説明

ホームコントロールシステム、ホームコントロール方法およびホームコントローラ用プログラム

【課題】住戸内の在居者に応じて動的かつリアルタイムに住戸内に配置した各種機器を制御することを課題とする。
【解決手段】入退出管理部52が指紋照合部51による指紋照合結果を利用して在宅状況テーブル62を用いた入退出管理を動的かつリアルタイムにおこなうとともに、制御部53が在宅状況テーブル62内に保持した各居住者の在宅状況に応じてセキュリティシステム10、家電システム20、配送コントローラ40、決済コントローラを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住戸内に配置した各種機器をコントローラに接続し、該コントローラの制御によって前記各種機器の動作制御をおこなうホームコントロールシステム、ホームコントロール方法およびホームコントローラ用プログラムに関し、特に、住戸内の在居者に応じて動的かつリアルタイムに住戸内の各種機器を制御することができるホームコントロールシステム、ホームコントロール方法およびホームコントローラ用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるホームコントローラと呼ばれる制御装置を住戸内に配設し、このホームコントローラを用いてエアコンやガスなどの家電システムを制御する技術が知られている。たとえば、特許文献1には、住戸内にホームコントローラ20を配設するとともに、かかるホームコントローラ20にエアコン12などの家電システムを接続し、外出中のユーザが家庭内にある電子機器を制御できるよう構成したホームコントロールシステムが開示されている。
【0003】
また、上記特許文献1のようにホームコントローラを用いて家電システム等を制御するだけではなく、かかるホームコントローラを用いてホームセキュリティを確保する技術も知られている。たとえば、特許文献2には、住戸内に設置したセンサユニット131等のセキュリティ機器をコントロールユニット110にLAN接続し、利用者が携帯電話機等の操作により外出先からセキュリティ機器を制御できるよう構成したホームセキュリティシステムが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−259678号公報
【特許文献2】特開2004−128821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これら特許文献1および2のものは、各種機器を遠隔制御できるとは言え、その機器設定はあくまでもユーザ自身がおこなわねばならないので、住戸の状況に適合した動的な機器設定をすることができないという問題がある。
【0006】
たとえば、両親が住戸内に在居している場合には、家電システムの制限をなくしセキュリティシステムを解除することが望ましいが、両親が不在で低学年の子供のみが住戸内に在居している場合には、最低限必要な家電システムの稼働のみを許し、セキュリティレベルを上げる必要がある。また、家族全員が外出中であり住戸内の在居者が居ない場合には、一切の家電システムの使用を制限するとともに、セキュリティレベルを上げておく必要がある。
【0007】
このように、住戸内の機器を制御するに際しては、「誰が住戸内に在居しているか」によって動的に変更制御することが望ましいが、上記従来技術では、かかる問題を解決することができない。このため、住戸内の在居者に応じて動的に各種機器を動的に制御することができるホームコントロールシステムをいかにして実現するかが重要な課題となっている。
【0008】
この発明は、上記課題(問題点)に鑑みてなされたものであり、住戸内の在居者に応じて動的かつリアルタイムに住戸内の各種機器を制御することができるホームコントロールシステム、ホームコントロール方法およびホームコントローラ用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、住戸内に配置した各種機器をコントローラに接続し、該コントローラの制御によって前記各種機器の動作制御をおこなうホームコントロールシステムであって、前記住戸の各居住者の身体的特徴に基づいて該居住者の入退出状況を管理する入退出管理手段と、前記入退出管理手段により管理された入退出状況に応じて前記住戸内に配置した一または複数の機器を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記各種機器は、セキュリティシステム、家電システム、配送システムおよび/または決済システムに係る機器であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記入退出管理手段は、各居住者の身体的特徴を登録した登録データを記憶する登録データ記憶手段と、前記居住者が前記住戸から入退出する際に該居住者の身体的特徴を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された身体的特徴を前記登録データ記憶手段に記憶した登録データと照合して入退出者を特定する特定手段と、前記特定手段による特定結果に基づいて各居住者の在宅状況を管理する在宅状況管理手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記身体的特徴は各居住者の指紋であり、前記取得手段は、指紋検出部を含む赤外線通信可能な携帯型リモコン型の鍵を所持する居住者が該鍵と赤外線通信可能な赤外線通信装置が配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを前記赤外線通信装置を介して取得することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記身体的特徴は各居住者の指紋であり、前記取得手段は、指紋検出部を含む非接触ICカードを所持する居住者が該非接触ICカードと通信可能なリーダが配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを前記リーダを介して取得することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記在宅状況管理手段は、各居住者が在宅しているか否か並びに入退出時間を記憶した在宅状況テーブルを用いて各居住者の在宅状況を管理することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、在宅者若しくは在宅者の組み合わせごとに制御対象となる機器を規定したモードテーブルをさらに備え、前記制御手段は、前記入退出管理手段により管理された入退出状況並びに前記モードテーブルに基づいて、前記住戸内に配置した一または複数の機器を制御することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、住戸内に配置した各種機器をコントローラに接続し、該コントローラの制御によって前記各種機器の動作制御をおこなうホームコントロール方法であって、前記住戸の各居住者の身体的特徴に基づいて該居住者の入退出状況を管理する入退出管理工程と、前記入退出管理工程により管理された入退出状況に応じて前記住戸内に配置した一または複数の機器を制御する制御工程とを含んだことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記入退出管理工程は、各居住者の身体的特徴を登録した登録データを格納する登録データ格納工程と、前記居住者が前記住戸から入退出する際に該居住者の身体的特徴を取得する取得工程と、前記取得工程により取得された身体的特徴を登録データと照合して入退出者を特定する特定工程と、前記特定工程による特定結果に基づいて各居住者の在宅状況を管理する在宅状況管理工程とを含んだことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記取得工程は、指紋検出部を含む赤外線通信可能な携帯型リモコン型の鍵を所持する居住者が該鍵と赤外線通信可能な赤外線通信装置が配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを前記赤外線通信装置を介して取得することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記発明において、前記取得工程は、指紋検出部を含む非接触ICカードを所持する居住者が該非接触ICカードと通信可能なリーダが配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを前記リーダを介して取得することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、住戸内に配置した各種機器をコントローラに接続し、該コントローラの制御によって前記各種機器の動作制御をおこなうホームコントローラ用プログラムであって、前記住戸の各居住者の身体的特徴に基づいて該居住者の入退出状況を管理する入退出管理手順と、前記入退出管理手順により管理された入退出状況に応じて前記住戸内に配置した一または複数の機器を制御する制御手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、上記発明において、前記入退出管理手順は、各居住者の身体的特徴を登録した登録データを格納する登録データ格納手順と、前記居住者が前記住戸から入退出する際に該居住者の身体的特徴を取得する取得手順と、前記取得手順により取得された身体的特徴を登録データと照合して入退出者を特定する特定手順と、前記特定手順による特定結果に基づいて各居住者の在宅状況を管理する在宅状況管理手順とを含んだことを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、上記発明において、前記取得手順は、指紋検出部を含む赤外線通信可能な携帯型リモコン型の鍵を所持する居住者が該鍵と赤外線通信可能な赤外線通信装置が配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを前記赤外線通信装置を介して取得することを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、上記発明において、前記取得手順は、指紋検出部を含む非接触ICカードを所持する居住者が該非接触ICカードと通信可能なリーダが配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを前記リーダを介して取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、住戸の各居住者の身体的特徴に基づいて該居住者の入退出状況を管理し、管理した入退出状況に応じて住戸内に配置した一または複数の機器を制御するよう構成したので、住戸内の在居者に応じて動的かつリアルタイムに住戸内の各種機器を制御することができる
【0025】
また、本発明によれば、各種機器をセキュリティシステム、家電システム、配送システムおよび/または決済システムに係る機器としたので、セキュリティシステムや家電システムなどを総合的に動的に制御することができる。
【0026】
また、本発明によれば、各居住者の身体的特徴を登録した登録データを記憶しておき、居住者が住戸から入退出する際に該居住者の身体的特徴を取得し、取得した身体的特徴を登録データと照合して入退出者を特定し、この特定結果に基づいて各居住者の在宅状況を管理するよう構成したので、居住者の入退出を踏まえて正確に在宅状況を管理することができる。
【0027】
また、本発明によれば、指紋検出部を含む赤外線通信可能な携帯型リモコン型の鍵を所持する居住者が該鍵と赤外線通信可能な赤外線通信装置が配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを赤外線通信装置を介して取得するよう構成したので、既存の赤外線通信技術を利用して効率良く入退出管理をおこなうことができる。
【0028】
