説明

ボールジョイント

本発明は、特に自動車のホイールサスペンションに用いられるボールジョイントであって、ボールスタッド(1)が設けられており、該ボールスタッド(1)が、ハウジング(2)内に旋回可能でかつ回転可能に支承された第1の回転楕円形の支承面(3)を備えており、該第1の回転楕円形の支承面(3)と、ハウジング(2)内に支承されかつボールスタッド(1)に結合された別の回転楕円形の支承面(4)との間に転がり軸受け(5)が設けられている形式のものに関する。本発明は、転がり軸受け(5)が、半径方向力および軸方向力を伝達する転がり軸受けであることにより特徴付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車のホイールサスペンションに用いられるボールジョイントであって、ボールスタッドが設けられており、該ボールスタッドが、ハウジング内に旋回可能でかつ回転可能に支承された第1の回転楕円形(sphaeroidisch)の支承面を備えており、該第1の回転楕円形の支承面と、ハウジング内に支承されかつボールスタッドに結合された別の回転楕円形の支承面との間に転がり軸受けが設けられている形式のものに関する。
【0002】
特に自動車におけるホイールサスペンションのために使用されるようなボールジョイントは、部分的に極端な荷重にさらされている。この荷重は機械的な負荷から生じ得るか、または熱的もしくは化学的な影響因子により生ぜしめられる。ボールジョイントの構造的な設計は現在、通常の事情では自動車の寿命にわたってボールジョイントが交換される必要や保守(メンテナンス)される必要が生じないように行われる。
【0003】
ボールジョイントは自動車において半径方向および軸方向の力で負荷される。これらの力は部分的にかなりの規模となり得る。さらに、ボールスタッドはその中心軸線を中心とした回転運動を可能にしなければならない。ボールジョイントの構成寸法が増大するにつれて、ボールジョイントにおいて記録され得るトルクもしくは摩擦モーメントも増大する。このことは特にステアリング範囲において不都合に作用する。なぜならば、ステアリング範囲では自動車の操舵性を保証するために、高められた力が加えられなければならないからである。さらに、ボールジョイント内部の高いトルクおよび摩擦モーメントは摩耗や、ステアリングリターンに関する法律上の規定が維持され得なくなる危険を招く。
【0004】
ボールジョイント内部のトルクもしくは摩擦モーメントを減少させるために、たとえば米国特許第2954993号明細書および米国特許第2645510号明細書に基づき公知のボールジョイントは、ハウジング内に旋回可能でかつ回転可能に支承された第1の回転楕円形の支承面を備えたボールスタッドを有している。この場合、この第1の回転楕円形の支承面と、ハウジング内に支承されかつボールスタッドに結合された別の回転楕円形の支承面との間に転がり軸受けが設けられている。転がり軸受けとしては、上記米国特許明細書の開示内容によれば、単列の深溝形玉軸受けが使用される。ジョイントボールはこれら公知の解決手段では、それぞれ2つの別個の個別部分から成っており、この場合、両ジョイントボール部分の間に上記転がり軸受けが収容されている。このようなボールジョイントを用いると、転がり軸受けの小さな転動摩擦に基づき、ボールスタッドの回転運動を極めて小さな摩擦モーメントによって実現することができる。
【0005】
しかし、上で挙げた米国特許明細書に基づき公知のボールジョイントには欠点もある。すなわち、この公知のボールジョイントはそれぞれ金属製の回転楕円形の支承面を有しており、これらの金属製の支承面は直接に、やはり金属から成るハウジング内に支承されている。金属/金属の接触ペアリングにより、路面からホイールサスペンションと該ホイールサスペンションに設けられたボールジョイントとを介して導入された振動は直接に、すなわち減衰なしに、自動車の、ボールジョイントを収容する構成部分に伝達され、これによって車両運転者に振動が感じられるようになる。しかし、これによって、許容不可能な乗り心地損失が与えられている。さらに、使用された軸受けペアリングに基づき、ボールジョイントを規則的にメンテナンスすることが必要となる。メンテナンスはこの場合には、ボールジョイントに存在する潤滑剤装入開口を介してグリースが補填されなければならないことにある。
【0006】
しかし、米国特許第2954993号明細書および米国特許第2645510号明細書に基づき公知のボールジョイント構成の最大の欠点は、使用された転がり軸受けが、変位されていないボールスタッドに関して軸方向における荷重のためにしか設計されていない点に認められる。この場合に使用される転がり軸受けは、半径方向力を吸収するか、もしくは伝達するためには適当でない。
【0007】
