説明

モバイル機器において画像及び地理的位置データを管理する方法及びシステム

【課題】モバイル機器において、画像及び関連する地理的位置データを管理し、画像及び関連する地理的位置データを表示する装置を提供する。
【解決手段】モバイル機器において、システムは、統合型カメラを用いて1つ以上の画像を生成し、この画像に関連する地理的位置を特定する。次にシステムは、この画像、関連する地理的位置データ、及び関連性の記録を、モバイル機器の記憶要素に記憶する。システムは、電話番号、カテゴリ、及び所在地住所のような補足情報をこの画像に関連付けることもできる。システムは、複数の画像及び関連データの1つ以上の部分を表示するリストモード、及び選択した画像及び関連データの全体集合を表示する詳細モードを含む、画像及び関連情報を表示するための1つ以上の表示モードを提供する。システムは、1つ以上の画像に関連する位置を、ある地理的領域の地図上に表示する地図表示モードを提供することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
モバイル技術が向上すると共に、モバイル機器はより小型でより強力になってきた。モバイル機器を接続する無線ネットワークも改良されてきた。これらの改良は、現在、単純な音声通話を超えた多くの機能のために、モバイル機器をネットワークに接続することができることを意味する。例えば、モバイル機器を用いて電子メールを送信し、インターネットを閲覧(ブラウズ)し、インスタント・メッセージを送信することができる。多くの機器は、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)受信機も、集積した地図(あるいはネットワークからダウンロードした地図)と共に含む。一部の場合には、モバイル機器は、ブルートゥース(登録商標)またはIEEE 802.11のようなローカル接続性を提供する無線規格をサポートする。これらの規格は、機器がWLANに接続し、さらには他の機器とピア・ツー・ピアモードで通信することを可能にする。多くのモバイル機器は、ユーザが写真を撮るかビデオ(動画)を記録することを可能にする統合型カメラも具えている。技術が向上すると共に、これらの増加した能力をよりうまく利用することのできる応用を持つことが有用になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
(概要)
本発明は、モバイル機器において、画像及びこれらの画像に関連する地理的位置データを管理し、これらの画像及び関連する地理的位置データを表示する装置を提供し、この装置は:ハンドヘルド(手持ち)用途に適した形状因子を有する筐体(ハウジング)と;この筐体内に含まれる表示装置と;この筐体内に含まれる入力装置と;この筐体内に含まれる少なくとも1つの無線ネットワーク接続要素と;この筐体内に含まれ、モバイル機器の現在の地理的位置に基づく地理的位置データを生成するように構成された位置測定要素と;この筐体内に含まれ、画像を生成するように構成されたカメラ要素と;この筐体内に含まれるメモリと;この筐体内に含まれ、上記表示装置、上記入力装置、上記少なくとも1つの無線ネットワーク接続要素、上記位置測定要素、上記カメラ要素、及び上記メモリに接続された処理装置とを具え、この処理装置は種々のコンポーネント(ソフトウェア・モジュール)を実行するように構成され、これらのコンポーネントは、上記カメラ要素から画像を受信し、上記位置測定要素から、モバイル機器の現在の地理的位置に基づく地理的位置データを受信して、この画像とこの地理的位置データとの関連性を上記メモリに記憶するように構成された位置関連付けコンポーネントと;選択した画像に補足情報を関連付けるように構成された補足情報コンポーネントとを含み、この補足情報は、記述情報、電話番号、カテゴリ、所在地住所、ネットワークアドレス、または音声データの1つを含み、これらのコンポーネントはさらに、選択した画像を上記表示装置によって第1ユーザインタフェース中に表示し、上記関連する地理的位置データ及び上記関連付けた補足情報データの1つ以上の部分を上記表示装置によって第2ユーザインタフェース中に表示するように構成された関連表示コンポーネントと;上記表示装置によって、上記選択した画像の地理的指標(インジケータ)を地図上の上記関連する地理的位置に表示し、上記入力装置から受信したコマンドに応答して、この地図を移動またはズームするように構成された地図表示コンポーネントとを含む。
【0003】
本発明の一例では、上記位置関連付けコンポーネントが、複数の画像と複数の地理的位置データとの関連性を記憶するように構成され、上記地図表示コンポーネントが、上記複数の画像に関連する上記複数の地理的位置データに基づく複数の地理的指標を上記地図上に表示するように構成されている。
【0004】
本発明の一例では、上記位置測定要素が、全地球測位システム(GPS)受信機から受信した情報を用いるか、1つ以上のセルラネットワーク・タワーまたは無線ホットスポットへの近接性を示す情報を用いて、上記地理的位置データを生成するように構成されている。
【0005】
本発明の一例では、上記装置がさらに、ユーザが与える音声を受けるように構成されたマイクロホン要素を具え、上記補足情報コンポーネントがさらに、このマイクロホンから受信した音声を上記選択した画像に関連付けるように構成されている。
【0006】
本発明の一例では、上記装置がさらに、入力された検索語に合致する画像のリストを上記表示装置によって表示するように構成された検索要素を具えている。
【0007】
本発明の一例では、上記装置がさらに、上記選択した画像及び上記関連する地理的位置データを、HTML文書、マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS:Multimedia Messaging Service)、または電子メールの1つを用いて送信するように構成された接続要素を具えている。
【0008】
本発明の一例では、上記補足情報コンポーネントがさらに、上記選択した画像に精度指数を関連付けるように構成され、この精度指数は、上記位置測定要素が上記地理的位置を測定する精度の指示を与える。
【0009】
本発明の一例では、上記入力装置がタッチセンサ式である。
【0010】
本発明はさらに、関連するカメラを有するモバイル機器において画像及びこれらの画像に関連する地理的位置データを管理し、これらの画像及び関連する地理的位置データを表示する方法を提供し、この方法は:上記関連するカメラによって生成された複数の画像を受信するステップと;これら複数の画像を、モバイル機器に関連する記憶装置に記憶するステップと;これら複数の画像の個別の画像に記述情報を関連付けるステップとを含み、記述情報を関連付けるステップは:モバイル機器内の位置測定要素によって、上記個別の画像を受信した時点におけるモバイル機器の地理的位置に基づく地理的位置データを生成することと;この地理的位置データとこれに対応する上記個別の画像との関連性を記憶することと;上記個別の画像に補足情報を関連付けることを含み、この補足情報は、記述情報、電話番号、所在地住所、ネットワーク位置、または音声データの1つを含み、この方法はさらに、上記複数の画像から選択した画像、上記関連する地理的位置、及び上記補足情報の1つ以上の部分を、モバイル機器に関連する表示装置上に表示するステップを含む。
【0011】
