説明

ポンプ装置

【課題】 小型で、かつ、高い精度で定量吐出を行うことのでき、さらに、ダイヤフラム弁を用いた場合でも、高い精度で定量吐出することのできるポンプ装置を提供すること。
【解決手段】 ポンプ装置1において、ポンプ室3の内容積を膨張収縮させてダイヤフラム弁70の駆動機構5は、ステータ20に対向するロータマグネット50を備えた回転体3と、回転体3の回転を変換して、ダイヤフラム弁70が固定れた移動体60を軸線方向に移動させる変換機構40とを備え、この変換機構40は、回転体3と移動体60との間でネジ溝を利用した動力伝達機構41と、移動体60の供回りを防止する供回り防止機構49とを備えている。ダイヤフラム弁70の折り返し部分72は、移動体60の第1の壁面68と、突起139との間に形成された環状空間内に保持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体を高い精度で吐出可能にするには弁体を高い精度で往復移動させる必要があるため、モータの回転を減速輪列を介して回転筒に伝達し、さらに回転筒の回転をネジ機構を介して移動体の往復運動に変換するシリンジポンプが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−184534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載のポンプ装置のように、減速輪列を介して伝達する方式では、小型化が困難である。また、ポンプ装置ではダイヤフラム弁が多用されるが、ダイヤフラム弁を用いた場合には、その変形を精度よく制御できないため、高い精度で定量吐出するのが困難である。
【0004】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、小型で、かつ、高い精度で定量吐出を行うことのできるポンプ装置を提供することにある。
【0005】
また、本発明の課題は、ダイヤフラム弁を用いた場合でも、高い精度で定量吐出することのできるポンプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、流体の吸入口および吐出口に連通するポンプ室が構成された固定体と、前記ポンプ室の内容積を膨張収縮させて流体の吸入および吐出を行うための弁体と、該弁体を駆動する駆動機構とを有するポンプ装置において、前記駆動機構は、コイルを備えた環状のステータと、該ステータと周面同士が対向するロータマグネットを備えた回転体と、前記弁体が固定された移動体と、前記回転体の回転を変換して前記移動体を軸線方向に移動させる変換機構とを有し、前記変換機構は、前記回転体と前記移動体との間でネジ溝あるいはカム溝を備えた動力伝達機構と、前記移動体が前記回転体に連動して供回りすることを防止する供回り防止機構とを備えていることを特徴とするポンプ装置。
【0007】
本発明に係るポンプ装置では、駆動機構に用いた回転体の回転を、ネジ溝あるいはカム溝を利用した動力伝達機構を備えた変換機構を介して、弁体が固定された移動体に伝達し、この移動体を往復直線運動させる。このため、駆動機構から弁体まで必要最小限の部材で動力を伝達するので、ポンプ装置の小型化および低コスト化を図ることができる。また、動力伝達機構のリード角を小さくするだけで高い精度で定量吐出を行うことができる。
【0008】
本発明において、前記回転体は、前記ステータの内側に同軸状に配置された円筒体であって、当該回転体の内側に前記移動体が同軸状に配置されていることが好ましい。
【0009】
本発明において、前記弁体は、前記ポンプ室を区画形成するダイヤフラム弁であり、当該ダイヤフラム弁の外周縁が前記固定体に固定されている一方、当該ダイヤフラム弁の中央が前記移動体に固定され、前記固定体は、前記移動体において軸線方向に延びた第1の壁面と対向して当該第1の壁面との間に環状空間を構成する第2の壁面を備え、前記ダイヤフラム弁における中央部と外周縁との間の環状部分は、前記環状空間内で断面U字状に折り返された状態で保持されていることが好ましい。このように構成した場合には、ダイヤフラム弁を用いた場合でも、その変形を環状空間によって制御できる。従って、ダイヤフラム弁を用いた場合でも、高い精度で定量吐出することができる。
【0010】
