説明

モータおよびディスク駆動装置

【課題】モータの薄型を図りつつも、シャフトとターンテーブルとの間の締結力を向上させ、且つ、ターンテーブルの振れによるディスクの面振れを抑える。
【解決手段】シャフト21の上部の外周面は、ブッシュ24の内周面に圧入される。そして、ブッシュ24の外周面は、ターンテーブル231の第1円筒部2312の内周面に接着剤によって、固定される。ブッシュ24の外周面と第1円筒部2312の内周面とは軸方向に亘り径方向の間隙が形成される。この間隙に接着剤が充填される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型のモータおよびディスク駆動装置、特に、薄型のディスク駆動装置に搭載されるチャッキング装置を備えたモータにおけるシャフトとターンテーブルとの締結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光学的に記録再生を行うディスク駆動装置では、薄型化の要求が強くなっている。このディスク駆動装置の薄型化の要求に伴い、ディスク駆動装置に搭載される、ディスクを着脱可能とし、且つ、ディスクを回転させるチャッキング装置を備えたモータの薄型化が求められている(このような従来の薄型のモータの例として、例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−253239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、モータの薄型化に伴い、モータを構成する各部品は、回転軸方向に対して短くなるように形成される。そのために、各部品同士の締結部分の接合面積が減少するために、各部品同士の締結力が低減してしまう。
【0005】
特に、回転軸となるシャフトとシャフトの外周面に固定される内周面を有するターンテーブルとの締結力は、シャフトの外径が小さいために、非常に小さい。そのため、モータに加わる外部衝撃やディスクの着脱する際のシャフトとターンテーブルとの締結部分に加わる力によって、シャフトとターンテーブルとの締結力が弱くなり、必要な締結力を保持できない可能性がある。
【0006】
また、ターンテーブルには、ディスクが載置される載置部が設けられる。そのため、シャフトに対してターンテーブルは高精度に取り付けられる必要がある。特にディスクは、近年高密度化されており、ディスクを回転させた際の面振れによって、ディスクへの情報の記録再生のエラーを発生してしまう可能性がある。
【0007】
したがって、本発明は、上記問題を鑑みなされたものであり、その目的としては、モータの薄型を図りつつも、シャフトとターンテーブルとの間の締結力を向上させ、且つ、ターンテーブルの振れによるディスクの面振れを抑えたモータおよびディスク駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1によれば、中心開口部を有する環状のディスクを回転させるモータであって、回転軸となるシャフトと、前記シャフトの外周面に固定される内周面を有する略円筒状のブッシュと、前記ブッシュの外周面に固定される内周面を有する円筒部と該円筒部より径方向外側に形成され、前記ディスクを載置する載置部とを有するターンテーブルと、を備え、前記ブッシュの外周面の外径は、前記シャフトの外径よりも大きく、前記ブッシュの外周面と該ブッシュの外周面に固定される前記ターンテーブルの内周面とは、径方向に間隙を有し、前記間隙には、接着剤が充填されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項1に従えば、シャフトの外径より大きい外径を有するブッシュの外周面にターンテーブルが固定されることによって、ブッシュとターンテーブルとの接合面積を大きくすることができる。さらに、ブッシュとターンテーブルとを接着剤にて固定することによって、ターンテーブルの載置部におけるターンテーブルの回転に対する軸方向の振れを調整しながら、固定することができる。したがって、載置部の振れを低減することができるために、ディスクの回転振れによるディスクの記録再生エラーの発生を防ぐことができる。
【0010】
本発明の請求項2によれば、請求項1に係り、前記ブッシュにおける前記シャフトの外周面に固定される内周面の内径の大きさは、前記シャフトの前記外周面の外径の大きさ以下であることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に従えば、シャフトに固定されるブッシュの内周面の内径がシャフトの外周面の外径以下である、すなわち、ブッシュがシャフトに圧入されることによって、シャフトとブッシュとの締結力は、シャフトとブッシュとが接着剤のみにて固定される締結力と比較して大きくなる。したがって、シャフトとブッシュとを強固に固定することができるために、ディスクを装着する際の外部振動や、外部衝撃等によって、シャフトに対してブッシュが外れてしまうことを防ぐことができる。
【0012】
本発明の請求項3によれば、請求項1および請求項2のいずれかに係り、前記ブッシュの外周面と前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面とは軸方向に渡り径方向に間隙を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項3に従えば、ブッシュの外周面とターンテーブルの円筒部の内周面とが軸方向に渡り径方向に間隙を有する、すなわち、ブッシュの外周面とターンテーブルの円筒部とが接触しないことによって、より高精度にターンテーブルのディスク載置部を調整しながら、固定することができる。
【0014】
本発明の請求項4によれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに係り、前記ブッシュの外周面と前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面との径方向の間隙は、軸方向に沿った第1間隙部と、該第1間隙部より間隙が大きい第2間隙部と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項4に従えば、第1間隙部によって、ブッシュの外周面の中心軸と円筒部の内周面の中心軸とを良好に一致させることができる。したがって、シャフトとターンテーブルの回転軸とを良好に一致させることができる。その結果、ターンテーブルにおける径方向および周方向の回転振れを低減することができる。
【0016】
本発明の請求項5によれば、請求項4に係り、前記第2間隙部における前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面には、該内周面の内径を拡径する円環凹形状となる拡径部が形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項5に従えば、円筒部の拡径部によって、ブッシュの外周面と円筒部の内周面との径方向の間隙が大きい部分(第2間隙部)が形成されることによって、この拡径部に充填された接着剤の径方向の幅を大きくすることができる。したがって、拡径部に充填された接着剤がブッシュに対するロータホルダの軸方向への抜止の役割を果たすことができる。
【0018】
本発明の請求項6によれば、請求項5に係り、前記ターンテーブルは、磁性体の鋼板をプレス加工することによって形成され、前記拡径部は、ショックラインであることを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項6に従えば、ターンテーブルの円筒部をプレス加工する際には、ショックラインが形成されてしまう。しかしながら、そのショックラインを拡径部として活用することによって、ショックライン(拡径部)に充填された接着剤がブッシュに対するロータホルダの軸方向への抜止の役割を果たすことができる。
【0020】
