説明

ポリ(アリーレンエーテル)組成物を適用して電気絶縁する方法および絶縁された電気導体

導電性材料は、硬化性化合物、例えば、不飽和ポリエステル樹脂と;官能化されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂とを含む硬化性組成物によって電気的に絶縁することができる。硬化後、組成物は、現在使用されている絶縁材料と比較して、曲げ強さの増大、耐衝撃強さの増大および引張特性の増大を示す。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
モータ、発電機および変圧器における電流コイル巻線2次絶縁系は、典型的には、エポキシまたは不飽和ポリエステル樹脂系に基づく。電流樹脂系は、優れた電気的特性、高温耐久性および迅速な硬化速度を含む、多くの望ましい特性を示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
しかし、絶縁破損率を低下させるために、低い脆性と高い機械的強さを示す樹脂系が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0003】
低い絶縁脆性と高い絶縁機械的強さとを示す絶縁された導電性材料は、官能化されたポリ(アリーレンエーテル);および、オレフィン性不飽和モノマー、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル/エポキシコポリマー、不飽和エステルイミド樹脂、硬化性シリコーンおよびそれらの組み合わせから選択される硬化性化合物を含む硬化性組成物を導電性材料に適用する工程を含む方法によって得られる。
【0004】
絶縁電気導体を含め、その他の実施態様は、以下に、詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
1つの実施態様は、官能化されたポリ(アリーレンエーテル);および、オレフィン性不飽和モノマー、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル/エポキシコポリマー、不飽和エステルイミド樹脂、硬化性シリコーンおよびそれらの組み合わせから選択される硬化性化合物を含む硬化性組成物を導電性材料に適用する工程を含む方法である。
【0006】
導電性材料は、モータ、発電機、固定子、変圧器のための巻線コイルおよび電気デバイス用のその他のコイルに使用するのに適したいずれの導電性材料であってもよい。適した導電性材料には、例えば、銅線;アルミニウム線;鉛線;および、1種以上の前述の金属を含む合金線が含まれる。コイルは、一連の同心環に巻かれた導電性材料を含む連続した線長である。コイルの断面は、円筒状、直方体状、中空、中実またはその他の可変形状であるのがよい。
【0007】
硬化性組成物は、当該分野公知のいずれかの適当な技術を使用して、導電性材料の表面に適用される。このようなワニス適用技術としては、例えば、浸漬および焼付け、浸漬および紡糸、減圧含浸、ロールスルー、細流適用および全封入が含まれる。これらの方法およびその他は、例えば、Daniel R.Sassano,IEEE Electrical Insulation Magazine November/December 1992,volume 8,number 6,pages 25-32;Mark Winkeler Electrical Insulation Conference and Electrical Manufacturing & Coil Winding Conference,1999,Proceeding,26-28 Oct.1999,pages 143-148;D.R, Speer,Jr.,W.J.Sarjeant,J. Zirnheld, H.Gill and K.Burke,Electrical Insulation Conference and Electrical Manufacturing & Coil Winding Conference,2001,Proceedings,16-18 Oct.2001,pages 467-472に記載されている。
【0008】
硬化性組成物は、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)を含む。官能化されたポリ(
アリーレンエーテル)は、末端封鎖(ポリアリーレンエーテル);特定のタイプのジ末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル);環官能化されたポリ(アリーレンエーテル);または、カルボン酸、グリシジルエーテル、ビニルエーテルおよび酸無水物から選択される少なくとも1つの末端官能基を含むポリ(アリーレンエーテル)樹脂であってもよい。
【0009】
1つの実施態様では、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)は、式:
【0010】
【化1】

を有する末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル)を含み、
ここで、Qは、1価、2価または多価フェノールの残基であり;yは、1〜100であり、さらに詳しくは、1、2、3、4、5または6であり;Jは、式:
【0011】
【化2】

[式中、R1およびR3は、各々、独立に、水素、ハロゲン、第1級または第2級C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C1-C12ハロアルキル、C1-C12ヒドロカルビルオキシおよび、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を離隔するC2-C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群より選択され、;R2およびR4は、各々、独立に、ハロゲン、第1級または第2級C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C1-C12ハロアルキル、C1-C12ヒドロカルビルオキシおよび少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を離隔するC2-C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群より選択され、;mは、1〜約200であり;Kは、
【0012】
【化3】

{式中、R5は、1個または2個のカルボン酸基で任意に置換されたC1-C12ヒドロカルビルであり;R6〜R8は、各々、独立に、水素、1個または2個のカルボン酸基で任意に置換されたC1-C18ヒドロカルビル、C2-C18ヒドロカルビルオキシカルボニル、ニトリル、ホルミル、カルボン酸、イミデートおよびチオカルボン酸であり;R9〜R13は、各々、独立に、
水素、ハロゲン、C1-C12アルキル、ヒドロキシ、カルボン酸およびアミノからなる群より選択され;Yは、
【0013】
【化4】

からなる群より選択される2価の基であり、R14およびR15は、各々、独立に、水素およびC1-C12アルキルからなる群より選択される}
からなる群より選択される末端封鎖基である]
を有する。本明細書で使用する場合、“ヒドロカルビル”は、炭素および水素のみを含有する残基を称する。残基は、脂肪族または芳香族、直鎖、環式、分岐、飽和または不飽和であってもよい。ヒドロカルビル残基は、かく言う場合、しかし、置換基残基の炭素および水素員上にヘテロ原子を含有してもよい。かくして、このようなヘテロ原子を含有すると特に断る時、ヒドロカルビル残基は、また、カルボニル基、(-C(O)-)、エーテル基(-O-)、アミノ基(-NH2)、ヒドロキシル基(-OH)、チオール基(-SH)、チオエーテル基(-S-)等を含有してもよく、それは、ヒドロカルビル残基の骨格内にヘテロ原子を含有してもよい。本明細書で使用する場合、“ハロアルキル”という用語は、部分的および完全にハロゲン化されたアルキル基を含め、1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基を含む。
【0014】
1つの実施態様では、Qは、多官能性フェノールを含む、フェノールの残基であり、構造:
【0015】
【化5】

[式中、R1およびR3は、各々、独立に、水素、ハロゲン、第1級または第2級C1-C12アルキル、C1-C12アルケニル、C1-C12アルキニル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、C6-C12アリール(フェニルを含む)、C1-C12ハロアルキル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロカーボンオキシ、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子および酸素原子を離隔するC1-C12ハロヒドロカーボンオキシ、等であり;R2およびR4は、各々、独立に、ハロゲン、第1級または第2級C1-C12アルキル、C1-C12アルケニル、C1-C12アルキニル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、C6-C12アリール(フェニルを含む)、C1-C12ハロアルキル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロカーボンオキシ、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子および酸素原子を離隔するC1-C12ハロヒドロカーボンオキシ、等であり;Xは、水素;C1-C18ヒドロカルビル;または、置換基、例えば、カルボン酸、アルデヒド、アルコール、アミノ基等を含有するC1-C18ヒドロカルビルであってもよく;Xは、また、硫黄;スルホニル;スルフリル;酸素;C1-C12アルキリデン;ま
たは、種々のビス-またはそれより高級のポリフェノールを生ずるための2以上の原子価を有するその他のこのような架橋基であってもよく;yおよびnは、各々、独立に、1〜約100であり、好ましくは、1〜3であり、さらに好ましくは、約1〜2であり;好ましい実施態様では、y=nである。Qは、1価フェノールの残基であってよい。Qは、また、ジフェノール、例えば、2,2’,6,6’-テトラメチル-4,4’-ジフェノールの残基であってもよい。Qは、また、ビスフェノールの残基、例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(“ビスフェノールA”または“BPA”)であってもよい。
【0016】
1つの実施態様では、末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル)は、構造:
【0017】
【化6】

