ポルフィラジン並びに光学的及びデュアル光学的/MRコントラスト並びに治療薬
哺乳動物の腫瘍に局在化し得るポルフィラジンが開示されている。そのポルフィラジンは、腫瘍の画像化方法と、腫瘍の治療方法とに使用され、単独又は化学療法剤及び/又は放射線と併用して使用される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、全米科学財団によって賞を授与された取得番号No. CHE0500796によって支持されており、政府は本発明において所定の権利を有している。
【0002】
本発明は、2008年9月8日に出願された米国仮特許出願番号61/095,026の利益を主張し、参照によってその全体がここに取り入れられる。
【0003】
本発明は、ポルフィラジン化合物と、画像および腫瘍の治療におけるポルフィラジン化合物の使用とに関する。ポルフィラジン化合物は、腫瘍の中で局在化することが可能であり、光学的映像化、磁気共鳴(MR)画像化などの視覚化技術による腫瘍の検出を可能とする。また、ポルフィラジンは、(光活性化なしに)単独で投与されたとき、又は化学療法薬若しくは可視若しくは近赤外光を含む放射線とともに投与されたとき、ポルフィラジンとは異なる化学療法薬に結合したときに、腫瘍サイズを小さくし、又はこれを取り除く。
【背景技術】
【0004】
乳癌患者の生存率は、もしそれらを早い段階で発見し、続いて化学療法、手術、放射線などの治療を施せば好転し、残存癌細胞は細胞のレベルで検出され得る。乳癌の早期スクリーニングのための主たる技術、即ち、X線マンモグラフィーは効果的ではあるが不利益もある。相対的な密度に基づく正常組織と癌組織との違いは偽陽性が原因で小さく、患者を不必要で侵襲的でしばしば苦痛を伴う追加的なテストに曝すことになる。更に、X線処置に特有のイオン化放射に曝すことは、危険性の高い患者を検査する頻度が制限される。この技術の限定的な感度は、手術後に残存癌細胞の集合の識別に失敗することと同様に、小さい初期段階の腫瘍を見逃したままにする。新しく感度が高く安全な検出方法は、乳癌の診断と、乳癌患者の予後とを疾病率および死亡率のレベルを低減することにより改善する。
【0005】
近赤外(NIR)を使用した蛍光画像造影剤は、新規で哺乳類の組織NIR光(約700〜1000nm)に対する相対的な透明性を利用する腫瘍検出に対して感度が高い。可視及びNIRにおける光を吸収し発光し腫瘍組織に蓄積する造影剤は、軟組織を透して光学的に撮像し、それによって、胸部などの軟組織における表在性腫瘍に対する理想的で非侵襲性の検出方法を提供する。
【0006】
従って、相対的な軟組織透明性のウインドウ内の可視及び近赤外(NIR)波長における光を用いた軟組織の光学的吸収/蛍光又はリン光による画像化は、腫瘍検出の重要な画像化方法の代表であるが、他の画像化様式として効果的な造影剤が必要となる。ポルフィロイド大環状分子に分類されるポルフィラジン類(pzs)は、それを光学的腫瘍画像化造影剤、及び光学的/磁気的共鳴(MR)デュアルモード造影剤の両方に他に類を見ない魅力的なものとする光物理的、化学的、生物学的特性を示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】M. J. Fuchter et al., Aust. J. Chem. 2008, 61, 235-255.
【非特許文献2】N. D. Hammer et al., J. Med. Chem. 2005, 48, 8125-8133.
【非特許文献3】B.J. Vesper et al., J. Photochem. Photobiol., B 2006, 82, 180-186.
【非特許文献4】A. Sholto et al., Photochem. Photobiol. 2008, 84, 764-773.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ポルフィラジン化合物と、ポルフィラジン化合物の哺乳動物の腫瘍の画像化および検出における使用と、このような腫瘍のサイズの縮小および除去とを指向している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
可視および近赤外(NIR)光学画像化は、乳癌診断のための、そして皮膚および精巣癌を含む他の癌に対する正確で非侵襲性の手段であることが明らかになりつつある。本発明のキラールポルフィラジン化合物のような腫瘍特有の蛍光造影剤は、初期段階および治療介入後の癌検出を大きく進歩させる。従って、本発明の一実施形態は、腫瘍に局在化し得るポルフィラジン化合物を提供する。可視および近赤外の波長範囲(例えば、約730nm)の蛍光を発し、インビトロでの腫瘍細胞摂取を示し、無視し得るバックグラウンドで強い蛍光を表すインビボでの皮下腫瘍における腫瘍特有の蓄積および保持を示す。
【0010】
本発明は、以下の実施形態を含む:(a)腫瘍を検知するための可視又はNIR光学造影剤として機能するポルフィラジン、(b)腫瘍細胞に対して毒性を示し、これによって、単独で投与されたとき(光活性化あり又はなし)又は例えば化学療法、放射線及び/又は手術などの他の癌治療手段と組み合わせて、腫瘍のサイズを小さくし又は消滅させ、(c)ポルフィラジン化合物は、ガドリニウム錯体のようなMR造影剤に結合して、腫瘍に局在化し、付随する画像の3次元的な質の向上により腫瘍の2つの光学的/MR検出を可能とする複合体を提供し、そして、(d)ポルフィラジンは、アロマシン、タモキシフェン、タキソテール、ゼローダ、メトトレキサート、ドキソルビシンなどの非pz化学療法薬に結合することができ、治療中の患者における治療薬のリアルタイムで非侵襲性の画像を提供するのと同様に、化学療法薬の効果を高めるために腫瘍に局在化する複合体を提供する。
【0011】
本発明の他の実施形態は、視覚化のための本発明のポルフィラジン化合物の十分な量を個体に投与し、次に哺乳動物においてポルフィラジンを視覚化することによる、哺乳動物における腫瘍の検出方法を提供する。視覚化は、光学的画像化、NIR画像化、PET画像化、MR画像化及び同様の画像化技術の一つ又はそれ以上であり得る。本発明のこの態様は、本発明のポルフィラジン化合物を単独で投与した後に、二つ又はそれ以上の画像化方法が使用され得る。
【0012】
本発明の更に他の実施形態は、腫瘍を有する個体を治療する方法を提供し、ポルフィラジン化合物は、腫瘍に局在化し光活性化を伴い又は伴わずに腫瘍細胞を殺すのに十分な量で個体に投与される。更に他の実施形態では、ポルフィラジン化合物は非pz化学療法薬に結合し、結果として生じる複合体は、腫瘍サイズを小さくし、又はこれを取り除くために個体に投与され、一方で腫瘍及びそれが縮小するリアルタイムで非侵襲性の画像を提供する。
【0013】
本発明の他の実施形態では、研究、診断及び臨床への応用のための画像化におけるキット及び使用方法を更に提供する。
【0014】
本発明のこれら及び他の新規な形態は、好ましい実施形態についての以下の詳細な記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、A549肺癌細胞における化合物176のNIR蛍光の共焦点像である(倍率63倍)。
【図2】図2は、 尾静脈への注射(20nモル)後のインビボでのMDA231腫瘍における長時間の化合物247の蓄積の強度プロフィールであり、蛍光強度は、Kodak MM4000マルチモーダルイメージャーで同時に記録された解剖学的X線画像に対して表されており、A)5時間、B)24時間、C)32時間、d)48時間(0〜255にスケールされている)である。
【図3】図3は、化合物247の50μM、24時間染色のNIR発光である。
【図4】図4は、化合物247、50μMのMTT試験である。
【図5】図5のAは、FVB/n5 RaglのX線画像に重ね撮りした730nm発光画像−/−PC3−EGFP細胞の注射により生成した脛骨の腫瘍を有する雄のマウス、Bは、皮膚を除去した切除レッグから採った腫瘍におけるGFP発現からの535nm発光を用いた化合物247の730nmの発光の重畳画像である。
【図6】図6は、化合物247の20nモルを注射したマウスの切除した脛骨を表し、Aは、X線画像に重ね撮りしたPC3−EGFP腫瘍の535nmGFP蛍光、Bは、X線画像に重ね撮りした化合物247の730nmNIR蛍光である。
【図7】図7は、皮下注射され赤色蛍光タンパク質(RFP)によって安定に発現させたMDA−MB−231腫瘍の生きた動物と、化合物247との着色蛍光画像であり、尾静脈への化合物247の20nモル注射の後48時間で取得した画像である。Aは、RFP蛍光、Bは、化合物247のNIR蛍光、Cは、FRPと化合物247の画像とを合わせたものであり、腫瘍における共存を表している。
【図8】化合物247と、核に対してDAPI(DNA結合性の蛍光性色素)で対比染色した4μmのパラフィン包埋切片である図7の右側の腫瘍からの腫瘍との共局在化を示しており、Aは、DAPI(2個の光子の720nm励起、435nm発光)とRFP(543nm;565〜615発光)の重畳画像であり、Bは、DAPIとRFP(633nm;650〜715発光)の重畳画像であり、Cは、DAPIとRFPと化合物247の3重画像である。
【図9】図9は、60nモルの化合物262を注射したマウスのNIRおよびMR画像であり、Aは、注射後0時間の動物全体のNIR蛍光であり、Bは、注射後2時間のマウスの腹部中央横断スライスT1−強調MR画像である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、光学的、化学的および生物学的特性の組み合わせが、光学的吸収/蛍光腫瘍造影剤としておよび複合的な光学的/MRI造影剤として両方に一意的に魅力的なものとなるポルフィラジン類(pzs)を指向している。試験結果は、本発明のpz化合物が最適な組織侵入性を以て強い光学的吸収とNIRウインドウおける蛍光を示し、腫瘍細胞および腫瘍によってインビボで選択的に取り込まれることを示している。加えて、それらの合成の柔軟なモデルは、pzsの非pz化学療法薬およびMR緩和能剤とカップリングして複合体を形成することを可能とする。ここで使用されるように、「pz複合体」は、MR造影剤又は非pz化学療法薬と結合したpzを意味している。
【0017】
また、本発明のpzsは、単独(光活性化により又はそれなしに)又は手術、化学療法及び/又は放射線などの他の腫瘍治療方法との組み合わせにより、腫瘍のサイズを縮小させ又は除去する。更に、本発明のpzsは、化学療法薬を腫瘍内に局在化させる複合体を提供するために非pz化学療法薬と結合し得、これにより、腫瘍のコントロールと治療中の直接的で非侵襲的な視覚化とが高められる。
【0018】
従って、本発明は、ヘテロ原子官能化pzsおよびそれらの光学的およびデュアルモード光学/MR造影剤としての使用に関連し、ここで、デュアルモード造影剤は、常磁性体造影剤をヘテロ原子官能化pzsに結合することにより生成する。本発明の実施形態は、光学的/デュアルMR画像化治療薬のような複合体の使用を含んでいる。また、本発明のpzsは、それ自体が化学療法薬として有用であり、更に、非pz化学療法薬に結合し得て、化学療法薬を腫瘍を狙って局在化させるpz化学療法薬複合体を提供する。
【0019】
イオウ官能化pzsの研究は、それらの光学的造影剤としての潜在的使用をサポートする(非特許文献1〜4)。酸素官能化pzsがインビボでの高度な選択的腫瘍摂取を示し、正確な蛍光画像化が可能であることが初めて発見された。更に、NIR発光に加えて高いMR緩和能を示すデュアルモード光学/MR造影剤が合成された。
【0020】
ヘテロ原子官能化ポルフィラジン類(pzs)およびそれらの誘導体は、最近では腫瘍検出の光学的造影剤として、そして光力学的治療(PDT)を使用する癌治療のプラットフォームとして考えられているポルフィリノイド(porphyrinoid )大環状分子である。これらのpzsは、強いNIR吸収/発光を有し、合成的に柔軟で、独立して両親媒性と細胞識別性とポルフィラジン類の腫瘍特異性の保持に影響する特性とを調整する必要があるものの、所望のNIR光学特性を有するpzを設計することを可能としている。
【0021】
ポルフィラジン類(pzs)は、メソ炭素が窒素で置き換えられているという点でポルフィリン類とは異なる芳香族大環状分子である。メソ窒素原子は強いNIR吸収および白光を与え、それによって、pzsを光学的画像を介する外見上の癌の検出に対する優れた光線感作物質にしている。本発明の化合物は、従って、ここで「pz」と省略する以下の大環状コアを有している。
【0022】
【化1】
本発明のポルフィラジン化合物は、以下の一般構造を有している。
【0023】
【化2】
ここで、pzは上記に定義され、
Mは、2H又はピロール窒素原子と複合体を形成し得る金属イオンであり、
nは、1〜3であり、
Aは、(−N(R1)2)2、(−OR1)2、又は(−SR1)2であり、
Bは、pzに結合した、一つ又はそれ以上の−XR2基で置換されたベンゾ環であり、ここでXはO又はSであり、
R1は各々独立に、また、R2は各々独立に、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換されたC1-6アルキル、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換されたC3-6シクロアルキル、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換された(CH2)1-3C3-6シクロアルキル、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換されたCH2)1-6C6H5からなる群から選択される基であり、ここで、各R3は、独立してH、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は(CH2)1-3C3-6シクロアルキル;
【0024】
【化3】
pは0〜10であり、ここで、
【0025】
【化4】
および
【0026】
【化5】
又は2つのR1基が1つになって5又は6員環を形成してもよい。
【0027】
例えば、2つのR1基がつになって以下のように(R−R)となり、又はそれらの対掌体であってもよい。
【0028】
【化6】
ここで使用されているように、「アルキル」という用語は、線状又は分岐アルキルをいい、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチルおよび3−メチルー2ブチル含むが、これらに限定されるものではない。
【0029】
ここで使用されているように、ポルフィラジン類の「M」は、2H又は何れかのメタロイド又はポルフィラジンのピロール窒素原子と複合体を形成し得る金属イオンである。ポルフィラジン化合物の「M]は、従って、2つの水素原子又は一つの金属イオンであり得、これには、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、又は第3周期の全て、ランタニド、アクチニドが含まれるが、これらに限定されるものではない。「M」の非限定的な例示には、ニッケル、銅、2つの水素原子、マグネシウム、鉄、アルミニウム、マンガン、ガドリニウム、ロジウム、インジウム、タリウム、ルテチウム、金、コバルト、チタン、鉛、白金、パラジウム、ルテニウム、リチウム、亜鉛、イッテルビウム、ネオジム、クロム、テクネチウム、ケイ素、ゲルマニウム、錫、モリブデン、ジルコニウム、タングステン、レニウム、イリジウム、ウラン、トリウム、ガリウム、およびバナジウムが含まれる。特定の「M」が何であるかは、ポルフィラジン化合物に望まれる物理的および化学的特性に依存している。好ましいいくつかの例では、「M」は、2H、Mg、Zn、Cu、又はMnである。
【0030】
本発明のpz化合物は、マレオニトリル/イソインドリン誘導体の縮合により調製され、従って、pz芳香コアに直接結合した付加イオウ、酸素又は窒素のヘテロ原子との化学的柔軟性を提供する。本発明のM[pz(An;B4-n)]のpzsへの合成ルートは、腫瘍への搬送と、物理的および化学的特性と、ある場合には腫瘍細胞への固有の毒性とを独立して最適化することを可能とする。本発明の好ましいpzsは、M[pz(A2;B2)]の構造を有し、より好ましくは、M[pz(trans-A2;B2)]の構造を有している。