さらに、このような転がり軸受けでは、ジョイント摩耗の発生時、ひいてはこれに伴う内側のジョイント構成部分の緩み発生時に、転がり軸受け内部の遊びも増大してしまうという問題も生じる。しかしこれにより、転動体がずれてひっかかり、ひいては転動体のスムーズな機能様式がもはや確実に保証されなくなる恐れがある。当該ボールジョイントに関してこのことから必然的に生ぜしめられる結果は、当該ボールジョイント全体を交換することにある。
【0008】
別の解決手段は、米国特許第2544583号明細書から知られている。同米国特許明細書に記載のボールジョイントは自動車におけるホイールサスペンションのために設計されている。このボールジョイントはボールスタッドを有しており、このボールスタッドは、ハウジング内に旋回可能でかつ回転可能に支承された第1の回転楕円形の支承面を備えており、この場合、この第1の回転楕円形の支承面と、ハウジング内に支承されかつボールスタッドに結合された別の回転楕円形の別の支承面との間に転がり軸受けが設けられている。同米国特許明細書で使用された転がり軸受けは、円筒ころ軸受けである。この円筒ころ軸受けは、転動体の回転軸線に関して高い半径方向力を吸収するために適している。しかし、円筒ころ軸受けは軸方向力を伝達することができないか、または極めて小さな軸方向力しか伝達することができない。軸方向ならびに半径方向における重畳された力・モーメント作用をも生ぜしめる、自動車におけるボールジョイントの複雑な荷重の場合には、このようなボールジョイントの使用可能性は大きく制限されてしまう。同米国特許明細書に記載の構成も、金属・金属支承部を成している。なぜならば、ジョイントボールの一部も、ハウジングも、金属製の材料から製造されていて、直接的な接触ペアリングを形成しているからである。それゆえに、米国特許第2544583号明細書に記載のボールジョイントも、規定された時間間隔毎の永続的なメンテナンスを必要とし、このメンテナンスは、前で説明した公知先行技術に基づき公知のボールジョイントの場合と同様にグリース潤滑により行われる。このためには、米国特許第2544583号明細書に記載のボールジョイントも潤滑剤装入開口を有している。
【0009】
本発明の根底を成す課題は、軸方向荷重をも半径方向荷重をもボールジョイントを介して吸収し、かつ相応して補償することのできるようなボールジョイントを提供することである。さらに、当該ボールジョイントは単純に形成され、ひいては廉価に製造可能であることが望ましい。
【0010】
この課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴、つまり転がり軸受けが、半径方向力および軸方向力を伝達する転がり軸受けであることにより解決される。本発明の有利な改良形は請求項2以下の対象である。
【0011】
相応して、本発明によれば、ボールスタッドが設けられており、該ボールスタッドが、ハウジング内に旋回可能でかつ回転可能に支承された第1の回転楕円形の支承面を備えており、該第1の回転楕円形の支承面と、ハウジング内に支承されかつボールスタッドに結合された別の回転楕円形の支承面との間に転がり軸受けが設けられている形式のボールジョイントを、転がり軸受けが、半径方向力および軸方向力を伝達する転がり軸受けであるように改良することが提案される。
【0012】
このように装備されたボールジョイントは特に、ボールスタッドの長手方向軸線を中心とした極端に低いトルクもしくは摩擦モーメントによりすぐれている。この場合、同時に高い軸方向および半径方向の力を伝達することができる。このようなボールジョイントの寿命の経過中に場合によっては生じる、ジョイント構成部分の間の遊びは、本発明による転がり軸受けによって補償され得るようになるので、ボールジョイントを引き続き使用することに対する影響を懸念しなくて済む。ボールジョイントの本発明の構成を用いると、ボーするスタッドの軸方向の中心軸線を中心とした該ボールスタッドの回転運動を該ボールスタッドの旋回運動から完全に分離するための手段が提供されている。したがって、全体的には、このようなボールジョイントを設計するための十分に新規な構造的な手段が得られる。ボールジョイントの単純な構造により製作手間、ひいては製造コストを著しく減少させるボールジョイントの廉価な改良形が提供される。
【0013】
本発明の第1の有利な構成では、転がり軸受けが、2列式のアンギュラ玉軸受け、円錐ころ軸受けまたは自動調芯ころ軸受け(Pendelrollenlager)を形成することが提案される。前で挙げられたこれらの転がり軸受けタイプはそれぞれ、本発明の手段において軸方向の荷重をも半径方向の荷重をも吸収し、かつこのように方向付けられた力を伝達するために適している。
【0014】
2列のアンギュラ玉軸受けの構造はO形配置(O-Anordnung)、つまり背面組合せ(DB)形式の単列のアンギュラ玉軸受けのペアに相当する。このような軸受けはその構造に基づいて極めて小さな遊びを有している。
【0015】
