説明

ユビキチン特異的プロテアーゼ7の選択的阻害剤として有用なアミドアクリジン誘導体

本発明は、ユビキチン特異的プロテアーゼの新規な選択的阻害剤の発見、その調製方法およびその治療上の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユビキチン特異的プロテアーゼの新規な選択的阻害剤の発見、その調製方法およびその治療上の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ユビキチン特異的プロテアーゼ(USP)は脱ユビキチン化酵素(DUB)ファミリーに属するシステインプロテアーゼである。
【0003】
ユビキチンプロテアソーム系の脱制御は、癌(Hoellerら、Nat Rev Cancer 2006年、6(10)、776〜788頁)、神経変性障害(Rubinsztein、Nature 2006年、443(7113)、780〜786頁)およびウイルス性疾患(Gao & Luo Can J Physiol Pharmacol 2006年、84(1)、5〜14頁)を含む多くのヒト疾患の病因に関与している。多発性骨髄腫およびマントル細胞リンパ腫の治療のためのプロテアソーム阻害剤Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)の市場での成功は、この系を癌治療のための有効な標的として確立した(Adams、Nat Rev Cancer 2004年、4(5)、349〜360頁)。プロテアソーム自体を標的とすることに対する有望な代替案は、上流でのユビキチン抱合/脱抱合機構を妨害して、より特異的な低毒性抗癌剤を生み出すことである。
【0004】
モノおよびポリユビキチン化は、ユビキチンのC末端でイソペプチド結合を特異的に切断する脱ユビキチン化酵素によって逆転させることができる。ユビキチン特異的プロテアーゼおよびユビキチンC末端ヒドロラーゼ(UCH)酵素はDUBファミリーの最も特徴的なメンバーである(Komanderら、Nat.Rev.Mol.Cell Biol.2009年、10(8)、550〜63頁;Nijmanら、Cell 2005年、123(5)、773〜786頁)。UCHは、低分子タンパク質基質を優先的に切断し、主にユビキチンのプロセッシングおよびリサイクリングに関与すると考えられているが、その特異的な機能は十分理解されていないままである。USPは60を超えるメンバーを有するDUBの最大のサブファミリーを構成する。これらは特異的タンパク質基質からユビキチンを除去し、それらがプロテアソームを標的化するのを阻止するか、またはその細胞内局在化および活性化を制御する(Daviet & Colland、Biochimie 2008年、90(2)、270〜83頁)。USPは、いくつかのヒト疾患におけるそのプロテアーゼの活性および関与をもとにして、ユビキチン制御機構への薬理学的干渉のための潜在的な標的として浮上してきている。
【0005】
USP7(ユビキチン特異的プロテアーゼ7)/HAUSP(ヘルペス関連ユビキチン特異的プロテアーゼ)はUSPファミリーの135kDaのタンパク質である。USP7は、ウイルス溶解サイクルの開始を刺激する単純ヘルペスウイルス前初期遺伝子であるICP0(Vmw110)(Everettら、J Virol 73、1999年、417〜426頁)およびEBNA1(エプスタインバー核抗原1)(Holowatyら、J Biol Chem 2003年、278、29987〜29994頁および47753〜47761頁)などのウイルスタンパク質と相互に作用することが示されている。p53およびp53の主要E3リガーゼであるMdm2などのヒトタンパク質も、USP7のパートナーおよび基質として特定されている(Cumminsら、Nature 2004年、486、Cummins & Vogelstein、Cell Cycle、2004年、3、689〜692頁;Liら、Mol Cell 2004年、13、879〜886頁;Liら、Nature 2002年、416、648〜653頁)。より一般的には、USP7はMdm2およびp53を含む様々な標的を脱ユビキチン化することができ、これら後者の標的の正味の脱ユビキチン化は最終的に機能的p53レベルを決定する。最近の報告と一致しているが、Mdm2分解を促進することによって、USP7サイレンシングは定常状態のp53レベルを高めることも示されている。最近、USP7のp53との結合は、USP7の同じ領域と結合するためのp53との競合により乳房腫瘍形成(breast oncogenesis)に潜在的に関与するタンパク質、TSPYL5によって制御されることが示されている(Eppingら、Nat Cell Biol.2011年、13(1):102〜8頁)。つい最近、構成的に高いp53レベルをもたらすことによって、USP7の上方制御と下方制御の両方が、インビトロでの結腸癌細胞増殖およびインビボでの腫瘍成長を阻害することが示されている(Beckerら、Cell Cycle 2008年、7(9)、1205〜13頁)。
【0006】
USP7はまた、Bmi1/Mel18の安定化を介してp16INK4a腫瘍抑制因子のレベルも変える(Maertensら、Embo J. 2010年、29、2553〜2565頁)。DNMT1 DNAメチラーゼおよびクラスピンアダプターなどのゲノムの完全性/制御に関与する他のタンパク質もUSP7によって安定化される(Duら、Science Signaling 2010年、3(146):ra80;Faustrupら、J.Cell Biol.2009年、184(1):13〜9頁)。重要なことであるが、USP7とDNMT1(遺伝子が発現および癌に関与するのを停止させるのに必要とされる後成的メチル化を維持するのに関与するタンパク質である)が豊富にあることはヒト結腸癌において相互に関連がある(Duら、Science Signaling、2010年、3(146):ra80)。USP7は、ヒト細胞において、その核外輸送、したがってその不活性化を引き起こす周知の腫瘍抑制遺伝子PTENを脱ユビキチン化することも示されている(Songら、Nature 2008年、455(7214)、813〜7頁)。USP7過剰発現が前立腺癌において初めて報告されており、この過剰発現が腫瘍の悪性度と直接関係していることはより重要なことである(Songら、Nature 2008年、455(7214)、813〜7頁)。
【0007】
USP7はまた、ヒト細胞において、その核外輸送、したがってその不活性化を引き起こすFOXO4を脱ユビキチン化し、その結果、発癌性PI3K/PKBシグナル経路が活性化されることも示されている(van der Horstら、Nat Cell Biol.2006年、8、1064〜1073頁)。最後に、USP7は、DNA損傷や酸化的ストレスなどの様々なタイプのストレスに対するp53媒介による細胞応答において重要な役割を果たす(Marchenkoら、Embo J.2007年、26、923〜934頁、Meulmeesterら、Mol Cell 2005年、18、565〜576頁、van der Horstら、Nat Cell Biol.2006年、8、1064〜1073頁)。
【0008】
ポリペプチド部分P1-Gly-P3-Ser(ここでP1はグルタミン酸残基または非極性側鎖を有するアミノ酸であり、P3はグリシン残基または非極性側鎖を有するアミノ酸である)を含むUSP7タンパク結合の合成阻害剤が報告されている(WO2006072048)。
【0009】
USP7サイレンシングに関連する表現型、ならびにUSP7とp53/Mdm2およびPI3K/PKB経路などの必須のウイルスタンパク質および発癌経路との公知の関係は、USP7を小分子阻害剤で標的化することが癌およびウイルス性疾の治療において有益であり得ることを強く示唆している。USP7に対する阻害剤が最近報告されている(Collandら、Molecular Cancer Therapeutics 2009年、8、2286〜95頁およびEP1749822)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2006072048
【特許文献2】EP1749822
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Hoellerら、Nat Rev Cancer 2006年、6(10)、776〜788頁
【非特許文献2】Rubinsztein、Nature 2006年、443(7113)、780〜786頁
【非特許文献3】Gao & Luo Can J Physiol Pharmacol 2006年、84(1)、5〜14頁
【非特許文献4】Adams、Nat Rev Cancer 2004年、4(5)、349〜360頁
【非特許文献5】Komanderら、Nat.Rev.Mol.Cell Biol.2009年、10(8)、550〜63頁
【非特許文献6】Nijmanら、Cell 2005年、123(5)、773〜786頁
【非特許文献7】Daviet & Colland、Biochimie 2008年、90(2)、270〜83頁
【非特許文献8】Everettら、J Virol 73、1999年、417〜426頁
【非特許文献9】Holowatyら、J Biol Chem 2003年、278、29987〜29994頁および47753〜47761頁
【非特許文献10】Cumminsら、Nature 2004年、486
【非特許文献11】Cummins & Vogelstein、Cell Cycle、2004年、3、689〜692頁
【非特許文献12】Liら、Mol Cell 2004年、13、879〜886頁
【非特許文献13】Liら、Nature 2002年、416、648〜653頁
【非特許文献14】Eppingら、Nat Cell Biol.2011年、13(1):102〜8頁
【非特許文献15】Beckerら、Cell Cycle 2008年、7(9)、1205〜13頁
【非特許文献16】Maertensら、Embo J. 2010年、29、2553〜2565頁
【非特許文献17】Duら、Science Signaling 2010年、3(146)
【非特許文献18】ra80;Faustrupら、J.Cell Biol.2009年、184(1):13〜9頁
【非特許文献19】Duら、Science Signaling、2010年、3(146):ra80
【非特許文献20】Songら、Nature 2008年、455(7214)、813〜7頁
【非特許文献21】van der Horstら、Nat Cell Biol.2006年、8、1064〜1073頁
【非特許文献22】Marchenkoら、Embo J.2007年、26、923〜934頁
【非特許文献23】Meulmeesterら、Mol Cell 2005年、18、565〜576頁
【非特許文献24】Collandら、Molecular Cancer Therapeutics 2009年、8、2286〜95頁
【非特許文献25】The Handbook of Chemistry and Physics、第76版、CRC Press、Inc.、1995〜1996年、2-25〜2-26頁
【非特許文献26】Remington's Pharmaceutical Sciences、第20版、Mack Publishing Company、Easton、PA、2000年
【非特許文献27】R.C. Larock、Comprehensive Organic Transformations、Wiley- VCH Publishers、1999年
【非特許文献28】T.W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Chemistry、第3版、John Wiley and Sons、1999年
【非特許文献29】J. F. W. McOmie in Protective Groups in Organic Chemistry、Plenum Press、1973年
【非特許文献30】Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版、
【非特許文献31】Gennaro、A.R.、Ed.;Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia、PA、2000年
【非特許文献32】Borodovskyら、Chem Biol 2002年、9、1149〜1159頁
【非特許文献33】Hemelaarら、Mol Cell Biol 2004年、24、84〜95頁
【非特許文献34】Ovaaら、Proc Natl Acad Sci USA 2004年、101、2253〜2258頁
【非特許文献35】Everett RDら、EMBO J.(1997)16、1519〜1530頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、現在まで、特異的なUSP7小分子阻害剤は報告されていないようである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の目的によれば、本発明は、式(I)の化合物:
【0014】
【化1】

【0015】
{式中、
iは、nが1である場合0、1、2もしくは3から、またはnが2である場合0、1、2、3もしくは4から、またはnが3である場合0、1、2、3、4もしくは5から選択される整数であり、
jは0、1、2または3から選択される整数であり、
kは0または1から選択される整数であり、
同じかまたは異なっているnおよびn'は0、1、2または4から選択される整数であり、ただし2≦n+n'≦4であり、
ZはCH2<、-HC<、-N<、NH<またはO<であり、
A環の利用可能な任意の位置にある各Riは、同じかまたは異なっており、ハロゲン、アルキル、アリール、-アルキルアリール、OR、NRR'、CN、CF3、COR、COOR、CONRR'から選択され、
C環の利用可能な任意の位置にある各Rjは、同じかまたは異なっており、ハロゲン、アルキル、アリール、-アルキルアリール、OR、NRR'、CN、COR、COOR、CONRR'から選択され、
Rkは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノから独立に選択され、
Xは、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから選択され、前記アルキルおよび/またはアリールは、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、
Yは:
(CT2')pNRaRb
(式中、
同じかまたは異なっているRaおよびRbは、H、アルキル、アリールまたはアリールアルキルから独立に選択され、前記アリールは、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、=O、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されているか、
または、RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を含んでよいN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、=O、アルキル、-アルキルアリールまたはアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは、ハロゲン、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、前記複素環はアリールと任意選択で縮合しており、
pは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各T'は、Hまたは直鎖状もしくは分岐状アルキルから独立に選択され、そのアルキルは1つまたは複数のOR、アリールで任意選択で置換されており、
一実施形態では、T'の少なくとも1つはHとは異なっている)、
【0016】
【化2】

【0017】
(式中、
【0018】
【化3】

【0019】
は、アルキル、-アルキルアリール、OR、C(=O)OR、=O、CN、CF3、COR、NRR'、CONRR'、アリールまたは-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されている、N、OまたはSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む飽和または部分不飽和の単環式または二環式の複素環またはヘテロアリールであり、前記アリールは、直鎖状または分岐状アルキル、ハロゲン、OR、CORまたはNR'Rで任意選択で置換されており、
qは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択される)、
(CHT)r-アリール
(式中、
前記単環式または二環式アリールは、アルキル、OR、CF3、SO2NRR'、-C(=O)-R、ハロゲン、CN、-NRR'、CONRR、C(=O)-Oアルキルの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アルキルは、NRR'またはNR''R'''で任意選択で置換されており、かつ/または前記単環式または二環式アリールは単環式5〜7員複素環と任意選択で縮合しており、
rは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択され、
R''とR'''はそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を含んでよいN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'の1つまたは複数で任意選択で置換されている)、
(CHT)s-(C3〜C7)シクロアルキル
(式中、
sは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択され、
前記シクロアルキルは単環式であるかまたはアリールと縮合している)、
CN、Oアルキルで任意選択で置換されているアルキル、
U-S(O)t-アルキル
(式中、
tは0、1または2から選択される整数であり、
-U-は、OR、=O、CF3、SO2NRR'、-C(=O)-R、ハロゲン、CN、-NRR'、CONRR、C(=O)ORの1つまたは複数で任意選択で置換されているアルキレンである)
から選択されるか、
あるいは、XとYはそれらが結合しているN原子と一緒になって、前記N原子および任意選択でさらに1個または2個のヘテロ原子を含む複素環を形成しており、前記複素環は、任意選択で不飽和であり、かつ/または
=O、Hal、CN、NRR'、C(=O)アルキル、アルキル、シクロアルキル、複素環、C(=O)-Oアルキル、-アルキル複素環、アリールまたは-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは複素環と任意選択で縮合しており、かつ/または前記アリールはアルキルまたはCOアルキルで任意選択で置換されており、前記複素環はアルキルで任意選択で置換されており、
アリールと任意選択で縮合しており、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択される}
もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩に関する。
【0020】
本発明の式(I)は以下の実施形態のいずれかまたはその組合せのいずれかを指す。
【0021】
特定の実施形態によれば、式(I)は、
HalがClであり、i=j=0であり、
n'=1であり、n=1であり、XがHまたはC1〜2アルキルであり、Yが1つまたは2つのC1〜C2アルキルで任意選択で置換されたフェニルであるか、または
n'=1であり、n=2であり:
XがHであり、YがCNまたは-C(=O)CH3で置換されたフェニルであるか、または
XとYが一緒になってメトキシフェニルまたはフルオロフェニルで置換されたピペラジニル環を形成しているか、または
XとYが一緒になってピペリジルで置換されたピペリジル環を形成しているか、または
Xの1つがHであり、YがCOOEtで置換されたピペリジル
である化合物を包含しない。
【0022】
具体的には、本発明の化合物は以下の式:
【0023】
【化4】

【0024】
(式中、HalはF、CI、BrまたはIから選択される)
の化合物であってよい。
【0025】
具体的な化合物は式(I)の化合物である。ここで、
i=j=0であり、かつ/または
XはH、CNで任意選択で置換されたアルキルから選択され、
Yは上記定義通りであるか、あるいは
XとYはそれらが結合しているN原子と一緒になって、前記N原子および任意選択でさらに1個または2個のヘテロ原子を含む複素環を形成しており、前記複素環は、任意選択で不飽和であり、かつ/または
=O、Hal、CN、NRR'、C(=O)アルキル、アルキル、シクロアルキル、複素環、C(=O)-Oアルキル、-アルキル複素環、アリールまたは-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは複素環と任意選択で縮合しており、かつ/または前記アリールはアルキルまたはCOアルキルで任意選択で置換されており、前記複素環は、アルキルで任意選択で置換されており、
アリールと任意選択で縮合している。
【0026】
具体的にはA環は:
【0027】
【化5】

【0028】
から選択される。
【0029】
好ましくは、n'は0、1または2であり、nは3、2または1である。
【0030】
特に、式(I)において、n'は1であり、nは2である。
【0031】
より好ましくは、Aは
【0032】
【化6】

【0033】
である。
【0034】
一実施形態によれば、HalはF、BrまたはIである。
【0035】
他の実施形態によれば:
Xは上記の通り定義され、Yは:
(CT2')pNRaRb
(式中、
同じかまたは異なっているRaおよびRbは、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択され、前記アリールは、アルキルで任意選択で置換されており、
pは0〜4であるか、
または、
RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を任意選択で含む5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、=O、アルキル、-アルキルアリールまたはアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、アリールは、ハロゲン、=O、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、前記複素環はアリールと任意選択で縮合しており、
pは2または3から選択され、
同じかまたは異なっている各T'は、Hまたは直鎖状もしくは分岐状アルキルから独立に選択され、前記アルキルは、1つまたは複数のOR、アリールで任意選択で置換されており、一実施形態では、T'の少なくとも1つはHとは異なる)、
【0036】
【化7】

