説明

ホームセキュリティ用保管システム

【課題】既存のホームセキュリティ・システムと組み合せて使用可能であり、かつ高齢者でも容易に操作できる小型・簡便な貴重品収納用のホームセキュリティ用保管システムを提供する。
【解決手段】集中監視センターに通信回線を介し接続された端末装置と、貴重品が納められた保管ケースを着脱自在に収納した収納ボックスとを含む保管システムにおいて、端末装置で正常の手順に基づく開錠がなされた際には、端末装置から集中監視センターへの通報は何らなされることなく収納ボックス内からの保管ケースの取り出しを可能とし、端末装置に所定の非常信号が入力された際には、集中監視センターと端末装置との間で所定の通信手順によるデータ送受信処理がなされたことを条件に保管ケースの取り出しを可能とし、こじ開け等の破壊的手段によって保管ケースが取り出された際には、端末装置から集中監視センターに所定の警報信号が送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭において貴重品等を納めた保管ケースを収納する保管システムに関するものであり、より詳しくは、警備会社等の集中監視センターへの通報機能を有するホームセキュリティ・システムに組み込まれた保管システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、一般家庭においても現金や貴金属、或いは有価証券や保険証等の貴重品・個人認証資料などを収納する金庫や保管庫(以下、単に「保管庫等」という)が広く用いられている。一方、近年の急速な老齢化に伴う高齢者世帯の増加によって、老人世帯(特に、独居老人世帯)におけるこのような保管庫等の警備・管理が重要な問題となってきた。
【0003】
係る問題に対処すべく、このような保管庫等の管理を、例えば警備会社等が提供している警備・監視ネットワーク(いわゆるホームセキュリティ・システム)に連動させ、保管庫等の警備・管理を警備会社等が運営する集中監視センターから一括して行なう保管庫等の機械警備システムが数多く提案されている(例えば、特許文献1、2など)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−283356号公報
【特許文献2】特開2006−331176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来技術による保管庫等の警備システムは、そのシステム規模が大きく、例えば、独居老人世帯に必要とされるようなごく小さな保管庫等を対象とするには、その運用面において適切ではない側面が多々見受けられた。また、これらの従来技術は、汎用的な保管庫等の警備を対象とするため、独居老人世帯等に特有な種々の問題についての運用対応に不十分な点があった。
【0006】
例えば、独居老人世帯において、その世帯主が保険証等の個人認証書類を保管庫等に収納していた場合、世帯主が急性疾患や事故などで倒れた際に、世帯主の近親者や医療関係者などの第三者が係る書類を保管庫から取り出す必要が生ずる。このような場合に、従来技術による保管庫等の警備システムでは円滑かつ迅速な対応が難しいという問題があった。
【0007】
また、世帯主の老人が第三者の脅迫等によって保管庫の開錠を迫られた場合も、従来技術による保管庫等の警備システムでは、所定の手順の開錠操作を踏むことによって、係る事態を集中監視センターに通報させる仕組みとなっているが、判断力や認知力が低下している老人に複雑な処理手順を熟知させることは困難でもあった。
【0008】
本発明は、従来技術におけるこのような課題の解決を目的とするものであって、より具体的には、現在、一般家庭にも普及しているホームセキュリティ・システムと組み合せて使用することが可能であり、かつ、高齢者でも容易に操作できる小型・簡便な貴重品収納用の保管システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点による保管システムは、上記の課題を解決するために、
集中監視センターに通信回線を介し接続された警備端末装置と、貴重品が納められた保管ケースを着脱自在に収納した収納ボックスと、を含む保管システムであって、
警備端末装置において正常の手順に基づく開錠がなされた際には、警備端末装置から集中監視センターへの通報は何らなされることなく収納ボックス内からの保管ケースの取り出しを可能とし、
警備端末装置に所定の非常信号が入力された際には、集中監視センターと警備端末装置との間で所定の通信手順によるデータ送受信処理がなされたことを条件に収納ボックス内からの保管ケースの取り出しを可能とし、
こじ開け等の破壊的手段によって保管ケースが収納ボックス内から取り出された際には、警備端末装置から集中監視センターに所定の警報信号が送信されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第2の観点による保管システムは、上記第1の観点において、
前記警備端末装置には暗証番号による認証手段が設けられており、前記正常の手順とは、予め定められた暗証番号を該認証手段に入力する操作であることを特徴とする。
【0011】
したがって、このような構成によれば、例えば、暗証番号の入力等による正常な処理手順に基づく開錠がなされた場合は、集中監視センターへの通報がなされることなく、保管ケースを収納ボックス内から取り出すことができる。また、非常時において警備端末装置に所定の非常信号が入力された場合は、集中監視センターと警備端末装置との間で所定の通信手順によるデータ送受信処理がなされたことを条件に、暗証番号の入力等による複雑な操作を省いて保管ケースを収納ボックス内から取り出すことができる。さらに、侵入者等によって保管ケースが収納ボックス内から破壊的に取り出された場合には、警備端末装置から集中監視センターに警報信号が送信されることになる。
