説明

ラインスキャンカメラを使用してオンラインウェブを監視するシステム及び方法

様々な実施形態は、流れ方向(118)に装置に対して移動するオンライン製品ウェブを検査する装置を目的とする。装置は、視野(114)を画定し、視野が製品ウェブ(208)の部分を含むように配置されるラインスキャンカメラ(102)を含み得る。カメラ制御システム(104)は、カメラ(102)と電子通信し得、ウェブ速度センサ(110)から製品ウェブの速度を示すウェブ速度データを受信し、ウェブ速度データをライントリガ信号に変換するように構成され得る。ライントリガ信号は、流れ方向に不断の画素解像度を達成するために必要なカメラ画像キャプチャの時間周波数を示し得る。更に、カメラ制御システム(104)は、製品位置データを受信し、製品位置データを考慮するフレームトリガ信号を生成するように構成され得る。フレームトリガ信号は、画像フレームと画像フレームとの間で中断を示し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な実施形態は使い捨て吸収性物品を製造するシステム及び方法を目的とし、より詳細には、ラインスキャンカメラを使用してオンラインウェブを監視する方法及び装置を目的とする。
【背景技術】
【0002】
生産ラインに沿って、おむつ及び様々な種類の他の吸収性物品は、一連のピッチ式単位作業で1つ以上の前進する、材料の連続ウェブに構成要素を追加したり、他の方法で変更したりすることによって組み立てられ得る。いくつかのピッチ式単位作業は、単一の前進するウェブに作用し得る。例えば、様々な印刷及び/又は切断作業は、単一のウェブ上で行なわれ得る。他のピッチ式単位作業は、多数の前進するウェブ上で作動し得る。例えば、いくつかのプロセスで、多数の前進する材料のウェブは1つに結合される。いくつかのプロセスで、1つ以上のピッチ式単位作業は、前進するウェブを一連の別個の構成要素に変換するために使用され得、次にその構成要素は第2の前進するウェブと結合されて、製品又は製品の構成要素を形成し得る。おむつを製造するために使用される材料のウェブ及び構成要素部分としては、例えば、バックシート、トップシート、吸収性コア、前側耳部及び/又は後側耳部、締結構成要素、並びに脚部弾性部材、バリアレッグカフ弾性部材、及び腰部弾性部材等の様々の種類の弾性ウェブ及び構成要素が挙げられる。いったん望ましい構成要素部分が組み立てられると、前進するウェブ及び構成要素部分は、最終ナイフカットに供されて、ウェブを個別のおむつ又は他の吸収性物品に分離する。個別のおむつ又は吸収性物品はまた、その後折り畳まれて包装される。
【0003】
前進する材料のウェブを監視するために、各種センサ及び/又は撮像装置を使用し得る。しかしながら、既存の二次元撮像装置のサイズは、おむつ組立ライン等のオンライン環境でその有用性に限界があり得る。これは、おむつ及び他のウェブベースの製品を製造するオンライン装置が複雑で多くの場合嵩高なので、二次元撮像装置が取り付けられ得る場所を制限するからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な実施形態は、流れ方向に装置に対して移動するオンライン製品ウェブを検査する装置を目的とする。装置は、視野を画定し、視野が製品ウェブの部分を含むように配置されるラインスキャンカメラを含み得る。装置は更に、製品ウェブを照らすように配置される照明源、及び流れ方向に製品ウェブの速度を検知するように配置されるウェブ速度センサを含み得る。カメラ制御システムは、カメラと電子通信し得、ウェブ速度センサから製品ウェブの速度を示すウェブ速度データを受信し、ウェブ速度データをライントリガ信号に変換するように構成される少なくとも1つのコンピューターハードウェア構成要素を含み得る。ライントリガ信号は、流れ方向に不断の画素解像度を達成するために必要なカメラ画像キャプチャの時間周波数を示し得る。更に、カメラ制御システムはカメラの視野に対してウェブ上の少なくとも1つの製品の位置を示す製品位置データを受信し、製品位置データを考慮するフレームトリガ信号を生成するように構成され得る。フレームトリガ信号は、カメラによって取り込まれる画像フレームと画像フレームとの間で中断を示し得る。それぞれの画像は、製品及び製品の構成要素からなる群から選択されるウェブ上の少なくとも1つのオブジェクトに対応し得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
様々な本開示の非限定的な実施形態の以下の説明を添付の図面と共に参照することによって、本開示の上述及び他の特徴及び利点並びにそれらを達成する方法はより明白になり、本開示そのものがよりよく理解されるであろう。
【図1】移動するウェブと共に配置されるラインスキャンカメラシステムの一実施形態を例示する。
【図2A】図1のラインスキャンカメラシステム100を支持する支持装置を三次元的に見た一実施形態を例示する。
【図2B】図2Aの支持装置の側面図を例示する。
【図2C】図2Aの支持装置の正面図を例示する。
【図3】一連の画像位置を例示する図1の移動するウェブの製品の一実施形態を例示する。
【図4】製品及び隣接する製品の部分を含む図1の移動するウェブの部分を示す画像フレームの一実施形態を例示する。
【図5】図1の複数のラインスキャンカメラシステムを含む検査システム500の一実施形態を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書で使用するとき、次の用語は以下のように定義される。
【0007】
本明細書で使用するとき、「吸収性物品」とは、主な機能が、汚れ及び排泄物を吸収及び保持することである消費者製品を指す。本明細書で使用するとき、「おむつ」とは、一般的に、幼児及び失禁症状のある人によって、胴体下部周囲に着用される吸収性物品を指す。本明細書で使用するとき、用語「使い捨て」は、洗濯又は別の方法で、吸収性物品として修復若しくは再使用することを一般に意図しない吸収性物品を説明する(例えば、1回の使用後に廃棄することが意図され、またリサイクルする、堆肥化する、又は別の環境に適応した方法で処分するように構成されてもよい)。
【0008】
本明細書で使用するとき、「ピッチ式単位作業」とは、使い捨て吸収性物品、使い捨て吸収性物品の部分又は構成要素の製造中に、1つ以上のウェブを加工するピッチに関連する機能を有する流れ方向の製造装置を指す。例えば、単位作業には、切り離し又は切断装置、エンボス加工装置、印刷装置、ウェブ作動装置、別個の貼付剤配置装置(例えば、カット−アンド−スリップユニット)、ウェブ結合装置等のピッチ式ウェブ加工装置が挙げられるが、これらに限定されない。これらは全て、製品のピッチ長さに対応する機械のサイクル(例えば、ロータリー切断装置、結合装置等の円周移動又は軌道移動)を含むという共通点を有する。
【0009】