前で挙げた円錐ころ軸受けは、極めた高い支持能力によりすぐれていて、組み合わされた複雑な荷重を吸収することができる。この場合、軸方向の力を吸収するためには、鏡像対称的に配置された第2の円錐ころ軸受けを設け、これによって対応案内を可能にすることが必要となり得る。
【0016】
提案された自動調芯ころ軸受けは、極めて重い荷重のために適している。このような自動調芯ころ軸受けの場合、2列の球面ころ(Tonnenrollen)が中空球状の軌道に沿って転動する。ころは、固定のフランジに案内されるので、これにより半径方向の荷重の他に軸方向の力も吸収され得る。本発明によるボールジョイントの規定された使用事例に応じて、これらの転がり軸受けのうちの1つを選択することができる。
【0017】
本発明の別の大きな利点は、発明者によれば、転がり軸受けの転動体の回転軸線がボールスタッドの長手方向軸線と共に所定の角度αを成していることにも認められる。このことは実際には、転動体が傾斜位置を有していることを意味している。転動体のこのような配置により、ボールジョイントの有利な特性、つまり特にボールスタッドの回転運動時における極めて小さな摩擦に認められる有利な特性が減じられることなしに、半径方向の荷重をも軸方向の荷重をも改善された形で吸収することが可能になる。
【0018】
上記思想の別の構成では、前記角度αが0〜90゜であってよい。しかし、ボールスタッドの長手方向軸線に対して転動体が45゜の角度αを成して配置されることが有利である。特に45゜での配置は極めて有利な力伝達を可能にし、ひいてはボールジョイントに課せられた要求を最良に考慮することができることが判った。
【0019】
さらに、簡単化された製作、ひいてはこれに伴う、本発明によるボールジョイントの製造時におけるコスト低減のためには、一種の組立てユニットシステムを提供することが提案される。このために本発明の解決手段では、ボールスタッドが、少なくとも2つの部分に分割されたジョイントボールを有しており、転がり軸受けが、組み立てられたジョイントボールの内部に収容されている。ジョイントボールの少なくとも2つの部分に分割された構成により、ボールジョイントに課せられた要求に応じて個々の構成部分の高度の可変性を可能にする構造自由度が得られる。この大きな自在性は、規格化された構成部分を使用する可能性をもたらす。
【0020】
前で説明したこのような本発明の思想は本発明者によれば、転動体が、対応し合うジョイントボール部分の間で、このために適した転動路表面にルーズに嵌め込まれ得るように改良されている。このことは、本発明による解決手段を実現するために、予め製作された転がり軸受けが使用されなければならないのではなく、これによって、互いに対応し合うジョイントボール部分およびこれらのジョイントボール部分内に挿入された転動体の内部における転動路によって、本発明によるボールジョイントの極めて簡単な組み付けを実現し、しかも前記ジョイントボール部分の間における転動体の配置を任意に設定し得ることが可能になることを意味する。これによって、ボールスタッドの長手方向軸線に対して相対的な転動体の、冒頭で述べた傾斜位置をも困難なく実現することができる。ジョイントボール部分の内部に設けられた転動路表面は、転動体を収容しかつ相応して案内するために適しているだけでよい。
【0021】
本発明のさらに別の有利な構成は、転がり軸受けがボールジョイント内部で回転クラウンを形成していることに認められ得る。
【0022】
快適性の改善および本発明によるボールジョイントの固体伝搬音伝達の低減のために、本発明の発明者によれば、さらに、ジョイントボールが、全体的に、ハウジング内に収容された支承シェル内に旋回可能に支承されることが提案される。このような支承シェルには次のような利点がある。すなわち、この支承シェルは一方ではボールジョイントを介して導入された振動を低減し、つまり減衰し、他方ではボールジョイントのメンテナンスフリー性をもたらす。弾性的な支承シェルの使用により、あとからボールジョイントを、予め規定のメンテナンスインターバル毎にグリースで潤滑する必要がなくなる。適当な支承シェル材料は公知先行技術により知られている。特に有利には、たとえば、この場合には傾動モーメントを最小値にまで減少させる良好なトライボロジ的な特性を有するPOM材料、PEEK材料またはこれに類似の材料のような材料を使用することができる。このようなメンテナンスフリーの材料は部分的に自己潤滑性の特性を有しており、この場合、これらの材料はさらに、上で述べた減衰特性をもたらす。
【0023】
