説明

マトリックス型表示装置及びマトリックス型表示装置の表示方法

【課題】発光素子の劣化に応じた輝度補正が可能であり、輝度補正のためのスペース等の制約が少なく、容易に製造できるものとする。
【解決手段】マトリックス状に配列された複数の有機EL素子20と、入力信号に基づいて各有機EL素子20を駆動するTFT30と、各有機EL素子20の配列によって形成された発光面21aに対向する透光面40aを備え、発光面21aから発せられた光を透過可能な封止ガラス40と、発光面21aから発せられた光の中で封止ガラス40を透過せず、透光面40aによって反射されて各有機EL素子20の配列範囲の外側に向かう漏れ光を検知する光センサとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マトリックス状に配列された複数の発光素子を備え、駆動装置によって各発光素子を発光させるマトリックス型表示装置及びマトリックス型表示装置の表示方法に係るものである。そして、詳しくは、マトリックス型表示装置の焼付き現象を解消できるようにした技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、マトリックス型表示装置であるフラットパネルディスプレイ(FPD)は、液晶表示装置(LCD)が主流を占めている。しかし、液晶表示装置は、自発光デバイスではなく、バックライトや偏光板等の部材を必要とする。そのため、液晶表示装置の厚みが増すだけでなく、輝度が不足する等の問題点を有している。
【0003】
そこで、近年では、発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という)を使用した有機EL表示装置に対する関心が高まっている。この有機EL表示装置は、有機EL素子をマトリックス状に配列して各画素を構成するとともに、有機EL素子を駆動する駆動装置を設けた自発光デバイスである。そして、有機EL表示装置は、液晶表示装置と比較して、バックライト等の他の部材が原理的に不要であり、薄型化が可能で高輝度である等の利点を有している。特に、各画素に対応するスイッチング素子(駆動装置)を設けたアクティブマトリックス型有機EL表示装置は、各画素をホールド点灯させることで消費電流を低く抑えることができるという利点がある。また、大画面化や高精細化を比較的容易に達成できる。そのため、各社で開発が進められており、次世代のフラットパネルディスプレイの主流になると期待されている。
【0004】
ここで、アクティブマトリックス型有機EL表示装置に使用される有機EL素子は、アノード電極とカソード電極との間に有機物の正孔輸送層や有機物の発光層(有機物層)を積層した電流発光素子である。そのため、有機EL素子の有機物層に電子と正孔とを注入すれば発光する。そして、有機EL素子に流れる電流値を駆動装置によってコントロールすることにより、所望の輝度を得ることができる。
【0005】
しかし、有機EL素子は、通電する電流量に応じて劣化し、その劣化によって輝度が低下するという問題がある。そのため、有機EL表示装置で画像表示を行うと、表示画像によっては、マトリックス状に配列された各有機EL素子の劣化状況が異なるようになり、輝度のばらつきが生じる。例えば、テレビジョン受像機の表示部に有機EL表示装置を用いた場合には、画面隅に受信チャンネル情報(文字)を表示していると、その部分だけ劣化が早まる。その結果、明るい画面を表示した場合に視覚的に均一な明るさで発光表示できず、発光むらとなり、文字表示部が暗く焼き付いてしまう。しかも、有機EL素子の通電による劣化(焼付き現象)は、非可逆性であることが知られており、一度劣化した有機EL素子が元に戻ることは無い。
【0006】
そこで、このような焼付き現象による輝度の低下を補正できるようにした技術が知られている。具体的には、表示画面を構成する複数の発光素子と、映像信号に対応して発光素子を駆動する駆動回路と、発光素子と略等価な構造を持ち、所定の駆動電流で駆動されるダミー発光素子と、ダミー発光素子の端子間電圧を検出する電圧検出部の検出結果に基いて発光素子の駆動電流を調整する電流調整部とを備えるようにした技術である。そして、駆動回路は、電流調整部により、発光素子で生じた発光効率の低下に対して発光素子の輝度を増大させるようする(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−351403号公報
【0007】
また、支持基板と対向基板との間に配列形成してなる複数の発光素子と、対向基板の表面側における発光素子間に配置され、発光素子の漏れ光を検出して光電変換する受光素子と、各発光素子の駆動を制御する制御部とを備えるようにした技術も知られている。そして、制御部は、発光素子への入力信号と受光素子からの出力信号に基づいて各発光素子の経時的な相対輝度差が一定となるようにする(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献2】特開2007−79200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記した特許文献1の技術は、表示画面を構成する発光素子の領域外にダミー発光素子を設け、ダミー発光素子の劣化度合いとしてダミー発光素子の発光時の端子間電圧を検出する。そして、ダミー発光素子の端子間電圧に基づいて発光素子の輝度を増大させる。そのため、ダミー発光素子の劣化度合いが元の情報となり、発光素子自体の劣化度合いが反映されないため、輝度の補正が不正確なものとなってしまう。また、発光素子を個別に補正できないため、部分的な劣化から生じる焼付き現象を補正によって解消させることが不可能である。