様々な実施形態は、ラインスキャンカメラを使用して移動するオンラインウェブを監視するシステム及び方法を目的とする。1つ以上のラインスキャンカメラは、製品ウェブの部分が視野に含まれるように配向され得る。製品のウェブ及び/又は構成要素を含む製品を示す画像フレームは、ウェブが視野を横切って移動するとき、一連の精密なライン画像を取り込むラインスキャンカメラを使用することで生成され得る。次に、ライン画像は結合されて画像フレームを形成する。この方法を使用して、幅方向の画像フレームの画素解像度は、カメラの一次元配列のサイズ及び使用するレンズの種類に基づいて決定する。これに反して流れ方向の画素解像度は、それぞれのライン画像が取り込まれている間に視野を通過する移動するウェブの量に依存する。
【0010】
様々な実施形態では、ライントリガ信号は移動するウェブの速度に基づいて生成され得る。ライントリガ信号は、ライン画像が取り込まれるべき時の指示としてラインスキャンカメラに供給し得る。ライントリガ信号の周波数は、流れ方向に不断の画素解像度を達成するために必要であるライン画像の時間周波数に対応し得る。例えば、流れ方向に不断の画素解像度は、正方画素を有する画像フレームを達成するために、幅方向の画素解像度に対応するように選択され得る。例えば、正方画素は、幅方向と流れ方向との双方で移動するウェブの等しい次元に対応し得る。ライントリガ信号に加えて、フレームトリガ信号も生成され得る。フレームトリガ信号は、1つの画像フレームの終了時間及び別のフレームの開始時間をラインスキャンカメラに指示し得る。フレームトリガ信号は、1つの製品全体、所定数の製品、及び/又は1つ以上の製品の構成要素を示す移動するウェブの単位を示す画像フレームを生成するように判定され得る。したがって、フレームトリガ信号は、カメラの視野に関する製品又は製品の位置を考慮して生成され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、異なる機能及び能力を有する多数のラインスキャンカメラを接合してカメラのネットワークが形成され得る。例えば、異なる種類のラインスキャンカメラは、異なるレベルの搭載処理能力を有し得る。スマートラインスキャンカメラは画像を画像フレームに作成し得、更に1つ以上の画像処理アルゴリズムを適用するために搭載処理機能を含み得る。例えば、スマートラインスキャンカメラは、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)を含み得る。一方でシンプルラインスキャンカメラは、搭載処理機能が含まれない場合がある。例えば、いくつかのシンプルラインスキャンカメラはライントリガ信号を入力として受信し、個別の画像を出力として供給し得る。フレームグラバボード又は他のハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントは、連続画像を画像フレームに結合し得る。他のシンプルラインスキャンカメラは、ライントリガ信号及びフレームトリガ信号の双方を入力として受信し得る。これらの信号に基づいて、カメラは多数のライン画像の並置を含む出力画像フレームとして生成し、供給し得る。異なる能力の異なるカメラは、例えば、TCP/IP、FTP、IEEE1394(FIREWIRE)プロトコル、GIGE VISIONプロトコル及び/又はROCKWELL AUTOMATIONが開発したイーサネットインダストリアルプロトコル(E/IP)を含む共通の通信プロトコルを利用してネットワーク上で結合し得る。いくつかの実施形態では、ネットワークは、ラインスキャンカメラに加えてエリアスキャンカメラを含み得ることが理解されるであろう。
【0012】
更にいくつかの実施形態では、ラインスキャンカメラ又はネットワークカメラ(例えば、ラインスキャン及び/又はエリアスキャン)を用いて複数層の画像処理を実装し得る。画像処理アルゴリズムの第1の層は、取り込まれる総画像フレームの全部に、又は大部分に適用され得る。第1の層のアルゴリズムは、基礎的な製品及び/又は構成要素の特性又は欠陥を調べてもよい。付加的処理が所定の画像フレームに必要である又は望まれる場合、計算上より高価なアルゴリズムである第2の層を適用し得る。様々な実施形態では、第1の層のアルゴリズムをラインスキャンカメラ自体にて、又は局所的画像処理コンピューターにてのどちらかに適用し得る。第2の層のアルゴリズムは、第2の層のアルゴリズムを効率的に適用するために処理能力を有する中心位置で適用し得る。
【0013】
図1は、移動するウェブ208と共に配置されるラインスキャンカメラシステム100の一実施形態を例示する。移動するウェブ208は、一連の製品及び/又は製品の構成要素で構成し得る。例えば、移動するウェブ208は、末端同士を接合した一連の吸収性物品又はその構成要素で構成し得る。ラインスキャンカメラシステム100は、ラインスキャンカメラ102、カメラ制御システム104、及び任意選択の画像処理コンピューター106を含み得る。ラインスキャンカメラシステム100は、移動するウェブ208及びその製品及び/又は構成要素を監視するために配置され得る。照明源108は、カメラ102で取り込まれる画像に照明を提供し得る。様々な構成要素102、104、106は、例えば、直接の有線接続経由、及び/又は有線通信、無線通信、又はハイブリッド通信ネットワーク経由を含む任意の好適なシステム又は方法によって互いに電子通信し得る。
【0014】
ラインスキャンカメラ102は、他の次元より一次元に著しく多くの画素を有する画像取り込み配列(例えば、配列は一次元であってもよい)を備える任意の好適なカメラ(例えば、シンプル又はスマート)であってもよい。ラインスキャンカメラの例としての配列サイズは、例えば、1×1024画素、及び1×2048画素が挙げられる。いくつかのラインスキャンカメラは、画素の幅が1つ以上である画素配列を有し得る。例として、ラインスキャンカメラは流れ方向に2つの画素を有し、次に平均化、ビニング、又は加算等の計算法を使用して、これら2つの画素から導き出される単一のデータポイントを生成し得る。一次元の画素配列であるため、ラインスキャンカメラ102は、幅方向(矢印120)に移動するウェブを横切って延長し得るほぼ直線の視野114を有し得る。カメラ102の視野114は、画像配列のサイズ及び結像光学系によって判定され得る。結像光学系は、視野114を移動するウェブ上に焦点を合わせるように選択し得る。例えば、NAVITAR及びSCHNEIDER OPTICSより入手可能なレンズを含む任意の好適な光学構成要素を使用し得る。
【0015】
画像フレームは一度に1ラインずつ生成し得る。ウェブ208が流れ方向118に前進するにつれて、カメラ102の視野114はウェブ208に対して平行移動し得る。したがって、カメラから連続的に取り込まれる一次元の画像は結合されて、ウェブ208の所望の部分(例えば、製品及び/又は製品の一部)を示す画像フレームが形成され得る。幅方向の視野114の画素解像度は、ウェブ118上の画像配列の投影(例えば、結像光学系経由で)に基づいて判定され得る。流れ方向の視野114の画素解像度は、画像露光中に視野114を通って平行移動する、移動するウェブ118の量に基づいてもよい。
【0016】
