説明

マルチパルス・レーザー加工のためのシステム及び方法

衝突区間に関してパルス・タイミングを調整することによって、光変調器を用いて密な間隔のレーザー・パルスの群からレーザー・パルスが選択される。調整済みパルスが衝突区間から非衝突区間へ移動され、阻止される。阻止されたレーザー源はほぼ連続的に作動することによって安定化される。複数のレーザー源によるパルス選択が単一の音響光学変調器で達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2007年1月5日に出願された米国仮特許出願第60/883,583号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般に、例えば、各々が本発明の譲受人に譲渡され、各々がその全体を参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,559,412号、第5,812,569号、第5,998,759号、第6,339,604号、第6,727,458号、及び第6,541,731号、ならびに米国特許出願公開第2002/0167581号に開示されているレーザー加工システムに関する。例えば、集積回路のメモリ修復のためのレーザーに基づく微細加工は、ジョン・レディによるLIA Handbook of Laser Materials Processing(レーザー材料加工のLIAハンドブック)、Laser Institute of America、Mongolia Publishing Co.,Inc.(2001年)、第19章に開示されている。
【背景技術】
【0003】
上述のレーザー加工システムは、一般に、例えばメモリ・デバイスを修復するために集積回路のリンクを溶断することを含む様々な微細加工作業に使用される。そのようなレーザー加工システムでは、レーザー源は、加工作業を行うために加工物に位置決めされて集束されるパルスを生成する。メモリ修復のための1次元(1D)アレイ又は2次元(2D)アレイのリンクなどの規則的に離間したターゲットを高速精密加工するために、レーザーはリンク・ピッチにほぼ対応するパルス率でパルス化され、光スイッチを使用してパルスを選択し、選択されたリンクだけを溶断する。レーザー源はほぼ一定の率で作動されるので、パルス・エネルギーは一貫しており、これは加工機能にとって望ましいことである。パルスは、レーザー・パルスに対するターゲットの移動期間に生成されることができる。上述のものなどの従来のレーザー加工システムは、一般に、リンク又は同様の微視的構造体を加工するために様々なレーザー源によるパルス生成、パルス選択及びビーム供給を必要とする。
【0004】
パルスを選択するためにレーザー源と(例えば、レーザー・キャビティの外にある)集束レンズとの間の光経路中で使用される1つのタイプの光スイッチは、音響光学変調器(AOM)である。このタイプのスイッチを使用して、選択したパルスに対してパルスを減衰させて出力パルス・エネルギーを設定することができる。パルス・エネルギーは、加工パラメータに応じて、又はビーム・アライメントのための低いエネルギー・レベルに応じて設定することができる。
【0005】
AOMの光学的立ち上り時間は、一般に、電気光学変調器(EOM、ポッケル・セル)よりも遅いが、使いやすさがAOMを引き続き魅力的な選択肢にしている。数ボルトの半波長電圧及びナノ秒以下の速さの立ち上りを持つ集積化電気光学スイッチの開発が進行しているが、AOMは大部分の微細加工用途にとって十分に確立した代替品である。
【0006】
メモリ修復を含む幾つかの微細加工用途では、複数のパルスを密な間隔のパルスの群として加工物に供給することができる。好適な単一のレーザー、例えばモードロック・レーザー又は半導体ダイオードは、パルスの迅速なバーストを生成することができる。代替として、複数の密な間隔のパルスは、2つ以上のレーザー源の出力が結合されるシステムで生成されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
加工及びアライメントのために、複数のパルスの群においてパルス選択を行うことが望ましい。しかし、間欠的なパルス生成は、一般に、不安定なパルス・エネルギーをもたらすことがある。各生成源を連続的にパルス動作させ、各レーザー源のための変調器によって変調することができる。しかし、これは好ましい解決策ではない。単一の変調器によるパルス選択が望ましいが、群内の約100ns未満の接近した間隔は、一般に、大部分の音響光学変調器の限界を超えている。したがって、単一の変調器を使用して安定したレーザー動作を行う、密な間隔のパルスの群でのパルス選択が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一般に、パルスが微細構造体上の所望のターゲットに衝突するか、又は微細構造体に衝突しないようにするために、微細構造体に関して位置合せされる衝突区間に対するレーザー・パルス・タイミングの調整を可能にする。
【0009】
一つの実施の形態によれば、本発明は、加工物をレーザー加工するための安定化されたシステムを提供する。このシステムは、レーザー・パルスを生成するために1つ又は複数のレーザー源を備え、パルスのうちの少なくとも幾つかのパルスは時間的に密に離間されている。このシステムは、1つ又は複数の制御信号に応答して衝突区間と非衝突区間とを設ける光スイッチを更に備え、衝突区間の期間に存在するレーザー・パルスは加工物の場所に伝搬するのを許容される。また、このシステムは、パルスが所望である場合にはパルスを加工物に伝搬させるようにし、パルスが所望でない場合にはパルスを非衝突区間へ時間シフトさせるようにレーザー及び光スイッチに結合されるコントローラを備えており、(光スイッチの有限応答時間の結果として)時間シフトは、安定動作を維持するために十分に小さく、大きなエネルギーが加工物に衝突するのを阻止するに足るほど大きい。
【0010】
更なる実施の形態によれば、本発明は加工物をレーザー加工する方法を提供する。この方法はレーザー・パルスを生成するために1つ又は複数のレーザー源を設けるステップを含み、パルスのうちの少なくとも幾つかのパルスは時間的に密に離間されている。この方法は、1つ又は複数の制御信号に応答して衝突区間と非衝突区間とを設けるステップを更に含み、衝突区間の期間に存在するレーザー・パルスは加工物の場所に伝搬することができる。また、このシステムは、パルスが所望である場合にはパルスが加工物に伝搬できるようにし、パルスが所望でない場合にはパルスを非衝突区間へ時間シフトさせるようにレーザー及び光スイッチに結合されるコントローラを設けるステップを含み、(光スイッチの有限応答時間の結果として)時間シフトは、安定動作を維持するために十分に小さく、大きなエネルギーが加工物に衝突するのを阻止するのに足るほど大きい。
【0011】
以下の説明は、添付図を参照しながら更に理解することができるであろう。図は例示の目的だけのために示されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】パルス・タイミング制御及びタイミングAOM制御を示す例示的な概略図である。
【図2】図2Aは、本発明の実施の形態に係るシステムにおけるAOM命令の例示的なグラフ図である。図2Bは、本発明の実施の形態に係るシステムにおけるAOM応答の例示的なグラフ図である。図2Cは、本発明の実施の形態に係るシステムにおけるレーザー・トリガーの例示的なグラフ図である。図2Dは、本発明の実施の形態に係るシステムにおける一対のパルスの例示的なグラフ図である。
【図3】図3Aは、本発明の更なる実施の形態に係るシステムにおける、選択的なAOM命令に対する光学応答の例示的なグラフ図である。図3Bは、本発明の更なる実施の形態に係るシステムにおける、対応するレーザー・パルス群の例示的なグラフ図である。図3Cは、本発明の更なる実施の形態に係るシステムにおける、選択されたパルスの例示的なグラフ図である。
