説明

ベッドの荷重検出器

【課題】荷重検出性能に優れたベッドの荷重検出器を提供する。
【解決手段】荷重検出器1は、ベッド設置面上に載置される基板部2と、基板部2にベッド設置面に対して上方に離間した状態に略水平状に支持された片持ち梁部5と、片持ち梁部5の先端部5bに配置される載置板部7と、片持ち梁部5の歪みを検出する歪み検出センサ8とを備える。載置板部7上にはベッドの脚部が載置される。歪み検出センサ8は、ベッドの脚部に掛かる荷重の検出に用いられる信号を出力するものである。片持ち梁部5は展伸材からなる。載置板部7は鋳造材からなる。そして、片持ち梁部5と載置板部7が一体化されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ベッドの脚部とベッド設置面との間に介在されるベッドの荷重検出器、その製造方法、ベッドの在床状況検出装置、ベッドの在床状況検出方法、及びベッドの在床状況監視システムに関する。
【0002】
なお、本明細書では、アルミニウムの語はアルミニウム合金を含む意味において用いる。
【背景技術】
【0003】
例えば、ベッド寝床部上の被験者(例:病人、高齢者、被介護者、健康人、乳幼児)の在床状況を検出する装置として、ベッドの脚部にロードセルを付設し、このロードセルからの出力信号に基づいて被験者の在床状況を検出するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、ベッドの脚部とベッド設置面との間に介在されるベッドの荷重検出器として、基体の上面に、感歪抵抗体が装着されたセンサ基板を設置し、その上側に、ベッドの脚部からの荷重を受けて感歪抵抗体を起歪させる荷重受け板を配置したものが知られている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−79585号公報
【特許文献2】特開2000−105884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ベッドの荷重検出器が、例えば、片持ち梁部と、該片持ち梁部の先端部に配置され、ベッドの脚部が載置される載置板部とを備えた片持ち梁式の荷重検出器であって、片持ち梁部と載置板部がダイカスト材により一体形成されたものである場合、片持ち梁部に生じる歪み量のばらつきが大きいことが、本発明者らの実験により判明した。このように歪み量のばらつきが大きいと、荷重検出器により検出される荷重のばらつきが大きくなる。
【0006】
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、荷重検出性能に優れたベッドの荷重検出器、その製造方法、ベッドの在床状況検出装置、ベッドの在床状況検出方法、及びベッドの在床状況監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は次の手段を提供する。
【0008】
[1] ベッド設置面上に載置される基板部と、
基板部にベッド設置面に対して上方に離間した状態に略水平状に支持された片持ち梁部と、
片持ち梁部の先端部に配置され、ベッドの脚部が載置される載置板部と、
片持ち梁部の歪みを検出し、ベッドの脚部に掛かる荷重の検出に用いられる信号を出力する歪み検出センサと、を備え、
片持ち梁部は展伸材からなり、
載置板部は鋳造材からなり、
片持ち梁部と載置板部が一体化されていることを特徴とするベッドの荷重検出器。
【0009】
[2] 片持ち梁部と載置板部が摩擦撹拌接合により接合一体化されている前項1記載のベッドの荷重検出器。
【0010】
[3] 片持ち梁部は展伸材としてアルミニウム押出材からなる前項1又は2記載のベッドの荷重検出器。
【0011】
[4] 載置板部は鋳造材としてアルミニウムダイカスト材からなる前項1〜3のいずれかに記載のベッドの荷重検出器。
【0012】
[5] 基板部は、互いに離間して対向配置された一対の側辺部と、該両側辺部の間に互いに離間して対向配置され、両側辺部の一端部同士及び他端部同士をそれぞれ相互に連結した一対の連結辺部と、を有し、
載置板部が基板部の両側辺部と両連結辺部との間で下降変位可能になるように、片持ち梁部が基板部の両連結辺部のうちいずれか一方の連結辺部に支持されている前項1〜4のいずれかに記載のベッドの荷重検出器。
【0013】
[6] ベッド設置面上に載置される基板部と、
基板部にベッド設置面に対して上方に離間した状態に略水平状に支持された片持ち梁部と、
片持ち梁部の先端部に配置され、ベッドの脚部が載置される載置板部と、
片持ち梁部の歪みを検出し、ベッドの脚部に掛かる荷重の検出に用いられる信号を出力する歪み検出センサと、を備えたベッドの荷重検出器の製造方法であって、
片持ち梁部は展伸材からなり、
載置板部は鋳造材からなり、
片持ち梁部と載置板部を一体化することを特徴とするベッドの荷重検出器の製造方法。
【0014】
[7] 片持ち梁部と載置板部を摩擦撹拌接合により接合一体化する前項6記載のベッドの荷重検出器の製造方法。
【0015】
[8] 片持ち梁部は展伸材としてアルミニウム押出材からなる前項6又は7記載のベッドの荷重検出器の製造方法。
【0016】
[9] 載置板部は鋳造材としてアルミニウムダイカスト材からなる前項6〜8のいずれかに記載のベッドの荷重検出器の製造方法。
【0017】
[10] 前項1〜5のいずれかに記載のベッドの荷重検出器と、
