説明

メロシアニン誘導体

【課題】メロシアニン誘導体
【解決手段】本開示は式(1)


(式中、
1及びR2は夫々互いに独立して分枝状の炭素原子数4乃至22のアルキル基;又は分枝状の炭素原子数4乃至12のアルケニル基を表し;
3及びR4は夫々互いに独立してシアノ基;COR7基、COOR7基;CONR78基;SO2(炭素原子数6乃至12の)アリール基;炭素原子数2乃至12のアルキ−1−エ
ニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキ−1−エニル基;炭素原子数2乃至12のアルキ−1−イニル基;炭素原子数2乃至12のヘテロアルキル基;炭素原子数3乃至5のヘテロシクロアルキル基;炭素原子数6乃至10のアリール基;又は炭素原子数1乃至9のヘテロアリール基を表し;式中、R3及びR4の少なくとも一方はシアノ基を表し;
5及びR6は夫々互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至6のアルキル基;一つ以上の炭素原子数1乃至4のアルキル基で置換されてもよい炭素原子数5乃至8のシクロアルキル基を表し;ならびに、
7及びR8は夫々互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数2乃至12のアルケニル基;炭素原子数2乃至12のアルキニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基;−(CH2tCOOH基;炭素原子数7乃至12のアラルキル基;炭素原子数1乃至12のヘテロアルキル基;炭素原子数2乃至11のヘテロアラルキル基;炭素原子数6乃至10のアリール基;炭素原子数1乃至9のヘテロアリール基を表す。)。
で表されるメロシアニン誘導体である。該化合物は紫外線の悪影響に対して人の毛髪や皮膚を保護するための紫外線吸収剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は式(1)
【化1】

