説明

ミシン、刺繍データ作成装置、及び刺繍データ作成プログラム

【課題】特有の字体の文字からなる文字列の刺繍模様を容易に縫製することができるミシン、特有の字体の文字からなる文字列の刺繍模様を縫製するための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置、及び刺繍データ作成プログラムを提供する。
【解決手段】ミシンは、文字を含む画像を取り込み、画像に含まれている文字を表す文字図柄を一文字分ずつ抽出する。抽出された文字図柄のサイズが調整され(S23)、所定の大きさとされる。所定の大きさとされた文字図柄を刺繍模様として縫製するための刺繍データが、文字の種別が同一である標準文字刺繍データに設定された設定情報に基づいて作成される(S31)。標準文字刺繍データに含められている設定情報は、刺繍模様の品質が良好となるように調整されている。従って、設定情報に基づいて作成された刺繍データに基づいて縫製された刺繍模様の品質は良好となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刺繍模様の縫製を行うことができるミシン、刺繍模様を縫製するためのデータを作成する刺繍データ作成装置、及び刺繍データ作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが所望する図柄に基づいて刺繍模様を縫製するミシン、及び、刺繍模様を縫製するための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置が知られている。例えば特許文献1には、ユーザが所望する図柄を取り込み、取り込まれた図柄を刺繍模様として縫製するための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置が記載されている。この刺繍データ作成装置は、取り込まれた図柄から文字を認識し、字体の異なる他の文字に置き換えることができる。これによって刺繍データ作成装置は、字体の異なる文字を含む図柄の刺繍模様を縫製するための刺繍データを作成することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−76664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特有の字体の文字を予めミシンに取り込んでおき、取り込んでおいた文字を自由に組み合わせて文字列を作成し、この文字列の刺繍模様をミシンによって縫製したいという要望がある。特有の字体の文字として、例えば手書きの文字が相当する。しかしながら特許文献1に記載された装置は、特有の字体の文字を予め取り込んでおくことができないので、特有の字体の文字からなる文字列を縫製するための刺繍データを作成することができないという問題点がある。
【0005】
なお、特有の字体の文字からなる文字列をそのまま取り込むことによって刺繍データを作成した後、文字列の中の特定の文字のみを別の文字に変更して縫製を行いたい場合もある。この場合には、文字列の大部分が共通であるにも関わらず、文字列全体を再度取り込み、刺繍データを作成し直す必要がある。このように、特許文献1に記載された装置は、刺繍データの作成、及び縫製を効率的に行うことができないという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、特有の字体の文字からなる文字列の刺繍模様を容易に縫製することができるミシン、特有の字体の文字からなる文字列の刺繍模様を縫製するための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置、及び刺繍データ作成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係るミシンは、文字を含む画像を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記画像から、前記文字を表す図柄である文字図柄を一文字分ずつ抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記文字図柄を、所定の大きさの刺繍模様として縫製するための刺繍データを作成する作成手段と、縫製を行う前記文字図柄を指定する指令を受け付けた場合に、前記文字図柄の刺繍模様を縫製するための刺繍データを、前記作成手段によって作成された前記刺繍データの中から選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前記刺繍データに基づき、前記文字図柄の刺繍模様の縫製を行う縫製手段とを備えている。
【0008】
第一態様によれば、ミシンは、画像に含まれる文字の字体を変更することなくそのまま抽出し、抽出した文字を表す文字図柄の刺繍模様を縫製することができる。このためユーザは、ミシンに予め登録されていない字体の文字、例えば、使用者による手書き文字や特殊なフォントの文字の刺繍模様を縫製することができる。またミシンは、刺繍データを一文字分ずつ作成するため、複数の文字図柄を自由に組み合わせた刺繍模様を容易に縫製することができる。さらにミシンは、画像に含まれている文字図柄の大きさが不規則である場合も、文字図柄の刺繍模様を一定の大きさで縫製することができる刺繍データを作成する。このためユーザは、複数の文字を並べた文字列の刺繍模様を縫製する場合に、文字の大きさを揃えて縫製することができるので、統一感のある美しい刺繍模様を縫製することができる。
【0009】