【図4】図4Aは、本発明の更なる実施の形態に係るシステムにおける、AOM命令シーケンスに対する光学応答の例示的なグラフ図である。図4Bは、本発明の更なる実施の形態に係るシステムにおける、対応するレーザー・パルス群の例示的なグラフ図である。図4Cは、本発明の更なる実施の形態に係るシステムにおける、選択されたパルスの例示的なグラフ図である。
【図5】図5Aは、本発明の更なる実施の形態に係るシステムにおける、AOM命令シーケンスに対する光学応答の例示的なグラフ図である。図5Bは、本発明の更なる実施の形態に係るシステムにおける、対応するレーザー・パルス群の例示的なグラフ図である。図5Cは、本発明の更なる実施の形態に係るシステムにおける、選択されたパルスの例示的なグラフ図である。
【図6】二重パルス生成、パルス・タイミング及びパルス群選択を示す例示的な概略図である。
【図7】本発明の別の実施の形態に係る、二重パルス生成、遅延したパルス・タイミング及び単一パルス選択を示す例示的な概略図である。
【図8】本発明の更なる実施の形態に係る、二重パルス生成、パルス・タイミング及びパルス選択を示す例示的な概略図である。
【図9】本発明の更なる実施の形態に係る、二重パルス生成、遅延したパルス・タイミング及び単一パルス選択を示す例示的な概略図である。
【図10】図10Aは、本発明の別の実施の形態に係るシステムにおける、AOM命令に対する光学応答の例示的なグラフ図である。図10Bは、本発明の別の実施の形態に係るシステムにおける、対応するレーザー・パルスに対する光学応答の例示的なグラフ図である。図10Cは、本発明の別の実施の形態に係るシステムにおける、選択されたパルスに対する光学応答の例示的なグラフ図である。図10Dは、本発明の別の実施の形態に係るシステムにおける、対応するレーザー・パルス群の例示的なグラフ図である。図10Eは、本発明の別の実施の形態に係るシステムにおける、選択されたパルスの例示的なグラフ図である。
【図11】図11Aは、本発明の更なる実施の形態に係るシステムにおける、更なるAOM命令シーケンスに対する光学応答の例示的なグラフ図である。図11Bは、本発明の更なる実施の形態に係るシステムにおける、対応するレーザー・パルス群の例示的なグラフ図である。図11Cは、本発明の更なる実施の形態に係るシステムにおける、選択されたパルスの例示的なグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の目的は、複数材料のデバイスをレーザー加工するための改善された方法及びシステムを提供することである。本発明の更なる目的は、安定化されたレーザー源と、レーザー・パルス群から選択されるレーザー・パルスとを提供することである。複数のレーザー・パルス群は、タイミング調整のある又はタイミング調整のない繰返し率で提供されることができ、例えば、このシステムは、パルス選択を行うために動作中のレーザー出力タイミングの調整を許容する。
【0014】
本発明の上述の目的及び他の目的を達成する際、システム及び方法の実施の形態は、基板及び少なくとも1つの微細構造体を含む複数材料デバイスのレーザー加工のために提供される。加工は、レーザー加工システムの位置決めサブシステムで制御される単一経路動作において複数のパルスにより行われる。位置決めサブシステムは、デバイスとレーザー・ビームのウエストとの間の相対運動を生じる。相対運動期間に、ターゲット位置に関連する衝突区間は、1つ又は複数のレーザー・パルスが加工物に衝突することを可能にする。この方法は、第1の所定の特性を有する第1のパルスを生成するステップと、衝突区間の期間に第1のパルスでターゲットを照射するステップとを含み、第1のパルスに関連する第1のビームのウエストとターゲットとが実質的に一致する。この方法は、第2の所定の特性を有する第2のパルスを生成するステップを更に含む。第2のパルスは第1のパルスに関して所定の時間遅延される。所定の時間は安定動作を維持するために十分に小さいが、遅延したパルスを衝突区間から隣接する非衝突区間へ移動させ且つ第2のパルスがターゲットを照射するのを阻止するに足るほど大きい。加工は少なくとも1つの微細構造体をきれいに除去する。ターゲットはアライメント・ターゲット又は微細構造体とすることができる。微細構造体は導電性リンクであり得る。
【0015】
第1及び第2のパルスは、所定の時間に基づいて第1のパルスに関して第2のパルスが所定の時間だけ遅延されるように、独立してトリガーされることができる。様々な実施の形態において、所定の時間は基板の熱的性質によって決定されることができ、加工期間において、基板温度は、第2のパルスで少なくとも1つの微細構造体を照射するステップの期間に、基板の温度と比較して所定の時間の後に実質的に低減される。所定の時間は約1〜500ナノ秒の範囲とすることができ、他の実施の形態では、所定の時間は約1〜200ナノ秒の範囲とすることができ、更なる実施の形態では、所定の時間は約30〜60ナノ秒の範囲とすることができる。生成するステップは、複数のレーザーを有する光学サブシステムを設けるステップを含むことができ、光学サブシステムへのトリガー・パルス間の相対遅延は所定の時間に対応する。
【0016】
より長い遅延、例えば200ナノ秒より長い遅延に対しては、ビーム走査技法を使用してレーザー・スポットとターゲット位置との間の相対運動を低減又は除去することができる。相対運動は位置決め速度及びタイミング遅延によって決定され、例えば、200ミリメートル/秒の位置決め速度での200ナノ秒は、40ナノメートルの相対運動に対応する。
【0017】
更に、本発明の上述の目的及び他の目的を達成する際、複数材料デバイスのレーザー加工のためのシステムは、基板と少なくとも1つの微細構造体とを備えることができる。加工は、デバイスとレーザー・ビームのウエストとの間の相対運動を生じる位置決めサブシステムによって制御される単一経路動作において、複数のパルスにより行われる。相対運動期間に、ターゲット位置に関連する衝突区間は、1つ又は複数のレーザー・パルスが加工物に衝突することを可能にする。このシステムは、第1の所定の特性を有する第1のパルスを生成するための手段と、衝突区間の期間に第1のパルスでターゲットを照射するための手段とを含み、第1のパルスに関連する第1のビームのウエストと少なくとも1つのターゲットとが実質的に一致する。このシステムは、第2の所定の特性を有する第2のパルスを生成するための手段を更に含む。第2のパルスは第1のパルスに関して所定の時間だけ遅延される。所定の時間は安定動作を維持するために十分に小さいが、衝突区間から隣接する非衝突区間へ遅延パルスを移動させ且つ第2のパルスがターゲットを照射するのを阻止するに足るほど大きい。このシステムは、第2のパルスにより少なくとも1つの微細構造体を照射するのを阻止するための手段を更に含み、第2のパルスは衝突区間から隣接する非衝突区間へ移動され、それによって、第2のパルスが少なくとも1つの微細構造体を照射するのを阻止する。加工は少なくとも1つの微細構造体をきれいに除去する。ターゲットはアライメント・ターゲットとすることができ、微細構造体は導電性リンクであり得る。
【0018】
第1及び第2のパルスは、所定の時間に基づいて第1のパルスに関して第2のパルスが所定の時間遅延されるように、独立にトリガーされることができる。所定の時間は、加工期間の基板の熱的性質によって決定されることができ、基板温度は、第2のパルスで少なくとも1つの微細構造体を照射する期間での基板の温度と比較して所定の時間の後に実質的に低減される。所定の時間は約1〜500ナノ秒の範囲とすることができる。更なる実施の形態では、所定の時間は約30〜60ナノ秒の範囲とすることができる。
【0019】
第1及び第2のパルスを生成するための手段は、複数のレーザーを有する光学サブシステムを含むことができ、光学サブシステムへのトリガー・パルス間の相対遅延は所定の時間に対応する。
【0020】