荷重検出器の歪み検出センサからの出力信号に基づいて、被験者の在床状況を演算する演算手段と、を備えていることを特徴とするベッドの在床状況検出装置。
【0018】
[11] 前項1〜5のいずれかに記載のベッドの荷重検出器をベッド設置面上に載置するとともに、該荷重検出器の載置板部上にベッドの脚部を載置し、この状態で、荷重検出器の歪み検出センサからの出力信号を用いて被験者の在床状況を検出することを特徴とするベッドの在床状況検出方法。
【0019】
[12] 前項1〜5のいずれかに記載のベッドの荷重検出器と、
荷重検出器の歪み検出センサからの出力信号に基づいて、被験者の在床状況を演算する演算手段と、
演算手段の演算結果を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とするベッドの在床状況監視システム。
【発明の効果】
【0020】
本発明は次の効果を奏する。
【0021】
[1]の発明では、片持ち梁部が展伸材からなることにより、片持ち梁部に生じる歪み量のばらつきを小さくできる。これにより、荷重検出器の荷重検出性能として検出荷重のばらつきを小さくできる。
【0022】
さらに、載置板部が鋳造材からなることにより、様々な形状の載置板部を容易に製造できる。
【0023】
なお、本発明では、片持ち梁部と載置板部を一体化する手段として、後述する摩擦撹拌接合をはじめ、機械的締結手段(例:ボルト、リベット)、溶融溶接(例:MIG、TIG)などが用いられ、特に、後述する理由により摩擦撹拌接合が用いられることが望ましい。
【0024】
[2]の発明では、片持ち梁部と載置板部が摩擦撹拌接合により接合一体化されているので、接合時に片持ち梁部に与える熱影響が少ない。そのため、片持ち梁部の弾性特性の熱影響による変化を防止でき、もって、片持ち梁部について歪み量のばらつきが小さな状態に確実に維持できる。さらに、摩擦撹拌接合は、材質が異なる部材同士を強固に一体化できる接合手段である。したがって、この摩擦撹拌接合を両者を一体化する手段として用いることにより、展伸材からなる片持ち梁部と鋳造材からなる載置板部とを強固に接合一体化できる。
【0025】
なお、もし仮に片持ち梁部と載置板部を摩擦撹拌接合ではなくボルトやリベットにより締結一体化した場合には、経年によりボルトやリベットに緩みが生じる虞があるし、ボルト孔やリベット孔を両者のいずれか一方に形成しなければならないので、部位を長く設定する必要がある。また、もし仮に片持ち梁部と載置板部を摩擦撹拌接合ではなくMIG、TIG等の溶融溶接により溶接一体化した場合には、溶接時に片持ち梁部に与える熱影響が大きく、そのため、片持ち梁部の弾性特性が熱影響により変化し、その結果、歪み量のばらつきが大きくなる虞がある。これに対して、片持ち梁部と載置板部を摩擦撹拌接合により接合一体化した場合には、上述した不具合の発生を防止することができる。
【0026】
[3]の発明では、片持ち梁部が展伸材としてアルミニウム押出材からなるので、片持ち梁部を低コストで且つ能率良く製造することができるし、また荷重検出器の軽量化を図ることができる。
【0027】
[4]の発明では、載置板部は鋳造材としてアルミニウムダイカスト材からなるので、様々な形状の載置板部を確実に容易に製造できるし、また荷重検出器の軽量化を図ることができる。
【0028】
[5]の発明では、載置板部が基板部の両側辺部と両連結辺部との間で下降変位可能になるように、片持ち梁部が基板部の両連結辺部のうちいずれか一方の連結辺部に支持されているので、載置板部の下側には基板部が存在していない。これにより、ベッド設置面に対する載置板部の高さを低くすることができる。したがって、この載置板部上にベッドの脚部を載置した場合において、ベッド寝床部の低床化を図ることができる。さらに、ベッドの脚部を載置板部上に容易に載置することができるし、載置板部上からベッドの脚部を容易に降ろすことができる。すなわち、ベッドの脚部の載置板部上への載置及び降ろし作業を容易に行うことができる。
【0029】
[6]〜[9]の発明では、それぞれ上記[1]〜[4]の発明に係るベッドの荷重検出器を製造することができる。
【0030】
[10]の発明では、上記[1]〜[5]のいずれかの発明の効果を奏する上、更に、被験者の在床状況を正確に検出することができる。
【0031】
[11]の発明では、上記[10]の発明と同様の効果を奏する。
【0032】
[12]の発明では、上記[1]〜[5]のいずれかの発明の効果を奏する上、更に、被験者の在床状況を監視することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0034】
図1は、本実施形態に係るベッドの荷重検出器を示す図である。同図において(1)は本実施形態の荷重検出器である。
【0035】
図11は、この荷重検出器(1)を備えた本実施形態に係るベッドの在床状況検出装置を示す図である。同図において、(30)は本実施形態の在床状況検出装置である。また、(50)はベッドである。このベッド(50)は、医療施設(例:病院)、高齢者施設、介護施設、養護施設、一般家庭などで使用されるものである。このベッド(50)の寝床部(51)は、平面視四角形状に形成されている。このベッド(50)は、病室、寝室、検査室、診察室等における床面からなるベッド設置面(15)上に設置されるものである。ベッド(50)は、ベッド寝床部(51)を所定高さ位置に水平状に支持した四個の脚部(52)(52)(52)(52)を有している。各脚部(52)の下端部にはベッド移動用キャスタ(53)が取り付けられている。
