モルフォ型構造色発色体の製造方法
【課題】モルフォ型構造色発色体を低コストで量産する。
【解決手段】原型基板10の表面を研磨材で研磨する等して粗くし、フェムト秒レーザを照射しつつ走査して原型基板10に微細構造を形成する。その後、電鋳処理して微細構造を金属基板11に転写する。金属基板11の表面を黒化処理し、その上に誘電体多層膜を積層することでモルフォ型構造色発光体を形成する。
【解決手段】原型基板10の表面を研磨材で研磨する等して粗くし、フェムト秒レーザを照射しつつ走査して原型基板10に微細構造を形成する。その後、電鋳処理して微細構造を金属基板11に転写する。金属基板11の表面を黒化処理し、その上に誘電体多層膜を積層することでモルフォ型構造色発光体を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モルフォ型構造色発色体の製造方法に関し、特に量産化に適した製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光と微細構造の相互作用による構造色のうち、南米のモルフォ蝶は神秘的な美しい青色で知られている。モルフォ蝶の発色の秘密は、モルフォ蝶の羽の表面にある。羽の表面は、μmオーダの微細な鱗状の鱗粉で覆われており、鱗粉には、超微細な格子状の溝が多数刻まれ、それぞれの溝の表面に棚状の襞が形成されている。
【0003】
図10に、モルフォ蝶の鱗粉の模式的な構成図を示す。このような何段もの襞の作用によって青色の波長の光だけが反射されて青く見える。この発色は視野角による色変化が極端に少なく、光干渉のみでは説明できない。これは、秩序と乱雑さの精緻な組み合わせ構造によるものであると考えられている。
【0004】
このようなモルフォ型構造色発色体は、人工的には例えば集束イオンビーム装置を用いて製造され得る。細く絞ったガリウムイオンを原料ガスに当ててカーボンの粒を析出させ、シリコン基板の上に直径10nm程度の超微細な板状のカーボンを次々と積もらせる。
【0005】
しかしながら、これは複雑な微細三次元構造であるため、μmオーダの基板を形成することはできるものの、これより大きいmm単位の基板や量産には適していない。
【0006】
下記の特許文献1には、基板の表面にフォトレジストを塗布し、X方向寸法が0.3μmで一様、Y方向寸法が2.0μmを中心とする標準偏差0.5μmの正規分布をなす多数の長方形がXY二次元面内に乱数配置された擬一次元的パターンを電子ビーム描画装置に記憶させ、記憶させたパターンに従ってフォトレジストに電子ビームを照射し、露光及び現像後、エッチング装置にてドライエッチングすることで基板に深さ0.34μmの凹凸を形成することが開示されている。図11に、このようにして形成された基材1が示されている。そして、図12に示すように、高屈折率層2として酸化チタン、低屈折率層3として酸化珪素をそれぞれ電子ビーム蒸着し、各層の厚さ及び総数は高屈折率層2が厚さ80nmのものを合計7層、低屈折率層3が厚さ150nmのものを合計7層とする発色体を形成することが示されている。
【0007】
また、特許文献2には、表面が30nm〜400nm程度のランダムな粗さとなるように研磨されたガラス基板に金属薄膜を蒸着し、その後、高屈折率膜、低屈折率膜を積層し、電子ビームパターニング装置、集束イオンビーム装置又はリソグラフィー技術により最上面より金属薄膜の表面に達する溝を形成することで発色体を形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4228058号
【特許文献2】特開2003−53875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来技術では、基材の作成コストが増大し、特に大型基板の作成には高コストとなる問題がある。更に、非金属基板への形成のため、耐熱性や強度、耐候性に課題がある。
【0010】
本発明の目的は、比較的低コストで基板の大面積化、例えば100mm以上を得ることができ、かつ、耐熱性、強度、耐候性に優れたモルフォ型構造色発色体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、モルフォ型構造色発色体の製造方法であって、原型基板の表面を粗さ加工するステップと、粗さ加工された前記原型基板にフェムト秒レーザ光を照射しつつ走査して微細構造を形成するステップと、前記微細構造が形成された前記原型基板に電鋳処理を施して前記微細構造が転写された金属基板を形成するステップとを有する。
【0012】
本発明において、さらに、前記微細構造が転写された前記金属基板上に黒化処理を施してもよい。
【0013】
また、本発明において、さらに、前記黒化処理された前記金属基板上に誘電体多層膜を積層するステップを有してもよい。
【0014】
また、本発明において、前記フェムト秒レーザの走査方向と前記原型基板の表面を粗さ加工する方向は互いに異っていてもよく、前記フェムト秒レーザの走査方向と前記原型基板の表面を粗さ加工する方向は互いに直交していてもよい。
