説明

ポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物の製造方法

ポリマー性、イオン性のイミダゾリウム基含有化合物(略してポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物という)の製造方法において、α−ジカルボニル化合物アルデヒド、第一級アミノ基を少なくとも2つ有する、少なくとも1つのアミノ化合物場合により、第一級アミノ基を1つだけ有するアミノ化合物、及び水素酸を相互に反応させ、ここでα−ジカルボニル化合物及びアルデヒドのカルボニル基が、場合によりヘミアセタール、アセタール、若しくはヘミケタール、又はケタールとしても存在しうることを特徴とする、前記製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー性、イオン性のイミダゾリウム基含有化合物(略してポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物という)の製造方法に関し、本方法は、
α−ジカルボニル化合物、
アルデヒド、
第一級アミノ基を少なくとも2つ有する、少なくとも1つのアミノ化合物、
場合により、第一級アミノ基を1つだけ有するアミノ化合物、及び
水素酸
ここでα−ジカルボニル化合物及びアルデヒドのカルボニル基は、場合によりヘミアセタール、アセタール、若しくはヘミケタール、又はケタールとしても存在していてよい
を相互に反応させることを特徴とする。
【0002】
イミダゾリウム塩は、イオン性液体として重要である。そこでイミダゾリウム塩の様々な合成法が発展してきた。
【0003】
WO 91/14678には、α−ジカルボニル化合物、アルデヒド、アミン、及び酸からイミダゾリウム塩を一工程で製造する方法が記載されている。水は共沸蒸留によって、共沸剤としてのトルエンとともに除去される。
【0004】
前記方法のさらなる発展系は、現時点では未公開のPCT/EP/2008/067014 (PF 60394)から公知である。
【0005】
ポリマー性イミダゾリウム化合物及びその製造方法は、すでに公知である。そこで例えばWO 99/37276には、ジアミン、とりわけ2つのイミダゾール基を有する化合物と、ジブロモ化合物との反応により得られる、ポリマー性イミダゾリウムが記載されている。得られるカチオン性イミダゾリウムポリマーは、対イオンとして臭化物アニオンを有する。ハロゲン化物アニオンは腐蝕作用を有するため、多くの適用で望ましくない。ハロゲン化物アニオンは、化粧品組成物で使用される。相応する化合物、及び相転移触媒としてのその使用はまた、Journal of Fluorine Chemistry 128 (2007) 608〜611pから公知である。
【0006】
他の方法は、European Polymer Journal 44 (2008) 392-407に記載されている。ジグリシジルエーテル及びイミダゾールが、ポリマー主鎖にヒドロキシ基を有するポリマー性イミダゾリウム化合物へと変換される。当該化合物はアクリル酸によりエステル化され、これにより得られるポリマーはラジカルで架橋可能である。得られる架橋されたポリマーは、例えばイオンクロマトグラフィー、又はその他の分離法に適している。
【0007】
JP 2004217565及び Hiedo Toda, Kunio Kihara, Munehiro Hashimoto及びSusumu Mizogami, Journal of Pharmaceutical Sciences, Vol.77, No. 6, 1988年7月からは、イミダゾール誘導体をエピクロロヒドリンにより変換して、ポリマー性イミダゾリウム化合物にすること、及びそのイオン交換体樹脂としての使用が公知である。エピクロロヒドリン又は他のエポキシ化合物による変換の際には、イミダゾール環の窒素原子に対してβ位にヒドロキシ基を有する化合物が、必ず得られる。
【0008】
本発明の課題は、代替的なポリマー性イミダゾリウム化合物、及びポリマー性イミダゾリウム化合物の代替的な製造方法であった。その方法は、技術的に出来る限り容易に実施でき、かつポリマー性イミダゾリウム化合物の製造を高収率で可能にすることが望ましい。ポリマー性イミダゾリウム化合物は、このようなイオン系で考慮される、できる限り多くの適用に適していることが望ましい。ポリマー性イミダゾリウム化合物はとりわけ分散剤として、例えば無機若しくは有機の顔料、又はその他の固体若しくは液体の粒子に適用できる分散剤として適用できるのが望ましい。
【0009】
これに従って、冒頭で定義された方法が見出された。また新規のポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物、及び当該化合物の使用も発見された。
【0010】
製造方法の出発化合物について
本発明によれば必ず、α−ジカルボニル化合物、アルデヒド、少なくとも2つの第一級アミノ基を有する少なくとも1つのアミノ化合物、及び水素酸を相互に反応させる。前掲化合物は、官能基の含分によって定義される。本発明の範囲では、例えば前掲の化合物のうち2つが同一であってもよいが、それは例えば1つの化合物が酸官能性と、2つの第一級アミノ基又はアルデヒド基を有している場合である。反応とは、重縮合である。重縮合の際には低分子化合物、例えば水又はアルコールを脱離しながら重合が起こる。
【0011】
本願の場合には、水が脱離される。α−ジカルボニル化合物のカルボニル基が完全に、又は部分的にケタールとして、及び/又はアルデヒドのアルデヒド基がアセタール若しくはヘミアセタールとして存在する場合には、相応して水の代わりにアルコールが脱離される。