[式中、R1およびR3は、各々、独立に、水素、ハロゲン、第1級または第2級C1-C12アルキル、C1-C12アルケニル、C1-C12アルキニル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、C6-C12アリール(フェニルを含む)、C1-C12ハロアルキル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロカーボンオキシ、少なくとも2個の炭素原子がハロゲンおよび酸素原子を離隔するC1-C12ハロヒドロカーボンオキシ、等であり、;R2およびR4は、各々、独立に、ハロゲン、第1級または第2級C1-C12アルキル、C1-C12アルケニル、C1-C12アルキニル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、C6-C12アリール(フェニルを含む)、C1-C12ハロアルキル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロカーボンオキシ、少なくとも2個の炭素原子がハロゲンおよび酸素原子を離隔するC1-C12ハロヒドロカーボンオキシ、等である]
を有する少なくとも1種の1価フェノールの重合生成物から本質的になるポリ(アリーレンエーテル)を末端封鎖することによって製造される。適した1価フェノールとしては、Hayに対するU.S.特許No.3,306,875に記載されているものが挙げられ、大いに好ましい1価フェノールとしては、2,6-ジメチルフェノールおよび2,3,6-トリメチルフェノールが挙げられる。ポリ(アリーレンエーテル)は、少なくとも2種の1価フェノール、例えば、2,6-ジメチルフェノールおよび2,3,6-トリメチルフェノールのコポリマーであってもよい。
【0018】
1つの実施態様では、末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル)は、構造:
【0019】
【化7】

[式中、R6〜R8は、各々、独立に、水素、C1-C18ヒドロカルビル、C2-C18ヒドロカルビルオキシカルボニル、ニトリル、ホルミル、カルボキシレート、イミデート、チオカルボ
キシレート等であり;R9〜R13は、各々、独立に、水素、ハロゲン、C1-C12アルキル、ヒドロキシ、アミノ等である]
を有する少なくとも1つの末端封鎖基を含む。大いに好ましい末端封鎖基としては、アクリレート(R6=R7=R8=水素)およびメタクリレート(R6=メチル,R7=R8=水素)が挙げられる。接頭辞“(メタ)アクリル-”が“アクリル-”または“メタアクリル-”を意味することは理解されるであろう。
【0020】
1つの実施態様では、末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル)は、構造:
【0021】
【化8】

を有するジ末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル)を含み、
ここで、Q2の各存在は、独立に、水素、ハロゲン、第1級または第2級C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、C3-C12アルケニルアルキル、C2-C12アルキニル、C3-C12アルキニルアルキル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C1-C12ハロアルキル、C1-C12ヒドロカルビルオキシおよび少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を離隔するC2-C12ハロヒドロカルビルオキシから選択され、;Q1の各存在は、独立に、ハロゲン、第1級または第2級C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、C3-C12アルケニルアルキル、C2-C12アルキニル、C3-C12アルキニルアルキル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C1-C12ハロアルキル、C1-C12ヒドロカルビルオキシおよび少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を離隔するC2-C12ハロヒドロカルビルオキシから選択され、;R16の各存在は、独立に、水素またはメチルであり;xの各存在は、独立に、1〜約100であり;zは、0または1であり;Yは、
【0022】
【化9】

[式中、R17、R18およびR19の各存在は、独立に、水素およびC1-C12ヒドロカルビルから選択される]
から選択される構造を有する。
【0023】
末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル)が製造される方法について特に制限はない。末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル)は、未末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル)の末端封鎖剤との反応によって形成することができる。末端封鎖剤としては、フェノール性基と反応することが文献公知の化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、酸無水物、酸クロライド、エポキシ、カーボネート、エステル、イソシアネート、シアネートエステルまたはアルキルハライド基を含有するモノマー類およびポリマー類の両方が挙げられる。末端封鎖剤は、有機化合物に限定されるものではなく、例えば、リンおよび硫黄ベースの末端封鎖剤も含まれる。末端封鎖剤の例としては、例えば、無水酢酸;無水コハク酸;無
水マレイン酸;無水サリチル酸;サリチル酸エステル単位を含むポリエステル;サリチル酸のホモポリエステル;無水アクリル酸;無水メタクリル酸;グリシジルアクリレート;グリシジルメタクリレート;アセチルクロライド;ベンゾイルクロライド;ジフェニルカーボネート、例えば、ジ(4-ニトロフェニル)カーボネート;アクリロイルエステル;メタクリロイルエステル;アセチルエステル;フェニルイソシアネート;3-イソプロペニル-α,α-ジメチルフェニルイソシアネート;シアナトベンゼン;2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン);3-(α-クロロメチル)スチレン;4-(α-クロロメチル)スチレン;アリルブロマイド等;それらのカーボネートおよび置換誘導体;ならびに、それらの混合物が挙げられる。末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル)を形成するこれらおよびその他の方法は、例えば、Holoch et al.に対するU.S.特許No.3,375,228;Goossensに対するU.S.特許No.4,148,843;Percec et al.に対するU.S.特許Nos.4,562,243;4,663,402;4,665,137;および5,091,480;Nelissen et al.に対するU.S.特許5,071,922;5,079,268;5,304,600;および5,310,820;Vianello et al.に対するU.S.特許No.5,338,796;Yeager et al.に対する6,627,704B2;Peters et al.に対するヨーロッパ特許No.261,574 B1に記載されている。
【0024】
末端封鎖触媒は、未末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル)の無水物との反応に使用することができる。このような化合物の例としては、フェノールの上記した末端封鎖剤との縮合を触媒することのできる当該分野公知の化合物が挙げられる。有用な材料は、例えば、塩基性化合物ヒドロキシド塩類、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアルミニウムヒドロキシド等;第3級アルキルアミン類、例えば、トリブチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルブチルアミン等;第3級混合アルキル-アリールアミン類およびそれらの置換された誘導体、例えば、N,N-ジメチルアニリン;ヘテロ環式アミン類、例えば、イミダゾール類、ピリジン類;および、それらの置換された誘導体、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ビニルイミダゾール、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、4-(1-ピロリノ)ピリジン、4-(1-ピペリジノ)ピリジン、2-ビニルピリジン、3-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン等を含む、塩基性化合物である。有機金属塩類、例えば、イソシアネートまたはシアネートエステルのフェノールとの縮合を触媒することが公知の、例えば、錫塩類および亜鉛塩類もまた有用である。
【0025】
さらに他の実施態様では、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)は、式:
【0026】
【化10】

[式中、各L1〜L4は、独立に、水素、C1-C12アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であり;ここで、アルケニル基は、
【0027】
【化11】