また、本発明によれば、指紋検出部を含む非接触ICカードを所持する居住者が該非接触ICカードと通信可能なリーダが配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データをリーダを介して取得するよう構成したので、既存の非接触ICカード技術を利用して効率良く入退出管理をおこなうことができる。
【0029】
また、本発明によれば、各居住者が在宅しているか否か並びに入退出時間を記憶した在宅状況テーブルを用いて各居住者の在宅状況を管理するよう構成したので、各居住者の在宅状況を軽易に管理できるとともに、何らかの問題が発生した場合に居住者の入退出状況を正確に把握することができる。
【0030】
また、本発明によれば、在宅者若しくは在宅者の組み合わせごとに制御対象となる機器を規定したモードテーブルと入退出状況に基づいて、住戸内に配置した一または複数の機器を制御するよう構成したので、居住者がモードテーブルに所望の制御パターンを登録しておくだけで、家庭環境に適合した機器制御を動的かつリアルタイムにおこなうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本発明にかかるホームコントロールシステム、ホームコントロール方法およびホームコントローラ用プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、ここではコントローラによる制御対象が、セキュリティシステム、家電システム、配送システムおよび決済システムである場合を示すこととする。また、以下に示す実施例1では赤外線通信機能を有する携帯型リモコンに本発明を適用した場合を説明し、実施例2では非接触ICカードに本発明を適用した場合を説明する。
【実施例1】
【0032】
図1は、本実施例1にかかるホームコントロールシステムのシステム構成を示すブロック図である。同図に示すホームコントロールシステムは、住戸内に設置されたセキュリティシステム10、家電システム20、配送システム用の配送コントローラ30、決済システム用の決済コントローラ40をホームコントローラ50(以下、「コントローラ50」と言う)により集中制御するシステムである。このコントローラ50は、登録指紋データ61、在宅状況テーブル62およびモードテーブル63を記憶する記憶部60を有する。
【0033】
ここで、このホームコントロールシステムは、住戸内に設置された各種システムを単にコントローラ50により集中制御するものではなく、「住戸内の在居者に応じて動的に各種機器を制御する」点にその特徴がある。たとえば、両親が在居中の場合には、家電システムの制限をなくしセキュリティシステムをオフ制御(解除)し、両親が不在で低学年の子供のみが住戸内に在居している場合には、最低限必要な家電システムの稼働のみを許し、セキュリティシステムをオン制御にし、家族全員が外出中であり住戸内の在居者が居ない場合には、一切の家電システムの使用を制限するとともに、セキュリティシステムをオン制御する。
【0034】
このため、かかるホームコントロールシステムでは、現時点で家族の誰が在居しているかを常に把握する必要が生じる。そこで、本実施例1では指紋センサ付きの携帯型リモコンを鍵として各居住者に渡しておき、居住者の入退出時に鍵を通じて入退出者の指紋データをコントローラ50に送信し、入退出状況をリアルタイムで管理することとしている。具体的には、赤外線通信によって指紋データを授受する赤外線通信装置を玄関ドア付近に配設するとともに、指紋検出部を備えた携帯型リモコンで鍵を形成し、玄関ドアの施錠/開錠時並びに開放された玄関ドアを居住者が通過する際に該居住者の操作に応答して指紋データをコントローラ50に送信することとしている。
【0035】
かかる赤外線通信装置は、玄関ドアの外側と玄関ドアの内側の2カ所に設けられていることが望ましい。この場合には、居住者が玄関ドアのドアロックを外から施錠または開錠する際には玄関ドアの外側に配設した赤外線通信装置を利用し、在宅中の居住者が内側から玄関ドアのドアロックを施錠または開錠する際には玄関ドアの内側に配設した赤外線通信装置を利用することになる。また、居住者が玄関ドアのドアロックを施錠/開錠することなく単に通過する場合には、上記2つの赤外線通信装置のいずれかに鍵(携帯型リモコン)を向けて所定の操作(指紋データ送信行為)をおこなうことになる。
【0036】
なお、本実施例1では、居住者が玄関ドアを通過する際に居住者自身が赤外線通信装置に向けて指紋データを送信する行為をおこなう場合について説明するが、玄関ドア付近に居住者が到来した際に、赤外線通信装置から鍵に対して指紋データを要求し、この要求に応答して鍵から赤外線通信装置に対して自動的に指紋データを赤外線送信するよう構成することにより、居住者自身の操作なしに指紋データを赤外線通信装置に送信することもできる。
【0037】
コントローラ50は、あらかじめ登録された登録指紋データ61と入力指紋データとの照合によって玄関ドアの施錠/開錠制御並びに在宅状況テーブル62の更新をおこない、その在宅状況テーブル62内の在宅状況に適合するように各システムを制御する。具体的には、モードテーブル63には各在宅状況と制御対象の関係が格納されているので、かかるモードテーブル63を参照しつつ各システムの制御をおこなう。
【0038】
図1に示すように、このホームコントロールシステムは、セキュリティシステム10を形成するドアロック制御部11、ドアホン12および警報コントローラ13と、家電システム20を形成するエアコンコントローラ21およびガスコントローラ22と、配送コントローラ30と、決済コントローラ40とをコントローラ50に接続した構成となる。
【0039】
ドアロック制御部11は、コントローラ50からの指示信号に応答して玄関ドア等の施錠制御および開錠制御をおこなう制御部である。具体的には、このドアロック制御部11は、鍵から赤外線送信された指紋データを受信する赤外線通信装置と接続されており、この赤外線通信装置が受信した入力指紋データを受け付けてコントローラ50に送信するとともに、この入力指紋データに応答して返信される指示信号(開錠指示信号または施錠指示信号)に対応する制御をおこなう。なお、ここでは説明の便宜上、ドアロック制御部11の制御対象を玄関ドアとした場合について説明するが、住戸内の他のドアの開閉制御をおこなうこともできる。