【0012】
α−ジカルボニル化合物について
α−ジカルボニル化合物とは好適には、式I
1−CO−CO−R2
[式中、R1及びR2は相互に独立して、H原子であるか、又は1〜20個のC原子を有する有機基である]
の化合物である。この基は分枝状若しくは非分枝状であってよく、又は例えばポリマー性イミダゾール化合物のさらなる架橋に貢献できる官能基を有していてよい。とりわけR1及びR2は、前述の数のC原子を有する炭化水素基である。
【0013】
特に好ましいのは、グリオキサールである。
【0014】
α−ジカルボニル化合物のカルボニル基はまた、ケタール若しくはヘミケタールとして、好適には低級アルコール、例えばC1〜C10アルカノールのヘミケタール又はケタールとして存在しうる。この場合、後の縮合反応ではアルコールが脱離される。
【0015】
α−ジカルボニル化合物のカルボニル基は好適には、ヘミケタール又はケタールとして存在しない。
【0016】
アルデヒドについて
本発明の意味合いにおいてアルデヒドとは、少なくとも1つのアルデヒド基を有する化合物である。アルデヒドとはとりわけ、式II
3−CHO
[式中、R3は水素原子又は1〜20個のC原子を有する有機基である]
のアルデヒドである。特に好ましいのは、ホルムアルデヒドである:ホルムアルデヒドにはまた、ホルムアルデヒドを遊離する化合物、例えばパラホルムアルデヒド、又はトリオキサンを使用することができる。
【0017】
アルデヒドのアルデヒド基は、ヘミアセタール又はアセタールとして、好適には低級アルコール、例えばC1〜C10アルカノールのヘミケタール又はケタールとして存在しうる。この場合、後の縮合反応ではアルコールが脱離される。
【0018】
アルデヒド基は好適には、ヘミアセタール又はアセタールとして存在しない。
【0019】
少なくとも2つの第一級アミノ基を有するアミノ化合物について
アミノ化合物とは、少なくとも2つの第一級アミノ基を有する化合物である。
【0020】
アミノ化合物は一般式III
(NH2−)n4
によって示すことができ、この式中でnは2以上の整数であり、アミノ基の数を表す。nは非常に大きな値、例えば2〜10,000の整数、とりわけ2〜5,000の整数を取ることができる。nに対する非常に高い値は例えば、ポリアミン、例えばポリビニルアミンを使用する際に現れる。
【0021】
n=2(ジアミン)の化合物を使用する場合、本発明による変換の際に、直鎖状のポリマー性イミダゾール化合物が生じ、2つ以上の第一級アミノ基を有するアミンの場合には、分枝鎖状のポリマーが生じる。
【0022】
好ましい実施態様では、nは2〜6の整数、とりわけ2〜4の整数である。極めて特に好ましくは、n=2(ジアミン)、又はn=3(トリアミン)である。極めて特に好ましくは、n=2である。
【0023】
4は、任意のn価の有機基である。n価の有機基はポリマーの基、例えば前掲のポリビニルアミンであってよく、その場合には相応して高い分子量を有する。
【0024】
有機基は炭素と水素の他にヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、又はハロゲンを有することができ、例えば官能基の形、例えばヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、アミド基、芳香族ヘテロ環、ケト基、アルデヒド基、第一級若しくは第二級アミノ基、イミノ基、チオエーテル基、又はハロゲン化物基である。
【0025】
さらなる官能基としてはまた、イオン性基、とりわけまたアニオン基、又はアニオン基に移行可能な基、カルボン酸基若しくはカルボキシレート基、又はエステル化により結合されたリン酸基又はホスホン酸基が考慮される。このようなアニオン基の場合、アミノ化合物は変換の際に同時に水素酸として作用する。さらなる水素酸を併用することが省略できるのは、得られるポリマー性イミダゾリウム化合物がこの際に両性である、すなわち同じ分子中に陽性と陰性の電荷を有する場合である。2つの第一級アミノ基と1つのカルボキシ基を有するアミノ化合物の例としては、リシンが挙げられる。
【0026】
有機基はとりわけ、炭化水素基であってよく、この炭化水素基はヘテロ原子により含まれる官能基によって置換又は中断されていてよい。
【0027】
好ましい実施態様においてアミノ化合物は、必要であればエーテル基、第二級若しくは第三級アミノ基を有し、その上さらなる官能基は有さない。例えばポリエーテルアミンが挙げられる。
【0028】
よってR4は好適には、純粋な炭化水素基、又はエーテル基、第二級アミノ基、又は第三級アミノ基によって中断又は置換されている炭化水素基である。特に好ましい実施態様では、R4は純粋な炭化水素基であり、かつ官能基を有さない。炭化水素基は脂肪族又は芳香族であってよく、又は芳香族であってまた脂肪族基を有していてもよい。
【0029】
考慮されるのはアミノ化合物であり、好適には第一級アミノ基が、好適には2〜50個のC原子、特に好ましくは3〜40個のC原子を有する脂肪族炭化水素基に結合されているジアミンである。
【0030】
考慮されるのはまたアミノ化合物であり、好適には第一級アミノ基が芳香族環系、例えばフェニレン基又はナフチレン基に直接結合されているジアミンか、又は第一級アミノ基が脂肪族基に芳香族環系のアルキル置換基として結合されているアミノ化合物である。
【0031】
ジアミンとして挙げられるのはとりわけ、C2〜C20アルキレンジアミン、例えば1,4−ブチレンジアミン、又は1,6−ヘキシレンジアミンである。
【0032】
トリアミンとしては例えば、式IV
【化1】