【0015】
本発明では、フェムト秒レーザ光を用いて原型基板に微細構造を形成する。フェムト秒レーザを基板表面に照射すると、入射光と表面散乱光の干渉で照射面内に波長間隔の強度分布が発生することが知られており、この現象を用いて微細構造を形成する。表面散乱光は、基板表面の凹凸により生じるが、原型基板の表面を粗さ加工することでこの凹凸を形成することができる。また、表面を粗さ加工することで、凹凸に乱雑さを持たせ、これによりフェムト秒レーザにより生じる微細構造に周期構造と乱雑さが導入される。フェムト秒レーザの照射・走査により微細構造を形成するので、比較的大面積の原型基板にも容易に形成できる。また、微細構造が形成された原型基板に電鋳処理を施して金属基板に微細構造を転写することにより、微細構造を有する金属基板を得ることができ、耐熱性や強度、耐候性に優れた基板が得られる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フェムト秒レーザの照射・走査と電鋳処理とを組み合わせることで、低コストで迅速に金属基板の大面積化を得ることができ、かつ、耐熱性、強度、耐候性に優れたモルフォ型構造色発色体が得られる。特に、フェムト秒レーザ加工によるパターン形成時間は、100mmサイズの基板でも数分〜15分程度と短く、極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態における原型基板から金属基板への転写(電鋳)説明図である。
【図2】実施形態によるモルフォ型構造色発色体の模式的な断面図である。
【図3】実施形態における製造方法を示すフローチャートである。
【図4】フェムト秒レーザによる微細構造形成の原理説明図である。
【図5】入射光と表面散乱光の関係を示す模式図である。
【図6】フェムト秒レーザによる原型基板の加工表面を示す電子顕微鏡写真である。
【図7】研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向との関係を示す説明図である。
【図8】研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向が平行な場合の電子顕微鏡写真である。
【図9】研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向が垂直な場合の電子顕微鏡写真である。
【図10】モルフォ蝶の鱗粉の模式的な構造図である。
【図11】従来技術の基材の断面図である。
【図12】従来技術の発色体の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1に、本実施形態におけるモルフォ型構造色発色体の製造方法に用いられる基板形成方法が模式的に示されている。
【0020】
まず、原型基板10を用意し、この原型基板10の表面に微細な凹凸構造を形成する。微細な凹凸構造は、フェムト秒レーザの照射・走査によって形成する。なお、既述したように、モルフォ型構造色は、秩序と乱雑さの精緻な組み合わせ構造により実現するため、規則的な凹凸構造ではなく、ある程度の乱雑さが必要である。このため、フェムト秒レーザを原型基板10に照射するに先立って、原型基板10の表面にある程度の乱雑さを含む表面粗さを形成する。この表面粗さは、例えば研磨材によって原型基板10を研磨することにより実現される。表面粗さが形成された原型基板10にフェムト秒レーザを照射することで、周期性と乱雑性を兼ね備えた微細凹凸構造が形成される。
【0021】
次に、表面に微細凹凸構造が形成された原型基板10の微細構造パターンを正確に転写するために、電鋳を用いて金属基板11の表面に微細パターンを転写する。電鋳とは、電気分解された金属イオンを原型の表面に必要な厚さだけ電着させた後、電着層を原型から剥離することにより剥離面に原型の形状や表面の凹凸を忠実に再現することができる鋳造技術(電気鋳造)である。
【0022】
金属基板11上に微細構造を形成した後、この金属基板11上に高屈折率と低屈折率の誘電体多層膜を形成することで、モルフォ型構造色発色体が形成される。フェムト秒レーザの照射・走査により原型基板10に微細凹凸構造を形成するので、低コストで大面積を得ることができる。また、電鋳技術を用いて金属基板11を形成するので、耐熱性や強度、耐候性にも優れている。
【0023】
図2に、本実施形態におけるモルフォ型構造色発色体の模式的な断面図を示す。電鋳技術により形成された金属基板11上に高屈折率層12として酸化チタン、低屈折率層13として酸化珪素をそれぞれ積層する。高屈折率層12及び低屈折率層13は、例えば電子ビーム蒸着法により形成することができる。また、各層の厚さ及び総数は従来技術と同様に高屈折率層12が厚さ80nmのものを合計7層、低屈折率層13が厚さ150nmのものを合計7層等とすることができる。
【0024】
