説明

ユーザ認証装置およびその方法

【課題】ユーザの画像を取得するのに安定した光量が得られない環境下においてもユーザ認証を短時間で実現させることのできるユーザ認証装置およびその方法を提供することを目的とする。
【解決手段】カメラ51と、カメラ51からの画像情報に基づいてユーザ認証を行う認証部52と、認証部52による認証結果の信頼度が、認証成功と判断する判断基準値未満であった場合に、ユーザ認証に関連する質問を発する発話部53と、認証部52による認証結果およびその信頼度と質問に対する回答とに基づいて、ユーザを特定する人物特定部55とを具備するユーザ認証装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ認証に係り、特に、自走式ロボットに利用されて好適なユーザ認証装置およびその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、個々の人物を識別する個人認証技術として、種々の手法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照。)。
特許文献1には、対象となるユーザの顔の向きを自動的に検出し、その顔の向きに応じた顔認証を実行してユーザ認証を行うユーザ認証装置が開示されている。
特許文献2には、移動ロボット(本発明の「自走式ロボット」に相当)等のように、カメラをユーザの顔の動きに追従して迅速に移動できない場合でも、ユーザ認証を高い精度で実現できる技術が開示されている。具体的には、ユーザの体の正面方向を検出し、このユーザの体の正面方向における画像データを取得し、この画像データから顔の画像を抽出して顔認証に用いている。
【特許文献1】特開2002−288670号公報
【特許文献2】特開2004−46399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した特許文献2のように、屋内にて移動し、所定の仕事やユーザとの会話を実現させるような自走式ロボットにてユーザ認証を行う場合、ユーザ認証を実行する場所は屋内の任意の場所となる。ユーザ認証を行う場合、顔の特徴点を抽出できる程度に明瞭な画像を取得する必要があるが、屋内においては、安定した光量を得ることが非常に難しい。従って、上述の特許文献1や特許文献2に開示されている技術を用いて、ユーザ認証を行ったとしても、光量不足のためにユーザ認証に失敗する確率が高く、ユーザ認証に時間がかかってしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、ユーザの画像を取得するのに安定した光量が得られない環境下においてもユーザ認証を短時間で実現させることのできるユーザ認証装置およびその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、自走式ロボットに搭載されるユーザ認証装置であって、撮影手段と、該撮影手段からの画像情報に基づいてユーザ認証を行う認証手段と、前記認証手段による認証結果の信頼度が、認証成功と判断する判断基準値未満であった場合に、ユーザ認証に関連する質問を発する発話手段と、前記認証手段による認証結果およびその信頼度と前記質問に対する回答とに基づいて、ユーザを特定する人物特定手段とを具備するユーザ認証装置を提供する。
【0006】
このような構成によれば、撮影手段により自走式ロボット周辺の様子が画像情報として取得されて認証手段に出力され、この画像情報を用いたユーザ認証が認証手段により行われ、この認証結果およびその信頼度が出力される。この場合において、認証結果の信頼度が認証成功と判断する判断基準値以下であった場合には、発話手段からユーザ認証に関連する質問が発せられ、この質問に対する回答に基づく人物の特定が人物特定手段にて行われることとなる。このように、画像情報に基づくユーザ認証が成功しなかった場合には、ユーザに対して質問を投げかけ、この質問に対する回答も考慮したユーザ認証を行うことが可能となるので、ユーザの画像を取得するのに安定した光量が得られない環境下においても、ユーザ認証を実現させることができる。
上記信頼度とは、例えば、認証結果がどの程度信頼できるものかを示すパラメータであり、このパラメータが高い程、本人である確率が高いことを示すものである。また、信頼度、判断基準値は、認証手段がどのような認証手法を採用するかにより、適切な範囲で任意に設定される値である。
【0007】
上記のユーザ認証装置において、前記発話手段が前記認証手段による認証結果の信頼度に応じた質問を発することとしても良い。
【0008】
このような構成によれば、認証手段による認証結果の信頼度に応じた質問が発話手段から発せられるので、ユーザに対して違和感がなく、更に、ユーザ認証に要する時間を短縮することができる。
例えば、信頼度が高い場合には、「××さんですね?」と比較的断定的な質問をすることにより、ユーザの応対の負担を軽減させ、一方、信頼度が低い場合には、「どなたですか?」などのように、ユーザ自身から本人の情報を引き出すような質問を行うことにより、認証時間の短縮を図ることが可能となる。
【0009】
上記のユーザ認証装置において、前記質問に対する回答が前記認証手段による認証結果と相違した場合に、前記人物特定手段が、前記認証手段による認証結果を採用することとしても良い。
【0010】
