説明

ポリマー電解質、及びその製造方法

【課題】揮発性のない、イオン導電性のよい、液漏れをしない、偏在しないポリマー電解質を得ること。
【解決手段】分子内にイオン性基を有する線状高分子と、イオン性液体と、リチウム塩とを含み、線状高分子の物理的な絡み合いで固体の形状を保持する、ポリマー電解質、又は、二重結合を有するモノマーを重合して、分子内にイオン性基を有する線状高分子を合成する工程と、得られた線状高分子から不純物を除く工程と、線状高分子とイオン性液体とリチウム塩とを混合する工程と、からなるポリマー電解質の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引火性を持たないポリマー電解質に関するものである。特に、リチウム系電池用、電気二重層キャパシタ用などの電気化学的デバイスに使用するポリマー電解質に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウム一次電池、リチウム二次電池、電解コンデンサー、電気二重層コンデンサー、エレクトロクロミック表示素子などの電気化学的デバイスの電解質としては、高誘電率の有機溶媒が用いられてきた。例えば、ガンマーブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、テトラヒドロフランなど数多くある。これらの有機溶媒に過塩素酸リチウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、フタル酸テトラメチルアンモニウム等の塩類を溶解した電解液が使用されている。
【0003】
しかしながら、これらの電解液は、漏液が発生し易く、また、揮発し易く、長期間の信頼性に欠けるという欠点を有している。一方、固体電解質は、この様な欠点がなく、上記の電気化学的デバイスに使用すると、製造工程の簡略化を図れると共に、デバイス自身の軽薄短小化を図ることができる。特に、高分子固体電解質は、柔軟性、軽量性、弾性、薄膜成形性、加工性、透明性などに優れており、電気自動車用高エネルギー電池やICカード等の薄型製品の内蔵電池などに応用が考えられている。
【0004】
上記の高分子固体電解質としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンエーテル系高分子化合物に、リチウムスルホンイミド、LiClO、LiCFSO等のアルカリ金属塩を複合させた固体電解質(Salt-in-Polymer型)が研究されてきたが、イオン導電性は、高分子鎖の熱運動に起因することが明らかになり、アモルファス化など種々の試みがなされてきたものの、イオン導電性と形状安定性の面から技術的な限界に至っている。
【0005】
一方、最近ではイオン性液体と呼ばれる有機塩が注目されている。イオン性化合物は、通常、プラスに帯電したカチオンとマイナスに帯電したアニオンとが、静電気的に引き合って結晶を構成している。このイオン性化合物は水をはじめとする種々の液体に溶解し、電気を流す液体、すなわち、電解質溶液となる。このイオン性化合物の中には、室温においても液体状態を保ち、極低温で固化しないものもあり、このような室温以下で液体状態を保つイオン性化合物は、特に室温溶融塩またはイオン性液体と呼ばれている。一般的に、イオン性液体を構成するカチオンとアニオンとは、その間の静電的相互作用が小さくなるように、どちらか一方または両方が、ある程度の大きさを有する分子イオンであるとともに、電荷もまた静電的相互作用を小さくする理由で1価である。
【0006】
上記イオン性液体を電池等の電解質へ応用する研究が精力的に進められているが、一般的に、イオン性液体は、吸湿性が高く、空気中での取り扱いが困難であるという欠点を有しており、その応用が十分になされているとは言えなかった。このような状況下で、1992年にWilkesらによって報告された1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートは、空気中でも取り扱うことのできる画期的なイオン性液体である。これをきっかけにして側鎖の異なる多数のアルキルイミダゾリウムカチオンと、種々のアニオンとを組み合わせたイオン性液体が多数合成されるようになった。
【0007】
