説明

プローブ装置

【課題】 ICカード表面の外部接続端子の表面抵抗の測定を簡単かつ高精度に行うことができるプローブ装置を提供する。
【解決手段】 本発明のプローブ装置20は、ICカードCが載置される載置面21aを有する測定台21と、測定台21に立設されたガイド軸25に沿って載置面21aに対して垂直方向に移動自在な可動部材22と、可動部材22に取り付けられた複数本のプローブ28を載置面21aに対して垂直方向に支持するプローブホルダー23と、可動部材22の上下移動を操作する操作レバー24とを備え、可動部材22の下限位置は、プローブ28と載置面21a上のICカードCとの間に所定の接触圧が得られる高さ位置とされると共に、その下限位置を保持するように可動部材22を測定台21へ向けて付勢する付勢部材38が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、接触型ICカードの外部接続端子の表面抵抗測定に用いて好適なプローブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ICカードの構成として、接触型、非接触型および複合型が知られている。接触型は、カード表面に取り付けられた外部接続端子に直接、リーダーライタ側の端子を接触させて電源供給および情報通信を行う。非接触型は、メモリ用のICチップと、電力供給および通信用アンテナとしての機能を有するコイルとから構成され、リーダーライタ側と非接触で情報の通信を行う。そして、複合型は、接触型及び非接触型を組み合わせたICカードであり、仕様に応じてハイブリッドカード、デュアルインターフェースカード(コンビネーションカード)等に分類されている。
【0003】
ところで、接触型ICカード及び複合型ICカードにおいては、その電力は外部接続端子を介して外部から供給されるが、安定に電力が供給されるために外部接続端子の表面抵抗は、例えばJISでは5Ω以下と規格されている。
【0004】
この種のICカードの製造にあたっては、カード表面に取り付けられた外部接続端子の表面抵抗が規定値以下であるかどうか測定される。従来より、この測定は、市販のテスター(例えばマルチメータ)を用いた作業者の手作業で行われている。
【0005】
ところが、上記テスターを用いた表面抵抗測定作業は、ICカードの端子表面に接触させる2本のプローブの接触圧、接触角度によって測定値に大きなバラツキが生じ、精度の高い測定を安定して行えないという問題があった。
【0006】
そこで、例えば下記特許文献1には、図13に模式的に示すように、複数本のプローブ1を垂直方向に支持する架台2と、架台2の下面の凸部2aが嵌合する凹部3aが形成された基台3とを有し、凹部3aに収容できる大きさに加工した測定対象物(図示略)を凹部3aの底面に載置した後、架台2と基台3とをビス等で互いに固定してプローブ1の先端を測定対象物の表面に接触させ抵抗を測定する構成が開示されており、これにより測定対象物に対するプローブの接触角度と接触圧の安定化を図るようにしている。
【0007】
また、下記特許文献2には、図14に模式的に示すように、複数本のプローブ5を垂直方向に支持する第1プレート6と、プローブ5の先端が挿入される貫通孔が形成された第2プレート7と、第2プレート7の上面に載置された測定対象物10を上方から押圧する第3プレート9とを有し、第2プレート7と第3プレート9との間で測定対象物10を挟圧した状態で、操作レバー(図示略)の回動操作により第3プレートを下方移動させ、更にバネ8の付勢力に抗して第2プレート7と共に下方へ移動させることにより、第2プレート7の上面に相対移動したプローブ5に測定対象物10を接触させて導通特性を測定する構成が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特許第2664929号公報
【特許文献2】特開平10−206483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載の構成では、測定のたびに架台2と基台3とのビス等による結合およびその分離を行わなければならないので、作業性が非常に悪いという問題がある。また、測定対象物の大きさが基台3の凹部3aに収容できる大きさに限られるので、凹部3aの大きさが異なる基台3(及び架台2)を複数種類用意する必要があるという点で経済性が悪く管理コストも嵩む。
【0010】
一方、特許文献2に記載の構成では、操作レバーの回動操作により第3プレート9を上下移動自在とすることによって測定作業性は大幅に改善される。また、測定対象物10は第2プレート7の上に載置する構成であるので測定対象物10の大きさの制約も少ない。
【0011】
しかしながら、特許文献2の構成では測定対象物10とプローブ5との間の所定の接触圧を維持するために、バネ8の弾性力に打ち勝つ回動力を常に操作レバーに付加し続けておく必要がある。そのため、操作レバーを操作した状態での測定動作が余儀なくされ、作業性が低下するという問題がある。また、操作レバーの操作力如何によっては、装置全体の重心バランスが崩れて適正な測定が行えなくなるという懸念も生じる。