【0036】
このベッド寝床部(51)上には、被験者(H)として、例えば、病人、認知症患者、高齢者、健康人、乳幼児等が睡眠、休息、検査、診察等のために様々な姿勢(例:仰臥姿勢、側臥姿勢、伏臥姿勢)で在床する。
【0037】
而して、図11に示すように、本実施形態の荷重検出器(1)は、ベッド(50)の脚部(52)に掛かる荷重を検出するものであり、ベッド(50)の脚部(52)とベッド設置面(15)との間に介在されるものである。ここで、上述したように、ベッド(50)の脚部(52)の下端部にはベッド移動用キャスタ(53)が取り付けられていることから、本実施形態では、荷重検出器(1)は、ベッド(50)の脚部(52)の下端部のキャスタ(53)とベッド設置面(15)との間に介在される。ただし本発明では、ベッド(50)の脚部(52)の下端部には必ずしもキャスタ(53)は設けられていなくても良い。
【0038】
なお本実施形態では、例えば最大2000N(200kgf)の荷重が1個の荷重検出器(1)に掛かることを想定している。
【0039】
荷重検出器(1)は、図1〜図4に示すように、基板部(2)と、片持ち梁部(5)と、載置板部(7)と、歪み検出センサとしての4個の歪みゲージ(8)(8)(8)(8)を備えている。
【0040】
基板部(2)は、ベッド設置面(15)上に載置されるものであり、片持ち梁部(5)を片持ち梁状に支持するものである。この基板部(2)は、例えばアルミニウム押出材からなる。
【0041】
この基板部(2)は、互いに離間して対向配置された左右一対の側辺部(2a)(2a)と、該両側辺部(2a)(2a)間に互いに離間して対向配置された前後一対の連結辺部(2b)(2b)とを有している。そして、両側辺部(2a)(2a)の一端部同士が一方の連結辺部(2b)を介して相互に連結されるとともに、両側辺部(2a)(2a)の他端部同士が他方の連結辺部(2b)を介して相互に連結されている。これにより、この基板部(2)は平面視略ロ字状(ロ字状)に形成されている。
【0042】
また、この基板部(2)の下面からなる接床面には、ベッド設置面(15)に対する滑り止め用ゴム(図示せず)が貼着されている。
【0043】
片持ち梁部(5)は、所定の長さを有するものであり、弾性的に屈曲可能な起歪体として機能するものである。
【0044】
図4〜図6に示すように、この片持ち梁部(5)には、片持ち梁部(5)を基板部(2)に固定するための4個のボルト(固定用ボルト)(11)を挿通する4個のボルト挿通孔(11a)が、片持ち梁部(5)の厚さ方向に貫通して設けられている。また、この片持ち梁部(5)の基端部(即ち固定端部)(5a)と先端部(即ち自由端部)(5b)との間の部位には、当該部位にロバーバル構造を形成するための断面略メガネ状の貫通孔(5c)が、片持ち梁部(5)の幅方向に貫通して設けられている。
【0045】
この片持ち梁部(5)は、押出材、圧延材、鍛造材等の金属展伸材からなり、詳述するとアルミニウム押出材からなる。すなわち、図10に示すように、この片持ち梁部(5)は、該片持ち梁部(5)製造用アルミニウム押出素材(4)をその押出方向に所定の厚さで押出方向に交差する平面内で切断することにより、製造されたものである。なお、(4a)はアルミニウム押出素材(4)の切断予定線である。
【0046】
この片持ち梁部(5)の厚さは例えば10〜70mmの範囲に設定され、片持ち梁部(5)の先端部(5b)の幅は例えば20〜150mmの範囲に設定されている。ただし本発明では、片持ち梁部(5)の各部位の寸法は上記の範囲であることに限定されるものではない。
【0047】
図2〜図4に示すように、この片持ち梁部(5)は、基板部(2)に、ベッド設置面(15)に対して上方に僅かに離間した状態に水平状に且つ片持ち梁状に支持されている。詳述すると、この片持ち梁部(5)の基端部(5a)は基板部(2)の一方の連結辺部(2b)上に載置されるとともに、この載置状態で片持ち梁部(5)の基端部(5a)が連結辺部(2b)に4個の固定用ボルト(11)により固定されている。さらに、この固定状態において、片持ち梁部(5)は、基板部(2)の両側辺部(2a)(2a)間において水平状に配置された状態で連結辺部(2b)に支持されている。
【0048】
図4において、(11b)は、基板部(2)の一方の連結辺部(2b)に設けられ、固定用ボルト(11)を挿通するボルト挿通孔である。(12)は、ボルト挿通孔(11a)(11b)内に挿通された固定用ボルト(11)の先端部に螺合するナットである。このナット(12)は、基板部(2)の一方の連結辺部(2b)の下面に設けられたナット収容凹所(図示せず)内に配置されている。これにより、ナット(12)が連結辺部(2b)の下面よりも下側にはみ出ないものとなさている。
【0049】
なお本実施形態では、片持ち梁部(5)の基板部(2)への固定手段として、機械的締結手段の範疇に入るボルト(11)が用いられている。しかるに、本発明では、この固定手段はボルト(11)であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、ねじ、リベット等の機械的締結手段であっても良いし、摩擦撹拌接合であっても良い。
【0050】