このような構成によれば、質問に対する回答が認証手段による認証結果と相違した場合には、人物特定手段により認証手段による認証結果が採用されるので、なりすましなどによるユーザ認証の誤認を防止することが可能となる。つまり、音声にて「はい」、「××です」と回答することにより他の人物に成りすますことは容易であるが、画像認証においては、なりすましが困難なため、画像認証による認証結果を採用することにより、ユーザ認証の誤検知を防止することができる。
【0011】
上記のユーザ認証装置において、前記質問を発してから該質問に対する回答を受け付けるまでの間に、前記認証手段による認証結果の信頼度が前記判断基準値以上となった場合には、前記人物特定手段が、認証手段による認証結果を採用することとしても良い。
【0012】
このような構成によれば、質問を発してから該質問に対する回答を受け付けるまでの間に、認証手段による認証結果の信頼度が判断基準値以上となった場合には、人物特定手段により、認証手段による認証結果が採用されるので、ユーザの回答を待つことなく、速やかにユーザの特定を行うことができる。また、画像情報に基づくユーザ認証結果を採用することにより、なりすましを回避し、ユーザ認証の誤検知を防止することができる。
【0013】
上記のユーザ認証装置において、前記認証手段は、一定の時間間隔でユーザ認証を行い、前記発話手段は、前記判断基準値以上の信頼度を持つ認証結果が過去一定期間内に得られなかった場合に、前記質問を発することとしても良い。
【0014】
上記構成によれば、ユーザ認証を行う時点だけでなく、その時点から過去一定期間内に得られた認証結果も参照してユーザの特定を行うため、過去一定期間内において一度でもユーザ認証に成功していた場合には、その認証結果に基づいてユーザを特定することができるので、認証時間を短縮することが可能となる。
【0015】
本発明は、ユーザ認証装置を搭載する自走式ロボットであって、前記ユーザ認証装置が、撮影手段と、該撮影手段からの画像情報に基づいてユーザ認証を行う認証手段と、前記認証手段による認証結果の信頼度が、認証成功と判断する判断基準値未満であった場合に、ユーザ認証に関連する質問を発する発話手段と、前記認証手段による認証結果およびその信頼度と前記質問に対する回答とに基づいて、ユーザを特定する人物特定手段とを有する自走式ロボットを提供する。
【0016】
このような構成によれば、画像情報に基づくユーザ認証が成功しなかった場合には、ユーザに対して質問を投げかけ、この質問に対する回答も考慮したユーザ認証を行うことが可能となるので、安定した光量を得ることができないような環境下であってもユーザ認証を短時間で行うことができる。
【0017】
本発明は、撮像手段を備える自走式ロボットと情報伝達媒体を介して接続され、該ロボットから受信した情報に基づいてユーザ認証を行うユーザ認証装置であって、前記ロボットに搭載された前記撮像手段により取得された画像情報を受信する受信手段と、受信した前記画像情報に基づいてユーザ認証を行う認証手段と、前記認証手段による認証結果の信頼度が、認証成功と判断する判断基準値未満であった場合に、ユーザ認証に関連する質問を作成する質問作成手段と、前記質問をロボットに送信する送信手段と、前記ロボットから受信した前記質問に対応する回答ならびに前記認証手段による認証結果およびその信頼度に基づいて、前記ユーザを特定するユーザ特定手段とを備え、前記送信手段が前記ユーザ特定手段による特定結果を前記ロボットに送信するユーザ認証装置を提供する。
【0018】
このような構成とすることで、自走式ロボットの外部にユーザ認証装置を設置することが可能となる。これにより、自走式ロボット自身の処理負担を軽減させることが可能となる。上記情報伝達媒体は、有線、無線のいずれでも良い。また、自走式ロボットとユーザ認証装置とは、専用の回線を通じて互いに接続されていてもよく、インターネット等を介して互いに接続されていても良い。
【0019】
本発明は、自走式ロボットに用いられるユーザ認証方法であって、撮影手段からの画像情報に基づいてユーザ認証を行う認証過程と、認証過程における認証結果の信頼度が、認証成功と判断する判断基準値未満であった場合に、ユーザ認証に関連する質問を発する発話過程と、前記認証過程における認証結果およびその信頼度と前記質問に対する回答とに基づいて、ユーザを特定する人物特定過程とを具備するユーザ認証方法を提供する。
【0020】
本発明は、自走式ロボットに搭載されるユーザ認証装置であって、ユーザ認証を行う認証手段と、前記ユーザ認証に関連する質問を発するとともに、前記認証手段の認証結果の信頼度に応じて前記質問の内容を切り替える発話手段と、前記認証手段の認証結果の信頼度および前記発話手段の発話内容に対するユーザからの回答の少なくともいずれかに基づいてユーザを特定する人物特定手段とを具備するユーザ認証装置を提供する。
【0021】
このような構成によれば、発話手段によりユーザ認証の認証結果の信頼度に応じたユーザ認証に関連する内容の質問がなされ、人物特定手段により、上記質問に対するユーザからの回答および認証手段の認証結果の信頼度の少なくともいずれかに基づいてユーザが特定される。このように、質問に関するユーザからの回答ならびに認証手段の認証結果の信頼度などが考慮されて人物特定が行われるので、認証手段によるユーザ認証に失敗した場合でも効率的に短時間でユーザ認証を行うことが可能となる。
【0022】
