説明

ラインヘッド、およびラインヘッドを用いた画像形成装置

【課題】発光素子群とロッドレンズアレイの仮想中心線との位置のずれ量を減少させ、光量が均一でスポット径も均一になるようなラインヘッドを提供する。
【解決手段】ガラス基板上に実装されている発光部による結像スポット群の位置と、ロッドレンズアレイ65の仮想中心線CLとの距離測定を行う。該距離測定結果に基づき、第一の発光素子群および第二の発光素子群のうち、ロッドレンズアレイ65の仮想中心線CLに近い方の発光素子群が点灯できるように、切り替え手段を用いて切り替えを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光素子を用いたラインヘッド、およびそのラインヘッドを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タンデム方式、またはロータリー方式の画像形成装置においては、露光装置として走査光学系を設ける方式と、発光素子アレイを用いる方式が知られている。発光素子アレイを用いる方式では、発光素子とレンズの位置合わせが必要になる。例えば特許文献1には、複数の発光体を配置した画像アレイと単眼レンズの位置決めのために、レンズホルダーにレンズの中心位置を示すためのマークを設けた例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−186444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような光学系を用いる場合に、ラインヘッドの結像光学系としては、図14の平面図に示すような2列のロッドレンズ184,185を有するロッドレンズアレイ165を用いた等倍光学系が一般的に用いられる。このロッドレンズアレイ165では、第一の方向(以下主走査方向)と平行なロッドレンズアレイ165の仮想中心線CLと図示しない発光素子の位置を、主走査方向に直交する第二の方向(以下副走査方向)において一致させる必要があるが、この位置がずれる場合がある。
【0005】
図14において、直線Aは、発光素子の位置がこのロッドレンズアレイ165の仮想中心線CLからずれた例を示している。このように、発光素子の位置がロッドレンズアレイ165の仮想中心線CLからずれる場合には、発光素子から入射されてロッドレンズ184,185から射出される光量にばらつき(光量ばらつき)が生じる。図15(a)は主走査方向の光量ばらつきを示す特性図、図15(b)は、副走査方向の光量分布データを示す特性図である。図15(b)に示すように、副走査方向に発光素子の位置がずれた場合には、ずれ量の正負対称に光量ばらつきが生じる。
【0006】
図14に示す、ロッドレンズ184,185の直径を0.56mmとする。このときの主走査方向の光量ばらつきは、発光素子の位置とロッドレンズアレイの仮想中心線とのずれが0(ずれがないとき)であれば、光量むら周期がロッドレンズの直径の1/2の0.28mmである。また、図15(a)に示すように、発光素子の位置とロッドレンズアレイ165の仮想中心線CLとのずれ量が0.1mmのときには、特性Dbのように光量むら周期はロッドレンズ184,185の直径の1/2の0.28mmと直径の0.56mmの和となる。また、発光素子の位置とロッドレンズアレイ165の仮想中心線CLとのずれ量が0.2mmのときには、特性Dcのように光量むら周期はロッドレンズ184,185の直径0.56mmとなる。
【0007】
このように、発光素子の位置がロッドレンズアレイ165の仮想中心線CLからずれる場合には、次のような問題が生じる。(1)ロッドレンズ184,185を通過する光量ムラの周期が2倍となり、光量ムラが認識しやすくなり画質の劣化が明瞭になる。(2)ロッドレンズ184,185を通過する光量の光量ムラが増加する。(3)ロッドレンズ184,185を通過する光量が低下する。(4)結像性能が劣化して、スポット径が大きくなったり、ばらついたりする。
【0008】
従来の発光素子として特許文献1に記載されているようなLEDを用いたラインヘッドでは、基板上に発光素子アレイを実装してラインヘッドを構成している。このため、実装誤差により発光部の画素列が直線にならず、全ての発光画素に対してレンズアレイの中心線を合わせる事が困難であった。また、スポット径は補正することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題の少なくともひとつを解決するように、以下の適用例または形態として実現され得る。
【0010】
〔適用例1〕本適用例に記載のラインヘッドは、発光素子が第一の方向に複数配置された第一の発光素子群と、前記第一の発光素子群の前記発光素子と並行するように発光素子が前記第一の方向に複数配置された第二の発光素子群と、前記第一の発光素子群または前記第二の発光素子群より射出された光が、結像位置に結像されるように設けられたレンズアレイと、前記第一の発光素子群と前記第二の発光素子群とを切り替えて選択する切り替え手段と、を有し、前記第一の発光素子群および前記第二の発光素子群のうち、前記第一の方向に沿った前記レンズアレイの仮想中心線に距離が近い一方が前記切り替え手段によって選択され、選択された、前記第一の発光素子群または前記第二の発光素子群の一方から発光が行なわれていることを特徴とする。
このように、発光素子を複数配列した発光素子群に対して、レンズアレイを基準として基板に形成されている発光素子群の選択を行っている。このため、発光部とレンズアレイとを精度良く位置合わせすることができ、光量が均一でスポット径も均一になるようなラインヘッドとすることが可能となる。
【0011】
〔適用例2〕また、上記適用例に記載のラインヘッドにおいて、前記仮想中心線と前記第一の発光素子群および前記第二の発光素子群との前記距離の測定は、前記レンズアレイと、前記レンズアレイから射出された光が前記結像位置に結像された結像スポット群との位置を、前記光の射出側から視認することによって行われることを特徴とする。
このように、レンズアレイと結像スポットの位置を直接観察できるので、両者間の位置測定を容易にかつ高精度に行うことが可能となる。
【0012】
〔適用例3〕また、上記適用例に記載のラインヘッドにおいて、前記切り替え手段は、前記第一の発光素子群および第二の発光素子群の陰極に接続されていることを特徴とする。