様々な異なる能力を有する様々な異なる種類のラインスキャンカメラ102を使用し得ることが理解されるであろう。例えば、シンプルラインスキャンカメラは、ライントリガ信号の入力を含み得る。ライントリガ信号は、一次元画像を取り込むようにカメラを促してもよい。次に一次元画像は、フレームグラバ及び/又は画像処理コンピューター106等の外部処理装置に出力されてもよく、そこでカメラからの他の一次元画像と結合されて画像フレームを形成し得る。ライントリガ入力に加えて、いくつかのシンプルラインスキャンカメラはフレームトリガ入力も含み得る。これらのカメラは、多数の一次元画像を画像フレームに結合する機能を含み得る。フレームトリガ入力は、1つの画像フレームの終了及び別の画像フレームの開始をカメラに示し得る。画像データは、画像フレームの形式でカメラから画像処理コンピューター106に伝送され得る。スマートラインスキャンカメラはまたライントリガ信号及びフレームトリガ信号を受信し得、更に、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)及び/又は他の搭載画像処理能力を含み得る。例えば、いくつかのラインスキャンカメラは、画像フレームを取り込み、ウェブ208に含まれる様々な製品及び製品の構成要素の特性及び/又は欠陥を識別する検査アルゴリズムを適用するようにプログラムされ得る。これらのカメラから画像処理コンピューター106に出力される画像データは、検査アルゴリズムの結果を含み得る。いくつかの実施形態では、画像フレームも更に含み得る。使用され得るラインスキャンカメラの例としては、Basler Runner、Dalsa Spyder Series(例えば、Dalsa Spyder 3 Gig E Vision Camera)、DVT 540LSスマートカメラ、COGNEX 5604スマートカメラ等が挙げられる。異なる用途によって、異なる周波数帯で感度があるラインスキャンカメラを利用し得ることが理解されるであろう。例えば、異なるラインスキャンカメラは、可視領域、紫外線領域及び/又は赤外線領域で感度があり得る。更に、ライン配列センサも本明細書で説明するラインスキャンカメラと見なすことができる。例えば、Tichawa Contact Image Sensorを使用できる。
【0017】
照明源108は、視野114を含むウェブ208の部分を照らす対応する照明野116を有する任意の好適な照明源であり得る。照明野116の輪郭は視野の輪郭と正確に一致しなくてもよく、様々な実施形態では、照明野116は視野の領域より大きいウェブ208の領域を含み得る。更に、照明源108はウェブ208の下に描写されるが、いくつかの実施形態では、照明源108はウェブ208に対して別の位置に配置され得ることが理解されるであろう。例えば、照明源はウェブ208上に配置し得る。得られる照明野116は、ウェブ208からカメラ102に反射され得る。様々な実施形態では、照明源108は発光ダイオード(LED)線光等の線光を含み得る。そのような光の例には、ADVANCED ILLUMINATION IL068、METAPHASEから入手可能な様々な線光(例えば、43センチ(17インチ)の線光)、モデル番号60023等のVOLPIから入手可能な様々な線光、及びCCS AMERICA,INCから入手可能な様々な線光が挙げられる。いくつかの実施形態では、照明源108は、ファイバー束及び/又はパネルを経由して視野116を生成するように連結されるハロゲン又は他の源の光を含み得る。他の例の照明源の種類としては、ファイバー束に連結されるハロゲン又は他の源を含み得る。例えば、使用するハロゲン源には、SCHOTTより入手可能なものを含み得、使用するファイバー束及び/又はパネルには、SCHOTT及び/又はFIBEROPTICS TECHNOLOGY INCより入手可能なものを含み得る。用途次第で、照明源は、例えば、紫外線、可視、及び/又は赤外線を含む任意の好適な周波数範囲で光を放射するように選択し得る。
【0018】
カメラ102のライントリガ信号及び/又はフレームトリガ信号は、カメラ制御システム104によって生成され得る。カメラ制御システム104は、任意の好適な種類のコンピューターハードウェアとして実装され得る。例えば、様々な実施形態では、カメラ制御システム104は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含み得る。いくつかの実施形態では、カメラ制御システム104の機能は、少なくともカメラ102と通信するローカル画像処理コンピューター106で実装され得る。更に、様々な実施形態では、カメラ制御システム104の機能は、カメラ102及び少なくとも1台の他のカメラと通信する画像処理コンピューター106又は別のサーバ若しくはコンピューターで実装され得る。カメラ制御システム104は、ウェブ208及びカメラ102の上又は近くに物理的に位置し得、かつ/又は中央の位置に位置し、有線及び/又は無線ネットワークを経由してカメラ102と通信し得ることが理解されるであろう。
【0019】
例えば、画像処理コンピューター106は、ラインスキャンカメラ102から受信した画像データを検査するタスク及び識別するタスクを行うために存在し得る。いくつかの画像処理コンピューター106は、単一のカメラ102又は少数のグループのカメラ(例えば、ウェブ208に沿って互いに近くに取り付けられるカメラ)に専用のローカルコンピューターであり得る。例えば、ローカル画像処理コンピューター106は、例えばCAMERALINK接続等の直接の有線接続経由でいくつかのカメラの種類と通信し得る。いくつかのローカル画像処理コンピューターは、例えば、データ通信ネットワーク等の他の手段を経由してカメラと通信し得る。様々な実施形態では、ローカル画像処理コンピューターは、NATIONAL INSTRUMENTSから入手可能なEVSシステム又はCVSシステムを含み得る。様々な実施形態では、いくつかの画像処理コンピューター106は、データ通信ネットワーク経由で多数のカメラと通信する中央画像処理コンピューターであり得る。中央画像処理コンピューターは、通信中のカメラからの画像を処理し得る。いくつかの実施形態では、中央画像処理コンピューターは、より複雑な処理集約型の検査アルゴリズムを適用するように構成される高速のハードウェアを含み得る。追加の処理能力はまた、中央画像処理コンピューターが多数のカメラから取り込んだ画像の単純なアルゴリズムを行うことを可能にし得る。
【0020】