更に、本発明の上述の目的及び他の目的を達成する際、レーザー・パルス群からレーザー・パルスを光変調器で選択する方法が提供される。この方法は第1のレーザー・トリガー信号に対応する第1のシーケンスのレーザー・パルスを生成するステップを含む。この方法は第2のレーザー・トリガー信号に対応する第2のシーケンスのレーザー・パルスを生成するステップを更に含み、第1及び第2のシーケンスからの対応するパルスは、時間的に密に離間されるパルス群を形成する。この方法は、第1及び第2のシーケンスのレーザー・パルスを光変調器を介して伝搬させるステップを含み、光変調器は、1つ又は複数のパルスがパルス衝突区間の期間にのみ加工物に衝突するのを選択的に可能にするように制御される。この方法は、AOMシーケンスでパルス衝突区間を開始することによって加工物に衝突するようにパルス群内のパルスを選択するステップと、調整済みパルスをパルス衝突区間から隣接するパルス阻止区間へ移動させるように、少なくとも1つのトリガー信号のタイミングを調整して、パルス群内の少なくとも1つの調整済みパルスを生成するステップとを更に含む。
【0021】
調整済みパルスは遅延パルスであってよく、遅延は2マイクロ秒よりも長くてよい。更なる実施の形態では、遅延は約2〜3マイクロ秒とすることができる。少なくとも1つのトリガー信号を調整するステップは、それぞれの第1又は第2のシーケンスのレーザー・パルスから生成されたパルスを選択するために第1又は第2のトリガー信号を調整するステップを含むことができる。パルス群は2つ以上の密に離間されたパルスを含むことができ、パルス間隔は1〜500nsとすることができる。
【0022】
第1のパルス・シーケンスは第1のレーザー源で生成されることができ、第2のパルス・シーケンスは第2のレーザー源で生成されることができる。変調器は、音響光学変調器、音響光学偏向器又は電気光学変調器とすることができる。伝搬させるステップは、第1のビームと第2のビームとを結合するステップを含むことができる。結合するステップは、ビーム結合光学部品で結合するステップとすることができる。ビーム結合光学部品は偏光に感度を持つ光学部品とすることができる。結合されたビームは平行であっても発散性であってもよい。この方法は、それぞれの選択されたパルスのエネルギーを変調器で制御するステップを含むことができる。
【0023】
更に、本発明の上述の目的及び他の目的を達成する際、レーザー・パルス群からレーザー・パルスを光変調器で選択するシステムが提供される。このシステムは、第1のレーザー・トリガー信号に対応する第1のシーケンスのレーザー・パルスを生成すること、及び、第2のレーザー・トリガー信号に対応する第2のシーケンスのレーザー・パルスを生成することを提供し、第1及び第2のシーケンスからの対応するパルスは、時間的に密な間隔のパルス群を形成する。また、このシステムは、第1及び第2のシーケンスのレーザー・パルスを光変調器を介して伝搬させることを提供し、光変調器は、1つ又は複数のパルスがパルス衝突区間の期間にのみ加工物に衝突するのを選択的に可能にするように制御される。このシステムは、AOMシーケンスでパルス衝突区間を開始することによって加工物に衝突するようにパルス群内のパルスを選択することと、パルス衝突区間から隣接するパルス阻止区間へ調整済みパルスを移動させるように、少なくとも1つのトリガー信号のタイミングを調整して、パルス群内に少なくとも1つの調整済みパルスを生成することとを更に提供する。
【0024】
調整済みパルスは遅延パルスとすることができ、遅延は2マイクロ秒よりも長くてよい。更なる実施の形態では、遅延は約2〜3マイクロ秒とすることができる。少なくとも1つのトリガー信号の調整は、それぞれの第1又は第2のシーケンスのレーザー・パルスから生成されたパルスを選択するために第1又は第2のトリガー信号を調整するステップを含むことができる。パルス群は密な間隔の2つ以上のパルスを含むことができ、パルス間隔は1〜500nsとすることができる。更なる実施の形態では、パルス間隔は200ns以下とすることができる。
【0025】
第1のパルス・シーケンスは第1のレーザー源で生成され、第2のパルス・シーケンスは第2のレーザー源で生成されることができる。変調器は音響光学変調器、音響光学偏向器又は電気光学変調器であってよい。第1及び第2のシーケンスのレーザー・パルスの伝搬は、例えばビーム結合光学部品で第1のビームと第2のビームとを結合することを含むことができる。ビーム結合光学部品は偏光に感度を持つ光学部品とすることができる。結合されたビームは平行であっても発散性であってもよい。このシステムは、それぞれの選択されたパルスのエネルギーを変調器で制御することをも提供することができる。
【0026】
更に、本発明の上述の目的及び他の目的を達成する際、位置合せ済み複数パルスのレーザー加工システムにおけるレーザー源を安定化する方法が提供される。この方法は、あるパルス繰返し率で第1のシーケンスのレーザー・パルスを生成するステップを含む。また、この方法は、第1のシーケンスのレーザー・パルスを光変調器を介して伝搬させるステップを更に含み、光変調器は、AOM命令シーケンスに応じて1つ又は複数のパルスがパルス衝突区間の期間に加工物に衝突することができるように制御される。この方法は、対応するパルス衝突区間に加工物上に第1のパルス・シーケンスからの選択されたパルスを衝突させるステップを含む。この方法は、対応するパルス衝突区間から隣接するパルス阻止区間へ第1のパルス・シーケンスを移動させて第1のパルス・シーケンスを阻止するように、対応するパルス衝突区間に関してパルス・タイミングを調整することによって、第1のシーケンスのレーザー・パルスを遅延させるステップを更に含み、生成するステップは実質的に連続的であり、レーザー源は安定化される。
【0027】
この方法は、第2のシーケンスのレーザー・パルスを生成するステップであって、第2のシーケンスの各パルスが第1のシーケンスのレーザー・パルス中のパルスに対応するステップと、少なくとも1つのパルス選択期間に加工物に衝突するように第2のシーケンスのレーザー・パルスを光変調器を介して伝搬させるステップとを含むことができる。
【0028】
本発明の一つの実施の形態では、パルスが2つの市販のQスイッチ・レーザー源から生成され、次いで結合されてレーザー・パルス・シーケンスが提供される。特に、レーザー源は緑色の出力波長(例えば約0.5μmから約0.6μm)を生成し、1次赤外線ビームを緑色に変換するための周波数2倍器などの任意の必要な波長変更器を含むことができる。
【0029】
図1を参照すると、本発明の一つの実施の形態に係るシステム10は、2つのレーザー・トリガー信号14、16と変調器制御信号18とを供給するコントローラ12(マサチューセッツ州、ビレリカのGSI Group社によって販売されているモデルM455メモリ修復システム・コントローラなど)を含むことができる。レーザー・トリガー信号14、16はトリガー遅延ユニット20を通過し、次いで、それぞれ、レーザー源22、24(例えば、ネバダ州、リノのCrystaLaserによって製造されるモデルQG532−300−YVレーザーなどの2つの市販のダイオード・ポンプ型固体緑色Qスイッチ・レーザー源)に結合される。代替として、コントローラはトリガー遅延機能を含み、独立にプログラム可能なトリガー信号を出力することができる。次いで、2つの独立にプログラム可能なレーザー出力が結合され、AOMなどの変調器26に供給される。
【0030】
変調器26は、AOM始動シーケンス18に応答するAOM命令シーケンス30においてRF制御信号を受け取る。(各レーザーから1つの)密な間隔の対のパルスが供給されるように、レーザー出力が結合される。各対のパルスに対して、パルス・シーケンス32の一部として加工物の表面へ向かって、変調器26は、各レーザー(対のパルス)からのパルスを、又は対のパルスからの1つのパルスだけを送出し、或いは対のパルスからのパルスを送出しない。
【0031】
図2Aの60で示されるような、例えば6μs幅を有するRF変調器駆動信号は、図2Bに示されるような、対応するAOM光応答62を生成する。衝突区間64はAOM応答62の一部として規定され得る。区間64は実際のAOM光応答62の均一な部分を含むことができる。レーザーは、この衝突区間64の期間に例えば図2Cの66でトリガーされるように図示されており、図2Dは、衝突区間64に(特徴パルスを形成する遅延の後に)生じる2つのパルス68を示す。
【0032】
