説明

ポジ型レジスト組成物及びパターン形成方法

【課題】解像性、焦点深度(DOF)特性に優れ、真円性に優れた矩形性の高いホールパターンを与えることのできるポジ型レジスト組成物、及びパターン形成方法の提供。
【解決手段】(A)下記一般式(1−1)で示される繰り返し単位と、下記一般式(1−2)で示される繰り返し単位と、酸不安定基を有する繰り返し単位とを含み、酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂、(B)光酸発生剤、(C)塩基性化合物、及び(D)溶剤を含有するものであることを特徴とするポジ型レジスト組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポジ型レジスト組成物、及びこれを用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、遠紫外線リソグラフィー及び真空紫外線リソグラフィーを用いた微細加工技術の開発が精力的に進められている。既に波長248nmのKrFエキシマレーザー光を光源としたフォトリソグラフィーは半導体デバイスの実生産において中心的な役割を担っており、また波長193nmのArFエキシマレーザー光を光源としたフォトリソグラフィーも微細加工において実生産に用いられている。ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいては、レジスト塗布膜と投影レンズとの間に高屈折率液体を介在させることにより更なる解像性の伸長を図る液浸露光プロセスの開発も進められてきた。開口数(NA)1.0を超える投影レンズを備えたArF液浸露光機により、波長を下回るパターンピッチの加工が行われており、それに対応したレジスト材料が必要とされている(非特許文献1)。
【0003】
KrFレジスト材料のベース樹脂としては、アルカリ可溶性官能基としてフェノール性水酸基を有するポリヒドロキシスチレン樹脂が事実上の標準となっている。ArFレジスト材料用ベース樹脂では、カルボキシル基をアルカリ可溶性基として用いるポリ(メタ)アクリレート樹脂やノルボルネン等の脂肪族環状オレフィンを重合単位として用いた樹脂が検討されている。これらのうち、ポリ(メタ)アクリレートは重合の容易さから実用が有望視されている。しかしながら、フェノール性水酸基に比べ酸性度の高いこれらのカルボキシル基をアルカリ可溶性官能基として用いるレジスト樹脂の場合には、溶解の制御が課題で、膨潤等によるパターン崩壊を起こしやすい。膨潤を軽減させるためには、ベース樹脂としては脂溶性を低減させることが効果的であり、単環構造の酸不安定基で溶解性基であるカルボン酸を保護した単位を用いることで脂溶性を低減でき、LWRが改善されることが知られている。しかしながら、脂溶性を低減させたベース樹脂を用いた場合、溶解コントラストが不足するため、微細なパターンにおいて十分な矩形性が得られないという問題が生じる。
【0004】
また、これら材料はコンタクトホールパターン形成において解像性と真円性の両立が困難である。特にパターン寸法に比べてレジストフィルムが厚い条件(アスペクト比が高い条件)においてコンタクトホールパターンを形成する場合は解像性が非常に重要である。従来のポリ(メタ)アクリレートポリマーでは、露光後の熱処理の温度を上げればコンタクトホールパターンを形成することは可能である。しかしながら、酸拡散の助長を促し真円性の劣化が問題となる。
【0005】
また、高解像性の要望がさらに高まるにつれ、種々のリソグラフィー特性の向上が求められている。なかでも、パターン形成の際のプロセスマージン等の向上のため、焦点深度(DOF)特性の向上が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Proc. SPIE Vol. 5040 p724
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ArFエキシマレーザー光等の高エネルギー線を光源としたフォトリソグラフィーにおいて、解像性、特に焦点深度(DOF)特性に優れ、良好なパターン形状を得ることができ、コンタクトホールパターン形成においても、真円性に優れた矩形性の高いパターンを与えることのできるポジ型レジスト組成物、及び該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明によれば、(A)下記一般式(1−1)で示される繰り返し単位と、下記一般式(1−2)で示される繰り返し単位と、酸不安定基を有する繰り返し単位として、下記一般式(a−1)〜(a−3)のうち少なくとも1種の繰り返し単位、及び下記一般式(b−1)、(b−2)のうち少なくとも1種の繰り返し単位とを含み、酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂、(B)光酸発生剤、(C)塩基性化合物、及び(D)溶剤を含有するものであることを特徴とするポジ型レジスト組成物を提供する。
【化1】

