説明

モノアミン神経伝達物質再取込み阻害剤としての、新規アルキル置換ピペリジン誘導体及びその使用

本発明は、モノアミン神経伝達物質再取込み阻害剤として有用な新規アルキル置換ピペリジン誘導体に関する。他の態様では、本発明は、治療の方法におけるこれらの化合物の使用に関し、本発明の化合物を含む薬剤組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノアミン神経伝達物質再取込み阻害剤として有用な新規アルキル置換ピペリジン誘導体に関する。
【0002】
他の態様では、本発明は、治療用の方法におけるこれらの化合物の使用に関し、本発明の化合物を含む薬剤組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
国際公開第97/30997号(NeuroSearch A/S)は、神経伝達物質再取込み阻害剤として有効なトロパン誘導体を記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、セロトニン再取込み活性とノルアドレナリン及びドーパミン再取込み活性との比など、モノアミン神経伝達物質であるセロトニン、ドーパミン及びノルアドレナリンの再取込み活性に関する最適な薬理学的プロフィルを有する化合物に対する必要性が依然として大である。
【0005】
Morishimaら[Morishima Y、Fujita J、Ikeda T及びKamachi M;Chemistry letters 3巻、557〜560頁、1994年]は、亜病原性アクリレートの合成及び共重合を記載する。2種の化合物、4−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン及び4−(4−メトキシ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジンが開示されているが、これら2種の化合物の薬剤としての使用についてはなにも開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その第1の態様では、本発明は、R、R、X、R、R2’、R、R3’、R、R5’、R及びR6’が、以下の定義の通りである、式Iのピペリジン誘導体、
【化1】


任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬剤として許容されるその塩を提供する。
【0007】
その第2の態様では、本発明は、少なくとも1種の薬剤として許容される担体、賦形剤又は希釈剤と一緒に、治療上有効な量の本発明の化合物、又は任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬剤として許容されるその塩を含む薬剤組成物を提供する。
【0008】
さらなる態様では、本発明は、ヒトを含む哺乳動物の疾患若しくは障害若しくは状態を治療、予防若しくは軽減するための薬剤組成物を製造するための、本発明の化合物、任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬剤として許容されるその塩の使用であって、前記疾患若しくは障害若しくは状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取込み阻害に応答性である使用を提供する。
【0009】
別のさらなる態様では、本発明は、ヒトを含む動物生体の疾患若しくは障害若しくは状態を治療、予防若しくは軽減するための方法であって、前記疾患若しくは障害若しくは状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取込み阻害に応答性であり、前記方法が、治療に有効な量の本発明の化合物、任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬剤として許容されるその塩をそれを必要とするかかる動物生体に投与するステップを含む方法に関するものである。
【0010】
本発明の他の目的は、以下の詳細な説明及び実施例から当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
アルキル置換ピペリジン誘導体
その第1の態様では、本発明は、式Iのピペリジン誘導体、
【化2】


任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬剤として許容されるその塩
[式中、
は、水素又はアルキルを表し、前記アルキルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立に選択される1個又は複数の置換基により任意選択で置換されており、
Xは、−O−、−S−又は−NR−を表し、ここで、Rは、水素、アルキル、−C(=O)R又は−SOを表し、ここで、Rは、水素又はアルキルを表し、
は、アリール基を表し、前記アリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立に選択される1個又は複数の置換基により任意選択で置換されており、
、R2’、R、R3’、R、R5’、R及びR6’は、それぞれ互いに独立に水素又はアルキルを表し、
但し、R、R2’、R、R3’、R、R5’、R及びR6’の少なくとも1個は、アルキルを表し、
但し、この化合物は、4−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン又は4−(4−メトキシ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジンではない。]を提供する。
【0012】
一実施形態では、Rは、水素又はアルキルを表す。特別な実施形態では、Rは、水素を表す。さらなる実施形態では、Rは、メチルなどのアルキルを表す。別のさらなる実施形態では、Rは、シアノメチルなど、シアノで置換されたアルキルを表す。
【0013】
別のさらなる実施形態では、Rは、任意選択で置換されたフェニルを表す。
【0014】
さらなる実施形態では、Rは、フェニル基を表し、前記フェニル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルコキシからなる群から独立に選択される1個又は複数の置換基により任意選択で置換される。
【0015】
別のさらなる実施形態では、Rは、フェニル基を表し、前記フェニル基は、ハロにより2回任意選択で置換される。具体的な実施形態では、Rは、3,4−ジクロロ−フェニル、2,4−ジクロロフェニル又は2,5−ジクロロフェニルなどのジクロロ−フェニルを表す。さらなる実施形態では、Rは、4−ブロモ−3−クロロ−フェニル又は3−ブロモ−4−クロロ−フェニルなどのブロモ−クロロ−フェニルを表す。別のさらなる実施形態では、Rは、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、4−クロロ−3−フルオロ−フェニル、2−クロロ−5−フルオロ−フェニル又は4−クロロ−2−フルオロ−フェニルなどのクロロ−フルオロ−フェニルを表す。
【0016】
さらなる実施形態では、Rは、トリ−ハロ−フェニルを表す。具体的な実施形態では、Rは、2,4,5−トリクロロフェニル、2,3,4−トリクロロフェニル又は2,3,5−トリクロロフェニルなどのトリクロロ−フェニルを表す。さらなる実施形態では、Rは、4−ブロモ−2,3−ジフルオロフェニルなどのブロモ−ジフルオロ−フェニルを表す。
【0017】
別のさらなる実施形態では、Rは、ハロ−フェニルを表す。具体的な実施形態では、Rは、4−クロロ−フェニルなどのクロロフェニルを表す。
【0018】
さらなる実施形態では、Rは、4−トリフルオロメチル−フェニルなどのトリフルオロメチル−フェニルを表す。別のさらなる実施形態では、Rは、4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニルなどのクロロ−トリフルオロメチル−フェニルなどのハロ−トリフルオロメチル−フェニルを表す。さらなる実施形態では、Rは、4−クロロ−3−メトキシ−フェニルなどのクロロ−メトキシ−フェニルなどのハロ−アルコキシ−フェニルを表す。別のさらなる実施形態では、Rは、2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシ−フェニルなどのブロモ−クロロ−メトキシ−フェニルなどのジハロ−アルコキシ−フェニルを表す。さらなる実施形態では、Rは、2,3−ジメトキシ−フェニルなどのジメトキシ−フェニルなどのジアルコキシ−フェニルを表す。