【0040】
ドアホン12は、コントローラ50の制御の下に機能する来客対応用のドアホンであり、このドアホン12がオン制御されている場合に呼出部が押下されると室内に呼び出し音を鳴動させるが、このドアホン12がオフ制御されると呼出部が押下されたとしても室内に呼び出し音は鳴動させない。なお、ここではその詳細な説明を省略するが、このドアホン12にディスプレイを設け、来客者を撮像した画像を表示することもできる。
【0041】
警報コントローラ13は、セキュリティ会社と連携した警備をおこなう警備システムの中核をなすコントローラであり、住戸内の窓などに配設した各種センサやカメラが接続されるとともに、外部の警備センタへネットワークを介して接続される。この警報コントローラ13は、コントローラ50によって制御され、オン制御されている場合にいずれかのセンサやカメラが不審物を検知すると、その状況が外部の警備センタに通知される。なお、警報コントローラ13は、センサのみをアクティブにした警戒レベル1、センサとカメラの両方をアクティブにした警戒レベル2というように多段階の警戒レベルに応じた制御をおこなうことができる。
【0042】
エアコンコントローラ21は、コントローラ50の制御の下に、住戸の各部屋に配設されたエアコンを集中制御する制御部である。各室に配設されたエアコンは、それぞれ付設のリモコンによって操作可能であるが、エアコンコントローラ21によって所定のエアコン若しくは全エアコンがオフ制御されると、該当するエアコンはリモコンの制御を受け付けず動作不能状態となる。なお、エアコンコントローラ21は、それぞれ個別にエアコンを制御することができる。
【0043】
ガスコントローラ22は、コントローラ50の制御の下に、ガスコンロ、ガスストーブおよび床暖房などの各種ガス使用機器へのガスの供給を制御する制御部である。このガスコントローラ22によってガスの供給が停止されると、各種ガス使用機器は、機能発揮することはできない。なお、ガスコントローラ22は、それぞれ個別にガス使用機器へのガス供給を制御することができる。
【0044】
配送コントローラ30は、コントローラ50の制御の下に、宅配業者の端末装置に対して宅配便の受け取りの可否を通知するよう制御する制御部である。たとえば、外出中の成人(親)が帰宅したならば、宅配業者の端末装置に対して在宅中である旨を通知するよう制御する。これにより、宅配業者が宅配物を持参したにも係わらず不在であったという状況を避け、業務効率を高めることができる。
【0045】
決済コントローラ40は、コントローラ50の制御の下に、商品をネット通販(テレビショッピングも含む)などで購入する際の決済が可能とするか否かを制御する制御部である。具体的には、商品をネット通販で購入する際に、登録指紋データを送信することにより捺印に代えて決済をおこなうケースを考えると、かかる登録指紋データを第三者や未成年者が送信すると決済上重大な問題が生ずる。このため、決済コントローラ40は、成人(親)が不在であるような場合に、かかる決済を認めないよう制御する。
【0046】
コントローラ50は、住戸の在宅状況をリアルタイムに管理しつつ、この在宅状況を踏まえてホームコントロールシステムを動的に制御する制御装置である。たとえば、このコントローラ50は、両親が在居中の場合には、家電システムの制限をなくしセキュリティシステムをオフ制御(解除)し、両親が不在で低学年の子供のみが住戸内に在居している場合には、最低限必要な家電システムの稼働のみを許し、セキュリティシステムをオン制御し、家族全員が外出中であり住戸内の在居者が居ない場合には、一切の家電システムの使用を制限するとともに、セキュリティシステムをオン制御する。
【0047】
このコントローラ50は、指紋照合部51、入退出管理部52、制御部53および記憶部60を有する。指紋照合部51は、ドアロック制御部11を介して受け付けた入力指紋データを記憶部60に記憶した登録指紋データと照合する処理部である。かかる指紋照合をおこなう理由は、施錠/開錠指示をおこなった者が居住者のいずれかであるか否かを判定するとともに、玄関ドアを入退出する者が居住者のうちの誰であるかを特定するためである。すなわち、玄関ドアの施錠/開錠要求がなされた場合と、玄関ドアを居住者が通過した場合に、入力指紋データがドアロック制御部11を介して指紋照合部51に入力されるため、指紋照合部51は、かかる入力指紋データを受け付けた際に指紋照合処理をおこなう。なお、指紋照合技術としてはいかなるものを採用しても良く、たとえば指紋データの特徴点相互の照合率や指紋データのマッチング度合いに基づいて指紋照合をおこなうことができる。
【0048】
入退出管理部52は、玄関ドアの入退出状況に基づいて「誰が在宅しているか」という在宅状況を管理する管理部であり、具体的には、鍵を保持する居住者が玄関ドアを通過した際に、この鍵に記憶された指紋データがドアロック制御部11を介してコントローラ50に送信され、指紋照合部51は登録指紋データと比較して誰が入退出したかを認識し、入退出管理部52はその状況を在宅状況テーブル62に登録する。
【0049】
制御部53は、在宅状況テーブル62に登録された居住者の在宅状況に基づいて住戸内に配設された各種機器を動的に制御する制御部である。具体的には、どのようなシチュエーションの場合にいかなる制御をおこなうかという内容をあらかじめモードテーブル63に記憶しておき、在宅状況テーブル62内の居住者の在宅状況に応じていずれかのモードに対応する制御をおこなう。
【0050】
記憶部60は、すでに説明した登録指紋データ61、在宅状況テーブル62およびモードテーブル63を記憶するハードディスクなどの記憶デバイスである。登録指紋データ61は、入力指紋データの比較対照となる各居住者の指紋データをあらかじめ登録したものである。
【0051】