(式中、R、Rは、メチル基又は水素原子を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、メチレン基、及びエチレン基のいずれかを示す。nは0又は1である。)
【化2】

(式中、R、R、R、R10、R13は、メチル基又は水素原子を示し、R,R,R,R,R11,R12,R14は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。o,pはo=1,p=0又はo=0,p=1である。mは1〜4の整数である。)
【0009】
このような(A)酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂(以下、(A)成分ともいう)を含有するポジ型レジスト組成物であれば、解像性、特に焦点深度(DOF)特性に優れ、良好なパターン形状を得ることができ、更にはコンタクトホールパターン形成において、真円性に優れた矩形性の高いパターンを与えることのできるポジ型レジスト組成物となる。
【0010】
また、前記(A)酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂中の前記酸不安定基を有する繰り返し単位は、下記一般式(a−1)’で示される繰り返し単位、及び、下記一般式(b−2)で示される繰り返し単位であることが好ましい。
【化3】

(式中、R、R13、R,R14、mは前述の通りである。)
【0011】
このように、上記一般式(a−1)〜(a−3)のうち少なくとも1種の繰り返し単位と上記一般式(b−1)、(b−2)のうち少なくとも1種の繰り返し単位との組み合わせの中でも、上記一般式(a−1)’で示される繰り返し単位と上記一般式(b−2)で示される繰り返し単位との組み合わせが特に好ましい。
【0012】
また、前記(A)酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂は、更に、下記一般式(2)で示される繰り返し単位を含むものであることが好ましい。
【化4】

(式中、R15は、メチル基又は水素原子を示し、Yは単結合、又は、エステル結合及びエーテル結合のうち少なくとも一方を含んでも良い二価の有機基を示す。lは1又は2である。)
【0013】
このように、前記(A)成分の樹脂が、更に、ヒドロキシル基を有する、上記一般式(2)で示される繰り返し単位を含むものであれば、酸拡散を抑制し、より良好な解像性を得ることができる。
【0014】
また、前記(A)酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂中の酸不安定基を含む繰り返し単位の含有量は、(A)酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂中に含まれる全繰り返し単位に対して、50〜70mol%であることが好ましい。
【0015】
このような組成の樹脂を用いれば、より確実に、解像性、特に焦点深度(DOF)特性に優れ、良好なパターン形状を得ることができ、コンタクトホールパターン形成においても、真円性に優れた矩形性の高いパターンを与えることのできるポジ型レジスト組成物となる。
【0016】
また、本発明では、前記ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、高エネルギー線で露光する工程と、アルカリ現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0017】
このようなパターン形成方法であれば、解像性、特には焦点深度(DOF)特性に優れ、コンタクトホールパターン形成において、真円性に優れた矩形性の高いパターンを得ることができる。
【0018】
また、前記高エネルギー線を波長180〜250nmの範囲のものとすることが好ましい。また、前記高エネルギー線で露光する工程を、水を介して露光する液浸露光により行うことが好ましい。
【0019】
このように、本発明のパターン形成方法は、波長180〜250nmの範囲の高エネルギー線による微細パターンニングに最適であり、また、液浸リソグラフィーに適用することも可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明のポジ型レジスト組成物及びパターン形成方法によれば、ArFエキシマレーザー光等の高エネルギー線を光源としたフォトリソグラフィーにおいて、解像性、特に焦点深度(DOF)特性に優れ、良好なパターン形状を得ることができ、コンタクトホールパターン形成の場合には、真円性に優れた矩形性の高いパターンを与えることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記のように、ArFエキシマレーザー光等の高エネルギー線を光源としたフォトリソグラフィーにおいて、解像性、特には焦点深度(DOF)特性に優れ、コンタクトホールパターン形成において、真円性に優れた矩形性の高いパターンを与えることができるポジ型レジスト組成物が求められていた。
【0022】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂として、下記一般式(a−1)〜(a−3)及び下記一般式(b−1)〜(b−2)といった特定の酸不安定基を有する繰り返し単位の組み合わせ、更には、下記一般式(1−1)及び(1−2)といったラクトン基を有する特定の繰り返し単位の組み合わせを含む樹脂を含有するポジ型レジスト組成物であれば、解像性やパターン形状の矩形性に優れるため、レジスト材料として精密な微細加工に極めて有効であることを知見した。特に、本発明のポジ型レジスト組成物を用いてコンタクトホールパターンを形成する場合には、真円性に優れた矩形性の高いパターンを与えることができることを見出し、本発明をなすに至った。
【0023】
尚、「DOF」とは、同一露光量において、焦点を上下にずらして露光した際に、ターゲット寸法に対するずれが所定の範囲内となる寸法でレジストパターンを形成できる焦点深度の範囲、すなわちマスクパターンに忠実なレジストパターンが得られる範囲のことであり、DOFは大きいほど好ましい。
【0024】
本発明のポジ型レジスト組成物は、(A)成分として、下記一般式(1−1)で示される繰り返し単位と、下記一般式(1−2)で示される繰り返し単位と、酸不安定基を有する繰り返し単位として、下記一般式(a−1)〜(a−3)のうち少なくとも1種の繰り返し単位、及び下記一般式(b−1)、(b−2)のうち少なくとも1種の繰り返し単位とを含む樹脂を含有する。
【化5】