カメラ102及び照明源108は、任意の好適な構成及び/又はメカニズムを使用して取り付けられ得る。図2A〜2Cは、ラインスキャンカメラシステム100を支持する支持装置202の一実施形態を例示する。支持装置202は、図2A〜図2Cで生産プロセス中に使用されるものとして示されており、カメラ102が前進するウェブ208を監視及び/又は表示できるように、流れ方向118に前進する移動するウェブ208に隣接して配置される。図2Cを参照すると、ウェブ208は、第1のコンベヤー210及び第2のコンベヤー212に沿って前進するものとして示されており、支持装置202は、コンベヤー210の端部とコンベヤー212の端部との間の流れ方向118の間隙215に配置される。したがってカメラ102は、前進するウェブ208の上部側又は上部面214を表示するように配置され、光源108は、前進するウェブの底部側又は底部面216上に光を向けるように配置される。支持装置202は前進するウェブに隣接して、壁又はある他の備品に(例えば、固定プレート220によって)ボルト止め又は別の方法で固定され得る。以下により詳細に論じられるように、支持装置202は、清潔を維持する及び/又は光源を冷却するのを助けるために、光源108に沿って空気流を提供するように構成されることも可能である。更に、支持装置202は、カメラと光源の比較的容易な位置合わせを目的として、光源108に対して限られた数の方向にユーザーがカメラ102を動かすことができるように構成され得る。
【0021】
主支持部材218は、それぞれ第1の支持部材228及び第2の支持部材230に接続される第1の端部224と第2の部分226とを有する直立基板部材222を含む。より詳細には、第1の支持部材228は近位端部232と遠位端部234とを含み、近位端部232は基板部材222の第1の端部224に接続される。更に、第2の支持部材230は近位端部236と遠位端部238とを含み、近位端部236は基板部材222の第2の端部226に接続される。以下により詳細に説明するように、第1の支持部材228は光源108を支持するように適合され、第2の支持部材230はカメラ102を支持するように適合される(例えば、第2の支持部材230の遠位端部238に接続される支持プレート254によって)。カメラ102からの様々なケーブルは接続箱274で受け取られ、例えば、本明細書で説明するように、様々な他の構成要素に結合され得る。様々な実施形態では、主支持部材218は、基板部材222、第1の支持部材228、及び第2の支持部材230が単一材料片として一体形成されるように構成され得る。他の実施形態では、基板部材、第1の支持部材、及び第2の支持体は、独立した部品として形成されることができ、これらは、互いに対する移動を防止するために、例えば、締結具、接着剤、又は溶接を用いる等して、様々なやり方で相互に接続される。更に、主支持部材218はまた、金属、プラスチック、及び炭素複合材等の様々な種類の材料で作製されることができる。例えば、主支持部材の一実施形態は、アルミニウムから作製される単一一体部品として構成される。様々な実施形態では、カメラ102及び照明源108は、2009年2月9日出願の「Apparatus and Method for Supporting and Aligning Imaging Equipment on a Web Converting Manufacturing Line」という名称の米国特許出願第12/367852号で説明される支持装置で支持され得る。
【0022】
様々な実施形態では、ラインスキャンカメラシステム100は、画像フレームに対して、流れ方向118の画素がそれぞれ移動するウェブ208の一定の長さ(例えば、流れ方向に不断の画素解像度)に対応するように構成され得る。前述したように、流れ方向118の画像フレーム画素はそれぞれ、ラインスキャンカメラ102からの個別の画像から導き出され得る。したがって、流れ方向のそれぞれの画素の画素解像度は、それぞれの画像が露光中に視野114を通って前進するウェブ208の直線状測定に基づき得る。図3は、一連の画像位置を例示する移動するウェブ208の製品300の一実施形態を例示する。視野114の現在位置が示される。製品300に対する視野の前の位置が302a〜302eで示される。カメラの一画像は、視野114が位置302a〜302eのそれぞれにあるときから始まって撮られる。この例のために、画像が開始される時から次の画像が開始される時まで露光時間が延長されると仮定する。したがって、任意の一画像の流れ方向の画素の長さは、画像が露光中に視野114を通って移動する製品300の部分に等しい。例えば、301aで開始する取り込まれる画像の流れ方向の画素の長さはd1に等しい。301bで開始する取り込まれる画像の流れ方向の画素の長さはd2、等である。流れ方向に不断の画素解像度を得るために、距離d1、d2、d3、d4、d5等は実質的に等しくあるべきである。これは、カメラ102へのライントリガ入力を操作することで画像が取り込まれる、製品300に対する位置を操作することで達成され得る。いくつかの実施形態では、それぞれの画像の露光時間は、10μs(マイクロ秒)等の一定値に設定し得る。このやり方で、画像露光時間の差による画像の強度の変化を防止し得る。
【0023】
様々な実施形態では、カメラ102のライントリガ信号が生成され(例えば、カメラ制御システム104によって)、流れ方向に不断の画素解像度が達成し得る。例えば、カメラ制御システム104は、ウェブ208の速度に基づいたライントリガ信号を生成し得る。ウェブ208は、ローラ122(図1)及び/又はベルト210、212(図2C)等のライン設備によって流れ方向にライン下流に推進され得る。様々な要因により、ウェブ208の速度はライン設備の速度と一致しない場合がある。例えば、移動するウェブ208は弾性の材料で製造され得、オンラインで延伸又は収縮し得る。更に、例えば、ウェブ208はローラ122又はベルト210、212に対して滑る場合があり、ウェブがライン設備の速度とは異なる速度を有する原因となる。場合によっては、例えば、ゼロ速度の接続具、アキュムレータ及び/又は花綱装飾装置(festooner)を使用して、ウェブの速度は意図的に変わり得る。ウェブの速度を調節可能にするために、カメラ制御システム104は速度センサ110から速度データを受信し得る。速度センサ110は、カメラ102の視野114で、又は視野114の近くでウェブ208の速度を(例えば、流れ方向118で)直接検知し得る。
【0024】
速度センサ110は、移動するウェブ208の速度を検索可能な任意の好適な種類のセンサであり得る。例えば、速度センサ110は、ACUITY LASER MEASUREMENTから入手可能なセンサ等のレーザードップラーセンサを含み得る。レーザードップラーセンサは、移動するウェブ208の部分からレーザーエネルギーを反射して、リターン信号の周波数偏移を測定し得る。ドップラー効果により、周波数偏移はウェブ208の速度を示し得る。様々な実施形態では、速度センサはFRABAから入手可能なINTACTON OPTIPACT等の画像相関センサを含み得る。画像相関センサは、ウェブ208で検索されたパターン間の時間の平行移動に基づいてウェブの速度を検索し得る。いくつかの実施形態では、速度センサは同じくFRABAから入手可能であるINTACTON COVIDIS等の周波数解析センサを含み得る。周波数解析センサは、ウェブ208の速度を判定するために、ウェブ208の様々なパターン、テクスチャ、又は更にはランダム分散の変化の空間周波数を監視し得る。
【0025】