本発明の一例では、この方法はさらに、ある地理的領域の地図を表示するステップと、上記複数の画像に関連する個別の地理的位置データの指標を、この地理的領域の地図上に表示するステップとを含む。
【0012】
本発明の一例では、上記複数の画像を記憶するステップが:モバイル機器から分離したネットワーク記憶要素にアクセスすることと、上記複数の画像を、上記ネットワーク記憶要素上の、当該モバイル機器に関連する位置に記憶することを含む。
【0013】
本発明の一例では、この方法はさらに、1つ以上の検索語を与える検索コマンドを受信するステップと;これら1つ以上の検索語を基に、合致する画像を表示するステップとを含む。
【0014】
本発明の一例では、上記関連する補足情報を関連付けることがさらに、モバイル機器の現在位置または当該モバイル機器に関連する国名に基づいて、上記記述情報を上記個別の画像に自動的に割り当てることを含む。
【0015】
本発明の一例では、この方法はさらに、個別の画像及びこの画像に関連する地理的位置を、HTML文書、マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)、または電子メールの1つを用いて送信するステップを含む。
【0016】
本発明の一例では、この方法はさらに、個別の画像及びこの画像に関連する地理的位置を、HTML文書、マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)、または電子メールの1つを用いて送信するステップを含む。
【0017】
本発明の一例では、この方法はさらに、上記選択した画像に関連する地理的位置データに基づいて、ナビゲーション・ソフトウェアプログラムを起動するステップを含む。
【0018】
本発明の一例では、この方法はさらに、モバイル機器に関連する入力装置からユーザの意見評価を受信するステップと;このユーザの意見評価を個別の画像に関連付けるステップとを含む。
【0019】
本発明の一例では、この方法はさらに、1つ以上の関心のある点を上記地理的領域の地図上に表示するステップを含む。
【0020】
本発明の一例では、この方法はさらに、編集コマンドに応答して、新たな地理的位置を個別の画像に関連付けるステップを含む。
【0021】
本発明はさらに、モバイル機器において、画像及びこれらの画像に関連する地理的位置データを管理し、これらの画像及び関連する地理的位置データを表示する装置を提供し、この装置は:ハンドヘルド使用に適した形状因子を有する筐体と;ユーザからの入力を受ける入力手段と;出力データを表示する表示手段と;データを記憶するメモリ手段と;1つ以上のコンポーネントを実行する処理手段とを具え、これらのコンポーネントは:指定した地理的位置に関連する画像及び地理的位置データを受信し、この画像とこの地理的位置データとの関連性を上記メモリ手段に記憶するように構成された位置関連付けコンポーネントと;この画像に補足情報を関連付ける補足情報コンポーネントとを含み、この補足情報は、記述情報、電話番号、カテゴリ、所在地住所、ネットワークアドレス、または音声データの1つを含み、これらのコンポーネントはさらに、上記画像、上記関連する地理的位置データ、及び上記関連付けた補足情報の1つ以上の部分を、上記表示手段によって表示するように構成された関連表示コンポーネントを含む。
【0022】
本発明の一例では、この装置はさらに、上記画像に関連する地理的位置データを生成する位置測定手段を具えている。
【0023】
本発明の一例では、この装置はさらに、上記画像を生成する画像生成手段を具えている。
【0024】
本発明の一例では、上記関連表示コンポーネントが、上記画像を上記表示手段によって第1ユーザインタフェース中に表示させ、上記関連する地理的位置データ及び上記関連付けた補足情報データの1つ以上の部分を上記表示手段によって第2ユーザインタフェース中に表示するように構成されている。
【0025】
本発明の一例では、上記処理手段がさらに、上記表示手段によって、上記画像の地理的指標を地図上の上記関連する地理的位置に表示し、上記入力手段から受信したコマンドに応答して、この地図を移動またはズームするように構成されている。
【0026】
本発明の一例では、この装置はさらに、現在位置または携帯電話に関連する国名に基づいて、上記記述情報を自動的に生成する。
【0027】
本発明の一例では、この装置はさらに、ユーザからの音声データを受信する手段を具え、上記補足情報コンポーネントがさらに、受信した音声データを上記画像に関連付けるように構成されている。
【0028】
本発明の一例では、上記補足情報コンポーネントがさらに、上記入力手段からユーザの意見評価を受信し、このユーザの意見評価を上記画像に関連付けるように構成されている。
【0029】
本発明の一例では、この装置はさらに、モバイル・データネットワークに接続するためのモバイル・ネットワーク接続手段を具え、上記処理手段はさらに、上記モバイル・ネットワーク接続手段によって、上記補足情報中に存在する電話番号への通話を開始するように構成された接続コンポーネントを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】画像式位置システムを実現するのに適したモバイル機器の正面図である。
【図2】画像式位置システムが動作する代表的環境を示すネットワーク図である。
【図3】モバイル機器のアーキテクチャの例を示す上位ブロック図である。
【図4A】デフォルトの開始スクリーンを表示するインタフェースの例を示す図である。
【図4B】複数の画像をリストモードで表示するインタフェースの例を示す図である。
【図4C】システムが記憶している画像のカテゴリ画面を表示するインタフェースの例を示す図である。
【図4D】画像の第1詳細画面を表示するインタフェースの例を示す図である。
【図4E】選択した画像の第2詳細画面を表示するインタフェースの例を示す図である。
【図4F】選択した画像に関連する地図モードを表示するインタフェースの例を示す図である。
【図4G】選択した画像の詳細画面を表示するインタフェースの代案を示す図である。
【図5】図3に示す画像式位置システムの論理ブロック図である。
【図6A】画像式位置システムが新たな画像を記憶する処理のフローチャートである。
【図6B】受信した画像に追加的情報を関連付ける処理のフローチャートである。
【図7】画像式位置システムのリストモードまたは詳細モードにおいてコマンドを処理する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(詳細な説明)
モバイル機器において、画像、及びこれらの画像に関連する地理的位置データを管理するシステムを開示する(以下では、「画像式位置システム」または「システム」と称する)。このモバイル機器は、1つ以上の画像を生成する統合型カメラを使用し、この画像は例えば、絵、写真、またはビデオである。画像を生成した後に、このシステムはこの画像に関連する地理的位置を特定する。このシステムは、内蔵式GPS受信機を用いるか、1つ以上のモバイル・ネットワーク基地局に対するモバイル機器の近接性に基づく三角測量のような他の方法を用いて、このことを行うことができる。そしてこのシステムは、上記画像、上記関連する地理的位置データ、及び関連性の記録を、モバイル機器の記憶要素に記憶する。このシステムは、電話番号、カテゴリ、及び所在地住所のような補足情報を上記画像に関連付けることもできる。
【0032】
