説明

マイクロカプセル化されたエッセンシャルオイルを含有する製剤

本発明は、少なくとも1つのカプセル化された揮発性エッセンシャルオイルおよび非揮発性ビヒクルを含む新規「緑色植物」農業用製剤を提供するものであって、このビヒクル中に少なくとも1つのカプセル化された揮発性エッセンシャルオイルが担持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、マイクロカプセル化されたエッセンシャルオイルを含有する製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
現代の化学および医薬産業の発展以前に、エッセンシャルオイルは、消毒性および殺虫性物質として、医薬および化粧的用途、例えば抗殺菌性および殺幼虫性剤において日常生活の多くの分野で使用されていた。抗殺菌活性の広範なスペクトルを持つエッセンシャルオイルを基にした製剤は、哺乳動物に対して比較的毒性がないことが示されてきた。それらは、安価でかつ効果が高く、低濃度で使用できるより強力な合成化学物質および抗生物質に置き換えられてきた。しかしながら、時間と共に、これらの合成化学物質に関する毒性や環境的効果が明らかとなり、現在では、合成化学物質を、当初置換えられていた同じ効果のエッセンシャルオイル剤に置換える試みが行われている。
【0003】
農業におけるこのようなエッセンシャルオイルを基にした製剤の使用も報告されている。本発明の発明者によるPCT公開公報番号WO 04/098767(出願番号PCT/IL2004/000384)では、硬表面清浄剤、洗濯用清浄剤および柔軟剤としての消費者市場には殺菌剤製品として、殺虫剤、昆虫忌避剤としておよび抗ウイルスまたは抗真菌剤として、使用され得るエッセンシャルオイルのマイクロカプセルを開示している。マイクロカプセルが所定の基材に適用される場合、その中に含有したエッセンシャルオイルは、ある期間にわたって一定の割合で放出される。かかるマイクロカプセルの効果は、マイクロカプセル自体に関するパラメーター、即ちサイズ、カプセル膜の厚み、その中に含有するエッセンシャルオイルの徐放能力等にのみ依存しており、それらを標的環境に運び、その直後に乾く水性媒質に依存するものではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の要約
本発明により、殺虫剤、忌避剤、殺卵剤、幼虫駆除剤および抗ウイルス剤としてのカプセル化された揮発性エッセンシャルオイルの効果は、それらが高沸点または高融点のエッセンシャルオイルおよび油脂として、そのような剤を含有できる非揮発性ビヒクル中に懸濁または分散される場合に増加し得ることが見出された。より具体的には、もし基材または標的環境へ適用すると、それらが、例えば水性媒質の蒸発により、その及ぼす効果を増強できる非揮発性剤と接触したままであれば、これらのカプセル化された揮発性油の効果が高くなることが判った。また、驚くべきことに、非揮発性ビヒクルの効果は相加的または相乗的であり得ることが見出された。
【0005】
このように、本発明は、少なくとも1つのカプセル化された揮発性エッセンシャルオイルおよび非揮発性ビヒクルを含む農業用製剤を提供するものであって、該ビヒクル中には少なくとも1つのカプセル化された揮発性エッセンシャルオイルが担持されている。該非揮発性ビヒクルは、固体または液体ビヒクルであり得る。
【0006】
「カプセル化されたエッセンシャルオイル」または「カプセル化」なる表現、またはあらゆるその言語的変更は、本明細書において、その中に1以上のエッセンシャルオイルを保持することが出来るあらゆる形状およびサイズの顆粒を示す。かかるカプセル化の一例はマイクロカプセル化である。本発明の農業用製剤は、その利点に影響を与えずに、当分野では既知のあらゆるカプセル化されたエッセンシャルオイル顆粒を使用することができ、好ましい顆粒形状はマイクロカプセルの形状である。好ましいマイクロカプセルは、その重量の30-98%、より好ましくは60-95%の揮発性エッセンシャルオイルを有し、そしてイソシアネートの界面重合によって調製される。かかる重合により、例えばWO 04/098767に開示されたようにポリウレタン、ポリウレアまたはその組合せ物のマイクロカプセル化殻が可能となる。かかるマイクロカプセルは、通常平均サイズが0.1-100ミクロンを示す。他の適切なマイクロカプセルは、例えばWO94/13139、EP0252897、US5576009およびUS5925464で開示されたような、かかる方法によって調製され得る。
【0007】
即ち、より具体的には、本発明は、揮発性エッセンシャルオイルを含有する少なくとも1つのマイクロカプセルおよび非揮発性ビヒクルを含む農業用製剤を提供する。
【0008】
本明細書において使用したように、用語「非揮発性ビヒクル」は、一般的に、適用後に標的環境でマイクロカプセルと共に残留し、そして相加効果または相乗効果を発揮する有機物質を示す。かかるビヒクルは、高い沸点または融点を有する液体または固体(純粋または混合物)であり得、そこに適用した後に標的環境の表面から蒸発する速度がカプセル化されたエッセンシャルオイルと比べて遅いものである。かかるビヒクルまたは担体は、例えば非揮発性エッセンシャルオイル、非揮発性植物性油、非揮発性または固体テルペン、および油脂であり得る。
【0009】
ビヒクルは決して水単独ではない。しかし、様々な実施形態において、水が製剤の主要成分であるということも必要であるかもしれない。かかる例示的な場合において、マイクロカプセルが水性溶液中で作製される場合、または水を添加すると流動性および噴霧性が良くなる場合、または該製剤が水中でパッケージされるか貯蔵される場合に、非揮発性ビヒクルは、媒質として作用し、そして該製剤の忌避特性、殺虫特性、農薬特性、殺幼虫特性または殺卵特性に対する有価な効果を持たない水溶液に添加され得る。後記するように、該製剤の適用後、水は蒸発し、その後に非揮発性ビヒクルに懸濁したマイクロカプセルが残る。別の実施形態において、水は必要ではない可能性がある。
【0010】
ビヒクルが液体のエッセンシャルオイルまたは油脂である場合、該用語は300℃以上の高い沸点を有するものを示す。かかる高沸点エッセンシャルオイルは、例えばピレトリンであり得る。油脂の例はゴマ油または綿実油である。
【0011】
用語「固体ビヒクル」とは、純粋物または混合物である固体物質であって、この中に該マイクロカプセルが混合され、標的へ適用する前に液体媒質(例えば水)に溶解または懸濁または均一に分散され得る。固体ビヒクルは、例えば粉末の形態であってもよい。用語「液体ビヒクル」とは、純正液体、物質の均質な液体混合物(混合する前の各剤は固体、液体またはガスであってよい)またはかかる物質の不均質混合物(例えば、懸濁物)であって、この中に該カプセル化されたエッセンシャルオイル、例えばマイクロカプセルが懸濁され得るものである。液体ビヒクルまたは固体ビヒクルを適切な媒質(例えば水など)に溶解または分散することによって調製された溶液中のマイクロカプセル懸濁液は、マイクロカプセル内の揮発性エッセンシャルオイルの粘稠度、分布、物理的状態または濃度が影響されないように存在すべきである。かかるビヒクルとは、さらに該マイクロカプセルが、溶解、変質、分解、侵出しないか、またはあらゆる他の物理または化学的変化を受けないものである。用語「懸濁された」またはその他の言語的その変形物は、ビヒクル中のマイクロカプセルの分散、または非混和性液体中へのマイクロカプセルおよびビヒクルの分散状態を示すものである;例示により限定するものではないが、該分散は、水中における綿実油およびマイクロカプセルに関するものである。あるいは、該用語は、マイクロカプセルのサイズによってはコロイドの状態をも示し得る。