【0037】
(式中、
【0038】
【化8】

【0039】
は、アルキル、OR、C(=O)OR、アリールまたは-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されている、N、OまたはSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む飽和または部分不飽和の二環式の複素環またはヘテロアリールであり、前記アリールは、アルキル、ハロゲン、OR、CORまたはNR'Rで任意選択で置換されており、
qは0、1、2または3から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択される)、
(CHT)r-アリール
(式中、
前記アリールは、アルキル、OR、SO2NRR'、-C(=O)-R、ハロゲン、CN、C(=O)-Oアルキルの1つまたは複数で任意選択で置換されている単環または二環であり、前記アルキルは、NRR'またはNR''R'''で任意選択で置換されており、前記アリールは複素環と任意選択で縮合しており、
rは0、1、2または3から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択される)
から選択されるか、
あるいは、
XとYがそれらが結合しているN原子と一緒になって、前記N原子および任意選択でさらに1個または2個のヘテロ原子を含む複素環を形成しており、前記複素環は、
任意選択で不飽和であり、かつ/または
=O、アルキル、シクロアルキル、複素環、-アルキル複素環、C(=O)-Oアルキル、アリールまたは-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールはアルキルで任意選択で置換されており、前記複素環はアルキルで任意選択で置換されており、
アリールと任意選択で縮合しており、
好ましくは、qは1、2または3であり、rは1、2または3である。
【0040】
より具体的には、式(I)において:
n'=1であり、n=2または3であり、
Xは上記の通り定義され、Yは:
(CT2')pNRaRb
(式中、
同じかまたは異なっているRaおよびRbは、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択され、前記アリールは、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されているか、
または、RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を任意選択で含むN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、アルキル、-アルキルアリールまたはアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは、ハロゲン、=O、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、前記複素環はアリールと任意選択で縮合しており、
pは2〜3から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各T'は、Hまたは直鎖状もしくは分岐状アルキルから独立に選択され、前記アルキルは1つまたは複数のOR、アリールで任意選択で置換されており、一実施形態では、T'の少なくとも1つはHとは異なる)、または、
【0041】
【化9】

【0042】
(式中、
【0043】
【化10】

【0044】
は、アルキル、-アルキルアリール、OR、C(=O)OR、=O、CN、CF3、COR、NRR'、CONRR'、アリールの1つまたは複数で任意選択で置換されている、N、OまたはSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む飽和または部分不飽和の単環式または二環式の複素環またはヘテロアリールであり、前記アリールは、アルキル、ハロゲン、OR、CORまたはNR'Rで任意選択で置換されており、
qは1、2または3であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択される)、
(CHT)r-アリール
(式中、
前記アリールは単環式アリールであり、アルキル、SO2NRR'、-C(=O)-R、CN、C(=O)-Oアルキルの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アルキルはNRR'またはNR''R'''で置換されており、
rは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択され、
R''とR'''はそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を含んでよいN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'の1つまたは複数で任意選択で置換されている)
から選択されるか、
あるいは、XとYがそれらが結合しているN原子と一緒になって、前記N原子および任意選択でさらに1個または2個のヘテロ原子を含む複素環を形成しており、前記複素環は、任意選択で不飽和であり、かつ/または
=O、アルキル、シクロアルキル、複素環、-アルキル複素環、C(=O)-Oアルキル、-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは複素環と任意選択で縮合しており、かつ/または前記アリールはアルキルまたはCOアルキルで任意選択で置換されており、前記複素環は1個または2個の窒素原子を含み、アルキルで任意選択で置換されており、
アリールと任意選択で縮合しており、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、アルキルアリールから独立に選択される。
【0045】
より具体的には、式(I)において:
n'=1であり、n=2または3であり、
Xは、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから選択され、前記アルキルおよび/またはアリールは、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、
Yは:
(CT2')pNRaRb
(式中、
同じかまたは異なっているRaおよびRbは、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択され、前記アリールは、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、
pは1、2または3であるか、または
RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になってN含有5〜7員複素環を形成しており、ヘテロ原子と隣接する炭素原子はアルキルで任意選択で置換されており、前記複素環はアリールと任意選択で縮合しており、
pは3または4であるか、または
RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を含んでよいN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、=O、アルキル、-アルキルアリールまたはアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは、ハロゲン、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、
pは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各T'は、Hまたは直鎖状もしくは分岐状アルキルから独立に選択され、前記アルキルは、1つまたは複数のOR、アリールで任意選択で置換されており、T'の少なくとも1つはHとは異なる)、
(CHT)r-アリール
(式中、
前記アリールは単環式アリールであり、アルキル、SO2NRR'、-C(=O)-R、CN、C(=O)-Oアルキルの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アルキルはNRR'またはNR''R'''で置換されており、
rは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択される)、
【0046】
【化11】

【0047】
(式中、
【0048】
【化12】

【0049】
は、窒素原子を含み、アルキル(ただし、前記アルキルはエチルではない)、-アルキルアリール、OR、C(=O)OR、=O、CN、CF3、COR、NRR'、CONRR'、アリールで置換されており、前記アリールがアルキル、ハロゲン、OR、CORまたはNR'Rで任意選択で置換されている飽和単環式5員複素環であるか、または窒素原子を含み、-アルキルアリール、OR、C(=O)OR、=O、CN、CF3、COR、NRR'、CONRR'、アリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールがハロゲン、COR、ORまたはNR'Rで任意選択で置換されている単環式6員複素環であり、
qは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択される)
から選択されるか、
あるいは、XとYはそれらが結合しているN原子と一緒になって前記N原子および任意選択でさらに1個または2個のヘテロ原子を含む複素環を形成しており、前記複素環は、任意選択で不飽和であり、かつ/または
=O、アルキル、シクロアルキル、複素環、-アルキル複素環、C(=O)-Oアルキル、-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは複素環と任意選択で縮合しており、かつ/または前記アリールはアルキルまたはCOアルキルで任意選択で置換されており、前記複素環は1個または2個の窒素原子を含み、アルキルで任意選択で置換されており、
アリールと任意選択で縮合している。
【0050】
特に、本発明の化合物は以下の式
【0051】
【化13】

【0052】
{式中、
iは0、1、2、3または4から選択される整数であり、好ましくはi=0であり、
jは0、1、2または3から選択される整数であり、好ましくはj=0であり、
A環の利用可能な任意の位置にある各Riは、同じかまたは異なっており、ハロゲン、アルキル、アリール、-アルキルアリール、OR、NRR'、CN、CF3、COR、COOR、CONRR'から選択され、
C環の利用可能な任意の位置にある各Rjは、同じかまたは異なっており、ハロゲン、アルキル、アリール、-アルキルアリール、OR、NRR'、CN、COR、COOR、CONRR'から選択され、
XはHであり、
Yは:
(CHT)r-アリール
(式中、
前記アリールは単環式アリールであり、アルキル、SO2NRR'、-C(=O)-R、CN、-NRR'、CONRR、C(=O)-Oアルキルの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アルキルはNRR'またはNR''R'''で置換されており、好ましくはそのアリールは、NR''R'''で置換されたアルキルで置換されたフェニルであり、
rは0〜6から選択される整数であり、好ましくはrは0または1であり、
各TはHであり、
R''とR'''はそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を含んでよいN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'の1つまたは複数で任意選択で置換されており、好ましくは、R''とR'''はそれらが結合しているN原子と一緒になってハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'の1つまたは複数で任意選択で置換されている5員複素環を形成しており、好ましくはR''とR'''はそれらが結合しているN原子と一緒になって5員複素環を形成しており、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択され、
好ましくはそのアリールは、NR''R'''で置換されているアルキルで置換されているフェニルであり、R''とR'''は、それらが結合しているN原子と一緒になって5員複素環を形成している)、
(CT2')pNRaRb
(式中、
各T'がHである場合、
RaとRbは、それらが結合しているN原子と一緒になって、
ヘテロ原子と隣接する炭素原子がアルキルで置換されているN含有6員モノ置換複素環を形成しており、pは1、3または4であり、好ましくはpは4であるか、または
N含有6員複素環を形成しており、pは1〜4であり、好ましくはpは1〜3、例えばpが2であるか、または
ヘテロ原子と隣接する炭素原子がアルキルで置換されているN含有5員複素環を形成しており、pは1〜4であり、好ましくはpは1、2または3であり、好ましくはpは2または3であるか、または
アルキルで任意選択で置換されているN含有7員複素環を形成しており、pは1、2または4であり、好ましくはpは2であり、
N含有5員複素環を形成しており、pは1、2または4であり、
ハロゲン、-アルキルアリールまたはアリールの1つもしくは複数で置換されているN含有5〜7員複素環を形成しており、前記アリールはハロゲン、-CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'の1つまたは複数で任意選択で置換されており、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択され、
好ましくは、RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になって、
ヘテロ原子と隣接する炭素原子がアルキルで置換されているN含有6員モノ置換複素環を形成しており、pは1、3または4であり、好ましくはpは4であるか、または
N含有6員複素環を形成しており、pは1〜4であり、好ましくはpは1〜3、例えばpは2であるか、または
ヘテロ原子と隣接する炭素原子がアルキルで置換されているN含有5員複素環を形成しており、pは1〜4であり、好ましくはpは1、2または3であり、好ましくはpは2または3であるか、または
アルキルで任意選択で置換されているN含有7員複素環を形成しており、pは1、2または4であり、好ましくはpは2であり、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択され、
同じかまたは異なっている各T'がHまたは直鎖状もしくは分岐状アルキルから独立に選択され、前記アルキルが、1つまたは複数のOR、アリールで任意選択で置換されており、前記T'の少なくとも1つがHとは異なる場合、
同じかまたは異なっているRaおよびRbは、H、アルキル、アリールまたはアリールアルキルから独立に選択され、前記アリールは、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、=O、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、pは0〜6から選択される整数であり、好ましくは同じかまたは異なっているRaおよびRbはアルキルであり、pは2、3または4であり、好ましくは、pは3または4であるか、または
RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を含んでよいN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、=O、アルキル、-アルキルアリールまたはアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは、ハロゲン、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、pは0〜6から選択される整数であり、好ましくはRaとRbはそれらが結合しているN原子とN含有5員複素環を形成しており、pは2、3または4であり、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択される)、
【0053】
【化14】

【0054】
(式中、
【0055】
【化15】

【0056】
は、
窒素原子を含み、アルキル(ただし、前記アルキルはエチルではない)、-アルキルアリール、OR、C(=O)OR、=O、CN、CF3、COR、NRR'、CONRR'、アリールで置換されており、前記アリールがアルキル、ハロゲン、OR、CORまたはNR'Rで任意選択で置換されている飽和単環式5員複素環であるか、または
窒素原子を含み、-アルキルアリール、OR、C(=O)OR、=O、CN、CF3、COR、NRR'、CONRR'、アリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールが、ハロゲン、COR、ORまたはNR'Rで任意選択で置換されている単環式6員複素環であり
qは0〜6から選択される整数であり、好ましくは0、1または2であり、好ましくは1または2であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択され、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリール、好ましくはアルキルから独立に選択され、
好ましくは、
【0057】
【化16】

