説明

ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物

【課題】 既存のSiNxパッシベーション膜/アクリル系感光性有機絶縁膜の二重構造を一つの層に形成することにより、工程を単純化し、生産費を節減することができ、感度、解像度、工程マージン、透明性、耐熱変色性などの性能が優れると共に、特に低誘電率絶縁膜を可能にすることによって消費電力を低くすることができ、残像及びクロストーク、及びしきい電圧のシフト現象を防止することができ、また、優れた耐熱性による低アウトガスを可能にすることによって優れたパネル信頼性を確保することができ、これによって多様なディスプレイにおいてパッシベーション絶縁膜、ゲート絶縁膜だけでなく、平坦化膜などとしても有用に適用することができるポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物を提供する。
【解決手段】 本発明によるポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物は、i)下記の化学式1で示される1〜3個のフェニル基を含む反応性シラン、(ii)下記の化学式2で示される4官能反応性シランのシラン単量体を触媒の存在下で加水分解及び縮合重合して得られたポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)が1,000〜20,000であるシロキサンオリゴマー化合物;(b)1,2−キノンジアジド化合物;及び(c)溶媒を含むことを特徴とする。
【化1】


(式中、R1はフェニル基であり、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、またはアセトキシ基であり、nは1〜3の整数である。)
【化2】


(式中、R3はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、またはアセトキシ基である。)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物に関する。より詳しくは、既存のSiNxパッシベーション(Passivation)膜/アクリル系感光性有機絶縁膜の二重構造を一つの層に形成することにより、工程を単純化し、生産費を節減することができ、感度、解像度、工程マージン、透明性、耐熱変色性などの性能が優れ、特に低誘電率絶縁膜を実現することにより、消費電力を低くすること、及び残像及びクロストーク(Crosstalk)、及びしきい(Threshold)電圧のシフト(Shift)現象を防止することができ、また、優れた耐熱性による低アウトガス(Low Outgassing;低ガス放出)を実現することにより、優れたパネル信頼性を確保することができ、これにより多様なディスプレイにおいてパッシベーション絶縁膜、ゲート絶縁膜だけでなく、平坦化膜などとしても有用に適用することができるポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、TFT(Thin Film Transistor)型液晶表示素子や集積回路素子には層間に配置される配線の間を絶縁し開口率向上のためにSiNxパッシベーション膜及びアクリル系感光性有機絶縁膜からなる二重膜が使用されている。SiNx膜の場合はCVD(Chemical Vapor Deposition)工程によって形成され、アクリル系感光性有機絶縁膜の場合はフォトリソグラフィー工程(以下、フォト工程と略記する。)によって形成されるため、工程時間に応じた生産能力の問題が深刻である。
【0003】
従来の絶縁膜において、前記CVDによって形成されたSiNx膜を単独で使用する時にはディスプレイの開口率が低下する問題があり、ディスプレイの大型化により生産ラインで蒸着装備が占める面積も大きく、設備大型化に大きな負担となっている。また、既存のフォト工程によるアクリル系感光性有機絶縁膜を単独で形成する時には残像及びクロストーク、しきい電圧値のシフト現象などディスプレイに電気的な不良を惹き起こす。これは有機物質のみの短所であるフィルム上の欠点による漏れ電流が原因であることと知られている。
【0004】
そのために最近、有機・無機ハイブリッド技術に基づいてフォト工程のみで形成できる単一層絶縁膜の必要性が高まっており、これに関する技術開発が活発に行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の技術の問題点を解決するために、本発明は既存のSiNxパッシベーション膜/アクリル系感光性有機絶縁膜の二重構造を一つの層に形成することにより、工程を単純化し、また生産費を節減することができ、感度、解像度、工程マージン、透明性、耐熱変色性などの性能が優れ、特に低誘電率絶縁膜を実現することにより、消費電力を低くすること、及び残像及びクロストーク、及びしきい電圧のシフト現象を防止することができ、また、優れた耐熱性による低アウトガスを実現することにより、優れたパネル信頼性を確保することができ、これにより多様なディスプレイにおいてパッシベーション絶縁膜、ゲート絶縁膜だけでなく、平坦化膜などとしても有用に適用することができるポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物、これを利用したディスプレイ素子のパターン形成方法、及びポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物の硬化体を絶縁膜に含むディスプレイ素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物において、
(a)(i)下記の化学式1
【化1】

(式中、R1はフェニル基であり、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、またはアセトキシ基であり、nは1〜3の整数である。)
で示される1〜3個のフェニル基を含む反応性シラン、(ii)下記の化学式2
【化2】

