説明

ユーカリ幼葉抽出物及び育毛剤

【課題】 特に育毛効果に優れたユーカリ抽出物、及び該ユーカリ抽出物を含有する育毛剤を提供する。
【解決手段】ユーカリプタス・グロブラス(Eucalyptus globulus)の幼葉を溶媒で抽出して得られるユーカリ幼葉抽出物。前記幼葉が萌芽から2年以内の枝につく幼葉である前記ユーカリ幼葉抽出物。溶媒抽出に用いられる溶媒が、水、エタノール、プレピレングリコール、1,3−ブチレングリコールから選ばれる1種、又は2種以上の混合物である前記ユーカリ幼葉抽出物。ユーカリプタス・グロブラス(Eucalyptus globulus)の幼葉を溶媒で抽出して得られるユーカリ幼葉抽出物を有効成分とする育毛剤。血行促進剤及び/又は毛包賦活剤を含有する前記育毛剤。ユーカリ幼葉抽出物が、固形分として0.0005〜5質量%含まれる前記育毛剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に育毛効果に優れたユーカリ抽出物、及び該ユーカリ抽出物を含有する育毛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーカリ抽出物は、抗菌剤、除菌剤、防臭剤、皮脂抑制剤、抗炎症剤等の有効成分として用いられている。
例えば、ユーカリ抽出物を有効成分とする育毛剤としては、ユーカリ抽出物、血行促進剤、毛包賦活剤を組み合わせた特開2001−2532号(特許文献1)、ユーカリ抽出物、多価アルコール、血行促進剤、毛包賦活剤、極性油剤を組み合わせた特開2005−206536号(特許文献2)等が知られている。さらに、ユーカリ抽出物の皮脂や臭いに対する抑制作用を利用した頭皮頭髪化粧料として、特開2005−206537号(特許文献3)、抗炎症作用を利用した頭皮頭髪化粧料として、特開2005−206539号(特許文献4)等が知られている。
また、ユーカリ抽出物を含有する抗菌剤として特開平11−80012号(特許文献5)等が知られている。
【0003】
上記の育毛剤や抗菌剤等に使用するユーカリ抽出物としては、ユーカリプタス・グロブラス(Eucalyptus globulus)の葉、枝等の抽出物が例として挙げられているが、育毛剤や抗菌剤等の効果をさらに向上させるため、より優れたユーカリ抽出物が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−2532号公報
【特許文献2】特開2005−206536号公報
【特許文献3】特開2005−206537号公報
【特許文献4】特開2005−206539号公報
【特許文献5】特開平11−80012号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特に育毛効果に優れたユーカリ抽出物、及び該ユーカリ抽出物を含有する育毛剤を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、ユーカリプタス・グロブラス(Eucalyptus globulus)の幼葉から抽出したユーカリ幼葉抽出物が優れた効果を有し、特に育毛剤として使用することにより、育毛効果が著しく向上することを見出した。
【0007】
本発明は、以下の各発明からなる。
すなわち、本発明の第1は、ユーカリプタス・グロブラス(Eucalyptus globulus)の幼葉を溶媒で抽出して得られるユーカリ幼葉抽出物である。
【0008】
本発明の第2は、前記幼葉が萌芽から2年以内の枝につく幼葉である、本発明の第1に記載のユーカリ幼葉抽出物である。
【0009】
本発明の第3は、溶媒抽出に用いられる溶媒が、水、エタノール、プレピレングリコール、1,3−ブチレングリコールから選ばれる1種、又は2種以上の混合物である、本発明の第1〜2のいずれかに記載のユーカリ幼葉抽出物である。
【0010】
本発明の第4は、ユーカリプタス・グロブラス(Eucalyptus globulus)の幼葉を溶媒で抽出して得られるユーカリ幼葉抽出物を有効成分とする育毛剤である。
【0011】
本発明の第5は、血行促進剤及び/又は毛包賦活剤を含有する、本発明の第4に記載の育毛剤である。
【0012】
本発明の第6は、ユーカリ幼葉抽出物が、固形分として0.0005〜5質量%含まれる、本発明の第4〜5のいずれかに記載の育毛剤である。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、優れた効果を有するユーカリ抽出物、及び育毛剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ユーカリの幼葉(右側)と成葉(左側)の比較画像(枝)
【図2】ユーカリの幼葉(右側)と成葉(左側)の比較画像(葉)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、ユーカリプタス・グロブラスの幼葉から溶媒で抽出して得られるユーカリ幼葉抽出物である。
また、前記ユーカリ幼葉抽出物を有効成分とする育毛剤である。
【0016】
ユーカリプタス・グロブラスは、萌芽からおよそ3年までの枝につく幼葉と、それ以上の枝につく成葉を有する。幼葉は、対生で、卵形であり、白い粉を吹いた様な表面をしている。一方、成葉は、互生で、披針形であり、全縁(葉の縁がなめらか)である。従って、ユーカリプタス・グロブラスの幼葉と成葉は外観上明確に区別可能である。
ユーカリプタス・グロブラスの幼葉および成葉の画像を図1および図2に示す。図1の右側は萌芽から約1年後の枝についた幼葉、左側は萌芽から約8年後の枝についた成葉の画像である。また、図2の右側は萌芽から約1年後の枝についていた幼葉、左側は萌芽から約8年後の枝についていた成葉の画像である。
【0017】
上記のユーカリプタス・グロブラスの幼葉を原料として溶媒抽出し、本発明のユーカリ幼葉抽出物が得られる。