載置板部(7)は、片持ち梁部(5)の先端部(5b)に配置され、ベッド(50)の脚部(52)が載置されるものである。本実施形態では、上述したように、ベッド(50)の脚部(52)の下端部にベッド移動用キャスタ(53)が取り付けられていることから、図11に示すように、載置板部(7)上には、ベッド(50)の脚部(52)としてキャスタ(53)が載置されることになる。
【0051】
載置板部(7)は金属鋳造材からなるものである。詳述すると、この載置板部(7)はアルミニウムダイカスト材からなるもので、ダイカストにより製造されたものである。
【0052】
載置板部(7)の左右両側縁部には、キャスタ(53)が載置板部(7)上から落下するのを防止する左右一対のキャスタ落下防止壁部(7c)(7c)が載置板部(7)に対して立ち上がり状に載置板部(7)に一体形成されている。さらに、載置板部(7)の先端部には、載置板部(7)の左右方向(即ち幅方向)に延びた断面略三角形状の小さな凸条(7e)が一体形成されている。さらに、載置板部(7)の基端部(7a)の近傍部には、該載置板部(7)上に載置されたキャスタ(53)の移動を止めるストッパ壁部(7d)が載置板部(7)に対して立ち上がり状に載置板部(7)に一体形成されている。
【0053】
載置板部(7)の基端部(7a)の厚さ及び幅は、それぞれ片持ち梁部(5)の先端部(5b)の厚さ及び幅と同寸に設定されている。また、載置板部(7)のキャスタ載置部の厚さは例えば3〜20mm(好ましくは3〜10mm)の範囲に設定されている。ただし本発明では、載置板部(7)の各部位の寸法は上記の範囲であることに限定されるものではない。
【0054】
この載置板部(7)は、片持ち梁部(5)の先端部(5b)に摩擦撹拌接合により接合されており、すなわち、片持ち梁部(5)と載置板部(7)は摩擦撹拌接合により接合一体化されている。(J)は、両者(5)(7)を一体化した接合部(即ち摩擦撹拌接合部)である。
【0055】
図9に示すように、片持ち梁部(5)の先端部(5b)の先端面から断面略メガネ状の貫通孔(5c)までの長さL0は、貫通孔(5c)の2個の断面円形状部の中心間の長さL1に対して0.5倍以上に設定されている(即ち、L0≧0.5L1)。もしL0がL1に対して0.5倍未満である場合(即ち、L0<0.5L1)、片持ち梁部(5)のロバーバル構造の特性が摩擦撹拌接合時の熱影響により変化する虞がある。これに対して、L0がL1に対して0.5倍以上である場合(即ち、L0≧0.5L1)、そのような不具合の発生を確実に防止でき、もって、片持ち梁部(5)について歪み量のばらつきが小さな状態に更に確実に維持できる。ただし本発明では、L0はL1に対して0.5倍以上であることに限定されるものではない。
【0056】
次に、摩擦撹拌接合により片持ち梁部(5)と載置板部(7)を接合一体化する方法について、以下に説明する。
【0057】
図9において、(20)は摩擦撹拌接合用の接合工具である。この接合装具(20)は、大径の円柱状回転子(21)と、該回転子(21)の先端面に突設された小径のピン状プローブ(22)とを有している。プローブ(22)の周面には撹拌用凸部(図示せず)が設けられている。
【0058】
まず、片持ち梁部(5)の先端部(5b)と載置板部(7)の基端部(7a)とを突合せ状に合わせる。次いで、接合工具(20)のプローブ(22)を回転させた状態で、該プローブ(22)を片持ち梁部(5)の先端部(5b)と載置板部(7)の基端部(7a)との合わせ部(詳述すると突合せ部)(6)に両部位(5b)(7a)の上面から挿入する。そして、この状態で、プローブ(22)を合わせ部(6)に沿って移動させる。これにより、合わせ部(6)を両部位(5b)(7a)の上面から接合する。この接合が終了したら、プローブ(22)を合わせ部(6)に両部位(5b)(7a)の下面から挿入する。そして、この状態で、プローブ(22)を合わせ部(6)に沿って移動させる。これにより、合わせ部(6)を両部位(5b)(7a)の下面から接合する。その結果、図7及び図8に示すように、片持ち梁部(5)と載置板部(7)が合わせ部(6)において接合一体化される。
【0059】
本実施形態では、片持ち梁部(5)の先端部(5b)と載置板部(7)の基端部(7a)との開先形状はI形である。
【0060】
図2及び図3に示すように、この載置板部(7)は、片持ち梁部(5)が基板部(2)の一方の連結辺部(2b)に支持された状態のもとで、基板部(2)の両側辺部(2a)(2b)と両連結辺部(2b)(2b)との間においてベッド設置面(15)に対して上方に僅かに離間して配置されている。さらに、この状態のもとで、載置板部(7)は、基板部(2)の両側辺部(2a)(2a)と両連結辺部(2b)(2b)との間で下降変位可能である。載置板部(7)とベッド設置面(15)との間の距離は例えば0.5〜5mmの範囲に設定されている。ただし本発明では、この距離は上記の範囲であることに限定されるものではない。
【0061】
以上により、載置板部(7)が基板部(2)の両側辺部(2a)(2a)と両連結辺部(2b)(2b)との間で下降変位可能になるように、片持ち梁部(5)が基板部(2)の一方の連結辺部(2b)に支持されている。
【0062】
歪みゲージ(8)は、片持ち梁部(5)に生じる歪みを検出し、これにより、ベッド(50)の脚部(52)に掛かる荷重の検出に用いられる信号、すなわち荷重検出信号を出力するものである。本実施形態では、歪みゲージ(8)の個数は4個である。
【0063】