ウェブ208の速度に基づいて、カメラ制御システム104はライントリガ信号を生成し得る。例えば、ウェブ208の速度に基づいて、カメラ制御システム104は、ウェブ208の所定の長さ(例えば、1/3mm)がカメラ102の視野114を通過する間の時間を検索するようにプログラムされ得る。計算された時間はライントリガ信号の時間になり得る。ウェブ208の速度が変化するに従って、ライントリガ周波数の時間は更新され、流れ方向に不断の画素解像度を維持し得る。いくつかの実施形態では、流れ方向の画素解像度は、カメラの幅方向の画素解像度に等しく設定され得る(例えば、ライントリガ間の視野114を通過するウェブ208の長さは、幅方向120の1つの画素に対応するウェブの幅に等しく設定され得る)。このやり方で、カメラ102は正方画素を有する画像フレームを生成し得る。ライントリガ信号は、様々な形状でカメラに伝送され得ることが理解されるであろう。例えば、ライントリガ信号は、ウェブ208の速度に基づいてカメラ制御システム104で検索される時間と実質的に等しい時間を含む方形波又は他の好適な波形であり得る。様々な実施形態では、ライントリガ信号は、周波数の数値表現の形式及び/又は所望の画像取込の時間の形式でカメラ102に通信し得る。どちらかの形式のライントリガ信号は、単線式接続、又はイーサネット/IP及び/若しくはTCP/IP等のデータリンクのどちらかによってカメラ102に伝送され得る。
【0026】
ライントリガ信号の生成に加えて、カメラ制御システム104は、様々な実施形態では、カメラ用にフレームトリガ信号も生成し得る。フレームトリガ信号は、移動するウェブ208上の製品又は構成要素を示す画像フレームが得られるように構成され得る。例えば、1つの製品全体及び/又は製品の構成要素及び/又は多数の製品を示す画像フレームを取り込むことが望ましい場合がある。少なくとも1つの製品全体及び/又は構成要素がそれぞれの画像フレームに入っていることを確実にするために、画像フレームは、製品全体又は構成要素に加えて、第1の製品又は構成要素に直接隣接する製品又は構成要素の部分も含むように選択され得る。図4は、製品300、及び隣接する製品310、312の部分を含むウェブ208の部分を示す画像フレーム400の一実施形態を例示する。
【0027】
カメラ制御システム104は、任意の好適な方法によってフレームトリガ信号を生成し得る。例えば、ウェブ208を移動させるメカニズム(例えば、ローラ122、ベルト210、212及び/又は様々な他の構成要素)は、製品の前縁が既知の位置にあるとき、マスター機械パルスを製品1つ当たり1回生成するように構成され得る。カメラ制御システム104は機械パルスを受信し得、カメラ102の視野の位置と既知の位置との間のオフセットを伴い、加えて引き続く製品の前縁と前縁との間の製品ピッチ長さ又は長さを伴ってプログラムされ得る。オフセット、ピッチ長さ及びウェブの速度(例えば、速度センサ110から受信)に基づいて、カメラ制御システム104は、製品の前縁がカメラの視野114にあるとき、時間を導き出すことができる。このときフレームトリガ信号が生成され、カメラに伝送され得る。
【0028】
製品全体300、及び隣接した製品310、312の部分を含む画像フレーム400に類似する画像フレームを生成するために、カメラ制御システム104はフレームトリガ信号をオフセットし得る。例えば、画像フレーム400は、製品300の全て、及び隣接した製品310、312のそれぞれのほぼ半分を含む。この構成を達成するために、フレームトリガの時間は2倍にされ、2つの製品全体を含み得る。更にフレームトリガは、視野114で製品の前縁の到着に対して50%ほどオフセットされ得る。オフセットは、製品のピッチ長さの部分として計算され得る。ライントリガ信号は視野を通過するウェブ208の所定長さに対応され得ることに戻って、オフセットは、所定のサイクル数のライントリガ信号が生じるまでフレームトリガ信号を遅らせることにより実装され得る。
【0029】
様々な実施形態では、カメラ制御システム104は更に製品センサ112と通信し得る。製品センサ112は、製品が視野に対して既知の位置を通過する際に製品の既知の部分を検知し得る。これによって、製品の前縁又は他の部分がいつ視野114を通過するかの指示をカメラ制御システム104に与えられる。製品センサ112は、例えば、透過ビーム及び/又は反射光電センサを含む任意の好適な種類のセンサであり得る。様々な実施形態では、製品センサ112はローラ122及び/又はベルト210、212に対するウェブ208の滑り及び延伸等の現象を計算に入れることができるので、製品センサ112は機械パルスより正確な読み取りを提供し得る。
【0030】
画像フレーム400は製品全体300を例示するが、様々な実施形態では、カメラ制御システム104は、製品の全体より少ない部分を示す画像フレームが得られるようにフレームトリガ信号を生成し得ることが理解されるであろう。例えば、製品の特定の構成要素に焦点を合わせる画像フレームを生成することが望ましい場合がある。カメラ制御システム104は、製品の前縁又は他の検知可能な部分に対して所望の構成要素のオフセットを伴ってプログラムされ得る。オフセットに基づいて、カメラ制御システム104はフレームトリガ信号を生成し、所望の構成要素に加えて、構成要素に隣接する製品の部分を含む画像フレームを生成し得る。更にいくつかの実施形態では、カメラ102の画像トリガは、製品全体及び/又は構成要素の多数の例を示す画像フレームが得られるように操作され得ることが理解されるであろう。これらの画像フレームは、画像処理コンピューター106が多数の製品及び/又は構成要素の画像を同時に検査することを可能にし得る。
【0031】
図5は、複数のカメラシステム504、506、508、510を含む検査システム500の一実施形態を例示する。カメラシステム504、506、508は、例えば、ネットワーク502経由で1つ以上の中央画像処理コンピューター550及び画像データベース520に一元的にネットワーク化され得る。カメラシステム504、506、508、510は、ラインスキャンカメラシステム504、508、510を含み得る。いくつかの実施形態では、システム506等の1つ以上のエリアスキャンカメラシステムも含み得る。システム504等のいくつかのラインスキャンカメラシステムは、例えば、直接の有線接続経由でローカル画像処理コンピューター552と通信し得る。ネットワーク502は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、インターネット等の広域ネットワーク(WAN)を含む任意の好適な種類の有線、無線又はハイブリッドのネットワークであり得る。様々な実施形態では、ネットワーク502はルーター及び/又はイーサネットスイッチを含み得る。システム500は更に、複数のピッチ式単位作業512、514含み得る。ピッチ式単位作業512、514に加えて、ウェブ208の移動を制御するローラ122及び/又はコンベア210、212(図5に示されない)は、位置制御システム516によって制御され得る。例えば、位置制御システム516は、様々なローラ122及びピッチ式単位作業512、514を連係して働かせるロジックを含み得る。ライン制御ユーザーインタフェース518は、ライン操作者にライン及びピッチ式単位作業512、514のステータスの操作及び表示を可能にさせ得る。