【0012】
一実施形態において、非揮発性ビヒクルは、少なくとも1つの非揮発性エッセンシャルオイル、少なくとも1つの非揮発性植物性の油またはそのあらゆる組合せであり得る。かかる組合せは、例えば後記のものであり得るが、それらに限定するものではない:(a)2以上の異なる非揮発性エッセンシャルオイルの組合せ;(b)2以上の異なる非揮発性エッセンシャルオイルと少なくとも1つの植物性の油との組合せ;(c)1つの非揮発性エッセンシャルオイルと1つの非揮発性植物性の油との組合せ;(d)2つの異なる非揮発性植物性の油の組合せなど。また、同種のバリエーションは、いずれか一つの特異的なサブグループ、例えば油脂、およびいずれか一つのその特異的な代表物、例えば様々なトリグリセリドを用いて作ることができる。
【0013】
用語「揮発性」、「穏やかな揮発性」および「非揮発性」とは、周囲温度および圧力の下での化学物質の揮発性能の程度を示す。通常、その物質の沸点が低いほど、より該物質の揮発性は高くなる。エッセンシャルオイルに関して、揮発性、低沸点油とは、約250℃よりも低い沸点を有すると定義されたものである。穏やかな揮発性油とは、250℃-300℃の間の沸点を有するものと定義されたものである。非揮発性または低い揮発性油は、300℃以上の高い沸点を有するものとして定義されたものである。
【0014】
「植物性の油」とは、植物によって作られる油の天然の複合混合物である。「エッセンシャルオイル(複数を含む)」とは、一般的に、植物にその特徴的な香り、風味またはその他のかかる性質を与えるものである。植物性の油は、植物組織体の様々な部分(種子、花、芽または葉)に見出され、また特定の細胞中または細胞群(顆粒)中で濃縮されている。一般的に、植物性の油は複合混合物であって、それらが見出される部分の性質によってその植物から様々な方法によって得られる。かかる方法は、例えば、圧縮、蒸気を用いる蒸留、油の溶出(抽出)またはそれらの吸着、そして加圧および浸漬による方法であり得る。該用語は、1以上の特定成分、例えばモノテルペン、ジテルペン、トリテルペン、テトラテルペン、セスキテルペン、およびその他のポリテルペンに加えて有機アルコール、アルデヒド、ケトン、酸およびエステルを有する、天然に得られる植物性油を濃縮して調製された油混合物も示す。
【0015】
用語「エッセンシャルオイル」および「植物性油」とは、本発明の範囲に包含される様々な文献の出典源において互換的に使用され、後者は、油脂をも包含する広い範囲の化合物を示す。
【0016】
本明細書に示したような「油脂」とは、脂肪酸、グリセロールから派生した油脂(油脂および油およびリン油脂を包含する)、スフィンゴシンから派生した油脂(セラミド、セレブロシド、ガングリオシドおよびスフィンゴミエリンを包含する)、ステロイドおよびそれらの誘導体、テルペンおよびそれらの誘導体、特定の芳香族化合物および長鎖アルコールおよびワックスを包含する。該用語は、リポタンパク質(タンパク質または炭水化物と組合せた油脂)、リポポリサッカリドおよびビタミン(例えば脂溶性ビタミン)も示す。
【0017】
好ましい実施形態において、該植物性油は、ゴマ油、除虫菊、グリセロールから派生した油脂またはグリセロール脂肪酸誘導体から選択され、該少なくとも1つのカプセル化されたエッセンシャルオイルは、シナモン、ヒマラヤスギ、クローブ、ゼラニウム、レモングラス、ミント、胡麻、タイム油、ウコン油、ウィンターグリーン油、ローズマリー、アニス油、カルダモン油、カモミール油、コリアンダー油、クミン油、 ディル油、ミント油、パセリ油、バジル、ショウノウ、シトロネラ、ユーカリ、フェンネル、ショウガ、グレープフルーツ、レモン、マンダリン、オレンジ、松葉、コショウ油、バラ油、橙皮油、タンジェリン、ティー・ツリー、茶、キャラウェイ、ニンニク、ペパーミント油、タマネギおよびスペアミント油から選択される。好ましいエッセンシャルオイルは、揮発性であって、次のものに限定するわけではないが、シトロネラ、ゼラニウム、ティー・ツリー、ラベンダー、クローブ、マツおよびユーカリから選択される。
【0018】
本発明の別の実施態様において、本発明の製剤は、アジュバンド、粘着剤、抗酸化剤、耐水剤、界面活性剤、マイクロカプセルの凝集を防止する立体障害ポリマーおよびゲル崩壊剤を、ビヒクルの一部またはマイクロカプセル内に含み得る。
【0019】
アジュバンドは、例えば、保存期間、基材への噴霧性または基材への接着性を改良するために使用され得る。かかるアジュバンドは、天然および合成ポリマーの両方から選択でき、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、エチレンまたはマレイン酸無水コポリマー、メチルビニルエーテルマレイン酸無水共重合体、水溶性セルロース、水溶性ポリアミドまたはポリエステル、アクリル酸のコポリマーまたはホモポリマー、水溶性デンプンおよび加工デンプン、天然ゴム(例えば、アルギネートなど)、デキストリンおよびタンパク質(例えば、ゼラチンおよびカゼインなど)から選択され得る。
【0020】
別の実施形態において、製剤は、マイクロカプセル内またはビヒクルの一部としていずれかに殺虫剤、例えば、昆虫成長調節剤(IGR)、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤(acaracides)、殺菌剤、殺線虫剤(nematicides)、外部寄生虫駆除剤および/または除草剤も含み得る。好ましくは、該製剤は、少なくとも1つのカプセル化されたエッセンシャルオイルまたは非揮発性ビヒクル中のいずれかに可溶性である殺虫剤を含有し得る。かかる殺虫剤は、例えばカルバメート殺虫剤、尿素殺虫剤、トリアジン殺虫剤、トリアゾール殺虫剤、有機リン系殺虫剤、モルホリン殺虫剤、ジニトロアニリン殺虫剤、アシルアラニン殺虫剤、ピレスロイド殺虫剤および有機塩素系殺虫剤であり得る。特定の例示は、カルボフラン、アジンホスメチル、スルフェントラゾン、カルフェントラゾンエチル、シペルメトリン、シロマジン、β-シフルトリン、エンドスルファン、ホスメット、クロロブロムロン(chlorobromuron)、クロロクスロン、クロロトルロン、フルオメツロン、メトブロムロン、チアザフルロン、テフルベンズロン、ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、ルフェヌロン、クロルフルアズロン、ノバルロン、ジメタクロル、メトラクロール、プレチラクロール、2-クロロ-n-(1-メチル-2-メトキシエチル)-アセト-2,6-キシリジン、アラクロール、ブタクロール、プロパクロール、ジメテナミド、ビフェノックス、4-(4-ペンチン-1-イルオキシ)ジフェニルエーテル、アシフルオルフェン、オキシフルオルフェン、フルオログリコフェンエチル、フォメサフェン、シス-トランス-(+)-2-エチル-5-(4-フェノキシメチル)-1,3-ジオキソラン、フルアジホップブチル、ハロキシホップメチル、ハロキシホップ-(2-エトキシエチル)、フルオロトピック(fluorotopic)、フェノキサプロペチル(fenoxapropethyl)、キザロホップエチル、プロパキザホップ、ジクロホップメチル、ブトラリン、エタルフルラリン、フルクロラリン、イソプロパリン、ペンディメタリン、プロフルラリン、トリフルラリン、イミドクロプリド、アクララニン フララキシル(aclalanines