このシステムは、上記画像及びその関連情報を表示するための1つ以上の表示モードを提供する。これらの表示モードは、複数の画像、及びこれらの画像に関連するデータの1つ以上の部分を表示するためのリストモード、及び選択した画像及びこの画像に関連するデータ一式を表示するための詳細モードを含むことができる。このシステムは、1つ以上の画像に関連する位置を地理的領域の地図上に表示するための地図表示モードも提供することができる。このシステムは、ユーザが上記地理的位置または補足情報を基に画像を見出すことを可能にする検索機能を提供することもできる。
【0033】
以下、本発明の種々の実施例を説明する。以下の説明は、完全な理解、及びこれらの実施例を可能にする説明のための具体的詳細事項を提供する。しかし、本発明は、これらの詳細事項の多数以外でも実施することができることは、当業者の理解する所である。これに加えて、いくつかの周知の構造または機能は、種々の実施例に関係する説明を無用に分かりにくくすることを避けるために、詳細に図示または説明しないことがある。以下に提示する説明中に用いている用語は、本発明の特定の具体的実施例と共に用いていても、その最も広い相応の様態に解釈されることを意図している。
【0034】
図1は、画像式位置システムを実現するのに適したモバイル機器100の前面図である。図1に示すように、モバイル機器100は、筐体101、複数の押しボタン102、方向指示キーパッド104(例えば5方向キー)、マイクロホン105、スピーカ106、カメラ108、及び筐体101によって支持されたディスプレイ110を含むことができる。モバイル機器100は、マイクロホン、トランシーバ、フォトセンサ(光センサ)、及び/またはPDA装置、携帯電話、ラップトップコンピュータ、タブレット型PC、スマートフォン(多機能電話機)、ハンドヘルド電子メール装置、または他のモバイル通信/コンピュータ装置に一般に見られる他のコンピュータ構成要素を含むこともできる。
【0035】
ディスプレイ110は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、真空蛍光表示管、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、電界発光ディスプレイ、及び/またはユーザインタフェースを提示するように構成された他の適切な種類のディスプレイを含むことができる。モバイル機器100は、ユーザからの入力を受けるタッチセンサ要素109を含むこともできる。例えば、タッチセンサ要素109は、抵抗式、容量式、赤外線式、表面弾性波(SAW)式、及び/または他の種類のタッチスクリーンを含むことができる。タッチセンサ要素109は、ディスプレイ110と統合することも、ディスプレイ110から独立させることもできる。図に示す実施例では、タッチセンサ要素109及びディスプレイ110は一般に、同様の大きさのアクセス領域を有する。他の実施例では、タッチセンサ要素109とディスプレイ110とが異なる大きさのアクセス領域を有することができる。例えば、タッチセンサ要素109は、ディスプレイ110の境界を超えて広がるアクセス領域を有することができる。
【0036】
モバイル機器100は、写真を撮るかビデオを記録するのに適したカメラ108を含むこともできる。カメラ108は、光学イメージセンサ及びレンズを含み、絵、写真、またはビデオを撮影するためのフラッシュを有することもできる。カメラ要素108はモバイル機器100の前面に示しているが、カメラ要素108は機器の背面または側面に配置することもできる。あるいはまた、モバイル機器100は、例えば前面に第1カメラ、背面に第2カメラのように、複数のカメラを有して構成することができる。
【0037】
図2は、画像式位置システムが動作する代表的環境200のネットワーク図である。複数のモバイル機器202及び203が、無線ネットワークによってカバーされる領域内でローミングを行う。これらのモバイルききは、例えば、図1に示すモバイル機器100のような携帯電話またはモバイル・インターネット機器である。モバイル機器202及び203は、無線接続206を通してセルラ・トランシーバ210と通信する。無線接続206は、デジタルデータを伝送するあらゆるシステムを用いて実現することができる。例えば、この接続は、GSM、UMTS、またはCDMA2000を実現するセルラ・ネットワーク、あるいはWiFi(IEEE 802.11)またはブルートゥース(登録商標)を実現する非セルラ・ネットワークを使用することができる。無線接続はこれらのモバイル機器にとって最も一般的であるが、モバイル機器はイーサネット(登録商標)のような有線接続を用いて通信することもできる。
【0038】
一部の構成では、モバイル機器202は、位置情報を提供するための、モバイル機器202内に組み込んだ全地球測位システム(GPS)受信機、またはモバイル機器202に接続した外部GPS受信機を有することもできる。これらの構成では、モバイル機器202は、測位信号208を1つ以上のGPS衛星204から受信することもできる。明瞭にするために、図は1つの衛星しか示していない。しかし、GPS受信機は一般に、その位置を測定するためにいくつかの衛星を必要とする。その代わりに、あるいはこれに加えて、セルラ・トランシーバ210は、モバイル機器202からの支援により、既知の信号三角測量及び/または信号遅延技術を用いて、各無線装置の位置を測定することができる。
【0039】
セルラ・トランシーバ210は、無線ネットワーク用のバックホール(帰路)サービスを提供する1つ以上のネットワークに接続されている。セルラ・トランシーバ210は、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)212に接続され、PSTN212は、モバイル・ネットワークと、他のネットワーク上のリモート(遠隔)電話機216との間の接続を提供する。モバイル機器202のユーザが音声通話を行うと、セルラ・トランシーバ210はこの通話を、無線ネットワークの音声バックホール(図示せず)を通して、PSTN212へルーティング(経路設定)する。そしてPSTN212は、この通話をリモート電話機216に接続する。リモート電話機216が他のモバイル機器である場合は、この通話は第2無線ネットワーク・バックホールを通して他のセルラ・トランシーバへ経路設定される。
【0040】
セルラ・トランシーバ210はインターネット214にも接続され、ネットワーク・アプリケーションを支援する遠隔装置(リモート機器)218へのパケットベースの接続を提供する。モバイル機器202のユーザがデータ接続を通して通信する際は、セルラ・トランシーバはパケットデータを、無線ネットワークのデータ・バックホール(図示せず)を通して、インターネット214(または他のバケットベースのネットワーク)へルーティングする。インターネットは、無線ネットワークを遠隔装置218に接続し、遠隔装置218は、電子メールサーバー220、ウェブサーバー222、及びインスタント・メッセンジャー・サーバー224を含む。もちろん、遠隔装置218は、ファイル転送(トランスファー)プロトコル(FTP:File Transfer Protocol)サーバーまたはストリーミング・メディアサーバーのようなインターネット上で利用可能なあらゆるアプリケーションを含むことができる。
【0041】
図3は、モバイル機器300のアーキテクチャの例を示す上位ブロック図である。モバイル機器300は、図2のモバイル機器202の代わりとすることができる。