(式中、R3はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、またはアセトキシ基である。)
で示される4官能反応性シランを触媒の存在下で加水分解及び縮合重合して得られたポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)が1,000〜20,000であるシロキサンオリゴマー化合物;
(b)1,2−キノンジアジド化合物;及び
(c)溶媒を含むことを特徴とするポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物を提供する。
【0007】
好ましくは、前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物は、前記(a)前記シロキサンオリゴマー化合物を100質量部;(b)前記1,2−キノンジアジド化合物を5〜50質量部;及び、(c)溶媒を固形分含量が10〜50質量%含む。
【0008】
また、本発明は、前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物を利用することを特徴とするディスプレイ素子のパターン形成方法を提供する。
【0009】
また、本発明は前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物の硬化体を含むことを特徴とするディスプレイ素子を提供する。
【0010】
好ましくは、前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物の硬化体はパッシベーション絶縁膜、ゲート絶縁膜または平坦化膜に適用される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物は、既存のSiNxパッシベーション膜/アクリル系感光性有機絶縁膜の二重構造を一つの層に形成することにより、工程を単純化し、生産費を節減することができ、感度、解像度、工程マージン、透明性、耐熱変色性などの性能が優れ、特に低誘電率絶縁膜を実現することにより、消費電力を低くすること、及び残像及びクロストーク、及びしきい電圧のシフト現象を防止することができ、また、優れた耐熱性による低アウトガスを実現することにより、優れたパネル信頼性を確保することができ、これにより多様なディスプレイにおいてパッシベーション絶縁膜、ゲート絶縁膜だけでなく、平坦化膜などにも有用に適用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物において、
(a)(i)下記の化学式1
【化3】

(式中、R1はフェニル基であり、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、またはアセトキシ基であり、nは1〜3の整数である。)
で示される1〜3個のフェニル基を含む反応性シラン、(ii)下記の化学式2
【化4】

(式中、R3はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、またはアセトキシ基である。)
で示される4官能反応性シランを触媒の存在下で加水分解及び縮合重合して得られたポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)が1,000〜20,000であるシロキサンオリゴマー化合物;
(b)1,2−キノンジアジド化合物;及び
(c)溶媒を含むことを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物は、(a)前記シロキサンオリゴマー化合物を100質量部;(b)前記1,2−キノンジアジド化合物を5〜50質量部;及び(c)溶媒を固形分含量が10〜50質量%になるように含む。
【0014】
本発明に使用される前記(a)のシロキサンオリゴマー化合物は、既存のSiNxパッシベーション膜及びアクリル系感光性有機絶縁膜からなる二重膜を単一膜に代替するために問題になっていた残像及びクロストーク、しきい電圧のシフト現象のような問題を解決することができると共に、優れた耐熱性による低アウトガスを可能にすることによって優れたパネル信頼性を確保することができるバインダーである。
【0015】
前記(a)のシロキサンオリゴマー化合物は、(a)(i)前記化学式1で示される1〜3個のフェニル基を含む反応性シラン、及び(ii)前記化学式2で示される4官能反応性シランのシラン単量体を酸または塩基触媒の存在下で加水分解及び縮合重合によって得ることができる。
【0016】
本発明に使用される前記(a)(i)前記化学式1で示される1〜3個のフェニル基を含む反応性シランは、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシランなどがあり、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0017】
前記(a)(i)前記化学式1で示される1〜3個のフェニル基を含む反応性シランは全体総単量体に対して50〜90質量部で含まれるのが好ましい。その含量が50質量部未満である場合にはフィルム形成時に亀裂(Crack)が発生することがあり、90質量部を超過する場合には重合時に反応性が落ちて分子量を制御しにくいこともある。
【0018】
本発明に使用される前記(a)(ii)前記化学式2で示される4官能反応性シランは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラアセトキシシランなどがあり、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0019】
前記(a)(ii)前記化学式2で示される4官能反応性シランは全体総単量体に対して10〜50質量部で含まれるのが好ましい。その含量が10質量部未満である場合には感光性有機・無機絶縁膜組成物のパターン形成時にアルカリ水溶液に対する溶解性が落ちて不良を発生させることがあり、50質量部を超過する場合にはアルカリ水溶液に対する溶解性が過度に大きくなることがある。
【0020】
また、本発明に使用される(a)のシロキサンオリゴマー化合物は、前記(i)及び(ii)のシラン単量体とともに(iii)下記の化学式3
【化5】

(式中、R4はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、またはアセトキシ基であり、R5は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、エポキシ基、ビニル基、ヘキセニル基、アクリル基、メタクリル基、またはアリル基であり、nは1〜3の整数である。)
で示される反応性シランを追加的に含んで酸または塩基触媒の存在下で加水分解及び縮合重合することができる。
【0021】
前記(iii)前記化学式3で示される反応性シランは、具体的な例として、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルフェノキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、クロロプロピルメチルジメトキシシラン、クロロイソブチルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、t−ブチルプロピルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、i−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、グリシドキシ(Glycidoxy)プロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルジエトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、アリールトリメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシランなどがあり、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0022】
前記(iii)前記化学式3で示される反応性シランまたはこれらの混合物を使用する場合、使用量は全体総シラン単量体の10〜50質量部で含むのが好ましい。使用量が前記範囲内である場合、感度及び現像性が一層良好になる。
【0023】
本発明のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物に使用される(a)のオリゴマーシロキサン化合物は、前記のような単量体を水及び酸または塩基触媒の存在下でバルク(Bulk)重合または溶液(Solution)重合が可能であり、加水分解及び縮合重合の過程などを経て得られる。
【0024】
このような重合時に使用される酸触媒は塩酸、硝酸、硫酸、シュウ酸、ホルム酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸などがあり、塩基触媒はアンモニア、有機アミン、及びアルキルアンモニウムヒドロオキシド塩などがあり、単独でまたは2種以上を混合して同時にまたは段階的に使用することができる。
【0025】
最終的に得られた(a)のオリゴマーシロキサン化合物は、GPC(Gel Permeation Chromatography)によるポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)が1,000〜20,000であるのが好ましい。前記ポリスチレン換算質量平均分子量が1,000未満である場合にはポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜評価時に現像性、残膜率などが低下したり、フィルム形成時にピンホール(Pin−Hole)などの不良をもたらすという問題点があり、20,000を超える場合にはポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜の感度が低下したりパターンの現像性が劣るという問題点がある。
【0026】
また、本発明のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物は(b)1,2−キノンジアジド化合物を含むところ、本発明に使用される前記(b)の1,2−キノンジアジド化合物は感光性化合物として使用される。前記(b)1,2−キノンジアジド化合物は下記の化学式4
【化6】