これらの歪みゲージ(8)(8)(8)(8)は、電気的に接続されてブリッジ回路(詳述するとホイートストンブリッジ回路)が形成されている。これらの歪みゲージ(8)(8)(8)(8)は、片持ち梁部(5)の上面に貼着されて片持ち梁部(5)に装着されている。そして、これらの歪みゲージ(8)(8)(8)(8)は、載置板部(7)にベッド(50)の脚部(52)から荷重が下方向に加わることにより片持ち梁部(5)に生じた歪みを検出し、これにより、荷重検出信号として電気的な信号を出力するものである。詳述すると、これらの歪みゲージ(8)(8)(8)(8)から出力される電気的な信号とは、これらの歪みゲージ(8)(8)(8)(8)が組み込まれたブリッジ回路(ホイートストンブリッジ回路)から出力される電圧である。
【0064】
図4において、(10)は、制御装置(図示せず)を搭載した制御基板である。制御装置は、例えば、これらの歪みゲージ(8)(8)(8)(8)が組み込まれたブリッジ回路からの出力信号を増幅する増幅部と、増幅された信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換部と、変換された信号を後述する演算手段(31)に送信する通信部とを有している。(9)は、歪みゲージ(8)と制御基板(10)とを接続した信号線である。
【0065】
図11に示すように、本実施形態のベッドの在床状況検出装置(30)は、ベッド寝床部(51)上の被験者(H)の在床状況として、被験者(H)の寝姿に対応した値、離床、在床(入床)、体動の有無、被験者(H)が上体を起こしたか否かなどを検出するものである。
【0066】
この検出装置(30)は、本実施形態の4個の荷重検出器(1)(1)(1)(1)と、演算手段(31)と、通信手段(32)と、報知手段(33)とを備えている。
【0067】
演算手段(31)は、これらの荷重検出器(1)(1)(1)(1)の歪み検出センサとしての歪みゲージ(8)(詳述するとブリッジ回路)からの出力信号に基づいて、被験者(H)の在床状況を演算するものである。この演算手段(31)は、例えば、CPUと、ROM、RAM等の記憶部とを有するコンピュータにより構成されている。(34)は、各荷重検出器(1)からの出力信号を演算手段(31)に送信する信号線である。なお本発明では、各荷重検出器(1)からの出力信号は例えば無線通信手段により演算手段(31)に送信されるように構成されていても良い。
【0068】
この演算手段(31)は、ナースステーション、監視室、介護者の詰め所などに設置されるものである。
【0069】
通信手段(32)は、演算手段(31)の演算結果として、被験者(H)の在床状況に関する情報を、電話回線網、インターネット、有線LAN、無線LANなどの無線通信網又は有線通信網を介して報知手段(33)に送信するものである。電話回線網としては、例えば、固定電話の回線網や携帯電話(PHSを含む)の回線網が用いられる。
【0070】
報知手段(33)は、演算手段(31)の演算結果として、被験者(H)の在床状況に関する情報を報知対象者に対して報知するものである。報知対象者としては、看護師、介護者、監視者などが挙げられる。
【0071】
この報知手段(33)は、報知スピーカ、報知ランプ、表示手段などを有している。報知スピーカは、所定の情報を音声やブザー音等の音で報知対象者に対して報知するものである。報知ランプは、所定の情報をランプの点灯や点滅等で報知対象者に対して報知するものである。表示手段は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRT等により構成されており、所定の情報を文字、図等の表示により報知対象者に対して報知するものである。
【0072】
この報知手段(33)は、ナースステーション、監視室、介護者の詰め所などに設置されたり、あるいは携帯電話(PHSを含む)などに備えられるものである。
【0073】
次に、本実施形態の荷重検出器(1)及び在床状況検出装置(30)を用いて遂行されるベッドの在床状況検出方法について、以下に説明する。
【0074】
まず、ベッド設置面(15)上における、ベッド(50)の各脚部(52)のキャスタ(53)に対応する位置に、それぞれ荷重検出器(1)を載置する。次いで、各荷重検出器(1)の載置板部(7)上にベッド(50)の対応する脚部(52)のキャスタ(53)を載置する。そして、各荷重検出器(1)の歪みゲージ(8)から出力される信号について、ベッド(50)の荷重を風袋とした風袋処理を演算手段(31)により行う。
【0075】
次いで、この状態で、ベッド寝床部(51)上に被験者(H)が在床する。すると、各荷重検出器(1)の載置板部(7)に、ベッド(50)の脚部(52)のキャスタ(53)から被験者(H)の体重に対応する荷重が下方向に加わる。これにより、載置板部(7)が基板部(2)の両側辺部(2a)(2a)と両連結辺部(2b)(2b)との間で下降変位するとともに、載置板部(7)が下降変位するのに伴い、片持ち梁部(5)の先端部(5b)が下方に変位するように片持ち梁部(5)が弾性的に僅かに屈曲する。その結果、片持ち梁部(5)に歪みが生じる。この歪みが、歪み検出センサとしての4個の歪みゲージ(8)(8)(8)(8)により検出される。そして、これらの歪みゲージ(8)(8)(8)(8)が組み込まれたブリッジ回路から電圧が、ベッド(50)の各脚部(52)に掛かる荷重の検出に用いられる電気的な信号として出力される。この出力信号(詳述すると出力電圧)に基づいて、ベッド(50)の各脚部(52)に掛かる荷重が演算手段(31)により演算される。さらに、この荷重に基づいて被験者(H)の在床状況が演算手段(31)により演算れる。