なお、高屈折率層、低屈折率層の材料はそれぞれ酸化チタン、酸化珪素に限定されるものではなく、Al2O3、SiO2、SiO、SnO2、Sb2O3、PbCl2、PbO、TiO2、TiO、ZrO2、CeO2、CeF3、ZnS、MgO、NaF、MgF2などの誘電体薄膜を用いることができる。
【0025】
また、金属基板11上に誘電体多層膜12、13を積層するに先立ち、発色体の反射特性を効果的なものとするために、金属基板11の表面に黒化処理を施して金属基板11表面での反射を防止することが好適である。図12において、この黒化処理は薄膜14として示されている。黒化処理は、具体的には、DLC(Diamond Like Carbon)処理、誘電体膜蒸着、黒ニッケルメッキなどがある。
【0026】
図3に、本実施形態におけるモルフォ型構造色発色体の製造方法を示す。まず、原型基板10を用意する(S101)。この原型基板は、例えばステンレス基板である。
【0027】
次に、原型基板10の表面を研磨材を用いて粗く加工する(S102)。研磨材による研磨方向は任意であるが、例えば基板の一方向に沿って直線的に研磨する。
【0028】
次に、表面を粗く研磨した原型基板10に対し、フェムト秒レーザを照射しつつ走査し、原型基板10の表面にnmオーダの微細凹凸構造を形成する(S103)。フェムト秒レーザのパワーP=250nJ〜100μJ/パルス、波長λ=800nm〜1300nm、パルス幅=120ps(フェムト秒)であり、シリンドリカルレンズを介して表面に照射する。レーザが互いにオーバラップしながら照射されるように原型基板10を所定の速度で移動させる。微細凹凸構造の深さはレーザパワーで調整することが可能であり、本実施形態では約110nmである。なお、フェムト秒レーザによる微細構造の形成については更に詳述する。
【0029】
原型基板10の表面に微細凹凸構造を形成した後、電鋳の前工程として原型基板10の表面をメッキする(S104)。なお、原型基板が上記のようにステンレス等の金属である場合にはこの工程は不要である。原型基板が樹脂基板の場合には無電解メッキを行う。
【0030】
次に、電鋳技術を用いて原型基板10の表面微細凹凸構造を金属基板11に転写する(S105)。電鋳技術では、ナノオーダの微細パターンを転写することが可能である。金属基板11は、例えばニッケル基板である。
【0031】
次に、金属基板11表面をDLC処理等で黒化処理し(S106)、黒化処理された金属基板11上に高屈折率膜と低屈折率膜の誘電体多層膜を交互に積層する(S107)。以上の工程により、図2に示すモルフォ型構造色発色体が製造される。
【0032】
本実施形態では、フェムト秒レーザにより微細凹凸構造を形成しているが、以下、これについて説明する。
【0033】
図4に、フェムト秒レーザの照射による微細構造パターンの原理説明図を示す。フェムト秒レーザを基板表面に照射すると、入射光の一部が基板表面の凹凸あるいは物体により散乱され、表面散乱光が生じる。そして、入射光と表面散乱光の干渉で照射面内に波長λ間隔の強度分布が発生する。図5に示されるように、入射光の入射角をθとし、強度分布の間隔(ピッチ)をXsとすると、
Xs=λ/(1±sinθ)
となる。散乱の基点になる凹凸を常に集光点に含みながらオーバラップ走査することで、周期的な微細構造が自己組織的に形成される。入射光が直線偏光の場合には、波長オーダ(nmオーダ)の間隔を有する周期構造が偏光方向に直交して形成される。
【0034】
図6には、本実施形態においてフェムト秒レーザを用いて原型基板10上に微細凹凸構造を形成した場合の電子顕微鏡写真を示す。600nm〜700nmピッチの溝がある程度の乱雑さをもって形成されている。フェムト秒レーザによる微細構造形成は、上記のように入射光と表面散乱光との干渉により生じるものであり、入射光を散乱させるための凹凸が必要である。図3のS102における表面粗さ加工は、表面散乱を起こさせるための凹凸を形成する処理として機能する。
【0035】
なお、原型基板10の表面粗さを形成するための研磨方向と、フェムト秒レーザの走査方向とは互いに一致していてもよく、あるいは互いに異なっていてもよい。互いに異なっている場合の一例は、両方向が互いに直交する場合である。図7に、研磨方向と走査方向との関係を模式的に示す。図7(a)は研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向が共に同一方向(x方向)の場合である。また、図7(b)は研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向とが互いに直交する方向の場合である。モルフォ型構造色発色体としての凹凸構造は、その平面形状が約2.0μm程度の長さであることが好ましい。従って、このようなサイズに規定するためには、図7(b)に示すように、研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向とが互いに直交する方向が好ましい。この場合、図3のS102における表面粗さ加工は、表面散乱を起こさせるための凹凸を形成する処理、及び凹凸の平面形状のサイズを所望の長さに規定する処理として機能する。