(式中、R1〜R6はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルケニル基、または水酸基であり、R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、R9は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。)
で示されるフェノール化合物とナフトキノンジアジドスルホン酸ハロゲン化合物を反応させて得られたものを使用することができる。
【0027】
好ましくは、前記1,2−キノンジアジド化合物は、1,2−キノンジアジド4−スルホン酸エステル、1,2−キノンジアジド5−スルホン酸エステル、または1,2−キノンジアジド6−スルホン酸エステルなどを使用することができる。
【0028】
具体的な一例として、前記キノンジアジド化合物はナフトキノンジアジドスルホン酸ハロゲン化合物と下記の化学式のフェノール化合物を弱塩基下で反応させて製造することができる。
【0029】
【化7】

【0030】
【化8】

【0031】
【化9】

【0032】
【化10】

【0033】
【化11】

【0034】
前記フェノール化合物は、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
前記のようなフェノール化合物及びナフトキノンジアジドスルホン酸ハロゲン化合物でキノンジアジド化合物を合成する時、エステル化度は50〜85%が好ましい。前記エステル化度が50%未満である場合には残膜率が悪くなることがあり、85%を超過する場合には保管安定性が低下することがある。
【0035】
前記(b)1,2−キノンジアジド化合物は、(a)のシロキサンオリゴマー化合物100質量部に対して5〜50質量部で含まれるのが好ましい。その含量が5質量部未満である場合には露光部と非露光部の溶解度差が小さくなってパターン形成が難しく、50質量部を超過する場合には短時間光を照射する時に未反応の1,2−キノンジアジド化合物が多く残存し、現像液であるアルカリ水溶液に対する溶解度が過度に低くなって現像が難しいという問題点がある。
【0036】
また、本発明のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物は(c)溶媒を含むところ、前記(c)の溶媒は絶縁膜の平坦性とコーティング染みを発生しないようにして、均一なパターンプロファイル(patternprofile)を形成するようにする。
【0037】
前記(c)の溶媒は、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、ヘキシルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネートなどのエチレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなどのジエチレングリコールアルキルエーテル類、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのジプロピレングリコールアルキルエーテル類、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテルなどのブチレングリコールモノメチルエーテル類、ジブチレングリコールジメチルエーテル、ジブチレングリコールジエチルエーテルなどのジブチレングリコールアルキルエーテル類などを単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0038】
前記(c)の溶媒はポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物の固形分含量が10〜50質量%になるように含まれるのが好ましい。固形分含量が10質量%未満である場合にはコーティング厚さが薄くなり、コーティング均一性が低下するという問題点があり、50質量%を超過する場合にはコーティング厚さが厚くなり、コーティング時にコーティング装備に無理を与えることがあるという問題点がある。全体組成物の固形分含量が10〜20質量%である場合にはスリットコーター(Slit Coater)で使用することが容易であり、20〜50質量%である場合にはスピンコーター(Spin Coater)またはスリットコーターとスピンコーターで使用することが容易である。
【0039】
前記のような成分からなる本発明のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物は必要によって(d)可塑剤、(e)エポキシ樹脂、(f)アルカノール基が含まれている窒素含有架橋剤、及び(g)界面活性剤を追加的に含むことができる。
【0040】
前記(d)の可塑剤は絶縁膜の架橋結合密度(Crosslinking Density)を調節して、硬化工程後、亀裂がないフィルム特性を維持させ、高感度特性を維持させる。
【0041】
前記可塑剤は、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレートなどのフタレート系、ジオクチルアジペートなどのアジペート系、トリクレシルホスフェートなどのホスフェート系、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートなどのモノイソブチレート系などを単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0042】
前記可塑剤は(a)のシロキサンオリゴマー化合物100質量部に対して5〜20質量部で含まれるのが好ましく、その含量が前記範囲内である場合、架橋結合密度の調節が容易であり、耐熱性が優れ、工程時ガス(Fume)の発生が少ないため有利である。
【0043】
前記(e)のエポキシ樹脂は感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物から得られるパターンの耐熱性、接着力などを向上させる作用を果たす。
【0044】
前記エポキシ樹脂としては、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂,ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂などを単独でまたは2種以上混合して使用することができ、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、またはグリシジルエステル型エポキシ樹脂を使用するのが好ましい。
【0045】
前記エポキシ樹脂は前記(a)のシロキサンオリゴマー化合物100質量部に対して0.5〜10質量部で含まれるのが好ましく、前記範囲内である場合に耐熱性、接着力、保存安定性が同時に優れ、また、本発明のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物上で析出の恐れがなくなる長所がある。
【0046】
また、前記(f)のアルカノール基が含まれている窒素含有架橋剤は感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物から得られるパターンの接着力を向上させる作用を果たし、樹脂(Resin)との架橋構造を形成して架橋度を増加させる。このような窒素含有架橋剤としては、尿素とホルムアルデヒドの縮合生成物、メラミンとホルムアルデヒドの縮合生成物、アルコール類から得られたメチロール尿素アルキルエーテル類、メチロールメラミンアルキルエーテル類などを利用することができる。好ましくは、前記アルカノール基が含まれている窒素含有架橋剤としては下記の化学式5、化学式6
【0047】
【化12】