【0019】
別のさらなる実施形態では、Rは、任意選択で置換されているナフチルを表す。具体的な実施形態では、Rは、ナフタレン−1−イルなどのナフチルを表す。
【0020】
さらなる実施形態では、Xは、−O−を表す。別のさらなる実施形態では、Xは、−NR−を表す。具体的な実施形態では、Rは、水素を表す。さらなる実施形態では、Rは、メチルなどのアルキルを表す。
【0021】
さらなる実施形態では、R、R2’、R、R3’、R、R5’、R及びR6’のうち4個が、アルキルを表し、R、R2’、R、R3’、R、R5’、R及びR6’のうち残りの4個が、水素を表す。
【0022】
具体的な実施形態では、R、R2’、R及びR6’は、メチルなどのアルキルを表し、R、R3’、R及びR5’は、水素を表す。
【0023】
具体的な実施形態では、本発明の化合物は、
4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン;
4−(4−クロロ−3−フルオロ−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン;
4−(4−ブロモ−3−クロロフェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン;
4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン;
4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(2−クロロ−5−フルオロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(4−クロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(2,4−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(2,5−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(2,4,5−トリクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(3−ブロモ−4−クロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(2,3,4−トリクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(1−ナフチルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
(3,4−ジクロロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(2,4−ジクロロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(2,5−ジクロロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(2,3,5−ジクロロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(2,3−ジメトキシ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(1−ナフトキシ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
[4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−1−イル]−アセトニトリル;
4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
(3,4−ジクロロ−フェニル)−メチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(4−ブロモ−2,3−フルオロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
又は薬剤として許容されるその塩である。
【0024】
上述の2種以上の実施形態の如何なる組合せも、本発明の範囲内と見なされる。
【0025】
置換基の定義
本発明の文脈では、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを表す。
【0026】
本発明の文脈では、アルキル基は、一価で飽和の、直鎖若しくは分枝の炭化水素鎖を表す。炭化水素鎖は、好ましくは、炭素原子1〜6個(C1〜6アルキル)を含み、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルを含む。好ましい実施形態では、アルキルは、ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルを含めて、C1〜4アルキル基を表す。本発明の他の好ましい実施形態では、アルキルは、具体的にメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルでよいC1〜3アルキル基を表す。
【0027】
本発明の文脈では、アルケニル基は、ジエン、トリエン及びポリエンを含めて、1個又は複数の二重結合を含む炭素鎖を表す。好ましい実施形態では、本発明のアルケニル基は、炭素原子2〜6個(C2〜6アルケニル)を含み、少なくとも1個の二重結合を含む。最も好ましい実施形態では、本発明のアルケニル基は、エテニル;1−若しくは2−プロペニル;1−、2−若しくは3−ブテニル、又は1,3−ブタジエニル;1−、2−、3−、4−若しくは5−ヘキセニル、又は1,3−ヘキサジエニル、又は1,3,5−ヘキサトリエニルである。
【0028】
本発明の文脈では、アルキニル基は、ジイン、トリイン及びポリインを含めて、1個又は複数の三重結合を含む炭素鎖を表す。好ましい実施形態では、本発明のアルキニル基は、炭素原子2〜6個(C2〜6アルキニル)を含み、少なくとも1個の三重結合を含む。最も好ましい実施形態では、本発明のアルキニル基は、エチニル;1−若しくは2−プロピニル;1−、2−若しくは3−ブチニル、又は1,3−ブタジイニル;1−、2−、3−、4−ペンチニル、又は1,3−ペンタジイニル;1−、2−、3−、4−若しくは5−ヘキシニル、又は1,3−ヘキサジイニル、又は1,3,5−ヘキサトリイニルである。
【0029】
本発明の文脈では、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含めて、好ましくは炭素原子3〜7個(C3〜7シクロアルキル)を含む環式アルキルを表す。
【0030】
アルコキシは、アルキルが上記で定義した通りであるO−アルキルである。
【0031】
シクロアルコキシとは、シクロアルキルが上記で定義した通りであるO−シクロアルキルを意味する。
【0032】
シクロアルキルアルキルとは、上述の通りのシクロアルキル及び上述の通りのアルキルを意味し、例えば、シクロプロピルメチルを意味する。
【0033】
アミノは、NH又はNH−アルキル又はN−(アルキル)であり、アルキルは上記で定義した通りである。
【0034】
本発明の文脈では、アリール基は、フェニル、ナフチル(1−ナフチル若しくは2−ナフチル)、フルオレニルなどの炭素環式芳香族環系を表す。
【0035】
薬剤として許容される塩
本発明の化合物は、目的とする投与に適した任意の形態で提供できる。適切な形態には、本発明の化合物の薬剤として(即ち、生理的に)許容される塩、及びプレ及びプロドラッグの形態が含まれる。
【0036】