(式中、
1及びR2は夫々互いに独立して分枝状の炭素原子数4乃至22のアルキル基;又は分枝状の炭素原子数4乃至12のアルケニル基を表し;
3及びR4は夫々互いに独立してシアノ基;COR7基、COOR7基;CONR78基;SO2(炭素原子数6乃至12の)アリール基;炭素原子数2乃至12のアルキ−1−エ
ニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキ−1−エニル基;炭素原子数2乃至12のアルキ−1−イニル基;炭素原子数2乃至12のヘテロアルキル基;炭素原子数3乃至5のヘテロシクロアルキル基;炭素原子数6乃至10のアリール基;又は炭素原子数1乃至9のヘテロアリール基を表し;式中、R3及びR4の少なくとも一方はシアノ基を表し;
5及びR6は夫々互いに独立して水素原子;又は炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し;ならびに、
7及びR8は夫々互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数2乃至12のアルケニル基;炭素原子数2乃至12のアルキニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基;−(CH2tCOOH基;炭素原子数7乃至12のアラルキル基;炭素原子数1乃至12のヘテロアルキル基;炭素原子数2乃至11のヘテロアラルキル基;炭素原子数6乃至10のアリール基;炭素原子数1乃至9のヘテロアリール基を表す。)
で表される化合物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0002】
アルキル基(R5、R6、R7及びR8の定義に関する)、シクロアルキル基、アルケニル基又はシクロアルケニル基は直鎖状又は分枝状であり得、単環式または多環式であり得る。
【0003】
アルキル基は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、n−オクタデシル基、エイコシル基またはドデシル基である。
【0004】
分枝状アルキル基(R1及びR2の定義に関する)の例は、1−メチルプロピル基;1,3−ジメチルブチル基;2−メチルブチル基;1,1,3,3−テトラメチルブチル基;3−メチルブチル基;7−メチルオクチル基;2−エチルヘキシル基;又は4−メチルシクロヘキシル基である。
【0005】
アルケニル基は、例えば、ビニル基、アリル基、2−プロペン−2−イル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、1,3−ブタジエン−2−イル基、2−シクロブテン−1−イル基、2−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−2−イル基、2−メ
チル−1−ブテン−3−イル基、2−メチル−3−ブテン−2−イル基、3−メチル−2−ブテン−1−イル基、1,4−ペンタジエン−3−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル基、1−p−メンテン−8−イル基、4(10)−ツジェン(thujen)−10−イル基、2−ノルボルネン−1−イル基、2,5−ノルボルナジエン−1−イル基、7,7−ジメチル−2,4−ノルカラジエン−3−イル基又はヘキセニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基またはドデセニル基の異なる異性体などの、直鎖状の炭素原子数2乃至12のアルケニル基又は好ましくは分枝状の炭素原子数3乃至12のアルケニル基である。
【0006】
炭素原子数5乃至8のシクロアルキル基は、例えば、シクロペンチル基、トリメチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、又は好ましくはシクロヘキシル基である。
【0007】
炭素原子数1乃至9のヘテロアリール基は、4n+2の共役π−電子を有する不飽和基又は芳香族基であり、例えば2−チエニル基、2−フリル基、2−ピリジル基、2−チアゾリル基、2−オキサゾリル基、2−イミダゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、或いはチオフェン−環、フラン−環、ピリジン環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環、ピリジン−環及びベンゼン環から選択される別の環系であり、それらは非置換の又はベンゾトリアゾリル基のように1乃至6つのエチル基、メチル基、エチレン基及び/又はメチレン基で置換され、N−ヘテロ環の場合には所望によりそれらのN−オキシドの形態にあるものである。
【0008】
好ましいものは、式中、
1及びR2が夫々互いに独立して分枝状の炭素原子数4乃至22のアルキル基;又は分枝状の炭素原子数4乃至12のアルケニル基を表し;
3及びR4が夫々互いに独立してシアノ基;COR7基、COOR7基;CONR78基;SO2(炭素原子数6乃至12の)アリール基を表し;
5及びR6が夫々互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至6のアルキル基;一つ以上の炭素原子数1乃至4のアルキル基で置換されていてもよい炭素原子数5乃至8のシクロアルキル基を表し;そして
7及びR8が夫々互いに独立して水素原子;又は炭素原子数1乃至22のアルキル基を表す、式(1)で表される化合物である。
【0009】
より好ましい式(1)で表される化合物は、式中、
3がシアノ基を表し、
4がシアノ基;COR7基、COOR7基;CONR78基;SO2(炭素原子数6乃至12の)アリール基を表し;そして、
1、R2、R5、R6、R7及びR8が式(1)で定義されたものである、化合物である。
【0010】
最も好ましいものは、式中、
1及びR2が同一であり;そして、
3、R4、R5及びR6が式(1)で定義されたものである、
式(1)で表される化合物である。
【0011】
式(1)中、好ましくは、
1及びR2が1−メチルプロピル基;1,3−ジメチルブチル基;2−メチルブチル基;1,1,3,3−テトラメチルブチル基;3−メチルブチル基;7−メチルオクチル基;2−エチルヘキシル基;4−メチルシクロヘキシル基;及び2−メチル−2−プロペン基から選択される。
【0012】
より好ましいものは、式中、R3及びR4が−C≡N基を表す、式(1)で表される化合物である。
【0013】
また好ましいものは、式中、
3が−C≡N基を表し、
4がCOR7基、COOR7基;CONR78基;又はSO2(炭素原子数6乃至12の)アリール基を表し;そして、
7及びR8が炭素原子数1乃至4のアルキル基を表す、
式(1)で表される化合物である。
【0014】
本発明の環状メロシアニン誘導体の例を表1に示す:
【表1】

【表2】

【表3】

【0015】
式(1)で表される化合物の製造は、例えば米国特許第4,749,643号明細書、13欄66行−15欄13行並びにこれらの中で引用されている参照文献に記載されるような当業者に既知の方法で実施される。
【化2】

【0016】
式(1)で表される化合物は、ジメチルスルフェートで、或いはジエチルスルフェート又はヨウ化メチルなどの別のアルキル化剤でアルキル化されている式(2)
【化3】