このように、発光部の陰極は、前記発光素子群ごとに形成が可能であるため、切り替え手段を容易に作成することが可能となる。
【0013】
〔適用例4〕また、上記適用例に記載のラインヘッドにおいて、前記切り替え手段は、前記第一の発光素子群および第二の発光素子群の駆動回路に接続されていることを特徴とする。
このため、切り替え手段における選択方法を容易にすることが可能となる。
【0014】
〔適用例5〕また、上記適用例に記載のラインヘッドにおいて、前記切り替え手段は、前記第一の発光素子群および第二の発光素子群の駆動回路と一体に形成されていることを特徴とする。
このため、切り替え手段を容易に作成することが可能となる。
【0015】
〔適用例6〕本適用例に記載の画像形成装置は、像担持体の周辺に、帯電手段と、上記適用例に記載のラインヘッドと、現像手段とを有する画像形成ステーションを2つ以上設け、転写媒体がそれぞれの前記画像形成ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする。
この構成により、タンデム方式の画像形成装置に用いるラインヘッドおいて、光学系に対する発光素子の位置決め精度を向上させ、光量ムラを低減させることが可能となる。
【0016】
〔適用例7〕また、上記適用例に記載の画像形成装置において、中間転写部材を備えたことを特徴とする。
中間転写部材を備えた画像形成装置に用いるラインヘッドおいて、光学系に対する発光素子の位置決め精度を向上させ、光量ムラを低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態にかかる画像形成装置の縦断側面図。
【図2】図1に示した像担持体近傍の部分的な断面図。
【図3】像書込手段を拡大して示す概略の斜視図。
【図4】像書込手段の副走査方向の断面図。
【図5】発光素子群を選択する際の概略構成を示す説明図。
【図6】発光素子群の位置とロッドレンズアレイの仮想中心線との位置関係の一例を示す説明図。
【図7】図4に示した有機EL発光素子アレイの発光部近傍の構成例を示す断面図。
【図8】切り替え手段による発光素子群の切り替えの例を示す説明図。
【図9】切り替え手段による発光素子群の切り替えの回路構成を説明する回路図。
【図10】ラインヘッドに用いるガラス基板を示す平面図。
【図11】発光素子群の切り替えにおける回路構成の他の一例を示す回路図。
【図12】本実施形態にかかるラインヘッドの主走査方向の光量ばらつきを示すグラフ。
【図13】第2実施形態にかかる画像形成装置の縦断側面図。
【図14】従来のラインヘッドの結像光学系を説明する平面図。
【図15】従来のラインヘッドの結像光学系の光量ばらつきを示し、(a)は主走査方向の光量ばらつきを示す特性図、(b)は副走査方向の光量分布データを示す特性図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ラインヘッドの発光部に有機EL素子を用いた場合には、発光画素列は単一の基板上に半導体プロセスを用いて製造されるため、その直線性は、従来のLEDに比べ極めて高精度に構成することが可能となる。さらに、発光素子自身の光量ムラもレンズアレイの透過光量ムラに比べて小さく、レンズアレイの中心線と発光素子列を高精度に位置決めできれば、光量補正がなくとも光量を均一にすることができ、スポット径も均一となり、高画質なラインヘッドを構成することができる。本発明は、このような有機EL素子の特性に着目してラインヘッドの位置決めを行うものである。
【0019】
(第1実施形態)
まず、本発明にかかるラインヘッドが用いられる画像形成装置の第1実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、第1実施形態にかかる画像形成装置の縦断側面図である。本実施形態は、転写ベルトとして中間転写ベルトを用いる例である。図1に示すように、画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有している。さらに、第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3’を備え、開閉蓋3’は第1の開閉部材3と連動して、または独立して開閉可能にされている。
【0020】
ハウジング本体2内には、電源回路基板及び制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設され、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が配設されている。画像形成ユニット6及び給紙ユニット10内の消耗品は、本体に対して着脱可能な構成である。
【0021】
ハウジング本体2の前面下部の両側には、回動軸3bを介して第1の開閉部材3がハウジング本体2に開閉自在に装着されている。転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラー14と、駆動ローラー14の斜め上方に配設される従動ローラー15と、この2本の駆動ローラー14、従動ローラー15間に張架されて図示矢印方向(本例では、左周り(反時計方向))へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に離当接されるクリーニング手段17とを備えている。
【0022】
従動ローラー15及び中間転写ベルト16が駆動ローラー14に対して鉛直方向で高い位置に配設されている。同図では、従動ローラー15から駆動ローラー14に対し右下がりに傾斜する方向に配設されている。上記駆動ローラー14及び従動ローラー15は、支持フレーム9aに回転自在に支持され、支持フレーム9aの下端には回動部9bが形成され、この回動部9bはハウジング本体2に設けられた回動軸(回動支点)2bに嵌合され、これにより、支持フレーム9aはハウジング本体2に対して回動自在に装着されている。
また、支持フレーム9aの上端にはロックレバー9cが回動自在に設けられ、ロックレバー9cはハウジング本体2に設けられた係止軸2cに係止可能に設けられている。駆動ローラー14は、二次転写ユニット11を構成する二次転写ローラー19のバックアップローラーを兼ねている。また、従動ローラー15は、クリーニング手段17のバックアップローラーとして兼用させている。
【0023】