幼葉を溶媒抽出する際は、生葉をそのままで溶媒抽出しても良いが、抽出効率を考えると、生細切、乾燥、粉砕等の処理を行った後に溶媒抽出を行うことが好ましい。
【0018】
また原料として用いる幼葉は、枝によって葉の成長にはバラツキがあるため、萌芽から2年以内の枝につく幼葉がより好ましい。
【0019】
抽出に用いる溶媒としては、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類などの極性有機溶媒を用いることができる。また、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等を用いても良い。これらは単独で使用しても良いが2種以上の混合物を使用しても良い。なお、溶媒の組み合わせとしては、水、エタノール、プレピレングリコール、1,3−ブチレングリコールから選ばれる1種、又は2種以上の混合物を使用することが特に好ましい。
【0020】
前記ユーカリ幼葉抽出物の製造方法としては、特に限定はされないが、一般に用いられている方法、例えば、3℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度で0.5時間から30日間程度浸漬、あるいは、加熱還流することが出来る。また、抽出効率を上げるために撹拌したり、抽出溶媒中でホモジナイズしても良い。また、抽出法としては、水蒸気蒸留法、圧搾法、超臨界流体あるいは亜臨界流体により抽出する方法等も有効な手段である。
【0021】
上記溶媒による抽出物は、そのままでも本発明に係る育毛剤に含有させることができるが、希釈したり、濃縮、乾固、凍結乾燥して、濃縮液、ペースト、粉末としたり、濃縮液、ペースト、粉末を水や極性溶媒で希釈あるいは溶解したり、あるいは育毛効果を損なわない範囲で脱色,脱臭,脱塩等の精製処理を行ったり、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いても良い。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
【0022】
前記のような方法により得られたユーカリ幼葉抽出物をそのままの抽出液、あるいは、希釈液、濃縮液として使用する場合には、人体に対する安全性が高い水、エタノール、プレピレングリコール、1,3−ブチレングリコールを抽出溶媒として使用することが好ましい。これらは単独で使用しても良いが2種以上の混合物を使用しても良い。
【0023】
上記の抽出液、濃縮液、乾燥物、粗精製物、精製物はいずれも、本発明における「ユーカリ幼葉抽出物」に含まれる。
【0024】
上記の方法で得られたユーカリ幼葉抽出物は、従来のユーカリ抽出物と同様に抗菌剤や育毛剤等の有効成分として使用することが可能であり、従来のユーカリ抽出物よりも効果の高いものを得ることが可能である。
【0025】
本発明のユーカリ幼葉抽出物を有効成分とする育毛剤においては、ユーカリ幼葉抽出物の含有量は、育毛剤の全組成中に固形分として、0.0005〜5質量%が好ましく、0.001〜0.2質量%がより好ましい。ユーカリ幼葉抽出物の含有量が固形分として0.0005%より少ないと、育毛効果を十分に発現せず、また、5質量%よりも多いと、皮膚刺激を誘発する恐れがあるため、好ましくない。
【0026】
本発明の育毛剤には、以下に挙げるような血行促進剤や毛包賦活剤を含有させることがさらに好ましい。
【0027】
前記血行促進剤は、頭皮の血行を促進して毛髪の成長を促すために配合される。血行促進剤としては、アセチルコリン、センブリエキス、ヨウ化ニンニクエキス、イチョウエキス、ローズマリーエキス、ゴボウエキス、ニンジンエキス(オタネニンジンエキス、オタネニンジン根エキス)、ゲンチアナエキス、ウイキョウエキス、塩化カプロニウム、スピロノラクトン、ビタミンB6塩酸塩、γ−オリザノール、サークレチン、クロマカリム、セファランチン、ニコランジル、ビタミンE類(dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、酢酸d−α−トコフェロール等)、ニコチン酸類(ニコチン酸、dl−α−トコフェロールニコチン酸エステル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、酒石酸ニコチニックアルコール等)、カンフル、ノニル酸バニリルアミド、オトギリソウエキス、ヒノキチオール、ピナシジル、ミノキシジル、フタリド類、キナエキス、ソフォラ抽出液、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、トウヒエキス、チョウジエキス、トウガラシチンキ、シラカバエキス、ユズエキス、カンタリスチンキ、ショウキョウチンキ、ギニアショウガ種子エキス、サンザシエキス、シイタケエキス、炭酸ガス等が挙げられる。
これらの中でも、アセチルコリン、センブリエキス、イチョウエキス、ローズマリーエキス、ゴボウエキス、ニンジンエキス(オタネニンジンエキス、オタネニンジン根エキス)、塩化カルプロニウム、γ−オリザノール、サークレチン、セファランチン、ニコランジル、ビタミンE類、ニコチン酸類、オトギリソウエキス、ヒノキチオール、ピナシジル、ミノキシジル、クロマカリム、ジアゾキシドおよびその誘導体、フタリド類、キナエキス、ショウガ根エキス、ソフォラ抽出液、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、トウヒエキス、トウガラシチンキ、シラカバエキス、ユズエキス、カンタリスチンキ、ショウキョウチンキ、炭酸ガスが好ましく用いられる。