本発明の請求項7によれば、請求項4乃至請求項6のいずれかに係り、前記第1間隙部は、前記第2間隙部よりも軸方向下側に形成されることを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項7に従えば、第1間隙部が第2間隙部より軸方向下側に形成されることによって、第1間隙部においてブッシュの外周面の中心とターンテーブルの円筒部の中心とを容易に精度良く一致させることができる。したがって、ターンテーブルの載置部の面振れを低減することができる。
【0022】
本発明の請求項8によれば、請求項1乃至請求項7のいずれかに係り、前記ブッシュの外周面には、該外周面の外径を拡径する円環突形状となる円環突部が形成されることを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項8に従えば、ブッシュの外周面に円環突部が形成されることによって、円環突部と径方向に対向する円筒部との径方向の間に、第2間隙部が形成される。この円環突部によって、ブッシュの中心軸とターンテーブルの円筒部の中心軸とを良好に一致させることができるために、ターンテーブルの径方向および周方向の回転振れを低減することができる。
【0024】
本発明の請求項9によれば、請求項1乃至請求項8のいずれかに係り、前記ブッシュの外周面の軸方向の大きさは、前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面の軸方向の大きさ以下であることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項9に従えば、ブッシュの外周面の軸方向の大きさが、ターンテーブルの円筒部の内周面の軸方向の大きさ以下であることによって、接着剤をターンテーブルの円筒部の外側に漏洩することなく、内側に保持することができる。したがって、接着剤がモータの他の部位に付着することを防ぐことができ、信頼性の高いモータを提供することができる。
【0026】
本発明の請求項10によれば、請求項1乃至請求項9のいずれかに係り、前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面の上部には、軸方向上側に向かい拡径する拡大部が形成され、
前記接着剤は、前記拡大部まで充填されることを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項10に従えば、拡大部まで接着剤が充填されることによって、熱による変形の際に、接着剤とターンテーブルの円筒部との接合面に加わる力は、拡大部が形成されない場合と比較して、引張力を低減して、せん断力が向上する。接着剤は引張力よりせん断力に対する耐力が大きいため、ブッシュとターンテーブルとの締結強度を向上させることができる。
【0028】
本発明の請求項11によれば、請求項1乃至請求項4のいずれかに係り、前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面には、該内周面の内径を拡径する円環凹形状となる拡径部が形成され、前記ブッシュの外周面には、該外周面の外径を拡径する円環突形状となる円環突部が形成され、前記円環突部は、前記拡径部より軸方向下側に形成されることを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項11に従えば、円環突部が拡径部より軸方向下側に形成されることによって、ターンテーブルの円筒部とブッシュとの挿入を行い易くなる。すなわち、円環突部の一部が拡径部に入ることを防ぐことができる。したがって、モータの製造を容易に行うことができ、モータの生産性を向上させることができる。
【0030】
本発明の請求項12によれば、請求項1乃至請求項11のいずれかに係り、前記ブッシュの下面には、軸方向に異なる位置に形成された第1下面と第2下面とを有し、前記第2下面は、前記第1下面より軸方向上側に形成され、且つ、前記第1下面より径方向外側に形成されることを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項12に従えば、ブッシュの第1下面より軸方向上側に形成される第2下面が第1下面より径方向外側に形成されることによって、ブッシュの外周面とターンテーブルの内周面とを締結する接着剤を第1下面側に侵入させることを防ぐことができる。その上、第2下面と円筒部の下端との間に接着だまりとすることができ、ブッシュとターンテーブルの円筒部との接合強度をさらに向上させることができる。
【0032】
本発明の請求項13によれば、請求項12に係り、前記第1下面と前記第2下面との径方向の間には、前記第2下面より軸方向上側に形成される第3下面が形成されることを特徴とする。
【0033】
本発明の請求項13に従えば、第3下面が形成されることによって、接着剤をより第1下面に侵入させることを防ぐことができる。
【0034】
本発明の請求項14によれば、請求項1乃至請求項13のいずれかに係り、前記ブッシュの軸方向下側には、前記シャフトを回転自在に支持する軸受部が配置され、前記ターンテーブルには、前記円筒部より径方向外側に形成される平面部が形成され、前記ブッシュの下面は、前記平面部より軸方向上側に形成されることを特徴とする。
【0035】
本発明の請求項14に従えば、シャフトとターンテーブルの円筒部とが直接固定される場合と比較して、ブッシュの下面を軸方向上側に形成することができる。したがって、軸受部をよりシャフトに対して軸方向に長く支持することができる。その結果、シャフトの回転振れを低減することができる。
【0036】
本発明の請求項15によれば、請求項1乃至請求項13のいずれかに係り、前記ブッシュの軸方向下側には、前記シャフトを回転自在に支持する内周面を有する含油焼結製の略円筒形状のスリーブが配置され、前記スリーブの径方向外側には、該スリーブの外周面を保持する内周面を有する保持円筒部を備えるハウジングが配置され、前記スリーブには、
該スリーブの上面と外周面とを接続する環状の第1傾斜面と、該スリーブの上面と内周面とを接続する環状の第2傾斜面と、該スリーブの下面と内周面とを接続する環状の第3傾斜面と、該スリーブの下面と外周面とを接続する環状の第4傾斜面と、が設けられ、前記第1傾斜面の径方向および軸方向の幅は、前記第2傾斜面、前記第3傾斜面、および、前記第4傾斜面の径方向および軸方向の幅よりも大きく形成され、前記保持円筒部の内周面は、前記スリーブの外周面より軸方向上側まで形成されることを特徴とする。
【0037】
本発明の請求項15に従えば、保持円筒部の内周面がスリーブの外周面より軸方向上側まで形成されることによって、スリーブの上面に染み出た油を第1傾斜面と保持円筒部の内周面との間にて保持することができる。したがって、スリーブの上面に染み出た油は、再びスリーブ内に吸収されるために、スリーブの油の減少を抑えることができる。その結果、スリーブの軸受寿命を延長させることができる。さらに第1傾斜面が第2傾斜面、第3傾斜面、および、第4傾斜面と比較して最も大きく形成されることによって、シャフトを支持する内周面を軸方向に延ばしつつも、スリーブの油の減少を抑える構造を採用することができる。したがって、限られたモータの軸方向の空間内においてシャフトの回転振れの低減とスリーブの軸受寿命の延長を同時に満たすことができる。
【0038】
本発明の請求項16によれば、請求項12および請求項13のいずれかに係り、前記ブッシュの軸方向下側には、前記シャフトを回転自在に支持する内周面を有する含油焼結製の略円筒形状のスリーブが配置され、前記スリーブの径方向外側には、該スリーブの外周面を保持する内周面を有する保持円筒部を備えるハウジングが配置され、前記スリーブには、該スリーブの上面と外周面とを接続する環状の第1傾斜面と、が設けられ、前記第1傾斜面の内周縁は、前記第2下面の内周縁と径方向に同位置、もしくは、前記第2下面の内周縁より径方向内側に形成されることを特徴とする。
【0039】
本発明の請求項16に従えば、第1傾斜面の内周縁が第2下面の内周縁と径方向に同位置、もしくは、より径方向内側に形成されることによって、第1傾斜面が第2下面に塗布される接着剤に対して軸方向に距離をとることができる。したがって、スリーブに接着剤が付着することを防ぐことができる。その結果、信頼性の高いモータを提供することができる。
