プローブピンおよびそれを用いたソケット
【課題】 低コストでありワイピング可能なプローブピンを提供する。
【解決手段】 プローブピン100は、導電性金属からなるスリーブ110と、スリーブ内の軸方向に収容されるスプリング120と、スリーブ110の一端から突出可能であり、かつスプリング120の一端に接続されるプランジャー130と、スリーブ110の他端から突出可能であり、かつスプリング120の他端に接続されるプランジャー140とを有する。スリーブ110には、プランジャー130の軸方向の移動および回転を規制するガイド穴112と、プランジャー140の軸方向の移動および回転を規制するガイド穴114とが形成されている。また、プランジャー130、140には、ガイド穴112、114内に挿入され突起136、146が形成されて。
【解決手段】 プローブピン100は、導電性金属からなるスリーブ110と、スリーブ内の軸方向に収容されるスプリング120と、スリーブ110の一端から突出可能であり、かつスプリング120の一端に接続されるプランジャー130と、スリーブ110の他端から突出可能であり、かつスプリング120の他端に接続されるプランジャー140とを有する。スリーブ110には、プランジャー130の軸方向の移動および回転を規制するガイド穴112と、プランジャー140の軸方向の移動および回転を規制するガイド穴114とが形成されている。また、プランジャー130、140には、ガイド穴112、114内に挿入され突起136、146が形成されて。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブピンおよびそれを用いたソケットに関し、特に、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Sized Package)、またはLGA(Land Grid Array)等の半導体装置を実装するソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
ソケットは、半導体装置と回路基板等を電気的に接続するためのインターフェースとして広く用いられている。BGA等の表面実装用の半導体装置を装着するソケットには、半導体パッケージをベースに配置した後、カバーを半導体パッケージの上方から押し付け、カバーをベースに固定することで、はんだボールとプローブピンを接触させるものがある。特許文献1のソケットは、図1に示すように、BGA21の半田ボール22と対向する絶縁性の基板1と、BGA21の半田ボール22の方向に伸縮可能な導電性のコイル状ばね4と、基板1の貫通孔2内に設けられコイル状ばね4と電気的に導通するプローブピン3とを備えている。
【0003】
特許文献2は、BGA等のはんだボールの変形量を一定に調整することが可能なソケットを開示している。このソケット10は、図2に示すように、ベース部材20、ベース部材20に対して接近しまたは離れる方向に往復動可能なカバー部材30、ベース部材20に植え込まれる複数のコンタクト40、コンタクト40の他端の位置を規制するコンタクト規制部材50、コンタクト規制部材50に対して往復動可能なアダプター60、BGAの表面を押圧するラッチ部材70を有している。アダプター60がコンタクト規制部材50に向けて移動されたとき、アダプター60に載置されたBGAデバイスの半田ボール11がアダプター60の各貫通孔65から突出する各コンタクトの他端42とそれぞれ接続されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−093634号
【特許文献2】特許第3566691号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2のソケットは、図3(a)に示すようなコンタクト40を用いている。コンタクト40の一端41と他端42の間には、湾曲された弾性変形部44が形成され、弾性変形部44により弾性力を生じさせている。このようなコンタクトをBGAの端子ピッチに応じて図3(b)のように整列させる場合には、4本のコンタクトを一括してまとめて組立てなければならない。他方、4本のコンタクトの中の1本のコンタクトに欠陥があれば、4本のコンタクトを一括して取り外して交換をしなければならない。このため、コンタクトの組立作業効率が非常に悪く、結果としてソケットの製造コストが高くなってしまうという課題がある。
【0006】
また、電気的な導通試験に用いられる従来のプローブピンは、図4(a)に示すように、円筒状のスリーブ80内に、スプリング82を収容し、スプリング82の先端にプランジャー84を取り付けた片側可動タイプのものや、図4(b)に示すように、スリーブ90のほぼ中央にスプリング92を収容し、スプリング92の両端にそれぞれ一対のプランジャー94、96を取り付けた両側可動タイプのものがある。これらのプローブピンは、プランジャーを軸方向に移動させることで、被接触物と一定の接圧で接触し、電気的な接続を得ている。
【0007】
BGA等の表面実装用半導体装置を取り付けるソケットでは、半導体装置の端子とコンタクトの間に、ワイピングが要求される。ワイピングは、端子とコンタクトの間に相対的な水平運動または回転運動を与えるものであり、ワイピングによって、はんだボール表面に形成された酸化膜やその他の異物を除去される。しかし、上記した従来のプローブピンは、プランジャーの動きが軸方向の直線運動に限られるため、これをソケットに適用しても、ワイピングを行うことができないため、コンタクトと端子間の良好なまたは確実な電気的な接触を得ることができないという課題がある。さらに、上記したプローブピンのスリーブは、金属の削り出しによって形成されるため、生産性が悪く、プローブピンのコストが高くなってしまうという課題も抱えていた。
【0008】
本発明の目的は、上記従来の課題を解決し、低コストでありワイピング可能なプローブピンを提供することである。
さらに本発明の目的は、コンタクトの組立の作業性に優れ、低コストなソケットを提供することである。
さらに本発明の目的は、BGAやCSP等の表面実装用半導体装置と確実に電気的接続を得ることができるソケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るプローブピンは、導電性金属からなるスリーブと、スリーブ内の軸方向に収容されるスプリングと、スリーブの一端から突出可能であり、かつスプリングの一端に接続される導電性金属からなる第1のプランジャーとを有し、スリーブには、第1のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第1の細長のガイド穴が形成され、第1のガイド穴は、スリーブの軸方向と一定の傾斜角で延在し、第1のプランジャーには、第1のガイド穴内に挿入される第1の突起が形成されている。
【0010】
好ましくはプローブピンはさらに、スリーブの他端から突出可能であり、かつスプリングの他端に接続される導電性金属からなる第2のプランジャーを有し、スリーブには、第2のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第2の細長のガイド穴が形成され、第2のガイド穴は、スリーブの軸方向と一定の傾斜角で延在し、第2のプランジャーには、第2のガイド穴に挿入される第2の突起が形成されている。
【0011】
また、スリーブの他端には、導電性パッド領域に接触可能な1つまたは複数の爪が形成されるようにしてもよいし、貫通孔内に挿入可能なリードが形成されるようにしてもよい。
【0012】
さらに本発明のプローブピンは、導電性金属からなるスリーブと、スリーブ内の軸方向に収容されるスプリングと、スリーブの一端から突出可能であり、かつスプリングの一端に接続される導電性金属からなる第1のプランジャーとを有し、スリーブには、第1のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第1の細長のガイド穴が形成され、第1のプランジャーには、第1のガイド穴内に挿入される第1の突起が形成され、第1のプランジャーは、スリーブの軸中心からオフセットされた第1の接点部を含むものである。
【0013】
好ましくはプローブピンはさらに、スリーブの他端から突出可能であり、かつスプリングの他端に接続される導電性金属からなる第2のプランジャーを有し、スリーブには、第2のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第2の細長のガイド穴が形成され、第2のプランジャーには、第2のガイド穴内に挿入される第2の突起が形成され、第2のプランジャーは、スリーブの軸中心からオフセットされた第2の接点部を含む。
【0014】
好ましくは少なくとも1つの第1および第2のガイド穴は、それぞれスリーブの軸方向と平行に延在する。また、少なくとも1つの第1および第2のガイド穴は、それぞれスリーブの軸方向と一定の傾斜角で延在するようにしてもよい。スリーブの外形は、4角形状または多角形状であってもよいし、円筒状であってもよい。後者の場合には、外周に少なくとも1つの回り止め用突起が形成されていることが望ましい。好ましくはスリーブは、スタンピング加工された板材を折り曲げて形成され、軸方向に継ぎ目を有する。
【0015】
さらに本発明のプローブピンは、導電性金属をスタンピングして得られた第1のプランジャーと、導電性金属をスタンピングして得られ、第1のプランジャーに直交するように組み合わされる第2のプランジャーと、第1および第2のプランジャーの軸方向の弾性力を提供するコイルスプリングとを有し、第1のプランジャーは、コイルスプリングの一端を受け止める第1のバネ受け部と、第1のバネ受け部から軸方向に延在する第1の延在部とを有し、当該第1の延在部には、軸方向に延在する溝によって形成された弾性を有する1対の脚部と、第2のプランジャーの軸方向の移動を規制するガイド穴とが形成され、第2のプランジャーは、コイルスプリングの他端を受け止める第2のバネ受け部と、第2のバネ受け部から軸方向に延在する第2の延在部とを有し、当該第2の延在部には、軸方向に延在する溝によって形成された弾性を有する1対の脚部と、第1のプランジャーのガイド穴と係合する突起が形成され、第1および第2のプランジャーは、相互に第1および第2の延在部の溝に挿入され、かつ第1および第2のバネ受け部間にコイルスプリングが配置されている。