また第一態様において、標準書体の文字を刺繍模様として縫製するための標準文字刺繍データを予め記憶する第一記憶手段と、前記抽出手段によって抽出された前記文字図柄によって示される文字の種別を特定する特定手段とを備え、前記作成手段は、前記特定手段によって特定された前記文字の種別に対応する前記標準文字刺繍データを、前記第一記憶手段から選択し、選択された前記標準文字刺繍データに含まれる設定情報に基づき、前記刺繍データを作成してもよい。これによってミシンは、標準文字刺繍データに基づいて刺繍データを作成することができるので、仕上がりの良好な刺繍模様を縫製することができる。
【0010】
また第一態様において、前記設定情報には、縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点の設定情報が含まれていてもよい。これによってミシンは、文字図柄の刺繍模様における縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点を、標準文字刺繍データと類似させることができる。これによってミシンは、更に仕上がりの良好な刺繍模様を縫製することができる。
【0011】
また第一態様において、前記作成手段は、前記抽出手段によって抽出された前記文字図柄の大きさを所定の大きさに変更するサイズ変更手段を備え、前記サイズ変更手段により変更された前記文字図柄の刺繍模様を縫製するための刺繍データを作成してもよい。これによってミシンは、文字図柄の大きさを調整した後、刺繍データを作成するので、縫製される刺繍模様の大きさを確実に均一化することができる。
【0012】
また第一態様において、前記作成手段によって作成された前記刺繍データを、第二記憶手段に記憶する記憶制御手段を備え、前記選択手段は、縫製を行う前記文字図柄を組み合せて指定する指示を受け付けた場合に、前記文字図柄の刺繍模様を縫製するための刺繍データを、前記第二記憶手段に記憶された前記刺繍データの中から選択してもよい。これによってユーザは、一文字単位で作成された刺繍データを、第二記憶手段から自由に選択し、文字列を作成することができる。これによってユーザは、所望する字体の文字からなる文字列を自由に作成し、文字列の刺繍模様の刺繍を行うことができる。
【0013】
本発明の第二態様に係る刺繍データ作成装置は、文字を含む画像を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記画像から、前記文字を表す図柄である文字図柄を一文字分ずつ抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記文字図柄を、所定の大きさの刺繍模様として縫製するための刺繍データを作成する作成手段とを備えている。
【0014】
第二態様によれば、刺繍データ作成装置は、画像に含まれる文字の字体を変更することなくそのまま抽出し、抽出した文字を表す文字図柄の刺繍模様を縫製する刺繍データを作成することができる。このためユーザは、刺繍データをミシンに適用することによって、ミシンに予め登録されていない字体の文字、例えば、使用者による手書き文字や特殊なフォントの文字の刺繍模様を縫製することができる。また刺繍データ作成装置は、刺繍データを一文字分ずつ作成するため、ミシンにおいて複数の文字図柄を自由に組み合わせて刺繍模様を縫製することを容易化できる。さらに刺繍データ作成装置は、画像に含まれている文字図柄の大きさが不規則である場合も、文字図柄の刺繍模様を所定の大きさで縫製することができる刺繍データを作成する。このためユーザは、刺繍データをミシンに適用することによって、複数の文字を並べた文字列の刺繍模様を縫製する場合に、文字の大きさを揃えて縫製することができるので、統一感のある美しい刺繍模様を縫製することができる。
【0015】
また第二態様において、標準書体の文字を刺繍模様として縫製するための標準文字刺繍データを予め記憶する第一記憶手段と、前記抽出手段によって抽出された前記文字図柄によって示される文字の種別を特定する特定手段とを備え、前記作成手段は、前記特定手段によって特定された前記文字の種別に対応する前記標準文字刺繍データを、前記第一記憶手段から選択し、選択された前記標準文字刺繍データに含まれる設定情報に基づき、前記刺繍データを作成してもよい。これによって刺繍データ作成装置は、標準文字刺繍データに基づいて刺繍データを作成することができるので、この刺繍データをミシンに適用することによって、仕上がりの良好な刺繍模様を縫製することができる。
【0016】
また第二態様において、前記設定情報には、縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点の設定情報が含まれていてもよい。これによって刺繍データ作成装置は、文字図柄の刺繍模様における縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点が、標準文字刺繍データと類似する刺繍データを作成することができる。このように作成された刺繍データをミシンに適用することによって、更に仕上がりの良好な刺繍模様を縫製することができる。
【0017】
また第二態様において、前記作成手段は、前記抽出手段によって抽出された前記文字図柄の大きさを所定の大きさに変更するサイズ変更手段を備え、前記サイズ変更手段により変更された前記文字図柄の刺繍模様を縫製するための刺繍データを作成してもよい。これによって刺繍データ作成装置は、文字図柄の大きさを調整した後、刺繍データを作成するので、このように作成された刺繍データをミシンに適用することによって、縫製される刺繍模様の大きさを確実に均一化することができる。
