説明

ベルト装置及び画像形成装置

【課題】トナー飛散を大きく低減させ、装置内汚れを防止し、且つベルトの蛇行・乗り上げによる端部の破損を解決し、低コストで小型化した直接転写のベルト装置及びそれを備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体クリーニング幅より広い幅を有した転写クリーニング部を設け、且つ画像形成部20より上流のローラ上流側でスラスト方向において、転写クリーニング端部よりも内側にベルト押さえ部材67を配置する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、FAXなどの画像形成に用いられることで、トナー像が転写された記録部材を搬送する搬送ベルトを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
記録紙、転写紙、プラスチックシート等の記録部材を搬送する搬送ベルトを有する転写装置で、搬送ベルトにテンションをかける場合、テンションローラにスプリングを取付けてテンションの確保を行っている。
しかしながら、スプリングの公差、部品公差、転写装置自体の取付けバラツキによって搬送ベルトが蛇行し乗り上げることにより、ベルト端部が破損という問題がある。そのため、搬送ベルトの搬送性を確保するために、搬送ベルトの内側にビードを取付ける方式やベルト表面に押さえ部材を取付ける方式、ベルトの蛇行を補正する方式がとられている事は既に知られている。
しかし、今までのビードを取付ける方式では、ベルトにビードを貼り付ける時にベルトを破損してしまうといった生産性の問題や、ビードの削れ粉等がベルト内側に入り込むことにより画像不良が発生するといった問題があった。
また、ベルト表面に押さえ部材を取付ける方式では、感光体クリーニング部材の端部から漏れたトナーが、押さえ部材に付着し、ある程度の量になると飛散して、画像形成装置内を汚ごすことがある。その問題を解決するためには作像領域より外側に前記押さえ部材を配置する必要がありマシン本体の大きさが大きくなるといった問題があった。
更に、蛇行補正機構方式では、補正機構を構成するためにコストが高くなるといった問題があった。
【0003】
特許文献1では、搬送ベルト内周面側にベルトの蛇行を規制するガイド部材を少なくとも1つ備えたベルト部材と、ガイド部材をガイドするガイド部を備えた複数のローラと、複数のローラのうち少なくとも1本を駆動する駆動手段とを有し、ベルト部材を該複数のローラで張架し回動移動するベルトユニットにおいて、ローラのベルト張架部分にベルトと供回りをするとともに、ベルト外周面側からガイド部材を押圧する押圧部材を設け、ベルトの蛇行を抑制することができるベルトユニットおよびそれを備える画像形成装置を提供している。
しかし、直接転写装置をおいて構成した場合、画像作像領域より外側に配置しなければいけないため、本体サイズが大きくなるという問題は解消できていない。
【0004】
特許文献2では、搬送ベルトが張架されたローラの端部の移動量を細かく制御して、搬送ベルトの蛇行の補正を高い精度で行うことができる蛇行補正機構を装置した転写装置を提供している。搬送ベルトが張架された複数のローラのうち、ローラ軸の一端部に取付けられてローラ軸の一端部をローラ軸にほぼ直交する方向に移動させることにより、回転中の搬送ベルトの蛇行を補正する。ローラ軸の一端部を回転可能に支持する軸受部と立体カムのカム面及びガイド面に接離可能な当接部とを有する揺動アームと、立体カムを付勢して揺動アームの当接部にガイド面を押圧するカム付勢部材と、揺動アームの当接部をカム面に押圧させる押圧手段とを備える転写装置を提供している。
しかし、蛇行補正機構を取付けた場合、本体サイズが大きくなることや部品数が多くなるため、大型化しコストが高くなるという問題は解消できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、感光体クリーニング部材の端部からのトナー飛散を大きく低減させて画像形成装置内汚れを防止し、ベルトの蛇行・乗り上げによるベルト端部の破損を抑える画像形成装置を提供することである。
また、ベルト端部の破損を抑える機能を備えるにあたり部品の数を減らして、小型化とコストの低い画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の画像形成装置は、潜像を担持する像担持体と、該像担持体に潜像を形成する露光装置と、前記像担持体に形成された潜像をトナーで現像し、可視像化する現像装置と、前記像担持体の可視したトナー像を記録部材に転写する転写装置と、前記像担持体上の転写残トナーをクリーニングする像担持体クリーニング部材を有するクリーニング装置と、を備える画像形成装置において、前記転写装置が、記録部材を搬送する少なくとも2本のローラで張架されるベルトと、前記記録媒体の非搬送面側に、前記ベルト上の未転写トナーをクリーニングするベルトクリーニング部材と、前記ローラの少なくとも1つには、軸方向端部に前記ベルトの端面を突き当てる突き当て部材と、前記突き当て部材と前記ベルトとの接触位置近傍には、前記ベルトの厚さ方向で前記ベルト表面から押圧して前記ベルトに発生するうねりを抑止する押さえ部材とを有し、前記ベルトクリーニング部材を前記ベルトと前記記録部材の分離点と前記押さえ部材の間に配置し、前記押さえ部材の内側端部は前記ベルトクリーニング部材の端部よりも内側に配置していて、かつ、前記ベルトクリーニング部材の幅が、前記像担持体クリーニング部材の幅よりも広いことを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記押さえ部材は、前記ベルトの前記記録部材の非搬送面側に配置することを特徴とする