によって表され、式中、L5〜L7は、独立に、水素またはメチルであり、aは、0、1、2、3または4であり;アルキニル基は、
【0028】
【化12】

によって表され、式中、L8は、水素、メチルまたはエチルであり、bは、0、1、2、3または4であり;環官能化されたポリ(アリーレンエーテル)の合計L1〜L4置換基の約0.02モルパーセント〜約25モルパーセントは、アルケニルおよび/またはアルキニル基である]で表される繰り返し構造単位を含む環官能化されたポリ(アリーレンエーテル)を含む。この範囲ないで、少なくとも約0.1モルパーセント、さらに好ましくは、少なくとも約0.5モルパーセントのアルケニルおよび/またはアルキニル基を有するのが好ましい。また、この範囲ないで、約15モルパーセントまで、さらに好ましくは、約10モルパーセントまでのアルケニルおよび/またはアルキニル基を有するのが好ましい。この実施態様の環官能化され
たポリ(アリーレンエーテル)は、公知方法に従い製造することができる。例えば、未官能化ポリ(アリーレンエーテル)、例えば、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)は、試薬、例えば、n-ブチルリチウムで金属化され、続いて、アルケニルハライド、例えば、アリルブロマイド;および/または、アルキニルハライド、例えば、プロパルギルブロマイドと反応させることができる。環官能化されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂を製造するためのこのおよびその他の方法は、例えば、Katayose et al.に対するU.S.特許No.4,923,932に記載されている。
【0029】
さらに他の実施態様では、環官能化されたポリ(アリーレンエーテル)は、ポリ(アリーレンエーテル)とα,β-不飽和カルボニル化合物またはβ-ヒドロキシカルボニル化合物との溶融反応生成物である。α,β-不飽和カルボニル化合物の例としては、例えば、無水マレイン酸、無水シトリコン酸等が挙げられる。β-ヒドロキシカルボニル化合物の例としては、例えば、クエン酸等が挙げられる。このような官能化は、典型的には、ポリ(アリーレンエーテル)の約190℃〜約290℃の温度での所望されるカルボニル化合物との溶融混合によって行われる。
【0030】
1つの実施態様では、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、カルボン酸、グリシジルエーテル、ビニルエーテルおよび酸無水物から選択される少なくとも1つの末端官能基を含む。これら特定の官能化されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、エポキシ樹脂との組み合わせにて特に有用である。末端カルボン酸基で置換されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂を製造するための方法は、以下の作業実施例にて提供する。その他の適した方法としては、例えば、Peters et al.に対するヨーロッパ特許No.261,574 B1に記載されている方法が挙げられる。グリシジルエーテル官能化されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂およびそれらの製造方法は、例えば、Amagai et al.に対するU.S.特許No.6,794,481;および、Ishii et al.に対するU.S.特許6,835,785;ならびに、Tokiwaに対するU.S.特許出願公開公報No.2004/0265595 A1に記載されている。ビニルエーテル官能化されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂およびそれらの製造方法は、例えば、Fanに対するU.S. St
atutory Invention Registration No.H521に記載されている。酸無水物官能化されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂およびそれらの製造方法は、例えば、Peters et al.に対するヨーロッパ特許No.261,574 B1およびOhno et al.に対するU.S.特許出願公開公報No.2004/0258852 A1に記載されている。
【0031】
1つの実施態様では、ポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、100マイクロメートルより大きいと等価な球径を有する粒子を実質的に含まない。ポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、また80マイクロメートルより大きい、または、60マイクロメートルより大きいと等価な球径を有する粒子も含まないのがよい。このようなポリ(アリーレンエーテル)を製造する方法は、当該分野公知であり、例えば、篩分けが挙げられる。
【0032】
官能化されたポリ(アリーレンエーテル)の分子量または固有粘度について、特に制限は存在しない。1つの実施態様では、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、25℃、クロロホルム中で測定した固有粘度約0.03〜約0.6デシリットル/グラムを有する。他の実施態様では、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、25℃、クロロホルム中で測定した固有粘度約0.06〜約0.3デシリットル/グラムを有する。概して、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は、対応する未官能化ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度から著しくは変化しないであろう。特に、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は、概して、未官能化ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度の10%内である。ここでは、異なる分子量と固有粘度とを有する少なくとも2種の官能化されたポリ(アリーレンエーテル)のブレンドを使用することがはっきりと意図される。組成物は、少なくとも2種の官能化されたポリ(アリーレンエーテル)のブレンドを含むのがよい。このようなブレンドは、個々に製造し、かつ、単離した官能化されたポリ(アリーレンエーテル)から製造することが可能である。あるいは、このようなブレンドは、1つのポリ(アリーレンエーテル)を少なくとも2種の官能化剤と反応させることによって製造することもできる。例えば、ポリ(アリーレンエーテル)は、2種の末端封鎖剤と反応させてもよく、または、ポリ(アリーレンエーテル)は、金属化して、2つの不飽和アルキル化剤と反応させることが
できる。これらとは別に、異なるモノマー組成および/または分子量を有する少なくとも2種のポリ(アリーレンエーテル)樹脂の混合物を1種の官能化剤と反応させてもよい。
【0033】
硬化性組成物は、硬化性組成物の合計重量に基づき、約1重量%〜約50重量%の官能化されたポリ(アリーレンエーテル)を含むのがよい。この範囲ないで、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)量は、少なくとも約5重量パーセントまたは少なくとも約10重量パーセントであるのがよい。また、この範囲ないで、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)量は、約40重量パーセントまで、または、約30重量パーセントまでであるのがよい。
【0034】
硬化性組成物は、オレフィン性不飽和モノマー、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル/エポキシコポリマー、不飽和エステルイミド樹脂、硬化性シリコーンおよびそれらの組み合わせから選択される硬化性化合物を含む。適したオレフィン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリロイルモノマー、アルケニル芳香族モノマー、アリリックモノマー、ビニルエーテル、マレイミド等;および、それらの混合物が挙げられる。
【0035】
オレフィン性不飽和モノマーは、アクリロイルモノマーを含むのがよい。1つの実施態様では、アクリロイルモノマーは、構造:
【0036】
【化13】

[式中、R20およびR21は、各々、独立に、水素およびC1-C12アルキルからなる群より選択され、R18およびR19は、炭素-炭素二重結合についてcisまたはtransのいずれの配置であってもよい]
を有する少なくとも1つのアクリロイル部分を含む。
【0037】
他の実施態様では、アクリロイルモノマーは、構造:
【0038】
【化14】

[式中、R22〜R24は、各々、独立に、水素、C1-C12ヒドロカルビル、C2-C18ヒドロカルビルオキシカルボニル、ニトリル、ホルミル、カルボキシレート、イミデートおよびチオカルボキシレートからなる群より選択される]
を有する少なくとも1つのアクリロイル部分を含む。
【0039】
好ましい実施態様では、アクリロイルモノマーは、1分子当り少なくとも2つのアクリロイル部分、さらに詳しくは、1分子当り少なくとも3つのアクリロイル部分を有する化合物を含むのがよい。例としては、アクリル酸またはメタクリル酸のジエポキシドとの縮合によって製造される化合物、例えば、ビスフェノール-A ジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルまたはネオペニレングリコールジメタクリレートが挙げられる。具体的な例としては、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタクリレートおよびネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、反応性アクリレートまたはメタクリレート化合物がアルコール類またはアミン類と縮合して生成する多官能性アクリレート類または多官能性アクリルアミド類もまたアクリロイルモノマー類として挙げられる。例としては、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、メチレンビス((メタ)アクリルアミド)、1,6-ヘキサメチレンビス((メタ)アクリルアミド)、ジエチレントリアミントリス((メタ)アクリルアミド)、ビス(γ-((メタ)アクリルアミド)プロポキシ)エタン、β-((メタ)アクリルアミド)エチルアクリレート、エチレングリコールジ((メタ)アクリレート)、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,3-プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4-ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ベンゼンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート)、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、2,2-ビス(4-(2-(メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(2-(メタ)アクリルオキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリルオキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス((4-(メタ)アクリルオキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパン等;および、それらの混合物が挙げられる。
【0040】
1つの実施態様では、アクリロイルモノマーは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、メタクリルオキシプロピルトリメチルシラン、エトキシ化(2)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等;および、それらの混合物から選択される。
【0041】
適当なものとしては、さらに、アクリロイルモノマーが挙げられ、さらに、Yeagerに対するU.S.特許No.6,812,276に記載されているアルコキシル化アクリロイルモノマー類が挙げられる。つまり、アルコキシル化アクリロイルモノマーは、構造:
【0042】
【化15】