音響光学偏向器の(有限)立ち上り時間は、AOM開口サイズ及び音速によって決まる。典型的な立ち上り/立ち下り時間は数千ナノ秒である。衝突区間の幅は好適なパルス特性に従って決定されることができる。例えば、加工物でのパルス間エネルギー均一性は典型的なパルス仕様であり得る。10%のエネルギー変動が許容される場合、衝突区間は、1%のパルス間均一性が必要とされる場合よりも広くすることができる。
【0033】
図3A〜図3Cは、本発明の別の実施の形態に係るパルス・タイミング及び変調のシステムを示し、変調制御信号は所望の時間に(反復される変調信号ではなく)選択的な変調を提供し、衝突区間134の期間にレーザー・パルス群132からの出力パルス130を選択的に許容する。この例では、必要なときだけ衝突区間を設けるよう、変調器は、1次応答を活性化する(通常はオフのAOMをオンにする)により、又は1次応答を非活性化する(通常はオンのAOMをオフにする)により、応答を生成するように用いられる。
【0034】
図4A〜図4Cは、本発明の別の実施の形態に係るパルス・タイミング及び変調のシステムを示しており、変調制御信号は、レーザー・パルス群142と整列する衝突区間144の期間にレーザー・パルス群142から出力パルス140を送出する変調シーケンスを提供する。この例では、変調器繰返し率は一定であり、群144の位相は出力のためのパルス140を選択するために、進みタイミングでシフトされる。
【0035】
図5A〜図5Cは、本発明の別の実施の形態に係るパルス・タイミング及び変調のシステムを示しており、変調制御信号は、パルス群156を選択的に阻止するように、非衝突区間154を含む変調シーケンスを提供する。パルス群152は衝突区間154の期間に存在するように時間シフトされている。しかし、変調器出力154はパルス群156を阻止するよう抑制されるが、衝突区間154でのパルス群152は送出されて出力150になる。阻止される群156と出力150との間の期間は、出力150のエネルギーを安定化するように設定されることができ、例えば、区間154、154’を含む変調シーケンスの基本期間に設定されることができる。この実施の形態では、変調制御信号は厳密な反復信号として提供されるのではなく、改善された出力安定性を提供するよう不規則である。特に、156で示すように、これらのパルスは、変調信号が反復された場合には衝突区間であったものの中にあるけれども、変調信号はその時間にトリガーされなかったので出力は供給されず、出力パルス群150は通常のパルス群間隔で生成される。
【0036】
図6は、2つのレーザー源からのパルスを結合し、両方のパルスをパルス・シーケンス32のために選択するプロセスの概略図を示す。2つのレーザーのパルス動作は70kHzの公称パルス率でほぼ連続的であり、独立したレーザー・トリガー信号34、36に応答して2つの独立で安定化されたシーケンスのレーザー・パルスが生成される。40及び42で示されるように、パルスは時間的に0nsから500nsだけ分離されることができる。これらの独立したパルス・シーケンスは偏光型ビーム結合器44で結合され、密な間隔のパルスの群(例えば、対)を含む、結合されたシーケンスのレーザー・パルス46を形成する。衝突区間48は、50で示すように、両方のパルスがシステムによって出力されるのを許容する。
【0037】
パルス間隔T(すなわち、各パルス群におけるパルス間の時間)は、対応するトリガー信号34と36との間の相対的な遅延によって制御される。遅延は、ゼロから公称パルス繰返し率の期間まで、又は、約14マイクロ秒まで設定されることができる。典型的な二重パルス加工においては、遅延はゼロナノ秒(パルス間で100%の時間的重なり)から約500ナノ秒に設定され、一般的には約1マイクロ秒未満である。更なる実施の形態では、パルス間隔は大きくすることができるが、パルス間隔は非衝突区間の長さによって制限される。
【0038】
変調器26は、例えば、フロリダ州、西メルボルンのNEOS Technologies社によって製造される低熱ドリフト・モデルN23080−3−.532−LTDなどの音響光学変調器とすることができる。音響光学変調器は、ビーム結合器と集束レンズとの間に配置される。変調器はシステム・コントローラ12からのプログラム可能なタイミング信号18によって作動され、プログラム可能なタイミング信号18は、変調器へのRF駆動信号の変調を制御(例えば、ゲート制御)するAOM始動シーケンスを開始する。衝突区間48(以下で説明するように、AOM光応答のウィンドの立ち上り縁部と立ち下り縁部との間で発生する)の期間に、1つ又は複数のパルスが加工物へ向けられる。したがって、所定の周波数のRF信号がAOMに印加される。所定の周波数のRF信号は非衝突区間の期間には印加されない。衝突区間はターゲットの場所に対応するように時間調整され、衝突区間の期間に、1つ又は複数のパルスがレーザーから加工物まで伝搬することができる。非衝突区間の期間には、パルスはいずれのレーザー源からも加工物まで伝搬することができない。レーザー・パルスは、図6に示されるように、AOM光応答のウィンドウの立ち下がり縁部に近い方で生成されることができる。
【0039】
次に、図7を参照すると、本発明の更なる実施の形態によれば、パルス・タイミングは衝突区間に関して制御されることができ、パルス・タイミングは、特に、少なくとも1つの調整済みパルス70が衝突区間48’の外に出て隣接する非衝突区間に入る(時間シフトされる)ように調整されることができる。このようにして、選択されたパルスは加工物上の対応するターゲットまで光軸に沿って伝搬し、選択されないパルスは阻止される。図2に示す実施の形態と同様に、図4のタイミング・システムは、遅延が調整されたレーザー・トリガー信号34’、36’に応答する2つの独立の安定化されたシーケンスのレーザー・パルスを発生する2つのレーザー22’、24’を更に含む。40’及び42’で示すように、パルスは、時間的にT+デルタ(約2〜3μs)だけ離されている。これらの独立したパルス・シーケンスは偏光型ビーム結合器44’で結合され、結合されたシーケンスのレーザー・パルス46’を形成する。衝突区間48’は、50’で示すように、システムによって出力されるべき1つのパルスを送出する。
【0040】
それぞれの不要なパルスの遅延は、ほぼ連続的なレーザー動作を維持することによって安定したレーザー動作を維持するように十分に小さいが、選択されないパルスを隣接する阻止区間に移動することによってパルスが加工物を照射するのを阻止するに足るほど大きい。特に、不要なパルスは時間的に少ない量(デルタ)だけ、典型的には約2〜3μsだけ遅延され、それによって、損傷を引き起こし得る不要なエネルギーが加工物に衝突しないようにする。
【0041】
密な間隔の両方のパルスが加工に使用される好ましい単一経路加工の実施の形態では、基板損傷を最小化しながら第1のパルスの後に残存する不要な材料を除去するよう、密な間隔の第2のパルスのパルス・エネルギーが低減される。ここで、密な間隔のパルスの群を使用して単一経路二重パルス加工が達成され、それによって、第2の経路と付随的な加工時間の増加とシステム・スループットの低下とを回避することにより、高い単一経路加工速度とシステム・スループットとが維持される。
【0042】
第2のパルスのエネルギーは任意の低減された値であってよく、好ましくは、第2のパルスは第1のパルスの30%〜60%である。相対的なパルス・エネルギーは音響光学変調器の前で設定され得、例えば、偏光ビーム結合器の前で一方の又は両方のビームの線形ビーム偏光を手動で又は自動的に回転させることによって設定される。
【0043】
この単一経路技法は緑色レーザー周波数メモリ修復加工の歩留りを改善するのに好適であり、歩留り改善の利益は赤外線(IR)加工と比較して緑色レーザー周波数加工に対して著しい。例えば、二重パルス緑色レーザー周波数システムは歩留りを96%から99%に向上させることができ、これに対して、二重パルスIR周波数システムは歩留りを99.6%から99.8%に向上させることができる。
【0044】
したがって、好都合なことに、複数のレーザー源によるパルス群からのパルス選択は、各レーザー源に対する個々の変調器ではなく、単一の変調器で達成される。また、パルスのエネルギーを制御することもできる。単一の変調器はターゲット位置決めと同期して動作することができるので、衝突区間は選択されたターゲットをパルスが照射することを可能にする。ターゲット位置決めは、M455という精密位置決めステージなどの精密位置決めシステムを用いて、集束されたレーザー・スポットに対してターゲットを移動させることによって達成される。