【0058】
はメチル、-アルキルアリールで任意選択で置換されたピロリジンまたはピペリジンであり、アリールはハロゲン、COR、ORまたはNR'R、好ましくはORまたはNR'Rで任意選択で置換されており、qは1または2であり、Tは同じかまたは異なっており、Hまたはアルキルから独立に選択され、同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリール、好ましくはアルキルから独立に選択される)
から選択されるか、
あるいは、XとYはそれらが結合しているN原子と一緒になって前記N原子および任意選択でさらに1個または2個のヘテロ原子、好ましくはさらに1個の窒素を含む複素環、好ましくは6員または7員の複素環を形成しており、前記複素環は、任意選択で不飽和であり、かつ/または、1つまたは複数の複素環または-アルキル複素環で任意選択で置換されており、前記複素環は1個または2個のヘテロ原子、好ましくは窒素を含み、アルキルで任意選択で置換されており、
好ましくは前記複素環は、任意選択でさらに1個の窒素を含み、任意選択で不飽和であり、かつ/または1つまたは複数の複素環、-アルキル複素環で任意選択で置換されている6員複素環であり、前記複素環は1個または2個のヘテロ原子、好ましくは窒素を含み、アルキルで任意選択で置換されている}
の化合物もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩であってよい。
【0059】
特定の実施形態によれば、式(I)のこれらの化合物は:
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[1-(3-メチル-ベンジル)-ピペリジン-4-イルメチル]-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(1-エチル-ピロリジン-2-イルメチル)-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(2-ジプロピルアミノ-エチル)-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[2-(ブチル-エチル-アミノ)-エチル]-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(ベンジル-エチル-アミノ)-プロピル]-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-ジプロピルアミノ-プロピル)-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(2-ジエチルアミノ-エチル)-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-ピロリジン-1-イル-プロピル)-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(2,6-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-プロピル]-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-ジエチルアミノ-プロピル)-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド
アゼパン-1-イル-(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-イル)-メタノン
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(4-プロピル-ピペラジン-1-イル)-プロピル]-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(ベンジル-メチル-アミノ)-プロピル]-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロピル]-アミド
[1,4']ビピペリジニル-1'-イル-(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-イル)-メタノン
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-モルホリン-4-イル-プロピル)-アミド
9-クロロ-N-(3-(2-メチルピペリジン-1-イル)プロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(2-(1-メチルピロリジン-2-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-(4-メトキシベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-4-N,N-ジメチルベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-ヒドロキシ-3-フェニル-2-ピロリジン-1-イルメチルプロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
N-(2-(アゼパン-1-イル)エチル)-9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(4-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)メタノン
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)メタノン
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(ピペリジン-1-イル)メタノン
N-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-9--クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-フェネチルピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(5-(ジエチルアミノ)ペンタン-2-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(R)-9-クロロ-N-((1-エチルピロリジン-2-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(S)-9-クロロ-N-((1-エチルピロリジン-2-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ジメチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボン酸(2-ジエチルアミノ-エチル)アミドのクロル水和物
もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩から選択される。
【0060】
好ましくは、本発明は以下の化合物:
9-クロロ-N-(3-(2-メチルピペリジン-1-イル)プロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(2-(1-メチルピロリジン-2-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-(4-メトキシベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-4-N,N-ジメチルベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-ヒドロキシ-3-フェニル-2-ピロリジン-1-イルメチルプロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-ピロリジン-1-イル-プロピル)-アミド
アゼパン-1-イル-(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-イル)-メタノン
[1,4']ビピペリジニル-1'-イル-(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-イル)-メタノン
N-(2-(アゼパン-1-イル)エチル)-9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(4-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)メタノン
(9-クロロ-5.6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)メタノン
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(ピペリジン-1-イル)メタノン
N-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-9--クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-フェネチルピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(5-(ジエチルアミノ)ペンタン-2-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(R)-9-クロロ-N-((1-エチルピロリジン-2-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(S)-9-クロロ-N-((1-エチルピロリジン-2-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ジメチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド;
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボン酸(2-ジエチルアミノ-エチル)アミドのクロル水和物
もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩に関する。
【0061】
好ましくは、本発明は以下の化合物:
9-クロロ-N-(3-(2-メチルピペリジン-1-イル)プロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(2-(1-メチルピロリジン-2-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-(4-メトキシベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-4-N,N-ジメチルベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-ヒドロキシ-3-フェニル-2-ピロリジン-1-イルメチルプロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-ピロリジン-1-イル-プロピル)-アミド
アゼパン-1-イル-(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-イル)-メタノン
[1,4']ビピペリジニル-1'-イル-(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-イル)-メタノン
N-(2-(アゼパン-1-イル)エチル)-9-クロロ-5,67,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-5,67,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(4-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)メタノン
(9-クロロ-5.6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)メタノン
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(ピペリジン-1-イル)メタノン
N-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-9--クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-フェネチルピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(5-(ジエチルアミノ)ペンタン-2-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ジメチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボン酸(2-ジエチルアミノ-エチル)アミドのクロル水和物
もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩に関する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1Aにまとめたように、ユビキチン(HA-Ub-VS)のC末端修飾したビニルスルホン誘導体は、脱ユビキチン化酵素のシステイン活性部位と共有結合する。このラベリング、続く抗HA抗体での免疫ブロットによって、HCT116細胞溶解物からのすべての活性脱ユビキチン化酵素の識別が可能になる(図1B)。さらに、活性USP7を、抗USP7抗体での免疫ブロット法に続いて観察される移動度シフトによって示されるように、このアッセイで特定した。DUBの活性形態に特異的なこのラベリングは、非特異的な方法でチオール反応性化合物(NEM)によって阻害される(図1B)。
【図2】HA-Ub-VSラベリングに続く活性DUBのパネルにおける活性USP7に対応するシグナルを局在化させるために、誘導可能なshRNA USP7 HCT116細胞系をドキシサイクリン(Dox)で処理し、USP7 shRNAの発現が可能になるようにした。興味深いことに、USP7サイレンシングに続いて1つのバンドだけが減少しており、これは、このバンドがHA-Ub-VS-USP7に対応することを明らかに示している(図2A)。この特異的な減少を示す定量化を図2B(定量化は画像解析ソフトウェア、GeneTools、Syngeneを用いて実施した)に示す。ドキシサイクリン処理によって誘発されたUSP7サイレンシングを抗USP7抗体で確認した。
【図3】小分子化合物を用いた試験を、HCT116細胞溶解物に対して固定用量の実施例14の化合物(50μM)を用いてまず実施した。興味深いことに、HA-Ub-VS-USP7に対応するサイズでの処理に続いて1つのバンドだけが減少していた(図3A)。この特異的な減少を示す定量化を図3B(定量化は画像解析ソフトウェア、GeneTools、Syngeneを用いて実施した)に示す。USP7活性に対するこの効果は、処理サンプルと未処理サンプルとの間で観察される移動度シフトで示されるように、抗USP7抗体で確認された。
【図4】次にHCT116細胞を、異なる用量の実施例14および実施例5の化合物またはドキシサイクリンで処理してUSP7サイレンシングを誘発させた。ドキシサイクリンの存在で示されるようにHA-Ub-VS-USP7タンパク質の局在化はUSP7の特異的サイレンシングによって促進された(図4A、+Dox)。このバンドが特定されたら、細胞溶解物を異なる用量の実施例14および実施例5の化合物で処理し、HA-Ub-VS-USP7タンパク質レベルの特異的で用量依存的な減少が明らかに観察された(図4Aおよび図4B)。USP7活性に対するこの効果は、処理サンプルと未処理サンプルとの間で観察される移動度シフトで示されるように、抗USP7抗体で確認された。
【図5】興味深いことに、こうした発見は、HEK293細胞から調製した細胞溶解物においても確認された(図5Aおよび図5B)。したがって、これらの結果は、この新規な化合物系統からの異なる化合物(実施例14および実施例5の化合物)が、生理学的条件における活性DUBのパネルにより、USP7脱ユビキチン化活性を特異的で用量依存的に阻害することを実証している。
【発明を実施するための形態】
【0063】
上記または以下で使用するように:「アルキル」は、その鎖の中に1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状であってよい脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、その鎖の中に1〜12個の炭素原子を有する。「分岐状」とは、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つもしくは複数の低級アルキル基が直鎖状アルキル鎖と結合していることを意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル、オクチル、ノニル、デシルが含まれる。
【0064】
本明細書で用いる「シクロアルキル」という用語は、1個の水素原子を取り外すことによって形成された3〜10個の炭素原子の芳香族または非芳香族炭化水素の単環式、二環式もしくは多環式環を指す。例えば「C5〜C7シクロアルキル」という表示は、5〜7個の炭素原子を含むシクロアルキル基を指す。その例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル等ならびにそれらの縮合またはフェニル基との縮合によって形成される系が含まれる。
【0065】
「アルケン」は、その鎖の中に2〜15個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状であってよい炭素-炭素二重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、その鎖の中に2〜12個の炭素原子を有し、より好ましくはその鎖の中に約2〜4個の炭素原子を有する。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、i-ブテニル、3-メチルブタ-2-エニル、n-ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルが含まれる。
【0066】
「ハロゲン原子」はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子、好ましくはフッ素および塩素原子を指す。
【0067】
「ペルハロゲノアルキル」は、すべてのH原子がハロゲン原子で置き換えられている上記定義のアルキル基を指す。
【0068】
「ポリハロゲノアルキル」は、1個または複数のH原子がハロゲン原子で置き換えられている上記定義のアルキル基を指す。
【0069】
「アリール」は、6〜14個の炭素原子、好ましくは6〜10個の炭素原子の芳香族単環式または多環式炭化水素環系を意味する。アリール基の例には、フェニルまたはナフチルが含まれる。
【0070】
本明細書で用いる「複素環」または「複素環式」という用語は、その環の少なくとも1つのメンバーがヘテロ原子である飽和、部分不飽和もしくは不飽和非芳香族の安定な3〜14員、好ましくは5〜10員の単環式、二環式または多環式環を指す。一般に、ヘテロ原子には、これらに限定されないが、酸素、窒素、硫黄、セレンおよびリン原子が含まれる。好ましいヘテロ原子は酸素、窒素および硫黄である。
【0071】
適切な複素環は、The Handbook of Chemistry and Physics、第76版、CRC Press、Inc.、1995〜1996年、2-25〜2-26頁にも開示されている。この開示を参照により本明細書に組み込む。
【0072】
好ましい非芳香族複素環には、これらに限定されないが、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキシラニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソラニル、テトラヒドロ-ピラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、ピラニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピラゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチオピラニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ジヒドロ-ピラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロ-ピリジル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロチオピラニル、アゼパニルならびにフェニル基との縮合によって得られるその縮合系が含まれる。
【0073】
本明細書で用いる「ヘテロアリール」または芳香族複素環という用語は、5〜14員、好ましくは5〜10員の芳香族ヘテロ、単環式、二環式または多環式環を指す。その例には、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、チエニル、ピリミジニル、ピラジニル、テトラゾリル、インドリル、キノリニル、プリニル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、フラニル、ベンゾフラニル、1,2,4-チアジアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル-N-オキシドならびにフェニル基との縮合によって得られるその縮合系が含まれる。
【0074】
「アルキル」、「アルケニル」、「シクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「複素環」などは、2個の水素原子を取り外すことによって形成される対応する「アルキレン」、「アルケニレン」、「シクロアルキレン」、「アリーレン」、「ヘテロアリーレン」、「ヘテロシクレン」なども指す。
【0075】
本明細書で用いる「患者」という用語は、本明細書で述べる1つもしくは複数の疾患および状態に苦しむ、またはそれに苦しむ可能性を有している飼育、愛玩(company)または保存目的のための価値ある動物などの動物か、あるいは好ましくはヒトまたはヒトの子供を指す。
【0076】
本明細書で用いる「治療有効量」は、本明細書で述べる疾患および状態の症状を予防、軽減、排除、治療または制御するのに効果的である本発明の化合物の量を指す。「制御する(controlling)」という用語は、本明細書で述べる疾患および状態の進行を遅延させる、中断させる、止めるまたは停止させる可能性があるすべてのプロセスを指すものとするが、疾患および状態の症状を完全にすべて排除することを必ずしも意味するものではなく、予防的治療を含むものとする。
【0077】
本明細書で用いる「薬学的に許容される」という表現は、健全な医学的判断の範囲内で、妥当なベネフィット/リスク比に相応している、過度の毒性、炎症、アレルギー反応または問題のある他の合併症を伴うことなくヒトや動物の組織と接触させるのに適した化合物、材料、添加剤、組成物または剤形を指す。
【0078】
本明細書で用いる「薬学的に許容される塩」は、その酸または塩基塩を作製することによって親化合物が改変されている開示化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩には、例えば非毒性の無機または有機酸から形成された親化合物の慣用的な非毒性塩または四級アンモニウム塩が含まれる。例えば、そうした慣用的な非毒性の塩には、そのモノ、ジまたはトリ塩を含む塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導される塩;および酢酸、プロピオン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸などの有機酸から調製される塩が含まれる。他の付加塩には、トロメタミン、メグルミン、エポラミン等のアンモニウム塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛またはマグネシウムなどの金属塩が含まれる。
【0079】
本発明の薬学的に許容される塩は、慣用的な化学的手法で酸性または塩基性の部分を含む親化合物から合成することができる。一般に、そうした塩は、水もしくは有機溶媒またはその2つの混合液中で、遊離酸または塩基形態のこれらの化合物を化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることによって調製することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。適切な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences、第20版、Mack Publishing Company、Easton、PA、2000年に記載されている。この開示を参照により本明細書に組み込む。
【0080】
幾何異性体および立体異性体を有する一般式(I)の化合物も本発明の一部である。
【0081】
他の目的によれば、本発明は、式(I)の化合物を調製する方法にも関する。
【0082】
本発明の化合物は、当業者に周知のいくつかの方法で調製することができる。これらの化合物は、例えば以下で説明する方法または当業者に理解されるようなそれに対する変更形態を適用するかまたは適合させることによって合成することができる。適切な改変形態および置換形態は、容易に明らかであり周知であるか、または当業者は科学文献から容易に得ることができる。
【0083】
具体的には、そうした方法は、R.C. Larock、Comprehensive Organic Transformations、Wiley- VCH Publishers、1999年に記載されている。
【0084】
本発明の化合物は1個または複数の非対称的に置換された炭素原子を含むことができ、これを、光学的に活性な形態またはラセミ体で単離できることを理解されよう。したがって、特定の立体化学または異性体が具体的に示されていない限り、ある構造のすべてのキラル体、ジアステレオマー体、ラセミ体、異性体は対象とされるものとする。そうした光学的に活性な形態物の調製および単離の方法は当業者に周知である。例えば、立体異性体の混合物は、これらに限定されないが、ラセミ体の分割、順相、逆相およびキラルクロマトグラフィー、選択的な塩形成、再結晶化などを含む標準的な手法によるか、あるいはキラル出発原料からのキラル合成によるかまたは目的キラル中心の周到な合成によって分離することができる。
【0085】
さらに、本発明の方法はいくつかの位置異性体をもたらすことができ、これらはすべて本発明に包含される。位置異性体は一般にクロマトグラフィーによって単離される。
【0086】
本発明の化合物は様々な合成経路で調製することができる。試薬および出発原料は市販されているか、または当業者によって周知の手法により容易に合成される。別段の表示のない限り、すべての置換基は上記で定義した通りである。
【0087】
以下で説明する反応において、最終生成物においてそれが望ましい場合、反応におけるその望ましくない関与を回避するために、反応性官能基、例えばヒドロキシル、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基を保護することが必要になることがある。標準的技法にしたがって慣用的な保護基を使用することができる。例えばT.W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Chemistry、第3版、John Wiley and Sons、1999年;J. F. W. McOmie in Protective Groups in Organic Chemistry、Plenum Press、1973年を参照されたい。
【0088】
いくつかの反応は塩基の存在下で実施することができる。この反応で使用する塩基の特性に特に制限はなく、それがその分子の他の部分に悪影響を及ぼさないという条件で、この種の反応で慣用的に使用される任意の塩基を同等に使用することができる。適切な塩基の例には:水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物;メチルリチウムおよびブチルリチウムなどのアルキルリチウム化合物ならびにナトリウムメトキシドおよびナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドが含まれる。
【0089】
通常、反応は適切な溶媒中で実施される。様々な溶媒を使用することができるが、ただし、反応または関係する試薬に対して悪影響を及ぼさないものとする。適切な溶媒の例には:ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族、脂肪族または脂環式炭化水素であってよい炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;エタノールおよびメタノールなどのアルコールならびにジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランなどのエーテルが含まれる。
【0090】
反応は広範囲の温度で実施することができる。一般に、反応を0℃〜150℃(より好ましくはおよそ室温から100℃)の温度で実施することが好都合であることが分かっている。反応に要する時間もいくつかの因子、特に反応温度および試薬の特性に応じて広い範囲にわたる。しかし、上記に概説した好ましい条件下で反応が行われれば、反応時間は通常3時間〜20時間で十分である。
【0091】
そのようにして調製した化合物は、慣用的な手段で反応混合物から回収することができる。例えば、反応混合物から溶媒を留去するか、または必要であれば反応混合物から溶媒を留去した後、その残留物を水中に注ぎ、次いで水と非混和性の有機溶媒で抽出し、その抽出物から溶媒を留去して化合物を回収することができる。望むなら、追加的に生成物を再結晶化、再沈澱法または様々なクロマトグラフィー技術、特にカラムクロマトグラフィーもしくは分取薄層クロマトグラフィーなどの様々な周知の手法によりさらに精製することができる。
【0092】
本発明の式(I)の化合物の調製方法は本発明の他の目的である。
【0093】
第1の態様によれば、式(I)の本発明の化合物は、式(VII)の対応する化合物:
【0094】
【化17】

【0095】
を、ペプチドカップリングによって、式(VIII)の対応する化合物:
【0096】
【化18】

【0097】
(式中、i、j、k、n、Z、Ri、RjおよびRkは式(I)の通りに定義され、RはOHまたはハロゲンであり、X'およびY'はそれぞれXおよびYと同じである)もしくはその前駆体またはアミノ保護基と反応させるステップ、任意選択でその後に場合によってそれぞれアルキル化または脱保護するステップによって得ることができる。
【0098】
前記式(VII)の化合物は、式(VI)の対応する化合物:
【0099】
【化19】

【0100】
(式中、i、j、n、Z、Ri、Rjは式(I)に定義の通りである)
から官能化によって得ることができ、すなわちRk基を、ハロゲン化、還元、次いで脱水、求核付加、続く脱水を含むケト基の好都合な官能化により導入する。特にRk=Halを導入するために、この官能化はハロゲン化ステップ、還元ステップ、続く脱水ステップを含む。
【0101】
本発明は、
【0102】
【化20】

【0103】
を除く、式(VI)の化合物:
【0104】
【化21】

【0105】
(式中、i、j、n、Z、Ri、Rjは式(I)の通りに定義される)にも関する。
【0106】
特定の実施形態によれば、式(VI)の化合物は以下の化合物:
【0107】
【化22】

【0108】
である。
【0109】
式(VI)の化合物を、以下の2つの経路
【化23】

【0110】
のどちらかにしたがって、化合物(II)と(III)、または(IV)と(V)をカップリングすることによって得ることができる。
【0111】
最初に、ケトン(II)または置換ケトン(IV)と置換アニリン(III)または(V)の縮合を実施して三環式酸(VI)を得る。アミノテレフタル酸(III)または(V)と対応するケトン(II)(経路I)または(IV)(経路II)を適切な溶媒中で混合し、撹拌する。反応性に応じて混合物を加熱するか、または酸性条件を用いて触媒作用させることができる。経路(II)の場合、反応を(IV)および(V)の中間体エナミンの環化によって実施する。
【0112】
さらに、(VI)の官能化により化合物(VII)をハロゲン化アシルまたはカルボン酸として得る。(VII)の特性に応じて標準的な条件を用いてペプチドカップリングを実施する。アミンHNXYは市場から入手するか、または化合物(VII)とカップリングする前に古典的な方法を用いて調製することができる。
【0113】
-NXYがジアミンである場合には代替のアプローチを用いた。このアプローチは、化合物(VII)をモノ保護した(第二または第一)アミン前駆体とカップリングし、次いで脱保護し、ハライド誘導体またはアルデヒドなどの求電子試薬を用いた1段または連続2段のアルキル化するステップを含む。
【0114】
本明細書で用いる「前駆体」という用語は、基または官能基の存在および/または非存在によって表示化合物または所望化合物と異なる化合物を指す。そうした基または官能基は、当業者に公知の一般的な官能化反応により導入、転換するかつ/または取り除くことができる。
【0115】
官能化反応は、公知の方法を適用するかまたは適合させることによって実施することができる。
【0116】
当業者は上記反応を、以下の実施例で例示する方法を適用するかまたは適合させることによって実施することができる。
【0117】
さらに、本発明の方法は、式(I)の化合物を単離する追加のステップも含むことができる。当業者はこれを、上記した回収方法などの公知の慣用的な手段のいずれかによって実施することができる。
【0118】
一般に、出発化合物(II)、(III)、(IIV)、(V)および(VIII)は、主にAldrichもしくはAcrosまたは他の典型的な化学品供給業者から市販品を入手するか、あるいは、公知の任意の方法または実施例で説明する方法を適用するかまたは適合させることによって得ることができる。
【0119】
他の目的によれば、本発明は、上記に定義した式(I)の化合物もしくはその互変異性体および/またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される添加剤と一緒に含む医薬組成物にも関する。
【0120】
式(I)の好ましい実施形態は、本発明の化合物に関して上記に定義した通りである。
【0121】
さらに他の目的によれば、本発明は、システインプロテアーゼを阻害するための本発明の式(I)の化合物に関する。
【0122】
本発明の化合物は、それを必要とする患者におけるシステインプロテアーゼ、特にUSP、より具体的にはUSP-7などの特異的な脱ユビキチン化酵素を阻害するのに有用である。
【0123】
本発明の化合物は、癌および転移、特に前立腺および/または結腸癌、アルツハイマー病およびパーキンソン病などの神経変性疾患、免疫障害、骨関節疾患、骨粗鬆症、関節炎、炎症性障害、心血管疾患、ウイルス感染症および疾患、ならびに/またはウイルスの感染および/もしくは潜伏、細菌感染症および疾患を治療および/または予防するために特に有用である。
【0124】
具体的には、前記ウイルス感染症および疾患は、単純ヘルペス1型または2型ウイルス感染症、A型肝炎、C型肝炎、SARSコロナウイルス感染症および疾患、エプスタインバーウイルス、ライノウイルス感染症および疾患、アデノウイルス感染症および疾患、灰白髄炎から選択される。
【0125】
一態様によれば、前記化合物は1つまたは複数のウイルスシステインプロテアーゼを阻害する。
【0126】
細菌システインプロテアーゼは、ストレプトパイン、クロストリパイン、ブドウ球菌システインプロテアーゼ、ジンジパインから選択することができる。
【0127】
本発明は、請求項1〜8のいずれかに定義されている式(I)の化合物もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩を抗癌剤、神経作用剤(neurological agent)、血栓溶解剤、抗酸化剤、抗感染剤、血圧降下剤、利尿剤、血栓溶解剤、免疫抑制剤、心血管治療薬、免疫調節剤、抗炎症剤、抗ウイルス剤、抗菌剤から選択される1つまたは複数の活性剤と一緒に含む組合せにも関する。
【0128】
本発明は、それを必要とする患者に本発明の化合物を薬学的に許容される担体または添加剤と一緒に投与することを含む対応する治療方法にも関する。
【0129】
本明細書で述べる疾患および状態の治療を必要とする対象の特定は、十分に当業者の能力と知見の範囲内である。当技術分野の獣医または医師は、臨床試験、健康診断、病歴/家族歴または生物学的および診断学的検査を用いることによって、そうした治療を必要とする対象を容易に特定することができる。
【0130】
担当診断医は当技術分野の専門家として、治療有効量を、慣用的な手法を用い、類似の状況下で得られた結果を観察することにより容易に決定することができる。治療有効量を決定する場合、担当診断医によって、これらに限定されないが:対象の種;そのサイズ、年齢および全体的な健康;関係する具体的な疾患;疾患の関与の度合いまたは重症度;個々の対象の応答;投与される具体的な化合物;投与方法;投与される製剤の生物学的利用能;選択される投与レジメン;併用薬の使用ならびに他の関連する状況を含む多くの因子が考慮される。
【0131】
所望の生物学的効果を達成するのに必要な式(I)の化合物の量は、使用する化合物の化学的特性(例えば、疎水性)、その化合物の効力、疾患の種類、その患者が属する種、患者の病状、投与経路、選択された経路による化合物の生物学的利用能、投与される所要用量、送達およびレジメンに影響を及ぼすすべての因子を含む多くの因子によって変わることになる。
【0132】
「薬学的に」または「薬学的に許容される」は、必要に応じて動物またはヒトに投与したとき、悪影響を及ぼさない、またはアレルギー性もしくは他の有害な反応をもたらさない分子的実体および組成物を指す。
【0133】
本明細書で用いる「薬学的に許容される添加剤」には、保存剤または抗酸化剤、フィラー、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などの任意の担体、賦形剤、補助剤またはビヒクルが含まれる。薬剤活性物質のためのそうした媒体や薬剤の使用は当業界で周知である。慣用的な任意の媒体または薬剤が活性成分と適合しない場合を除いて、治療用組成物におけるその使用を考慮する。補助的活性成分を、適切な治療組合せとして組成物中に混ぜ込むこともできる。
【0134】
本発明の関連で、本明細書で用いる「治療する(treating)」または「治療(treatment)」という用語は、そうした用語が適用される障害または状態、あるいはそうした障害または状態の1つもしくは複数の症状の進行を逆転させる、緩和するまたは抑制する、あるいはそれを予防することを意味する。
【0135】
「治療有効量」は、その病因に関与する活性システインプロテアーゼの阻害を必要とする病態を予防または治療するのに効果的な本発明による化合物/医薬品の量を意味する。
【0136】
本発明によれば、「患者」または「それを必要とする患者」という用語は、活性システインプロテアーゼがその病因に関係している病態に罹患しているまたは罹患している可能性がある動物またはヒトを指すものとする。好ましくは、その患者はヒトである。
【0137】
大まかに言えば、本発明の化合物は、非経口投与用に0.1〜10重量/容積%の化合物を含む生理緩衝水溶液で提供することができる。一般的な用量範囲は1日当たり1μg/kg〜0.1g/kg体重であり、好ましい用量範囲は1日当たり0.01mg/kg〜100mg/kg体重であり、またヒトの子供においてはその等価用量である。投与する薬物の好ましい投薬量は、疾患または障害の種類およびその進行度合い、具体的な患者の全体的健康状態、選択された化合物の相対的生物学的効能、化合物の処方、投与経路(静脈内、筋肉内または他)、選択された送達経路による化合物の薬物動態特性ならびに投与の速度(ボーラス投与または持続注入)およびスケジュール(所与の期間における反復数)などの変数に依存する可能性がある。
【0138】
本発明の化合物は単位用量形態で投与することもできる。この「単位用量」という表現は、活性化合物をそれ自体かまたは以下で説明するような薬学的に許容される組成物として含む物理的および化学的に安定な単位用量を維持しながら、患者に投与でき容易に取り扱い包装することができる単一用量を意味する。したがって、典型的な合計1日用量範囲は0.01〜100mg/kg体重である。一般的指針として言えば、ヒトのための単位用量は1日当たり1mg〜3000mgの範囲である。好ましくは、単位用量範囲は1日に1〜6回の投与で1〜500mgであり、より好ましくは1日に1回10mg〜500mgである。本明細書で提供する化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤と混合して医薬組成物に処方することができる。そうした単位用量組成物は、経口投与で、特に錠剤、単純なカプセル剤もしくは軟質ゲルカプセル剤の形態で;または鼻腔内で、特に散剤、点鼻剤もしくはエアゾール剤の形態で;または経皮で、例えば軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤もしくは噴霧剤または経皮パッチ剤で局所的に使用するために調製することができる。
【0139】
組成物は単位剤形で好都合に投与することができ、製薬技術分野で周知の方法のいずれか、例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版;Gennaro、A.R.、Ed.;Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia、PA、2000年に記載されている方法によって調製することができる。
【0140】
好ましい処方物には、本発明の化合物が経口または非経口投与用に処方されている医薬組成物が含まれる。
【0141】
経口投与用に、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分または類似の性質の化合物:微結晶性セルロースもしくはトラガカントゴムなどの結合剤;デンプンもしくはラクトースなどの賦形剤;デンプンおよびセルロース誘導体などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;スクロースもしくはサッカリンなどの甘味剤;またはペパーミントもしくはサリチル酸メチルなどの香味剤のいずれか1つもしくは複数を含むことができる。カプセル剤は、任意選択で可塑剤とブレンドされたゼラチンブレンドで一般にできている硬カプセル剤または軟カプセル剤、ならびにデンプンカプセル剤の形態であってよい。さらに、投薬単位形態は、投薬単位の物理的形態を改変する他の様々な物質、例えば糖、セラックまたは腸溶性薬剤のコーティングを含むことができる。他の経口剤形のシロップ剤またはエリキシル剤は、甘味剤、保存剤、染料、着色剤および香味剤を含むことができる。さらに、活性化合物を、速溶性、放出調節型または持続放出型の製剤および処方物中に混ぜ込むことができる。ここで、そうした持続放出処方物は二峰性であることが好ましい。好ましい錠剤は、ラクトース、とうもろこしデンプン、ケイ酸マグネシウム、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、ステアリン酸マグネシウムまたはタルクを任意の組合せで含む。
【0142】
非経口的投与用の液体製剤には、滅菌した水性または非水性の液剤、懸濁剤および乳剤が含まれる。液体組成物は、結合剤、緩衝剤、保存剤、キレート剤、甘味剤、香味剤および着色剤なども含むことができる。非水性溶媒には、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油およびオレイン酸エチルなどの有機エステルが含まれる。水性担体には、アルコールと水の混合液、緩衝媒体および生理食塩水が含まれる。特に、生体適合性の生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマーまたはポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマーは活性化合物の放出を制御するための有用な添加剤であり得る。静脈内ビヒクルには、体液および栄養補給液(fluid and nutrient replenisher)、リンゲルデキストロースをベースとしたものなどの電解質補給液(electrolyte replenisher)などを含むことができる。これらの活性化合物のための潜在的に有用な他の非経口送達系にはエチレン-酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み型注入システムおよびリポソームが含まれる。
【0143】
投与の代替的な方式には、乾燥粉末剤、エアゾール剤または滴下剤(drop)のような手段を含む吸入用の処方物が含まれる。それらは、例えばポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、グリココレートおよびデオキシコレートを含む水性液剤であっても、点鼻剤の形態かまたは鼻腔内で施されるゲル剤として投与するための油性液剤であってもよい。口腔投与用の処方物は、例えばロゼンジ剤またはパスティール剤を含み、またスクロースまたはアカシアなどの香味ベースおよびグリココレートなどの他の添加剤も含むことができる。直腸投与に適した処方物は好ましくは、ココアバターなどの固体ベースの担体と一緒に単位用量坐剤として提供され、サリチル酸塩を含むこともできる。皮膚への局所施用のための処方物は好ましくは、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ペースト剤、ゲル剤、噴霧剤、エアゾール剤またはオイルの形態をとることが好ましい。使用できる担体には、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコールまたはその組合せが含まれる。経皮投与に適した処方物は、離散型パッチとして提供することができ、ポリマーまたは接着剤中に溶解および/または分散させた親油性乳剤または緩衝水溶液であってよい。
【0144】
生理学的条件下での活性DUBのパネルによるUSP7脱ユビキチン化活性の選択的阻害の非限定的例として、本発明を、以下の実施例および図面における説明により、さらに例示するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0145】
実験
本発明の代表的な化合物は、以下の手順にしたがって合成することができる。
【0146】
基本分析手順
NMRスペクトルを、BrukerまたはVarian分光計により、溶媒としてCDCl3またはDMSO-d6を用いて1Hについて300または400MHzで、13Cについて75または100MHzで記録した。化学シフトを、内部TMSまたは重水素化溶媒シグナルを基準としてppmで示す。
【0147】
LC-MS分析を用いて目的化合物を分析し精製した。LC-MS分析は、Waters Micromass、Bruker Esquire 3000(ESI-IT)またはAgilent lontrap XCT-Plus質量分光計およびUVおよび/またはDAD検出を備えたWaters Alliance2790またはAgilent 1100シリーズLCシステムを用いて実施した。カラム:Waters XTerra MS C18、30×2.1mm(3.5μm)、Atlantis T3 C18、3μm、50mm×2.1mmまたはInertsil C8、250mm、4.6mm、5μm。流速:0.8〜1.2ml/分、勾配:a)水10%MeOH、ギ酸アンモニウム10mM〜100%MeOHまたはb)95%水-アセトニトリル、0.1%HCOOH〜95%アセトニトリル)。UV検出:190〜400nm。すべての化合物は95%を超える純度であった。
【0148】
基本手順1:化合物(VII)の調製
式(VIIa)の中間体の調製:
【0149】
【化24】