[式中、R25は、原子価cを有するC1-C250有機基であり;R26〜R29の各存在は、独立に、水素、C1-C6アルキルまたはC6-C12アリールであり;dの各存在は、独立に、0〜約20であるが、ただし、dの少なくとも1つの存在は、少なくとも1であり;R30の各存在は、独立に、水素またはメチルであり;cは、1〜約10である]
を有することができる。1つの実施態様では、アルコキシル化アクリロイルモノマーは、少なくとも2つの(メタ)アクリレート基を含む。他の実施態様では、アルコキシル化アクリロイルモノマーは、少なくとも3つの(メタ)アクリレート基を含む。適したアルコキシル化アクリロイルモノマーとしては、例えば、(エトキシル化)1-20ノニルフェノール(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)1-20ノニルフェノール(メタ)アクリレート、(エトキシル化)1-20テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)1-20テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(エトキシル化)1-20ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)1-20ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(エトキシル化)2-401,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)2-401,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(エトキシル化)2-401,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、 (プロポキシル化)2-401,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(エトキシル化)2-401,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)2-401,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(エトキシル化)2-40エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)2-40エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(エトキシル化)2-40プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)2-40プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、(エトキシル化)2-401,4-シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)2-401,4-シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、(エトキシル化)2-40ビスフェノール-Aジ(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)2-40ビスフェノール-Aジ(メタ)アクリレート、(エトキシル化)3-60グリセロールトリ(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)3-60グリセロールトリ(メタ)アクリレート、(エトキシル化)3-60トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)3-60トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(エトキシル化)3-60イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)3-60イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、(エトキシル化)4-80ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)4-80ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、(エトキシル化)6-120ジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、(プロポキシル化)6-120ジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート等;および、それらの混合物が挙げられる。
【0043】
多くの追加の適したアクリロイルモノマーは、Yeager et al.に対するU.S.特許No.6,627,704 B2に記載されている。
【0044】
オレフィン性不飽和モノマーは、アルケニル芳香族モノマーを含んでもよい。
【0045】
アルケニル芳香族モノマーは、式:
【0046】
【化16】

[式中、R31の各存在は、独立に、水素またはC1-C18ヒドロカルビルであり;R32の各存在は、独立に、ハロゲン、C1-C12アルキル、C1-C12アルコキシルまたはC6-C18アリールであり;pは、1〜4であり;qは、0〜5である]
を有してもよい。適したアルケニル芳香族モノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、ビニルトルエン、2-t-ブチルスチレン、3-t-ブチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、1,3-ジビニルベンゼン、1,4-ジビニルベンゼン、1,3-ジイソプロペニルベンゼン、1,4-ジイソプロペニルベンゼン、芳香環上に1個〜5個のハロゲン置換基を有するスチレン類等;および、それらの組み合わせが挙げられる。好ましいアルケニル芳香族モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエンおよび4-t-ブチルスチレンが挙げられる。
【0047】
1つの実施態様では、オレフィン性不飽和モノマーは、アルケニル芳香族モノマーと、少なくとも2つのアクリロイル部分を含むアクリロイルモノマーとを含む。
【0048】
オレフィン性不飽和モノマーは、アリル系モノマーを含んでもよい。アリル系モノマーは、少なくとも1つ、好ましくは、少なくとも2つ、さらに好ましくは、少なくとも3つのアリル(-CH2-CH=CH2)基を含む有機化合物である。適したアリル系モノマーとしては、例えば、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルメリテート、トリアリルメセート、トリアリルベンゼン類、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、それらの混合物、それらより製造される一部重合生成物等が挙げられる。
【0049】
オレフィン性不飽和モノマーは、ビニルエーテルを含んでもよい。ビニルエーテルは、構造:
【0050】
【化17】

を有する少なくとも1つの部分を含む化合物である。
【0051】
適したビニルエーテルとしては、例えば、1,2-エチレングリコールジビニルエーテル、1,3-プロパンジオールジビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、2-クロロエチルビニルエーテル等;および、それらの混合物が挙げられる。
【0052】
オレフィン性不飽和モノマーは、マレイミドを含んでもよい。マレイミドは、構造:
【0053】
【化18】