さらにその中で、センブリエキス、イチョウエキス、ローズマリーエキス、ゴボウエキス、ニンジンエキス(オタネニンジンエキス、オタネニンジン根エキス)、塩化カルプロニウム、セファランチン、ビタミンE類、ニコチン酸類、ミノキシジル、オクチルフタリド、ソフォラ抽出液、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、トウヒエキス、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、炭酸ガスが最も好ましく用いられる。
なお、これらの血行促進剤は単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0028】
前記血行促進剤の含有量は、育毛剤の全組成中に固形分として、0.0001〜10質量%が好ましく、0.0005〜5質量%がより好ましい。血行促進剤の含有量が固形分として0.0001%より少ないと、育毛効果を十分に発現せず、また、10質量%よりも多いと、皮膚刺激を誘発する恐れがあるため、好ましくない。
【0029】
前記毛包賦活剤は、毛包を活性化して毛髪の成長を促すために配合される。毛包賦活剤としては、フラバノノール類(トランス−3,4’−ジメチルフラバノノール、トランス−3,4’−ジメチル−3−ヒドロキシフラバノン等)、パントテン酸類(パントテン酸、パントテン酸エステル、パンテノール、パントテニルエチルエーテル等)、N−アシルアミノ酸、ペンタデカン酸グリセリド、6−ベンジルアミノプリン、プロシアニジン、アデノシン類(アデノシン、アデノシン5’−リン酸、アデノシン5’−リン酸の塩等)、アスパラギン酸カリウム、感光素301、ビオチン、タマサキツヅラフジエキス、ビワ葉エキス、チクセツニンジンエキス、ヨクイニンエキス、ブドウエキス、リンゴエキス、モノニトログアヤコールナトリウム、酵母エキス、タイソウエキス、真珠蛋白抽出液、サフランの雌しべより得られる抽出物、ニシキギ属植物抽出物、プラセンタエキス、ローヤルゼリー、ワイルドタイムエキス、スギナエキス、ショウブ根エキス、ウコンエキス、紅茶エキス、ユキノシタエキス等が挙げられる。
これらの中でも、フラバノノール類、パントテン酸類、N−アシルアミノ酸、ペンタデカン酸グリセリド、6−ベンジルアミノプリン、プロシアニジン、ビオチン、タマサキツヅラフジエキス、ビワ葉エキス、チクセツニンジンエキス、ヨクイニンエキス、モノニトログアヤコールナトリウム、プラセンタエキス、ローヤルゼリーが好ましく用いられる。
さらにその中で、フラバノノール類、パントテン酸類、N−アシルアミノ酸、ペンタデカン酸グリセリド、6−ベンジルアミノプリン、プロシアニジン、ビワ葉エキス、チクセツニンジンエキス、ヨクイニンエキスが最も好ましく用いられる。
なお、これらの毛包賦活剤は単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0030】
前記毛包賦活剤の含有量は、育毛剤組成物の全組成中に固形分として、0.0001〜10質量%が好ましく、0.0005〜5質量%がより好ましい。血行促進剤の含有量が固形分として0.0001%より少ないと、育毛効果を十分に発現せず、また、10質量%よりも多いと、皮膚刺激を誘発する恐れがあるため、好ましくない。
【0031】
本発明の育毛剤には、血行促進剤、毛包賦活剤の他にも、本発明の目的を損なわない限り、通常の育毛剤や毛髪化粧料に用いられる種々の添加成分を、目的に応じて含有させることができる。例えば、保湿剤、抗炎症剤、抗菌剤、局所刺激剤、抗脂漏剤、抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、界面活性剤、補酵素、pH調整剤、増粘剤、ゲル化剤、角質溶解剤、香料、色素、紫外線吸収剤、油性成分を配合することができる。
【0032】
前記保湿剤としては、レイシエキス、オーツ麦エキス、桔梗エキス、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、コンドロイチン硫酸、チューベロースポリサッカライド、冬虫夏草エキス、延命草エキス、オオムギエキス、オレンジエキス、オランダカラシエキス、ブドウエキス、海藻エキス、ジオウエキス、デュークエキス、マイカイ花エキス、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース、グルコース、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、チューベロースポリサッカライド、乳酸菌醗酵米、ムコ多糖類(ヒアルロン酸およびその誘導体、コンドロイチンおよびその誘導体(コンドロイチン硫酸等)、ヘパリンおよびその誘導体等)、エラスチンおよびその誘導体、コラーゲンおよびその誘導体(魚介類由来コラーゲンおよびその誘導体等)、加水分解シルク蛋白質、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、フィトステロール、大豆リン脂質、イソステアリン酸コレステリル、各種アミノ酸およびそれらの誘導体(トリメチルグリシン等)等が挙げられる。
なお、これらの保湿剤は単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0033】
前記抗炎症剤としては、甘草エキス、グリチルレチン酸及びまたはその誘導体、グリチルリチン酸及びまたはその塩、脂溶性グリチルレチン酸類、アズレン、グアイアズレン、ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤、酢酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、オウゴンエキス、カミツレエキス、クマザサエキス、ゼニアオイエキス、桃葉エキス、セイヨウノコギリソウエキス、キキョウエキス、ボタンエキス、ボダイジュエキス、ワレモコウエキス、ドクダミエキス、コンフリーエキス、クララエキス、サンショウエキス、ユリエキス、ソウハクヒエキス、アロエベラエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、オウバクエキス、オドギリソウエキス、セイヨウアカマツ球果エキス、カワラヨモギエキス、アロエフェロックス葉エキス、キダチアロエ葉エキス、シナノキエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、シラカバ樹皮エキス、クチナシエキス、エイヨウキズタエキス、ベニバナエキス、ブクリョウエキス、ヘチマエキス、ムクロジエキス、セージ葉エキス、バチルアルコール、アスピリン、インドメタシン、フェルナビク等が挙げられる。
