説明

マルチ荷電粒子ビームの計測方法、露光装置、及びデバイス製造方法

【課題】各ビーム個別のビーム特性の計測及びビーム間の配列間隔の計測の高速化が可能で、かつマルチ荷電粒子ビームの高精度な計測と補正を実現するマルチ荷電粒子ビームの計測方法、露光装置 及びデバイス製造方法を提供する。
【解決手段】マルチ荷電粒子ビームを発生する発生装置(電子銃1、コンデンサレンズ群3)と、マルチ荷電粒子ビームの照射により発光する蛍光体材料を有する試料41と、マルチ荷電粒子ビームが照射される試料41上の被照射位置の蛍光体材料の発光を導入してマルチ荷電粒子ビームの特性を検出する検出部(画像入力手段47)とを有し、蛍光体材料の発光の検出に基づいてマルチ荷電粒子ビームの特性(照射位置、強度)を比較演算手段51、個別偏向手段45、コンデンサレンズ群3により制御(補正)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチ荷電粒子ビームのビーム特性を評価するマルチ荷電粒子ビームの計測方法に関し、かつ、そのマルチ荷電粒子ビームの計測方法を用いた露光装置及びデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSIを代表とする半導体集積回路の急速な高密度化、高集積化に伴い、形成すべき回路パターンの微細化も急速に進んでいる。電子ビーム描画は微細パターンを形成するために有効な手段である。
しかしながら、生産現場に適用するためには、更に高いスループットが要求されており、スループットを向上させる方法のひとつに、従来の電子ビーム描画方法であるポイントビームや可変矩形ビームを、同時に複数本用いて一度に描画を行う方式がある。
同時に複数本のビームを用いて一度に描画を行う方式では、電子レンズや偏向器から構成される一つの電子光学系に一つの電子ビームを割り当てる。
このような電子光学系ユニットを複数用いるものをマルチカラム方式、1つの電子光学系に複数本の電子ビームを通すものをマルチビーム方式と定義する。
【0003】
例えば特開平9−245708号公報(特許文献1)により1つの電子源からの電子ビームをコンデンサレンズによりほぼ平行なビームとし、アパーチャアレイにより複数の電子ビームに分割するというマルチビームを用いる電子ビーム描画方法が提案されている。
この電子ビーム描画方法の場合、レンズアレイと偏向器アレイによりその電子ビームから中間像を形成し、ブランキングアレイを用いて独立してオン・オフを制御し、その後、偏向器を含む投影光学系により試料上に中間像を投影することにより描画を行う。
この電子ビーム描画方法は、レンズアレイと偏向器アレイにより投影光学系において発生する像面湾曲や歪などをあらかじめ補正することが可能で、投影光学系の設計が容易になり、このため高解像で、かつ、高スループットを実現できる。
【0004】
しかしながら、前記電子ビーム描画方法では、電子源の放射角分布の不均一、アパーチャアレイやレンズアレイ、投影光学系の機械的製作誤差及びそれに伴う理想的なビーム中心軸に対する斜入射等により、ビームの各々の特性がばらついてしまうことがある。
従って、ビーム照射位置、フォーカシング、スポット径、照射エネルギー等のマルチビームの特性を計測し、補正を行った上で描画を行う必要がある。
しかし、マルチビームの特性の計測は、それぞれのビーム毎に行う必要があり、マルチビームをひとつのファラデーカップで計測すると1本ずつ計測を行うために多大な時間がかかるという問題があった。
【0005】
一方、特開平8−191042号公報(特許文献2)により、複数本の鏡筒とこれに対向したマークおよびファラデーカップを並べたシステムが提案されている。
このシステムの場合、各ビーム間の間隔が大きく取れる場合には、反射電子や2次電子をそれぞれに計測可能である。
しかし、マルチビームのビーム間隔が狭くなった高密度配列構成では、複数の検出器を用意しても隣同士のマークから反射してくる反射電子や2次電子を分離して計測することが不可能となってくるという問題があった。
さらに、複数のマーク配列がマルチビーム配列と同じ間隔であると、ビーム走査時にマルチビームが一斉にマーク上に照射されるので各マークから一斉に反射電子や2次電子が発生してくるという欠点がある。
このために、各マークからの信号から各ビーム個別の特性を得ることが困難になり、また、各ビーム間の間隔を測定することが困難になるという問題があった。
【特許文献1】特開平9−245708号公報
【特許文献2】特開平8−191042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、各ビーム個別のビーム特性の計測及びビーム間の配列間隔の計測の高速化が可能で、かつマルチ荷電粒子ビームの高精度な計測を実現するマルチ荷電粒子ビームの計測方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、そのマルチ荷電粒子ビームの計測方法を用いて高精度の露光を実現する露光装置、及びその露光装置を用いてデバイスの高精度の製造を実現するデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のマルチ荷電粒子ビームの計測方法は、マルチ荷電粒子ビームの計測方法であって、予め準備された照射データに基づいて前記マルチ荷電粒子ビームを照射し、ビーム照射により発光する蛍光体材料を含む試料を有し、前記マルチ荷電粒子ビームが照射される前記試料上の被照射部からの発光を検出し、前記マルチ荷電粒子ビームの特性を検出することを特徴とする。