【0031】
M[pz(trans-A2;B2)]の化合物は、優れた光学的特性を示し、このようなpzsの広大なライブラリが用意されている。共焦点蛍光顕微鏡によって観察された細胞の摂取は、pzの全体に亘る両親媒性に依存し、定性的な分析は、非腫瘍形成(例えば、WI38VA13)に対する腫瘍細胞(例えば、A549)への優先的な摂取を示している。
【0032】
以下の合成スキームは、化合物247と、関連するキラールなO−およびS−付加したpzsの合成を示している。特に、(5R、6R)2、3−ジシアノ−5、6−ジメトキシ−5、6−ジエチルジオキシ−2−エン(1)と、4、7−ビス(イソプロピルオキシ)−1、3−ジイミノイソインドリン(2)は、文献記載の方法で調製され、マグネシウム鋳型の環化縮合が行われて、pzs241−257(スキームA)が得られる。関連するキラールなイオウ結合ポルフィラジン300−cRは、スキームBに示されている。
【0033】
【化7】
(i)Mg(OPr)2、n−PrOH、18時間還流;(ii)酢酸、CH2Cl2、24時間;(iii)Zn(OAc)2、MeOH、24時間
【0034】
【化8】
以下の合成スキームは、複合pz−Gd複合体(即ち、Gd3+−付加した)の合成のための一般的な手法を示している。これらの複合体は、腫瘍のNIRとMRの両方の画像化を可能とする。遊離塩基のpzアジドは、A2B2−4エステルから完全なそして半化学量論的な加水分解によって、続いて求核試薬として1−アジド−3−アミノプロパン又はビス(2−アジドエチル)アミンを使用してNHSエステルカップリングにより合成された(スキームC)。遊離塩基のpz−アジドはZnCl2によりメタル化され、Zn−pz−アジドを定量的に得た。これらのZn−pz−アジドをGd3+DOTA−アルカリキレートと結合させるのにクリックケミストリーが採用された。金属を含まないpzへの応用は、Cu−pzを得る(例えば、スキームD)。最終的な複合体は、1、2、4および8付加したGd3+キレートを有している。
【0035】
【化9】
(i)4当量のLiOH、THF/H2O;(ii)1当量LiOH、THF/H2O;(iii)DCC/NHS(ジシクロカルボジイミド/N−ヒドロキシスクシンイミド)、THF;
(iv)1−アジド−3−アミノプロパン、CH2Cl2;(v)ビス(2−アジドエチル)アミン、CH2Cl2
【0036】
【化10】
以下の化合物は、8つのガドリニウム錯体(Gd)を含む本発明のデュアル画像化化合物を例示している。本発明のpz化合物は、所望により又は必要により、1〜8のGd錯体を含み得る。以下のGd8−Mpz化合物においては、Mは2H、Mg、Zn、又はCuであり、好ましくはZn又はCuである。
【0037】
【化11】
以下は、腫瘍に局在化し得て腫瘍細胞を画像化及び/又は殺すのを促進する特定のpz化合物である。
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
腫瘍検出用の診断プローブとしての使用のための本発明の非侵襲性のpz化合物は、患者の診断結果と癌再発の治療後の観察とにおける重要な改善をもたらし、これにより癌の死亡率が低下する。ここに開示したポルフィラジン類は、可視およびNIR吸収/発光を示すポルフィリンのような化合物であり、体内に生じた細胞株とは対照的に、インビトロで腫瘍細胞株に選択的に蓄積し保持される。
【0040】
実験は、本発明のpz化合物がa)最適の組織透過性を有する可視およびNIRウインドウにおいて強い光学吸収と蛍光とを示し、b)腫瘍細胞によって選択的に摂取され(図1)、インビボで腫瘍に局在化する(図2)、ということを示している。pzsの合成の柔軟なモードは、pzsの非pz化学療法薬剤とのカップリングを可能とし、この非pz化学療法薬剤は、臨床評価における化合物およびMR緩和剤と同様に、現在乳癌および他の癌の治療に使用されているものである。
【0041】
特に、図1は、本発明の化合物176がA−549肺癌細胞に蓄積することを示している。図2は、化合物247(20nモル)が尾静脈注射後にMDA−231腫瘍にインビボで長期に亘って(5〜48時間)蓄積されることを示している。
【0042】
化合物247のNIR蛍光の共焦点顕微鏡画像(図2)は、A549肺癌細胞へのその優れた摂取と、WI38 VA13非腫瘍細胞へのより少ない摂取(図3)が確認される。化合物247に対するMTT試験は、非腫瘍細胞(WI38 VA13)への非毒性と、腫瘍セル(A549)への穏やかな毒性を示している。MTT試験は、S.Lee他、Metal−Based Drugs (2008)、391−418頁に開示されている手法を使用して行った。
【0043】
また、経時変化の研究は、化合物241、243、244、246、247、249、254、および255を使用し、A549肺癌細胞と、WI38 VA13非腫瘍細胞を用いて行った。その研究により、本発明の腫瘍細胞におけるpzの蓄積と、腫瘍細胞の生存能力の低下が確認された。
【0044】
pzの動物における生体内分布を明らかにするために、担癌マウスに化合物247を注射したところ、図2に示すように、予期しない腫瘍局在化の結果となった。一つの実験では、pzsの画像化の4週間前に、雄のFVB/n5 Rag−1 −/−マウスに、5X105 PC3−EGFP(GFPを安定発現する人の前立腺腫瘍細胞)を脛骨に注射した。画像化に先だって、マウスは4%イソフルレンで麻酔され、20nモルの化合物247(150μリットル、7.5%DMSO)が尾静脈の静脈内に注射された。蛍光画像は、直後、2、24および42時間後に撮られた。625nmの励起バンドパスフィルターと、700nmの発光バンドパスフィルターとを使用して、pz蛍光が4時間後に肝臓に見られたが、24時間後ではpzはマウスの脛骨腫瘍に高度に局在化していた(図5)。GFP画像は、465nmの波長の励起を使用し、535nmで蛍光が検出された。X線画像を解剖の位置合わせとして取得した。
【0045】
次に、マウスを安楽死させ、下肢を切除し、周囲の皮膚および筋肉なしに画像を取得した。pzからの赤色蛍光と画像と、PC3−EGFP腫瘍細胞からの緑色蛍光の重ね撮り画は、化合物247からの赤色蛍光が腫瘍に局在化していることを示している。GFPおよびpz蛍光が両方とも腫瘍に局在化したままで、図6のマウス2(M2)に示すように、化合物247の腫瘍局在化は再現可能である。図6は、20nモルの化合物247を注射したマウスの切除した脛骨を示しており、X線を重ね合わせたPC3−EGFP腫瘍の535nmGFP蛍光(図6A)と、X線を重ね合わせた化合物247の730nmNIR蛍光(図6B)である。マウス3(M3)は、GFPがないことから分かるように、腫瘍を有していない。M3の脛骨からのNIR蛍光がないことは、pzがその骨に非特異的に保持されているのではないことを示している。
【0046】
化合物247が確実にそして再現性よく1つ以上の組織起源の腫瘍に局在化することを確認する第2の実験においては、安定的に赤色蛍光プロテイン(RFP)を発現するMDA−MB−231−RFP細胞がメスのSCIDマウスの皮下に注射された。図2および7を参照されたい。このアプローチは、優れた確認情報を提供し、その理由は、(a)非侵襲的に検出することが困難な骨腫瘍とは対照的に、触診可能な皮下腫瘍が容易に識別でき、(b)画像化に先だって皮膚の除去が必要なGFP腫瘍とは対照的に、RFP発現腫瘍は皮膚を通して見ることができ、(c)腫瘍へのpz局在化は、非侵襲的な動物全体の画像化の間に見ることができ、(d)腫瘍は容易に採取され、固定され、組織化学的および生物学的分析のために処理されるからである。
【0047】
5匹のマウスに20nモルの化合物247が7.5%DMSO溶液で静脈内投与された。RFP発光に使用された発光波長は535nmであり、565−615nmのバンドパスフィルタを使用して発光を検出した。化合物247は625nmバンドパスを使用して励起し、700nmで発光を検出した。RFP蛍光フィルタは化合物247の励起および発光の何れにも重なっていない。従って、画像化中に望ましくない信号の浸入はない。
【0048】
RFPについての画像は、pz蛍光と同様に、5、24、32および48時間後に撮像された。pz蛍光は僅か5時間後に検出可能であり、強度は48時間の実験の間に劇的に増大し、RFP蛍光に対し正確に共局在化を示した。加えて、他のマウスの臓器又は組織にpz蛍光は存在しなかった(図2および7)。この顕著な対比から、化合物247はNIR蛍光腫瘍撮像装置を刺激するものとして機能する。
【0049】
48時間の実験の最後に、腫瘍は切除され、抗体染色のために処理された。スライスしたものが核のために染色され(DAPI)、不均一な3次元腫瘍内での局在化を決定された。図8の結果は、化合物247が腫瘍シトソルに正確に共局在化していることを示している。RFPとpzが組織の処理に残存することの重要な利点が記録された。
【0050】
NIR画像化剤としての機能に加えて、本発明のpzsは多面的光学MR(磁気共鳴)造影剤のプラットフォームとしても機能する。
【0051】
デュアルモード造影剤は、光学的およびMR画像データの位置合わせを可能とするために、pz光学剤をガドリニウムベース(Gd)のMR剤と結合させることにより生成された。本発明のpzの構造の合成的な多用途性は、多数のMR画像化剤、例えばGd3+キレートをpz構造に付加する種々の方策を可能とする。これらの新しい多様なpz−ベースの薬剤は、2つの大きな利点を有している:即ち、(a)高分子ベースの薬剤は単分散ではなく、12、000〜170、000の分子量の範囲を示し、特徴付けるのが困難であり、(b)ポリマーにおけるGd3+キレートの緩和能は、単一のGd3+キレート分子(3mM-1s-1/Gd)とほぼ同じである。このことは、ポリマー全体の回転より、ポリマーに結合したGd3+錯体の自由回転が、有効回転相関時間(R)、従って緩和能の制限を支配することを示している。pzに付加したGd3+キレートの緩和能は、14mM-1s-1/Gdである(表1)。
【0052】
Gd−pzsの調製においては、4〜8のGd3+キレートをM[pz(A2;B2)]pzに付加して、上記のGd8−Mpz複合体(M=Zn、Cu)と、そして類似のpzの「腕」毎に一つのキレートを有するGd4−Mpz複合体とに導くために「クリック」ケミストリーが使用された。表1に示すように、上記で論じた第1世代の高分子多重Gd剤に比較して、Gd−pzsの分子緩和能(r1)は低分子量複合体については極端に高く、そして、単一のGdキレートのそれより非常に高い。このことは重要であり、何故なら、複合体の観測された緩和能が高いほど、インビボでのMR造影剤としての効果が大きいからである。重要なのは、これらの複合体はデュアルモード造影剤として適切であるということであり、何故なら、8つものGd剤の存在は、M=Znの複合体についてはpz蛍光に大きく影響することはないからである。加えて、pz−Gd複合体は水に可溶であり、DMSOの添加なしに小動物に投与され得る。
【0053】
【表1】
20nモルおよび60nモルのGd8−MpzのFVB/n5 Ragl−/−メスのマウスへの注射は、毒性を示さないことを示した。60nモルのGd8−Mpzの注射後2時間のMR画像は、4.7Tの小動物MR画像化マグネットで取得したT1強調画像上で、腫瘍のみならず腎臓および膀胱においてGd3+によるT1画像の高揚を示した(図9)。Gd8−Mpzの長い保持時間は、その化合物を脈管構造への照射と、心臓血管の疾病の診断に使用することができることを示している。NIR発光は腫瘍内のpzsからのみ見られた。Gd8からのNIR蛍光は、最高濃度においても検出されなかった。
【0054】
Gd8−Mpzは腫瘍組織にはあまりに親水性であるが故に効果的に侵入することができないことが理論化されている。従って、単一のGd3+を有するpz、即ち、化合物270が合成された。化合物270は、50μMの化合物270で染色されたWI38 VA13細胞による共焦点蛍光画像に示すように、確かに培養下の生きた細胞に摂取されることが分かった。最も顕著なのは、Gdキレートそれ単独では細胞には蓄積しないことである。従って、Gdに付加した蛍光を発するpzは、MR剤の腫瘍細胞への優先的な摂取を容易にするベクターと、二重の薬剤の細胞より小さい局在化を示すレポーターとの両方の機能を果たし得る。
【0055】
これらのpz−Gd化合物のMR特性を試験するために、WI38 VA13細胞をpz270の0、50および100μモルで処理し、細胞ペレットを4.7TのBruker Biospec磁気共鳴画像化装置で画像化した。大きな濃度依存のMRコントラスト高まりが化合物270によって示された。pzでラベルした細胞とラベルしない細胞との間のノイズ対コントラスト比(CNR)は、50μモル処理については26、100μモル処理については40である。参考のために、臨床的に最小の検知可能なCNRは、3−5であると考えられている。この結果は、多様式の造影剤としてのGd−pzsを確立している。
【0056】
光学的造影剤としての使用のための化合物247の両親媒性と腫瘍摂取の最適化の例として、pz260が調製された。化合物260は、化合物270と同じ6員環のキラールな[O−R]2を含んでいるが、フリーなヒドロキシ部分をR2に有している。追加的に重要なことは、化合物260は、Gdキレートおよび化学療法薬に結合するための一つ又はそれ以上のサイトを提供していることである。インビトロの実験は、化合物247の腫瘍に特化した摂取性に対する、このRによって誘起された両親媒性の変化の影響を示している。更なる改良は、以下のpが0〜10の場合のような置換基を採用することであるが、これに限定されるものではない。
【0057】
【化14】
多様式な画像アプリケーションのために、Gd3+キレートをpzに付加するためのクリックケミストリーが使用され得る。クリック結合反応は手軽で高収率であり、銅触媒がフリーベース(M=H2)pzのコアを金属化する。好ましい蛍光プローブは、フリーベースpz(M=2H)であり、従って、Gd3+キレートを結合させるための代替のアプローチがスキームEに示されている。このアプローチは、化合物260の末端ヒドロキシル基のトシル化を含み、続いてアミノ末端Gd3+キレートに結合される。pzの半化学量論的トシル化は、種々の数(例えば、1〜4)のGd3+キレートを許容する。
【0058】
【化15】
Gd3+複合体の本発明のpz化合物への付加に類似して、非pz化学療法薬が本発明のpz化合物に結合し得る。活性な−CO2H、−OH、−SH、及び/又は−NH2基を、例えばpzの半分の部分に有する本発明のpz化合物は、pzの活性基と結合し得る−NH2又は−CO2Hのような官能基を有する非pz化学療法薬と結合し得る。
【0059】
結果として生成するpz−化学療法薬複合体は、pz化合物が腫瘍において化学療法薬を局在化させるので、化学療法薬の効果を高めることになる。また、腫瘍での化学療法薬の局在化は、正常な組織での副作用の重症度を減少させる。
【0060】
この腫瘍標的方法の例は、抗癌剤、ドキソルビシンを一つ又はそれ以上の化学的に活性な基を有するpz化合物に結合させることである。pzをドキソルビシンのアミノ基と結合させる多くの代替の結合方法が存在する。一例は、化合物260からスタートし、4つの化学療法薬を化合物260に結合するために、スキームEに相当する手法を使用することである。
【0061】
【化16】
pzに結合し得る官能基を有する追加の化学療法薬には以下のものが含まれるが、これらに限定されるものではない:メトトレキサート、アミノグルテチミド、アロマシン、クロラムブシル、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、メルファラン、プロカルバジン、チオグアニン、ゲムシタビン、イダルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、タモキシフェン、タキソテール、ゼローダ、およびトリメトレキサート。−CO2H、−OH、−NH2、又は−SH(又は活性化された誘導体、例えば、この分野で公知の脱離基がこれらの基の水素原子を置換したもの)を有する以下に掲げられた追加の多くの化学療法薬が本発明のpzと結合され得る。
【0062】
