説明

ポリシリコン結晶膜の検査方法および検査装置

【課題】 離散的に出現する微結晶を検出することができるポリシリコン結晶膜の検査方法および検査装置を提供する。
【解決手段】 CPU15は、CCDカメラ12によって撮像された画像を、Y方向に複数の第1の分割領域41、およびX方向に複数の第2の分割領域42に分割し、第1の分割領域41のX方向の濃度分布を表す第1の濃度値分布特性、および第2の分割領域42のX方向の濃度分布を表す第2の濃度値分布特性を算出する。第1の分割領域41をX方向に分割した複数の第3の分割領域43のから、第1または第2のの濃度値分布特性が基準濃度値以上の第3の分割領域43を黒領域とする。黒領域のX方向の数を計数し、計数値が所定値以上である黒領域からなる部分を、許容できない断続的な列状部であると判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶膜の検査方法に関し、特に、エネルギー線を照射してアニール処理することによって形成されたポリシリコン結晶膜を検査する検査方法および検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイのアクティブ素子などとして用いられる薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:略称「TFT」)を製造するにあたっては、薄膜状のシリコン半導体を用いるのが一般的である。薄膜状のシリコン半導体は、非晶質シリコン、たとえばアモルファスシリコンから成る非晶質シリコン半導体と、結晶性を有するシリコンから成る結晶性シリコン半導体との2つに大別される。
【0003】
非晶質シリコン半導体は、成膜温度が比較的低く、気相成長法によって比較的容易に製造することが可能であり、量産性に富むといった特徴を有するので、最も一般的に用いられている。しかし非晶質シリコン半導体は、結晶性シリコン半導体に比べて導電性などの物性が劣るので、高速特性を得るために、結晶性シリコン半導体から成るTFTの製造技術の確立が強く求められている。すなわち、基板の一表面部に、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法または減圧熱化学気相成長法などによって、アモルファスシリコン薄膜が形成され、固相成長結晶化工程と、レーザーアニール結晶化工程とを順次経て、結晶性シリコン半導体膜が形成される。
【0004】
第1の従来技術として、特許文献1に記載されるレーザー結晶シリコンの検査方法がある。このレーザー結晶シリコンの検査方法は、ラインスキャン方式でエキシマレーザーアニールを行い、絶縁基板上の非晶質シリコンを結晶シリコンに変化させる。そして、結晶シリコン表面に可視光源を照射して、該結晶表面の突起の配置が反射光の変化によって結晶化を検査し、該反射光の変化が大きくてはっきりしている場合に、該結晶シリコン表面にストラップ状模様が一面に出現することをもって、該結晶の品質が不良であるとする。
【0005】
第2の従来技術として、特許文献2に記載されるポリシリコン評価装置がある。エキシマレーザによる低温多結晶化工程時に、アモルファスシリコンに与えるエネルギー密度に応じて、形成されたポリシリコン膜の膜表面の空間構造に直線性や周期性が現れる。このポリシリコン評価装置は、ポリシリコン膜の表面画像を紫外光で撮像し、この画像から膜表面の周期性を、自己相関関数を利用して数値化する。そして、この数値化した値に基づき膜の状態を評価して、エキシマレーザパワーを設定する。
【0006】
第3の従来技術として、特許文献3に記載される結晶膜の検査方法がある。この結晶膜の検査方法は、帯状部分の延在方向である第1方向と交差する第2方向の濃度値の分布を表す第2濃度値分布に関して、その分布特性に基づいて、結晶膜に発生し得る微結晶の有無を判定している。
【0007】
第4の従来技術として、特許文献4に記載される評価方法がある。この評価方法は、半導体膜にエネルギー光を照射することによって結晶性を改善させた半導体膜を評価する方法であり、評価する半導体膜を暗視野でデジタル映像として撮像し、デジタル映像の輝度を一定方向にコンピュータにより演算することによって評価を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−19408号公報
【特許文献2】特開2002−217109号公報
【特許文献3】特開2004−207270号公報
【特許文献4】特開2004−311992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
適切な強度でレーザーを照射することによって、結晶が大きく成長していく。しかし、レーザーのパワーが強すぎると、成長した結晶が砕けてしまい、微結晶となる。このように、大きく成長した結晶が砕けて微結晶となることをパワーオーバーという。
【0010】
第3の従来技術は、たとえばパワーオーバーによる微結晶部分が黒色で縞状に発生している場合、縞の本数をカウントすることによって微結晶部分の発生の有無を判断することができる。しかしながら、新しいエキシマレーザーアニール処理では、レーザーパワーの刻み幅が従来と比べて細かく取れるので、黒領域、つまり微結晶が出現する閾値付近まで調節が可能であり、閾値付近では、黒領域が縞状ではなく、離散的になる。そのため、第3の従来技術のように、縞本数をカウントする方法では、離散的な微結晶部分を検出することができない。第1,第2,第4の従来技術によっても、離散的な微結晶部分を検出することができない。