薬剤として許容される付加塩の例には、限定されないが、塩酸由来の塩酸塩、臭化水素酸由来の臭化水素酸塩、硝酸由来の硝酸塩、過塩素酸由来の過塩素酸塩、リン酸由来のリン酸塩、硫酸由来の硫酸塩、ギ酸由来のギ酸塩、酢酸由来の酢酸塩、アコニット酸由来のアコニット酸塩、アスコルビン酸由来のアスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸由来のベンゼンスルホン酸塩、安息香酸由来の安息香酸塩、桂皮酸由来の桂皮酸塩、クエン酸由来のクエン酸塩、エンボン酸由来のエンボン酸塩、エナト酸由来のエナト酸塩、フマール酸由来のフマール酸塩、グルタミン酸由来のグルタミン酸塩、グリコール酸由来のグリコール酸塩、乳酸由来の乳酸塩、マレイン酸由来のマレイン酸塩、マロン酸由来のマロン酸塩、マンデル酸由来のマンデル酸塩、メタンスルホン酸由来のメタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸由来のナフタレン−2−スルホン酸塩、フタール酸由来のフタール酸塩、サリチル酸由来のサリチル酸塩、ソルビン酸由来のソルビン酸塩、ステアリン酸由来のステアリン酸塩、コハク酸由来のコハク酸塩、酒石酸由来の酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸由来のトルエン−p−スルホン酸塩など、無毒性の無機及び有機酸付加塩が含まれる。こうした塩は、当技術分野においてよく知られ、説明されている手順により形成できる。
【0037】
薬剤として許容されると見なすことができない蓚酸などの他の酸は、本発明の化合物及び薬剤として許容されるその酸付加塩を得る際の中間体として有用である塩の調製に有用である場合がある。
【0038】
本発明の化合物の薬剤として許容される陽イオン塩の例には、限定されないが、陰イオン基を含む本発明の化合物のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、コリン、リシン、アンモニウム塩などが含まれる。こうした陽イオン塩は、当技術分野においてよく知られ、説明されている手順により形成できる。
【0039】
本発明の文脈では、N含有化合物の「オニウム塩」も薬剤として許容される塩として企図される。好ましい「オニウム塩」には、アルキル−オニウム塩、シクロアルキル−オニウム塩及びシクロアルキルアルキル−オニウム塩が含まれる。
【0040】
本発明の化合物のプレドラッグ若しくはプロドラッグの形態には、本発明による物質の適切なプロドラッグの例が含まれ、母化合物の1個又は複数の反応性若しくは誘導可能な基において修飾された化合物が含まれる。カルボキシル基、ヒドロキシル基又はアミノ基において修飾された化合物が特に重要である。
【0041】
本発明の化合物は、水やエタノールなど薬剤として許容される溶媒と一緒に可溶性若しくは不溶性の形態において提供できる。可溶性の形態には、一水和物、二水和物、半水和物、三水和物、四水和物などの水和形態を含むことができる。一般に、可溶性の形態は、本発明では不溶性の形態と等価であると見なされる。
【0042】
立体異性体
本発明の化合物は、1個又は複数のキラル中心を含むことができ、そうした化合物は、異性体の形で存在することは当業者には理解されよう。
【0043】
例えば、本発明の化合物は、シス若しくはトランス立体配置、及びその混合物において存在できる。例えば、アルキルを表す置換基R/R2’、R/R3’、R/R5’及びR/R6’は、具体的に互いにシス若しくはトランスの立体配置(例えば、Rに対するR又はRに対するR)であり得る。本発明には、ラセミ混合物を含めて、こうした異性体のすべて及びその如何なる混合物も含まれる。
【0044】
さらに、本発明の化合物は、(+)及び(−)形のエナンチオマー並びにラセミ形(±)として存在できる。これらの異性体のラセミ体及び個々の異性体それ自体は、本発明の範囲内にある。
【0045】
本発明には、ラセミ混合物を含めて、こうした異性体のすべて及びその如何なる混合物も含まれる。
【0046】
ラセミ形は、公知の方法及び技法により光学対掌体に分割できる。異性体塩を分離する一方法は、光学活性な酸の使用によるものであり、塩基での処理により光学活性なアミン化合物を遊離させる。ラセミ体を光学対掌体に分割する別の方法は、光学活性マトリックス上でのクロマトグラフィーに基づく。こうして、本発明のラセミ化合物は、例えば、例としてd−若しくはl−(酒石酸塩、マンデル酸塩又は樟脳スルホン酸塩)塩の分別結晶化により、それらの光学対掌体に分割できる。
【0047】
本発明の化合物は、本発明の化合物と(+)若しくは(−)フェニルアラニン、(+)若しくは(−)フェニルグリシン、(+)若しくは(−)カンファン酸由来のものなど光学活性な活性化カルボン酸との反応によりジアステレオマーアミドを形成させること、又は本発明の化合物と光学活性なクロロギ酸エステルなどとの反応によりジアステレオマーカルバメートを形成させることにより分割することもできる。
【0048】
光学異性体を分割するための追加の方法は当技術分野で公知である。そうした方法には、Jaques J、 Collet A、及びWilen Sの「エナンチオマー、ラセミ体及び分割(Enantiomers,Racemates,and Resolutions)」、John Wiley and Sons、New York(1981)に記載のものが含まれる。
【0049】
光学活性化合物は、光学活性な出発材料からも調製できる。
【0050】
標識化合物
本発明の化合物は、標識若しくは無標識の形において使用できる。本発明の文脈では、標識化合物は、通常天然で見られる原子質量若しくは質量数と異なる原子質量若しくは質量数を有する原子により置換された1個又は複数の原子を有する。標識することにより、前記化合物の定量的な検出が容易になる。
【0051】
本発明の標識化合物は、様々な診断方法において診断ツール、放射性トレーサ又は監視剤として有用であり得るし、生体内受容体のイメージング用としても有用であり得る。
【0052】
本発明の標識異性体は、好ましくは、標識として少なくとも1個の放射性核種を含む。ポジトロン放出放射性核種はすべて、使用のための候補者である。本発明の文脈では、放射性核種は、好ましくは、H(重水素)、H(三重水素)、13C、14C、131I、125I、123I及び18Fから選択される。
【0053】
本発明の標識異性体を検出するための物理的方法は、陽電子放出断層撮影法(PET)、単一光子映像コンピュータ断層撮影法(SPECT)、磁気共鳴分光法(MRS)、磁気共鳴映像法(MRI)及びコンピュータ軸方向X線断層撮影法(CAT)又はその組合せから選択できる。
【0054】
調製方法
本発明の化合物は、化学合成用の通常の方法、例えば、実際の実施例において記載の方法により調製できる。本出願において記載の方法のための出発材料は、公知であり、或いは、市販の化学品から通常の方法により容易に調製できる。
【0055】
また、本発明の或る化合物は、通常の方法を使用して、本発明の別の化合物に転換することもできる。
【0056】
本明細書において記載の反応の最終生成物は、通常の技法、例えば、抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーなどにより単離できる。
【0057】
生物活性
本発明の化合物は、シナプトソームにおけるモノアミン、即ちドーパミン、ノルアドレナリン及びセロトニンの再取込みを阻害する能力について、例えば、国際公開第97/30997号においての記載と同様に試験できる。これらの試験において観察されたバランスのとれた活性に基づき、本発明の化合物は、ヒトを含む哺乳動物の、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取込み阻害に応答性である疾患若しくは障害若しくは状態の治療、予防若しくは軽減に対して有用であると考えられる。
【0058】