【0076】
ここで、この演算手段(31)により演算される被験者(H)の在床状況が、例えば被験者(H)がベッド寝床部(51)上に在床(入床)したか否かである場合、この演算手段(31)で行われる演算は次のとおりである。
【0077】
4個の荷重検出器(1)(1)(1)(1)からの総出力信号、あるいはこの総出力信号に基づいて演算された総荷重が、予め設定された所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。この判定結果において総出力信号又は総荷重が閾値よりも大きいと判定された場合、被験者(H)がベッド寝床部(51)上に在床したと判定する。一方、総出力信号又は総荷重が閾値以下であると判定された場合、被験者(H)がベッド寝床部(51)上に在床していないと判定する。このような演算が演算手段(31)により行われる。
【0078】
ただし本発明では、演算手段(31)により演算される被験者(H)の在床状況は、上記の在床状況であることに限定されるものではなく、その他に、被験者(H)の寝姿に対応した値、離床、体動の有無、被験者(H)が上体を起こしたか否かなどが挙げられる。また本発明では、演算手段(31)の演算方法は上記の方法であることに限定されるものではない。
【0079】
演算手段(31)の演算結果としての被験者(H)の在床状況に関する情報は、通信手段(32)により演算手段(31)から報知手段(33)に送信され、そして、報知手段(33)により報知対象者に対して報知される。これにより、報知対象者は被験者(H)の在床状況に関する情報を知ることができる。
【0080】
而して、本実施形態の荷重検出器(1)は次の利点がある。
【0081】
すなわち、荷重検出器(1)の片持ち梁部(5)が展伸材からなることにより、片持ち梁部(5)に生じる歪み量のばらつきを小さくできる。これにより、荷重検出器(1)の荷重検出性能として、検出荷重のばらつきを小さくできる。
【0082】
さらに、載置板部(7)が鋳造材からなることにより、様々な形状の載置板部(7)を容易に製造できる。
【0083】
ここで、本発明者らは、片持ち梁部(5)と載置板部(7)をダイカスト材により一体形成した場合、なぜ片持ち梁部(5)に生じる歪み量のばらつきが大きいのかについて推察したところ、ダイカスト材中に存在する微細な鋳巣が歪み量のばらつきを生じさせているとの結論に達した。これに対して、片持ち梁部(5)が展伸材からなる場合には、展伸材中に鋳巣は存在しないので、歪み量のばらつきを、片持ち梁部(5)と載置板部(7)をダイカスト材により一体形成した場合に比べて格段に小さくすることができる。
【0084】
さらに、片持ち梁部(5)と載置板部(7)が摩擦撹拌接合により接合一体化されているので、接合時に片持ち梁部(5)に与える熱影響が少ない。そのため、片持ち梁部(5)の弾性特性の熱影響による変化を防止でき、もって、片持ち梁部(5)について歪み量のばらつきが小さな状態に確実に維持できる。さらに、摩擦撹拌接合は、材質が異なる部材同士を強固に接合一体化できる接合手段である。したがって、この摩擦撹拌接合を両者(5)(7)を一体化する手段として用いることにより、展伸材からなる片持ち梁部(5)と鋳造材からなる載置板部(7)とを強固に接合一体化できる。
【0085】
さらに、片持ち梁部(5)が展伸材としてアルミニウム押出材からなるので、片持ち梁部(5)を低コストで且つ能率良く製造することができるし、また荷重検出器(1)の軽量化を図ることができる。
【0086】
さらに、載置板部(7)は鋳造材としてアルミニウムダイカスト材からなるので、様々な形状の載置板部(7)を確実に容易に製造できるし、また荷重検出器(1)の軽量化を図ることができる。
【0087】
さらに、載置板部(7)が基板部(2)の両側辺部(2a)(2a)と両連結辺部(2b)(2b)との間で下降変位可能になるように、片持ち梁部(5)が基板部(2)の両連結辺部(2b)(2b)のうちいずれか一方の連結辺部(2b)に支持されているので、載置板部(7)の下側には基板部(2)が存在していない。これにより、ベッド設置面(15)に対する載置板部(7)の高さを低くすることができる。したがって、この載置板部(7)上にベッド(50)の脚部(52)のキャスタ(53)を載置した場合において、ベッド寝床部(51)の低床化を図ることができる。さらに、ベッド(50)の脚部(52)のキャスタ(53)を載置板部(7)上に容易に載置することができるし、載置板部(7)上からキャスタ(53)を容易に降ろすことができる。すなわち、ベッド(50)の脚部(52)のキャスタ(53)の載置板部(7)上への載置及び降ろし作業を容易に行うことができる。
【0088】
本実施形態のベッドの在床状況検出装置(30)は、本実施形態の荷重検出器(1)を備えているので、この荷重検出器(1)による検出荷重のばらつきが小さい等の上述した利点がある。したがって、この検出装置(30)によれば、ベッド寝床部(51)に対する被験者(H)の在床状況を正確に検出することができる。
【0089】
本実施形態のベッドの在床状況監視システム(40)は、本実施形態の在床状況検出装置(30)を備えている。したがって、この監視システム(40)は、荷重検出器(1)及び検出装置(30)の上述した利点がある上、更にベッド寝床部(51)に対する被験者(H)の在床状況を遠隔地等で監視することができる。
【0090】