また、本発明のマルチ荷電粒子ビームの計測方法は、前記マルチ荷電粒子ビームの特性として、前記被照射部の発光強度から前記荷電粒子ビームのビーム強度を求めることを特徴とする。
また、本発明のマルチ荷電粒子ビームの計測方法は、前記マルチ荷電粒子ビームの特性として、前記被照射部の発光位置から前記荷電粒子ビームのビーム位置を求めることを特徴とする。
また、本発明のマルチ荷電粒子ビームの計測方法は、前記マルチ荷電粒子ビームの特性に基づき、前記荷電粒子ビームの制御を行うことを特徴とする。
また、本発明のマルチ荷電粒子ビームの計測方法は、前記マルチ荷電粒子ビームの制御は、前記荷電粒子ビームの照射位置の実際の座標系と、照射位置データに基づく設計上の座標系との相関関係を示すパラメータを算出し、前記パラメータを用いて行うことを特徴とする。
また、本発明のマルチ荷電粒子ビームの計測方法は、前記蛍光体材料は、輝尽性蛍光体であることを特徴とする。
また、本発明のマルチ荷電粒子ビームの計測方法は、前記マルチ荷電粒子ビームを照射するタイミングと、前記蛍光体材料の発光を検出するタイミングが異なることを特徴とする。
一方、本発明の露光装置は、マルチ荷電粒子ビームを発生する発生装置と、ビームの照射により発光する蛍光体材料を含む試料を有し、前記マルチ荷電粒子ビームが照射される前記試料上の被照射部と、前記被照射部において発光された光が導入されて前記マルチ荷電粒子ビームの特性を検出する検出部と、を有することを特徴とする。
また、本発明の露光装置は、前記マルチ荷電粒子ビームの特性として、前記被照射部の発光強度から前記荷電粒子ビームのビーム強度を求めることを特徴とする。
また、本発明の露光装置は、前記マルチ荷電粒子ビームの特性として、前記被照射部の発光位置から前記荷電粒子ビームのビーム位置を求めることを特徴とする。
また、本発明の露光装置は、前記マルチ荷電粒子ビームの特性に基づき、前記荷電粒子ビームの制御を行う構成とすることを特徴とする。
また、本発明の露光装置は、前記マルチ荷電粒子ビームの制御は、前記荷電粒子ビームの照射位置の実際の座標系と、照射位置データに基づく設計上の座標系との相関関係を示すパラメータを算出し、前記パラメータを用いて行う構成とすることを特徴とする。
また、本発明の露光装置は、前記蛍光体材料は、輝尽性蛍光体であることを特徴とする。
また、本発明の露光装置は、前記マルチ荷電粒子ビームを照射するタイミングと、前記蛍光体材料の発光を検出するタイミングが異なることを特徴とする。
一方、本発明のデバイス製造方法は、前記露光装置を用いてウエハを露光する工程と、前記ウエハを現像する工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のマルチ荷電粒子ビームの計測方法によれば、高密度配列のマルチ荷電粒子ビームの特性の計測を高速で行うことが可能で、かつマルチ荷電粒子ビームの高精度な計測を実現することができる。
また、本発明のマルチ荷電粒子ビームの計測方法によれば、マルチ荷電粒子ビームの特性に基づいて荷電粒子ビームの制御を行うため、各マルチ荷電粒子ビームの補正を行って各マルチ荷電粒子ビームの照射状態の精度を向上させることが可能である。
一方、本発明の露光装置によれば、前記マルチ荷電粒子ビームの計測方法を用いるため、各マルチ荷電粒子ビームの高精度な補正が可能であり、このため高精度の露光を実現することができる。
一方、本発明のデバイス製造方法によれば、前記マルチ荷電粒子ビームの計測方法を用いる露光装置を使用するため、高精度で信頼性の高いデバイスを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を、その実施例に基づいて、図面を参照して説明する。
【実施例】
【0010】
図1は本発明の実施例のマルチ荷電粒子ビームの計測方法を適用した電子ビーム描画装置である露光装置の概略的な構成を示す概略構成図である。
電子銃1は、描画装置の光源であり荷電粒子ビームを照射する。電子銃1から放射された電子ビーム2はコンデンサレンズ群3によって略平行の電子ビームとなる。
略平行の電子ビーム2は、アパーチャアレイ4、レンズアレイ5、個別偏向器6、ブランキングアレイ7及びブランキング絞り8から成るマルチビームモジュールに入射する。
電子ビーム2は、理想的には一様な強度でアパーチャアレイ4を照射し、ここでマルチ荷電粒子ビーム9に分割される。分割されたマルチ荷電粒子ビーム9は、レンズアレイ5に入射する。
【0011】
レンズアレイ5は、例えば3枚の電極で構成されており、その両端極は接地され、中間電極にのみ電圧が印加されるユニポテンシャルレンズである。レンズアレイ5によりブランキング絞り8の近傍に電子銃1のクロスオーバの中間像10を結ぶ。
これらの中間像10の位置は、レンズアレイ5の個々の強度を変えることにより光軸方向の位置を変えることができる。
個別偏向器6は、マルチ荷電粒子ビーム9の電子銃1のクロスオーバの中間像10の位置を、光軸とは垂直な方向に個別に調整する静電偏向器である。
また、ブランキングアレイ7は静電偏向器であり、ブランキングアレイ7に電圧を印加することにより中間像10は光軸と垂直な方向に移動し、ブランキング絞り8によって遮断される。
これによって、個々の分離されたマルチ荷電粒子ビーム9のオン・オフ制御が可能となる。
【0012】