【0150】
ステップ1:縮合
9-オキソ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(VIa)
ジフェニルエーテル(120mL)中の2-アミノテレフタル酸(12g、6.6mmol)の懸濁液にシクロヘキサノン(25mL)を加え、反応混合物を250℃で10分加熱した。反応の完了をLC/MSでモニターした(75%の出発原料および25%の生成物形成が観察された)。シクロヘキサノン(25mL)を加え、反応混合物を250℃でさらに10分加熱した(LC/MSは50%の生成物形成を示した)。LC/MSにより完全な生成物の生成が示されるまで(出発原料<2%)、上記工程を繰り返した。反応混合物を25℃に冷却し、生成物をろ過し、ヘキサン(100mL)で洗浄し、真空下で乾燥して15.8gの(VIa)(98%)を黄色固体として得た。
1H NMR (300MHz, DMSO) δ 13.27 (s, 1H)、11.54 (s, 1H)、8.14〜8.11 (d, 2H, J=8.4Hz)、7.72〜7.70 (m, 1H)、2.72 (m, 2H)、2.44 (m, 2H)、1.76〜1.72 (m, 4H)。
MS:C14H13NO3の計算値243.09、実測値243.8 (M+H)+
【0151】
ステップ2:ハロゲン化
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボン酸(VIIa)
オキシ塩化リン(50mL)中の9-オキソ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(VIa)(10g、4.1mmol)の懸濁液を100℃で1h加熱した。反応の完了をTLCでモニターした。完了したら反応混合物を25℃に冷却し、過剰のオキシ塩化リンを真空下で除去した。残留物を氷(50g)と混合し、固体重炭酸ナトリウムでpHを4〜5に調節した。得られた固体をろ過し、水(250mL)で洗浄し、真空下で乾燥して9.6g(88%)の化合物(VIIa)を白色固体として得た。
1H NMR (300MHz, DMSO) δ 13.37 (s, 1H)、8.44 (s, 1H)、8.19〜8.16 (d, 1H, J=8.7Hz)、8.09〜8.07 (dd, 1H, J=8.7Hz, 1.5Hz)、3.06 (m, 2H)、2.96 (m, 2H)、1.99〜1.89 (m, 4H)。
MS:C14H12ClNO2の計算値261.06、実測値261.8 (M+H)+
【0152】
ステップ3:アミド形成
複素環酸VIIの0.1M DMF溶液にトリエチルアミン(2当量)を加え、次いで対応するアミン(1当量)およびカップリング剤(TBTU、HATU、OHBT、1当量)を加えた。対応する混合物を20℃で1〜12h撹拌した。濃HClを加え、5分撹拌した後、混合物を真空下に置いた。粗製化合物を20mLのAcOEtで抽出し、10mLの0.5M NaHC03水溶液および10mLの水で洗浄した。有機相をMgSO4で脱水し、次いで真空下で蒸発させた。シリカゲル(勾配CH2Cl2 CH2Cl2/MeOH 9/1)または分取LC/MSを用いて精製して対応する純粋なアミドを得た。
【0153】
上記に開示した方法を適用するかまたは適合させて調製した化合物のいくつかの選択データを以下に示す:
【0154】
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[1-(3-メチル-ベンジル)-ピペリジン-4-イルメチル]-アミド(1)
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.77 (t, J=5.7Hz, 1H)、8.47 (d, J=1.8Hz, 1H)、8.17 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.04 (dd, J=1.7, 8.7Hz, 1H)、7.36 (s, 1H)、7.18 (t, J=7.5Hz, 1H)、7.09 (s, 1H)、7.07 (d, J=7.7Hz, 1H)、7.04 (d, J=7.5Hz, 1H)、3.38 (s, 2H)、3.32〜3.29 (m, 2H)、3.21 (d, J=6.7Hz, 2H)、3.06 (m, 2H)、2.98 (m, 2H)、2.79 (m, 2H)、2.28 (s, 3H)、1.94〜1.84 (m, 6H)、1.69 (s, 1H)、1.66 (s, 1H)、1.63〜1.53 (m, 1H)、1.28〜1.14 (m, 2H)。
MS:C28H32ClN3Oの計算値461.22、実測値462.17 (M+H)+
【0155】
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(ベンジル-エチル-アミノ)-プロピル]-アミド(5)
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.72 (t, J=5.6Hz, 1H)、8.43 (d, J=1.7Hz, 1H)、8.16 (d, J=8.6Hz, 1H)、8.02 (dd, J=1.7, 8.8Hz, 1H)、7.29 (m, 4H)、7.18 (m, 1H)、3.54 (s, 2H)、3.32 (m, 2H)、3.06 (m, 2H)、2.98 (m, 2H)、2.46 (m, 4H)、1.89 (m, J=3.73Hz, 4H)、1.74 (m, J=7.2Hz, 2H)、0.97 (t, J=7.1Hz, 3H)。
MS:C26H30ClN3Oの計算値435.21、実測値436.17 (M+H)+
【0156】
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-ジプロピルアミノ-プロピル)-アミド(6)
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.75 (t, J=5.4Hz, 1H)、8.45 (d, J=1.8Hz, 1H)、8.17 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.04 (dd, J=1.8, 8.7Hz, 1H)、3.37〜3.28 (m, 2H)、3.06 (m, 2H)、2.98 (m, 2H)、2.44 (t, J=7.1Hz, 2H)、2.32 (t, J=7.1Hz, 4H)、1.9 (m, J=3.7Hz, 4H)、1.68 (m, J=7.0Hz, 2H)、1.39 (m, J=7.3Hz, 4H)、0.83 (t, J=7.3Hz, 6H)。
MS:C23H32ClN3Oの計算値401.22、実測値402.22 (M+H)+
【0157】
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(2-ジエチルアミノ-エチル)-アミド(7)
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 8.69 (t, J=5.7Hz, 1H)、8.44 (d, J=1.8Hz, 1H)、8.18 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.04 (dd, J=1.8, 8.7Hz, 1H)、3.41〜3.28 (m, 2H)、3.06 (m, 2H)、2.98 (m, 2H)、2.59 (dd, J=6.8, 8.2Hz, 2H)、2.52 (q, J=7.1Hz, 2H)、1.9 (m, J=3.7Hz, 4H)、0.98 (t, J=7.1Hz, 6H)
MS:C21H26ClN3Oの計算値359.18、実測値360.19 (M+H)+
【0158】
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-ピロリジン-1-イル-プロピル)-アミド(8)
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.86 (t, J=5.5Hz, 1H)、8.44 (d, J=1.8Hz, 1H)、8.17 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.04 (dd, J=1.8, 8.7Hz, 1H)、3.40〜3.28 (m, 2H)、3.06 (m, 2H)、2.98 (m, 2H)、2.50〜2.40 (m, 6H)、1.9 (m, J=3.7Hz, 4H)、1.78〜1.64 (m, 6H)。
MS:C21H26ClN3Oの計算値371.18、実測値372.17 (M+H)+
【0159】
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-ジエチルアミノ-プロピル)-アミド(10)
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.8 (t, J=5.5Hz, 1H)、8.44 (d, J=1.8Hz, 1H)、8.17 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.03 (dd, J=1.7, 8.7Hz, 1H)、3.38〜3.26 (m, 2H)、3.06 (m, 2H)、2.98 (m, 2H)、2.46 (q, J=7.2Hz, 5H)、1.90 (m, 4H)、1.68 (m, J=7.0Hz, 2H)、0.95 (t, J=7.1Hz, 6H)。
MS:C21H28ClN3Oの計算値373.93、実測値374.19 (M+H)+
【0160】
アゼパン-1-イル-(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-イル)-メタノン(12)
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.17 (d, J=8.6Hz, 1H)、7.85 (d, J=1.7Hz, 1H)、7.6 (dd, J=1.7, 8.6Hz, 1H)、3.61 (dd, J=5.6, 6.6Hz, 2H)、3.35〜3.28 (m, 2H)、3.05 (m, 2H)、2.98 (m, 2H)、1.89 (m, 4H)、1.76 (m, J6.2Hz, 2H)、1.60 (m, 2H)、1.53 (m, 4H)。
MS:C22H23ClN2Oの計算値342.15、実測値343.17 (M+H)+
【0161】
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(4-プロピル-ピペラジン-1-イル)-プロピル]-アミド(13)
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.84 (t, J=5.5Hz, 1H)、8.45 (d, J=1.8Hz, 1H)、8.17 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.04 (dd, J=1.8, 8.7Hz, 1H)、3.38〜3.28 (m, 2H)、3.06 (m, 2H)、2.98 (m, 2H)、2.36 (m, J=7.0Hz, 9H)、2.19 (t, J=7.7Hz, 2H)、1.9 (m, J=4.0Hz, 4H)、1.71 (m, J=7.0Hz, 2H)、1.4 (m, J=7.41Hz, 2H)、0.83 (t, J=7.4Hz, 3H)。
MS:C24H33ClN4Oの計算値428.23、実測値429.20 (M+H)+
【0162】
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(ベンジル-メチル-アミノ)-プロピル]-アミド(14)
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.76 (t, J=5.6Hz, 1H)、8.44 (d, J=1.8Hz, 1H)、8.17 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.02 (dd, J=1.7, 8.8Hz, 1H)、7.33〜7.16 (m, 5H)、3.47 (s, 2H)、3.38 (d, J=6.7Hz, 1H)、3.34 (d, J=6.8Hz, 1H)、3.33〜3.28 (m, 2H)、3.06 (m, 2H)、2.99 (m, 2H)、2.42 (t, J=6.9Hz, 1H)、2.12 (s, 3H)、1.90 (m, J=3.1Hz, 1H)、1.77 (m, J=7.0Hz, 2H)。
MS:C25H28ClN3Oの計算値421.19、実測値422.14 (M+H)+
【0163】
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロピル]-アミド(15)
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.82 (t, J=5.5Hz, 1H)、8.45 (d, J=1.8Hz, 1H)、8.17 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.04 (dd, J=1.7, 8.7Hz, 1H)、3.38〜3.28 (m, 2H)、3.06 (m, 2H)、2.98 (m, 2H)、2.36 (m, J=7.0Hz, 8.5H)、2.14 (s, 3H)、1.9 (m, J=4.1Hz, 4H)、1.71 (m, J=7.0Hz, 2H)。
MS:C22H29ClN4Oの計算値400.20、実測値401.20 (M+H)+
【0164】
9-クロロ-N-(2-(1-メチルピロリジン-2-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジノ-3-カルボキサミド
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm) 1.50 (m, 2H)、1.62 (m, 2H)、1.90 (m, 4H)、1.95 (m, 2H)、2.05 (m, 2H)、2.22 (s, 3H)、2.95 (m, 3H)、3.03 (m, 2H)、3.34 (m, 2H)、8.00 (dd, J=8.8Hz, J=1.7Hz, 1H)、8.13 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.43 (d, J=1.5Hz, 1H)、8.79 (t, J=5.5Hz, 1H)。
MS:C21H26ClN3Oの計算値371.18、実測値371.95 (M+H)+
【0165】
9-クロロ-N-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm): 1.71 (m, 4H)、1.85 (m, 4H)、2.50 (m, 2H)、2.97 (m, 2H)、3.05 (m, 2H)、3.37 (m, 2H)、3.66 (m, 2H)、4.54 (d, J=5.7Hz, 2H)、7.28 (m, 4H)、8.09 (dd, J=8.8Hz, J=1.6Hz, 1H)、8.18(d, J=8.8Hz, 1H)、8.52(d, J=1.4Hz, 1H)、9.36 (t, J=6.0Hz, 1H)。
MS:C26H28ClN3Oの計算値433.19、実測値433.93 (M+H)+
【0166】
9-クロロ-N-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)フェニル)-5.6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm): 1.71 (m, 4H)、1.91 (m, 4H)、2.54 (m, 2H)、3.00 (m, 2H)、3.09 (m, 2H)、3.35 (m, 2H)、3.61 (s, 2H)、7.07 (d, J=7.5Hz, 1H)、7.31 (d, J=7.5Hz, 1H)、7.75 (d, J=8.6Hz, 1H)、7.84 (s, 1H)、8.15 (dd, J=9.0Hz, J=1.6Hz, 1H)、8.23 (d, J=8.6Hz, 1H)、8.65 (d, J=1.6Hz, 1H)。
MS:C25H26ClN3Oの計算値419.18、実測値419.94 (M+H)+
【0167】
9-クロロ-N-(3-(2-メチルピペリジン-1-イル)プロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
RMN 1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm): 0.99 (d, J=6.3Hz, 3H)、1.21 (m, 2H)、1.40 (m, 1H)、1.57 (m, 3H)、1.70 (m, 2H)、1.90 (m, 4H)、2.08 (m, 1H)、2.28 (m, 2H)、2.72 (m, 1H)、2.82 (m, 1H)、2.95 (m, 2H)、3.05 (m, 2H)、3.30 (m, 2H)、8.03 (dd, J=8.7Hz, J=1.7Hz, 1H)、8.15 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.44 (d, J=1.4Hz, 1H)、8.80 (t, J=5.4Hz, 1H)。
MS:C22H30ClN3Oの計算値399.21、実測値400.00 (M+H)+
【0168】
N-(2-(アゼパン-1-イル)エチル)-9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
1H RMN (DMSO-d6, 400MHz) δ (ppm): 1.60 (m, 4H)、1.75 (m, 4H)、1.90 (m, 4H)、2.97 (m, 2H)、3.06 (m, 2H)、3.14 (m, 6H)、3.75 (m, 2H)、8.06 (dd, J=8.8Hz, J=1.7Hz, 1H)、8.18 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.49 (d, J=1.5Hz, 1H)、8.95 (m, 1H)。
MS:C22H28ClN3Oの計算値385.19、実測値385.96 (M+H)+
【0169】
9-クロロ-N-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
1H RMN (DMSO-d6, 400MHz) δ (ppm) 1.37 (m, 2H)、1.48 (m, 4H)、1.88 (m, 4H)、2.39 (m, 4H)、2.49 (m, 2H)、2.95 (m, 2H)、3.04 (m, 2H)、3.43 (m, 2H)、8.03 (dd, J=8.8Hz, J=1.5Hz, 1H)、8.14 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.43(s, 1H)、8.69 (t, J=5.3Hz, 1H)。
MS:C21H26ClN3Oの計算値371.18、実測値371.95 (M+H)+
【0170】
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(4-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)メタノン
1H RMN (DMSO-d6, 400MHz) δ (ppm): 1.08 (m, 2H)、1.42 (s, 1H)、1.63 (m, 2H)、1.78 (m, 2H) 1.88 (m, 4H)、2.10 (s, 3H)、2.12 (m, 2H)、2.35 (m, 4H)、2.71 (m, 2H)、2.95 (m, 2H)、3.03 (m, 2H)、3.37 (m, 2H)、3.53 (m, 2H)、7.61 (dd. J=8.6Hz, J=1.5Hz, 1H)、7.87 (d, J=1.4Hz, 1H)、8.16 (d, 8.6Hz, 1H)。
MS:C25H33ClN4Oの計算値440.23、実測値441.02 (M+H)+
【0171】
(9-クロロ-5.6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)メタノン
1H RMN (IDMSO-d6, 400MHz) δ (ppm): 1.40 (m, 2H)、1.68 (m, 2H)、1.83 (m, 2H)、1.88 (m, 4H)、2.11 (s, 3H)、2.16 (m, 1H)、2.51 (m, 2H)、2.55 (m, 2H)、2.76 (m, 2H)、2.96 (m, 2H)、3.04 (m, 2H)、3.35 (m, 2H)、3.65 (m, 2H)、7.62 (dd, J=8.3Hz, J=1.2Hz, 1H)、7.88 (s, 1H)、8.17 (d, J=8,7Hz, 1H)。
MS:C24H31ClN4Oの計算値426.22、実測値427.01 (M+H)+
【0172】
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(ピペリジン-1-イル)メタノン
1H RMN (DMSO-d6, 400MHz) δ (ppm): 1.63 (m, 6H)、1.89 (m, 4H)、2.98 (m, 2H)、3.05 (m, 2H)、3.34 (m, 2H)、3.59 (m, 2H)、7.61 (dd, J=8.6Hz, J=1.6Hz, 1H)、7.87 (d, J=1.3Hz, 1H)、8.18 (d, J=8.6Hz, 1H)。
MS:C19H21ClN2Oの計算値328.13、実測値328.97 (M+H)+
【0173】
N-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
1H RMN (DMSO-d6, 400MHz) δ (ppm): 1.21 (m, 2H)、1.61 (m, 1H)、1.68 (m, 2H)、1.90 (m, 6H)、2.80 (m, 2H)、2.98 (m, 2H)、3.05 (m, 2H)、3.19 (m, 2H)、3.52 (s, 2H)、7.24 (m, 1H)、7.31 (m, 4H)、8.04 (dd, J=8.6Hz, J=1.4Hz, 1H)、8.17 (d, J=8.6Hz, 1H)、8.46 (d, J=1.4Hz, 1H)、8.78 (t, J=5.4Hz, 1H)。
MS:C27H30ClN3Oの計算値447.21、実測値447.98 (M+H)+
【0174】
9-クロロ-N-((1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
1H RMN (DMSO-d6, 400MHz) δ (ppm): 1.21 (m, 3H)、1.50 (m, 1H)、1.70 (m, 4H)、1.90 (m, 6H)、2.27 (m, 1H)、2.55 (m, 2H)、2.89 (m, 2H)、2.98 (m, 2H)、3.06 (m, 2H)、3.21 (m, 2H)、7.17 (m, 3H)、7.27 (m, 2H)、8.04 (dd, J=8.6Hz, J=1.6Hz, 1H)、8.16 (d, J=8.6Hz, 1H)、8.47(d, J=1.4Hz, 1H)、8.77 (t, J=5.7Hz, 1H)。
MS:C29H34ClN3Oの計算値475.24、実測値476.01 (M+H)+
【0175】
9-クロロ-N-((1-フェネチルピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
1H RMN (DMSO-d6, 400MHz) δ (ppm): 1.18 (m, 2H)、1.60 (m, 1H)、1.72 (m, 2H)、1.93 (m, 6H)、2.53 (m, 2H) 2.73 (m, 2H)、2.97 (m, 4H)、3.06 (m, 2H)、3.22 (m, 2H)、7.20 (m, 5H)、8.05 (d, J=8.3Hz, 1H)、8.17 (d, J=8.3Hz, 1H)、8.48 (s, 1H)、8.78 (t, J=5.5Hz, 1H)。
MS:C28H32ClN3Oの計算値461.22、実測値462.01 (M+H)+
【0176】
9-クロロ-N-(5-(ジエチルアミノ)ペンタン-2-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
1H RMN (DMSO-d6, 400MHz) δ (ppm): 0.97 (t, J=7.1Hz, 6H)、1.20 (m, 4H)、1.52 (m, 5H)、1.90 (m, 4H)、2.53 (m, 4H)、2.98 (m, 2H)、3.04 (m, 2H)、4.10 (m, 1H)、8.05 (dd, J=8.4Hz, J=1.4Hz, 1H)、8.16 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.48 (d, J=1.3Hz, 1H)、8,50 (d, J=8.1Hz, 1H)。
MS:C23H32ClN3Oの計算値401.22、実測値401.96 (M+H)+
【0177】
(R)-9-クロロ-N-((1-エチルピロリジン-2-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
1H RMN (DMSO-d6, 400MHz) δ (ppm): 1.11 (t, J=7.1Hz, 3H)、1.74 (m, 3H)、1.90 (m, 4H) 2.83 (m, 1H)、2.50 (m, 1H)、2.85 (m, 1H)、2.99 (m, 3H)、3.07 (m, 2H)、3.18 (m, 1H) 3.25 (m, 1H)、3.55 (m, 2H)、8.06 (dd, J=8.7Hz, J=1.7Hz, 1H)、8.18 (d, J=8.7Hz, 1H)、8.48 (d, J=1.5Hz, 1H)、8.80 (t, J=5.2Hz, 1H)。
MS:C21H26ClN3Oの計算値371.18、実測値371.92 (M+H)+
【0178】
(S)-9-クロロ-N-((1-エチルピロリジン-2-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
1H RMN (DMSO-d6, 400MHz) δ (ppm): 1.11 (t, J=7.1Hz, 3H)、1.74 (m, 3H)、1.90 (m, 4H) 2.83 (m, 1H)、2.50 (m, 1H)、2.85 (m, 1H)、2.99 (m, 3H)、3.07 (m, 2H)、3.18 (m, 1H)、3.25 (m, 1H)、3.55 (m, 2H)、8.06 (dd, J=8.8Hz, J=1.8Hz, 1H)、8.18 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.48 (d, J=1.5Hz, 1H)、8.80 (m, 1H)。
MS:C21H26ClN3Oの計算値371.18、実測値371.92 (M+H)+
【0179】
9-クロロ-N-(3-(ジメチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
1H RMN (DMSO-d6, 400MHz) δ (ppm): 0.94 (s, 6H)、1.89 (m, 4H)、2.29 (m, 2H)、2.34 (s, 6H)、2.96 (m, 2H)、3.05 (m, 2H)、3.26 (d, J=5.9Hz, 2H)、8.01 (dd, J=8.7Hz, J=1.8Hz, 1H)、8.16 (d, J=8.7Hz, 1H)、8.43(d, J=1.5Hz, 1H)、8.77 (t, J=5.9Hz, 1H)。
MS:C21H28ClN3Oの計算値373.19、実測値373.92 (M+H)+
【0180】
9-クロロ-N-(3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
1H RMN (DMSO-d6, 400MHz) δ (ppm): 1.84 (m, 6H)、2.55 (m, 2H)、2.67 (m, 2H)、2.80 (m, 2H)、2.96 (m, 2H)、3.05 (m, 2H)、3.39 (m, 2H)、3.57 (s, 2H)、7.09 (m, 4H)、7.99 (dd, J=8.8Hz, J=1.7Hz, 1H)、8.09 (d, J=8.8Hz, 1H)、8.44 (d, J=1.5Hz, 1H)、8.86 (t, J=5.4Hz, 1H)。
MS:C26H28ClN3Oの計算値433.19、実測値433.94 (M+H)+
【0181】
上記した方法を用いて以下の化合物も合成した:
9-クロロ-N-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
【0182】
【化25】