【0036】
図8に、研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向が一致する場合の原型基板10表面の電子顕微鏡写真を示す。また、図9に、研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向が互いに直交する場合の原型基板10表面の電子顕微鏡写真を示す。いずれの場合も、表面に適度の周期性と乱雑性を有する凹凸が形成されていることが分かる。これらの原型基板10に対して電鋳技術を用いて金属基板11に微細凹凸パターンを転写すれば、微細凹凸構造を表面に有する金属基板11が得られ、この金属基板11上に誘電体多層膜を積層することでモルフォ型構造色発色体が得られる。電鋳により原型基板10の微細凹凸構造を転写して得られるパターンは、原型基板10のパターンに対してネガ型の関係にある。もちろん、このネガ型に対して再度電鋳技術を用いて転写することで、原型基板10と同様のポジ型のパターンが得られる。ネガ型の微細凹凸構造の凸部の幅が大きい場合には、入射光の一次反射成分が増大して所望のモルフォ型構造色が得られない場合がある。このような場合には、そのネガ型を基にしてポジ型を形成し、このポジ型の金属基板11に誘電体多層膜を形成すればよい。
【0037】
一般に、モルフォ型構造色(モルフォブルー)を得るためには、回折効果と干渉の相乗効果と、ナノパターンと、乱雑さを有する周期構造が必要と考えられる。本実施形態では、回折は凹凸パターン、干渉は高屈折率と低屈折率の誘電体多層膜、ナノパターンと乱雑さを有する周期構造は表面粗さ加工とフェムト秒レーザの照射・走査によりそれぞれ得られるものといえる。
【0038】
なお、本実施形態において、凹凸のピッチはフェムト秒レーザの波長λと入射角θに依存するので、これらをそれぞれ調整することで凹凸のピッチを所望の値に調整することが可能である。
【0039】
本実施形態の金属基板11は、広い視野角(正面から±40度の範囲)で発色が変わらず、高い反射率(70%程度)を有することを出願人は確認している。金属基板11は強度、耐候性に優れているから、屋内のみならず屋外用途にも対応することができる。また、誘電体多層膜の厚さを変えることで、モルフォ蝶にはない3原色の発色も可能であることから、反射型カラーディスプレイやカラー電子ペーパ等への応用も可能であろう。
【0040】
本実施形態における金属基板11はニッケルとしたが、もちろんこれに限定されるものではなく、他の金属、例えば銅であってもよい。また、本実施形態では原型基板10としてステンレスを用いたが、樹脂基板であってもよい。
【0041】
また、本実施形態では、フェムト秒レーザを用いて微細構造を形成しているが、これと等価あるいは類似する技術を用いてもよく、例えば異方収縮性材料の熱処理により微細構造を形成してもよい。要するに、nmオーダでの微細周期構造が得られ、周期ピッチ、隣接する凹凸の高さが微妙に異なり、これらの規則性と乱雑さを制御できる方法であればよい。
【符号の説明】
【0042】
1 基材、2 高屈折率層、3 低屈折率層、10 原型基板、11 金属基板、12 高屈折率層、13 低屈折率層、14 黒化膜。
【技術分野】
【0001】
本発明は、モルフォ型構造色発色体の製造方法に関し、特に量産化に適した製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光と微細構造の相互作用による構造色のうち、南米のモルフォ蝶は神秘的な美しい青色で知られている。モルフォ蝶の発色の秘密は、モルフォ蝶の羽の表面にある。羽の表面は、μmオーダの微細な鱗状の鱗粉で覆われており、鱗粉には、超微細な格子状の溝が多数刻まれ、それぞれの溝の表面に棚状の襞が形成されている。
【0003】
図10に、モルフォ蝶の鱗粉の模式的な構成図を示す。このような何段もの襞の作用によって青色の波長の光だけが反射されて青く見える。この発色は視野角による色変化が極端に少なく、光干渉のみでは説明できない。これは、秩序と乱雑さの精緻な組み合わせ構造によるものであると考えられている。
【0004】
このようなモルフォ型構造色発色体は、人工的には例えば集束イオンビーム装置を用いて製造され得る。細く絞ったガリウムイオンを原料ガスに当ててカーボンの粒を析出させ、シリコン基板の上に直径10nm程度の超微細な板状のカーボンを次々と積もらせる。
【0005】
しかしながら、これは複雑な微細三次元構造であるため、μmオーダの基板を形成することはできるものの、これより大きいmm単位の基板や量産には適していない。
【0006】