【0009】
一方、上記した特許文献2の技術は、発光素子の漏れ光を検出し、その漏れ光に基づいて発光素子の経時的な相対輝度差が一定となるようにしている。そのため、正確な輝度補正が可能であり、焼付き現象にも対応できる。しかし、漏れ光を検出する受光素子を対向基板の表面側における発光素子間に配置しているので、受光素子の数、大きさ、配置場所等が制約を受ける。また、受光素子の配線処理が問題となるし、受光素子を含む表示装置の製造工程が複雑化する。
【0010】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、発光素子の劣化に応じた輝度補正が可能であり、輝度補正のためのスペース等の制約が少なく、容易に製造できるものとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
本発明の請求項1に記載の発明は、マトリックス状に配列された複数の発光素子と、入力信号に基づいて各前記発光素子を駆動する駆動装置と、各前記発光素子の配列によって形成された発光面に対向する透光面を備え、前記発光面から発せられた光を透過可能な透光体と、前記発光面から発せられた光の中で前記透光体を透過せず、前記透光面によって反射されて各前記発光素子の配列範囲の外側に向かう光を検知する光検知装置とを有するマトリックス型表示装置である。
【0012】
(作用)
上記の請求項1に記載の発明は、各発光素子の配列によって形成された発光面に対向する透光面を備え、発光面から発せられた光を透過可能な透光体を有している。また、発光面から発せられた光の中で透光体を透過せず、透光面によって反射されて各発光素子の配列範囲の外側に向かう光を検知する光検知装置を有している。そのため、透光面によって反射されて各発光素子の配列範囲の外側に向かう光により、発光素子の劣化状況を把握することができる。しかも、光検知装置の配置スペース等の制約がなく、製造も容易なものとなる。
【0013】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、マトリックス状に配列された複数の発光素子と、入力信号に基づいて各前記発光素子を駆動する駆動装置と、各前記発光素子の配列によって形成された発光面に対向する透光面を備え、前記発光面から発せられた光を透過可能な透光体と、前記発光面から発せられた光の中で前記透光体を透過せず、前記透光面によって反射されて各前記発光素子の配列範囲の外側に向かう光を検知する光検知装置とを有し、少なくとも1つの前記発光素子への入力信号に基づいて、その前記発光素子が発するものとして予め定められている光の理想輝度と、前記光検知装置が検知した光の出力信号に基づく発光輝度とを比較し、理想輝度と発光輝度との輝度差を演算し、演算された輝度差に応じて発光輝度が理想輝度に近づくように各前記発光素子への入力信号を補正するマトリックス型表示装置の表示方法である。
【0014】
(作用)
上記の請求項5に記載の発明は、少なくとも1つの発光素子への入力信号に基づいて、その発光素子が発するものとして予め定められている光の理想輝度と、光検知装置が検知した光の出力信号に基づく発光輝度とを比較し、理想輝度と発光輝度との輝度差を演算する。そして、演算された輝度差に応じて発光輝度が理想輝度に近づくように各発光素子への入力信号を補正する。そのため、劣化した発光素子の輝度を正確に補正できる。また、発光素子の輝度を個別に補正できる。
【発明の効果】
【0015】
上記の発明によれば、透光体の透光面によって反射されて各発光素子の配列範囲の外側に向かう光を検知するので、光検知装置の配置スペース等の制約がなく、製造も容易なものとなる。また、発光素子の光を検知して劣化状況を把握するので、その発光素子の劣化に応じた正確な輝度補正が可能であり、発光素子の輝度を個別に補正できる。そのため、マトリックス型表示装置の焼付き現象を輝度補正によって解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明のマトリックス型表示装置の一例である本実施形態の有機ELディスプレイ10を示す平面図である。
図1に示すように、有機ELディスプレイ10は、ガラス等の透明基板やシリコン基板等の中から適宜選択して用いられる絶縁基板を支持基板11としている。そして、支持基板11の上に、複数の有機EL素子20(本発明における発光素子に相当するもの)によって構成された表示領域10a(各有機EL素子20の配列範囲)が形成されている。具体的には、表示領域10aにおいて、有機EL素子20は、M行×N列のマトリックス状の画素として配列されている。この有機EL素子20には、光の三原色中の赤を発光するR画素20aと、緑を発光するG画素20bと、青を発光するB画素20cとの3種類があり、R画素20a、G画素20b、及びB画素20cが一組となっている。