で表される1−アミノシクロヘキサノン−3から出発して製造され得る。
第二工程において、反応混合物を塩基の存在下でメチレン活性化合物CH234で処
理する。式(2)で表される化合物、アルキル化剤、CH234及び塩基を、およそ等
モル比で反応させる。
【0017】
時々、式(2)で表される化合物に関連してアルキル化剤、CH234及び塩基が過
剰であることが好ましい。
【0018】
式(2)で表される出発化合物とジメチルスルフェートなどの適当なアルキル化剤とのアルキル化反応は、どんな溶媒も使用することなく、又は適当な溶媒中で、好ましくはヘキサン、トルエン、ベンゼン又はキシレンなどの脂肪族又は芳香族の溶媒中で実施し得る。メタノール、エタノール、イソ−ブタノール、第三−ブタノール又はイソ−プロパノールなどのプロトン性溶媒もまた適する。反応はまたジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド中でも実施され得る。ジエチルエーテル及びテトラヒドロフランなどのエーテル化合物、又はクロロホルム又はジクロロメタンなどのハロゲン化溶媒もまた、これら溶媒の混合物と同様に適当な溶媒である。
【0019】
本発明の製造方法において、化合物CH234は無機塩基又は有機塩基の存在下で反
応する。有機塩基の典型例はトリエチルアミンなどのアミン、ヒューニッヒ塩基、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデシ−7−エン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン)、p−ジメチルアミノピリジン及びN,N,N’,N’−テトラメチルグアニジンである。
適当な塩基はまたアルコキシドである(例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド)。
NaH、LiOH及び炭酸カリウムなどの無機塩基もまた適する。
【0020】
反応は、−78℃から反応混合物の沸点の間の温度で、好ましくは60乃至120℃で実施され得る。
【0021】
式(2)で表される化合物は、一般式
【化4】

(式中、R7はヒドロキシ基、エトキシ基、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原
子、OTs基(Tsはトシル基を表す、−SO2−C64−CH3)又はOMs基(Msはメシル基を表す、−SO2Me)を表す)で表される1−アミノシクロヘキサノン−3か
ら出発し、第二級アミンR12NHと縮合されて製造される。
式(2)で表される化合物の式(3)で表される化合物との縮合反応は、例えば、J.Org.Chem.1981(46)197−210頁、Synthesis,1981年,880−881頁、Acta Chemica Scandinavica,1970(24)2075−2083頁、或いは、独国特許第614195号明細書並びにこれらの中で引用されている参照文献に記載されるもののような当業者に既知の方法で実施され得る。
【0022】
式(2)で表される化合物は、好ましくは式(4)
【化5】

で表されるシクロヘキサン−1,3−ジオンと第二級アミンR12NHとのおよそ等モル比での反応によって製造される。反応は好ましくはオートクレーブ内で実施される。反応は適当な溶媒中で、好ましくはヘキサン、トルエン、ベンゼン又はキシレンなどの脂肪族又は芳香族溶媒中で実施され得る。
【0023】
メタノール、エタノール、イソ−ブタノール、第三−ブタノール又はイソ−プロパノールなどのプロトン性溶媒もまた適する。反応はまた、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド中で実施され得る。ジエチルエーテル及びテトラヒドロフランなどのエーテル化合物又はクロロホルム又はジクロロメタンなどのハロゲン化溶媒もまた、それら溶媒の混合物と同様に適当な溶媒である。
反応は0℃乃至300℃の温度で、好ましくは60乃至230℃の温度で、そして最も好ましくは80乃至180℃の温度で実施され得る。
【0024】
反応はまた、酸性触媒の存在下で実施され得る。酸性触媒は無機又は有機ルイス酸、或いは無機又は有機ブロンステッド酸であり得る。酸性触媒の例は、リン酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、塩酸又は硫酸であり得る。効果的な触媒はまた、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、酢酸無水物などの酸無水物である。ルイス酸の例としては、塩化リン、CuCl2、ZnCl2、LaCl3、CrCl3、FeCl3、AlCl3、HfCl4、TiCl4、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム Sc(OTf)3並びにこれらの水和物である。酸イオン交換体もまた適する。
【0025】
本発明の式(1)で表される化合物は紫外線フィルタとして、すなわち、紫外線に敏感な有機材料、特に人や動物の皮膚及び毛髪を紫外線の有害な作用から保護するために特に適当である。これら化合物は化粧品、医薬品及び獣医薬品製剤におけるサンスクリーンとして有用である。これら化合物はそれ故溶解された形態でも微粉砕された状態のいずれでも使用可能である。
【0026】
本発明の紫外線吸収剤は好ましくは溶解された状態で使用される(溶解性有機フィルタ、可溶化有機フィルタ)。
【0027】
本発明の化合物は以下の表2に示すように化粧品オイル中で優れた溶解性挙動を示す:
【表4】