【0045】
本発明の実施の形態においては、パルス群が、レーザー加工のために様々な方法で生成され、使用されることができる。例えば、その開示が参照により組み込まれる米国特許出願公開第2002/0167581号(以下、コーディングレイの581号公開出願)は、その段落116〜126、193〜202及び210で、少なくとも部分的にマルチパルス・レーザー加工の方法及びシステムを開示している。安定したレーザー・パルス・エネルギーを維持し、各レーザー源をほぼ一定率及び一定パワー・レベルでパルス化しながら、選択されたパルスが単一のターゲット又は複数のターゲットに同時に又は迅速なシーケンスで供給される。
【0046】
パルスは、任意の所望の所定のパルス波形とパルス幅とパルス・エネルギーとピーク・パルス・パワーと時間間隔とを有するように生成される。その開示が参照により本明細書に組み込まれ、オンザフライ・リンク切断プロセスの期間に実質的に連続的なシード・レーザー出力から切り取られた10nsから1000nsの期間にわたって複数のパルスのバーストを変調器によって出力することができることを部分的に開示している2007年5月18日に出願された係属米国仮特許出願第60/938,967号に開示されているような変調器を制御することによって、連続的なレーザー・ビームから、制御可能な幅とピーク強度と波形とを有する複数のパルスが生成され得る。
【0047】
本発明の幾つかの実施の形態によれば、単一トリガーとプログラム可能な電子遅延装置とを複数のトリガーの代替として使用して、異なる時間に各レーザーをトリガーし、例えばコーディングレイの581号公開出願の図15aに示されるように、群内のパルスの間隔を設定することができる。電子的な遅延装置が使用される場合、固定値をプログラムし、レーザー制御ハードウェアにロードすることができる。
【0048】
一例では、所望のパルスを単一パルスとして選択し、同時に、安定したレーザー動作を維持するように、遅延パルスのパルス・ピッキングを使用して、二重パルス・システムが単一パルス・システムに迅速に切り替えられる。単一パルスは、例えば、1つのレーザーから、又は2つのレーザーの結合出力により生成される。
【0049】
好適なレーザー・システムは、固体Qスイッチ・レーザーと、ファイバー・レーザーと、高速半導体レーザー・ダイオードでシードされてファイバー増幅器で増幅されるMOPA(主発振器電力増幅器)構成と、モードロック・レーザーと、それらの組合せとを含み得る。レーザーはナノ秒、ピコ秒又はフェムト秒の出力を生成することができる。
【0050】
少なくとも一つの実施の形態では、パルス群は、直接変調される高速半導体レーザー・ダイオードにより生成されて遅延され、少なくとも1つの光ファイバー増幅器(MOPA構成)で増幅される。次いで、増幅器出力はAOMを通って伝搬する。更なる実施の形態によれば、様々なファイバー型MOPA構成を本発明のシステム及び方法と共に使用することもできる。
【0051】
本発明の更なる実施の形態によれば、例えば単一レーザー源がパルス群を生成する場合にパルス群から所定の数のパルスを選択するように、同期した衝突区間に関してレーザー・パルスの時間シフトを使用することができる。パルス群の遅延が変更されると、様々なパルスが群から選択される。一般に、レーザー源の出力が安定に維持されるように、パルス群のエネルギーは実質的に一定に保たれることが望ましい。しかし、パルス群内のパルスは変化した特性を有することができ、パルスの時間シフトを使用して、群全体のエネルギーを実質的に一定にしたままで、異なる特性を有するパルス群におけるパルスを選択することができる。例えば、パルス群は、異なるパルス幅、異なるパルス波形又は異なるパルス・エネルギーを有するパルスを含む。この種のパルス特性の選択を使用して、例えば低エネルギー・アライメント・パルスのためにパルス群の低エネルギー部分を選択することができる。パルス群の実質的に一定なエネルギーを維持しながらパルス・エネルギー特性を変更するように、時間シフトを変化させることなく、パルス・エネルギーを衝突区間内のパルスから衝突区間外のパルスに移動させることができる。
【0052】
レーザー源によっては、パルス特性の変更を設定及び較正するのにかなりの時間を必要とすることがある。パルス群内のパルス特性を変更するのではなく、可変の特性を持つ複数のパルスを単一のパルス群に含めてもよい。群の時間シフトを使用してレーザー加工動作中にパルス特性の迅速な選択を許容することができる。例えば、2つのパルス形式が単一の加工運転に使用されるべき場合、時間シフトを使用して、加工要件に従って2個のパルスの群の一部を選択し、適切なパルス幅及び/又はパルス・エネルギー或いはパルス波形を迅速に設定することができる。単一のレーザー源によるこの場合、群のうちの1個のパルスが選択されるとき、選択されないパルスは、選択されたパルスの衝突期間の前又は後の非衝突区間の期間に阻止される。
【0053】
図8は、両方のパルスを供給するための1つのレーザー源80と変調器82とを含む、本発明の更なる実施の形態に係るパルス・タイミング・システムを示す。パルス84は約0nsから100nsの時間だけ分離され、88で示すように、衝突区間86(例えばウィンドウ)は両方のパルスの出力を送出する。
【0054】
図9に示すように、本発明の更なる実施の形態によれば、1つのレーザー源80’を使用して両方のパルス84’を生成することを除いて図7に示すシステムと同様に、少なくとも1つの調整済みパルス90が衝突区間86’の外の隣接する非衝突区間へ移動される(時間シフトされる)ように、パルス・タイミングが調整される。このように、選択されたパルスは光軸に沿って加工物上の対応するターゲットまで伝搬し、選択されないパルスは阻止される。図8に示す実施の形態と同様に、図9のタイミング・システムは、衝突区間86’を提供する変調器82’を更に含む。パルスは時間的にT+デルタ(約2〜3μs)だけ分離される。衝突区間86’はシステムによって出力されるべき1つのパルスだけを送出し、選択されないパルス90は88’で示すように阻止される。
【0055】
パルス群の異なる部分を使用することにより選択することができるパルス特性は、パルス・エネルギーとパルス波形とパルス幅とを含む。パルス・エネルギーは、時間区間の期間に放出されるエネルギーとして理解されるべきである。時間区間は固定値であってもよいし、パルス期間の相対パワー値(例えば、全幅半値、ピークの10%等々)から決定されてもよい。パルス波形という用語は、パワー対時間のグラフにプロットすることができる、パルスの時間プロファイルを指すものとする。例えば、パルス形状は、ガウス形、正方形、スパイク、くねり(squiggly)、波型、鋸歯状又は他の波形を含む。制御信号に応じて可変パルス形状を生成するように、外部変調され、ファイバー増幅されるcwシード・レーザーを使用することが好ましい。
【0056】
代替の実施の形態においては、レーザー・パラメータの高速設定を可能にするために、レーザー源に対して高速インターフェイスを設けることが有利である。例えば、RS−232シリアル・インターフェイスの代わりに、IEEE1394又は他の標準高速インターフェイスを用いることができる。パルス群のパラメータを、十分に速く、例えば10マイクロ秒以内又はそれより速く設定することができる場合、パルス特性のオンザフライ構成は、100kHz繰返し率の衝突区間に対応する典型的な加工速度に対して可能である。理解されるように、オンザフライ加工のためにレーザーを設定するのに必要とされる正確な期間は、加工速度によって決まる。速い速度ほど、速いレーザー・パルス・パラメータ設定を必要とし、遅い速度ほど、遅いレーザー・パルス・パラメータ設定を必要とする。すべての衝突区間に対して設定するのに足るほど速くはパラメータを変更することができない場合でさえ、加工運転の様々な部分に対してパルス・パラメータを設定することによって、高速設定は全体的なスループットに役立つことができる。これらの部分は、加工されるべき様々な群のターゲットや、アライメント・ターゲット及び加工ターゲットのような様々なタイプのターゲットを含む。