本発明のpzsは、以下を含みこれらに限定されない腫瘍の光学的および多重モード画像化への使用が見出された:即ち、胸部、肺、皮膚、精巣、および他の上気道消化器腫瘍を含み、同時に造影剤/直接的に腫瘍を破壊し光力学的治療の適用を行う抗腫瘍薬として機能する。本発明のpzsは、MRおよびNIR造影剤として、PET(ポジトロンCT)造影剤として、および核造影剤としての使用が見出された。更に、本発明のpzsは、治療薬としておよび造影剤/治療薬として同時に使用され、その治療効果は光活性化(光力学治療)により又はこれなしに現れ、また、化学療法薬への結合により又はこれなしに現れることが見出された。
【0063】
一実施形態では、本発明は、癌性腫瘍の治療方法を提供し、これは、広く知られている手術、放射線治療、および化学療法の抗腫瘍手段と結合して、本発明のpzを(光活性化により又はこれなしに)投与することを含んでいる。治療の効果は臨床研究又はマウスにおける腫瘍モデル又は細胞培養感度試験のようなモデルシステムで測定され得る。本発明は、改善された効果と低減された毒性とをもたらす併用療法を提供する。従って、一実施形態では、本発明は、手術、放射線治療、又は化学療法と併用する本発明のpzの使用に関連している。また、本発明のpzは、癌性腫瘍の治療方法において単独で、光活性化により又はこれなしに使用され得る。好ましい一実施形態では、非pz化学療法薬は、腫瘍をターゲットとして化学療法薬を所望の作用サイトに結集し、治療とモニタリングと再発の抑制の間のリアルタイムで非侵襲的な腫瘍縮小のモニタリングを可能とするために、pzに結合される。
【0064】
本発明の併用療法が一つ又はそれ以上の付加的な抗癌剤とともに本発明のpzを投与することを含むとき、pzおよび付加的な抗癌剤は、一人に同時に又は連続して投与することができる。また、これらの薬剤は、周期的に投与され得る。周期的な治療は、一定の期間に一又はそれ以上抗癌剤を投与し、続いて一定の期間に一つ又はそれ以上の異なる抗癌剤を投与し、この一連の投与、即ちサイクルを繰り返すことを含み、これは、投与されている一つ又はそれ以上の抗癌剤の耐性発現を低減させ、投与されている一つ又はそれ以上の抗癌剤の副作用を回避し若しくは低減させるために、及び/又は治療効果を高めるためである。
【0065】
追加的な抗癌剤は、一連のセッションに亘って投与され、以下にリストされる追加的な抗癌剤の何れか一つ又は組み合わせが投与され得る。
【0066】
本発明は、それを必要としている個人に本発明のpzと一つ又はそれ以上の追加の抗癌剤又は薬剤的に許容されるその塩とを投与することを含む癌の治療方法を含んでいる。pzと一つ又はそれ以上の追加の抗癌剤は、相加的又は相乗的に機能し得る。これに限定されるものではないが、追加の抗癌剤に適するものは、ゲムシタビン、カペシタビン、メトトレキセート、タキソール、タキソテール、メルカプトプリン(mereaptopurine)、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソウレア類、マイトマイシン、ダカルバジン、プロカルバジン、エトポシド、テニポシド、カンパシーインス(campatheeins)、ブレオマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、ドキソルビシン,エピルビシン、5−フルオロウラシル (5−FU)、タキサン類 (ドセタキセルおよびパクリタキセルなど)、ロイコボリン、レバミゾール、イリノテカン、エストラムスチン、エトポシド、ナイトロジェンマスタード類、BCNU、ニトロソ尿素類 (カルムスチンおよびロムスチンなど)、白金錯体類 (シスプラチン、カルボプラチンおよびオキサリプラチン など)、メシル酸イマチニブ、ヘキサメチルメラミン、トポテカン、チロシンキナーゼ阻害剤類、チルホスチ類ハービマイシンA, ゲニスタイン、エルブスタチン、およびラベンダスチンAである。
【0067】
一実施形態では、これに限定されるものではないが、抗癌剤は以下の群から選択される薬剤であり得る:アルキル化剤、ナイトロジェンマスタード、シクロホスファミド、トロホスファミド 、クロラムブシル、ニトロソ尿素類、カルムスチン (BCNU)、ロムスチン (CCNU)、スルホン酸アルキル類、ブスルファン、トレオスルファン、トリアゼン類、植物性アルカロイド類、ビンカ・アルカロイド類(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン)、タキソイド類、DNA トポイソメラーゼ阻害剤類、エピポドフィリン類、9−アミノカンプトテシン、カンプトセシン、クリスナトール、マイトマイシン類、マイトマイシンC、代謝拮抗薬類、葉酸拮抗薬類、DHFR阻害剤類、トリメトレキサート、IMPデヒドロゲナーゼ阻害剤類、ミコフェノール酸、チアゾフリン、リバビリン、EICAR、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤類、ヒドロキシ尿素、デフェロキサミン、ピリミジン類似体類、ウラシル類似体類、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、ラチトレキセド、シトシン類似体類、シタラビン (ara C)、シトシンアラビノシド、フルダラビン、プリン類似体類、メルカプトプリン、チオグアニン、DNA代謝拮抗物質類、3−HP、2’−デオキシ−5−フルオロウリジン、5−HP、α−TGDR、アフィジコリングリシン酸塩、ara−C、5−アザ−2’−デオキシシチジン、β−TGDR、サイクロシチジン、グアナゾール(イノシングリコジアルデヒド)、マセベシンII、ピラゾロイミダゾール、ホルモン治療薬類、受容体拮抗薬類、抗エストロゲン、タモキシフェン、ラロキシフェン、メゲストロール、LHRH アゴニスト類、ゴセレリン、リュープロライドアセテート、抗アンドロゲン類、フルタミド、ビカルタミド、レチノイド類/デルトイド類、cis−レチノイン酸、ビタミンA誘導体、全トランスレチノイン酸(ATRA−IV)、ビタミンD3類似体類、E1) 1089、CB 1093、ICH 1060、光線力学的治療薬類、ベルテポルフィン、BPD−MA、フタロシアニン、光線感作物質Pc4、デメトキシ−ヒポクレリンA(2BA−2−DMHA)、サイトカイン類、インターフェロン−a、インターフェロン−I3、インターフェロン−y、腫瘍壊死因子、血管形成阻害剤類、アンギオスタチン(プラスミノーゲンフラグメント)、抗血管形成抗トロンビンUI、アンジオザイム、ABT−627、Bay12−9566、ベネフィン、ベバシズマブ、BMS−275291、軟骨由来の阻害剤 (CDI)、CAI、CD59補体断片、CEP−7055、Col3、コンブレタスタチA−4、エンドスタチン(コラーゲンXVIIIフラグメント)、フィブロネクチンフラグメント、Gro−beta、ハロフジノン、ヘパリナーゼ類、ヘパリンヘキサ糖フラグメント、HMV833、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、IM−862、インターフェロン誘導可能なプロテイン(IP−10)、インターロイキン−12、クリングル5 (プラスミノーゲンフラグメント)、マリマスタット、メタロプロテイナーゼ阻害剤類 (UMPs),2−メトキシエストラジオール、MMI270(CGS27023A)、MoAb IMC−I C11、ネオバスタット、NM−3、パンゼム、P1−88、胎盤RNA分解酵素阻害剤、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤、血小板因子−4 (PF4)、プリノマスタット、プロラクチン161(Dフラグメント、プロリフェリン関連のプロテイン(PRP)、PTK787/ZK222594、レチノイド類、ソリマスタット、スクアラミン、SS3304、SU5416、SU6668、SU11248、テトラヒドロコルチゾール−S、テトラチオモリブデート、サリドマイド、トロンボスポンジン−1(TSP−1)、TNP−470、形質転換成長因子β(TGF−11)、バスキュロスタチン、バソスタチン(カルレチクリンフラグメント)、ZD6126、ZD6474、ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤類 (FTI)、ビスフォスフォネート類、抗有糸分裂薬類、アロコルヒチン、ハリコンドリンB、コルヒチン、コルヒチン誘導体、ドルスタチン10、マイタンシン、リゾキシン、チオコルヒチン、トリチルシステイン、イソプレニル化阻害剤類、ドーパミン作動性神経毒類、1-メチル-4-フェニルピリジニウムイオン、細胞周期阻害剤類、スタウロスポリン、アクチノマイシン類、アクチノマイシンD、ダクチノマイシン、ブレオマイシン類、ブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、ペプロマイシン、アントラサイクリン、アドリアマイシン、エピルビシン、ピラルビシン(pirarnbicin)、ゾルビシン、ミトキサントロン、MDR阻害剤類、ベラパミル、Ca2’アデノシントリホスファターゼ阻害剤類、およびタプシガルギン。
【0068】
これに限定されるものではないが、本発明において使用される他の抗癌剤は、以下のとおりである:アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン(arnbomycin);アメタントロンアセテート;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシレート;ビゼルクシン(bizelcsin);硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼルシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン(dexorrnaplatin);デザグアニン;デザグアニンメシラート;ジアジクオン;ドセタキセル;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ジュアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロミチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;エピルビシン塩酸塩;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチナイド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;インターロイキン2(組み換え型体のインターロイキン2又はrIL2を含む), インターフェロンアルファ2a;インターフェロンアルファ2b;インターフェロンアルファ−nl;インターフェロンアルファ−n3;インターフェロンベータIa;インターフェロンガンマIb;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;ランレオチド酢酸塩;レトロゾール;酢酸リュープロライド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン(mecchlorethamine hydrochloride);酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ ;ミチンドミド;ミトカルシン;マイトクロミン;ミトギリン ;ミトマルシン;マイトマイシン;ミツスパー(mitusper);ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド(perfosfarnide);ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン(sparsornycin);スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード (uracit mustard);ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン(verteporfln);硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンレウロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボルゾルク(vorozolc);ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシン。
【0069】
これに限定されるものではないが、本発明に使用し得る化学療法薬は、以下のとおりである:20−エピ−1,25−ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL TK拮抗薬類;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アルニフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害物質;拮抗剤D;剤G;アンタレリックス;抗背側化形成タンパク質1;抗アンドロゲン薬, 前立腺癌;抗エストロゲン剤;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド類;アフィジコリングリシナート;アポトーシス遺伝子修飾物質類;アポトーシス調節因子類;アプリン酸;ara CDP DL PTBA;アルギニンジイミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1 ;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII 誘導体類;バラノール;バチマスタット;BCRJABL拮抗剤類;ベンゾクロリン類;ベンゾイルスタウロスポリン;β−ラクタム誘導体類;β−アレチン;ベタクラマイシンB(betaclarnycin B);ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビスアントレン;ビスアジリジニルスペルニン(bisaziridinylsperrnine);ビスナフィド;ビストラテンA;ビセレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトセシン誘導体類;カナリアポックスIL−2;カルボキサミドアミノトリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール(carboxyarnidotriazole);CaRest M3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼルシン;カゼインキナーゼ阻害剤類;カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロリン類;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA 誘導体類;クラシンA;シクロペンタンセラキノン類;シクロプラタム;サイペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリズマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメサゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ディデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ5 アザシチジン;ジヒドロタキソール, 9;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;ズオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロミチン;エレメネ;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲン作用薬 類;エストロゲン拮抗薬類;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステライド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン(fltidarabine);塩酸フルオロダウノルニイン(fluorodaunoruniein