【0042】
モバイル機器300は、相互接続部306に結合された1つ以上の処理装置(プロセッサ)302及びメモリ304を含む。図3に示す相互接続部306は、1つ以上の別個の物理的バス、ポイント・ツー・ポイント(2点間)接続、または適切なブリッジ、アダプタまたはコントローラによって接続された両者を表す抽象化である。従って、相互接続306は、例えばシステムバス、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI:Peripheral Component Interconnect)ファミリのバス、ハイパートランスポート(Hyper Transport)または業界標準アーキテクチャ(ISA:Industrial Standard Architecture)バス、小型コンピュータ用周辺機器インタフェース(SCSI:Small Computer System Interface)バス、ユニバーサル・シリアルバス(USB:Universal Serial Bus)、IIC(I2C)バス、または米国電気電子技術者協会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)規格1394バス(時として「ファイアワイヤ(FireWire)(登録商標)」と称される)を含むことができる。
【0043】
処理装置302は、モバイル機器300の中央処理装置(CPU)を含むことができ、従って、モバイル機器300の動作全体を制御する。特定実施例では、処理装置302は、メモリ304に記憶されたソフトウェアまたはファームウェアを実行することによってこのことを達成する。処理装置302は、1つ以上のプログラマブル(プログラム可能)な汎用または特定目的のマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP、デジタル信号処理装置)、プログラマブルコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル・ロジックデバイス(PLD、プログラム可能論理回路)、等、あるいはこうしたデバイスの組合せとするか、これらを含むことができる。
【0044】
メモリ304は、モバイル機器300のメインメモリ(主記憶装置)であるか、メインメモリを含むことができる。メモリ304は、あらゆる形式の固定または着脱可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリー(読出し専用)メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、等、あるいはこうしたデバイスの組合せを代表する。使用中には、メモリ304はとりわけ、モバイル機器300のオペレーティングシステム308を記憶する。
【0045】
モバイル機器300は、ユーザが機器を制御することを可能にする入力装置312を含む。入力装置312は、キーボード、トラックパッド、タッチセンサ・スクリーン、または他の標準的なコンピュータ入力装置を含むことができる。モバイル機器300は、ディスプレイ110(図1)のような、ユーザインタフェースを表示するのに適した表示装置314を含むこともできる。ネットワークアダプタ316は、モバイル装置300に、ネットワーク上で遠隔装置と通信する能力を与え、そして例えば無線アダプタとすることができる。モバイル機器300はさらに、相互接続部306に結合されたローカル記憶装置310を含むことができる。ローカル記憶装置310は、例えばマスストレージ(大容量記憶)を提供するように構成されたフラッシュメモリデバイスを含むことができる。
【0046】
図4A〜4Fは、画像式位置システムが使用するのに適したインタフェース例のスクリーンを例示する。図4Aは、デフォルトの開始スクリーンを表示するインタフェース400の例を示す。デフォルトの開始インタフェース400は、アプリケーションが記憶している第1画像を示す。インタフェース400はナビゲーション・コンポーネント(構成要素)404も含み、ナビゲーション・コンポーネント404は、アプリケーションが記憶している画像間をユーザがナビゲートすることを可能にする。インタフェース400は、第1画像402の下に配置されたコントロールバー406内に複数の制御ボタンを含むことができる。バー406内のボタンは、タッチセンサ・スクリーンまたは他の入力装置を用いて選択することができる。インタフェース400はソフトキー408及び410も含み、これらのソフトキーを用いて、アプリケーションの特定の局面を制御する。ソフトキー408及び410は、タッチセンサ・スクリーンまたは専用のハードウェアボタンを用いて制御することができる。ユーザがメニューボタン410を選択することに応答して表示されるメニューの内容は文脈依存とすることができ、従って、インタフェースの現在の構成に応じて変化し得る。
【0047】
図4Bに、複数の画像をリストモードで表示するためのインタフェース415の例を示す。インタフェース415は、例えば図4Aにおいて表示されたボタン408をユーザが選択することに応答して表示することができる。アイテムリスト416は、システムが記憶している複数のサムネイル画像、及びこれらに関連する補足情報420の1つ以上の部分を表示する。インタフェース415は、各画像に関連する記述情報、所在地住所、日付、及び時刻を表示する。インタフェース415は、必ずしもすべての画像を単一スクリーン上に表示することができない場合に、スクロールバーまたは他のナビゲーション・コンポーネント(図示せず)を含むこともできる。インタフェース415は、ソフトキー422及び410を含むこともできる。
【0048】
図4Cに、システムが記憶している画像のカテゴリ一覧表を表示するインタフェース425の例を示す。インタフェース430はカテゴリリスト426を含み、カテゴリリスト426は、システムが記憶している画像を分類するために用いることのできるカテゴリ428のリストを表示する。インタフェース425は、図4Cに示すカテゴリのような標準的なカテゴリの集合で構成することができる。あるいはまた、インタフェース425は、ユーザが新たなカテゴリをこのリストに追加することを可能にする。
【0049】
図4Dに、画像の第1詳細画面を表示するインタフェース430の例を示す。インタフェース430は、カメラ108またはネットワークから新たな画像を受信したことに応答して、あるいはユーザが画像を表示すべく選択したことに応答して自動的に表示することができる。インタフェース430は、画像432、及びこの画像に関連する補足情報434の1つ以上の部分を表示し、補足情報434は、記述情報、及びこの画像を受信した日付を含む。インタフェース430は、画像432に対するGPS測位が行われているか否かを示すGPSインジケータ(指示器)438も含む。インタフェース430は編集ボタン440及び録音ボタン442を含むこともでき、編集ボタン440は、補足情報を編集する編集モードに入るために選択され、記録ボタン442は、画像432に関連付ける新たな音声データを録音するために選択される。補足情報434は再生ボタン436を含むこともでき、再生ボタン436は、ユーザが、この画像に関連する音声データの内容を再生するために選択することができる。インタフェース430はソフトキー444及び446を有し、これらのソフトキーは、ユーザが変更を(それぞれ)保存またはキャンセル(取消し)することを可能にする。