【0011】
本発明の目的は、離散的に形成される微結晶部分を検出して許容可能であるか否かを判定することができるポリシリコン結晶膜の検査方法および検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、エネルギー線を照射してアニール処理を実施することによって形成されたポリシリコン結晶膜の検査方法であって、
アニール処理に起因する微結晶が第1の方向に並んで構成される複数の断続的な列状部が形成されるポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像した画像の領域を、第1の方向に並ぶ複数の第1の分割領域に分割し、分割された各第1の分割領域の画像の、第1の方向と交差する第2の方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第1の濃度値分布特性を算出し、また前記ポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像した画像の領域を、第2の方向に並ぶ複数の第2の分割領域に分割し、分割された各第2の分割領域の画像の第1の方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第2の濃度値分布特性を算出する第1工程と、
前記複数の第1の濃度値分布特性および前記複数の第2の濃度値分布特性に基づいて、前記断続的な列状部を構成する微結晶の候補となる候補領域を特定し、特定された候補領域の数を前記第1の方向に沿って計数し、計数した計数値に基づいて前記断続的な列状部が許容可能であるか否かを判定する第2工程と、
を含むことを特徴とするポリシリコン結晶膜の検査方法である。
【0013】
また本発明は、前記第2工程は、前記複数の第1の分割領域のそれぞれを、第2の方向に並ぶ複数の第3の分割領域に分割し、分割された複数の第3の分割領域のうち、各第1の濃度値分布特性が予め定める基準濃度値以下の部分と、各第2の濃度値分布特性が予め定める基準濃度値以下の部分との少なくとも一方の部分を含む第3の分割領域を候補領域として特定する特定工程を含むことを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記特定工程は、前記特定された候補領域のうち、他の候補領域と予め定める距離以上離れている候補領域である孤立的領域を除外する孤立的領域除外工程を含むことを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記第2工程は、前記候補領域の数を前記第1の方向に沿って計数した計数値が予め定める基準計数値未満である候補領域を、前記断続的な列状部が許容可能であるか否かの判定から除外する計数後除外工程を含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、第1工程の前に、前記撮像された画像の輝度差を補正する第1の規格化工程をさらに含むことを特徴とする。
【0017】
また本発明は、エネルギー線を照射してアニール処理を実施することによって形成されたポリシリコン結晶膜を検査する検査装置であって、
アニール処理に起因する微結晶が第1の方向に並んで構成される複数の断続的な列状部が形成されるポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像する撮像部と、
制御部であって、
撮像部によって撮像された画像の領域を、第1の方向に並ぶ複数の第1の分割領域に分割し、分割された各第1の分割領域の画像の、第1の方向と交差する第2の方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第1の濃度値分布特性を算出し、また前記ポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像した画像の領域を、第2の方向に並ぶ複数の第2の分割領域に分割し、分割された各第2の分割領域の画像の第1の方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第2の濃度値分布特性を算出し、
算出された複数の第1の濃度値分布特性および前記複数の第2の濃度値分布特性に基づいて、前記断続的な列状部を構成する微結晶の候補となる候補領域を特定し、特定された候補領域の数を前記第1の方向に沿って計数し、計数した計数値に基づいて前記断続的な列状部が許容可能であるか否かを判定する制御部と、