【0018】
本発明の第三態様に係る刺繍データ作成プログラムは、第二態様に記載の刺繍データ作成装置の各種処理手段として、刺繍データ作成装置のコンピュータを機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ミシン1の概要を示す斜視図である。
【図2】針棒6、縫針7、押え棒91及び押え足92の近傍を示す左側面図である。
【図3】ミシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】文字Bの刺繍模様41を示す図である。
【図5】文字取り込み処理を示すフローチャートである。
【図6】文字取り込み処理を示すフローチャートであって、図5の続きである。
【図7】ミシン1に取り込まれる画像50及び文字51を示す図である。
【図8】二値化された二値化画像70及び文字図柄53を示す図である。
【図9】文字図柄55を示す図である。
【図10】文字図柄56を示す図である。
【図11】文字Bの刺繍模様44を示す図である。
【図12】縫製処理を示すフローチャートである。
【図13】縫製された刺繍模様58を示す図である。
【図14】文字図柄57を示す図である。
【図15】縫製された刺繍模様59を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。ミシン1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。以下の説明では、図1の右斜め下方、左斜め上方、右斜め上方、及び左斜め下方を、其々、ミシン1の前方、後方、右方、及び左方という。
【0021】
図1に示すように、ミシン1は、ベッド部11、脚柱部12、アーム部13および頭部14を有する。ベッド部11は、左右方向に長い、ミシン1の土台部である。脚柱部12は、ベッド部11の右端部から上方へ延びる。アーム部13は、ベッド部11に対向して脚柱部12の上端から左方へ延びる。頭部14は、アーム部13の左先端に連結する部位である。ベッド部11の上面には、針板(図示略)が配設されている。針板の下側(つまり、ベッド部11内)には、図示しない送り歯、送り機構、釜機構、および送り量調整用パルスモータ78(図3参照)が設けられている。送り歯は、送り機構によって駆動されて、加工布を所定の送り量で移送する。送り歯の送り量は、送り量調整用パルスモータ78によって調整される。
【0022】
ベッド部11の上側には、加工布100を保持する刺繍枠34を配置可能である。刺繍枠34は、内枠と外枠とで加工布100を挟持して保持する周知の構成を有する。刺繍枠34を移送する刺繍枠移送装置33は、周知の構成であるので簡単に説明する。刺繍枠移送装置33は、ベッド部11に対して着脱可能である。刺繍枠移送装置33の上部には、前後方向に延びるキャリッジ35が設けられる。キャリッジ35の内部には、刺繍枠34を着脱可能な枠ホルダ(図示略)と、枠ホルダを前後方向(Y方向)に移送するY軸移送機構(図示略)とが設けられている。Y軸移送機構は、Y軸モータ84(図3参照)により駆動される。
【0023】
刺繍枠移送装置33の本体内には、キャリッジ35を左右方向(X方向)に移送するX軸移送機構(図示略)が設けられている。X軸移送機構は、X軸モータ83(図3参照)により駆動される。キャリッジ35が左右方向(X方向)に移送されるのに伴って、刺繍枠34が左右方向(X方向)に移送される。
【0024】
刺繍枠34が左右方向(X方向)および前後方向(Y方向)に移送されるのと併せて、針棒6(図2参照)や釜機構(図示略)が駆動されることで、針棒6に装着された縫針7(図2参照)により、刺繍枠34に保持された加工布100に対して刺繍模様が縫製される。刺繍模様ではない通常の実用模様の縫製時には、ベッド部11から刺繍枠移送装置33が取り外された状態で、送り歯により加工布が移動されながら縫製が行われる。
【0025】
脚柱部12の前面には、縦長の長方形状の液晶ディスプレイ(以下、LCDという)15が設けられている。LCD15には、コマンド、イラスト、設定値、メッセージ等の様々な項目を含む画像が表示される。LCD15の前面側には、タッチパネル26が設けられている。ユーザが、指や専用のタッチペンを用いてタッチパネル26の押圧操作を行うと(以下、この操作を「パネル操作」と言う。)、タッチパネル26によって検知される押圧位置に対応して、どの項目が選択されたかが認識される。ユーザは、このようなパネル操作によって、縫製したい模様や実行すべきコマンドを選択できる。
【0026】
アーム部13は、その上部に、開閉可能なカバー16を備えている。カバー16の下方、つまりアーム部13内の略中央部には、糸駒20が収容される凹部である糸収容部18が設けられている。糸収容部18の脚柱部12側の内壁面には、頭部14に向かって左方へ突出する糸立棒19が設けられている。糸駒20は、その挿入孔(図示略)に糸立棒19が挿入された状態で、糸収容部18に装着される。
【0027】
糸駒20に巻回された上糸(図示略)は、糸駒20から、頭部14に設けられた糸掛部(図示略)を経由して、針棒6に装着された縫針7(図2参照)に供給される。針棒6は、頭部14内に設けられた針棒上下動機構(図示略)により、上下動するように駆動される。針棒上下動機構は、ミシンモータ79(図3参照)により回転駆動する主軸(図示略)によって駆動される。頭部14の下端部からは、加工布100を押える押え足92が交換可能に装着される押え棒91が下方に延びている。また、アーム部13の前面下部には、開始・停止スイッチ32を含む複数の操作スイッチが設けられている。