上記のユーザ認証装置において、前記発話手段は、前記認証手段による認証結果の信頼度が、認証成功と判断する判断基準値未満であった場合に、発話を行うこととしても良い。このような構成によれば、認証手段による認証が成功した場合には、発話が行われないので、効率よく認証を行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、ユーザの画像を取得するのに安定した光量が得られない環境下においてもユーザ認証を短時間で実現させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明に係る自走式ロボット(以下、単に「ロボット」という。)の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一の実施形態に係るロボットの正面図、図2は、図1に示したロボットの左側面図である。
図1および図2に示すように、ロボット本体1には、頭部2と、この頭部2を下方から支持する胸部3と、この胸部3の右側に設けられた右腕部4a、胸部3の左側に設けられた左腕部4bと、胸部3の下方に接続された腰部5と、この腰部5の下方に接続されたスカート部6と、このスカート部6の下方に接続された脚部7とが設けられている。
【0025】
頭部2には、頭頂部近傍に全方位カメラ11が一つ設けられている。この全方位カメラ11の外周に沿って複数の赤外線LED12が所定の間隔で円環上に配置されている。
頭部2の前面の中央近傍には、図1に示すように、前方を撮像するための前方カメラ13が正面視して右側に一つ、マイクロフォン14が正面視して左側に一つ、それぞれ設けられている。
【0026】
胸部3の前面の中央近傍には、モニタ15が一つ設けられている。このモニタ15の上方には、人を検知するための超音波距離センサ16が一つ設けられている。モニタ15の下方には、電源スイッチ17が一つ設けられている。超音波距離センサ16の上方には、2つのスピーカ18が左右に一つずつ設けられている。また、図2に示すように、胸部3の背面には、荷物を収納することができるランドセル部33が設けられている。ランドセル部33には、上部に設けたヒンジ周りに回動可能な開閉扉33aが設けられている。図1に示すように、胸部3の左右の肩部には、マンマシンインターフェースとして機能する肩スイッチ19がそれぞれ一つずつ設けられている。肩スイッチ19には、例えば、タッチセンサが採用されている。
【0027】
右腕部4aおよび左腕部4bには、多関節構造が採用されている。右腕部4a、左腕部4bにおいて、胸部3との接続部近傍には、体や物の挟み込みを検知して腕の動作を止めるための脇スイッチ20がそれぞれ設けられている。図1に示すように、右腕部4aの手のひら部分には、マンマシンインターフェースとして機能する握手スイッチ21が内蔵されている。これら脇スイッチ20や握手スイッチ21には、例えば、押圧センサが採用される。
【0028】
腰部5の前面の中央近傍には、人を検知するための超音波距離センサ22が左右に一つずつ設けられている。これら超音波距離センサ22の下方には、複数の赤外センサ23が配列されたセンサ領域24が設けられている。これら赤外線センサ22は、ロボット本体1の下方前方にある障害物等を検出するためのものである。図1および図2に示すように、腰部5の下方には、前面および背面において、音源方向を検出するためのマイクロフォン25が左右に一つずつ、計4つ設けられている。図2に示すように、腰部5の側面の左右には、本体を持ち上げるときに使用する取手部26がそれぞれ一つずつ設けられている。取手部26は、凹所とされており、操作者の手が挿入できるようになっている。
【0029】
スカート部6の前面下方には、段差を検出するための赤外線センサ27が、中央および左右に計3つ設けられている。図2に示すように、スカート部6の背面には、充電コネクタ28が設けられている。
【0030】
図1に示すように、脚部7の前面には、側方の距離を検出するための赤外線センサ29が左右に一つずつ設けられている。これら赤外線センサ29は、主に段差検出に用いられるものである。
図2に示すように、脚部7の背面には、充電ステーションにロボット本体1を位置固定するためのフック30が設けられている。脚部7は、走行用車輪31および4つのボールキャスタ32を備えた台車とされている。
【0031】
このようなロボットは、ロボット本体1に内蔵されたバッテリからの電源供給により、作業空間を自立的に移動することが可能な構成を備えており、一般家庭等の屋内を作業空間として人間と共存し、例えば、一般家庭内でロボットの所有者や操作者などのユーザの生活を補助・支援・介護するための各種サービスを提供するために用いられる。
そのため、ロボットは、ユーザとの会話を実現させる会話機能のほか、ユーザの行動を見守ったり、ユーザの行動を補助したり、ユーザと一緒に行動したりする機能を備えている。具体的には、ロボットは、「留守電機能」、「伝言機能」、「声かけ機能」、「情報提供機能」等を備えている。また、このような機能を実現させる前提としてユーザ認証が必要となるため、本実施形態に係るロボットは、ユーザ認証機能を備えている。
上述したような各種機能は、例えば、ロボット本体1の内部に内蔵されたマイクロコンピュータ等からなる制御装置により実現されるものである。具体的には、制御装置には、図1および図2に示した各種カメラや各種センサ等が接続されており、カメラからの画像情報やセンサからのセンサ検出情報を取得し、これらの情報に基づいて各種プログラムを実行することにより、上述した各種機能を実現させる。なお、ロボット本体1の形状としては、図1および図2に示した形状に限られず、愛玩用に動物を模したものなど、種々のものを採用することが可能である。
【0032】