【0050】
図4Eに、図4Aに示す初期のインタフェース400から選択した画像の第2詳細画面を表示するインタフェースの例を示す。インタフェース450は、記述情報452、(アイコンとして示す)カテゴリ454、日時456、電話番号458、所在地住所460、注記462、及び地理的位置464を含む種々の補足情報を表示する。インタフェース450は機能ボタン466〜472も含み、これらのボタンは、補足情報452〜464に基づく機能を実行する。例えば、電話機能ボタン466を選択することによってシステムは、記憶している電話番号458を用いて通話を開始する。同様に、地図ボタン468を選択することによってシステムは、地理的位置464に基づく地図モード(以下に説明する)を起動する。ナビゲーションボタン470を選択することは、ナビゲーションプログラムを起動して、地理的位置464への方向を与える。再生ボタン472を選択することは、上記画像に関連する音声データの内容を再生する。
【0051】
図4Fに、選択した画像に関連する地図モードを表示するインタフェース474の例を示す。インタフェース474は、例えばユーザが図4Eのインタフェース450から地図ボタン468を選択したことに応答して表示することができる。インタフェース474は、ある地理的領域の地図475を表示し、この地図は、ローカルに記憶しているかネットワーク接続を用いてアクセスされるデータベース(例えばグーグルマップ(Google Map)(登録商標)またはマイクロソフト社のライブマップ(Live Map)(登録商標))を含む、標準的な地図またはGIS(Geographic Information System:地理情報システム)サービスによって提供することができる。インタフェース474は地理的指標476を提供し、地理的指標476は、選択した画像に関連する地理的位置464に対応する地図上の位置に配置される。インタフェース476は、情報吹出し(バブル)478も含み、情報吹出し478は、地理的位置、所在地住所、または電話番号のような補足情報を表示する。地図モードは、システムが記憶している複数の画像に関連する位置を、複数の地理的指標476及び情報吹出し478を用いて表示することもできる。
【0052】
図4Gに、選択した画像の詳細画面を表示する代案インタフェース480を示す。代案インタフェース480は、図4E及び4Fに示すインタフェースの前例と大部分は同じ情報を提示し、これらの情報は、記述情報454、所在地住所460、電話番号458、地理的位置464、及び日時456を含む。インタフェース480は、ネットワーク位置482を含む追加的情報も表示し、ネットワーク位置482は、ユーザをウェブページまたは他のネットワーク情報リソースに導くのに適したURLまたは他のアドレスフォーマットを示すために用いることができる。インタフェース480は精度定格484も表示し、精度定格484は、システムにおける地理的位置データの精度の推定値を表示する。インタフェース480はユーザの意見評価486も含み、ユーザの意見評価486は、ユーザが、画像に関連する位置、例えば景勝地、レストラン、等についての評価を提供することを可能にする。インタフェース480は、ある地理的領域の地図475を、図4Fに表示された地図と同様に表示するための地図領域(マップエリア)も含む。この地図領域は、地理的指標476及び情報吹出し478を含む。
【0053】
図5は、画像式位置システム500の論理ブロック図である。システム500は、例えば図3のメモリ及び処理装置を用いて実行することができる。種々のモジュールを単一装置内に描いているが、これらのモジュールは必ずしも物理的に共存しない。一部の実施例では、これら種々のモジュールは複数の物理的装置にわたって分散させることができる。同様にデータ記憶装置は、ハードディスクドライブまたはフラッシュメモリのようなローカル記憶要素を用いて実現するか、インターネットを通してアクセス可能なウェブサーバーのようなリモート記憶装置を用いて実現することができる。システムの機能をサポートするためのコードは、光ディスクドライブ、フラッシュメモリ、またはハードディスクドライブのようなコンピュータ可読媒体上に記憶することができる。システム500の態様は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはこれらの組合せとして実現することができる。
【0054】
システム500は処理要素502を含み、処理要素502は、システムが取り扱う画像及び他の情報を管理するように構成されている。処理要素502はデータ記憶要素504に接続され、データ記憶要素504は、画像、地理的位置データ、及びシステムが処理する補足情報を記憶する。データ記憶要素504は、構成及び設定情報を記憶することもできる。処理要素502はカメラ要素506に接続され、カメラ要素506は、システムが管理する画像を提供する。カメラ要素506は、図1に示すようにモバイル機器と統合することができる。しかし、カメラ要素506は、例えば無線ブルートゥース(登録商標)接続を用いてモバイル装置と通信するように構成された別個の装置とすることもできる。処理要素502はネットワーク接続要素508にも接続され、ネットワーク接続要素508はモバイル無線ネットワークへの接続を提供する。処理要素502は位置測定要素510にも接続され、位置測定要素510は、モバイル機器の現在の地理的位置を示す位置データを生成するように構成されている。一部の構成では、位置測定要素510はGPS受信機を含み、GPS受信機は、1つ以上のGPS衛星からの信号を用いて機器の地理的位置を測定するように構成されている。位置測定要素510は、1つ以上のセルラネットワーク・トランシーバまたは無線ホットスポットへの装置の近接性に基づいて、あるいは他の周知の方法を用いて地理的位置を測定するように構成することもできる。位置測定要素510は、ユーザにグラフィックインタフェースを提示し、ユーザ入力に基づいて地理的位置を測定するように構成することもできる。例えば、位置測定要素510は地図を提供し、ユーザがこの地図上の位置を選択したことに基づいて地理的位置を測定することができる。
【0055】
処理要素502は入力要素514にも接続され、入力要素514は、ユーザ入力を、タッチセンサ・スクリーンのような入力装置312を通して受信するように構成されている。処理要素502は表示要素512にも接続され、表示要素512は、モバイル機器のスクリーンを、処理要素502が指示する通りに制御するように構成されている。
【0056】
処理要素502は位置関連付け要素516を含み、位置関連付け要素516は、受信した画像と地理的位置との関連性を決定するように構成されている。動作中には、位置関連付け要素516は、カメラ要素506から画像を受信し、位置測定要素510から地理的位置を受信する。そして位置関連付け要素516は、この画像、この地理的位置、及びこの関連性を表す情報をデータ記憶要素504に記憶する。
【0057】
処理要素502は補足情報要素518も含み、補足情報要素518は、カメラ要素506から受信した画像に関連付ける補足情報も含む。この補足情報は、入力要素514または位置測定要素510のようなシステム内の種々の要素から受信することができる。例えば、ユーザは入力要素514を用いて、記述、電話番号、所在地住所、またはネットワークアドレスを与えることができる。位置測定要素510は、位置測定要素510が測定した地理的位置の推定精度を示す精度指数のような他の補足情報を提供することができる。受信した画像に関連する日時のような他の補足情報は、カメラ要素506が直接提供することができる。
