マスクに関連したエラー源を評価するシステム及び方法
【課題】 ホトリソグラフィ・マスクに関連したエラー源を評価するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】 マスクに関連したエラー源の評価は、(i)異なる露光条件で得られたマスクの複数の画像を表すデータを受け取り、(ii)マスクの各画像の複数のサブフレームに対し、各サブフレームのピクセルの強度の関数の値を計算して、複数の計算値を与え、(iii)それらの計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答してエラー源を検出する、ことを含む。
【解決手段】 マスクに関連したエラー源の評価は、(i)異なる露光条件で得られたマスクの複数の画像を表すデータを受け取り、(ii)マスクの各画像の複数のサブフレームに対し、各サブフレームのピクセルの強度の関数の値を計算して、複数の計算値を与え、(iii)それらの計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答してエラー源を検出する、ことを含む。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[001]本出願は、2009年2月27日に出願された米国仮特許出願第61/156,445号及び2009年2月27日に出願された米国仮特許出願第61/156,450号であり、その優先権を主張し、且つそれらを参考としてここに援用するものである。
【発明の分野】
【0002】
[002]本発明は、一般に、マスクを評価する分野に関し、より詳細には、ホトリソグラフィ・マスクに関連したエラー源を評価することに関する。
【発明の背景】
【0003】
[003]マイクロエレクトロニックデバイスの性能は、臨界寸法即ちCDと称される臨界特徴部の寸法に見られる変化により常に制限されている。マイクロエレクトロニックデバイスは、ホトリソグラフィ・プロセスにおいてホトリソグラフィ・マスク(マスク又はレチクルとも称される)を使用してしばしば製造される。ホトリソグラフィ・プロセスとは、半導体デバイスの製造における主たるプロセスの1つであり、ウェハの表面を、製造されるべき半導体デバイスの回路設計に基づいてパターン化することより成る。このような回路設計は、最初に、マスク上にパターン化される。従って、動作する半導体デバイスを得るためには、マスクに欠陥があってはならない。マスクは、複雑なプロセスによって製造され、1つ以上のエラー源のために損害を受けている。
【0004】
[004]更に、マスクは、ウェハ上に多数のダイを生成するためにしばしば繰り返し使用される。従って、マスク上に欠陥があると、それがウェハ上に何回も繰り返されて、複数のデバイスを欠陥にしてしまう。製造に相応しいプロセスを確立するには、リソグラフィ・プロセス全体を厳密に制御する必要がある。このプロセス内において、CD制御は、デバイスの性能及び収率に関して決定的なファクタである。
【0005】
[005]種々のマスク検査ツールが開発されており、商業的に入手することができる。マスクを設計し評価する既知の技術によれば、マスクを生成し、それを通してウェハを露光させるように使用し、次いで、マスクの特徴部が設計に基づきウェハに転写されるかどうか決定するためにチェックが行われる。最終的な特徴部に、意図された設計からの変化があると、設計を変更し、新たなマスクを生成し、新たなウェハを露光させる必要がある。
【0006】
[006]非常に小さな特徴部の製造を容易にするために格子状設計ルール(GDR)マスクが開発された。GDRマスクは、平行線と、それら平行線間のスペースとを含むパターンを含むものであるために、一次元マスク(1Dマスク)とも称されている。
【0007】
[007]マスクの少なくとも1つのエラー源を評価するシステム及び方法を提供することが要望される。
【発明の概要】
【0008】
[008]マスクに関連したエラー源を評価するための方法は、異なる露光条件で得られたマスクの複数の画像を表すデータを受け取るステップと、それら複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算して、複数の計算値を与えるステップと、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答してエラー源を検出するステップと、を備えている。
【0009】
[009]マスクに関連したエラー源を評価するための方法は、マスクの画像を表すデータを受け取るステップと、マスクの画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の複数の関数を計算して、複数の計算値を与えるステップと、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する各関数の感受性に応答してエラー源を検出するステップと、を含むことができる。
【0010】
[0010]マスクに関連したエラー源を評価するための方法は、マスクの複数の画像を表すデータを受け取るステップと、マスクの各画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の複数の関数の値間の関係を表す関係値を計算するステップと、複数の画像のサブフレームの関係値に応答して複数の画像に影響する照明電力変化を補償するステップと、を含むことができる。
【0011】
[0011]マスクに関連したエラー源を評価するためのシステムは、異なる露光条件で得られたマスクの複数の画像を表すデータを受け取るインターフェイスと、それら複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算して、複数の計算値を与え、更に、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答してエラー源を検出するプロセッサと、を備えることができる。
【0012】
[0012]マスクに関連したエラー源を評価するためのシステムは、マスクの画像を表すデータを受け取るインターフェイスと、マスクの各画像の複数のサブフレームに対し、強度の複数の関数の値を計算して、複数の計算値を与え、更に、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答して各エラー源の寄与を決定するプロセッサと、を備えている。
【0013】
[0013]マスクに関連したエラー源を評価するためのシステムは、複数のサブフレームで各々構成されるマスクの複数の画像を表すデータを受け取るインターフェイスと、マスクの各画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームの強度の複数の関数の値間の関係を表す関係値を計算し、更に、異なる画像のサブフレームの関係値に応答して複数の画像に影響する照明電力変化を補償するプロセッサと、を備えている。
【0014】
[0014]マスクに関連したエラー源を評価するための方法は、マスクの領域の画像を表す画像データを受け取るステップであって、そのマスクの領域がマスクパターンを含むようなステップと、画像データに基づくと共に、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性にも基づいて、マスクパターンにおける少なくとも1つのエラー源を検出するステップであって、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性は、基準パターンの画像、第1の摂動パターンの画像、及び第2の摂動パターンの画像を表す校正データを受け取ることにより計算され、第1の摂動パターンは、基準パターンに対する第1のエラー源の誘導を反映し、第2の摂動パターンは、基準パターンに対する第2のエラー源の誘導を反映するものであるステップと、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を、受け取った校正データ間の関係に基づいて評価するステップとを備えている。
【0015】
[0015]マスクに関連したエラー源を評価するための方法は、基準パターンの画像、第1の摂動パターンの画像、及び第2の摂動パターンの画像を表す校正データを受け取るステップであって、第1の摂動パターンは、基準パターンに対する第1のエラー源の誘導を反映し、第2の摂動パターンは、基準パターンに対する第2のエラー源の誘導を反映するものであるステップと、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を、受け取った校正データ間の関係に基づいて評価するステップと、マスクの領域の画像を表す画像データを受け取るステップであって、そのマスクの領域がマスクパターンを含むようなステップと、画像データに基づくと共に、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性にも基づいて、マスクパターンにおける少なくとも1つのエラー源を検出するステップと、を備えている。
【0016】
[0016]マスクに関連したエラー源を評価するためのシステムは、マスクの領域の画像を表す画像データを受け取るインターフェイスであって、そのマスクの領域がマスクパターンを含むようなインターフェイスと、画像データに基づくと共に、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性にも基づいて、マスクパターンにおける少なくとも1つのエラー源を検出するように構成されたプロセッサであって、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性は、基準パターンの画像、第1の摂動パターンの画像、及び第2の摂動パターンの画像を表す校正データを受け取ることにより計算され、第1の摂動パターンは、基準パターンに対する第1のエラー源の誘導を反映し、第2の摂動パターンは、基準パターンに対する第2のエラー源の誘導を反映し、更に、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を、受け取った校正データ間の関係に基づいて評価するようなプロセッサと、を備えている。
【0017】
[0017]本発明を理解すると共に、実際にそれがどのように実行されるか分かるようにするために、添付図面を参照して一実施形態を以下に説明するが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態によるシステムを例示する。
【図6A】本発明の一実施形態によるアパーチャーを例示する。
【図6B】本発明の一実施形態によるアパーチャーを例示する。
【図6C】本発明の一実施形態によるアパーチャーを例示する。
【図7A】本発明の一実施形態による感受性の一例を例示する。
【図7B】本発明の一実施形態による感受性の一例を例示する。
【図7C】本発明の一実施形態による感受性の一例を例示する。
【図8】本発明の一実施形態による方法を例示する。
【図9】本発明の一実施形態による2つのアパーチャーを例示する。
【図10A】本発明の一実施形態による種々の照明条件に対し各々の得られた画像のサブフレームの平均強度(δI)と各パターンの臨界寸法の差(δCD)との関係を例示する。
【図10B】本発明の一実施形態による種々の照明条件に対し各々の得られた画像のサブフレームの平均強度(δI)と各パターンの臨界寸法の差(δCD)との関係を例示する。
【図11A】本発明の一実施形態による複数の照明条件に対し感受性及び推定エラーを例示する。
【図11B】本発明の一実施形態による複数の照明条件に対し感受性及び推定エラーを例示する。
【図11C】本発明の一実施形態による複数の照明条件に対し感受性及び推定エラーを例示する。
【図11D】本発明の一実施形態による複数の照明条件に対し感受性及び推定エラーを例示する。
【詳細な説明】
【0019】
[0029]マスクのエラー源を評価するための方法及びシステムが提供される。マスクは、ホトリソグラフィ・プロセス中に使用される。マスクの1つ以上の画像を、1つ以上の露光条件で得ることができる。露光条件は、互いに相違させることができる。これら1つ以上の画像のサブフレームのピクセルの強度の1つ以上の関数が計算される。計算の結果は、計算値と称される。これら計算値は、マスク内のエラー源に関する指示を与えることができる。
【0020】
[0030]マスクの1つ以上の画像を得ることができると共に、マスクの部分の1つ以上の画像を得ることができる点に注意されたい。説明の簡略化のために、「マスクの画像」は、マスクの一部分の画像も意味する。
【0021】
[0031]本発明の種々の実施形態によれば、マスクの複数の画像を得ることができ、それら画像のサブフレームは、単一関数を適用することにより処理される。このシナリオは、「複数画像、単一関数」と称される。
【0022】
[0032]本発明の種々の実施形態によれば、マスクの単一の画像を得ることができ、その画像の1つ以上のサブフレームは、複数の関数を適用することによって処理される。このシナリオは、「単一画像、複数関数」と称される。
【0023】
[0033]更に、本発明の種々の実施形態によれば、マスクの複数の画像を得ることができ、各画像の1つ以上のサブフレームは、複数の関数を適用することにより処理することができる。
【0024】
複数画像、単一関数
[0034]図1は、本発明の実施形態による方法100を例示する。この方法100は、マスクに関連したエラー源を評価し、より詳細には、エラー源の存在及びマスクの画像に対するその寄与を表示することができる。
【0025】
[0035]方法100は、ステージ110、120又は130によりスタートすることができる。
【0026】
[0036]ステージ100は、マスクの画像を光学的に得ることを含み、画像は、異なる露光条件で得られる。各画像は、サブフレームを含む。各画像のサブフレームは、同じサイズ及び形状のものでよい。それらのサイズ及び形状は、関連パターンの形状及びサイズに応答して選択することができる。例えば、サブフレームは、繰り返しパターンを形成する整数倍の特徴部を含むように選択することができる。
【0027】
[0037]1つ以上の画像を同じ露光条件で得ることができる一方、1つ以上の他の画像を別の露光条件で得ることができる点に注意されたい。
【0028】
[0038]大ざっぱに言うと、大きなサブフレームを選択することにより、特に、大きなサブフレームに対して平均化を行うときには、サブフレームのピクセルの強度の関数の計算精度に寄与することができる。小さなサブフレームを選択すると、サブフレームの強度積分関数のより多くの値を与えることができる。例えば、マスクの1,000,000x1,000,000ピクセル画像は、各々1,000x1,000ピクセルを含む複数のサブフレームに分割することができるが、必ずしもそうでなくてもよい。
【0029】