を含むことを特徴とする検査装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、エネルギー線を照射してアニール処理を実施することによって形成されたポリシリコン結晶膜を検査するにあたって、第1工程では、アニール処理に起因する微結晶が第1の方向に並んで構成される複数の断続的な列状部が形成されるポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像した画像の領域を、第1の方向に並ぶ複数の第1の分割領域に分割し、分割された各第1の分割領域の画像の、第1の方向と交差する第2の方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第1の濃度値分布特性を算出し、また前記ポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像した画像の領域を、第2の方向に並ぶ複数の第2の分割領域に分割し、分割された各第2の分割領域の画像の第1の方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第2の濃度値分布特性を算出する。そして、第2工程では、前記複数の第1の濃度値分布特性および前記複数の第2の濃度値分布特性に基づいて、前記断続的な列状部を構成する微結晶の候補となる候補領域を特定し、特定された候補領域の数を前記第1の方向に沿って計数し、計数した計数値に基づいて前記断続的な列状部が許容可能であるか否かを判定する。したがって、ポリシリコン結晶膜の検査方法は、離散的に形成される微結晶部分を検出して許容可能であるか否かを判定することができる。
【0019】
また本発明によれば、前記第2工程は、特定工程を含む。特定工程では、前記複数の第1の分割領域のそれぞれを、第2の方向に並ぶ複数の第3の分割領域に分割し、分割された複数の第3の分割領域のうち、各第1の濃度値分布特性が予め定める基準濃度値以下の部分と、各第2の濃度値分布特性が予め定める基準濃度値以下の部分との少なくとも一方の部分を含む第3の分割領域を候補領域として特定する。したがって、ポリシリコン結晶膜の検査方法は、第1の方向および第2の方向のうちのいずれかで、濃度が基準濃度値を超えた部分を含む第3の分割領域を微結晶の候補領域とすることができ、微結晶の検出精度を向上することができる。
【0020】
また本発明によれば、前記特定工程は、孤立的領域除外工程を含む。孤立的領域除外工程では、前記特定された候補領域のうち、他の候補領域と予め定める距離以上離れている候補領域である孤立的領域を除外する。したがって、ポリシリコン結晶膜の検査方法は、列状部を形成し得ない微結晶を判定から除外することができる。
【0021】
また本発明によれば、前記第2工程は、計数後除外工程を含む。計数後除外工程では、前記候補領域の数を前記第1の方向に沿って計数した計数値が予め定める基準計数値未満である候補領域を、前記断続的な列状部が許容可能であるか否かの判定から除外する。したがって、ポリシリコン結晶膜の検査方法は、小さい列状部を許容可能と判定することができる。
【0022】
また本発明によれば、第1の規格化工程では、第1工程の前に、前記撮像された画像の輝度差を補正する。したがって、ポリシリコン結晶膜の検査方法は、撮像された画像のベースラインを正規化することができる。
【0023】
また本発明によれば、エネルギー線を照射してアニール処理を実施することによって形成されたポリシリコン結晶膜を検査するにあたって、撮像部は、アニール処理に起因する微結晶が第1の方向に並んで構成される複数の断続的な列状部が形成されるポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像する。そして、制御部は、撮像部によって撮像された画像の領域を、第1の方向に並ぶ複数の第1の分割領域に分割し、分割された各第1の分割領域の画像の、第1の方向と交差する第2の方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第1の濃度値分布特性を算出し、また前記ポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像した画像の領域を、第2の方向に並ぶ複数の第2の分割領域に分割し、分割された各第2の分割領域の画像の第1の方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第2の濃度値分布特性を算出する。さらに、制御部は、算出された複数の第1の濃度値分布特性および前記複数の第2の濃度値分布特性に基づいて、前記断続的な列状部を構成する微結晶の候補となる候補領域を特定し、特定された候補領域の数を前記第1の方向に沿って計数し、計数した計数値に基づいて前記断続的な列状部が許容可能であるか否かを判定する。したがって、検査装置は、離散的に形成される微結晶部分を検出して許容可能であるか否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】基板1を厚み方向に切断して拡大して示す断面図である。
【図2】エキシマレーザーアニール装置3と帯状部分4との関係を示す基板1の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態であるポリシリコン結晶膜の検査方法が実行される検査装置9の概略を示す斜視図である。
【図4】検査装置9の制御系のブロック図である。
【図5】結晶膜2に形成される微結晶の断続的な列状部30を模式的に示す図である。
【図6】撮像された画像40の分割を説明するための図である。
【図7】2値化処理が行われた画像45の一例を示す図である。
【図8】検査装置9が実行する断続的な列状部判定処理の概略の処理工程を示すフローチャートである。