【0016】
好ましくは、第1のプランジャーは、第1のバネ受け部から延在する第1の接点部を含み、第1の接点部の軸方向の中心は、第1の延在部の軸方向の中心からオフセットされている。
【0017】
さらに本発明に係るソケットは、上記した複数のプローブピンと、複数のプローブピンを固定したベース部材とを含んでいる。ソケットに表面実装用の半導体装置が取り付けられたとき、前記複数のプローブピンが半導体装置の一面に形成された複数の端子にそれぞれ電気的に接続される。
【発明の効果】
【0018】
本発明のプローブピンは、スリーブが軸方向にストレートな形状であり、かつプローブピンの軸方向と直交する外形は、実質的にスリーブの外形であるため、プローブピンをソケットのコンタクトに適用したとき、プローブピンの組立、交換が非常に容易となり、その作業効率が大幅に改善される。また、プローブピンのプランジャーが軸方向に移動するとき、プランジャーに回転運動や水平運動のワイピング動作を与えることができるため、BGA等の半導体装置の端子との電気的な接続が確実となる。さらに、プローブピンのスリーブをスタンピングされた金属板を加工して形成することで、スリーブの生産性がよくなり、プローブピンのコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来のプローブピンタイプのソケットを示す図である。
【図2】従来のソケットの平面図およびそのX−X線断面を示す図である。
【図3】従来のソケットのコンタクトを示す平面図である。
【図4】従来のプローブピンを示す図であり、同図(a)は片側可動タイプのプローブピン、同図(b)は両側可動タイプのプローブピンである。
【図5】本発明の第1の実施例に係るプローブピンを示す図であり、図5(a)は、本発明の第1の実施例に係るプローブピンの構成を示す平面図、図5(b)および(c)はスリーブに形成されたガイド穴を説明する図、図5(d)は、スリーブを縦方向に切断したときのスリーブの内部を示す図、図5(e)は、図5(d)のX−X線断面図、図5(f)は、スリーブのガイド穴とプランジャーとの関係を示す模式図である。
【図6】スリーブに加工する前のスタンピングされた金属板を示す図である。
【図7】プランジャーの接点部の他の形状を示す図である。
【図8】第1の実施例のプローブピンの変形例を示す図である。
【図9】図5に示すプローブピンの他の変形例を示す図である。
【図10】図5に示すプローブピンの他の変形例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係るプローブピンの構成を示す図である。
【図12】第2の実施例に係るプローブピンの変形例を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施例に係るプローブピンを示す図であり、図13(a)、(b)は、第1および第2のプランジャーを示す平面図、図13(c)はコイルスプリングを示す図、図13(d)は、組立図である。
【図14】第3の実施例に係るプローブピンの適用例を示す図であり、図14(a)はプローブピンの組立図、図14(b)はプランジャーを示す平面図、図14(c)ないし図14(e)はプランジャーの動作を説明する断面図である。
【図15】本発明の第1の実施例のプローブピンを適用したソケットの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0021】
図5(a)は、本発明の第1の実施例に係るプローブピンの構成を示す平面図、図5(b)および(c)はスリーブに形成されたガイド穴を説明する図、図5(d)は、スリーブを縦方向に切断したときのスリーブの内部を示す図、図5(e)は、図5(d)のX−X線断面図、図5(f)は、スリーブのガイド穴とプランジャーとの関係を示す模式図である。プローブピン100は、銅合金等の導電性金属からなる4角形状の外形のスリーブ110と、スリーブ110内に収容される導電性金属からなるコイルスプリング120と、スリーブ110の両端から突出可能な導電性金属からなるプランジャー130、140とを含んでいる。
【0022】
スリーブ110は、好ましくは、スタンピングされた金属板を加工した形成される。外形は、必ずしも4角形状に限らず、円筒状または多角形状であってもよい。スリーブ110の一方の端部に、細長いガイド穴112が形成されている。ガイド穴112は、一定の幅で距離P1の長さを有し、距離P1は、プランジャー130の軸方向の移動量を規制する。ガイド穴112は、スリーブ110の軸方向と傾斜角θ1で傾斜しており、この傾斜角θ1は、プランジャー130が軸方向に移動するとき、プランジャー130の回転量を規定する。
【0023】
同様に、スリーブ110の他方の端部付近に、細長いガイド穴114が形成されている。ガイド穴114は、一定の幅で距離P2の長さを有し、距離P2は、プランジャー140の軸方向の移動量を規制する。ガイド穴114は、スリーブ110の軸方向と傾斜角θ2で傾斜しており、この傾斜角θ2は、プランジャー140が軸方向に移動するとき、プランジャー140の回転量を規定する。
【0024】
図6は、スリーブが加工される前のスタンピングされた金属板を示す図である。金属板150の対向する辺152、154には、それぞれガイド穴112、114を形成するための切欠き156、158が形成されている。金属片150を四角形状のスリーブに曲げ加工したとき、切欠き156と対応する切欠き158が合わさり、ガイド穴112、114が形成される。また、辺152と辺154の継ぎ目160が、スリーブ110の軸方向に沿って形成される。
【0025】
コイルスプリング120は、その外径がスリーブ110の内径よりも幾分だけ小さく、かつ、負荷のない自由な状態のときコイルスプリング120の軸方向の長さは、スリーブ110の軸方向の長さよりも幾分だけ短い。
【0026】
プランジャー130は、コイルスプリング120の一端を受けるバネ受け部132と、バネ受け部132の軸中心から軸方向に延在し先端が円錐状の接点部134とを有する。バネ受け部132には、軸方向と直交する方向に突出した円筒状の突起136が形成されている。本実施例では、バネ受け部132と接点部134の外径は、ほぼ等しくなっているが、接点部134の外径をバネ受け部132よりも小さくしてもよいし、その反対に大きくしても良い。バネ受け部132の外径は、スリーブ110の内径よりも僅かに小さく、バネ受け部132がスリーブ110内に収容されたとき、バネ受け部132の突起136がガイド穴112内に挿入される。
【0027】
プランジャー140は、上記したプランジャー130と同一形状のものを用いることができ、すなわち、コイルスプリング120の他端を受けるバネ受け部142と、バネ受け部142から軸方向に延在する先端が尖った先端をもつ接点部144と、バネ受け部142に形成された円筒状の突起146とを有する。
【0028】
プランジャー130と140がスリーブ110内に収容されたとき、コイルスプリング120によってプランジャー130と140が離間する方向に付勢される。このとき、図5(a)に示すように、プランジャー130の突起136がガイド穴112の一方の閉じた端部112aに当接し、プランジャー140の突起146がガイド穴114の一方の閉じた端部114aに当接し、プランジャー130と140には一定のプリロードが与えられている。
【0029】
プリロードが与えられた状態から、例えば、プランジャー130に対して軸方向の荷重が印加されると、プランジャー130は、スプリング120に逆らってスリーブ110の軸方向に移動する。このとき、バネ受け部132の突起136がガイド穴112内を倣うようにガイド穴112内を摺動するため、プランジャー130には、ガイド穴112の傾斜角θ1に応じた回転が与えられる。突起136がガイド穴112の他方の閉じた端部112bに当接したとき、プランジャー130の軸方向の移動が停止される。
【0030】
プランジャー140に軸方向の荷重が与えられたときにも同様に、プランジャー140は、突起146がガイド穴114の他方の端部114bに当接するまで軸方向に移動され、そのとき、プランジャー140は、ガイド穴114の傾斜角θ2に応じた回転量で回転される。勿論、プランジャー130と140の双方に同時に軸方向の荷重が印加されたとき、プランジャー130と140は、軸方向に移動しながら回転される。プランジャー130と140間の電流経路は、専らスリーブ110である。
【0031】
このように本実施例によれば、プランジャーを軸方向へ移動させるとき、その移動と同時にプランジャーを回転させるようにしたので、被接触物とプランジャーとの間にワイピング動作を与えることができる。これにより、被接触物の表面に酸化膜や異物等が形成されていても、プランジャーの回転により酸化膜や異物等を除去することができ、被接触物との良好な電気的な接続を確実に行うことができる。また、スリーブの上下のプランジャーにより、それぞれのプランジャーと被接触物との間にワイピングを与えることができる。
【0032】
上記実施例では、1つのガイド穴112、114によりプランジャー130、140の移動および回転を規制するようにしたが、スリーブ110のガイド穴112、114と対向する位置にもう一つのガイド穴を形成し、2つのガイド穴によってプランジャー130、140の移動および回転をそれぞれ規制するようにしてもよい。また、ガイド穴112、114の長さL1、L2および傾斜角θ1、θ2は、プランジャー130、140に求められる軸方向の移動量および回転量に応じて適宜変更することができる。さらに、上下のプランジャー130と140の軸方向の移動量および回転量は、それぞれ異なるものであってもよいし、同じであっても良い。さらに、プランジャー130と140の回転する方向は同一方向であってもよいし、異なる方向であってもよい。
【0033】
また、上記実施例では、プランジャー130、140の接点部134、144を円錐状としたが、これに限らず、接点部の形状は、被接触物の形状や材質等に応じて適宜選択することができる。例えば、接点部は、図7(a)に示すような平坦な面をもつ円板状170、図7(b)に示すようなリング形状172、または図7(c)に示すようなすり鉢形状174等にすることができる。