【0183】
MS:C26H28ClN3Oの計算値433.19、実測値433.91 (M+H)+
【0184】
9-クロロ-N-((1-(4-メトキシベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
【0185】
【化26】

【0186】
MS:C28H32ClN3O2の計算値477.22、実測値477.99(M+H)+
【0187】
9-クロロ-N-((1-4-N,N-ジメチルベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
【0188】
【化27】

【0189】
MS:C29H35ClN4Oの計算値490.25、実測値491.00(M+H)+
【0190】
9-クロロ-N-((ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
【0191】
【化28】

【0192】
MS:C20H24ClN3Oの計算値357.16、実測値357.93(M+H)+
【0193】
9-クロロ-N-(3-ヒドロキシ-3-フェニル-2-ピロリジン-1-イルメチルプロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
【0194】
【化29】

【0195】
MS:C28H32ClN3O2の計算値477.22、実測値477.99(M+H)+
【0196】
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボン酸(2-ジエチルアミノ-エチル)アミドのクロルヒドラート
【0197】
【化30】

【0198】
MS:C22H26ClN2O.2HClの計算値359.18、実測値360.01(M+H)+
【0199】
ペプシンカップリングによって式(I)の化合物を得るために式(VII)の他の中間体化合物を合成した:
【0200】
式(VIIb)の中間体の調製
【0201】
【化31】

【0202】
ステップ1:縮合
9-オキソ-5-6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-アクリジン-2-カルボン酸(VIb)
ジフェニルエーテル(3mL)中のアミノ酸の懸濁液に、シクロヘキサノンを加え、反応混合物を250℃で10分加熱した。反応の完了をLC/MSでモニターした。これは所望の生成物、中間体水和物を示したが、依然として出発原料は存在した。シクロヘキサノン(0.63mL)を加え、反応混合物を250℃でさらに10分加熱した(LC/MSでモニターした。依然出発原料あり)。LC/MSが完全な生成物形成を示すまで上記工程を繰り返した(全部で5回)。シクロヘキサノンの沸点=155℃であるため、過剰のシクロヘキサノンは低沸点の反応混合物をもたらした。最後に、過剰のシクロヘキサノンを減圧下で除去し(回転式(rota))、残留物を250℃でさらに10分加熱した(これにより反応混合物をより高温にすることができた。混合物温度を制御した)。LCMSは所望の生成物を示した。反応混合物を25℃に冷却し、生成物をろ過し、ペンタンで洗浄し、真空下で乾燥して549mgを茶褐色固体として得た(1H NMRが非常に多くの量の芳香族プロトンを示しているので、質量超過はジフェニルエーテルの可能性がある)。粗生成物をさらに精製することなく使用した。
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ=1.90〜2.00 (m, 4H)、2.98〜3.07 (m, 2H)、3.13〜3.22 (m, 2H)、7.87 (dd, 1H, J=7.5HzおよびJ=9.0Hz)、8.47 (dd, 1H, J=1.5HzおよびJ=9.0Hz)、8.57 (dd, 1H, J=1.5HzおよびJ=7.5Hz)
13C NMR (DMSO-d6, 75MHz) δ=21.2および21.4 (2C)、26.8 (1C)、32.8 (1C)、123.5および124.7 (2C)、127.4〜134.1 (4C)、142.7および142.9 (2C)、159.8 (1C)、165.9(1C)
【0203】
ステップ2:ハロゲン化
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-2-カルボン酸(VIIb)
POCl3中の粗製カルボン酸の懸濁液を100℃で1h加熱した。反応をLCMSで追跡した。これにより、所望の生成物以外に出発原料は示されなかった。過剰のPOCl3を真空下で除去し、残留物を氷中に注ぎ、得られた水性残留物を摩砕し、固体NaHCO3でpHを4に調節し、得られた固体をろ過して、真空下で乾燥した後、127mgの生成物を得た。所望の生成物をリバースフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage flash+、MeCN/H2O 40/60を用いて)で精製した。90mgの純粋な所望生成物をベージュ色固体(28%)として得た。
1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ=1.90〜2.00 (m, 4H)、2.98〜3.07 (m, 2H)、3.13〜3.22 (m, 2H)、7.87 (dd, 1H, J=7.5HzおよびJ=9.0Hz)、8.47 (dd, 1H, J=1.5HzおよびJ=9.0Hz)、8.57 (dd, 1H, J=1.5HzおよびJ=7.5Hz)
13C NMR (DMSO-d6.75MHz) δ=21.2および21.4 (2C)、26.8 (1C)、32.8 (1C)、123.5および124.7 (2C)、127.4〜134.1 (4C)、142.7および142.9 (2C)、159.8 (1C)、165.9 (1C)
【0204】
式(VIIc)の中間体の調製
【0205】
【化32】

【0206】
ステップ1:酸化
4-ニトロイソフタル酸
過マンガン酸カリウムを、温度計と還流冷却器を備えたフラスコ中で水(400mL)に溶解した。4-ニトロ-m-キシレンを加えた。混合物を注意深く85℃に加熱した。
反応混合物を85℃に保持するために冷却が必要であった(熱浴を取り外し、元に戻した)。20分後、混合物を緩やかに3h還流させた(紫色は消失し、混合物はほぼ黒色であった)。温かい混合物をセライト(celite)でろ過した。低温のろ液を濃硫酸で酸性化し、乳状の懸濁液を得た。EtOAc(3×0.5L)で抽出した。一緒にした有機層を脱水し(Na2SO4)、濃縮して白色固体を得た。溶離液としてEtOAc/ヘプタン/AcOH 10:10:1を用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製して2つの画分の白色固体を得た(42%全収率)。
【0207】
ステップ2:ニトロ還元
4-アミノイソフタル酸
EtOH(無水、40mL)中のニトロイソフタル酸の溶液をH-cube(50℃、Pd/C 10%、フルH2、1mL/分)に注入した。
得られた溶液をLCMSで制御した。これにより所望の生成物への完全な転換が示された。
ニトロソ副生物トレースを避けるため、得られたものを、上記した方法でもう一度H-Cubeに注入した。EtOHを真空下で除去し、0.83gの純粋な所望のアニリンを白色固体(97%収率)として得た。きれいなアニリンをさらに精製することなく縮合ステップで使用した。
【0208】
ステップ3:縮合
9-オキソ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-アクリジン-4-カルボン酸(VIc)
ジフェニルエーテル(8mL)中の2-アミノイソフタル酸の懸濁液にシクロヘキサノン(1.5mL)を加え、反応混合物を250℃で10分加熱した。反応の完了をLCMSでモニターした。シクロヘキサノンを加え、反応混合物を250℃でさらに10分加熱した。LCMSが完全な生成物形成を示すまで上記工程を繰り返した。6サイクル後、LCMSは反応の進行を示さなかった。そこで、シクロヘキサノンを真空下で完全に除去した。シクロヘキサノンの沸点=155℃であるため、過剰のシクロヘキサノンは低沸点の反応混合物をもたらした。過剰のシクロヘキサノンを減圧下で除去し(回転式)、次いで1.5mLのシクロヘキサノンを残留物に加え、反応混合物を250℃で10分加熱した(これにより反応混合物をより高温にすることができた)。LCMSは所望の生成物への完全な転換を示した。
反応混合物を25℃に冷却し、生成物をろ過し、ペンタンで洗浄し、次いでMeOHで洗浄し、真空下で乾燥して純粋な所望生成物をベージュ色固体(700mg、63%)として得た。
【0209】
ステップ4:ハロゲン化
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-4-カルボン酸(VIIc)
POCl3中の粗製カルボン酸の懸濁液を100℃で1h加熱した。反応をLCMSで追跡した。これにより、所望の生成物への完全な転換が示された。反応物を室温に冷却し、過剰のPOCl3を真空下で除去した。残留物を氷中に注ぎ、固体NaHCO3でpHを4に調節した。水性混合物を摩砕し、終夜5℃(冷蔵庫)に置いた。得られた固体をろ過し、水で洗浄して濃い灰色の粉末を得た。迅速フラッシュクロマトグラフィー(AcOEt/MeOH 95/5)により76mgの純粋な所望生成物(ベージュ色固体、44%収率)を得た。1H NMRによりトレースまたはEtOAcが示されたので、生成物を高真空下で終夜乾燥し、120℃、周囲圧力で0.5h乾燥した。
1H NMR (DMSO-d6.300MHz) δ=1.85〜1.95 (m, 4H)、2.93〜3.02 (m, 2H)、3.03〜3.10 (m, 2H)、8.01 (d, 1H, J=9.0Hz)、8.20 (dd, 1H, J=2.0HzおよびJ=9.0Hz)、8.75 (d, 1H, J=2.0Hz)、13.35 (br s, 1H)
13C NMR (DMSO-d6, 75MHz) δ=22.2 (2C)、27.4 (1C)、34.1 (1C)、124.2 (1C)、126.1 (1C)、129.2〜130.2 (4C)、141.4 (1C)、148.1 (1C)、162.5 (1C)、167.1 (1C)
【0210】
式(VIIf)の中間体の調製
【0211】
【化33】