furalaxyl)、メタラキシル、ベンゾイルプロペチル、フラムプロップメチル、ジフェノコナゾール、エタコナゾール、プロピコナゾール、1,2-(2,4-ジクロロフェニル)-ペント-1-イル-1h-1,2,4-トリアゾール、トリアジメホン、ジオキサカルブ、フラチオカルブ、アルジカルブ、ベノミル、エンドスルファン、2-sec-ブチルフェニルメチルカルバメート、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブ、イソプロカルブ、プロポクサー、カルベタミド、ブチレート、ジ-アラット、eptc、モリネート、チオベンカルブ、トリアレート、バーナレート(vemolate)、ピペロホス、アニロホス、ブタミホス、アザメチホス、ジクロルボス、ダイアジノン、メチダチオン、アジンホスエチル、アジンホスメチル、クロルピリホス、クロロチオホス、クロトキシホス、シアノホス、デメトン、ジアリホス、ジメトエート、ジスルホトン、エトリムホス、ファムフール、フルスルフォチオン、フルチオン、ホノホス、ホルモチオン、ヘプテノホス、イソフェンホス、イソキサチオン、マラチオン、メホスホラン、メビンホス、ナレド、オキシデメトンメチル、オキシデプロホス、パラチオン、ホキシム、ピリミホスメチル、プロフェノホス、プロパホス、プロペタンホス、プロチオホス、キナルホス、スルプロホス、フェメホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロロネート、フェナミホス(fenamipos)、イサゾホス、s-ベンジル-o,o-ジイソプロピルホスホロチオエート、エジンホスおよびピラゾホスである。
【0021】
製剤の物理状態(即ち、固体または液体として)は、非揮発性ビヒクルが液体または固体であるか、または非揮発性ビヒクルおよびマイクロカプセルが不混和液、例えば水中に懸濁または分散されているかに依存する。その物理的状態に関わらず、該製剤は、所望の剤形、例えば乳剤、水和剤、粒状水和剤、流動調節剤、懸濁剤、顆粒、粉末、燻蒸剤などへとさらに成型することによって使用できる。剤形の性質は、標的環境としてのかかるパラメーター、適用方法、その適用が実施される条件、非揮発性ビヒクルなどにおけるマイクロカプセルの相対濃度を基にして決定される。
【0022】
非揮発性ビヒクル中のマイクロカプセルの濃度は制御され得るが、カプセル化されたエッセンシャルオイルの濃度は、貯蔵、気象条件、調製形態、適用方法、適用場所、制御されるべき対象害虫、対象穀類植物などによって変化し得る。製剤内の揮発性エッセンシャルオイルの濃度は、0.01〜90%、また好ましくは0.1〜25%で変化し得る。標的環境、例えば作物畑への適用に関して、揮発性エッセンシャルオイルは、フィールドあたり揮発性エッセンシャルオイルの重量に関して0.1%から、好ましくは0.25%までの範囲で適切に選択され得る。
【0023】
理論にしばられることはないが、例えば、水性製剤が標的環境に適用される場合、その中の水が表面上で乾燥して、カプセル化された揮発性エッセンシャルオイルが埋包されている非揮発性ビヒクルの層が残る。処理された環境に対する最初の効果は、非揮発性ビヒクルによって発揮される;その後、ゆっくりと、自発的な放出によるかまたはその他の方法によって開始した放出によって、マイクロカプセルがその内容物の放出を開始し、その両方がそれによって環境に対する相加的または相乗効果のいずれかに影響する。
【0024】
本発明の製剤は、マイクロカプセル放出に関する4つのプロファイルに当てはまる、即ち(1) 迅速な放出プロファイル;(2)徐放性または遅延性放出プロファイル;(3)該マイクロカプセルが一回分としてまたは比較的短時間の間にその内容物を放出する、いわゆる「ノック・ダウン」的な生物学的に有効なプロファイル;および (4) 残余プロファイル、いわゆる「ノック・ダウン」の後に続く徐放性プロファイル、である。
【0025】
本発明の製剤は、使用される特定のエッセンシャルオイルにより、様々な農業、園芸および栽培目的に使用できる。該用語「農業用製剤」は、園芸および栽培用製剤も示す。理論や操作様式にしばられずに、該製剤は、害虫を確実に死亡させずに駆除することにより忌避剤として、昆虫または他の害虫の一部または集団全体を殺すことにより殺虫剤(または農薬類)として;そして昆虫の卵の一部または集団全体を殺すことによって殺卵剤としても作用し得る。用語「害虫」とは、昆虫、線虫、およびその他のヒト、動物および植物品種に対して有害な動物も示す。害虫の例示には、半翅目の異翅目、同翅目属、鞘翅類、鱗翅目、総翅目、膜翅目、等翅目、直翅目、ダニ目、ドリライムス目、腹足綱(gstopoda)およびニセハリセンチュウ目に属するものがある。
【0026】
異翅目(heteroptera)に属する害虫についての例示は、ヒメマルカメムシ(Megacopta punctatissimum)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、チャバネアオカメムシ(Plautia stali)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus)、コバネヒョウタンナガカメムシ(Togo hemipterus)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)、ツツジグンバイ(Stephanitis pyrioides), ウスミドリカスミカメ(Apolygus spinolai)、ホソハリカメムシ(Cletus puctiger)、アカスジカスミカメ(Stenotus rubrovittalus)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi) およびアカヒゲホソミドリカスミカメ(Trigonotylus coelestialium)である。
【0027】
鞘翅目(coleoptera)に属する害虫の例は、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、ヒラタコクヌストモドキ(Tribolium confusum)、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、マメコガネ(Popillia japonica)、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alteratus)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、ルートワーム種(Diabrotica spp.)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis grandis)、ハナゾウムシの一種 (Anthonomus eugenii)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、インゲンテントウ(Epilachna varivestis)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophylus)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)およびシバオサゾウムシ(Sphenophrus venatus vestitus)である。
【0028】