【図9】検査装置9が実行する断続的な列状部判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、基板1を厚み方向に切断して拡大して示す断面図である。図1は、基板1の一表面部に、結晶性膜を形成した後、結晶膜2を形成する工程を段階的に示す。図2は、エキシマレーザーアニール装置3と帯状部分4との関係を示す基板1の斜視図である。
【0026】
本実施形態は、たとえば液晶ディスプレイを製造する際に用いられる結晶性シリコン半導体膜、たとえばポリシリコン結晶膜(以下、単に「結晶膜」ともいう)2を検査する検査装置に、後述する検査装置9を適用した場合の一例を示す。本発明に係るポリシリコン結晶膜の検査方法は、検査装置9で実行される。
【0027】
図1(a)に示した基板1は、平板状基材5の表面部5aに、非晶質膜としての非晶質シリコン層6が形成されて構成される。平板状基材5は、電気絶縁性材料、たとえばガラスなどから成り、厚み方向から見て、たとえば長方形の形状である。図1(b)に示した基板1は、非晶質シリコン層6の一表面部6aに、たとえば酸化液が塗布され、この酸化液の働きによって酸化膜7が形成される。
【0028】
図1(c)に示した基板1は、酸化膜7の一表面部7aに触媒堆積層8が形成され、非晶質シリコン層6の結晶化が始まる温度、たとえば摂氏約550度以上で加熱されて、非晶質シリコン層6の結晶化が進行する。非晶質シリコン層6の結晶化がある程度進行した後、図2に示すように、エキシマレーザーアニール装置3は、非晶質シリコン層6に対してレーザー光Raを照射する。その結果、非晶質シリコン層6は、一度溶融し、冷却固化過程を経て多結晶化する。つまり、基板1の一表面部に結晶膜2が形成される。レーザー光Raは、エネルギー線である。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態であるポリシリコン結晶膜の検査方法が実行される検査装置9の概略を示す斜視図である。検査装置9は、結晶膜2を検査する。検査装置9は、xyステージ10、xyステージ駆動機構11、電荷結合素子(Charge Coupled Device:以下「CCD」という)カメラ12、照明13、および制御装置14を含んで構成される。
【0030】
xyステージ10は、基板1を吸着支持可能に構成されている。xyステージ10は、基板1の厚み方向に移動可能に構成されるとともに、X方向およびY方向に移動可能に構成されている。X方向は、長方形状のxyステージ10の長手方向に沿った方向であり、Y方向は、X方向および基板1の厚み方向に直交する方向である。xyステージ駆動機構11は、CCDカメラ12および照明13に対して、結晶膜2の任意の一部分を検査対象位置に選択的に移動駆動する機構である。xyステージ駆動機構11は、xyステージ10をX方向に移動駆動可能なx方向駆動部11aと、Y方向に移動駆動可能なy方向駆動部11bとを含む。
【0031】
撮像部であるCCDカメラ12は、基板1の厚み方向の一方、つまり図3に示した矢符A1の方向に支持され、基板1に形成された結晶膜2を撮像可能に配置して設けられている。CCDカメラ12は、たとえば約1mm×1mmの矩形領域を撮像可能に構成されている。照明13は、たとえば、CCDカメラ12のレンズとなる暗視野顕微鏡12aの暗視野照明として使用される。CCDカメラ12は、照明13を用いて、結晶膜2を厚み方向一方側から撮像することが可能である。
【0032】
図4は、検査装置9の制御系のブロック図である。制御装置14は、マイクロコンピュータ、バス18、入出力インターフェース19、および図示しない駆動回路とを含んで構成されている。マイクロコンピュータは、中央処理装置(Central Processing Unit:以下「CPU」という)15、読み出し専用記憶装置(ROM:Read Only Memory :以下「ROM」という)16、および読み出し書き込み記憶装置(Random Access Memory:以下、「RAM」という)17を含んで構成される。
【0033】
CPU15、ROM16およびRAM17は、バス18を介して入出力インターフェース19に電気的に接続されている。入出力インターフェース19には、CCDカメラ12、キーボード20およびマウス21がそれぞれ電気的に接続されている。また、入出力インターフェース19には、図示しない駆動回路を介してxyステージ駆動機構11、照明13および表示装置22がそれぞれ電気的に接続されている。ROM16には、CPU15によって実行されるプログラムが記憶されている。制御部であるCPU15は、ROM16に記憶されるプログラムを実行することによって、後述する第1および第2の濃度値の分布を表す分布特性としての濃度値分布特性を求め、結晶膜2の微結晶の有無を判定するとともに、結晶膜2の結晶化不良を判定する。
【0034】
エキシマレーザーアニール装置3は、予め定められるパルス数で発振されてレーザー光Raを照射するように構成されている。また、エキシマレーザーアニール装置3は、照射対象の非晶質シリコン層6に対して、所定のY方向長さと、Y方向および基板1の厚み方向に直交するX方向のX方向幅とを有する矩形状のレーザー光Raを照射するように構成されている。エキシマレーザーアニール装置3は、xyステージ駆動機構11またはxyステージ駆動機構11と略同等の駆動機構と協働して、非晶質シリコン層6を有する基板1をX方向に送りつつ、基板1にレーザー光Raを照射する。