[0039]異なる露光条件は、関連エラー源に応答して選択することができる。例えば、異なる露光条件は、異なる照明条件のもとで異なるエラー源の作用を強化するように、異なる露光条件をセットすることができる。従って、第1の照明条件は、第1のエラー源により大きく影響される(及びそれにより支配される)画像を得るように選択することができる一方、第2の照明条件は、第2のエラー源により大きく影響される(及びそれにより支配される)画像を得るように選択することができる。
【0030】
[0040]ステージ110は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社からのアエリアル・イメージャー、特に、AREA193のような画像取得システムにより実行することができる。ステージ110に続いて、ステージ120を実行することができる。
【0031】
[0041]露光条件は、開口数の値、アパーチャーのサイズ及び形状、光のコヒレンシー、等を含むことができる。
【0032】
[0042]本発明の一実施形態によれば、画像の1つは、空中像形成条件を適用することにより得ることができ、また、少なくとも1つの他の画像は、空中像形成条件とは異なる露光条件で得ることができる。空中像形成条件は、ステッパーのようなリソグラフィック製造ツールにより課せられる照明条件と同様であることが期待される。
【0033】
[0043]本発明の別の実施形態によれば、画像の1つは、空中像形成条件を適用することにより得ることができ、また、少なくとも1つの他の画像は、低い開口数で得られる。
【0034】
[0044]本発明の更に別の実施形態によれば、異なる光学的像形成条件の下で複数の画像を取得することができる。
【0035】
[0045]ステージ120は、マスクの画像を前処理することを含む。
【0036】
[0046]ステージ120は、画像を表すデータを出力する。処理ステージ120は、グレーレベル画像を発生し、焦点補正、収差補償、必要なデータフォーマットへの画像の変換、等を遂行することを含むことができる。ステージ120に続いて、ステージ130を行うことができる。
【0037】
[0047]ステージ130は、異なる露光条件で得られたマスクの複数の画像を表すデータを受け取ることを含む。各画像は、複数のサブフレームを含むことができる。
【0038】
[0048]ステージ130の後に、複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算して、複数の計算値を与えるステージ140が続く。
【0039】
[0049]ステージ140は、ある画像の全てのサブフレーム、全ての画像の全てのサブフレーム、ある画像のあるサブフレーム、又は全ての画像のあるサブフレームに対して関数を計算することを含む点に注意されたい。
【0040】
[0050]本発明の一実施形態によれば、関数は、ピクセルサブフレームの強度積分、ピクセルの強度の和、ピクセルの強度の重み付けされた和、ピクセルの強度の平均、等である。
【0041】
[0051]本発明の更に別の実施形態によれば、関数は、サブフレームのピクセルの強度の分散である。
【0042】
[0052]本発明の更に別の実施形態によれば、関数は、サブフレームのピクセルの強度の標準偏差である。他の統計学的関数、見込み関数、又は更に別の関数を適用できることに注意されたい。あるピクセルを無視できることにも注意されたい。
【0043】
[0053]サブフレームのピクセルの強度積分である関数の計算の一例が、参考としてここにそのまま援用する“Method and system for evaluating a variation in a parameter ofpattern”と題するPCT特許出願公告第WO2007/088542A2号に例示されている。マスクにより生成される物品の(臨界寸法のような)特性の変化は、サブフレームの強度積分の平均を考慮して推定できることが示されている。
【0044】
[0054]本発明の更に別の実施形態によれば、ステージ140は、サブフレームのピクセルの強度の複数の関数を計算して、複数の計算値を与えることを含むことができる。
【0045】
[0055]複数の関数の計算は、エラー源を検出するために得なければならない画像の数を減少することができ、それに加えて、又はそれとは別に、エラー源の検出の信頼性を高めるのに使用することができる。
【0046】
[0056]ステップ140の後に、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答して、エラー源を検出するステージ150が続く。
【0047】
[0057]一定のエラー源に対する関数の感受性は、関数の値と、その値に対する一定のエラー源の寄与との比を表すことができる。
【0048】
[0058]ステージ150は、1つ以上の関数の値に対するエラー源の寄与を評価することを含むことができる。この評価は、マスクのエラー源が何であるか決定すること、マスクが機能するかどうか表示すること、等を含むことができる。
【0049】
[0059]エラー源は、マスク、又はマスクのコンポーネントの1つのパラメータの変化であり、所望の値などとは異なるマスクのパラメータの値である。エラー源は、マスクの小さなエリアに限定することができ、マスクの異なる部分及びマスク全体にすら現れることができる。エラー源は、例えば、マスクの厚みの変化、マスクの反射率の変化、マスクのパターンのデューティサイクルの変化、マスクの層の透明度の変化、マスクの減衰度の変化、マスクの減衰度の変化、マスクのパターンの幅の変化、マスクにより導入される位相シフトの変化、マスクのケイ化モリブデン(MoSi2)層の厚みの非均一性、等を含むことができるが、これらに限定されない。
【0050】
[0060]複数のエラー源、又はより厳密には、複数のエラー源の中の各エラー源の寄与は、エラー源が存在しない状態で互いに等しいと予想される各サブフレーム積分のピクセルの強度の関数の複数の値を比較することから学習できる。
【0051】
[0061]この比較は、異なるフレーム内の同じ場所に位置するサブフレームに関連した計算値間の比較を含むことができる。
【0052】
[0062]これらの感受性は、方法100へ送り込むこともできるし、又は方法100の間に計算することもできる。
【0053】
[0063]図2は、本発明の実施形態により各エラー源に対する関数の感受性を計算するための方法200を例示する。
【0054】
[0064]方法200は、模擬マスクにおける変化を繰り返し模擬し、模擬マスクの照明から得られる画像を模擬し、模擬サブフレームのピクセルに対する強度の関数を計算し、更に、計算値間の比較を行う。
【0055】
[0065]方法200は、マスクを模擬するステージ210により開始する。
【0056】
[0066]ステージ210の後に、模擬マスクの(模擬)照明から得られる画像を模擬するステージ220が続く。
【0057】
[0067]ステージ220の後に、画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対してそのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算するステージ230が続く。
【0058】
[0068]ステージ230の後に、模擬マスクにおける変化を模擬するステージ240が続く。
【0059】
[0069]ステージ240の後に、制御基準が満足されるまでステージ220が続く。制御基準は、最大許容繰り返し数であるが、必ずしもそうでなくてもよく、他の制御基準を定義することもできる。
【0060】
[0070]本発明の別の実施形態によれば、ステージ230の後に、照明条件を変化させるステージ250が続き、ステージ220へジャンプする。
【0061】
[0071]方法200は、感受性の模擬ベース計算を示すが、それらの感受性は、他の仕方でも計算できることに注意されたい。例えば、既知のエラー源をもつマスクの画像を照明して、その後に感受性を評価するために処理される画像を与えることもできる。これらの画像は、異なる照明条件で得ることができる。
【0062】
[0072]図1に戻ると、ステージ150の後に、検出されたエラー源に応答することができる。このステージは、マスクを修理すること、マスクを欠陥マスクとして定義すること、マスクを機能するものとして定義すること、マスクの修理指示を発生すること、等々を含むことができる。
【0063】
[0073]ステージ160は、検出されたエラー源の印刷可能性を評価するか、さもなければ、それらエラー源がマスクの照明により製造される物品に影響するかどうか評価することにより、その検出されたエラー源にどのように応答するか決定することを含むことができる。ステージ160は、マスクを利用することにより製造される物品の特徴部の変化を決定することを含むことができる。これらの変化が受け容れられない場合には、マスクを修理に送るか又は不合格とすることができる。
【0064】
[0074]ステージ160は、次の項目の少なくとも1つ、又はその組合せを含むことができる。(i)マスクをマスク店から出荷するための資格基準を設ける;(ii)マスク生成プロセスへ入力を与える;(iii)物品製造プロセスへ入力を与える;(iv)リソグラフィック模擬に使用されるマスクモデルへ入力を与える;(v)リソグラフィーステッパーのための補正マップを与える;(vi)予想される特徴部パラメータ変化より大きいことを特徴とするエリアを識別する。
【0065】
[0075]本発明の実施形態によれば、マスクは、格子状設計ルールマスクである。
【0066】
単一画像、複数関数
[0076]図3は、本発明の一実施形態による方法300を例示する。この方法300は、マスクに関連したエラー源を評価し、より詳細には、エラー源の存在、及びマスクの画像へのその寄与を表示することができる。
【0067】
[0077]方法300は、ステージ310、320又は330のいずれか1つによって開始することができる。
【0068】
[0078]ステージ310は、マスクの画像を光学的に得ることを含む。マスクの画像は、サブフレームを含む。サブフレームは、同じサイズ及び形状のものでよい。それらのサイズ及び形状は、当該パターンの形状及びサイズに応答して選択することができる。例えば、サブフレームは、繰り返しパターンを形成する整数倍の特徴部を含むように選択することができる。
【0069】
[0079]ステージ310は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社からのアエリアル・イメージャー、特に、AREA193のような画像取得システムにより実行することができる。ステージ310に続いて、ステージ320を実行することができる。
【0070】
[0080]画像は、空中像形成条件を適用することにより得ることができるが、必ずしもそのようにしなくてもよい。
【0071】
[0081]ステージ320は、マスクの画像の前処理を含み、画像は、異なる露光条件で得られる。ステージ320は、画像を表すデータを出力する。
【0072】
[0082]ステージ330は、マスクの画像を表すデータを受け取ることを含む。
【0073】
[0083]ステージ330の後に、マスクの画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対しそのサブフレームのピクセルの強度の複数の関数を計算して、複数の計算値を与えるステージ340が続く。
【0074】
[0084]ステージ340の後に、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する各関数の感受性に応答して、1つ以上のエラー源を検出するステージ350が続く。
【0075】
[0085]ステージ350の後に、検出されたエラー源に応答するステージ360が続く。
【0076】
照明変動の補償
[0086]図4は、マスクに関連したエラー源を評価するための方法400を例示する。
【0077】
[0087]この方法400は、マスクの複数の画像を表すデータを受け取るステージ410を含むことができる。各画像は、サブフレームを含む。
【0078】
[0088]ステージ410の後に、複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対しそのサブフレームのピクセルの強度の複数の関数の値間の関係を表す関係値を計算するステージ420が続く。
【0079】
[0089]ステージ420は、異なる画像、特に、照明源が強度の変化する光を出力する間に得られた異なる画像、に属するサブフレームに対する関係値を計算することを含むことができる。
【0080】
[0090]ステージ420の後に、異なる画像のサブフレームの関係値に応答して複数の画像に影響を及ぼした照明電力変化を補償するステージ430が続く。
【0081】
[0091]ステージ420は、サブフレームの強度積分の平均とサブフレームの強度積分の標準偏差との間の比を表す関係値を計算することを含むことができる。
【0082】
システム
[0092]本発明の実施形態によるシステム500の一実施例をブロック図で概略的に示す図5を参照する。
【0083】
[0093]このシステム500は、インターフェイス510及びプロセッサ520を備えている。また、図5は、システム500を、異なる露光条件でマスクの複数の画像を得る画像取得装置530を含むものとして例示している。この画像取得装置は、照明源531、光学系532、マスクホルダ533、及び検出器534を含むことができる。画像取得装置は、アエリアル(Aerial)検査ツールでもよいし、又はこのようなツールに含まれたものでもよい。光学系532は、照明源531と、マスクホルダ533に保持されたマスクとの間に置かれた1つ以上の光学要素(レンズ、アパーチャー536、空間フィルタ、等)、及びマスクホルダ533と検出器534との間に置かれた1つ以上の光学要素を含むことができる。
【0084】
[0094]インターフェイス510は、メモリバンク、1つ以上のバス、及びソフトウェアコンポーネントを含むことができる。
【0085】
[0095]インターフェイス510は、異なる露光条件で得られたマスクの複数の画像を表すデータを受け取ることができる。
【0086】
[0096]プロセッサ520は、方法100、200、300、400の少なくとも1つ、又はその組合せを遂行することができる。
【0087】
[0097]例えば、プロセッサ520は、複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対しそのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算して、複数の計算値を与え、更に、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答してエラー源を検出することができる。
【0088】
[0098]別の実施例として、プロセッサ520は、マスクの各画像の複数のサブフレームに対し強度の複数の関数の値を計算して、複数の計算値を与え、更に、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答して各エラー源の寄与を決定することができる。