而して、上記実施形態の荷重検出器(1)では、上述したように、片持ち梁部(5)の先端部(5b)と載置板部(7)の基端部(7a)との開先形状はI形である。しかるに、本発明では、この開先形状はI形であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、図12及び図13に示すように、互いに嵌合する形状であっても良い。図12及び図13では、いずれも、片持ち梁部(5)の先端部(5b)と載置板部(7)の基端部(7a)とが互いに嵌合状態に合わされるとともに、当該合わせ部(6)が摩擦撹拌接合によって接合されることにより、片持ち梁部(5)と載置板部(7)が接合一体化されている。
【0091】
また、本実施形態の荷重検出器(1)では、片持ち梁部(5)と載置板部(7)を一体化する手段として、摩擦撹拌接合が用いられているが、本発明では、その他に、例えば、機械的締結手段(例:ボルト、リベット)、溶融溶接(例:MIG、TIG)などを用いても良い。
【0092】
しかるに、もし仮に片持ち梁部(5)と載置板部(7)をボルトやリベットにより締結一体化した場合には、経年によりボルトやリベットに緩みが生じる虞があるし、ボルト孔やリベット孔を両者のいずれか一方に形成しなければならないので、部位を長く設定する必要がある。また、もし仮に片持ち梁部(5)と載置板部(7)をMIG、TIG等の溶融溶接により溶接一体化した場合には、溶接時に片持ち梁部(5)に与える熱影響が大きく、そのため、片持ち梁部(5)の弾性特性が熱影響により変化し、その結果、歪み量のばらつきが大きくなる虞がある。これに対して、本実施形態のように、片持ち梁部(5)と載置板部(7)を摩擦撹拌接合により接合一体化した場合には、上述した不具合の発生を防止することができる。したがって、両者(5)(7)を一体化する手段として摩擦撹拌接合を用いるのが特に望ましい。
【0093】
以上で本発明の幾つかの実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に示したものであることに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
【0094】
例えば、本発明では、荷重検出器(1)の基板部(2)の材質は、アルミニウム以外の金属(例:ステンレス鋼)であっても良いし、繊維強化プラスチック等のプラスチックであっても良い。
【0095】
また発明では、歪み検出センサとして1個の歪みゲージ(8)が片持ち梁部(5)に装着されていても良いし、2個や3個以上の歪みゲージ(8)が片持ち梁部(5)に装着されていても良い。
【0096】
また本発明では、歪み検出センサは、歪みゲージ(8)以外のセンサ、例えば、導電性エラストマセンサ(導電性ゴムセンサや導電性樹脂センサ等)、電歪デバイスセンサ、圧電デバイスセンサ、磁歪デバイスセンサであっても良いし、これらのセンサからなる群より選択される1種又は2種以上のセンサであっても良い。
【実施例】
【0097】
次に、本発明の具体的な実施例及び比較例を以下に示す。ただし本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。
【0098】
<実施例>
上記実施形態の荷重検出器(1)を準備した。この荷重検出器(1)の片持ち梁部(5)はアルミニウム押出材(材質:A6061)からなる。載置板部(7)はアルミニウムダイカスト材(材質:ADC12)からなり、ダイカストにより製造されたものである。片持ち梁部(5)と載置板部(7)は摩擦撹拌接合により接合一体化されている。
【0099】
この荷重検出器(1)の載置板部(7)上における位置依存性を調べた。その測定位置は図2に示した4箇所A、B、C、Dである。その結果を表1に示す。
【0100】
なお、位置依存性の算出方法は次のとおりである。
【0101】
各測定位置において、荷重X(単位:N)と、荷重検出器(1)の歪みゲージ(8)から出力される電圧Y(単位:mV)との関係式Y=a・X+bを求めた。そして、4箇所の測定位置で求められた関係式におけるaの値に基づいて、次式(i)により位置依存性(単位:%)を算出した。
【0102】
位置依存性={(aの最大値)/(aの最小値)−1}×100 …(i)
【0103】
<比較例>
片持ち梁部(5)と載置板部(7)がアルミニウムダイカスト材(材質:ADC12)により一体形成されていること以外は、実施例と同じ構成の荷重検出器を準備した。
【0104】
この荷重検出器(1)の載置板部(7)上における位置依存性を調べた。その測定位置は実施例と同じである。その結果を表1に示す。
【0105】
【表1】

【0106】
表1に示すように、実施例の位置依存性は比較例の位置依存性よりも良好である。したがって、実施例の荷重検出器(1)は検出荷重のばらつきが小さく、すなわち実施例の荷重検出器(1)は荷重検出性能に優れていることを確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、例えば、ベッドの脚部とベッド設置面との間に介在されるベッドの荷重検出器、その製造方法、ベッドの在床状況検出装置、ベッドの在床状況検出方法、及びベッドの在床状況監視システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るベッドの荷重検出器の斜視図である。
【図2】図2は、同荷重検出器の平面図である。
【図3】図3は、図2中のX−X線断面図である。