【0012】
また、本発明の第3の観点による保管システムは、上記第1または第2の観点において、
前記所定の非常信号は、警備端末装置に備えられた非常通報釦の押下信号であること、を特徴とする。
【0013】
したがって、このような構成によれば、保管ケースの所有者である老人が不慮の疾病や事故などで倒れ暗証番号等の入力が不可能な場合でも、老人の近親者や救急・医療関係者等の第三者が警備端末装置に備えられた非常通報釦を押すことによって、収納ボックス内から保管ケースを取り出すことが可能となり、保管ケース内に保管されている保険証等の各種書類を取り出すことができる。
【0014】
また、本発明の第4の観点による保管システムは、上記第1ないし第3の何れかの観点において、
前記所定の通信手順によるデータ送受信処理とは、集中監視センターと警備端末装置間における通信回線が正常であって、集中監視センターと警備端末装置との通信リンクが確立され、さらに、非常通報釦が押下されたことを示すデータが警備端末装置から集中監視センターに送られたことを要件とする。
【0015】
したがって、このような構成によれば、例えば、保管ケースの所有者が倒れ、第三者が収納ボックスから保管ケースを取り出す必要が生じた際に、集中監視センターにおいて係る事態を確実に認識・掌握した上で保管ケースの取り出しが行なわれるため、保管システムのセキュリティを十分に担保することができる。
【0016】
また、本発明の第5の観点による保管システムは、上記第1ないし第4の何れかの観点において、
前期警備端末装置には少なくとも一つ以上の災害検知用のセンサーが接続されており、該センサーからの災害検知信号が受信された際に収納ボックスは開錠され、収納ボックス内からの保管ケースの取り出しが可能となり、保管ケースが取り出された際には、警備端末装置から集中監視センターに所定の災害時取出し信号が送信されることを特徴とする。
【0017】
したがって、このような構成によれば、保管ケースの所有者宅で火災等の災害が発生した場合には、暗証番号の入力等を伴う煩雑な開錠操作を要することなく、速やかに収納ボックスの内部から保管ケースを取り出すことができる。
【0018】
また、本発明の第6の観点による保管システムは、上記第5の観点において、
前記災害検知信号が警備端末装置に受信された際、該信号受信時より所定の時間が経過するまでの間に、所定の操作が行われることによってのみ、収納ボックスの開錠および保管ケースの取り出しが可能となることを特徴とする。
【0019】
したがって、このような構成によれば、収納ボックスからの保管ケースの取り出しを所有者の意思によって決定できるため、災害発生時に所有者が不在の場合や、保管ケース取り出しの時間的猶予が無い場合は、保管ケースを収納ボックス内に留置したままとして保管ケースの保全を図ることが可能となる。
【0020】
また、本発明の第7の観点による保管システムは、上記第6の観点において、
前記所定の操作とは、警備端末装置に設けられた各種操作入力手段への何らかの操作行為、または警備端末装置もしくは収納ボックスの特定部位への接触行為であることを特徴とする。
【0021】
したがって、このような構成によれば、収納ボックス内からの保管ケースの取り出しを所有者の意思によって行なう場合でも、例えば、警備端末装置もしくは収納ボックスの特定部位に手を触れるなどの極めて簡単な操作を加えるだけで保管ケースを取り出すことができる。
【0022】
また、本発明の第8の観点による保管システムは、上記第1ないし第4の何れかの観点において、
前記警備端末装置もしくは収納ボックスには、予め緊急時用の開錠鍵が用意されており、該開錠鍵による開錠操作がなされた際には、収納ボックスが開錠され収納ボックス内からの保管ケースの取り出しが可能となり、保管ケースが取り出された際には、警備端末装置から集中監視センターに所定の緊急時取出し信号が送信されることを特徴とする。
【0023】
したがって、このような構成によれば、侵入者の脅迫等によって所有者が開錠操作を迫られた場合は、予め用意された物理的な開錠鍵を用いて収納ボックスの開錠操作を行なうことができる。これによって、収納ボックス内から保管ケースを取り出すことが可能となり、脅迫者の要求を満たし所有者の安全を図る一方、脅迫者には悟られることなく、脅迫による開錠操作を示す警報信号が警備端末装置から集中監視センターに送信され、集中監視センターにおいて迅速な警備対応をとることが可能となる。
【0024】
また、本発明の第9の観点による保管システムは、上記第1ないし第4の何れかの観点において、
保管ケースは、収納ボックスに対してカセット式に取り出し、或いは収納が可能な構造であること、を特徴とする。
【0025】
したがって、このような構成によれば、あたかもオーディオ用カセットデッキにカセットテープをセットするような極めて簡単な操作によって、収納ボックスの内部から保管ケースを取り出し、或いは収納ボックス内に収納することが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、独居老人世帯や高齢者世帯について十分に配慮した保管庫等の管理・警備システムを提供することが可能であり、社会の急速な高齢化に伴って危惧される老人世帯における保管庫等に関するセキュリティ上の様々の問題を解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下の記載において、本発明を実施するための最良の形態である実施例に関し、それぞれの添付図面を参照しつつ説明を行なう。