下記の特許文献1には、基板の表面にフォトレジストを塗布し、X方向寸法が0.3μmで一様、Y方向寸法が2.0μmを中心とする標準偏差0.5μmの正規分布をなす多数の長方形がXY二次元面内に乱数配置された擬一次元的パターンを電子ビーム描画装置に記憶させ、記憶させたパターンに従ってフォトレジストに電子ビームを照射し、露光及び現像後、エッチング装置にてドライエッチングすることで基板に深さ0.34μmの凹凸を形成することが開示されている。図11に、このようにして形成された基材1が示されている。そして、図12に示すように、高屈折率層2として酸化チタン、低屈折率層3として酸化珪素をそれぞれ電子ビーム蒸着し、各層の厚さ及び総数は高屈折率層2が厚さ80nmのものを合計7層、低屈折率層3が厚さ150nmのものを合計7層とする発色体を形成することが示されている。
【0007】
また、特許文献2には、表面が30nm〜400nm程度のランダムな粗さとなるように研磨されたガラス基板に金属薄膜を蒸着し、その後、高屈折率膜、低屈折率膜を積層し、電子ビームパターニング装置、集束イオンビーム装置又はリソグラフィー技術により最上面より金属薄膜の表面に達する溝を形成することで発色体を形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4228058号
【特許文献2】特開2003−53875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来技術では、基材の作成コストが増大し、特に大型基板の作成には高コストとなる問題がある。更に、非金属基板への形成のため、耐熱性や強度、耐候性に課題がある。
【0010】
本発明の目的は、比較的低コストで基板の大面積化、例えば100mm以上を得ることができ、かつ、耐熱性、強度、耐候性に優れたモルフォ型構造色発色体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、モルフォ型構造色発色体の製造方法であって、原型基板の表面を粗さ加工するステップと、粗さ加工された前記原型基板にフェムト秒レーザ光を照射しつつ走査して微細構造を形成するステップと、前記微細構造が形成された前記原型基板に電鋳処理を施して前記微細構造が転写された金属基板を形成するステップとを有する。
【0012】
本発明において、さらに、前記微細構造が転写された前記金属基板上に黒化処理を施してもよい。
【0013】
また、本発明において、さらに、前記黒化処理された前記金属基板上に誘電体多層膜を積層するステップを有してもよい。
【0014】
また、本発明において、前記フェムト秒レーザの走査方向と前記原型基板の表面を粗さ加工する方向は互いに異っていてもよく、前記フェムト秒レーザの走査方向と前記原型基板の表面を粗さ加工する方向は互いに直交していてもよい。
【0015】
本発明では、フェムト秒レーザ光を用いて原型基板に微細構造を形成する。フェムト秒レーザを基板表面に照射すると、入射光と表面散乱光の干渉で照射面内に波長間隔の強度分布が発生することが知られており、この現象を用いて微細構造を形成する。表面散乱光は、基板表面の凹凸により生じるが、原型基板の表面を粗さ加工することでこの凹凸を形成することができる。また、表面を粗さ加工することで、凹凸に乱雑さを持たせ、これによりフェムト秒レーザにより生じる微細構造に周期構造と乱雑さが導入される。フェムト秒レーザの照射・走査により微細構造を形成するので、比較的大面積の原型基板にも容易に形成できる。また、微細構造が形成された原型基板に電鋳処理を施して金属基板に微細構造を転写することにより、微細構造を有する金属基板を得ることができ、耐熱性や強度、耐候性に優れた基板が得られる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フェムト秒レーザの照射・走査と電鋳処理とを組み合わせることで、低コストで迅速に金属基板の大面積化を得ることができ、かつ、耐熱性、強度、耐候性に優れたモルフォ型構造色発色体が得られる。特に、フェムト秒レーザ加工によるパターン形成時間は、100mmサイズの基板でも数分〜15分程度と短く、極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態における原型基板から金属基板への転写(電鋳)説明図である。
【図2】実施形態によるモルフォ型構造色発色体の模式的な断面図である。
【図3】実施形態における製造方法を示すフローチャートである。
【図4】フェムト秒レーザによる微細構造形成の原理説明図である。
【図5】入射光と表面散乱光の関係を示す模式図である。
【図6】フェムト秒レーザによる原型基板の加工表面を示す電子顕微鏡写真である。
【図7】研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向との関係を示す説明図である。
【図8】研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向が平行な場合の電子顕微鏡写真である。
【図9】研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向が垂直な場合の電子顕微鏡写真である。
【図10】モルフォ蝶の鱗粉の模式的な構造図である。
【図11】従来技術の基材の断面図である。