【0089】
[0099]別の実施例として、プロセッサ520は、マスクの各画像の複数のサブフレームの中の各サブフレームに対し、そのサブフレームの強度の複数の関数の値間の関係を表す関係値を計算し、更に、異なる画像のサブフレームの関係値に応答して複数の画像に影響した照明電力変化を補償することができる。
【0090】
数学的分析−GDRマスク
[00100]マスクエラー源の回復を取り扱うために、得られた画像の計算のためのTCC(相互透過係数)解決策をとることができる。このTCC解決策は、「薄い」(即ち、キルヒホッフ)マスク近似及びホプキンス近似の両方が成り立つという仮定のもとで正当化される。TCCは、非常に良好に定義されたスペクトルコンテンツを有するマスクパターンのための特にコンパクトな形態を有する。実際に、濃密な1D GDRマスクパターンは、本質的に、単一の空間周波数により表される。
【0091】
[00101]TCC解決策は、特別な1組の露光条件のもとでGDRマスクパラメータの小さな摂動(エラー源)に対する空中画像の平均強度の応答についての式を導出するのに使用できる。
【0092】
[00102]この数学的分析は、マスクエラー源の性質及び強さを回復するのに異なる露光条件のもとで行われる平均強度の2つ以上の測定の組合せで充分であることを例示する。具体的には、次の数学的分析は、減衰した(埋め込まれた)位相シフトマスクに焦点を置いているが、その結果は、(十分な変更で)他の形式の1Dマスクパターンにも適用できる。
【0093】
[00103]空中画像のスペクトルは、式(1)により与えられる。
【0094】
【数1】
【0095】
[00104]
【外1】
【0096】
【0097】
【数2】
【0098】
[00105]
【外2】
【0099】
【0100】
[00106]空中画像のサブフレームのピクセルの強度の関数は、f=g=0に対応するそれらピクセルの平均強度の指示を与える。
【0101】
【数3】
【0102】
[00107]このケースでは、TCCは、特に簡単な形態をとることに注意されたい。
【0103】
【数4】
【0104】
[00108]
【外3】
【0105】
【0106】
[00109]TCCは、1D(線及びスペース)マスクパターンに適用することができる。pをピッチとし、dを線幅とする。更に、パターンの線及びスペースの透過及び位相を、各々、tbg及びtfgで表す。例えば、減衰型低透過MoSi(6%)位相シフトマスク(PSM)は、tbg=−0.25及びtfg=1に対応する。これらの定義では、このようなパターンのスペクトルが、次の式で与えられる。
【0107】
【数5】
【0108】
[00110]このスペクトルは、空間周波数k/pにおける調波より成ることに注意されたい。実際のケースでは、TCC(0,0)=1であるから、式(3)に代入して次の式を得る。
【0109】
【数6】
【0110】
[00111]実際には、GDRパターンでは、典型的に、画像の形成に寄与するのは、0番目及び1番目(又は0番目及び−1番目)の回折次数だけである。これは、GDRを慎重に使用して、k1を実際上、その最低の理論的限界にできるだけ接近させ、これにより、MEEF及び偏光に関して、また、当然ながら、ダイサイズに関して2ビーム像形成の利点から利益を得ることを反映している(§2を参照)。
【0111】
[00112]式(5)及び(6)の形成は、より一般的なもので、更に一般的なケースへの拡張が容易である。空中画像形成に実際に寄与する回折次数の「選択」は、式(6)のTCCに暗示される。
【0112】
[00113]一般式(6)から、サブフレームのピクセルの強度の平均である関数が、2つの個別の寄与を有することが明らかである。第1の寄与−以下I0−は、マスクパターンのみに依存し、画像取得システムの光学的構成の細部とは完全に独立している。
【0113】
【数7】
【0114】
[00114]特定の光学的条件に依存する第2の寄与は、より高いパターン調波にも依存する。
【0115】
【数8】
【0116】
[00115]従って、Iav=I0+Ihigherである。
【0117】
[00116]マスクパターン(エラー源)パラメータの小さな摂動は、式(6)で表される。減衰位相シフトマスク線パターン(attPSM L&Sパターン)に集中して考えると、2つの形式の実行可能な(及び普通の)摂動を互いに区別することができる。
【0118】
[00117]第1に、マスク上の特徴部のデューティサイクル−d/p−は、公称値と異なってもよい。これは、(書き込みビームの幅変化による)マスク書き込みエラーのために生じるか、又はマスク開発中に生じることがある。従って、この特定形式のエラーの基礎的な起点は、マスクパターンが公称ピッチであることを暗示するが、線幅dは、意図された値から変化する。公称線幅値からの偏差が小さいと仮定すれば、平均強度への影響は、単純なテーラー級数(典型的に第1次又は第2次の項で充分)によって捕獲される。この作用は、次の式で表すことができる。
【0119】
【数9】
【0120】
[00118]ここで、δIav=(Iav−Iav,nom)/Iav,nomは、欠陥のない公称マスクについて得られた公称平均強度Iav,nomに対する平均強度の変化である。
【0121】
[00119]第2に、MoSi堆積エラーが生じて、膜の位相シフトφの変化を招き、これが透過値の変化に結び付くことがある。減衰は、膜厚みの指数関数である一方、位相シフトは、厚みに比例するので、概略的に次のように書き表すことができる。
【0122】
【数10】
【0123】
[00120]ここで、t0は、MoSi膜の反射率に依存するパラメータであり、一方、qは、膜厚みに対する透過の感受性を記述するパラメータで、κ/(n−1)に比例するが、κ及びnは、MoSi屈折率の虚数部及び実数部である。
【0124】
[00121]MoSi厚みに対する平均強度の感受性は、MoSi位相におけるその依存性により(及び透過率におけるそのことにより)、次の式で表すことができる。
【0125】
【数11】
【0126】
[00122]両形式の摂動が与えられた(即ち、マスク線幅及びMoSi厚みの両方がそれらの意図された値からずれた)マスクについて考えると、平均強度エラーの単一の測定では、特定のエラー源を回復するのに充分でない。
【0127】
[00123]エラー源(より具体的には、画像に対するエラー源の寄与)は、異なる露光条件でマスクの異なる画像が得られる場合に評価することができる。
【0128】
[00124]EC1及びEC2により2つの露光条件を表すと、これら2つの光学的モードに対する平均強度の測定は、式(9)及び(11)に代入したときに(及びより高次の導関数を省略することにより)、次の式を与える。
【0129】
【数12】
【0130】
[00125]
【外4】
【0131】
【0132】
[00126]EC1は、空中像形成条件である。2つの露光条件間の感受性の食い違い(部分導関数)を最大にするように他の露光条件EC2を選択することもできる。実際の選択は、次の式を満足するEC2に対する軸上低NA/低σ組合せを選択することである。
【0133】
【数13】
【0134】
[00127]この選択は、式(8)においてIhigher=0にさせる。というのは、収集光学系がいずれのパターン調波も抱かないからである(κ≧1)。この場合に、像の形成に寄与するのは、I0(式7を参照)だけである。EC2に対してこの選択を採用すると、マスクエラー源の健全な回復を与えることができる。
【0135】
[00128]式(12)を進めるスキームは、1組の異なる露光条件での複数(>2)の検査へと更に拡張できることに注意されたい。これは、考えられる(又は疑わしい)マスクエラー源の数が多い場合に(例えば、かすみを考慮するために)使用できる。或いは、過剰決定される1組の結合された方程式(12)を得て、最小平均二乗解決策を通して(例えば、ノイズに対する)解決策の健全性を高めることができる。
【0136】
[00129]マスクパラメータがそれらの公称値から著しくずれる場合には、式(12)のテーラー級数は、より高次の導関数を含み、方程式セットは、もはや一次式ではないことに注意されたい。更に、これは、ニュートン−ラプソン等の方法を使用して数値的に解くこともできる。
【0137】
[00130]また、マスクスペクトルの知識及び露光条件(TCCファクタにより捕獲される情報)から平均強度が導出された同じ方法で、式(1)、(2)及び(5)を使用して、画像変調の振幅に対する式を導出できることにも注意されたい。
【0138】
テストケース
[00131]3つの異なる露光条件が数値的に評価された。これらの露光条件は、マスクの模擬画像を与えるために模擬された照明システムのアパーチャーが相違する。計算された関数は、(ウェハ上の)半ピッチが40nmで線のデューティサイクルが50%の単純で濃密なattPSM(MoSi6%)に対する平均強度及びその部分導関数(w.r.t線幅及びMoSi位相)であった。
【0139】
[00132]第1の露光条件は、空中画像条件であり、開口数が0.337、30°四極、σin=0.85、σout=1.0の、図6Aに例示するアパーチャー610を特徴とする。アパーチャー610は、仮想円の周りに位置されて互いに90°離間された4つの環状スロット611、612、613及び614を含む。
【0140】
[00133]第2の露光条件は、空中画像とは異なり、低NA/低σ:NAcoll=0.15、σ=0.1の、図6Bに例示されたアパーチャー620を特徴とする。
【0141】
[00134]第3の露光条件は、空中画像条件で、開口数が0.337、30°双極、σin=0.85、σout=1.0の、図6Cに例示するアパーチャー630を特徴とする。アパーチャー630は、仮想円の周りに位置されて互いに180°離間された2つの環状スロット631及び632を含む。
【0142】
[00135]NAcollは、(ステッパーによる光学的減少のために)対応する投影NAの1/4に等しい収集光学系の開口数である。低NA/低σの露光条件は、(λ/NA(1+σ)>pであるので)非変調画像を生じるが、2つのもっともらしい「空中」露光条件は、変調された画像を生じる。
【0143】
[00136]3つの異なる露光条件に対してTCCファクタが計算され、そこから、Iav w.r.tデューティサイクル及び位相の部分導関数が計算された。以下のテーブルは、その結果の概要である。マスク上の大きな透明領域に対して強度が1に正規化される。
【0144】
[00137]テーブル1は、上述した3つの露光条件に対する平均強度及び感受性(部分導関数)を例示している。
【0145】
【表1】
【0146】
[00138]テーブルから明らかなように、第1次導関数w.r.t.デューティサイクルは、マスク特徴部サイズの変化により誘起されたCDエラーを回復するに充分であるが、位相に対する第2導関数は、第1次導関数とほぼ同じ導関数であり、それ故、無視することができない。
【0147】
[00139]更に、テーブルは、異なる露光条件の間で(第1次と第2次との)位相導関数間に大きな食い違いを示している。
【0148】
[00140]これは、小さなマスク摂動に対してもマスクエラー源の健全な回復を許容するシステムの有意義な解決策を可能にする。
【0149】
[00141]図7は、本発明の実施形態による平均強度、デューティサイクル及びMoSi層の位相及び透明度パラメータに対する3つの露光条件の感受性を例示している。
【0150】
[00142]ボックス710は、露光条件が“cquad”であるときの平均強度に対する感受性を例示する。ボックス720は、露光条件が“双極”であるときの平均強度に対する感受性を例示する。ボックス730は、露光条件が“低NA/低s”であるときの平均強度に対する感受性を例示する。
【0151】
[00143]ボックス740は、露光条件が“cquad”であるときのデューティサイクルに対する感受性を例示する。ボックス750は、露光条件が“双極”であるときのデューティサイクルに対する感受性を例示する。ボックス760は、露光条件が“低NA/低s”であるときのデューティサイクルに対する感受性を例示する。
【0152】
[00144]ボックス770は、露光条件が“cquad”であるときのMoSi層厚みに対する感受性を例示する。ボックス780は、露光条件が“双極”であるときのMoSi層厚みに対する感受性を例示する。ボックス790は、露光条件が“低NA/低s”であるときのMoSi層厚みに対する感受性を例示する。
【0153】
[00145]上述した方程式は、希薄なパターン及びやや希薄なパターンに対するマスクエラー源も回復するように拡張できることに注意されたい。実際に、特別な露光条件に対する∂Iav/∂φの強力な依存性は、結合された方程式(12)が非縮退(non-degenerate)に留まり、従って、探し求めたマスクエラー源(Δd、Δφ)の健全な回復を許容することを表示する。やや希薄なパターン及び希薄なパターンに対する方法の適用性は、式(5)−(8)における見掛け上厄介な級数形式がその理由である。
【0154】
[00146]図8は、本発明の実施形態によりマスクに関連したエラー源を評価するための方法800を例示する。
【0155】
[00147]この方法800は、図5のシステム500、即ち画像取得装置530からデータを受け取るシステムにより実行できるが、必ずしもそうでなくてもよい。
【0156】
[00148]この方法800は、ステージ810及び820のいずれか一方によりスタートする。
【0157】
[00149]ステージ810は、複数のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を計算することを含む。エラー源は、第1のエラー源及び第2のエラー源、3つのエラー源、及びそれ以上を含むことがある。エラー源は、互いにリンクされることもあるし、又は互いに無関係であることもある。
【0158】
[00150]感受性のデータは、マスク画像取得プロセスにより得た画像に対する各エラー源又は複数のエラー源の組合せの影響を記述することができる。
【0159】
[00151]エラー源は、画像の1つ以上のパラメータ、例えば、(画像によって反映される)パターンの臨界寸法、このような臨界寸法の統計学的関数(分散、平均値)、画像の強度変化、等に影響することがある。
【0160】
[00152]ステージ810は、(i)基準パターンの画像を表す校正データ、及び基準パターンに対するエラー源の指示を反映する摂動パターンの画像を受け取るが、摂動パターンは、それらに影響するエラー源により互いに異なるものであるステージ811、及び(ii)受け取った校正データ間の関係に基づいて複数のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を評価するステージ812、を備えている。
【0161】
[00153]ステージ811は、校正データを発生することを含むことができる。
【0162】