【0028】
先ず、本発明の実施例であるホームセキュリティ用保管システムを取り入れたホームセキュリティ・システムの全体について図1の説明図に基づいて解説を行なう。同図に示されるように、本発明によるホームセキュリティ用保管システムの主要部は、保管ケース収納ボックス10(以下、単に「収納ボックス10」という)、および警備端末装置20から構成されている。警備端末装置20は、ホームセキュリティ・システムに加入した一般家庭に設置されるものであり、いわゆる機械警備用の家庭用端末機器に相当するものである。
【0029】
すなわち、通常のホームセキュリティ・システムのように、警備端末装置20は、加入者電話回線などの通信回線網を介し警備会社等が運営する集中監視センターに接続されており、警備端末装置20から各種の監視信号や警報信号が集中監視センターに送られ、或いは、集中監視センターからの各種の制御信号や問い合わせ信号が警備端末装置20に送られる。
【0030】
警備端末装置20の装置盤面上には、各種の情報を入力するための操作キー201、各種の情報や操作ガイドを操作者に表示・告知するための表示パネル202やスピーカ203が設けられている。また、本発明の特徴として、装置盤面上には非常通報釦204および開錠鍵穴205が設けられている。なお、非常通報釦204や開錠鍵穴205は、後述する収納ボックス10の開錠操作に直接の関係があるので、収納ボックス10の前面部位に設けるようにしても良い。また、開錠鍵穴205には、予め用意された開錠鍵206が挿入されることになる。
【0031】
収納ボックス10は、貴重品を収納する保管庫の役目を果たすものであり、同ボックスには、現金、印鑑、預金通帳、或いは保険証等の貴重品や個人認証書類を納めた保管ケースが着脱自在な形で内蔵されている。さらに、警備端末装置20には、各種の災害検知用のセンサー30が接続されている。災害検知用のセンサー30は、例えば、火災検知センサーや防犯センサーであり、それぞれのセンサーが異常を検知すると、これを警備端末装置20に通知し、さらに警備端末装置20は係る情報を集中監視センターに通報する。
【0032】
次に、警備端末装置20の構成を図2のブロック図に基づいて説明する。警備端末装置20は、主に、マイクロプロセッサ回路207、メモリ回路208、操作/表示部インターフェイス回路209(以下、単に「盤面IF回路209」という)、収納ボックスインターフェイス回路210(以下、単に「収納IF回路210」という)、通信回線網インターフェイス回路211(以下、単に「通信IF回路211」という)、およびセンサーインターフェイス回路212(以下、単に「センサーIF回路212」という)から構成されている。
【0033】
マイクロプロセッサ回路207は、警備端末装置20全体の動作を制御するものであり、マイクロプロセッサや各種の集積回路素子を含む周辺回路から構成されている。また、メモリ回路208は、RAMやROM等のメモリ素子およびそれらの制御周辺回路から構成されており、警備端末装置20の動作処理を規定した各種のプログラムが係る部位に記憶されている。
【0034】
一方、盤面IF回路209は、警備端末装置20の盤面上に具備された操作キー201や表示パネル202等との入出力インターフェイス機能を司る部位である。また、収納IF回路210は、保管ケースの収納ボックス10とのインターフェイス機能を司る部位である。具体的には、収納IF回路210は、マイクロプロセッサ回路207からの指令に応じて、保管ケースの取り出しを許可する開錠指令信号を収納ボックス10に出力し、或いは収納ボックス10からその状態を表す保管ケース状態信号を受信して、これをマイクロプロセッサ回路207に通知する。
【0035】
通信IF回路211は、警備端末装置20に接続されている通信回線網とのインターフェイス機能を司る回路であり、通信回線網を介して中央監視センターとの間で各種データの送受信を行なう部位である。なお、通信IF回路211は、接続される通信回線網の種類(例えば、一般加入電話回線や特定のLAN回線等)に応じて各種の形態や構成を採り得るものであることは言うまでもない。
【0036】
センサーIF回路212は、警備端末装置20に接続された火災検知センサーや防犯センサー等の各種センサーとのインターフェイス機能を司る回路であり、各センサーからの状態監視信号をマイクロプロセッサ回路207に通知し、同時にマイクロプロセッサ回路207からの指令に応じて、所定の制御・指令信号を各センサーに通知する。
【0037】
次に、保管ケースの収納ボックス10について図3の説明図に基づいて解説を行なう。収納ボックス10は、いわゆる金属キャビネットタイプの保管庫であり警備端末装置20からの開錠指令信号を受信すると、その前面扉11のロック機構(図示せず)が解除され、前面扉11がその前方に傾斜して開く構造となっている。
【0038】
前面扉11の内側には、図(3a)に示すように貴重品を収納した保管ケース12が、あたかも、オーディオのカセットテープデッキに装着されたカセットテープのような状態で内蔵されている。したがって、図(3b)に示すように前面扉11が開ききると、保管ケース12は、前面扉11の内側に沿って上方にスライドさせることにより収納ボックス10の内部から容易に取り出すことができる。
【0039】
一方、保管ケース12を収納ボックス10に収納する場合は、以上と逆の手順により保管ケース12を前面扉11の内側に沿ってスライド下降させその内部に納め、その後、前面扉11を収納ボックス10に押し込むことによって前面扉11のロック機構(図示せず)が施錠され保管ケース12の収納が完了する。
【0040】