そこで、イオン導電性は、イオン性液体が担い、力学的特性は高分子化合物が担うというイオン性液体ポリマーゲル電解質の発想が生まれた。これは、イオン性液体に多官能性のモノマーを添加し、イオン性液体中でモノマーを重合して、三次元網目構造を形成してイオン性液体を含有する高分子ゲルを合成して得られた(非特許文献1参照)。しかしながら、イオン性液体と形成された三次元網目ポリマーの組み合わせに限りがあり、場合によってはイオン性液体とポリマーが分離してしまい、イオン導電性や機械強度に難点があることが観察された。
【0008】
また、多官能性のモノマーの構造を工夫し、イオン性液体分子中に不飽和二重結合を有するイオン性液体モノマーを使用することで、イオン性液体と三次元網目構造を形成したポリマーの混合性(相溶性)を改善する特許出願がある(特許文献1参照)。しかしながら、上記の2例では、イオン性液体中で重合反応を行い三次元ポリマー網を形成させる方法である為、製造されたポリマーゲル電解質中に重合開始剤や未反応のモノマーや低分子のオリゴマーが多数存在するため、実際の電気化学デバイスに使用した場合、それらが、電気化学的反応を引き起こし、電気化学的安定性と機械強度の安定性に問題が生じることがあった。小さなモノマーが多数繋がって形成されたポリマー網で液体を固体化するには、比較的高濃度のモノマー成分を添加しなくてはならず、これらの方法で得られたポリマー電解質のイオン伝導性は総じて低いものとなる場合が多い。また得られたポリマーゲルは脆い性状を示す。
【0009】
環状アミジン又はピリジンのオニウム塩からなるイオン性液体に、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン等のポリビニル系高分子化合物、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系高分子化合物、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系高分子化合物、ポリカーボネート系高分子化合物またはアイオネン系高分子化合物を加えたポリマー固体電解質が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、
ポリマーをイオン液体に混合した場合、全てのポリマーが、全てのイオン液体に溶解するとは限らない。ポリマーとイオン液体が均質に混合する場合は、お互いに相溶(相溶系)であると表現し、透明なポリマーゲルが生成する場合が多い。一方、均質に混ざらない場合は、非相溶(非相溶系)と呼ばれ、不透明なゲルが形成される場合が多い。相溶系の場合はゲル物理特性、伝導特性も安定しているが、非相溶性のゲルでは、周囲の温度変化によりイオン性液体の離液(ゲルからイオン性液体が漏れ出てしまう現象が生じやすく、これにより不連続にイオン伝導性が変化する。例えば、イオン液体に中性のポリマーを溶解して形成したゲルの場合、多くの系で温度上昇によるイオン性液体の離液が生じ、ある温度で突如としてイオン伝導性が低下する現象がしばしば生じる。アイオネン系高分子の場合もその分子構造を厳密に考慮しなければ、イオン導電性と機械強度に優れるポリマーゲルは合成できない。
【0010】
【非特許文献1】A. Noda, K. Hayamizu,M. Watanabe, J. Phys. Chem. B, 105, 4603 (2001), A. Noda, M. Watanabe, Electrochim. Acta, 45, 1265(2000)
【特許文献1】特開2004−111294号公報
【特許文献2】特開平10−265674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
(1)本発明は、揮発性のないポリマー電解質を得ることにある。
(2)また、本発明は、イオン導電性のよいポリマー電解質を得ることにある。
(3)また、本発明は、液漏れをしないポリマー電解質を得ることにある。
(4)また、本発明は、偏在しないポリマー電解質を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は、分子内にイオン性基を有する線状高分子と、イオン性液体と、リチウム塩とを含み、線状高分子の物理的な絡み合いで固体の形状を保持する、ポリマー電解質にある。
(2)また、本発明は、二重結合を有するモノマーを重合して、分子内にイオン性基を有する線状高分子を合成する工程と、得られた線状高分子から不純物を除く工程と、線状高分子とイオン性液体とリチウム塩とを混合する工程と、からなるポリマー電解質の製造方法にある。