本発明において、前記移動体は、外周側に広がったフランジ部を備えるとともに、該フランジ部には、周方向に複数の穴が形成され、前記第2の壁面は、前記固定体において周方向の複数箇所から軸線方向に延びる複数本の突起から構成され、前記複数本の突起は、前記複数の穴に各々嵌って前記供回り防止機構を構成していることが好ましい。このように構成すると、新たな部品を追加することなく供回り防止機構を構成することができる。
【0011】
本発明において、前記回転体は、前記固定体に対してベアリングボールを介して軸線周りに回転可能に支持されていることが好ましい。
【0012】
本発明において、前記回転体の停止位置を規定するためのストッパが構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るポンプ装置では、駆動機構に用いた回転体の回転を、ネジ溝あるいはカム溝を利用した動力伝達機構を備えた変換機構を介して、弁体が固定された移動体に伝達し、この移動体を往復直線運動させる。このため、駆動機構から弁体まで必要最小限の部材で動力を伝達するので、ポンプ装置の小型化および低コスト化を図ることができる。また、動力伝達機構のリード角を小さくするだけで高い精度で定量吐出を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したポンプ装置を説明する。
【0015】
(全体構成)
図1は、本発明を適用したポンプ装置を縦に分割した状態の分解斜視図である。図2(a)、(b)は、図1に示すポンプ装置においてポンプ室の内容積を膨張させた状態を示す説明図、およびポンプ室の内容積を収縮させた状態を示す説明図である。
【0016】
図1および図2(a)において、本形態のポンプ装置1は、概ね、液体(流体)の吸入口6および吐出口7に連通するポンプ室2を備えた固定体10と、ポンプ室2の内容積を膨張収縮させて液体の吸入および吐出を行う弁体としてのダイヤフラム弁70と、ダイヤフラム弁70を駆動する駆動機構5とから構成されている。
【0017】
固定体10は、駆動機構5が搭載される板状のベース11と、このベース11との間に駆動機構5を収納するケース13と、ケース13の上面に積層されたプレート15と、このプレート15の上面に液密シート16を介して積層されたカバー17とから構成されている。プレート15の上面には溝150が形成されており、その上面がカバー17で覆われた状態で、溝15は流路を構成する。プレート15では、溝15の一方端に貫通穴151が形成されており、ベース11、ケース13、プレート15、液密シート16およびカバー17を重ねた状態で、貫通穴151は、ケース13およびベース11に形成された貫通穴131、111に連通し、これらの貫通穴151、131、111によって流体吸入口6が構成される。また、プレート15では、溝150の他方端にも貫通穴153が形成されており、ベース11、ケース13、プレート15、液密シート16およびカバー17を重ねた状態で、貫通穴153は、ケース13およびベース11に形成された貫通穴133、113に連通し、これらの貫通穴153、133、113によって流体吐出口7が構成される。なお、流体吸入口6および流体吐出口7の各々には逆止弁(図示せず)が配置される。
【0018】
プレート15では、溝150の途中位置にも貫通穴155が形成されている。この貫通穴155は、プレート15にカバー17を重ねた状態で上面がカバー17で覆われ、かつ、ダイヤフラム弁70によって下面が覆われて、ポンプ室2を構成している。
【0019】
(駆動機構5の構成)
図3(a)、(b)、(c)はそれぞれ、図1に示すポンプ装置の回転体に用いたロータの斜視図、平面図、および断面図である。図4(a)、(b)、(c)はそれぞれ、図1に示すポンプ装置の回転体に用いた移動体の斜視図、平面図および断面図である。
【0020】
本形態において、駆動機構5は、以下に説明するように、環状のステータ20と、このステータ20の内側に同軸状に配置された回転体3と、この回転体3の内側に同軸状に配置された移動体60と、回転体3の回転を移動体60を軸線方向に移動させる力に変換して移動体60に伝達する変換機構40とを備えている。ここで、駆動機構5は、ケース13に形成された空間130内において、ベース11とケース13との間に搭載された状態にある。
【0021】
駆動機構5において、ステータ20は、ボビン23に巻回されたコイル21、およびコイル21を覆うように配置された2枚のヨーク25からなるユニットが軸線方向に2段に積層された構造になっている。この状態で、上下2段のいずれのユニットにおいても、2枚のヨーク25の内周縁から軸線方向に突き出た極歯が周方向に交互に並んだ状態となる。