(式中、R1、R3、及びR5はそれぞれ独立して−CH2O(CH2nCH3であり、nは0〜3の整数であり、R2、R4、及びR6はそれぞれ独立してまたは同時に水素原子であるか、−(CH2)OHまたは−CH2O(CH2mCH3であって、mは0〜3の整数である。)
【0048】
【化13】

(式中、R1、R3はそれぞれ独立して−CH2O(CH2nCH3であり、nは0〜3の整数であり、R2、R4はそれぞれ独立してまたは同時に水素原子であるか、−(CH2)OHまたは−CH2O(CH2mCH3であって、mは0〜3の整数であり、R5は炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基である。)、
【0049】
化学式7、化学式8、化学式9、化学式10、化学式11、化学式12
【化14】

【0050】
【化15】

【0051】
(前記化学式7〜12中、Rはそれぞれ独立してまたは同時に水素原子であるか、−(CH2)OHまたは−CH2O(CH2mCH3であって、mは0〜3の整数であり、少なくとも一つ以上がアルカノール基である。)
で示される化合物を単独でまたは2種以上混合して使用することが良い。
【0052】
前記(f)のアルカノール基が含まれている窒素含有架橋剤は基板との接着性を向上させる作用を果たし、前記(a)のシロキサンオリゴマー化合物100質量部に対して0.5〜10質量部で含まれるのが好ましい。
【0053】
前記(g)界面活性剤は、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、F171、F172、F173(商品名;大日本インキ社製)、FC430、FC431(商品名;住友スリーエム社製)、またはKP341(商品名;信越化学工業社製)などを使用することができる。
【0054】
前記界面活性剤は前記(a)のシロキサンオリゴマー化合物100質量部に対して0.0001〜2質量部で含まれるのが好ましく、その含量が前記範囲内である場合には感光性組成物の塗布性や現像性向上においてさらに良い。
【0055】
前記のような本発明のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物は固形分濃度を10〜50質量%にして、0.1〜0.2μmのミリポアフィルターなどでろ過した後に使用することが良い。
【0056】
また、本発明は前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物を利用することを特徴とするディスプレイ素子のパターン形成方法及び前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物の硬化体を含むことを特徴とするディスプレイ素子を提供する。
【0057】
本発明によるパターン形成方法はディスプレイ工程で絶縁膜パターンを形成する方法において、前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物を使用してフォト工程を利用することを除いては他の工程は公知の方法を適用することができるのはもちろんである。
【0058】
具体的な一例として、前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜を利用してディスプレイ素子のパターンを形成する方法は次の通りである。
【0059】
まず、本発明のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜をスピンコーティング、スリットアンドスピンコーティング、スリットコーティング、ロールコーティングなどで基板表面に塗布し、プリベークによって溶媒を除去して塗布膜を形成する。この時、前記プリベークは100〜120℃の温度で1〜3分間実施するのが好ましい。
【0060】
その後、予め準備されたパターンによって可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線などを前記形成された塗布膜に照射し、現像液で現像して不必要な部分を除去することによって所定のパターンを形成する。
【0061】
前記現像液はアルカリ水溶液を使用することが良く、具体的に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミンなどの1級アミン類、ジエチルアミン、n−プロピルアミンなどの2級アミン類、トリメチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミンなどの3級アミン類、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類、またはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩の水溶液などを使用することができる。この時、前記現像液はアルカリ性化合物を0.1〜10質量部の濃度に溶解して使用され、メタノール、エタノールなどのような水溶性有機溶媒及び界面活性剤を適正量添加することもできる。
【0062】
また、前記のような現像液で現像した後、超純水で30〜90秒間洗浄して不必要な部分を除去し乾燥してパターンを形成し、前記形成されたパターンに紫外線などの光を照射した後、パターンをオーブンなどの加熱装置によって150〜400℃の温度で30〜90分間加熱処理して、最終のパターンを得ることができる。
【0063】
本発明によるディスプレイのパターン形成方法は、1回のフォト工程を利用して絶縁膜を形成することによって、既存のSiNxパッシベーション膜/アクリル系感光性有機絶縁膜の二重構造を一つの層に形成することにより、工程を単純化し、生産費を節減することができ、感度、解像度、工程マージン、透明性、耐熱変色性などの性能が優れ、特に低誘電率絶縁膜を実現することにより、消費電力を低くすること、及び残像及びクロストーク、及びしきい電圧のシフト現象を防止することができ、また、優れた耐熱性による低アウトガスを実現することにより、優れたパネル信頼性を確保することができ、これにより多様なディスプレイでパッシベーション絶縁膜、ゲート絶縁膜だけでなく、平坦化膜などにも有用に適用することができる。
【実施例】
【0064】
以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるのではない。
【0065】
[合成例]
合成例1:シロキサンオリゴマー化合物(A)の製造