なお、これらの抗炎症剤は単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0034】
前記抗菌剤としては、茶エキス、コメヌカエキス、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、オクトピロックス、感光色素101、感光色素201、クロルヘキシジン、サリチル酸、ジンクピリチオン、ソルビン酸カリウム、フェノール等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0035】
前記局所刺激剤としては、カンファー、ノニル酸ワニリルアミド、オランダガラシ、サンショウエキス、ハッカ油、l−メントール、ワサビ大根エキス等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0036】
前記抗脂漏剤としては、カシュウ抽出物、塩酸ピリドキシン、クアチャララーテ抽出物、チョウジオイル、オイゲノール類(オイゲノール、オイゲニルグルコシド等)、サイプロテロンアセテート、11α−ハイドロキシプロゲステロン、フルタマイド、3−デオキシアデノシン、酢酸クロルマジノン、エチニルエストラジオール、スピロノラクトン、エピテステロン等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0037】
前記抗酸化剤としては、ビタミンCおよびその誘導体、ピロクトンオラミン、エリソルビン酸、没食子酸プロピル、BHT(ジ−n−ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、アシタバエキス、ウーロン茶エキス、コウキエキス、ダイズエキス、エイジツエキス、オウレンエキス、シソエキス、トコトリエノール、シャクヤクエキス、コメ胚芽油、マロニエエキス、ラクトフェリン、カロテノイド、アスコルビン酸、コウキヨウエキス、グルタチオン等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0038】
前記金属イオン封鎖剤としては、エチレンジアミン四酢酸またはその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸またはその塩等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0039】
前記界面活性剤としては、非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルアルカノールアミド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンラノリンアルコール誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体等)、アニオン界面活性剤(アルキル(またはアルケニル)硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(またはアルケニル)エーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(またはアルケニル)エーテル酢酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル(またはアルケニル)スルホコハク酸塩、ジアルキル(またはジアルケニル)スルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(またはアルケニル)スルホコハク酸塩、アルキル(またはアルケニル)エーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(またはアルケニル)エーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(またはアルケニル)エーテルリン酸塩、高級脂肪酸塩、アシルイセチオン酸塩、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルタウリン酸塩、N−アシルアルキルタウリン塩、N−アシルポリペプチド塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシル−DL−アラニン塩、N−アシルサルコシン塩等)、カチオン界面活性剤(アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩、アミン塩系(第1級〜第3級アミンの塩)等)、両性界面活性剤(アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミンオキシド、三級窒素および四級窒素を含有するアルキルリン酸エステル等)、レシチン誘導体(水素添加レシチン、水酸化レシチン等)等が挙げられる。これら界面活性剤の中でも、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が特に好適に用いられる。
なお、これらの界面活性剤は単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0040】