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記押さえ部材は、前記ベルトに接触可能な摺動部材であることを特徴とする
【0007】
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記摺動部材は、少なくとも前記ベルトとの接触面にフェルトが用いられることを特徴とする
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記押さえ部材は、前記ベルトに接触しながら該ベルトの移動に連動する回転部材であることを特徴とする
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記回転部材は、少なくとも前記ベルトとの接触面にスポンジ材が用いられることを特徴とする
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記押さえ部材が、前記ローラ及び前記ベルトとは別に設けられている不動部材により支持されていることを特徴とする
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記押さえ部材は、前記ベルトに対して着脱可能に設けられていることを特徴とする
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記押さえ部材は、前記ベルトの厚さ方向で該ベルトの表面に向け付勢されていることを特徴とする
【発明の効果】
【0008】
上記課題を解決する手段である本発明によって、以下のような特有の効果を奏する。
本発明の画像形成装置は、感光体に対するクリーニング部材の端部から漏れたトナーによる飛散汚れを大幅に低減することができる。
また、本発明の画像形成装置は、ベルト押さえ部材の配置によりベルトの乗り上げを防止して、搬送ベルトの片寄りによる破損を防止することができる。
さらに、本発明の画像形成装置は、ベルトクリーニング部材の端部より内側にベルト押さえ部材を配置することで、小型化及び低コストが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の画像形成装置におけるテンションローラと搬送ベルトとの構成を示す図であり、(a)はその斜視図で、(b)は正面からの断面図である。
【図3】本発明の画像形成装置におけるベルトクリーニング部と押さえ部材の位置関係を示す図である。
【図4】本発明の画像形成装置における押さえ部材の構成を示す図である。
【図5】本発明の画像形成装置における押さえ部材とベルトクリーニング部材と、感光体クリーニング部材とベルトクリーニング部材の位置関係を示す図である。
【図6】本発明のベルト装置の直接転写システムでの押さえ部材の形状例を示す図である。
【図7】本発明のベルト装置の直接転写システムでの押さえ部材の設置構造構成を示す図である。
【図8】本発明の画像形成装置における押さえ部材の他の実施形態の構成を示す図であり、(a)ホルダ部を軸受に配置し、(b)ホルダ部を板金に配置し、(c)ホルダ部を突き当て部材であるフランジに配置している図である。
【図9】本発明のベルト装置の直接転写システムでの押さえ部材の着脱構造を示す図である。
【図10】本発明のベルト装置の直接転写システムでの押さえ部材に加圧力を付与する構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0011】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態であって、搬送ベルトを用いる構成を示す概略図である。図1には、搬送ベルトを有する代表的なタンデム型画像形成装置を一実施形態として説明する。
本発明の実施に係る画像形成装置1は、上の方から、トナー画像を形成する画像形成部3、そして、その下に記録紙等の記録部材9を備え、供給する給紙部2が配置されている。この他に、図示しないが、置かれた原稿を自動的に搬送する自動原稿搬送装置(ADF)と、原稿を読み取るスキャナ(読取装置)を設けていてもよい。
画像形成装置1は、その中央部に画像形成部3が配置されている。画像形成部3では、その内部の略中央に、プロセスカートリッジとしての作像ユニット10をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーに対応した4つを水平な横方向に並列に並べたタンデム型に配列している。
4つの作像ユニット10Y、10C、10M、10Kの上方には、帯電した像担持体である感光体11の表面に各色の画像データに基づいて露光をし、潜像を形成する露光装置12が備えられている。
また、4つの作像ユニット10Y、10C、10M、10Kの下方には、ローラ641、642に掛け回して支持して回転駆動させているポリイミドやポリアミド等の耐熱性材料からなり、電気抵抗を調整した基体からなる無端状ベルトを搬送ベルト61として備える転写装置60を配置している。