【0017】
ここで、有機EL素子20は、上部電極と下部電極との間に有機物の発光層を積層したものである。そして、本実施形態の有機ELディスプレイ10では、各有機EL素子20の共通電極となる上部電極をカソード電極21としている。そのため、カソード電極21を構成するカソード膜12は、表示領域10aよりも約1〜2mm大きくなるように製膜されている。なお、カソード膜12としては、有機物の発光層が発する光を透過させるために、透明又は半透明な導電性材料が用いられる。
【0018】
このようなカソード膜12の上には、例えば、窒化シリコンからなる透明な封止材13が塗布されている。そして、この封止材13の上に、封止ガラス40(本発明における透光体に相当するもの)が接着されている。そのため、封止ガラス40が各有機EL素子20の発光面(カソード膜12の表面)に対向して配置され、各有機EL素子20と封止ガラス40との間が封止材13で封止されることとなる。したがって、外界の水分等が有機EL素子20の周辺に浸入することはなく、発光面から前方に向かう光は、封止材13及び封止ガラス40を透過して外界に放出される。
【0019】
また、表示領域10aの外側には、走査信号入力部61、映像信号入力部62、及び電源供給部63がそれぞれ別々に接続されており、各有機EL素子20を発光させるようになっている。具体的には、走査信号入力部61及び映像信号入力部62は、銅箔を接着した耐熱性のフィルムにエッチングで回路を形成し、バンプを介して接続するTAB(Tape Automated Bonding)からなっている。そして、図1に示す位置関係では、走査信号入力部61が表示領域10aの左側に配置され、映像信号入力部62が表示領域10aの下側に配置されている。一方、電源供給部63は、TABテープに半導体チップを接続させたモジュールであるTCP(Tape Carrier Package)からなり、表示領域10aの上側に配置されている。
【0020】
さらにまた、表示領域10aの外側で、かつ走査信号入力部61の反対側(図1では、表示領域10aの右側)には、複数の光センサ50(本発明における光検知装置に相当するもの)が配置されている。この光センサ50は、各有機EL素子20の発光面(カソード膜12の表面)から光センサ50に向かう光(図1では、右側に向かう光)を検知するものであり、例えば、フォトダイオードからなる。なお、光センサ50は、表示領域10aの外側に一体的に形成されたものであっても、TABやTCPのように後から接続するものであってもよい。
【0021】
このように、本実施形態の有機ELディスプレイ10は、各有機EL素子20の発光面(カソード膜12の表面)から右側に向かう光を複数の光センサ50によって検知する。そのため、有機ELディスプレイ10の少なくとも1つの有機EL素子20への入力信号に基づいて、その有機EL素子20が発するものとして予め定められている光の理想輝度と、光センサ50が検知した光の出力信号に基づく発光輝度とを比較して、その有機EL素子20の劣化状況(輝度の低下)を検出できる。
【0022】
また、表示領域10aの外側(図1では、右側)に配置された各光センサ50に対し、走査信号入力部61は、表示領域10aの外側で、かつ光センサ50が配置されていない範囲(図1では、左側)に配置されている。そして、映像信号入力部62は、表示領域10aの外側で、かつ光センサ50及び走査信号入力部61が配置されていない範囲(図1では、下側)に配置されている。さらに、電源供給部63は、表示領域10aの外側で、かつ光センサ50、走査信号入力部61、及び映像信号入力部62が配置されていない範囲(図1では、上側)に配置されている。そのため、各光センサ50、走査信号入力部61、映像信号入力部62、及び電源供給部63は、表示領域10aの外側の異なる位置に配置されることとなり、光センサ50の数、大きさ、配置場所等の制約が少なくなる。しかも、光センサ50の配線処理が容易となり、光センサ50を有する有機ELディスプレイ10の製造工程が簡略化される。
【0023】
図2は、本実施形態の有機ELディスプレイ10の等価回路図である。
図2に示すように、有機ELディスプレイ10は、カソード電極21とアノード電極22との間に有機物の発光層を有する有機EL素子20を備えている。そして、この有機EL素子20は、本発明の駆動手段であるTFT30(TFT30a,TFT30b)及びキャパシタ34によって駆動される。そのため、TFT30に入力信号(走査信号、映像信号)が入力されると、その入力信号に基づいて有機EL素子20が駆動され、所定の輝度で発光するようになる。
【0024】