ハウジング内部で支承シェルを位置固定するためには、保持リングを使用することができる。この保持リングは、支承シェルに、制限された範囲で弾性的なプリロードをかけるためにも適している。これによって、次のような大きな利点が得られる。すなわち、支承シェルは摩耗に基づいた摩滅の際にも、ボールジョイントの寿命にわたり自動的な後緊締力(Nachspannung)を受けるので、ジョイント構成部分はボールジョイント内部で緩まなくなる。これによって、本発明によるボールジョイントは、極めて高い半径方向の荷重においても軸方向の荷重においても極めて長い寿命のために設計されている。保持リングは形状接続、つまり係合に基づいた嵌合または摩擦接続により、たとえばハウジング縁部の部分範囲の変形加工によりハウジングに位置固定され得る。それと同時に、保持リングは支承シェルを前で述べた形式で位置固定する。
【0024】
本発明のさらに別の特徴および利点は請求項2以下および以下の有利な実施例の説明に記載されている。以下に、本発明の有利な実施例を図面につき詳しく説明する。
【0025】
図1は、本発明によるボールジョイントのための1実施例を示す部分的な横断面図であり、
図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。
【0026】
図1には、本発明によるボールジョイントの1実施例が例示的に部分断面図で図示されている。このボールジョイントはボールスタッド1を有しており、このボールスタッド1はハウジング2内に旋回可能でかつ回転可能に支承されている。図示の例では、ボールスタッド1のハウジング側の端範囲が、第1の回転楕円形の支承面3を有しており、この第1の回転楕円形の支承面3は、ボールスタッド1に結合された第2の回転楕円形の支承面4と共に、全体的に「9」で示した1つのジョイントボールを形成している。
【0027】
ジョイントボール部分9.1,9.2の間には、転がり軸受け5が導入されている。この転がり軸受け5は、両ジョイントボール部分9.1,9.2に設けられた転動路10を有しており、これらの転動路10には、多数のルーズな転動体7が挿入されている。本発明の特別な点は、転動体7がボールスタッド1の長手方向中心軸線8に対して傾斜位置を有している点にある。「傾斜位置」とはこの場合、傾けられた組込み位置を意味するので、転動体7の回転軸線6はボールスタッド1の長手方向中心軸線8と共に角度αを成している。図1に示した本発明によるボールジョイントの図示の実施例では、角度α=45゜である。両ジョイントボール部分9.1,9.2の間の転動体7のこのような位置決めは、ボールスタッド1に導入された軸方向力もしくはボールジョイントの半径方向の荷重の最適な伝達を可能にする。ジョイントボール9は全体的に支承シェル11内に旋回可能に支承されている。ボールスタッド1の回転運動の摩擦モーメントを減少させるためには、転がり軸受け5が働き、ハウジング2の内部でのボールスタッド1の旋回運動は、支承シェル11により予め規定された摩擦係数を得る。
【0028】
図1の実施例に示したボールジョイントは、片側で開いたハウジング2を有している。ハウジング2の開口側の範囲には、保持リング12が設けられている。この保持リング12の位置固定は、ハウジング範囲の少なくとも部分的な変形加工によって行われる。保持リング12は、支承シェル11を、ひいては該支承シェル11内に収容された、ボールスタッド1のジョイントボール9をハウジング2の内部で所定の位置に位置固定するために働く。このためには、支承シェル11がプラスチックから製造されて、弾性的な特性を有していることが有利である。支承シェル11のこのような特性により、ボールジョイントの寿命の経過中に軸受け構成部分の間に遊びが生じる場合には、ジョイント構成部分の自動的な調整も可能となる。したがって、ボールジョイントは全体的に、設計された全寿命にわたりメンテナンスフリーとなる。内側のジョイント構成部分を湿分や不純物の侵入に対して保護するためには、シールベローズ13が働く。このシールベローズ13は一方ではボールスタッド1に密に当て付けられている。他方では、シールベローズ13の第2の縁範囲がハウジング2に接触している。さらに、シール作用を改善するためには、シールベローズ13の各縁範囲に緊締リング14,15が配置されている。これらの緊締リング14,15はシールベローズ13を上記構成部分に位置固定する。ボールスタッド1に接触したシールベローズ縁部が内側のジョイント構成部分の方向で軸方向に運動することを回避するために、ボールスタッド1に設けられたネック17の範囲には、シールベローズ保持リング16が設けられている。このシールベローズ保持リング16はシールベローズ縁部を支持して、このシールベローズ縁部をボールスタッド1に位置固定している。
【0029】
図2には、図1のII−II線に沿った断面図が示されている。図2からは、転がり軸受け5の構成が判る。図2には、第1のジョイントボール部分9.1を、該第1のボールジョイント部分9.1に導入された転がり軸受け5の範囲で見た図が示されている。このためには、第1のジョイントボール部分9.1に転動路10が設けられている。これらの転動路10内には、本実施例ではルーズな転動体7が嵌め込まれている。対応する対応転動路は、図2には図示されていない第2のジョイントボール部分9.2に設けられている。ジョイントボールは全体的に支承シェル11内に支承されており、この支承シェル11はハウジング2内に挿入されている。本発明の原理のみを説明するために、個々の構成部分は図2では概略的に単純化されて図示されている。転動路10内に案内された転動体7は全体的にボールスタッド1のジョイントボール9の内部で1つの回転クラウンを形成している。