在宅状況テーブル62は、各居住者の在宅状況を管理する際に用いるテーブルであり、図6には在宅状況テーブル62の一例を示している。同図に示すように、この在宅状況テーブル62には、各居住者ごとに在宅状況、入宅時刻、出宅時刻が格納されている。なお、入宅時刻および出宅時刻を格納する理由は、セキュリティ上の何らかの問題が生じた場合の状況把握を的確におこなうことができるようにするためである。
【0052】
モードテーブル63は、各居住者の在宅状況に基づいてその時点での在宅状況をモード化し、各モードごとに機器のコントロール可能範囲を規定したものであり、図9にはこのモードテーブル63の一例を示している。同図に示すように、ここでは親と高学年の子供(以下、「子供X」と言う)および低学年の子供(以下、「子供Y」と言う)が在宅している場合をモードAとし、親のみが在宅している場合をモードBとし、子供Xおよび子供Yが在宅しているが親が不在である場合をモードCとし、子供Yのみが在宅している場合をモードDとし、居住者全員が不在である場合をモードEとしている。そして、各モードごとにセキュリティシステム、家電システム、配送サービス、決済サービスのコントロール可能範囲を規定している。このため、親が在宅しているモードAやモードBでは各種機器がコントロール可能(どの機器も使える状態)になり、低学年の子供Yのみが在宅している場合にはドアホンやガス等がコントロール不可能(使用できない状態)になる。
【0053】
次に、居住者が入退出時におこなう施錠/開錠について説明する。図2は、図1に示したホームコントロールシステムのうち施錠/開錠に係る部分を抽出した説明図であり、図3は、鍵の概略構成を示す図であり、図4は、開錠操作時におけるコントローラ50の処理手順を示すフローチャートである。なお、ここで言う施錠/開錠の操作者と入退出管理とは直接的な関係はない。親が開錠して親子で住戸に侵入したり、玄関ドアを開放した状態で居住者が入退出することがあり得るからである。入退出管理については、図5等を用いてその詳細を後述することとする。
【0054】
図2に示すように、玄関ドアの外側に鍵70から赤外線送信された指紋データを受信する赤外線通信装置80を配設するとともに、この赤外線通信装置80をドアロック制御部11に接続することにより、この鍵70から送信した指紋データを用いて施錠/開錠をおこなうこととしている。ここで鍵70は、指紋検出機能および赤外線通信機能を有する携帯型リモコンであり、図3に示すように、指紋検出部71、赤外線送受信部72、記憶部73、電源部73および制御部75からなる。
【0055】
指紋検出部71は、図示しない指の載置面に居住者の指が載置された際に、該居住者の指紋データを取得して制御部75に出力するセンサ部であり、たとえば圧力センサや温度センサ等を用いることができる。たとえば、圧力センサの場合には、指紋の凸部の圧力を利用して指紋データを形成することができ、温度センサを用いる場合には、載置面と接触する指紋の凸部は温度が低下するが接触しない指紋の凹部は温度が低下しない特性を利用して指紋データを形成することができる。
【0056】
赤外線送受信部72は、指紋検出部71で検出された指紋データを赤外線光として出力する処理部であり、具体的には、米国の赤外線通信の標準化団体であるIrDA(Infared Data Association)が規定するIrDA規格などにしたがって赤外線によるデータ送受信をおこなう処理部である。
【0057】
記憶部73は、EEPROM(NONVOLATILE MEMORY)などで形成される記憶デバイスであり、この記憶部73内には、当該鍵を利用する居住者の指紋データが格納される。かかる指紋データを記憶部73内に格納する理由は、玄関ドアを居住者が通過する際に、指紋データの読み取り行為をおこなうことなく指紋データを送信する必要があるからである。
【0058】
そして、居住者が鍵70の載置面71に置いた指を押下すると、指紋検出部71により居住者の指紋が読み取られ、読み取られた指紋データが記憶部73に格納されるとともに、該指紋データが赤外線送受信部72により入力指紋データとして赤外線通信装置80に送信され、ドアロック制御部11は、赤外線通信装置80を介して受け取った入力指紋データをコントローラ50に受け渡す。なお、かかる鍵70と赤外線通信装置80との間では、鍵が偽物でないか否かを確認するために識別IDの認証などをおこなうが、ここではその詳細な説明を省略する。
【0059】
そして、図4に示すように、コントローラ50の指紋照合部51が、この入力指紋データを受け付けると(ステップS101)、記憶部60に記憶した登録指紋データ60を取り出し(ステップS102)、入力指紋データを各居住者の登録指紋データと比較する(ステップS103)。なお、かかる比較は、指紋データそのものを比較するだけではなく、特徴量レベルで比較しても構わない。
【0060】
そして、入力指紋データが登録指紋データのいずれかと一致する場合には(ステップS104肯定)、コントローラ50の制御部53がドアロック制御部11に解除信号を出力して(ステップS105)、ドアロック制御部11が玄関ドアを開錠し、入力指紋データがいずれの登録指紋データとも一致しない場合には(ステップS104否定)、警報音を鳴動させた後にログ記録をおこなう等のエラー処理をおこなう(ステップS106)。
【0061】
上記一連の処理をおこなうことにより、赤外線通信機能を有する携帯型リモコンの鍵による指紋データに基づく玄関ドアの開錠をおこなうことができる。上記説明では、開錠時の処理手順を示したが、施錠時についても同様の手順でおこなうことができる。なお、ここでは携帯型リモコンの鍵を用いる場合のみを示したが、玄関ドアの内側に設けられた鍵を直接操作して施錠および開錠をおこなうこともできる。
【0062】
次に、居住者が玄関ドアを通過する(入退出する)ことを利用して動的に入退出管理をおこなう仕組みについて説明する。図5は、図1に示したホームコントロールシステムのうち入退出管理に係る部分を抽出した説明図であり、図6は、在宅状況テーブル62の一例を示す図であり、図7は、コントローラ50による入退出管理の処置手順を示すフローチャートである。