を有する少なくとも1つの部分を含む化合物である。
【0054】
適したマレイミドとしては、例えば、N-フェニルマレイミド、1,4-フェニレン-ビス-メチレン-α,α’-ビスマレイミド、2,2-ビス(4-フェノキシフェニル)-N,N’-ビスマレイミド、N,N’-フェニレンビスマレイミド、N,N’-ヘキサメチレンビスマレイミド、N-N’-ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’-オキシ-ジ-p-フェニレンビスマレイミド、N,N’-4,4’-ベンゾフェノンビスマレイミド、N,N’-p-ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’-(3,3’-ジメチル)メチレン-ジ-p-フェニレンビスマレイミド、ポリ(フェニルメチレン)ポリマレイミド、ビス(4-フェノキシフェニル)スルホン-N,N’-ビスマレイミド、1,4-ビス(4-フェノキシ)ベンゼン-N,N’-ビスマレイミド、1,3-ビス(4-フェノキシ)ベンゼン-N,N’-ビスマレイミド、1,3-ビス(3-フェノキシ)ベンゼン-N,N’-ビスマレイミド等;および、それらの混合物が挙げられる。
【0055】
硬化性化合物は、不飽和ポリエステル樹脂を含んでもよい。不飽和ポリエステルは、概して、少なくとも1つの多価アルコールと不飽和多塩基性酸を含む少なくとも1つの多塩基性酸との反応によって得られる。不飽和ポリエステルを形成するのに使用することのできる不飽和多塩基性酸の具体的な例としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸、二量体メタクリル酸、ナド酸、テトラヒドロフタル酸、エンド-メチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサクロロ-エンド-メチレンテトラヒドロフタル酸、ハロゲン化されたフタル酸等;および、それらの対応する酸類、エステル類および酸無水物が挙げられる。好ましい不飽和酸類としては、マレイン酸;フマル酸;および、それらのエステル類および酸無水物が挙げられる。
【0056】
多官能性飽和および芳香族酸類は、エチレン性不飽和の密度を低下させ、かつ、塗膜に
所望される化学的および機械的特性を付与するために、多塩基性不飽和酸類と関連させて使用されることが多い。飽和芳香族多塩基性酸類の例としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、エイコ酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等;および、それらのエステル類および酸無水物が挙げられる。好ましい芳香族多塩基性酸類としては、フタル酸;イソフタル酸;および、それらのエステル類および酸無水物が挙げられる。
【0057】
多価アルコール類の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリエチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、水素化されたビスフェノールA、ビスフェノールA-アルキレンオキシド付加体、テトラブロモビスフェノールA-アルキレンオキシド付加体等が挙げられる。好ましい多価アルコールとしては、プロピレングリコールが挙げられる。
【0058】
不飽和ポリエステル類は、多くは、組成物として、市販入手可能であり、さらには、アルケニル芳香族モノマーを含み、例えば、Ashland Q6585としてAshlandから、また、AOC-XV2346としてAlpha Owens Corningから入手される不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。
【0059】
1つの実施態様では、硬化性化合物は、スチレン、t-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、para-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルマレエート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジブチルマレエート、ジシクロペンチルオキシエチルメタクリレート、meta-ジイソプロペニルベンゼンおよびそれらの組み合わせから選択される硬化性化合物との組み合わせにて不飽和ポリエステル樹脂を含む。
【0060】
硬化性化合物は、エポキシ樹脂を含んでもよい。エポキシ樹脂の適した類としては、例えば、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノール-Aエポキシ樹脂、ビスフェノール-Fエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾール-ノボラックエポキシ樹脂、ビフェニルエポキシ樹脂、3,3’,5,5,’-テトラ-メチルビフェノールエポキシ樹脂(EPIKOTE XY4000)、多官能性エポキシ樹脂(すなわち、少なくとも3つのエポキシ基を含むエポキシ樹脂)、ナフタレンエポキシ樹脂(例えば、大日本インキ化学工業株式会社からのEPICLON(登録商標)EXA-4700)、ジビニルベンゼンジオキシド、2-グリシジルフェニルグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン-タイプ(DCPD-type)のエポキシ樹脂(例えば、大日本インキ化学株式会社からのEPICLON(登録商標)HP-7200)、多芳香族樹脂タイプ(MAR-type)のエポキシ樹脂等;および、それらの組み合わせが挙げられる。エポキシ樹脂のこれらの類は、全て、当該分野公知であり、広く市販入手可能であり、かつ、公知の方法によって製造可能である。具体的に適するエポキシ樹脂は、例えば、Crivello et al.に対するU.S.特許No.4,882,201に;Sasaki et al.に対するU.S.特許No.4,920,164に;Walles et al.に対するU.S.特許No.5,015,675に;Hosokawa et al.に対するU.S.特許No.5,290,883に;Ganに対するU.S.特許No.6,333,064に;Clough et al.に対するU.S.特許No.6,518,362に;Rubinsztajn et al.に対するU.S.特許No.6,632,892に;Gorczycaに対するU.S.特許No.6,800,373に;Yeager et al.に対するU.S.特許No.6,878,632に;Gallo et al.に対するU.S.特許出願公開公報No.2004/0166241に;Ikezawa et al.に対するWO 03/072628 A1に記載されている。1つの実施態様では、エポキシ樹脂は、軟化点約25℃〜約150℃を有する。この範囲ないで、融点は、少なくとも約30℃、または、少なくとも約35℃であるのがよい。また、この範囲ないで、融点は、約100℃まで、または、約50℃までであるのがよい。軟化点は、ASTM E28-99(2004)に従って決定することができる。
【0061】
硬化剤(B)は、概してエポキシ樹脂に対して使用され、例えば、官能基、例えば、アミノ、酸無水物、ヒドロキシル、カルボキシルおよびメルカプト基を有する二官能性以上の多官能性化合物である。例は、アミン類、酸無水物およびフェノール樹脂である。特に、ノボラックタイプのフェノール樹脂が好ましい。それらの構造および分子量は、それらが1分子当り少なくとも2個のヒドロキシル基を含有する限り、特に限定されるものではない。ノボラックタイプのフェノール樹脂の具体的な例は、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、クレゾールノボラックおよびキシレノールノボラックである。
【0062】
エポキシ樹脂に使用される硬化促進剤(C)としては、例えば、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩類、アミン類、シクロアミジン類および金属アセチルアセトナート類を挙げることができる。具体的な例としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、ジシアノジアミドおよびアルミニウムアセチルアセトナートが挙げられる。
【0063】
硬化性化合物は、ポリエステル/エポキシコポリマー樹脂を含んでもよい。ポリエステル/エポキシコポリマー樹脂は、エステルおよびエポキシの両官能性を含む。典型的なポリエステル/エポキシコポリマー樹脂としては、Fazioに対するU.S.特許No. 6,127,490に記載されているものが挙げられる。この参考文献では、ポリエステル/エポキシコポリマー樹脂は、最初に、マレイン酸とジシクロペンタジエンとを反応させて、10炭素二重環エステルを生成させ、ヒドロキシル含有化合物、例えば、アルコールまたはグリコールの添加によりエステル化を促進させ、ついで、生ずる中間体を多官能性エポキシ化合物、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと反応させることによって製造される。その他の適したポリエステル/エポキシコポリマー樹脂は、例えば、Sagami et al.に対するU.S.特許No.4,703,338に記載されている。ポリエステル/エポキシ樹脂のアルケニル芳香族化合物、例えば、スチレンまたはビニルトルエンとの組み合わせを使用してもよい。
【0064】
硬化性化合物は、不飽和エステルイミド樹脂を含んでもよい。概して、ポリエステルイミド類の製造は、少なくとも1つのさらなるカルボキシル基を含有する芳香族無水カルボン酸および少なくとも1つのα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸のジアミンおよびジオールおよび/またはエタノールアミンとの間の重縮合を含む。生ずる化合物は、5員環式イミド環およびα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸エステルを含有する。ポリエステルイミド類の製造は、例えば、Zamekに対するU.S.特許No.4,273,917;および、“Synthesis and Characterization of Novel Polyesterimides”J.-Y.Shieh,P.-H.Hsu、C.-S.Wang,J.Applied Polym.Sci.,Vol.94,pages 730-738(2004)に記載されている。熱硬化性不飽和ポリエステルイミド類は、ビニルトルエンまたはスチレンで市販入手可能であり、例えば、von-Roll Isola’s Damisol 3309およびAltana Chemie’s Dobeckan 2025)が挙げられる。
【0065】
硬化性化合物は、硬化性シリコーン樹脂を含んでもよい。硬化性シリコーン樹脂は、重合可能な官能基を含むポリシロキサン類である。例えば、硬化性シリコーンは、末端シリルヒドリド官能性を有するポリジアルキルシロキサンおよび触媒ヒドロシリレーション反応により重合を可能とする末端ビニルシラン基を有するポリジアルキルシロキサンを含むことができる。このような組成物は、例えば、Jeramに対するU.S.特許Nos.4,029,629および4,041,010;Bobearに対するU.S.特許No.4,061,609;および、Hardman et al.に対するU.S.特許No.4,329,273に記載されている。
【0066】
硬化性組成物は、硬化性組成物の合計重量に基づき、約50重量%〜約99重量%の硬化性化合物を含むことができる。この範囲ないで、硬化性化合物の量は、少なくとも約60重量%または少なくとも約70重量%であるのがよい。また、この範囲ないで、硬化性化合物の量は、約95重量%までまたは約90重量%までであるのがよい。
【0067】
硬化性組成物は、場合によっては、さらに、硬化触媒を含んでもよい。硬化触媒のタイプおよび量の選択は、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)上に存在する硬化性官能基のタイプ;硬化性化合物上に存在する硬化性官能基のタイプ;および、使用する適用技術等のファクターに依存するであろう。例えば、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)が、重合可能な炭素-炭素二重結合官能基を含有し、硬化性化合物が、オレフィン性不飽和モノマーまたは不飽和性ポリエステル樹脂を含むときは、硬化触媒は、過酸化硬化触媒(例えば、例として、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル、メチルエチルケトンペルオキシド、ラウリルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、t-ブチルベンゼンヒドロペルオキシド、t-ブチルペルオクトエート、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)-ヘキセ-3-イン、ジ-t-ブチルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、α,α-ビス(t-ブチルペルオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ(t-ブチルペルオキシ)イソフタレート、t-ブチルペルオキシベンゾエート、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)ブタン、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)オクタン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル) ペルオキシド、トリメチルシリルフェニルトリフェニルシリルペルオキシド等;およびそれらの混合物);または、非過酸化物ベースのラジカル開始剤(例えば、例として、2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン、2,3-ビス(トリメチルシリルオキシ)-2,3-ジフェニルブタン等;および、それらの混合物);および、アニオン性重合開始剤(例えば、例として、アルカリ金属アミド類、例えば、ナトリウムアミド(NaNH2)およびリチウムジエチルアミド(LiN(C2H5)2);C1-C10アルコキシドのアルカリ金属およびアンモニウム塩;アルカリ金属およびアンモニウムのヒドロキシド;アルカリ金属シアニド類;有機金属化合物、例えば、アルキルリチウム化合物n-ブチルリチウム;グリニヤール試薬、例えば、フェニルマグネシウムブロマイド等;および、それらの組み合わせ)を含むことができる。オレフィン性不飽和モノマー組成物のためのその他の適した硬化触媒としては、Smith et al.に対するU.S.特許No.5,407,972;および、Katayose et al.に対するU.S.特許No.5,218,030に記載されているものが挙げられる。本章の過酸化物触媒は、また、ポリエステル/エポキシコポリマーおよび不飽和エステルイミド樹脂についての有効な硬化剤である。
【0068】
その他の例として、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)がエポキシ官能性またはエポキシ基と反応しうる官能性を含有し、かつ、硬化性化合物がエポキシ樹脂を含むとき、硬化触媒は、潜在的なカチオン性硬化触媒、例えば、ジアリールヨードニウム塩を含んでもよい。適した潜在的なカチオン性硬化触媒としては、Linに対するU.S.特許No.4,623,558;Crivello et al.に対するU.S.特許No.4,882,201;および、Walles et al.に対するU.S.特許No.5,064,882に記載されているものが挙げられる。
【0069】
その他の例として、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)が重合可能な炭素-炭素二重結合官能性を含有し、硬化性化合物が、ビニルシランおよびシリルヒドリド官能性を含む硬化性シリコーンを含むとき、硬化触媒は、プラチナヒドロシリレーション触媒、例えば、Jeramに対するU.S.特許Nos.4,029,629および4,041,010;Bobearに対するU.S.特許No.4,061,609;および、Hardman et al.に対するU.S.特許No.4,329,273に記載されているものを含んでもよい。
【0070】
存在するとき、硬化触媒は、概して、官能化されたポリ(アリーレンエーテル)および硬化性化合物の合計100重量部当り約0.1重量部〜約5重量部で使用することができる。
【0071】
硬化性組成物は、場合によっては、さらに、例えば、硬化助触媒、硬化抑制剤、鉱物質充填剤(mineral fillers)、チキソトロープ、UVトレーサ、難燃剤およびそれらの組み合わせを含め、当該分野公知のその他の添加剤を含むことができる。
【0072】
硬化性組成物は、硬化後、大いに望ましい物理的特性を示す。例えば、硬化後の組成物は、ASTM D4812に従って測定したノッチなしのアイゾッド衝撃強さ約220〜約275ジュール/メートルを示すであろう。その他の例として、硬化後の組成物は、ASTM D638に従って測定した引張強さ約58〜65メガパスカルを示すであろう。その他の例として、硬化後の組成物は、ASTM D638に従って測定した破断点引張伸び約2.5〜約3.6%を示すであろう。
【0073】
1つの実施態様は、導電性材料を絶縁する方法であって、25℃、クロロホルム中固有粘度約0.06〜約0.3デシリットル/グラムを有する (メタ)アクリレート末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル) 約5重量%〜約50重量%;および、アルケニル芳香族モノマーおよび少なくとも2つのアクリロイル部分を含むアクリロイルモノマーを含む硬化性化合物約50重量%〜約95重量%を含む硬化性組成物を上記導電性材料に適用する工程を含む方法である。
【0074】
他の実施態様は、導電性材料を絶縁する方法であって、25℃、クロロホルム中固有粘度約0.06〜約0.3デシリットル/グラムを有する約5重量%〜約40重量%の(メタ)アクリレート末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル);および、約60重量%〜約95重量%の不飽和ポリエステル樹脂を含む硬化性組成物を上記導電性材料に適用する工程を含む方法である。
【0075】
本発明は、本明細書で記載する硬化性組成物を硬化する際に得られる絶縁ワニスにまで拡張される。かくして、1つの実施態様は、官能化されたポリ(アリーレンエーテル);および、オレフィン性不飽和モノマー、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル/エポキシコポリマー、不飽和エステルイミド樹脂、硬化性シリコーンおよびそれらの組み合わせから選択される硬化性化合物を含む硬化性組成物の硬化された生成物を含む電気絶縁性ワニスである。
【0076】
本発明は、さらに、本明細書で記載する硬化性組成物を使用して絶縁された電気導体に拡張される。かくして、1つの実施態様は、導電性材料;および、上記導電性材料に接触する電気絶縁材料を含み、該電気絶縁材料が、官能化されたポリ(アリーレンエーテル);および、オレフィン性不飽和モノマー、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル/エポキシコポリマー、不飽和エステルイミド樹脂、硬化性シリコーンおよびそれらの組み合わせから選択される硬化性化合物の反応生成物を含む電気絶縁体である。
【0077】
あるいは、導電性材料は、最初に、保護および/または電気絶縁層、例えば、ワニスまたは雲母のテープで被覆し;ついで、官能化されたポリ(アリーレンエーテル);および、オレフィン性不飽和モノマー、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル/エポキシコポリマー、不飽和エステルイミド樹脂、硬化性シリコーンおよびそれらの組み合わせから選択される硬化性化合物を含む硬化性組成物の反応生成物を含む電気絶縁材料で被覆することができる。
【0078】
以下の実施例により、本発明を例示するが、これら実施例は、本発明を何等限定するものではない。
【実施例】
【0079】
実施例1〜16、比較実施例1〜8
16の本発明の実施例を8つの市販入手可能な樹脂と比較した。実施例(本明細書にて、Ex.と略記することもある)1〜3は、1つの本発明の組成物の追試を示す;実施例4および5は、もう1つの本発明の組成物の追試を示す。本発明の組成物は、表1に詳述する。成分の量は、全て、重量部(pbw)である。ポリ(アリーレンエーテル)は、25℃、クロロホルム中で測定した固有粘度0.12デシリットル/グラムを有するメタクリレート-末端封鎖ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)樹脂であった。それは、U.S.特許No.6,627,704、第2
6欄、45〜54行に記載されている処理方法に従って製造した。エトキシル化(2)ビスフェノールAジメタクリレートは、Sartomer Company,Inc.からSR348として入手した。本発明の組成物は、ポリ(アリーレンエーテル)を90℃でスチレンおよびt-ブチルカテコールに溶解することによって調製した。次に、離型剤およびエトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートを加え、完全に混合した。最後に、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサンを加え、完全に混合した。混合物を減圧オーブン内で110℃および25インチの減圧でガス抜きし、ついで、型に注ぎ、これを100℃まで予熱し、110℃で120分間オーブン内に置いた。ついで、温度を150℃まで上昇させた。150℃で10分後、オーブンのスイッチを切った。オーブン内で一晩冷却後、硬化したプラックを型から取出し、切断して試験標品とした。
【0080】
【表1】