[00154]第1及び第2のエラー源が評価される場合には、ステージ811は、第1摂動パターンの画像及び第2摂動パターンの画像を受け取ることを含むが、第1摂動パターンは、基準パターンに対する第1のエラー源の誘導を反映し、第2摂動パターンは、基準パターンに対する第2のエラー源の誘導を反映する。この場合に、ステージ812は、受け取った校正データ間の関係に基づいて第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を評価することを含む。
【0163】
[00155]3つ以上のエラー源が評価される場合に、ステージ811は、3つ以上の摂動パターンの画像を受け取ることを含む。この場合に、ステージ812は、受け取った校正データ間の関係に基づいて3つ以上のエラー源の各々に対するマスク画像取得プロセスの感受性を評価することを含む。
【0164】
[00156]本発明の一実施形態によれば、基準パターンの画像は、リソグラフィックプロセスの模擬を含むマスク画像取得プロセスにより得られる。
【0165】
[00157]本発明の一実施形態によれば、基準パターンの画像は、マスクを光学的に照明することを含むマスク画像取得プロセスにより得たマスクの理想的な同一パターンの複数の画像を処理することによって得られる。基準パターンのこの画像は、光学的に得た画像に基づくもので純粋に模擬に基づくものではない「ゴールデン」基準とみなすことができる。
【0166】
[00158]本発明の一実施形態によれば、ステージ812は、差の画像を発生するステージ813を含むが、各々の差の画像は、基準パターンの画像と摂動パターンの画像との間の差を表す。ステージ813の後に、各々の差の画像の1つ以上の統計学的パラメータを計算するステージ814が続く。これらの1つ以上の統計学的パラメータは、1つ以上のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を反映することができる。
【0167】
[00159]例えば、第1及び第2のエラー源が評価される場合、ステージ813は、第1の摂動パターンの画像と基準パターンの画像との間の差を反映する第1の差の画像を発生すること、及び第2の摂動パターンの画像と基準パターンの画像との間の差を反映する第2の差の画像を発生すること、を含む。
【0168】
[00160]この場合、ステージ814は、第1及び第2の差の画像の1つ以上の統計学的パラメータを計算することを含む。第1の差の画像の少なくとも1つの統計学的パラメータは、第1のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を反映する。第2の差の画像の少なくとも1つの統計学的パラメータは、第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を反映する。
【0169】
[00161]第1及び第2の差の画像の各々の少なくとも1つの統計学的パラメータは、臨界寸法に関連付けることができる。
【0170】
[00162]第1のエラー源は、マスクの少なくとも1つの層の厚みの変化であってもよい。この層は、MoSi層であってもよい。
【0171】
[00163]第2のエラー源は、マスクパターンの寸法の変化であってもよい。
【0172】
[00164]本発明の一実施形態によれば、ステージ811は、基準パターンの複数の画像を表す校正データ、複数の摂動パターンからの各摂動パターンの複数の画像を受け取ることを含むが、異なる照明条件において同じパターンの複数の画像が得られる。
【0173】
[00165]異なる照明条件は、空中画像条件を含む。
【0174】
[00166]ステージ820は、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を表す感受性データを受け取ることを含む。
【0175】
[00167]ステージ810及び820の後に、マスクの領域の画像を表す画像データを受け取るステージ830が続く。マスクの領域は、マスクパターンを含む。
【0176】
[00168]ステージ830の後に、画像データと、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性とに基づいて、マスクパターンにおける少なくとも1つのエラー源を検出するステージ840が続く。
【0177】
[00169]ステージ810は、次のものを含むことができる。
【0178】
[00170](a)マスクの(周期的な)非摂動パターンの領域を模擬して、空中画像I0(x、y)を得ること。
【0179】
[00171](b)各エラー源(各摂動形式)m∈[1...M]に対して、摂動パターン(形式mの非常に小さな摂動が与えられたパターン)の画像を模擬する。これら画像は、次のように表される。
【0180】
【数14】
【0181】
[00172]差の画像を計算する。
【0182】
【数15】
【0183】
[00173]
【外5】
【0184】
【0185】
[00174]ステージ840は、次のものを含むことができる。
【0186】
[00175](a)I(x、y)で表されるマスクパターンの画像を得る。
【0187】
[00176](b)差の画像ΔI(x、y)=I(x、y)−I0(x、y)を計算する。
【0188】
[00177](c)量Eを計算する。
【0189】
【数16】
【0190】
但し、Eは、「感受性ファクタ」fmを伴う最小平均二乗であって、ΔI(x、y)を導く摂動をM個の全摂動形式による個々の寄与へと分解できると仮定する。
【0191】
[00178]
【外6】
【0192】
【0193】
[00179]ステージ(d)は、次のものを含む。
【外7】
【0194】
【0195】
[00180](e)マスクウェハCDを利用することによって製造される対象物のマスクの臨界寸法の変化を推定する。
【0196】
【数17】
【0197】
[00181]図9は、本発明の実施形態による空中照明条件アパーチャー910及び非空中照明条件アパーチャー920を例示する。
【0198】
[00182]空中照明条件アパーチャー910(AIとも称される)は、開口数(NA)が1.204であり、0.826/0.913(シグマ・イン/アウト)の環状形状を有することを特徴とする。非空中照明条件アパーチャー920(OACとも称される)は、NAが1.4であり、0.612/0.874(シグマ・イン/アウト)の環状形状を有することを特徴とする。
【0199】
[00183]これら2つのアパーチャー(910、920)は、3つのエラー源、即ちMoSi層厚みの変化、長方形マスクアパーチャーのy軸長さの変化、及び長方形マスクアパーチャーのx軸長さの変化、の各々に対するマスク画像取得プロセスの感受性を模擬するのに使用された。
【0200】
[00184](アパーチャー910又は920を使用する)各照明条件に対する3つのエラー源の各々の感受性が図10A及び図Bに複数のグラフとして示されている。これらグラフは、各々で得られた画像のサブフレームの平均強度(δI)と、AI(図10A)及びOAC(図10B)の照明条件に対する各パターンの臨界寸法の差(δCD)との関係を示している。
【0201】
[00185]図11A−図11Dは、本発明の一実施形態による複数の照明条件に対する感受性及び推定エラーを例示する。
【0202】
[00186]推定された3つのエラー源は、(i)MoSi厚み変化のみ(青のマーカーで示す)、(ii)アパーチャーy軸変化(赤のマーカーで示す)、及び(iii)MoSi厚み及びC/Hyサイズの両方が同時に変化する「複合」エラー源(緑のマーカーで示す)である。
【0203】
[00187]図11Aは、アパーチャー910(AI)を適用することにより得られるマスクの画像から得られる推定臨界寸法変化を、マスクにより製造されるウェハの真の臨界寸法に対して例示する。
【0204】
[00188]図11Bは、AI条件のもとでの(ウェハの真の臨界寸法変化に対する)臨界寸法推定の相対的エラーを例示する。
【0205】
[00189]図11Cは、アパーチャー920(OAC)を適用することにより得られるマスクの画像から得られる推定臨界寸法変化を、マスクにより製造されるウェハの真の臨界寸法に対して例示する。
【0206】
[00190]図11Dは、OAC条件のもとでの(ウェハの真の臨界寸法変化に対する)臨界寸法推定の相対的エラーを例示する。
【0207】
[00191]当業者であれば、特許請求の範囲により規定される本発明の範囲から逸脱せずに、上述した実施形態に種々の変更や修正を適用できることが容易に明らかであろう。
【符号の説明】
【0208】
510…インターフェイス、513…照明源、520…プロセッサ、530…画像取得装置、532…光学系、533…マスクホルダ、534…検出器、536…アパーチャー、539…マスク、610…アパーチャー、620…アパーチャー、630…アパーチャー
【関連出願】
【0001】
[001]本出願は、2009年2月27日に出願された米国仮特許出願第61/156,445号及び2009年2月27日に出願された米国仮特許出願第61/156,450号であり、その優先権を主張し、且つそれらを参考としてここに援用するものである。
【発明の分野】
【0002】
[002]本発明は、一般に、マスクを評価する分野に関し、より詳細には、ホトリソグラフィ・マスクに関連したエラー源を評価することに関する。
【発明の背景】
【0003】
[003]マイクロエレクトロニックデバイスの性能は、臨界寸法即ちCDと称される臨界特徴部の寸法に見られる変化により常に制限されている。マイクロエレクトロニックデバイスは、ホトリソグラフィ・プロセスにおいてホトリソグラフィ・マスク(マスク又はレチクルとも称される)を使用してしばしば製造される。ホトリソグラフィ・プロセスとは、半導体デバイスの製造における主たるプロセスの1つであり、ウェハの表面を、製造されるべき半導体デバイスの回路設計に基づいてパターン化することより成る。このような回路設計は、最初に、マスク上にパターン化される。従って、動作する半導体デバイスを得るためには、マスクに欠陥があってはならない。マスクは、複雑なプロセスによって製造され、1つ以上のエラー源のために損害を受けている。
【0004】
[004]更に、マスクは、ウェハ上に多数のダイを生成するためにしばしば繰り返し使用される。従って、マスク上に欠陥があると、それがウェハ上に何回も繰り返されて、複数のデバイスを欠陥にしてしまう。製造に相応しいプロセスを確立するには、リソグラフィ・プロセス全体を厳密に制御する必要がある。このプロセス内において、CD制御は、デバイスの性能及び収率に関して決定的なファクタである。
【0005】
[005]種々のマスク検査ツールが開発されており、商業的に入手することができる。マスクを設計し評価する既知の技術によれば、マスクを生成し、それを通してウェハを露光させるように使用し、次いで、マスクの特徴部が設計に基づきウェハに転写されるかどうか決定するためにチェックが行われる。最終的な特徴部に、意図された設計からの変化があると、設計を変更し、新たなマスクを生成し、新たなウェハを露光させる必要がある。
【0006】
[006]非常に小さな特徴部の製造を容易にするために格子状設計ルール(GDR)マスクが開発された。GDRマスクは、平行線と、それら平行線間のスペースとを含むパターンを含むものであるために、一次元マスク(1Dマスク)とも称されている。
【0007】
[007]マスクの少なくとも1つのエラー源を評価するシステム及び方法を提供することが要望される。
【発明の概要】
【0008】
[008]マスクに関連したエラー源を評価するための方法は、異なる露光条件で得られたマスクの複数の画像を表すデータを受け取るステップと、それら複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算して、複数の計算値を与えるステップと、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答してエラー源を検出するステップと、を備えている。
【0009】
[009]マスクに関連したエラー源を評価するための方法は、マスクの画像を表すデータを受け取るステップと、マスクの画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の複数の関数を計算して、複数の計算値を与えるステップと、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する各関数の感受性に応答してエラー源を検出するステップと、を含むことができる。
【0010】
[0010]マスクに関連したエラー源を評価するための方法は、マスクの複数の画像を表すデータを受け取るステップと、マスクの各画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の複数の関数の値間の関係を表す関係値を計算するステップと、複数の画像のサブフレームの関係値に応答して複数の画像に影響する照明電力変化を補償するステップと、を含むことができる。
【0011】
[0011]マスクに関連したエラー源を評価するためのシステムは、異なる露光条件で得られたマスクの複数の画像を表すデータを受け取るインターフェイスと、それら複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算して、複数の計算値を与え、更に、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答してエラー源を検出するプロセッサと、を備えることができる。
【0012】
[0012]マスクに関連したエラー源を評価するためのシステムは、マスクの画像を表すデータを受け取るインターフェイスと、マスクの各画像の複数のサブフレームに対し、強度の複数の関数の値を計算して、複数の計算値を与え、更に、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答して各エラー源の寄与を決定するプロセッサと、を備えている。
【0013】
[0013]マスクに関連したエラー源を評価するためのシステムは、複数のサブフレームで各々構成されるマスクの複数の画像を表すデータを受け取るインターフェイスと、マスクの各画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームの強度の複数の関数の値間の関係を表す関係値を計算し、更に、異なる画像のサブフレームの関係値に応答して複数の画像に影響する照明電力変化を補償するプロセッサと、を備えている。
【0014】