前記補酵素としては、アデノシン三リン酸、コチンアミドアデニンジヌクレオチド、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、フラビンアデニンジヌクレオチド、補酵素A、α−リポ酸、チアミンピロリン酸、ピリドキサルリン酸、テトラヒドロ葉酸、UDPグルコース、コエンザイムQ10、ビオチン、補酵素B12、S−アデノシルメチオニン等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0041】
前記pH調整剤としては、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、フィチン酸等の有機酸またはこれらの塩、あるいはリン酸またはその塩、あるいは水酸化ナトリウム等の塩基、等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0042】
前記増粘剤及びゲル化剤としては、海藻類由来成分(アルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等)、多糖類(グルコマンナン、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等)、ガム類(アラビアガム、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、カチオン化グアーガム等)、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース等)、合成高分子類(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等)、ヒアルロン酸およびその誘導体、ポリグルタミン酸およびその誘導体等が挙げられる。
【0043】
前記角質溶解剤としては、レゾルシン、サリチル酸等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0044】
前記香料としては、ジャコウ、シベット、カストリウム、アンバーグリス等の天然動物性香料、アニス精油、アンゲリカ精油、イランイラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カナンガ精油、カラウェー精油、カルダモン精油、グアヤクウッド精油、クミン精油、黒文字精油、ケイ皮精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、コリアンデル精油、シソ精油、シダーウッド精油、シトロネラ精油、ジャスミン精油、ジンジャーグラス精油、杉精油、スペアミント精油、西洋ハッカ精油、大茴香精油、チュベローズ精油、丁字精油、橙花精油、冬緑精油、トルーバルサム精油、バチュリー精油、バラ精油、パルマローザ精油、桧精油、ヒバ精油、白檀精油、プチグレン精油、ベイ精油、ベチバ精油、ベルガモット精油、ペルーバルサム精油、ボアドローズ精油、芳樟精油、マンダリン精油、ユーカリ精油、ライム精油、ラベンダー精油、リナロエ精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー精油、和種ハッカ精油等の植物性香料、合成香料等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0045】
前記色素としては、赤キャベツ色素、赤米色素、アカネ色素、アナトー色素、イカスミ色素、ウコン色素、エンジュ色素、オキアミ色素、柿色素、カラメル、金、銀、クチナシ色素、コーン色素、タマネギ色素、タマリンド色素、スピルリナ色素、ソバ全草色素、チェリー色素、海苔色素、ハイビスカス色素、ブドウ果汁色素、マリーゴールド色素、紫イモ色素、紫ヤマイモ色素、ラック色素、ルチン等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0046】
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン誘導体(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等)、p−アミノ安息香酸誘導体(パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等)、メトキシ桂皮酸誘導体(パラメトキシ桂皮酸エチル、パラメトキシ桂皮酸イソプロピル、パラメトキシ桂皮酸オクチル、パラメトキシ桂皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシ桂皮酸ナトリウム、パラメトキシ桂皮酸カリウム、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等)、サリチル酸誘導体(サリチル酸オクチル、サリチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル等)、アントラニル酸誘導体(アントラニル酸メチル等)、ウロカニン酸誘導体(ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等)、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、カンファー誘導体、フラン誘導体、ピロン誘導体、核酸誘導体、アラントイン誘導体、ニコチン酸誘導体、ビタミンB6誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0047】