【0063】
すでに説明したように、鍵70を形成する記憶部73にはこの鍵を利用する居住者の指紋データが格納されているため、居住者が玄関ドアを通過する際に例えば鍵70に設けられた入退出ボタンを押下すると、赤外線通信装置80は鍵70から指紋データを受信し、ドアロック制御部11は、赤外線通信装置80を介して受け取った入力指紋データをコントローラ50に受け渡す。
【0064】
そして、図7に示すように、コントローラ50の指紋照合部51が、この入力指紋データを受け付けると(ステップS201)、記憶部60に記憶した登録指紋データ61を取り出して、入力指紋データを各居住者の登録指紋データ61と比較することにより、いずれの居住者が玄関ドアを通過したかを特定するとともに(ステップS202)、図示しないタイマから現在時刻を取得する(ステップS203)。
【0065】
その後、在宅状況テーブル62に基づいて当該居住者の入退出の別を判定した後(ステップS204)、在宅状況テーブル62を更新する(ステップS205)。たとえば、図6に示す在宅状況テーブル62の在宅状況時に父が玄関ドアを通過した場合には、入退出管理部52は、不在であった父が帰宅したものと判定し、在宅状況テーブル62中の父の在宅状況を「不在」から「在宅」に変更するとともに、タイマから取り出した時刻を入宅時刻に書き込む。
【0066】
上記一連の処理をおこなうことにより、コントローラ50の入退出管理部52は、在宅状況テーブル62を用いて動的かつリアルタイムに居住者の入退出状況を管理することができる。なお、ここでは「不在」であった居住者が玄関ドアを通過した際に単純に「在宅」と判定することとしたが、玄関ドア付近に複数の赤外線通信装置80を設けて移動方向を求め、居住者が入宅するのか出宅するのかを把握することもできる。
【0067】
次に、コントローラ50による各種機器の制御について図1を用いて説明する。図8は、モードテーブル63の一例を示す図であり、図9は、コントローラ50による各種機器の制御手順を示すフローチャートである。
【0068】
図9に示すように、コントローラ50内の制御部53は、記憶部60に記憶した在宅状況テーブル62を読み込み、この在宅状況テーブル62から各居住者の在宅状況を取り出し(ステップS301)、取り出した在宅状況に基づいて在宅モードを決定する(ステップS302)。たとえば、図6の場合には、母、子供Xおよび子供Yが在宅状態にあることから、モードテーブル63のモードAに在宅モードを設定する。
【0069】
その後、制御部53は、在宅モードに対応する制御対象をモードテーブル63から取り出し(ステップS303)、取り出した各制御対象を制御する(ステップS304)。たとえば、在宅モードがモードAである場合には、図8に示すようにセキュリティシステム、家電システム、配送サービス、決済サービスのすべてが制御対象となるので、すべての機器が自由に使えるように制御することになる。なお、低学年の子供Yしか在宅しておらず在宅モードがモードDである場合には、エアコンのみが自由に使えるようになる。低学年の子供Yにドアホン応答や配送受付などをさせないようにするためである。
【0070】
上記一連の処理をおこなうことにより、住戸内の在宅者の状況に動的かつリアルタイムに適合した機器制御をおこなうことが可能となる。なお、ここでは図8に示したモードテーブル63内にモードA〜Eの5つのモードしか設けなかったが、時間帯や季節などを考慮してさらに細かな制御をおこなうことも可能である。
【0071】
上述してきたように、本実施例1では、指紋検出機能および赤外線送受信機能を有する携帯型リモコンの鍵を居住者が入退出時に操作すると、入退出管理部52が指紋照合部51による指紋照合結果を利用して在宅状況テーブル62を用いた入退出管理を動的かつリアルタイムにおこなうとともに、制御部53が在宅状況テーブル62内に保持した各居住者の在宅状況に応じてセキュリティシステム10、家電システム20、配送コントローラ40、決済コントローラを制御するよう構成したので、住戸内の在居者に応じて動的かつリアルタイムに各種機器を制御することができる。
【実施例2】
【0072】
ところで、上記実施例1では、指紋検出機能および赤外線送受信機能を有する携帯型リモコンの鍵を用いる場合を示したが、本発明は非接触ICカードを用いた場合に適用することもできる。そこで、本実施例2では、非接触ICカード型の鍵を用いた場合を説明する。なお、上記実施例1と共通する部分については、その詳細な説明を省略する。
【0073】
本実施例2では、実施例1の赤外線通信機能を有する携帯型リモコン型の鍵80の代わりに非接触ICカード型の鍵を用いるとともに、玄関ドア付近に設置する赤外線通信装置80の代わりに非接触ICカードのカードリーダ(以下、単に「リーダ」と言う)を設けることになる。たとえば、この非接触ICカード型の鍵としては、近傍型(ISO 15693)の非接触ICカードを用いることができるが、かかる鍵には実施例1と同様に指紋検出部を設ける必要がある。
【0074】
図10は、実施例2における施錠/開錠に係る部分を抽出した説明図であり、図11は、非接触ICカード型の鍵の概略構成を示す図である。図10に示すように、玄関ドア付近に鍵90から送信された指紋データを受信するリーダ100を配設するとともに、このリーダ100をドアロック制御部11に接続することにより、この鍵90から送信した指紋データを用いて施錠/開錠をおこなうこととしている。ここで、鍵90は、図11に示すように非接触型ICカード(ISO15693に規定される近傍型の非接触ICカード)を応用したものであり、指紋検出部91、ICチップ92およびアンテナコイル93により形成される。なお、電源については通常の非接触カードと同様にリーダ100からの電波を利用する。
【0075】
指紋検出部91は、図示しない指の載置面に居住者の指が載置された際に、該居住者の指紋データを取得してICチップ92に出力するセンサ部であり、たとえば圧力センサや温度センサ等を用いることができる。
【0076】