具体的な実施形態では、本発明の化合物は、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛続発性うつ病、大うつ病性障害、情緒異常障害、双極性障害、双極性1型障害、双極性2型障害、循環病、一般薬物条件による気分障害、物質誘因性気分障害、仮性認知症、ガンサー症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖無随伴パニック障害、広場恐怖随伴パニック障害、パニック障害病歴のない広場恐怖、不安発作、記憶欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満症、不安、全身性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソン症、認知症、加齢認知症、老年認知症、アルツハイマー病、複合性エイズ認知症、老人性記憶機能障害、特異的恐怖症、社会的恐怖症、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、薬物乱用、コカイン乱用、ニコチン乱用、タバコ乱用、アルコール中毒、アルコール依存症、疼痛、慢性痛、炎症痛、神経因性痛、片頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、疼痛随伴うつ病、線維筋痛症、関節炎、骨関節炎、リューマチ性関節炎、背痛、がん疼痛、過敏性腸痛、過敏性腸症候群、術後痛、乳房切除後疼痛症候群(PMPS)、脳卒中後痛、薬物誘因性神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経性維持痛、三叉神経痛、歯痛、顔面筋疼痛、幻肢痛、過食症、月経前緊張症、後期黄体期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、尿失禁、ストレス失調症、緊急性失調症、夜間失調症、性機能障害、早発性射精、勃起障害、勃起不全、早発性女性オルガスム、下肢静止不能症候群、摂食障害、神経性摂食障害、睡眠障害、自閉症、無言症、抜毛癖、過眠症、脳卒中後うつ病、脳卒中誘因性脳損傷、脳卒中誘因性神経損傷又はジル−ド−ラ−ツレット病の治療、予防若しくは軽減に対して有用であると考えられる。好ましい実施形態では、化合物は、うつ病の治療、予防若しくは軽減に対して有用であると考えられる。
【0059】
有効薬剤成分(API)の適切な投与量は、1日当り約0.1〜約1000mgのAPI、より好ましくは1日当り約10〜約500mgのAPI、最も好ましくは1日当り約30〜約100mgのAPIの範囲内であることが現在企図されているが、正確な投与様式、投与の形態、考慮する適応症、対象及び特に関与する対象の体重、さらに担当の医師若しくは獣医師の好み及び経験次第である。
【0060】
本発明の好ましい化合物は、サブマイクロモル及びマイクロモルの範囲、即ち1μM未満から約100μMまでにおいて生物活性を示す。
【0061】
薬剤組成物
別の態様では、本発明は、治療に有効な量の本発明の化合物を含む新規な薬剤組成物を提供する。
【0062】
治療で使用するための本発明の化合物は、未加工の化合物の形において投与できるが、1種又は複数のアジュバント、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤及び/又は他の通常の薬剤補助剤を一緒に含む薬剤組成物において、場合によっては生理的に許容される塩の形態で、有効成分を導入することが好ましい。
【0063】
好ましい実施形態では、本発明は、当技術分野で使用公知である1種又は複数の薬剤として許容される担体、及び任意選択で他の治療及び/又は予防の成分と一緒に、本発明の化合物、又は薬剤として許容される塩若しくはその誘導体を含む薬剤組成物を提供する。担体は、配合物の他の成分と適合性があり、その受容者に対して無害であるという意味において「許容される」ものでなければならない。
【0064】
本発明の薬剤組成物は、経口、直腸、気管支、経鼻、肺、局所(頬側及び舌下を含めて)、経皮、腟又は非経口(皮膚、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、脳内、眼内注射若しくは注入を含めて)投与に適したもの、或いは粉末及び液体エアゾル投与を含めて吸入若しくはガス注入、又は徐放システムによる投与に適した形態のものでよい。徐放システムの適切な例には、本発明の化合物を含む固体疎水性ポリマーの半透水性マトリックスが含まれ、このマトリックスは、成型品の形態、例えばフィルム若しくはマイクロカプセルでよい。
【0065】
従って、通常のアジュバント、担体又は希釈剤と共に、本発明の化合物は、薬剤組成物及びその単位投与形態内に入れることができる。そうした形態には、固体、特に錠剤、充填カプセル、粉末及びペレットの形態、並びに液体、特に水性若しくは非水性溶液、懸濁液、エマルジョン、エリキシル剤及びそれらを充填したカプセルが含まれ、すべて、経口用、直腸投与用座薬及び非経口用殺菌注射溶液のためのものである。こうした薬剤組成物及びその単位投与形態は、通常の成分を通常の割合で含むことができ、追加の有効化合物若しくは成分を含んでも含まなくてもよく、こうした単位投与形態は、用いられる所望の1日当り投与範囲に釣り合う適切な有効量の有効成分の如何なるものをも含むことができる。
【0066】
本発明の化合物は、多種多様の経口及び非経口投与形態において投与できる。以下の投与形態は、有効成分として、本発明の化合物又は本発明の化合物の薬剤として許容される塩のいずれかを含むことができることは当業者には明らかである。
【0067】
本発明の化合物から薬剤組成物を調製するために、薬剤として許容される担体は、固体でも液体でもよい。固体形態の製剤には、粉末、錠剤、ピル、カプセル、キャセイ、座薬及び分散性顆粒が含まれる。固体担体は、希釈剤、芳香剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁剤、結合剤、防腐剤、錠剤分割剤又はカプセル化材としても働くことができる1種又は複数の物質でよい。
【0068】
粉末では、担体は、微細に分割された固体であり、これは、微細に分割した有効成分との混合物になる。
【0069】
錠剤では、有効成分は、適切な割合で、必要な結合能力を有する担体と混合され、所望の形及びサイズに圧密される。
【0070】
粉末及び錠剤は、好ましくは、5又は10から約70%までの有効化合物を含む。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、蔗糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、ココアバターなどである。用語「製剤」とは、担体を含む又は含まない有効成分が担体により囲まれ、従って担体が有効成分と一体化するようなカプセルを提供する担体としてのカプセル化材料と有効成分との配合物を含むことを意味する。同様に、キャセイ及びトローチ剤が含まれる。錠剤、粉末、カプセル、ピル、キャセイ及びトローチ剤は、経口投与に適した固体形態として使用できる。
【0071】
座薬を調製するために、脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物などの低融点ロウを最初に溶融し、攪拌しながら有効成分をその中に均一に分散する。次いで、溶融した均一な混合物を好都合なサイズの型枠に注ぎ、冷却し、それにより固化させる。
【0072】
膣投与に適した組成物は、有効成分に加えて当技術分野で適切であることが公知であるような担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーとして提供できる。
【0073】
液体製剤には、溶液、懸濁液及びエマルジョン、例えば、水若しくは水−プロピレングリコール溶液が含まれる。例えば、非経口注射液製剤は、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液として配合できる。
【0074】
従って、本発明による化合物は、非経口投与(例えば、注射、例えばボーラス注射若しくは連続注入により)用として配合でき、アンプル、予充填シリンジ、小容積注入又は防腐剤添加の多回投与容器中の単位投与形態において提供できる。組成物は、油性若しくは水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、及びエマルジョンのような形態をとることができ、懸濁、安定及び/又は分散剤などの配合用剤を含むことができる。或いは、有効成分は、適切なビヒクル、例えば、殺菌した発熱物質を含まない水で使用前に構成するための、殺菌固体の無菌単離又は溶液からの凍結乾燥により得られる粉末形態でもよい。
【0075】
経口使用のために適した水溶液は、有効成分を水に溶解し、所望の適切な着色剤、香料、安定剤及び増粘剤を添加することにより調製できる。
【0076】
経口使用のために適した水性液は、微細に分割した有効成分を、天然若しくは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、他のよく知られた懸濁剤などの粘性材料を含む水中に分散させることにより作製できる。
【0077】
使用の直前に経口投与のための液体形態の製剤に転換することを目的とする固体形態の製剤も含まれる。そうした液体形態には、溶液、懸濁液及びエマルジョンが含まれる。有効成分に加えて、そうした製剤は、着色剤、香料、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含むことができる。