冷却管と撹拌機を備えたフラスコに反応性シランとしてそれぞれ、フェニルトリエトキシシラン55質量部、テトラエトキシシラン20質量部、トリエトキシシラン25質量部を入れ、溶媒としてエタノール100質量部を入れ、窒素置換した後に緩やかに撹拌した。前記反応溶液に追加的に超純水40質量部及び触媒としてシュウ酸を3質量部投入した後に再び緩やかに撹拌した。1時間後、前記反応溶液を60℃まで昇温させて10時間この温度を維持して溶液重合後、常温で冷却させて反応を終結した。さらに0℃以下に急冷して反応物の沈殿が起こるようにした。また、未反応シランが含まれている上昇液を除去した後、真空乾燥によって反応中に生成されたアルコール類の溶媒及び残留水分を除去した。最終的にGPC分析結果、ポリスチレン換算質量平均分子量(MW)が4000である(a)のシロキサンオリゴマー化合物を製造した。
【0066】
合成例2:シロキサンオリゴマー化合物(B)の製造
冷却管と撹拌機を備えたフラスコに反応性シランとしてそれぞれフェニルトリエトキシシラン55質量部、テトラエトキシシラン20質量部、トリエトキシシラン25質量部を入れ、溶媒を入れずに、窒素置換した後緩やかに撹拌した。前記反応溶液に追加的に超純水40質量部及び触媒として硝酸を2質量部投入した後、再び緩やかに撹拌した。1時間後前記反応溶液を60℃まで昇温させて、10時間この温度を維持してバルク(Bulk)重合後、常温に冷却させて反応を終結した。さらに0℃以下に急冷し、反応物の沈殿が起こるようにした。また、未反応シランが含有された上昇液を除去した後、真空乾燥によって反応中に生成されたアルコール類の溶媒及び残留水分を除去した。最終的にGPC分析結果、ポリスチレン換算質量平均分子量(MW)が8000である(a)のシロキサンオリゴマー化合物溶液を製造した。
【0067】
合成例3:シロキサンオリゴマー化合物(C)の製造
前記合成例1で冷却管と撹拌機を備えたフラスコに反応性シランとしてそれぞれジフェニルジメトキシシラン60質量部、テトラフェノキシシラン20質量部、ビニルトリエトキシシラン20質量部を入れたことを除いては、前記合成例1と同様な方法で実施した。最終的にGPC分析結果、ポリスチレン換算質量平均分子量(MW)が3000である(a)のシロキサンオリゴマー化合物を製造した。
【0068】
合成例4:シロキサンオリゴマー化合物(D)の製造
前記合成例1で冷却管と撹拌機を備えたフラスコに反応性シランとしてそれぞれトリフェニルメトキシシラン50質量部、テトラメトキシシラン40質量部、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン10質量部を入れたことを除いては、前記合成例1と同様な方法で実施した。最終的にGPC分析結果、ポリスチレン換算質量平均分子量(MW)が6000である(a)のシロキサンオリゴマー化合物を製造した。
【0069】
合成例5:シロキサンオリゴマー化合物(E)の製造
前記合成例1で冷却管と撹拌機を備えたフラスコに反応性シランとしてそれぞれトリフェニルメトキシシラン50質量部、テトラブトキシシラン25質量部、n−ヘキシルトリメトキシシラン25質量部を入れたことを除いては、前記合成例1と同様な方法で実施した。最終的にGPC分析結果、ポリスチレン換算質量平均分子量(MW)が4000である(a)のシロキサンオリゴマー化合物を製造した。
【0070】
合成例6:シロキサンオリゴマー化合物(F)の製造
前記合成例2で冷却管と撹拌機を備えたフラスコに反応性シランとしてそれぞれトリフェニルメトキシシラン50質量部、テトラブトキシシラン25質量部、n−ヘキシルトリメトキシシラン25質量部を入れたことを除いては、前記合成例2と同様な方法で実施した。最終的にGPC分析結果、ポリスチレン換算質量平均分子量(MW)が8000である(a)のシロキサンオリゴマー化合物を製造した。
【0071】
合成例7:シロキサンオリゴマー化合物(G)の製造
前記合成例2で冷却管と撹拌機を備えたフラスコに反応性シランとしてそれぞれフェニルトリエトキシシラン90質量部、テトラエトキシシラン5質量部、n−ヘキシルトリメトキシシラン5質量部を入れたことを除いては、前記合成例2と同様な方法で実施した。最終的にGPC分析結果、ポリスチレン換算質量平均分子量(MW)が7000である(a)のシロキサンオリゴマー化合物を製造した。
【0072】
合成例8:シロキサンオリゴマー化合物(H)の製造
前記合成例2で冷却管と撹拌機を備えたフラスコに反応性シランとしてそれぞれフェニルトリエトキシシラン50質量部、テトラエトキシシラン15質量部、n−ヘキシルトリメトキシシラン35質量部を入れたことを除いては、前記合成例2と同様な方法で実施した。最終的にGPC分析結果、ポリスチレン換算質量平均分子量(MW)が10000である(a)のシロキサンオリゴマー化合物を製造した。
【0073】
合成例9:シロキサンオリゴマー化合物(I)の製造
前記合成例2で冷却管と撹拌機を備えたフラスコに反応性シランとしてそれぞれフェニルトリエトキシシラン70質量部、テトラエトキシシラン30質量部を入れたことを除いては、前記合成例2と同様な方法で実施した。最終的にGPC分析結果、ポリスチレン換算質量平均分子量(MW)が1500である(a)のシロキサンオリゴマー化合物を製造した。
【0074】
比較合成例1:シロキサンオリゴマー化合物(J)の製造
前記合成例1で冷却管と撹拌機を備えたフラスコに反応性シランとしてそれぞれフェニルトリエトキシシラン40質量部、テトラエトキシシラン15質量部、n−ヘキシルトリメトキシシラン45質量部を入れたことを除いては、前記合成例1と同様な方法で実施した。最終的にGPC分析結果、ポリスチレン換算質量平均分子量(MW)が10000である(a)のシロキサンオリゴマー化合物を製造した。
【0075】
比較合成例2:シロキサンオリゴマー化合物(K)の製造
前記合成例1で冷却管と撹拌機を備えたフラスコに反応性シランとしてそれぞれフェニルトリエトキシシラン95質量部、n−ヘキシルトリメトキシシラン5質量部を入れたことを除いては、前記合成例1と同様な方法で実施した。最終的にGPC分析結果、ポリスチレン換算質量平均分子量(MW)が1000である(a)のシロキサンオリゴマー化合物を製造した。
【0076】
比較合成例3:シロキサンオリゴマー化合物(L)の製造
前記合成例2で冷却管と撹拌機を備えたフラスコに反応性シランとしてそれぞれフェニルトリエトキシシラン20質量部、テトラエトキシシラン70質量部、n−ヘキシルトリメトキシシラン10質量部を入れたことを除いては、前記合成例2と同様な方法で実施した。最終的にGPC分析結果、ポリスチレン換算質量平均分子量(MW)が12000である(a)のシロキサンオリゴマー化合物を製造した。
【0077】
合成例10:1,2−キノンジアジド化合物(A)の製造
下記の化学式
【化16】