図2に示す有機ELディスプレイ10においては、有機EL素子20は、カソード電極21がGND(グラウンド)に接続されている。そして、ソース電極31aが有機EL素子20のアノード電極22に接続され、ドレイン電極32aが正電位(Vcc)の電源線63aに接続されたTFT30aと、ソース電極31bがTFT30aのゲート電極33aに、ドレイン電極32bが信号線62aに、ゲート電極33bが走査線61aにそれぞれ接続されたTFT30bと、TFT30aのソース電極31aとTFT30bのソース電極31bとの間に接続されたキャパシタ34とを備えている。なお、電源線63aは、図1に示す電源供給部63からの配線であり、信号線62aは、図1に示す映像信号入力部62からの配線であり、走査線61aは、図1に示す走査信号入力部61からの配線である。
【0025】
このような有機ELディスプレイ10では、TFT30aが駆動トランジスタとなり、TFT30bがスイッチングトランジスタとなっている。そして、走査線61aに信号を印加し、TFT30bのゲート電極33bの電位を制御すると、信号線62aの電圧がTFT30aのゲート電極33aに印加される。この際、ゲート電極33aの電位は、次に走査線61aに信号が印加されるまでの間、キャパシタ34によって安定的に保持される。そのため、この間は、TFT30aのゲート電極33aとソース電極31aとの間の電圧に応じた電流が有機EL素子20に流れる。その結果、有機EL素子20は、この電流値に応じた輝度で発光し続けることとなる。
【0026】
このように、有機ELディスプレイ10は、有機EL素子20に流れる電流値をコントロールして発光させている。また、電源線63aをパルス駆動(2回パルス)することにより、有機EL素子20を駆動している。そして、1回目のパルスでTFT30a(駆動トランジスタ)の特性バラツキである閾値電圧の補正を行い、2回目のパルスで信号の印加と移動度の補正とを同時に行なっている。そのため、有機EL素子20の経時劣化やTFT30aの特性のバラツキが抑制されたものとなっている。
【0027】
しかし、有機EL素子20は、経時劣化することが避けられない。そして、有機EL素子20が劣化すると、輝度が低下してしまう。また、表示画像により、有機EL素子20の劣化状況が異なるようになる。そのため、視覚的に均一な明るさで発光表示されず、発光むらとなり、部分的に暗く焼き付く焼付き現象が発生する。そこで、本実施形態の有機ELディスプレイ10は、有機EL素子20の輝度を光センサ50(図1参照)によって検知し、輝度の低下を検出する。
【0028】
図3は、図1に示す有機ELディスプレイ10のA−A’線の断面図である。
図3に示すように、有機ELディスプレイ10は、平板状の支持基板11の上に、有機EL素子20を駆動するためのTFT30で構成された画素回路を有している。このTFT30は、複数の有機EL素子20ごとにそれぞれ設けられているので、本実施形態の有機ELディスプレイ10は、アクティブマトリックス型表示装置となっている。そして、各TFT30の周囲の支持基板11上には、絶縁保護層14が積層されており、各TFT30を相互に絶縁している。さらに、各TFT30及び絶縁保護層14の上には、表面を凹凸のない平坦面とするための絶縁平坦化層15が積層されている。
【0029】
また、支持基板11の上方には、図示はしないが、各有機EL素子20を駆動するための走査線61a(図2参照)、信号線62a(図2参照)、及び電源線63a(図2参照)が配線されている。そして、これらの配線は、絶縁保護層14や絶縁平坦化層15内にパターニング形成され、相互に絶縁されている。
【0030】
各有機EL素子20は、この絶縁平坦化層15の上に配列され、それぞれが1つの画素を構成する。具体的には、各有機EL素子20は、カソード電極21とアノード電極22との間に、注入された電子と正孔との再結合によって発光する有機物からなる有機物層23を配置したものである。そのため、絶縁平坦化層15上にアノード電極22が部分的に成膜され、対応するTFT30と接続されている。また、アノード電極22上に有機物層23(有機EL素子20の発光層)が積層され、その上の全体(各有機EL素子20に共通)に透明又は半透明なカソード電極21が成膜されている。そして、各有機物層23の間は、分離絶縁層16によって相互に絶縁されている。
【0031】
ここで、アノード電極22は、TFT30のソース電極31a(図2参照)と接続されるようになっている。そのため、絶縁平坦化膜15は、アノード電極22とTFT30とを接続するためのコンタクトホール15aを備えている。コンタクトホール15aは、接続コンタクト35を上下方向に通す穴状のものであり、下に凸の錐形状となっている。そして、絶縁平坦化膜15上にアノード電極22を成膜すれば、コンタクトホール15a内に接続コンタクト35が形成される。したがって、絶縁平坦化膜15の上に配置されたアノード電極22と、絶縁平坦化膜15の下に配置されたTFT30とが電気的に接続されることとなる。
【0032】
有機EL素子20の有機物層23が発する光は、カソード電極21から取り出される。具体的には、アノード電極22に反射率が高い金属等が用いられる一方、カソード電極21は、光透過率が比較的高い導電性材料の透明(半透明)電極となっている。そのため、有機物層23が発する光は、各有機EL素子20の配列によって支持基板11の反対側に形成された略平面状の発光面21a(カソード電極21の表面)から取り出されることとなる。