【0078】
表皮に対する局所投与のために、本発明の化合物は、軟膏、クリーム又はローション、或いは経皮パッチとして製剤できる。例えば、軟膏及びクリームは、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を添加して水性若しくは油性ベースにより製剤できる。ローションは、水性若しくは油性ベースにより製剤でき、一般に、1種又は複数の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤又は着色剤をも含む。
【0079】
口内の局所投与に適した組成物には、芳香ベース、通常蔗糖及びアカシア若しくはトラガカント中に有効剤を含むトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン又は蔗糖及びアカシアなどの不活性ベース中に有効成分を含むトローチ;及び適切な液体担体中に有効成分を含むうがい薬が含まれる。
【0080】
溶液又は懸濁液は、通常の手段、例えば、滴下器、ピペット又はスプレーにより鼻腔に直接適用される。組成物は、単回又は多回投与形態で提供できる。
【0081】
気道に対する投与は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、又はトリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の適切なガスなどの適切な噴射剤を含む圧縮パックにおいて有効成分が提供されるエアゾル配合物によっても実現できる。エアゾルは、好都合に、レシチンなどの界面活性剤をも含む。薬物の投与は、定量バルブの提供により制御できる。
【0082】
或いは、有効成分は、乾燥粉末、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースやポリビニルピロリドン(PVP)などのデンプン誘導体などの適切な粉末ベース中の化合物の粉末混合物の形態において提供できる。好都合に、粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、例えばゼラチンのカプセル若しくはカートリッジ又は粉末を吸入器により投与できるブリスターパックにおける単位投与形態で提供できる。
【0083】
鼻内組成物を含めて、気道に対する投与を目的とする組成物では、化合物は、一般に、小粒子サイズ、例えば、5ミクロン未満のオーダーである。こうした粒子サイズは、当技術分野で公知の手段、例えば、微細化により得ることができる。
【0084】
所望の場合、有効成分を徐放させるように適合させた組成物を用いることができる。
【0085】
単位投与形態の薬剤製剤が好ましい。そうした形態では、製剤は、十分な量の有効成分を含む単位投与にさらに分割される。単位投与形態は、パッケージした配合物でもよく、そのパッケージは、パッケージ化錠剤、カプセル、ガラスビン若しくはアンプル入りの粉末などディスクリートな量の製剤を含む。また、単位投与形態は、カプセル、錠剤、キャセイ又はトローチ剤それ自体でもよく、或いは、これらのうちの任意のものを適切な数だけパッケージ形態してもよい。
【0086】
経口投与用の錠剤若しくはカプセル、静脈投与及び連続注入用の液体は、好ましい組成物である。
【0087】
製剤及び投与についてのさらなる詳細は、レミントン薬剤科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)(Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版において知ることができる。
【0088】
治療上の有効な投与量とは、症状又は状態を改善する有効成分の量をいう。治療有効性及び毒性、例えば、ED50及びLD50は、細胞培養物又は実験動物における標準薬理手順により求めることができる。治療効果と毒性作用の用量比は、治療インデックスであり、LD50/ED50で表すことができる。大きな治療インデックスを示す薬剤組成物が好ましい。
【0089】
投与する量は、もちろん、治療される個体の年齢、体重及び状態に対して注意深く調整しなければならず、加えて、投与経路、投与形態及び計画、並びに所望の結果及び正確な投与量は、もちろん、熟練者により決定されるべきである。
【0090】
実際の投与量は、治療される疾患の性質及び重症度に依存し、医師の裁量範囲内であり、本発明の特定の状態に対して所望の治療効果を得るように用量を漸増することができる。しかし、各投与当り有効成分約0.1〜約500mg、好ましくは約1〜約100mg、最も好ましくは約1〜約10mgを含む薬剤組成物が、治療用として適切であることが現在企図されている。
【0091】
有効成分は、1日当り1回又は数回投与することができる。ある場合には、わずか0.1μg/kgi.v.及び1μg/kgp.o.の投与量において満足な結果を得ることができる。現在、投与量の上限は、約10mg/kgi.v.及び100mg/kgp.o.であると考えられている。好ましい範囲は、約0.1μg/kg〜約10mg/kg/日i.v.及び約1μg/kg〜約100mg/kg/日p.o.である。
【0092】
治療方法
別の態様では、本発明は、ヒトを含む動物生体を治療、予防又は軽減するための方法であって、前記疾患又は障害又は状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取込み阻害に応答性であり、治療に有効な量の本発明の化合物をそれを必要とする、ヒトを含むかかる動物生体に投与するステップを含む方法を提供する。
【0093】
通常の如く、厳密な投与様式、投与の形態、投与を管理する適応症、関与する対象及び関与する対象の体重、さらには担当の医師若しくは獣医師の好み及び経験に応じて、適切な投与量範囲は、1日当り0.1〜1000mg、1日当り10〜500mg、特に1日当り30〜100mgであることが現在企図されているが、厳密な投与様式、投与の形態、投与を管理する適応症、関与する対象及び関与する対象の体重、さらには担当の医師若しくは獣医師の好み及び経験次第であることが通常である。
【実施例】
【0094】
以下の実施例を参照しながら、本発明をさらに例示するが、如何なる意味においても、特許請求された本発明の範囲を限定するものではない。
【0095】
一般:空気敏感性試薬若しくは中間体が関与する反応はすべて、窒素下及び無水溶媒中で行った。仕上げ手順における乾燥剤として硫酸マグネシウムを使用し、溶媒は、減圧下で蒸発させた。
【0096】
方法A
4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
トリフェニルホスフィン(3.67g、14mmol)、ジオキサン(30ml)、ジエチルアゾジカルボキシレート(2.2ml、14mmol)、4−(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジノール(1.90g、12mmol)及び3,4−ジクロロフェノール(2.3g、14mmol)の混合物を室温で15時間攪拌した。混合物を蒸発させ、水(10ml)及び水酸化ナトリウム(4ml、4M)を加え、混合物をジエチルエーテル(3×20ml)で抽出した。有機相を水で洗浄し、蒸発させた。エタノール中、塩酸を加えて対応する塩酸塩を沈殿させた。混合物を蒸発させ、結晶を研和し、ジエチルエーテル中で15時間攪拌した。生成物をろ過により単離した。収率40mg(1%)。
【0097】
4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン塩酸塩
1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4−オール及び4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェノールから方法Aに従って調製した。融点240〜245℃。
【0098】
4−(4−クロロ−3−フルオロ−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン塩酸塩
1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4−オール及び4−クロロ−3−フルオロフェノールから方法Aに従って調製した。融点187.2〜190.7℃。