【0022】
図1、図2および図3(a)、(b)、(c)に示すように、回転体3は、上方に開口するカップ状部材30と、このカップ状部材30の円筒状の胴部31の外周面に固着された環状のロータマグネット50とを備えている。カップ状部材30の底壁33の中央には、軸線方向上側に凹む凹部35が形成され、ベース11には、凹部35内に配置されたボール18を受ける軸受部115が形成されている。また、ケース13の上端側の内面には環状段部136が形成されている一方、カップ状部材30の上端部分には、胴部31の上端部分と環状のフランジ部34とによって、ケース13側の環状段部136に対向する環状段部306が形成されており、これらの環状段部136、306で区画形成された環状空間内には、環状のリテーナ81およびこのリテーナ81によって周方向に離間した位置に保持されたベアリングボール82からなる軸受80が配置されている。このようにして、回転体3は、軸線周りに回転可能な状態で固定体10に支持された状態にある。
【0023】
回転体3において、ロータマグネット50の外周面は、ステータ20の内周面に沿って周方向に並ぶ極歯に対向している。ここで、ロータマグネット50の外周面では、S極とN極が周方向に交互に並んでおり、ステータ20とカップ状部材30とはステッピングモータを構成している。
【0024】
図1、図2および図4(a)、(b)、(c)に示すように、移動体60は、底壁61と、底壁61の中央から軸線方向に突き出た円筒部63と、この円筒部63の周りを囲むように円筒状に形成された胴部65とを備えている。
【0025】
本形態では、回転体3の回転によって移動体60を軸線方向で往復移動させるための変換機構40を構成するにあたって、まず、図1、図2、図3(a)、(b)、(c)、および図4(a)、(b)、(c)に示すように、カップ状部材30の胴部31の内周面には、周方向に離間する4箇所に雌ネジ37を形成する一方、移動体60の胴部65の外周面には、カップ状部材30の雌ネジ37に係合して動力伝達機構41を構成する雄ネジ67が形成されている。従って、雄ネジ67と雌ネジ37とが噛みあうようにカップ状部材30の内側に移動体60を配置すれば、移動体60はカップ状部材30の内側に支持された状態となる。また、移動体60の底壁61には、周方向に6個の長穴69が貫通穴として形成されている一方、ケース13からは6本の突起139が延びて、突起139の下端部が長穴611に嵌ることにより、供回り防止機構49が構成されている。すなわち、カップ状部材30が回転した際、移動体60は、突起139と長穴69からなる供回り防止機構49によって回転が阻止されているので、カップ状部材30の回転は、その雌ネジ37および移動体60の雄ネジ67からなる動力伝達機構41を介して移動体60に伝達される結果、移動体60は、回転体3の回転方向に応じて軸線方向の一方側および他方側に直線移動することになる。
【0026】
なお、本形態においては、カップ状部材30の胴部31の内周面に、周方向に離間する4箇所に雌ネジ37を形成しているが、周方向に離間した複数箇所に雌ネジが形成されてればよい。また、本形態においては、カップ状部材30の胴部31の内周面に、周方向に離間する4箇所に雌ネジ37を形成しているが、移動体60の胴部65の外周面の雄ネジ67を周方向に離間した4箇所あるいは複数箇所に形成してもよい。
【0027】
(弁体の構成)
再び図1および図2(a)において、本形態では、移動体60には、ダイヤフラム弁70が直接、連結されている。ダイヤフラム弁70は、底壁71と、底壁71の外周縁から軸線方向に立ち上がる円筒状の胴部73と、この胴部73の上端から外周側に広がるフランジ部75とを備えたカップ形状を有しており、底壁71の中央部分が、移動体60の円筒部63に被さった状態で、それらの上下方向から、止めネジ78とキャップ79とに固定されている。また、ダイヤフラム弁70のフランジ部75の外周縁は、Oリングとして機能する肉厚部になっており、この肉厚部は、プレート15の貫通穴155の周囲において、ケース13とプレート15との間に固定されている。このようにして、ダイヤフラム70は、ポンプ室2の下面を規定し、かつ、ポンプ室2の周りにおいてプレート15とケース13との間の液密を確保している。
【0028】