各作像ユニット10Y、10C、10M、10Kは、感光体11Y、11C、11M、11Kを有し、各感光体11の周りには、感光体11表面に電荷を与える帯電装置13Y、13C、13M、13K、感光体11表面に形成された潜像を各色トナーで現像してトナー像とする現像装置20Y、20C、20M、20K、感光体11表面に、図示しない潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置、トナー像転写後の感光体11表面のクリーニングをするクリーニングブレードである感光体クリーニング部材31Y、31C、31M、31Kを備えるクリーニング装置30Y、30C、30M、30Kがそれぞれ配置されている。これで、それぞれが一つの作像ユニット10Y、10C、10M、10Kを形成している。
これらは、着脱可能にすることで、画像形成装置1に対するプロセスカートリッジとして用いることができる。
いずれの作像ユニット10でも同様の構成であるので、この図においては、色の区別に関係ない場合はY、C、M、Kの表示を省略する。
【0012】
感光体11は、アモロファスシリコーン、セレン等の金属、または、有機感光体であり、ここでは、有機感光体で説明する。有機感光体11としては、円筒形のドラム形状であり、所定の線速、ここでは、線速50mm/sで回転している。導電性支持体上に、フィラー分散した樹脂層、電荷発生層及び電荷輸送層を有する感光層、その表面にフィラーを分散させた保護層を有する。
感光層は電荷発生物質と電荷輸送物質を含む単層構成の感光層でも構わないが、電荷発生層と電荷輸送層で構成される積層型が感度、耐久性において優れている。
電荷発生層は、電荷発生能を有する顔料を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。結着樹脂としてはポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等があげられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100質量部に対し0〜500質量部、好ましくは10〜300質量部が適当である。
また、電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。結着樹脂としてはポリスチレン、スチレン−アクリルニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、保護層が感光層の上に設けられることもある。保護層を設け、耐久性を向上させることによって、本発明の高感度で異常欠陥のない感光体11を有用に用いることができる。
保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネートもしくはポリアリレートが最も良好に使用できる。保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、シリカ等の無機フィラー、また有機フィラーを分散したもの等を添加することができる。保護層中のフィラー濃度は使用するフィラー種により、また感光体11を使用する電子写真プロセス条件によっても異なるが、保護層の最表層側において全固形分に対するフィラーの比で5質量%以上、好ましくは10質量%以上、50質量%以下、好ましくは30質量%以下程度が良好である。
【0013】
潜像形成手段である露光装置12により画像情報が露光され、静電潜像が形成される。この潜像形成は、レーザーダイオード(LD)を用いたレーザービームスキャナやLEDなどでおこなわれる。
帯電装置13は、帯電部材として導電性芯金の外側に中抵抗の弾性層を被覆して構成される帯電ローラを備える。帯電ローラは、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が印加される。このイオンを放電する帯電ローラは、材質としては弾性樹脂ローラを用いている。また、帯電ローラは電気抵抗の調整のために、カーボンブラック等の無機導電材、イオン導電材を含有することがある。
また、帯電ローラは、感光体11に対して微小な間隙をもって配設される。この微小な間隙は、例えば、帯電ローラの両端部の非画像形成領域に一定の厚みを有するスペーサ部材を巻き付けるなどして、スペーサ部材の表面を感光体11表面に当接させることで、設定することができる。また、帯電ローラは、感光体に近接させずに、接触させても良い。ローラ形状であり、感光体11に近接している部分で、放電して、感光体11を帯電させることができる。また、近接させて非接触にすることで、帯電ローラの転写残トナーによる汚れの発生を抑えることができる。また、帯電ローラには、帯電ローラ表面に接触してクリーニングする図示しない帯電クリーナローラが設けても良い。
現像装置20は、一成分現像剤を用いている。一成分現像剤では、磁性トナー、非磁性トナーのどちらを用いても良い。本発明の現像装置20では、キャリアという攪拌・混合媒体を用いることなく、現像剤を現像装置20内でストレスを与え、かつ滞留するようなことのないように、スムーズに搬送させるものである。現像装置20内に補給されたトナーは、現像剤供給ローラによって搬送され、現像スリーブ上に担持されて、感光体11と対向する領域に搬送される。ここで、現像スリーブは、感光体11と対向する領域において感光体11の表面よりも速い線速で同方向に表面移動する。そして、現像スリーブ上のトナーが、感光体11の表面を摺擦しながら、トナーを感光体11の表面に供給する。このとき、現像スリーブには、図示しない電源から現像バイアスが印加され、これにより現像領域には現像電界が形成される。そして、感光体1上の静電潜像と現像スリーブとの間では、現像スリーブ上のトナーに静電潜像側に向かう静電力が働き、トナーは、感光体11上の静電潜像に付着することになる。このときに、それぞれ対応する色のトナー像に現像される。