【0099】
方法B
4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
4−(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジノール(3.15g、20mmol)、テトラヒドロフラン(50ml)、カリウムtert−ブトキシド(6.72g、60mmol)及び1,2−ジクロロ−4−フルオロベンゼン(2.47ml、21mmol)の混合物を室温で4時間攪拌した。水(100ml)を加え、混合物をジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。塩酸エーテル溶液(6.5ml、3.1M)を加え、塩酸塩を沈殿させ、10分間攪拌し、続いてろ過した。収率5.69g(84%)。融点291℃。
【0100】
4−(4−ブロモ−3−クロロフェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
方法Bに従って調製した。融点277℃。
【0101】
4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン塩酸塩
1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4−オールから方法Bに従って調製した。融点189.6〜195.6℃。
【0102】
4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン塩酸塩
1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4−オール及び1−クロロ−2,5−ジフルオロベンゼンから方法Bに従って調製した。融点198.0〜200.9℃。
【0103】
4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
4−(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジノール及び1−クロロ−2,5−ジフルオロベンゼンから方法Bに従って調製した。融点>250℃。
【0104】
4−(2−クロロ−5−フルオロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
4−(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジノール及び1−クロロ−2,4−ジフルオロベンゼンから方法Bに従って調製した。融点>300℃。
【0105】
4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
4−(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジノール及び4−フルオロ−トリフルオロメチルベンゼンから方法Bに従って調製した。融点284.2℃。
【0106】
4−(4−クロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
4−(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジノール及び1−クロロ−4−フルオロベンゼンから方法Bに従って調製した。融点246.9〜251.6℃。
【0107】
4−(2,4−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
4−(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジノール及び1,3−ジクロロ−4−フルオロベンゼンから方法Bに従って調製した。融点>300℃。
【0108】
4−(2,5−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
4−(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジノール及び1,4−ジクロロ−2−フルオロベンゼンから方法Bに従って調製した。融点>300℃。
【0109】
4−(2,4,5−トリクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
4−(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジノール及び1,2,4,5−テトラクロロベンゼンから方法Bに従って調製した。融点>300℃。
【0110】
4−(3−ブロモ−4−クロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
4−(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジノール及び3−ブロモ−4−クロロ−1−フルオロベンゼンから方法Bに従って調製した。融点237〜240℃。
【0111】
4−(2,3,4−トリクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
4−(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジノール及び1,2,3,4−テトラクロロベンゼンから方法Bに従って調製した。融点258〜260℃。
【0112】
4−(1−ナフチルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
4−(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジノール及び1−フルオロナフタレンから方法Bに従って調製した。融点>300℃。
【0113】
方法C
(3,4−ジクロロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン塩酸塩
4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(3.4ml、20mmol)、カリウムtertブトキシド(4.5g、40mmol)、3,4−ジクロロブロモベンゼン(4.97g、22mmol)、パラダサイクル(100mg,0.11mmol)及びジオキサン(100ml)の混合物を還流しながら2時間攪拌した。水(100ml)を加え、混合物をジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。ジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア(89:10:1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより、標題化合物を得た。収率5.56g(82%)。塩酸エーテル溶液(6.5ml、3.1M)を加え、塩酸塩を沈殿させ、10分間攪拌し、続いてろ過した。融点>300℃。
【0114】
(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミンフマール酸塩
方法Cに従って調製した。融点237℃。
【0115】
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミンフマール酸塩
方法Cに従って調製した。融点269℃。
【0116】
(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミンフマール酸塩
方法Cに従って調製した。融点268℃。
【0117】
(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミンフマール酸塩
方法Cに従って調製した。融点242〜245℃。
【0118】
(2,4−ジクロロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミンフマール酸塩
方法Cに従って調製した。融点>250℃(Dec.)。
【0119】
(2,5−ジクロロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミンフマール酸塩
方法Cに従って調製した。融点241〜244℃。
【0120】
(2,3,5−ジクロロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミンフマール酸塩