【0034】
さらに、プローブピンの組立方法は、図6に示した金属板を加工するとき、プランジャー130、140およびコイルスプリング120を適当な位置に位置決めした状態から、金属板150を曲げ加工することができる。これ以外にも、金属板150を加工した後に、スリーブ110の継ぎ目160を幾分だけ弾性変形する範囲で拡張し、そのスリーブ110内にプランジャー130、140およびコイルスプリング120を挿入するようにしてもよい。
【0035】
図8(a)は、第1の実施例のスリーブの変形例を示す平面図、図8(b)は、X−X線断面図である。図5に示すスリーブは、外形が4角形状であるのに対して、図8に示すスリーブ110Aは、円筒状の外形を有している。スリーブが四角形状の場合には、それ自身が回転されることが抑制されるが、円筒状の外形は、それ自身が回転されてしまうことがある。このため、スリーブ110A自身の回転を規制するための回り止め突起116を形成し、当該回り止め突起116を他の部材に係止させることが好ましい。
【0036】
図9は、第1の実施例のプローブピンの更なる変形例を示す図である。図5に示すプローブピンは、スリーブの両端にプランジャーを備えるものであるが、図9に示すプローブピンは、スリーブ110Bの下端にのみプランジャー140を取り付け、スリーブ110Bの上端を1つまたは複数の尖った爪状の突起180を形成している。スリーブ110Bの上端には、スリーブの内部空間を閉じるように、バネ受け部182が一体に形成され、コイルスプリング120の一端がバネ受け部182によって支持される。プランジャー140は、図5のときと同様に、軸方向に移動し、かつ移動中に回転される。好ましくは、プランジャー140は、回路基板上に形成された導電性パッドまたは導電性ランドに接触され、爪状の突起180は、BGA等のはんだボールに接触される。爪状の突起180とはんだボール間の接圧は、プランジャー140の軸方向の移動によって与えられる。図9に示すプローブピンは、1つのプランジャーを用いる構成であるため、図5に示すプローブピンよりもコストを抑えることができる。
【0037】
図10のプローブピンは、プローブピンのさらなる変形例である。すなわち、スリーブ110Cの上端には、プランジャー130が取り付けられているが、スリーブ110の下端は、リード形状190を形成している。プランジャー130は、図5のときと同様に、軸方向に移動可能であり、かつ移動中に回転される。リード形状190は、好ましくは、回路基板に形成された貫通孔内に挿入され、そこにはんだ付けされる。プランジャー130は、好ましくはBGA等のはんだボールに接触される。図10に示すプローブは、1つのプランジャーを用いる構成であるため、図5に示すプローブピンよりも低コストにすることができる。
【0038】
次に、本発明の第2の実施例に係るプローブピンについて説明する。図11(a)は、第2の実施例に係るプローブピンのスリーブを切断したときの内部を示す図、図11(b)および(c)はガイド穴を示す図、図11(d)は、スプリングによってプランジャーがプリロードされた状態を示す図、図11(e)は、プランジャーに軸方向の荷重が印加された状態を示す図である。
【0039】
第2の実施例において、スリーブ200には、図11(b)、(c)に示すようにプランジャー210の軸方向の移動を規制するための1対のガイド穴202と、プランジャー220の軸方向の移動を規制するための1対のガイド穴204が形成されている。これらのガイド穴202および204は、スリーブ200の軸方向と平行である。スリーブ200の内部には、コイルスプリング120が収容され、コイルスプリング120の一端にプランジャー210が接続され、その他端にプランジャー220が接続される。
【0040】
プランジャー210は、コイルスプリング120に当接するバネ受け部212と、バネ受け部212の軸中心から距離Cだけオフセットされた軸中心をもつ接点部214と、バネ受け部212に形成された1対の突起216とを含んでいる。1対の突起216は、対応する1対のガイド穴202内に挿入され、ガイド穴202内を摺動することでプランジャー210の移動を規制する。プランジャー220は、プランジャー210と同一の形状とすることができ、バネ受け部222、接点部224および1対の突起226を含んでいる。
【0041】
プランジャー210のバネ受け部210の外形d1は、好ましくは、スリーブ200の内径d2よりも小さく、両者の間に一定のクリアランスd(d=d2−d1)を生じせる。これにより、図11(d)に示すようなスプリングによりプリロードされた状態から図11(e)に示すように軸方向の荷重を印加された状態に遷移するとき、プランジャー210は、軸方向の移動中に、クリアランスdによって傾斜し、被接触物との間にワイピング動作する。このときのプランジャー210のワイピング量Aは、次式(1)によって表すことができる。
【0042】
【数2】
【0043】
ここで、dは、クリアランス、Loは、スリーブ端部からプランジャーの先端までの距離、L1は、ガイド穴の一方の閉じた端部からスリーブの端部までの距離、L2は、プリロード状態からプランジャーがスリーブ内に押し込まれた量、Stは、プランジャーが軸方向に変位した量である。式(1)から明らかなように、クリアランスdを大きくすれば、ワイピング量Aを大きくすることができる。但し、クリアランスdが大きすぎると、プランジャーへの座屈荷重が大きくなるので、好ましくは、(d2/2)<dとする。プランジャー220に軸方向に荷重が印加されたときにも、プランジャー220は、上記と同様にワイピング動作をする。
【0044】
このように、第2の実施例によれば、プランジャーをスリーブの軸中心から偏心させることで、プランジャーが軸方向に移動するときにプランジャーにワイピングを生じさせることができ、被接触物の表面に形成された酸化膜や異物等を除去し、確実な電気的接続を得ることができる。
【0045】
図12は、第2の実施例のプローブピンの変形例を示す図である。図11に示すプローブピンは、スリーブ200に一対のガイド穴202、204を形成したが、図12に示すプローブピンは、スリーブ200に単一のガイド穴202、204を形成している。また、プランジャーの接点部は、バネ受け部から偏心していない。これら以外の他の構成は、図11のプローブピンと実質的に同様である。
【0046】
図12(a)に示すように、プランジャー210Aがコイルスプリング120によってプリロードされた状態にあるとき、プランジャー210Aは、突起216をガイド穴202の一方の閉じた端部202に係止させることで、突起216を支点にして傾斜している。次に、図12(b)に示すように、プランジャー210Aが軸方向に移動をするとき、プランジャー210Aには、ワイピング量Aが発生する。ワイピング量Aは、上記した式(1)で求まる値と同様である。
【0047】
図11および図12において、スリーブに形成されるガイド穴は、スリーブの軸方向と平行(傾斜角がゼロ)の例を示したが、第1の実施例のように、ガイド穴を軸方向に傾斜させ、プランジャーに強制的な回転を与えるようにしてもよい。
【0048】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図13は、第3の実施例に係るプローブピンの構成を示す図であり、図13(a)、(b)は、第1および第2のプランジャーを示す平面図、図13(c)はコイルスプリングを示す図、図13(d)は、組立図である。第3の実施例に係るプローブピンは、スリーブを用いない代わりに、スタンピングされた1対の同形状のプランジャー300A、300Bと、コイルスプリング120とを用いて構成される。
【0049】
プランジャー300Aは、幅広のバネ受け部302Aと、バネ受け部302Aの中心と同軸上に細長の尖った先端をもつ接点部304Aと、接点部304Aとは反対方向に延在する延在部306Aとを有している。延在部306Aには、その軸中心方向に延在するスリット状の溝308Aが形成されている。溝308Aの一方の端部は閉じているが、他方の端部は、延在部の先端まで延びている。これにより、延在部306Aには、溝308Aによって弾性のある1対の脚部310Aが形成される。1対の脚部310Aの端部には、他方のプランジャー300Bに組み合わされたときに抜けを防止するための抜け止め用突起312Aがそれぞれ形成されている。それぞれの抜け止め用突起312Aは、溝308Aにおいて対向し、両者には僅かの間隙が形成される。延在部306Aにはさらに、ガイド穴314Aが形成されている。ガイド穴314Aは、延在部306Aの軸中心方向に延在するが、一定の長さで閉じている。なお、プランジャー300Bは、プランジャー300Aと同一形状であり、それぞれの構成要素の参照番号には、末尾にBを付してある。但し、両プランジャー300A、300Bは、必ずしも同一形状であることを要せず、例えば、一方のプランジャーにのみガイド穴が形成され、他方のプランジャーにのみガイド穴に係合する抜け止め用突起が形成されるようにしてもよいし、両プランジャーの接点部の形状を異ならせても良い。
【0050】
上記のようにスタンピングにより形成された1対のプランジャー300A、300Bとが互いに直交するように組み合わされる。好ましい組立方法によれば、プランジャー300Aの延在部306Aがコイルスプリング120内に挿入され、コイルスプリングの一端がバネ受け部302Aに当接される。次に、プランジャー300Bが、延在部306Bの溝308Bが延在部306Aの溝308Aに一致するようにコイルスプリング120の他端側から挿入され、延在部306Bの先端の抜け止め用突起312Bが、延在部306Aのガイド穴314A内に挿入され、他方、延在部306Aの先端の抜け止め用突起312Aが、延在部306Bのガイド穴314B内に挿入される。最終的に、コイルスプリング120の他端がプランジャー300Bのバネ受け部302Bに当接する。
【0051】