【0033】
また、各有機EL素子20の上には、例えば、窒化シリコンからなる透明な封止材13が積層され、その上の封止ガラス40によって封止されている。この封止ガラス40は、発光面21aからの光を透過させる平面状の透光面40aを備えており、発光面21aに対向して平行に配置されている。そのため、外界の水分等の浸入を防止しつつ、発光面21aから発せられた光が封止材13及び封止ガラス40を透過可能となる。そして、封止ガラス40の上には、隣接する画素(有機EL素子20)間での光漏れを防止するためのブラックマトリクス17と、特定の波長の光を透過させるためのカラーフィルタ18が配置されている。
【0034】
このようなトップエミッション方式の有機ELディスプレイ10は、表示領域10aにおける有機EL素子20の開口率を確保する上で有効なものである。そして、画素(有機EL素子20)から放出される光の大部分は、発光面21aに略垂直な方向(図3の上方)に向かい、封止材13、封止ガラス40、及びカラーフィルタ18を透過して外部に放出される。そのため、表示領域10aに画像表示するために有効な有効光となる。また、有効光の明るさがその画素(有機EL素子20)の輝度となる。
【0035】
しかし、画素(有機EL素子20)から放出される光は、発光面21aに略垂直な方向(図3の上方)だけでなく、発光面21aから四方八方に向かう。また、発光面21a(カソード電極21)、封止材13、及び透光面40a(封止ガラス40)は、それぞれ屈折率が相違している。そのため、発光面21aから発せられた光の中には、隣接する画素の上方に向かう光がある。そして、隣接する画素の上方に向かう光の中で、封止ガラス40は透過するが、カラーフィルタ18を透過しない光は、ブラックマトリクス17に到達する。そのため、隣接する画素間での光漏れは、ブラックマトリクス17によって防止される。
【0036】
また、例えば、図3に示す矢印のように、発光面21aから斜め右上に向かう光が封止材13を通って封止ガラス40に到達した際に、入射角が臨界角以上となっていれば、封止ガラス40を透過せず、透光面40aによって全反射される。この光は、透光面40aから斜め右下に向かうが、屈折率や入射角の関係で、今度は発光面21aで全反射され、再び斜め右上に向かうようになる。そして、これが何度かくり返されると、有機EL素子20の配列範囲の外側に向かう光となる。そのため、有機ELディスプレイ10の側面10b(封止材13の端面)から外部に放出されるようになり、これが漏れ光となる。
【0037】
ここで、本実施形態の有機ELディスプレイ10は、このような漏れ光(透光面40aによって反射されて各有機EL素子20の配列範囲の外側に向かう光)を検知する光センサ50(図1参照)を有している。具体的には、光センサ50は、発光面21aと透光面40aとの間の側面10bに隣接して配置されている。そのため、漏れ光は、光センサ50によって検知され、光センサ50は、漏れ光の受光量に応じて電気信号を出力する。その結果、漏れ光の輝度が光センサ50の出力信号として外部に送られることとなり、有機EL素子20の発光輝度(光センサ50が検知した光の出力信号に基づく輝度)が検出できる。
【0038】
図4は、本実施形態の有機ELディスプレイ10のブロック図である。
図4に示すように、有機ELディスプレイ10は、画像の表示領域10a、走査信号入力部61、及び映像信号入力部62を有している。そして、表示領域10aには、画素を構成する複数の有機EL素子20がマトリックス状に配列されている。また、走査信号入力部61及び映像信号入力部62により、各有機EL素子20が駆動されるようになっている。
【0039】
さらに、有機ELディスプレイ10は、複数の光センサ50、受光信号処理回路64、タイミング生成回路65、記憶装置66、及び補正回路67を有している。そして、各光センサ50は、受光信号処理回路64に接続されている。受光信号処理回路64は、有機EL素子20が発するものとして予め定められている光の理想輝度と、光センサ50が検知した漏れ光の出力信号に基づく発光輝度とを比較し、理想輝度と発光輝度との輝度差を演算する。そのため、受光信号処理回路64は、本発明における演算装置に相当するものとなっている。
【0040】
ここで、理想輝度と発光輝度との輝度差を演算できるようにするため、少なくとも1つの有機EL素子20を駆動する(発光させる)ための信号を外部から入力する。具体的には、入力信号がタイミング生成回路65に入力されると、その入力信号は、タイミング生成回路65によって表示タイミング信号に変換される。そして、この表示タイミング信号が走査信号入力部61及び映像信号入力部62に送信されるので、有機EL素子20は、表示タイミング信号に合わせて発光するようになる。
【0041】
また、この表示タイミング信号は、同時に、受光信号処理回路64にも送信される。受光信号処理回路64は、送信された表示タイミング信号に基づいて、有機EL素子20がその表示タイミング信号によって発するものとして予め定められている本来的な光の明るさ(劣化のない有機EL素子20にその表示タイミング信号を入力したときに発っせられる光の明るさ)を理想輝度とする。