実施例8〜16を同様に製造した。組成を表2に詳述する。
【0081】
【表2】

比較実施例1は、Markovitz.のU.S.特許No.5,618,891およびMarkovitz et al.のU.S.特許No.5,314,984からのエポキシ樹脂組成物を使用した。組成物は、62.3pbwのDow Chemical CompanyからのDEN 429エポキシノボラック樹脂;26.6pbwのResolution Performance ProductsからのEpon 826ビスフェノールAジグリシジルエーテル;11.1pbwのGeorgia-Pacific ResinsからのGP 5300ビスフェノールAホルムアルデヒドノボラック樹脂;1.9pbwのStepan CompanyからのZelec UN内部離型剤;および、0.22pbwのSigma-Aldrich Fine Chemicalsからの触媒としてのアルミニウムアセチルアセトナートからなった。触媒以外の成分を一緒に混合し、100℃まで加熱して、混合を促進し、粘度を低下させた。混合物が均質に
なった後、触媒を加え、十分に混合した。混合物を減圧オーブン内でガス抜きし、ついで、型に注ぎ、165℃で8時間オーブン内に置いた。ついで、熱を切り、型を室温まで一晩冷却した。電気的試験のために樹脂を配合するとき、内部離型剤を配合物から残した。硬化したプラックを切断して、試験標品とした。
【0082】
比較実施例(本明細書にて、C.Ex.と略記することもある)2〜6に使用した樹脂は、以下のようであった。比較実施例2は、Von-Roll Isota Ltd.から707Cとして入手される1重量%ジクミルペルオキシドを含有する31重量%のビニルトルエン中で予め触媒化した不飽和ポリエステル樹脂を使用した。比較実施例3は、Dow ChemicalからDERAKANE(登録商標)780として入手される40重量%のスチレン中エポキシベースのメタクリレートビニルエステル樹脂を使用した。比較実施例4は、Ashland ChemicalからMR14072として入手される31重量%ビニルトルエン中一般目的の不飽和ポリエステルであった。比較実施例5は、Ashlad ChemicalからQ6585として入手される34重量%スチレン中無水マレイン酸とプロピレングリコールとの1:1混合物から調製される一般目的の不飽和ポリエステルであった。比較実施例6は、AOC ResinsからT766として入手される35重量%スチレン中イソフタリック不飽和ポリエステルであった。
【0083】
比較実施例2〜6についての配合は、表3に示す。
【0084】
【表3】