(式中、R、Rは、メチル基又は水素原子を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、メチレン基、及びエチレン基のいずれかを示す。nは0又は1である。)
【化6】

(式中、R、R、R、R10、R13は、メチル基又は水素原子を示し、R,R,R,R,R11,R12,R14は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。o,pはo=1,p=0又はo=0,p=1である。mは1〜4の整数である。)
【0025】
,R,R,R,R11,R12,R14の炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を例示することができる。
【0026】
本発明のポジ型レジスト組成物中の(A)成分は、酸不安定基を有する繰り返し単位として、上記一般式(a−1)〜(a−3)のうち少なくとも1種の繰り返し単位、及び上記一般式(b−1)、(b−2)のうち少なくとも1種の繰り返し単位を含み、更に、ラクトン基を有する上記一般式(1−1)で示される繰り返し単位と上記一般式(1−2)で示される繰り返し単位とを共に含有するものである。
【0027】
上記一般式(1−1)で示される繰り返し単位は、酸拡散を制御し解像性を改善する事が出来るが、酸拡散を抑えすぎて上記一般式(1−1)で示される繰り返し単位のみでは真円性が劣ってしまう。そこで、上記一般式(1−2)で示される繰り返し単位によって、酸拡散をコントロールする効果を生かし、上記一般式(1−1)で示される繰り返し単位と上記一般式(1−2)で示される繰り返し単位とを併用することで、解像性を改善しながら真円性にも優れた性能を発揮することができる。上記一般式(a−1)〜(a−3)は、溶解コントラストを高めて形状では矩形性を高めることができるが、頭張りすぎで真円性が劣化してしまう。上記一般式(b−1)、(b−2)は、真円性に優れるが形状が頭丸になる。酸不安定基として、上記一般式(a−1)〜(a−3)のうち少なくとも1種の繰り返し単位、及び上記一般式(b−1)、(b−2)のうち少なくとも1種の繰り返し単位を併用することで、形状を矩形に保ちながら真円性に優れた性能を発揮することができる。
【0028】
このようなポジ型レジスト組成物であれば、解像性、特には焦点深度(DOF)特性に優れ、良好なパターン形状を得ることができ、コンタクトホールパターン形成において真円性に優れた矩形性の高いパターンを与えることができる。
反対に、上記の繰り返し単位のうち、1種でも含まないポジ型レジスト組成物の場合には、パターン形状に頭丸や頭張り等の問題点が発生し、また、DOF特性やコンタクトホールパターン形成における真円性に劣る。
【0029】
上記一般式(1−2)で示される繰り返し単位の好ましい例を、以下に示す。
【化7】