次に、本発明の特徴部分であるユーザ認証機能について説明する。このユーザ認証機能は、上述した制御装置が備えるユーザ認証装置により実現される機能である。このユーザ認証機能によるユーザ認証結果は、上述した「留守電機能」においてユーザが帰宅したことを確認する際に用いられるほか、「伝言機能」においてメッセージを伝えるユーザを識別するなどの各種機能にて適宜使用されるものである。
【0033】
図3に示すように、本実施形態に係るユーザ認証装置は、カメラ(撮影手段)51と、カメラ51からの画像情報に基づいてユーザ認証を行う認証部(認証手段)52と、認証部52による認証結果の信頼度が、認証成功と判断する判断基準値未満であった場合に、ユーザ認証に関連する質問を発する発話部53と、マイクロフォン14と、マイクロフォン14から入力された音声を認識する音声認識部54と、認証部52による認証結果およびその信頼度が入力されるとともに、音声認識部54から音声認識結果が入力され、これらの入力情報に基づいて、ユーザを特定する人物特定部55とを備えている。
【0034】
カメラ51は、例えば、図1および図2に示した全方位カメラ11や前方カメラ13であり、ロボット本体1の周囲360°の情報や頭部2の前方に関する周囲情報を画像として取得し、この画像情報を認証部52に出力する。認証部52は、カメラ51から取得した画像情報において、人物の顔を検出し、その顔の特徴点を抽出する。そして、抽出した特徴点と予め登録されている各ユーザの特徴点とを照合し、その照合結果に基づいてユーザを識別する。この顔認証の手法については、上記手法に限られず、公知の手法を採用することが可能である。認証部52は、このようにしてユーザを認証すると、その認証結果と該認証結果の信頼度とを人物特定部55へ出力する。ここで、信頼度とは、例えば、認証結果がどの程度信頼できるものかを示すパラメータであり、このパラメータが高い程、本人である確率が高いことを示すものである。例えば、上述のように、画像情報から抽出したユーザの特徴点と、予め登録されているユーザの特徴点とを照合してユーザ認証を行う場合、上記信頼度は、これらの特徴点がどの程度、合致するかを示す割合に相当する。
【0035】
人物特定部55は、認証部52から受け付けた認証結果の信頼度を予め設定されている判断基準値と比較し、信頼度が判断基準値以上であれば、認証部52から受け付けた認証結果を採用し、人物を特定する。一方、人物特定部55は、該信頼度が判断基準値未満であった場合には、認証結果を採用せずに、認証部52から取得した認証結果とその信頼度を発話部53へ出力する。ここで、上記判断基準値は、カメラ51で撮影された人物が認証部52により認証されたユーザと同一人物であると判断する基準値であり、ユーザ認証の精度に応じて適宜設定することが可能な値である。
また、人物特定部55は、後述する発話部53により発話された内容に対するユーザの回答を音声認識部から受け付け、この音声認識結果も考慮して、人物の特定を行う。なお、詳細については後述する。
【0036】
発話部53は、例えば、音声データ記憶部60と、音声データ作成部61と、音声合成処理部62と、スピーカ18とを備えて構成されている。
音声データ記憶部60には、当該ロボットに登録されているユーザ名の音声データおよびユーザ認証に関連する質問を行う際に用いられる音声データ等が格納されている。ユーザ認証に関連する質問を行う際に用いられる音声データは、多段階構造を有する音声データファイルとして作成されている。そして、この音声データファイルは、認証結果の信頼度に応じて複数作成されており、各音声データファイルは認証結果の信頼度とそれぞれ対応付けられて音声データ記憶部60に格納されている。
【0037】
音声データ作成部61は、人物特定部55から認証部52による認証結果およびその信頼度を受け付け、受け付けた信頼度に対応する音声データファイルおよび認証結果に対応するユーザ名の音声データを音声データ記憶部60から抽出し、抽出した音声データファイルおよびユーザ名の音声データを用いて発話用音声データを作成し、この発話用音声データを音声合成処理部62に出力する。
【0038】
音声合成処理部62は、音声データ作成部62から受け付けた音声データに基づいて、スピーカ18から発すべき音声信号を生成する音声合成処理を実行し、この音声信号をスピーカ18に出力する。スピーカ18は、音声合成処理部63からの音声信号を音声として出力する。
【0039】
マイクロフォン14は、ユーザの音声や電話のベル、呼び鈴、テレビ・ラジオ等の生活雑音を取り込み、これらの音声を電気信号に変換して音声認識部52に出力する。音声認識部52は、マイクロフォン14から入力される音声信号を認識する音声認識処理を実行し、この音声認識結果を人物特定部55に出力する。
【0040】
次に、本実施形態に係るロボットに対してユーザからユーザ認証を前提とする機能である「伝言機能」の要求がなされた場合におけるユーザ認証装置の作用について図4乃至図7を参照して説明する。図4乃至図7において、横軸は時間軸であり、横軸の上段にはロボットによる処理ならびに発話の内容を示し、下段にユーザによる音声入力の内容を示す。
【0041】
まず、本実施形態に係るロボットでは、図3に示したユーザ認証装置のカメラ51により、常時、ロボット本体1の周辺の様子が画像情報として取得されて認証部52に出力される。認証部52では、常時、カメラから提供される画像情報に基づいてユーザ認証が行われ、この認証結果およびその信頼度が人物特定部55へ出力されている。