【0032】
複数のラインスキャンカメラシステム504、508、510のうちのいくつか又は全ては、上述のカメラ制御システム104に類似するカメラ制御システムを含み得る。例えば、カメラシステム504、508、510のそれぞれに対応するカメラ制御システムは、それぞれのカメラのライントリガ及び/又はフレームトリガ信号を生成し得る。更に、4つのカメラシステム504、506、508、510が示されるが、より多く又はより少数のカメラシステムが、例えばライン(単数又は複数)の要件に基づいて、システム500に含まれ得ることが理解されるであろう。
【0033】
様々な実施形態では、様々なラインスキャンカメラシステム504、508、510は、スマートカメラ及びシンプルカメラを含む異種のタイプのラインスキャンカメラを含み得る。カメラシステム504は、一次元画像を取り込み、カメラ制御システム104、ローカル画像処理コンピューター552、フレームグラバボード及び/又は画像がフレームに形成され得る中央画像処理コンピューター106等の外部の構成要素に画像を供給し得る、及び/又は画像を検査し得るシンプルラインスキャンカメラであり得る。カメラシステム508は、ライントリガ入力及びフレームトリガ入力を受信し、画像フレームの出力として供給するシンプルラインスキャンカメラを含み得る。画像フレームは、カメラ制御システム104又は他のローカル画像処理コンピューター、及び/又は様々な検査アルゴリズムが適用され得る画像処理コンピューター106に伝送され得る。更に、例えば、カメラシステム510は、DSP又は画像処理を適用する他の処理機能、及び/又は他の製品検査アルゴリズムを含むスマートラインスキャンカメラを含み得る。異なる種類のラインスキャンカメラを含むことに加えて、複数のカメラシステム504、506、508、510は、異なる製造業者からのカメラ及び他のハードウェアを含み得る。
【0034】
様々な実施形態では、カメラシステム504、506、508、510は、共通又は類似のプロトコルによってネットワーク501を介して画像処理コンピューター106と通信するように構成され得る。例えば、様々なシステム504、506、508、510はGIGE VISION準拠であり得る。更に、例えば、システム504、506、508、510は、ファイル転送プロトコル(FTP)、イーサネット/IPプロトコル、IEEE1394(ファイアワイア)及び/又はTCP/IPプロトコルと互換性があり得る。
【0035】
システム500は、どこで欠陥又は特性がウェブ208に導入されたのかライン上の位置を正確に示すように構成され得る。これは、欠陥を引き起こしたピッチ式単位作業512、514又は他のライン構成要素を識別することが可能になり得、更なる欠陥を防ぐ修正動作を取ることができる。例えば、示すようにシステム508及び506は、ピッチ式単位作業514の両側に配置され得る。この構成で、欠陥がシステム508で検出されずシステム506で検出される場合、欠陥はピッチ式単位作業514から生じたと推論し得る。
【0036】
様々な実施形態では、システム500は、システム504、506、508、510から受信した画像を他の検知された情報と結合することによってラインデータを強化するために利用され得る。例えば、システム500は、2009年12月16日出願の「Method and System for Evaluating the Distribution of An Absorbent Material in an Absorbent Article」という名称の米国特許出願(代理人整理番号[後で追加])に開示されるような吸収性のゲル材料(AGM)検出器システム511を含み得る。AGM検出器システム511は、ウェブ208の片側面に配置される赤外線源、及びウェブ208の対向面に配置される赤外線検知センサを含み得る。源は、検出されるAGMによって吸収される波長で赤外線エネルギーを放射するように選択され得る。したがって、源は、ウェブ208を通過後、センサによって受信され得る赤外線を放射し得る。ウェブ208に吸収されるエネルギー量は、ウェブ208に存在するAGMの量を示し得る。様々な実施形態では、吸収量は、AGMに吸収されない周波数で参照源を更に含めることによって測定され得る。第1の源からの受信エネルギーと参照源からの受信エネルギーとの間の検知された強度間の違いは、吸収の表示を提供し得る。いくつかの実施形態では、参照源は省略され得る。これらの実施形態では、第1の源はAGMを含む目標オブジェクトを利用して、及び/又はAGMの特性と類似する光学特性を有する目標(例えば、ソーダ石灰ガラス)を使用して較正され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、AGM検出器システム511は源及びセンサの配列を含み得、システム511がウェブ208の幅方向120を横切ってAGMの存在する程度を検出することを可能にする。例えば、AGM検出器システム511は、赤外線照射を検知する配列を備えるラインスキャンカメラを含み得る。AGM検出器システム511からの情報は、画像処理コンピューター106に供給され得る。様々な実施形態では、画像処理コンピューター106は一定の製品のAGM強度の表示をその製品を示す視覚的なバンド画像フレーム上に重ね合わせるように構成され得る。例えば、画像処理コンピューター106は、AGM検出器システム511の位置とラインスキャンカメラシステム504、506、508、510の少なくとも1つとの間でオフセットを伴ってあらかじめプログラムされ得る。
【0038】
様々な実施形態では、システム500はまた、層になった画像処理スキームを実装するために利用され得る。例えば、システム504、506、508、510のうちの1つで取り込まれる画像フレームのそれぞれは、所定の第1の層の検査アルゴリズム(単数又は複数)にかけられ得る。第1の層の検査アルゴリズムは、通常適用が計算的に安価であり得、撮られた製品又は構成要素の単純な特性を分析し得る。例えば、第1の層のアルゴリズムは、穴、パターン又は他の製品の構成要素等の存在を調べ、製品の物理的な寸法を検索し得る。ラインスキャンカメラの種類次第で、第1の層のアルゴリズムは、システム504、506、508、510で、システム504、506、508、510の1つ以上に共通であるローカル視覚処理コンピューター552で、又は中央画像処理コンピューター550のいずれかで適用され得ることが理解されるであろう。例えば、カメラシステム508がDSP又は他の処理能力を有する場合、それぞれの製品に対するその出力は、製品が第1の層のそれぞれのアルゴリズムを満たしたか満たさなかったかのみを指示し得る。カメラシステム504、506が搭載処理能力を欠く場合、第1の層のアルゴリズムはローカル画像処理コンピューター552で、又はコンピューター550等の中央画像処理コンピューターで適用され得る。
【0039】