【0030】
(A)成分中の上記一般式(a−1)〜(a−3),(b−1),(b−2)で示される繰り返し単位は、特定の多環や単環の脂環炭化水素構造を有する酸不安定基で、アルカリ溶解性基であるカルボキシル基を保護した繰り返し単位(酸不安定基を有する繰り返し単位)である。
【0031】
上記一般式(a−1)〜(a−3)で示される繰り返し単位としては、以下の繰り返し単位を挙げることができる。
【化8】

【0032】
上記一般式(b−1)〜(b−2)で示される繰り返し単位としては、以下の繰り返しを挙げることができる。
【化9】

【0033】
上記一般式(a−1)〜(a−3)のうち少なくとも1種の繰り返し単位、及び上記一般式(b−1)、(b−2)のうち少なくとも1種の繰り返し単位の組み合わせのうち、特に好ましい組み合わせとしては、下記一般式(a−1)’で示される繰り返し単位と下記一般式(b−2)で示される繰り返し単位との組み合わせである。
【化10】

(式中、R、R13、R,R14、mは前述の通りである。)
【0034】
また、(A)成分は、上記酸不安定基を有する繰り返し単位(上記一般式(a−1)〜(a−3)のうち少なくとも1種の繰り返し単位、及び上記一般式(b−1)、(b−2)のうち少なくとも1種の繰り返し単位)、上記一般式(1−1)で示される繰り返し単位、及び上記一般式(1−2)で示される繰り返し単位に加え、更に、下記一般式(2)で示される繰り返し単位を含むものであることが好ましい。
【化11】

(式中、R15は、メチル基又は水素原子を示し、Yは単結合、又は、エステル結合及びエーテル結合のうち少なくとも一方を含んでも良い二価の有機基を示す。lは1又は2である。)
【0035】
上記一般式(2)で示される繰り返し単位としては以下のものが挙げられる。
【化12】