この状態で、ダイヤフラム弁70の胴部73は、断面U字状に折り返された状態にあり、折り返し部分72は、移動体60の位置によって形状が変化することになる。しかるに本形態では、移動体60の円筒部63の外周面からなる第1の壁面68と、ケース13から延びた突起139の内周面からなる第2の壁面138との間に構成された環状空間内に、ダイヤフラム弁70の断面U字状の折り返し部分72を配置してある。従って、図2(a)、(b)に示す状態、および図2(a)、(b)に示す状態に移行する途中の状態のいずれにおいても、ダイヤフラム弁70の折り返し部分72は、環状空間内に保持された状態のまま、第1の壁面68および第2の壁面138に沿って展開あるいは巻き上げるように変形する。
【0029】
また、本形態では、図1、図2(a)、および図3(a)、(b)、(c)に示すように、カップ状部材30の底壁33には、周方向における270°の角度範囲にわたって1本の溝36が形成されている一方、移動体60の底面からは下方に向けて突起66が形成されている。ここで、移動体60は、軸線回りに回転しないが、軸線方向に移動するのに対して、回転体3は、軸線回りに回転するが、軸線方向に移動しない。従って、突起66と溝36は、回転体3および移動体60の停止位置を規定するストッパとして機能する。すなわち、溝36は、周方向において深さが変化しており、移動体60が軸線方向の下方に移動すると、突起66が溝36内に嵌るとともに、回転体3の回転により溝36の端部が突起66に当接する。その結果、回転体3の回転が阻止され、回転体3および移動体60の停止位置が規定されることになる。
【0030】
(動作)
このように構成したポンプ装置1において、ステータ20のコイル21に給電すると、カップ状部材30が回転し、その回転が変換機構40を介して移動体60に伝達される。従って、移動体60は軸線方向で往復直線運動を行う。その結果、ダイヤフフラム弁70が移動体60の移動に合わせて変形し、ポンプ室2の内容積を膨張、収縮させるので、ポンプ室2では、吸入口6からの液体の流入と、吐出口7に向けての液体の流出が行われる。その間、ダイヤフラム弁70の折り返し部分72は、環状空間内に保持された状態のまま、第1の壁面68および第2の壁面138に沿って展開あるいは巻き上げるように変形し、無理な摺動が発生しない。しかも、ダイヤフラム弁70は、ポンプ室2の流体から圧力を受けても、変形しない。さらに、移動体60の下方位置は、カップ状部材30の溝36および移動体60の突起66によって構成されたストッパにより規定されることになる。
【0031】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のポンプ装置1では、ステッピングモータ機構による回転体3の回転を、雄ネジ67および雌ネジ37からなる動力伝達機構41を利用した変換機構40を介して移動体60に伝達して、ダイヤフラム弁70が固定された移動体60を往復直線運動させる。このため、駆動機構5からダイヤフラム弁70まで、必要最小限の部材で動力を伝達するので、ポンプ装置1の小型化および低コスト化を図ることができる。また、動力伝達機構41における雄ネジ67および雌ネジ37のリード角を小さくするだけで、移動体60の微小送りを行うことができる。従って、ポンプ室2の容積を厳密に制御できるので、高い精度で定量吐出を行うことができる。
【0032】
さらに、本形態ではダイヤフラム弁70を用いているが、このダイヤフラム弁70の折り返し部分72は、環状空間内に保持された状態のまま、第1の壁面68および第2の壁面138に沿って展開あるいは巻き上げるように変形し、無理な摺動が発生しない。従って、無駄な負荷が発生せず、かつ、ダイヤフラム弁70の寿命が長い。また、ダイヤフラム弁70は、ポンプ室2の流体から圧力を受けても、変形しない。それ故、本形態のポンプ装置1によれば、高い精度で定量吐出を行うことができ、かつ、信頼性も高い。
【0033】
さらにまた、回転体3は、固定体10に対してベアリングボール82を介して軸線周りに回転可能に支持されているため、摺動ロスが小さく、かつ、回転体3は軸線方向に安定して保持されるので、軸線方向における推力が安定している。それ故、駆動機構5の小型化、耐久性の向上、吐出性能の向上を図ることができる。
【0034】
(その他の実施の形態)