同翅目属(homoptera)に属する害虫の例は、フタテンヒメヨコバイ(Arboridia apicalis)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolli)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、ブドウネアブラムシ(Viteus vitifolli)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、マメアブラムシ(Aphis craccivora)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ムギヒゲナガアブラムシ(Sitobion akebiae)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ツノロウムシ(Ceroplastes ceriferus)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacapsis pentagoa)、ワタアブラムシ(Aphis gossipii)およびヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)である。
【0029】
鱗翅目(lepidoptera)に属する害虫の例は、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、チャハマキ(Homona magnanima)、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、ヨモギエダシャク(Ascotis selenaria)、グレイプベリーモス(Endopiza viteana)、コドリンガ (Laspeyresia pomonella)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)、ギンモンハモグリガ(Lyonetia prunifoliella malinella)、コナガ(Plutella xylostella)、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、モモシンクイガ(Carposina niponensis)、モモシンクイガ(Carposina niponensis)、ニカメイガ(Chilo supperssalis)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、サンカメイガ(Scirpophaga incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrosis medinalis)、ハイマダラノメイガ(Hellulla undalis)、ナミアゲハ(Papilio xuthus)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、シバツトガ(Parapediasia tererrella)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna)、ヨトウガ(Mamestra brassicae), シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、ヘリオチス種(Heliothis spp.)およびハスモンヨトウ(Spodoptera litura)である。
【0030】
膜翅目(hymenoptera)に属する害虫の例は、カブラハバチ(Athalia rosae ruficornis)、チュウレンジハバチ(Arge pagana)およびクロヤマアリである。ハエに属する害虫の例は、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、イネミギワバエ(Hydrellia griseola)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、タマネギバエ(Delia antiqua)、イエバエ(Musca domestica)、チカイエカ(Culex pipienns molestus)およびアカイエカ(Culex pipiens pallens)である。
【0031】
総翅目(thysanoptera)に属する害虫の例は、 チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)およびミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)である。
【0032】
等翅目(isoptera)に属する害虫の例は、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus);および噛虫目(psocoptera)に属する害虫の例は、チャタテムシ目(various spp.)およびヒラタチャタテ(Liposcelis bostrychophilus)である。
【0033】
直翅目(orthoptera)に属する害虫の例は、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)、ケラ(Gryllotalpa sp.)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)およびチャバネゴキブリ(Blattella germanica)である。
【0034】
ダニ目(acarina)に属する害虫の例は、ミカンハダニ(Panonychus citri)、ナミハダニ (Tetranychus urticae)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)、ミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis)、クローバーハダニ(Bryobia praetiosa)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、ニセナシサビダニ(Eriophyes chibaensis)、ネダニ(Rhizoglyphus robini)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)およびケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)である。
【0035】
ハリセンチュウ目(tylenchida)に属する害虫の例は、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)およびサツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)である。ドリライムス目(dolylamida)に属する害虫の例は、ナガハリセンチュウ(Longidorus sp.)であり、そして腹足綱に属する害虫の例はナメクジ(Incilaria bilineata)である。
【0036】
標的環境に対する損傷ダメージを与え得る昆虫の集団への影響により、該製剤は、昆虫ベクターによるウイルス伝搬を制限することにより、植物ウイルスによって生じるダメージを低下させる際の助けとなる。標的環境に対する最も重大なダメージは、植物ウイルス、主にベゴモウイルスの伝搬によっておこり、トマトに対するこれらの最大のダメージの一つは、トマト黄化葉巻病ウイルス(TYLCV)である。
【0037】