【0028】
本発明の化粧品配合物及び医薬品組成物は、表3に示す一種以上の更なる紫外線フィルタを更に含み得る。
【表5】

【表6】

【表7】

【0029】
化粧品又は医薬品製剤は、紫外線吸収剤(類)と慣習的方法を用いたアジュバントとの物理的混合によって、例えば各成分を単に一緒に撹拌することによって、特にメトキシケイヒ酸オクチル、サリチル酸イソオクチルエステルなどの、既知の化粧用紫外線吸収剤の溶解特性を使用することによって、製造可能である。紫外線吸収剤は、例えば更なる処理をせずに使用可能であり、あるいは微粉砕状態またはパウダー形態で、使用可能である。
【0030】
化粧品又は医薬品製剤は、組成物の総質量に基づいて0.05−40質量%の一種の紫外線吸収剤又は紫外線吸収剤混合物を含む。
【0031】
好ましいものは、本発明の式(1)で表されるUV吸収剤と、所望により更なる光保護剤(表2に記載)を、質量基準で1:99乃至99:1、好ましくは1:95乃至95:1、そして最も好ましくは10:90乃至90:10の混合比の使用で与えられる。特別
な関心事は20:80乃至80:20、好ましくは40:60乃至60:40、そして最も好ましくは約50:50の混合比である。そのような混合物は、とりわけ、溶解性を改善するために、又は紫外線の吸収を増加するために使用可能である。
【0032】
本発明の式(1)で表される紫外線吸収剤又は紫外線フィルタの組み合わせは、皮膚、毛髪及び/又は天然又は人工のヘアカラーの保護に有用である。
【0033】
化粧品又は医薬品製剤は、例えば、クリーム、ゲル、ローション、アルコール性及び水性/アルコール性溶液、エマルション、ワックス/脂肪組成物、スティック製剤、パウダー又は軟膏などであり得る。上述の紫外線フィルタに加えて、化粧品又は医薬品製剤は下記に示す更なるアジュバントを含み得る。
【0034】
水−及び油−含有エマルション(例えばW/O、O/W、O/W/O及びW/O/Wエマルション又はマイクロエマルション)の場合に、製剤は、例えば、
組成物の総質量に基づいて0.1乃至30質量%、好ましくは0.1乃至15質量%、そして特に0.5乃至10質量%の一種以上の紫外線吸収剤、
組成物の総質量に基づいて1乃至60質量%、特に5乃至50質量%、そして好ましくは10乃至35質量%の少なくとも一種の油成分、
組成物の総質量に基づいて0乃至30質量%、特に1乃至30質量%、そして好ましくは4乃至20質量%の少なくとも一種の乳化剤、
組成物の総質量に基づいて10乃至90質量%、特に30乃至90質量%の水、さらに、(組成物の総質量に基づいて)0乃至88.9質量%、特に1乃至50質量%の更なる化粧品に許容されるアジュバントを含む。
【0035】
本発明の化粧品又は医薬品組成物/製剤はまた、脂肪酸の脂肪アルコールエステル、グリセリルエステル及び誘導体などの天然又は合成トリグリセライド、真珠光沢ワックス、炭化水素油、シリコーン又はシロキサン(有機置換されたポリシロキサン)、フッ素化又は全フッ素化油、乳化剤、過油化剤、界面活性剤、濃度調整剤/増粘剤及びレオロジー調整剤、ポリマー、生体活性成分、脱臭活性成分、抗ふけ剤、抗酸化剤、ヒドロトロープ製剤、防腐剤及び細菌抑制剤、香料オイル、着色料、ポリマービーズ又はSPFエンハンサーとしての中空球などの、一種以上の更なる化合物を含み得る。
【0036】
化粧品又は医薬品製剤
化粧品又は医薬品配合物は広範な化粧品製剤に含まれる。例えば、特に以下の製剤が考慮される:
−スキンケア製剤、タブレット型又は液体石鹸、合成洗剤(soapless detergent)又はペースト洗剤形態の皮膚洗浄及びクレンジング製剤
−入浴用製剤、例えば液体(フォームバス、ミルク、シャワー製剤)又は、例えばバスキューブ及びバスソルトなどの固体バス製剤;
−スキンケア製剤、例えばスキンエマルション、マルチエマルション又はスキンオイル;−化粧用パーソナルケア製剤、例えばデイクリーム又はパウダークリーム、フェイスパウダー(ルース又は固形)、口紅又はクリームメークアップの形態でのフェイシャルメーキャップ、アイケア製剤、例えばアイシャドウ製剤、マスカラ、アイライナー、アイクリーム又はアイフィックスクリーム;リップケア製剤、例えばリップスティック、リップグロス、リップライナーペンシル、ネイルケア製剤、例えばマニキュア液、マニキュアリムーバー、ネイルハードナー、キューティクルリムーバー;