[式中、R5、R6、R7は相互に独立してC1〜C10アルキレン基であり、特に好適にはC2〜C6アルキレン基である]
の脂肪族化合物が考慮される。
【0033】
最も単純な場合には、基R5、R6、及びR7は同じ意味を有する:例として挙げられるのは、トリアミノエチルアミンである(R5=R6=R7=エチレン)。
【0034】
また、以下の構造を有する化合物も挙げることができる:
【化2】

【0035】
本発明による方法ではとりわけまた、アミノ化合物の混合物も使用できる。この方法で、イミダゾール環の間に異なる分子基を有するポリマー性イミダゾールが得られる。このような混合物の使用により、所望の特性、例えばガラス転移点、又は弾性及び硬度を適切に調整できる。同様にまた、溶剤、例えば水若しくは有機溶剤への溶解性、超分子構造を形成する傾向、並びに他の分子又は表面に対する親和性も、意図する使用要求の観点で適切に調整できる。
【0036】
アミノ化合物の混合物としては、例えば異なる脂肪族アミノ化合物の混合物、又は異なる芳香族アミノ化合物の混合物、また脂肪族及び芳香族のアミノ化合物の混合物も考慮される。混合物でのアミノ化合物は、第一級アミノ基の数が異なるアミノ化合物であってよい。ジアミンから出発して、本発明による方法では直鎖状のポリマーが得られる。3つ又はそれより多い第一級アミノ基を有するアミノ化合物を使用する場合には、架橋された、かつ/又は分枝鎖状の構造が生じる。2つより多い第一級アミノ基を有するアミノ化合物、例えばトリアミンとの混合物でジアミンを使用することによって、所望の架橋度若しくは分枝度をトリアミンの割合により調整できる。
【0037】
アミノ化合物としてはまた、第一級アミノ基に対してβ位にヒドロキシ基を有するアミノ化合物を使用できる。この場合には本発明による方法によって、ポリマー性イミダゾリウム化合物が得ることができるが、これは例えば既に従来技術から、イミダゾール誘導体とエピクロロヒドリン又はその他のエポキシ化合物との反応により(上記参照)得られたものである。
【0038】
しかしながらこのような化合物の使用は本発明の範囲では必ずしも必要ではなく、そのためこれについては省略することもできる。
【0039】
好ましい実施態様では、アミノ化合物は分子量が10,000g/mol未満、特に好適には5,000g/mol未満、極めて特に好適には1,000g/mol未満、とりわけ500g/mol未満である。
【0040】
ジアミン及びトリアミンとして考慮されるのはとりわけ、モル質量が60〜500g/mo、若しくは60〜250g/molの化合物である。
【0041】
その他の出発物質について
本発明による方法では、例えば特別な末端基をポリマーに導入するため、又はさらなる官能基により付加的な架橋をもたらすため、定義された特性を調整するため、又は生成したポリマーについて後にさらなる反応(ポリマー類似反応)を可能にするために、さらなる化合物を使用することができる。
【0042】
そこで所望の場合には、ポリマー性イミダゾリウム化合物の分子量に影響を与えるため、例えば第一級アミノ基のみを有する化合物を併用することができる。第一級アミノ基のみを有する化合物は連鎖中断をもたらし、その後、当該ポリマー鎖の末端基を形成する。第一級アミノ基のみを有する化合物の割合が高ければ高いほど、モル質量は小さい。第一級アミノ基を少なくとも2つ有するアミノ化合物100molに対して、好ましい実施態様では例えば、第一級アミノ基のみを有する化合物を0〜10molを使用することができる。
【0043】
水素酸について
必ず併用する水素酸は、式Ym-(H+mによって示され、式中、mは正の整数である。これはまた、ポリマー性水素酸、例えばポリアクリル酸であってよい;この場合、mは非常に高い値を取り得る。このようなポリマー性水素酸として挙げられるのは、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸であるか、又は(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、若しくはイタコン酸と、他の任意のモノマー、例えば(メタ)アクリレート、ビニルエステル、又は芳香族モノマーとの、例えばスチレンとのコポリマーであるか、又は多数のカルボキシル基を有するその他のポリマーである。
【0044】
好ましい実施態様では、mは1〜4の整数であり、特に好ましくはmは1又は2である。特に好ましい実施態様では、mは1である。
【0045】
水素酸のアニオンYm-は、ポリマー性イミダゾリウム化合物のイミダゾリウムカチオンに対して対イオンを形成する。
【0046】
水素酸のアニオンは、例えば以下のものから選択されている:
以下の式のハロゲン化物イオン、及びハロゲン含有アニオンの群:
-、Cl-、Br-、I-、BF4-、PF6-、AlCl4-、Al2Cl7-、Al3Cl10-、AlBr4-、FeCI4-、BCl4-、SbF6-、AsF6-、ZnCl3-、SnCl3-、CuCl2
公知の水素酸のその他のアニオン、例えば
CN-、SCN-、OCN-、NO2-、NO3-、N(CN)-
以下の一般式の硫酸イオン、亜硫酸イオン、及びスルホン酸イオンの群:
SO42-、HSO4-、SO32-、HSO3-、RaOSO3-、RaSO3-
以下の一般式の炭酸イオン及び炭酸エステルの群:
HCO3-、CO32-、RaCO3-
以下の一般式のケイ酸イオン及びケイ酸エステルの群:
SiO44-、HSiO43-、H2SiO42-、H3SiO4-、RaSiO43-、RabSiO42-、RabcSiO4-、HRaSiO42-、H2aSiO4-、HRabSiO4-
以下の一般式のアルキルシラン若しくはアリールシランイオンの群;
aSiO33-、RabSiO22-、RabcSiO-、RabcSiO3-、RabcSiO2-、RabSiO32-
以下の一般式の炭酸イミド、ビス(スルホニル)イミド、及びスルホニルイミドの群:
【化3】