本願の発明に導いた研究中に発見したことは、非揮発性ビヒクルが、揮発性エッセンシャルオイルにより発揮される忌避性、殺虫性、農薬性、殺卵性または抗ウイルス性の効果を増強し、そして非揮発性ビヒクルによって発揮される効果が、揮発性エッセンシャルオイルによって増強される。
【0038】
従って、本発明は、各々本発明の有効量の製剤を含む忌避性、殺虫性、農薬性、殺卵性および抗ウイルス性製剤をさらに提供する。
【0039】
ある実施形態において、該製剤は、シルバーリーフコナジラミのような昆虫に対する昆虫忌避剤として、またコナジラミ、トマト・ピンワーム(tomato pinworm)およびペッパー・ウィービィル・ペスト(pepper weevil pests)のようなかかる害虫に対する殺卵剤として使用され得る。
【0040】
ある特定の実施態様において、コナジラミに対する忌避製剤が提供されるが、該製剤は、カプセル化されたシトロネラ油および/またはゼラニウム油および/またはティー・ツリー・オイルおよび/またはラベンダー油および/またはクローブ油、ならびに除虫菊およびゴマ油を含む液体ビヒクルを含有する。
【0041】
別の特定の実施形態において、コナジラミに対する製剤は、カプセル化されたショウガ油、および綿実油を含む液体ビヒクルを含有する。
【0042】
また別の特定の実施形態において、トマト・ピンワーム, Keiferia lycopersicella(Wals.)に対する忌避製剤が提供されるが、該製剤は、シトロネラ油および/またはゼラニウム油および/またはティー・ツリー油および/またはラベンダー油および/またはクローブ油ならびに除虫菊およびゴマ油を含む液体ビヒクルを含有する。
【0043】
別の実施形態において、ペッパー・ウィービィル, Anthonomus eugenii Canoに対する殺卵性または忌避性製剤が提供されるが、該製剤は、シトロネラ油および/またはゼラニウム油および/またはティー・ツリー油および/またはラベンダー油および/またはクローブ油ならびに除虫菊およびゴマ油を含む液体ビヒクルを含有する。
【0044】
別の実施形態において、本発明の製剤は、感染のためのウイルスベクターとして作用し得るウイルス伝搬性害虫に対して使用され得る。該用語「ウイルスベクター」とは、植物ウイルス病をもたらす生物を運び、伝搬できる本明細書中で定義され、また例示したようなあらゆる害虫を示す。
【0045】
本明細書で前述したように、本発明の該製剤は、あらゆる既知の方法によって調製され得るマイクロカプセルに含有されるあらゆるエッセンシャルオイルを使用し得る。このように調製されるマイクロカプセルは、反応混合物から回収され、そして非揮発性ビヒクルに再懸濁されるかまたはそれらを含有する溶液中に再懸濁されるかのいずれかであり得る。あるいは、マイクロカプセルを含むあらゆる水性であってもそれ以外であってもよい媒質は、少なくとも1つの非揮発性ビヒクルを用いて製造される媒質から初期分離をせずに処理され得る。大部分の場合において、該媒質は水である。
【0046】
分離が好ましい場合に、マイクロカプセルの回収は、そのサイズにより、遠心分離または濾過によって達成され、数回に分けて適切な溶媒(例えば、蒸留水)を用いて洗浄し、表面から遊離反応体を除去し得る。もし必要であれば、マイクロカプセルを、減圧下に加熱し、あらゆる残存反応体をマイクロカプセル内からさらに除くこともできる。好ましくは、この方法は、マイクロカプセルの殻を形成するポリマーの平均ガラス転移温度を超える温度でマイクロカプセルを加熱することによって実施される。
【0047】
これらのマイクロカプセルは、非揮発性液体または固体のビヒクル中に分散され得るかまたは懸濁され得る。ある場合において、該非揮発性ビヒクルは、微粒子固体、例えば粉体であって、該分散は有効量の乾燥マイクロカプセルと該ビヒクルとを混合することによって為されるのが好ましい。ある実施態様において、非揮発性ビヒクルは液体であって、該懸濁液は、該ビヒクル中で有効量のマイクロカプセルを機械攪拌することによって調製されるのが好ましい。本明細書において使用したような用語「有効量」は、本明細書において後記するような標的環境に対して所望の効果を発揮する経験的に決定された量を示す。
【0048】
即ち、本発明は、本願製剤の製造方法をさらに提供するものであって、該方法は非揮発性ビヒクルまたはそれらを含有する媒質中で、少なくとも1つのカプセル化されたエッセンシャルオイルを分散することを含む。
【0049】
本発明は、本願製剤の製造方法をさらに提供するものであって、該方法は、本明細書の上記に定義した一定量の非揮発性ビヒクルを、カプセル化された揮発性エッセンシャルオイルのあらゆる水性調製物に加えることを含む。
【0050】
「カプセル化された揮発性エッセンシャルオイルの水性調製物」とは、当業者には既知のあらゆる過程によって製造される調製物である。好ましくは、カプセル化された揮発性エッセンシャルオイルの水性調製物は、WO04/98767に記載の過程に従って製造され、該過程は、一般的にジまたはポリイソシアネートをエッセンシャルオイルに溶解すること、得られた混合物を、ジまたはポリアミンおよび/またはジまたはポリヒドロキシ化合物を含有する水性溶液中に乳化し、界面重合によるエッセンシャルオイルのカプセル化を行うことを含んでおり、これによりエッセンシャルオイルの液滴を囲むポリウレアおよび/またはポリウレタンフィルムが形成され、このフィルムは、基材に適用した場合に、該エッセンシャルオイルの安定性を増強させ、その蒸発速度を低下させ、そしてその放出速度を制御する。
【0051】
製造されると、該液体または固体製剤(例えば、可溶性固体)は、ある手段によって環境中に放出されるまで保持され得る。カプセル化されたエッセンシャルオイルを含有する懸濁液を、ビンに詰めるかまたはカンに充填することが最も便利であることが多く、この場合には、アジュバンドを該製剤に添加することが望ましいかもしれない。「製剤アジュバンド」、例えば、密度平衡剤、界面活性剤、増粘剤、殺生物剤、分散剤、不凍剤、塩類などを添加し、懸濁液安定性および適用容易性を改善することができる。かかる製剤アジュバンドは、懸濁物の約0.01〜約30重量%の濃度でマイクロカプセルの懸濁物に添加されてもよい。
【0052】
該製剤を製造するための方法は、イオン性または非イオン性界面活性剤を液体ビヒクルまたは媒質(例えば水)に添加することも包含し得る。かかる界面活性剤は、マイクロカプセルのサイズを促進するかまたは制御するためにマイクロカプセルの製造中に添加され、および/またはマイクロカプセル化物から生じるゲルを分解するために、また流動可能な非ゲル製剤を提供するためにマイクロカプセルの製造後に添加され得る。特に好ましい界面活性剤の一つは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である。0.1〜10%、最も好ましくは0.5%〜5%の濃度で添加され得るのが好ましい。
【0053】
界面活性剤に加えて好ましい他の添加剤の非限定的な例示は、粒子分離の維持を助ける立体障害ポリマー、例えばポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリ(エトキシ)ノニルフェノールである。ある場合において、例えば完成したマイクロカプセルの溶液を他の殺虫剤と組み合わせる場合に、該完成したマイクロカプセル製剤のpHを調整することが望ましい。酸性またはアルカリ性に調整するためには、例えば塩酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムを包含する従来の試薬が使用され得る。
【0054】