【0058】
処理要素502は関連表示要素520を含み、関連表示要素520は、表示要素512を制御して、記憶している画像、地理的位置データ、及び補足情報の1つ以上の部分を表示するように構成されている。従って、関連表示要素520はシステム500を制御して、複数の画像及びこれらの画像に関連するデータをリストモードで表示するか、単一画像及びこの画像に関連するデータを詳細モードで表示することができる。
【0059】
処理要素502は地図表示要素522も含み、地図表示要素522はシステム500を制御して、図4Fに示すインタフェースのような地図モード・インタフェースを表示する。地図表示要素522は、画像情報、地理的位置データ、及び補足情報を用いて地図表示を構成する。これに加えて、地図表示要素522は、機器上でローカルに記憶しているか、ネットワーク接続508を通して提供される地図データベースから受信した地図情報を使用する。そして地図表示要素522は、表示要素512を制御して、選択した地図、及び記憶要素504が記憶しているデータの一部(例えば記述情報、所在地住所、等)を表示する。地図表示要素522は、入力要素514を通して受信した移動及びズームコマンドに応答して地図を変更するように構成することもできる。関連表示要素520及び地図表示要素522は別個に動作して、図4B及び4Eのインタフェースのようなインタフェースを表示するか、あるいは同時に動作して、図4Gに示すインタフェースのような組合せインタフェースを表示することができる。地図表示要素522は、選択した画像の地理的位置付近の関心のある点を表示するように構成することもできる。例えば、地図表示要素522は、この地理的位置に近いレストラン、ホテル、またはランドマーク(目標物)の指標を表示することができる。
【0060】
処理要素502は接続要素524も含み、接続要素524は、システム500を外部装置に接続するように構成されている。例えば、接続要素524は、補足情報中に存在する電話番号を用いて、モバイル機器からの通話を開始するように構成することができる。接続要素524は、画像及びこの画像に関連するデータ(例えば地理的位置データ)を、HTML文書、マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)、または電子メールを用いて送信することもできる。
【0061】
図6Aは、画像式位置システムが新たな画像を記憶する処理(プロセス)600のフローチャートである。処理600は、ユーザからのコマンドに応答して手動で開始するか、モバイル機器に記憶されている設定に基づいて自動的に開始することができる。例えば、モバイル機器は、カメラ要素506が新たな画像を撮影すると、画像式位置システムを自動的に起動するように構成することができる。
【0062】
この処理はブロック602で始まり、ここでシステムは新たな画像を、カメラ要素506から受信するか、ネットワーク接続508を用いて他の情報源(ソース)から受信する。次にシステムはブロック604に進み、ここでシステムはこの画像を記憶する。新たな画像を受信して記憶した後に、処理はブロック606に進み、ここでシステムは、この新たな画像に関連付ける新たな地理的位置を生成する。この新たな地理的位置データは、以上で説明した方法のいずれかを用いて、例えば統合型位置測定要素を用いて、あるいは位置を定める情報をユーザから受信して生成することができる。地理的位置データを生成した後に、処理はブロック608に進み、ここでシステムは、この新たな画像と地理的位置データとの関連性を記憶する。この位置の関連性を記憶した後に、システムはブロック610に進み、ここでシステムは、この新たな画像に補足情報を関連付ける。補足情報を関連付ける処理は、以下で図6Bを参照して詳細に説明する。
【0063】
補足情報を関連付けた後に、システムは判定ブロック612に進み、ここでシステムは、新たな画像が処理に利用可能であるか否かを判定する。新たな画像が処理に利用可能であれば、処理はブロック602に戻り、ここでシステムは新たな画像を処理する。新たな画像が利用可能でなければ、処理を終了する。判定ブロック612は、自動にするか、あるいはシステムが提示する質問へのユーザ応答に基づくものとすることができる。
【0064】
図6Bは、受信した画像に補足情報を関連付ける処理640のフローチャートである。ユーザが、補足情報の全部または一部を選択した画像に関連付けることを選ぶことができることは明らかである。従って、システムは処理640の一部または全体を実現することができる。
【0065】
処理は判定ブロック642で始まり、ここでシステムは、記述情報が提供されているか否かを判定する。このステップを用いて、ユーザが記述情報を与えていない場合に記述情報を自動的に割り当てることによって、処理している画像に適切な識別子が割り当てられることを保証する。システムが、記述情報が提供されているものと判定した場合は、システムはブロック644に進み、ここでシステムは提供された記述情報を受信する。記述情報が提供されていない場合は、システムはブロック648に進み、ここでシステムは記述情報を自動的に生成する。システムは、モバイル装置の現在の地理的位置(例えば現在の地理的位置に関連する市名)、あるいはモバイル機器上に記憶されている国情報のような他に提供された情報を用いることによって、この記述情報を決定することができる。国情報は、例えば加入者情報モジュール(SIM:Subscriber Information Module)またはモバイル機器内に存在する他のメモリ要素に記憶されているモバイル国番号に基づいて特定することができる。
【0066】
記述情報を決定した後に、システムはブロック648に進み、ここでシステムは電話番号をユーザから受ける。次にシステムはブロック650に進み、ここでシステムはカテゴリ情報をユーザから受ける。以上で説明したように、これらのカテゴリは、カテゴリの所定リストから選択するか、あるいはユーザが設定することができる。
【0067】
カテゴリ情報を受けた後に、システムはブロック652に進み、ここでシステムは所在地住所を受信する。所在地住所は、ユーザが与えるか、地図ソフトウェアまたはリバース・ジオコーディング(地図上の位置からの住所検索)(例えば、カリフォルニア州マウンテンビューにあるグーグル社が提供するグーグルマップ(登録商標)サービス)を提供する地図サーバーを用いた地理的位置に基づいて自動的に特定することができる。次にシステムはブロック654に進み、ここでシステムは、URLのようなネットワーク位置データを受信する。ネットワーク位置は、例えばその地理的位置にある企業に関連するウェブページとすることができる。従って、特定のレストランで画像を撮影した場合は、ネットワーク位置はこのレストランのウェブサイトとすることができる。
【0068】