hydrochloride);ホルフェニメクス;フォルメスタン;フォストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤類;グルタチオン阻害剤類;ヘプスルファム;ヘレグリン ;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン ;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン類;イミキモド;免疫賦活薬ペプチド類;インスリン様増殖因子1受容体阻害薬;インターフェロンアゴニスト類;インターフェロン類;インターロイキン類;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン(iododoxorubiein);イポメアノール,4;イロプラクト;イルソグラジン;イソベングラゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−Nトリアセテート(larnellarin N triacetate);ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミソール;リアロゾール;線状ポリアミン類似体;親油性ジサッカライドペプチド;親油性白金錯体類;リッソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメテレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ラルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リゾフィリン;細胞溶解性ペプチド類;メイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン 阻害剤類;マトリックスメタロプロテアーゼ阻害薬,類;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;不適正な二本鎖RNA,;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体類;ミトナフィド;マイトトキシン成長因子サポリン;ミトキサントロン;モファロテロン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体, ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+マイオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子インヒビター;多腫瘍サプレッサ1−ベース治療剤;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリウム細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N 置換ベンズアミド類;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素修飾因子類;窒素酸化物酸化防止剤;ニトルリン;o(6)−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド類;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘発剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体類;パクリタキセル誘導体類;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペグアスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニル酢酸塩;ホスファターゼ阻害剤類;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害因子;白金錯体;白金錯体類;プラチナトリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルヒスチジンアクリドン(propyl his acridone);プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤類;プロテインAベース免疫調整剤;蛋白質キナーゼC阻害剤;蛋白質キナーゼC阻害剤類, 微細藻類;蛋白質チロシンホスファターゼ阻害剤類;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤類;プルプリン類;ピラゾロアクリジン(pyrazoloaeridine);ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン抱合体;raf拮抗薬類;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシル蛋白質トランスフェラーゼ阻害剤類;ras阻害剤類;rasGAP阻害剤;脱メチルレテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム類;RHレチナミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンBI;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1ミメティックス;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド類;シグナル伝達阻害薬類;シグナル伝達モジュレーター類;単鎖抗原結合性プロテイン;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合蛋白質;ソネルミン;スパルフォシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞抑制因子;幹細胞分裂阻害剤類;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤類;スルフィノシン;過度活動性血管作動性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スウェインソニン;合成グリコサミノグリカン類;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム塩;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤類;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチンミメティック;チマルファシン;チモポエチンレセプターアゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンすず;チラパザミン;チタノセンジクロリド;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤類;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤類;チロホスチン類;UBC阻害剤類;ウベニメクス;尿生殖洞由来増殖阻害因子;ウロキナーゼ受容体 拮抗剤類;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系, エリトロサイト遺伝子治療剤;ベラレソール;ベラミン;ベラジン類(verdins);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマー。
【0070】
上記で開示したような反応性の官能基を有する上記で特定した化学療法薬の何れかが、本発明のpzに結合し得てpzの複合体と腫瘍に局在化し得る化学療法薬を提供する。加えて、本発明は、本発明のpzを、化学療法又は放射線治療が有毒、即ち許容し得ない又は耐え難い副作用を治療中の患者にもたらす単独の化学療法又は単独の放射線治療の代替としての治療方法を提供する。
【0071】
本発明の方法では、本発明のpz又はpz複合体の治療効果のある、薬剤学上の実情に従って典型的に処方される量が、必要としている人間に投与される。本発明のpz又はpz複合体は、適切な投与法により投与される。
【0072】
医薬組成物は、本発明のpz又はpz複合体がその意図する目的を達成するのに効果的な量で投与されるように十分な量で存在するようにこれらを含む。正確な処方、薬の摂取方法、および投与量は、着目する特定の腫瘍を考慮して個々の医師により決定される。本発明のpzsは、意図する摂取方法および標準の薬学的上の実情に従って選択された医薬担体と混合して投与されるのが典型的である。本発明に従って使用する医療組成物は、pzの処理と投与を容易にする賦形剤および補助剤を含む生理学的に許容される一つ又はそれ以上の担体を使用して通常の方法で処方される。
【0073】
「担体」という用語は、本発明のpzと共に投与される希釈剤、補助剤、又は賦形剤のことをいう。このような医薬担体は、水と、石油、動物、植物、合成起源、ピーナッツオイル、大豆油、鉱油、ゴマ油などを含むオイルのような液体であり得る。これに加えて、補助剤、安定化剤、濃化剤、および潤滑剤を加えることができる。薬学的に許容し得る担体は、無菌のものである。pzが静脈内投与される場合は、水が好ましい。また、生理食塩水およびデキストロース水溶液およびグリセロール溶液が、液体の担体、特に注射液として採用され得る。適切な医薬担体には、デンプン、ブドウ糖、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどの賦形剤が含まれる。本発明の組成物は、所望なら、湿潤剤若しくは乳化剤又はpH緩衝剤も含み得る。
【0074】
これらの医薬組成物は、例えば、通常の混合、溶解、乳化、封入、又は凍結乾燥のプロセスにより製造され得る。適切な処方は、選択される薬の摂取方法に依存している。液体の状態で投与される場合、水のような液体の担体が加えられる。液体状態の組成物は、生理食塩水、デキストロース又は他の単糖類の溶液を更に含み得る。液体の状態で投与される場合、この組成物は、約0.1重量%〜約90重量%、好ましくは約1重量%〜約50重量%の本発明のpzを含んでいる。
【0075】
本発明のpzの治療効果のある量が、静脈、皮膚又は皮下注射によって投与されるとき、この組成物はピロゲンを含まない非経口的に許容し得る水溶液の状態である。このような非経口的に許容し得る水溶液の調製は、pH、等張性、安定性などに配慮して、当該技術分野の技術的範囲内で行われる。静脈、皮膚又は皮下注射に好ましい組成物は、典型的には、等張性の媒体を含んでいる。pzは、他の液体とともに10〜30分の時間又は数時間に亘って注入され得る。
【0076】
本発明のpzは、注射、例えば急速静注又は持続点滴による非経口的投与のために処方され得る。注射用の処方は、例えば、アンプル又は複数投薬容器の単位投薬量の形式で、保存料とともに表すことができる。この組成物は、懸濁液、溶液又はオイル又は水性媒体のエマルションなどの形式を採り得、懸濁、安定化及び/又は分散剤などの調剤用薬剤を含み得る。
【0077】
非経口的投与のための医薬組成物は、活性薬剤の水溶液を含み得る。加えて、本発明のpzの懸濁液は、適当な油性の注射懸濁液として調製され得る。好ましい脂溶性の溶媒又は媒体には、脂肪油又は合成脂肪酸エステルが含まれ得る。水性の注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる物質を含み得る。また、任意的に、この懸濁液は、適切な安定化剤又は化合物の溶解性を増大させて高濃度の溶液の調製を可能とする薬剤を含み得る。あるいは、本発明の組成物は、使用前に、例えば無菌のピロゲンを含まない水のような適当な媒体とともに構成するための粉体の形態であり得る。
【0078】
追加の実施形態として、本発明は、本発明の方法を実施するためにそれらの使用を手助けするように包装された一つ又はそれ以上の化合物又は組成物を包含するキットを含んでいる。一つの単純な実施形態では、そのキットは方法の実施に有用であるとしてここに記載した化合物又は組成物(例えば、pzおよび任意の第2の治療薬を含む組成物)を包み、シールされた瓶又は容器などの入れ物に包装され、本発明の方法を実施するための化合物又は組成物の使用を記載したラベルが入れ物に貼付され又はキットに入れられる。好ましくは、その化合物又は組成物は、単位投薬量の形態で包装されている。更に、そのキットには、意図された薬の摂取方法に従ってその組成物を投与するのに適した、例えば、注射器、点滴バッグ、パッチなどの器具を含めることができる。他の実施形態では、pzは凍結乾燥物である。この例では、キットは更に凍結乾燥物の復元に有用な溶液を含んだ追加の容器を含み得る。
【技術分野】
【0001】
本願は、全米科学財団によって賞を授与された取得番号No. CHE0500796によって支持されており、政府は本発明において所定の権利を有している。
【0002】
本発明は、2008年9月8日に出願された米国仮特許出願番号61/095,026の利益を主張し、参照によってその全体がここに取り入れられる。
【0003】
本発明は、ポルフィラジン化合物と、画像および腫瘍の治療におけるポルフィラジン化合物の使用とに関する。ポルフィラジン化合物は、腫瘍の中で局在化することが可能であり、光学的映像化、磁気共鳴(MR)画像化などの視覚化技術による腫瘍の検出を可能とする。また、ポルフィラジンは、(光活性化なしに)単独で投与されたとき、又は化学療法薬若しくは可視若しくは近赤外光を含む放射線とともに投与されたとき、ポルフィラジンとは異なる化学療法薬に結合したときに、腫瘍サイズを小さくし、又はこれを取り除く。
【背景技術】
【0004】
乳癌患者の生存率は、もしそれらを早い段階で発見し、続いて化学療法、手術、放射線などの治療を施せば好転し、残存癌細胞は細胞のレベルで検出され得る。乳癌の早期スクリーニングのための主たる技術、即ち、X線マンモグラフィーは効果的ではあるが不利益もある。相対的な密度に基づく正常組織と癌組織との違いは偽陽性が原因で小さく、患者を不必要で侵襲的でしばしば苦痛を伴う追加的なテストに曝すことになる。更に、X線処置に特有のイオン化放射に曝すことは、危険性の高い患者を検査する頻度が制限される。この技術の限定的な感度は、手術後に残存癌細胞の集合の識別に失敗することと同様に、小さい初期段階の腫瘍を見逃したままにする。新しく感度が高く安全な検出方法は、乳癌の診断と、乳癌患者の予後とを疾病率および死亡率のレベルを低減することにより改善する。
【0005】
近赤外(NIR)を使用した蛍光画像造影剤は、新規で哺乳類の組織NIR光(約700〜1000nm)に対する相対的な透明性を利用する腫瘍検出に対して感度が高い。可視及びNIRにおける光を吸収し発光し腫瘍組織に蓄積する造影剤は、軟組織を透して光学的に撮像し、それによって、胸部などの軟組織における表在性腫瘍に対する理想的で非侵襲性の検出方法を提供する。
【0006】
従って、相対的な軟組織透明性のウインドウ内の可視及び近赤外(NIR)波長における光を用いた軟組織の光学的吸収/蛍光又はリン光による画像化は、腫瘍検出の重要な画像化方法の代表であるが、他の画像化様式として効果的な造影剤が必要となる。ポルフィロイド大環状分子に分類されるポルフィラジン類(pzs)は、それを光学的腫瘍画像化造影剤、及び光学的/磁気的共鳴(MR)デュアルモード造影剤の両方に他に類を見ない魅力的なものとする光物理的、化学的、生物学的特性を示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】M. J. Fuchter et al., Aust. J. Chem. 2008, 61, 235-255.
【非特許文献2】N. D. Hammer et al., J. Med. Chem. 2005, 48, 8125-8133.
【非特許文献3】B.J. Vesper et al., J. Photochem. Photobiol., B 2006, 82, 180-186.