前面扉11の開閉や保管ケース12の取り出し・収納等の状態変化は逐次、収納ボックス10から警備端末装置20に通知される仕組みとなっている。また、収納ボックス10には、衝撃センサーや、その筐体が分解されたことを検知し得る複数のリミットスイッチ等が設けられており(何れも図示せず)、破壊的手段によって保管ケース12が取り出された場合は、直ちに警備端末装置20に通知がなされ警備端末装置20は係る事態を集中監視センターに通報する。
【0041】
なお、本実施例の説明では、警備端末装置20と収納ボックス10とを同一の筐体内に納めた事例を示しているが、或いは、収納ボックス10と警備端末装置20とを別々の筐体に納める構造としても良い。
【0042】
次に、本実施例に基づく保管システムの動作事例を、主に(1)通常運用時、(2)非常運用時、(3)緊急運用時の三つの動作運用時に分けて説明を行なう。
【0043】
(1)通常運用時
通常運用時とは、保管ケース12の所有者が収納ボックス10から保管ケースを取り出して、その内部に納められている現金などの貴重品や、保険証等の個人認証書類を取り出し、或いは保管する場合の運用措置を言う。通常運用時における動作処理を図4の処理フローチャートに基づいて説明する。なお、このような動作処理を実行する処理プログラムはメモリ回路208に記憶されており、所定のタイミングに基づき、マイクロプロセッサ回路207によって実行されるものとする。
【0044】
先ず、保管ケース12の所有者であって操作を行う者(以下、単に「操作者」という)が、収納ボックス10の開錠操作に着手することによって図4に示されるフローチャートが起動される。ここで開錠操作の手順は、操作者が警備端末装置20の盤面上の操作キー201から所定の入力を行なうことで開始される。例えば、操作キー201の「#」キーを3回連続して押下し、それに続いて「12345」のような数桁の暗証番号を入力することを収納ボックス10の開錠手順であると定めるようにしても良い。
【0045】
或いは、操作者が判断力・認知力の低下した高齢者である場合を配慮し、例えば、警備端末装置20の盤面上に保管ボックス開錠専用のスイッチ(図示せず)を設け、係るスイッチに触れた後に触れた後に、操作キー201から特定の暗証番号を入力するような方法を開錠手順と定めるようにしても良い。
【0046】
マイクロプロセッサ回路207は、図4のステップS401において、盤面IF回路209を介して操作キー201から入力された暗証番号をメモリ回路208に予め記憶されている登録暗証番号と比較する。なお、登録暗証番号のメモリ回路208への初期設定登録は、例えば、警備端末装置20の電源立ち上げ時やリセット時に、操作キー201から所定の設定入力操作によって行なうことが可能であり(説明は省略)、特に操作者が高齢者である場合には、近親者等のサポートの下で行なわれることが好ましい。
【0047】
ステップS401において、登録暗証番号と入力された暗証番号が同一であると判定された場合(S401のYES)、すなわち、開錠手順が正常であり操作者が保管ケースの正当な所有者であると判断された場合、マイクロプロセッサ回路207は、ステップS402に移行して開錠処理カウンタのカウント値を0にリセットする。なお、開錠処理カウンタは、メモリ回路208のRAMエリア上に設けられたカウンタを用いるようにしても良い。そして、次のステップS403に移り、収納IF回路210を介し収納ボックス10に開錠指令信号を送信して処理を終了させる。
【0048】
収納ボックス10は係る開錠指令信号を受信すると、前述したようにその前面扉11を開き、これによって、収納ボックス10の内部に納められていた保管ケース12の取り出しが可能となる。なお、通常運用時において、収納ボックス10からの保管ケース12の取り出しが正常な手順に基づいて行なわれた場合は、警備端末装置20から集中監視センターに対して通報が行なわれることはない。
【0049】
一方、ステップS401で、開錠手順が正常ではないと判定された場合は(S401のNO)、マイクロプロセッサ回路207は、ステップS404に移行して上記の開錠処理カウンタのカウント値を1度数進め、さらに次のステップS405において、係るカウント値が予め定められた規定値内であるか否かを判定する。なお、操作者が高齢者であることを考慮して係る規定値は、通常のATM等における暗証番号チェックのリトライ制限回数に比較して多目の数値に設定することが好ましい。
【0050】
ステップS405で、カウント値が規定値内であると判定された場合(S405のYES)、マイクロプロセッサ回路207はステップS406に移行し、暗証番号入力などの開錠手順が誤っていることを、盤面上の表示パネル202によるメッセージ表示や、スピーカ203による音声案内によって操作者に伝え、再度の開錠手順の実行を促する。なお、操作者が高齢者であることに鑑みれば、単なる再操作を促すガイドだけではなく、例えば、操作者がその近親者に連絡を取るように薦めるメッセージ表示や音声案内を併せて行なうようにしても良い。
【0051】
一方、ステップS405で、カウント値が規定値を超えたと判定された場合は(S405のNO)、保管ケースの所有者以外の第三者が開錠操作を行っているか、或いは認知症等の疾病に陥った高齢の所有者が操作を行っているものと推定される。したがって、マイクロプロセッサ回路207は、ステップS407に移行して集中監視センターに所定の警報信号を送信して処理を終了させる。なお、集中監視センターにおいては、係る通報に基づいて、例えば、当該保管ケースの所有者宅に電話連絡を行なう、或いは、所有者宅近辺を巡回中の警備車両に連絡を行う等の措置を講ずることができる。
【0052】