【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(ポリマー電解質)
ポリマー電解質は、分子内にイオン性基を有する線状高分子あるいは、分子内に窒素カチオン性基を有する線状高分子と、イオン性液体と、リチウム塩とを含んでいる。このポリマー電解質は、蒸気圧がほとんど無く、引火性を持たず、不燃性である。そのため、リチウム系電池用、電気二重層キャパシタ用などの電気化学的デバイスに使用しても、安全性を高めることができる。また、ポリマー電解質に含まれるポリマーは直線状の形態を有し、3次元網目構造ではないため、柔軟な機械特性を示し、脆くない。従ってイオンの移動度を高めることができ、イオン導電性を高めることができる。
【0014】
本発明では、ポリマーの分子構造に着目している。本発明者らはイオン液とポリマーを複合したゲルの場合は、相溶系ゲルと非相溶ゲルでその物理的、電気的特性が異なることを見出した。特に非相溶系ゲルでは、周囲の温度変化によりイオン性液体の離液、即ちゲルからイオン性液体が漏れ出てしまう現象が生じ、突如としてイオン伝導性が低下する現象がしばしば生じる。本発明者らは、この現象を防止するためには、ポリマー上に窒素カチオンを導入すれば良いと言うことを見出した。多くのイオン性液体のカチオンは、窒素原子である。この窒素原子とポリマー上の窒素原子の親和性が、イオン液体とポリマーの相溶性を大きく高めることを見出した。このため、窒素カチオンを有するポリマーをイオン液体に加えてゲル化したポリマー電解質は、相溶性のゲル電解質となる場合が多い。これらのゲル電解質ではイオン液体の離液は極めて起こりにくくなり、ゲルに温度変化を与えても突然イオン伝導性が低下する現象は見られない。
【0015】
また、液体の電解質や非相溶系のポリマーゲル電解質では、重力による液体偏在現象が生じる。即ち電池等のデバイスを立てた場合、下方に液体が移動してデバイス内で電解質の偏在が生じてしまう。しかし、本発明のポリマー電解質では、各種デバイスに使用しても、デバイスからの液漏れを防止でき、また、電解質が偏在することもない。
【0016】
ポリマー電解質の分子内にイオン性基を有する線状高分子は、40℃において液体状態を示すモノマー分子を重合して合成することができる。この線状高分子は、ゲルろ過クロマトグラフ分析において重量平均分子量がポリエチレングリコール換算で30万以上であることが望ましい。即ち本発明では、線状高分子の物理的な絡み合い効果でイオン液体を固体化するのであるから、分子量は大きいほど良い。線状高分子の物理的な絡み合いにより固体の形状を保持することができる。分子量が大きければ、少量のポリマー添加で、イオン性基を有する線状高分子と、イオン性液体と、リチウム塩からなる複合体をゲル化(固体化)することが出来るからである。分子量が小さいポリマーは、イオン液体中に多くの重量のポリマーを添加しなくては全体をゲル化させることが出来ないが、分子量が大きければ少量の添加で全体をゲル化できる。少量添加でゲル化したポリマー電解質の方が、大量添加したものよりイオン導電性を高く出来る。また経済的にも有利である。重量平均分子量がポリエチレングリコール換算で30万以上が好ましい。より好ましくは50万以上、70万以上ならもっと好適である。分子量が大きいものほど少量添加でゲル化できるからである。
【0017】
また、イオン液体中において、イオン性基を有する線状高分子は、分子鎖内のイオン基反発効果により伸びきった構造を取ると考えられる。このことにより同じ分子量の中性ポリマー(即ちイオン基を持たないポリマー)とイオン基を有するポリマーを比較した場合、イオン基を有するポリマーのほうがより少ない添加量でイオン液体をゲル化出来ることを我々は見出した。従って、イオン基を有し且つ重量平均分子量がポリエチレングリコール換算で30万以上が好ましい。より好ましくは50万以上、70万以上ならもっと好適である。
【0018】
さらに、イオン液体の窒素カチオンとポリマー上の窒素カチオンが親和性を持つために、窒素カチオン基分子鎖上に有し且つ重量平均分子量がポリエチレングリコール換算で30万以上が好ましい。より好ましくは50万以上、70万以上ならもっと好適である。より少量の添加でゲル化出来るのである。30万以下では、添加量が多くなり、イオン導電性が低下するので好ましくない。
【0019】
また、この線状高分子の重量分率は、ポリマー電解質中の他物質に対して50重量%以下であることが望ましい。好ましくは30%以下、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは7%以下、重量平均分子量がポリエチレングリコール換算で50万以上のポリマーを用いる場合は、5%以下でもイオン液体をゲル化出来るので好ましく使用することが出来る。50重量%以上では、ポリマー濃度は高すぎてイオン伝導性が低下する。経済的にも好ましくない。
【0020】
また、ポリマー電解質は、BFイオンを含まないことが望ましい。BFアニオンは、金属化合物との反応性が高くデバイス内の金属と反応しやすいために、金属と接するようなデバイスに使用することは、好ましくない。
【0021】
(イオン性液体)
イオン性液体とは、常温溶融塩または単に溶融塩などとも称されるものであり、常温(室温)を含む幅広い温度域で溶融状態を呈する塩であり、第4級アンモニウムイオンに代表されるカチオン(陽イオン)とアニオン(陰イオン)とから構成される。ポリマー電解質に使用できるイオン性液体としては、特に限定されず、公知のイオン性液体を用いることができる。
【0022】
イオン性液体を構成するカチオンの好適な例としては、下記の化学式(化2)で表されるイミダゾリウムイオンが挙げられる。化学式(化2)において、一般に、R1は炭素数1〜4のアルキル基または水素原子をあらわし、特に炭素数1のメチル基が好ましい。また、R2は炭素数10以下のアルキル基(エーテル結合を含んでいてもよい)を表し、好ましい例はエチル基である。R1,R2,R3は、それぞれ独立で、炭素数が1から20のアルキル基で酸素原子を含んでもよい。又は、R1,R2,R3は、水素原子でもよい。
【化2】