−フットケア製剤、例えば、フットバス、フットパウダー、フットクリーム若しくはフットバルサム、特殊脱臭剤及び発汗抑制剤又はたこ除去製剤;
−光保護製剤、例えば、サンミルク、ローション、クリーム又はオイル、日焼け止め又はトロピカルズ、日焼け前製剤又は日焼け後製剤;
−日焼け用製剤、例えば、セルフ日焼け用クリーム;
−脱色製剤、例えば、皮膚しみ取り用製剤又は皮膚の淡色化製剤;
−防虫剤、例えば、防虫油剤、ローション、スプレー又はスティック;
−脱臭剤、例えば、脱臭スプレー、ポンプスプレー、脱臭ジェル、スティック又はロールオン;
−制汗剤、例えば、制汗スティック、クリーム又はロールオン;
−創傷皮膚を洗浄及びケアする製剤、例えば、合成洗剤(固形又は液体)、ピール又はスクラブ製剤又はピーリングマスク;
−化学的な形態の脱毛製剤(脱毛)、例えば、脱毛パウダー、液体脱毛製剤、クリーム又はペースト状脱毛製剤、ジェル状又はエアゾールフォームの脱毛製剤;
−髭剃り用製剤、例えば、髭剃り用石鹸、フォーミングシェービングクリーム、ノンフォーミングシェービングクリーム、フォーム及びジェル、ドライシェービング用プレシェーブ製剤、又はアフターシェーブローション;
−芳香製剤、例えば、芳香剤(オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムドトワレ、香水)、香油又はパヒュームクリーム;
−化粧用毛髪処理製剤、例えば、シャンプー及びコンディショナーの形態の毛髪洗浄製剤、ヘアケア製剤、例えば、プレトリートメント製剤、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、集中ヘアトリートメント、髪型製剤、例えば、パーマネントウェーブ(ホットウエーブ、マイルドウエーブ、コールドウエーブ)用のヘアウェービング製剤、ストレートヘア製剤、液体へアセット製剤、ヘアフォーム、ヘアスプレー、ブリーチング製剤、例えば、過酸化水素溶液、淡色化シャンプー、ブリーチングクリーム、ブリーチングパウダー、ブリーチングペースト又はオイル、一時的、半永久的若しくは永久的毛髪着色剤、自己酸化染料含有製剤又は天然毛髪着色剤、例えば、ヘナ若しくはカミツレ。
【0037】
提供形態
示された最終配合物は、広範な提供形態で存在し得る、例えば:
−W/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルション、並びにあらゆる種類のマイクロエマルションなどの液状製剤形態、
−ジェル形態、
−オイル、クリーム、ミルク又はローション形態、
−パウダー、ラッカー、タブレット又はメーキャップ形態、
−スティック形態、
−スプレー(ガス噴射スプレー又はポンプアクションスプレー)又はエアロゾル形態、
−フォーム形態、又は
−ペースト形態。
【0038】
皮膚用の化粧品製剤として特に重要なものは、光保護製剤、例えばサンミルク、ローション、クリーム、オイル、日焼け止め又はトロピカルズ、日焼け前製剤又は日焼け後製剤、並びに日焼け用製剤、例えば、セルフ日焼け用クリームである。特に関心事は、サンプロテクトクリーム、サンプロテクトローション、サンプロテクトミルク及びスプレー形態のサンプロテクト製剤である。
【0039】
毛髪用の化粧品製剤として特に重要なものは、上述のヘアトリートメント用製剤、特にシャンプー形態の毛髪洗浄製剤、ヘアコンディショナー、ヘアケア製剤、例えばプレトリートメント製剤、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、集中ヘアトリートメント、ストレートヘア製剤、液体ヘアセット製剤、ヘアフォーム及びヘアスプレーである。特に関心事はシャンプー形態の毛髪洗浄製剤である。
【0040】
シャンプーは、例えば、以下の組成を有する:0.01乃至5質量%の本発明の紫外線吸収剤、12質量%のナトリウムラウレス−2−スルフェート、4.0質量%のコカミドプロピルベタイン、3.0質量%の塩化ナトリウム並びに水を加えて100%。
【0041】
本発明の化粧品性剤は、日光の悪影響に対する人の皮膚の卓越した保護によって際立っている。
【実施例】
【0042】
製造例
実施例1:式(101)で表される化合物の製造
【化8】