(2)非常運用時
非常運用時とは、保管ケースの所有者が事故や急性疾患で倒れ入院等の措置が必要となった際に、所有者以外の第三者が保管ケースから貴重品や保険証等の持ち出しを行う場合の運用措置を言う。非常運用時の動作処理を図5に示す処理フローチャートに基づいて説明する。なお、このような動作処理を実行する処理プログラムはメモリ回路208に記憶されており、所定のタイミングに基づき、マイクロプロセッサ回路207によって実行されるものとする。
【0053】
非常運用時の動作処理は、保管ケース所有者の近親者や医療関係者が、警備端末装置20の盤面上、或いは収納ボックス10の前面に設けられた非常通報釦204を押下することによって起動される。本プログラムが起動されるとマイクロプロセッサ回路207は、先ず、図5のステップS501において、通信IF回路211を介して通信回線網との接続が正常であるか否かを判定する。係る判定は、例えば通信回線網が一般の加入電話回線であれば、440Hzの発信音(受話器を取り上げたときの「ツー音」)の検出等によって行なうことが可能である。
【0054】
同ステップにおいて、通信回線網との接続が正常であると判定された場合(S501のYES)、マイクロプロセッサ回路207はステップS502に移り、同じく通信IF回路211を介して集中監視センターに対する呼出し処理(発呼処理)を実行する。そして、次のステップS503において集中監視センターへの接続が完了したか否かを判定する。
【0055】
因みに、係る集中監視センターとの間における接続完了の判定は、例えば、一般の加入電話回線であれば、着信時における端末極性電圧の反転、ならびに話中音(ビジートーン)の非検出を以って行なうようにしても良いし、或いは、さらに慎重を期すべく、集中監視センターと警備端末装置20との間におけるデータ通信リンクの確立に伴う所定のACK信号の受信を以って行なうようにしても良い。
【0056】
同ステップにおいて、集中監視センターへの接続完了が確認されなかった場合(S503のNO)、マイクロプロセッサ回路207はステップS504に移り、メモリ回路208のRAMエリア上に設けられた呼出しカウンタのカウント値を1度数進める。そして、次のステップS505において、係るカウント値が予め定められた規定値内であるか否かを判定する。そして同ステップにおいて、呼出しカウンタのカウント値が規定値内であると判定された場合(S505のYES)、マイクロプロセッサ回路207は、ステップS502に戻り集中監視センターに対する呼出し処理を繰り返す。
【0057】
一方、ステップS503において、集中監視センターへの接続完了が確認された場合(S503のYES)、マイクロプロセッサ回路207は、ステップS506に移り、呼出しカウンタのカウント値を0にリセットして次のステップS507に進み、所定のデータを集中監視センターに送信する。ここで所定のデータとは、当該保管システムにおいて、保管ケースの所有者以外の第三者による保管ボックスの開錠処理、すなわち非常運用処理が企てられていることを示すデータである。
【0058】
集中監視センターでは、係る送信データの着信に対し予め特定の応答信号を該警備端末装置20に対して返送するように定めておき、マイクロプロセッサ回路207は、係る応答信号の受信を以って、送信した所定データが集中監視センターに受信されたか否かを判定する(ステップS508)。
【0059】
同ステップにおいて、集中監視センターへの所定データの送信完了が確認されなかった場合(S508のNO)、マイクロプロセッサ回路207はステップS509に移り、メモリ回路208のRAMエリア上に設けられた送信カウンタのカウント値を1度数進める。そして、次のステップS510において、係るカウント値が予め定められた規定値内であるか否かを判定する。そして同ステップにおいて、送信カウンタのカウント値が規定値内であると判定された場合(S510のYES)、マイクロプロセッサ回路207は、ステップS507に戻り集中監視センターに対する所定データの送信処理を繰り返す。
【0060】
一方、ステップS508において、集中監視センターへの所定データの送信完了が確認された場合(S508のYES)、マイクロプロセッサ回路207は、ステップS511に移り送信カウンタのカウント値を0にリセットする。そして、集中監視センターとの通信処理を終了させた後に、警備端末装置20の盤面上の表示パネル202やスピーカ203を介して所定のメッセージを操作者に伝える(ステップS512)。
【0061】
係るメッセージは、例えば、「非常運用処理を集中監視センターに通報しました。センターからの電話連絡、或いは巡回警備員の訪問がありますのでしばらくお待ちください。」と言うような内容であれば良い。因みに、係るメッセージの告知を操作者に対し行なうことによって、操作者にセンターとの連絡がついたことを了知させ、かつ、空き巣などの侵入者が、本システムの非常運用措置を悪用して保管ケースの取り出しを企てる事態を防ぐことができる。
【0062】
その後、マイクロプロセッサ回路207は、ステップS513に進み、所定時間の待ち状態(WAIT状態)に入る。なお、マイクロプロセッサ回路207は、係る待ち状態の間その動作を停止するものではなく、本プログラムの処理から一旦抜け出し、他の処理プログラムに係るタスクを実行しつつ、所定時間の経過を待って本プログラムのステップS514に復帰するものである。
【0063】
なお、係る待ち状態を設けた理由は、その間に集中監視センターのオペレータが、当該保管ケースの所有者宅に電話連絡をするか、或いはその近辺を巡回中の警備車両等に連絡をとる時間を確保するためである。そして、ステップS513の待ち状態が解除されると、マイクロプロセッサ回路207はステップS514に進み、収納IF回路210を介し開錠指令信号を収納ボックス10に送信して、図5に示されたフローチャートの処理を終了させる。