アパーチャアレイ4、レンズアレイ5、個別偏向器6、ブランキングアレイ7及びブランキング絞り8の開口部の間隔(ピッチ)は同一である。また、レンズアレイ5、個別偏向器6、ブランキングアレイ7は、個別偏向制御回路11により、個別に駆動される。
これらの中間像10を第1投影レンズ12、第2投影レンズ13からなる投影光学系により試料ステージ14上の試料15に投影する。投影光学系は第1投影レンズ12の後焦点位置と第2投影レンズ13の前焦点位置を共有するように構成される。
この配置は対称磁気ダブレット構造と呼ばれ、低収差での投影が可能となる。一方、ブランキング絞り8と第1投影レンズ12の間には、投影レンズ16を設置する。この投影レンズ16も、磁気対象ダブレットを用いる。
【0013】
各中間像10を構成する複数のマルチ荷電粒子ビーム9は一括して主偏向器17及び副偏向器18により偏向され、位置決めされる。
例えば、主偏向器17は偏向幅を広く、副偏向器18は偏向幅を狭く用いる。偏向器17は電磁型で構成され、副偏向器18は静電型で構成される。
動的焦点補正器19は、偏向器17,18を動作させてマルチ荷電粒子ビーム9を偏向した際に発生する偏向収差による焦点ずれを補正する。
動的非点補正器20は、マルチ荷電粒子ビーム9の偏向により発生する偏向非点を補正する。動的焦点補正器19、動的非点補正器20ともにコイルで構成される。
【0014】
第1投影レンズ12、第2投影レンズ13、投影レンズ16、主偏向器17、副偏向器18、動的焦点補正器19、動的非点補正器20は、全体偏向制御回路21によって駆動される。
マルチ荷電粒子ビーム9による描画は試料ステージ14に搭載した試料15を移動させることにより行う。ファラデカップ22は試料ステージ14上に搭載され、X方向及びY方向にナイフエッジを有する。
このファラデカップ22は、レーザ干渉計などの座標測定器(図示せず)を含むステージ制御回路23と連動して、試料15上でのマルチ荷電粒子ビーム9の偏向、または、ファラデカップ22の移動と同期させてマルチ荷電粒子ビーム9の電荷量を測定する。
これにより、各中間像10からなる試料15上でのマルチ荷電粒子ビーム9の位置を計測することが可能になる。
【0015】
また、試料ステージ14上に位置計測用マーク24を取りつけ、その上を走査して電子検出器25の信号を検出する方法でも、マルチ荷電粒子ビーム9の位置を計測することができる。
CPU26に蓄えられたパターンデータに基づいて、ブランキングアレイ7でのマルチ荷電粒子ビームのオン・オフの制御と、主偏向器17及び副偏向器18の偏向動作を同期させることにより描画が行われる。
このとき、ステージ制御回路23を通じて試料ステージ14は連続移動、またはステップ移動をする。前記一連の動作の全ては、CPU26が制御する。
【0016】
次に、実施例の露光装置における描画動作を説明する。図2は実施例の露光装置が行う描画動作の一例を説明する説明図である。
マルチ荷電粒子ビームによりパターンが描画されるべき試料31は、ここではウエハを例示する。ドット32は、パターン描画の際の最小単位であり、中間像10の各要素ビームの縮小投影像の一例である。
従ってこのドット32は、本例の場合、試料31上にマトリックス状の配列をもって結像している。
ドット32の配列ピッチを例えば4μmに設定した場合には、ドット32を4μm角の領域内(マイクロフィールド33)で副偏向器18によってXY方向に偏向走査して領域内に描画すべきパターンを描画する。
【0017】
ここでは、例えば64×64個の各ドットが同時に各マイクロフィールド33内を描画するように構成されているので、この一連の動作で256μm(4μm×64)角の領域が同時に描画される。
このように構成される領域がサブフィールド34で、更にサブフィールド34で前記主偏向器17を用いてX方向に偏向走査して主フィールド35を得る。
主フィールド35の大きさは前記主偏向器17の偏向幅によって決定されるが、ここでは主偏向器17の偏向幅を約4mmとしている。このようにした場合、主フィールド35はサブフィールド34が一列に並んだ形状となる。
【0018】
主フィールド35を試料ステージ14によってY方向に走査すると、ステージストライプ36が描画される。
ここで、ステージストライプ36上のパターン描画に際しては、試料ステージ14を連続駆動する。
連続駆動に際しては、各主フィールド35の間のパターン繋ぎ、及び主フィールド35内のサブフィールド34間のパターン繋ぎと各サブフィールド34内のパターン描画歪とを抑える。
このために、主偏向器17はY方向の偏向器を用いてマルチ荷電粒子ビーム9を試料ステージ14のY方向の動きに追従させる。このようにステージストライプ36を繰り返し描画することで最終的にウエハ31の描画を終える。
なお主偏向器17は、所謂振り戻しをする2段の偏向器で構成してもよい。
【0019】
次に図1で説明した露光装置において、マルチ荷電粒子ビーム9の特性を検出する方法および電子ビームの特性を補正する方法について説明する。
図3は電子ビーム特性を検出する方法および電子ビーム特性を補正する方法を説明する説明図である。
試料41上に所定のパターンを描画するために予め準備された、マルチ荷電粒子ビームの照射位置設計データが、描画データ記憶手段42に記憶されている。
描画データ記憶手段42に記憶された照射位置設計データと、レーザ干渉測長器43により測定された試料ステージ14の位置データとに基づき、偏向位置計算手段44が、マルチ荷電粒子ビーム9の偏向量つまり偏向位置データを計算する。