で示されるフェノール化合物1モルと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸[クロライド]2モルを縮合反応させて、エステル化度が67%である1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物を製造した。
【0078】
合成例11:1,2−キノンジアジド化合物(B)の製造
下記の化学式
【化17】


で示されるフェノール化合物1モルと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸[クロライド]2モルを縮合反応させて、エステル化度が67%である1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物を製造した。
【0079】
合成例12:1,2−キノンジアジド化合物(C)の製造
下記の化学式
【化18】


で示されるフェノール化合物1モルと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸[クロライド]2モルを縮合反応させて、エステル化度が67%である1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物を製造した。
【0080】
[実施例]
実施例1:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記合成例1で製造したシロキサンオリゴマー化合物(A)100質量部及び前記合成例10で製造した1,2−ナフトキノンジアジド化合物(A)25質量部、可塑剤としてジオクチルフタレート15質量部を入れ、固形分含量が20質量部になるようにプロピレングリコールメチルエーテルアセテートで混合して溶解した後、0.1μmのミリポアフィルターでろ過してポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド組成物を製造した。
【0081】
実施例2:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例1のシロキサンオリゴマー化合物(A)の代わりに、合成例2のシロキサンオリゴマー化合物(B)を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0082】
実施例3:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例1のシロキサンオリゴマー化合物(A)の代わりに、合成例3のシロキサンオリゴマー化合物(C)を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0083】
実施例4:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例1のシロキサンオリゴマー化合物(A)の代わりに、合成例4のシロキサンオリゴマー化合物(D)を使用したことを除いては前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0084】
実施例5:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例1のシロキサンオリゴマー化合物(A)の代わりに、合成例5のシロキサンオリゴマー化合物(E)を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0085】
実施例6:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例1のシロキサンオリゴマー化合物(A)の代わりに、合成例6のシロキサンオリゴマー化合物(F)を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0086】
実施例7:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例1のシロキサンオリゴマー化合物(A)の代わりに、合成例7のシロキサンオリゴマー化合物(G)を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0087】
実施例8:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例1のシロキサンオリゴマー化合物(A)の代わりに、合成例8のシロキサンオリゴマー化合物(H)を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0088】
実施例9:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例1のシロキサンオリゴマー化合物(A)の代わりに、合成例9のシロキサンオリゴマー化合物(I)を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0089】
実施例10:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例10の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物(A)の代わりに、合成例11の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物(B)を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0090】
実施例11:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例10の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物(A)の代わりに、合成例12の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物(C)を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0091】
実施例12:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で感光性樹脂組成物製造時に可塑剤としてジオクチルフタレートの代わりに、ジオクチルアジペートを使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で実施して感光性樹脂組成物を製造した。