抜け止め用突起312Aがガイド穴314Bの一方の閉じた端部に当接し、抜け止め用突起312Bがガイド穴314Aの一方の閉じた端部に当接し、コイルスプリング120が僅かに撓むことで、プランジャー300Aと300Bの間にプリロードが与えられる。プランジャー300Aと300Bは、コイルスプリング120のバネ力に抗して軸方向に移動することが可能であり、その移動距離は、ガイド穴314A、314Bの長さによって規制される。すなわち、抜け止め用突起312Aがガイド穴314Bの他方の閉じた端部に当接し、抜け止め用突起312Bがガイド穴314Aの他方の閉じた端部に当接するまで、移動可能である。
【0052】
第3の実施例によれば、スタンピングされた1対の金属板とコイルスプリングにより低コストのプローブピンを提供することができる。
【0053】
次に、第3の実施例のプローブピンの好ましい適用例について図14を参照して説明する。図14(a)、(b)に示すプランジャーは、図13に示したプランジャーと異なり、接点部を偏心させることで、プランジャーにワイピング動作を与えるものである。すなわち、プランジャー300A、300Bの接点部320A、320Bは、図14(a)、(b)に示すように、バネ受け部302A、302Bの軸中心から一定の距離だけオフセットしている。それ以外の構成は、図13のものと同様である。
【0054】
図14(c)ないし(e)は、このような偏心したプランジャーをもつプローブピンの好ましい適用例を示している。図14(c)に示すように、プローブピンは、上支持部330と下支持部340とを結合して形成された空間内に収容される。上支持部330には、プランジャー300Aを突出させるための孔332が形成され、孔332は軸方向から傾斜している。同様に、下支持部340には、プランジャー300Bを突出させるための孔342が形成され、孔342は、孔332と直交する方向に軸方向から傾斜している。
【0055】
図14(d)に示す状態から図14(e)に示すように、プランジャー300Aに軸方向の荷重が印加されると、プランジャー300Aが孔332の傾斜に倣うようにスプリング120に抗して移動する。このとき、プランジャー300Aの接点部の偏心により接点部は水平運動を兼ねるため、プランジャー300Aにワイピング動作が与えられる。プランジャー300Bを軸方向に移動させたときにも同様にワイピング動作が生じる。プランジャー300Aのワイピング量Aは、次の式(2)によって近似される。ここで、αは、孔332、342の傾斜角であり、Stは、プランジャーの押し込み量である。
【0056】
【数3】
【0057】
図15は、本発明の第1の実施例に係るプローブピンをソケットに適用したときの概略断面図である。ソケットは、図2に示す構成と同様であるが、ベース部材20は、コンタクトとして図5に示すプローブピン100を取り付けている。プローブピン100は、装着すべきBGAは、はんだボールのピッチに対応するように配列される。この際、プローブピンの外形寸法は、実質的にスリーブのストレートな外形によって規定されるため、プローブピンの取付作業が容易となり、かつ1本ずつのプローブピンの取り外しも容易となる。
【0058】
ソケットのコンタクトとして、本発明の他の実施例や変形例に示したプローブピンを提供することが可能である。また、ソケットは、図15に示すような種々のポップアップタイプや、カバーをベース部材に回動可能に取り付けたクラムシェルタイプにも、本発明のプローブピンを適用することができる。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0060】
上記実施例では、半田ボールが形成されたBGAパッケージを対象としたが、これ以外の表面実装用の半導体パッケージ(半導体装置)であってよい。また、端子の形状は、球状に限らず、半円状、円錐状、矩形状等のバンプであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係るソケットは、表面実装用半導体装置のインターフェースとして利用される。
【符号の説明】
【0062】
100:プローブピン
110:スリーブ
112:ガイド穴
112a、112b:閉じた端部
114:ガイド穴
114a、114b:閉じた端部
120:コイルスプリング
130:プランジャー
132:バネ受け部
134:接点部
136:突起
140:プランジャー
142:バネ受け部
144:接点部
146:突起
150:金属板
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブピンおよびそれを用いたソケットに関し、特に、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Sized Package)、またはLGA(Land Grid Array)等の半導体装置を実装するソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
ソケットは、半導体装置と回路基板等を電気的に接続するためのインターフェースとして広く用いられている。BGA等の表面実装用の半導体装置を装着するソケットには、半導体パッケージをベースに配置した後、カバーを半導体パッケージの上方から押し付け、カバーをベースに固定することで、はんだボールとプローブピンを接触させるものがある。特許文献1のソケットは、図1に示すように、BGA21の半田ボール22と対向する絶縁性の基板1と、BGA21の半田ボール22の方向に伸縮可能な導電性のコイル状ばね4と、基板1の貫通孔2内に設けられコイル状ばね4と電気的に導通するプローブピン3とを備えている。
【0003】
特許文献2は、BGA等のはんだボールの変形量を一定に調整することが可能なソケットを開示している。このソケット10は、図2に示すように、ベース部材20、ベース部材20に対して接近しまたは離れる方向に往復動可能なカバー部材30、ベース部材20に植え込まれる複数のコンタクト40、コンタクト40の他端の位置を規制するコンタクト規制部材50、コンタクト規制部材50に対して往復動可能なアダプター60、BGAの表面を押圧するラッチ部材70を有している。アダプター60がコンタクト規制部材50に向けて移動されたとき、アダプター60に載置されたBGAデバイスの半田ボール11がアダプター60の各貫通孔65から突出する各コンタクトの他端42とそれぞれ接続されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−093634号
【特許文献2】特許第3566691号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2のソケットは、図3(a)に示すようなコンタクト40を用いている。コンタクト40の一端41と他端42の間には、湾曲された弾性変形部44が形成され、弾性変形部44により弾性力を生じさせている。このようなコンタクトをBGAの端子ピッチに応じて図3(b)のように整列させる場合には、4本のコンタクトを一括してまとめて組立てなければならない。他方、4本のコンタクトの中の1本のコンタクトに欠陥があれば、4本のコンタクトを一括して取り外して交換をしなければならない。このため、コンタクトの組立作業効率が非常に悪く、結果としてソケットの製造コストが高くなってしまうという課題がある。
【0006】
また、電気的な導通試験に用いられる従来のプローブピンは、図4(a)に示すように、円筒状のスリーブ80内に、スプリング82を収容し、スプリング82の先端にプランジャー84を取り付けた片側可動タイプのものや、図4(b)に示すように、スリーブ90のほぼ中央にスプリング92を収容し、スプリング92の両端にそれぞれ一対のプランジャー94、96を取り付けた両側可動タイプのものがある。これらのプローブピンは、プランジャーを軸方向に移動させることで、被接触物と一定の接圧で接触し、電気的な接続を得ている。
【0007】
BGA等の表面実装用半導体装置を取り付けるソケットでは、半導体装置の端子とコンタクトの間に、ワイピングが要求される。ワイピングは、端子とコンタクトの間に相対的な水平運動または回転運動を与えるものであり、ワイピングによって、はんだボール表面に形成された酸化膜やその他の異物を除去される。しかし、上記した従来のプローブピンは、プランジャーの動きが軸方向の直線運動に限られるため、これをソケットに適用しても、ワイピングを行うことができないため、コンタクトと端子間の良好なまたは確実な電気的な接触を得ることができないという課題がある。さらに、上記したプローブピンのスリーブは、金属の削り出しによって形成されるため、生産性が悪く、プローブピンのコストが高くなってしまうという課題も抱えていた。
【0008】
本発明の目的は、上記従来の課題を解決し、低コストでありワイピング可能なプローブピンを提供することである。
さらに本発明の目的は、コンタクトの組立の作業性に優れ、低コストなソケットを提供することである。
さらに本発明の目的は、BGAやCSP等の表面実装用半導体装置と確実に電気的接続を得ることができるソケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るプローブピンは、導電性金属からなるスリーブと、スリーブ内の軸方向に収容されるスプリングと、スリーブの一端から突出可能であり、かつスプリングの一端に接続される導電性金属からなる第1のプランジャーとを有し、スリーブには、第1のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第1の細長のガイド穴が形成され、第1のガイド穴は、スリーブの軸方向と一定の傾斜角で延在し、第1のプランジャーには、第1のガイド穴内に挿入される第1の突起が形成されている。
【0010】
好ましくはプローブピンはさらに、スリーブの他端から突出可能であり、かつスプリングの他端に接続される導電性金属からなる第2のプランジャーを有し、スリーブには、第2のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第2の細長のガイド穴が形成され、第2のガイド穴は、スリーブの軸方向と一定の傾斜角で延在し、第2のプランジャーには、第2のガイド穴に挿入される第2の突起が形成されている。
【0011】
また、スリーブの他端には、導電性パッド領域に接触可能な1つまたは複数の爪が形成されるようにしてもよいし、貫通孔内に挿入可能なリードが形成されるようにしてもよい。