そして、偏向位置データに基づき、個別偏向手段45および全体偏向手段46がマルチ荷電粒子ビーム9を偏向させる。
【0020】
画像入力手段47は電子ビームの照射により試料14から発生する電磁波48を画像として取り込む。
ビーム位置および強度計算手段49は、画像入力手段47により取り込まれた画像に基づいて試料41におけるマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置および強度の実測値を求める。
蛍光予測手段50は、電子ビームの照射位置設計データに基づきマルチ荷電粒子ビーム9の照射により試料41から発生する電磁波の強度分布を予測する。
比較演算手段51は照射位置および強度の実測値と電磁波の強度分布予測に基づいて補正量を計算し、その補正量に従って、個別偏向手段45、全体偏向手段46、コンデンサーレンズ群3によりマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置を補正する。
【0021】
試料41は、詳しく図示しないが、マルチ荷電粒子ビーム9が照射されることによって発光するという性質を持つ、例えばY2SIO5:Tbといった蛍光体材料が含有されるか、またはその表面にコーティングされている。
このほかにも、蛍光体材料には、例えばブラウン管の蛍光体材料として用いられているようなZnS:Ag、ZnS:Cu,Y2O2S:Euをはじめとする種々の蛍光体材料を使用することができる。
また、マルチ荷電粒子ビーム9を照射して励起を行った後、発光波長よりも長波長の光を照射することで減衰していた発光が一時的に強くなる性質をもった、所謂、輝尽性蛍光体材料を用いることもできる。
輝尽性蛍光体材料としては、CsI:Na、CaWO4、Gd2O2S:Tb、BaFCl:Euといった材料を用いることができる。以降では、詳しく図示しないが、蛍光体材料を使用するという前提で説明を行う。
【0022】
蛍光体材料は、試料41に含有するか、または表面にコーティングされているほかにも、試料41に塗布したレジストに含有するか、レジスト表面にコーティングされていてもよい。
また、試料41ではなく、図1に示す描画装置の電子ビーム照射部、例えば試料ステージ14に含有するか、またはその表面にコーティングされていてもよい。
一方、これらの蛍光体材料は輝尽性蛍光体材料を含めて多くが絶縁材料であるため、マルチ荷電粒子ビームによって帯電することが知られている。
その対策として、試料41上の蛍光体材料を、例えばアルミニウムのような導電性材料でコーティングを行うと、試料41上への帯電を効果的に予防して、マルチ荷電粒子ビームの照射位置のドリフト等を少なくすることができる。
【0023】
検出部である画像入力手段47は、マルチ荷電粒子ビーム9を試料41に照射することによって発生する光を検知するためのものでもある。
試料41上の蛍光体材料表面の発光状態を観察するカメラやCCD等を用いることができる。
蛍光体材料として輝尽性蛍光体材料を用いた場合には、発光を観察するために輝尽性蛍光体材料の発光波長よりも長波長に光を輝尽性蛍光体材料表面に照射する必要があるため、画像入力手段47とともに照明装置52を別途設け、照明53を行う。
輝尽性蛍光体材料は、照明装置52からの照明53を受けた際、その蛍光性の性質により発光を示し、その発光を画像入力手段47に入力する。
画像入力手段47は、上記発光がマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置に一致する設定の場合、輝尽性蛍光体材料の発光に基づいてマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置を検出することが可能である。
【0024】
個別偏向手段45は図1を用いて説明した個別偏向制御回路11により個別に駆動されるレンズアレイ5、個別偏向器6、ブランキングアレイ7に対応している。
全体偏向手段46は図1を用いて説明した全体偏向制御回路21により駆動される第1投影レンズ12、第2投影レンズ13、投影レンズ16、主偏向器17、副偏向器18、動的焦点補正器19、動的非点補正器20と対応している。
【0025】
以下、図3を参照して、試料41の蛍光体材料から発生する蛍光48を画像入力手段47により画像として取り込むと共に、ビーム位置および強度計算手段49により求めたビーム照射位置をマルチ荷電粒子ビーム9の偏向制御により補正する場合の具体例について説明する。
まず、予め描画データ記憶手段42に記憶された照射位置設計データとレーザ干渉測長器43により測定された試料ステージ14の位置データとに基づき、偏向位置計算手段44が偏向位置データを計算する。
その偏向位置データに基づき、個別偏向手段45及び全体偏向手段46がマルチ荷電粒子ビーム9を偏向させることで、試料41に描画が行われる。この描画動作は、電子ビーム描画装置の投影系の光軸上で行われる。
【0026】
描画が終了した後、試料41を画像入力手段47の計測軸上に移動させる。この動作は試料ステージ14の移動54によって行う。
実施例に示すような軸外での計測系を用いる場合、軸外の計測系の計測軸と前記投影系の光軸との位置関係(ベースライン55)の変動が問題となり得る。このため、ベースライン55の計測は適宜行われていて、その影響は補正されているものとする。
試料41の蛍光体材料の発光48は画像入力手段47によって、画像として取り込まれる。これによりマルチ荷電粒子ビーム9の正確な照射位置を認識することが可能となる。
【0027】