方法Cに従って調製した。融点259〜261℃。
【0121】
(2,3−ジメトキシ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン塩酸塩
方法Cに従って調製した。融点165℃。
【0122】
(1−ナフトキシ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン塩酸塩
方法Cに従って調製した。融点179〜181℃。
【0123】
方法D
[4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル]−アセトニトリル塩酸塩
4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン(1.22g、3.9mmol)、炭酸カリウム(6.9g、50mmol)、シアノメチルベンゼンスルホネート(7.5ml、40mmol)、及びDMSO(20ml)の混合物を、70℃で15時間攪拌した。水(100ml)を加え、混合物をジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。酢酸エチル:石油(1:1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより、標題化合物を得た。塩酸エーテル溶液を加え、塩酸塩を沈殿させ、10分間攪拌し、続いてろ過した。収率0.23g(16%)。融点>200℃(Dec.)。
【0124】
方法E
4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン塩酸塩
4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン(1.28g、4.26mmol)、トルエン(50ml)及びジエチルアゾジカルボキシレート(2.0ml、12.8mmol)の混合物を、110℃で8時間加熱した。塩酸(20ml、2M)を還流しながら2時間で加えた。混合物を氷上で冷却した。塩酸塩が沈殿し、ろ過により単離した。収率1.2g(87%)。融点222℃。
【0125】
方法F
(3,4−ジクロロ−フェニル)−メチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン塩酸塩
4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン(0.37g、1.2mmol)、ギ酸(5ml、98%)及びホルムアルデヒド(5ml、37%)の混合物を、85℃で4時間攪拌した。アンモニア水溶液(25ml)を加え、混合物をジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。ジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア(40:9:1%)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより、標題化合物を得た。塩酸エーテル溶液を加え、塩酸塩を沈殿させ、10分間攪拌し、続いてろ過した。収率0.18g(43%)。融点>200℃(Dec.)。
【0126】
方法G
(4−ブロモ−2,3−フルオロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン塩酸塩
4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(2.7ml、16mmol)とTHF(50ml)の混合物に、ブチルリチウム(8.4ml、21mmol)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。1−ブロモ−2,3,4−トリフルオロベンゼン(4.0g、19mmol)を加え、混合物を還流しながら1時間攪拌した。水酸化ナトリウム水溶液(25ml)を加え、混合物をジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。ジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア(90:9:1%)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより、標題化合物を得た。塩酸エーテル溶液を加え、塩酸塩を沈殿させ、10分間攪拌し、続いてろ過した。収率0.14g(2%)。融点>250℃(Dec.)。
【0127】
(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン塩酸塩
G法に従って調製した。融点>160℃(Dec.)。
【0128】
方法H
(2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン塩酸塩
(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン(0.40g、1.3mmol)、アセトニトリル(10ml)及びNBS(0.23g,1.3mmol)の混合物を、100℃で1時間攪拌した。水(25ml)を加え、混合物をジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。塩酸エーテル溶液を加え、塩酸塩を沈殿させ、攪拌し、続いてろ過した。収率0.40g(75%)。融点>270℃。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのピペリジン誘導体、
【化1】


任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬剤として許容されるその塩
[式中、
は、水素又はアルキルを表し、前記アルキルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立に選択される1個又は複数の置換基により任意選択で置換されており、
Xは、−O−、−S−又は−NR−を表し、ここで、Rは、水素、アルキル、−C(=O)R又は−SOを表し、ここで、Rは、水素又はアルキルを表し、
は、アリール基を表し、前記アリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立に選択される1個又は複数の置換基により任意選択で置換されており、
、R2’、R、R3’、R、R5’、R及びR6’は、それぞれ互いに独立に水素又はアルキルを表し、
但し、R、R2’、R、R3’、R、R5’、R及びR6’の少なくとも1個は、アルキルを表し、
但し、この化合物は、4−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン又は4−(4−メトキシ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジンではない。]。
【請求項2】
が、水素又はアルキルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、フェニル基を表し、前記フェニル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルコキシからなる群から独立に選択される1個又は複数の置換基により任意選択で置換されている、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
が、フェニル基を表し、前記フェニル基は、ハロにより2回任意選択で置換されている、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
Xが、−O−を表す、請求項1から4までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Xが、−NR−を表す、請求項1から4までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
、R2’、R、R3’、R、R5’、R及びR6’のうち4個が、アルキルを表し、R、R2’、R、R3’、R、R5’、R及びR6’のうち残りの4個が、水素を表す、請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン;