【0040】
本発明の請求項17によれば、請求項13に係り、前記ブッシュの軸方向下側には、前記シャフトを回転自在に支持する内周面を有する含油焼結製の略円筒形状のスリーブが配置され、前記スリーブの径方向外側には、該スリーブの外周面を保持する内周面を有する保持円筒部を備えるハウジングが配置され、前記スリーブには、該スリーブの上面と外周面とを接続する環状の第1傾斜面と、が設けられ、前記第1傾斜面の内周縁は、前記第3平面の内周縁と径方向に同位置、もしくは、前記第3平面の内周縁より径方向内側に形成されることを特徴とする。
【0041】
本発明の請求項17に従えば、第1傾斜面の内周縁が第3平面の内周縁と径方向に同位置、もしくは、より径方向内側に形成されることによって、第1傾斜面が第3平面に塗布される接着剤に対して軸方向に距離をとることができる。したがって、スリーブに接着剤が付着することを防ぐことができる。その結果、信頼性の高いモータを提供することができる。
【0042】
本発明の請求項18によれば、請求項1乃至請求項14のいずれかに係り、前記ターンテーブルには、前記円筒部より径方向外側、且つ、軸方向下側に形成される第2円筒部と、前記円筒部と前記第2円筒部とを接続する連結部と、が設けられ、前記平面部は、前記連結部より軸方向下側に形成され、且つ、前記第2円筒部と接続し、前記軸受部の径方向外側には、該軸受部を保持する内周面を有する保持円筒部を備えるハウジングが設けられ、前記保持円筒部の上端部は、前記平面部の下面より軸方向上側、且つ、前記連結部の下面より軸方向下側となるように形成され、前記第2円筒部の内周面は、前記保持円筒部の外周面と径方向に対向することを特徴とする。
【0043】
本発明の請求項18に従えば、保持円筒部の外周面と径方向に対向する第2円筒部が形成されることによって、限られたモータの軸方向の空間の中において軸受部を軸方向に延ばすことができる。また、第2円筒部および連結部が形成されることによって、ターンテーブルの屈曲する部分が増加するために、ターンテーブルの強度を向上させることができる。したがって、薄板のターンテーブルにおいてもターンテーブル自体の振れを低減したモータを提供することができる。
【0044】
本発明の請求項19によれば、請求項1乃至請求項18のいずれかに係り、前記ターンテーブルの前記円筒部の外周面には、前記ディスクの中心と前記回転軸とを一致させるように調整するチャッキング機構が取り付けられることを特徴とする。
【0045】
本発明の請求項20によれば、請求項19に係り、前記チャッキング機構は、前記円筒部の外周面に固定される内周面を有する、略円盤形状のケースと、前記ディスクに設けられた中心開口穴に接触し、該ディスクを保持するチャック爪と、前記ケースに収容され、前記チャック爪を径方向外側に付勢する弾性部材と、を備えることを特徴とする。
【0046】
本発明の請求項21によれば、請求項1乃至請求項20のいずれかに記載のモータを搭載したディスク駆動装置であって、前記ディスクに光を放射または前記ディスクから反射した該光を受け取る光ピックアップ機構と、前記光ピックアップ機構を径方向に移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする。
【0047】
本発明の請求項21に従えば、ディスクの面振れを低減した、信頼性の高いディスク駆動装置を提供することができる。
【0048】
本発明の請求項22によれば、請求項1乃至請求項20のいずれかに記載のモータを製造する製造方法であって、前記シャフトの外周面に前記ブッシュを圧入する工程と、前記ブッシュの外周面と前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面とを接着する工程と、を有し、前記ターンテーブルと前記ブッシュとは、前記シャフトの延びる方向に対して前記ディスク載置部の上面が略垂直となるように調節する工程を備えることを特徴とする。
【0049】
本発明の請求項22に従えば、ブッシュの影響を受けることなく、シャフトに対してターンテーブルを高精度に取り付けることができる。したがって、ターンテーブルのディスク載置部の面振れを低減することができる。
【0050】
本発明の請求項23によれば、請求項22に係り、前記シャフトを保持する軸方向に凹形状となるシャフト保持部を有する第1治具と、前記ターンテーブルの前記ディスク載置部の上面と接触し、且つ、軸方向に対して垂直な平面を有する接触平面部が設けられたターンテーブル保持部を有し、該ターンテーブルを保持する第2治具と、を有し、前記第1治具には、前記シャフト保持部の軸方向に対して垂直な平面である第1平面部が設けられ、前記第2治具には、前記第1平面部と平行に形成され面であり、該第1平面部と接触する第2平面部が設けられ、前記ブッシュに前記円筒部が装着する際に前記第1平面部と前記第2平面部とが接触することを特徴とする。
【0051】
本発明の請求項23に従えば、第1治具および第2治具により、容易にシャフトとターンテーブルとを高精度に取り付けることができる。
【0052】
本発明の請求項24によれば、請求項22および請求項23のいずれかに係り、前記接着工程は、前記ブッシュの外周面もしくは前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面の少なくとも一方に接着剤を塗布し、前記ブッシュと前記ターンテーブルとを固定する第1接着工程と、前記第1接着工程の後に、前記ブッシュと前記ターンテーブルとの間にさらに接着剤を充填する第2接着工程と、を有することを特徴とする。
【0053】
本発明の請求項24によれば、第1接着工程の後にさらに第2接着工程を行うことによって、ブッシュとターンテーブルとの締結力をより向上させることができる。したがって、信頼性の高いモータを提供することができる。
【0054】
本発明の請求項25によれば、請求項22乃至請求項24のいずれかに係り、前記接着剤は、紫外線硬化型接着剤であることを特徴とする。
【0055】
本発明の請求項25に従えば、紫外線硬化型接着剤を使用することによって、シャフトとターンテーブルとを高精度に装着した状態にて、短時間および容易に接着剤を硬化させることができる。したがって、接着剤の硬化による影響を低減することができる。その結果、シャフトとターンテーブルとを高精度に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0056】
本発明によれば、モータの薄型を図りつつも、シャフトとターンテーブルとの間の締結力を向上させ、且つ、ターンテーブルの振れによるディスクの面振れを抑えたモータおよびディスク駆動装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
<モータの全体構造>
本発明のモータの実施例の一形態における全体構造について図1を用いて説明する。図1は、本発明のモータを軸方向に切った模式断面図である。
【0058】
図1を参照して、モータ1は、所定の中心軸J1と同軸に配置されるシャフト21とシャフト21と一体に回転するロータマグネット22とディスク(不図示)を着脱可能とするチャッキング装置23とを有する回転体2と、シャフト21を回転自在に支持する軸受機構3と、軸受機構3を保持するハウジング41を有する固定体4と、から構成される。以下の説明では、便宜上、中心軸J1に沿ってチャッキング装置23側を上側、ハウジング41側を下側として説明するが、中心軸J1は必ずしも重力方向に一致しない。
【0059】
回転体2は、シャフト21と、シャフト21の上部に固定される略円環状のブッシュ24と、ブッシュ24の外周面に固定されるターンテーブル231と、ターンテーブル231に固定されるロータマグネット22と、ターンテーブル231の中央に固定されるチャックケース232と、から構成される。ここで、ターンテーブル231とチャックケース232からチャッキング装置23が構成される。
【0060】