以下の一般式のメチドの群:
【化4】

一般式Raのアルコキシド及びアリールオキシドの群;
一般式[MrHalts-[式中、Mは金属であり、Halはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、r及びtは正の整数であり、かつ錯体の化学量論量を表し、sは正の整数であり、かつ錯体の電荷を表わす]のハロメタレートの群;
以下の一般式のスルフィド、ヒドロゲンスルフィド、ポリスルフィド、ヒドロゲンポリスルフィド及びチオレートの群:S2-、HS-、[Sv2-、[HSv-、[RaS]-(式中vは、2〜10の正の整数である);
錯体金属イオン、例えばFe(CN)63-、Fe(CN)64-、MnO4-、Fe(CO)4-の群。
【0047】
水素酸のアニオンは好ましくは、以下の一般式のリン酸イオンの群から選択されている:
PO43-、HPO42-、H2PO4-、RaPO42-、HRaPO4-、RabPO4-
以下の一般式のホスホン酸イオン及びホスフィン酸イオンの群:
aHPO3-、RabPO2-、RabPO3-
以下の一般式の亜リン酸イオンの群:
PO33-、HPO32-、H2PO3-、RaPO32-、RaHPO3-、RabPO3-
以下の一般式のホスホナイト及びホスフィナイトの群:
abPO2-、RaHPO2-、RabPO-;、RaHPO-
以下の一般式のカルボン酸イオンの群:
aCOO-、Re(−COO-f
以下の一般式のホウ酸イオンの群:
BO33-、HBO32-、H2BO3-、RabBO3-、RaHBO3-、RaBO32-、B(ORa)(ORb)(ORc)(ORd-、B(HSO4-、B(RaS04-
以下の一般式のボロネートの群
aBO22-、RabBO-:及び
ハロゲン化炭化水素基の群:
CF3SO3-、(CF3SO32-、CF3CO2-、CCl3CO2-
【0048】
上記式中、Ra、Rb、Rc、及びRdは相互に独立してそれぞれ酸性の水素ではなく、C1〜C30アルキル及びそのアリール置換成分、ヘテロアリール置換成分、シクロアルキル置換成分、ハロゲン置換成分、ヒドロキシ置換成分、アミノ置換成分、カルボキシ置換成分、ホルミル置換成分、−O−置換成分、−CO−置換成分、−CO−O−置換成分又はCO−N<置換成分、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチルー1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(t−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘニコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、フェニルメチル(ベンジル)、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、3−シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、3−シクロヘキシルプロピル、メトキシ、エトキシ、ホルミル、アセチル又はCq2(q-a)+(1-b)2a+b、但し、この場合q≦30、0≦a≦qであり、bは0又は1であるものとし(例えば、CF3、C25、CH2CH2−C(q-2)2(q-2)+1、C613、C817、C1021、C1225)、
3〜C12シクロアルキル及びそのアリール置換成分、ヘテロアリール置換成分、シクロアルキル置換成分、ハロゲン置換成分、ヒドロキシ置換成分、アミノ置換成分、カルボキシ置換成分、ホルミル置換成分、−O−置換成分、−CO−置換成分、又は−CO−O−置換成分、例えばシクロペンチル、2−メチル−1−シクロペンチル、3−メチル−1−シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチル−1−シクロヘキシル、3−メチル−1−シクロヘキシル、4−メチル−1−シクロヘキシル、又はCq2(q-a)-(1-b)2a-b、但し、この場合q≦30、0≦a≦qであり、bは0又は1であるものとし、
2〜C30アルケニル、及びそのアリール置換成分、ヘテロアリール置換成分、シクロアルキル置換成分、ハロゲン置換成分、ヒドロキシ置換成分、アミノ置換成分、カルボキシ置換成分、ホルミル置換成分、−O−置換成分、−CO−置換成分、又は−CO−O−置換成分、例えば2−プロペニル、3−ブテニル、シス−2−ブテニル、トランス−2−ブテニル、又はCq2(q-a)-(1-b)2a-b、但し、この場合q≦30、0≦a≦qであり、bは0又は1であるものとし、
3〜C12シクロアルケニル及びそのアリール置換成分、ヘテロアリール置換成分、シクロアルキル置換成分、ハロゲン置換成分、ヒドロキシ置換成分、アミノ置換成分、カルボキシ置換成分、ホルミル置換成分、−O−置換成分、−CO−置換成分又は−CO−O−置換成分、例えば3−シクロペンテニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、2,5−シクロヘキサジエニル又はCq2(q-a)-3(1-b)2a-3b、但し、この場合q≦30、0≦a≦qであり、bは0又は1であるものとし、