[0014]マスクに関連したエラー源を評価するための方法は、マスクの領域の画像を表す画像データを受け取るステップであって、そのマスクの領域がマスクパターンを含むようなステップと、画像データに基づくと共に、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性にも基づいて、マスクパターンにおける少なくとも1つのエラー源を検出するステップであって、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性は、基準パターンの画像、第1の摂動パターンの画像、及び第2の摂動パターンの画像を表す校正データを受け取ることにより計算され、第1の摂動パターンは、基準パターンに対する第1のエラー源の誘導を反映し、第2の摂動パターンは、基準パターンに対する第2のエラー源の誘導を反映するものであるステップと、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を、受け取った校正データ間の関係に基づいて評価するステップとを備えている。
【0015】
[0015]マスクに関連したエラー源を評価するための方法は、基準パターンの画像、第1の摂動パターンの画像、及び第2の摂動パターンの画像を表す校正データを受け取るステップであって、第1の摂動パターンは、基準パターンに対する第1のエラー源の誘導を反映し、第2の摂動パターンは、基準パターンに対する第2のエラー源の誘導を反映するものであるステップと、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を、受け取った校正データ間の関係に基づいて評価するステップと、マスクの領域の画像を表す画像データを受け取るステップであって、そのマスクの領域がマスクパターンを含むようなステップと、画像データに基づくと共に、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性にも基づいて、マスクパターンにおける少なくとも1つのエラー源を検出するステップと、を備えている。
【0016】
[0016]マスクに関連したエラー源を評価するためのシステムは、マスクの領域の画像を表す画像データを受け取るインターフェイスであって、そのマスクの領域がマスクパターンを含むようなインターフェイスと、画像データに基づくと共に、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性にも基づいて、マスクパターンにおける少なくとも1つのエラー源を検出するように構成されたプロセッサであって、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性は、基準パターンの画像、第1の摂動パターンの画像、及び第2の摂動パターンの画像を表す校正データを受け取ることにより計算され、第1の摂動パターンは、基準パターンに対する第1のエラー源の誘導を反映し、第2の摂動パターンは、基準パターンに対する第2のエラー源の誘導を反映し、更に、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を、受け取った校正データ間の関係に基づいて評価するようなプロセッサと、を備えている。
【0017】
[0017]本発明を理解すると共に、実際にそれがどのように実行されるか分かるようにするために、添付図面を参照して一実施形態を以下に説明するが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態によるシステムを例示する。
【図6A】本発明の一実施形態によるアパーチャーを例示する。
【図6B】本発明の一実施形態によるアパーチャーを例示する。
【図6C】本発明の一実施形態によるアパーチャーを例示する。
【図7A】本発明の一実施形態による感受性の一例を例示する。
【図7B】本発明の一実施形態による感受性の一例を例示する。
【図7C】本発明の一実施形態による感受性の一例を例示する。
【図8】本発明の一実施形態による方法を例示する。
【図9】本発明の一実施形態による2つのアパーチャーを例示する。
【図10A】本発明の一実施形態による種々の照明条件に対し各々の得られた画像のサブフレームの平均強度(δI)と各パターンの臨界寸法の差(δCD)との関係を例示する。
【図10B】本発明の一実施形態による種々の照明条件に対し各々の得られた画像のサブフレームの平均強度(δI)と各パターンの臨界寸法の差(δCD)との関係を例示する。
【図11A】本発明の一実施形態による複数の照明条件に対し感受性及び推定エラーを例示する。
【図11B】本発明の一実施形態による複数の照明条件に対し感受性及び推定エラーを例示する。
【図11C】本発明の一実施形態による複数の照明条件に対し感受性及び推定エラーを例示する。
【図11D】本発明の一実施形態による複数の照明条件に対し感受性及び推定エラーを例示する。
【詳細な説明】
【0019】
[0029]マスクのエラー源を評価するための方法及びシステムが提供される。マスクは、ホトリソグラフィ・プロセス中に使用される。マスクの1つ以上の画像を、1つ以上の露光条件で得ることができる。露光条件は、互いに相違させることができる。これら1つ以上の画像のサブフレームのピクセルの強度の1つ以上の関数が計算される。計算の結果は、計算値と称される。これら計算値は、マスク内のエラー源に関する指示を与えることができる。
【0020】
[0030]マスクの1つ以上の画像を得ることができると共に、マスクの部分の1つ以上の画像を得ることができる点に注意されたい。説明の簡略化のために、「マスクの画像」は、マスクの一部分の画像も意味する。
【0021】
[0031]本発明の種々の実施形態によれば、マスクの複数の画像を得ることができ、それら画像のサブフレームは、単一関数を適用することにより処理される。このシナリオは、「複数画像、単一関数」と称される。
【0022】
[0032]本発明の種々の実施形態によれば、マスクの単一の画像を得ることができ、その画像の1つ以上のサブフレームは、複数の関数を適用することによって処理される。このシナリオは、「単一画像、複数関数」と称される。
【0023】
[0033]更に、本発明の種々の実施形態によれば、マスクの複数の画像を得ることができ、各画像の1つ以上のサブフレームは、複数の関数を適用することにより処理することができる。
【0024】
複数画像、単一関数
[0034]図1は、本発明の実施形態による方法100を例示する。この方法100は、マスクに関連したエラー源を評価し、より詳細には、エラー源の存在及びマスクの画像に対するその寄与を表示することができる。
【0025】
[0035]方法100は、ステージ110、120又は130によりスタートすることができる。
【0026】
[0036]ステージ100は、マスクの画像を光学的に得ることを含み、画像は、異なる露光条件で得られる。各画像は、サブフレームを含む。各画像のサブフレームは、同じサイズ及び形状のものでよい。それらのサイズ及び形状は、関連パターンの形状及びサイズに応答して選択することができる。例えば、サブフレームは、繰り返しパターンを形成する整数倍の特徴部を含むように選択することができる。
【0027】
[0037]1つ以上の画像を同じ露光条件で得ることができる一方、1つ以上の他の画像を別の露光条件で得ることができる点に注意されたい。
【0028】
[0038]大ざっぱに言うと、大きなサブフレームを選択することにより、特に、大きなサブフレームに対して平均化を行うときには、サブフレームのピクセルの強度の関数の計算精度に寄与することができる。小さなサブフレームを選択すると、サブフレームの強度積分関数のより多くの値を与えることができる。例えば、マスクの1,000,000x1,000,000ピクセル画像は、各々1,000x1,000ピクセルを含む複数のサブフレームに分割することができるが、必ずしもそうでなくてもよい。
【0029】
[0039]異なる露光条件は、関連エラー源に応答して選択することができる。例えば、異なる露光条件は、異なる照明条件のもとで異なるエラー源の作用を強化するように、異なる露光条件をセットすることができる。従って、第1の照明条件は、第1のエラー源により大きく影響される(及びそれにより支配される)画像を得るように選択することができる一方、第2の照明条件は、第2のエラー源により大きく影響される(及びそれにより支配される)画像を得るように選択することができる。
【0030】
[0040]ステージ110は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社からのアエリアル・イメージャー、特に、AREA193のような画像取得システムにより実行することができる。ステージ110に続いて、ステージ120を実行することができる。
【0031】
[0041]露光条件は、開口数の値、アパーチャーのサイズ及び形状、光のコヒレンシー、等を含むことができる。
【0032】
[0042]本発明の一実施形態によれば、画像の1つは、空中像形成条件を適用することにより得ることができ、また、少なくとも1つの他の画像は、空中像形成条件とは異なる露光条件で得ることができる。空中像形成条件は、ステッパーのようなリソグラフィック製造ツールにより課せられる照明条件と同様であることが期待される。
【0033】
[0043]本発明の別の実施形態によれば、画像の1つは、空中像形成条件を適用することにより得ることができ、また、少なくとも1つの他の画像は、低い開口数で得られる。
【0034】
[0044]本発明の更に別の実施形態によれば、異なる光学的像形成条件の下で複数の画像を取得することができる。
【0035】
[0045]ステージ120は、マスクの画像を前処理することを含む。
【0036】
[0046]ステージ120は、画像を表すデータを出力する。処理ステージ120は、グレーレベル画像を発生し、焦点補正、収差補償、必要なデータフォーマットへの画像の変換、等を遂行することを含むことができる。ステージ120に続いて、ステージ130を行うことができる。
【0037】
[0047]ステージ130は、異なる露光条件で得られたマスクの複数の画像を表すデータを受け取ることを含む。各画像は、複数のサブフレームを含むことができる。
【0038】
[0048]ステージ130の後に、複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算して、複数の計算値を与えるステージ140が続く。
【0039】
[0049]ステージ140は、ある画像の全てのサブフレーム、全ての画像の全てのサブフレーム、ある画像のあるサブフレーム、又は全ての画像のあるサブフレームに対して関数を計算することを含む点に注意されたい。
【0040】
[0050]本発明の一実施形態によれば、関数は、ピクセルサブフレームの強度積分、ピクセルの強度の和、ピクセルの強度の重み付けされた和、ピクセルの強度の平均、等である。
【0041】
[0051]本発明の更に別の実施形態によれば、関数は、サブフレームのピクセルの強度の分散である。
【0042】
[0052]本発明の更に別の実施形態によれば、関数は、サブフレームのピクセルの強度の標準偏差である。他の統計学的関数、見込み関数、又は更に別の関数を適用できることに注意されたい。あるピクセルを無視できることにも注意されたい。
【0043】
[0053]サブフレームのピクセルの強度積分である関数の計算の一例が、参考としてここにそのまま援用する“Method and system for evaluating a variation in a parameter ofpattern”と題するPCT特許出願公告第WO2007/088542A2号に例示されている。マスクにより生成される物品の(臨界寸法のような)特性の変化は、サブフレームの強度積分の平均を考慮して推定できることが示されている。
【0044】
[0054]本発明の更に別の実施形態によれば、ステージ140は、サブフレームのピクセルの強度の複数の関数を計算して、複数の計算値を与えることを含むことができる。
【0045】
[0055]複数の関数の計算は、エラー源を検出するために得なければならない画像の数を減少することができ、それに加えて、又はそれとは別に、エラー源の検出の信頼性を高めるのに使用することができる。
【0046】
[0056]ステップ140の後に、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答して、エラー源を検出するステージ150が続く。
【0047】
[0057]一定のエラー源に対する関数の感受性は、関数の値と、その値に対する一定のエラー源の寄与との比を表すことができる。
【0048】
[0058]ステージ150は、1つ以上の関数の値に対するエラー源の寄与を評価することを含むことができる。この評価は、マスクのエラー源が何であるか決定すること、マスクが機能するかどうか表示すること、等を含むことができる。
【0049】
[0059]エラー源は、マスク、又はマスクのコンポーネントの1つのパラメータの変化であり、所望の値などとは異なるマスクのパラメータの値である。エラー源は、マスクの小さなエリアに限定することができ、マスクの異なる部分及びマスク全体にすら現れることができる。エラー源は、例えば、マスクの厚みの変化、マスクの反射率の変化、マスクのパターンのデューティサイクルの変化、マスクの層の透明度の変化、マスクの減衰度の変化、マスクの減衰度の変化、マスクのパターンの幅の変化、マスクにより導入される位相シフトの変化、マスクのケイ化モリブデン(MoSi2)層の厚みの非均一性、等を含むことができるが、これらに限定されない。
【0050】
[0060]複数のエラー源、又はより厳密には、複数のエラー源の中の各エラー源の寄与は、エラー源が存在しない状態で互いに等しいと予想される各サブフレーム積分のピクセルの強度の関数の複数の値を比較することから学習できる。
【0051】
[0061]この比較は、異なるフレーム内の同じ場所に位置するサブフレームに関連した計算値間の比較を含むことができる。
【0052】
[0062]これらの感受性は、方法100へ送り込むこともできるし、又は方法100の間に計算することもできる。
【0053】
[0063]図2は、本発明の実施形態により各エラー源に対する関数の感受性を計算するための方法200を例示する。
【0054】
[0064]方法200は、模擬マスクにおける変化を繰り返し模擬し、模擬マスクの照明から得られる画像を模擬し、模擬サブフレームのピクセルに対する強度の関数を計算し、更に、計算値間の比較を行う。
【0055】
[0065]方法200は、マスクを模擬するステージ210により開始する。
【0056】
[0066]ステージ210の後に、模擬マスクの(模擬)照明から得られる画像を模擬するステージ220が続く。
【0057】
[0067]ステージ220の後に、画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対してそのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算するステージ230が続く。
【0058】
[0068]ステージ230の後に、模擬マスクにおける変化を模擬するステージ240が続く。
【0059】
[0069]ステージ240の後に、制御基準が満足されるまでステージ220が続く。制御基準は、最大許容繰り返し数であるが、必ずしもそうでなくてもよく、他の制御基準を定義することもできる。