樹脂およびスチレンまたはビニルトルエンは、それらの粘度を低下させるために50℃まで温めた。混合物が均質になった後、離型剤および過酸化物を加え、十分に混合した。混合物は、減圧下、ガス抜きし、ついで、型に注いだ。型は、85℃でオーブン内に置いた。16時間後、温度は、120℃まで6時間上昇させた。ついで、オーブンのスイッチを切り、室温まで一晩冷却した。電気的試験のために樹脂を配合するとき、内部離型剤は、配合物から残した。硬化したプラックは、切断し、試験標品とした。
【0085】
比較試料7および8の配合は、表4に示す。
【0086】
【表4】

曲げ弾性率および曲げ強さの値は、ともにポンド/平方インチ(psi)単位で測定し、ここでは、メガパスカル(MPa)単位で表し、ASTM D790に従って決定した。ノッチ付きアイゾッド衝撃強さの値は、フット-ポンド/インチ単位で測定し、ここでは、ジュール/メートル(J/m)の単位で表し、ASTM D256に従って決定した。ノッチなしアイゾッド衝撃強さの値は、フット-ポンド/インチ単位で測定し、ここでは、ジュール/メートルの単位で表し、ASTM D4812に従って決定した。加熱撓み温度は、華氏単位、264psi(1.82MPa)で測定し、ここでは、摂氏単位で表し、ASTM D648に従って決定した。
【0087】
収縮は、試料が硬化した後に測定した。測定は、周囲温度で行った。型の幅は、底部、中間部および頂部で測定した。硬化した材料の幅は、底部、中間部および頂部で測定した。パーセント収縮は、以下の式:
【0088】
【数1】

を使用し、計算した。
【0089】
報告する%収縮は、底部、中間部および頂部での収縮からの平均値である。
【0090】
引張強さおよび引張弾性率(弾性モジュラスとも称す)は、ともに、ポンド/平方インチ(psi)単位で測定し、ここでは、メガパスカル(MPa)単位で表し、ASTM D638に従って決定した。破断点引張伸びは、パーセント単位で表し、また、0.3175センチメートル(1/8インチ)厚さの試験標品および引張バー17.78センチメートル(7インチ)長さについてASTM D638に従って決定した。
【0091】
吸湿性は、6.35センチメートル×1.27センチメートル×0.3175センチメートル(21/2インチ×1/2インチ×1/8インチ)部品について測定した。試験部品は、120℃で8時間減圧オーブン内で一晩乾燥した。乾燥させた試験部品は、周囲温度で15日間水中に浸漬した。試料は、ついで、水から取出し、それらの表面を拭取り、それらを秤量した。重量増加は、乾燥かつ浸漬した試料の重量から計算し、重量における%増加として報告した。
【0092】
湿潤および乾燥条件下での誘電率の値は、IPC650に従って決定され、1メガヘルツ(MHz)周波数で測定した。湿潤および乾燥条件下での誘電正接の値も、また、IPC650に従って決定され、1MHz周波数で測定した。“湿潤”条件下での誘電率および誘電正接の測定のため、試料は、23℃で24時間脱イオン水に浸漬した。“乾燥”条件下での測定のため、試料は、その試料を120℃オーブン内で少なくとも4時間乾燥させ、ついで、それをデシケータ内に貯蔵して、室温までそれを冷却することによって製造した。乾燥後、試料は、ついで、試験する前に、23℃および50%相対湿度で24時間コンディショニングした。
【0093】
180℃、200℃および220℃で720時間後の重量損失は、重量パーセントの値で表し、その試料を120℃オーブン内で少なくとも4時間乾燥させ、初期重量を記録することによって決定した。ついで、その試料は、空気循環オーブン内で720時間適当な温度に加熱エージングさせた。加熱エージング後、試料重量を測定し、最終重量として記録した。加熱エージングの間のパーセント重量損失は、以下の式:
【0094】
【数2】

を使用し、計算した。
【0095】
特性値は、表5に示す。そのデータは、市販の樹脂と比較して、本発明の組成物が曲げ強さの増大、耐衝撃強さの増大(ノッチ付きおよびノッチなしアイゾッド値)、引張強さの増大、破断点伸びの増大および吸湿性の減少を示すことを示す。
【0096】
【表5】

【0097】
【表6−1】

【0098】
【表6−2】

【0099】
【表7】

【0100】
【表8】

実施例17〜21
実施例17〜21は、t-ブチルスチレンを使用する本発明の組成物であり、ポリ(アリーレンエーテル)をt-ブチルスチレンおよびt-ブチルカテコールに150℃で溶解させることによって製造した。ポリ(アリーレンエーテル)が溶解した後、温度を90℃まで低下させた。次に、離型剤およびエトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートを加え、完全に混合した。最後に、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサンを加え、完全に混合した。混合物は、減圧オーブン内、110℃および25インチの減圧でガス抜きし、ついで、型に注ぎ、これを100℃まで予熱し、オーブン内に110℃で120分間置いた。ついで、温度を150℃まで上昇させた。150℃で10分後、オーブンのスイッチを切った。オーブン内で一晩冷却後、硬化したプラックを型から取出し、切断して、試験標品とした。実施例17〜22についての配合は、表6に示す。
【0101】
【表9】

実施例17〜21についての特性は、表7に示す。スチレンに代わるt-ブチルスチレンの使用は、1.82MPaで高い加熱撓み温度を生ずる。
【0102】
【表10】

好ましい実施態様を参考として、本発明を説明したものの、当業者であれば、種々の変形をなし、等価体は、本発明の範囲から逸脱することなくその要件を置換しうることが理解できるだろう。また、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、個々の状況または材料を本発明の教示に適合させる多くの変更をなしうる。したがって、本発明を実施するために考えられる最良の形態として開示した特定の実施態様に限定するのではなく、本発明は、特許請求の範囲の請求項に入る全ての実施態様を包含するであろうことを意図する
ものである。
【0103】
本明細書に開示した全ての範囲は、終点を含み、終点は、相互に組み合わせ可能である。
【0104】
列挙した全ての特許、特許出願およびその他の参考文献は、それらの全体を参考とすることによって本明細書に組み込まれる。
【0105】
本発明を記載する文脈中(特に、特許請求の範囲の文脈中)の用語“a”および“an”ならびに“the”および同様の指示語の使用は、本明細書で特に断るかまたは文脈によって明瞭に否認しない限り、単数および複数の両方をカバーすると解釈するべきである。さらに、本明細書における用語“第1”、“第2”等は、いずれの順序、量または重要性を示すものではなく、むしろ、個々の要素を識別するために使用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料を絶縁する方法であって、
官能化されたポリ(アリーレンエーテル);および、
オレフィン性不飽和モノマー、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル/エポキシコポリマー、不飽和エステルイミド樹脂、硬化性シリコーンおよびそれらの組み合わせから選択される硬化性化合物;
を含む硬化性組成物を上記導電性材料に適用する工程を含む方法。
【請求項2】
前記適用する工程が、浸漬および焼付け、浸漬および紡糸、減圧含浸、ロールスルー、細流適用および全封入から選択される適用技術を使用する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
官能化されたポリ(アリーレンエーテル)が、式:
【化1】