【0023】
その他の芳香族系カチオンも含めれば、下記の化学式(化3)に示すカチオンが例示できる。
【化3】

【0024】
また、電気化学的安定性の面からは、上記の芳香族系のカチオンより下記の化学式(化4)のアルキル、もしくはアルコキシ型の四級アンモニウムカチオンが好ましい。
【化4】

【0025】
化学式(化4)の式中、R1〜R4は、互いに同一もしくは異種の炭素数1〜5のアルキル基、またはR′−O−(CH2)n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、これらR1、R2、R3およびR4のいずれか2個の基が環を形成していても構わない。窒素原子の代わりにリン原子でもよい。実例をあげれば、下記の化学式(化5)がある。
【化5】

【0026】
特に好ましいカチオン構造としては、下記の化学式(化6)がある。
【化6】

【0027】
置換基にアルコキシ基を含む例としては、下記の化学式(化7)が例示できる。この時のRは、炭素数1から5程度のアルキル基が用いられる。炭素数1のメチル基が好ましく用いられる。
【化7】

【0028】
一方、カチオンに組み合わせるアニオンの構造としては、以下のものがあげられる。BF、PF、AsF、SbF、AlCl、HSO、ClO、CHSO、CFSO、CFCO、(CFSON、Cl、Br、I等のアニオンを用いることができる。しかし、BFアニオンは、金属化合物との反応性が高くデバイス内の金属と反応しやすく、あまり好ましくはない。好ましいアニオンとしては、(CFSON、CFSO、CFCOがあげられる。イオン性液体の粘度をより低くして取り扱い性を高めるという点から、(CFSON−を用いることが特に好ましい。
【0029】
(イオン性基を有する線状高分子)
イオン性基を有する高分子が線状高分子としては、分子鎖内に解離性を有するイオン基を持ち、溶媒に溶解性を有している。線状であれば、分岐構造を有していても良い。イオン性基を有する線状高分子としては、架橋構造を有する非溶解性高分子は含まない。分子内に持つイオン性基は、カチオンでもアニオンでも良い。また、両者を分子内に有する両性電解質ポリマーでも良い。イオン性基を有する線状高分子は、イオン性液体と混合することにより、物理的な絡み合いで粘性を有する。
【0030】
特に好ましいのは、分子鎖中に窒素カチオンが存在する線状高分子が好ましい。窒素カチオンが鎖状に存在するもの、例えば、以下の図のI,m−アイオネン、ポリ(Nアルキル-4-ビニルピリジニウム-クロリド)、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、などがあげられる。ただし分子鎖中に窒素カチオンが存在する線状高分子の対アニオンは、クロリドに限らない。1価のアニオンなら使用することが出来る。分子鎖中に窒素カチオンが存在する線状高分子において、主鎖からオリゴマー鎖を介して枝上に窒素カチオンが存在するものも好適に使用出来る。例えば、化学式(化11)で表される構造のポリマーは特に好ましい。
【0031】
以下に代表的な合成高分子電解質の例を下記の化学式(化8)、化学式(化9)、及び化学式(化9)に示す。化学式(化8)は高分子酸であり、化学式(化9)は高分子塩基であり、化学式(化10)は両性電解質高分子である。化学式(化8)は、弱酸性のポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMAA)、ポリ−L−グルタミン酸(PLG)と、強酸性のポリビニルスルホン酸(PAA)、X:−SOHポリスチレンスルホン酸(PSS)またX:−POポリスチレンリン酸(PSP)、ポリリン酸の化学式を示している。化学式(化9)は、弱塩基性のポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリ−L−リシン(PLL)と、強塩基性のl,m−アイオネン(l,mは炭素数を示し、1から10の何れかの値を示す。)、ポリ(N−アルキル−4−ビニルビリジウムクロリド)(QPVP)、ポリビニルベンジルトメチルアンモニウムクロリド(PVBMA)の化学式を示している。化学式(化10)は、両性電解質高分子のポリ(スチレンスルホン酸−co−N−アルキル−4−ビニルピリジウムクロリド)、ポリ(4−ビニル−N−アルキルスルホネートピリジニウム)の化学式を示している。
【化8】