第一工程:
9.25g(0.08モル)のシクロヘキサン−1,3−ジオンを30mLのトルエン中に溶解した。混合物を0℃に冷却し、そしてその後19.71g(0.08モル)のビス−2−エチルヘキシルアミンを撹拌下で加えた。混合物をオートクレーブ中、180℃で4時間加熱した。溶媒並びに未反応のアミンを150℃で1×10-3mbar(1×10-3ヘクトパスカル)圧力で留去した後、N,N−ビス−2−エチルヘキシルアミノ−シクロヘキセン−3−オンを74%の収率で暗褐色オイル状にて得た。
【0043】
第二工程:
3.65g(0.028モル)のジメチルスルフェートを8.39g(0.025モル)のN,N−ビス−2−エチルヘキシルアミノ−シクロヘキセン−3−オンに滴下して加えた。混合物を40分間100℃で撹拌した。60℃に冷却後、12mlイソプロパノール中の1.70g(0.0252モル)のマロノニトリルと2.76g(0.0271モル)のトリエチルアミンの混合物を10分以内に加えた。得られた混合物をその後約90℃で60分間加熱した。
2−{3−[ビス−(2−エチル−ヘキシル)−アミノ]−シクロヘキシ−2−エニリデン}−マロノニトリルを、その後230℃、0.1mbar(0.1ヘクトパスカル)圧力下で蒸留することによって単離し、オレンジオイル(78%)を得た。
【0044】
適用例
実施例2:UV−A/UB−B 日用プロテクションローション O/W
【表8】

【0045】
製造説明:
A部とB部を別々に80℃まで加熱した。A部をB部中に撹拌しながら投入し、Ultra Turraxで11000rpmで30秒間均一化した。60℃に冷却した後、C部を混和した。40℃でD部を持続的な撹拌下でゆっくり加えた。E部を用いてpHを6.50−7.00に調整した。
【0046】
実施例3:UVA/UVB サンプロテクションローション、O/Wタイプ
【表9】

【0047】
製造説明:
A部及びB部を別々に80℃まで加熱した。
B部を穏やかな撹拌下でA部に投入した。混合物をUltra Turraxで1100
0rpmで1分間均一化した。70℃に冷却した後、C部を撹拌下で加えた。更に50℃に冷却した後、D部を非常にゆっくりと混和した。40℃でE部を加えた。室温でF部を用いてpHを7.00に調整し、G部を加えた。
【0048】
実施例4:UVA/UVB サンプロテクションローション、O/Wタイプ
【表10】

【0049】
製造説明:
A部及びB部を別々に80℃まで加熱した。
B部を穏やかな撹拌下でA部に投入した。混合物をUltra Turraxで11000rpmで1分間均一化した。70℃に冷却した後、C部を撹拌下で加えた。更に50℃に冷却した後、D部を非常にゆっくりと混和した。40℃でE部を加えた。室温でF部を用いてpHを7.00に調整し、G部を加えた。
【0050】
実施例5:W/O サンスクリーンローション
【表11】