軸受機構3は、シャフト21を径方向に回転自在に支持する略円筒形状のスリーブ31と、シャフト21を軸方向に回転自在に支持する略円板形状のスラストプレート32と、から構成される。スリーブ31は、シャフト21を挿入する、軸方向に貫通した貫通穴を含む含油焼結材料製である。そしてスラストプレート32は、スリーブ31の下側に配置される。
【0061】
固定体4は、スリーブ31の外周面を保持する内周面を有する保持円筒部411を備えるハウジング41と、ハウジング41に固定されるステータ42と、ハウジング41の外周側の下面に固定される取付板43と、取付板43の上面に固定される回路基板44と、ハウジング41の内周側に固定され、スラストプレート32の下面と接触する上面を有するプレート45と、から構成される。またハウジング41におけるステータ42より径方向内側には、吸引磁石46が固定されている。
【0062】
<チャッキング装置の全体構造>
次に本発明のチャッキング装置23の実施例の一形態における全体構造について、図1乃至図4を用いて説明する。図2は、本発明のチャッキング装置23を上側より見た平面図である。図3は、本発明のターンテーブル231を上側より見た平面図である。図4は、本発明のターンテーブル231を示した、a)は軸方向に切った模式断面図であり、b)はa)の点線円の拡大図である。
【0063】
図1および図2を参照して、チャッキング装置23は、ディスクを載置するディスク載置部2311を有するターンテーブル231と、ディスク載置部2311より径方向内側に配置されるチャックケース232と、から構成される。
【0064】
チャックケース232は、樹脂材料を射出成型によって形成された略円盤状のケース2321と、ケース2321に収容される弾性部材2322(本実施例では、コイルばね)と、弾性部材2322によって径方向外側に付勢されるチャック爪2323と、から構成される。本実施例では、弾性部材2322およびチャック爪2323はそれぞれ3個である。またケース2321の外周面には、ディスクの中心開口部(不図示)に接触することによって、ケース2321の中心とディスクの中心開口部の中心とが一致するように調整する調芯爪2321aが周方向に離間して一体的に形成される。本実施例では、調芯爪2321aは3個形成される。
【0065】
図1を参照して、ケース2321は、ディスクの中心開口部の内周面と径方向に対向する外側円筒部2321aと円筒部2321aの上側を覆う天板部2321bと天板部2321bの中央部から軸方向下側に延びる中央に貫通孔を有する基部2321cとを備える。基部2321cの外面には、弾性部材2322の径方向内側端部と接触する平面部2321c1が形成される。平面部2321c1は、径方向に対して垂直な方向に延びる平面である。そして平面部2321c1の中央部には、弾性部材2322と嵌合する径方向外側に延びる突起部2321c2が一体的に形成される。
【0066】
図3および図4を参照して、ターンテーブル231は、薄板の磁性体の鋼板をプレス加工によって略円筒形状に形成される。本実施例では、特にプレス加工のうち、絞り加工によってターンテーブル231を形成している。また、本実施例では、ターンテーブル231を亜鉛メッキ鋼板にて形成される。そしてターンテーブル231は、ブッシュ24の外周面に取り付けられる内周面を有する第1円筒部2312と、第1円筒部2312の下端部から径方向外側に延びる第1平面部2313と、第1平面部2313の外周縁部から軸方向下側に延びる第2円筒部2314と、第2円筒部2314の下端部から径方向外側に延びる第2平面部2315と、第2平面部2315の外周縁部から軸方向下側に延びる第3円筒部2316と、から構成される。ここで、第1平面部2313と第2円筒部2314とから円環凹部2317が構成される。また、第2平面部2315の外周側には、ディスクを載置するディスク載置部2311が設けられる。そして、第3円筒部2316の内周面には、ロータマグネット22が固定される(図1参照)。また、第1円筒部2312、第1平面部2313、第2円筒部2314、および第2平面部2315のように、ターンテーブル231の中央部分に、屈曲部分を3箇所作成するような形状となるために、ターンテーブル231自体の剛性を向上させることができる。特に本実施例では、ブッシュ24を間に入れるために、第1平面部2313の径方向の長さを短く形成する。これにより、ターンテーブル231の剛性はさらに向上することができる。したがって、モータ1が回転する際に、ターンテーブル231自体が振れることを低減することができる。
【0067】
第1円筒部2312の内周面には、この内周面の内径を拡径する拡径部2312aが形成される。この拡径部2312aは、内周面を径方向外側に環状凹形状に窪ませて形成される。そして、特にプレス加工において、拡径部2312aは、ショックラインに相当する。また、第1円筒部2312の内周面の上端には、軸方向上側に向かい拡径する拡大部2312bが形成される。この拡大部2312bは、第1円筒部2312の上面と連結される。
【0068】
<シャフト・ブッシュ・ターンテーブルの締結構造>
次に本発明のシャフト21とブッシュ24とターンテーブル231との締結構造について図5乃至図7を参照して説明する。図5は、シャフト21とブッシュ24とターンテーブル231との締結構図を示した軸方向に切った模式断面図である。そして図6は、図5の点線円の拡大図である。図7は、ブッシュ24を示し、a)は、ブッシュ24を軸方向に切った模式断面図であり、b)は、ブッシュ24を下側より見た平面図である。また、図5および図6における網掛け部分は接着剤を示す。
【0069】
図7を参照して、ブッシュ24は、切削性の良い金属材料を切削することによって略円筒形状に形成される。本実施例では、ブッシュ24は真鍮にて形成される。そして、ブッシュ24には、シャフト21と嵌合する軸方向に沿った貫通孔241が形成される。ブッシュ24の外周面の下部には、外周面の上部と比較して径方向外側に突出した円環突部242が形成される。
【0070】
ブッシュ24の下面は、ブッシュ24の下面の内周側である第1下面243と、第1下面243より外周側の下面である第2下面244と、を有する。そして、第2下面244は、第1下面243と比較して軸方向上側となるように形成される。また第1下面243と第2下面244との径方向の間には、第2下面244より軸方向上側となる第3下面245が形成される。第1下面243および第2下面244と第3下面245とはそれぞれ傾斜面にて連結される。
【0071】
ブッシュ24は、上面と外周面とを連結する軸方向上側に向かい縮径する第1面取り部246と、下面と外周面とを連結する軸方向上側に向かい拡径する第2面取り部247と、を備える。また、ブッシュ24の内周面側に同様な面取り部が形成されてもよい。
【0072】
図5を参照して、シャフト21の上部の外周面は、ブッシュ24の貫通孔241の内周面に圧入される。そして、ブッシュ24の外周面は、ターンテーブル231の第1円筒部2312の内周面と接着剤によって固定される。また、ブッシュ24の外周面の外径は、シャフト21の外周面の外径よりも大きくなるように形成される。これにより、ターンテーブル231とブッシュ24との締結力を向上させることができる。
【0073】
図6を参照して、ブッシュ24の外周面とターンテーブル231の第1円筒部2312の内周面との径方向の間には、軸方向に渡り間隙Gが形成される。接着剤は、この間隙Gに充填される。間隙Gは、ブッシュ24の円環突起242の外周面と径方向に対向するターンテーブル231の第1円筒部2312の内周面との間に形成される第1間隙G1と、円環突起242より軸方向上側に形成される、第1間隙G1より径方向の間隙が大きい第2間隙G2と、から構成される。第2間隙G1が第1間隙G2より軸方向上側に形成されることによって、ブッシュ24とターンテーブル231と同軸度を高精度に調整することができる。特に、ブッシュ24は、ターンテーブル231の下側より固定されるために、初めに第1間隙G1に挿入される。そのために、第1間隙G1によって、ブッシュ24とターンテーブル231との同軸度を高精度に調整することによって、第1間隙G1より間隙が広い第2間隙G2においてブッシュ24とターンテーブル231との同軸度の精度が低下することを防ぐことができる。