【非特許文献4】A. Sholto et al., Photochem. Photobiol. 2008, 84, 764-773.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ポルフィラジン化合物と、ポルフィラジン化合物の哺乳動物の腫瘍の画像化および検出における使用と、このような腫瘍のサイズの縮小および除去とを指向している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
可視および近赤外(NIR)光学画像化は、乳癌診断のための、そして皮膚および精巣癌を含む他の癌に対する正確で非侵襲性の手段であることが明らかになりつつある。本発明のキラールポルフィラジン化合物のような腫瘍特有の蛍光造影剤は、初期段階および治療介入後の癌検出を大きく進歩させる。従って、本発明の一実施形態は、腫瘍に局在化し得るポルフィラジン化合物を提供する。可視および近赤外の波長範囲(例えば、約730nm)の蛍光を発し、インビトロでの腫瘍細胞摂取を示し、無視し得るバックグラウンドで強い蛍光を表すインビボでの皮下腫瘍における腫瘍特有の蓄積および保持を示す。
【0010】
本発明は、以下の実施形態を含む:(a)腫瘍を検知するための可視又はNIR光学造影剤として機能するポルフィラジン、(b)腫瘍細胞に対して毒性を示し、これによって、単独で投与されたとき(光活性化あり又はなし)又は例えば化学療法、放射線及び/又は手術などの他の癌治療手段と組み合わせて、腫瘍のサイズを小さくし又は消滅させ、(c)ポルフィラジン化合物は、ガドリニウム錯体のようなMR造影剤に結合して、腫瘍に局在化し、付随する画像の3次元的な質の向上により腫瘍の2つの光学的/MR検出を可能とする複合体を提供し、そして、(d)ポルフィラジンは、アロマシン、タモキシフェン、タキソテール、ゼローダ、メトトレキサート、ドキソルビシンなどの非pz化学療法薬に結合することができ、治療中の患者における治療薬のリアルタイムで非侵襲性の画像を提供するのと同様に、化学療法薬の効果を高めるために腫瘍に局在化する複合体を提供する。
【0011】
本発明の他の実施形態は、視覚化のための本発明のポルフィラジン化合物の十分な量を個体に投与し、次に哺乳動物においてポルフィラジンを視覚化することによる、哺乳動物における腫瘍の検出方法を提供する。視覚化は、光学的画像化、NIR画像化、PET画像化、MR画像化及び同様の画像化技術の一つ又はそれ以上であり得る。本発明のこの態様は、本発明のポルフィラジン化合物を単独で投与した後に、二つ又はそれ以上の画像化方法が使用され得る。
【0012】
本発明の更に他の実施形態は、腫瘍を有する個体を治療する方法を提供し、ポルフィラジン化合物は、腫瘍に局在化し光活性化を伴い又は伴わずに腫瘍細胞を殺すのに十分な量で個体に投与される。更に他の実施形態では、ポルフィラジン化合物は非pz化学療法薬に結合し、結果として生じる複合体は、腫瘍サイズを小さくし、又はこれを取り除くために個体に投与され、一方で腫瘍及びそれが縮小するリアルタイムで非侵襲性の画像を提供する。
【0013】
本発明の他の実施形態では、研究、診断及び臨床への応用のための画像化におけるキット及び使用方法を更に提供する。
【0014】
本発明のこれら及び他の新規な形態は、好ましい実施形態についての以下の詳細な記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、A549肺癌細胞における化合物176のNIR蛍光の共焦点像である(倍率63倍)。
【図2】図2は、 尾静脈への注射(20nモル)後のインビボでのMDA231腫瘍における長時間の化合物247の蓄積の強度プロフィールであり、蛍光強度は、Kodak MM4000マルチモーダルイメージャーで同時に記録された解剖学的X線画像に対して表されており、A)5時間、B)24時間、C)32時間、d)48時間(0〜255にスケールされている)である。
【図3】図3は、化合物247の50μM、24時間染色のNIR発光である。
【図4】図4は、化合物247、50μMのMTT試験である。
【図5】図5のAは、FVB/n5 RaglのX線画像に重ね撮りした730nm発光画像−/−PC3−EGFP細胞の注射により生成した脛骨の腫瘍を有する雄のマウス、Bは、皮膚を除去した切除レッグから採った腫瘍におけるGFP発現からの535nm発光を用いた化合物247の730nmの発光の重畳画像である。
【図6】図6は、化合物247の20nモルを注射したマウスの切除した脛骨を表し、Aは、X線画像に重ね撮りしたPC3−EGFP腫瘍の535nmGFP蛍光、Bは、X線画像に重ね撮りした化合物247の730nmNIR蛍光である。
【図7】図7は、皮下注射され赤色蛍光タンパク質(RFP)によって安定に発現させたMDA−MB−231腫瘍の生きた動物と、化合物247との着色蛍光画像であり、尾静脈への化合物247の20nモル注射の後48時間で取得した画像である。Aは、RFP蛍光、Bは、化合物247のNIR蛍光、Cは、FRPと化合物247の画像とを合わせたものであり、腫瘍における共存を表している。
【図8】化合物247と、核に対してDAPI(DNA結合性の蛍光性色素)で対比染色した4μmのパラフィン包埋切片である図7の右側の腫瘍からの腫瘍との共局在化を示しており、Aは、DAPI(2個の光子の720nm励起、435nm発光)とRFP(543nm;565〜615発光)の重畳画像であり、Bは、DAPIとRFP(633nm;650〜715発光)の重畳画像であり、Cは、DAPIとRFPと化合物247の3重画像である。
【図9】図9は、60nモルの化合物262を注射したマウスのNIRおよびMR画像であり、Aは、注射後0時間の動物全体のNIR蛍光であり、Bは、注射後2時間のマウスの腹部中央横断スライスT1−強調MR画像である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、光学的、化学的および生物学的特性の組み合わせが、光学的吸収/蛍光腫瘍造影剤としておよび複合的な光学的/MRI造影剤として両方に一意的に魅力的なものとなるポルフィラジン類(pzs)を指向している。試験結果は、本発明のpz化合物が最適な組織侵入性を以て強い光学的吸収とNIRウインドウおける蛍光を示し、腫瘍細胞および腫瘍によってインビボで選択的に取り込まれることを示している。加えて、それらの合成の柔軟なモデルは、pzsの非pz化学療法薬およびMR緩和能剤とカップリングして複合体を形成することを可能とする。ここで使用されるように、「pz複合体」は、MR造影剤又は非pz化学療法薬と結合したpzを意味している。
【0017】
また、本発明のpzsは、単独(光活性化により又はそれなしに)又は手術、化学療法及び/又は放射線などの他の腫瘍治療方法との組み合わせにより、腫瘍のサイズを縮小させ又は除去する。更に、本発明のpzsは、化学療法薬を腫瘍内に局在化させる複合体を提供するために非pz化学療法薬と結合し得、これにより、腫瘍のコントロールと治療中の直接的で非侵襲的な視覚化とが高められる。
【0018】
従って、本発明は、ヘテロ原子官能化pzsおよびそれらの光学的およびデュアルモード光学/MR造影剤としての使用に関連し、ここで、デュアルモード造影剤は、常磁性体造影剤をヘテロ原子官能化pzsに結合することにより生成する。本発明の実施形態は、光学的/デュアルMR画像化治療薬のような複合体の使用を含んでいる。また、本発明のpzsは、それ自体が化学療法薬として有用であり、更に、非pz化学療法薬に結合し得て、化学療法薬を腫瘍を狙って局在化させるpz化学療法薬複合体を提供する。
【0019】
イオウ官能化pzsの研究は、それらの光学的造影剤としての潜在的使用をサポートする(非特許文献1〜4)。酸素官能化pzsがインビボでの高度な選択的腫瘍摂取を示し、正確な蛍光画像化が可能であることが初めて発見された。更に、NIR発光に加えて高いMR緩和能を示すデュアルモード光学/MR造影剤が合成された。
【0020】
ヘテロ原子官能化ポルフィラジン類(pzs)およびそれらの誘導体は、最近では腫瘍検出の光学的造影剤として、そして光力学的治療(PDT)を使用する癌治療のプラットフォームとして考えられているポルフィリノイド(porphyrinoid )大環状分子である。これらのpzsは、強いNIR吸収/発光を有し、合成的に柔軟で、独立して両親媒性と細胞識別性とポルフィラジン類の腫瘍特異性の保持に影響する特性とを調整する必要があるものの、所望のNIR光学特性を有するpzを設計することを可能としている。
【0021】
ポルフィラジン類(pzs)は、メソ炭素が窒素で置き換えられているという点でポルフィリン類とは異なる芳香族大環状分子である。メソ窒素原子は強いNIR吸収および白光を与え、それによって、pzsを光学的画像を介する外見上の癌の検出に対する優れた光線感作物質にしている。本発明の化合物は、従って、ここで「pz」と省略する以下の大環状コアを有している。
【0022】
【化1】
本発明のポルフィラジン化合物は、以下の一般構造を有している。
【0023】
【化2】
ここで、pzは上記に定義され、
Mは、2H又はピロール窒素原子と複合体を形成し得る金属イオンであり、
nは、1〜3であり、
Aは、(−N(R1)2)2、(−OR1)2、又は(−SR1)2であり、
Bは、pzに結合した、一つ又はそれ以上の−XR2基で置換されたベンゾ環であり、ここでXはO又はSであり、
R1は各々独立に、また、R2は各々独立に、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換されたC1-6アルキル、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換されたC3-6シクロアルキル、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換された(CH2)1-3C3-6シクロアルキル、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換されたCH2)1-6C6H5からなる群から選択される基であり、ここで、各R3は、独立してH、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は(CH2)1-3C3-6シクロアルキル;
【0024】
【化3】
pは0〜10であり、ここで、
【0025】
【化4】
および
【0026】
【化5】
又は2つのR1基が1つになって5又は6員環を形成してもよい。
【0027】
例えば、2つのR1基がつになって以下のように(R−R)となり、又はそれらの対掌体であってもよい。
【0028】
【化6】
ここで使用されているように、「アルキル」という用語は、線状又は分岐アルキルをいい、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチルおよび3−メチルー2ブチル含むが、これらに限定されるものではない。
【0029】
ここで使用されているように、ポルフィラジン類の「M」は、2H又は何れかのメタロイド又はポルフィラジンのピロール窒素原子と複合体を形成し得る金属イオンである。ポルフィラジン化合物の「M]は、従って、2つの水素原子又は一つの金属イオンであり得、これには、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、又は第3周期の全て、ランタニド、アクチニドが含まれるが、これらに限定されるものではない。「M」の非限定的な例示には、ニッケル、銅、2つの水素原子、マグネシウム、鉄、アルミニウム、マンガン、ガドリニウム、ロジウム、インジウム、タリウム、ルテチウム、金、コバルト、チタン、鉛、白金、パラジウム、ルテニウム、リチウム、亜鉛、イッテルビウム、ネオジム、クロム、テクネチウム、ケイ素、ゲルマニウム、錫、モリブデン、ジルコニウム、タングステン、レニウム、イリジウム、ウラン、トリウム、ガリウム、およびバナジウムが含まれる。特定の「M」が何であるかは、ポルフィラジン化合物に望まれる物理的および化学的特性に依存している。好ましいいくつかの例では、「M」は、2H、Mg、Zn、Cu、又はMnである。
【0030】
本発明のpz化合物は、マレオニトリル/イソインドリン誘導体の縮合により調製され、従って、pz芳香コアに直接結合した付加イオウ、酸素又は窒素のヘテロ原子との化学的柔軟性を提供する。本発明のM[pz(An;B4-n)]のpzsへの合成ルートは、腫瘍への搬送と、物理的および化学的特性と、ある場合には腫瘍細胞への固有の毒性とを独立して最適化することを可能とする。本発明の好ましいpzsは、M[pz(A2;B2)]の構造を有し、より好ましくは、M[pz(trans-A2;B2)]の構造を有している。
【0031】
M[pz(trans-A2;B2)]の化合物は、優れた光学的特性を示し、このようなpzsの広大なライブラリが用意されている。共焦点蛍光顕微鏡によって観察された細胞の摂取は、pzの全体に亘る両親媒性に依存し、定性的な分析は、非腫瘍形成(例えば、WI38VA13)に対する腫瘍細胞(例えば、A549)への優先的な摂取を示している。
【0032】
以下の合成スキームは、化合物247と、関連するキラールなO−およびS−付加したpzsの合成を示している。特に、(5R、6R)2、3−ジシアノ−5、6−ジメトキシ−5、6−ジエチルジオキシ−2−エン(1)と、4、7−ビス(イソプロピルオキシ)−1、3−ジイミノイソインドリン(2)は、文献記載の方法で調製され、マグネシウム鋳型の環化縮合が行われて、pzs241−257(スキームA)が得られる。関連するキラールなイオウ結合ポルフィラジン300−cRは、スキームBに示されている。
【0033】
【化7】
(i)Mg(OPr)2、n−PrOH、18時間還流;(ii)酢酸、CH2Cl2、24時間;(iii)Zn(OAc)2、MeOH、24時間
【0034】
【化8】
以下の合成スキームは、複合pz−Gd複合体(即ち、Gd3+−付加した)の合成のための一般的な手法を示している。これらの複合体は、腫瘍のNIRとMRの両方の画像化を可能とする。遊離塩基のpzアジドは、A2B2−4エステルから完全なそして半化学量論的な加水分解によって、続いて求核試薬として1−アジド−3−アミノプロパン又はビス(2−アジドエチル)アミンを使用してNHSエステルカップリングにより合成された(スキームC)。遊離塩基のpz−アジドはZnCl2によりメタル化され、Zn−pz−アジドを定量的に得た。これらのZn−pz−アジドをGd3+DOTA−アルカリキレートと結合させるのにクリックケミストリーが採用された。金属を含まないpzへの応用は、Cu−pzを得る(例えば、スキームD)。最終的な複合体は、1、2、4および8付加したGd3+キレートを有している。
【0035】
【化9】
(i)4当量のLiOH、THF/H2O;(ii)1当量LiOH、THF/H2O;(iii)DCC/NHS(ジシクロカルボジイミド/N−ヒドロキシスクシンイミド)、THF;
(iv)1−アジド−3−アミノプロパン、CH2Cl2;(v)ビス(2−アジドエチル)アミン、CH2Cl2
【0036】
【化10】
以下の化合物は、8つのガドリニウム錯体(Gd)を含む本発明のデュアル画像化化合物を例示している。本発明のpz化合物は、所望により又は必要により、1〜8のGd錯体を含み得る。以下のGd8−Mpz化合物においては、Mは2H、Mg、Zn、又はCuであり、好ましくはZn又はCuである。
【0037】
【化11】
以下は、腫瘍に局在化し得て腫瘍細胞を画像化及び/又は殺すのを促進する特定のpz化合物である。
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
腫瘍検出用の診断プローブとしての使用のための本発明の非侵襲性のpz化合物は、患者の診断結果と癌再発の治療後の観察とにおける重要な改善をもたらし、これにより癌の死亡率が低下する。ここに開示したポルフィラジン類は、可視およびNIR吸収/発光を示すポルフィリンのような化合物であり、体内に生じた細胞株とは対照的に、インビトロで腫瘍細胞株に選択的に蓄積し保持される。
【0040】
実験は、本発明のpz化合物がa)最適の組織透過性を有する可視およびNIRウインドウにおいて強い光学吸収と蛍光とを示し、b)腫瘍細胞によって選択的に摂取され(図1)、インビボで腫瘍に局在化する(図2)、ということを示している。pzsの合成の柔軟なモードは、pzsの非pz化学療法薬剤とのカップリングを可能とし、この非pz化学療法薬剤は、臨床評価における化合物およびMR緩和剤と同様に、現在乳癌および他の癌の治療に使用されているものである。
【0041】
特に、図1は、本発明の化合物176がA−549肺癌細胞に蓄積することを示している。図2は、化合物247(20nモル)が尾静脈注射後にMDA−231腫瘍にインビボで長期に亘って(5〜48時間)蓄積されることを示している。
【0042】
化合物247のNIR蛍光の共焦点顕微鏡画像(図2)は、A549肺癌細胞へのその優れた摂取と、WI38 VA13非腫瘍細胞へのより少ない摂取(図3)が確認される。化合物247に対するMTT試験は、非腫瘍細胞(WI38 VA13)への非毒性と、腫瘍セル(A549)への穏やかな毒性を示している。MTT試験は、S.Lee他、Metal−Based Drugs (2008)、391−418頁に開示されている手法を使用して行った。
【0043】
また、経時変化の研究は、化合物241、243、244、246、247、249、254、および255を使用し、A549肺癌細胞と、WI38 VA13非腫瘍細胞を用いて行った。その研究により、本発明の腫瘍細胞におけるpzの蓄積と、腫瘍細胞の生存能力の低下が確認された。
【0044】
pzの動物における生体内分布を明らかにするために、担癌マウスに化合物247を注射したところ、図2に示すように、予期しない腫瘍局在化の結果となった。一つの実験では、pzsの画像化の4週間前に、雄のFVB/n5 Rag−1 −/−マウスに、5X105 PC3−EGFP(GFPを安定発現する人の前立腺腫瘍細胞)を脛骨に注射した。画像化に先だって、マウスは4%イソフルレンで麻酔され、20nモルの化合物247(150μリットル、7.5%DMSO)が尾静脈の静脈内に注射された。蛍光画像は、直後、2、24および42時間後に撮られた。625nmの励起バンドパスフィルターと、700nmの発光バンドパスフィルターとを使用して、pz蛍光が4時間後に肝臓に見られたが、24時間後ではpzはマウスの脛骨腫瘍に高度に局在化していた(図5)。GFP画像は、465nmの波長の励起を使用し、535nmで蛍光が検出された。X線画像を解剖の位置合わせとして取得した。