本発明の別の態様において、標的環境または該害虫集団またはその部位に、本発明の該製剤を用いることを含む害虫集団を扱うための方法が提供される。
【0055】
「害虫集団を処理すること」によって、1以上の後記内容を意味する:選択された標的環境から一部または全体の害虫集団を駆除すること;次世代を制御すること;一部または全体の害虫集団を絶滅すること;繁殖場所を排除すること;感染前に標的環境を忌避剤または殺虫剤に暴露すること;感染前または感染後のダメージを引き起こす成虫、幼虫または害虫の卵を制限すること。用語「害虫集団」とは、成虫の害虫集団、幼生または幼虫集団、卵集団、混在集団、またはあらゆるその組合せを示し、該集団における害虫の数は1〜数百万までの幅であってよい。
【0056】
本明細書において使用したような用語「標的環境」とは、害虫集団により被害を受けると考えられる一次的環境、そして該一次的環境をとりまく、いかなる農業的または園芸的に望ましい標的をも包含しない二次的環境の両方を示す。一次的環境とは、例えば、穀類の葉、樹皮、果実、花、種子または根、例えばコメ、大麦、小麦、ライ麦、オート麦、トウモロコシ等;豆類およびエンドウマメ類(例えば、大豆、赤インゲン豆、空豆、エンドウ豆、インゲン豆、落花生等);果樹類、例えば、林檎、柑橘類、梨、葡萄、桃、梅、桜桃、胡桃、栗、アーモンド、バナナ、いちご等;緑色野菜および果菜類、例えば、キャベツ、トマト、ホウレンソウ、ブロッコリー、レタス、タマネギ、ネギ、ピーマン、なす、胡椒等);根菜類、例えば、ニンジン、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ハツカダイコン、レンコン、カブ、ゴボウ、ニンニク等;加工用作物、例えば、綿、亜麻、ビート、ホップ、サトウキビ、テンサイ、オリーブ、ゴム、コーヒー、タバコ、茶等;ウリ科の植物、例えば、カボチャ、キュウリ、マスクメロン、スイカ、メロン等;牧草類、例えば、カモガヤ、穀実用モロコシ、オオアワガエリ、クローバー、アルファルファ等;芝類;香料用作物;花類および観用植物;庭木類、例えば、銀杏、桜、青木等;および林木類、例えばトドマツ、エゾマツ、松、ヒバ類(hatched-leaved arbor-vitae)、スギ、ヒノキ等である。
【0057】
標的環境とは、用い得る製剤が標的とする特定の害虫集団でもあり得る。
【0058】
多様な害虫を制御するために、本発明の製剤は、そのままで、または適切な量の水等にて害虫集団の制御に有効な濃度の希釈物または懸濁物のいずれかの形態で、害虫の出現が予測される植物に適用され得る。例えば、果樹、穀類および野菜類などの食用農産物に対する害虫の出現を制御するために、該製剤は、周辺環境および標的環境に間接的に用い得る。該製剤は、茎葉処置、種子処理(例えば、種子コーティングのための、該製剤への種子の浸漬)、土壌への投入、ドレンチング・イン・ホール(drenching-in-hole)処置、苗木箱の適用等に適合可能である。
【0059】
本発明の製剤は、該カプセル化された揮発性エッセンシャルオイルが非揮発性ビヒクルと混合された単回製剤として、または第一成分としてカプセル化された揮発性エッセンシャルオイルおよび第二成分として非揮発性ビヒクルを含有する二成分製剤(例えば別容器においてまたは別々に適用されることもある)として、提供、貯蔵、梱包または適用され得る。
【0060】
即ち、害虫集団を処理するための方法を提供するものであって、
該方法は、
−少なくとも1つの揮発性エッセンシャルオイルを含むマイクロカプセル製剤を、標的環境に適用すること、そして
−非揮発性剤を含む第二製剤を該標的環境に適用すること、を含む。
【0061】
第二製剤の適用は、第一製剤の適用直後、またはその後のあらゆる時点で為され得る。当業者は、本明細書中に開示された害虫集団を処理する2つの方法のいずれが特定の場合により適切であるかを決定できる。
【0062】
本発明の製剤は、当業者には既知のあらゆる方法によって標的環境に送達され得る。かかる方法は、例えば(a)土壌への該製剤の手動的または機械的適用、例えば水を用いて希釈または希釈していない液体製剤を、植物基部に適用することによる;(b)粒状剤、例えば粉末または湿性粉末を、植物基部、植穴または作条に適用すること;(c)圃場全体または具体的選択された区域に液体製剤を地上または空中散布すること;(d)該製剤を表土に埋めること等を包含する。該製剤は、収穫前または収穫後の果実類および野菜類にも適用でき、またさらに、貯蔵穀物害虫、家屋害虫、衛生害虫および森林害虫にも適用できる。さらに、燻蒸、置き餌等を用いて家屋の建材に対しても適用できる。
【0063】
マイクロカプセルからのエッセンシャルオイルの放出様式および処理環境に対する確実な効果は、マイクロカプセルの物理的特徴に依存する。本発明に従って、活性な揮発性エッセンシャルオイルは、マイクロカプセル膜によってカプセル化されており、相加的または相乗的にその発揮される効果を増強する非揮発性ビヒクル中に担持された液体持続性薬剤(liquid depot)である。標的環境への該製剤の送達に対して、基材に適用した場合に、マイクロカプセルの内部と外部の揮発性エッセンシャルオイルの濃度勾配によりマイクロカプセル内容物の放出が開始すると考えられている。この放出過程およびその反応速度は次の点に影響され得る:(a)マイクロカプセルの乾燥;(b)マイクロカプセル殻をゆっくりと分解させる水性媒質(例えば、水または雨)との接触;(c)高温;および(d)直射日光。しかし、マイクロカプセル内容物の放出が自発的または独立的であり得るので、これらのどの条件も必要とされないか、または放出開始に対して何の効果も持たない場合もある。
【0064】
該製剤は、小さな庭園、ハウス苗床、菜園および花壇における、ならびに観葉植物などの少数の特定の標本に対する害虫集団を処理するためにも使用され得る。
【0065】
従って、本発明の製剤を含むキットまたは市販パッケージが提供される。
【0066】
本発明は、カプセル化された少なくとも1つの揮発性エッセンシャルオイルの懸濁液を含有する第一の容器、および非揮発性ビヒクルを含有する第二の容器を、その中に含んでなる二成分キットも提供する。本発明のキットは、所望の効果を達成するように、標的環境に該二成分を適用する方法に関する指示書も適宜含む。
【0067】
該キット製剤または単一成分製剤は、固体または濃縮や希釈状態にある液体形態で提供でき、そして例えば予め該製剤を吸収した海綿または布片によって、または携帯スプレーによって標的環境に適用され得る。
【0068】
本発明は、図面を参照して実施例の方法により説明される。前記記載により、いくつかの特定の本発明の実施形態のみを詳細に説明したが、本発明はその説明によって限定されるものではなく、カプセル化されたエッセンシャルオイルと非揮発性ビヒクルとを含むその他の製剤は、従属項によって定義されたような本発明の範囲を逸脱せずに、その他の型の害虫およびその他の目的に適用できることが当業者には理解されるであろう。
【実施例1】
【0069】
詳細な説明
実施例1:コナジラミ、トマト・ピンワームおよびペッパー・ウィービルに対する忌避製剤
製剤1:エッセンシャルオイル・マイクロカプセルの処方は、界面重合によって通常実施される。例えば、ある場合には、TDI(トルエンジイソシアネート)(17.5g)を、高剪断混合器を用いて、シトロネラ油(125g)中で混合し、これをPVA(2.5g)を含有する水(250 g)に加えた。これに、水(70 ml)とPEG 4000(27.8g)を加えた。混合を室温で2時間継続した。この分散物に、キサンタンゴム(rodopol)(0.4g)および殺真菌薬(nefocide)(2g)を添加した。このエマルジョンのヒドロゲル特性が消失するまで、SDS (ドデシル硫酸ナトリウム、1%)(5g)を添加した。