【0042】
このような状態において、「伝言機能」を要求するキーワードである「伝えて」の音声入力がユーザによりなされると、この「伝えて」という音声情報はマイク14、音声認識部54を介して人物特定部55にて受け付けられる。人物特定部55は、この「伝えて」の音声認識結果を受け付けると、この時点から過去所定期間Tにおいて、信頼度Qが判断基準値(本実施形態では、一例として「120」に設定されている)以上である認証結果を認証部52から受け付けたか否かを判定する。
【0043】
この結果、図4(a)に示すように、「伝えて」の音声認識結果を受け付けた時点から過去所定期間T以内において、判断基準値以上の信頼度Qをもつ認証結果が得られていた場合には、人物特定部55は、認証部52から受け付けた認証結果である「ユーザID=4」を採用し、当該「伝言機能」の要求を出した人物が「ユーザID=4」として登録されているユーザ「A子」であると特定し、この認証結果を最終的な認証結果として出力する。
なお、図4(a)において、上段はロボットの発話内容および認証結果等、下段はユーザからの音声入力を示している(以下、図4(b)乃至(d)、並びに図5乃至図7において同様とする)。
【0044】
次に、上述した「伝えて」という音声認識結果を受け付けた時点から過去所定期間T以内において、信頼度Qとして判断基準値(例えば、スコア120)未満、かつ、推定可能値(例えば、スコア100)以上である認識結果「ユーザID=5」が得られた場合について図4(b)を参照して説明する。ここで、推定可能値は、カメラ51で撮影された人物が認証部52により認証されたユーザと同一人物であると推定可能な基準値であり、上記判断基準値よりも低く設定される値である。
【0045】
この場合、人物特定部55は、認証部52による認証結果である「ユーザID=4」を採用せずに、該認証結果「ユーザID=4」とその信頼度Qを発話部53の音声データ作成部61に出力する。
音声データ作成部61は、人物特定部55から取得した確信度(120>Q≧100)に対応づけられている音声データファイルおよび認証結果「ユーザID=4」に対応するユーザ名「A子」の音声データを音声データ記憶部60から取得し、これらの情報に基づいて、発話用音声データを作成する。例えば、「A子さんですか?」というように、ユーザが「はい」、「いいえ」で回答できるような内容の発話用音声データを作成する。これにより、この発話用音声データが音声データ作成部61を介してスピーカ18へ出力されることにより、「A子さんですか?」という発話が行われる。
【0046】
この質問に対して、「はい」などの肯定の言葉がユーザにより発せられると、この情報は、マイク14、音声認識部54を介して人物特定部55に入力される。人物特定部55は、この肯定的な内容を示す音声情報を音声認識部54から受け付けると、認証部52の認証結果が正しいと判断して、認証部52の認証結果を採用することにより、当該「伝言機能」の要求を出した人物が「ユーザID=4」として登録されているユーザ「A子」であると特定し、この認証結果を最終的なユーザ認証結果として出力する。
【0047】
一方、図4(c)に示すように、上述の発話部53が発した質問に対して、「いいえ」などの否定の内容がユーザにより音声入力されると、この情報は、マイク14、音声認識部54を介して人物特定部55に入力される。人物特定部55は、否定的な内容を示す音声情報を音声認識部54から受け付けると、この否定的な回答を受け付けた旨の情報を発話部53に出力する。発話部53は、否定的な回答があった旨の情報を取得すると、更に、「どなたですか?」というように、ユーザから名前を直接的に聞き出すような内容の発話を行う。
【0048】
このような質問に対して、ユーザから「B子」という情報が音声入力されると、この情報は、マイク14、音声認識部54を介して人物特定部55に出力される。人物特定部55は、名前に関する情報を受け付けると、この情報を発話部53に出力する。これにより、発話部53から「B子さんですね。」という確認を促す内容の発話がなされる。この問いかけに対して「はい」という肯定的な情報が音声入力された場合には、人物特定部55は、先ほどユーザから入力された「B子」をユーザ認証結果として採用し、このユーザ認証結果を最終的なユーザ認証結果として出力する。
【0049】
次に、上述した「伝えて」という音声認識結果を受け付けた時点から過去所定期間T以内において、信頼度Qとして推定可能値(例えば、スコア100)未満である認識結果「ID=4」が得られた場合について図4(d)を参照して説明する。
【0050】
この場合、人物特定部55は、認証部52による認証結果である「ユーザID=4」を採用せずに、該認証結果「ユーザID=4」とその信頼度Qを発話部53の音声データ作成部61に出力する。
音声データ作成部61は、人物特定部55から取得した確信度(100>Q)に対応づけられている音声データファイルの音声データを音声データ記憶部60から取得し、これらの情報に基づいて、発話用音声データを作成する。例えば、「どなたですか?」というように、ユーザに対して直接的に名前を尋ねるような問いかけを行うための発話用音声データを作成する。これにより、この発話用音声データが音声合成処理部62を介してスピーカ18へ出力されることにより、「どなたですか?」という発話が行われる。
【0051】