【0012】
さらに本発明のプローブピンは、導電性金属からなるスリーブと、スリーブ内の軸方向に収容されるスプリングと、スリーブの一端から突出可能であり、かつスプリングの一端に接続される導電性金属からなる第1のプランジャーとを有し、スリーブには、第1のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第1の細長のガイド穴が形成され、第1のプランジャーには、第1のガイド穴内に挿入される第1の突起が形成され、第1のプランジャーは、スリーブの軸中心からオフセットされた第1の接点部を含むものである。
【0013】
好ましくはプローブピンはさらに、スリーブの他端から突出可能であり、かつスプリングの他端に接続される導電性金属からなる第2のプランジャーを有し、スリーブには、第2のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第2の細長のガイド穴が形成され、第2のプランジャーには、第2のガイド穴内に挿入される第2の突起が形成され、第2のプランジャーは、スリーブの軸中心からオフセットされた第2の接点部を含む。
【0014】
好ましくは少なくとも1つの第1および第2のガイド穴は、それぞれスリーブの軸方向と平行に延在する。また、少なくとも1つの第1および第2のガイド穴は、それぞれスリーブの軸方向と一定の傾斜角で延在するようにしてもよい。スリーブの外形は、4角形状または多角形状であってもよいし、円筒状であってもよい。後者の場合には、外周に少なくとも1つの回り止め用突起が形成されていることが望ましい。好ましくはスリーブは、スタンピング加工された板材を折り曲げて形成され、軸方向に継ぎ目を有する。
【0015】
さらに本発明のプローブピンは、導電性金属をスタンピングして得られた第1のプランジャーと、導電性金属をスタンピングして得られ、第1のプランジャーに直交するように組み合わされる第2のプランジャーと、第1および第2のプランジャーの軸方向の弾性力を提供するコイルスプリングとを有し、第1のプランジャーは、コイルスプリングの一端を受け止める第1のバネ受け部と、第1のバネ受け部から軸方向に延在する第1の延在部とを有し、当該第1の延在部には、軸方向に延在する溝によって形成された弾性を有する1対の脚部と、第2のプランジャーの軸方向の移動を規制するガイド穴とが形成され、第2のプランジャーは、コイルスプリングの他端を受け止める第2のバネ受け部と、第2のバネ受け部から軸方向に延在する第2の延在部とを有し、当該第2の延在部には、軸方向に延在する溝によって形成された弾性を有する1対の脚部と、第1のプランジャーのガイド穴と係合する突起が形成され、第1および第2のプランジャーは、相互に第1および第2の延在部の溝に挿入され、かつ第1および第2のバネ受け部間にコイルスプリングが配置されている。
【0016】
好ましくは、第1のプランジャーは、第1のバネ受け部から延在する第1の接点部を含み、第1の接点部の軸方向の中心は、第1の延在部の軸方向の中心からオフセットされている。
【0017】
さらに本発明に係るソケットは、上記した複数のプローブピンと、複数のプローブピンを固定したベース部材とを含んでいる。ソケットに表面実装用の半導体装置が取り付けられたとき、前記複数のプローブピンが半導体装置の一面に形成された複数の端子にそれぞれ電気的に接続される。
【発明の効果】
【0018】
本発明のプローブピンは、スリーブが軸方向にストレートな形状であり、かつプローブピンの軸方向と直交する外形は、実質的にスリーブの外形であるため、プローブピンをソケットのコンタクトに適用したとき、プローブピンの組立、交換が非常に容易となり、その作業効率が大幅に改善される。また、プローブピンのプランジャーが軸方向に移動するとき、プランジャーに回転運動や水平運動のワイピング動作を与えることができるため、BGA等の半導体装置の端子との電気的な接続が確実となる。さらに、プローブピンのスリーブをスタンピングされた金属板を加工して形成することで、スリーブの生産性がよくなり、プローブピンのコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来のプローブピンタイプのソケットを示す図である。
【図2】従来のソケットの平面図およびそのX−X線断面を示す図である。
【図3】従来のソケットのコンタクトを示す平面図である。
【図4】従来のプローブピンを示す図であり、同図(a)は片側可動タイプのプローブピン、同図(b)は両側可動タイプのプローブピンである。
【図5】本発明の第1の実施例に係るプローブピンを示す図であり、図5(a)は、本発明の第1の実施例に係るプローブピンの構成を示す平面図、図5(b)および(c)はスリーブに形成されたガイド穴を説明する図、図5(d)は、スリーブを縦方向に切断したときのスリーブの内部を示す図、図5(e)は、図5(d)のX−X線断面図、図5(f)は、スリーブのガイド穴とプランジャーとの関係を示す模式図である。
【図6】スリーブに加工する前のスタンピングされた金属板を示す図である。
【図7】プランジャーの接点部の他の形状を示す図である。
【図8】第1の実施例のプローブピンの変形例を示す図である。
【図9】図5に示すプローブピンの他の変形例を示す図である。
【図10】図5に示すプローブピンの他の変形例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係るプローブピンの構成を示す図である。
【図12】第2の実施例に係るプローブピンの変形例を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施例に係るプローブピンを示す図であり、図13(a)、(b)は、第1および第2のプランジャーを示す平面図、図13(c)はコイルスプリングを示す図、図13(d)は、組立図である。
【図14】第3の実施例に係るプローブピンの適用例を示す図であり、図14(a)はプローブピンの組立図、図14(b)はプランジャーを示す平面図、図14(c)ないし図14(e)はプランジャーの動作を説明する断面図である。
【図15】本発明の第1の実施例のプローブピンを適用したソケットの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0021】
図5(a)は、本発明の第1の実施例に係るプローブピンの構成を示す平面図、図5(b)および(c)はスリーブに形成されたガイド穴を説明する図、図5(d)は、スリーブを縦方向に切断したときのスリーブの内部を示す図、図5(e)は、図5(d)のX−X線断面図、図5(f)は、スリーブのガイド穴とプランジャーとの関係を示す模式図である。プローブピン100は、銅合金等の導電性金属からなる4角形状の外形のスリーブ110と、スリーブ110内に収容される導電性金属からなるコイルスプリング120と、スリーブ110の両端から突出可能な導電性金属からなるプランジャー130、140とを含んでいる。
【0022】
スリーブ110は、好ましくは、スタンピングされた金属板を加工した形成される。外形は、必ずしも4角形状に限らず、円筒状または多角形状であってもよい。スリーブ110の一方の端部に、細長いガイド穴112が形成されている。ガイド穴112は、一定の幅で距離P1の長さを有し、距離P1は、プランジャー130の軸方向の移動量を規制する。ガイド穴112は、スリーブ110の軸方向と傾斜角θ1で傾斜しており、この傾斜角θ1は、プランジャー130が軸方向に移動するとき、プランジャー130の回転量を規定する。
【0023】
同様に、スリーブ110の他方の端部付近に、細長いガイド穴114が形成されている。ガイド穴114は、一定の幅で距離P2の長さを有し、距離P2は、プランジャー140の軸方向の移動量を規制する。ガイド穴114は、スリーブ110の軸方向と傾斜角θ2で傾斜しており、この傾斜角θ2は、プランジャー140が軸方向に移動するとき、プランジャー140の回転量を規定する。
【0024】
図6は、スリーブが加工される前のスタンピングされた金属板を示す図である。金属板150の対向する辺152、154には、それぞれガイド穴112、114を形成するための切欠き156、158が形成されている。金属片150を四角形状のスリーブに曲げ加工したとき、切欠き156と対応する切欠き158が合わさり、ガイド穴112、114が形成される。また、辺152と辺154の継ぎ目160が、スリーブ110の軸方向に沿って形成される。
【0025】
コイルスプリング120は、その外径がスリーブ110の内径よりも幾分だけ小さく、かつ、負荷のない自由な状態のときコイルスプリング120の軸方向の長さは、スリーブ110の軸方向の長さよりも幾分だけ短い。
【0026】
プランジャー130は、コイルスプリング120の一端を受けるバネ受け部132と、バネ受け部132の軸中心から軸方向に延在し先端が円錐状の接点部134とを有する。バネ受け部132には、軸方向と直交する方向に突出した円筒状の突起136が形成されている。本実施例では、バネ受け部132と接点部134の外径は、ほぼ等しくなっているが、接点部134の外径をバネ受け部132よりも小さくしてもよいし、その反対に大きくしても良い。バネ受け部132の外径は、スリーブ110の内径よりも僅かに小さく、バネ受け部132がスリーブ110内に収容されたとき、バネ受け部132の突起136がガイド穴112内に挿入される。
【0027】
プランジャー140は、上記したプランジャー130と同一形状のものを用いることができ、すなわち、コイルスプリング120の他端を受けるバネ受け部142と、バネ受け部142から軸方向に延在する先端が尖った先端をもつ接点部144と、バネ受け部142に形成された円筒状の突起146とを有する。
【0028】
プランジャー130と140がスリーブ110内に収容されたとき、コイルスプリング120によってプランジャー130と140が離間する方向に付勢される。このとき、図5(a)に示すように、プランジャー130の突起136がガイド穴112の一方の閉じた端部112aに当接し、プランジャー140の突起146がガイド穴114の一方の閉じた端部114aに当接し、プランジャー130と140には一定のプリロードが与えられている。