【0070】
水中でマイクロカプセルのこの懸濁液に、各懸濁液(89g)毎に除虫菊油(50% 濃度) (10g)およびゴマ油(1g)を添加した。
【0071】
この一般的な方法を用いて、本明細書にて製剤2から15に示したとおりにその他多数の忌避製剤を調製した。
【0072】
製剤2:この製剤を、シトロネラ油(93g)、除虫菊油(10g)およびゴマ油(1g)を用いて、製剤1と同様にして調製した。
【0073】
製剤3:この製剤を、カプセル化された揮発性エッセンシャルオイルとしてゼラニウム油を用いて、製剤1と同様にして調製した。
【0074】
製剤4:この製剤を、カプセル化された揮発性エッセンシャルオイルとしてティー・ツリー油を用いて、製剤1と同様にして調製した。
【0075】
製剤5:この製剤を、カプセル化された揮発性エッセンシャルオイルとしてラベンダー油またはクローブ油を用いて、製剤1と同様にして調製した。
【0076】
製剤6:この製剤を、綿実油(24.3ml)およびカプセル化されたショウガ油(0.62ml)を用いて、製剤1と同様にして調製した。
【0077】
製剤7:この製剤を、綿実油(23.7ml)およびカプセル化されたショウガ油(1.25ml)を用いて、製剤1と同様にして調製した。
【0078】
製剤8:この製剤を、綿実油(22.5 ml)およびカプセル化されたショウガ油(2.5ml)を用いて、製剤1と同様にして調製した。
【0079】
製剤9:この製剤を、綿実油(21.2 ml)およびカプセル化されたショウガ油(3.7ml)を用いて、製剤1と同様にして調製した。
【0080】
製剤10:この製剤を、上記製剤1に開示された方法とほぼ同一過程にて、下記の成分および量を用いて調製した:PVA(25g)、ショウガ油(250g)、TDI(35g)、PEG 4000(55.6g)、Nefocide(4g)、SDS(10g)およびRodopol(0.8g)。
【0081】
製剤11:この製剤を、上記製剤1に開示された方法とほぼ同一の過程にて、下記の成分および量を用いて調製した:PVA(2.1g)、ショウガ油(110g)、TDI(10.1g)、PEG 2000(12.5g)、Nefocide(1.8g)およびRodopol(0.8g)。
【0082】
製剤12:この製剤を、上記製剤1に開示された方法とほぼ同一の過程にて、下記の成分および量を用いて調製した: PVA(2.0g)、ショウガ油(90g)、TDI(3.5g)、EDA(0.8g)、EDTA(0.7g)、Nefocide(1.3g)およびRodopol(1.2g)。
【0083】
製剤13:この製剤を、上記製剤1に開示された方法とほぼ同一の過程にて、下記の成分および量を用いて調製した:PVA(2.1g)、ショウガ油(88g)、パラフィン油(22g)、TDI(10.1g)、PEG 4000(24.4g)、Nefocide(1.8g)およびRodopol(0.5g)。
【0084】
製剤14:この製剤を、上記製剤1に開示された方法とほぼ同一の過程にて、下記の成分および量を用いて調製した:PVA(2.1g)、ショウガ油(88g)、綿実油(22g)、TDI(15.3g)、PEG 4000(24.4g)、Nefocide(1.8g)およびRodopol(0.5g)。
【0085】
製剤15:この製剤を、上記製剤1に開示された方法とほぼ同一の過程にて、下記の成分および量を用いて調製した:PVA(2.1g)、ショウガ油(88g)、ゴマ油(22g)、TDI(22g)、PEG 4000(24.4g)、Nefocide(1.8g)およびRodopol(0.5g)。
【実施例2】
【0086】
実施例2:標的環境に対する忌避製剤の適用
上記製剤を、シルバー・リーフ・コナジラミの成虫およびその卵に対して試験した。下記の溶液をコントロールとして使用した。
1. 水
2. 超超高純度の油−パラフィン油を含有する市販製品、および
3. 除虫菊
【0087】
トマト苗木の様々な葉を、上記にて調製した製剤の一つを用いて、上部と底部を処理し、それらから忌避したコナジラミ成虫の数およびその処理済の葉の上にある産卵数を基準にして、忌避剤としての該製剤の効果を測定した。一般的にいうと、下記の表から理解され得るとおりに、該製剤の効果は、使用した3つのコントロールと比較して非常に高かった。さらに、長期試験によりコントロールが実質的な効果はなかったことが示された。
【0088】
表1は、製剤1が、コナジラミを忌避させるために処理済の葉にとまったハエの数および産卵数の両方に関して効果的であったことを示している。例えば、表1のレプリカ1に着目すると、超超高純度の油単独で処理した場合の50%の低下と比較して、ハエの匹数(葉の上部+下部)は全体的として87%まで、すなわち29匹から4匹へと減少した。
【0089】
表2に示したとおりに製剤3および4についても、同様の結果が観察された(幾つかのものは、表2に示していない)。
【0090】
表1:シルバーリーフ・コナジラミに対する製剤1の効果
【表1】

【0091】
表2:コナジラミに対する製剤3および4の効果
【表2】

【0092】
表3:トマト植物でのコナジラミの集団に対するカプセル化された製剤の影響
【表3】

【0093】
下記の実験組のために、次の7つの製剤を調製して使用した:
A. 綿実油(95 ml)およびTween(5ml)
B. 綿実油(24.4ml)およびカプセル化されたショウガ油(0.63ml)
C. 綿実油(23.7ml)およびカプセル化されたショウガ油(1.2ml)
D. 綿実油(22.5ml)およびカプセル化されたショウガ油(2.5ml)
E. 綿実油(21.2ml)およびカプセル化されたショウガ油(3.75ml)
F. 超高純度の油
G. 水
【0094】
トマト植物からのコナジラミ集団が忌避することを十分に行った実験結果を表3に示した。理解され得るように、本発明に従って調製した製剤は、コナジラミを忌避させ、産卵数を低下させる点でより効果的であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのカプセル化された揮発性エッセンシャルオイルおよび非揮発性ビヒクルを含有する製剤であって、該ビヒクル中には少なくとも1つの揮発性のカプセル化されたエッセンシャルオイルが担持されており、ここで該非揮発性ビヒクルは固体または液体形態にある、製剤。
【請求項2】
非揮発性ビヒクルが、非揮発性エッセンシャルオイル、非揮発性植物性の油またはそのあらゆる組合せ物の群から選択される、請求項1記載の製剤。
【請求項3】
前記非揮発性植物性の油が、ゴマ油、除虫菊、グリセロールから派生した油脂またはグリセロール脂肪酸誘導体から選択され、そして前記少なくとも1つの揮発性エッセンシャルオイルが、シナモン油、ヒマラヤスギ油、クローブ油、ゼラニウム油、レモングラス油、ミント油、タイム油、ウコン油、ウィンターグリーン油、ローズマリー油、アニス油、カルダモン油、カモミール油、コリアンダー油、クミン油、 ディル油、ミント油、パセリ油、バジル油、ショウノウ油、シトロネラ油、ユーカリ油、フェンネル油、ショウガ油、グレープフルーツ油、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、松葉油、コショウ油、バラ油、橙皮油、タンジェリン油、ティー・ツリー油、茶油、キャラウェイ油、ニンニク油、ペパーミント油、タマネギ油およびスペアミント油から選択される、請求項2記載の製剤。