【0012】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、ICカード表面の外部接続端子の表面抵抗の測定を簡単かつ高精度に行うことができるプローブ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上の課題を解決するに当たり、本発明のプローブ装置は、測定対象物が載置される載置面を有する測定台と、測定台に立設されたガイド軸に沿って載置面に対して垂直方向に移動自在な可動部材と、可動部材に取り付けられ複数本のプローブを載置面に対して垂直方向に支持するプローブホルダーと、可動部材の上下移動を操作する操作部材とを備え、可動部材の下限位置は、プローブと載置面上の測定対象物との間に所定の接触圧が得られる高さ位置とされると共に、その下限位置を保持するように可動部材を測定台へ向けて付勢する付勢手段が設けられていることを特徴としている。
【0014】
本発明では、載置面上の測定対象物とプローブとの間の接触圧が所定値となる可動部材の下限位置を保持するように、当該可動部材を下方の測定台へ向けて付勢する付勢手段を設けているので、可動部材の下限位置を保持するのに操作部材の操作力を不要とし、これにより測定の簡素化を図ると共に、測定中における装置の重心バランスの変動をなくして高精度かつ安定した測定を可能とする。
【0015】
測定対象物とプローブとの間の安定した接触作用を確保するために、各プローブをプローブホルダーに対して弾性的に支持されるように構成するのが好ましい。この場合、可動部材に対する付勢手段の付勢力をプローブの弾性支持力よりも大きくして、可動部材の下限位置を安定化させるようにする。
【0016】
可動部材の上下移動機構としては、可動部材と測定台との間に介装したカム部材で構成できる。この場合、操作部材を当該カム部材の回動レバーとして構成することにより、装置構成の簡素化が図れると共に、可動部材のストローク量の高い再現性が得られ、測定の高精度化及び安定化に貢献できる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明のプローブ装置によれば、測定対象物の電気的特性の測定を簡単かつ高精度に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態では、接触型ICカードの外部接続端子の電気的特性を測定するプローブ装置に本発明を適用した例について説明する。
【0019】
図1及び図2は本発明の実施の形態によるプローブ装置20の全体構成を示している。 ここで、図1はプローブ装置20の正面側斜視図、図2A,Bはプローブ装置20の背面側斜視図である。
【0020】
プローブ装置20は、主として、測定対象物としての接触型ICカード(以下「ICカード」という。)Cが載置される載置面21aを有する測定台21と、この測定台21に対して所定ストロークだけ上下移動自在に配置された可動部材22と、この可動部材22に取り付けられたプローブホルダー23と、可動部材22の上下移動を操作する操作レバー24とを備えている。
【0021】
測定台21は、アルミニウム等の金属製平板でなり、その上面の載置面21aは例えばアルマイト処理が施されている。載置面21aの大きさはICカードCよりも幅広とされている。
【0022】
可動部材22は直方形状を有し、その両側方には測定台21(載置面21a)に立設された一対のガイド軸25が貫通している。そして、可動部材22はリニアガイド26を介してガイド軸25による上下方向のガイド作用を受けるようになっており、これにより載置面21aに対して垂直方向に移動自在とされている。
【0023】
プローブホルダー23は、ICカードCの外部接続端子(後述)に接触してその電気的特性を測定するための複数本のプローブ28を同じ高さ位置で、載置面21a上のICカードCに対して垂直方向に支持する。プローブホルダー23は、可動部材22の一側面に対し、取付部材27を介して取り付けられている。
【0024】
取付部材27に対するプローブホルダー23の取付けはネジ部材29を介して行われ、可動部材22に対する取付部材27の取付けはネジ部材30を介して行われている。本実施の形態では、ネジ部材30によって可動部材22に対する取付部材27の上下位置を調整できるようにしている。なお、取付部材27の上下位置調整は、可動部材22に貼付された目盛31と取付部材27に設けた指針32を用いて行うようにしている。
【0025】
ガイド軸25の上端には、共通のブロック部材33が固定されている。このブロック部材33には、図示しないマルチメーター等の計測制御機器に連絡する複数の端子部35が配備されたボード34が取り付けられている。プローブホルダー23に支持されているプローブ28はケーブル36を介してそれぞれ所定の端子部35に接続されている。