2〜30個の炭素原子を有するアリール又はヘテロアリール及びそのアルキル置換成分、アリール置換成分、ヘテロアリール置換成分、シクロアルキル置換成分、ハロゲン置換成分、ヒドロキシ置換成分、アミノ置換成分、カルボキシ置換成分、ホルミル置換成分、−O−置換成分、−CO−置換成分又は−CO−O−置換成分、例えばフェニル、2−メチル−フェニル(2−トリル)、3−メチル−フェニル(3−トリル)、4−メチル−フェニル、2−エチル−フェニル、3−エチル−フェニル、4−エチル−フェニル、2,3−ジメチル−フェニル、2,4−ジメチル−フェニル、2,5−ジメチル−フェニル、2,6−ジメチル−フェニル、3,4−ジメチル−フェニル、3,5−ジメチル−フェニル、4−フェニルーフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル又はC6(5-a)a、但し、この場合0≦a≦5であり、又は
2つの基は、不飽和、飽和、又は芳香族の、場合により官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子、及び/又はヘテロ環により置換された、及び場合により1つ又は複数の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1つ又は複数の置換又は非置換のイミノ基で中断された環である。
【0049】
a、Rb、Rc、及びRdは特に好ましくは、相互に独立してそれぞれ水素であり、特に好ましくはそれぞれC1〜C10、好適にはC1〜C4アルキル基である。
【0050】
e(多価カルボン酸についての上記式参照)は、多価カルボン酸基が結合されている有機基である。これに相応してfは、2以上の整数である。このような多価カルボン酸は例えば、マレイン酸又はイタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、又はテレフタル酸であってよい。
【0051】
考慮されるのはまた、ポリマー化合物であり、これは例えばエチレン性不飽和化合物のラジカル重合によって1つ又は2つのカルボン酸基を有するモノマー、例えば(メタ)アクリル酸を使用又は併用して得られるものである。
【0052】
水素酸のアニオンとは好適には、pKs値が少なくとも1、とりわけ少なくとも2、極めて特に好ましい実施態様では少なくとも4の、水素酸のアニオンである(25℃、1bar、水又はジメチルスルホキシド中で測定)。
【0053】
pKs値は、酸定数Ksの10の負の対数である。このためのpKs値は、25℃、1barで選択的に溶剤としての水中又はジメチルスルホキシド中で測定される;それゆえ本発明によれば、アニオンが水中又はジメチルスルホキシド中で相応するpKs値を有していれば充分である。ジメチルスルホキシドはとりわけ、アニオンが水中にあまり溶解性ではない場合に使用される。両方の溶剤については、標準的な書物に文献的記載が見られる。
【0054】
よって水素酸は好適には、pKsが1未満のハロゲンの水素酸ではなく、とりわけHClでも、HBrでもなく、アニオンは相応して塩化物イオン又は臭化物イオンでもない。
【0055】
特に好ましいのは、カルボン酸、すなわち一般式
aCOO-、及びRe(−COO-f
の上記カルボキシレートの水素酸である。
【0056】
このようなカルボン酸若しくはカルボキシレートとしてはとりわけ、1つ又は2つの、好適には1つのカルボキシレート基を含む、1〜20個のC原子を有する有機化合物が挙げられる。
【0057】
これは脂肪族化合物のみならず芳香族化合物であってもよく、ここで芳香族化合物とは、芳香族基を含有するものと理解される。特に好ましいのは、カルボキシレート基の酸素原子以外に、さらなるヘテロ原子を含まないか、又は必要な場合にはさらに1つ又は2つのヒドロキシ基、カルボニル基、又はエーテル基を含む、脂肪族又は芳香族の化合物である。極めて特に好ましいのは、カルボキシレート基の酸素原子以外には、更なるヘテロ原子を含有しない脂肪族化合物又は芳香族化合物である。
【0058】
2つのカルボキシレート基を有する化合物として挙げられるのは例えば、フタル酸のアニオン、イソフタル酸のアニオン、C2〜C6ジカルボン酸のアニオン、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸のアニオンである。
【0059】
1つのカルボキシレート基を有する化合物として記載されるのは例えば、芳香族、脂肪族、飽和若しくは不飽和のC1〜C20カルボン酸のアニオンであり、とりわけアルカンカルボン酸、アルケンカルボン酸、アルキンカルボン酸、アルカジエンカルボン酸、アルカトリエンカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、若しくはケトカルボン酸のアニオン、又は芳香族カルボン酸のアニオン、例えばコハク酸、又はフェニル酢酸のアニオンである。適切なアルカンカルボン酸、アルケンカルボン酸、及びアルカジエンカルボン酸は、脂肪酸としても公知である。
【0060】
アニオンY-として挙げられるのはとりわけ、ベンゾエートアニオン、及び場合により1つ又は2つの、好適には1つのヒドロキシ基で置換されていてもよいC1〜C20アルカンカルボン酸のアニオンである。特に好ましいのは、ベンゾエートアニオン、及びC2〜C20アルカンカルボン酸のアニオン、とりわけ酢酸アニオン、及びプロピオン酸アニオンであり、極めて特に好ましいのは、酢酸アニオンである。
【0061】
さらなる好ましい水素酸若しくは好ましい水素酸のアニオンは、カルボン酸(カルボキシレート)の他にまた、スルホン酸、リン酸又はホスホン酸であり、ここでスルホン酸、リン酸、若しくはホスホン酸の酸基は、部分的にエステル化されていてよい。
【0062】
リン酸及びそのエステルとしては、とりわけ式VII
【化5】