前記油性成分としては、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベへニルアルコール、カラナービルアルコール、セリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、エステル油(アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸ブチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸メチル、イソステアリン酸エチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等)、シリコーン(ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、脂肪酸変性ポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等)、植物由来の油脂(オリーブ油、ホホバ油、ツバキ油、ローズヒップ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワラン等)、動物由来の油脂(ミンク油、タートル油等)、ロウ類(ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン等)、パラフィン類(パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレン、オゾケライト、セレシン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス等)、脂肪酸(ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、エイコセン酸等)等が挙げられる。
なお、これら油性成分は単独で使用しても良いが2種以上を併用しても良い。
【0048】
本発明の育毛剤には、本発明の目的を損なわない限り、さらに、ビタミン類、ホルモン類、防腐剤等を含有させることができる。
【0049】
本発明の育毛剤には、さらに、精製水、低級アルコール等を含有させることができる。低級アルコールとしては、エタノール、2−プロパノール等が挙げられるが、特にエタノールが好ましい。低級アルコールの含有量は、全組成中の60質量%以下が好ましい。
【0050】
本発明の育毛剤の使用形態は特に限定はされないが、例えば、ローション、スプレー、ジェル、シャンプー、リンス、クリーム、ムース等の形態にすることができる。
【0051】
本発明の育毛剤をスプレーの形態にするときには、上記の育毛剤に加え、噴射剤として、炭酸ガス、LPG(液化石油ガス)、DME(ジメチルエーテル)、窒素ガス、亜酸化窒素ガス、空気、イソペンタン等の圧縮ガスを使用することができる。これらは単独で使用しても良いが、2種以上を併用しても良い。また、これら噴射剤の中でも、炭酸ガス、窒素ガス、亜酸化窒素ガス、空気は、不燃性で引火性がなく安全なので好ましい。
なお、育毛剤組成物中の噴射剤の含有量は、好適な噴射状態が得られる割合であれば良く、全組成中の1〜5質量%以下が好ましい。
【実施例】
【0052】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、例中の「部」および「%」は、特に断わらない限りそれぞれ質量部および質量%を示す。
【0053】
<ユーカリ幼葉抽出物1>
ユーカリプタス・グロブラス(Eucalyptus globulus)の萌芽から2年以内の枝についた幼葉の乾燥物100部をミルで粉砕し、50%エタノール水溶液1000部中に室温にて7日間浸漬して抽出した。抽出物を濾過して濾液を回収し、固形分1.4%のユーカリ幼葉抽出物1を得た。
【0054】
<ユーカリ幼葉抽出物2>
ユーカリ幼葉抽出物1を50%エタノール水溶液で希釈して、固形分0.6%のユーカリ幼葉抽出物2を得た。
【0055】
<ユーカリ成葉抽出物>
ユーカリプタス・グロブラスの萌芽から7年以上経過した枝についた成葉の乾燥物100部をミルで粉砕し、50%エタノール水溶液1000部に浸漬し、室温にて7日間抽出した。抽出物を濾過して濾液を回収し、固形分0.6%のユーカリ成葉抽出物を得た。
【0056】
[実施例1]
ユーカリ幼葉抽出物1、及び、血行促進剤としてセンブリエキス(固形分12.5%、1,3−ブチレングリコール溶液)および酢酸dl−α−トコフェロール、毛包賦活剤としてパンテノールを用い、表1に示す組成の塗布液を調製した。
【0057】
[実施例2]
ユーカリ幼葉抽出物2、及び、実施例1で用いたのと同様のセンブリエキス、酢酸dl−α−トコフェロール、パンテノールを用い、表1に示す組成の塗布液を調製した。
【0058】
[比較例1]
ユーカリ成葉抽出物、及び、実施例1で用いたのと同様のセンブリエキス、酢酸dl−α−トコフェロール、パンテノールを用い、表1に示す組成の塗布液を調製した。
【0059】
[比較例2]
ユーカリ抽出物を使用せず、実施例1で用いたのと同様のセンブリエキス、酢酸dl−α−トコフェロール、パンテノールを用い、表1に示す組成の塗布液を調製した。
【0060】
[対照例]
99%エタノールと精製水各50部からなる塗布液を調製した。
【0061】
[マウス育毛効果試験]
実施例、比較例、及び対照例の育毛効果を評価するために、以下の方法でマウス育毛効果試験を行った。
生後48日齢のC3H/HeN Crjマウス(1群10頭)の背部被毛を尾根部より電気バリカンで体軸方向約5cm、幅約3cmの面積を毛刈りし、さらに、電気シェーバーを用いて皮膚を傷つけない様に剃毛し、投与部位を作成した。剃毛から3日後の生後51日齢のマウスの投与部位に、表1の育毛剤あるいは対照例を1日1回、1匹あたり100μlを24日間連続塗布した。塗布開始から25日目に投与部位をデジタルカメラで撮影し、再生毛面積率(単位:%、再生毛面積/剃毛面積×100)を測定し、各群における平均値を求めた。







































【0062】
【表1】

【0063】