【0026】
可動部材22とブロック部材33との間は、可動部材22を測定台21側へ付勢する付勢部材38が設けられている。本実施の形態の付勢部材38は、ガイド軸25に各々巻装された予負荷状態(圧縮状態)のコイルバネで構成されている。付勢部材38は本発明に係る「付勢手段」に対応する。付勢部材38の一端は可動部材22と一体的なリニアガイド26の上端に係止され、付勢部材38の他端はブロック部材33の下面に係止されている。
【0027】
可動部材22は、付勢部材38により常に下方側(測定台21側)へ付勢されており、測定台21の上で回動自在に支持されているカム部材39の周面に当接することでその高さ位置が規制されている。カム部材39は偏心カムで構成され、測定台21(載置面)に立設された一対の支持部材40間に軸支された回動軸41と一体化されており、操作レバー24の回動操作によってカム部材39が図3A,Bに示すように回動されるようになっている。
【0028】
ここで、図3Aは図2Aに示す状態におけるカム部材39と測定台21及び可動部材22との関係を示し、図3Bは図2Bに示す状態におけるカム部材39と測定台21及び可動部材22との関係を示している。
【0029】
カム部材39はその最大径方向が垂直方向に位置しているとき可動部材22の上限位置を規定し、当該最大径方向が水平方向に位置しているとき可動部材22の下限位置を規定する。つまり、カム部材39の周方向における形状の非対称性を利用することによって、可動部材22を測定台21に対して上下移動可能に構成している。
【0030】
上述のように、カム部材39の回動操作は、クランク状の操作レバー24によって行われる。可動部材22の下限位置は、測定台21上のストッパ42に対して操作レバー24が当接する位置に設定されている。このとき、可動部材22は付勢部材38の付勢力によりその下限位置が保持される。
【0031】
次に、図4及び図5を参照して、測定対象物であるICカードCの構成について説明する。ここで、図4はICカードCの層構造の一例を示す概略構成図、図5はICカードCの平面図である。
【0032】
ICカードCは、表面及び裏面に配線が形成された絶縁性フィルム46に対しICチップ47とタブ基板48とが搭載されてなるICモジュールをコアシートS1〜S5、カード外面を構成する外装シートS6,S7等の複数枚のカード構成シートを積層ラミネートして構成されている。
【0033】
ICチップ47は、一対の補強用金属板50で挟み込まれることにより対衝撃性及び抗折性が高められている。これら補強用金属板50は、コアシートS2,S3に形成された貫通孔h1内に収容されるようになっている。
【0034】
タブ基板48の上面には複数(図では8個)の外部接続端子49が配置形成されており、ICチップ47と電気的に接続されている。コアシートS1,S2及び外装シートS6のそれぞれ対応する箇所には貫通孔h2が形成されており、これらの貫通孔h2にタブ基板48が収容されて上面の外部接続端子49がカード上面と同一面に整列されている。
【0035】
外装シートS1,S7は、例えば印刷層及び透明層の2層構造とされ、磁気記録層、ホログラム層、セキュリティ印刷層、サインパネル等が必要に応じて設けられている。なお、図4において符号51は、絶縁性フィルム46とコアシートS3との間に介装される段差吸収用のスペーサシートであり、必要に応じて適用される。
【0036】
続いて、上述したプローブ装置20において、ICカードCの外部接続端子49に接触するプローブ28の周辺構成について説明する。
【0037】
図6は、プローブ28の一構成例を示す断面図である。プローブ28は金属等の導電材料で構成され、筒状部材53に所定量移動可能に収容されている。プローブ28は、プローブホルダー23に一体固定されている筒状部材53の内部において金属製のスプリング54により下方(測定台21側)へと付勢されているが、筒状部材53の側周面に形成された環状の凹溝53aの内周部がプローブ28の周囲の環状溝52aに係合して、筒状部材53に対するプローブ28の突出量が規制されている。なお、スプリング54はプローブ28に対する電流の入出力経路を構成している。
【0038】
このように、プローブ28の接触子52がスプリング54により弾性支持される構成としているので、プローブ28間における外部接続端子49への接触圧のバラツキを緩和して安定して所定の接触圧(例えば50g)が得られるようにしている。
【0039】
なお、これらプローブ28の弾性支持力よりも、可動ブロック22を下方へ付勢する付勢部材38の付勢力の方が大となるように設定することにより、可動部材22がその下限位置においてプローブ28の弾性支持力で上方へ移動することがないようにして上記接触圧を確保するようにしている。
【0040】
本実施の形態では、プローブホルダー23に保持されるプローブ28の本数は2本としており、図7A,Bに示すように、ひとつの外部接続端子49の対角位置に各々接触して、当該外部接続端子49の表面抵抗を測定するように構成している。