次に、ビーム位置および強度計算手段49は、画像入力手段47から出力された画像信号をもとに、試料41におけるマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置の実測値を求める。
また、画像データ記憶手段42に記憶されたマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置設計データに基づき、蛍光予測手段50が設計上のマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置を計算する。
次いで比較演算手段51が、照射位置実測値と設計上のマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置とを比較することにより、試料41における照射位置実測値の設計上のマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置からのズレ量を求める。
その後、偏向位置計算手段44がズレ量を補正するようにマルチ荷電粒子ビーム9の偏向位置データを計算し、個別偏向手段45及び全体偏向手段46によってマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置が補正される。
【0028】
次に、図3を参照して、試料41の蛍光体材料から発生する蛍光48を画像入力手段47により画像として取り込むと共に、ビーム位置および強度計算手段49により求めたビーム照射強度をコンデンサレンズ群3により補正する場合の具体例について説明する。
まず、予め描画データ記憶手段42に記憶された照射位置設計データとレーザ干渉測長器43により測定された試料ステージ14の位置データとに基づき、偏向位置計算手段44が偏向位置データを計算する。
その偏向位置データに基づき、個別偏向手段45及び全体偏向手段46がマルチ荷電粒子ビームを偏向させることで、試料41に描画が行われる。この描画動作は、電子ビーム描画装置の投影系の光軸上で行われる。
【0029】
描画が終了した後、試料41を画像入力手段47の計測軸上に移動させる。この動作は試料ステージ14の移動54によって行う。
実施例に示すような軸外での計測系を用いる場合、同じく、軸外の計測系の計測軸と前記投影系の光軸との位置関係(ベースライン55)の変動が問題となり得る。このため、ベースライン55の計測は適宜行われていて、その影響は補正されているものとする。
試料41の蛍光体材料の発光48は画像入力手段47によって、画像として取り込まれる。これによりマルチ荷電粒子ビーム9の正確な照射位置を認識することが可能となる。
【0030】
次いでビーム位置および強度計算手段49は、画像入力手段47から出力された画像信号をもとに、試料41におけるマルチ荷電粒子ビーム9の照射強度の実測値を求める。
また、画像データ記憶手段42に記憶されたマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置設計データに基づき、蛍光予測手段50が設計上のマルチ荷電粒子ビーム9の照射強度を計算する。
次いで比較演算手段51が、照射強度実測値と設計上のマルチ荷電粒子ビーム9の照射強度とを比較することにより、試料41における照射強度実測値の設計上のマルチ荷電粒子ビーム9の照射強度とのズレ量を求める。
このずれ量はマルチ荷電粒子ビーム9の照射強度の不均一性を示すものである。従って、ここでコンデンサレンズ群3のズームレンズを使用して、そのずれ量に基づいて、電子ビーム2の照射倍率を変更することによって、マルチ荷電粒子ビーム9の照射強度の不均一性を補正する。
【0031】
次に、実施例おけるマルチ荷電粒子ビームの補正方法について説明する。マルチビーム方式の電子ビーム描画装置のビーム本数は、図1で示す64×64=4096本が好ましい。しかしここでは説明を分かり易くするため4×4=16本である場合を例示する。
尚、図2で説明した描画動作のうち、サブフィールド34の描画中に発生する問題として考えられるものとして、照射位置設計データ上のサブフィールド34の座標系と、実際に描画されたサブフィールド34の座標系の間の不一致が挙げられる。
図4は、16本の電子ビームを用いて、サブフィールド34を描画する場合の設計データの一例を説明する説明図である。ここでは、予め準備された設計データは十字マーク60であり、試料41には十字マーク60を描画する場合を例示する。
【0032】
図4中の点線61は、十字マーク60の中心を結んだものであり、設計上の座標系である。斜線部分62は、1本の電子ビームが描画を担当するマイクロフィールド33を示している。
試料41に描画して得られる実際の座標系が、点線61で示す設計上の座標系と重なっていれば、マルチ荷電粒子ビーム9の照射位置は設計通りであるといえるが、重なっていない場合には、マルチ荷電粒子ビーム9の照射位置の補正が必要となる。
【0033】
図5は、画像入力手段47で検出した発光の位置データから得られた実際の座標系と、設計上の座標系との差を説明する説明図である。
本例では、設計上の座標系70と発光から得られる実際の座標系71とは一致しておらず、実際に描画した十字マーク72は正規の位置にない。設計上の座標の一点73に対し実際の座標の一点74の位置は相違する。
従って設計上の座標系70と蛍光体材料の発光から得られる実際の座標系71との間にはズレ量dijが存在しており、16個全ての十字マーク60の位置で所謂図5中にdijに示すようなズレ量の発生を認識する。