ICチップ92は、CPU、RAM、ROM、EEPROM(NONVOLATILE MEMORY)などからなる非接触ICカードに広く用いられているICチップであり、アンテナコイル93は、鍵90がリーダ100に指紋データを転送する際に用いるアンテナである。このEEROM内には、当該鍵を利用する居住者の指紋データが格納される。かかる指紋データをEEPROM内に格納する理由は、玄関ドアを居住者が通過する際に指紋データを送信する必要があるからである。
【0077】
そして、居住者が鍵90の載置面に置いた指を押下すると、指紋検出部91により居住者の指紋が読み取られ、読み取られた指紋データが入力指紋データとしてリーダ100に送信され、ドアロック制御部11は、リーダ100を介して受け取った入力指紋データをコントローラ50に受け渡すことになる。なお、以後の処理は、図4で説明したものと同様の処理となる。このようにして、非接触ICカード型の鍵90による指紋データに基づく玄関ドアの開錠をおこなうことができる。
【0078】
図12は、実施例2における入退出管理に係る部分を抽出した説明図である。鍵90を形成するICチップ92内のEEPROMにはこの鍵を利用する居住者の指紋データが格納されているため、居住者が鍵を持参して玄関ドアを通過すると、リーダ100は鍵90から指紋データを受信し、ドアロック制御部11は、リーダ100を介して受け取った入力指紋データをコントローラ50に受け渡す。つまり、居住者は、玄関ドアを通過する際に何らの操作を行わなくとも、指紋データの送信が可能になる。その後、図7で示した一連の処理をおこなう。
【0079】
上述してきたように、本実施例2では、指紋検出機能を有する非接触ICカード型の鍵を居住者が携帯して入退出すると、入退出管理部52が指紋照合部51による指紋照合結果を利用して在宅状況テーブル62を用いた入退出管理を動的かつリアルタイムにおこなうとともに、制御部53が在宅状況テーブル62内に保持した各居住者の在宅状況に応じてセキュリティシステム10、家電システム20、配送コントローラ40、決済コントローラを制御するよう構成したので、各居住者が入退出時に何らの操作を行わなくとも、住戸内の在居者に応じて動的かつリアルタイムに各種機器を制御することができる。
【0080】
なお、上記実施例1〜2では、セキュリティシステム、家電システム、配送システム、決済システムを制御対象とする場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、住戸内に配置する各種機器、各種システムを制御対象とすることができる。
【0081】
また、上記実施例1〜2では、指紋照合結果を利用して入退出管理をおこなうこととしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、掌紋照合や顔照合などの身体的特徴を利用した照合結果に基づいて入退出管理をおこなうこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明にかかる装置は、住戸内の在居者に応じて動的かつリアルタイムに住戸内に配置した各種機器を制御する場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施例1にかかるホームコントロールシステムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したホームコントロールシステムのうち施錠/開錠に係る部分を抽出した説明図である。
【図3】鍵の概略構成を示す図である。
【図4】開錠操作時におけるコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示したホームコントロールシステムのうち入退出管理に係る部分を抽出した説明図である。
【図6】在宅状況テーブルの一例を示す図である。
【図7】コントローラによる入退出管理の処置手順を示すフローチャートである。
【図8】モードテーブルの一例を示す図である。
【図9】コントローラによる各種機器の制御手順を示すフローチャートである。
【図10】実施例2における施錠/開錠に係る部分を抽出した説明図である。
【図11】非接触ICカード型の鍵の概略構成を示す図である。
【図12】実施例2における入退出管理に係る部分を抽出した説明図である。
【符号の説明】
【0084】
10 セキュリティシステム
11 ドアロック制御部
12 ドアホン
13 警報コントローラ
20 家電システム
21 エアコンコントローラ
22 ガスコントローラ
30 配送コントローラ
40 決済コントローラ
50 コントローラ
51 指紋照合部
52 入退出管理部
53 制御部
60 記憶部
61 登録指紋データ
62 在宅状況テーブル
63 モードテーブル
70 赤外線通信機能を有する携帯型リモコンの鍵
71 指紋検出部
72 赤外線送受信部
73 記憶部
74 電源部
80 赤外線通信装置
90 非接触ICカード型の鍵
91 指紋検出部
92 ICチップ
93 アンテナコイル
100 リーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住戸内に配置した各種機器をコントローラに接続し、該コントローラの制御によって前記各種機器の動作制御をおこなうホームコントロールシステムであって、
前記住戸の各居住者の身体的特徴に基づいて該居住者の入退出状況を管理する入退出管理手段と、
前記入退出管理手段により管理された入退出状況に応じて前記住戸内に配置した一または複数の機器を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とするホームコントロールシステム。
【請求項2】
前記各種機器は、セキュリティシステム、家電システム、配送システムおよび/または決済システムに係る機器であることを特徴とする請求項1に記載のホームコントロールシステム。
【請求項3】