【0045】
次に、マウスを安楽死させ、下肢を切除し、周囲の皮膚および筋肉なしに画像を取得した。pzからの赤色蛍光と画像と、PC3−EGFP腫瘍細胞からの緑色蛍光の重ね撮り画は、化合物247からの赤色蛍光が腫瘍に局在化していることを示している。GFPおよびpz蛍光が両方とも腫瘍に局在化したままで、図6のマウス2(M2)に示すように、化合物247の腫瘍局在化は再現可能である。図6は、20nモルの化合物247を注射したマウスの切除した脛骨を示しており、X線を重ね合わせたPC3−EGFP腫瘍の535nmGFP蛍光(図6A)と、X線を重ね合わせた化合物247の730nmNIR蛍光(図6B)である。マウス3(M3)は、GFPがないことから分かるように、腫瘍を有していない。M3の脛骨からのNIR蛍光がないことは、pzがその骨に非特異的に保持されているのではないことを示している。
【0046】
化合物247が確実にそして再現性よく1つ以上の組織起源の腫瘍に局在化することを確認する第2の実験においては、安定的に赤色蛍光プロテイン(RFP)を発現するMDA−MB−231−RFP細胞がメスのSCIDマウスの皮下に注射された。図2および7を参照されたい。このアプローチは、優れた確認情報を提供し、その理由は、(a)非侵襲的に検出することが困難な骨腫瘍とは対照的に、触診可能な皮下腫瘍が容易に識別でき、(b)画像化に先だって皮膚の除去が必要なGFP腫瘍とは対照的に、RFP発現腫瘍は皮膚を通して見ることができ、(c)腫瘍へのpz局在化は、非侵襲的な動物全体の画像化の間に見ることができ、(d)腫瘍は容易に採取され、固定され、組織化学的および生物学的分析のために処理されるからである。
【0047】
5匹のマウスに20nモルの化合物247が7.5%DMSO溶液で静脈内投与された。RFP発光に使用された発光波長は535nmであり、565−615nmのバンドパスフィルタを使用して発光を検出した。化合物247は625nmバンドパスを使用して励起し、700nmで発光を検出した。RFP蛍光フィルタは化合物247の励起および発光の何れにも重なっていない。従って、画像化中に望ましくない信号の浸入はない。
【0048】
RFPについての画像は、pz蛍光と同様に、5、24、32および48時間後に撮像された。pz蛍光は僅か5時間後に検出可能であり、強度は48時間の実験の間に劇的に増大し、RFP蛍光に対し正確に共局在化を示した。加えて、他のマウスの臓器又は組織にpz蛍光は存在しなかった(図2および7)。この顕著な対比から、化合物247はNIR蛍光腫瘍撮像装置を刺激するものとして機能する。
【0049】
48時間の実験の最後に、腫瘍は切除され、抗体染色のために処理された。スライスしたものが核のために染色され(DAPI)、不均一な3次元腫瘍内での局在化を決定された。図8の結果は、化合物247が腫瘍シトソルに正確に共局在化していることを示している。RFPとpzが組織の処理に残存することの重要な利点が記録された。
【0050】
NIR画像化剤としての機能に加えて、本発明のpzsは多面的光学MR(磁気共鳴)造影剤のプラットフォームとしても機能する。
【0051】
デュアルモード造影剤は、光学的およびMR画像データの位置合わせを可能とするために、pz光学剤をガドリニウムベース(Gd)のMR剤と結合させることにより生成された。本発明のpzの構造の合成的な多用途性は、多数のMR画像化剤、例えばGd3+キレートをpz構造に付加する種々の方策を可能とする。これらの新しい多様なpz−ベースの薬剤は、2つの大きな利点を有している:即ち、(a)高分子ベースの薬剤は単分散ではなく、12、000〜170、000の分子量の範囲を示し、特徴付けるのが困難であり、(b)ポリマーにおけるGd3+キレートの緩和能は、単一のGd3+キレート分子(3mM-1s-1/Gd)とほぼ同じである。このことは、ポリマー全体の回転より、ポリマーに結合したGd3+錯体の自由回転が、有効回転相関時間(R)、従って緩和能の制限を支配することを示している。pzに付加したGd3+キレートの緩和能は、14mM-1s-1/Gdである(表1)。
【0052】
Gd−pzsの調製においては、4〜8のGd3+キレートをM[pz(A2;B2)]pzに付加して、上記のGd8−Mpz複合体(M=Zn、Cu)と、そして類似のpzの「腕」毎に一つのキレートを有するGd4−Mpz複合体とに導くために「クリック」ケミストリーが使用された。表1に示すように、上記で論じた第1世代の高分子多重Gd剤に比較して、Gd−pzsの分子緩和能(r1)は低分子量複合体については極端に高く、そして、単一のGdキレートのそれより非常に高い。このことは重要であり、何故なら、複合体の観測された緩和能が高いほど、インビボでのMR造影剤としての効果が大きいからである。重要なのは、これらの複合体はデュアルモード造影剤として適切であるということであり、何故なら、8つものGd剤の存在は、M=Znの複合体についてはpz蛍光に大きく影響することはないからである。加えて、pz−Gd複合体は水に可溶であり、DMSOの添加なしに小動物に投与され得る。
【0053】
【表1】
20nモルおよび60nモルのGd8−MpzのFVB/n5 Ragl−/−メスのマウスへの注射は、毒性を示さないことを示した。60nモルのGd8−Mpzの注射後2時間のMR画像は、4.7Tの小動物MR画像化マグネットで取得したT1強調画像上で、腫瘍のみならず腎臓および膀胱においてGd3+によるT1画像の高揚を示した(図9)。Gd8−Mpzの長い保持時間は、その化合物を脈管構造への照射と、心臓血管の疾病の診断に使用することができることを示している。NIR発光は腫瘍内のpzsからのみ見られた。Gd8からのNIR蛍光は、最高濃度においても検出されなかった。
【0054】
Gd8−Mpzは腫瘍組織にはあまりに親水性であるが故に効果的に侵入することができないことが理論化されている。従って、単一のGd3+を有するpz、即ち、化合物270が合成された。化合物270は、50μMの化合物270で染色されたWI38 VA13細胞による共焦点蛍光画像に示すように、確かに培養下の生きた細胞に摂取されることが分かった。最も顕著なのは、Gdキレートそれ単独では細胞には蓄積しないことである。従って、Gdに付加した蛍光を発するpzは、MR剤の腫瘍細胞への優先的な摂取を容易にするベクターと、二重の薬剤の細胞より小さい局在化を示すレポーターとの両方の機能を果たし得る。
【0055】
これらのpz−Gd化合物のMR特性を試験するために、WI38 VA13細胞をpz270の0、50および100μモルで処理し、細胞ペレットを4.7TのBruker Biospec磁気共鳴画像化装置で画像化した。大きな濃度依存のMRコントラスト高まりが化合物270によって示された。pzでラベルした細胞とラベルしない細胞との間のノイズ対コントラスト比(CNR)は、50μモル処理については26、100μモル処理については40である。参考のために、臨床的に最小の検知可能なCNRは、3−5であると考えられている。この結果は、多様式の造影剤としてのGd−pzsを確立している。
【0056】
光学的造影剤としての使用のための化合物247の両親媒性と腫瘍摂取の最適化の例として、pz260が調製された。化合物260は、化合物270と同じ6員環のキラールな[O−R]2を含んでいるが、フリーなヒドロキシ部分をR2に有している。追加的に重要なことは、化合物260は、Gdキレートおよび化学療法薬に結合するための一つ又はそれ以上のサイトを提供していることである。インビトロの実験は、化合物247の腫瘍に特化した摂取性に対する、このRによって誘起された両親媒性の変化の影響を示している。更なる改良は、以下のpが0〜10の場合のような置換基を採用することであるが、これに限定されるものではない。
【0057】
【化14】
多様式な画像アプリケーションのために、Gd3+キレートをpzに付加するためのクリックケミストリーが使用され得る。クリック結合反応は手軽で高収率であり、銅触媒がフリーベース(M=H2)pzのコアを金属化する。好ましい蛍光プローブは、フリーベースpz(M=2H)であり、従って、Gd3+キレートを結合させるための代替のアプローチがスキームEに示されている。このアプローチは、化合物260の末端ヒドロキシル基のトシル化を含み、続いてアミノ末端Gd3+キレートに結合される。pzの半化学量論的トシル化は、種々の数(例えば、1〜4)のGd3+キレートを許容する。
【0058】
【化15】
Gd3+複合体の本発明のpz化合物への付加に類似して、非pz化学療法薬が本発明のpz化合物に結合し得る。活性な−CO2H、−OH、−SH、及び/又は−NH2基を、例えばpzの半分の部分に有する本発明のpz化合物は、pzの活性基と結合し得る−NH2又は−CO2Hのような官能基を有する非pz化学療法薬と結合し得る。
【0059】
結果として生成するpz−化学療法薬複合体は、pz化合物が腫瘍において化学療法薬を局在化させるので、化学療法薬の効果を高めることになる。また、腫瘍での化学療法薬の局在化は、正常な組織での副作用の重症度を減少させる。
【0060】
この腫瘍標的方法の例は、抗癌剤、ドキソルビシンを一つ又はそれ以上の化学的に活性な基を有するpz化合物に結合させることである。pzをドキソルビシンのアミノ基と結合させる多くの代替の結合方法が存在する。一例は、化合物260からスタートし、4つの化学療法薬を化合物260に結合するために、スキームEに相当する手法を使用することである。
【0061】
【化16】
pzに結合し得る官能基を有する追加の化学療法薬には以下のものが含まれるが、これらに限定されるものではない:メトトレキサート、アミノグルテチミド、アロマシン、クロラムブシル、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、メルファラン、プロカルバジン、チオグアニン、ゲムシタビン、イダルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、タモキシフェン、タキソテール、ゼローダ、およびトリメトレキサート。−CO2H、−OH、−NH2、又は−SH(又は活性化された誘導体、例えば、この分野で公知の脱離基がこれらの基の水素原子を置換したもの)を有する以下に掲げられた追加の多くの化学療法薬が本発明のpzと結合され得る。
【0062】
本発明のpzsは、以下を含みこれらに限定されない腫瘍の光学的および多重モード画像化への使用が見出された:即ち、胸部、肺、皮膚、精巣、および他の上気道消化器腫瘍を含み、同時に造影剤/直接的に腫瘍を破壊し光力学的治療の適用を行う抗腫瘍薬として機能する。本発明のpzsは、MRおよびNIR造影剤として、PET(ポジトロンCT)造影剤として、および核造影剤としての使用が見出された。更に、本発明のpzsは、治療薬としておよび造影剤/治療薬として同時に使用され、その治療効果は光活性化(光力学治療)により又はこれなしに現れ、また、化学療法薬への結合により又はこれなしに現れることが見出された。
【0063】
一実施形態では、本発明は、癌性腫瘍の治療方法を提供し、これは、広く知られている手術、放射線治療、および化学療法の抗腫瘍手段と結合して、本発明のpzを(光活性化により又はこれなしに)投与することを含んでいる。治療の効果は臨床研究又はマウスにおける腫瘍モデル又は細胞培養感度試験のようなモデルシステムで測定され得る。本発明は、改善された効果と低減された毒性とをもたらす併用療法を提供する。従って、一実施形態では、本発明は、手術、放射線治療、又は化学療法と併用する本発明のpzの使用に関連している。また、本発明のpzは、癌性腫瘍の治療方法において単独で、光活性化により又はこれなしに使用され得る。好ましい一実施形態では、非pz化学療法薬は、腫瘍をターゲットとして化学療法薬を所望の作用サイトに結集し、治療とモニタリングと再発の抑制の間のリアルタイムで非侵襲的な腫瘍縮小のモニタリングを可能とするために、pzに結合される。
【0064】
本発明の併用療法が一つ又はそれ以上の付加的な抗癌剤とともに本発明のpzを投与することを含むとき、pzおよび付加的な抗癌剤は、一人に同時に又は連続して投与することができる。また、これらの薬剤は、周期的に投与され得る。周期的な治療は、一定の期間に一又はそれ以上抗癌剤を投与し、続いて一定の期間に一つ又はそれ以上の異なる抗癌剤を投与し、この一連の投与、即ちサイクルを繰り返すことを含み、これは、投与されている一つ又はそれ以上の抗癌剤の耐性発現を低減させ、投与されている一つ又はそれ以上の抗癌剤の副作用を回避し若しくは低減させるために、及び/又は治療効果を高めるためである。
【0065】
追加的な抗癌剤は、一連のセッションに亘って投与され、以下にリストされる追加的な抗癌剤の何れか一つ又は組み合わせが投与され得る。
【0066】
本発明は、それを必要としている個人に本発明のpzと一つ又はそれ以上の追加の抗癌剤又は薬剤的に許容されるその塩とを投与することを含む癌の治療方法を含んでいる。pzと一つ又はそれ以上の追加の抗癌剤は、相加的又は相乗的に機能し得る。これに限定されるものではないが、追加の抗癌剤に適するものは、ゲムシタビン、カペシタビン、メトトレキセート、タキソール、タキソテール、メルカプトプリン(mereaptopurine)、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソウレア類、マイトマイシン、ダカルバジン、プロカルバジン、エトポシド、テニポシド、カンパシーインス(campatheeins)、ブレオマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、ドキソルビシン,エピルビシン、5−フルオロウラシル (5−FU)、タキサン類 (ドセタキセルおよびパクリタキセルなど)、ロイコボリン、レバミゾール、イリノテカン、エストラムスチン、エトポシド、ナイトロジェンマスタード類、BCNU、ニトロソ尿素類 (カルムスチンおよびロムスチンなど)、白金錯体類 (シスプラチン、カルボプラチンおよびオキサリプラチン など)、メシル酸イマチニブ、ヘキサメチルメラミン、トポテカン、チロシンキナーゼ阻害剤類、チルホスチ類ハービマイシンA, ゲニスタイン、エルブスタチン、およびラベンダスチンAである。
【0067】
一実施形態では、これに限定されるものではないが、抗癌剤は以下の群から選択される薬剤であり得る:アルキル化剤、ナイトロジェンマスタード、シクロホスファミド、トロホスファミド 、クロラムブシル、ニトロソ尿素類、カルムスチン (BCNU)、ロムスチン (CCNU)、スルホン酸アルキル類、ブスルファン、トレオスルファン、トリアゼン類、植物性アルカロイド類、ビンカ・アルカロイド類(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン)、タキソイド類、DNA トポイソメラーゼ阻害剤類、エピポドフィリン類、9−アミノカンプトテシン、カンプトセシン、クリスナトール、マイトマイシン類、マイトマイシンC、代謝拮抗薬類、葉酸拮抗薬類、DHFR阻害剤類、トリメトレキサート、IMPデヒドロゲナーゼ阻害剤類、ミコフェノール酸、チアゾフリン、リバビリン、EICAR、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤類、ヒドロキシ尿素、デフェロキサミン、ピリミジン類似体類、ウラシル類似体類、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、ラチトレキセド、シトシン類似体類、シタラビン (ara C)、シトシンアラビノシド、フルダラビン、プリン類似体類、メルカプトプリン、チオグアニン、DNA代謝拮抗物質類、3−HP、2’−デオキシ−5−フルオロウリジン、5−HP、α−TGDR、アフィジコリングリシン酸塩、ara−C、5−アザ−2’−デオキシシチジン、β−TGDR、サイクロシチジン、グアナゾール(イノシングリコジアルデヒド)、マセベシンII、ピラゾロイミダゾール、ホルモン治療薬類、受容体拮抗薬類、抗エストロゲン、タモキシフェン、ラロキシフェン、メゲストロール、LHRH アゴニスト類、ゴセレリン、リュープロライドアセテート、抗アンドロゲン類、フルタミド、ビカルタミド、レチノイド類/デルトイド類、cis−レチノイン酸、ビタミンA誘導体、全トランスレチノイン酸(ATRA−IV)、ビタミンD3類似体類、E1) 1089、CB 1093、ICH 1060、光線力学的治療薬類、ベルテポルフィン、BPD−MA、フタロシアニン、光線感作物質Pc4、デメトキシ−ヒポクレリンA(2BA−2−DMHA)、サイトカイン類、インターフェロン−a、インターフェロン−I3、インターフェロン−y、腫瘍壊死因子、血管形成阻害剤類、アンギオスタチン(プラスミノーゲンフラグメント)、抗血管形成抗トロンビンUI、アンジオザイム、ABT−627、Bay12−9566、ベネフィン、ベバシズマブ、BMS−275291、軟骨由来の阻害剤 (CDI)、CAI、CD59補体断片、CEP−7055、Col3、コンブレタスタチA−4、エンドスタチン(コラーゲンXVIIIフラグメント)、フィブロネクチンフラグメント、Gro−beta、ハロフジノン、ヘパリナーゼ類、ヘパリンヘキサ糖フラグメント、HMV833、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、IM−862、インターフェロン誘導可能なプロテイン(IP−10)、インターロイキン−12、クリングル5 (プラスミノーゲンフラグメント)、マリマスタット、メタロプロテイナーゼ阻害剤類 (UMPs),2−メトキシエストラジオール、MMI270(CGS27023A)、MoAb IMC−I C11、ネオバスタット、NM−3、パンゼム、P1−88、胎盤RNA分解酵素阻害剤、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤、血小板因子−4 (PF4)、プリノマスタット、プロラクチン161(Dフラグメント、プロリフェリン関連のプロテイン(PRP)、PTK787/ZK222594、レチノイド類、ソリマスタット、スクアラミン、SS3304、SU5416、SU6668、SU11248、テトラヒドロコルチゾール−S、テトラチオモリブデート、サリドマイド、トロンボスポンジン−1(TSP−1)、TNP−470、形質転換成長因子β(TGF−11)、バスキュロスタチン、バソスタチン(カルレチクリンフラグメント)、ZD6126、ZD6474、ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤類 (FTI)、ビスフォスフォネート類、抗有糸分裂薬類、アロコルヒチン、ハリコンドリンB、コルヒチン、コルヒチン誘導体、ドルスタチン10、マイタンシン、リゾキシン、チオコルヒチン、トリチルシステイン、イソプレニル化阻害剤類、ドーパミン作動性神経毒類、1-メチル-4-フェニルピリジニウムイオン、細胞周期阻害剤類、スタウロスポリン、アクチノマイシン類、アクチノマイシンD、ダクチノマイシン、ブレオマイシン類、ブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、ペプロマイシン、アントラサイクリン、アドリアマイシン、エピルビシン、ピラルビシン(pirarnbicin)、ゾルビシン、ミトキサントロン、MDR阻害剤類、ベラパミル、Ca2’アデノシントリホスファターゼ阻害剤類、およびタプシガルギン。