また、キャリアを含む二成分現像剤を用いる現像装置20は、感光体11と対向する位置に、図示しないが内部に磁界発生手段を備える現像スリーブが配置されている。現像スリーブの下方には、図示しないトナーボトルから投入されるトナーを現像剤と混合し、攪拌しながら現像スリーブへ汲み上げる機構を併せて有する攪拌・搬送スクリューが備えられている。現像スリーブによって搬送されるトナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤は、規制部材によって所定の現像剤層の厚みに規制され、現像スリーブに担持される。現像スリーブは、感光体11との対向位置において同方向に移動しながら、現像剤を担持搬送し、トナーを感光体11に作用させて、感光体11上の静電潜像に付着することになる。
【0014】
感光体11のクリーニング装置30は、感光体11上の残留トナーをクリーニングするクリーニングブレードである感光体クリーニング部材31及びそのブレードを保持する図示しないホルダー等で構成され、感光体11に対してその感光体クリーニング部材31を圧接させることにより、感光体11から残留トナーを除去する。また、ク感光体クリーニング部材31が感光体11と当接・離間する機構を備え、画像形成装置1の制御部にて、任意に当接・離間させることができる。感光体クリーニング部材31をカウンタ方式で、感光体11に当接し、これによって、感光体11上に残留するトナー、汚れとして付着している記録部材9のタルク、カオリン、炭酸カルシウム等の添剤を感光体11から除去してクリーニングする。除去したトナー等は、図示しない廃トナー回収コイルで、図示しない廃トナー容器に搬送し、貯留する。
クリーニング装置30によりクリーニングされて感光体11から取り除かれたトナーは、トナー搬送部材によって、サービスマンなどにより回収されるか、あるいはリサイクルトナーとして現像装置などに運ばれ現像に使用される。
【0015】
図2は、本発明の画像形成装置におけるテンションローラと搬送ベルトとの構成を示す図であり、(a)はその斜視図で、(b)は正面からの断面図である。
転写装置60は、記録部材9をタンデム型に配列している各作像ユニット10Y、10C、10M、10Kを経由して定着装置70まで搬送する搬送ベルト61、感光体11上のトナー像を搬送ベルト61上の記録部材9に転写・積層させる転写ローラ等を備えている。
転写ローラ62は、搬送ベルト61を挟んで、各感光体11と対向する位置には、感光体11上に形成されたトナー像を搬送ベルト61上の記録部材9に転写する転写ローラ62Y、62C、62M、62Kがそれぞれ配置されている。転写ローラ62は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が印加される。印加する電圧の極性としては、トナーの電荷の極性とは逆の極性で、感光体11から搬送ベルト61側に引き寄せ移行させることで転写する。ここでは、単独の高圧電源から供給される所定の転写バイアス+400〜+2500Vを印加させることで、転写電界を形成し、感光体11上のトナー像を記録部材9に順次転移させることでフルカラー画像が形成される。
搬送ベルト61は、後ほど詳細を説明するが、テンションローラ641、駆動ローラ642、にて張架されており、図示しない駆動モータにより駆動ローラ642を介して回転駆動されるようになっている。ベルト張力としてテンションローラ641の両側にてばねにより加圧している。テンションローラ641は、直径Φ19mm、軸方向の幅231mmのアルミニウム製パイプ形状である。両端部には、(b)に示すように、直径Φ22mmのフランジ66が圧入され搬送ベルト61の蛇行を規制する突き当て部材66としている。
【0016】
駆動ローラ642は、ポリウレタンゴム(肉厚0.3〜1mm)、薄層コーティングローラ(肉厚0.03〜0.1mm)等が使用可能であるが、本実施形態としては温度による径変化が小さいウレタンコーティングローラ(肉厚0.05mm、直径Φ19)を使用した。
転写ローラ62として、導電スポンジローラ、導電ソリッドローラが使用可能である。
導電スポンジローラの場合、SUS等の金属製芯金上に、導電性材料によって10〜1013Ωの抵抗値に調整された弾性体を被覆することで構成されている。その材料としては、イオン導電性ローラ(ウレタンにカーボン分散、NBR、ヒドリン)や電子導電タイプのローラ(EPDM)等が用いられ、アスカーC硬度35°〜60°であり感光体11上のトナー画像を搬送ベルト61に転移させる。
このように転写ローラ62は電気抵抗の調整のために、カーボンブラック等の無機導電材、イオン導電材を含有させ、半導電性にすることが好ましい。転写ローラ62の抵抗値が異なっていても転写効率はほとんど変わらないが、画像面積比が異なると転写効率は大きく異なってくるため、安定して転写効率を維持できない。これは、転写ニップ部においてトナーが介在しない部分に電流が優先的に流れてしまう結果、画像面積比が小さい場合には転写電圧値が低くなって転写に必要な電界が十分得られなくなるためである。特に、転写ローラ62の抵抗値が低い場合には転写部に介在するトナーの抵抗値の影響が大きくなるため、転写ローラ62の抵抗値が低い場合ほど顕著になる。
【0017】