製品が第1の層のアルゴリズムを満たすことを条件にして、更なる行動を取らなくてもよい。しかしながら、製品が第1の層のアルゴリズムを満たさない、又は第1の層のアルゴリズムが十分な信頼度の結果を生成できない場合、例えば、コンピューター550等の中央画像処理コンピューターで1つ以上の第2の層のアルゴリズムが適用され得る。第2の層のアルゴリズムは、第1層の要素より計算的に高価な画像処理アルゴリズムであり得る。例えば、カメラシステム504、506、508、510及び/又はコンピューター552等のローカル画像処理コンピューターは、リアルタイムで全ての画像フレーム上で第2の層のアルゴリズムを実用的に行なう処理能力に欠く場合がある。第2の層のアルゴリズムの例には、例えば、テクスチャを見つけ出す及び/又は測定するウェーブレット解析、製品の密度を測定する光学密度アルゴリズム、ユークリッド距離マッピング等が挙げられる。第2の層のアルゴリズムは、製品又は製品の構成要素の存在及び正確さを確認する又は否定するために使用され得る。
【0040】
一例では、第1の層のアルゴリズムは画像を分析し、製品の穴の位置を検証し得る。穴は、ピッチ式単位作業512、514によって製品ウェブに導入され得る。穴が予想通りに存在することを第1の層のアルゴリズムが示す場合、更なる行動を取らなくてもよい。一方で、第1の層のアルゴリズムが、穴が存在しないことを示す及び/又は穴の存在を所定の信頼度まで証明できない場合、製品を示す画像フレームは、第2の層のアルゴリズムを適用するために画像処理コンピューター106に送られ得る。例えば、画像処理コンピューター106はウェーブレット解析を適用し、予期する穴の存在を検証し得る。穴が存在しないことを第2の層の分析が示す場合、これはピッチ式単位作業512、514の動作不良を示し得る。
【0041】
本明細書に記載される例及び実施形態は、単に例示することが目的であり、本発明の範囲から逸脱することなくその種々の修正又は変更が当業者に提示されることが理解される。
【0042】
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に厳格に限定されるものとして解釈されるものではない。むしろ、別段の指定がない限り、そのような各寸法は、列挙した値と、その値を包含する機能的に等価な範囲との双方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0043】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、その関連部分において、本明細書に参照により組み込まれるが、いかなる文献の引用も、それが本開示に対する先行技術であることを認めるものと解釈すべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0044】
本開示の特定の実施形態について説明し記載したが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることは当業者には明白であろう。したがって、本開示の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流れ方向に装置に対して移動するオンライン製品ウェブを検査する装置であって、
視野を画定し、前記視野が前記製品ウェブの部分を含むように配置されるラインスキャンカメラと、
前記製品ウェブを照らすように配置される照明源と、
前記流れ方向に前記製品ウェブの速度を検知するように配置されるウェブ速度センサと、
少なくとも1つのコンピューターハードウェア構成要素を含む前記カメラと電子通信するカメラ制御システムであって、
前記ウェブ速度センサから前記製品ウェブの速度を示すウェブ速度データを受信し、
前記ウェブ速度データをライントリガ信号に変換し、前記ライントリガ信号は、流れ方向に不断の画素解像度を達成するために必要なカメラ画像キャプチャの時間周波数を示し、
前記ライントリガ信号を前記カメラに電子通信し、
前記カメラの前記視野に対して前記ウェブ上の少なくとも1つの製品の位置を示す製品位置データを受信し、
前記製品位置データを考慮するフレームトリガ信号を生成し、前記フレームトリガ信号は、前記カメラによって取り込まれる画像フレームと画像フレームとの間で中断を示し、それぞれの画像は、製品及び製品の構成要素からなる群から選択される前記ウェブ上の少なくとも1つのオブジェクトに対応し、
前記フレームトリガ信号を前記カメラに電子通信する、ように構成される、カメラ制御システムと、を含む、装置。
【請求項2】
前記流れ方向に不断の画素解像度は、幅方向の前記ラインスキャンカメラの画素解像度に等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記製品位置データは、前記ウェブを推進するライン設備から受信する機械パルスを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記カメラ制御システムと通信する製品位置センサを更に含み、前記製品位置センサは前記製品位置データを前記カメラ制御システムに供給する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記カメラ制御システムは、所定距離に対応する前記ライントリガ信号の倍数に等しい時間だけ前記フレームトリガ信号をオフセットすることによって、前記少なくとも1つの製品の前記位置から前記所定距離だけ前記フレームトリガ信号をオフセットするように更に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ライントリガ信号は複数のパルスを含み、それぞれのパルスは前記カメラによって取り込まれる単一画像に相当する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ライントリガ信号は、前記カメラの周波数の数値表現を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ウェブ速度センサは、レーザードップラーセンサ、画像相関センサ、及び周波数解析センサからなる群から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記コンピューターハードウェア構成要素は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びマイクロプロセッサからなる群から選択される少なくとも1つのデバイスを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
流れ方向に装置に対して移動するオンライン製品ウェブを検査する装置であって、
第1の視野を画定し、前記第1の視野が前記製品ウェブの部分を含むように配置される第1のラインスキャンカメラと、
前記第1のカメラと電子通信する第1のカメラ制御システムであって、前記第1のカメラ制御システムは、第1のライントリガ信号を生成するように構成される少なくとも1つのコンピューターハードウェア構成要素を含み、前記第1のライントリガ信号は、流れ方向に不断の画素解像度を達成するために必要なカメラ画像キャプチャの時間周波数を示す、第1のカメラ制御システムと、