【0060】
[0070]本発明の別の実施形態によれば、ステージ230の後に、照明条件を変化させるステージ250が続き、ステージ220へジャンプする。
【0061】
[0071]方法200は、感受性の模擬ベース計算を示すが、それらの感受性は、他の仕方でも計算できることに注意されたい。例えば、既知のエラー源をもつマスクの画像を照明して、その後に感受性を評価するために処理される画像を与えることもできる。これらの画像は、異なる照明条件で得ることができる。
【0062】
[0072]図1に戻ると、ステージ150の後に、検出されたエラー源に応答することができる。このステージは、マスクを修理すること、マスクを欠陥マスクとして定義すること、マスクを機能するものとして定義すること、マスクの修理指示を発生すること、等々を含むことができる。
【0063】
[0073]ステージ160は、検出されたエラー源の印刷可能性を評価するか、さもなければ、それらエラー源がマスクの照明により製造される物品に影響するかどうか評価することにより、その検出されたエラー源にどのように応答するか決定することを含むことができる。ステージ160は、マスクを利用することにより製造される物品の特徴部の変化を決定することを含むことができる。これらの変化が受け容れられない場合には、マスクを修理に送るか又は不合格とすることができる。
【0064】
[0074]ステージ160は、次の項目の少なくとも1つ、又はその組合せを含むことができる。(i)マスクをマスク店から出荷するための資格基準を設ける;(ii)マスク生成プロセスへ入力を与える;(iii)物品製造プロセスへ入力を与える;(iv)リソグラフィック模擬に使用されるマスクモデルへ入力を与える;(v)リソグラフィーステッパーのための補正マップを与える;(vi)予想される特徴部パラメータ変化より大きいことを特徴とするエリアを識別する。
【0065】
[0075]本発明の実施形態によれば、マスクは、格子状設計ルールマスクである。
【0066】
単一画像、複数関数
[0076]図3は、本発明の一実施形態による方法300を例示する。この方法300は、マスクに関連したエラー源を評価し、より詳細には、エラー源の存在、及びマスクの画像へのその寄与を表示することができる。
【0067】
[0077]方法300は、ステージ310、320又は330のいずれか1つによって開始することができる。
【0068】
[0078]ステージ310は、マスクの画像を光学的に得ることを含む。マスクの画像は、サブフレームを含む。サブフレームは、同じサイズ及び形状のものでよい。それらのサイズ及び形状は、当該パターンの形状及びサイズに応答して選択することができる。例えば、サブフレームは、繰り返しパターンを形成する整数倍の特徴部を含むように選択することができる。
【0069】
[0079]ステージ310は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社からのアエリアル・イメージャー、特に、AREA193のような画像取得システムにより実行することができる。ステージ310に続いて、ステージ320を実行することができる。
【0070】
[0080]画像は、空中像形成条件を適用することにより得ることができるが、必ずしもそのようにしなくてもよい。
【0071】
[0081]ステージ320は、マスクの画像の前処理を含み、画像は、異なる露光条件で得られる。ステージ320は、画像を表すデータを出力する。
【0072】
[0082]ステージ330は、マスクの画像を表すデータを受け取ることを含む。
【0073】
[0083]ステージ330の後に、マスクの画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対しそのサブフレームのピクセルの強度の複数の関数を計算して、複数の計算値を与えるステージ340が続く。
【0074】
[0084]ステージ340の後に、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する各関数の感受性に応答して、1つ以上のエラー源を検出するステージ350が続く。
【0075】
[0085]ステージ350の後に、検出されたエラー源に応答するステージ360が続く。
【0076】
照明変動の補償
[0086]図4は、マスクに関連したエラー源を評価するための方法400を例示する。
【0077】
[0087]この方法400は、マスクの複数の画像を表すデータを受け取るステージ410を含むことができる。各画像は、サブフレームを含む。
【0078】
[0088]ステージ410の後に、複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対しそのサブフレームのピクセルの強度の複数の関数の値間の関係を表す関係値を計算するステージ420が続く。
【0079】
[0089]ステージ420は、異なる画像、特に、照明源が強度の変化する光を出力する間に得られた異なる画像、に属するサブフレームに対する関係値を計算することを含むことができる。
【0080】
[0090]ステージ420の後に、異なる画像のサブフレームの関係値に応答して複数の画像に影響を及ぼした照明電力変化を補償するステージ430が続く。
【0081】
[0091]ステージ420は、サブフレームの強度積分の平均とサブフレームの強度積分の標準偏差との間の比を表す関係値を計算することを含むことができる。
【0082】
システム
[0092]本発明の実施形態によるシステム500の一実施例をブロック図で概略的に示す図5を参照する。
【0083】
[0093]このシステム500は、インターフェイス510及びプロセッサ520を備えている。また、図5は、システム500を、異なる露光条件でマスクの複数の画像を得る画像取得装置530を含むものとして例示している。この画像取得装置は、照明源531、光学系532、マスクホルダ533、及び検出器534を含むことができる。画像取得装置は、アエリアル(Aerial)検査ツールでもよいし、又はこのようなツールに含まれたものでもよい。光学系532は、照明源531と、マスクホルダ533に保持されたマスクとの間に置かれた1つ以上の光学要素(レンズ、アパーチャー536、空間フィルタ、等)、及びマスクホルダ533と検出器534との間に置かれた1つ以上の光学要素を含むことができる。
【0084】
[0094]インターフェイス510は、メモリバンク、1つ以上のバス、及びソフトウェアコンポーネントを含むことができる。
【0085】
[0095]インターフェイス510は、異なる露光条件で得られたマスクの複数の画像を表すデータを受け取ることができる。
【0086】
[0096]プロセッサ520は、方法100、200、300、400の少なくとも1つ、又はその組合せを遂行することができる。
【0087】
[0097]例えば、プロセッサ520は、複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対しそのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算して、複数の計算値を与え、更に、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答してエラー源を検出することができる。
【0088】
[0098]別の実施例として、プロセッサ520は、マスクの各画像の複数のサブフレームに対し強度の複数の関数の値を計算して、複数の計算値を与え、更に、その計算値に応答し且つ各エラー源に対する関数の感受性に応答して各エラー源の寄与を決定することができる。
【0089】
[0099]別の実施例として、プロセッサ520は、マスクの各画像の複数のサブフレームの中の各サブフレームに対し、そのサブフレームの強度の複数の関数の値間の関係を表す関係値を計算し、更に、異なる画像のサブフレームの関係値に応答して複数の画像に影響した照明電力変化を補償することができる。
【0090】
数学的分析−GDRマスク
[00100]マスクエラー源の回復を取り扱うために、得られた画像の計算のためのTCC(相互透過係数)解決策をとることができる。このTCC解決策は、「薄い」(即ち、キルヒホッフ)マスク近似及びホプキンス近似の両方が成り立つという仮定のもとで正当化される。TCCは、非常に良好に定義されたスペクトルコンテンツを有するマスクパターンのための特にコンパクトな形態を有する。実際に、濃密な1D GDRマスクパターンは、本質的に、単一の空間周波数により表される。
【0091】
[00101]TCC解決策は、特別な1組の露光条件のもとでGDRマスクパラメータの小さな摂動(エラー源)に対する空中画像の平均強度の応答についての式を導出するのに使用できる。
【0092】
[00102]この数学的分析は、マスクエラー源の性質及び強さを回復するのに異なる露光条件のもとで行われる平均強度の2つ以上の測定の組合せで充分であることを例示する。具体的には、次の数学的分析は、減衰した(埋め込まれた)位相シフトマスクに焦点を置いているが、その結果は、(十分な変更で)他の形式の1Dマスクパターンにも適用できる。
【0093】
[00103]空中画像のスペクトルは、式(1)により与えられる。
【0094】
【数1】
【0095】
[00104]
【外1】
【0096】
【0097】
【数2】
【0098】
[00105]
【外2】
【0099】
【0100】
[00106]空中画像のサブフレームのピクセルの強度の関数は、f=g=0に対応するそれらピクセルの平均強度の指示を与える。
【0101】
【数3】
【0102】
[00107]このケースでは、TCCは、特に簡単な形態をとることに注意されたい。
【0103】
【数4】
【0104】
[00108]
【外3】
【0105】
【0106】
[00109]TCCは、1D(線及びスペース)マスクパターンに適用することができる。pをピッチとし、dを線幅とする。更に、パターンの線及びスペースの透過及び位相を、各々、tbg及びtfgで表す。例えば、減衰型低透過MoSi(6%)位相シフトマスク(PSM)は、tbg=−0.25及びtfg=1に対応する。これらの定義では、このようなパターンのスペクトルが、次の式で与えられる。
【0107】
【数5】
【0108】
[00110]このスペクトルは、空間周波数k/pにおける調波より成ることに注意されたい。実際のケースでは、TCC(0,0)=1であるから、式(3)に代入して次の式を得る。
【0109】
【数6】
【0110】
[00111]実際には、GDRパターンでは、典型的に、画像の形成に寄与するのは、0番目及び1番目(又は0番目及び−1番目)の回折次数だけである。これは、GDRを慎重に使用して、k1を実際上、その最低の理論的限界にできるだけ接近させ、これにより、MEEF及び偏光に関して、また、当然ながら、ダイサイズに関して2ビーム像形成の利点から利益を得ることを反映している(§2を参照)。
【0111】
[00112]式(5)及び(6)の形成は、より一般的なもので、更に一般的なケースへの拡張が容易である。空中画像形成に実際に寄与する回折次数の「選択」は、式(6)のTCCに暗示される。
【0112】
[00113]一般式(6)から、サブフレームのピクセルの強度の平均である関数が、2つの個別の寄与を有することが明らかである。第1の寄与−以下I0−は、マスクパターンのみに依存し、画像取得システムの光学的構成の細部とは完全に独立している。
【0113】
【数7】
【0114】
[00114]特定の光学的条件に依存する第2の寄与は、より高いパターン調波にも依存する。
【0115】
【数8】
【0116】
[00115]従って、Iav=I0+Ihigherである。
【0117】
[00116]マスクパターン(エラー源)パラメータの小さな摂動は、式(6)で表される。減衰位相シフトマスク線パターン(attPSM L&Sパターン)に集中して考えると、2つの形式の実行可能な(及び普通の)摂動を互いに区別することができる。
【0118】
[00117]第1に、マスク上の特徴部のデューティサイクル−d/p−は、公称値と異なってもよい。これは、(書き込みビームの幅変化による)マスク書き込みエラーのために生じるか、又はマスク開発中に生じることがある。従って、この特定形式のエラーの基礎的な起点は、マスクパターンが公称ピッチであることを暗示するが、線幅dは、意図された値から変化する。公称線幅値からの偏差が小さいと仮定すれば、平均強度への影響は、単純なテーラー級数(典型的に第1次又は第2次の項で充分)によって捕獲される。この作用は、次の式で表すことができる。
【0119】
【数9】
【0120】
[00118]ここで、δIav=(Iav−Iav,nom)/Iav,nomは、欠陥のない公称マスクについて得られた公称平均強度Iav,nomに対する平均強度の変化である。
【0121】
[00119]第2に、MoSi堆積エラーが生じて、膜の位相シフトφの変化を招き、これが透過値の変化に結び付くことがある。減衰は、膜厚みの指数関数である一方、位相シフトは、厚みに比例するので、概略的に次のように書き表すことができる。
【0122】
【数10】
【0123】
[00120]ここで、t0は、MoSi膜の反射率に依存するパラメータであり、一方、qは、膜厚みに対する透過の感受性を記述するパラメータで、κ/(n−1)に比例するが、κ及びnは、MoSi屈折率の虚数部及び実数部である。
【0124】
[00121]MoSi厚みに対する平均強度の感受性は、MoSi位相におけるその依存性により(及び透過率におけるそのことにより)、次の式で表すことができる。
【0125】
【数11】
【0126】
[00122]両形式の摂動が与えられた(即ち、マスク線幅及びMoSi厚みの両方がそれらの意図された値からずれた)マスクについて考えると、平均強度エラーの単一の測定では、特定のエラー源を回復するのに充分でない。
【0127】
[00123]エラー源(より具体的には、画像に対するエラー源の寄与)は、異なる露光条件でマスクの異なる画像が得られる場合に評価することができる。
【0128】
[00124]EC1及びEC2により2つの露光条件を表すと、これら2つの光学的モードに対する平均強度の測定は、式(9)及び(11)に代入したときに(及びより高次の導関数を省略することにより)、次の式を与える。
【0129】
【数12】
【0130】
[00125]
【外4】
【0131】
【0132】
[00126]EC1は、空中像形成条件である。2つの露光条件間の感受性の食い違い(部分導関数)を最大にするように他の露光条件EC2を選択することもできる。実際の選択は、次の式を満足するEC2に対する軸上低NA/低σ組合せを選択することである。
【0133】
【数13】
【0134】
[00127]この選択は、式(8)においてIhigher=0にさせる。というのは、収集光学系がいずれのパターン調波も抱かないからである(κ≧1)。この場合に、像の形成に寄与するのは、I0(式7を参照)だけである。EC2に対してこの選択を採用すると、マスクエラー源の健全な回復を与えることができる。