4−(4−クロロ−3−フルオロ−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン;
4−(4−ブロモ−3−クロロフェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン;
4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン;
4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(2−クロロ−5−フルオロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(4−クロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(2,4−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(2,5−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(2,4,5−トリクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(3−ブロモ−4−クロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(2,3,4−トリクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
4−(1−ナフチルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
(3,4−ジクロロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(2,4−ジクロロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(2,5−ジクロロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(2,3,5−ジクロロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(2,3−ジメトキシ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(1−ナフトキシ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
[4−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−1−イル]−アセトニトリル;
4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン;
(3,4−ジクロロ−フェニル)−メチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(4−ブロモ−2,3−フルオロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
(2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン;
又は薬剤として許容されるその塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
少なくとも1種の薬剤として許容される担体、賦形剤若しくは希釈剤と共に、治療上有効な量の請求項1から8までのいずれか一項に記載の化合物、又は化合物4−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン若しくは4−(4−メトキシ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬剤として許容されるその塩を含む薬剤組成物。
【請求項10】
請求項1から8までのいずれかに記載の化合物、又は化合物4−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン若しくは4−(4−メトキシ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬剤として許容されるその塩の、薬物を製造するための使用。
【請求項11】
ヒトを含む哺乳動物の疾患若しくは障害若しくは状態を治療、予防若しくは軽減するための薬剤組成物を製造するための請求項10に記載の使用であって、前記疾患若しくは障害若しくは状態が中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取込み阻害に応答性である、上記使用。
【請求項12】
疾患若しくは障害若しくは状態が、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛続発性うつ病、大うつ病性障害、情緒異常障害、双極性障害、双極性1型障害、双極性2型障害、循環病、一般薬物条件による気分障害、物質誘因性気分障害、仮性認知症、ガンサー症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖無随伴パニック障害、広場恐怖随伴パニック障害、パニック障害病歴のない広場恐怖、不安発作、記憶欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満症、不安、全身性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソン症、認知症、加齢認知症、老年認知症、アルツハイマー病、複合性エイズ認知症、老人性記憶機能障害、特異的恐怖症、社会的恐怖症、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、薬物乱用、コカイン乱用、ニコチン乱用、タバコ乱用、アルコール中毒、アルコール依存症、疼痛、慢性痛、炎症痛、神経因性痛、片頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、疼痛随伴うつ病、線維筋痛症、関節炎、骨関節炎、リューマチ性関節炎、背痛、がん疼痛、過敏性腸痛、過敏性腸症候群、術後痛、乳房切除後疼痛症候群(PMPS)、脳卒中後痛、薬物誘因性神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経性維持痛、三叉神経痛、歯痛、顔面筋疼痛、幻肢痛、過食症、月経前緊張症、後期黄体期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、尿失禁、ストレス失調症、緊急性失調症、夜間失調症、性機能障害、早発性射精、勃起障害、勃起不全、早発性女性オルガスム、下肢静止不能症候群、摂食障害、神経性摂食障害、睡眠障害、自閉症、無言症、抜毛癖、過眠症、脳卒中後うつ病、脳卒中誘因性脳損傷、脳卒中誘因性神経損傷又はジル−ド−ラ−ツレット病である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
ヒトを含む動物生体の疾患若しくは障害若しくは状態を治療、予防若しくは軽減するための方法であって、前記疾患若しくは障害若しくは状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取込み阻害に応答性であり、前記方法が、治療に有効な量の請求項1から8までのいずれか一項に記載の化合物、又は化合物4−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン若しくは4−(4−メトキシ−フェノキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬剤として許容されるその塩をそれを必要とするかかる動物生体に投与するステップを含む上記方法。

【公表番号】特表2008−502651(P2008−502651A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515944(P2007−515944)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052731
【国際公開番号】WO2005/123679
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】