本発明は、上記形態に限らず、例えば、流体として気体の供給などを行うポンプ装置1にも適用することができる。また、上記形態では、変換機構40の動力伝達機構41としてネジを利用したが、カム溝を利用してもよい。さらに、上記形態では弁体として、カップ状のダイヤフラム弁を用いたが、その他の形状のダイヤフラム弁、あるいはOリングを備えたピストンを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を適用したポンプ装置を縦に分割した状態の分解斜視図である。
【図2】(a)、(b)は、図1に示すポンプ装置においてポンプ室の内容積を膨張させた状態を示す説明図、およびポンプ室の内容積を収縮させた状態を示す説明図である。
【図3】(a)、(b)、(c)はそれぞれ、図1に示すポンプ装置の回転体に用いたロータの斜視図、平面図、および断面図である。
【図4】(a)、(b)、(c)はそれぞれ、図1に示すポンプ装置の回転体に用いた移動体の斜視図、平面図および断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 ポンプ装置
2 ポンプ室
3 回転体
5 駆動機構
6 流体吸入口
7 吐出口
10 固定体
11 ベース
13 ケース
15 プレート
17 カバー
20 ステータ
21 コイル
36 ストッパ用の溝
37 雌ネジ
40 変換機構
41 動力伝達機構
49 供回り防止機構
30 ロータ
50 ロータマグネット
60 移動体
66 ストッパ用の突起
67 雄ネジ
68 第1の壁面
70 ダイヤフラム弁
72 ダイヤフラム弁の折り返し部分
80 軸受
82 ベアリングボール
138 第2の壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の吸入口および吐出口に連通するポンプ室が構成された固定体と、前記ポンプ室の内容積を膨張収縮させて流体の吸入および吐出を行うための弁体と、該弁体を駆動する駆動機構とを有するポンプ装置において、
前記駆動機構は、コイルを備えた環状のステータと、該ステータと周面同士が対向するロータマグネットを備えた回転体と、前記弁体が固定された移動体と、前記回転体の回転を変換して前記移動体を軸線方向に移動させる変換機構とを有し、
前記変換機構は、前記回転体と前記移動体との間でネジ溝あるいはカム溝を備えた動力伝達機構と、前記移動体が前記回転体とともに供回りすることを防止する供回り防止機構とを備えていることを特徴とするポンプ装置。
【請求項2】
請求項1において、前記回転体は、前記ステータの内側に同軸状に配置された筒状体であって、当該回転体の内側に前記移動体が同軸状に配置されていることを特徴とするポンプ装置。
【請求項3】
請求項2において、前記弁体は、前記ポンプ室を区画形成するダイヤフラム弁であり、当該ダイヤフラム弁の外周縁が前記固定体に固定されている一方、当該ダイヤフラム弁の中央が前記移動体に固定され、
前記固定体は、前記移動体において軸線方向に延びた第1の壁面と対向して当該第1の壁面との間に環状空間を構成する第2の壁面を備え、
前記ダイヤフラム弁における中央部と外周縁との間の環状部分は、前記環状空間内に断面U字状に折り返された状態で保持されていることを特徴とするポンプ装置。
【請求項4】
請求項3において、前記移動体は、外周側に広がったフランジ部を備えるとともに、該フランジ部には、周方向に複数の穴が形成され、
前記第2の壁面は、前記固定体において周方向の複数箇所から軸線方向に延びる複数本の突起から構成され、
前記複数本の突起は、前記複数の穴に各々嵌って前記供回り防止機構を構成していることを特徴とするポンプ装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記回転体は、前記固定体に対してベアリングボールを介して軸線周りに回転可能に支持されていることを特徴とするポンプ装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記回転体の停止位置を規定するためのストッパが構成されていることを特徴とするポンプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−170124(P2006−170124A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−365924(P2004−365924)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】