【0028】
図3を参照して、ミシン1の電気的構成について説明する。ミシン1の制御部60は、CPU61、ROM62、RAM63、EEPROM64、外部アクセスRAM68、カードスロット17、入力インターフェイス65、および出力インターフェイス66を含み、これらはバス67により相互に電気的に接続されている。入力インターフェイス65には、電源スイッチ31、開始・停止スイッチ32を含む複数の操作スイッチ、及びタッチパネル26等が電気的に接続されている。
【0029】
ROM62は、ミシン1の動作を制御するための各種プログラムを記憶している。CPU61は、ROM62に記憶されたこれらのプログラムに従って、各種のデータをRAM63に一時的に記憶させながら、各種演算および処理を実行する。また、ROM62には、標準書体の文字を刺繍模様として縫製するための標準文字刺繍データが記憶されている。標準文字刺繍データには、縫針7が加工布100に刺さる位置である針落ち点を示すデータが含まれている。また標準文字刺繍データには、刺繍模様の縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点が含まれている。縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点の詳細は後述する。以下、縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点を設定情報ともいう。ミシン1は、標準文字刺繍データに基づいて、標準書体の文字を刺繍模様として縫製することができる。
【0030】
図4を参照し、標準文字刺繍データに含まれる設定情報について説明する。図4は、標準文字刺繍データに基づいて加工布100(図1参照)に縫製された刺繍模様の一例である、文字Bの刺繍模様41を示している。刺繍模様41は、矢印42、43の順で針落ち点に縫針7を刺すことによって縫製されている。矢印42、43によって示される方向、及び、矢印42、43の順で縫製を行うことを示す情報が、縫い順序に相当する。矢印42の開始点421及び終了点422の位置を示す情報が、其々、縫製開始点及び縫製終了点に相当する。同様に、矢印43の開始点431及び終了点432の位置を示す情報が、其々、縫製開始点及び縫製終了点に相当する。
【0031】
設定情報(縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点)は、標準文字刺繍データに基づいて加工布100に縫製される刺繍模様41の品質が良くなるように、其々のパラメータが調整されている。具体的には次のとおりである。設定情報は、できるだけ渡り糸や下縫いが発生しないように、言い換えれば、一筆書きになるように縫製するように、パラメータが調整されている。これによって、刺繍模様41内で縫製方向に違いが発生したり、刺繍模様41内に境界線が発生したりすることを防止し、刺繍模様41の品質を高めている。また設定情報は、できるだけ文字Bの下側で縫製が終了するように、パラメータが調整されている。これによって、文字Bに複数の文字を組み合せた文字列の刺繍模様が縫製された場合において、各文字の刺繍模様間の渡り糸が刺繍模様上を通過することを防止し、刺繍模様の品質を高めている。加えて、ユーザによる渡り糸の除去作業を最小限に抑制している。
【0032】
図3に示すように、カードスロット17には、メモリカード171が挿入される。CPU61は、外部アクセスRAM68を介して、メモリカード171に記憶された情報を取り込むことができる。本発明では、ユーザは、所望する書体の文字を刺繍模様としてミシン1に縫製させるために、所望する書体の文字を一以上含む画像をメモリカード171に記憶する。所望する書体の文字として、例えばユーザによって手書きされた文字や、ユーザが自作したフォント文字等が挙げられる。CPU61は、メモリカード171に記憶された画像を取り込み、画像に含まれる文字を刺繍模様として縫製するための刺繍データを、一文字分ずつ作成する。刺繍データは、ROM62に記憶された標準文字刺繍データに含まれる設定情報に基づいて作成される。刺繍データの作成方法の詳細については後述する。作成された刺繍データは、EEPROM64に記憶される。
【0033】
出力インターフェイス66には、駆動回路71〜74、85および86が電気的に接続されている。駆動回路71は、送り量調整用パルスモータ78を駆動させる。駆動回路72は、ミシンモータ79を駆動させる。駆動回路73は、針棒6を揺動させる針棒揺動機構(図示略)を駆動する針振りパルスモータ80を駆動させる。ただし、刺繍模様の縫製時には、送り量調整用パルスモータ78及び針振りパルスモータ80は駆動されない。駆動回路74は、LCD15を駆動させる。駆動回路85および86は、刺繍枠34を移送するためのX軸モータ83およびY軸モータ84を夫々駆動する。
【0034】
図5から15を参照し、ミシン1で行われる文字取り込み処理及び縫製処理について説明する。文字取り込み処理は、メモリカード171に記憶された文字の画像に基づいて刺繍データを作成する処理である。縫製処理は、作成された刺繍データに基づいて刺繍模様の縫製を行う処理である。以下に各処理の詳細を説明する。
【0035】