【図12】従来技術の発色体の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1に、本実施形態におけるモルフォ型構造色発色体の製造方法に用いられる基板形成方法が模式的に示されている。
【0020】
まず、原型基板10を用意し、この原型基板10の表面に微細な凹凸構造を形成する。微細な凹凸構造は、フェムト秒レーザの照射・走査によって形成する。なお、既述したように、モルフォ型構造色は、秩序と乱雑さの精緻な組み合わせ構造により実現するため、規則的な凹凸構造ではなく、ある程度の乱雑さが必要である。このため、フェムト秒レーザを原型基板10に照射するに先立って、原型基板10の表面にある程度の乱雑さを含む表面粗さを形成する。この表面粗さは、例えば研磨材によって原型基板10を研磨することにより実現される。表面粗さが形成された原型基板10にフェムト秒レーザを照射することで、周期性と乱雑性を兼ね備えた微細凹凸構造が形成される。
【0021】
次に、表面に微細凹凸構造が形成された原型基板10の微細構造パターンを正確に転写するために、電鋳を用いて金属基板11の表面に微細パターンを転写する。電鋳とは、電気分解された金属イオンを原型の表面に必要な厚さだけ電着させた後、電着層を原型から剥離することにより剥離面に原型の形状や表面の凹凸を忠実に再現することができる鋳造技術(電気鋳造)である。
【0022】
金属基板11上に微細構造を形成した後、この金属基板11上に高屈折率と低屈折率の誘電体多層膜を形成することで、モルフォ型構造色発色体が形成される。フェムト秒レーザの照射・走査により原型基板10に微細凹凸構造を形成するので、低コストで大面積を得ることができる。また、電鋳技術を用いて金属基板11を形成するので、耐熱性や強度、耐候性にも優れている。
【0023】
図2に、本実施形態におけるモルフォ型構造色発色体の模式的な断面図を示す。電鋳技術により形成された金属基板11上に高屈折率層12として酸化チタン、低屈折率層13として酸化珪素をそれぞれ積層する。高屈折率層12及び低屈折率層13は、例えば電子ビーム蒸着法により形成することができる。また、各層の厚さ及び総数は従来技術と同様に高屈折率層12が厚さ80nmのものを合計7層、低屈折率層13が厚さ150nmのものを合計7層等とすることができる。
【0024】
なお、高屈折率層、低屈折率層の材料はそれぞれ酸化チタン、酸化珪素に限定されるものではなく、Al2O3、SiO2、SiO、SnO2、Sb2O3、PbCl2、PbO、TiO2、TiO、ZrO2、CeO2、CeF3、ZnS、MgO、NaF、MgF2などの誘電体薄膜を用いることができる。
【0025】
また、金属基板11上に誘電体多層膜12、13を積層するに先立ち、発色体の反射特性を効果的なものとするために、金属基板11の表面に黒化処理を施して金属基板11表面での反射を防止することが好適である。図12において、この黒化処理は薄膜14として示されている。黒化処理は、具体的には、DLC(Diamond Like Carbon)処理、誘電体膜蒸着、黒ニッケルメッキなどがある。
【0026】
図3に、本実施形態におけるモルフォ型構造色発色体の製造方法を示す。まず、原型基板10を用意する(S101)。この原型基板は、例えばステンレス基板である。
【0027】
次に、原型基板10の表面を研磨材を用いて粗く加工する(S102)。研磨材による研磨方向は任意であるが、例えば基板の一方向に沿って直線的に研磨する。
【0028】
次に、表面を粗く研磨した原型基板10に対し、フェムト秒レーザを照射しつつ走査し、原型基板10の表面にnmオーダの微細凹凸構造を形成する(S103)。フェムト秒レーザのパワーP=250nJ〜100μJ/パルス、波長λ=800nm〜1300nm、パルス幅=120ps(フェムト秒)であり、シリンドリカルレンズを介して表面に照射する。レーザが互いにオーバラップしながら照射されるように原型基板10を所定の速度で移動させる。微細凹凸構造の深さはレーザパワーで調整することが可能であり、本実施形態では約110nmである。なお、フェムト秒レーザによる微細構造の形成については更に詳述する。
【0029】
原型基板10の表面に微細凹凸構造を形成した後、電鋳の前工程として原型基板10の表面をメッキする(S104)。なお、原型基板が上記のようにステンレス等の金属である場合にはこの工程は不要である。原型基板が樹脂基板の場合には無電解メッキを行う。
【0030】
次に、電鋳技術を用いて原型基板10の表面微細凹凸構造を金属基板11に転写する(S105)。電鋳技術では、ナノオーダの微細パターンを転写することが可能である。金属基板11は、例えばニッケル基板である。
【0031】
次に、金属基板11表面をDLC処理等で黒化処理し(S106)、黒化処理された金属基板11上に高屈折率膜と低屈折率膜の誘電体多層膜を交互に積層する(S107)。以上の工程により、図2に示すモルフォ型構造色発色体が製造される。
【0032】
本実施形態では、フェムト秒レーザにより微細凹凸構造を形成しているが、以下、これについて説明する。