【0051】
製造説明:
A部を撹拌しながら80℃にまで加熱した。B部をA部に加え、そしてUltra Turraxで11000rpmで1分間均一化した。30℃に冷却後、C部を混和した。
【0052】
実施例6:スキンプロテクションサンスクリーンローションW/O
【表12】

【0053】
製造説明:
A部を穏やかな撹拌下で別に80℃にまで加熱した。B部をA部に加え、そしてUltra Turraxで11000rpmで1分間均一化した。30℃に冷却後、C部を持続的な撹拌下で加えた。
【0054】
実施例7:O/Wエマルション
【表13】

【0055】
エマルションの製造
(A)相:
始めに、紫外線吸収剤をゴマ油に溶解した。(A)の他の成分をそこへ加えて混合した。
(B)相:
プロピルパラベンとメチルパラベンをプロピレングリコールに溶解した。そして60mlの水を加え、70℃への加熱を実施し、そしてカルボマー934をその中で乳化させた。
エマルション
(A)を機械エネルギーの強力な適用により、(B)にゆっくり添加した。容量は水の添加により100mlに調整した。
【0056】
実施例8:デイリーケアクリーム タイプO/W
【表14】

【0057】
製造説明:
A部とB部を別々に80℃にまで加熱した。A部を持続的に撹拌しながらB部に投入した。その後混合物をUltra Turraxで11000rpmで20秒間均一化した。混合物を60℃に冷却し、そしてC部を加えた。30℃より下の温度で、D部を加え、そしてpHを水酸化ナトリウムで6.5乃至7.0に調整した。最後に香料を加えた。
【0058】
実施例9:サンプロテクションクリーム、タイプO/W
【表15】

【0059】
製造説明:
A部とB部を別々に75℃にまで加熱した。撹拌しながらA部をB部に投入した。混合物をUltra Turraxで11000rpmで15秒間均一化した。混合物を60℃に冷却し、そしてC部及びD部を混和した。混合物を撹拌しながら、短時間再度均一化し(5秒/11000rpm)、そしてゆっくり撹拌しながらさらに冷却した。室温で、pHを水酸化ナトリウム溶液で5.5乃至6.0に調整した。最後に香料を加えた。
【0060】
実施例10:デイリーケアUVプロテクションローション
【表16】

【0061】
製造説明
A部とB部を別々に75℃にまで加熱した。持続的に撹拌しながらA部をB部に投入した。乳化後すぐに、D部のSF1202とSF1288混合物に混和した。その後Ultra Turraxで11000rpmで30秒間均一化した。65℃に冷却し、そしてSALCARE(登録商標)SC91を混和した。50℃以下の温度で、C部を加えた。35℃以下でビタミンEアセテートを混和し、そして続いてクエン酸でpHを調整した。室温でE部を加えた。
【0062】
実施例11:サンプロテクションクリーム、タイプO/W
【表17】

【0063】
製造説明:
A部とB部を別々に75℃にまで加熱した。撹拌しながらA部をB部に投入した。混合物をUltra Turraxで11000rpmで15秒間均一化した。混合物を60℃に冷却し、そしてC部及びD部を混和した。混合物を再度短時間均一化した(5秒/11000rpm)。穏やかに撹拌しながらさらに冷却した後、室温でpHを水酸化ナトリウムで調整した。5.50乃至6.00の溶液が得られた。最後に香料を加えた。
【0064】
実施例12:サンプロテクションクリーム、タイプO/W
【表18】

【0065】
製造説明:
A部とB部を別々に75℃にまで加熱した。撹拌しながらA部をB部に投入した。混合物をUltra Turraxで11000rpmで15秒間均一化した。60℃に冷却し、C部及びD部を混和した。混合物を再度短時間均一化した(5秒/11000rpm)。穏やかに撹拌しながらさらに冷却した後、室温でpHを水酸化ナトリウム溶液で5.50乃至6.00に調整した。最後に香料を加えた。
【0066】
実施例13:サンプロテクションクリーム、O/W
【表19】

【0067】
製造説明
A部とB部を別々に75℃にまで加熱した。撹拌しながらA部をB部に投入した。混合
物をUltra Turraxで11000rpmで15秒間均一化した。60℃に冷却した後、C部及びD部を混和した。混合物を再度短時間均一化した(5秒/11000rpm)。穏やかに撹拌しながらさらに冷却した後、室温でpHを水酸化ナトリウム調整した。pH5.50乃至6.00の溶液を得た。最後に香料を加えた。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】