【化9】

【化10】

【0032】
その他には、イオン性基を有する多糖類も使用することが出来る。たとえば、アミノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、硫酸セルロース、アミノエチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、硫酸デンプン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン酸、ケラタン酸、ヘパラン硫酸、ヘパリンなどがあげられ、イオン基を有する多糖ならば天然多糖でも合成多糖でも良い。
【0033】
最も好適に用いられる線状高分子は、以下の化学式(化11)の構造を有するものである。
【化11】

【0034】
化学式(化11)において、mは、1以上10以下の整数を示す。nは、1以上5以下の整数を示す。Rは、水素原子(H)あるいは炭素数1〜3のアルキル基を示す。R、R、Rは、炭素数1〜5のアルキル基を示す。R、R、Rは、2つ以上が連結して環状構造であっても良い。R、R、Rは、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子から選ばれる1種以上のヘテロ原子を含んでも良い。その際の元素数は、(炭素数1〜5)+ヘテロ原子数となる。Aは、アニオン分子を示す。
【0035】
化学式(化11)の構造が好ましい理由又は根拠は、主鎖からある程度離れた位置にアンモニウムカチオンが存在するため、カチオンの運動性が主鎖の邪魔を受けにくく、周りのイオン液体と相互作用しやすく、イオン液体との相溶性を高める効果を持っている。特に芳香族のアンモニウムカチオンよりアルキル型のカチオンの方が電気化学的に安定で、耐電圧が高く分解されにくい。イオン液体がアルキルアンモニウムタイプの場合は、ポリマー側もアルキル方にしておくのが良い。より相溶性が高まるためである。また、このポリマーの原料であるモノマーは、メタクリルあるいはアクリルタイプのモノマーであるが、非常に反応性に富むため、容易に高分子量のポリマーが得られる利点がある。
【0036】
アニオンAは、次のものがあげられる。BF、PF、AsF、SbF、AlCl、HSO、ClO、CHSO、CFSO、CFCO、(CFSON、Cl、Br、I等のアニオンを用いることができる。しかし、BFアニオンは、金属化合物との反応性が高くデバイス内の金属と反応しやすく、あまり好ましくはない。好ましいアニオンとしては、(CFSON、CFSO、CFCOがあげられる。(CFSON−を用いることが特に好ましい。これらのポリマーは二重結合を有するモノマーからラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合により合成される。例えば、下記の化学式(化12)に示す様なモノマーから合成することが出来る。化11の一般式で挙げた化合物の具体例を化学12で挙げる。この時、式中のRは、メチル基(CH)あるいは水素(H)を表す。R2は、炭素数1から5のアルキル基を表す。R=1が好ましい。mは、1から5が好ましい。特に好ましくは、mは1と2である。
【化12】

【0037】
(リチウム塩)
本発明に使用出来るリチウム塩としては、特に制限されないが、例えば過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、六フッ化砒酸リチウム(LiAsF)、トリフルオロメチルスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム〔LiN(CFSO〕などのリチウム塩が挙げられる。これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。最も好ましいのは、BFアニオンを含まないリチウム塩である。
【0038】
(ポリマー電解質の製造方法)
ポリマー電解質は、二つ以上の工程で製造される。第一工程は、二重結合を有するモノマーを重合して、分子内にイオン性基を有する線状高分子を合成する工程である。第二工程は、線状高分子とイオン性液体とリチウム塩とを混合する工程である。第一工程と第二工程の順序は逆にはならない。重合されたポリマーは、再沈殿あるいは透析、濾過等の手段で洗浄、精製して、未反応のモノマー、低分子オリゴマー、開始剤を高度に除去して第二工程に供される。精製されたイオン性基を有するポリマーとイオン液体とリチウム塩とを混合してポリマー電解質は製造される。このとき、混合性向上させ、ハンドリングを浴するために補助的にその他の溶媒を加えることもできる。補助溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ビニレンカーボネート(VC)等のカーボネート類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、その他、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、ビニルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドなどのアプロチックな極性溶媒などの有機溶媒を使用することが出来る。
【0039】
ポリマー電解質は、電極の上に塗布し、補助溶媒を蒸発させて固体化することが出来る。ポリマー電解質層を形成した正極と負極を積層して電池を形成することが出来る。補助溶媒は電池内に残留しないほうが好ましいので、90%以上蒸発させることが望ましい。
【0040】
(リチウムイオン電池)
リチウムイオン電池は、シート状の銅箔等からなる負極芯体(集電体)の両面に負極用活物質合剤を被膜状に塗布した負極と、シート状のアルミニウム箔等からなる正極芯体の両面に正極用活物質合剤を被膜状に塗布した正極との間に、微多孔性ポリオレフィンフィルム等からなるセパレータを配置し、負極及び正極をセパレータにより互いに絶縁した状態で対峙させた基本構造を有する。細長く成型した電極を円柱状又は楕円形状に巻回して電極体を製造したり、枚葉に切り離した正負極を積層し電極体を形成する。負極及び正極の各所定部分にそれぞれ負極集電タブ及び正極集電タブを接続して所定形状の外装内に収納した構成を有している。電極間には、リチウムイオンが移動可能な電解質を配置する。セパレータの細孔内部に電解質を充填しても良い。リチウムイオン電池のうち、特に高エネルギー密度を有する4V級の非水電解質二次電池としては正極活物質がLiCoO、LiNiO、LiMn、LiFeO等のリチウム複合酸化物からなるものが使用され、また、負極活物質としては炭素質材料、特に黒鉛材料からなる負極活物質が、あるいはリチウム金属やリチウム合金を使用する。
【0041】
(実施例1:モノマー合成1)
下記の化学式(化13)は、N,N-diethyl-N-methylaminoethylmethacrylatebistri(fluoromethanesulfonyl)imide(以下DMAM−TFSI)の合成を示す。
【化13】