【0092】
実施例13:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で感光性樹脂組成物製造時に可塑剤としてジオクチルフタレートの代わりに、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で実施して感光性樹脂組成物を製造した。
【0093】
実施例14:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で感光性樹脂組成物製造時に可塑剤としてジオクチルフタレートを使用しないことを除いては、前記実施例1と同様な方法で実施して感光性樹脂組成物を製造した。
【0094】
実施例15:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で感光性樹脂組成物製造時に溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテートの代わりに、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルを使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で実施して感光性樹脂組成物を製造した。
【0095】
比較例1:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例1のシロキサンオリゴマー化合物(A)の代わりに、比較合成例1のシロキサンオリゴマー化合物(J)を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0096】
比較例2:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例1のシロキサンオリゴマー化合物(A)の代わりに、比較合成例2のシロキサンオリゴマー化合物(K)を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0097】
比較例3:ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物製造
前記実施例1で合成例1のシロキサンオリゴマー化合物(A)の代わりに、比較合成例3のシロキサンオリゴマー化合物(L)を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で製造した。
【0098】
前記実施例1〜15及び比較例1〜3に対して感度、解像度、工程マージン、透過度、耐熱変色性、絶縁性、耐熱性などの物性を測定して下記表1に示した。ガラス基板上にスピンコーターを使用して前記実施例1〜15及び比較例1〜3で製造したポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物を塗布した後、100℃で2分間ホットプレート上でプリベークして、厚さが3.6μmである膜を形成した。
【0099】
(イ)感度
上記のように形成された膜に所定のパターンマスク(pattern mask)を使用して、435nmでの強度が20mW/cm2である紫外線を、感度が10μmラインアンドスペース(Line and Space)1:1CD(Critical Dimension)基準ドーズ量を照射した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38質量%の水溶液で23℃で1分間現像した後、超純水で1分間洗浄した。
【0100】
その後、前記の現像されたパターンに435nmでの強度が20mW/cm2である紫外線を500mJ/cm2照射し、オーブンの中で230℃で60分間硬化して、厚さが3.0μmであるパターン膜を得た。
【0101】
(ロ)解像度
前記(イ)の感度測定時に形成されたパターン膜の最小大きさで測定した。
【0102】
(ハ)工程マージン
前記(イ)の感度測定時と同様な方法でパターン膜を形成し、10μmラインアンドスペース1:1CD基準に硬化前、後のCD変化率を測定した。この時、変化率が0〜10%である場合を○、10〜20%である場合を△、20%を超える場合を×で示した。
【0103】
(ニ)透明性
透明性の評価は前記(イ)の感度測定時に形成されたパターン膜を、分光光度計を利用してパターン膜の400nmの透過率を測定した。この時の透過率が90%以上である場合を○、85〜90%である場合を△、80%未満である場合を×で示した。
【0104】
(ホ)耐熱変色性
前記(ニ)の透明性評価時の測定基板に追加的に300℃のオーブンで40分間硬化して、硬化前、後におけるパターン膜の400nm透過率変化によって耐熱変色性を評価した。この時の変化率が5%未満である場合を○、5〜10%である場合を△、10%を超えることを×で示した。
【0105】
(ヘ)絶縁性
絶縁性は誘電定数を基準に判断した。誘電定数はキャパシタの静電容量を測定して、下記の式によって求めた。1cm2の面積の金(Gold)でパターンされた上、下金属電極の間に前記(イ)の感度測定時形成と同様な方法でポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜を形成した後、MIM(Metal/Insulator/Metal)構造からなる素子をインピーダンスアナライザー(impedance analyzer)によって静電容量を測定し、下記の式によってそれぞれの誘電定数(誘電体薄膜比誘電率εr)を計算した。
【0106】
C(静電容量)=ε0(真空誘電率)×εr(誘電体薄膜比誘電率)×A(有効面積)/d(誘電体薄膜厚さ)
前記誘電定数(誘電体薄膜比誘電率εr)を測定して、2.5〜2.8である場合を○、2.8〜3.2である場合を△、3.2以上である場合を×で示した。
【0107】
(ト)耐熱性
耐熱性はTGAを利用して測定した。前記(イ)の感度測定時に形成されたパターン膜をサンプリングした後、TGAを利用して常温で900℃まで分当り10℃ずつ昇温した。5質量%損失温度が350℃超過である場合を○、5質量%損失温度が300〜350℃である場合を△、5質量%損失温度が300℃未満である場合を×で示した。
【0108】
【表1】