前記入退出管理手段は、各居住者の身体的特徴を登録した登録データを記憶する登録データ記憶手段と、前記居住者が前記住戸から入退出する際に該居住者の身体的特徴を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された身体的特徴を前記登録データ記憶手段に記憶した登録データと照合して入退出者を特定する特定手段と、前記特定手段による特定結果に基づいて各居住者の在宅状況を管理する在宅状況管理手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のホームコントロールシステム。
【請求項4】
前記身体的特徴は各居住者の指紋であり、前記取得手段は、指紋検出部を含む赤外線通信可能な携帯型リモコン型の鍵を所持する居住者が該鍵と赤外線通信可能な赤外線通信装置が配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを前記赤外線通信装置を介して取得することを特徴とする請求項3に記載のホームコントロールシステム。
【請求項5】
前記身体的特徴は各居住者の指紋であり、前記取得手段は、指紋検出部を含む非接触ICカードを所持する居住者が該非接触ICカードと通信可能なリーダが配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを前記リーダを介して取得することを特徴とする請求項3に記載のホームコントロールシステム。
【請求項6】
前記在宅状況管理手段は、各居住者が在宅しているか否か並びに入退出時間を記憶した在宅状況テーブルを用いて各居住者の在宅状況を管理することを特徴とする請求項3、4または5に記載のホームコントロールシステム。
【請求項7】
在宅者若しくは在宅者の組み合わせごとに制御対象となる機器を規定したモードテーブルをさらに備え、前記制御手段は、前記入退出管理手段により管理された入退出状況並びに前記モードテーブルに基づいて、前記住戸内に配置した一または複数の機器を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のホームコントロールシステム。
【請求項8】
住戸内に配置した各種機器をコントローラに接続し、該コントローラの制御によって前記各種機器の動作制御をおこなうホームコントロール方法であって、
前記住戸の各居住者の身体的特徴に基づいて該居住者の入退出状況を管理する入退出管理工程と、
前記入退出管理工程により管理された入退出状況に応じて前記住戸内に配置した一または複数の機器を制御する制御工程と
を含んだことを特徴とするホームコントロール方法。
【請求項9】
前記入退出管理工程は、各居住者の身体的特徴を登録した登録データを格納する登録データ格納工程と、前記居住者が前記住戸から入退出する際に該居住者の身体的特徴を取得する取得工程と、前記取得工程により取得された身体的特徴を登録データと照合して入退出者を特定する特定工程と、前記特定工程による特定結果に基づいて各居住者の在宅状況を管理する在宅状況管理工程とを含んだことを特徴とする請求項8に記載のホームコントロール方法。
【請求項10】
前記取得工程は、指紋検出部を含む赤外線通信可能な携帯型リモコン型の鍵を所持する居住者が該鍵と赤外線通信可能な赤外線通信装置が配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを前記赤外線通信装置を介して取得することを特徴とする請求項9に記載のホームコントロール方法。
【請求項11】
前記取得工程は、指紋検出部を含む非接触ICカードを所持する居住者が該非接触ICカードと通信可能なリーダが配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを前記リーダを介して取得することを特徴とする請求項9に記載のホームコントロール方法。
【請求項12】
住戸内に配置した各種機器をコントローラに接続し、該コントローラの制御によって前記各種機器の動作制御をおこなうホームコントローラ用プログラムであって、
前記住戸の各居住者の身体的特徴に基づいて該居住者の入退出状況を管理する入退出管理手順と、
前記入退出管理手順により管理された入退出状況に応じて前記住戸内に配置した一または複数の機器を制御する制御手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするホームコントローラ用プログラム。
【請求項13】
前記入退出管理手順は、各居住者の身体的特徴を登録した登録データを格納する登録データ格納手順と、前記居住者が前記住戸から入退出する際に該居住者の身体的特徴を取得する取得手順と、前記取得手順により取得された身体的特徴を登録データと照合して入退出者を特定する特定手順と、前記特定手順による特定結果に基づいて各居住者の在宅状況を管理する在宅状況管理手順とを含んだことを特徴とする請求項12に記載のホームコントローラ用プログラム。
【請求項14】
前記取得手順は、指紋検出部を含む赤外線通信可能な携帯型リモコン型の鍵を所持する居住者が該鍵と赤外線通信可能な赤外線通信装置が配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを前記赤外線通信装置を介して取得することを特徴とする請求項13に記載のホームコントローラ用プログラム。
【請求項15】
前記取得手順は、指紋検出部を含む非接触ICカードを所持する居住者が該非接触ICカードと通信可能なリーダが配設されたドアを通過する際に、当該居住者の指紋データを前記リーダを介して取得することを特徴とする請求項13に記載のホームコントローラ用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−128824(P2006−128824A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311468(P2004−311468)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000001432)グローリー工業株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】