【0064】
これによって、既に、集中監視センターのオペレータ、或いは巡回警備員と連絡を取った操作者(保管ケース所有者の近親者や医療関係者)は、収納ボックス10の内部から保管ケース12を取り出して、必要とした貴重品や書類等を入手することができるのである。
【0065】
一方、上記のステップS501において、警備端末装置20と通信回線網との接続が正常ではないと判定された場合(S501のNO)、ステップS505において、規定回数の呼び出しを行なっても警備端末装置20と集中監視センターとの接続ができなかった場合(S505のNO)、或いはステップS510において、規定回数のデータ送信を行なっても集中監視センターに所定のデータが送信できなかった場合(S510のNO)は、マイクロプロセッサ回路207はステップS515に進み、警備端末装置20の盤面上の表示パネル202やスピーカ203を介し、所定のメッセージを操作者に伝え本フローチャートの処理を終了させる。係るメッセージは、通信回線網等に不具合があり集中監視センターとの連絡がつかない旨を告知し、集中監視センターの通信不具合時における警備会社等の緊急連絡先を操作者に伝える内容であれば良い。
【0066】
(3)緊急運用時
緊急運用時とは、保管ケースの所有者宅に火災等の災害が発生した場合、或いは所有者宅に侵入した強盗犯などが所有者を脅迫して保管ケースの取り出しを迫った場合の運用措置を言う。ここで緊急運用時における動作処理を図6ないし図8の処理フローチャートに基づいて説明する。なお、このような動作処理を実行する処理プログラムはメモリ回路208に記憶されており、所定のタイミングに基づき、マイクロプロセッサ回路207によって実行されるものとする。
【0067】
(3−1)火災等の災害発生時(動作パターン1)
保管ケースの所有者宅において火災等の災害が発生し、災害検知用のセンサー30がこれを検知して警備端末装置20に通知がなされると、図6のフローチャートに示される処理動作が起動される。マイクロプロセッサ回路207は、先ず、図6のステップS601で、警備端末装置20の盤面上の表示パネル202やスピーカ203によって火災発生等のメッセージを所有者に告知し、その後、収納ボックス10に対して開錠指令信号を送信する(ステップS602)。
【0068】
これによって収納ボックス10の前扉11が開き、保管ケースの所有者は、収納ボックス10から保管ケース12を取り出して直ちに避難を行うことが可能となる。続いて、マイクロプロセッサ回路207は、集中監視センターに所定の警報信号を送信して(ステップS603)本フローチャートに示す処理を終了させる。
【0069】
上記の説明からも明らかように、本システムでは、緊急を要する火災等の災害発生時には暗証番号の入力等による通常の開錠手順を実施することなく、収納ボックス10から直ちに保管ケース12の取り出しができるため、災害によってパニック状態に陥った高齢者の場合でも、容易かつ迅速に貴重品を持ち出して避難することができる。
【0070】
(3−2)火災等の災害発生時(動作パターン2)
次に、災害発生時における動作処理の他の動作パターンについて、図7のフローチャートに基づいて説明を行なう。因みに、本動作パターンでは、前述の動作パターン1のように災害時において無条件に収納ボックス10を開錠せず、災害検知センサーによる災害検出から所定の時間内に限り、かつ操作者が所定の操作を行った場合にのみ、収納ボックス10の開錠がなされる構成となっている。
【0071】
このような動作パターンを備えた理由は、例えば、所有者の非在宅時に火災等の災害が発生した場合、いわゆる「火事場泥棒」のような第三者の略奪行為によって収納ボックス10から保管ケース12が持ち去られたり、或いは、収納ボックス10が開いたままで保管ケース12が放置された結果、火災等の災害によって損傷を被るおそれを防止するためである。
【0072】
本動作パターンでは所有者の在宅時に火災等の災害が発生した場合、収納ボックス10を開錠するためには、災害発生時から所定時間内に所定の操作を行う必要がある。係る操作は、所有者が高齢者である場合を考慮し、暗証番号入力等の通常時における開錠手順に較べて極めて簡単な操作手順となっていることは言うまでもない。なお、動作パターン1と動作パターン2は、本システムの設定時に操作キー201から所定の設定操作を行なうことによって、選択的に設定し得るものとする。
【0073】
保管ケースの所有者宅において火災等の災害が発生し、災害検知用のセンサー30がこれを検知して警備端末装置20に通知がなされると、図7のフローチャートに示される処理動作が起動される。マイクロプロセッサ回路207は、先ず、図7のステップS701で、警備端末装置20の盤面上の表示パネル202やスピーカ203によって火災発生等のメッセージを所有者に告知し、次のステップS702において、集中監視センターに災害の発生を知らせる所定の警報信号を送信する。
【0074】
その後、マイクロプロセッサ回路207は、ステップS703において所定時間長のタイムカウント値をカウンタにセットする。因みに、係るタイムカウンタは、例えば、1秒或いは数秒毎のタイマー割り込みによって、そのカウント値が順次減進(ディクリメント)されるものとする。なお、これらのタイムカウント値や、タイマー割り込みの時間間隔は、本システムの設定時に任意に選択し得るものであることはいうまでもない。
【0075】