【0212】
ステップ1:縮合
11-オキソ-6,7,8,9,10,11-ヘキサヒドロ-5H-シクロヘプタ[b]キノリン-3-カルボン酸(VIIf)
ジフェニルエーテル(15mL)中の2-アミノテレフタル酸(1g、0,005mol)の懸濁液に25℃でシクロヘプタノン(40mL)を加え、反応混合物を250℃で15分加熱した。LC/MSにより95%の生成物形成が示された。反応混合物を23〜25℃に冷却し、ヘキサン(20Vol)を加え20分撹拌した。沈澱した固体をろ過し、ヘキサン(20Vol)で洗浄し、真空下で乾燥した。粗生成物(1.39g)をそのまま次のステップにもち込んだ。
1H NMR (300MHz, DMSO): δ=13.28 (bs, 1H)、11.61 (bs, 1H)、8.14〜8.16 (d, 2H, J=8.1Hz)、7.73〜7.757 (m, 1H)、2.77〜2.84 (m, 4H)、1,69〜1.81 (m, 4H)、1.46 (m, 2H)。
【0213】
ステップ2:ハロゲン化
11-クロロ-7,8,9,10-テトラヒドロ-6H-シクロヘプタ[b]キノリン-3-カルボン酸
化合物VIf(200mg、0.0007mol)をオキシ塩化リン(10Vol)に取り、95℃で8h還流させた。反応をTLCでモニターした。完了したら反応混合物を25℃に冷却し、反応塊を砕氷でクエンチし、10%NaHCO3溶液で塩基性化してpH4〜5にした。水層を酢酸エチル(10倍容積×3)で抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して黄色固体(180mg、86%)を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO): δ=8.456〜8.460 (d, 1H, J=1.2Hz)、8.18〜8.21 (d, 1H, J=8.7Hz)、8.104〜8.138 (d, 1H.8.7Hz)、3.20〜3.25 (m, 4H)、1.85〜1.86 (m, 2H)、1.70〜1.73 (m, 4H)。
【0214】
式(VIIh、VIIi、VIIj)の中間体の調製
【0215】
【化34】

【0216】
ステップ1:ハロゲン化
9-ブロモ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボン酸
トルエン(10mL)中の9-オキソ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(1g、0.42mmol)の懸濁液をオキシ臭化リン(3.54g、1.2mmol)と一緒に100℃で4h加熱した。反応の完了をTLCでモニターした。完了したら反応混合物を25℃に冷却し、固形の氷(50g)でクエンチし、固体重炭酸ナトリウムでpHを4〜5に調節した。沈澱した固体をろ過し、水(250mL)で洗浄し、真空下で乾燥して粗生成物を灰白色固体として得た。粗生成物を分取HPLCで精製して純粋なブロモ化合物(65mg.5%)を灰白色固体として得た。
1H NMR (300MHz, DMSO): δ=8.44 (s, 1H)、8.19〜8.16 (d, 1H, J=9Hz)、8.08〜8.1 1 (d, 1H, J=9Hz)、3.07 (m, 2H)、2.97 (m, 2H)、1.89 (m, 4H)。
【0217】
ステップ2:エステル化
エチル9-ブロモ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキシレート
トルエン(10mL)中の9-オキソ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(1g、0.42mmol)の懸濁液をオキシ臭化リン(3.54g、1.2mmol)と一緒に100℃で4h加熱した。反応の完了をTLCでモニターした。完了したら反応混合物を25℃に冷却しメタノール(10mL)でクエンチし、反応混合物を真空下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラム(60:120)で精製した。生成物をクロロホルム中の2%メタノールで溶出させた。画分を集め、濃縮して純粋な生成物を灰白色固体として得た。この化合物をそのまま次のステップにもち込んだ。
1H NMR (300MHz, DMSO): δ=8.47〜8.49 (m, 1H)、8.21〜8.27 (t, 1H, J=7.5Hz)、8.09〜8.13 (m, 1H)、3.95 (s, 3H)、3.08 (m, 2H)、2.99 (m, 2H)、1.91 (m.4H)。
【0218】
ステップ4:メチル化
エチル9-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキシレート
DME(15mL)およびTHF(10mL)の中の9-ブロモ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸メチルエステル(1g、0.42mmol)の溶液に炭酸カリウム(450mg、0.32mmol)、メチルボロン酸(150mg、0.23mmol)を加え、反応混合物をアルゴンで脱ガスした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(130mg、0.016mmol)を加え、反応混合物を90℃で8h加熱した。反応の完了をTLCでモニターした。完了したら反応混合物を25℃に冷却し、酢酸エチルで希釈し、セライトでろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲル(60:120)カラムで精製した。生成物をエーテル中の10%酢酸エチルで溶出させた。画分を集め、濃縮して生成物を70%の純度の灰白色固体として得た。生成物を分取HPLCでさらに精製した。
1H NMR (300MHz,CDCl3): δ=8.73 (s, 1H)、8.00〜8.08 (m, 2H)、3.99 (s, 3H)、3.01〜3.18 (m, 2H)、2.93 (m, 2H)、2.59(s, 3H)、1.90〜2.03 (m, 4H)。
【0219】
ステップ4:けん化
9-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボン酸
THF:水(6mL:4mL)中の9-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸メチルエステル(120mg、0.04mmol)の溶液に固体水酸化ナトリウム(75mg、0.16mmol)を加え、反応混合物を70℃で3h加熱した。反応の完了をTLCでモニターした。完了したら反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで洗浄した。水層を1.5N塩酸溶液でpH3〜4に酸性化した。沈澱した生成物をろ過し、乾燥して純粋な生成物を灰白色固体(25mg、22%)として得た。化合物を分取HPLCで精製した。
1H NMR (300MHz.DMSO, TFA): δ=8.69 (s, 1H)、8.57〜8.60 (d, 1H, J=9Hz)、8.26〜8.29 (d, 1H, J=9Hz)、3.32 (m, 2H)、3.01 (m, 2H)、2.85 (s, 3H)、1.94 (m, 4H)。
【0220】
ステップ4:水素化
5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボン酸
エタノール(10mL)中の9-クロロ-5,8,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(1g、0.2mmol)の溶液に50%湿潤の10%パラジウム炭素(200mg)を加え、反応混合物を3kgで12h水素化した。反応の完了をTLCでモニターした。反応混合物をセライトでろ過し、エタノールで洗浄し、真空下で濃縮して粗生成物(LC/MSにより51%)を得た。クロロホルム中の5%メタノールを用いてシリカゲル(60:120)クロマトグラフィーで精製して80mg(15%)の純粋な生成物を得た。
1H NMR (300MHz.DMSO): δ=13.15 (s, 1H)、8.43 (s, 1H)、8.09 (s, 1H)、7.91〜7.98 (t, 1H, J=9.6Hz)、2.965〜3.072 (m, 4H)、1.878〜1.972 (m, 4H)。
【0221】
【表1A】

【0222】
【表1B】

【0223】
代表的なシステインプロテアーゼ
USP7タンパク質の生成および精製
USP7をコードするcDNAを胎盤mRNAからのPCR増幅により得た。USP7 cDNAをPCRでバキュロウイルス発現ベクター(pFastBac-HT;Invitrogen)にサブクローニングした。完全長野生型ヒトUSP7および触媒作用変異体(アラニンで置き換えたシステイン223、C223A)を、InvitrogenからのBac-to-Bacバキュロウイルス系を用いて製造業者の取扱説明書にしたがって、ヨトウガ(Spodoptera frugiperda)細胞(Sf9、Invitrogen)中、N末端でHisタグを付けた融合物として生成させた。pFastBac-HT-B-USP7を用いてDHI Obac細胞(Invitrogen)を形質転換させ、青色/白色セレクションをX-gal/IPTG寒天プレートで実施した。バクミドDNAをアルカリ溶解手順で調製した。バクミドミニプレップの完全性およびその向きを、ジェネリックプライマーおよび特異的プライマーを用いてPCRでチェックした。Sf9昆虫細胞をInsectXpress培地(Cambrex)中、27℃で培養し、GeneShuttle 40(Q-BIOgen)を用いて対応するバクミドで形質移入させた。形質移入後72hでウイルスを上澄み中に回収した。ウイルスを、150cm2細胞培養フラスコ中で、50ml InsectXpress培地中の昆虫細胞(Sf9またはHigh Five細胞;invitrogen)を、形質移入されたSf9細胞の500μΙの上澄みで感染させて増幅させた。2回目の増幅に続いて、感染細胞を迅速SDS溶解法により回収し、100℃で5分煮沸し、手短に超音波処理し、14,000gで20分遠心分離にかけた。感染したSf9細胞での発現レベルを、感染していない細胞でのレベルと比較した。次いで融合タンパク質を、緩やかに揺らせながら4℃で30分、TALONビーズ(BD Biosciences、TALON金属親和性樹脂)と結合させた。ビーズを十分に洗浄し(50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.0、500mM NaCl、10mMイミダゾール、0.5%Triton X-100および10%グリセロール)、結合タンパク質を250mMイミダゾールを含む洗浄緩衝液(Sigma)に溶出させた。溶出した画分を4〜12%NuPAGEゲル(Novex、Invitrogen)で分割した。高濃度の精製タンパク質(純度>95%)を含む画分を透析し(20mMトリスHCl pH7.6、200mM NaCl、1mM DTT、1mM EDTAおよび10%グリセロール)、一定分量に分け、液体窒素中で瞬間凍結させ、次いで-80℃で保存した。
【0224】
USP7活性アッセイ
USP7を、USP緩衝液(50mMトリスHCl;0.5mM EDTA;5mM DTT;0.01%Triton X-100;ウシ血清アルブミン0.05mg.ml-1 pH7.6)に希釈した。化合物ストック(10mM)をDMSO中-20℃で保存した。化合物を200μM〜91nMの様々な濃度で試験した。
【0225】
反応を黒色384ウェルプレート(少容積マイクロプレート;Greiner;10μl最終反応容積)で2連で実施した。USP7についての基質濃度は300nM Ub-AMCであった(Chem.Biol.、2003年、10、837〜846頁)(Boston Biochem)。特異性アッセイにおける酵素(USP7)の濃度は100pMであった。特異性アッセイを一定の基質濃度で初期速度下で実施するために、濃度を決定した。化合物を25℃で30分間、酵素でプレインキュベートした。反応を、アッセイ緩衝液に希釈した酵素(+/-化合物)を含むプレートに基質を加えて開始させた。反応物を37℃で60分間インキュベートした。反応を、酢酸を加えて停止させた(最終100mM)。Pherastar蛍光リーダー(BMG)で読み取りを行った。λ発光380nm;λ励起=460nm。データ(平均値+/-標準偏差)を対照(化合物なし)に対する%として分析し、GraphPad(Prism)を用いてパーセンテージ対化合物濃度の対数としてプロットした。データをS字形モデル(可変勾配)に当てはめた。
【0226】
USP5活性アッセイ
USP5をUSP緩衝液(50mMトリスHCl;0.5mM EDTA;5mM DTT;0.01%Triton X-100;ウシ血清アルブミン0.05mg.ml-1 pH7.6)に希釈した。化合物ストック(100mM)をDMSO中-20℃で保存した。化合物を異なる濃度200μM〜91nMで試験した。
【0227】
反応を黒色384ウェルプレート(少容積マイクロプレート;Greiner;10μl最終反応容積)で2連で実施した。USP5についての基質濃度は300nM Ub-AMC(Boston Biochem)であった。特異性アッセイにおける酵素(USP5)の濃度は300pMであった。特異性アッセイを一定の基質濃度で初期速度下で実施するために、濃度を決定した。化合物を25℃で30分間、酵素でプレインキュベートした。反応を、アッセイ緩衝液に希釈した酵素(+/-化合物)を含むプレートに基質を加えて開始させた。反応物を37℃で60分間インキュベートした。反応を、酢酸を加えて停止させた(最終100mM)。Pherastar蛍光リーダー(BMG)で読み取りを行った。λ発光380nm;λ励起=460nm。データ(平均値+/-標準偏差)を対照(化合物なし)に対する%として分析し、GraphPad(Prism)を用いてパーセンテージ対化合物濃度の対数としてプロットした。データをS字形モデル(可変勾配)に当てはめた。
【0228】
USP8のクローニングおよび精製
USP8をコードするcDNAを胎盤mRNAからのPCR増幅により得た。USP8 cDNAをPCRでバキュロウイルス発現ベクター(pFastBac-HT;Invitrogen)にサブクローニングした。変異USP8をコードするcDNAを、変異原性PCRにより生成させた。対応するタンパク質は、残基786でのシステインのアラニンへの置換をコードする。配列を、読み取り枠全体を配列決定することによって確認した。USP8をコードするバクミドをDH10bac転位により生成させた。対応するバクミドを昆虫細胞(Sf9)に形質移入した。ウイルスを培養上澄みから回収し、2倍に増幅した。昆虫細胞(Sf9またはHigh Five;Invitrogen)を72時間感染させた。すべての細胞溶解物を収集し、溶解緩衝液(トリスHCl 50mM pH7.6;0.75%NP40;500mM NaCl;10%グリセロール;1mM DTT;10mMイミダゾール;プロテアーゼ阻害剤カクテル;AEBSF20μg.ml-1;アプロチニン10μg.ml-1)に溶解させた。タンパク質を、金属親和性樹脂(Talon金属親和性樹脂;BD Biosciences)で親和性精製した。結合した物質を、洗浄緩衝液(50mMリン酸ナトリウムpH7.0;300mM NaCl;10mMイミダゾール;0.5%Triton X-100;10%グリセロール)で十分に洗い、樹脂から250mMイミダゾール含有洗浄緩衝液に溶出させた。タンパク質を透析緩衝液(トリスHCl pH7.620mM;NaCl 200mM;DTT 1mM;EDTA 1mM;10%グリセロール)中で透析させた。タンパク質精製物を4〜12%NuPAGE(Invitrogen)で分析した。
【0229】
USP8活性アッセイ
USP8を、USP緩衝液(50mMトリスHCl;0.5mM EDTA;5mM DTT;0.01%Triton X-100;ウシ血清アルブミン0.05mg.ml-1 pH8.8)に希釈した。化合物ストック(100mM)をDMSO中-20℃で保存した。化合物を異なる濃度:200μM〜91nMで試験した。
【0230】
反応を黒色384ウェルプレート(少容積マイクロプレート;Greiner;10μl最終反応容積)で2連で実施した。USP8についての基質濃度は300nM Ub-AMC(Boston Biochem)であった。特異性アッセイにおける酵素(USP8)の濃度は1.36nMであった。特異性アッセイを一定の基質濃度で初期速度下で実施するために、濃度を決定した。化合物を25℃で30分間、酵素でプレインキュベートした。反応を、アッセイ緩衝液に希釈した酵素(+/-化合物)を含むプレートに基質を加えて開始させた。反応物を37℃で60分間インキュベートした。反応を、酢酸を加えて停止させた(最終100mM)。Pherastar蛍光リーダー(BMG)で読み取りを行った。λ発光380nm:λ励起=460nm。データ(平均値+/-標準偏差)を対照(化合物なし)に対する%として分析し、GraphPad(Prism)を用いてパーセンテージ対化合物濃度の対数としてプロットした。データをS字形モデル(可変勾配)に当てはめた。
【0231】
UCH-L1活性アッセイ
UCH-L1を、USP緩衝液(50mMトリスHCl;0.5mM EDTA;5mM DTT;0.01%Triton X-100;ウシ血清アルブミン0.05mg.ml-1 pH7.6)に希釈した。化合物ストック(100mM)をDMSO中-20℃で保存した。化合物を200μM〜91nMの異なる濃度で試験した。
【0232】
反応を黒色384ウェルプレート(少容積マイクロプレート;Greiner;10μl最終反応容積)で2連で実施した。UCH-L1についての基質濃度は300nM Ub-AMC(Boston Biochem)であった。特異性アッセイにおける酵素(UCH-L1)の濃度は2.5nMであった。特異性アッセイを一定の基質濃度で初期速度下で実施するために、濃度を決定した。化合物を25℃で30分間、酵素でプレインキュベートした。反応を、アッセイ緩衝液に希釈した酵素(+/-化合物)を含むプレートに基質を加えて開始させた。反応物を37℃で60分間インキュベートした。反応を、酢酸を加えて停止させた(最終100mM)。Pherastar蛍光リーダー(BMG)で読み取りを行った。λ発光380nm;λ励起=460nm。データ(平均値+/-標準偏差)を対照(化合物なし)に対する%として分析し、GraphPad(Prism)を用いてパーセンテージ対化合物濃度の対数としてプロットした。データをS字形モデル(可変勾配)に当てはめた。
【0233】
UCH-L3活性アッセイ
UCH-L3を、USP緩衝液(50mMトリスHCl;0.5mM EDTA;5mM DTT;0.01%Triton X-100;ウシ血清アルブミン0.05mg. ml-1 pH7.6)に希釈した。化合物ストック(100mM)をDMSO中-20℃で保存した。化合物を200μM〜91nMの異なる濃度で試験した。
【0234】
反応を黒色384ウェルプレート(少容積マイクロプレート;Greiner;10μl最終反応容積)で2連で実施した。UCH-L3についての基質濃度は300nM Ub-AMC(Boston Biochem)であった。特異性アッセイにおける酵素(UCH-L3)の濃度は13pMであった。特異性アッセイを一定の基質濃度で初期速度下で実施するために、濃度を決定した。化合物を25℃で30分間、酵素でプレインキュベートした。反応を、アッセイ緩衝液に希釈した酵素(+/-化合物)を含むプレートに基質を加えて開始させた。反応物を37℃で60分間インキュベートした。反応を、酢酸を加えて停止させた(最終100mM)。Pherastar蛍光リーダー(BMG)で読み取りを行った。λ発光380nm;λ励起=460nm。データ(平均値+/-標準偏差)を対照(化合物なし)に対する%として分析し、GraphPad(Prism)を用いてパーセンテージ対化合物濃度の対数としてプロットした。データをS字形モデル(可変勾配)に当てはめた。
【0235】
カスパーゼ3活性アッセイ
カスパーゼ3を、カスパーゼ3緩衝液(100mM Hepes pH7.5;10%スクロース;0.1%CHAPS)に希釈した。化合物ストック(100mM)をDMSO中-20℃で保存した。化合物を200μM〜91nMの異なる濃度で試験した。
【0236】
反応を黒色384ウェルプレート(少容積マイクロプレート;Greiner;10μl最終反応容積)で2連で実施した。カスパーゼ3特異性アッセイのための基質濃度は250nM(Ac-DEVD-AMC;Promega)であった。特異性アッセイにおける酵素(カスパーゼ3)の濃度は1.6nMであった。特異性アッセイを一定の基質濃度で初期速度下で実施するために、濃度を決定した。化合物を25℃で30分間、酵素でプレインキュベートした。反応を、アッセイ緩衝液に希釈した酵素(+/-化合物)を含むプレートに基質を加えて開始させた。反応物を37℃で60分間インキュベートした。反応を、酢酸を加えて停止させた(最終100mM)。Pherastar蛍光リーダー(BMG)で読み取りを行った。λ発光380nm;λ励起=460nm。データ(平均値+/-標準偏差)を対照(化合物なし)に対する%として分析し、GraphPad(Prism)を用いてパーセンテージ対化合物濃度の対数としてプロットした。データをS字形モデル(可変勾配)に当てはめた。
【0237】
細胞生存率および増殖方法
HCT116細胞生存率および増殖アッセイ
HCT116結腸癌細胞をATCC(American Type Culture Collection)から入手し、10%FBS、3mMグルタミンおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むMc Coy's 5A培地中で保持した。細胞を、5%CO2を含む加湿環境下、37℃でインキュベートした。
【0238】
細胞生存率を、96ウェル培養プレート(CellTiter96(登録商標)水性非放射性細胞増殖アッセイ、Promega)中でMTS techniqueを用いて製造業者の取扱説明書にしたがってアッセイした。MTS(3-(4,5-ジメチル-チアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシ-メトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム)は、代謝的に活性な細胞中で還元されて可溶性の細胞浸透性ホルマザンになるMTT誘導テトラゾリウムである。492nmでのその吸光度により検出されるホルマザンの量は、代謝的に活性な生存細胞の数に比例する。
【0239】
103個のHCT116細胞をウェルごとに播種した。24時間後、培地を取り替え、細胞を100μM〜50nMの各化合物濃度で3連で処理した。化合物を100%DMSOに希釈し、その最終濃度を細胞に対して0.5%に保った。
【0240】
細胞を化合物で72時間インキュベートし、次いでMTSを2時間で添加してその生存率をアッセイした。492nmでの吸光度を96ウェル培養プレートから直接測定した。各化合物についてのGI50(成長阻害50)濃度を、S字形可変勾配当てはめ(Prism4.0、Graphpad Softwares)を用いて算出した。値は、独立した3つの実験の平均値で表す。
【0241】
細胞溶解物において活性な脱ユビキチン化酵素のパネルによる化合物選択性の評価方法
ユビキチンのC末端修飾したビニルスルホン誘導体、UbVSは、細胞中での活性DUBの直接可視化に明らかに有用である。脱ユビキチン化酵素のシステイン活性部位と共有結合するこの手段は、新規なユビキチン/ユビキチン様プロテアーゼを発見して特性評価し、正常細胞、ウイルス感染細胞および悪性細胞における活性脱ユビキチン化酵素をプロファイリングするための適用に成功している(Borodovskyら、Chem Biol 2002年、9、1149〜1159頁、Hemelaarら、Mol Cell Biol 2004年、24、84〜95頁、Ovaaら、Proc Natl Acad Sci USA 2004年、101、2253〜2258頁)。
【0242】
この試験では、HA-Ub-VSプローブ(ヘマグルチニンタグ-ユビキチン-ビニルスルホン)を使用して細胞溶解物からのすべての脱ユビキチン化酵素の活性を直接可視化した。この手段を、本発明者らの小分子化合物の、生理学的条件で活性なすべての脱ユビキチン化酵素に対するUSP7についての活性/特異性を評価するために用いた。
【0243】
誘導可能なUSP7 shRNA HCT116細胞(ドキシサイクリン(2μg/ml)を用いてまたは用いずに予め4日間処理)ならびにHEK293細胞を収集し、トリスpH7.4、50mM;NaCl、150mM; MgCl2、5mM;EDTA、0.5mM;DTT、2mM;ATP、2mM;NP40、0.5%およびグリセロール、10%を含む非変性緩衝液を用いて氷上で溶解させた。サンプルを4℃で1時間インキュベートし清澄化した。次いでタンパク質をBradford法(Bio-Radタンパク質アッセイ)で定量化した。天然細胞溶解物からのタンパク質25μgを、実施例14および実施例5の化合物(100μM〜3μM)またはNEM(N-エチルマレイミド、チオール反応性化合物、5mM)を用いて室温で2時間処理した。ラベリング緩衝液(トリスpH7.6、50mM; MgCl2、5mM;EDTA、0.5mM;DTT、2mM;ATP、2mM;スクロース、250mM)中のHA-Ub-VS(8μg/ml)を添加してユビキチンラベリング反応を開始させ、室温で30分インキュベートした。次にサンプルを100℃で10分間加熱し、手短に超音波処理した。これらをSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)で分割し、ニトロセルロース膜に移し、USP7(Bethyl Lab、A300-034A)、HA(BabCO、MMS-101P)およびアクチン(Sigma、A2066)に対する抗体でプローブした。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲート抗マウス(Jackson Laboratories、115-035-003)またはHRPコンジュゲート抗ウサギ(Cell Signaling、7074)抗体を二次抗体として使用した。シグナルを、高感度ケミルミネッセンス法(ECL;Amersham)により試薬製造業者の取扱説明書にしたがって検出した。
【0244】
結果
1.USP7脱ユビキチン化活性の選択的阻害
結果を以下の表にまとめる(μM):
【0245】
【表2】