この質問に対して、「A子」などの名前に関する内容がユーザにより音声入力されると、この情報は、マイク14、音声認識部54を介して人物特定部55に入力される。人物特定部55は、音声情報を音声認識部54から受け付けると、この情報を発話部53に出力する。これにより、発話部53から「A子さんですね。」という「はい」、「いいえ」で回答できる問いかけがなされ、この問いかけに対して「はい」という肯定的な情報が入力された場合には、人物特定部55は、この音声認識結果に基づいて、先ほどユーザから入力された「A子」をユーザ認証結果として採用し、このユーザ認証結果を最終的なユーザ認証結果として出力する。
【0052】
次に、図4(b)および(c)のように、所定期間T以内において判断基準値以上の認証結果が認証部52により得られず、上述したような発話部53の作用によるユーザとの対話が行われている場合に、人物特定部55が認証部52から判断基準値以上の信頼度Qを有する認証結果を取得した場合について図5乃至図7を参照して説明する。
【0053】
図5(a),(b)に示すように、発話部53から「A子さんですか?」という問いかけがなされ、この問いかけに対して肯定を示す「はい」、或いは、否定を示す「いいえ」という情報がユーザから音声入力された場合、この「はい」あるいは「いいえ」に対応する次の発話を行う前に、認証部52から判断基準値以上の信頼度Qを有する認証結果、例えば、「ユーザID=5」を受け付けた場合には、人物特定部55は、ユーザからの音声入力を無効とし、認証部52からの認証結果を採用する。つまり、当該「伝言機能」の要求を出した人物が「ユーザID=5」として登録されている「B子」であると特定し、この結果を最終的なユーザ認証結果として出力する。
このように、ユーザからの音声入力よりも画像情報に基づいて認証が行われる認証部52の認証結果を優先して採用することにより、第三者がユーザに成りすます等の事態を防止することができる。
【0054】
また、図6(a)のように、「A子さんですか」という発話部53からの問いかけに対して、「いいえ」という否定を示す音声がユーザから入力された場合には、「どなたですか?」という問いかけが発話部53から行われる。これに対して、「B子」という音声入力がユーザによりなされた場合、更に、この音声入力に対する発話、例えば、「B子さんですね」等の発話が行われる。この場合において、図6(a)に示すように、上記発話を行う前に、認証部52により判断基準値以上の認識結果、例えば、「ユーザID=4」が得られ、この結果が人物特定部55に入力された場合には、人物特定部55は、ユーザからの音声入力を無効とし、認証部52からの認証結果を採用する。つまり、当該「伝言機能」の要求を出した人物が「ユーザID=4」として登録されている「A子」であると特定し、この結果を最終的なユーザ認証結果として出力する。
【0055】
また、図6(b)に示すように、発話部53が「B子さんですね?」という問いかけを行った後からユーザの入力を受け付けるまでの期間や、図6(c)に示すように、「B子さんですね」という問いかけに対する「はい」という音声入力を受け、この音声入力に対して発話を行うまでの期間において、認証部52から判断基準値以上の認識結果、例えば、「ユーザID=4」が得られ、この結果が人物特定部55に入力された場合には、人物特定部55は、ユーザからの音声入力を無効とし、認証部52からの認証結果を採用する。つまり、当該「伝言機能」の要求を出した人物が「ユーザID=4」として登録されている「A子」であると特定し、この結果を最終的なユーザ認証結果として出力する。
【0056】
また、同様に、図7(a)乃至(c)に示すように、所定期間T以内に推定可能値未満の認証結果しか得られなかった場合には、発話部53から「どなたですか?」という問いかけがなされることとなる。この問いかけに対して「B子」という情報がユーザから音声入力された場合、この「B子」に対応する次の発話を行う前に、認証部52から判断基準値以上の信頼度Qを有する認証結果、例えば、「ユーザID=4」を受け付けた場合には、人物特定部55は、ユーザからの音声入力を無効とし、認証部52からの認証結果を採用する。つまり、当該「伝言機能」の要求を出した人物が「ユーザID=4」として登録されている「A子」であると特定し、この結果を最終的なユーザ認証結果として出力する。
【0057】
また、図7(b),(c)に示すように、「B子さんですね?」という問いかけを行った後からユーザからの入力を受け付けるまでの期間や、図7(c)に示すように、「B子さんですね」という問いかけに対する「はい」という音声入力を受け、この音声入力に対して発話を行うまでの期間において、認証部52から判断基準値以上の認識結果、例えば、「ユーザID=4」を受け付けた場合には、人物特定部55は、ユーザからの音声入力を無効とし、認証部52からの認証結果を採用する。つまり、当該「伝言機能」の要求を出した人物が「ユーザID=4」として登録されている「A子」であると特定し、この結果を最終的なユーザ認証結果として出力する。
このように、ユーザからの音声入力よりも画像情報に基づいて認証が行われる認証部52の認証結果を優先して採用することにより、第三者がユーザに成りすます等の事態を防止することができる。
【0058】