【0035】
図5は、結晶膜2に形成される微結晶の断続的な列状部30を模式的に示す図である。エキシマレーザーアニール装置3は、基板1が予め定めた送り速度でX方向に送られているとき、矩形状のレーザー光Raを予め定めるパルス数で発振することによって、非晶質シリコン層6を結晶化して結晶膜2を形成する。エキシマレーザーアニール装置3がレーザー光Raを照射して、非晶質シリコン層6を結晶化して結晶膜2を形成する処理を、以下、アニール処理という。
【0036】
結晶膜2が形成されるとき、基板1には、同時に、断続的な列状部30が形成される。断続的な列状部30は、ポリシリコンの微結晶が断続的に、かつY方向に列状に結晶膜2の表面に形成された部分である。
【0037】
図6は、撮像された画像40の分割を説明するための図である。検査装置9は、CCDカメラ12によって、アニール処理によって形成された結晶膜2を、結晶膜2の厚み方向で、結晶膜2に対向する方向から撮像する。撮像された画像では、微結晶となっている部分は、黒い色である。
【0038】
検査装置9は、CCDカメラ12によって撮像された画像40を、図6(a)に示すように、第1の方向であるY方向に並ぶ、予め定める分割幅(以下「プロファイル分割幅」という)の複数の第1の分割領域41に分割し、分割された各第1の分割領域41ごとに、第2の方向であるX方向の画像の濃度値の分布を表す第1の濃度値分布特性を算出する。プロファイル分割幅は、たとえば画素8個分である。プロファイル分割幅は、検査の条件などによって変更可能である。検査装置9は、プロファイル分割幅分の画素の濃度値を平均化して濃度値の分布を求める。
【0039】
次に、検査装置9は、CCDカメラ12によって撮像された画像40を、図6(b)に示すように、X方向に並ぶ、プロファイル分割幅の複数の第2の分割領域42に分割し、分割された各第2の分割領域42ごとに、Y方向の画像の濃度値の分布を表す第2の濃度値分布特性を算出する。
【0040】
そして、検査装置9は、第1の濃度値分布特性および第2の濃度値分布特性に基づいて、CCDカメラ12によって撮像された画像40の2値化処理を行う。具体的には、検査装置9は、CCDカメラ12によって撮像された画像40を、図6(c)に示すように、プロファイル分割幅でX方向およびY方向に枡目状に並ぶ複数の第3の分割領域43に分割する。検査装置9は、分割された複数の第3の分割領域43のうち、第1の濃度値分布特性が示す濃度値が予め定める基準濃度値以下の部分、または第2の濃度値分布特性が示す濃度値が予め定める基準濃度値以下の部分を含む第3の分割領域43を黒領域46とし、第1の濃度値分布特性が示す濃度値が予め定める基準濃度値以下の部分、および第2の濃度値分布特性が示す濃度値が予め定める基準濃度値以下の部分を含まない第3の分割領域43を白領域47とする。予め定める基準濃度値は、実際の微結晶を撮像した画像の濃度に基づいて決定される。黒領域46は、候補領域である。黒領域46および白領域47は、いずれも縦横ともプロファイル分割幅である。
【0041】
図7は、2値化処理が行われた画像45の一例を示す図である。Y方向に断続的に繋がる複数の黒領域46からなる集合は、断続的な列状部30に相当する。検査装置9は、Y方向に黒領域46の数を計数する。画像45の下側に記載した数値は、黒領域46をY方向に計数した計数値50である。計数値が大きいほどY方向に並ぶ指向性が高いと判断することができる。
【0042】
検査装置9は、計数値50のうち、予め定める基準計数値、たとえば2未満の黒領域46、図7に示した例では黒領域46aを除去する。除去するとは、その黒領域46を白領域47にすることである。また、検査装置9は、計数値50が予め定める基準計数値以上であっても、周辺に黒領域46のない黒領域46、図7に示した例では黒領域46bを除去する。周辺に黒領域46のない黒領域46とは、隣接する他の黒領域46との距離が予め定める距離、たとえば3つ分の黒領域46の距離以上離れている黒領域のことであり、微小ノイズの可能性が高い。
【0043】
検査装置9は、計数値50が予め定める基準計数値以上であるY方向の黒領域46のうち、X方向に隣接するY方向の黒領域46の計数値を合計し、合計値が予め定める基準合計値以上である黒領域46の集合を、許容可能でない断続的な列状部であると判断する。すなわち、検査装置9は、X方向に隣接するY方向の黒領域46の集合を、断続的な列状部であると判定し、断続的な列状部のうち、合計値が予め定める基準合計値以上である断続的な列状部を、許容可能でない断続的な列状部であると判断する。すなわち、検査装置9は、断続的な列状部がパワーオーバーであると判断する。検査装置9は、許容可能でない断続的な列状部を含む結晶膜2を不良であると判定する。
【0044】
図8は、検査装置9が実行する断続的な列状部判定処理の概略の処理工程を示すフローチャートである。CPU15は、検査装置9の電源が投入され、動作可能状態になり、結晶膜2がxyステージ10に載置されると、ステップA1に進む。
【0045】