【0036】
このように、前記(A)成分の樹脂が、更に、ヒドロキシル基を有する、上記一般式(2)で示される繰り返し単位を含むものであれば、酸拡散を抑制し、より良好な解像性を得ることができる。
【0037】
本発明のポジ型レジスト組成物中の(A)樹脂の分子量について、重量平均分子量(Mw)が小さすぎると水への溶解が起こり易くなるが、重量平均分子量が大きすぎるとアルカリ溶解性の低下やスピンコート時の塗布欠陥の原因になる可能性が高い。その観点から、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量において1,000〜500,000、好ましくは2,000〜30,000、特に好ましくは4,500〜7,000であることが望ましい。
【0038】
前記(A)酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂中の酸不安定基を含む繰り返し単位(上記一般式(a−1)〜(a−3)のうち少なくとも1種の繰り返し単位、及び上記一般式(b−1)、(b−2)のうち少なくとも1種の繰り返し単位)の含有量は、(A)酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂中に含まれる全繰り返し単位に対して、50〜70mol%であることが好ましい。
このように、酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂中の酸不安定基を含む繰り返し単位の含有量が50〜70mol%であることによって、より確実に、解像性、特に焦点深度(DOF)特性に優れ、良好なパターン形状を得ることができ、コンタクトホールパターン形成においても、真円性に優れた矩形性の高いパターンを得ることができる。
【0039】
(A)成分の樹脂を合成する場合、必須の繰り返し単位である、酸不安定基を有する繰り返し単位(上記一般式(a−1)〜(a−3)のうち少なくとも1種の繰り返し単位、及び上記一般式(b−1)、(b−2)のうち少なくとも1種の繰り返し単位)、上記一般式(1−1)及び一般式(1−2)で表される繰り返し単位や、任意の繰り返し単位である上記一般式(2)で表される繰り返し単位に対応する重合性モノマーを混合し、開始剤や連鎖移動剤を添加して重合を行う。尚、各対応する重合性モノマーの合成方法は、特開2008−31298号公報、特開2008−129389号公報等を参考とすることができる。
【0040】
尚、本発明のポジ型レジスト組成物中の(A)樹脂を構成する各繰り返し単位の組成比について、上記一般式(1−1)式で示される繰り返し単位の合計の含有率をaモル%、上記(1−2)式で示される繰り返し単位の合計の含有率をbモル%、(a−1)〜(a−3)で示される繰り返し単位の合計の含有率をcモル%、(b−1)及び(b−2)で示される繰り返し単位の合計の含有率をdモル%、(2)式で示される繰り返し単位の合計の含有率をeモル%とした場合、
a+b+c+d+e=100
0<a≦30
0<b≦30
0<c≦50
0<d≦50
0≦e≦20
を満たすことが好ましく、特に、
a+b+c+d+e=100
10≦a≦30
10≦b≦30
10≦c≦50
10≦d≦50
0≦e≦20
を満たす組成比が好ましい。
【0041】
本願のポジ型レジスト組成物に含まれる(B)光発生剤は、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでもよく、従来からレジスト材料、特に化学増幅レジスト材料で用いられている公知のいずれの光酸発生剤であってもよい。好適な光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート型酸発生剤等があり、これらは単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
【0042】
特に好ましくは、下記一般式(3)で示されるスルホニウム塩化合物から選ばれる少なくとも1種類以上である。
【化13】

ここで、R25、R26、R27はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基を示し、ヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エチルシクロペンチル基、ブチルシクロペンチル基、エチルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、エチルアダマンチル基、ブチルアダマンチル基、及びこれらの基の任意の炭素−炭素結合間に−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−等のヘテロ原子団が挿入された基や、任意の水素原子が−OH、−NH、−CHO、−COH等の官能基に置換された基を例示することができる。Rfは水素原子、又はトリフルオロメチル基を示す。R28はヘテロ原子を含んでもよい炭素数7〜30の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基を示し、R28として具体的には以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
【化14】

(式中、破線は結合手を示す。)
【0044】
(B)光酸発生剤の更に好ましい構成として具体的に以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【化15】