【0074】
第2間隙G2は、ブッシュ24の外周面と径方向に対向する第1円筒部2312の内周面と拡径部2312aとの径方向の間に形成される。この構成により、ターンテーブル231の拡径部2312aに相当するショックラインが第2間隙G2側に設けられる。これにより、ショックラインの形成によって、ブッシュ24とターンテーブル231の第1円筒部2312との同軸度が低下することを防ぐことができる。また、拡径部2312aによって、第2間隙G2における軸方向の中央部の間隙が、中央部より軸方向上側および軸方向下側の間隙と比較して、広い形状となる。この第1間隙G1と第2間隙G2とを有する構造とすることによって、ブッシュ24の外周面と第1円筒部2312の内周面とに充填する接着剤は、接着界面の剥離耐力と接着剤自体のせん断破壊耐力とを併用した接着構造とすることができる。したがって、ブッシュ24とターンテーブル231との締結力を安定化させることができる。その上、拡径部2312aとブッシュ24の外周面との間に充填された接着剤によって、ブッシュ24に対するターンテーブル231の軸方向の抜止の役割を果たすことができる。したがって、ブッシュ24とターンテーブル231との締結力を向上させることができる。
【0075】
また、ブッシュ24の外周面の軸方向の大きさは、ターンテーブル231の第1円筒部2312の内周面の軸方向の大きさ以下となるように形成される。この構造によって、ブッシュ24の外周面と第1円筒部2312の内周面との間に充填された接着剤が、第1円筒部2312より径方向外側に漏洩することを防ぐことができる。したがって、接着剤がブッシュ24および第1円筒部2312以外の部位に付着することを防ぐことができるために、信頼性の高いモータを提供することができる。
【0076】
第1円筒部2312の拡大部2312bは、ブッシュ24の上面と軸方向に同等、もしくは、ブッシュ24の上面より軸方向上側となるように設けられる。また接着剤は、拡大部2312bの少なくとも一部まで充填される。この構造によって、熱による変形の際に、接着剤と第1円筒部2312との接合面に加わる力は、拡大部2312bが形成されない場合と比較して、引張力が低減し、せん断力が向上する。接着剤は、引張力に対する耐力と比較してせん断力に対する耐力のほうが大きいために、ブッシュ24とターンテーブル231との締結力を向上させることができる。したがって、高温環境下および低温環境下においても信頼性の高いモータを提供することができる。
【0077】
また、第1円筒部2312と第1平面部2313との間には、第1円筒部2312から拡径する方向に屈曲する屈曲部2312cが形成される。そして、接着剤は、屈曲部2312cの少なくとも一部まで充填される。この構造によって、熱による変形の際に、接着剤と第1円筒部2312との接合面に加わる力は、屈曲部2312cが形成されない場合と比較して、引張力が低減し、せん断力が向上する。したがって、ブッシュ24とターンテーブル231との締結力をさらに向上させることができる。したがって、高温環境下および低温環境下においても信頼性の高いモータを提供することができる。
【0078】
また、接着剤は、ブッシュ24の上面の外周側およびブッシュ24の第3下面245まで充填される。ブッシュ24に第2下面244および第3下面245が形成されることによって、接着剤の溜り部としての役割を果たすことができる。したがって、接着剤が第1下面242およびシャフト21に付着することを防ぐことができる。その結果、スリーブ31に接着剤が付着することを防ぐことができるために、信頼性の高いモータを提供することができる。
【0079】
<ブッシュとスリーブとの関係>
次にブッシュ24とスリーブ31との関係について図8を用いて説明する。図8は、ブッシュ24およびスリーブ31の周囲を拡大した軸方向に切った模式断面図である。
【0080】
スリーブ31は、スリーブ31の上面および外周面を連結する軸方向上側に向かい縮径する第1傾斜面311と、スリーブ31の上面および内周面を連結する軸方向上側に向かい拡径する第2傾斜面312と、スリーブ31の下面および内周面を連結する軸方向下側に向かい拡径する第3傾斜面313と、スリーブ31の下面および外周面を連結する軸方向下側に向かい縮径する第4傾斜面314と、を有する。ここで、第1傾斜面311の軸方向の幅および径方向の幅の大きさは、第2傾斜面312、第3傾斜面313、第4傾斜面314の軸方向の幅および径方向の幅の大きさより大きく形成される。
【0081】
ハウジング41の保持円筒部411の内周面は、スリーブ31の外周面より軸方向上側となるように設けられ、且つ、スリーブ31の上面より軸方向下側となるように設けられる。すなわち、スリーブ31の上面は、保持円筒部411の上面より軸方向上側となるように形成される。また保持円筒部411の内周面の上部から上面にかけて保持円筒部411の内周面の内径が上側に向かい拡径する傾斜面4111が形成される。この傾斜面4111とスリーブ31の第1傾斜面311との間隙G3は、軸方向上側に向かい径方向の幅が拡大する。この構造によって、シャフト21の回転によって、スリーブ31の上面に染み出た油は、間隙G3に収容される。そして、再びスリーブ31に油が浸み込むことによって、スリーブ31の軸受寿命の延長を図ることができる。
【0082】
ブッシュ24の第1下面243とスリーブ31の上面とは軸方向に対向する。そして第1傾斜面311の内周縁と第1下面243の外周縁とは径方向に略同位置となる。また、第2下面244および第3下面245は、第1傾斜面311と軸方向に対向する。この構造によって、スリーブ31の上面をブッシュ24の下面に近づけたとしても、接着剤とスリーブ31の上面および第1傾斜面311とが接触することを防ぐことができる。したがって、スリーブ31の軸方向の大きさを大きくすることができる。そしてスリーブ31はシャフト21を軸方向に大きく支持することができる。その結果、ディスク載置部2311の回転振れを低減することができるとともに、軸受寿命の延長を図ることができる。
【0083】
スリーブ31の外周面は、ブッシュ24の環状突起242の外周面より径方向内側に形成される。また、ハウジング41の保持円筒部411の上面は、ターンテーブル231の第1円筒部2312の下端部および第1平面部2313の下面と軸方向に対向する。
【0084】
ターンテーブル231の第2平面部2315は、スリーブ31の上面およびハウジング41の保持円筒部411の上面より軸方向下側に配置される。すなわち、スリーブ31の上部の一部および保持円筒部411の上部の一部は、円環凹部2317に収容される。この構造により、スリーブ31の軸方向の大きさを確保しつつも、薄型のモータを提供することができる。
【0085】
ブッシュ24の外周面の軸方向の大きさが、第1円筒部2312の内周面の軸方向の大きさより小さいことによって、ブッシュ24の下面は、第1平面部2313の下面より軸方向上側に形成される。この構造によって、スリーブ31をさらに軸方向に大きくすることができる。したがって、スリーブ31はシャフト21を軸方向に大きく支持することができる。その結果、ディスク載置部2311の回転振れを低減することができるとともに、軸受寿命の延長を図ることができる。特にブッシュ24とシャフト21とは圧入であるために、ブッシュ24自体の軸方向の大きさが第1円筒部2312の内周面の軸方向の大きさよりも小さくなったとしても、ブッシュ24とシャフト21との締結力を確保することができる。
【0086】
ハウジング41の保持円筒部411の上端部は、径方向外側に突出する環状突起部4112が形成される。またターンテーブル231の第2平面部2315の下面における内周縁には、第2円筒部2314より径方向内側に突出する周方向に離間した複数の突部251を有する抜止部材25が固定される。そして回転体2が固定体4に対して軸方向上側に移動した際に、保持円筒部411の環状突起部412の下面と抜止部材25の突部251の上面とが接触する。これにより、回転体2は、固定体4に対して軸方向上側への移動が規制される。