【0033】
図4に、フェムト秒レーザの照射による微細構造パターンの原理説明図を示す。フェムト秒レーザを基板表面に照射すると、入射光の一部が基板表面の凹凸あるいは物体により散乱され、表面散乱光が生じる。そして、入射光と表面散乱光の干渉で照射面内に波長λ間隔の強度分布が発生する。図5に示されるように、入射光の入射角をθとし、強度分布の間隔(ピッチ)をXsとすると、
Xs=λ/(1±sinθ)
となる。散乱の基点になる凹凸を常に集光点に含みながらオーバラップ走査することで、周期的な微細構造が自己組織的に形成される。入射光が直線偏光の場合には、波長オーダ(nmオーダ)の間隔を有する周期構造が偏光方向に直交して形成される。
【0034】
図6には、本実施形態においてフェムト秒レーザを用いて原型基板10上に微細凹凸構造を形成した場合の電子顕微鏡写真を示す。600nm〜700nmピッチの溝がある程度の乱雑さをもって形成されている。フェムト秒レーザによる微細構造形成は、上記のように入射光と表面散乱光との干渉により生じるものであり、入射光を散乱させるための凹凸が必要である。図3のS102における表面粗さ加工は、表面散乱を起こさせるための凹凸を形成する処理として機能する。
【0035】
なお、原型基板10の表面粗さを形成するための研磨方向と、フェムト秒レーザの走査方向とは互いに一致していてもよく、あるいは互いに異なっていてもよい。互いに異なっている場合の一例は、両方向が互いに直交する場合である。図7に、研磨方向と走査方向との関係を模式的に示す。図7(a)は研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向が共に同一方向(x方向)の場合である。また、図7(b)は研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向とが互いに直交する方向の場合である。モルフォ型構造色発色体としての凹凸構造は、その平面形状が約2.0μm程度の長さであることが好ましい。従って、このようなサイズに規定するためには、図7(b)に示すように、研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向とが互いに直交する方向が好ましい。この場合、図3のS102における表面粗さ加工は、表面散乱を起こさせるための凹凸を形成する処理、及び凹凸の平面形状のサイズを所望の長さに規定する処理として機能する。
【0036】
図8に、研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向が一致する場合の原型基板10表面の電子顕微鏡写真を示す。また、図9に、研磨方向とフェムト秒レーザの走査方向が互いに直交する場合の原型基板10表面の電子顕微鏡写真を示す。いずれの場合も、表面に適度の周期性と乱雑性を有する凹凸が形成されていることが分かる。これらの原型基板10に対して電鋳技術を用いて金属基板11に微細凹凸パターンを転写すれば、微細凹凸構造を表面に有する金属基板11が得られ、この金属基板11上に誘電体多層膜を積層することでモルフォ型構造色発色体が得られる。電鋳により原型基板10の微細凹凸構造を転写して得られるパターンは、原型基板10のパターンに対してネガ型の関係にある。もちろん、このネガ型に対して再度電鋳技術を用いて転写することで、原型基板10と同様のポジ型のパターンが得られる。ネガ型の微細凹凸構造の凸部の幅が大きい場合には、入射光の一次反射成分が増大して所望のモルフォ型構造色が得られない場合がある。このような場合には、そのネガ型を基にしてポジ型を形成し、このポジ型の金属基板11に誘電体多層膜を形成すればよい。
【0037】
一般に、モルフォ型構造色(モルフォブルー)を得るためには、回折効果と干渉の相乗効果と、ナノパターンと、乱雑さを有する周期構造が必要と考えられる。本実施形態では、回折は凹凸パターン、干渉は高屈折率と低屈折率の誘電体多層膜、ナノパターンと乱雑さを有する周期構造は表面粗さ加工とフェムト秒レーザの照射・走査によりそれぞれ得られるものといえる。
【0038】
なお、本実施形態において、凹凸のピッチはフェムト秒レーザの波長λと入射角θに依存するので、これらをそれぞれ調整することで凹凸のピッチを所望の値に調整することが可能である。
【0039】
本実施形態の金属基板11は、広い視野角(正面から±40度の範囲)で発色が変わらず、高い反射率(70%程度)を有することを出願人は確認している。金属基板11は強度、耐候性に優れているから、屋内のみならず屋外用途にも対応することができる。また、誘電体多層膜の厚さを変えることで、モルフォ蝶にはない3原色の発色も可能であることから、反射型カラーディスプレイやカラー電子ペーパ等への応用も可能であろう。
【0040】
本実施形態における金属基板11はニッケルとしたが、もちろんこれに限定されるものではなく、他の金属、例えば銅であってもよい。また、本実施形態では原型基板10としてステンレスを用いたが、樹脂基板であってもよい。
