説明

モバイルFAX

【課題】 本発明は、いつでもどこでもファックスデータを確認できるようにしたもので、固定電話回線網等へ受信したファックスデータを電話機等を装着することなく受信できる記憶部を有するシステムを提供する。
【解決手段】固定電話回線網等に送信されたファックスデータを受信し、ファックスデータを使用者の要求に応じる形式にデータ変換し、変換されたデータを携帯電話機へ送信する。携帯電話の容量に応じて複数のページを使用者の携帯電話が受信可能なファイルに分割し複数のファイルを送信することを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファックスデータ受信システムに関し、いつでもどこでもファックスデータを受信することができ、ファックスデータの即時性と利便性を向上させて使用することのできるファックスデータ受信送信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファックスデータは、受信先の固定電話回線網等に接続されたファックス受信機で利用することができるため、ファックス受信機の場所にいないと画像や文字情報を確認することができなかった。
また、ファックスデータは、一般的に固定電話回線網等を利用して送信されるファックスデータをファクシミリ装置により送受信を行うことが通常とされている。
しかし、このファクシミリ装置を利用せず、このファックスデータを一時的にデジタルデータとして蓄積するシステムが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されるファックスデータ受信システムでは、ファックスデータが記憶された場合に使用者に通知する通知手段を有するが、即時に内容を確認することを目的としていない。
【0004】
また、特許文献1に記載される発明は、ファックスデータを使用者の要求に応じる形式にデータ変換するしデータを出力する出力手段を有するが、即時に内容を確認するためには、データを出力する装置の近くにいなければならない。また、使用者の所有する携帯電話等へ送信しても容量の大きなファックスデータの場合表示できない問題点を有していた。
【0005】
このような問題点からファックスデータを利用する使用者は、ファックスデータを即時に確認することができず、利便性もそこねる要因となっていた。
【0006】
【特許文献1】特開2007−005979号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、いつでもどこでもファックスデータを確認できるようにしたもので、固定電話回線網等へ受信したファックスデータを電話機等を装着することなく受信できる記憶部を有するシステムを提供することにより、ファックスデータであってもパソコンや携帯電話へ特殊な装置を必要とせず、利便性と即時性を備えたファックスデータ受信送信システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、固定電話回線網等に送信されたファックスデータを受信するファックスデータ受信送信システムであって、ファックスデータを受信する受信部と、ファクスデータを記憶する記憶部と、記憶部に記憶されるファックスデータを使用者の要求に応じる形式にデータ変換する変換部と、変換部に於いて変換されたデータを携帯電話機へ送信する通知部と、受信する携帯電話の容量に応じて複数のページを使用者の携帯電話が受信可能なファイルに分割し複数のファイルを送信することを有することを特徴とするファックスデータ受信送信システムを提供する。
【0009】
請求項2記載の発明は、記憶部にファックスデータが記憶された場合に使用者の携帯電話等へデータを添付して通知する通知部と記憶データを閲覧する処理を有することを特徴とする請求項1記載のファックスデータ受信送信システムを提供する。
【0010】
請求項3記載の発明は、使用者がファックスデータを変換する場合に、使用者の要望する形式を選択して、変換部へ入力する設定部が設けられており、ファックスデータが複数ページの場合に、使用者の携帯電話容量により複数のファイルに分割して送信する処理が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のファックスデータ受信送信システムを提供する。
これらの発明を提供することによって、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、固定電話回線等がファックスデータを受信し、このファックスデータを記憶し、使用者の要望するデータ形式に変換して出力することができる電話回線に取り付けてファックスデータ受信送信システムを提供することができるので、従来の固定電話機や携帯電話機に装着することなく利用できるので、ファックスデータを受信送信するための装置や機器を購入することなく簡易にファックスデータを受信して利用することができる。
データを添付して通知できるため、携帯電話機に通知した場合即時にファックスデータを確認することができる。