【0087】
ターンテーブル231の第1円筒部2312の外周面には、ケース2321の基部2321cの貫通孔の内周面が固定される。そして基部2321cの平面部2321c1は、第1平面部2313より下側に延び、且つ、第2円筒部2314より径方向外側に設けられる。
【0088】
<モータの製造方法>
次にモータ1の製造方法について図9乃至図11を用いて説明する。図9は、モータ1の製造工程を示したフロー図である。図10および図11は、シャフト21とブッシュ24とターンテーブル231との固定過程を示した模式図である。
【0089】
モータ1は、回転体2および固定体4を予め製造し、固定体4に回転体2を組み込むことによって製造される。ここでは、特に回転体2の製造について説明する。
【0090】
シャフト21の外周面にブッシュ24の内周面を圧入する(図9のステップS1の圧入工程)。これにより、シャフト21はブッシュ24の貫通孔241に入る。シャフト21にブッシュ24を圧入することによって、シャフト21に対してブッシュ24を強固に固定することができる。
【0091】
次にブッシュ24の外周面にターンテーブル231を接着剤によって固定する(図9のステップS2の接着工程)。この際に、ターンテーブル231は、ロータマグネット22および抜止部材25が取り付けられている。本実施例では接着剤は、紫外線硬化型接着剤を使用する。紫外線硬化型接着剤を用いることによって、容易且つ正確にブッシュ24とターンテーブル231とを固定することができる。
【0092】
図10を参照して、ブッシュ24とターンテーブル231との固定は、シャフト21を保持する第1治具7と、ターンテーブル231を保持する第2治具8と、によって行う。第1治具7は、シャフト21を保持する円筒凹形状のシャフト保持部71と、シャフト保持部71より軸方向上側、且つ、径方向外側に形成され、シャフト21が延びる方向に対して垂直な平面(すなわち、軸方向に対して垂直な平面)にて形成される第1平面部72と、が設けられる。第2治具8は、ターンテーブル231を保持するターンテーブル保持部81と、ターンテーブル保持部81より軸方向下側となり、軸方向に対して垂直な平面にて形成される第2平面部82と、が設けられる。本実施例のターンテーブル保持部81は、環状のマグネットである。そして、このマグネットにてターンテーブル231の第2平面部2315を吸引することによって、第2治具8にターンテーブル231は保持される。
【0093】
シャフト21とターンテーブル231とを締結する際には、第1平面部72と第2平面部82とが接触する(図11参照)。そして、第1平面部72と第2平面部82とが接触した状態において、ブッシュ24の外周面とターンテーブル231の第1円筒部2312の内周面とは接着剤を介して取り付けられる。第2治具8の上部には、紫外線照射機(不図示)の紫外線をブッシュ24と第1円筒部2312との間に照射するための開口部83が形成される。これにより、ブッシュ24の外周面と第1円筒部2312の内周面との間の接着剤が硬化する。その結果、ブッシュ24とターンテーブル231とは固定する。
【0094】
ここで、接着工程では、ターンテーブル231の内周面に接着剤を塗布し、ターンテーブル231をブッシュ24に装着して締結する第1接着工程と、第1接着工程の後に、ブッシュ24とターンテーブル231の第1円筒部2312の屈曲部2312cとの間に接着剤を充填する第2接着工程と、に分かれる。第2接着工程を行うことによって、ブッシュ24の外周面と第1円筒部2312の内周面とを軸方向に渡り、確実に接着することができる。したがって、ターンテーブル231とブッシュ24との締結力を向上させることができる。また第2接着工程では、ブッシュ24の下面に第2下面244および第3下面245が形成されるために、接着剤を充填したとしても第1下面243側に侵入することを防ぐことができる。また屈曲部2312cが形成されることによって、接着剤が屈曲部2312cより径方向外側に侵入することを防ぐことができる。したがって、信頼性の高いモータを提供することができる。
【0095】
ブッシュ24の外周面と第1円筒部2312の内周面とは軸方向に渡り径方向に間隙が形成されるために、ブッシュ24とシャフト21とを圧入することによってブッシュ24の外周面が変形したとしても、径方向の間隙によってブッシュ24の外周面の変形は吸収される。したがって、ターンテーブル231の第1円筒部2312の内周面が変形することを防ぐことができる。その結果、ターンテーブル231のディスク載置部2311の回転振れを防止することができる。したがって、ディスクの面振れを低減することができる。
【0096】
ターンテーブル保持部81は、ディスク載置部2311の上端面と接触する接触平面部811を有する。この接触平面部811は、軸方向に対して垂直な平面である。
【0097】
次にターンテーブル231の第1円筒部2312の外周面にチャックケース232を取り付ける(図9のステップS3)。この工程により、回転体2が完成する。
【0098】
そして、別途作製した固定体4に回転体2を組み込む(図9のステップS4)。これはシャフト21をスリーブ31に挿入することによって固定体4に回転体2を組み込むことができる。
【0099】
<ディスク駆動装置の全体構造>
本発明のディスク駆動装置の実施例の一形態について図12を用いて説明する。図12は、本発明のディスク駆動装置の実施例の一形態を示した軸方向に切った模式断面図である。
【0100】
図12を参照して、ディスク駆動装置50は、中心に開口穴61を有した円盤形状のディスク60の開口穴61に挿入されることによってディスク60の回転中心と同軸に調芯し、ディスク60を回転させるスピンドルモータ51と、ディスク60に光を放射およびディスク60から反射した光を受け取る光ピックアップ機構52と、この光ピックアップ機構52をディスク60の回転径方向に移動を行うギア機構53と、これらを収容する筺体54と、を備える。
【0101】
スピンドルモータ51および光ピックアップ機構52は、シャーシ55によって、保持されている。このシャーシ55が少なくとも軸方向に移動することによって、スピンドルモータ51のチャッキング装置にディスク60の開口穴61が装着される。またシャーシ55には、開口穴が形成されており、その開口穴の内部に光ピックアップ機構52は、配置される。
【0102】
ギア機構53は、出力軸にギアを有するモータ531と、このモータ531の回転トルクを伝達される被伝達側ギア532と、を備える。
【0103】
また筺体54には、ディスク60の移動とギア機構53とを分ける薄板にて形成された境界板541が形成される。そして筺体54には、ディスク60の挿入および取り出しを行う開口穴542が形成されている。
【0104】
ピックアップ機構52は、光、例えば、レーザー光を放射、または、ディスク60から反射したレーザー光を受け取る発光受光部521と、この発光受光521のディスク60の回転径方向への移動方向とは垂直に設けられ、発光受光部521の移動を行う移動部522と、を備える。この移動部522は、被伝達側ギア532と噛み合う噛み合い部522aを有する。そして発光受光部521には移動部522と噛み合うことによって径方向に移動する。
【0105】
モータ531に取り付けられたギア部531aと被伝達側ギア532が噛み合うことによって被伝達側ギア532は回転し、被伝達側ギア532が移動部522の噛み合い部522aと噛み合うことによって移動部522が回転径方向に移動する。そしてこの移動部522の移動によって発光受光部521は回転径方向に移動する。
【0106】
このディスク駆動装置50のスピンドルモータ51に本発明のモータ1を適用することによって、光ピックアップ機構52の光の照射方向に対して、ディスク60の下面を精度良く垂直に配置することができる。したがって、ディスク60への記録再生の精度が高いディスク駆動装置を提供することができる。
【0107】