次にシステムはブロック656に進み、ここでシステムは、上記画像に関連付ける音声データを受信する。この音声データは、例えば携帯電話のマイクロホンに向かって話すユーザから受けることができる。音声データを受信した後に、システムはブロック658に進み、ここでシステムはユーザの意見評価を受信する。ユーザの意見評価は、例えば1つ星から5つ星までの星評価として提供することができる。次にシステムはブロック660に進み、ここでシステムは、上記画像に関連付ける精度指数を決定する。上記のように、精度指数は一般に位置測定要素510によって自動的に生成され、位置を特定するために用いた方法に基づいて決定することができる。従って、GPS受信機によって位置が提供された場合は、セルラネットワーク・トランシーバへの近接性に基づいて位置を特定した場合よりも、システムはより高い精度指数を与えることができる。またシステムは、GPS衛星から受信した位置信号が強い場合により高い精度を与え、この位置信号が弱い場合により低い精度を与えることもできる。
【0069】
次にシステムはブロック662に進み、ここでシステムは、補足情報を、索引(インデックス)付けして補足情報を記憶する。この索引付けステップは、例えばシステムが提供する検索機能をサポートするために用いることができる。例えば、システムはステップ662で、上記画像及び補足情報に関連するキーワードのリストを生成することができる。
【0070】
図7は、画像式位置システムのリストモードまたは詳細モードにおいてコマンドを処理する処理700のフローチャートである。処理はブロック702で始まり、ここでシステムはデフォルトモードを起動する。このデフォルトモードは、例えば図4Aに示す初期選択インタフェースとすることができる。あるいはまた、システムは、前回使用と同じ状態で動作を再開する(例えば、前回のセッションで見た画像を表示する)ように構成することができ、これによりユーザはこのシステムを用いてシームレスに再開することができる。システムは、リストモードで起動するか、カテゴリリストを表示することによって起動するように構成することもできる。
【0071】
デフォルトモードで起動した後に、処理はブロック704に進み、ここでシステムはユーザコマンドを受信するまで待機する。次に処理は判定ブロック706に進み、ここでシステムは、コマンドを受信したか否かを判定する。コマンドを受信していなければ、システムはブロック704に進んで、コマンドの受信の待機を継続する。
【0072】
コマンドを受信していれば、システムは判定ブロック708に進み、ここでシステムは、モード変更コマンドを受信したか否かを判定する。モード変更コマンドを受信していれば、システムはブロック710に進み、ここでシステムはモード変更コマンドを処理する。モード変更コマンドは、例えば、リストモードから詳細モードに変更すること、またはその逆、あるいはデフォルトモードからリストモードに変更すること、またはその逆をシステムに指示するコマンドを含むことができる。このコマンドは、リストまたは詳細モードから地図モードに変更することをシステムに指示することもできる。この実行ステップは、データ記憶要素504にアクセスして必要なデータを収集するか、ネットワーク接続要素508を用いてリモート(遠隔)データベースに接続することを含むことができる。例えば、システムはネットワーク接続要素508を用いて地図プロバイダ(提供者)に接続して、地図モードに変更することができる。
【0073】
受信したコマンドがモード変更コマンドでなければ、システムは判定ブロック712に進み、ここでシステムは、受信したコマンドが検索コマンドであるか否かを判定する。受信したコマンドが検索コマンドであれば、システムはブロック714に進み、ここでシステムは検索を実行する。検索を実行することは、例えば入力検索語または入力テキストストリング(文字列)を受信することを含むことができる。次にシステムは、記憶している語の索引(インデックス)を用いて、入力検索語に合致する情報(例えば、地理的位置データまたは補足情報)を有する画像を見出す。
【0074】
受信したコマンドが検索コマンドでなければ、処理は判定ブロック716に進み、ここでシステムは、編集コマンドを受信したか否かを判定する。編集コマンドを受信していれば、システムはブロック718に進み、ここでシステムはユーザのあらゆる編集を処理する。ブロック718での処理は、例えば、ユーザが補足情報の新たな値を与えることを可能にする編集インタフェースを表示することを含むことができる。システムは、編集コマンドに応答して、何らかのデータを自動的に提供するように構成することもできる。例えば、システムは、地理的位置を編集するコマンドに応答して、新たな地理的位置データを自動的に提供することができる。
【0075】
受信したコマンドが編集コマンドでなければ、システムは判定ブロック720に進み、ここでシステムは、接続コマンドを受信したか否かを判定する。接続コマンドを受信していれば、システムはブロック722に進み、ここでシステムは、例えばモバイル機器からの通話を開始するか、HTML文書、MMS、または電子メールを用いて選択した画像を送信することによって、外部接続を開始する。
【0076】
受信したコマンドが接続コマンドでなければ、システムはブロック724に進み、ここでシステムは、終了コマンドを受信したか否かを判定する。終了コマンドを受信していなければ、システムはブロック704に戻って、次のユーザコマンドを待機する。終了コマンドを受信していれば、処理を終了する。もちろん、処理700は、システムが提供する追加的コマンドを同様の方法で処理するように変更することができることは明らかである。
【0077】
以上より、本明細書では、本発明の特定実施例を例示目的で説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなしに種々の変更を加えることができることは明らかである。従って、本発明は請求項以外によって限定されない。
【符号の説明】
【0078】
100 モバイル機器
101 筐体
102 押しボタン
104 方向指示キーパッド
106 スピーカ
108 カメラ
110 ディスプレイ
200 代表的環境
202 モバイル機器
203 モバイル機器
204 GPS衛星
206 無線接続
208 測位信号
210 セルラ・トランシーバ
212 公衆交換電話網
214 インターネット
216 電話機
218 遠隔装置
220 モバイル機器
222 ウェブサーバー
224 メッセンジャー・サーバー
300 モバイル機器
302 処理装置
304 メモリ
306 相互接続部
308 オペレーティングシステム
310 ローカル記憶装置
312 入力装置
314 表示装置
316 ネットワークアダプタ
400 開始インタフェース
415 インタフェース
425 インタフェース
430 インタフェース
450 インタフェース
474 インタフェース
480 インタフェース
500 画像式位置システム
502 処理要素
504 データ記憶要素
506 カメラ要素
508 ネットワーク接続要素
510 位置測定要素
512 表示要素
514 入力要素
516 位置関連付け要素
518 補足情報要素
520 関連表示要素
522 地図表示要素
524 接続要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル機器において、画像及びこれらの画像に関連する地理的位置データを管理し、前記画像及び前記関連する地理的位置データを表示する装置において、
ハンドヘルド用途に適した形状因子を有する筐体と;
前記筐体内に含まれる表示装置と;
前記筐体内に含まれる入力装置と;
前記筐体内に含まれる少なくとも1つの無線ネットワーク接続要素と;
前記筐体内に含まれ、前記モバイル機器の現在の地理的位置に基づく地理的位置データを生成するように構成された位置測定要素と;