ステップA1は、CPU15が、原画像をプロファイル方向ごとに分割する工程である。原画像は、CCDカメラ12によって結晶膜2を撮像した画像40である。プロファイル方向は、X方向およびY方向である。ステップA2は、CPU15が、分割した各プロファイルの濃度値の分布を求める工程である。プロファイルは、第1の分割領域41および第2の分割領域42である。
【0046】
ステップA3は、CPU15が、微結晶を特定する工程である。具体的には、CPU15が、濃度値の分布に基づいて、各プロファイルを2値化し、微結晶領域を特定する工程である。微結晶領域は、微結晶の候補となる領域である。
【0047】
ステップA4は、CPU15が、画像を復元する工程である。具体的には、CPU15が、2値化されたプロファイルに基づいて二次元画像を生成する工程である。ステップA5は、CPU15が、微結晶エリアの計数から結晶膜の良不良を判定する工程である。微結晶エリアは、後述する2値化検出エリアのことである。具体的には、CPU15が、2値化検出エリアに含まれる黒領域46の計数値に基づいて、断続的な列状部であるか否かを判定し、許容可能でない断続的な列状部を含む結晶膜2を不良と判定する工程である。
【0048】
図9は、検査装置9が実行する断続的な列状部判定処理の処理手順を示すフローチャートである。CPU15は、検査装置9の電源が投入され、動作可能状態になり、結晶膜2がxyステージ10に載置されると、ステップB1に進む。
【0049】
ステップB1では、CPU15は、CCDカメラ12によって、結晶膜2を撮像し、撮像した画像40を原画像とする。ステップB2では、CPU15は、x方向プロファイル分割およびy方向プロファイル分割を作成する。x方向プロファイル分割は、原画像を、X方向に並ぶ複数の第2の分割領域42に分割することである。y方向プロファイル分割は、原画像を、Y方向に並ぶ複数の第1の分割領域41に分割することである。すなわち、CPU15は、原画像を、Y方向に並ぶ複数の第1の分割領域41に分割し、原画像を、X方向に並ぶ複数の第2の分割領域42に分割する。
【0050】
ステップB3では、CPU15は、プロファイル方向に濃度値の分布を求める。具体的には、CPU15は、分割された各第1の分割領域41ごとに、X方向の画像の濃度値の分布を表す第1の濃度値分布特性を算出し、分割された各第2の分割領域42ごとに、Y方向の画像の濃度値の分布を表す第2の濃度値分布特性を算出する。
【0051】
ステップB4では、CPU15は、各プロファイルの濃度値の分布に対して、ベースライン補正を行う。基板1の湾曲、うねりおよび傾き等に起因して、基板1を撮像した原画像に輝度差が生じることがある。そこで、ステップB4では、CPU15が、この輝度差を補正して、ベースラインを正規化する規格化処理を実行する。
【0052】
ステップB5では、CPU15は、2値化により、微結晶領域を検出する。具体的には、CPU15は、第1の濃度値分布特性が示す濃度値が予め定める基準濃度値以下の部分、または第2の濃度値分布特性が示す濃度値が予め定める基準濃度値以下の部分を、微結晶領域として検出する。
【0053】
ステップB6では、CPU15は、X方向およびY方向に分割されたプロファイルを、それぞれ二次元画像に復元する。具体的には、CPU15は、X方向に分割されたプロファイル、つまり2値化された各第2の分割領域42に基づいて二次元画像を作成し、Y方向に分割されたプロファイル、つまり2値化された各第1の分割領域41に基づいて二次元画像を作成する。
【0054】
ステップB7では、CPU15は、復元されたX方向およびY方向分割の画像の2値化検出エリアをオア合成する。すなわち、CPU15は、復元されたX方向分割およびY方向分割の画像のどちらかの画像で検出した2値化検出エリアを微結晶候補領域とする。具体的には、先ず、CPU15は、第1の分割領域41と第2の分割領域42とを重ねて得られる複数の第3の分割領域43を作成する。複数の第3の分割領域43は、図6(c)に示したように、X方向およびY方向に枡目状に並ぶ複数の領域である。
【0055】
次に、CPU15は、2値化された第1の分割領域41に基づいて復元された二次元画像の微結晶領域に対応する位置、または2値化された第2の分割領域42に基づいて復元された二次元画像の微結晶領域に対応する位置にある第3の分割領域43を、たとえば図7に示したように、黒領域46とし、2値化された第1の分割領域41に基づいて復元された二次元画像、および2値化された第2の分割領域42に基づいて復元された二次元画像がともに微結晶領域でない領域に対応する位置にある第3の分割領域43を、たとえば図7に示したように、白領域47とする。
【0056】
そして、CPU15は、Y方向に黒領域46の数を計数し、予め定める基準計数値未満の計数値の黒領域46を除去し、さらに、孤立的黒領域、つまり周辺に黒領域46のない黒領域46を除去する。
【0057】
ステップB8では、CPU15は、2値化検出エリアの面積をカウントし、判定を行って、断続的な列状部判定処理を終了する。具体的には、CPU15は、先ず、計数値が予め定める基準計数値以上であるY方向の黒領域46のうち、X方向に隣接するY方向の黒領域46からなる集合の領域を2値化検出エリアとする。次に、CPU15は、2値化検出エリアごとに、2値化検出エリアに含まれるY方向の黒領域46の計数値を合計し、合計値が予め定める基準合計値以上である2値化検出エリアを、許容可能でない断続的な列状部であると判断し、断続的な列状部判定処理を終了する。CPU15は、許容可能でない断続的な列状部を含む結晶膜2を不良であると判定する。