【0042】
(アミノ基の四級化反応)
メタクリル酸2‐(ジエチル)アミノエチル10.12g(I)をテトラヒドロフラン100mlに溶解させ、テトラヒドロフラン200mlで希釈したヨードメタン4.08mlを滴下漏斗により添加し反応させた。滴下の速度は1滴/s程度とした。このとき操作はアイスバス中で行った。反応後24時間放置した。析出した白色の結晶をエタノールを用いて再結晶を行った。得られたN,N-diethyl-N-methylaminoethylmethacrylateiodide (II)の結晶20.8gを水70mlに溶解させ、これに水70mlに溶解させたLiTFSI、18.31gを少しずつ反応させイオン交換を行った。このとき反応はアイスバス中で行い、急激な温度変化意に注意しながら反応させモノマー(III)を得た。
【0043】
(実施例2:モノマー合成2)
下記の化学式(化14)は、N,N,N-trimethylaminoethylacrylatebistri(fluoromethanesulfonyl)imide(以下TMAA−TFSI)の合成を示す。
【化14】

【0044】
興人社製DMAEA−Q(I)20gを純粋50mlに溶解させ、これに水60mlに溶解させた23.44gのLiTFSIを滴下漏斗により添加し反応させた。滴下の速度は1滴/s程度とした。このときの操作はアイスバス中で行った。反応後24時間放置した。
【0045】
(構造の確認)
合成したイオン性液体は、H.NMRにより構造を確認した。
【0046】
(実施例3:ポリマーの合成)
実施例1と2のモノマーを用いて、モノマーの濃度が0.2mol/lとなるようにエタノールを加え、開始剤として1mol%のアゾビソイソブチロニトリルを添加し、窒素雰囲気下オイルバス中60℃、3時間反応させた。下記の化学式(化15)は、重合反応式(DMAM−TFSI、Polymer重合反応式)を示す。
【化15】

【0047】
下記の化学式(化16)は、重合反応式(TMAA−TFSI、Polymer重合反応式)を示す。
【化16】

【0048】
先の操作で得たポリマー溶液を大過剰(10倍程度)のエタノールに添加し、ポリマーの精製を行なった。
【0049】
(実施例5:イオン性液体ポリマー分子量及び分子量分布測定)
合成したイオン性液体ポリマーはGPC(Gel Permeation Chromatography)を用いて測定した。0.2M硝酸ナトリウム水溶液と0.5M酢酸アセトニトリル溶液を1:1で混合した溶液をGPC溶媒として用いた。この溶媒を用いてポリマーサンプルを0.2wt%となるように調整した。検量線はポリエチレングリコールを用いて作成した。その測定結果を表1に示す。
【表1】