【0029】
プリロードが与えられた状態から、例えば、プランジャー130に対して軸方向の荷重が印加されると、プランジャー130は、スプリング120に逆らってスリーブ110の軸方向に移動する。このとき、バネ受け部132の突起136がガイド穴112内を倣うようにガイド穴112内を摺動するため、プランジャー130には、ガイド穴112の傾斜角θ1に応じた回転が与えられる。突起136がガイド穴112の他方の閉じた端部112bに当接したとき、プランジャー130の軸方向の移動が停止される。
【0030】
プランジャー140に軸方向の荷重が与えられたときにも同様に、プランジャー140は、突起146がガイド穴114の他方の端部114bに当接するまで軸方向に移動され、そのとき、プランジャー140は、ガイド穴114の傾斜角θ2に応じた回転量で回転される。勿論、プランジャー130と140の双方に同時に軸方向の荷重が印加されたとき、プランジャー130と140は、軸方向に移動しながら回転される。プランジャー130と140間の電流経路は、専らスリーブ110である。
【0031】
このように本実施例によれば、プランジャーを軸方向へ移動させるとき、その移動と同時にプランジャーを回転させるようにしたので、被接触物とプランジャーとの間にワイピング動作を与えることができる。これにより、被接触物の表面に酸化膜や異物等が形成されていても、プランジャーの回転により酸化膜や異物等を除去することができ、被接触物との良好な電気的な接続を確実に行うことができる。また、スリーブの上下のプランジャーにより、それぞれのプランジャーと被接触物との間にワイピングを与えることができる。
【0032】
上記実施例では、1つのガイド穴112、114によりプランジャー130、140の移動および回転を規制するようにしたが、スリーブ110のガイド穴112、114と対向する位置にもう一つのガイド穴を形成し、2つのガイド穴によってプランジャー130、140の移動および回転をそれぞれ規制するようにしてもよい。また、ガイド穴112、114の長さL1、L2および傾斜角θ1、θ2は、プランジャー130、140に求められる軸方向の移動量および回転量に応じて適宜変更することができる。さらに、上下のプランジャー130と140の軸方向の移動量および回転量は、それぞれ異なるものであってもよいし、同じであっても良い。さらに、プランジャー130と140の回転する方向は同一方向であってもよいし、異なる方向であってもよい。
【0033】
また、上記実施例では、プランジャー130、140の接点部134、144を円錐状としたが、これに限らず、接点部の形状は、被接触物の形状や材質等に応じて適宜選択することができる。例えば、接点部は、図7(a)に示すような平坦な面をもつ円板状170、図7(b)に示すようなリング形状172、または図7(c)に示すようなすり鉢形状174等にすることができる。
【0034】
さらに、プローブピンの組立方法は、図6に示した金属板を加工するとき、プランジャー130、140およびコイルスプリング120を適当な位置に位置決めした状態から、金属板150を曲げ加工することができる。これ以外にも、金属板150を加工した後に、スリーブ110の継ぎ目160を幾分だけ弾性変形する範囲で拡張し、そのスリーブ110内にプランジャー130、140およびコイルスプリング120を挿入するようにしてもよい。
【0035】
図8(a)は、第1の実施例のスリーブの変形例を示す平面図、図8(b)は、X−X線断面図である。図5に示すスリーブは、外形が4角形状であるのに対して、図8に示すスリーブ110Aは、円筒状の外形を有している。スリーブが四角形状の場合には、それ自身が回転されることが抑制されるが、円筒状の外形は、それ自身が回転されてしまうことがある。このため、スリーブ110A自身の回転を規制するための回り止め突起116を形成し、当該回り止め突起116を他の部材に係止させることが好ましい。
【0036】
図9は、第1の実施例のプローブピンの更なる変形例を示す図である。図5に示すプローブピンは、スリーブの両端にプランジャーを備えるものであるが、図9に示すプローブピンは、スリーブ110Bの下端にのみプランジャー140を取り付け、スリーブ110Bの上端を1つまたは複数の尖った爪状の突起180を形成している。スリーブ110Bの上端には、スリーブの内部空間を閉じるように、バネ受け部182が一体に形成され、コイルスプリング120の一端がバネ受け部182によって支持される。プランジャー140は、図5のときと同様に、軸方向に移動し、かつ移動中に回転される。好ましくは、プランジャー140は、回路基板上に形成された導電性パッドまたは導電性ランドに接触され、爪状の突起180は、BGA等のはんだボールに接触される。爪状の突起180とはんだボール間の接圧は、プランジャー140の軸方向の移動によって与えられる。図9に示すプローブピンは、1つのプランジャーを用いる構成であるため、図5に示すプローブピンよりもコストを抑えることができる。
【0037】
図10のプローブピンは、プローブピンのさらなる変形例である。すなわち、スリーブ110Cの上端には、プランジャー130が取り付けられているが、スリーブ110の下端は、リード形状190を形成している。プランジャー130は、図5のときと同様に、軸方向に移動可能であり、かつ移動中に回転される。リード形状190は、好ましくは、回路基板に形成された貫通孔内に挿入され、そこにはんだ付けされる。プランジャー130は、好ましくはBGA等のはんだボールに接触される。図10に示すプローブは、1つのプランジャーを用いる構成であるため、図5に示すプローブピンよりも低コストにすることができる。
【0038】
次に、本発明の第2の実施例に係るプローブピンについて説明する。図11(a)は、第2の実施例に係るプローブピンのスリーブを切断したときの内部を示す図、図11(b)および(c)はガイド穴を示す図、図11(d)は、スプリングによってプランジャーがプリロードされた状態を示す図、図11(e)は、プランジャーに軸方向の荷重が印加された状態を示す図である。
【0039】
第2の実施例において、スリーブ200には、図11(b)、(c)に示すようにプランジャー210の軸方向の移動を規制するための1対のガイド穴202と、プランジャー220の軸方向の移動を規制するための1対のガイド穴204が形成されている。これらのガイド穴202および204は、スリーブ200の軸方向と平行である。スリーブ200の内部には、コイルスプリング120が収容され、コイルスプリング120の一端にプランジャー210が接続され、その他端にプランジャー220が接続される。
【0040】
プランジャー210は、コイルスプリング120に当接するバネ受け部212と、バネ受け部212の軸中心から距離Cだけオフセットされた軸中心をもつ接点部214と、バネ受け部212に形成された1対の突起216とを含んでいる。1対の突起216は、対応する1対のガイド穴202内に挿入され、ガイド穴202内を摺動することでプランジャー210の移動を規制する。プランジャー220は、プランジャー210と同一の形状とすることができ、バネ受け部222、接点部224および1対の突起226を含んでいる。
【0041】
プランジャー210のバネ受け部210の外形d1は、好ましくは、スリーブ200の内径d2よりも小さく、両者の間に一定のクリアランスd(d=d2−d1)を生じせる。これにより、図11(d)に示すようなスプリングによりプリロードされた状態から図11(e)に示すように軸方向の荷重を印加された状態に遷移するとき、プランジャー210は、軸方向の移動中に、クリアランスdによって傾斜し、被接触物との間にワイピング動作する。このときのプランジャー210のワイピング量Aは、次式(1)によって表すことができる。
【0042】
【数2】
【0043】
ここで、dは、クリアランス、Loは、スリーブ端部からプランジャーの先端までの距離、L1は、ガイド穴の一方の閉じた端部からスリーブの端部までの距離、L2は、プリロード状態からプランジャーがスリーブ内に押し込まれた量、Stは、プランジャーが軸方向に変位した量である。式(1)から明らかなように、クリアランスdを大きくすれば、ワイピング量Aを大きくすることができる。但し、クリアランスdが大きすぎると、プランジャーへの座屈荷重が大きくなるので、好ましくは、(d2/2)<dとする。プランジャー220に軸方向に荷重が印加されたときにも、プランジャー220は、上記と同様にワイピング動作をする。
【0044】
このように、第2の実施例によれば、プランジャーをスリーブの軸中心から偏心させることで、プランジャーが軸方向に移動するときにプランジャーにワイピングを生じさせることができ、被接触物の表面に形成された酸化膜や異物等を除去し、確実な電気的接続を得ることができる。
【0045】
図12は、第2の実施例のプローブピンの変形例を示す図である。図11に示すプローブピンは、スリーブ200に一対のガイド穴202、204を形成したが、図12に示すプローブピンは、スリーブ200に単一のガイド穴202、204を形成している。また、プランジャーの接点部は、バネ受け部から偏心していない。これら以外の他の構成は、図11のプローブピンと実質的に同様である。
【0046】
図12(a)に示すように、プランジャー210Aがコイルスプリング120によってプリロードされた状態にあるとき、プランジャー210Aは、突起216をガイド穴202の一方の閉じた端部202に係止させることで、突起216を支点にして傾斜している。次に、図12(b)に示すように、プランジャー210Aが軸方向に移動をするとき、プランジャー210Aには、ワイピング量Aが発生する。ワイピング量Aは、上記した式(1)で求まる値と同様である。
【0047】
図11および図12において、スリーブに形成されるガイド穴は、スリーブの軸方向と平行(傾斜角がゼロ)の例を示したが、第1の実施例のように、ガイド穴を軸方向に傾斜させ、プランジャーに強制的な回転を与えるようにしてもよい。