【0135】
[00128]式(12)を進めるスキームは、1組の異なる露光条件での複数(>2)の検査へと更に拡張できることに注意されたい。これは、考えられる(又は疑わしい)マスクエラー源の数が多い場合に(例えば、かすみを考慮するために)使用できる。或いは、過剰決定される1組の結合された方程式(12)を得て、最小平均二乗解決策を通して(例えば、ノイズに対する)解決策の健全性を高めることができる。
【0136】
[00129]マスクパラメータがそれらの公称値から著しくずれる場合には、式(12)のテーラー級数は、より高次の導関数を含み、方程式セットは、もはや一次式ではないことに注意されたい。更に、これは、ニュートン−ラプソン等の方法を使用して数値的に解くこともできる。
【0137】
[00130]また、マスクスペクトルの知識及び露光条件(TCCファクタにより捕獲される情報)から平均強度が導出された同じ方法で、式(1)、(2)及び(5)を使用して、画像変調の振幅に対する式を導出できることにも注意されたい。
【0138】
テストケース
[00131]3つの異なる露光条件が数値的に評価された。これらの露光条件は、マスクの模擬画像を与えるために模擬された照明システムのアパーチャーが相違する。計算された関数は、(ウェハ上の)半ピッチが40nmで線のデューティサイクルが50%の単純で濃密なattPSM(MoSi6%)に対する平均強度及びその部分導関数(w.r.t線幅及びMoSi位相)であった。
【0139】
[00132]第1の露光条件は、空中画像条件であり、開口数が0.337、30°四極、σin=0.85、σout=1.0の、図6Aに例示するアパーチャー610を特徴とする。アパーチャー610は、仮想円の周りに位置されて互いに90°離間された4つの環状スロット611、612、613及び614を含む。
【0140】
[00133]第2の露光条件は、空中画像とは異なり、低NA/低σ:NAcoll=0.15、σ=0.1の、図6Bに例示されたアパーチャー620を特徴とする。
【0141】
[00134]第3の露光条件は、空中画像条件で、開口数が0.337、30°双極、σin=0.85、σout=1.0の、図6Cに例示するアパーチャー630を特徴とする。アパーチャー630は、仮想円の周りに位置されて互いに180°離間された2つの環状スロット631及び632を含む。
【0142】
[00135]NAcollは、(ステッパーによる光学的減少のために)対応する投影NAの1/4に等しい収集光学系の開口数である。低NA/低σの露光条件は、(λ/NA(1+σ)>pであるので)非変調画像を生じるが、2つのもっともらしい「空中」露光条件は、変調された画像を生じる。
【0143】
[00136]3つの異なる露光条件に対してTCCファクタが計算され、そこから、Iav w.r.tデューティサイクル及び位相の部分導関数が計算された。以下のテーブルは、その結果の概要である。マスク上の大きな透明領域に対して強度が1に正規化される。
【0144】
[00137]テーブル1は、上述した3つの露光条件に対する平均強度及び感受性(部分導関数)を例示している。
【0145】
【表1】
【0146】
[00138]テーブルから明らかなように、第1次導関数w.r.t.デューティサイクルは、マスク特徴部サイズの変化により誘起されたCDエラーを回復するに充分であるが、位相に対する第2導関数は、第1次導関数とほぼ同じ導関数であり、それ故、無視することができない。
【0147】
[00139]更に、テーブルは、異なる露光条件の間で(第1次と第2次との)位相導関数間に大きな食い違いを示している。
【0148】
[00140]これは、小さなマスク摂動に対してもマスクエラー源の健全な回復を許容するシステムの有意義な解決策を可能にする。
【0149】
[00141]図7は、本発明の実施形態による平均強度、デューティサイクル及びMoSi層の位相及び透明度パラメータに対する3つの露光条件の感受性を例示している。
【0150】
[00142]ボックス710は、露光条件が“cquad”であるときの平均強度に対する感受性を例示する。ボックス720は、露光条件が“双極”であるときの平均強度に対する感受性を例示する。ボックス730は、露光条件が“低NA/低s”であるときの平均強度に対する感受性を例示する。
【0151】
[00143]ボックス740は、露光条件が“cquad”であるときのデューティサイクルに対する感受性を例示する。ボックス750は、露光条件が“双極”であるときのデューティサイクルに対する感受性を例示する。ボックス760は、露光条件が“低NA/低s”であるときのデューティサイクルに対する感受性を例示する。
【0152】
[00144]ボックス770は、露光条件が“cquad”であるときのMoSi層厚みに対する感受性を例示する。ボックス780は、露光条件が“双極”であるときのMoSi層厚みに対する感受性を例示する。ボックス790は、露光条件が“低NA/低s”であるときのMoSi層厚みに対する感受性を例示する。
【0153】
[00145]上述した方程式は、希薄なパターン及びやや希薄なパターンに対するマスクエラー源も回復するように拡張できることに注意されたい。実際に、特別な露光条件に対する∂Iav/∂φの強力な依存性は、結合された方程式(12)が非縮退(non-degenerate)に留まり、従って、探し求めたマスクエラー源(Δd、Δφ)の健全な回復を許容することを表示する。やや希薄なパターン及び希薄なパターンに対する方法の適用性は、式(5)−(8)における見掛け上厄介な級数形式がその理由である。
【0154】
[00146]図8は、本発明の実施形態によりマスクに関連したエラー源を評価するための方法800を例示する。
【0155】
[00147]この方法800は、図5のシステム500、即ち画像取得装置530からデータを受け取るシステムにより実行できるが、必ずしもそうでなくてもよい。
【0156】
[00148]この方法800は、ステージ810及び820のいずれか一方によりスタートする。
【0157】
[00149]ステージ810は、複数のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を計算することを含む。エラー源は、第1のエラー源及び第2のエラー源、3つのエラー源、及びそれ以上を含むことがある。エラー源は、互いにリンクされることもあるし、又は互いに無関係であることもある。
【0158】
[00150]感受性のデータは、マスク画像取得プロセスにより得た画像に対する各エラー源又は複数のエラー源の組合せの影響を記述することができる。
【0159】
[00151]エラー源は、画像の1つ以上のパラメータ、例えば、(画像によって反映される)パターンの臨界寸法、このような臨界寸法の統計学的関数(分散、平均値)、画像の強度変化、等に影響することがある。
【0160】
[00152]ステージ810は、(i)基準パターンの画像を表す校正データ、及び基準パターンに対するエラー源の指示を反映する摂動パターンの画像を受け取るが、摂動パターンは、それらに影響するエラー源により互いに異なるものであるステージ811、及び(ii)受け取った校正データ間の関係に基づいて複数のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を評価するステージ812、を備えている。
【0161】
[00153]ステージ811は、校正データを発生することを含むことができる。
【0162】
[00154]第1及び第2のエラー源が評価される場合には、ステージ811は、第1摂動パターンの画像及び第2摂動パターンの画像を受け取ることを含むが、第1摂動パターンは、基準パターンに対する第1のエラー源の誘導を反映し、第2摂動パターンは、基準パターンに対する第2のエラー源の誘導を反映する。この場合に、ステージ812は、受け取った校正データ間の関係に基づいて第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を評価することを含む。
【0163】
[00155]3つ以上のエラー源が評価される場合に、ステージ811は、3つ以上の摂動パターンの画像を受け取ることを含む。この場合に、ステージ812は、受け取った校正データ間の関係に基づいて3つ以上のエラー源の各々に対するマスク画像取得プロセスの感受性を評価することを含む。
【0164】
[00156]本発明の一実施形態によれば、基準パターンの画像は、リソグラフィックプロセスの模擬を含むマスク画像取得プロセスにより得られる。
【0165】
[00157]本発明の一実施形態によれば、基準パターンの画像は、マスクを光学的に照明することを含むマスク画像取得プロセスにより得たマスクの理想的な同一パターンの複数の画像を処理することによって得られる。基準パターンのこの画像は、光学的に得た画像に基づくもので純粋に模擬に基づくものではない「ゴールデン」基準とみなすことができる。
【0166】
[00158]本発明の一実施形態によれば、ステージ812は、差の画像を発生するステージ813を含むが、各々の差の画像は、基準パターンの画像と摂動パターンの画像との間の差を表す。ステージ813の後に、各々の差の画像の1つ以上の統計学的パラメータを計算するステージ814が続く。これらの1つ以上の統計学的パラメータは、1つ以上のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を反映することができる。
【0167】
[00159]例えば、第1及び第2のエラー源が評価される場合、ステージ813は、第1の摂動パターンの画像と基準パターンの画像との間の差を反映する第1の差の画像を発生すること、及び第2の摂動パターンの画像と基準パターンの画像との間の差を反映する第2の差の画像を発生すること、を含む。
【0168】
[00160]この場合、ステージ814は、第1及び第2の差の画像の1つ以上の統計学的パラメータを計算することを含む。第1の差の画像の少なくとも1つの統計学的パラメータは、第1のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を反映する。第2の差の画像の少なくとも1つの統計学的パラメータは、第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を反映する。
【0169】
[00161]第1及び第2の差の画像の各々の少なくとも1つの統計学的パラメータは、臨界寸法に関連付けることができる。
【0170】
[00162]第1のエラー源は、マスクの少なくとも1つの層の厚みの変化であってもよい。この層は、MoSi層であってもよい。
【0171】
[00163]第2のエラー源は、マスクパターンの寸法の変化であってもよい。
【0172】
[00164]本発明の一実施形態によれば、ステージ811は、基準パターンの複数の画像を表す校正データ、複数の摂動パターンからの各摂動パターンの複数の画像を受け取ることを含むが、異なる照明条件において同じパターンの複数の画像が得られる。
【0173】
[00165]異なる照明条件は、空中画像条件を含む。
【0174】
[00166]ステージ820は、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性を表す感受性データを受け取ることを含む。
【0175】
[00167]ステージ810及び820の後に、マスクの領域の画像を表す画像データを受け取るステージ830が続く。マスクの領域は、マスクパターンを含む。
【0176】
[00168]ステージ830の後に、画像データと、第1及び第2のエラー源に対するマスク画像取得プロセスの感受性とに基づいて、マスクパターンにおける少なくとも1つのエラー源を検出するステージ840が続く。
【0177】
[00169]ステージ810は、次のものを含むことができる。
【0178】
[00170](a)マスクの(周期的な)非摂動パターンの領域を模擬して、空中画像I0(x、y)を得ること。
【0179】
[00171](b)各エラー源(各摂動形式)m∈[1...M]に対して、摂動パターン(形式mの非常に小さな摂動が与えられたパターン)の画像を模擬する。これら画像は、次のように表される。
【0180】
【数14】
【0181】
[00172]差の画像を計算する。
【0182】
【数15】
【0183】
[00173]
【外5】
【0184】
【0185】
[00174]ステージ840は、次のものを含むことができる。
【0186】
[00175](a)I(x、y)で表されるマスクパターンの画像を得る。
【0187】
[00176](b)差の画像ΔI(x、y)=I(x、y)−I0(x、y)を計算する。
【0188】
[00177](c)量Eを計算する。
【0189】
【数16】
【0190】
但し、Eは、「感受性ファクタ」fmを伴う最小平均二乗であって、ΔI(x、y)を導く摂動をM個の全摂動形式による個々の寄与へと分解できると仮定する。
【0191】
[00178]
【外6】
【0192】
【0193】
[00179]ステージ(d)は、次のものを含む。
【外7】
【0194】
【0195】
[00180](e)マスクウェハCDを利用することによって製造される対象物のマスクの臨界寸法の変化を推定する。
【0196】
【数17】
【0197】
[00181]図9は、本発明の実施形態による空中照明条件アパーチャー910及び非空中照明条件アパーチャー920を例示する。
【0198】
[00182]空中照明条件アパーチャー910(AIとも称される)は、開口数(NA)が1.204であり、0.826/0.913(シグマ・イン/アウト)の環状形状を有することを特徴とする。非空中照明条件アパーチャー920(OACとも称される)は、NAが1.4であり、0.612/0.874(シグマ・イン/アウト)の環状形状を有することを特徴とする。
【0199】
[00183]これら2つのアパーチャー(910、920)は、3つのエラー源、即ちMoSi層厚みの変化、長方形マスクアパーチャーのy軸長さの変化、及び長方形マスクアパーチャーのx軸長さの変化、の各々に対するマスク画像取得プロセスの感受性を模擬するのに使用された。
【0200】
[00184](アパーチャー910又は920を使用する)各照明条件に対する3つのエラー源の各々の感受性が図10A及び図Bに複数のグラフとして示されている。これらグラフは、各々で得られた画像のサブフレームの平均強度(δI)と、AI(図10A)及びOAC(図10B)の照明条件に対する各パターンの臨界寸法の差(δCD)との関係を示している。
【0201】
[00185]図11A−図11Dは、本発明の一実施形態による複数の照明条件に対する感受性及び推定エラーを例示する。
【0202】
[00186]推定された3つのエラー源は、(i)MoSi厚み変化のみ(青のマーカーで示す)、(ii)アパーチャーy軸変化(赤のマーカーで示す)、及び(iii)MoSi厚み及びC/Hyサイズの両方が同時に変化する「複合」エラー源(緑のマーカーで示す)である。
【0203】