図5及び6を参照し、文字取り込み処理について説明する。文字取り込み処理は、カードスロット17にメモリカード171が差し込まれた場合に、ROM62に記憶された文字取り込み処理用のプログラムが起動されて開始される。そして、CPU61がこのプログラムを実行することにより行われる。図5に示すように、はじめに、メモリカード171に記憶された画像が取り込まれる(S11)。取り込まれた画像は、RAM63に記憶される。以下、図7に示すユーザによる手書きの文字51「1年さくら組 山田太郎」を含む画像50が取り込まれ、RAM63に記憶されたことを想定し、図7から10を参照しつつ説明する。
【0036】
図5に示すように、RAM63に記憶された画像50(図7参照)は、画像50に含まれる文字51(図7参照)を認識するために二値化画像70(図8参照)に変換される(S13)。二値化画像70への変換方法として、周知の様々な方法を用いることができる。例えば、閾値によって二値化する方法を用いることができる。また例えば、ランダムディザ法や誤差拡散法を用いることができる。二値化画像70に変換することによって、文字51の部分と文字以外の部分との濃度差が明確になるので、画像50に含まれる文字51を認識し易くなる。
【0037】
周知の文字認識方法を用いることによって、二値化画像70に含まれる文字51(図8参照)が認識され、二値化画像70のうち文字51の描画領域が一文字分ずつ特定される(S15)。周知の文字認識方法として、例えば、重ね合せ法によるパターンマッチングを用いることができる。特定された描画領域毎に、其々の文字51を四方から囲む最小の長方形52(図8参照)が定義される。定義された長方形52によって二値化画像70から描画領域が切り出され、一文字分ずつRAM63に記憶される(S17)。以下、切り出された一文字分の画像を、文字図柄53(図8参照)ともいう。なお、長方形52は文字を四方から囲む最小の長方形であるため、図8に示すように、其々の文字図柄53の縦方向の長さと横方向の長さとは異なっている。図5に示すように、文字図柄53の切り出し及びRAM63への保存が完了していない文字が、二値化画像70内に残っているかが判断される(S19)。文字51が残っている場合(S19:NO)、処理はS17に戻る。残る文字51に対してS17の処理が繰り返される。
【0038】
二値化画像70に含まれる全ての文字51について、切り出し及び保存が完了した場合(S19:YES)、図6に示すように、RAM63に記憶された文字図柄53が一文字ずつ選択される。長方形状の文字図柄53のうち短辺の長さが、長辺の長さに合わせられ、文字図柄55(図9参照)が得られる(S21)。文字図柄55は、S17の処理によって定義された長方形52の長辺を一辺とする正方形54(図9参照)によって、文字図柄53が再定義されたものである。短辺は、上下又は左右に均等に伸長されるため、文字図柄55に含まれる文字51は正方形54の中心に位置している。また、文字図柄53と文字図柄55とで、含まれる文字51の形状は変化しない。
【0039】
文字図柄55を囲む正方形54の寸法が、全ての文字図柄55間で同一となるように、文字図柄55のサイズが拡大又は縮小され、文字図柄56(図10参照)が作成される(S23)。ここでは、文字図柄55自体が拡大又は縮小されるので、文字図柄55に含まれる文字51の大きさも変化する。これによって、同一の大きさを有する複数の文字図柄56が得られたことになる。
【0040】
文字図柄56に含まれている文字51が、周知の文字認識方法によって認識され、文字の種別が特定される(S25)。周知の文字認識方法として、例えば、特徴抽出によるパターンマッチングを用いることができる。特定された文字の種別と、ROM62に記憶された標準文字刺繍データによって縫製される標準文字の種別とが比較される(S27)。
特定された文字の種別と同一種別の標準書体の標準文字刺繍データが、ROM62に記憶されているかが判断される(S29)。ここでは、文字の種別が「1」「年」「さ」「く」「ら」「組」「山」「田」「太」「郎」である標準書体の標準文字刺繍データがROM62に記憶されているかが、一文字ずつ判断されることになる。
【0041】
該当する標準文字刺繍データがROM62に記憶されていない場合(S29:NO)、文字図柄56は、周知の変換技術が用いられることによって変換され、文字図柄56を刺繍模様として縫製するための刺繍データが作成される(S33)。作成された一文字分の刺繍データは、EEPROM64に記憶される(S35)。その後、処理はS37に進む。
【0042】
周知の変換技術が用いられて作成された刺繍データに基づき縫製される刺繍模様について説明する。周知の変換技術では、通常、ブロック単位で文字を分割し、隣接するブロックを考慮しながら縫製が行われるように、刺繍データに含められる設定情報(縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点)が決定される。ここでブロックとは、文字の曲折部分で文字を分割した場合の其々の部位を示す。このため、実際には一筆書きとなるように縫製を行うことが可能な場合であっても、文字は分割して縫製される場合が多い。従って、縫製方向の違いや、文字内部に境界線が発生してしまい、刺繍模様の品質に影響を及ぼす場合がある。また、文字の左上から縫製が開始され、文字の自由な位置で縫製が終了するように、縫製開始点及び縫製終了点が決定されるため、渡り糸が刺繍文字上を通過してしまう場合がある。
【0043】