さらに、この画像形成装置1には、搬送ベルト61に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置が設けられている。潤滑剤塗布装置67は、固定されたケースに収容された固形潤滑剤と、固形潤滑剤に接触して潤滑剤を削り取り、搬送ベルト61に塗布するブラシローラとブラシローラで塗布された潤滑剤を均す潤滑剤塗布ブレードを備える。固形潤滑剤は、直方体状に形成されており、加圧バネによってブラシローラ側に付勢されている。固形潤滑剤はブラシローラによって削り取られ消耗し、経時的にその厚みが減少するが、加圧バネで加圧されているために常時ブラシローラに当接している。ブラシローラは、回転しながら削り取った潤滑剤を搬送ベルト61表面に塗布する。なお、同様の機能を有する潤滑剤塗布装置を感光体11に対して配設してもよい。本実施形態においては、上記ブラシローラによる潤滑剤塗布位置に対して移動方向の下流側の搬送ベルト61表面に潤滑剤均し手段としての不図示の潤滑剤塗布ブレードを当接させている。潤滑剤塗布ブレードは弾性体であるゴムから構成されているものであり、クリーニング手段としての機能も持たせ、搬送ベルト61の移動方向に対してカウンタ方向に当接してある。上記固形潤滑剤としては、乾燥した固体疎水性潤滑剤を用いることが可能であり、ステアリン酸亜鉛の他にも、ステアリン酸、オレイン酸、パルチミン酸等の脂肪酸基を有する金属化合物なども使用できる。さらに、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、オオバ油、みつろう、ラノリンなどのワックス等も使用できる。
【0018】
また、搬送ベルト61に対してトナーマークセンサ65が設けられている。画像形成装置1の中央部やや右下にトナーマークセンサ65がある。トナーマークセンサ65は正反射型や拡散型センサによって搬送ベルト61上のトナー像濃度、各色位置測定をおこない、画像濃度や色合わせを調整する。
トナーマークセンサ65の左には、転写後の搬送ベルト61の表面をクリーニングするベルトクリーニング部材631を備える図示しない搬送ベルトクリーニング装置63が設けられている。また、ベルトクリーニング部材631は、ローラ64が搬送ベルト61と当接・離間する機構を備え、画像形成装置1本体の制御部にて、任意に当接・離間させることができる。
ベルトクリーニング部材631は搬送ベルト61上のトナーを掻き取ることでクリーニングをおこなう。ベルトクリーニング部材631の材質としては、厚さ1.5〜3mm、ゴム硬度65〜80°のウレタンゴムを使用し、搬送ベルト61に対してカウンタ当接させている。掻き取られた転写残トナーは図示しないトナー搬送経路を通り図示しない転写体用廃トナー収納部に収納される。搬送ベルト61のクリーニングニップ部に該当する部分、あるいはベルトクリーニング部材631のエッジ部の少なくとも一方は、組み付け時に潤滑剤、トナー、ステアリン酸亜鉛等の塗布剤が塗布されており、クリーニングニップ部におけるブレード捲れ上がりを防止するとともに、クリーニングニップ部にダム層を形成しクリーニング性能を高めている。
なお、搬送ベルト61を張架している各ローラは、図示しない搬送ベルトユニット側板によって搬送ベルト61の両側より支持されている。
【0019】
搬送ベルト61に用いる材質としては、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、TPE(熱可塑性エラストマー)等にカーボンブラック等の導電性材料を分散させ樹脂フィルム状のエンドレスベルトとしたものが用いられる。本実施形態では引張弾性率1000〜2000MPaのTPFにカーボンブラックを添加した単層構造の構成で厚さ90〜160μm、幅230mmのベルトを用いた。
また、搬送ベルト61の抵抗としては、23℃50%RHの環境にて体積抵抗率10〜1013Ω・cm、表面抵抗率1010〜1014Ω/□(共に三菱化学社製HirestaUpMCP−HT450にて測定、印加電圧500V、印加時間10秒)の範囲であることが望ましい。搬送ベルト61の体積抵抗率および表面抵抗率が上述した範囲を超えると、搬送ベルト61が帯電するため、作像順の下流へ行くほど、設定電圧値を高く設定するなどの処置が必要となるため転写部へ単独の供給電源を使用する事が困難となる。これは転写工程、記録部材剥離工程などで発生する放電によって搬送ベルト61表面の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるためであり、対策には搬送ベルト61に除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー層に十分な転写電界がかからなかったり、またトナーの飛び散りが発生してしまう。従って、本発明における搬送ベルト61の体積抵抗率および表面抵抗率は上記範囲内とした。
【0020】
記録部材9は、給紙トレイ80または手差しトレイ87に保持されており、給紙ローラ82または手差し給紙ローラ82によって、レジストローラ対84まで搬送され、感光体11上のトナー像先端部が転写部に到達するタイミングに合わせて給紙される。その後は、転写装置60の次ぎには、記録部材9上のトナー像を記録部材9に半永久的に定着させる定着装置70が備えられている。定着装置70は、図示しないが、主に、内部にハロゲンヒータを有する定着ローラ71と、これに対向し、圧接して配置される加圧ローラ72とから構成されている。定着装置70は、フルカラーとモノクロ画像、あるいは片面か両面かにより定着条件を制御したり、記録部材の種類に応じて最適な定着条件となるよう、不図示の制御手段により制御される。記録部材9に画像を転写し定着した後に、排紙ローラ85によって排紙トレイ86上に最終的に排出される。