【0057】
本発明の幾つかの実施の形態によれば、3個のパルスのパルス群を使用することができ、図10A〜図10Cに示すように、3個のパルス、2個のパルス、1個のパルス又はゼロ個のパルスが衝突区間内に存在するように選択される。図10Aに示すように、変調器応答160の衝突区間Wは、微細構造体の場所に対応して図示のような周期P、P、Pを有する繰返しシーケンスに同期されており、パルス群に対するそれぞれの異なる時間シフトt、t、t、tは、衝突区間に存在するパルス群162、164、166、168(図10Bに示される)から上記数のパルスを選択するように用いられる。一般に、規則的に離間した群の微細構造体を加工する場合、周期P、P、Pはすべて同じ長さであるが、他の実施の形態では、例えば、加工されるべき微細構造体の間隔又はタイミングが不規則な場合、周期は一定ではない。パルス群全体又は群内のパルスのサブセットにシフトを適用することにより、図10Cにおいて、それぞれ172、174、176、178で示すような3個のパルス、2個のパルス、1個のパルス又はゼロ個のパルスの出力群が提供される。したがって、システムは、所望の出力を提供する衝突区間シーケンスに対して適切な時間シフトを選択するだけである。
【0058】
図10D及び図10Eは、それぞれのパルス群が群182における他のパルスとは異なるパルス形状の1個又は複数のパルス180を含む場合に、衝突区間は、1つのタイプの1個又は複数のパルス184を加工物に衝突させるようにするか、又は別のタイプのパルス186を加工物に衝突させるようにすることを示している。
【0059】
時間シフトされたパルスの実施の形態は、複数ビーム加工とともに使用され得る。単一の源又は複数の源の結合ビームが使用される場合、時間シフトされたパルスは、特定のビーム源からのパルスを選択するために使用されることができる。単一源が分割されると、一般に、時間シフトは光遅延によって、好ましくは可変光遅延によって、少なくとも1つのビームに与えられる。光遅延とトリガー遅延との組合せ又は複数の光遅延を使用して、いずれかのビームからパルスを選択することができる。好都合なことに、複数の源とともに、複数のトリガー遅延を使用することができる。
【0060】
一般に、複数ビームによる時間シフトは、パルス特性に限定されないビーム特性を切り替えるために使用されることができる。例えば、レーザー源とビーム経路とビーム経路内の光学要素との差により、様々なビーム特性が付与され、また、時間シフトを使用して効果的にビームを切り替えてビーム特性を選択することができる。
【0061】
レーザー・スポットが互いに対してずれて形成されるように、結合ビームの経路は発散性とすることができる。経路は、リンクに関してスポットの進行方向にずれていて、リンクの列における異なるターゲット・リンク上にあり、例えば、リンクの列の方向の隣接する又は隣接しないリンクに対してずれている。同様に、レーザー・スポットは、単独で又は組み合わさって、リンクに関するスポットの進行方向において垂直に、ずれた状態で又は互い違いに整列されるリンクの異なる列におけるリンクへ向かう進行方向でのオフセットにおける進行方向に垂直な方向にずれている。時間シフトを使用すると、安定したレーザー動作を維持しながら単一のAOMで複数のビームから衝突のための作業パルスを選択するように、1つ又は複数の結合されたビームのパルスが衝突ウィンドウの外へ移動される。
【0062】
レーザー源と共に単一のAOM又は音響光学偏向器を使用すると、複数の音響光学装置に関連した差動ドリフトを除去することができる。単一の装置であれば、ドリフトは本質的に共通モードであり、ビーム毎の指示精度を改善し、複数ビーム較正要件を低減することができる。
【0063】
図11A〜図11Cは、本発明の更なる実施の形態に係るパルス・タイミング及び変調のシステムを示しており、変調制御信号は不規則な変調信号を提供し、この不規則な変調信号はパルス群192を選択的に阻止するとともに、パルス192と整列する衝突区間194の期間にレーザー・パルス群192から出力パルス190を送出する。196で示すように、或る変調振幅制御信号は、変調器の温度揺らぎの管理を容易にするために変調が行われない194’での衝突区間で生じる抑制されたエネルギーを相殺するように、高いエネルギー・レベルで提供される。上述のように、阻止された群192’と出力190との間の期間は出力190のエネルギーを安定化するように設定される。
【0064】
本発明の更なる実施の形態によれば、例えば、その開示が参照により組み込まれるコーディングレイの581号公開出願の段落193〜203に開示されているように、偏光又は非偏光ビーム結合技法を使用して、異なるレーザー源の出力を密な間隔のパルスの群に結合することができる。
【0065】
例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,541,731号(ミードの731号特許)に開示されるように、(ビーム経路を迅速に切り替えるためのEO変調器を使用して)1つ又は複数のターゲットに1個又は複数のレーザー・パルスを供給するための多数の代替手段を使用することもできる。ミードの731号特許の装置は、加工パラメータの柔軟性を達成するために2つ以上のレーザー・システムを使用している。独立して制御されるレーザー・システムからの出力ビームは、ビームを単一の又は複数の加工ビームに結合するビーム・スプリッタを使用して結合される。システムの操作柔軟性は、複数のEO変調器と偏光に感度を有するビーム・スプリッタとを使用することによって更に増強される。ミードの731号特許の図9は、所望の出力特性を達成するために独立して作動する3つのレーザー・システムを利用するシステムの説明図であり、ミードの731号特許の図10は、2つの独立したレーザー・システムからの出力が偏光ビーム・スプリッタで結合される、発明の代替実施の形態の説明図であり、ミードの731号特許の図11は、EO変調器を利用する、発明の代替実施の形態の説明図である。
【0066】
そこにも開示されているように、選択された波長とパルス・ピッキングとによりレーザー加工する方法及びシステムも使用することもできる。例えば、異なる動作波長の異なるレーザー源を使用することができ、レーザー源は赤外、可視又は紫外とすることができ、波長は、1.32μm、1.064μm、1.047μm、0.532μm、0.351μm、0.266μm又は他の利用可能なレーザー・ライン、シフトされたレーザー・ライン或いは周波数逓倍レーザー・ラインとすることができる。
【0067】
例えば、米国特許第6,559,412号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)、及びコーディングレイの581号公開出願の少なくとも段落149〜156に開示されているように、メモリ修復のための加工特性は波長によって著しく変動し得る。シリコン基板はIR波長では透過性であり、一般に損傷に対して鈍感である。しかし、可視波長及び紫外波長では、シリコンは著しい吸収性を有し、基板損傷を避けるために低エネルギー・パルスが使用される。低エネルギーでの可視及びUV加工の1つの結果は、材料の不完全な除去に起因する歩留りの低下である。
【0068】
本発明の一つの実施の形態の一つの用途においては、2つのレーザーが安定化されていて、一方のレーザーがアライメントのために選択され、他方のレーザーがパルスを衝突ウィンドウの外で選択的に時間シフトすることによって効果的に阻止されるならば、約0.18ミクロンより良好なシステム・アライメントを達成することができる。安定化されたレーザー間の迅速な切替えは過度の設定時間なしに可能である。この実施の形態では、例えば、コーディングレイの581号公開出願の図10、図14a及び図14bに示されているように、及び、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる、General Scanning社により1998年に出版されたドン・スマート及びジョン・エドワーズによる「Link Processing with Lasers(レーザーによるリンク加工)」の16〜20頁に開示されているように、アライメントは各ビームに個別に適用される周知の縁部走査技法を使用して達成することができる。更に、一致したパルス又はオフセットされたパルスに対しては、加工物へのアライメント及びパルスの相対的空間アライメントが重要である。レーザー加工の分野で知られている様々なアライメント方式が、例えばコーディングレイの581号公開出願の段落129〜131及び177に開示されているように複数パルス加工で使用されることができる。