のものが挙げられ、ここでR’、R’’は相互に独立して水素であるか、又はC1〜C10、好ましくはC1〜C4アルキル基である。
【0063】
ホスホン酸及びそのエステルとしては、とりわけ式VIII
【化6】

が挙げられ、ここでR’、R’’は相互に独立して水素であるか、又はC1〜C10、好ましくはC1〜C4アルキル基である。
【0064】
方法の実施について
出発化合物の反応は、好適には水、水と混和性の溶剤、又はこれらの混合物中で行う。
【0065】
水と混和性の溶剤として挙げられるのはとりわけ、プロトン性溶剤、好適には脂肪族アルコール、又は最大4個の炭素原子を有するエーテル、例えばメタノール、エタノール、メチルエチルエーテル、テトラヒドロフランである。適したプロトン性溶剤は、水と任意の比で混合可能である(1bar、21℃で)。
【0066】
反応は好適には、水中又は水との混合物中で、前掲のプロトン性溶剤を用いて行う。特に好ましくは、反応は水中で行う。
【0067】
出発成分の反応は、例えば0.1〜10barの圧力、とりわけ常圧で、例えば5〜100℃、とりわけ5〜50℃、特に好適には10〜40℃の温度で行うことができる。
【0068】
出発成分は任意の順序で一緒に加えることができる。
【0069】
反応は非連続的、半連続的、又は連続的に行うことができる。半連続的な方法では、例えば少なくとも1つの出発化合物を装入し、そしてその他の出発成分を計量供給することができる。
【0070】
連続的な方法では、出発成分を連続的に一緒に供給し、かつ生成混合物を連続的に排出する。出発成分は個別に、又は出発成分の全部若しくは一部の混合物として供給することができる。特別な実施態様では、アミンと酸は事前に混合し、そして物質流として供給する。その他の成分は個別に、又は同様に混合物(第二の物質流)として供給することができる。
【0071】
さらなる特別な実施態様では、カルボニル基を含むすべての出発成分(すなわち、カルボキシレートである場合には、α−ジカルボニル化合物、アルデヒド、及びアニオンXの水素酸)を事前に混合し、そしてまとめて物質流として供給する;残っているアミノ化合物はこの後、別個に供給する。
【0072】
連続的な製造は、任意の反応槽、例えば撹拌槽で行うことができる。前記製造は好ましくは撹拌槽カスケードで、例えば2〜4の撹拌槽からのカスケード、又は管型反応器で行う。
【0073】
反応は基本的に、以下の反応式に従って進む。
【化7】