【請求項4】
ビヒクルの一部として、またはマイクロカプセル内に、アジュバンド、粘着剤、抗酸化剤、耐水剤、界面活性剤、マイクロカプセルの凝集を防止する立体障害ポリマーおよびゲル崩壊剤からなる群から選択される少なくとも1つの剤をさらに含む、請求項1記載の製剤。
【請求項5】
殺虫剤、昆虫成長調節剤、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺真菌剤、殺線虫剤、外部寄生虫駆除剤および除草剤から選択される少なくとも1つの剤をさらに含む、請求項1記載の製剤。
【請求項6】
剤が、カルバメート、尿素、トリアジン、トリアゾール、ウラシル、有機リン殺虫剤、モルホリン、ジニトロアニリン、アシルアラニン、ピレスロイド、有機塩素剤、カルボフラン、アジンホスメチル、スルフェントラゾン、カルフェントラゾンエチル、シペルメトリン、シロマジン、β-シフルトリン、エンドスルファン、ホスメット、クロロブロムロン、クロロクスロン、クロロトルロン、フルオメツロン、メトブロムロン、チアザフルロン、テフルベンズロン、ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、ルフェヌロン、クロルフルアズロン、ノバルロン、ジメタクロル、メトラクロール、プレチラクロール、2-クロロ-n-(1-メチル-2-メトキシエチル)-アセト-2,6-キシリジン、イミダクロプリド、アラクロール、ブタクロール、プロパクロール、ジメテナミド、ビフェノックス、4-(4-ペンチン-1-イルオキシ)ジフェニルエーテル、アシフルオルフェン、オキシフルオルフェン、フルオログリコフェンエチル、フォメサフェン、シス-トランス-(+)-2-エチル-5-(4-フェノキシメチル)-1,3-ジオキソラン、フルアジホップブチル、ハロキシホップメチル、ハロキシホップ-(2-エトキシエチル)、エンドスルファン、フルオロトピック、フェノキサプロペチル、キザロホップエチル、プロパキザホップ、ジクロホップメチル、ブトラリン、エタルフルラリン、フルクロラリン、イソプロパリン、ペンディメタリン、プロフルラリン、トリフルラリン、アクララニン フララキシル(aclalanines furalaxyl)、メタラキシル、ベンゾイルプロペチル、フラムプロップメチル、ジフェノコナゾール、エタコナゾール、プロピコナゾール、1,2-(2,4-ジクロロフェニル)-ペント-1-イル-1h-1,2,4-トリアゾール、トリアジメホン、ジオキサカルブ、フラチオカルブ、アルジカルブ、ベノミル、2-sec-ブチルフェニルメチルカルバメート、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブ、イソプロカルブ、プロポクサー、カルベタミド、ブチレート、ジ-アラット、eptc、モリネート、チオベンカルブ、トリアレート、バーナレート(vemolate)、ピペロホス、 アニロホス、ブタミホス、アザメチホス、クロルフェンビンホス、ジクロルボス、ダイアジノン、メチダチオン、アジンホスエチル、アジンホスメチル、クロルピリホス、クロロチオホス、クロトキシホス、シアノホス、デメトン、ジアリホス、ジメトエート、ジスルホトン、エトリムホス、ファムフール、フルスルフォチオン、フルチオン、ホノホス、ホルモチオン、ヘプテノホス、イソフェンホス、イソキサチオン、マラチオン、メホスホラン、メビンホス、ナレド、オキシデメトンメチル、オキシデプロホス、パラチオン、ホキシム、ピリミホスメチル、プロフェノホス、プロパホス、プロペタンホス、プロチオホス、キナルホス、スルプロホス、フェメホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロロネート、フェナミホス、イサゾホス、s-ベンジル-o,o-ジイソプロピルホスホロチオエート、エジンホスおよびピラゾホス、からなる群から選択される殺虫剤である、請求項5記載の製剤。
【請求項7】
乳剤、水和剤、粒状水和剤、流動調節剤、懸濁剤、顆粒、粉末、燻蒸剤、溶液および水性溶液から選択された剤形にある、請求項1記載の製剤。
【請求項8】
害虫集団の処理のための、前記請求項いずれかに記載の製剤。
【請求項9】
前記請求項いずれかに記載の製剤を含む、忌避性、殺虫性、農薬性または殺卵性の製剤。
【請求項10】
コナジラミ、トマト・ピンワーム(tomato pinworm)およびペッパー・ウィービル(pepper weevil)害虫に対して使用するための、請求項9記載の製剤。
【請求項11】
シトロネラ油、ゼラニウム油、ティー・ツリー油、ショウガ油、ラベンダー油およびクローブ油から選択されるカプセル化された揮発性エッセンシャルオイル、ならびに除虫菊、綿実油およびゴマ油から選択される非揮発性剤を含む液体ビヒクルを含む、請求項10記載の製剤。
【請求項12】
揮発性エッセンシャルオイルがショウガ油であり、液体ビヒクルが綿実油である、請求項11記載の製剤。
【請求項13】
非揮発性ビヒクル中またはそれを含有する媒質中に、少なくとも1つのカプセル化された揮発性エッセンシャルオイルを分散することを含む、前項請求項いずれかに記載の製剤の製造方法。
【請求項14】
カプセル化された揮発性エッセンシャルオイルのあらゆる水性調製物に、一定量の非揮発性ビヒクルを添加することを含む、前項請求項いずれかに記載の製剤の製造方法。
【請求項15】
カプセル化された揮発性エッセンシャルオイルが界面重合により製造される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
界面重合が揮発性エッセンシャルオイルのカプセル化に作用し、これにより揮発性エッセンシャルオイルの液滴周辺を囲むポリウレアおよび/またはポリウレタンフィルムが形成される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
標的環境または害虫集団またはその部位に、請求項1記載の製剤を適用することを含む、害虫集団を処理するための方法。
【請求項18】
標的環境が、一次的環境または二次的環境である、請求項17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
一次的環境が、穀類の葉、樹皮、果実、花、種子または根、豆類およびエンドウ類、果樹類およびその果実、柑橘類の植物および果実類、西洋ナシ、ブドウ、桃、梅、桜桃、胡桃、栗、アーモンド、バナナ、いちご等、緑色野菜および果菜類、根菜類、加工用作物、ウリ科の植物、牧草類、芝類、香料用作物、花類および観用植物、庭木類および林木類から選択される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
請求項1記載の製剤を含む、市販パッケージ。

【公表番号】特表2008−528479(P2008−528479A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551808(P2007−551808)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【国際出願番号】PCT/IL2005/000705
【国際公開番号】WO2006/077568
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(507249339)ボタノキャップ・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】BOTANOCAP LTD.
【Fターム(参考)】