【0068】
これに限定されるものではないが、本発明において使用される他の抗癌剤は、以下のとおりである:アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン(arnbomycin);アメタントロンアセテート;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシレート;ビゼルクシン(bizelcsin);硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼルシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン(dexorrnaplatin);デザグアニン;デザグアニンメシラート;ジアジクオン;ドセタキセル;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ジュアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロミチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;エピルビシン塩酸塩;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチナイド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;インターロイキン2(組み換え型体のインターロイキン2又はrIL2を含む), インターフェロンアルファ2a;インターフェロンアルファ2b;インターフェロンアルファ−nl;インターフェロンアルファ−n3;インターフェロンベータIa;インターフェロンガンマIb;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;ランレオチド酢酸塩;レトロゾール;酢酸リュープロライド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン(mecchlorethamine hydrochloride);酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ ;ミチンドミド;ミトカルシン;マイトクロミン;ミトギリン ;ミトマルシン;マイトマイシン;ミツスパー(mitusper);ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド(perfosfarnide);ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン(sparsornycin);スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード (uracit mustard);ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン(verteporfln);硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンレウロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボルゾルク(vorozolc);ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシン。
【0069】
これに限定されるものではないが、本発明に使用し得る化学療法薬は、以下のとおりである:20−エピ−1,25−ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL TK拮抗薬類;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アルニフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害物質;拮抗剤D;剤G;アンタレリックス;抗背側化形成タンパク質1;抗アンドロゲン薬, 前立腺癌;抗エストロゲン剤;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド類;アフィジコリングリシナート;アポトーシス遺伝子修飾物質類;アポトーシス調節因子類;アプリン酸;ara CDP DL PTBA;アルギニンジイミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1 ;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII 誘導体類;バラノール;バチマスタット;BCRJABL拮抗剤類;ベンゾクロリン類;ベンゾイルスタウロスポリン;β−ラクタム誘導体類;β−アレチン;ベタクラマイシンB(betaclarnycin B);ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビスアントレン;ビスアジリジニルスペルニン(bisaziridinylsperrnine);ビスナフィド;ビストラテンA;ビセレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトセシン誘導体類;カナリアポックスIL−2;カルボキサミドアミノトリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール(carboxyarnidotriazole);CaRest M3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼルシン;カゼインキナーゼ阻害剤類;カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロリン類;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA 誘導体類;クラシンA;シクロペンタンセラキノン類;シクロプラタム;サイペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリズマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメサゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ディデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ5 アザシチジン;ジヒドロタキソール, 9;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;ズオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロミチン;エレメネ;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲン作用薬 類;エストロゲン拮抗薬類;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステライド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン(fltidarabine);塩酸フルオロダウノルニイン(fluorodaunoruniein hydrochloride);ホルフェニメクス;フォルメスタン;フォストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤類;グルタチオン阻害剤類;ヘプスルファム;ヘレグリン ;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン ;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン類;イミキモド;免疫賦活薬ペプチド類;インスリン様増殖因子1受容体阻害薬;インターフェロンアゴニスト類;インターフェロン類;インターロイキン類;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン(iododoxorubiein);イポメアノール,4;イロプラクト;イルソグラジン;イソベングラゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−Nトリアセテート(larnellarin N triacetate);ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミソール;リアロゾール;線状ポリアミン類似体;親油性ジサッカライドペプチド;親油性白金錯体類;リッソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメテレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ラルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リゾフィリン;細胞溶解性ペプチド類;メイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン 阻害剤類;マトリックスメタロプロテアーゼ阻害薬,類;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;不適正な二本鎖RNA,;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体類;ミトナフィド;マイトトキシン成長因子サポリン;ミトキサントロン;モファロテロン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体, ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+マイオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子インヒビター;多腫瘍サプレッサ1−ベース治療剤;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリウム細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N 置換ベンズアミド類;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素修飾因子類;窒素酸化物酸化防止剤;ニトルリン;o(6)−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド類;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘発剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体類;パクリタキセル誘導体類;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペグアスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニル酢酸塩;ホスファターゼ阻害剤類;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害因子;白金錯体;白金錯体類;プラチナトリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルヒスチジンアクリドン(propyl his acridone);プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤類;プロテインAベース免疫調整剤;蛋白質キナーゼC阻害剤;蛋白質キナーゼC阻害剤類, 微細藻類;蛋白質チロシンホスファターゼ阻害剤類;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤類;プルプリン類;ピラゾロアクリジン(pyrazoloaeridine);ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン抱合体;raf拮抗薬類;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシル蛋白質トランスフェラーゼ阻害剤類;ras阻害剤類;rasGAP阻害剤;脱メチルレテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム類;RHレチナミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンBI;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1ミメティックス;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド類;シグナル伝達阻害薬類;シグナル伝達モジュレーター類;単鎖抗原結合性プロテイン;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合蛋白質;ソネルミン;スパルフォシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞抑制因子;幹細胞分裂阻害剤類;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤類;スルフィノシン;過度活動性血管作動性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スウェインソニン;合成グリコサミノグリカン類;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム塩;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤類;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチンミメティック;チマルファシン;チモポエチンレセプターアゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンすず;チラパザミン;チタノセンジクロリド;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤類;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤類;チロホスチン類;UBC阻害剤類;ウベニメクス;尿生殖洞由来増殖阻害因子;ウロキナーゼ受容体 拮抗剤類;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系, エリトロサイト遺伝子治療剤;ベラレソール;ベラミン;ベラジン類(verdins);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマー。
【0070】
上記で開示したような反応性の官能基を有する上記で特定した化学療法薬の何れかが、本発明のpzに結合し得てpzの複合体と腫瘍に局在化し得る化学療法薬を提供する。加えて、本発明は、本発明のpzを、化学療法又は放射線治療が有毒、即ち許容し得ない又は耐え難い副作用を治療中の患者にもたらす単独の化学療法又は単独の放射線治療の代替としての治療方法を提供する。
【0071】
本発明の方法では、本発明のpz又はpz複合体の治療効果のある、薬剤学上の実情に従って典型的に処方される量が、必要としている人間に投与される。本発明のpz又はpz複合体は、適切な投与法により投与される。
【0072】
医薬組成物は、本発明のpz又はpz複合体がその意図する目的を達成するのに効果的な量で投与されるように十分な量で存在するようにこれらを含む。正確な処方、薬の摂取方法、および投与量は、着目する特定の腫瘍を考慮して個々の医師により決定される。本発明のpzsは、意図する摂取方法および標準の薬学的上の実情に従って選択された医薬担体と混合して投与されるのが典型的である。本発明に従って使用する医療組成物は、pzの処理と投与を容易にする賦形剤および補助剤を含む生理学的に許容される一つ又はそれ以上の担体を使用して通常の方法で処方される。
【0073】
「担体」という用語は、本発明のpzと共に投与される希釈剤、補助剤、又は賦形剤のことをいう。このような医薬担体は、水と、石油、動物、植物、合成起源、ピーナッツオイル、大豆油、鉱油、ゴマ油などを含むオイルのような液体であり得る。これに加えて、補助剤、安定化剤、濃化剤、および潤滑剤を加えることができる。薬学的に許容し得る担体は、無菌のものである。pzが静脈内投与される場合は、水が好ましい。また、生理食塩水およびデキストロース水溶液およびグリセロール溶液が、液体の担体、特に注射液として採用され得る。適切な医薬担体には、デンプン、ブドウ糖、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどの賦形剤が含まれる。本発明の組成物は、所望なら、湿潤剤若しくは乳化剤又はpH緩衝剤も含み得る。