【化16】

【0045】
また、本発明のポジ型レジスト組成物は、(C)成分として塩基性化合物が含有される。この塩基性化合物としては、酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適している。塩基性化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
【0046】
このような塩基性化合物としては、従来からレジスト材料、特に化学増幅レジスト材料で用いられている公知のいずれの塩基性化合物であってもよく、特には含窒素有機化合物が好ましい。含窒素有機化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類等が挙げられる。
【0047】
なお、塩基性化合物の配合量は、ベース樹脂((A)成分)100質量部に対して0.001〜4質量部、特に0.01〜2質量部が好適である。配合量が0.001質量部より少ないと配合効果がなく、4質量部を超えると感度が低下しすぎる場合がある。
【0048】
また、本発明のポジ型レジスト組成物は、(D)成分として溶剤が含まれる。
本発明で使用される(D)成分の溶剤としては、ベース樹脂、酸発生剤、塩基性化合物、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているシクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
【0049】
有機溶剤の使用量は、形成する膜の厚さに応じて適宜調整できるが、ベース樹脂100質量部に対して1,000〜5,000質量部が好適である。
【0050】
また、本発明のポジ型レジスト組成物は、任意成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤を添加することができる。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0051】
また、本発明のポジ型レジスト組成物に、酸により分解し、酸を発生する化合物(酸増殖化合物)を添加してもよい。これらの化合物についてはJ. Photopolym. Sci. and Tech., 8. 43−44, 45−46 (1995)、J. Photopolym. Sci. and Tech., 9. 29−30 (1996)において記載されている。
【0052】
酸増殖化合物の例としては、tert−ブチル2−メチル2−トシロキシメチルアセトアセテート、2−フェニル2−(2−トシロキシエチル)1,3−ジオキソラン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0053】
本発明のポジ型レジスト組成物を使用したパターン形成は公知のリソグラフィー技術を利用して行うことができ、塗布、加熱処理(プリベーク)、露光、必要に応じて加熱処理(ポストエクスポージャーベーク、PEB)、及び現像の各工程を経て達成される。また、更にいくつかの工程を追加してもよい。
即ち、本発明では、前記ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、高エネルギー線で露光する工程と、アルカリ現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0054】
パターン形成を行う際には、まず本発明のポジ型レジスト組成物を集積回路製造用の基板(Si、SiO2、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜、Cr、CrO、CrON、MoSi等)上にスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により塗布膜厚が0.01〜2.0μmとなるように塗布し、ホットプレート上で、60〜150℃で1〜10分間、好ましくは80〜140℃で1〜5分間プリベークする。
【0055】
ここで、レジストの薄膜化と共に被加工基板のエッチング選択比の関係から加工が厳しくなっており、レジストの下層に珪素含有中間膜、その下に炭素密度が高くエッチング耐性が高い下層膜、その下に被加工基板を積層する3層プロセスが検討されている。酸素ガスや水素ガス、アンモニアガスなどを用いる珪素含有中間膜と下層膜とのエッチング選択比は高く、珪素含有中間膜は薄膜化が可能である。単層レジストと珪素含有中間層のエッチング選択比も比較的高く、単層レジストの薄膜化が可能となるのである。
【0056】
本発明のポジ型レジスト組成物は、このような多層レジスト法にも適用することができる。
上記3層プロセスの場合の下層膜の形成方法としては、塗布及びベークによる方法と、CVDによる方法とが挙げられる。塗布による方法の場合は、ノボラック樹脂や縮合環などを有するオレフィンを重合した樹脂が用いられ、CVDによる方法の場合にはブタン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレン等のガスが用いられる。珪素含有中間層の場合も塗布型とCVD型が挙げられ、塗布型としてはシルセスキオキサン、かご状オリゴシルセスキオキサン(POSS)等が挙げられ、CVD型としては各種シランガスが原料として挙げられる。珪素含有中間層は光吸収を持った反射防止機能を有していてもよく、フェニル基などの吸光基や、SiON膜であってもよい。珪素含有中間膜とフォトレジストの間に有機膜を形成してもよく、この場合の有機膜は有機反射防止膜であってもよい。フォトレジスト膜形成後に、純水リンスを行うことによって膜表面からの酸発生剤などの抽出、あるいはパーティクルの洗い流しを行ってもよいし、保護膜を塗布してもよい。
【0057】
次いで、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線等から選ばれる高エネルギー線で、目的のパターンを形成するための所定のマスクを通して露光を行う。露光量は1〜200mJ/cm程度が好ましく、特に10〜100mJ/cm程度がより好ましい。次に、ホットプレート上で、60〜150℃で1〜5分間、好ましくは80〜120℃で1〜3分間ポストエクスポージャーベーク(PEB)する。更に、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、5秒〜360秒間、好ましくは10秒〜60秒間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法を用いて現像することにより、基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明のポジ型レジスト組成物は、好ましくは波長254〜193nmの遠紫外線、波長157nmの真空紫外線、極端紫外線、電子線、軟X線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線、より好ましくは波長180〜250nmの範囲の高エネルギー線による微細パターンニングに最適である。
【0058】
また、本発明のポジ型レジスト組成物は、液浸リソグラフィーに適用することも可能である。ArF液浸リソグラフィーにおいては液浸溶媒として純水などの屈折率が1以上で露光光の吸収の少ない液体が用いられる。液浸リソグラフィーでは、プリベーク後のレジスト膜と投影レンズの間に、純水やその他の液体を挿入する。これによってNAが1.0以上のレンズ設計が可能となり、より微細なパターン形成が可能になる。液浸リソグラフィーはArFリソグラフィーを22nmノードまで延命させるための重要な技術であり、開発が加速されている。液浸露光の場合は、レジスト膜上に残った水滴残りを除去するための露光後の純水リンス(ポストソーク)を行ってもよいし、レジストからの溶出物を防ぎ、膜表面の滑水性を上げるために、プリベーク後のレジスト膜上に保護膜を形成させてもよい。液浸リソグラフィーに用いられるレジスト保護膜としては、例えば、水に不溶でアルカリ現像液に溶解する1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有する高分子化合物をベースとし、炭素数4以上のアルコール系溶剤、炭素数8〜12のエーテル系溶剤、及びこれらの混合溶媒に溶解させた材料が好ましい。
【実施例】
【0059】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
【0060】
樹脂の組成及び分子量
樹脂を構成する繰り返し単位の組成比(モル%)と分子量(Mw)を表1に示す。なお、分子量(Mw)はポリスチレン換算でのGPCを用いて測定した重量平均分子量を表す。また、各繰り返し単位の構造を表2及び表3に示す。
尚、polymer−17,18は、上記一般式(a−1)〜(a−3)の繰り返し単位を含まない樹脂であり、polymer−26,30は上記一般式(b−1)、(b−2)の繰り返し単位と上記一般式(1−2)の繰り返し単位を含まない樹脂であり、polymer−27は上記一般式(a−1)〜(a−3)の繰り返し単位と上記一般式(1−1)の繰り返し単位を含まない樹脂であり、polymer−28は上記一般式(b−1)、(b−2)の繰り返し単位と上記一般式(1−1)の繰り返し単位を含まない樹脂であり、polymer−29は上記一般式(1−1)の繰り返し単位を含まない樹脂である。
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