【0050】
(実施例6)
実施例4のポリマーに支持電解質としてLiTFSIを混合し、さらに四級アンモニウム塩型イオン液体DEME−TFSIを添加してポリマーゲル電解質を調製した。組成比はイオン液体ポリマー30mol%/イオン液体70mol%である。LiTFSIは1.0mol/kgとした。ポリマーゲル電解質は、下記の化学式(化17)、Diethylmethyl(2-methoxyethyl)ammonium
bis (trifluoromethanesulfonyl)imideである。
【化17】

【0051】
(実施例7:イオン導電性の測定)
実施例6で得られたポリマー電解質のイオン導電性の測定を行なった。その温度依存性測定結果を図1に示す。図の横軸は絶対温度の逆数、縦軸はイオン導電性の常用対数値であり、アレーニウスプロットである。得られたポリマー電解質は広い温度範囲で実用上十分なイオン導電性を示した。
【0052】
(実施例8:リチウムイオン電池の作製)
アルミ箔の正極集電材34の面に正極活物質の材料LiMnを塗工して正電極層32を形成して、正電極30を作成する。銅箔の負極集電材24の面に負極活物質の材料カーボンを塗工して負電極層22を形成して、負電極20を作成する。これら電極20、30の表面に実施例6のポリマー電解質に少量のアセトニトリルを加えた溶液を塗布し、その後アセトニトリルを蒸発させて、ポリマー電解質を電極上に形成した。ポリマー電解質フィルム12、12が正負極の電極の表面に形成される。両電極の間に紙セパレータ14を挟み、次にこれらをラミネートフィルムで包み込み真空シーラーで3辺の内、2辺を封止した。集電材24、34に接続されたタブ10の一部は、ラミネートフィルムの外に延びている。真空シーラーの設定は加熱温度180℃、加熱時間3s、冷却温度60℃、真空度100kPaとした。図2には、電池の概略図を示す。
【0053】
作成したリチウムイオン二次電池の充放電試験を試みた。充電条件は、1.25mAの定電流で4.2Vまで充電を行い、その後、4.2Vの定電圧で0.2mAになるまで充電を行った(充電条件:4.2VCCCV、1.25mAの定電流、0.2mAのカットオフ電流)。放電条件は、2.5Vになるまで1.25mAの定電流で放電を行った(放電条件:1.25mAの定電流、2.5Vのカットオフ電圧)。本試験に用いた充放電機は北斗電工(株)製UNIT・10V・5A・HJ・1005SM8Aである。
【0054】
得られた電池は、27.5mAhの容量を示した。2回目以降の充放電効率は、99%程度であった。本電池は可燃性の電解質は全く使用していないので、完全に不燃である極めて安全性に優れた電池であると言える。
【0055】
(実施例9:リチウムイオン電池の作製)
アルミ箔の正極集電材34の面に正極活物質の材料LiMnを塗工して正電極層32を形成して、正電極30を作成する。一方、銅箔の負極集電材24の面に負極活物質の材料LiTi12を塗工して負電極層22を形成して、負電極20を作成する。これら電極20、30の間に紙セパレータ14を挟み、次にこれらをラミネートフィルムで包み込みシーラーで3辺の内、2辺を封止した。両電極集電材24、34は、ラミネートフィルムの外に延びている。シーラーの設定は加熱温度180℃、加熱時間3s、冷却温度60℃とした。
【0056】
実施例3のポリマーに支持電解質としてLiTFSI[lithium-bis(trifluoromethylsulfonyl)imid]と、四級アンモニウム塩型イオン液体DEME−TFSI[N,
N-diethyl-N-(2-methoxyethyl)-N-methylammonium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide]を混合攪拌してポリマーゲル電解質を調製した。組成比は、イオン液体ポリマー:イオン液体=5:95、LiTFSI濃度は、1.0mol/kgとした。
【0057】
この混合物にプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネートを加え、ゲルをゾル化し、この電解液をラミネートバックに注入して、電極に浸透させた。浸透させる環境条件は、温度70℃、真空度10−1Paとした。温度70℃としたのは、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネートを蒸発させるためである。加えたプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネートの量から換算して、これらの溶媒が98%以上蒸発したのを確認して、その後、真空シーラーで残りの1辺を封止した。シーラーの設定は、加熱温度180℃、加熱時間3s、真空度10−1Pa、冷却温度60℃とした。
【0058】
作成したリチウムイオン二次電池の充放電試験を試みた。充電条件は、0.65mAの定電流で3.0Vまで充電を行った。(充電条件:3.0VCC)。放電条件は、1.5Vになるまで0.65mAの定電流で放電を行った(放電条件:0.65mAの定電流、1.5Vのカットオフ電圧)。本試験に用いた充放電機は、北斗電工(株)製UNIT・10V・5A・HJ・1005SM8Aである。
【0059】
得られた電池は、11.8mAhの容量を示した。5回目以降の充放電効率は、99%程度であった。本電池は可燃性の電解質をほとんど含まないので、不燃であり極めて安全性に優れた電池であると言える。図3は、充電カーブと放電カーブを示している。この電池は、3Cの放電レートで電池容量の87%が放電できた。この電池は、充放電特性に優れる不燃ポリマー電池であることが判った。図4は、充放電サイクル試験の結果を示している。縦軸は維持率を示し、横軸はサイクルを示している。この試験は、0と100%の完全充放電を繰り返した。28回目の放電容量は80%以上であり、この電池は充放電が可能な二次電池であることが示された。
【0060】
以上、説明した本実施形態のポリマー電解質とポリマー電解質電池は、本発明の一例であって、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】ポリマー電解質におけるイオン導電性の温度依存性を示すグラフの図
【図2】リチウムイオン電池の構造を示す図
【図3】充放電の特性図
【図4】充放電サイクルの特性図
【符号の説明】
【0062】
10・・・タブ
12・・・イオン状液体を含有するゲル電解質
14・・・セパレータ
20・・・負電極
22・・・負電極層
24・・・負集電材
30・・・正電極
32・・・正電極層
34・・・正集電材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内にイオン性基を有する線状高分子と、イオン性液体と、リチウム塩とを含み、線状高分子の物理的な絡み合いで固体の形状を保持する、ポリマー電解質。
【請求項2】
請求項1に記載のポリマー電解質において、
線状高分子は、分子内に窒素カチオン性基を有する、ポリマー電解質。
【請求項3】
請求項1に記載のポリマー電解質において、
分子内にイオン性基を有する線状高分子は、40℃において液体状態を示すモノマー分子を重合することによって得られる、ポリマー電解質。
【請求項4】
請求項1に記載のポリマー電解質において、
分子内にイオン性基を有する線状高分子は、ゲルろ過クロマトグラフ分析において重量平均分子量がポリエチレングリコール換算で30万以上である、ポリマー電解質。
【請求項5】
請求項1に記載のポリマー電解質において、
分子内にイオン性基を有する線状高分子の重量分率が、ポリマー電解質中の他物質に対して50重量%以下である、ポリマー電解質。
【請求項6】
請求項1に記載のポリマー電解質において、
BFイオンを含まない、ポリマー電解質。
【請求項7】
請求項1に記載のポリマー電解質において、
分子内にイオン性基を有する線状高分子は、下記の一般式(化1)で示される、ポリマー電解質。
【化1】