【0030】
もちろん、本発明の上記特徴はそれぞれ記載された組合せの形で使用可能であるだけではなく、本発明の枠を逸脱することなしに別の組合せの形または単独の形でも使用可能である。また、本発明の個々の機械的な構成要素の機能を機械的に逆転させることも本発明の枠内である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明によるボールジョイントのための1実施例を示す部分的な横断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ボールスタッド
2 ハウジング
3 第1の回転楕円形の支承面
4 第2の回転楕円形の支承面
5 転がり軸受け
6 転動体の回転軸線
7 転動体
8 中心軸線
9 ジョイントボール
9.1 第1のジョイントボール部分
9.2 第2のジョイントボール部分
10 転動路
11 支承シェル
12 保持リング
13 シールベローズ
14 第1の緊締リング
15 第2の緊締リング
16 シールベローズ保持リング
17 ネック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車のホイールサスペンションに用いられるボールジョイントであって、ボールスタッド(1)が設けられており、該ボールスタッド(1)が、ハウジング(2)内に旋回可能でかつ回転可能に支承された第1の回転楕円形の支承面(3)を備えており、該第1の回転楕円形の支承面(3)と、ハウジング(2)内に支承されかつボールスタッド(1)に結合された別の回転楕円形の支承面(4)との間に転がり軸受け(5)が設けられている形式のものにおいて、転がり軸受け(5)が、半径方向力および軸方向力を伝達する転がり軸受けであることを特徴とするボールジョイント。
【請求項2】
転がり軸受け(5)が、2列式のアンギュラ玉軸受け、円錐ころ軸受けまたは自動調芯ころ軸受けを形成している、請求項1記載のボールジョイント。
【請求項3】
転動体(7)の回転軸線(6)が、ボールスタッド(1)の長手方向軸線(8)と共に所定の角度(α)を成している、請求項1または2記載のボールジョイント。
【請求項4】
前記角度(α)が0〜90゜、有利には45゜である、請求項3記載のボールジョイント。
【請求項5】
ボールスタッド(1)が、少なくとも2つの部分に分割されたジョイントボール(9)を有しており、転がり軸受け(5)が、組み立てられたジョイントボール(9)の内部に収容されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のボールジョイント。
【請求項6】
転動体(7)が、対応し合うジョイントボール部分の間で、このために適した転動路表面(10)にルーズに嵌め込まれている、請求項5記載のボールジョイント。
【請求項7】
転がり軸受け(5)が回転クラウンを形成している、請求項1から6までのいずれか1項記載のボールジョイント。
【請求項8】
ジョイントボール(9)が、全体的に、ハウジング(2)内に収容された支承シェル(11)内に旋回可能に支承されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のボールジョイント。
【請求項9】
支承シェル(11)が、弾性的な特性を有する材料から製造されている、請求項8記載のボールジョイント。
【請求項10】
支承シェル(11)が、保持リング(12)によってハウジング(2)内に位置決めされている、請求項8または9記載のボールジョイント。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−535568(P2009−535568A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506908(P2009−506908)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【国際出願番号】PCT/DE2007/000718
【国際公開番号】WO2007/124721
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(506054589)ツェットエフ フリードリヒスハーフェン アクチエンゲゼルシャフト (151)
【氏名又は名称原語表記】ZF Friedrichshafen AG
【住所又は居所原語表記】D−88038 Friedrichshafen,Germany
【Fターム(参考)】