【0042】
一方、表示タイミング信号によって発光した有機EL素子20からは、表示領域10aに画像表示するために有効な有効光だけでなく、表示領域10aの外側に向かう漏れ光が発生する。そして、その漏れ光は、光センサ50によって検知され、光センサ50は、検知した漏れ光に応じた出力信号を受光信号処理回路64に送信する。そのため、受光信号処理回路64は、光センサ50が検知した光の出力信号に基づいて、実際に発光した有機EL素子20の発光輝度を取得する。したがって、受光信号処理回路64において理想輝度と発光輝度とを比較することが可能となり、受光信号処理回路64に含まれる演算回路により、理想輝度と発光輝度との輝度差が演算できる。
【0043】
このようにして受光信号処理回路64で演算された理想輝度と発光輝度との輝度差は、受光信号処理回路64と接続された記憶装置66に出力され、記憶装置66は、その輝度差を記憶する。また、記憶装置66に記憶された輝度差は、記憶装置66と接続された補正回路67に出力される。さらにまた、補正回路67には、有機ELディスプレイ10に表示する外部からの映像データが入力される。
【0044】
補正回路67は、記憶装置66に記憶され、記憶装置66から補正回路67に入力された輝度差に応じて発光輝度が理想輝度に近づくように、映像信号入力部62に送信する映像信号(有機EL素子20に入力される入力信号の1つ)を補正する。具体的には、有機EL素子20の劣化状況(理想輝度と発光輝度との輝度差)に応じ、補正回路67に内蔵されている劣化補正係数テーブルを参照する。そして、映像データに基づいて発光する有機EL素子20の発光輝度が理想輝度に近づくように、参照した劣化補正係数テーブルの補正係数を映像データに乗じて映像信号入力部62に送信する。そのため、補正回路67は、本発明における補正装置に相当し、有機EL素子20の入力信号(映像信号)は、補正回路67によって補正されたものとなる。
【0045】
ここで、補正回路67による映像データの補正の元となる理想輝度と発光輝度との輝度差は、検査信号の入力によって演算するようにしてもよい。例えば、有機ELディスプレイ10の電源遮断時(深夜時間帯等)に、特定の有機EL素子20を特定の輝度で順次発光させる検査信号をタイミング生成回路65に入力する。そして、タイミング生成回路65によって検査信号を表示タイミング信号に変換し、走査信号入力部61及び映像信号入力部62に送信する。そのため、有機EL素子20は、検査信号に基づく表示タイミングで発光するようになる。なお、この場合には、タイミング生成回路65が本発明における検査信号送信装置に相当する。
【0046】
また、この表示タイミング信号は、受光信号処理回路64にも送信される。そして、受光信号処理回路64は、検査信号に基づく表示タイミングで発光する特定の有機EL素子20に対応する特定の光センサ50が検知した光の出力信号だけを処理する。そのため、処理した光の出力信号に基づく発光輝度を取得できる。なお、この場合には、受光信号処理回路64が本発明における出力信号処理装置に相当する。
【0047】
このようにして受光信号処理回路64で取得された発光輝度は、そのまま記憶装置66に記憶させることもできる。また、記憶装置66は、検査信号に基づいて有機EL素子20が発するものとして予め定められている光の理想輝度を記憶しておくこともできる。さらにまた、受光信号処理回路64によって理想輝度と発光輝度との輝度差を演算した場合には、その輝度差を記憶装置66に記憶させることもできる。
【0048】
記憶装置66に発光輝度と理想輝度とが記憶されている場合には、補正回路67は、その輝度差を演算する。また、記憶装置66に輝度差が記憶されている場合には、補正回路67は、その輝度差を利用する。そして、輝度差に応じて発光輝度が理想輝度に近づくように有機EL素子20の入力信号(映像信号)を補正する。したがって、例えば、有機ELディスプレイ10の電源遮断時(深夜時間帯等)に検査信号を入力しておけば、視聴時間帯を使うことなく、有機ELディスプレイ10の焼付き現象を解消できる。
【0049】
図5は、本実施形態の有機ELディスプレイ10における電源遮断時の発光輝度取込みシーケンスを示す図である。
また、図6は、本実施形態の有機ELディスプレイ10における輝度処理アルゴリズムを示す図である。
図5に示す発光輝度取込みシーケンスでは、有機ELディスプレイ10の表示領域10aを9等分し、9等分されたブロックの代表として、マトリックス状に配列された有機EL素子20の中央部の画素No.1〜画素No.9を所定の輝度で順次発光させる。そして、有機ELディスプレイ10の側面に配置された光センサ50の中で、画素No.1〜画素No.9に対応するセンサNo.1〜センサNo.3によってそれぞれの漏れ光を順次検知する。
【0050】