【0063】
ポジ型レジスト組成物の調製(PR01〜PR30)
次に、上記樹脂(高分子化合物)の他、各種光酸発生剤、各種塩基性化合物(含窒素化合物)を各種溶剤に溶解し、溶解後にテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)を用いて濾過し、下記表4に示す本発明のポジ型レジスト組成物を調製した(PR1〜PR16,PR19−25)。
また、比較試料としてレジスト組成物を調製した(PR17,18,PR26〜PR30)。表4中の光酸発生剤の構造を表5に、クエンチャーとして用いた塩基性化合物(含窒素化合物)の構造を表6に示す。
【0064】
【表4】

【0065】
【表5】

【0066】
【表6】

【0067】
また、表4中に示した溶剤は以下の通りである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
CyHO:シクロヘキサノン
【0068】
また、アルカリ可溶型界面活性剤SF−1(5.0質量部)と界面活性剤A(0.1質量部)を表4中に示したいずれのレジスト組成物にも添加した。アルカリ可溶型界面活性剤SF−1及び界面活性剤Aの構造を以下に示す。
アルカリ可溶型界面活性剤SF−1
ポリ(メタクリル酸=3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−2−トリフルオロメチルプロピル・メタクリル酸=1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−6−メチル−2−トリフルオロメチルヘプタ−4−イル・メタクリル酸=7−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシカルボニル)−2−オキソヘキサヒドロ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イル)(下記式)
【化17】

界面活性剤A:3−メチル−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)オキセタン・テトラヒドロフラン・2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール共重合物(オムノバ社製)(下記式)
【化18】