【0041】
次に、以上のように構成される本実施の形態のプローブ装置20の作用について説明する。
【0042】
まず、実際に測定を行う前に、プローブ28間の零点補正を行う。プローブ28間の零点補正は、例えば図8及び図9に示すような補助器具60を用いて行う。補助器具60は、配線部63を介して互いに短絡させた先端フック状の一対の端子61を有しており、これらの端子61をプローブ28に各々接続することによって、プローブ28間の抵抗値を零に設定する。補助器具60は、その本体部64に対して伸縮自在なカバー62によって端子61先端を閉塞できるようになっており(図9において一方側を閉塞状態で示す)、プローブ28への装着性が高められている。
【0043】
また、可動部材22のストローク量は一定としているので、プローブ28と測定対象物(本例ではICカードC)との間の接触圧の設定は、可動部材22に対する取付部材27の高さ位置調整で行う。接触圧はプローブ28の初期高さで決定できるので、あらかじめ接触圧とプローブ28の初期高さとの関係を求めておくとよい。
【0044】
ICカードCの外部接続端子49の表面抵抗測定を行う際は、図1に示すように載置面21aにICカードCをそのタブ基板48側表面が上向きとなるように載置する。そして、プローブ28の直下方位置にタブ基板48上の外部接続端子49が位置するようにICカードCを位置合わせする。
【0045】
本実施の形態では、載置面21aをICカードCよりも幅広に構成しているので、載置面21a上におけるICカードCの位置合わせ作業を比較的容易に行うことができる。これにより、ICカードCの載置位置に対する自由度が高められ、図1に示す姿勢に限らず図10あるいは図11に示す姿勢での測定作業も可能となる。また、載置面21aにはアルマイト処理等の表面処理が施されているので、ICカードCをスムーズに移動させることができ、位置合わせ作業性の向上に大きく貢献する。
【0046】
ICカードCの位置合わせを行った後、操作レバー24を回動操作し、可動部材22を下方へ移動させる。これによりプローブホルダー23に弾性支持されているプローブ28がICカードCの外部接続端子49へ接近し、最終的には所定の接触圧で接触される。このとき、プローブ28間の接触圧のバラツキは、スプリング54(図6)の弾性変形により吸収される。
【0047】
本実施の形態によれば、外部接続端子49に対するプローブ28の接触動作を操作レバー24の回動操作で行うようにしているので、操作レバー24の回動操作の途中でICカードCの位置微調整も可能となり、外部接続端子49とプローブ28との間の位置合わせ作業の適正化が図れる。
【0048】
また、可動部材22の上下移動機構を可動部材22と測定台21との間に介装したカム部材39とその回動用の操作レバー24とで構成しているので、装置構成の簡素化を図れると共に、可動部材22のストローク量の高い再現性が得られ、測定の高精度化及び安定化に貢献できる。
【0049】
操作レバー24のストッパ42当接位置までの回動操作により、可動部材22は図2B及び図3Bに示す下限位置に至る。このとき、プローブ28と外部接続端子49との間の位置関係は図7A,Bのようになる。2本のプローブ28間に所定電圧を印加し、外部接続端子49の表面抵抗が測定される。
【0050】
そこで本実施の形態では、可動部材22の下限位置を保持する付勢部材38を設けているので、操作レバー24に対する操作力を解除しても図7A,Bに示すプローブ28−外部接続端子49間の所定の接触圧による接触状態を維持でき、これにより測定作業の容易化及び安定化が図られ、高精度な表面抵抗測定が可能となる。
【0051】
測定終了後は、操作レバー24を図2Aに示す位置に回動操作して可動部材22を上限位置へ移動させた後、同一のICカードCの異なる外部接続端子49の表面抵抗測定作業を行うべく、上述と同様な手順を繰り返す。
【0052】
以上述べたように、本実施の形態のプローブ装置20によれば、載置面21a上のICカードCの外部接続端子49とプローブ28との間の接触圧が所定値となる可動部材22の下限位置を保持するように、当該可動部材22を下方の測定台21aへ向けて付勢する付勢部材38を設けているので、可動部材22の下限位置を保持するのに操作レバー24の操作力を不要とし、これにより測定の簡素化を図れると共に、測定中における装置の重心バランスの変動をなくして高精度かつ安定した測定が可能となる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0054】
例えば以上の実施の形態では、ICカードCの外部接続端子49の表面抵抗測定に本発明を適用した例について説明したが、これに代えて、例えば図12に示すように、外部接続端子の形成数に対応するようにプローブ28を設け、各プローブ28をそれぞれ外部接続端子にひとつずつ接触させて、当該ICカードCの電気的動作テストを行うように構成することも可能である。