前記筐体内に含まれ、画像を生成するように構成されたカメラ要素と;
前記筐体内に含まれるメモリと;
前記筐体内に含まれ、前記表示装置、前記入力装置、前記少なくとも1つの無線ネットワーク接続要素、前記位置測定要素、前記カメラ要素、及び前記メモリに結合された処理装置とを具え、
前記処理装置は、複数のコンポーネントを実行するように構成され、
前記複数のコンポーネントは、
前記画像を前記カメラ要素から受信し、前記モバイル機器の現在位置に基づく前記地理的位置データを前記位置測定要素から受信して、前記画像と前記地理的位置データとの関連性を前記メモリに記憶するように構成された位置関連付けコンポーネントと;
選択した前記画像に補足情報を関連付ける補足情報コンポーネントであって、前記補足情報は、記述情報、電話番号、カテゴリ、現住所番地、ネットワークアドレス、または音声データのうち1つを含む補足情報コンポーネントと;
前記表示装置によって、前記選択した画像を第1ユーザインタフェース中に表示し、前記関連する地理的位置データ、及び前記関連付けた補足情報のデータの1つ以上の部分を第2ユーザインタフェース中に表示するように構成された関連表示コンポーネントと;
前記表示装置によって、前記選択した画像の地理的指標を、地図上の前記関連する地理的位置データが表す位置に表示し、前記入力装置から受信したコマンドに応答して、前記地図を移動またはズームするように構成された地図表示コンポーネントと
を含むことを特徴とする画像及びデータ管理装置。
【請求項2】
前記位置関連付けコンポーネントが、複数の画像と複数の地理的位置データとの関連性を記憶するように構成され、前記地図表示コンポーネントが、前記表示装置によって、前記複数の画像に関連する前記複数の地理的位置データに基づく複数の地理的指標を前記地図上に表示するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
さらに、ユーザが与える音声を受けるように構成されたマイクロホン要素を具え、前記補足情報コンポーネントがさらに、前記マイクロホンから受信した前記音声を前記選択した画像に関連付けるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
さらに、前記表示装置によって、入力検索語に合致する画像のリストを表示するように構成された検索要素を具えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
さらに、前記選択した画像及び前記関連する地理的位置データを、HTML文書、マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)、または電子メールのうち1つを用いて送信するように構成された接続要素を具えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記補足情報コンポーネントがさらに、前記選択した画像に精度指数を関連付けるように構成され、前記精度指数は、前記位置測定要素が前記地理的位置を測定する精度の指示を与えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
関連するカメラを有するモバイル機器において画像及びこれらの画像に関連する地理的位置データを管理し、前記画像及び前記関連する地理的位置データを表示する方法において、この方法が、
前記関連するカメラが生成した複数の画像を受信するステップと;
前記複数の画像を、前記モバイル機器に関連する記憶装置に記憶するステップと;
前記複数の画像の個別の画像に記述情報を関連付けるステップとを含み、
前記記述情報を関連付けるステップが、
前記モバイル機器内の位置測定要素によって、前記個別の画像を受信した時点における前記モバイル機器の地理的位置に基づく地理的位置データを生成することと;
前記地理的位置データと、当該地理的位置データに対応する前記個別の画像との関連性を記憶することと;
前記個別の画像に補足情報を関連付けることとを含み、
前記方法がさらに、前記複数の画像から選択した画像、前記関連する地理的位置、及び前記関連付けた補足情報の1つ以上の部分を、前記モバイル機器に関連する表示装置に表示するステップを含むことを特徴とする画像及びデータ管理方法。
【請求項8】
前記補足情報を関連付けることがさらに、前記モバイル機器の現在位置または前記モバイル機器に関連する国名に基づいて、前記記述情報を前記個別の画像に割り当てることを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
さらに、
前記モバイル機器に関連する入力装置から、ユーザの意見評価を受信するステップと;
前記ユーザの意見評価を前記個別の画像に関連付けるステップと
を具えていることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
さらに、編集コマンドに応答して、前記個別の画像に新たな地理的位置を関連付けるステップと
を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
モバイル機器において、画像及びこれらの画像に関連する地理的位置データを管理し、前記画像及び前記関連する地理的位置データを表示する装置において、
ハンドヘルド用途に適した形状因子を有する筐体と;
ユーザからの入力を受ける入力手段と;
出力データを表示する表示手段と;
データを記憶するメモリ手段と;
1つ以上のコンポーネントを実行する処理手段とを具え、
前記1つ以上のコンポーネントが、
画像、及び特定の地理的位置に関連する地理的位置データを受信し、前記画像と前記地理的位置データとの関連性を記憶するように構成された位置関連付けコンポーネントと;
前記画像に補足情報を関連付ける補足情報コンポーネントであって、前記補足情報は、記述情報、電話番号、カテゴリ、現住所番地、ネットワークアドレス、または音声データのうち1つを含む補足情報コンポーネントと;
前記表示装置によって、前記画像、前記関連する地理的位置データ、及び前記関連付けた補足情報の1つ以上の部分のうちの1つ以上を表示する関連表示コンポーネントと
を含むことを特徴とする画像及びデータ管理装置。
【請求項12】
前記関連表示コンポーネントが、前記表示手段によって、前記画像を第1ユーザインタフェース中に表示し、前記関連する地理的位置データ、及び前記関連付けた補足情報の1つ以上の部分を第2ユーザインタフェース中に表示するように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
さらに、モバイル・データネットワークに接続するためのモバイル・ネットワーク接続手段を具え、前記処理手段がさらに、前記補足情報中に存在する電話番号への通話を開始するように構成された接続コンポーネントを実行することを特徴とする請求項11に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−171973(P2010−171973A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−5743(P2010−5743)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(502160992)宏達國際電子股▲ふん▼有限公司 (97)
【Fターム(参考)】