また、携帯電話機では受信できる容量により表示できない場合があったが、携帯電話の容量により複数のページにまたがる場合はファイルを分割して送信できるため携帯電話の容量に依存することなくファックスデータを確認することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、ファックスデータを受信した場合にこのシステム使用者の携帯電話等へデータを添付してに通知する通知部と記憶データを閲覧する処理を有しているので、ファックスデータを受信した場合に迅速に使用者が通知と同時に受信内容を確認することができるファックスデータ受信システムを提供することができる。また、閲覧するにはWEBでの閲覧の他に、ダウンロードして携帯電話等で内容を確認することができる。WEBでファックスデータを確認する場合は、画像を分割表示して部分的に拡大して表示も可能としている。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、本システムが設定部を有しているので、受信したファックスデータを使用者の要望するデータ形式に変換して出力することができると共に内容を確認する携帯電話等の容量に応じて分割して送信するため、受信したファックスデータを、使用者が即時に内容を確認することができる。
このデータ形式変換と分割処理を利用することにより、携帯電話等の容量に依存することなくファックスデータを即時に内容を確認することができるので、ファックスデータをいつでもどこでも確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明に係るファックスデータ受信送信システムを示す概念図であり、固定電話回線網を利用する場合の概念図である。
図2は、本発明に係るファックスデータ受信送信システムの構成図を示す。
尚、本明細書中に記載される「固定電話回線網」なる文言は、一般公衆回線、IP電話回線、光電話回線など通信事業者が提供する固定電話回線を示す。
【0015】
本発明に係るファックスデータ受信送信システム(10)は、受信部(11)と、記録部(12)と、変換部(13)と、設定部(14)と、通知部(15)を有している。
【0016】
受信部(11)は、固定電話回線網等(20)を介して送信されるデータを受信し、このデータがファックスデータであるか判断する。
この受信部(11)が、ファックスデータであれば、記録部(12)へファックスデータを蓄積する。
この受信部(11)は、記録部へデータを蓄積すると共に、変換部(13)へデータ蓄積を通知する。
【0017】
記録部(12)は、受信部(11)からのファックスデータを受信する。
この記録部(12)は、ファックスデータを受信すると、変換部(13)により蓄積形式を変更して蓄積する。
この変換部(13)は、ファックスデータを受信した時刻情報を特定したり、送信相手を特定したり、記録容量やマルチページの情報も記録部(12)にこれらの情報と併せて記憶する。
【0018】
変換部(13)は、設定部(14)からの情報に基づき、ファックスデータの記録形式や通知先の情報、添付方法も合わせて記憶する。
この変換部(13)は、元のファックスデータも保存しておき、変換形式が変わった場合は元のファックスデータを使用して変更を実行する。
また、記録部(13)が記憶するファックスデータは、通知する携帯電話の容量や表示可能な表示形式により、マルチページ形式のファイルを分割して複数のファイルへ変化して保存することができる。
【0019】
変換部(13)は、記憶部(12)に記憶されるファックスデータを使用者の要求に応じる形式にデータ変換する。
この変換部(13)が変換するデータの形式は、特定の画像形式やマルチページ対応形式などに限定されず、ファックスデータから変換することのできるデータ形式であれば構わない。
【0020】
設定部(14)は、使用者の要望する形式を変換部(13)へ指示する。
この設定部(14)は、使用者が要望する複数の形式(変換可能な全ての形式)の表示を行うとともに、これらの形式から使用者の要望する形式を選択させて入力させる。
この設定部(14)は、通知する方法も設定することができる。例えば、PDF形式へ変換し、携帯電話のメールアドレスへファイルを添付して受信を通知することが可能になる。
このように設定することにより、使用者は、自らが要望する表示方法によってファックスデータを閲覧したり、通知させることができる。
また、閲覧するにはWEBでの閲覧の他に、ダウンロードして携帯電話等で内容を確認することができる。WEBでファックスデータを確認する場合は、画像を分割表示して部分的に拡大して表示も可能としている。
【0021】
通知部(15)は、この記録部(12)にファックスデータが記憶された場合に、使用者にその旨の通知を行う。
この通知部(15)が行う通知方法は、使用者が記録部(12)にファックスデータが記憶されたことを設定部(14)の方法によりメールアドレスへ通知する。ファクスデータを添付する指定がある場合はメールへファックスデータを添付して通知する。例えば、ファックスデータが記憶部(12)に記憶された場合に、設定された携帯電話のメールアドレスへファイルを添付してメールで通知する。
【0022】
本発明に係るファックスデータ受信送信システム(10)は、図1で示す固定電話回線網(20)の端末側に装着されても良いし、使用者が遠い場所に設置してもよい。
その場合、インターネット(30)を通してパソコン画面や携帯電話画面から変換形式や通知先アドレスを自由にどこからでも容易に設定することができる。
【0023】
次に本発明に係るファックスデータ受信送信システム(10)の動作について説明する。
図3は、記憶部にファックスデータが記憶されるまでのステップを示すフローチャートであり、図4は、使用者がファックスデータを利用する設定する内容を示すフローチャートである。
まず、ファックスデータ受信送信システム(10)を固定電話回線網等(20)の電話回線に設置する。
固定電話回線網等(20)へ接続する場所は使用者の近くである必要はない。このように設定することにより、本発明の使用者はいつでもどこでもファックスデータを受信することができる。
【0024】
ファックスデータ送信者は、使用者の電話番号を宛先にしてファックスデータを送信する(P1)。