【0034】
次いで全ての十字マーク位置に対するズレ量dijをパラメータとして記憶しておく。
この後、そのパラメータと、例えば誤差の最小2乗法といった統計的な手法を用いて、ズレ量dijが全体として最も小さくなるような補正量を求め、この補正量に従って、偏向位置計算手段44がマルチ荷電粒子ビーム9の偏向位置データを計算する。
次いで全体偏向手段46を用いてマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置を補正する。即ちここでは誤差の最小2乗法を用いることにより、発光から得られる実際の座標系71と設計上の座標系70とのシフト、回転、倍率といった制御でズレ量の原因を取り除く。
【0035】
図5を用いて説明した統計的手法を用いて、全体偏向手段46により電子ビーム照射位置を補正する方法では、全体のマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置を補正することは可能であるが、個々のマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置の個々の補正は行わなかった。
図6は、図5を用いて説明した統計的手法を用いて全体のマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置を補正した後の、画像入力手段47で検出した発光の位置データから得られた十字マークの座標系と、設計上の座標系との差の一例を説明する説明図である。
図6に示すように、設計上の座標系80に対し実際に描画した十字マーク81にはずれが生じているものとする。
即ち図5に示した設計上の座標系70と発光から得られる実際の座標系71は、図5を用いて説明した補正の結果、設計上の座標80に一致する。しかし、何点かの十字マーク81の位置と設計上の座標80の格子点の位置は異なっている。
【0036】
しかし、この場合、全ての十字マーク81の位置に対するこれらのずれ量を例えばSijという個々のパラメータとして記憶しておく。
これらのパラメータを、個々の電子ビーム照射位置の補正量として、この補正量に従って、偏向位置計算手段44が個々のマルチ荷電粒子ビーム9の偏向位置データを計算し、個別偏向手段45を用いて不正確なマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置を個々に補正する。
【0037】
一方、マルチ荷電粒子ビーム9の照射強度を補正する場合、コンデンサレンズ3のズームレンズを使用してマルチ荷電粒子ビーム9照射倍率を変更する方法では、マルチビーム全体のマルチ荷電粒子ビーム9の強度を補正することは可能であるが、個々のマルチ荷電粒子ビーム9の照射強度を個々には補正しなかった。
しかし、画像入力処理手段47で検出した発光の強度データから得られたマルチ荷電粒子ビーム9の照射強度実測値から、個々のマルチ荷電粒子ビーム9の照射強度の実測値と個々のマルチ荷電粒子ビーム9の照射時間の積が一定になるように、個別偏向器6の制御を行なう。
このような制御を行なうと、試料41上に照射されるマルチ荷電粒子ビーム9のエネルギー量を一定にすることができる。
【0038】
以上で、図5及び図6を用いて、サブフィールド内のマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置の補正について説明を行った。
図2を用いて説明したように、サブフィールド34を一つの単位として、サブフィールド34を複数描画することで、主フィールド35、及びステージストライプ36が構成される。
しかし、サブフィールド34を複数描画する際には、主偏向器17による偏向量が問題となり得る。
【0039】
図7はサブフィールドを複数描画する場合を説明する説明図である。図2を用いて説明したように、主偏向器17を用いてX方向に偏向走査することでサブフィールド34が複数描画され、主フィールド35が得られた。
図7に示すように、サブフィールド90(90a,90b,90c)には、設計上の十字マークの座標系91(91a,91b,91c)がある。
設計上の十字マークの座標系91(91a,91b,91c)には、16個の十字マークの設計上の重心位置92があり、実際の座標系として複数の十字マーク93(93a,93b,93c)が描画されている。
また、実際の座標系にも、実際に描画した十字マーク93のうち、サブフィールド90の中心の4つの十字マークから求めた実際の重心位置94が存在する。
【0040】
サブフィールド90aを描画した後、主偏向器17によってX方向に偏向走査され、サブフィールド90b、続いてサブフィールド90cの描画が行われる。
実際の重心位置94は画像入力手段47で検出した蛍光体材料からの発光の位置データから得られたものである。
設計上の重心位置92と実際の重心位置94の差異をパラメータとして記憶し、このパラメータを用いて、全体偏向制御回路21で主偏向器17の偏向位置を調整する。
即ち実際の重心位置94が設計上の重心位置92と同じになるよう、マルチ荷電粒子ビーム9の照射位置の補正を行う。
【0041】
以上説明したとおり、実施例によれば、マルチ荷電粒子ビーム9の照射位置から発光する発光体材料を用いることによって、マルチ荷電粒子ビーム9の照射状態を光情報として変換し画像入力手段47でマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置や照射強度の情報を得ることができる。