【0021】
図3は、本発明の画像形成装置における転写装置の構成を示す図である。
図3に示すように、トナー像をクリーニングするためのクリーニング部材621と、複数の感光体11Y、11C、11M、11Kと、感光体11Y、11C、11M、11Kに保持されたトナー像を記録部材9上に重畳転写するための転写装置60からなる。
転写装置60は記録部材9を搬送するためのテンションローラ641、駆動ローラ642で張架された搬送ベルト61と、記録部材9の非搬送面側に、搬送ベルト61上のトナー像を清掃するためのクリーニング部材621を有している。
この場合、非搬送面側とは、記録部材9が搬送されることがない搬送ベルトの部分を示しており、図3では、下側に存在する搬送ベルト61であって、回転方向に対して駆動ローラ642からテンションローラ641までの部分を示している。
感光体11の図示しないクリーニング部材の幅よりも搬送ベルト61のクリーニング部材621の幅を広くしている。
また、ローラ64の少なくとも1つには、軸方向端部に搬送ベルト61の端面を突き当てることが可能な、図示しない突き当て部材としてフランジ66を有している。
このフランジ66は、その搬送ベルト61を張架しているローラ64のエッジやローラ64の端部に設けて、突き当たるガイドにすることで、搬送ベルト61の蛇行を規制する突き当て部材としている。
【0022】
さらに、フランジ66と搬送ベルト61との接触する位置の近傍には、搬送ベルト61の表面から押圧して搬送ベルト61に発生するうねりを抑止する押さえ部材67を設けている。
図4は、本発明の画像形成装置における押さえ部材の一実施形態の構成を示す図である。
図4に示すように、テンションローラ641に装備されているフランジ66と搬送ベルト61とが接触している位置の近傍に押さえ部材67が設けられている。
この押さえ部材67は、搬送ベルト61の厚さ方向で、搬送ベルト61の表面側から、ここでは、テンションローラ641の中心に向かって押圧して搬送ベルト61に発生するうねりを抑止する。押さえ部材67は、突き当て部材に相当するフランジ66に当接する搬送ベルト61の端面近傍が押さえられる位置となるように配置されている。
このために、押さえ部材67は、ホルダ部材68に保持されて、このホルダ部材68を介して、搬送ベルト61を押圧するように設けられている。
押さえ部材67は、搬送ベルト61の表面を押圧する際に、搬送ベルト61の移動に抵抗とならないように摺動可能な摺動部材671を用いている。摺動部材671の材質として、摺動性樹脂である摺動ポリアセタール(POM)、摺動アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)や、天然の繊維、合成樹脂の繊維を用いるフェルト材等が用いられる。
また、本発明の画像形成装置1では、ベルトクリーニング部材631を搬送ベルト61と記録部材9の分離点601と押さえ部材67の間に配置している。図4中で、回転方向を矢印で示している。
これは、搬送ベルト61で搬送されている記録部材9を分離する際に、感光体11は記録部材9より軸方向の幅が広いことから、搬送ベルト61上の記録部材9の部分以外のところに転写トナーが残留していることがある。また、転写紙等の記録部材9では、炭酸カルシウム、タルク、カオリン等の添剤を含有している。これらの添剤が、転写ローラ62等による転写バイアスで記録部材9から分離して搬送ベルト61に転移することがある。これらは、硬度が高い硬い物もあり、そのまま押さえ部材67に接触、摺動することで、搬送ベルト61を研摩することがある。したがって、分離点601と押さえ部材67の当接・摺動部との間に、ベルトクリーニング部材631を配置することで、搬送ベルト61の摩耗、トナーの飛散を防ぐことができる。
【0023】
また、本発明の画像形成装置1では、押さえ部材67の内側端部は、ベルトクリーニング部材631の端部よりも内側に配置している。
図5は、本発明の画像形成装置における押さえ部材とベルトクリーニング部材と、感光体クリーニング部材とベルトクリーニング部材の位置関係を示す図である。
図5に示すように、搬送ベルト61は、テンションローラ641と駆動ローラ642とに張架されている。さらに、搬送ベルト61に対してベルトクリーニング部材631と押さえ部材67とが当接している。このときに、押さえ部材67は、画像形成装置1の内側に向かってその内側端部が、搬送ベルト61に当接しているベルトクリーニング部材631の端部よりも内側に配置している。これによって、ベルトクリーニング部材631で搬送ベルト61上の未転写トナー等の汚れをクリーニングした領域内に押さえ部材67の内側端部を配置することで、搬送ベルト61の摩耗を防ぐことができる。
また、図5に示すように、本発明の画像形成装置1では、ベルトクリーニング部材631の幅が、感光体クリーニング部材31の幅よりも広いしている。
これによって、搬送ベルト61と記録部材9の分離点と押さえ部材67の間に、搬送ベルト61のクリーニング部材631を配置し、スラスト方向においては押さえ部材67の内側端部が搬送ベルト61のクリーニング部材631の端部よりも内側に配置されている。搬送ベルト61のクリーニング部材631の幅は、感光体11のクリーニング部材31の幅よりも広いため、感光体11のクリーニング部材31の端部からもれたトナーは搬送ベルト61のクリーニング部材631によってクリーニングされる。そのため、押さえ部材67にトナーが突入して飛散することを低減することができる。