以上、説明してきたように、本実施形態に係るユーザ認証装置によれば、カメラ51により自走式ロボット周辺の様子が画像情報として取得されて認証部52に出力され、この画像情報を用いたユーザ認証が認証部52により行われ、この認証結果およびその信頼度が出力される。この場合において、認証結果の信頼度が認証成功と判断する判断基準値以下であった場合には、発話部53からユーザ認証に関連する質問が発せられ、この質問に対する回答に基づく人物の特定が人物特定部55にて行われることとなる。このように、画像情報に基づくユーザ認証が成功しなかった場合には、ユーザに対して質問を投げかけ、この質問に対する回答も考慮したユーザ認証を行うことが可能となるので、ユーザの画像を取得するのに安定した光量が得られない環境下においても、ユーザ認証を実現させることができる。
【0059】
更に、本実施形態に係るユーザ認証装置によれば、認証部52による認証結果の信頼度に応じた質問が発話部53から発せられるので、ユーザに対して違和感がなく、更に、ユーザ認証に要する時間を短縮することができる。例えば、信頼度が高い場合には、「××さんですね?」と比較的断定的な質問をすることにより、ユーザの応対の負担を軽減させ、一方、信頼度が低い場合には、「どなたですか?」などのように、ユーザ自身から本人の情報を引き出すような質問を行うことにより、認証時間の短縮を図ることが可能となる。
更に、本実施形態に係るユーザ認証装置によれば、質問に対する回答が認証部52による認証結果と相違した場合には、人物特定部55により認証部52による認証結果が採用されるので、なりすましなどによるユーザ認証の誤認を防止することが可能となる。つまり、音声にて「はい」、「××です」と回答することにより他の人物に成りすますことは用意であるが、画像認証においては、なりすましが困難なため、画像認証による認証結果を採用することにより、ユーザ認証の誤検知を防止することができる。
【0060】
更に、本実施形態に係るユーザ認証装置によれば、質問を発してから該質問に対する回答を受け付けるまでの間に、認証部52による認証結果の信頼度が判断基準値以上となった場合には、人物特定部55により、認証部52による認証結果が採用されるので、ユーザの回答を待つことなく、速やかにユーザの特定を行うことができる。また、画像情報に基づくユーザ認証結果を採用することにより、なりすましを回避し、ユーザ認証の誤検知を防止することができる。
【0061】
なお、上述した発話内容は、一例であり、画像情報によるユーザ認証が困難な場合には、更に、ユーザを特定するための情報をガイダンス形式で問いかけるような構成としても良い。例えば、図4(b)において、ロボットが「A子さんですか?」と質問をした場合に、ユーザから所定期間に渡って回答が得られなかった場合には、「A子さんであれば「はい」といって下さい。」などと、どのようにユーザが答えれば良いのかをより詳細に説明するガイダンスを発することとしても良い。
また、図4(d)において、ロボットが「どなたですか?」という質問をしたときに、ユーザから所定期間に渡って回答が得られなかった場合には、例えば、「あなたは、A子さんですか?それともB子さんですか?」、「A子さんである場合には、はいと答えて下さい」などのように、ユーザの回答を誘導(ガイダンス)するような内容を発話することとしても良い。
このように、ガイダンスを行うことで、ユーザは、自分がどのように答えたらいいのかを把握することができるので、利便性を向上させることが可能となる。また、ロボット側では、ユーザからの応答の語句を絞ることが可能となるので、音声認識の成功率を向上させることができるという効果が得られる。
【0062】
また、直接的にユーザの名前を聞くのではなく、予め各ユーザに対応するパスワードやキーワード等を登録しておき、パスワードを問いかけることにより、音声入力によるユーザ認証の精度を高めることとしても良い。また、上記発話内容をユーザに応じて変更することとしても良い。
【0063】
更に、上述した実施形態においては、ロボット本体内においてユーザ認証が行われる場合について説明したが、この例に限られず、上述のユーザ認証装置の一部を外部に設けられた装置に搭載することとしても良い。例えば、ロボット本体1に内蔵された制御装置と外部装置とをインターネット、LANなどの情報伝達媒体を介して接続し、双方向通信を可能とする。そして、ロボット本体1には、例えば、カメラ51、マイク14、発話部53の音声合成処理部62およびスピーカ18を搭載し、外部装置には、認証部52、人物特定部55、および発話部53の音声データ作成部61並びに音声データ記憶部60を搭載する。そして、ロボット本体1に設けられたカメラ51からの情報をネットワークを介してロボット本体1から外部装置へ送信することにより、外部装置に設けられている認証部52にてユーザ認証を行い、更に、この情報に基づいて人物特定部55がユーザの特定を行うこととしてもよい。そして、認証部52による認証結果の信頼度が基準判断値未満であった場合には、音声データ作成部(質問作成手段)61が音声データ記憶部60に格納されている音声データ等に基づいて発話用音声データを作成し、この発話用音声データを通信伝達媒体を介してロボット本体1に送信することとしても良い。これにより、当該発話用音声データは、ロボット本体1が備える音声合成処理部62、スピーカ18を介して音声として出力されることとなる。また、この質問に対するユーザの回答は、マイク14、音声認識部54により解析され、この解析結果が情報伝達媒体を介してロボット本体1から外部装置へ送信されることより、外部装置にて当該音声結果も考慮したユーザ認証を実現させることが可能となる。なお、外部装置に設ける各部については、一例であり、他の各部を外部装置に設けることとしても良いし、ロボット本体に設けることとしても良い。
【0064】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係るロボットの正面図である。