【0055】
また、以上の実施の形態では、本発明に係る付勢部材38を可動部材22とブロック部材33との間に配置したコイルバネ(圧縮バネ)で構成し、当該コイルバネによる可動部材22上面への圧縮力でもって可動部材22の下限位置を保持するようにしたが、これに代えて(又はこれに加えて)、測定台21と可動部材22との間にコイルバネ(引張りバネ)を配置し、可動部材22に対する引張り力でもって可動部材22の下限位置を保持する構成とすることも可能である。
【0056】
更に、以上の実施の形態では、測定対象物として接触型ICカードCを適用したが、非接触通信機能を有する複合型のICカードの電気的測定に適用することも可能である。また、ICカード以外にも、導電性あるいは非導電性材料の表面抵抗測定や、プリント配線板、IC部品等の各種電子部品の電気的特性計測にも、本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態によるプローブ装置20を正面側から見たときの全体斜視図である。
【図2】プローブ装置20を背面側から見たときの全体斜視図であり、Aは可動部材22が上限位置にあるときを示し、Bは可動部材22が下限位置にあるときを示している。
【図3】可動部材22の上下移動機構を構成するカム部材39の作用を説明する図である。
【図4】測定対象物としてのICカードCの構成を模式的に説明する図である。
【図5】ICカードCの平面図である。
【図6】プローブ装置20のプローブ28の一構成例を説明する断面図である。
【図7】プローブ28と外部接続端子49との関係を示す図であり、Aは側断面図、Bは平断面図である。
【図8】プローブ装置20の零点補正作業を説明する斜視図である。
【図9】零点作業に用いられる補助器具60の全体斜視図である。
【図10】プローブ装置20に対するICカードCの他の位置関係を示す斜視図である。
【図11】プローブ装置20に対するICカードCの更に他の位置関係を示す斜視図である。
【図12】プローブ装置20の構成の変形例を説明する斜視図である。
【図13】従来のプローブ装置を説明する要部構成図である。
【図14】従来の他のプローブ装置を説明する要部構成図である。
【符号の説明】
【0058】
20…プローブ装置、21…測定台、21a…載置面、22…可動部材、23…プローブホルダー、24…操作レバー、25…ガイド軸、28…プローブ、38…付勢部材、39…カム部材、42…ストッパ、48…タブ基板、49…外部接続端子、54…スプリング、60…補助器具、C…ICカード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物に複数本のプローブを接触させて前記測定対象物の電気的特性を測定するプローブ装置において、
前記測定対象物が載置される載置面を有する測定台と、
前記測定台に立設されたガイド軸に沿って前記載置面に対して垂直方向に移動自在な可動部材と、
前記可動部材に取り付けられ前記複数本のプローブを前記載置面に対して垂直方向に支持するプローブホルダーと、
前記可動部材の上下移動を操作する操作部材とを備え、
前記可動部材の下限位置は、前記プローブと前記載置面上の測定対象物との間に所定の接触圧が得られる高さ位置とされると共に、
前記下限位置を保持するように前記可動部材を前記測定台へ向けて付勢する付勢手段が設けられている
ことを特徴とするプローブ装置。
【請求項2】
前記複数本のプローブは前記プローブホルダーに対して弾性的に支持されており、
前記付勢手段の付勢力は前記プローブの弾性支持力よりも大きく設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプローブ装置。
【請求項3】
前記付勢部材は、前記ガイド軸に巻装されたコイルバネでなる
ことを特徴とする請求項1に記載のプローブ装置。
【請求項4】
前記プローブホルダーは、前記可動部材に対してその高さ位置が調整自在に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のプローブ装置。
【請求項5】
前記測定台と前記可動部材との間にカム部材を介装し、
前記操作部材を前記カム部材の回動レバーとした
ことを特徴とする請求項1に記載のプローブ装置。
【請求項6】
前記測定対象物はICカードであり、
前記載置面は前記ICカードよりも幅広とされる
ことを特徴とする請求項1に記載のプローブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2005−49280(P2005−49280A)
【公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−283135(P2003−283135)
【出願日】平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】