【0024】
図6は、本発明の画像形成装置における押さえ部材の他の実施形態の構成を示す図である。図6に示すように、押さえ部材67は、搬送ベルト61を押圧しながら従動して回転可能な回転部材672で構成されている。押さえ部材67は、ホルダ部材68に回転自在に支持されている回転軸681が挿通されて回転できるようになっていて、搬送ベルト61の移動に従動して回転する。
押さえ部材67として用いられるこの回転部材672は、材質として、搬送ベルト61の移動を阻害しない摺動性の高い材質である摺動ポリアセタール(POM)、摺動アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)や、合成樹脂の摺動スポンジ等を用いているが、本発明の搬送ベルト61と押さえ部材67との接触面にはスポンジ材を用いている。
【0025】
図7は、本発明の画像形成装置における押さえ部材の他の実施形態の構成を示す図である。図7に示すように、押さえ部材67は、テンションローラ641および搬送ベルト61とは別に設けられている不動部材69により支持されている。
不動部材69は、ここでは、搬送ベルト61を備える転写装置60の本体の側板で構成されている。また、不動部材69は、転写装置60が備えるローラ64の軸受、画像形成装置1の本体フレームでも良い。
また、テンションローラ641とテンションローラ641のフランジ66が非従動の場合は、不動部材69はフランジ66でも良い。この不動部材69において搬送ベルト61の幅方向両側若しくは片側に取付けられたホルダ部材68と一体構造により前述した押さえ部材67が設置されている。
【0026】
図8は、本発明の画像形成装置における押さえ部材の他の実施形態の構成を示す図であり、(a)ホルダ部を軸受に配置し、(b)ホルダ部を板金に配置し、(c)ホルダ部を突き当て部材であるフランジに配置している図である。
また、他の実施形態の1つとして、(a)に示すように、押さえ部材67は、フランジ66の外側に位置する軸受643に固定されたホルダ部材68により、搬送ベルト61を押圧している。押さえ部材67が、フランジ66を越えて配置することで搬送ベルト61に対して押さえ部材67を固定することができる。これにより、押さえ部材67で搬送ベルト61の端部の寄り規制部であるフランジ66での座屈を抑制することができる。安価・小型構成でベルト装置・製品寿命を延ばすことができる。
また、(b)に示すように、押さえ部材67を搬送ベルト61に押圧するホルダ部材68を板金644に配置している。板金644は、非従動であり、この場所に押さえ部材67を設置することで、搬送ベルト61の端部のフランジ66での座屈を抑制することができる。
さらに、(c)に示すように、フランジ66がテンションローラ641に対して非従動であるように構成されており、押さえ部材67はフランジ66上に固定されたホルダ部材68により、搬送ベルト61の端部に備え付けられる。ホルダ部材68はスナップフックやネジ、接着剤等で固定されている。押さえ部材67はフランジ66と搬送ベルト61に接触する部分で少なくとも一つ配置した。フランジ66の場所に押さえ部材67を設置することで、フランジ66で搬送ベルト61の寄りによる座屈を抑制することができる。
これらにより、押さえ部材67にトナーが堆積し、その後トナーが飛散することによって、転写装置60の内側や画像形成装置1の内部が汚れ、通電不良やプロコンエラーなどが発生することを防ぐことができ、かつ、最小限の構成で搬送ベルト61の端部座屈を抑制することができ、長期間に渡って安定したベルト駆動をおこなうことが可能となる。
【0027】
図9は、本発明の画像形成装置における押さえ部材の他の実施形態の構成を示す図である。図9に示すように、不動部材69に対して着脱させれば、搬送ベルト61に対して押さえ部材67を接離可能に設けることもでき、押さえ部材67の摩耗などにより交換が必要となった際の便宜を図れるようにすることも可能である。これにより、交換対象となる部品のみを取り外すことができるので、新規部品の追加を最小限とすることでコスト上昇を防止することができる。
【0028】
図10は、本発明の画像形成装置における押さえ部材の他の実施形態の構成を示す図である。図10に示すように、不動部材69に一体化されているホルダ部材68と押さえ部材67との間に配置されたバネなどの弾性体682を配置している。この構成においては、押さえ部材67を搬送ベルト61の厚さ方向に変位させることができる。さらに、弾性体303の形状復元力を利用することができるので、テンションローラ641の偏心などによる搬送ベルト61の表面と押さえ部材67との間の間隙の変化に関係なく常に押さえ部材67を搬送ベルト61の表面に押し付けることができるので、搬送ベルト61に発生しようとする座屈変形を抑止することができる。
【0029】
次に本発明の画像形成動作にいて説明する。
帯電装置13は、感光体11の表面に圧接されており、感光体11の回転により従動回転している。帯電装置13には図示しない高圧電源により所定のバイアスが印加され、感光体11の表面を所定電位に一様に帯電する。その後、感光体11は露光装置12により与えられる露光に応答して、その表面に静電潜像パターンを形成する。現像装置20には現像ローラが感光体11の表面に圧接して備えられており、図示しない高圧電源により所定の現像バイアスが印加されている。現像ローラ上に供給されたトナーは、現像バイアス電位のもとで感光体11の静電潜像パターンに付着し、トナー像を形成する。
