)ガムベース 30.95
(3)グルコース 10.0
(4)水飴 16.0
(5)スイートオレンジオイル 0.05
【0066】
これらの実施例の各種組成物、雑貨類、衣類等は、それぞれの製品形態の典型的な使用態様における使用テストにより、体液中のプロラクチン濃度を低下させた。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】プロラクチンの調整機構の概略図
【図2】プロラクチン濃度に対する各香料成分の効果を示すグラフ。
【図3】コルチゾール濃度に対するスイートオレンジオイルの影響を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイートオレンジオイルから成るプロラクチン調整剤。
【請求項2】
スイートオレンジオイルを含むプロラクチン調整用組成物。
【請求項3】
化粧料であることを特徴とする請求項2記載の組成物。
【請求項4】
スイートオレンジオイルを含むプロラクチン調整用の雑貨類または衣類。
【請求項5】
香料成分の香りを嗅がせることによって体液中のプロラクチン濃度を調整する美容方法。
【請求項6】
前記香料成分がスイートオレンジオイルを含み、体液中のプロラクチン濃度を低下させることを特徴とする請求項5記載の美容方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−44910(P2008−44910A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−223902(P2006−223902)
【出願日】平成18年8月21日(2006.8.21)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【復代理人】
【識別番号】100116540
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 香
【Fターム(参考)】