【0246】
2.細胞生存率/増殖の阻害
結果を以下の表にまとめる(μM):
【0247】
【表3】

【0248】
3.生理学的条件での活性DUBのパネルによるUSP7脱ユビキチン化活性の選択的阻害:
図1Aにまとめたように、ユビキチン(HA-Ub-VS)のC末端修飾したビニルスルホン誘導体は、脱ユビキチン化酵素のシステイン活性部位と共有結合する。このラベリング、続く抗HA抗体での免疫ブロットによって、HCT116細胞溶解物からのすべての活性脱ユビキチン化酵素の識別が可能になる(図1B)。さらに、活性USP7を、抗USP7抗体での免疫ブロット法に続いて観察される移動度シフトによって示されるように、このアッセイで特定した。DUBの活性形態に特異的なこのラベリングは、非特異的な方法でチオール反応性化合物(NEM)によって阻害される(図1B)。
【0249】
HA-Ub-VSラベリングに続く活性DUBのパネルにおける活性USP7に対応するシグナルを局在化させるために、誘導可能なshRNA USP7 HCT116細胞系をドキシサイクリン(Dox)で処理し、USP7 shRNAの発現が可能になるようにした。興味深いことに、USP7サイレンシングに続いて1つのバンドだけが減少しており、これは、このバンドがHA-Ub-VS-USP7に対応することを明らかに示している(図2A)。この特異的な減少を示す定量化を図2B(定量化は画像解析ソフトウェア、GeneTools、Syngeneを用いて実施した)に示す。ドキシサイクリン処理によって誘発されたUSP7サイレンシングを抗USP7抗体で確認した。
【0250】
小分子化合物を用いた試験を、HCT116細胞溶解物に対して固定用量の実施例14の化合物(50μM)を用いてまず実施した。興味深いことに、HA-Ub-VS-USP7に対応するサイズでの処理に続いて1つのバンドだけが減少していた(図3A)。この特異的な減少を示す定量化を図3B(定量化は画像解析ソフトウェア、GeneTools、Syngeneを用いて実施した)に示す。USP7活性に対するこの効果は、処理サンプルと未処理サンプルとの間で観察される移動度シフトで示されるように、抗USP7抗体で確認された。
【0251】
次にHCT116細胞を、異なる用量の実施例14および実施例5の化合物またはドキシサイクリンで処理してUSP7サイレンシングを誘発させた。ドキシサイクリンの存在で示されるようにHA-Ub-VS-USP7タンパク質の局在化はUSP7の特異的サイレンシングによって促進された(図4A、+Dox)。このバンドが特定されたら、細胞溶解物を異なる用量の実施例14および実施例5の化合物で処理し、HA-Ub-VS-USP7タンパク質レベルの特異的で用量依存的な減少が明らかに観察された(図4Aおよび図4B)。USP7活性に対するこの効果は、処理サンプルと未処理サンプルとの間で観察される移動度シフトで示されるように、抗USP7抗体で確認された。興味深いことに、こうした発見は、HEK293細胞から調製した細胞溶解物においても確認された(図5Aおよび図5B)。したがって、これらの結果は、この新規な化合物系統からの異なる化合物(実施例14および実施例5の化合物)が、生理学的条件における活性DUBのパネルにより、USP7脱ユビキチン化活性を特異的で用量依存的に阻害することを実証している。
【0252】
4.USP修飾因子の評価のためのUSP7およびUSP8基質としてのUb52の使用
化合物26〜38について、以下の手順にしたがってUSP7およびUSP8に対するインビトロアッセイを実施した。
【0253】
ユビキチン-リボソームタンパク質融合物の調製
ユビキチンとリボソームタンパク質L40との間の融合タンパク質(ub52もしくはuba52またはユビキチン-L40)をコードするcDNAを、独占所有の(proprietary)ヒト胎盤ライブラリーを用いてヒトRNAから増幅させた。cDNAを、コードタンパク質のカルボキシル末端基に追加のflagタグを含む細菌発現ベクター(pGEX-2T、GE Healthcare)にサブクローニングした。以下のプライマーを、GSTタグとインフレームで、ユビキチン-L40をpGEX-2Tに:5'-cgtggatccatgcagatctttgtgaagaccctc-3'(配列番号:10)および5'-gcgaattctttatcgtcatcgtctttgtagtctttgaccttcttcttgggacg-3'(配列番号:11)をBamHI & EcoRI制限酵素部位にサブクローニングするために使用した。
【0254】
組み換えタンパクの生成および精製のために、プラスミドpGEX-2T-Ub52-flagを大腸菌(E.coli)BL21(Stratagene)に形質転換させ、100mg/mlアンピシリン(LB ampi)を含むLB培地中、37℃で終夜成長させ、次いでLB ampiへ1/100に希釈した。細胞を、37℃でA600=0.6〜0.8に達するまでインキュベートした。0.1mMイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)で導入した後、培養物を30℃で180分インキュベートした。
【0255】
4℃、7000×gで15分遠心分離にかけて細胞を収集した。細菌ペレットをNETN(トリスHCl pH8.0;EDTA 1mM;NP40 0.5%;プロテアーゼ阻害剤カクテル、PMSF 1mM)に溶解させ、手短に超音波処理した。14000×gで30分遠心分離にかけて不溶性物質を除去した。GST-Ub52-flagタンパク質をEverett RDら、EMBO J.(1997)16、1519〜1530頁にしたがって精製した。手短に言えば、可溶性画分を、NETN緩衝液+0.5%ミルク中、4℃で120分予め平衡化させたグルタチオンビーズでインキュベートした。通過画分を回収した。ビーズを十分に洗浄した。最終洗浄はトリスHCl pH7.620mM;NaCl 100mM;MgCl2 12mMで実施した。溶出を、50mMトリスHCl pH8.0、NaCl 120mM中の20mM還元グルタチオンを用いて実施した。すべての画分を4〜12%NuPAGEで分割し、続いて0.1M DTTで処理し変性させ、クマシーブリリアントブルーで染色した。溶出液を、トリスHCl pH7.6 20mM;NaCl 50mM;DTT 0.5mM中、4℃で終夜透析させた。
【0256】
均一時間分解蛍光発光(HTRF(登録商標))測定法を用いた融合タンパク質(GST-Ub52-Flag)のアッセイ
本発明の実施例26〜38により、均一媒体中での放射能移動(radioactive transfer)によって放出された蛍光の時間分解測定をもとにしたアッセイでのGST-Ub52-Flagの使用の正当性の立証が可能になる。
【0257】
使用した試薬は以下の通りである:
Anti-flag-Kと称されるAnti-flag抗体-ユーロピウムクリプテート抱合体(CIS bio international)、0.8M KF、0.1%ウシ血清アルブミン、トリスHCl 25mM pH7.6中に0.2μMの溶液。
抗GST抗体-XL665抱合体(CIS bio international)、0.8M KF、0.1%ウシ血清アルブミン、トリスHCl 25mM pH7.6中に2.6μMの溶液。
14.75μMのGST-Ub52-Flag溶液および37.7μMのMBP_Ub52を、上記したストック溶液から50mMトリスHCl pH7.6、EDTA 0.5mM、ウシ血清アルブミン0.05%、DTT 5mM中へ調製。
【0258】
アッセイをマルチウェルアッセイプレートで実施する。プレートを、4℃で終夜インキュベートした後、PHERAstar蛍光光度計(BMG)で分析する(励起337nm、発光620および665nm)。
【0259】
脱ユビキチン化タイプの酵素の活性のユビキチン-リボソームタンパク質融合によるアッセイ
試薬は以下のものを使用した:
50mMトリスHCl pH7.6、ウシ血清アルブミン0.05%、DTT 5mM中に200pMのUSP7および400pMのUSP8の溶液。
Anti-flag-K(CIS bio international)、0.8M KF、0.1%ウシ血清アルブミン、トリスHCl 25mM pH7.6中に0.2μMの溶液。
抗GST抗体-XL665抱合体(CIS bio international)、0.8M KF、0.1%ウシ血清アルブミン、トリスHCl 25mM pH7.6中に2.6μMの溶液。
14.75μMのGST-Ub52-flag溶液および37.7μMのMBP_Ub52を、上記ストック溶液からの50mMトリスHCl pH7.6、EDTA 0.5mM、ウシ血清アルブミン0.05%、DTT5mM中への希釈により調製する。
【0260】
酵素反応を、GST-Ub52-flag溶液を5μlのUSP7溶液(最終200pM)または5μlのUSP8(最終400pM)と混合して実施する。この混合物を、マルチウェルアッセイプレートで、室温で1時間インキュベートする。5μlのAnti-flag-K溶液(0.2μM)+5μlの抗GST-XL665抗体(2.6μM)の10μl混合物を、マルチウェルアッセイプレートの各ウェルに加える。4℃で終夜インキュベートした後、PHERAstar蛍光光度計(BMG)でプレートを読取る。
【0261】
シグナルの減少は、酵素活性の増大、すなわちGST-Ub52-Flag基質の切断と相関する。したがって用いたフォーマットは、ユビキチン特異的プロテアーゼなどの脱ユビキチン化タイプの酵素をアッセイする方法に十分に適しており、また、この酵素活性の修飾因子を決定するのにも適している。
【0262】
脱ユビキチン化タイプの酵素活性の修飾因子の決定
脱ユビキチン化タイプの酵素の活性をアッセイするために上記したのと同じ手順を実施する。しかし、種々の反応混合物を、試験化合物26〜38の存在下または非存在下、同じ酵素濃度でインキュベートする。データ(平均値+/-標準偏差)を対照(化合物なし)に対する%として分析し、GraphPad(Prism)を用いてパーセンテージ対化合物濃度の対数としてプロットした。データをS字形モデル(可変勾配)に当てはめ、IC50(μM)を決定し以下の表に示した。
【0263】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

{式中、
iは、nが1である場合0、1、2もしくは3から、またはnが2である場合0、1、2、3もしくは4から、またはnが3である場合0、1、2、3、4もしくは5から選択される整数であり、
jは0、1、2または3から選択される整数であり、
kは0または1から選択される整数であり、
同じかまたは異なっているnおよびn'は0、1、2または4から選択される整数であり、ただし2≦n+n'≦4であり、
ZはCH2<、-HC<、-N<、NH<またはO<であり、
A環の利用可能な任意の位置にある各Riは、同じかまたは異なっており、ハロゲン、アルキル、アリール、-アルキルアリール、OR、NRR'、CN、CF3、COR、COOR、CONRR'から選択され、
C環の利用可能な任意の位置にある各Rjは、同じかまたは異なっており、ハロゲン、アルキル、アリール、-アルキルアリール、OR、NRR'、CN、COR、COOR、CONRR'から選択され、
Rkは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノから独立に選択され、
Xは、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから選択され、前記アルキルおよび/またはアリールは、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、
Yは:
(CT2')pNRaRb
(式中、
同じかまたは異なっているRaおよびRbは、H、アルキル、アリールまたはアリールアルキルから独立に選択され、前記アリールは、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、=O、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されているか、
または、RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を含んでよいN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、=O、アルキル、-アルキルアリールまたはアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは、ハロゲン、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、前記複素環はアリールと任意選択で縮合しており、
pは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各T'は、Hまたは直鎖状もしくは分岐状アルキルから独立に選択され、前記アルキルは、1つまたは複数のOR、アリールで任意選択で置換されている)、
【化2】