【0074】
ここでα−ジカルボニル化合物1molに対してアルデヒド1mol、第一級アミノ基2mol、及び水素酸の酸基(H+)1molが必要となる。得られるポリマー中では、イミダゾリウム基がジアミンによって相互に結合されている。
【0075】
高い分子量が得られるのは、前述のように化合物が等モル量で使用される場合である。
【0076】
重縮合反応の実施後、得られるポリマー化合物は溶液から沈殿させることができ、又は溶液中に残り得る。好適には、ポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物が得られる。
【0077】
この溶液からポリマー性化合物が、通常の方法によって分離できる。最も簡単な場合には、溶剤、例えば水を蒸留によって、又はスプレー乾燥によって除去することができる。
【0078】
本発明による方法によって、ポリマー性、イオン性イミダゾリウム化合物が得られる。
【0079】
特に好ましい実施態様においてポリマー性、イオン性イミダゾリウム化合物は、使用されるアミノ化合物の50mol%未満が第一級アミノ基に対してβ位にヒドロキシ基を有するアミノ化合物である本発明による方法によって、又は第一級アミノ基に対してβ位にヒドロキシ基を有するこのようなアミノ化合物を全く併用しない本発明による方法によって得られる。
【0080】
本発明による方法によって得られるポリマー性、イオン性イミダゾリウム化合物は、任意の対イオンを有することもできる;アニオン性対イオンの場合にこれは必ずしもハロゲン化物イオン、例えば臭化物イオンでなくてもよい;よってハロゲン化物アニオン又は臭化物アニオンは、所望の場合には排除してよい。
【0081】
よって新規のポリマー性、イオン性イミダゾリウム化合物は、使用されるアミノ化合物の50mol%未満が第一級アミノ基に対してβ位にヒドロキシ基を有するアミノ化合物であり、かつ水素酸として臭化物アニオンを有する酸を使用しない、本発明による方法により得られる。
【0082】
ポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物の数平均モル質量Mnは、好ましい実施態様では500g/mol超、とりわけ1000g/mol超、若しくは2000g/mol超、及び5000g/mol超であり得る。
【0083】
nは例えばまた500〜500,000g/molの値、とりわけまた500〜50,000g/molを取ることができる。
【0084】
多分散性(質量平均分子量÷数平均分子量の商、Mw/Mn)は、例えば1.1〜100、とりわけまた1.5〜20の値であり得る。
【0085】
モル質量はゲル透過クロマトグラフィーによって測定できる;このように特定されるモル質量は、前掲の記載と関連する。
【0086】
好ましいポリマー性、イオン性イミダゾリウム化合物は、式IV
【化8】

[式中、R1、R2、R3、及びR4は前掲の意味を有するが、ただしここでR4は(n−1)価の有機基であり、この基はイミダゾール環の窒素原子に対してβ位にヒドロキシ基を有さず、かつ付属するアニオンは臭化物アニオンではない]
の構造単位を有するカチオン性イミダゾリウムポリマーを有する。
【0087】
アミノ化合物としてジアミンを使用することにより得られる直鎖状、ポリマー性、イオン性イミダゾリウム化合物は、好適には式V
【化9】

[式中、xは整数であり、R1、R2、R3、及びR4は上記意味を有するが、ただしここでR4は、イミダゾール環の窒素原子に対してβ位にヒドロキシ基を有さず、かつ付属するアニオンが、その水素酸のpKs値が1超のアニオンである有機基を表す]
の構造単位を有するカチオン性イミダゾリウムポリマーを有する。ここで述べておくべきは、製造方法において自然に様々な鎖長のポリマーが得られることであり、これによりxに対する平均値は、得られる混合物中で任意の値をとってよく、通常は整数ではない。
【0088】
本発明によるポリマー性、イオン性イミダゾリウム化合物は、カチオン性イミダゾリウムポリマーと、その対アニオンから成る。カチオン性イミダゾリウムポリマーは、好ましい実施態様では60質量%超、とりわけ80質量%超、及び特に好適には90質量%超、若しくは95質量%超が、前記式IV又はVの構造単位から成る。
【0089】
本発明によるイオン性イミダゾリウム化合物のいくつかについて、以下概略的に、カチオン性イミダゾリウムポリマーの構造式を記載する:
a)ホルムアルデヒド、グリオキサール、及びブタンジアミンからのポリマー
【化10】