表1の再生毛面積率の結果から明らかなように、ユーカリプタス・グロブラスの幼葉抽出物、及び血行促進剤及び毛包賦活剤を含有する実施例は、比較例と比べ、マウス育毛効果が著しく大きいことが認められた。
なお、本発明の育毛剤を塗布したマウスは全て健康で、皮膚にも全く影響が認められなかった。
【0064】
[育毛剤製造例1]
下記組成物を通常の方法により調製し、容器内に充填することにより、ローションタイプの育毛剤を製造した。
ユーカリ幼葉抽出物(固形分:1.4%) 3.50部
センブリエキス 0.10部
酢酸dl−α−トコフェロール 0.30部
パンテノール 0.10部
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.00部
グリセリン 1.00部
クエン酸 0.05部
クエン酸ナトリウム 0.05部
99%エタノール 40.00部
精製水 53.90部
【0065】
[育毛剤製造例2]
下記組成物を通常の方法により調製し、容器内に充填することにより、ローションタイプの育毛剤を製造可能した。
ユーカリ幼葉抽出物(固形分:1.4%) 3.50部
センブリエキス 0.10部
酢酸dl−α−トコフェロール 0.30部
パンテノール 0.10部
ビワ葉エキス 0.50部
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.00部
グリセリン 1.20部
クエン酸 0.05部
クエン酸ナトリウム 0.05部
99%エタノール 42.00部
精製水 51.20部
【0066】
[育毛剤製造例3]
下記組成物を通常の方法により調製し、容器内に充填することにより、ローションタイプの育毛剤を製造した。
ユーカリ幼葉抽出物(固形分:1.4%) 3.50部
センブリエキス 0.10部
酢酸dl−α−トコフェロール 0.30部
パンテノール 0.10部
アデノシン1リン酸2ナトリウム※ 1.00部
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.00部
グリセリン 1.00部
クエン酸 0.05部
クエン酸ナトリウム 0.05部
99%エタノール 42.00部
精製水 50.90部
※アデノシン1リン酸2ナトリウム:アデノシン5’−リン酸、アデノシン5’−リン酸の2ナトリウム塩
【0067】
[育毛剤製造例4]
下記組成物を通常の方法により調製し、容器内に充填することにより、ローションタイプの育毛剤を製造した。
ユーカリ幼葉抽出物(固形分:1.4%) 3.50部
センブリエキス 0.10部
酢酸dl−α−トコフェロール 0.30部
パンテノール 0.10部
6−ベンジルアミノプリン 0.10部
ペンタデカン酸グリセリド 0.10部
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.00部
グリセリン 1.00部
クエン酸 0.08部
4%水酸化ナトリウム水溶液 0.40部
99%エタノール 50.00部
精製水 43.32部
【0068】
[育毛剤製造例5]
下記組成物を通常の方法により調製し、容器内に充填することにより、ローションタイプの育毛剤を製造した。
ユーカリ幼葉抽出物(固形分:1.4%) 7.00部
センブリエキス 0.20部
酢酸dl−α−トコフェロール 0.50部
トランス−3,4’−ジメチルフラバノノール 0.20部
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.50部
オクトピロックス 0.10部
l−メントール 0.20部
グリセリン 1.00部
クエン酸 0.05部
クエン酸ナトリウム 0.05部
99%エタノール 50.00部
精製水 39.20部
【0069】
[育毛剤製造例6]
下記組成物を通常の方法により調製し、容器内に充填することにより、ローションタイプの育毛剤を製造した。
ユーカリ幼葉抽出物(固形分:1.4%) 3.00部
ミノキシジル 0.05部
酢酸dl−α−トコフェロール 0.30部
パンテノール 0.10部
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.00部
グリセリン 1.00部
クエン酸 0.05部
クエン酸ナトリウム 0.05部
99%エタノール 50.00部
精製水 44.45部
【0070】
[育毛剤製造例7]
下記組成物を通常の方法により調製し、容器内に充填することにより、ローションタイプの育毛剤を製造した。
ユーカリ幼葉抽出物(固形分:1.4%) 5.00部
酢酸dl−α−トコフェロール 0.20部
パンテノール 0.20部
γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸 0.10部
α−リポ酸 0.10部
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.00部
グリセリン 1.00部
クエン酸 0.05部
クエン酸ナトリウム 0.05部
99%エタノール 50.00部
精製水 42.30部
【0071】
[育毛剤製造例8]
下記の組成からなる原液を通常の方法により調製し、この原液を噴射剤と共に耐圧容器内に充填することにより、スプレータイプの育毛剤を製造した。
(原液)
ユーカリ幼葉抽出物(固形分:1.4%) 3.50部
センブリエキス 0.10部
酢酸dl−α−トコフェロール 0.30部
パンテノール 0.10部
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.00部
グリセリン 1.00部
クエン酸 0.05部
クエン酸ナトリウム 0.05部
99%エタノール 40.00部
精製水 53.90部
(噴射剤)
炭酸ガス 2.5部
【0072】
[育毛剤製造例9]
下記組成物を通常の方法により調製し、容器内に充填することにより、シャンプータイプの育毛剤を製造した。