図5に示す発光輝度取込みシーケンスに基づいて輝度処理を行なうには、まず最初に、図6に示すステップS1において、有機ELディスプレイ10に電源遮断信号を入力する。電源遮断信号が入力されると、この段階で電源を遮断することなくステップS2に移行し、図5に示す画素No.1のみを1フレーム期間だけ発光させる。そして、センサNo.1によって画素No.1の漏れ光を受光する。また、センサNo.1の出力信号がA/D変換され、画素No.1の位置(センサNo.1との間の距離)に基づいて画素No.1の発光輝度が演算される。同様にして画素No.2及び画素No.3を順次発光させ、センサNo.1の出力信号に基づいて画素No.2及び画素No.3の発光輝度を演算する。
【0051】
続くステップS3においては、ステップS2と同様にして画素No.4〜画素No.6を順次発光させ、センサNo.2によって画素No.4〜画素No.6の漏れ光を受光する。そして、センサNo.2の出力信号に基づいて画素No.4〜画素No.6の発光輝度を演算する。さらに、ステップS4においても、同様にして画素No.7〜画素No.9を順次発光させ、センサNo.3によって画素No.7〜画素No.9の漏れ光を受光する。そして、センサNo.3の出力信号に基づいて画素No.7〜画素No.9の発光輝度を演算する。
【0052】
次に、ステップS5において、画素No.1〜画素No.9を発光させるために入力された入力信号に基づいて、画素No.1〜画素No.9が発するものとして予め定められている光の理想輝度と、ステップS2〜ステップS4のセンサNo.1〜センサNo.3で受光され、演算された画素No.1〜画素No.9の発光輝度とを比較する。そして、この理想輝度と発光輝度との輝度差を演算する。また、演算された画素No.1〜画素No.9の輝度差は、ステップS6において、記憶装置66(図4参照)に記憶される。さらにまた、その後のステップS7において、有機ELディスプレイ10の電源が遮断される。
【0053】
したがって、次回の電源投入時には、記憶装置66(図4参照)に記憶された理想輝度と発光輝度との輝度差に応じて発光輝度が理想輝度に近づくように入力信号を補正できるようになる。具体的には、次回の電源が投入されると、記憶装置66に記憶された輝度差が読み込まれ、補正回路67(図4参照)は、劣化補正係数テーブルから輝度差に応じた補正係数を参照する。そして、映像データに補正係数を乗じた入力信号を有機EL素子20(図4参照)に入力する。そのため、劣化した画素(有機EL素子20)の発光輝度が理想輝度に近づくように調整され、焼付き現象が解消される。なお、記憶装置66に発光輝度及び理想輝度を記憶させ、補正回路67で輝度差を演算してもよい。また、記憶装置66に輝度差に応じた補正係数を記憶させ、補正回路67は、記憶装置66に記憶された補正係数を読み込むようにしてもよい。
【0054】
このように、本実施形態の有機ELディスプレイ10は、入力信号を補正して劣化した画素(有機EL素子20)の発光輝度を調整する。そして、入力信号の補正を図5に示す9等分のブロックごとに別々に行うことにより、補正の精度を向上させることができる。また、画素No.1〜画素No.9の中で輝度差が最も小さい画素を基準にして全体を補正したり、画素No.1〜画素No.9の輝度差の平均値を基準にして全体を補正することにより、輝度処理アルゴリズムを簡略化することもできる。なお、図5に示す発光輝度取込みシーケンスは、有機ELディスプレイ10の表示領域10aを9等分しているが、9等分に限らず、何等分であってもよい。
【0055】
また、有機EL素子20への入力信号の補正は、動画であっても静止画であっても適用できる。しかし、映像データが動画の場合と静止画の場合とでは、同じ画像を長時間表示する静止画のほうが画素(有機EL素子20)の劣化が著しい。そこで、入力信号の補正を行う際に、動画か静止画かを認識できるようにし、静止画の場合にだけ補正を行うようにしてもよい。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、複数の有機EL素子20ごとにそれぞれTFT30を設けたアクティブマトリックス型の有機ELディスプレイ10とした。しかし、パッシブマトリックス型のものにも適用可能である。
(2)本実施形態では、有機EL素子20が発した光を支持基板11と反対側から取り出すようにしたトップエミッション方式の有機ELディスプレイ10とした。しかし、有機EL素子20が発した光を支持基板11と同じ側から取り出すようにしたボトムエミッション方式にも適用できる。
(3)本実施形態では、発光素子に有機EL素子20(有機エレクトロルミネッセンス素子)を用いている。しかし、無機エレクトロルミネッセンス素子や発光ダイオード等であってもよい。また、有機ELディスプレイ10に限らず、プラズマディスプレイ等の自発光素子を備えたマトリックス型表示装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のマトリックス型表示装置の一例である本実施形態の有機ELディスプレイを示す平面図である。
【図2】本実施形態の有機ELディスプレイの等価回路図である。
【図3】図1に示す有機ELディスプレイのA−A’線の断面図である。
【図4】本実施形態の有機ELディスプレイのブロック図である。