【0058】
ステップB1〜B3は、第1工程である。ステップB5〜B8は、第2工程である。ステップB5〜B7は、特定工程である。ステップB7は、孤立的領域除外工程である。ステップB8は、計数後除外工程である。
【0059】
このように、エネルギー線、たとえばレーザー光Raを照射してアニール処理を実施することによって形成されたポリシリコン結晶膜2を検査するにあたって、ステップB1〜B3では、アニール処理に起因する微結晶がY方向に並んで構成される複数の断続的な列状部が形成されるポリシリコン結晶膜2を該ポリシリコン結晶膜2に対向する方向から撮像した画像の領域を、Y方向に並ぶ複数の第1の分割領域41に分割し、分割された各第1の分割領域の画像の、Y方向と交差するX方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第1の濃度値分布特性を算出し、また前記ポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像した画像の領域を、X方向に並ぶ複数の第2の分割領域42に分割し、分割された各第2の分割領域の画像のY方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第2の濃度値分布特性を算出する。そして、ステップB5〜B8では、前記複数の第1の濃度値分布特性および前記複数の第2の濃度値分布特性に基づいて、前記断続的な列状部を構成する微結晶の候補となる黒領域46を特定し、特定された黒領域46の数を前記Y方向に沿って計数し、計数した計数値に基づいて前記断続的な列状部が許容可能であるか否かを判定する。したがって、ポリシリコン結晶膜2の検査方法は、離散的に形成される微結晶部分を検出して許容可能であるか否かを判定することができる。
【0060】
さらに、ステップB5〜B7では、前記複数の第1の分割領域41のそれぞれを、X方向に並ぶ複数の第3の分割領域43に分割し、分割された複数の第3の分割領域43のうち、各第1の濃度値分布特性が予め定める基準濃度値以下の部分と、各第2の濃度値分布特性が予め定める基準濃度値以下の部分との少なくとも一方の部分を含む第3の分割領域を黒領域46として特定する。したがって、ポリシリコン結晶膜2の検査方法は、Y方向およびX方向のうちのいずれかで、濃度が基準濃度値を超えた部分を含む第3の分割領域を微結晶の黒領域46とすることができ、微結晶の検出精度を向上することができる。
【0061】
さらに、ステップB7では、前記特定された黒領域46のうち、他の黒領域46と予め定める距離以上離れている黒領域46である孤立的領域を除外する。したがって、ポリシリコン結晶膜2の検査方法は、列状部を形成し得ない微結晶を判定から除外することができる。
【0062】
さらに、ステップB8では、黒領域46の数をY方向に沿って計数した計数値が予め定める基準計数値未満である黒領域46を、前記断続的な列状部が許容可能であるか否かの判定から除外する。したがって、ポリシリコン結晶膜2の検査方法は、小さい列状部を許容可能と判定することができる。
【0063】
さらに、第1の規格化工程では、ステップA2,A3の前に、前記撮像された画像の輝度差を補正する。したがって、ポリシリコン結晶膜2の検査方法は、撮像された画像のベースラインを正規化することができる。
【0064】
さらに、エネルギー線、たとえばレーザー光Raを照射してアニール処理を実施することによって形成されたポリシリコン結晶膜2を検査するにあたって、CCDカメラ12は、アニール処理に起因する微結晶がY方向に並んで構成される複数の断続的な列状部が形成されるポリシリコン結晶膜2を該ポリシリコン結晶膜2に対向する方向から撮像する。そして、CPU15は、CCDカメラ12によって撮像された画像の領域を、Y方向に並ぶ複数の第1の分割領域41に分割し、分割された各第1の分割領域41の画像の、Y方向と交差するX方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第1の濃度値分布特性を算出し、また前記ポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像した画像の領域を、X方向に並ぶ複数の第2の分割領域42に分割し、分割された各第2の分割領域42の画像のY方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第2の濃度値分布特性を算出する。さらに、CPU15は、算出された複数の第1の濃度値分布特性および前記複数の第2の濃度値分布特性に基づいて、前記断続的な列状部を構成する微結晶の候補となる黒領域46を特定し、特定された黒領域46の数を前記Y方向に沿って計数し、計数した計数値に基づいて前記断続的な列状部が許容可能であるか否かを判定する。したがって、検査装置9は、離散的に形成される微結晶部分を検出して許容可能であるか否かを判定することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 基板