ユーカリ幼葉抽出物(固形分:1.4%) 2.00部
センブリエキス 0.05部
ビワ葉エキス 0.10部
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム
10.00部
テトラデセンスルホン酸ナトリウム 5.00部
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5.00部
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 5.00部
ジステアリン酸エチレングリコール 1.00部
パラオキシ安息香酸メチル 0.10部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.10部
グリセリン 1.00部
カチオン化セルロース 0.50部
クエン酸 0.05部
精製水 70.10部
【0073】
[育毛剤製造例10]
下記油相成分、水相成分をそれぞれ70℃で加熱溶解後、水相成分に油相成分を加えてホモジナイザーで均一に乳化し、調製した。冷却後、容器内に充填することにより、リンスタイプの育毛剤組成物を製造した。
(油相成分)
シリコーン油 3.00部
流動パラフィン 1.00部
セタノール 1.50部
ステアリルアルコール 1.00部
(水相成分)
ユーカリ幼葉抽出物(固形分:1.4%) 1.00部
オタネニンジンエキス 0.10部
ヨクイニンエキス 0.10部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.70部
パラオキシ安息香酸メチル 0.10部
グリセリン 3.00部
精製水 88.50部
【0074】
[育毛剤製造例11]
下記油相成分、水相成分をそれぞれ80℃で加熱溶解後、水相成分に油相成分を加えてホモジナイザーで均一に乳化した。さらに、40℃に冷却後、後添加成分を加え、混合し、調製した。これを容器内に充填することにより、クリームタイプの育毛剤を製造した。
(油相成分)
酢酸dl−α−トコフェロール 0.04部
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.50部
流動パラフィン 15.00部
ワセリン 15.00部
ミツロウ 2.00部
(水相成分)
ユーカリ幼葉抽出物(固形分:1.4%) 1.00部
センブリエキス 0.04部
パンテノール 0.10部
ビワ葉エキス 0.05部
スモーク鮭皮由来コラーゲンペプチド※ 0.10部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.10部
グリセリン 5.00部
キサンタンガム 0.05部
カルボキシビニルポリマー 0.05部
精製水 58.95部
(後添加成分)
10%水酸化ナトリウム水溶液 0.02部
※スモークサーモン(トラウト、アトランティックサーモン)の皮を、アルカリ処理、酸処理後に抽出して得られたゼラチンを精製し、酵素処理を行ったもの。
【0075】
[育毛剤製造例12]
下記組成のA成分を、60℃で加熱溶解したB成分に加えてホモジナイザーで均一に乳化した。これを、通常の方法で調製したC成分に加え、混合し、原液を調製した。この原液を噴射剤と共に耐圧容器内に充填することにより、ムースタイプの育毛剤を製造した。
(原液)
(A成分)
シリコーン油 5.00部
(B成分)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.00部
ジプロピレングリコール 7.00部
(C成分)
ユーカリ幼葉抽出物(固形分:1.4%) 1.00部
センブリエキス 0.05部
酢酸dl−α−トコフェロール 0.10部
パンテノール 0.10部
ビワ葉エキス 0.10部
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.00部
カチオン化セルロース 3.00部
パラオキシ安息香酸メチル 0.10部
99%エタノール 15.00部
精製水 64.05部
(噴射剤)
炭酸ガス 2.50部
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、特に育毛効果に優れたユーカリ抽出物、及び該ユーカリ抽出物を含有する育毛剤を得るため有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーカリプタス・グロブラス(Eucalyptus globulus)の幼葉を溶媒で抽出して得られるユーカリ幼葉抽出物。
【請求項2】
前記幼葉が萌芽から2年以内の枝につく幼葉であることを特徴とする、請求項1に記載のユーカリ幼葉抽出物。
【請求項3】
溶媒抽出に用いられる溶媒が、水、エタノール、プレピレングリコール、1,3−ブチレングリコールから選ばれる1種、又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のユーカリ幼葉抽出物。
【請求項4】
ユーカリプタス・グロブラス(Eucalyptus globulus)の幼葉を溶媒で抽出して得られるユーカリ幼葉抽出物を有効成分とする育毛剤。
【請求項5】
血行促進剤及び/又は毛包賦活剤を含有することを特徴とする請求項4記載の育毛剤。
【請求項6】
ユーカリ幼葉抽出物が、固形分として0.0005〜5質量%含まれることを特徴とする請求項4〜5のいずれかに記載の育毛剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−132182(P2011−132182A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293665(P2009−293665)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】