【図5】本実施形態の有機ELディスプレイにおける電源遮断時の発光輝度取込みシーケンスを示す図である。
【図6】本実施形態の有機ELディスプレイにおける輝度処理アルゴリズムを示す図である。
【符号の説明】
【0058】
10 有機ELディスプレイ(マトリックス型表示装置)
20 有機EL素子(発光素子)
21a 発光面
30,30a,30b TFT(駆動装置)
40 封止ガラス(透光体)
40a 透光面
50 光センサ(光検知装置)
61 走査信号入力部
62 映像信号入力部
63 電源供給部
64 受光信号処理回路(演算装置、出力信号処理装置)
65 タイミング生成回路(検査信号送信装置)
66 記憶装置
67 補正回路(補正装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックス状に配列された複数の発光素子と、
入力信号に基づいて各前記発光素子を駆動する駆動装置と、
各前記発光素子の配列によって形成された発光面に対向する透光面を備え、前記発光面から発せられた光を透過可能な透光体と、
前記発光面から発せられた光の中で前記透光体を透過せず、前記透光面によって反射されて各前記発光素子の配列範囲の外側に向かう光を検知する光検知装置と
を有するマトリックス型表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のマトリックス型表示装置において、
各前記発光素子の配列範囲の外側で、かつ前記光検知装置が配置されていない範囲に配置され、前記駆動装置に走査信号を入力する走査信号入力部と、
各前記発光素子の配列範囲の外側で、かつ前記光検知装置及び前記走査信号入力部が配置されていない範囲に配置され、前記駆動装置に映像信号を入力する映像信号入力部と、
各前記発光素子の配列範囲の外側で、かつ前記光検知装置、前記走査信号供給部、及び前記映像信号入力部が配置されていない範囲に配置され、前記駆動装置に電源を供給する電源供給部と
を有するマトリックス型表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載のマトリックス型表示装置において、
少なくとも1つの前記発光素子への入力信号に基づいて、その前記発光素子が発するものとして予め定められている光の理想輝度と、前記光検知装置が検知した光の出力信号に基づく発光輝度とを比較し、理想輝度と発光輝度との輝度差を演算する演算装置と、
前記演算装置によって演算された輝度差を記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された輝度差に応じて発光輝度が理想輝度に近づくように各前記発光素子への入力信号を補正する補正装置と
を有するマトリックス型表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載のマトリックス型表示装置において、
特定の前記発光素子を特定の輝度で順次発光させる検査信号を送信する検査信号送信装置と、
特定の前記発光素子に対応する特定の前記光検知装置が検知した光の出力信号だけを処理する出力信号処理装置と
を有するマトリックス型表示装置。
【請求項5】
マトリックス状に配列された複数の発光素子と、
入力信号に基づいて各前記発光素子を駆動する駆動装置と、
各前記発光素子の配列によって形成された発光面に対向する透光面を備え、前記発光面から発せられた光を透過可能な透光体と、
前記発光面から発せられた光の中で前記透光体を透過せず、前記透光面によって反射されて各前記発光素子の配列範囲の外側に向かう光を検知する光検知装置と
を有し、
少なくとも1つの前記発光素子への入力信号に基づいて、その前記発光素子が発するものとして予め定められている光の理想輝度と、前記光検知装置が検知した光の出力信号に基づく発光輝度とを比較し、理想輝度と発光輝度との輝度差を演算し、演算された輝度差に応じて発光輝度が理想輝度に近づくように各前記発光素子への入力信号を補正する
マトリックス型表示装置の表示方法。
【請求項6】
請求項5に記載のマトリックス型表示装置の表示方法において、
特定の前記発光素子を特定の輝度で順次発光させる検査信号を送信する検査信号送信装置と、
特定の前記発光素子に対応する特定の前記光検知装置が検知した光の出力信号だけを処理する出力信号処理装置と、
特定の前記発光素子に入力される検査信号に基づいて、その前記発光素子が発するものとして予め定められている光の理想輝度と、前記出力信号処理装置が処理した光の出力信号に基づく発光輝度との輝度差を記憶する記憶装置と
を有し、
前記記憶装置に記憶された輝度差に応じて発光輝度が理想輝度に近づくように各前記発光素子への入力信号を補正する
マトリックス型表示装置の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−78853(P2010−78853A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246538(P2008−246538)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】