【0069】
評価方法:実施例1〜23、比較例1〜7
シリコン基板上に反射防止膜溶液(日産化学工業(株)製、ARC−29A)を塗布し、200℃で60秒間ベークして作製した反射防止膜(100nm膜厚)基板上に調製したレジスト溶液をスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、150nm膜厚のレジスト膜を作製した。
【0070】
これをArFエキシマレーザースキャナー((株)ニコン製、NSR−S610C、NA=1.30、σ0.94,4/5輪帯照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)を用いて液浸露光し、任意の温度で60秒間ベーク(PEB)を施し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で60秒間現像を行いホールパターンを形成した。
【0071】
レジストの評価は55nmホール/110nmピッチのパターンを対象とし、電子顕微鏡にてホール平均直径55nmで仕上がる露光量を最適露光量(Eop、mJ/cm2)とした。
最適露光量において焦点を上下ずらし、上記のホールパターンがターゲット寸法55nm±10%(すなわち49.5nm−60.5nm)の寸法で解像している焦点の範囲を求め、焦点深度(DOF、nm)とした。
【0072】
上記最適露光量において形成された直径55nmのホールパターンの直径の寸法のバラツキ(20点測定)を求め3σの値を真円性とした。値が小さい程、良好である。
上記表に示した本発明のレジスト組成物の評価結果を以下表7に示す(実施例1〜23)。また、比較用レジスト組成物の評価結果を以下表8に示す(比較例1〜7)。
【0073】
【表7】

【0074】
【表8】

【0075】
上記表7の実施例1〜23と表8の比較例1〜7に示した結果より、上記一般式(1−1)の繰り返し単位と、上記一般式(1−2)の繰り返し単位と、上記一般式(a−1)〜(a−3)のうち少なくとも1種の繰り返し単位と、上記一般式(b−1)、(b−2)のうち少なくとも1種の繰り返し単位を有するpolymer1−16,19−25を用いた本発明のポジ型レジスト組成物(PR1−16、19−25)は、polymer17,18,26−30を用いた比較試料としてのレジスト組成物(PR17,18,26−30)に比べて、コンタクトホールパターンにおいて形状、真円性、DOFにおいて優れた性能を示すことが示された。
【0076】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に含有される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1−1)で示される繰り返し単位と、下記一般式(1−2)で示される繰り返し単位と、酸不安定基を有する繰り返し単位として、下記一般式(a−1)〜(a−3)のうち少なくとも1種の繰り返し単位、及び下記一般式(b−1)、(b−2)のうち少なくとも1種の繰り返し単位とを含み、酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂、(B)光酸発生剤、(C)塩基性化合物、及び(D)溶剤を含有するものであることを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【化1】

(式中、R、Rは、メチル基又は水素原子を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、メチレン基、及びエチレン基のいずれかを示す。nは0又は1である。)
【化2】

(式中、R、R、R、R10、R13は、メチル基又は水素原子を示し、R,R,R,R,R11,R12,R14は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。o,pはo=1,p=0又はo=0,p=1である。mは1〜4の整数である。)
【請求項2】
前記(A)酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂中の前記酸不安定基を有する繰り返し単位は、下記一般式(a−1)’で示される繰り返し単位、及び、下記一般式(b−2)で示される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
【化3】

(式中、R、R13、R,R14、mは前述の通りである。)
【請求項3】
前記(A)酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂は、更に、下記一般式(2)で示される繰り返し単位を含むものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポジ型レジスト組成物。
【化4】

(式中、R15は、メチル基又は水素原子を示し、Yは単結合、又は、エステル結合及びエーテル結合のうち少なくとも一方を含んでも良い二価の有機基を示す。lは1又は2である。)
【請求項4】
前記(A)酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂中の酸不安定基を含む繰り返し単位の含有量は、(A)酸によってアルカリ溶解性が向上する樹脂中に含まれる全繰り返し単位に対して、50〜70mol%であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のポジ型レジスト組成物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポジ型レジスト組成物を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、高エネルギー線で露光する工程と、アルカリ現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項6】
前記高エネルギー線を波長180〜250nmの範囲のものとすることを特徴とする請求項5に記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記高エネルギー線で露光する工程を、水を介して露光する液浸露光により行うことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のパターン形成方法。

【公開番号】特開2013−61410(P2013−61410A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198478(P2011−198478)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】