これらの情報を、全体偏向制御回路21、個別偏向制御回路11等にフィードバックしてマルチ荷電粒子ビーム9の制御(位置補正や強度補正)を行うことによって、常時、マルチ荷電粒子ビーム9の照射状態を最適状態に設定することができる。
その結果、安定した高精度のマルチ荷電粒子ビーム9の照射位置や強度を得ることができ、例えば露光装置に適用した例では安定した高精度の露光処理を行うことが可能となり、露光処理の信頼性を向上させることができる。
【0042】
尚、実施例のマルチ荷電粒子ビーム9の計測方法及び補正方法は、描画装置に限定されるものではなく、マルチ荷電粒子ビーム9を用いた他の装置にも適用できる。
また、いずれの例もマルチ荷電粒子ビーム9での場合について述べたが、本発明は、例えばイオンビーム等ほかの荷電粒子ビーム9でも同様の効果が得られる。
また、実施例では予め決めていたパターンとして、十字マークを用いて説明を行ってきたが、使用するマークは、十字マークに限らず、任意の形状のマークを使用することができる。
【0043】
(デバイス製造方法の実施例)
次に、図8及び図9を参照して、上述の露光装置を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。
図8は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは半導体チップの製造方法を例に説明する。
ステップS1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップS2(マスク製作)では設計した回路パターンに基づいてマスクを製作する。ステップS3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
ステップS4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウエハを用いて、前記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。
【0044】
ステップS5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップS4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。
ステップS6(検査)では、ステップS5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、それが出荷(ステップS7)される。
【0045】
図9は、図8に示すステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップS11(酸化)では、ウエハの表面を酸化させる。ステップS12(CVD)では、ウエハの表面に絶縁膜を形成する。
ステップS14(イオン打ち込み)では、ウエハにイオンを打ち込む。ステップS15(レジスト処理)では、ウエハに感光剤を塗布する。ステップS16(露光)では、露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに露光する。
ステップS17(現像)では、露光したウエハを現像する。ステップS18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップS19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらのステップを繰り返し行うことによってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0046】
デバイス製造方法の実施例では、前記の露光処理に信頼性の高い露光装置を使用するため、高精度で信頼性の高いデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例のマルチ荷電粒子ビームの計測方法を適用した電子ビーム描画装置を含む露光装置の概略的な構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施例の露光装置が行う描画動作の一例を説明する説明図である。
【図3】本発明の実施例の電子ビームの特性を検出する方法および電子ビームの特性を補正する方法を説明する説明図である。
【図4】本発明の実施例の16本の電子ビームを用いて、サブフィールド34を描画する場合の設計データの一例を説明する説明図である。
【図5】本発明の実施例の画像入力手段で検出した発光の位置データから得られた実際の座標系と、設計上の座標系との差を説明する説明図である。
【図6】本発明の実施例の全体の電子ビーム照射位置を補正した後の、画像入力手段47で検出した発光の位置データから得られた十字マークの座標系と、発光から得られる設計上の座標系との差の一例を説明する説明図である。
【図7】本発明の実施例のサブフィールドを複数描画する場合を説明する説明図である。
【図8】本発明の実施例の露光装置を使用したデバイスの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に示すフローチャートのステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 電子銃 2 電子ビーム 3 コンデンサーレンズ群
4 アパーチャアレイ 5 レンズアレイ 6 個別偏向器