(式中、
1及びR2は夫々互いに独立して分枝状の炭素原子数4乃至22のアルキル基;又は分枝状の炭素原子数4乃至12のアルケニル基を表し;
3及びR4は夫々互いに独立してシアノ基;COR7基、COOR7基;CONR78基;SO2(炭素原子数6乃至12の)アリール基;炭素原子数2乃至12のアルキ−1−エ
ニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキ−1−エニル基;炭素原子数2乃至12のアルキ−1−イニル基;炭素原子数2乃至12のヘテロアルキル基;炭素原子数3乃至5のヘテロシクロアルキル基;炭素原子数6乃至10のアリール基;又は炭素原子数1乃至9のヘテロアリール基を表し;式中、R3及びR4の少なくとも一方はシアノ基を表し;
5及びR6は夫々互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至6のアルキル基;一つ以上の炭素原子数1乃至4のアルキル基で置換されてもよい炭素原子数5乃至8のシクロアルキル基を表し;ならびに、
7及びR8は夫々互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至22のアルキル基、炭素原子数2乃至12のアルケニル基;炭素原子数2乃至12のアルキニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基;−(CH2tCOOH基;炭素原子数7乃至12のアラルキル基;炭素原子数1乃至12のヘテロアルキル基;炭素原子数2乃至11のヘテロアラルキル基;炭素原子数6乃至10のアリール基;炭素原子数1乃至9のヘテロアリール基を表す。)で表される化合物。
【請求項2】
前記式(1)中、
1及びR2が夫々互いに独立して分枝状の炭素原子数4乃至22のアルキル基;又は分枝状の炭素原子数4乃至12のアルケニル基を表し;
3及びR4が夫々互いに独立してシアノ基;COR7基、COOR7基;CONR78基;SO2(炭素原子数6乃至12の)アリール基を表し;
5及びR6が夫々互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至6のアルキル基;一つ以上の炭素原子数1乃至4のアルキル基で置換されていてもよい炭素原子数5乃至8のシクロアルキル基を表し;そして
7及びR8が夫々互いに独立して水素原子;又は炭素原子数1乃至22のアルキル基を表す、
請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式中、
3がシアノ基を表し、
4がシアノ基;COR7基、COOR7基;CONR78基;SO2(炭素原子数6乃至12の)アリール基を表し;そして、
1、R2、R5、R6、R7及びR8が請求項1に定義されたものである、
請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
式(1)中、
1及びR2が同一であり;そして、
3、R4、R5及びR6が請求項1に定義されたものである、
請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の化合物。
【請求項5】
式(1)中、
1及びR2が1−メチルプロピル基;1,3−ジメチルブチル基;2−メチルブチル基;1,1,3,3−テトラメチルブチル基;3−メチルブチル基;7−メチルオクチル基;2−エチルヘキシル基;4−メチルシクロヘキシル基;及び2−メチル−2−プロペン基から選択される、
請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の化合物。
【請求項6】
式(1)中、R3及びR4が−C≡N基を表す、請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の化合物。
【請求項7】
式(1)中、
3が−C≡N基を表し、
4がCOR7基、COOR7基;CONR78基;SO2(炭素原子数6乃至12の)アリール基を表し;そして、
7及びR8が炭素原子数1乃至4のアルキル基を表す、
請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の化合物。
【請求項8】
紫外線の悪影響に対して人の毛髪及び皮膚を保護するための請求項1乃至7のうち何れか一項に記載の化合物の使用。
【請求項9】
抗しわ知覚改善剤(anti−wrinkle perception modifier)としての請求項1乃至7のうち何れか一項に記載の式(1)で表される化合物の使用。
【請求項10】
少なくとも一種の請求項1乃至7のうち何れか一項に記載の化合物と、化粧品的に許容されるキャリヤ又はアジュバントを一緒に含む化粧品製剤。


【公表番号】特表2009−519993(P2009−519993A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546364(P2008−546364)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【国際出願番号】PCT/EP2006/069516
【国際公開番号】WO2007/071582
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】