【0048】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図13は、第3の実施例に係るプローブピンの構成を示す図であり、図13(a)、(b)は、第1および第2のプランジャーを示す平面図、図13(c)はコイルスプリングを示す図、図13(d)は、組立図である。第3の実施例に係るプローブピンは、スリーブを用いない代わりに、スタンピングされた1対の同形状のプランジャー300A、300Bと、コイルスプリング120とを用いて構成される。
【0049】
プランジャー300Aは、幅広のバネ受け部302Aと、バネ受け部302Aの中心と同軸上に細長の尖った先端をもつ接点部304Aと、接点部304Aとは反対方向に延在する延在部306Aとを有している。延在部306Aには、その軸中心方向に延在するスリット状の溝308Aが形成されている。溝308Aの一方の端部は閉じているが、他方の端部は、延在部の先端まで延びている。これにより、延在部306Aには、溝308Aによって弾性のある1対の脚部310Aが形成される。1対の脚部310Aの端部には、他方のプランジャー300Bに組み合わされたときに抜けを防止するための抜け止め用突起312Aがそれぞれ形成されている。それぞれの抜け止め用突起312Aは、溝308Aにおいて対向し、両者には僅かの間隙が形成される。延在部306Aにはさらに、ガイド穴314Aが形成されている。ガイド穴314Aは、延在部306Aの軸中心方向に延在するが、一定の長さで閉じている。なお、プランジャー300Bは、プランジャー300Aと同一形状であり、それぞれの構成要素の参照番号には、末尾にBを付してある。但し、両プランジャー300A、300Bは、必ずしも同一形状であることを要せず、例えば、一方のプランジャーにのみガイド穴が形成され、他方のプランジャーにのみガイド穴に係合する抜け止め用突起が形成されるようにしてもよいし、両プランジャーの接点部の形状を異ならせても良い。
【0050】
上記のようにスタンピングにより形成された1対のプランジャー300A、300Bとが互いに直交するように組み合わされる。好ましい組立方法によれば、プランジャー300Aの延在部306Aがコイルスプリング120内に挿入され、コイルスプリングの一端がバネ受け部302Aに当接される。次に、プランジャー300Bが、延在部306Bの溝308Bが延在部306Aの溝308Aに一致するようにコイルスプリング120の他端側から挿入され、延在部306Bの先端の抜け止め用突起312Bが、延在部306Aのガイド穴314A内に挿入され、他方、延在部306Aの先端の抜け止め用突起312Aが、延在部306Bのガイド穴314B内に挿入される。最終的に、コイルスプリング120の他端がプランジャー300Bのバネ受け部302Bに当接する。
【0051】
抜け止め用突起312Aがガイド穴314Bの一方の閉じた端部に当接し、抜け止め用突起312Bがガイド穴314Aの一方の閉じた端部に当接し、コイルスプリング120が僅かに撓むことで、プランジャー300Aと300Bの間にプリロードが与えられる。プランジャー300Aと300Bは、コイルスプリング120のバネ力に抗して軸方向に移動することが可能であり、その移動距離は、ガイド穴314A、314Bの長さによって規制される。すなわち、抜け止め用突起312Aがガイド穴314Bの他方の閉じた端部に当接し、抜け止め用突起312Bがガイド穴314Aの他方の閉じた端部に当接するまで、移動可能である。
【0052】
第3の実施例によれば、スタンピングされた1対の金属板とコイルスプリングにより低コストのプローブピンを提供することができる。
【0053】
次に、第3の実施例のプローブピンの好ましい適用例について図14を参照して説明する。図14(a)、(b)に示すプランジャーは、図13に示したプランジャーと異なり、接点部を偏心させることで、プランジャーにワイピング動作を与えるものである。すなわち、プランジャー300A、300Bの接点部320A、320Bは、図14(a)、(b)に示すように、バネ受け部302A、302Bの軸中心から一定の距離だけオフセットしている。それ以外の構成は、図13のものと同様である。
【0054】
図14(c)ないし(e)は、このような偏心したプランジャーをもつプローブピンの好ましい適用例を示している。図14(c)に示すように、プローブピンは、上支持部330と下支持部340とを結合して形成された空間内に収容される。上支持部330には、プランジャー300Aを突出させるための孔332が形成され、孔332は軸方向から傾斜している。同様に、下支持部340には、プランジャー300Bを突出させるための孔342が形成され、孔342は、孔332と直交する方向に軸方向から傾斜している。
【0055】
図14(d)に示す状態から図14(e)に示すように、プランジャー300Aに軸方向の荷重が印加されると、プランジャー300Aが孔332の傾斜に倣うようにスプリング120に抗して移動する。このとき、プランジャー300Aの接点部の偏心により接点部は水平運動を兼ねるため、プランジャー300Aにワイピング動作が与えられる。プランジャー300Bを軸方向に移動させたときにも同様にワイピング動作が生じる。プランジャー300Aのワイピング量Aは、次の式(2)によって近似される。ここで、αは、孔332、342の傾斜角であり、Stは、プランジャーの押し込み量である。
【0056】
【数3】
【0057】
図15は、本発明の第1の実施例に係るプローブピンをソケットに適用したときの概略断面図である。ソケットは、図2に示す構成と同様であるが、ベース部材20は、コンタクトとして図5に示すプローブピン100を取り付けている。プローブピン100は、装着すべきBGAは、はんだボールのピッチに対応するように配列される。この際、プローブピンの外形寸法は、実質的にスリーブのストレートな外形によって規定されるため、プローブピンの取付作業が容易となり、かつ1本ずつのプローブピンの取り外しも容易となる。
【0058】
ソケットのコンタクトとして、本発明の他の実施例や変形例に示したプローブピンを提供することが可能である。また、ソケットは、図15に示すような種々のポップアップタイプや、カバーをベース部材に回動可能に取り付けたクラムシェルタイプにも、本発明のプローブピンを適用することができる。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0060】
上記実施例では、半田ボールが形成されたBGAパッケージを対象としたが、これ以外の表面実装用の半導体パッケージ(半導体装置)であってよい。また、端子の形状は、球状に限らず、半円状、円錐状、矩形状等のバンプであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係るソケットは、表面実装用半導体装置のインターフェースとして利用される。
【符号の説明】
【0062】
100:プローブピン
110:スリーブ
112:ガイド穴
112a、112b:閉じた端部
114:ガイド穴
114a、114b:閉じた端部
120:コイルスプリング
130:プランジャー
132:バネ受け部
134:接点部
136:突起
140:プランジャー
142:バネ受け部
144:接点部
146:突起
150:金属板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性金属からなるスリーブと、
スリーブ内の軸方向に収容されるスプリングと、
スリーブの一端から突出可能であり、かつスプリングの一端に接続される導電性金属からなる第1のプランジャーを有し、
スリーブには、第1のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第1の細長のガイド穴が形成され、第1のガイド穴は、スリーブの軸方向と一定の傾斜角で延在し、第1のプランジャーには、第1のガイド穴内に挿入される第1の突起が形成されている、プローブピン。
【請求項2】
プローブピンはさらに、スリーブの他端から突出可能であり、かつスプリングの他端に接続される導電性金属からなる第2のプランジャーを有し、
スリーブには、第2のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第2の細長のガイド穴が形成され、第2のガイド穴は、スリーブの軸方向と一定の傾斜角で延在し、第2のプランジャーには、第2のガイド穴に挿入される第2の突起が形成されている、請求項1に記載のプローブピン。
【請求項3】
スリーブの他端には、導電性パッド領域に接触可能な1つまたは複数の爪が形成される、請求項1に記載のプローブピン。
【請求項4】
スリーブの他端には、貫通孔内に挿入可能なリードが形成される、請求項1に記載のプローブピン。
【請求項5】
導電性金属からなるスリーブと、
スリーブ内の軸方向に収容されるスプリングと、
スリーブの一端から突出可能であり、かつスプリングの一端に接続される導電性金属からなる第1のプランジャーとを有し、
スリーブには、第1のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第1の細長のガイド穴が形成され、第1のプランジャーには、第1のガイド穴内に挿入される第1の突起が形成され、第1のプランジャーは、スリーブの軸中心からオフセットされた第1の接点部を含む、プローブピン。
【請求項6】
プローブピンはさらに、スリーブの他端から突出可能であり、かつスプリングの他端に接続される導電性金属からなる第2のプランジャーを有し、
スリーブには、第2のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第2の細長のガイド穴が形成され、第2のプランジャーには、第2のガイド穴内に挿入される第2の突起が形成され、第2のプランジャーは、スリーブの軸中心からオフセットされた第2の接点部を含む、請求項5に記載のプローブピン。
【請求項7】
少なくとも1つの第1および第2のガイド穴は、それぞれスリーブの軸方向と平行に延在する、請求項5または6に記載のプローブピン。
【請求項8】
少なくとも1つの第1および第2のガイド穴は、それぞれスリーブの軸方向と一定の傾斜角で延在する、請求項5または6に記載のプローブピン。
【請求項9】
スリーブの外形は、4角形状または多角形状である、請求項1ないし8いずれか1つに記載のプローブピン。
【請求項10】
スリーブの外形は、円筒状であり、外周に少なくとも1つの回り止め用突起が形成されている、請求項1ないし8いずれか1つに記載のプローブピン。