(式中、
【化3】

は、アルキル、-アルキルアリール、OR、C(=O)OR、=O、CN、CF3、COR、NRR'、CONRR'、アリールまたは-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されている、N、OまたはSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む飽和または部分不飽和の単環式または二環式の複素環またはヘテロアリールであり、前記アリールは、直鎖状または分岐状アルキル、ハロゲン、OR、CORまたはNR'Rで任意選択で置換されており、
qは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択される)、
(CHT)r-アリール
(式中、
前記単環式または二環式アリールは、アルキル、OR、CF3、SO2NRR'、-C(=O)-R、ハロゲン、CN、-NRR'、CONRR、C(=O)-Oアルキルの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アルキルは、NRR'またはNR''R'''で任意選択で置換されており、かつ/または前記単環式または二環式アリールは単環式5〜7員複素環と任意選択で縮合しており、
rは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択され、
R''とR'''はそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を含んでよいN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'の1つまたは複数で任意選択で置換されている)、
(CHT)s-(C3〜C7)シクロアルキル
(式中、
sは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択され、
前記シクロアルキルは単環式であるかまたはアリールと縮合している)、
CN、Oアルキルで任意選択で置換されているアルキル、
U-S(O)t-アルキル
(式中、
tは0、1または2から選択される整数であり、
-U-は、OR、=O、CF3、SO2NRR'、-C(=O)-R、ハロゲン、CN、-NRR'、CONRR、C(=O)ORの1つまたは複数で任意選択で置換されているアルキレンである)
から選択されるか、
あるいは、XとYはそれらが結合しているN原子と一緒になって、前記N原子および任意選択でさらに1個または2個のヘテロ原子を含む複素環を形成しており、前記複素環は、任意選択で不飽和であり、かつ/または
=O、Hal、CN、NRR'、C(=O)アルキル、アルキル、シクロアルキル、複素環、C(=O)-Oアルキル、-アルキル複素環、アリールまたは-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは複素環と任意選択で縮合しており、かつ/または前記アリールはアルキルまたはCOアルキルで任意選択で置換されており、前記複素環はアルキルで任意選択で置換されており、
アリールと任意選択で縮合しており、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択される}
もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
k=1であり、Rkがハロゲンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
n'が1であり、nが2である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
Xが請求項1から3のいずれかに記載の通りであり、Yが:
(CT2')pNRaRb
(式中、
同じかまたは異なっているRaおよびRbは、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択され、前記アリールは、アルキルで任意選択で置換されており、
pは0〜4であるか、
または、
RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を任意選択で含む5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、=O、アルキル、-アルキルアリールまたはアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、アリールは、ハロゲン、=O、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、前記複素環はアリールと任意選択で縮合しており、
pは2または3から選択され、
同じかまたは異なっている各T'は、Hまたは直鎖状もしくは分岐状アルキルから独立に選択され、前記アルキルは、1つまたは複数のOR、アリールで任意選択で置換されている)、
【化4】

(式中、
【化5】

は、アルキル、OR、C(=O)OR、アリールまたは-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されている、N、OまたはSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む飽和または部分不飽和の二環式の複素環またはヘテロアリールであり、前記アリールは、アルキル、ハロゲン、OR、CORまたはNR'Rで任意選択で置換されており、
qは0、1、2または3から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択される)、
(CHT)r-アリール
(式中、
前記アリールは、アルキル、OR、SO2NRR'、-C(=O)-R、ハロゲン、CN、C(=O)-Oアルキルの1つまたは複数で任意選択で置換されている単環または二環であり、前記アルキルは、NRR'またはNR''R'''で任意選択で置換されており、前記アリールは複素環と任意選択で縮合しており、
rは0、1、2または3から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択される)
から選択されるか、
あるいは、
XとYがそれらが結合しているN原子と一緒になって、前記N原子および任意選択でさらに1個または2個のヘテロ原子を含む複素環を形成しており、前記複素環が、
任意選択で不飽和であり、かつ/または
=O、アルキル、シクロアルキル、複素環、-アルキル複素環、C(=O)-Oアルキル、アリールまたは-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールはアルキルで任意選択で置換されており、前記複素環はアルキルで任意選択で置換されており、
アリールと任意選択で縮合しており、
好ましくは、qが1、2または3であり、rが1、2または3である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
n'=1であり、n=2または3であり、
Xが請求項1から4のいずれか一項に記載の通りであり、Yが:
(CT2')pNRaRb
(式中、
同じかまたは異なっているRaおよびRbは、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択され、前記アリールは、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されているか、
または、RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を任意選択で含むN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、アルキル、-アルキルアリールまたはアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは、ハロゲン、=O、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、前記複素環はアリールと任意選択で縮合しており、
pは2〜3から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各T'は、Hまたは直鎖状もしくは分岐状アルキルから独立に選択され、前記アルキルは、1つまたは複数のOR、アリールで任意選択で置換されており、一実施形態では、T'の少なくとも1つはHとは異なる)、または、
【化6】

(式中、
【化7】

は、アルキル、-アルキルアリール、OR、C(=O)OR、=O、CN、CF3、COR、NRR'、CONRR'、アリールの1つまたは複数で任意選択で置換されている、N、OまたはSから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む飽和または部分不飽和の単環式または二環式の複素環またはヘテロアリールであり、前記アリールは、アルキル、ハロゲン、OR、CORまたはNR'Rで任意選択で置換されており、
qは1、2または3であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択される)、
(CHT)r-アリール
(式中、
前記アリールは単環式アリールであり、アルキル、SO2NRR'、-C(=O)-R、CN、C(=O)-Oアルキルの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アルキルはNRR'またはNR''R'''で置換されており、
rは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択され、
R''とR'''はそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を含んでよいN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'の1つまたは複数で任意選択で置換されている)
から選択されるか、
あるいは、XとYがそれらが結合しているN原子と一緒になって、前記N原子および任意選択でさらに1個または2個のヘテロ原子を含む複素環を形成しており、前記複素環は、任意選択で不飽和であり、かつ/または
=O、アルキル、シクロアルキル、複素環、-アルキル複素環、C(=O)-Oアルキル、-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは複素環と任意選択で縮合しており、かつ/または前記アリールはアルキルまたはCOアルキルで任意選択で置換されており、前記複素環は1個または2個の窒素原子を含み、アルキルで任意選択で置換されており、
アリールと任意選択で縮合しており、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、アルキルアリールから独立に選択される、
請求項1、2および4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
n'=1であり、n=2または3であり、
Xが、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから選択され、前記アルキルおよび/またはアリールが、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、
Yが:
(CT2')pNRaRb
(式中、
同じかまたは異なっているRaおよびRbは、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択され、前記アリールは、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、
pは1、2または3であるか、または
RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になってN含有5〜7員複素環を形成しており、ヘテロ原子と隣接する炭素原子はアルキルで任意選択で置換されており、前記複素環はアリールと任意選択で縮合しており、
pは3または4であるか、または
RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を含んでよいN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、=O、アルキル、-アルキルアリールまたはアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは、ハロゲン、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、
pは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各T'は、Hまたは直鎖状もしくは分岐状アルキルから独立に選択され、前記アルキルは、1つまたは複数のOR、アリールで任意選択で置換されており、T'の少なくとも1つはHとは異なる)、
(CHT)r-アリール
(式中、
前記アリールは単環式アリールであり、アルキル、SO2NRR'、-C(=O)-R、CN、C(=O)-Oアルキルの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アルキルはNRR'またはNR''R'''で置換されており、
rは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択される)、
【化8】

(式中、
【化9】

は、窒素原子を含み、アルキル(ただし、前記アルキルはエチルではない)、-アルキルアリール、OR、C(=O)OR、=O、CN、CF3、COR、NRR'、CONRR'、アリールで置換されており、前記アリールがアルキル、ハロゲン、OR、CORまたはNR'Rで任意選択で置換されている飽和単環式5員複素環であるか、または窒素原子を含み、-アルキルアリール、OR、C(=O)OR、=O、CN、CF3、COR、NRR'、CONRR'、アリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールがハロゲン、COR、ORまたはNR'Rで任意選択で置換されている単環式6員複素環であり、
qは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択される)
から選択されるか、
あるいは、XとYがそれらが結合しているN原子と一緒になって前記N原子および任意選択でさらに1個または2個のヘテロ原子を含む複素環を形成しており、前記複素環は、任意選択で不飽和であり、かつ/または
=O、アルキル、シクロアルキル、複素環、-アルキル複素環、C(=O)-Oアルキル、-アルキルアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは複素環と任意選択で縮合しており、かつ/または前記アリールはアルキルまたはCOアルキルで任意選択で置換されており、前記複素環は1個または2個の窒素原子を含み、アルキルで任意選択で置換されており、
アリールと任意選択で縮合している、
請求項1、2、4および5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
以下の式:
【化10】

{式中、
iは0、1、2、3または4から選択される整数であり、
jは0、1、2または3から選択される整数であり、
A環の利用可能な任意の位置にある各Riは、同じかまたは異なっており、ハロゲン、アルキル、アリール、-アルキルアリール、OR、NRR'、CN、CF3、COR、COOR、CONRR'から選択され、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択され、
XはHであり、
Yは:
(CHT)r-アリール
(式中、
前記アリールは単環式アリールであり、アルキル、SO2NRR'、-C(=O)-R、CN、-NRR'、CONRR、C(=O)-Oアルキルの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アルキルはNRR'またはNR''R'''で置換されており、
rは0〜6から選択される整数であり、
各TはHであり、
R''とR'''はそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を含んでよいN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'の1つまたは複数で任意選択で置換されており、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択される)、
(CT2')pNRaRb
(式中、
各T'がHである場合、
RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になって、
ヘテロ原子と隣接する炭素原子がアルキルで置換されているN含有モノ置換6員複素環を形成しており、pは1、3または4であるか、または
N含有6員複素環を形成しており、pは1〜4であるか、または
ヘテロ原子と隣接する炭素原子がアルキルで置換されているN含有5員複素環を形成しており、pは1〜4であるか、または
アルキルで任意選択で置換されているN含有7員複素環を形成しており、pは1、2または4であるか、または
N含有5員複素環を形成しており、pは1、2または4であり、
ハロゲン、-アルキルアリールまたはアリールの1つまたは複数で置換されているN含有5〜7員複素環を形成しており、前記アリールは、ハロゲン、-CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'の1つまたは複数で任意選択で置換されており、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択され、
同じかまたは異なっている各T'がHまたは直鎖状もしくは分岐状アルキルから独立に選択され、前記アルキルが、1つまたは複数のOR、アリールで任意選択で置換されており、前記T'の少なくとも1つがHとは異なる場合、
同じかまたは異なっているRaおよびRbは、H、アルキル、アリールまたはアリールアルキルから独立に選択され、前記アリールは、ハロゲン、アルキル、CN、CF3、=O、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、pは0〜6から選択される整数であるか、または
RaとRbはそれらが結合しているN原子と一緒になって、N、OまたはSから選択されるさらに1個または2個のヘテロ原子を含んでよいN含有5〜7員複素環を形成しており、前記複素環は、ハロゲン、=O、アルキル、-アルキルアリールまたはアリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールは、ハロゲン、CN、CF3、OR、NRR'、COR、COOR、CONRR'で任意選択で置換されており、pは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択される)、
【化11】

(式中、
【化12】

は、
窒素原子を含み、アルキル(ただし、前記アルキルはエチルではない)、-アルキルアリール、OR、C(=O)OR、=O、CN、CF3、COR、NRR'、CONRR'、アリールで置換されており、前記アリールがアルキル、ハロゲン、OR、CORまたはNR'Rで任意選択で置換されている飽和単環式5員複素環であるか、または
窒素原子を含み、-アルキルアリール、OR、C(=O)OR、=O、CN、CF3、COR、NRR'、CONRR'、アリールの1つまたは複数で任意選択で置換されており、前記アリールがハロゲン、COR、ORまたはNR'Rで任意選択で置換されている単環式6員複素環であり
qは0〜6から選択される整数であり、
同じかまたは異なっている各TはHまたはアルキルから独立に選択され、
同じかまたは異なっているRおよびR'は、H、アルキル、アリール、-アルキルアリールから独立に選択される)
から選択されるか、
あるいは、XとYはそれらが結合しているN原子と一緒になって、前記N原子および任意選択でさらに1個または2個のヘテロ原子を含む複素環を形成しており、前記複素環は任意選択で不飽和であり、かつ/または1つまたは複数の複素環または-アルキル複素環で任意選択で置換されており、前記複素環は1個または2個のヘテロ原子を含み、アルキルで任意選択で置換されている}
の化合物である、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩。
【請求項8】
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[1-(3-メチル-ベンジル)-ピペリジン-4-イルメチル]-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(1-エチル-ピロリジン-2-イルメチル)-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(2-ジプロピルアミノ-エチル)-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[2-(ブチル-エチル-アミノ)-エチル]-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(ベンジル-エチル-アミノ)-プロピル]-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-ジプロピルアミノ-プロピル)-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(2-ジエチルアミノ-エチル)-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-ピロリジン-1-イル-プロピル)-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(2,6-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-プロピル]-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-ジエチルアミノ-プロピル)-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド
アゼパン-1-イル-(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-イル)-メタノン
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(4-プロピル-ピペラジン-1-イル)-プロピル]-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(ベンジル-メチル-アミノ)-プロピル]-アミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸[3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロピル]-アミド
[1,4']ビピペリジニル-1'-イル-(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-イル)-メタノン
9-クロロ-N-(3-(2-メチルピペリジン-1-イル)プロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(2-(1-メチルピロリジン-2-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-(4-メトキシベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-4-N,N-ジメチルベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-ヒドロキシ-3-フェニル-2-ピロリジン-1-イルメチルプロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
N-(2-(アゼパン-1-イル)エチル)-9-クロロ-5,67,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(4-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)メタノン
(9-クロロ-5.6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)メタノン
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(ピペリジン-1-イル)メタノン
N-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-9--クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-フェネチルピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(5-(ジエチルアミノ)ペンタン-2-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(R)-9-クロロ-N-((1-エチルピロリジン-2-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(S)-9-クロロ-N-((1-エチルピロリジン-2-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ジメチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボン酸(2-ジエチルアミノ-エチル)アミドのクロル水和物
から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩。
【請求項9】
9-クロロ-N-(3-(2-メチルピペリジン-1-イル)プロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(2-(1-メチルピロリジン-2-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)フェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-(4-メトキシベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-4-N,N-ジメチルベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-ヒドロキシ-3-フェニル-2-ピロリジン-1-イルメチルプロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-カルボン酸(3-ピロリジン-1-イル-プロピル)-アミド
アゼパン-1-イル-(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-イル)-メタノン
[1,4]ビピペリジニル-1'-イル-(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-アクリジン-3-イル)-メタノン
N-(2-(アゼパン-1-イル)エチル)-9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(4-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)メタノン
(9-クロロ-5.6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)メタノン
(9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-イル)(ピペリジン-1-イル)メタノン
N-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-9--クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-((1-フェネチルピペリジン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(5-(ジエチルアミノ)ペンタン-2-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(R)-9-クロロ-N-((1-エチルピロリジン-2-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
(S)-9-クロロ-N-((1-エチルピロリジン-2-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-N-(3-(ジメチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル)-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボキサミド
9-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロアクリジン-3-カルボン酸(2-ジエチルアミノ-エチル)アミドのクロル水和物
から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩。
【請求項10】
式(VII)の対応する化合物:
【化13】

の、ペプチドカップリングによる式(VIII)の対応する化合物:
【化14】

(式中、i、j、k、n、Z、Ri、RjおよびRkは式(I)の通りに定義され、RはOHまたはハロゲンであり、X'およびY'はそれぞれXおよびYと同じである)もしくはその前駆体またはアミノ保護基との反応ステップ、任意選択でその後にアルキル化または脱保護ステップを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物の調製方法。
【請求項11】
【化15】

を除く、式(VI)の化合物:
【化16】

(式中、i、j、n、Z、Ri、Rjは請求項1から7のいずれか一項に記載の通りに定義される)。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか一項に定義されている式(I)の化合物もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩を、薬学的に許容される添加剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項13】
USPを阻害するために使用するための、請求項1から9のいずれか一項に定義されている式(I)の化合物もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩。
【請求項14】
USP7を阻害するための、請求項13に記載の使用のための化合物。
【請求項15】
癌および転移、アルツハイマー病およびパーキンソン病などの神経変性疾患、免疫障害、骨関節疾患、骨粗鬆症、関節炎、炎症性障害、心血管疾患、ウイルス感染症および疾患、ならびに/またはウイルスの感染および/もしくは潜伏、細菌感染症および疾患を治療および/または予防するために使用するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩。
【請求項16】
前記ウイルス感染症および疾患が、単純ヘルペス1型または2型ウイルス感染症、A型肝炎、C型肝炎、SARSコロナウイルス感染症および疾患、エプスタインバーウイルス、ライノウイルス感染症および疾患、アデノウイルス感染症および疾患、灰白髄炎から選択される、請求項15に記載の使用のための化合物。
【請求項17】
請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物もしくはその互変異性体および/または薬学的に許容されるその塩を、抗癌剤、神経作用剤、血栓溶解剤、抗酸化剤、抗感染剤、血圧降下剤、利尿剤、血栓溶解剤、免疫抑制剤、心血管治療薬、免疫調節剤、抗炎症剤、抗ウイルス剤、抗菌剤から選択される1つまたは複数の活性薬剤と一緒に含む組合せ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−517257(P2013−517257A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548453(P2012−548453)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050523
【国際公開番号】WO2011/086178
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(508036581)
【Fターム(参考)】