【図2】図1に示したロボットの左側面図である。
【図3】図1に示したロボット本体に内蔵されるユーザ認証装置の一構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るユーザ認証装置の作用を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るユーザ認証装置の作用を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るユーザ認証装置の作用を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るユーザ認証装置の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
【0066】
1 ロボット本体
11 全方位カメラ
13 前方カメラ
14 マイクロフォン
18 スピーカ
51 カメラ
52 認証部
53 発話部
54 音声認識部
55 人物特定部
60 音声データ記憶部
61 音声データ作成部
62 音声合成処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式ロボットに搭載されるユーザ認証装置であって、
撮影手段と、
該撮影手段からの画像情報に基づいてユーザ認証を行う認証手段と、
前記認証手段による認証結果の信頼度が、認証成功と判断する判断基準値未満であった場合に、ユーザ認証に関連する質問を発する発話手段と、
前記認証手段による認証結果およびその信頼度と前記質問に対する回答とに基づいて、ユーザを特定する人物特定手段と
を具備するユーザ認証装置。
【請求項2】
前記発話手段が前記認証手段による認証結果の信頼度に応じた質問を発する請求項1に記載のユーザ認証装置。
【請求項3】
前記質問に対する回答が前記認証手段による認証結果と相違した場合に、前記人物特定手段が、前記認証手段による認証結果を採用する請求項1または請求項2に記載のユーザ認証装置。
【請求項4】
前記質問を発してから該質問に対する回答を受け付けるまでの間に、前記認証手段による認証結果の信頼度が前記判断基準値以上となった場合には、前記人物特定手段は、認証手段による認証結果を採用する請求項1から請求項3のいずれかに記載のユーザ認証装置。
【請求項5】
前記認証手段は、一定の時間間隔でユーザ認証を行い、
前記発話手段は、前記判断基準値以上の信頼度を持つ認証結果が過去一定期間内に得られなかった場合に、前記質問を発する請求項1から請求項4のいずれかの項に記載のユーザ認証装置。
【請求項6】
ユーザ認証装置を搭載する自走式ロボットであって、
前記ユーザ認証装置が、
撮影手段と、
該撮影手段からの画像情報に基づいてユーザ認証を行う認証手段と、
前記認証手段による認証結果の信頼度が、認証成功と判断する判断基準値未満であった場合に、ユーザ認証に関連する質問を発する発話手段と、
前記認証手段による認証結果およびその信頼度と前記質問に対する回答とに基づいて、ユーザを特定する人物特定手段と
を有する自走式ロボット。
【請求項7】
撮像手段を備える自走式ロボットと情報伝達媒体を介して接続され、該ロボットから受信した情報に基づいてユーザ認証を行うユーザ認証装置であって、
前記ロボットに搭載された前記撮像手段により取得された画像情報を受信する受信手段と、
受信した前記画像情報に基づいてユーザ認証を行う認証手段と、
前記認証手段による認証結果の信頼度が、認証成功と判断する判断基準値未満であった場合に、ユーザ認証に関連する質問を作成する質問作成手段と、
前記質問をロボットに送信する送信手段と、
前記ロボットから受信した前記質問に対応する回答ならびに前記認証手段による認証結果およびその信頼度に基づいて、前記ユーザを特定するユーザ特定手段と
を備え、
前記送信手段が前記ユーザ特定手段による特定結果を前記ロボットに送信するユーザ認証装置。
【請求項8】
自走式ロボットに用いられるユーザ認証方法であって、
撮影手段からの画像情報に基づいてユーザ認証を行う認証過程と、
認証過程における認証結果の信頼度が、認証成功と判断する判断基準値未満であった場合に、ユーザ認証に関連する質問を発する発話過程と、
前記認証過程における認証結果およびその信頼度と前記質問に対する回答とに基づいて、ユーザを特定する人物特定過程と
を具備するユーザ認証方法。
【請求項9】
自走式ロボットに搭載されるユーザ認証装置であって、
ユーザ認証を行う認証手段と、
前記ユーザ認証に関連する質問を発するとともに、前記認証手段の認証結果の信頼度に応じて前記質問の内容を切り替える発話手段と、
前記認証手段の認証結果の信頼度および前記発話手段の発話内容に対するユーザからの回答の少なくともいずれかに基づいてユーザを特定する人物特定手段と
を具備するユーザ認証装置。
【請求項10】
前記発話手段は、前記認証手段による認証結果の信頼度が、認証成功と判断する判断基準値未満であった場合に、発話を行う請求項9に記載のユーザ認証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−156688(P2007−156688A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−349116(P2005−349116)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】