2 結晶膜
3 エキシマレーザーアニール装置
4 帯状部分
5 平板状基材
6 非晶質シリコン層
7 酸化膜
8 触媒堆積層
9 検査装置
10 xyステージ
11 xyステージ駆動機構
12 CCDカメラ
13 照明
14 制御装置
15 CPU
16 ROM
17 RAM
18 バス
19 入出力インターフェース
20 キーボード
21 マウス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー線を照射してアニール処理を実施することによって形成されたポリシリコン結晶膜の検査方法であって、
アニール処理に起因する微結晶が第1の方向に並んで構成される複数の断続的な列状部が形成されるポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像した画像の領域を、第1の方向に並ぶ複数の第1の分割領域に分割し、分割された各第1の分割領域の画像の、第1の方向と交差する第2の方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第1の濃度値分布特性を算出し、また前記ポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像した画像の領域を、第2の方向に並ぶ複数の第2の分割領域に分割し、分割された各第2の分割領域の画像の第1の方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第2の濃度値分布特性を算出する第1工程と、
前記複数の第1の濃度値分布特性および前記複数の第2の濃度値分布特性に基づいて、前記断続的な列状部を構成する微結晶の候補となる候補領域を特定し、特定された候補領域の数を前記第1の方向に沿って計数し、計数した計数値に基づいて前記断続的な列状部が許容可能であるか否かを判定する第2工程と、
を含むことを特徴とするポリシリコン結晶膜の検査方法。
【請求項2】
前記第2工程は、前記複数の第1の分割領域のそれぞれを、第2の方向に並ぶ複数の第3の分割領域に分割し、分割された複数の第3の分割領域のうち、各第1の濃度値分布特性が予め定める基準濃度値以下の部分と、各第2の濃度値分布特性が予め定める基準濃度値以下の部分との少なくとも一方の部分を含む第3の分割領域を候補領域として特定する特定工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリシリコン結晶膜の検査方法。
【請求項3】
前記特定工程は、前記特定された候補領域のうち、他の候補領域と予め定める距離以上離れている候補領域である孤立的領域を除外する孤立的領域除外工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のポリシリコン結晶膜の検査方法。
【請求項4】
前記第2工程は、前記候補領域の数を前記第1の方向に沿って計数した計数値が予め定める基準計数値未満である候補領域を、前記断続的な列状部が許容可能であるか否かの判定から除外する計数後除外工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリシリコン結晶膜の検査方法。
【請求項5】
第1工程の前に、前記撮像された画像の輝度差を補正する第1の規格化工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のポリシリコン結晶膜の検査方法。
【請求項6】
エネルギー線を照射してアニール処理を実施することによって形成されたポリシリコン結晶膜を検査する検査装置であって、
アニール処理に起因する微結晶が第1の方向に並んで構成される複数の断続的な列状部が形成されるポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像する撮像部と、
制御部であって、
撮像部によって撮像された画像の領域を、第1の方向に並ぶ複数の第1の分割領域に分割し、分割された各第1の分割領域の画像の、第1の方向と交差する第2の方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第1の濃度値分布特性を算出し、また前記ポリシリコン結晶膜を該ポリシリコン結晶膜に対向する方向から撮像した画像の領域を、第2の方向に並ぶ複数の第2の分割領域に分割し、分割された各第2の分割領域の画像の第1の方向の濃度値の分布をそれぞれ表す複数の第2の濃度値分布特性を算出し、
算出された複数の第1の濃度値分布特性および前記複数の第2の濃度値分布特性に基づいて、前記断続的な列状部を構成する微結晶の候補となる候補領域を特定し、特定された候補領域の数を前記第1の方向に沿って計数し、計数した計数値に基づいて前記断続的な列状部が許容可能であるか否かを判定する制御部と、
を含むことを特徴とする検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−93475(P2013−93475A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235424(P2011−235424)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】