したがって、スピンドルモータ51にディスク60を搭載したとしても、記録再生エラーを防ぐ信頼性の高いディスク駆動装置を提供することができる。その上、ディスク駆動装置50自体の薄型化が図れるとともに、モータ1におけるブッシュ24とターンテーブル231との締結強度が高いために信頼性の高いディスク駆動装置を提供することができる。
【0108】
以上、本発明の実施例の一形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、特許請求の範囲内において種々の変形が可能である。
【0109】
例えば、本発明の軸受機構3では、スリーブ31を用いたが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、スリーブ31の代わりにボールベアリング等の玉軸受を用いてもよい。
【0110】
また例えば、本発明のチャッキング装置23は、複数の弾性部材2322およびチャック爪2323を用いたが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、ディスク駆動装置側にディスクの上面を抑えるクランプ部材が設けられ、チャッキング装置は調芯爪のみであってもよい。
【0111】
また例えば、本発明のブッシュ24の第1平面243、第2平面244、および第3平面245はそれぞれ傾斜面にて連結されていたが、本発明は、この構造に限定されることはない。例えば、第1平面243、第2平面244、および第3平面245をそれぞれ軸方向に沿った面にて連結してもよい。また傾斜面との組み合わせであってもよい。また、例えば、第1平面243、第2平面244、および、第3平面245自体が傾斜することによってそれぞれが連結されてもよい。
【0112】
また、例えば、本発明のブッシュ24とターンテーブル231とは軸方向に亘り間隙Gが設けられていたが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、ブッシュ24とターンテーブル231とは、軸方向の一部が圧入されていてもよい。
【0113】
また、例えば、本発明のターンテーブル231は、第1円筒部2312、第1平面部2313、第2円筒部2314、第2平面部2415、および第3円筒部2316から構成されたが、本発明はこれに限定されることはない。ターンテーブル231に環状凹部2317が形成されればよいので、第1平面部2313が形成されなくてもよい。この場合、第2円筒部は、軸方向上側に向かい縮径する略円筒形状となる。また、この場合、連結部は、第1円筒部2312と第2円筒部2314との間の屈曲部分となる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明のモータの実施例の一形態を示した軸方向に切った模式断面図である。
【図2】本発明のチャッキング装置の実施例の一形態を示した上側より見た平面図である。
【図3】本発明のターンテーブルの実施例の一形態を示した軸方向に切った模式断面図である。
【図4】本発明のターンテーブルの実施例の一形態を示した上側より見た平面図である。
【図5】本発明のシャフトとブッシュとターンテーブルとの締結構造を示した軸方向に切った模式断面図である。
【図6】図5の点線円の拡大図である。
【図7】本発明のブッシュを示し、a)は軸方向に切った模式断面図であり、b)は下側より見た平面図である。
【図8】本発明のブッシュおよびスリーブの周囲を示した図1の拡大図である。
【図9】本発明のモータの製造工程を示したフロー図である。
【図10】本発明のシャフトとブッシュとターンテーブルとの締結過程を示した軸方向に切った模式断面図である。
【図11】本発明のシャフトとブッシュとターンテーブルとの締結過程を示した軸方向に切った模式断面図である。
【図12】本発明のディスク駆動装置の実施例の一形態を示した軸方向に切った模式断面図である。
【符号の説明】
【0115】
1 モータ
2 回転体
21 シャフト
22 ロータマグネット
23 チャッキング装置
231 ターンテーブル
2311 ディスク載置部(載置部)
2312 第1円筒部(円筒部)
2312a 拡径部(ショックライン)
2312b 拡大部
2313 第1平面部(連結部)
2314 第2円筒部
2315 第2平面部
2316 第3円筒部
2317 環状凹部
232 チャックケース
2321 ケース
2322 弾性部材
2323 チャック爪
24 ブッシュ
242 環状突部
243 第1下面
244 第2下面
245 第3下面
3 軸受機構
31 スリーブ
311 第1傾斜面
312 第2傾斜面
313 第3傾斜面
314 第4傾斜面
4 固定体
41 ハウジング
411 保持円筒部
4111 傾斜面
G 間隙
G1 第1間隙
G2 第2間隙
J1 中心軸(回転軸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心開口部を有する環状のディスクを回転させるモータであって、
回転軸となるシャフトと、
前記シャフトの外周面に固定される内周面を有する略円筒状のブッシュと、
前記ブッシュの外周面に固定される内周面を有する円筒部と該円筒部より径方向外側に形成され、前記ディスクを載置する載置部とを有するターンテーブル(ロータホルダ)と、
を備え、
前記ブッシュの外周面の外径は、前記シャフトの外径よりも大きく、
前記ブッシュの外周面と該ブッシュの外周面に固定される前記ターンテーブルの内周面とは、径方向に間隙を有し、
前記間隙には、接着剤が充填されていることを特徴とするモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のモータであって、
前記ブッシュにおける前記シャフトの外周面に固定される内周面の内径の大きさは、前記シャフトの前記外周面の外径の大きさ以下であることを特徴とするモータ。
【請求項3】
請求項1および請求項2のいずれかに記載のモータであって、
前記ブッシュの外周面と前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面とは軸方向に渡り径方向に間隙を有することを特徴とするモータ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のモータであって、
前記ブッシュの外周面と前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面との径方向の間隙は、軸方向に沿って第1間隙部と、該第1間隙部より該間隙が大きい第2間隙部と、を有することを特徴とするモータ。
【請求項5】
請求項4に記載のモータであって、
前記第2間隙部における前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面には、該内周面の内径を拡径する円環凹形状となる拡径部が形成されることを特徴とするモータ。
【請求項6】
請求項5に記載のモータであって、
前記ターンテーブルは、磁性体の鋼板をプレス加工することによって形成され、
前記拡径部は、ショックラインであることを特徴とするモータ。
【請求項7】
請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のモータであって、
前記第1間隙部は、前記第2間隙部よりも軸方向下側に形成されることを特徴とするモータ。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のモータであって、
前記ブッシュの外周面には、該外周面の外径を拡径する円環突形状となる円環突部が形成されることを特徴とするモータ。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のモータであって、
前記ブッシュの外周面の軸方向の大きさは、前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面の軸方向の大きさ以下であることを特徴とするモータ。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のモータであって、
前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面の上部には、軸方向上側に向かい拡径する拡大部が形成され、