【請求項11】
スリーブは、スタンピング加工された板材を折り曲げて形成され、軸方向に継ぎ目を有する、請求項1ないし10いずれか1つに記載のプローブピン。
【請求項12】
導電性金属からなるスリーブと、
スリーブ内の軸方向に収容されるスプリングと、
スリーブの一端から突出可能であり、かつスプリングの一端に接続される導電性金属からなる第1のプランジャーとを有し、
スリーブには、第1のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第1の細長のガイド穴がプランジャーの軸方向に形成され、第1のプランジャーには、第1のガイド穴内に挿入される第1の突起が形成され、第1のプランジャーの外径とスリーブの内径にはクリアランスdが形成され、第1のプランジャーが軸方向に移動するとき、式(1)で規定されるワイピング量Aを有するプローブピン。ここで、Loは、スリーブ端部から第1のプランジャーの先端までの距離、L1は、ガイド穴の一方の閉じた端部からスリーブの端部までの距離、L2は、第1のプランジャーがスリーブ内に押し込まれた量、Stは、第1のプランジャーが軸方向に変位した量である。
【数1】
【請求項13】
導電性金属をスタンピングして得られた第1のプランジャーと、
導電性金属をスタンピングして得られ、第1のプランジャーに直交するように組み合わされる第2のプランジャーと、
第1および第2のプランジャーの軸方向の弾性力を提供するコイルスプリングとを有し、
第1のプランジャーは、コイルスプリングの一端を受け止める第1のバネ受け部と、第1のバネ受け部から軸方向に延在する第1の延在部とを有し、当該第1の延在部には、軸方向に延在する溝によって形成された弾性を有する1対の脚部と、第2のプランジャーの軸方向の移動を規制するガイド穴とが形成され、
第2のプランジャーは、コイルスプリングの他端を受け止める第2のバネ受け部と、第2のバネ受け部から軸方向に延在する第2の延在部とを有し、当該第2の延在部には、軸方向に延在する溝によって形成された弾性を有する1対の脚部と、第1のプランジャーのガイド穴と係合する突起が形成され、
第1および第2のプランジャーは、相互に第1および第2の延在部の溝に挿入され、かつ第1および第2のバネ受け部間にコイルスプリングが配置されている、プローブピン。
【請求項14】
第1のプランジャーは、第1のバネ受け部から延在する第1の接点部を含み、第1の接点部の軸方向の中心は、第1の延在部の軸方向の中心からオフセットされている、請求項13に記載のプローブピン。
【請求項15】
請求項1ないし14いずれか1つに記載のプローブピンと、
複数のプローブピンを固定したベース部材とを含むソケット。
【請求項16】
ソケットに表面実装用の半導体装置が取り付けられたとき、前記複数のプローブピンが半導体装置の一面に形成された複数の端子にそれぞれ電気的に接続される、請求項15に記載のソケット。
【請求項1】
導電性金属からなるスリーブと、
スリーブ内の軸方向に収容されるスプリングと、
スリーブの一端から突出可能であり、かつスプリングの一端に接続される導電性金属からなる第1のプランジャーを有し、
スリーブには、第1のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第1の細長のガイド穴が形成され、第1のガイド穴は、スリーブの軸方向と一定の傾斜角で延在し、第1のプランジャーには、第1のガイド穴内に挿入される第1の突起が形成されている、プローブピン。
【請求項2】
プローブピンはさらに、スリーブの他端から突出可能であり、かつスプリングの他端に接続される導電性金属からなる第2のプランジャーを有し、
スリーブには、第2のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第2の細長のガイド穴が形成され、第2のガイド穴は、スリーブの軸方向と一定の傾斜角で延在し、第2のプランジャーには、第2のガイド穴に挿入される第2の突起が形成されている、請求項1に記載のプローブピン。
【請求項3】
スリーブの他端には、導電性パッド領域に接触可能な1つまたは複数の爪が形成される、請求項1に記載のプローブピン。
【請求項4】
スリーブの他端には、貫通孔内に挿入可能なリードが形成される、請求項1に記載のプローブピン。
【請求項5】
導電性金属からなるスリーブと、
スリーブ内の軸方向に収容されるスプリングと、
スリーブの一端から突出可能であり、かつスプリングの一端に接続される導電性金属からなる第1のプランジャーとを有し、
スリーブには、第1のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第1の細長のガイド穴が形成され、第1のプランジャーには、第1のガイド穴内に挿入される第1の突起が形成され、第1のプランジャーは、スリーブの軸中心からオフセットされた第1の接点部を含む、プローブピン。
【請求項6】
プローブピンはさらに、スリーブの他端から突出可能であり、かつスプリングの他端に接続される導電性金属からなる第2のプランジャーを有し、
スリーブには、第2のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第2の細長のガイド穴が形成され、第2のプランジャーには、第2のガイド穴内に挿入される第2の突起が形成され、第2のプランジャーは、スリーブの軸中心からオフセットされた第2の接点部を含む、請求項5に記載のプローブピン。
【請求項7】
少なくとも1つの第1および第2のガイド穴は、それぞれスリーブの軸方向と平行に延在する、請求項5または6に記載のプローブピン。
【請求項8】
少なくとも1つの第1および第2のガイド穴は、それぞれスリーブの軸方向と一定の傾斜角で延在する、請求項5または6に記載のプローブピン。
【請求項9】
スリーブの外形は、4角形状または多角形状である、請求項1ないし8いずれか1つに記載のプローブピン。
【請求項10】
スリーブの外形は、円筒状であり、外周に少なくとも1つの回り止め用突起が形成されている、請求項1ないし8いずれか1つに記載のプローブピン。
【請求項11】
スリーブは、スタンピング加工された板材を折り曲げて形成され、軸方向に継ぎ目を有する、請求項1ないし10いずれか1つに記載のプローブピン。
【請求項12】
導電性金属からなるスリーブと、
スリーブ内の軸方向に収容されるスプリングと、
スリーブの一端から突出可能であり、かつスプリングの一端に接続される導電性金属からなる第1のプランジャーとを有し、
スリーブには、第1のプランジャーの軸方向の移動を規制する少なくとも1つの第1の細長のガイド穴がプランジャーの軸方向に形成され、第1のプランジャーには、第1のガイド穴内に挿入される第1の突起が形成され、第1のプランジャーの外径とスリーブの内径にはクリアランスdが形成され、第1のプランジャーが軸方向に移動するとき、式(1)で規定されるワイピング量Aを有するプローブピン。ここで、Loは、スリーブ端部から第1のプランジャーの先端までの距離、L1は、ガイド穴の一方の閉じた端部からスリーブの端部までの距離、L2は、第1のプランジャーがスリーブ内に押し込まれた量、Stは、第1のプランジャーが軸方向に変位した量である。
【数1】
【請求項13】
導電性金属をスタンピングして得られた第1のプランジャーと、
導電性金属をスタンピングして得られ、第1のプランジャーに直交するように組み合わされる第2のプランジャーと、
第1および第2のプランジャーの軸方向の弾性力を提供するコイルスプリングとを有し、
第1のプランジャーは、コイルスプリングの一端を受け止める第1のバネ受け部と、第1のバネ受け部から軸方向に延在する第1の延在部とを有し、当該第1の延在部には、軸方向に延在する溝によって形成された弾性を有する1対の脚部と、第2のプランジャーの軸方向の移動を規制するガイド穴とが形成され、
第2のプランジャーは、コイルスプリングの他端を受け止める第2のバネ受け部と、第2のバネ受け部から軸方向に延在する第2の延在部とを有し、当該第2の延在部には、軸方向に延在する溝によって形成された弾性を有する1対の脚部と、第1のプランジャーのガイド穴と係合する突起が形成され、
第1および第2のプランジャーは、相互に第1および第2の延在部の溝に挿入され、かつ第1および第2のバネ受け部間にコイルスプリングが配置されている、プローブピン。
【請求項14】
第1のプランジャーは、第1のバネ受け部から延在する第1の接点部を含み、第1の接点部の軸方向の中心は、第1の延在部の軸方向の中心からオフセットされている、請求項13に記載のプローブピン。
【請求項15】
請求項1ないし14いずれか1つに記載のプローブピンと、
複数のプローブピンを固定したベース部材とを含むソケット。
【請求項16】
ソケットに表面実装用の半導体装置が取り付けられたとき、前記複数のプローブピンが半導体装置の一面に形成された複数の端子にそれぞれ電気的に接続される、請求項15に記載のソケット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−145593(P2012−145593A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−92852(P2012−92852)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2007−118888(P2007−118888)の分割
【原出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(508205349)センサータ テクノロジーズ マサチューセッツ インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2007−118888(P2007−118888)の分割
【原出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(508205349)センサータ テクノロジーズ マサチューセッツ インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]