【0041】
また、本実施形態では、フェムト秒レーザを用いて微細構造を形成しているが、これと等価あるいは類似する技術を用いてもよく、例えば異方収縮性材料の熱処理により微細構造を形成してもよい。要するに、nmオーダでの微細周期構造が得られ、周期ピッチ、隣接する凹凸の高さが微妙に異なり、これらの規則性と乱雑さを制御できる方法であればよい。
【符号の説明】
【0042】
1 基材、2 高屈折率層、3 低屈折率層、10 原型基板、11 金属基板、12 高屈折率層、13 低屈折率層、14 黒化膜。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モルフォ型構造色発色体の製造方法であって、
原型基板の表面を粗さ加工するステップと、
粗さ加工された前記原型基板にフェムト秒レーザ光を照射しつつ走査して微細構造を形成するステップと、
前記微細構造が形成された前記原型基板に電鋳処理を施して前記微細構造が転写された金属基板を形成するステップと、
を有することを特徴とするモルフォ型構造色発色体の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、さらに、
前記微細構造が転写された前記金属基板上に黒化処理を施すことを特徴とするモルフォ型構造色発色体の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、さらに、
前記黒化処理された前記金属基板上に誘電体多層膜を積層するステップと、
を有することを特徴とするモルフォ型構造色発色体の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、
前記フェムト秒レーザの走査方向と前記原型基板の表面を粗さ加工する方向は互いに異なることを特徴とするモルフォ型構造色発色体の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、
前記フェムト秒レーザの走査方向と前記原型基板の表面を粗さ加工する方向は互いに直交することを特徴とするモルフォ型構造色発色体の製造方法。
【請求項1】
モルフォ型構造色発色体の製造方法であって、
原型基板の表面を粗さ加工するステップと、
粗さ加工された前記原型基板にフェムト秒レーザ光を照射しつつ走査して微細構造を形成するステップと、
前記微細構造が形成された前記原型基板に電鋳処理を施して前記微細構造が転写された金属基板を形成するステップと、
を有することを特徴とするモルフォ型構造色発色体の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、さらに、
前記微細構造が転写された前記金属基板上に黒化処理を施すことを特徴とするモルフォ型構造色発色体の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、さらに、
前記黒化処理された前記金属基板上に誘電体多層膜を積層するステップと、
を有することを特徴とするモルフォ型構造色発色体の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、
前記フェムト秒レーザの走査方向と前記原型基板の表面を粗さ加工する方向は互いに異なることを特徴とするモルフォ型構造色発色体の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、
前記フェムト秒レーザの走査方向と前記原型基板の表面を粗さ加工する方向は互いに直交することを特徴とするモルフォ型構造色発色体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図6】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図6】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−102909(P2011−102909A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257938(P2009−257938)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000226242)日機装株式会社 (383)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【出願人】(509311779)株式会社イシワタ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000226242)日機装株式会社 (383)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【出願人】(509311779)株式会社イシワタ (1)
【Fターム(参考)】
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