[00187]図11Aは、アパーチャー910(AI)を適用することにより得られるマスクの画像から得られる推定臨界寸法変化を、マスクにより製造されるウェハの真の臨界寸法に対して例示する。
【0204】
[00188]図11Bは、AI条件のもとでの(ウェハの真の臨界寸法変化に対する)臨界寸法推定の相対的エラーを例示する。
【0205】
[00189]図11Cは、アパーチャー920(OAC)を適用することにより得られるマスクの画像から得られる推定臨界寸法変化を、マスクにより製造されるウェハの真の臨界寸法に対して例示する。
【0206】
[00190]図11Dは、OAC条件のもとでの(ウェハの真の臨界寸法変化に対する)臨界寸法推定の相対的エラーを例示する。
【0207】
[00191]当業者であれば、特許請求の範囲により規定される本発明の範囲から逸脱せずに、上述した実施形態に種々の変更や修正を適用できることが容易に明らかであろう。
【符号の説明】
【0208】
510…インターフェイス、513…照明源、520…プロセッサ、530…画像取得装置、532…光学系、533…マスクホルダ、534…検出器、536…アパーチャー、539…マスク、610…アパーチャー、620…アパーチャー、630…アパーチャー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクに関連したエラー源を評価するための方法において、
異なる露光条件で得られたマスクの複数の画像を表すデータを受け取るステップと、
上記複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算して、複数の計算値を与えるステップと、
上記計算値に基づき且つ各エラー源に対する上記関数の感受性に基づきエラー源を検出するステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
上記関数は、強度積分である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのサブフレームに対し、その少なくとも1つのサブフレームのピクセルの強度の複数の関数を計算して、複数の計算値を与えるステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1つの関数は、強度積分である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
1つの関数は、強度の分散(variance)である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
異なるフレーム内の同じ場所に位置するサブフレームに関連した計算値間で比較を行うステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
空中像形成条件を適用することにより1つの画像セットが得られ、上記空中像形成条件とは異なる露光条件で少なくとも1つの他の画像セットが得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
空中像形成条件を適用することにより1つの画像セットが得られ、低い開口数で少なくとも1つの他の画像セットが得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
模擬マスクにおける変化を模擬することにより各エラー源に対する上記関数の感受性を計算し、模擬マスクの照明から得た画像を模擬し、模擬されたサブフレームに対する関数を計算して計算値を与え、それら計算値間で比較を行うステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
模擬マスクにおける変化を模擬することにより各エラー源に対する上記関数の感受性を計算し、複数の照明条件において模擬マスクの照明から得た画像を模擬し、模擬されたサブフレームに対する関数を計算して計算値を与え、それら計算値間で比較を行うステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
上記マスクを利用することにより製造される物品の特徴部の変化を決定するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
上記マスクの減衰位相シフト層の厚みの変化に関連したエラー源の寄与を決定するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
マスクに関連したエラー源を評価するためのシステムにおいて、
異なる露光条件で得られた複数の画像を表すデータを受け取るインターフェイスと、
上記複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算して、複数の計算値を与え、更に、それらの計算値に基づき且つ各エラー源に対する上記関数の感受性に応答してエラー源を検出するように構成されたプロセッサと、
を備えたシステム。
【請求項14】
上記関数は、強度積分である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
上記プロセッサは、少なくとも1つのサブフレームに対し、その少なくとも1つのサブフレームのピクセルの強度の複数の関数を計算して、複数の計算値を与えるように構成された、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
1つの関数は、強度積分である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
1つの関数は、強度の分散である、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
上記プロセッサは、異なるフレーム内の同じ場所に位置するサブフレームに関連した計算値間で比較を行うように構成された、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
空中像形成条件を適用することにより1つの画像が得られ、上記空中像形成条件とは異なる露光条件で少なくとも1つの他の画像が得られる、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
空中像形成条件を適用することにより1つの画像が得られ、低い開口数で少なくとも1つの他の画像が得られる、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
上記プロセッサは、模擬マスクにおける変化を模擬することにより各エラー源に対する上記関数の感受性を計算し、模擬マスクの照明から得た画像を模擬し、模擬された複数のサブフレームに対するサブフレームのピクセルの強度の関数を計算し、それら計算値間で比較を行うように構成された、請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
上記プロセッサは、模擬マスクにおける変化を模擬することにより各エラー源に対する上記関数の感受性を計算し、複数の照明条件において模擬マスクの照明から得た画像を模擬し、模擬された複数のサブフレームに対するサブフレームのピクセルの強度の関数を計算し、それら計算値間で比較を行うように構成された、請求項13に記載のシステム。
【請求項23】
上記プロセッサは、上記マスクを利用することにより製造される物品の特徴部の変化を決定する、請求項13に記載のシステム。
【請求項24】
上記プロセッサは、上記マスクの減衰位相シフト層の厚みの変化に関連したエラー源の寄与を決定する、請求項13に記載のシステム。
【請求項1】
マスクに関連したエラー源を評価するための方法において、
異なる露光条件で得られたマスクの複数の画像を表すデータを受け取るステップと、
上記複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算して、複数の計算値を与えるステップと、
上記計算値に基づき且つ各エラー源に対する上記関数の感受性に基づきエラー源を検出するステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
上記関数は、強度積分である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのサブフレームに対し、その少なくとも1つのサブフレームのピクセルの強度の複数の関数を計算して、複数の計算値を与えるステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1つの関数は、強度積分である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
1つの関数は、強度の分散(variance)である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
異なるフレーム内の同じ場所に位置するサブフレームに関連した計算値間で比較を行うステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
空中像形成条件を適用することにより1つの画像セットが得られ、上記空中像形成条件とは異なる露光条件で少なくとも1つの他の画像セットが得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
空中像形成条件を適用することにより1つの画像セットが得られ、低い開口数で少なくとも1つの他の画像セットが得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
模擬マスクにおける変化を模擬することにより各エラー源に対する上記関数の感受性を計算し、模擬マスクの照明から得た画像を模擬し、模擬されたサブフレームに対する関数を計算して計算値を与え、それら計算値間で比較を行うステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
模擬マスクにおける変化を模擬することにより各エラー源に対する上記関数の感受性を計算し、複数の照明条件において模擬マスクの照明から得た画像を模擬し、模擬されたサブフレームに対する関数を計算して計算値を与え、それら計算値間で比較を行うステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
上記マスクを利用することにより製造される物品の特徴部の変化を決定するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
上記マスクの減衰位相シフト層の厚みの変化に関連したエラー源の寄与を決定するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
マスクに関連したエラー源を評価するためのシステムにおいて、
異なる露光条件で得られた複数の画像を表すデータを受け取るインターフェイスと、
上記複数の画像の複数のサブフレームからの各サブフレームに対し、そのサブフレームのピクセルの強度の関数を計算して、複数の計算値を与え、更に、それらの計算値に基づき且つ各エラー源に対する上記関数の感受性に応答してエラー源を検出するように構成されたプロセッサと、
を備えたシステム。
【請求項14】
上記関数は、強度積分である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
上記プロセッサは、少なくとも1つのサブフレームに対し、その少なくとも1つのサブフレームのピクセルの強度の複数の関数を計算して、複数の計算値を与えるように構成された、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
1つの関数は、強度積分である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
1つの関数は、強度の分散である、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
上記プロセッサは、異なるフレーム内の同じ場所に位置するサブフレームに関連した計算値間で比較を行うように構成された、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
空中像形成条件を適用することにより1つの画像が得られ、上記空中像形成条件とは異なる露光条件で少なくとも1つの他の画像が得られる、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
空中像形成条件を適用することにより1つの画像が得られ、低い開口数で少なくとも1つの他の画像が得られる、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
上記プロセッサは、模擬マスクにおける変化を模擬することにより各エラー源に対する上記関数の感受性を計算し、模擬マスクの照明から得た画像を模擬し、模擬された複数のサブフレームに対するサブフレームのピクセルの強度の関数を計算し、それら計算値間で比較を行うように構成された、請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
上記プロセッサは、模擬マスクにおける変化を模擬することにより各エラー源に対する上記関数の感受性を計算し、複数の照明条件において模擬マスクの照明から得た画像を模擬し、模擬された複数のサブフレームに対するサブフレームのピクセルの強度の関数を計算し、それら計算値間で比較を行うように構成された、請求項13に記載のシステム。
【請求項23】
上記プロセッサは、上記マスクを利用することにより製造される物品の特徴部の変化を決定する、請求項13に記載のシステム。
【請求項24】
上記プロセッサは、上記マスクの減衰位相シフト層の厚みの変化に関連したエラー源の寄与を決定する、請求項13に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【公開番号】特開2010−204662(P2010−204662A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−44464(P2010−44464)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(504144253)アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44464(P2010−44464)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(504144253)アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド (27)
【Fターム(参考)】
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