図11は、周知の変換技術が用いられることによって作成された刺繍データに基づいて縫製された刺繍模様の一例である、文字Bの刺繍模様44を示している。刺繍模様44は、刺繍データに含まれる縫い順序に基づき、矢印45、46の順で針落ち点に縫針7を刺すことによって縫製されている。縫製開始点として、矢印45の開始点451及び終了点452の位置を示すパラメータが設定されている。同様に縫製終了点として、矢印46の開始点461及び終了点462の位置を示すパラメータが設定されている。標準文字刺繍データに基づいて縫製された文字Bの刺繍模様41(図4参照)とは異なり、矢印45の終了点452及び矢印46の終了点462の部分で刺繍模様44は分割されている。このため、この部分に境界線が発生してしまっている。また、矢印46の終了点462が文字の下端よりも上側に位置しているため、文字Bに複数の文字を組み合せた文字列の刺繍模様が縫製された場合、各文字の刺繍模様間の渡り糸が、刺繍模様上を通過する可能性がある。
【0044】
一方、図6に示すように、S25で特定された文字の種別に該当する標準文字刺繍データがROM62に記憶されている場合(S29:YES)、該当する標準文字刺繍データに含まれる設定情報に基づき、文字図柄56を刺繍模様として縫製するための刺繍データが作成される(S31)。具体的には、作成される刺繍データには、標準文字刺繍データに含まれる設定情報とほぼ等しい設定情報が含められる。このため、作成された刺繍データに基づいて縫製が行われる場合、縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点は、標準文字刺繍データと一致することになる。図4を参照して説明したように、標準文字刺繍データに含まれる設定情報(縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点)は、標準文字刺繍データに基づいて加工布100に縫製される刺繍模様の品質が良くなるように、其々のパラメータが調整されている。従って、標準文字刺繍データに含まれる設定情報に基づいて刺繍データが作成された場合、この刺繍データは、文字図柄56を品質の優れた刺繍模様として縫製することが可能なものになる。作成された一文字分の刺繍データは、EEPROM64に記憶される(S35)。処理はS37に進む。
【0045】
S37では、S17(図5参照)でRAM63に記憶された全ての文字図柄53に対して、S21〜35の処理が実行されたかが判断される(S37)。処理が実行されていない文字図柄53がRAM63に残っている場合(S37:NO)、処理はS21に戻る。RAM63に記憶された全ての文字図柄53に対して処理が実行された場合(S37:YES)、画像50に含まれている全ての文字51について、刺繍模様として縫製するための刺繍データが文字毎に作成されたことになる。文字取り込み処理は終了する。
【0046】
図12を参照し、縫製処理について説明する。ユーザは、文字取り込み処理(図5、6参照)においてミシン1に取り込まれた文字図柄56(図10参照)を、所望する順番に並べて文字列を作成し、刺繍模様として加工布100に縫製することを所望していると仮定する。縫製処理は、刺繍模様の縫製を行うための指示が、タッチパネル26(図1参照)を介してユーザによって入力された場合に、ROM62に記憶された縫製処理用のプログラムが起動されて開始される。そして、CPU61がこのプログラムを実行することにより行われる。
【0047】
はじめに、所望する文字列がタッチパネル26を介して入力された場合に、この文字列が受け付けられる(S41)。受け付けられた文字列を構成する文字が特定される。特定された文字を刺繍模様として縫製するための刺繍データが、S35(図6参照)においてEEPROM64に記憶された刺繍データの中から選択される(S43)。ここでユーザは、画像50(図7参照)に含まれる文字51(図7参照)と同一の文字が同一の並び順で並べられた文字列「1年さくら組 山田太郎」を入力したとする。この場合、「1」「年」「さ」「く」「ら」「組」「山」「田」「太」「郎」の其々を刺繍模様として縫製するための刺繍データが、EEPROM64から選択される。
【0048】
次に、タッチパネル26を介してユーザが文字列を編集する操作を行った場合に、その操作内容が受け付けられる(S45)。編集内容の例として、文字の整列、刺繍位置の調整、回転等が挙げられる。受け付けられた操作内容に応じて、S43で選択された刺繍データの編集処理が実行される(S45)。編集された刺繍データに基づき、各種モータが制御されることによって、刺繍模様の縫製が実行される(S47)。結果、図13に示すように、「1年さくら組 山田太郎」の文字列からなり、文字取り込み処理(図5参照)で取り込まれた文字図柄56(図10参照)によって構成される刺繍模様58が、加工布100に縫製される。その後、縫製処理は終了する。
【0049】
ここで、例えば文字取り込み処理(図5、6参照)において、画像50(図7参照)の他に、画像50とは異なる画像がメモリカード171(図3参照)を介して取り込まれていたと仮定する。取り込まれた画像に基づき、図14に示す文字図柄57を刺繍模様として縫製するための刺繍データが作成され、EEPROM64に記憶されていたと仮定する。EEPROM64には、「1」「年」「さ」「く」「ら」「組」「山」「田」「太」「郎」の文字図柄56(図10参照)、及び、「2」「ひ」「ま」「わ」「り」「助」の文字図柄57(図14参照)を刺繍模様として縫製するための刺繍データが、一文字分ずつ記憶されていることになる。
【0050】