【0069】
更なる別の実施の形態では、両方のビームを阻止するために2つのトリガー信号を同時に遅延させることができる。この技法は、例えばアライメント又は較正のルーチンにおいて背景エネルギーを検出するために使用されることができる。両方のトリガーが遅延される場合、より均一な熱負荷を与えるように、規則的に離間した衝突区間を使用することによって、変調器を熱的に安定化することもできる。
【0070】
音響光学変調器や電気光学変調器などの異なるタイプの光変調器を使用することができる。一般に、音響光学変調器は、約100kHzまでの速度で単一のパルス又はパルス群をパルス・ピッキングするのに好適であるが、本発明は衝突区間及び阻止区間を有する任意の変調器で実施され得る。音響光学偏向器は変調器として使用され、又は変調器に加えて使用され得る。
【0071】
選択されたパルスは、一般に、単一の対物レンズで加工物上のスポットに集束される。複数のパルスは複数の光路を通って複数のレンズに導かれる。
当業者は理解するように、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上述の開示された実施の形態に多数の変更及び変形を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的な移動軌道に沿って加工物をレーザー加工する方法であって、
可変タイミング信号に応じて時間的に密な間隔の少なくとも2つのレーザー・パルスを生成するステップと、
加工物ターゲットに対応する前記連続的な移動軌道の期間に前記密な間隔のパルスのうちの少なくとも2つのパルスを光変調器で選択するステップであって、前記光変調器は、それぞれの選択されたパルスがパルス衝突区間の期間に前記加工物ターゲットに衝突するのを可能にするようにパルス衝突区間と非衝突区間との命令シーケンスに従って制御されるステップと、
前記密な間隔のパルスの間隔を変更するために前記可変タイミング信号を変化させるステップであって、少なくとも1つのパルス時間が衝突区間から隣接する非衝突区間にシフトされるステップと、
シフトされた前記少なくとも1つのパルスが非衝突区間の期間に前記加工物に衝突するのを前記光変調器で阻止するステップと
を含み、前記可変タイミング信号が、安定したレーザー動作を維持するのに十分に連続的である方法。
【請求項2】
選択された前記少なくとも2つのレーザー・パルスを前記加工物上に集束するステップと、
集束された前記少なくとも2つのレーザー・パルスに関して複数材料デバイスの少なくとも1つの微細構造体を正確に位置決めするステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
基板と少なくとも1つの微細構造体とを含む複数材料デバイスを加工する方法であって、前記加工が、相対的軌道に沿った単一経路動作で複数のパルスによって生じ、加工システムの位置決めサブシステムで制御される方法において、
前記複数材料デバイスとレーザー・ビームのウエストとの間の相対運動を生じるステップと、
相対運動期間でのターゲット位置に関連付けられ、1つ又は複数のレーザー・パルスがターゲット場所で加工物に衝突するのを可能にする衝突区間を開始するステップと、
前記相対的軌道において前記ターゲット場所に対応する時間に第1のレーザー・パルスを生成するステップと、
前記衝突区間の期間に前記第1のレーザー・パルスで前記ターゲットを照射するステップと、
前記衝突区間に隣接する非衝突区間の期間において、前記第1のパルスに関して遅延された時間に第2のレーザー・パルスを生成するステップと、
前記第2のパルスが前記ターゲットを照射するのを阻止するステップと
を含み、
前記第1のパルスに関連する第1のビームのウエストと前記ターゲットとが実質的に一致しており、
前記遅延は、前記第1のパルスに関する所定の時間であって、安定したレーザー動作を維持するように十分に小さいが、前記遅延したパルスを前記衝突区間から前記隣接する非衝突区間へ移動させるのに足るほど大きい方法。
【請求項4】
前記第1のパルス及び前記第2のパルスが独立にトリガーされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記所定の時間が前記複数材料デバイスの熱特性によって決定される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記所定の時間が約1〜500ナノ秒の範囲にある、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のレーザー・パルスを生成する前記ステップが、第1のレーザーで前記第1のレーザー・パルスを生成するステップを含み、
前記第2のレーザー・パルスを生成する前記ステップが、第2のレーザーで前記第2のレーザー・パルスを生成するステップを含み、
パルス間の相対遅延が前記所定の時間に対応する、
請求項3に記載の方法。
【請求項8】
光変調器でレーザー・パルス群からレーザー・パルスを選択する方法であって、
レーザー・タイミング信号に対応するレーザー・パルス群を生成するステップであって、前記レーザー・パルス群の第1の部分が前記レーザー・パルスに関して移動する加工物ターゲットに対応し、前記レーザー・パルス群の第2の部分が、前記レーザー・パルス群の前記第1の部分に関連する衝突区間に隣接する非衝突区間に対応するステップと、
衝突区間と非衝突区間との命令シーケンスに従って光変調器を制御するステップと、
前記光変調器で前記レーザー・パルス群の前記第1の部分を選択し、それぞれの選択されたパルスがパルス衝突区間の期間に前記加工物ターゲットに衝突するのを可能にするステップと、
前記レーザー・パルス群の前記第2の部分が前記加工物に衝突するのを阻止するステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記加工物に関して調整済みパルス群を生成するように前記レーザー・タイミング信号を調整するステップを更に含み、
前記レーザー・タイミング信号を調整するステップが、シフトされたパルスを前記レーザー・パルス群の前記第2の部分から前記レーザー・パルス群の前記第1の部分へ移動させ、もって、前記シフトされたパルスが衝突区間の期間に選択される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記加工物に関して調整済みパルス群を生成するために前記レーザー・タイミング信号を調整するステップを更に含み、
前記レーザー・タイミング信号を調整する前記ステップが、シフトされたパルスを前記レーザー・パルス群の前記第1の部分から前記レーザー・パルス群の前記第2の部分に移動させ、もって、前記シフトされたパルスが前記加工物に衝突するのを阻止する、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記レーザー・パルス群を生成する前記ステップが、異なるパルス特性を有するパルス群を生成するステップを含み、
選択されたパルスが、前記レーザー・タイミング信号に従う所望のパルス特性を有する、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記レーザー・パルス群の前記第1の部分を選択する前記ステップが、前記レーザー・パルス群から所望の数のパルスを選択する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザー・パルス群を生成する前記ステップが、第1のレーザー・トリガー信号に対応する第1のシーケンスのレーザー・パルスを生成するステップと、第2のレーザー・トリガー信号に対応する第2のシーケンスのレーザー・パルスを生成するステップと、前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスのレーザー・パルスを前記光変調器に伝達するステップとを含み、