さらに、マイクロプロセッサ回路207は、次のステップS704に進み所定の開錠操作がなされたか否かを判定する。動作パターン2における所定の開錠操作とは、例えば、操作キー201の特定のキーを押下する操作でも良いし、或いは、災害検知用のセンサー30からの災害検知信号が警備端末装置20に受信された後は、前述の非常運用時に用いられた非常通報釦204が係る操作機能を司るようにしても良い。
【0076】
なお、認知力や判断力が低下した高齢者に配慮するのであれば、例えば、警備端末装置20や収納ボックス10の特定部位に手を触れることによって、係る所定の開錠操作に代えることも可能である。すなわち、警備端末装置20や収納ボックス10の特定部位(例えば、装置盤上の製品ロゴマークや収納ボックス10の前面扉など)に接触センサーを設けておき(図示せず)、これに操作者が手を触れると開錠操作がなされたものとして認識されるようにしても良い。
【0077】
ステップS704において所定の開錠操作がなされたと判定された場合(S704のYES)、マイクロプロセッサ回路207は、ステップS705に移行して開錠指令信号を収納ボックス10に送信する。これによって収納ボックス10の前扉11が開き、保管ケースの所有者は、収納ボックス10から保管ケース12を取り出して直ちに避難を行うことが可能となる。
【0078】
さらに、マイクロプロセッサ回路207は次のステップS707において、所定の手順にしたがった警報信号を集中監視センターに送信して本フローチャートに示す処理を終了させる。なお、この場合の警報信号の内容は、災害の発生から所定時間内に操作者による所定の開錠操作がなされ、保管ケース12が収納ボックス10から無事に取り出された旨を告知するものであれば良い。
【0079】
一方、上記のステップS704において所定の開錠操作がなされていないと判定された場合(S704のNO)、マイクロプロセッサ回路207は、ステップS706に移行してタイムカウンタにセットされているカウント値がゼロになっているか、すなわち、タイムカウンタに設定された所定の時間が経過したか否かを判定する。そして、同ステップにおいて、所定の時間が未だ経過していないと判定された場合は(S706のYES)、ステップS704に戻って以上の処理を繰り返す。
【0080】
一方、同ステップにおいて、タイムカウンタにセットされた所定の時間が経過したと判定された場合(S705のNO)は、マイクロプロセッサ回路207は次のステップS707に移行して、所定の手順にしたがった警報信号を集中監視センターに送信して本フローチャートに示す処理を終了させる。なお、この場合の警報信号の内容は、災害の発生から所定時間内に操作者による所定の開錠操作がなされず、保管ケース12が収納ボックス10の内部に留置されている旨を告知するものであれば良い。
【0081】
(3−3)脅迫等による開錠要求の発生時
本実施例では、保管ケースの所有者宅に侵入者が押し入り所有者を脅迫して収納ボックス10の開錠を迫った場合、暗証番号等の入力による通常の開錠手順ではなく、予め用意された物理的な緊急時用の開錠鍵206によって収納ボックス10の開錠を行う仕組みとなっている。これは、保管ケースの取り出しを許容して所有者の安全を優先させると共に、係る緊急事態の発生を脅迫者に察知されることなく、速やかに警備会社等の集中監視センターに通報するためである。
【0082】
この場合、警備端末装置20の盤面上にある鍵穴205に、開錠鍵206を挿入し開錠動作を行うことによって、図8のフローチャートに示される処理動作が起動される。マイクロプロセッサ回路207は、先ず、図8のステップS801で、警備端末装置20の盤面上の表示パネル202やスピーカ203によって所定のメッセージを周囲に告知する。
【0083】
この場合、脅迫者への無用な刺激を避けるべく、係る告知は、例えば「収納ボックスを開きます。」などのごく簡単なものであることが望ましく、場合によっては、係る告知処理を省略しても良い。その後、マイクロプロセッサ回路207は、収納ボックス10に対して開錠指令信号を送信すると共に(ステップS802)、集中監視センターに脅迫による開錠が発生した旨を示す所定の警報信号の送信処理を実施する(ステップS803)。
【0084】
これによって、収納ボックス10の前扉11が開き保管ケース12の取り出しが可能となるが、同時に集中監視センターへの通報がなされるため、警備会社は迅速な対応をとることが可能となる。本実施例では、開錠鍵206によって収納ボックス10を開錠するというごく自然な動作となるため、脅迫者に疑義を生じさせて保管ケースの所有者に危険を及ぼすおそれは少ない。また、所有者に必要とされる動作も、単に脅迫者に開錠鍵を手渡すだけであるので、所有者が高齢者であってもパニックに襲われることなく沈着な対応が期待できる。
【0085】
以上に説明したように本発明に基づく実施例によれば、特に高齢者に配慮を払った貴重品等のホームセキュリティ用保管システムを実現することが可能であり、係るホームセキュリティ用保管システムを組み込むことによって、独居老人世帯や高齢者世帯に適応したホームセキュリティ・システムを構築することができる。
【0086】
なお、本発明は以上に説明した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、本発明を構成する各部位の形状や配置、或いはその素材等は、本発明の趣旨を逸脱することなく、現実の実施対応に即して適宜変更ができるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上に説明した本発明の構成は、各種の機械警備を利用したホームセキュリティ・システムにおいて広く利用することができる。