S41において、ユーザが所望する文字列「2年ひまわり組 山田太助」を受け付けたとする。これらの文字列は、画像50に基づいて作成された文字図柄56「1」「年」「さ」「く」「ら」「組」「山」「田」「太」「郎」のうち、「1」を「2」に置き換え、「さ」「く」「ら」を「ひ」「ま」「わ」「り」に置き換え、「郎」を「助」に置き換えたものである。このような場合も、受け付けた文字列を構成する其々の文字に対応した刺繍データが、EEPROM64に記憶された刺繍データから一文字分ずつ選択され(S43)、編集処理(S45)の後、刺繍模様の縫製が実行される(S47)。結果、図15に示すように、「2年ひまわり組 山田太助」の文字列からなり、文字取り込み処理で取り込まれた文字図柄56、57によって構成される刺繍模様59が加工布100に縫製される。
【0051】
以上説明したように、ミシン1は、取り込んだ画像50に含まれる文字51の字体を変更することなくそのまま抽出し(S17)、抽出した文字51の文字図柄56の刺繍模様を縫製する(S47)ことができる。このためユーザは、ミシン1に予め登録されていない字体の文字、例えば、使用者による手書き文字や特殊なフォントで構成された文字の刺繍模様を縫製することができる。またミシン1は、刺繍データを一文字分ずつ作成する(S17)ため、複数の文字図柄56を自由に組み合わせた刺繍模様を容易に縫製することができる(S41〜S47)。さらにミシン1は、画像50に含まれている文字の大きさが不規則である場合も、大きさを揃えた文字図柄56を作成し(S23)、この刺繍模様を縫製することができる刺繍データを作成する(S31)。このためユーザは、複数の文字を並べた文字列の刺繍模様を縫製する場合に、文字の大きさを揃えて縫製することができるので、統一感のある美しい刺繍模様を縫製することができる。なおミシン1は、文字図柄55の大きさを均一にして文字図柄56に調整した後、刺繍データを作成するので、縫製される刺繍模様の大きさを確実に均一化することができる。
【0052】
またミシン1は、標準文字刺繍データに基づいて刺繍データを作成する(S31)ことができるので、仕上がりの良好な刺繍模様を縫製することができる。具体的には、文字図柄56の刺繍模様における設定情報(縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点)を、標準文字刺繍データに類似させることができる。これによってミシンは、更に仕上がりの良好な刺繍模様を縫製することができる。
【0053】
またミシン1は、一文字単位で作成された文字図柄56の刺繍模様の刺繍データを、EEPROM64から自由に選択し(S43)、文字列を作成することができる。従ってユーザは、ミシン1を使用することによって、所望する字体の文字からなる文字列を自由に作成し、文字列の刺繍模様の刺繍を行うことができる。
【0054】
なお、S11の処理を行うCPU61が本発明の「取得手段」に相当する。S17の処理を行うCPU61が本発明の「抽出手段」に相当する。S31の処理を行うCPU61が本発明の「作成手段」に相当する。S43の処理を行うCPU61が本発明の「選択手段」に相当する。S47の処理を行うCPU61が本発明の「縫製手段」に相当する。S25の処理を行うCPU61が本発明の「特定手段」に相当する。S21、S23の処理を行うCPU61が本発明の「サイズ変更手段」に相当する。S35の処理を行うCPU61が本発明の「記憶制御手段」に相当する。標準文字刺繍データを記憶するROM62が本発明の「第一記憶手段」に相当する。刺繍データを記憶するEEPROM64が本発明の「第二記憶手段」に相当する。
【0055】
なお本発明は上述の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。ミシン1は、ROM62に記憶された標準文字刺繍データを参照することなく、常に周知の変換方法で、文字図柄56を刺繍模様として縫製するための刺繍データを作成しても良い。標準文字刺繍データに含まれる設定情報は、縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点に限定されない。ミシン1は、文字図柄56の大きさを変更した後刺繍データを作成するのではなく、文字図柄56から刺繍データを作成した後、刺繍データの大きさを変更しても良い。ミシン1は、ネットワークを介して接続するサーバ等から、標準文字刺繍データを取得しても良い。
【0056】
本発明は、刺繍データを作成する刺繍データ作成装置においても適用可能である。この場合、刺繍データ作成装置では、文字取り込み処理(図4参照)における処理が実行されることによって、刺繍データが作成される。作成された刺繍データは、メモリカード171等を介してミシン1に取り込まれてもよい。ミシン1は、取り込んだ刺繍データに基づき、刺繍模様の縫製を実行しても良い。
【0057】
上述の実施形態では、メモリカード171に記憶された画像50が取り込まれ、文字図柄56が抽出されていた。画像50は、他の方法によって取り込まれても良い。例えば、ミシン1がカメラ又はスキャナを備えており、カメラ又はスキャナから画像が取り込まれても良い。ミシン1において、文字の種別が同一である複数の文字図柄に基づいて刺繍データが作成された場合、ユーザは、所望の文字図柄を選択できるようにしても良い。
【0058】
標準文字刺繍データの設定情報を、ユーザが調整できるようにしても良い。また例えば、作成された文字図柄の文字の種別に対応する標準文字刺繍データがROM62に記憶されていない場合、ユーザは、刺繍データの設定情報を手動で設定できるようにしても良い。ミシン1は、設定された設定情報に基づいて、文字図柄を刺繍模様として縫製するための刺繍データを作成しても良い。