【0109】
前記表1に示す通り、本発明によって実施例1〜15で製造したポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物は感度、解像度、工程マージン、透明性、耐熱変色性などの性能が全て優れており、特に絶縁性が比較例1〜3と比較して優れていることによって、消費電力を低くすることができ、残像及びクロストーク、しきい電圧のシフト現象を防止することができる。
【0110】
また、優れた耐熱性による低ガス放出を可能にすることによって優れたパネル信頼性を確保することができた。これを通じ多様なディスプレイ工程でポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜が適用可能であるのが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)(i)下記の化学式1
【化1】

(式中、R1はフェニル基であり、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、またはアセトキシ基であり、nは1〜3の整数である。)
で示される1〜3個のフェニル基を含む反応性シラン、(ii)下記の化学式2
【化2】

(式中、R3はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、またはアセトキシ基である。)
で示される4官能反応性シランを触媒の存在下で加水分解及び縮合重合して得られたポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)が1,000〜2,0000であるシロキサンオリゴマー化合物;(b)1,2−キノンジアジド化合物;及び(c)溶媒を含むことを特徴とするポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物。
【請求項2】
(a)前記シロキサンオリゴマー化合物100質量部;(b)前記1,2−キノンジアジド化合物5〜50質量部;及び、(c)溶媒を固形分含量が10〜50質量%になるように含む請求項1に記載のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物。
【請求項3】
前記シロキサンオリゴマー化合物が、(a)(i)前記化学式1で示される1〜3個のフェニル基を含む反応性シラン50〜90質量部、(ii)前記化学式2で示される4官能反応性シラン10〜50質量部を触媒の存在下で加水分解及び縮合重合して得られたシロキサンオリゴマー化合物である請求項1に記載のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物。
【請求項4】
前記(a)のシロキサンオリゴマー化合物が、さらに(iii)下記の化学式3
【化3】

(式中、R4はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、またはアセトキシ基であり、R5はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、エポキシ基、ビニル基、ヘキセニル基、アクリル基、メタクリル基、またはアリル基であり、nは1〜3の整数である。)
で示される反応性シランを10〜50質量部含み触媒の存在下で加水分解及び縮合重合された請求項1に記載のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物。
【請求項5】


前記(b)1,2−キノンジアジド化合物が、下記の化学式4
【化4】

(式中、R1〜R6はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルケニル基または水酸基であり、R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、R9は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。)
で示されるフェノール化合物とナフトキノンジアジドスルホン酸ハロゲン化合物を反応させて得られた請求項1に記載のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物。
【請求項6】
前記(b)の1,2−キノンジアジド化合物が、1,2−キノンジアジド4−スルホン酸エステル、1,2−キノンジアジド5−スルホン酸エステル、及び1,2−キノンジアジド6−スルホン酸エステルからなる群より1種以上選択される請求項1に記載のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物。
【請求項7】
前記(c)の溶媒が、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、ヘキシルアルコール、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ジブチレングリコールジメチルエーテル、及びジブチレングリコールジエチルエーテルからなる群より1種以上選択される請求項1に記載のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物。
【請求項8】
前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物が、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジオクチルアジペート、トリクレシルホスフェート、及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートからなる群より1種以上選択される(d)可塑剤を追加的に含む請求項1に記載のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物。
【請求項9】
前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物が、さらに(d)可塑剤5〜20質量部、(e)エポキシ樹脂0.5〜10質量部、(f)前記化学式5〜11で示されるアルカノール基が含まれている窒素含有架橋剤0.5〜10質量部、及び(g)界面活性剤0.0001〜2質量部からなる群より1種以上選択される添加剤を含む請求項1に記載のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物。
【請求項10】
ディスプレイ素子のパターン形成方法において、請求項1〜9のうちのいずれか1項記載のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物を使用することを特徴とするディスプレイ素子のパターン形成方法。
【請求項11】
請求項1〜9のうちのいずれか1項記載のポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物の硬化体を含むことを特徴とするディスプレイ素子。
【請求項12】
前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物をTFT−LCD(薄膜トランジスタ−液晶ディスプレイ)、OLED(有機発光ダイオード)、またはO−TFT(有機薄膜トランジスタ)のパッシベーション絶縁膜として利用する請求項10に記載のディスプレイ素子のパターン形成方法。
【請求項13】
前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物をTFT−LCD(薄膜トランジスタ−液晶ディスプレイ)、OLED(有機発光ダイオード)、またはO−TFT(有機薄膜トランジスタ)のゲート絶縁膜として利用する請求項10に記載のディスプレイ素子のパターン形成方法。
【請求項14】
前記ポジティブ型感光性有機・無機ハイブリッド絶縁膜組成物をTFT−LCD(薄膜トランジスタ−液晶ディスプレイ)、OLED(有機発光ダイオード)、またはO−TFT(有機薄膜トランジスタ)の平坦化膜として利用する請求項10に記載のディスプレイ素子のパターン形成方法。

【公表番号】特表2012−511740(P2012−511740A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540603(P2011−540603)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【国際出願番号】PCT/KR2009/007337
【国際公開番号】WO2010/068027
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(500013751)東進セミケム株式会社 (72)
【氏名又は名称原語表記】Dongjin Semichem Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】472−2 Gajwa−dong,Seo−ku,Incheon−city 404−250,Korea
【Fターム(参考)】