前記方法が、所望のパルス選択に従って少なくとも1つのトリガー信号のタイミングを調整するステップを更に含み、
前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスからの対応するパルスが、時間的に密に離間されたパルスの群を形成し、
前記パルス間隔が約1〜500nsの範囲にある、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のパルス・シーケンスが第1のレーザー源で生成され、前記第2のパルス・シーケンスが第2のレーザー源で生成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
位置合せ済み複数パルス・レーザー加工システムにおいてレーザー・パルス・シーケンスを安定化する方法であって、
第1のシーケンスのレーザー・パルスを生成するステップであって、前記第1のシーケンスの第1の部分のパルスが、前記レーザー・パルスに関して連続加工軌道に沿って移動する加工物のターゲットの位置に対応する時間に生成されるステップと、
光変調器で前記第1のシーケンスの1つ又は複数のパルスを選択するステップであって、前記光変調器は、それぞれの選択されたパルスがパルス衝突区間の期間に加工物ターゲットに衝突するのを可能にするよう、衝突区間と非衝突区間との命令シーケンスに従って制御されるステップと、
前記加工物に関して前記第1のシーケンスのレーザー・パルスの第2の部分のパルス・タイミングを調整するステップであって、前記第1のシーケンスの前記第2の部分のパルスが、衝突区間に隣接している非衝突区間に対応する時間に生成され、もって、前記第1のパルス・シーケンスのパルスが加工物に衝突するのを阻止するステップと
を含み、前記生成するステップ及び前記調整するステップが、実質的に連続的で安定化された第1のパルス・シーケンスを維持する方法。
【請求項16】
第2のシーケンスのレーザー・パルスを生成するステップであって、前記第2のシーケンスの一部のパルスが、前記加工物のターゲットの位置に対応する時間に生成されるステップと、
衝突区間と非衝突区間との前記命令シーケンスに従って前記光変調器で前記第2のシーケンスの1つ又は複数のパルスを選択し、それぞれの選択されたパルスがパルス衝突区間の期間に少なくとも1つの加工物ターゲットに衝突するのを可能にするステップと
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のシーケンスの選択されたパルスが前記第1のシーケンスにおけるパルスに対応しており、前記対応するパルスが時間的に調整されて、隣接する非衝突区間において阻止される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のシーケンスの選択されたパルスが前記第1のシーケンスにおける選択されたパルスに対応し、それによって、複数のパルスが、衝突区間の期間に加工物ターゲットに衝突して微細構造体を加工する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のシーケンス及び前記第2のシーケンスの衝突するパルス間の遅延を1ナノ秒から500ナノ秒に設定するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のパルス・シーケンスが第1のレーザー源で生成され、前記第2のパルス・シーケンスが第2のレーザー源で生成される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
基板と少なくとも1つの微細構造体とを含む複数材料デバイスをレーザー加工するための安定化されたシステムであって、前記加工が、単一経路軌道において複数のパルスにより生じるシステムにおいて、
調整可能なレーザー・タイミング信号に応じて第1のレーザー・パルスと第2のレーザー・パルスとを生成するためのパルス生成手段と、
微細構造体に対応する衝突区間と隣接する非衝突区間との命令シーケンスに応答して、前記第1のレーザー・パルスと前記第2のレーザー・パルスとを変調するための変調器手段と、
前記第1のレーザー・パルスと前記第2のレーザー・パルスとの間の所望のパルス遅延及び前記軌道に従って、前記調整可能なレーザー・タイミング信号を生成するための信号生成手段と、
前記軌道の期間に、衝突区間と非衝突区間との前記命令シーケンスを生成するための命令生成手段と、
前記微細構造体を選択されたパルスで前記衝突区間の期間に照射するための照射手段であって、それぞれの選択されたパルスに関連するビームのウエストと微細構造体とを実質的に一致させる照射手段と
を具備し、
前記変調器手段が、前記微細構造体に関して前記第2のパルス遅延が前記第2のパルスを前記衝突区間から隣接する非衝突区間へ移動させるに足るほど大きいときに前記第2のパルスを阻止し、それによって、前記第2のパルスが少なくとも1つの微細構造体を照射するのを阻止するための手段を備え、
前記調整可能なレーザー・タイミング信号が、前記衝突区間の期間に前記第1のパルスの選択を可能にし、前記遅延が安定動作を維持するように十分に小さい、安定化されたシステム。
【請求項22】
前記パルス生成手段が、
第1の所定の特性を有する第1のパルスを生成するための第1手段と、
第2の所定の特性を有する第2のパルスを生成するための第2手段と
を更に備え、前記第2のパルスが前記第1のパルスに関して所定の時間だけ遅延される、請求項21に記載の安定化されたシステム。
【請求項23】
少なくとも1つのレーザー源と、それぞれの前記レーザー源に結合されたコントローラと、可変パルス・タイミングでパルス伝搬を制御するための前記変調器手段とを更に含む、請求項21に記載の安定化されたシステム。
【請求項24】
2つのQスイッチ周波数倍増レーザー源を更に含む、請求項21に記載の安定化されたシステム。
【請求項25】
プログラム可能なパルス・プロファイルを持つ単一ファイバー・レーザー源を更に備え、前記レーザー・タイミング信号が少なくとも2つの密な間隔のパルスの群を生成する、請求項21に記載の安定化されたシステム。
【請求項26】
前記レーザー・パルスを集束するための光学システムと、
前記集束されたレーザー・パルスに関して複数材料デバイスの少なくとも1つの微細構造体を正確に配置するための位置決めシステムと
を更に備える、請求項21に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3A−3C】
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【図4A−4C】
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【図5A−5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A−10E】
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【図11A−11C】
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【公表番号】特表2010−515577(P2010−515577A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544970(P2009−544970)
【出願日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/050107
【国際公開番号】WO2008/086091
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(504250923)ジーエスアイ・グループ・コーポレーション (15)
【Fターム(参考)】