7 ブランキングアレイ 8 ブランキング絞り
9 マルチ荷電粒子ビーム 10 中間像 11 個別偏向制御回路
12 第1投影レンズ 13 第2投影レンズ
14 試料ステージ 15 試料 16 投影レンズ
17 主偏向器 18 副偏向器 19 動的焦点補正器
20 動的非点補正器 21 全体偏向制御回路 22 ファラデーカップ
23 ステージ制御回路 24 位置計測用マーク 25 電子検出器
26 CPU 27 検出回路 31 試料
32 ドット 33 マイクロフィールド 34 サブフィールド
35 主フィールド 36 ステージストライプ 41 試料
42 描画データ記憶手段 43 レーザ干渉測長器 44 偏向位置計算手段
45 個別偏向手段 46 全体偏向手段 47 画像入力手段
48 電磁波 49 ビーム位置および強度計算手段
50 蛍光予測手段 51 比較演算手段 52 照明装置
53 照明 54 移動 55 ベースライン
60 十字マーク 61 設計上の座標系 62 マイクロフィールド
70 設計上の座標系 71 実際の座標系
72 実際に描画した十字マーク
73 設計上の座標の一点 74 実際の座標の一点
80 設計上の座標系 81 実際の描画した十字マーク
90 サブフィールド 91 設計上の座標系 92 設計上の重心位置
93 十字マーク 94 実際の重心位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチ荷電粒子ビームの計測方法であって、
予め準備された照射データに基づいて前記マルチ荷電粒子ビームを照射し、
ビーム照射により発光する蛍光体材料を含む試料を有し、前記マルチ荷電粒子ビームが照射される前記試料上の被照射部からの発光を検出し、前記マルチ荷電粒子ビームの特性を検出することを特徴とするマルチ荷電粒子ビームの計測方法。
【請求項2】
前記マルチ荷電粒子ビームの特性として、前記被照射部の発光強度から前記荷電粒子ビームのビーム強度を求めることを特徴とする請求項1記載のマルチ荷電粒子ビームの計測方法。
【請求項3】
前記マルチ荷電粒子ビームの特性として、前記被照射部の発光位置から前記荷電粒子ビームのビーム位置を求めることを特徴とする請求項1記載のマルチ荷電粒子ビームの計測方法。
【請求項4】
前記マルチ荷電粒子ビームの特性に基づき、前記荷電粒子ビームの制御を行うことを特徴とする請求項2または3記載のマルチ荷電粒子ビームの計測方法。
【請求項5】
前記マルチ荷電粒子ビームの制御は、前記荷電粒子ビームの照射位置の実際の座標系と、照射位置データに基づく設計上の座標系との相関関係を示すパラメータを算出し、前記パラメータを用いて行うことを特徴とする請求項4記載のマルチ荷電粒子ビームの計測方法。
【請求項6】
前記蛍光体材料は、輝尽性蛍光体であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマルチ荷電粒子ビーム計測方法。
【請求項7】
前記マルチ荷電粒子ビームを照射するタイミングと、前記蛍光体材料の発光を検出するタイミングが異なることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のマルチ荷電粒子ビーム計測方法。
【請求項8】
マルチ荷電粒子ビームを発生する発生装置と、
ビームの照射により発光する蛍光体材料を含む試料を有し、前記マルチ荷電粒子ビームが照射される前記試料上の被照射部と、
前記被照射部において発光された光が導入されて前記マルチ荷電粒子ビームの特性を検出する検出部と、を有することを特徴とする露光装置。
【請求項9】
前記マルチ荷電粒子ビームの特性として、前記被照射部の発光強度から前記荷電粒子ビームのビーム強度を求めることを特徴とする請求項8記載の露光装置。
【請求項10】
前記マルチ荷電粒子ビームの特性として、前記被照射部の発光位置から前記荷電粒子ビームのビーム位置を求めることを特徴とする請求項8記載の露光装置。
【請求項11】
前記マルチ荷電粒子ビームの特性に基づき、前記荷電粒子ビームの制御を行う構成とすることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の露光装置。
【請求項12】
前記マルチ荷電粒子ビームの制御は、前記荷電粒子ビームの照射位置の実際の座標系と、照射位置データに基づく設計上の座標系との相関関係を示すパラメータを算出し、前記パラメータを用いて行う構成とすることを特徴とする請求項11記載の露光装置。
【請求項13】
前記蛍光体材料は、輝尽性蛍光体であることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載の露光装置。
【請求項14】
前記マルチ荷電粒子ビームを照射するタイミングと、前記蛍光体材料の発光を検出するタイミングが異なることを特徴とする請求項8から13のいずれかに記載の露光装置。
【請求項15】
請求項8から14のいずれかに記載の露光装置を用いてウエハを露光する工程と、
前記ウエハを現像する工程とを備えることを特徴とするデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−41890(P2008−41890A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213433(P2006−213433)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】