b)ホルムアルデヒド、グリオキサール、及びトリアミノエチレンアミンからのポリマー
【化11】

c)ホルムアルデヒド、グリオキサール、及びポリビニルアミンからのポリマー
【化12】

【0090】
ポリマー性、イオン性イミダゾリウム化合物は、イオン性ポリマーを使用する任意の使用に適している。前記化合物はとりわけ、例えば無機又は有機粒子用の分散剤として、とりわけこれらの粒子の水系への分散のために適している。
【0091】
実施例1〜9
実施例1及び2の実施が、表に記載されている。実施例3〜9におけるポリマーの製造は、実施例2の製造処方に従って行った。
【0092】
【表1】

【0093】
【表2】

【0094】
【表3】

【0095】
【表4】

【0096】
【表5】

【0097】
【表6】

【0098】
【表7】

【0099】
【表8】

【0100】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー性、イオン性のイミダゾリウム基含有化合物(略してポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物という)の製造方法において、
α−ジカルボニル化合物、
アルデヒド、
第一級アミノ基を少なくとも2つ有する、少なくとも1つのアミノ化合物、
場合により、第一級アミノ基を1つだけ有するアミノ化合物、及び
水素酸、
ここでα−ジカルボニル化合物及びアルデヒドのカルボニル基は、場合によりヘミアセタール、アセタール、若しくはヘミケタール、又はケタールとして存在していてよい、
を相互に反応させることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項2】
前記α−ジカルボニル化合物が、式I
1−CO−CO−R2
[式中、R1とR2は相互に独立して、H原子、又は1〜20個のC原子を有する有機基である]
の化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記α−ジカルボニル化合物がグリオキサールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記アルデヒドが、式II
3−CHO
[式中、R3はH原子、又は1〜20個のC原子を有する有機基である]
のアルデヒドであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記アルデヒドがホルムアルデヒドであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記アミノ化合物が、式III
(NH2−)n4
[式中、nは2以上の整数であり、R4は任意のn価の有機基である]
の化合物であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記アミノ化合物が、脂肪族又は芳香族のジアミン又はトリアミンであることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記アミノ化合物が、C2〜C20アルキレンジアミンであることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
アミノ化合物として、異なるアミノ化合物の混合物を使用することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記水素酸が、式
m-(H+m
[式中、mは整数である]
の酸であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
mが1〜4の整数であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記水素酸が、pKs値が1より大きい酸であることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記水素酸がカルボン酸、スルホン酸、リン酸、又はホスホン酸であり、ここでスルホン酸、リン酸、又はホスホン酸の酸基は一部エステル化されていてよいことを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記水素酸が酢酸であることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法を水中、水と混和性の溶剤中、又はこれらの混合物中で行うことを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法により得られるポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物であって、
使用されるアミノ化合物の50mol%未満が、第一級アミノ基に対してβ位にヒドロキシル基を有するものであり、かつカチオン性ポリマーに対するアニオン性対イオンが臭化物イオンではない、前記化合物。
【請求項17】
ゲル透過クロマトグラフィーにより特定される数平均モル質量Mnが500より大きいことを特徴とする、請求項16に記載のポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物。
【請求項18】
式IV
【化1】

[式中、R1、R2、R3、及びR4は上記の意味を有するが、ただしここでR4は、イミダゾール環の窒素原子に対してβ位にヒドロキシ基を有さない(n−1)価の有機基である]
のカチオン性イミダゾリウムポリマー構造単位を有し、かつ付属するアニオンが臭化物イオンではない、ポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物。
【請求項19】
式V
【化2】

[式中、xは整数であり、R1、R2、R3、及びR4は上記の意味を有するが、ただしここでR4は、イミダゾール環の窒素原子に対してβ位にヒドロキシ基を有さない二価の有機基である]
のカチオン性イミダゾリウムポリマー構造単位を有し、かつ付属するアニオンが臭化物イオンではない、直鎖状のポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物。
【請求項20】
カチオン性イミダゾリウムポリマーの80質量%超が、式IV又はVの構造単位から成ることを特徴とする、請求項18又は19に記載のポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物。
【請求項21】
請求項1から20までのいずれか1項に記載のポリマー性、イオン性のイミダゾリウム化合物を、分散剤として用いる使用。

【公表番号】特表2012−513432(P2012−513432A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542755(P2011−542755)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066781
【国際公開番号】WO2010/072571
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】