【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施例によるホームセキュリティ用保管システムを含むホームセキュリティ・システム全体の概要を説明する図である。
【図2】図1に示されたホームセキュリティ用の保管システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示された保管ケース収納ボックス10の開閉状態を説明する図である。
【図4】図1に示されたホームセキュリティ用保管システムの通常運用時の動作を説明する処理フローチャートである。
【図5】図1に示されたホームセキュリティ用保管システムの非常運用時の動作を説明する処理フローチャートである。
【図6】図1に示されたホームセキュリティ用保管システムの緊急運用時(災害発生時)の動作を説明する処理フローチャートである。
【図7】図1に示されたホームセキュリティ用保管システムの緊急運用時(災害発生時)における他の動作を説明する処理フローチャートである。
【図8】図1に示されたホームセキュリティ用保管システムの緊急運用時(脅迫時)における動作を説明する処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0089】
10 … 保管ケース収納ボックス
11 … 収納ボックス前扉
12 … 保管ケース
20 … 警備端末装置
201 … 操作キー
202 … 表示パネル
203 … スピーカ
204 … 非常通報釦
205 … 開錠鍵鍵穴
206 … 緊急時用の開錠鍵
207 … マイクロプロセッサ回路
208 … メモリ回路
209 … 操作/表示部インターフェイス回路
210 … 収納ボックスインターフェイス回路
211 … 通信回線網インターフェイス回路
212 … センサーインターフェイス回路
30 … 災害検知用のセンサー



【特許請求の範囲】
【請求項1】
集中監視センターに通信回線を介し接続された警備端末装置と、貴重品が納められた保管ケースを着脱自在に収納した収納ボックスと、を含む保管システムであって、
警備端末装置において正常の手順に基づく開錠がなされた際には、警備端末装置から集中監視センターへの通報は何らなされることなく収納ボックス内からの保管ケースの取り出しを可能とし、
警備端末装置に所定の非常信号が入力された際には、集中監視センターと警備端末装置との間で所定の通信手順によるデータ送受信処理がなされたことを条件に収納ボックス内からの保管ケースの取り出しを可能とし、
こじ開け等の破壊的手段によって保管ケースが収納ボックス内から取り出された際には、警備端末装置から集中監視センターに所定の警報信号が送信されること、を特徴とする保管スシステム。
【請求項2】
前記警備端末装置には暗証番号による認証手段が設けられており、前記正常の手順とは、予め定められた暗証番号を該認証手段に入力する操作であることを特徴とする請求項1に記載の保管システム。
【請求項3】
前記所定の非常信号は、警備端末装置に設けられた非常通報釦の押下信号であること、を特徴とする請求項1または2に記載の保管スシステム。
【請求項4】
前記所定の通信手順によるデータ送受信処理とは、集中監視センターと警備端末装置間における通信回線が正常であって、集中監視センターと警備端末装置との通信リンクが確立され、さらに、非常通報釦が押下されたことを示すデータが警備端末装置から集中監視センターに送られたこと、を要件とする請求項1ないし3の内の少なくとも何れか一項に記載の保管システム。
【請求項5】
前期警備端末装置には少なくとも一つ以上の災害検知用のセンサーが接続されており、該センサーからの災害検知信号が受信された際に収納ボックスは開錠され、収納ボックス内からの保管ケースの取り出しが可能となり、保管ケースが取り出された際には、警備端末装置から集中監視センターに所定の災害時取出し信号が送信されること、を特徴とする請求項1ないし4の内の少なくとも何れか一項に記載の保管システム。
【請求項6】
前記災害検知信号が警備端末装置に受信された際、該信号受信時より所定の時間が経過するまでの間に、所定の操作が行われることによってのみ、収納ボックスの開錠および保管ケースの取り出しが可能となること、を特徴とする請求項5に記載の保管スシステム。
【請求項7】
前記所定の操作とは、警備端末装置に設けられた各種操作入力手段への何らかの操作行為、または警備端末装置もしくは収納ボックスの特定部位への接触行為であること、を特徴とする請求項6に記載の保管スシステム。
【請求項8】
前記警備端末装置もしくは収納ボックスには、予め緊急時用の開錠鍵が用意されており該開錠鍵による開錠操作がなされた際には、収納ボックスが開錠され収納ボックス内からの保管ケースの取り出しが可能となり、保管ケースが取り出された際には、警備端末装置から集中監視センターに所定の緊急時取出し信号が送信されること、を特徴とする請求項1ないし4の内の少なくとも何れか一項に記載の保管システム。
【請求項9】
前記保管ケースは、収納ボックスに対してカセット式に取り出し、または収納が実施できる構造であること、を特徴とする請求項1ないし4の内の少なくとも何れか一項に記載の保管システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−167500(P2012−167500A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30314(P2011−30314)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(591165252)キング通信工業株式会社 (22)
【Fターム(参考)】