を有する末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル)を含み、
ここで、Qは、1価、2価または多価フェノールの残基であり;yは、1〜100であり;Jは、式:
【化2】

[式中、R1およびR3は、各々、独立に、水素、ハロゲン、第1級または第2級C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C1-C12ハロアルキル、C1-C12ヒドロカルビルオキシおよび少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を離隔するC2-C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群より選択され、;R2およびR4は、各々、独立に、ハロゲン、第1級または第2級C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C1-C12ハロアルキル、C1-C12ヒドロカルビルオキシおよび少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を離隔するC2-C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群より選択され、;mは、1〜約200であり;Kは、
【化3】

{式中、R5は、1個または2個のカルボン酸基で任意に置換されたC1-C12ヒドロカルビルであり;R6〜R8は、各々、独立に、水素、1個または2個のカルボン酸基で任意に置換されたC1-C18ヒドロカルビル、C2-C18ヒドロカルビルオキシカルボニル、ニトリル、ホルミル、カルボン酸、イミデートおよびチオカルボン酸であり;R9〜R13は、各々、独立に、
水素、ハロゲン、C1-C12アルキル、ヒドロキシ、カルボン酸およびアミノからなる群より選択され;Yは、
【化4】

からなる群より選択される2価の基であり、R14およびR15は、各々、独立に、水素およびC1-C12アルキルからなる群より選択される}
からなる群より選択される末端封鎖基である]
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
官能化されたポリ(アリーレンエーテル)が、構造:
【化5】

を有するジ末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル)を含み、
ここで、Q2の各存在は、独立に、水素、ハロゲン、第1級または第2級C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、C3-C12アルケニルアルキル、C2-C12アルキニル、C3-C12アルキニルアルキル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C1-C12ハロアルキル、C1-C12ヒドロカルビルオキシおよび少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を離隔するC2-C12ハロヒドロカルビルオキシから選択され、;Q1の各存在は、独立に、ハロゲン、第1級または第2級C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、C3-C12アルケニルアルキル、C2-C12アルキニル、C3-C12アルキニルアルキル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C1-C12ハロアルキル、C1-C12ヒドロカルビルオキシおよび少なくとも2個の炭素原子がハロゲンと酸素原子を離隔するC2-C12ハロヒドロカルビルオキシから選択され、;R16の各存在は、独立に、水素またはメチルであり;xの各存在は、独立に、1〜約100であり;zは、0または1であり;Yは、
【化6】

[式中、R17、R18およびR19の各存在は、独立に、水素およびC1-C12ヒドロカルビルから選択される]
から選択される構造を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
官能化されたポリ(アリーレンエーテル)が、式:
【化7】

[式中、各L1〜L4は、独立に、水素、C1-C12アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であり;ここで、アルケニル基は、
【化8】

によって表され、式中、L5〜L7は、独立に、水素またはメチルであり、aは、0、1、2、3または4であり;アルキニル基は、
【化9】

によって表され、式中、L8は、水素、メチルまたはエチルであり、bは、0、1、2、3または4であり;環官能化されたポリ(アリーレンエーテル)の合計L1〜L4置換基の約0.02モルパーセント〜約25モルパーセントは、アルケニルおよび/またはアルキニル基である]で表される繰り返し構造単位を含む環官能化されたポリ(アリーレンエーテル)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
官能化されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂が、カルボン酸、グリシジルエーテル、ビニルエーテルおよび酸無水物から選択される少なくとも1個の末端官能基を含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項7】
官能化されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂が、25℃、クロロホルム中で測定した固有粘度約0.03〜約0.6デシリットル/グラムを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
官能化されたポリ(アリーレンエーテル)樹脂が、25℃、クロロホルム中で測定した固有粘度約0.06〜約0.3デシリットル/グラムを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
硬化性組成物が、硬化性組成物の合計重量に基づき、約1重量%〜約50重量%の官能化されたポリ(アリーレンエーテル)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
硬化性組成物が、アクリロイルモノマー、アルケニル芳香族モノマー、アリル系モノマー、ビニルエーテル、マレイミドおよびそれらの混合物から選択されるオレフィン性不飽和モノマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
硬化性化合物が、アルケニル芳香族モノマーを含むオレフィン性不飽和モノマーと;少なくとも2つのアクリロイル部分を含むアクリロイルモノマーとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
硬化性化合物が、不飽和ポリエステル樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
硬化性組成物が、さらに、スチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルマレエート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジブチルマレエート、ジシクロペンチルオキシエチルメタクリレート、メタ-ジイソプロペニルベンゼンおよびそれらの組み合わせから選択される硬化性化合物を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
硬化性化合物が、エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
硬化性化合物が、ポリエステル/エポキシコポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
硬化性化合物が、不飽和エステルイミド樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
硬化性化合物が、硬化性シリコーン樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
硬化性組成物が、硬化性組成物の合計重量に基づき、約50重量%〜約99重量%の硬化性化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
硬化性組成物が、さらに、硬化触媒を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
硬化性組成物が、さらに、鉱物質充填剤、チキソトロープ、UVトレーサ、難燃剤およびそれらの組み合わせから選択される添加剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
硬化性組成物が、硬化後、ノッチなしアイゾッド衝撃強さ約220〜約275ジュール/メートルを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
硬化性組成物が、硬化後、引張強さ約58〜約65メガパスカルを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
硬化性組成物が、硬化後、破断点引張伸び約2.5〜約3.6パーセントを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
導電性材料を絶縁する方法であって、
25℃、クロロホルム中で固有粘度約0.06〜約0.3デシリットル/グラムを有する約5重量%〜約50重量%の(メタ)アクリレート末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル);および、
アルケニル芳香族モノマーと、少なくとも2つのアクリロイル部分を含むアクリロイルモノマーとを含む約50重量%〜約95重量%の硬化性化合物;
を含む硬化性組成物を上記導電性材料に適用する工程を含む方法。
【請求項25】
導電性材料を絶縁する方法であって、
25℃、クロロホルム中で固有粘度約0.06〜約0.3デシリットル/グラムを有する約5重量%〜約40重量%の(メタ)アクリレート末端封鎖ポリ(アリーレンエーテル);および、
約60重量%〜約95重量%の不飽和ポリエステル樹脂;
を含む硬化性組成物を上記導電性材料に適用する工程を含む方法。
【請求項26】
官能化されたポリ(アリーレンエーテル);および、
オレフィン性不飽和モノマー、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル/エポキシコポリマー、不飽和エステルイミド樹脂、硬化性シリコーンおよびそれらの組み合わせから選択される硬化性化合物;
を含む硬化性組成物の硬化された生成物を含む電気絶縁性ワニス。
【請求項27】
導電性材料;および、
上記導電性材料に接触する電気絶縁材料を含み、該電気絶縁材料が、
官能化されたポリ(アリーレンエーテル);および、
オレフィン性不飽和モノマー、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル/エポキシコポリマー、不飽和エステルイミド樹脂、硬化性シリコーンおよびそれらの組み合わせから選択される硬化性化合物;
を含む硬化性組成物の反応生成物を含む電気導体。

【公表番号】特表2009−509312(P2009−509312A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532262(P2008−532262)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/035021
【国際公開番号】WO2007/037940
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】