第2の視野を画定し、前記第2の視野が前記製品ウェブの部分を含むように配置される第2のラインスキャンカメラであって、前記第2のラインスキャンカメラによって生成される画像フレームに少なくとも1つの検査アルゴリズムを適用するように構成される、第2のラインスキャンカメラと、
前記第2のカメラと電子通信する第2のカメラ制御システムであって、
第2のライントリガ信号を生成し、前記第2のライントリガ信号は、流れ方向に不断の画素解像度を達成するために必要なカメラ画像キャプチャの時間周波数を示し、
製品ピッチデータ及び製品位相データを考慮する第2のカメラフレームトリガ信号を生成し、前記第2のカメラフレームトリガ信号は、前記第2のカメラによって取り込まれる画像フレームと画像フレームとの間で中断を示す、ように構成される少なくとも1つのコンピューターハードウェア構成要素を含む、第2のカメラ制御システムと、
ネットワーク経由で前記第1のカメラ及び前記第2のカメラと通信する画像処理コンピューターであって、前記画像処理コンピューターは少なくとも1台のプロセッサ及び動作的に関連するメモリを含み、前記メモリは指示を含み、前記少なくとも1台のプロセッサによって実行されるとき、前記画像処理コンピューターに、前記第1のカメラ及び前記第2のカメラの少なくとも1つから受信した画像フレームに少なくとも第1の検査アルゴリズムを適用させ、前記第1のカメラ及び前記第2のカメラは、共通の通信プロトコルによって前記ネットワーク上で前記画像処理コンピューターと通信するように構成される、画像処理コンピューターと、を含む、装置。
【請求項11】
前記ラインは前記流れ方向に間隔を置いて配置した複数のピッチ式単位作業を含み、前記第1のカメラは、前記複数のピッチ式単位作業から選択される第1のピッチ式単位作業の上流に前記流れ方向に配置され、前記第2のカメラは、前記第1のピッチ式単位作業の下流に前記流れ方向に配置され、前記画像処理コンピューターの前記メモリは指示を更に含み、前記少なくとも1台のプロセッサによって実行されるとき、前記画像処理コンピューターに、
前記第1のカメラから受信する第1のカメラ画像に検査アルゴリズムを適用させ、
前記第2のカメラから受信する第2のカメラ画像に検査アルゴリズムを適用させ、
製品ウェブの欠陥が、前記第1のカメラ画像ではなく前記第2のカメラ画像で識別されるとき、前記製品ウェブの欠陥を前記ピッチ式単位作業と関連付けるデータを格納させる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のカメラと通信し、前記第1のカメラから受信する複数のライン画像を第1の画像フレームに結合するように構成されるフレームグラバを更に含み、前記画像フレームは、製品及び製品の構成要素からなる群から選択される少なくとも1つの製品ウェブのオブジェクトに相当する、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のライントリガ信号の生成は、前記製品ウェブの速度を示すウェブ速度データを前記ウェブ速度センサから受信し、前記ウェブ速度データをライントリガ信号に変換することを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のカメラ制御システムの前記少なくとも1つのハードウェア構成要素は、前記製品ピッチデータ及び前記製品位相データを考慮する第1のカメラフレームトリガを生成するように更に構成され、前記第1のカメラフレームトリガ信号は、前記第1のカメラによって取り込まれる画像フレームと画像フレームとの間で中断を示す、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記画像処理コンピューターと通信するエリアスキャンカメラを更に含む、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記共通の通信プロトコルは、FTP、TCP/IP、IEEE1394(ファイアワイア)、イーサネット/IP及びGIGE VISIONからなる群から選択される、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
流れ方向に装置に対して移動するオンライン製品ウェブを検査する装置であって、
視野を画定し、前記視野が前記製品ウェブの部分を含むように配置されるラインスキャンカメラと、
前記カメラと電子通信するカメラ制御システムであって、
ライントリガ信号を生成し、前記ライントリガ信号は、流れ方向に不断の画素解像度を達成するために必要なカメラ画像キャプチャの時間周波数を示し、
製品ピッチデータ及び製品位相データを考慮するカメラフレームトリガ信号を生成し、前記フレームトリガ信号は、前記カメラによって取り込まれる画像フレームと画像フレームとの間で中断を示し、それぞれの画像は前記製品ウェブ上の1つの製品に相当する、ように構成される少なくとも1つのコンピューターハードウェア構成要素を含む、カメラ制御システムと、
前記第1のカメラと電子通信する画像処理コンピューターであって、前記画像処理コンピューターは、少なくとも1台のプロセッサ及び動作的に関連するメモリを含み、
前記ラインスキャンカメラ及び前記画像処理コンピューターの少なくとも1つは、前記第1の画像に第1の検査アルゴリズムを適用するようにプログラムされ、
前記第1の検査アルゴリズムの結果が異常状態を示すのであれば、前記画像処理コンピューターは、前記第1の画像に第2の検査アルゴリズムを適用するようにプログラムされる、画像処理コンピューターと、を含む、装置。
【請求項18】
前記第1の検査アルゴリズムは、前記ラインスキャンカメラで適用される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の検査アルゴリズムは、前記移動するウェブ上の製品の構成要素の存在を検出するように構成され、前記第1の検査アルゴリズムの結果によって示される前記異常状態は、前記製品の構成要素の存在が所定の信頼度まで判定できないことの表示である、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記第2の検査アルゴリズムは、ウェーブレット解析アルゴリズム及びユークリッド距離マッピングアルゴリズムからなる群から選択される、請求項17に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−513188(P2013−513188A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543186(P2012−543186)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/059155
【国際公開番号】WO2011/075339
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】