転写ローラ62は図示しない高圧電源により一次転写バイアスが印加され、感光体11のトナー像は搬送ベルト61面に転写される。搬送ベルト61は駆動ローラ642中の矢印方向に回転駆動されるようになっている。
このときに、テンションローラ641の端部に設けられているフランジ66で、搬送ベルト61の寄りを規制し、ベルトの破損を防止している。さらに、ホルダ部材68に設けられた押さえ部材67が、搬送ベルト51に押圧して、搬送ベルト61の端部座屈を抑制することができ、長期間に渡って安定したベルト駆動をおこなうことが可能となる。
搬送ベルト61表面に形成されたトナー像は、転写ローラ62に電圧を印加することにより記録部材9に転写され、定着装置70にて定着され出力される。クリーニング装置30のクリーニング部材31は感光体11表面の転写残トナーのクリーニングをおこなう。
【符号の説明】
【0030】
1 画像形成装置
2 給紙部
3 画像形成部
4 スキャナ部
401 コンタクトガラス
5 原稿自動搬送装置(ADF)
9 記録部材
10 作像ユニット(プロセスカートリッジ)
11 感光体
12 露光装置
13 帯電装置
20 現像装置
30 クリーニング装置
60 転写装置
601 分離点
61 搬送ベルト
62 転写ローラ
63 ベルトクリーニング装置
631 ベルトクリーニングブレード
64 ローラ
641 テンションローラ
642 駆動ローラ
643 軸受
644 板金
65 トナーマークセンサ
66 フランジ
67 押さえ部材
671 摺動部
672 回転部
68 ホルダ部材
681 回転軸
682 弾性体
69 不動部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】特開2005−092029号公報
【特許文献2】特開2009−184767号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像を担持する像担持体と、
該像担持体に潜像を形成する露光装置と、
前記像担持体に形成された潜像をトナーで現像し、可視像化する現像装置と、
前記像担持体の可視したトナー像を記録部材に転写する転写装置と、
前記像担持体上の転写残トナーをクリーニングする像担持体クリーニング部材を有するクリーニング装置と、を備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
前記転写装置が、記録部材を搬送する少なくとも2本のローラで張架されるベルトと、
前記記録媒体の非搬送面側に、前記ベルト上の未転写トナーをクリーニングするベルトクリーニング部材と、
前記ローラの少なくとも1つには、軸方向端部に前記ベルトの端面を突き当てる突き当て部材と、
前記突き当て部材と前記ベルトとの接触位置近傍には、前記ベルトの厚さ方向で前記ベルト表面から押圧して前記ベルトに発生するうねりを抑止する押さえ部材とを有し、
前記ベルトクリーニング部材を前記ベルトと前記記録部材の分離点と前記押さえ部材の間に配置し、
前記押さえ部材の内側端部は前記ベルトクリーニング部材の端部よりも内側に配置していて、かつ、
前記ベルトクリーニング部材の幅が、前記像担持体クリーニング部材の幅よりも広い
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記押さえ部材は、前記ベルトの前記記録部材の非搬送面側に配置する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記押さえ部材は、前記ベルトに接触可能な摺動部材である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記摺動部材は、少なくとも前記ベルトとの接触面にフェルトが用いられる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記押さえ部材は、前記ベルトに接触しながら該ベルトの移動に連動する回転部材である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記回転部材は、少なくとも前記ベルトとの接触面にスポンジ材が用いられる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4又は6に記載の画像形成装置において、
前記押さえ部材が、前記ローラ及び前記ベルトとは別に設けられている不動部材により支持されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記押さえ部材は、前記ベルトに対して着脱可能に設けられている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記押さえ部材は、前記ベルトの厚さ方向で該ベルトの表面に向け付勢されている
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−232477(P2011−232477A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101686(P2010−101686)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】