ファックスデータは、一般公衆回線を介して送信されて、指定された電話番号に送られることになる。
【0025】
ファックスデータを受信すると、まず、ファックスデータであることを判断し、ファックスデータを受信し記録する(P2)。
【0026】
記録部(12)に於いてファックスデータが記録され、送信者と受信時刻が特定されて変換部(13)により設定部(14)の指定する記録形式を変換される。
変換部(13)は、設定部(14)の指定する通知先の容量によりマルチページ形式のファイルを分割変換をし、このファックスデータを受け取ると、送信者と受信時刻を併せて記憶する(P3)。
このとき、通知部(15)は、ファックスデータを受信したことを使用者に通知する。この場合、ファイルを添付する指定がある場合はファイルを添付して通知する(P4)。
上記のステップによりファックスデータが記憶部(12)に記憶され、通知部(15)により使用者へ通知されることになる。
【0027】
次に、本発明の使用者が、記憶部(12)に記憶されるファックスデータ形式及び通知する方法を説明する。
使用者は、設定部(14)へアクセスすることにより、記録形式を指定することができる(S1)。
さらに、使用者は、設定部(14)へアクセスすることにより、通知するアドレスとファックスデータの添付の有無を指定することができる(S2)。
通知先が携帯電話の場合、携帯電話機から機種の情報を取得し、マルチページ形式のファイルの容量を計算し、ファイルの分割に使用する(S3)。
【0028】
設定部(14)から使用者の要望するデータ形式と対象となるファックスデータの情報が入力されると、変換部(13)により、対象となるファックスデータが特定され、このファックスデータが要望のデータ形式に変換される(P3)。
変換部(13)により、ファックスデータのデータ形式が変換されると、通知部(15)から送信されてインターネット(30)を通じて通知されることになる(P4)。
この場合、通知先が携帯電話機の場合、添付して通知する設定になっている場合は、即時にファックスデータの内容を確認することができる。
添付しない設定にしている場合は、携帯電話機から記録部(12)へアクセスすることにより、このファックスデータを閲覧することができる。また、閲覧するにはWEBでの閲覧の他に、ダウンロードして携帯電話等で内容を確認することができる。WEBでファックスデータを確認する場合は、画像を分割表示して部分的に拡大して表示も可能としている。
このように、出先であっても携帯電話機へ通知することにより、即時にファックスデータを閲覧することができるようになる。これによりいつでもどこでもファックスデータを閲覧することができる。
【0029】
固定電話回線網等(20)の直後にファックスデータ受信送信システム(10)を設置することにより、利用者は固定電話回線網等(20)を設置することなくファックスデータをインターネット(30)を介して、パソコンや携帯電話からいつでもどこでも受信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るファックスデータ受信送信システムを示す概念図である。
【図2】本発明に係るファックスデータ受信システムの構成図を示す。
【図3】記憶部にファックスデータが記憶されるまでのステップを示すフローチャートである。
【図4】使用者がファックスデータを設定するステップを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0031】
10・・・・ファックスデータ受信送信システム
11・・・・受信部
12・・・・記憶部
13・・・・変換部
14・・・・設定部
15・・・・通知部
20・・・・固定電話回線網等
30・・・・インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定電話回線網等の電話回線に取り付けられて電話回線に送信されたファックスデータを受信するファックスデータ受信送信システムであって、
ファックスデータを受信する受信部と、ファクスデータを記憶する記憶部と、記憶部に記憶されるファックスデータを使用者の要求に応じる形式にデータ変換する変換部と、変換部に於いて変換されたデータを携帯電話機へ送信する通知部と、受信する携帯電話の容量に応じて複数のページを使用者の携帯電話が受信可能なファイルに分割し複数のファイルを送信することを有することを特徴とするファックスデータ受信送信システム。
【請求項2】
記憶部にファックスデータが記憶された場合に、使用者の携帯電話等へデータを添付して通知する通知部と記憶データを閲覧する処理を有することを特徴とする請求項1記載のファックスデータ受信送信システム。
【請求項3】
使用者がファックスデータを変換する場合に、使用者の要望する形式を選択して、変換部へ入力する設定部が設けられており、ファックスデータが複数ページの場合に、使用者の携帯電話容量により複数のファイルに分割して送信する処理が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のファックスデータ受信送信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−45749(P2010−45749A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231491(P2008−231491)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(508272617)株式会社テレトピア (1)
【Fターム(参考)】