【0059】
作成された文字図柄の文字の種別に対応する標準文字刺繍データがROM62に記憶されていない場合、文字の形状が類似する他の種別の文字の標準文字刺繍データに含まれる設定情報に基づいて、文字図柄を刺繍模様として縫製するための刺繍データを作成しても良い。
【符号の説明】
【0060】
1 ミシン
26 タッチパネル
50 画像
51 文字
56 文字図柄
61 CPU
62 ROM
64 EEPROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字を含む画像を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記画像から、前記文字を表す図柄である文字図柄を一文字分ずつ抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記文字図柄を、所定の大きさの刺繍模様として縫製するための刺繍データを作成する作成手段と、
縫製を行う前記文字図柄を指定する指令を受け付けた場合に、前記文字図柄の刺繍模様を縫製するための刺繍データを、前記作成手段によって作成された前記刺繍データの中から選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記刺繍データに基づき、前記文字図柄の刺繍模様の縫製を行う縫製手段と
を備えたことを特徴とするミシン。
【請求項2】
標準書体の文字を刺繍模様として縫製するための標準文字刺繍データを予め記憶する第一記憶手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記文字図柄によって示される文字の種別を特定する特定手段と
を備え、
前記作成手段は、
前記特定手段によって特定された前記文字の種別に対応する前記標準文字刺繍データを、前記第一記憶手段から選択し、選択された前記標準文字刺繍データに含まれる設定情報に基づき、前記刺繍データを作成することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
【請求項3】
前記設定情報には、縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点の設定情報が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
【請求項4】
前記作成手段は、
前記抽出手段によって抽出された前記文字図柄の大きさを所定の大きさに変更するサイズ変更手段を備え、前記サイズ変更手段により変更された前記文字図柄の刺繍模様を縫製するための刺繍データを作成することをする請求項1から3のいずれかに記載のミシン。
【請求項5】
前記作成手段によって作成された前記刺繍データを、第二記憶手段に記憶する記憶制御手段を備え、
前記選択手段は、
縫製を行う前記文字図柄を組み合せて指定する指示を受け付けた場合に、前記文字図柄の刺繍模様を縫製するための刺繍データを、前記第二記憶手段に記憶された前記刺繍データの中から選択することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のミシン。
【請求項6】
文字を含む画像を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記画像から、前記文字を表す図柄である文字図柄を一文字分ずつ抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記文字図柄を、所定の大きさの刺繍模様として縫製するための刺繍データを作成する作成手段と、
を備えたことを特徴とする刺繍データ作成装置。
【請求項7】
標準書体の文字を刺繍模様として縫製するための標準文字刺繍データを予め記憶する第一記憶手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記文字図柄によって示される文字の種別を特定する特定手段と
を備え、
前記作成手段は、
前記特定手段によって特定された前記文字の種別に対応する前記標準文字刺繍データを、前記第一記憶手段から選択し、選択された前記標準文字刺繍データに含まれる設定情報に基づき、前記刺繍データを作成することを特徴とする請求項6に記載の刺繍データ作成装置。
【請求項8】
前記設定情報には、縫い順序、縫製開始点、及び縫製終了点の設定情報が含まれていることを特徴とする請求項7に記載の刺繍データ作成装置。
【請求項9】
前記作成手段は、
前記抽出手段によって抽出された前記文字図柄の大きさを所定の大きさに変更するサイズ変更手段を備え、前記サイズ変更手段により変更された前記文字図柄の刺繍模様を縫製するための刺繍データを作成することをする請求項6から8のいずれかに記載の刺繍データ作成装置。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれかに記載の刺繍データ作成装置の各種処理手段として、刺繍データ作成装置のコンピュータを機能させるための刺繍データ作成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−34513(P2013−34513A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170622(P2011−170622)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】