前記接着剤は、前記拡大部まで充填されることを特徴とするモータ。
【請求項11】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のモータであって、
前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面には、該内周面の内径を拡径する円環凹形状となる拡径部が形成され、
前記ブッシュの外周面には、該外周面の外径を拡径する円環突形状となる円環突部が形成され、
前記円環突部は、前記拡径部より軸方向下側に形成されることを特徴とするモータ。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のモータであって、
前記ブッシュの下面には、軸方向に異なる位置に形成された第1下面と第2下面とを有し、
前記第2下面は、前記第1下面より軸方向上側に形成され、且つ、前記第1下面より径方向外側に形成されることを特徴とするモータ。
【請求項13】
請求項12に記載のモータであって、
前記第1下面と前記第2下面との径方向の間には、前記第2下面より軸方向上側に形成される第3下面が形成されることを特徴とするモータ。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれかに記載のモータであって、
前記ブッシュの軸方向下側には、前記シャフトを回転自在に支持する軸受部が配置され、
前記ターンテーブルには、前記円筒部より径方向外側に形成される平面部が形成され、
前記ブッシュの下面は、前記平面部より軸方向上側に形成されることを特徴とするモータ。
【請求項15】
請求項1乃至請求項13のいずれかに記載のモータであって、
前記ブッシュの軸方向下側には、前記シャフトを回転自在に支持する内周面を有する含油焼結製の略円筒形状のスリーブが配置され、
前記スリーブの径方向外側には、該スリーブの外周面を保持する内周面を有する保持円筒部を備えるハウジングが配置され、
前記スリーブには、
該スリーブの上面と外周面とを接続する環状の第1傾斜面と、
該スリーブの上面と内周面とを接続する環状の第2傾斜面と、
該スリーブの下面と内周面とを接続する環状の第3傾斜面と、
該スリーブの下面と外周面とを接続する環状の第4傾斜面と、
が設けられ、
前記第1傾斜面の径方向および軸方向の幅は、前記第2傾斜面、前記第3傾斜面、および、前記第4傾斜面の径方向および軸方向の幅よりも大きく形成され、
前記保持円筒部の内周面は、前記スリーブの外周面より軸方向上側まで形成されることを特徴とするモータ。
【請求項16】
請求項12および請求項13のいずれかに記載のモータであって、
前記ブッシュの軸方向下側には、前記シャフトを回転自在に支持する内周面を有する含油焼結製の略円筒形状のスリーブが配置され、
前記スリーブの径方向外側には、該スリーブの外周面を保持する内周面を有する保持円筒部を備えるハウジングが配置され、
前記スリーブには、
該スリーブの上面と外周面とを接続する環状の第1傾斜面と、
が設けられ、
前記第1傾斜面の内周縁は、前記第2下面の内周縁と径方向に同位置、もしくは、前記第2下面の内周縁より径方向内側に形成されることを特徴とするモータ。
【請求項17】
請求項13に記載のモータであって、
前記ブッシュの軸方向下側には、前記シャフトを回転自在に支持する内周面を有する含油焼結製の略円筒形状のスリーブが配置され、
前記スリーブの径方向外側には、該スリーブの外周面を保持する内周面を有する保持円筒部を備えるハウジングが配置され、
前記スリーブには、
該スリーブの上面と外周面とを接続する環状の第1傾斜面と、
が設けられ、
前記第1傾斜面の内周縁は、前記第3平面の内周縁と径方向に同位置、もしくは、前記第3平面の内周縁より径方向内側に形成されることを特徴とするモータ。
【請求項18】
請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のモータであって、
前記ターンテーブルには、前記円筒部より径方向外側、且つ、軸方向下側に形成される第2円筒部と、前記円筒部と前記第2円筒部とを接続する連結部と、が設けられ、
前記平面部は、前記連結部より軸方向下側に形成され、且つ、前記第2円筒部と接続し、
前記軸受部の径方向外側には、該軸受部を保持する内周面を有する保持円筒部を備えるハウジングが設けられ、
前記保持円筒部の上端部は、前記平面部の下面より軸方向上側、且つ、前記連結部の下面より軸方向下側となるように形成され、
前記第2円筒部の内周面は、前記保持円筒部の外周面と径方向に対向することを特徴とするモータ。
【請求項19】
請求項1乃至請求項18のいずれかに記載のモータであって、
前記ターンテーブルの前記円筒部の外周面には、前記ディスクの中心と前記回転軸とを一致させるように調整するチャッキング機構が取り付けられることを特徴とするモータ。
【請求項20】
請求項19に記載のモータであって、
前記チャッキング機構は、前記円筒部の外周面に固定される内周面を有する、略円盤形状のケースと、
前記ディスクに設けられた中心開口穴に接触し、該ディスクを保持するチャック爪と、
前記ケースに収容され、前記チャック爪を径方向外側に付勢する弾性部材と、
を備えることを特徴とするモータ。
【請求項21】
請求項1乃至請求項20のいずれかに記載のモータを搭載したディスク駆動装置であって、
前記ディスクに光を放射または前記ディスクから反射した該光を受け取る光ピックアップ機構と、
前記光ピックアップ機構を径方向に移動させる移動機構と、
を備えることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項22】
請求項1乃至請求項20のいずれかに記載のモータを製造する製造方法であって、
前記シャフトの外周面に前記ブッシュを圧入する圧入工程と、
前記ブッシュの外周面と前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面とを接着する接着工程と、を有し、
前記ターンテーブルと前記ブッシュとは、前記シャフトの延びる方向に対して前記ディスク載置部の上面が略垂直となるように調節する調整工程を備えることを特徴とするモータの製造方法。
【請求項23】
請求項22に記載のモータの製造方法であって、
前記シャフトを保持する軸方向に凹形状となるシャフト保持部を有する第1治具と、
前記ターンテーブルの前記ディスク載置部の上面と接触し、且つ、軸方向に対して垂直な平面を有する接触平面部が設けられたターンテーブル保持部を有し、該ターンテーブルを保持する第2治具と、を有し、
前記第1治具には、前記シャフト保持部の軸方向に対して垂直な平面である第1平面部が設けられ、
前記第2治具には、前記第1平面部と平行に形成され面であり、該第1平面部と接触する第2平面部が設けられ、
前記ブッシュに前記円筒部が装着する際に前記第1平面部と前記第2平面部とが接触することを特徴とするモータの製造方法。
【請求項24】
請求項22および請求項23のいずれかに記載のモータの製造方法であって、
前記接着工程は、前記ブッシュの外周面もしくは前記ターンテーブルの前記円筒部の内周面の少なくとも一方に接着剤を塗布し、前記ブッシュと前記ターンテーブルとを固定する第1接着工程と、
前記第1接着工程の後に、前記ブッシュと前記ターンテーブルとの間にさらに接着剤を充填する第2接着工程と、を有することを特徴とするモータの製造方法。
【請求項25】
請求項22乃至請求項24のいずれかに記載のモータの製造方法であって、
前記接着剤は、紫外線硬化型接着剤であることを特徴とするモータの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−80883(P2009−80883A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248447(P2007−248447)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】