[mは、1以上10以下の整数を示す。nは、1以上5以下の整数を示す。Rは、水素原子(H)あるいは炭素数1〜3のアルキル基を示す。R、R、Rは、炭素数1〜5のアルキル基を示す。R、R、Rは、2つ以上が連結して環状構造であっても良い。R、R、Rは、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子から選ばれる1種以上のヘテロ原子を含んでも良い。その際の元素数は、(炭素数1〜5)+ヘテロ原子数となる。Aは、アニオン分子を示す。]
【請求項8】
二重結合を有するモノマーを重合して、分子内にイオン性基を有する線状高分子を合成する工程と、
得られた線状高分子から不純物を除く工程と、
線状高分子とイオン性液体とリチウム塩とを混合する工程と、からなるポリマー電解質の製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載のポリマー電解質の製造方法において、
線状高分子とイオン性液体とリチウム塩と他の有機溶媒を混合する工程と、
得られた混合物から前記他の有機溶媒を蒸発させて除く工程と、からなるポリマー電解質の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載のポリマー電解質の製造方法において、
添加した前記他の有機溶媒を90%以上蒸発させるポリマー電解質の製造方法。
【請求項11】
正極と負極とポリマー電解質を有するポリマー電解質電池において、
ポリマー電解質は、分子内にイオン性基を有する線状高分子とイオン性液体とリチウム塩とを含み、線状高分子の物理的な絡み合いで固体の形状を保持し、
負極は、チタン原子を含有するリチウム金属化合物を有する、ポリマー電解質電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−280912(P2007−280912A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172440(P2006−172440)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年1月21日 第11回高専シンポジウム実行委員会発行の「第11回高専シンポジウム講演要旨集」に発表
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【出願人】(503316189)エナストラクト株式会社 (4)
【Fターム(参考)】