【0074】
これらの医薬組成物は、例えば、通常の混合、溶解、乳化、封入、又は凍結乾燥のプロセスにより製造され得る。適切な処方は、選択される薬の摂取方法に依存している。液体の状態で投与される場合、水のような液体の担体が加えられる。液体状態の組成物は、生理食塩水、デキストロース又は他の単糖類の溶液を更に含み得る。液体の状態で投与される場合、この組成物は、約0.1重量%〜約90重量%、好ましくは約1重量%〜約50重量%の本発明のpzを含んでいる。
【0075】
本発明のpzの治療効果のある量が、静脈、皮膚又は皮下注射によって投与されるとき、この組成物はピロゲンを含まない非経口的に許容し得る水溶液の状態である。このような非経口的に許容し得る水溶液の調製は、pH、等張性、安定性などに配慮して、当該技術分野の技術的範囲内で行われる。静脈、皮膚又は皮下注射に好ましい組成物は、典型的には、等張性の媒体を含んでいる。pzは、他の液体とともに10〜30分の時間又は数時間に亘って注入され得る。
【0076】
本発明のpzは、注射、例えば急速静注又は持続点滴による非経口的投与のために処方され得る。注射用の処方は、例えば、アンプル又は複数投薬容器の単位投薬量の形式で、保存料とともに表すことができる。この組成物は、懸濁液、溶液又はオイル又は水性媒体のエマルションなどの形式を採り得、懸濁、安定化及び/又は分散剤などの調剤用薬剤を含み得る。
【0077】
非経口的投与のための医薬組成物は、活性薬剤の水溶液を含み得る。加えて、本発明のpzの懸濁液は、適当な油性の注射懸濁液として調製され得る。好ましい脂溶性の溶媒又は媒体には、脂肪油又は合成脂肪酸エステルが含まれ得る。水性の注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる物質を含み得る。また、任意的に、この懸濁液は、適切な安定化剤又は化合物の溶解性を増大させて高濃度の溶液の調製を可能とする薬剤を含み得る。あるいは、本発明の組成物は、使用前に、例えば無菌のピロゲンを含まない水のような適当な媒体とともに構成するための粉体の形態であり得る。
【0078】
追加の実施形態として、本発明は、本発明の方法を実施するためにそれらの使用を手助けするように包装された一つ又はそれ以上の化合物又は組成物を包含するキットを含んでいる。一つの単純な実施形態では、そのキットは方法の実施に有用であるとしてここに記載した化合物又は組成物(例えば、pzおよび任意の第2の治療薬を含む組成物)を包み、シールされた瓶又は容器などの入れ物に包装され、本発明の方法を実施するための化合物又は組成物の使用を記載したラベルが入れ物に貼付され又はキットに入れられる。好ましくは、その化合物又は組成物は、単位投薬量の形態で包装されている。更に、そのキットには、意図された薬の摂取方法に従ってその組成物を投与するのに適した、例えば、注射器、点滴バッグ、パッチなどの器具を含めることができる。他の実施形態では、pzは凍結乾燥物である。この例では、キットは更に凍結乾燥物の復元に有用な溶液を含んだ追加の容器を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍を画像化する方法であって、
a)腫瘍を有していると疑われる哺乳動物にポルフィラジンの十分な量を投与し、および
b)哺乳動物中のポルフィラジンを視覚化することを包含し、
前記ポルフィラジンが哺乳動物中で腫瘍に局在化する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、ポルフィラジンは、
M[pz(An;B4-n)]
の構造を有し、ここで、pzは、化1の構造を有し、
【化1】
Mは2H、2H又はピロール窒素原子と複合体を形成し得る金属イオンであり、
nは、1〜3であり、
Aは、(−N(R1)2)2、(−OR1)2、又は(−SR1)2であり、
Bは、pzに結合した、一つ又はそれ以上の−XR2基で置換されたベンゾ環であり、ここでXはO又はSであり、
R1は各々独立に、および、R2は各々独立に、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換されたC1-6アルキル、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換されたC3-6シクロアルキル、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換された(CH2)1-3C3-6シクロアルキル、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換された(CH2)1-6C6H5からなる群から選択される基であり、ここで、各R3は、独立してH、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は(CH2)1-3C3-6シクロアルキル;
【化2】
pは0〜10であり、ここで、
【化3】
であり、Gdは、
【化4】
又は2つのR1基が1つになって5又は6員環を形成してもよい。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記ポルフィラジンがキラールである方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、前記Aは、独立して(−OR1)2、又は(−SR1)2である方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法であって、前記ポルフィラジンは、M[pz(A2;B2)]の構造を有している方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記ポルフィラジンは、M[pz(transA2;B2)]の構造を有している方法。
【請求項7】
請求項2に記載の方法であって、前記Mは、2つの水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタニドおよびアクチニドからなる群から選択されるものである方法。
【請求項8】
請求項2に記載の方法であって、前記Mは、ニッケル、銅、2つの水素原子、マグネシウム、鉄、アルミニウム、マンガン、ガドリニウム、ロジウム、金、コバルト、白金、パラジウム、ルテニウム、鉛、リチウム、亜鉛、クロム、テクネチウム、ケイ素、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、錫、タングステン、レニウム、ジルコニウム、イリジウム、ウラン、バナジウム、チタン、モリブデン、ガリウム、ネオジム、およびイッテルビウムからなる群から選択されるものである方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記ポルフィラジンは、1〜8個のGdキレートを包含している方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記ポルフィラジンは、本願国際公開公報の段落[0036],[0037],[0038],[0039],[0053],[0057]および[0058]に記載されている化合物からなる群から選択される構造を有している方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記ポルフィラジンは、腫瘍を殺してしまう方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記ポルフィラジンを光活性化させるステップを更に有している方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記視覚化は、光学的画像化、可視又はNIR画像化、PET画像化、核画像化、およびMR画像化からなる群から選択されるものである方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、単独のポルフィラジンの投与の後、2つ又はそれ以上の視覚化方法が一緒に又は同時に使用される方法
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記2つ又はそれ以上の画像化方法が、光学的およびMR画像化、又は光学的およびPET画像化である方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、前記哺乳動物は人間である方法。
【請求項17】
治療効果のある量のポルフィラジンを、それを必要としている個体に投与することを包含する腫瘍細胞を殺すための方法であって、前記ポルフィラジンは、腫瘍細胞に局在化して前記腫瘍細胞を殺すことができる方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記ポルフィラジンの光活性化を更に包含している方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、治療効果のある量の化学療法剤、放射線、又はその両方を投与することを更に包含している方法。
【請求項20】
本願国際公開公報の段落[0065]から[0068]の化学療法剤に結合した、段落[0029]および[0030]のポルフィラジン化合物を含有するポルフィラジン−化学療法剤複合体。
【請求項21】
治療効果のある量の請求項20に記載のポルフィラジン−化学療法剤複合体を、それを要としている個体に投与することを包含する腫瘍の治療方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、化学療法剤は、ドキソルビシン、メトトレキサート、タモキシフェン、タキソテール又はゼローダである方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法であって、前記ポルフィラジンは、化合物247又は化合物260である方法。
【請求項1】
腫瘍を画像化する方法であって、
a)腫瘍を有していると疑われる哺乳動物にポルフィラジンの十分な量を投与し、および
b)哺乳動物中のポルフィラジンを視覚化することを包含し、
前記ポルフィラジンが哺乳動物中で腫瘍に局在化する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、ポルフィラジンは、
M[pz(An;B4-n)]
の構造を有し、ここで、pzは、化1の構造を有し、
【化1】
Mは2H、2H又はピロール窒素原子と複合体を形成し得る金属イオンであり、
nは、1〜3であり、
Aは、(−N(R1)2)2、(−OR1)2、又は(−SR1)2であり、
Bは、pzに結合した、一つ又はそれ以上の−XR2基で置換されたベンゾ環であり、ここでXはO又はSであり、
R1は各々独立に、および、R2は各々独立に、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換されたC1-6アルキル、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換されたC3-6シクロアルキル、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換された(CH2)1-3C3-6シクロアルキル、OH、OR3、N(R3)2、CO2R3、又はCON(R3)2で随意に置換された(CH2)1-6C6H5からなる群から選択される基であり、ここで、各R3は、独立してH、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は(CH2)1-3C3-6シクロアルキル;
【化2】
pは0〜10であり、ここで、
【化3】
であり、Gdは、
【化4】
又は2つのR1基が1つになって5又は6員環を形成してもよい。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記ポルフィラジンがキラールである方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、前記Aは、独立して(−OR1)2、又は(−SR1)2である方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法であって、前記ポルフィラジンは、M[pz(A2;B2)]の構造を有している方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記ポルフィラジンは、M[pz(transA2;B2)]の構造を有している方法。
【請求項7】
請求項2に記載の方法であって、前記Mは、2つの水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタニドおよびアクチニドからなる群から選択されるものである方法。
【請求項8】
請求項2に記載の方法であって、前記Mは、ニッケル、銅、2つの水素原子、マグネシウム、鉄、アルミニウム、マンガン、ガドリニウム、ロジウム、金、コバルト、白金、パラジウム、ルテニウム、鉛、リチウム、亜鉛、クロム、テクネチウム、ケイ素、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、錫、タングステン、レニウム、ジルコニウム、イリジウム、ウラン、バナジウム、チタン、モリブデン、ガリウム、ネオジム、およびイッテルビウムからなる群から選択されるものである方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記ポルフィラジンは、1〜8個のGdキレートを包含している方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記ポルフィラジンは、本願国際公開公報の段落[0036],[0037],[0038],[0039],[0053],[0057]および[0058]に記載されている化合物からなる群から選択される構造を有している方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記ポルフィラジンは、腫瘍を殺してしまう方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記ポルフィラジンを光活性化させるステップを更に有している方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記視覚化は、光学的画像化、可視又はNIR画像化、PET画像化、核画像化、およびMR画像化からなる群から選択されるものである方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、単独のポルフィラジンの投与の後、2つ又はそれ以上の視覚化方法が一緒に又は同時に使用される方法
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記2つ又はそれ以上の画像化方法が、光学的およびMR画像化、又は光学的およびPET画像化である方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、前記哺乳動物は人間である方法。
【請求項17】
治療効果のある量のポルフィラジンを、それを必要としている個体に投与することを包含する腫瘍細胞を殺すための方法であって、前記ポルフィラジンは、腫瘍細胞に局在化して前記腫瘍細胞を殺すことができる方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記ポルフィラジンの光活性化を更に包含している方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、治療効果のある量の化学療法剤、放射線、又はその両方を投与することを更に包含している方法。
【請求項20】
本願国際公開公報の段落[0065]から[0068]の化学療法剤に結合した、段落[0029]および[0030]のポルフィラジン化合物を含有するポルフィラジン−化学療法剤複合体。
【請求項21】
治療効果のある量の請求項20に記載のポルフィラジン−化学療法剤複合体を、それを要としている個体に投与することを包含する腫瘍の治療方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、化学療法剤は、ドキソルビシン、メトトレキサート、タモキシフェン、タキソテール又はゼローダである方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法であって、前記ポルフィラジンは、化合物247又は化合物260である方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【公表番号】特表2012−502052(P2012−502052A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526218(P2011−526218)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/055991
【国際公開番号】WO2010/028216
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511059416)ホフマン/バーレット, リミテッド ライアビリティ カンパニー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/055991
【国際公開番号】WO2010/028216
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511059416)ホフマン/バーレット, リミテッド ライアビリティ カンパニー (1)
【Fターム(参考)】
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