【図4】図4は、同荷重検出器の分解斜視図である。
【図5】図5は、同荷重検出器の片持ち梁部と載置板部の平面図である。
【図6】図6は、同荷重検出器の片持ち梁部と載置板部の底面図である。
【図7】図7は、同荷重検出器の片持ち梁部と載置板部の側面図である。
【図8】図8は、図5中のX−X線断面図である。
【図9】図9は、同荷重検出器の片持ち梁部と載置板部を接合する途中の状態で示す断面図である。
【図10】図10は、同荷重検出器の片持ち梁部とその製造用アルミニウム押出素材の斜視図である。
【図11】同荷重検出器を使用状態で示す概略斜視図である。
【図12】図12は、本発明のもう一つの実施形態に係るベッドの荷重検出器における片持ち梁部と載置板部の断面図である。
【図13】図13は、本発明の更にもう一つの実施形態に係るベッドの荷重検出器における片持ち梁部と載置板部の断面図である。
【符号の説明】
【0109】
1…荷重検出器
2…基板部
2a…側辺部
2b…連結辺部
5…片持ち梁部
5a…基端部(固定端部)
5b…先端部(自由端部)
6…合わせ部
7…載置板部
7a…基端部
8…歪みゲージ(歪み検出センサ)
J…接合部(摩擦撹拌接合部)
15…ベッド設置面
20…摩擦撹拌接合用接合工具
30…在床状況検出装置
31…演算手段
32…通信手段
33…報知手段
40…在床状況監視システム
50…ベッド
51…ベッド寝床部
52…脚部
53…キャスタ
H…被験者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド設置面上に載置される基板部と、
基板部にベッド設置面に対して上方に離間した状態に略水平状に支持された片持ち梁部と、
片持ち梁部の先端部に配置され、ベッドの脚部が載置される載置板部と、
片持ち梁部の歪みを検出し、ベッドの脚部に掛かる荷重の検出に用いられる信号を出力する歪み検出センサと、を備え、
片持ち梁部は展伸材からなり、
載置板部は鋳造材からなり、
片持ち梁部と載置板部が一体化されていることを特徴とするベッドの荷重検出器。
【請求項2】
片持ち梁部と載置板部が摩擦撹拌接合により接合一体化されている請求項1記載のベッドの荷重検出器。
【請求項3】
片持ち梁部は展伸材としてアルミニウム押出材からなる請求項1又は2記載のベッドの荷重検出器。
【請求項4】
載置板部は鋳造材としてアルミニウムダイカスト材からなる請求項1〜3のいずれかに記載のベッドの荷重検出器。
【請求項5】
基板部は、互いに離間して対向配置された一対の側辺部と、該両側辺部の間に互いに離間して対向配置され、両側辺部の一端部同士及び他端部同士をそれぞれ相互に連結した一対の連結辺部と、を有し、
載置板部が基板部の両側辺部と両連結辺部との間で下降変位可能になるように、片持ち梁部が基板部の両連結辺部のうちいずれか一方の連結辺部に支持されている請求項1〜4のいずれかに記載のベッドの荷重検出器。
【請求項6】
ベッド設置面上に載置される基板部と、
基板部にベッド設置面に対して上方に離間した状態に略水平状に支持された片持ち梁部と、
片持ち梁部の先端部に配置され、ベッドの脚部が載置される載置板部と、
片持ち梁部の歪みを検出し、ベッドの脚部に掛かる荷重の検出に用いられる信号を出力する歪み検出センサと、を備えたベッドの荷重検出器の製造方法であって、
片持ち梁部は展伸材からなり、
載置板部は鋳造材からなり、
片持ち梁部と載置板部を一体化することを特徴とするベッドの荷重検出器の製造方法。
【請求項7】
片持ち梁部と載置板部を摩擦撹拌接合により接合一体化する請求項6記載のベッドの荷重検出器の製造方法。
【請求項8】
片持ち梁部は展伸材としてアルミニウム押出材からなる請求項6又は7記載のベッドの荷重検出器の製造方法。
【請求項9】
載置板部は鋳造材としてアルミニウムダイカスト材からなる請求項6〜8のいずれかに記載のベッドの荷重検出器の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれかに記載のベッドの荷重検出器と、
荷重検出器の歪み検出センサからの出力信号に基づいて、被験者の在床状況を演算する演算手段と、を備えていることを特徴とするベッドの在床状況検出装置。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれかに記載のベッドの荷重検出器をベッド設置面上に載置するとともに、該荷重検出器の載置板部上にベッドの脚部を載置し、この状態で、荷重検出器の歪み検出センサからの出力信号を用いて被験者の在床状況を検出することを特徴とするベッドの在床状況検出方法。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれかに記載のベッドの荷重検出器と、
荷重検出器の歪み検出センサからの出力信号に基づいて、被験者の在床状況を演算する演算手段と、
演算手段の演算結果を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とするベッドの在床状況監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−12202(P2008−12202A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−188810(P2006−188810)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】