中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16a裏面には、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20に対向して板バネ電極からなる一次転写部材21がその弾性力で当接され、一次転写部材21には転写バイアスが印加されている。転写ベルトユニット9の支持フレーム9aには、駆動ローラー14に近接してテストパターンセンサー18が設置されている。画像形成ユニット6は、複数(本実施形態では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備え、各画像形成ステーションY,M,C,Kにはそれぞれ、感光体ドラムからなる像担持体20と、像担持体20の周辺に配設された、帯電手段22、像書込手段(ラインヘッド)23及び現像手段24を有している。
【0024】
そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接されるように配置されている。像担持体20は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に回転駆動される。帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラーで構成され、導電性ブラシローラー外周が感光体である像担持体20に対して逆方向で、かつ、2〜3倍の周速度で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。
【0025】
像書込手段23は、有機EL素子を像担持体20の軸方向(第一の方向)に列状に配列した有機EL素子アレイを用いている。有機EL素子アレイを用いた像書込手段23(ラインヘッド)は、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施形態においては、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体20、帯電手段22及び像書込手段23を1つの像担持体ユニット25としてユニット化している。これらのユニットは、転写ベルトユニット9と共に支持フレーム9aに交換可能に設けられている。
【0026】
次に、現像手段24の詳細について説明する。なお、各画像形成ステーションY,M,C,Kは、同じ構成であるため画像形成ステーションKを代表して説明する。現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30を有している。また、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラー31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラー31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラー31及び像担持体20に当接するように配設される現像ローラー33と、現像ローラー33に当接される規制ブレード34とが設けられている。像担持体20は中間転写ベルト16の搬送方向に回転され、現像ローラー33及びトナー供給ローラー31は、図示矢印に示すように、像担持体20の回転方向とは逆方向に回転駆動され、一方、トナー撹拌部材29はトナー供給ローラー31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。
【0027】
トナー貯留部27においてトナー撹拌部材29により撹拌、運び上げられたトナーは、仕切部材30の上面に沿ってトナー供給ローラー31に供給され、供給されたトナーはブレード32と摺擦してトナー供給ローラー31の表面凹凸部への機械的付着力と摩擦帯電力による付着力によって、現像ローラー33の表面に供給される。現像ローラー33に供給されたトナーは規制ブレード34により所定厚さの層厚に規制され、薄層化したトナー層は、像担持体20へと搬送されて現像ローラー33と像担持体20が接触して構成するニップ部及びこの近傍で像担持体20の潜像部を現像する。
【0028】
給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラー36とからなる給紙部を備えている。第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラー対37と、駆動ローラー14及び中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送手段13と、排紙ローラー対39と、両面プリント用搬送路40とを備えている。
【0029】
定着ユニット12は、ハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラー45と、この加熱ローラー45を押圧付勢する加圧ローラー46と、加圧ローラー46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラー46とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49とを有している。記録媒体Pに二次転写されたカラー画像は、加熱ローラー45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体Pに定着される。
【0030】
ここで、像担持体ユニット25について、図1および図2を用い詳細に説明する。図2は、図1に示した像担持体20近傍の部分的な断面図である。像担持体ユニット25は、中間転写ベルト16に接する側が開口した不透明な金属板等からなるケース50中に、相互に離間して平行に画像形成ステーションY,M,C,Kの4本の像担持体(感光体ドラム)20が回転可能に支持されている。各像担持体20の所定位置で当接回転するように帯電手段22の導電性ブラシローラーが支持されており、帯電手段22の下流側、換言すれば、像担持体20の回転方向の下流側に有機EL素子アレイ61(露光ヘッド)からなる像書込手段23が像担持体20に対向して位置決めされ、像担持体20の外周面に対してほぼ平行に支持されている。
【0031】
像書込手段23の下流側(像担持体20の回転方向の下流側)のケース50の壁面には、各像担持体20に対応して現像手段24の現像ローラー33を当接させる開口51が設けられている。各開口51と像書込手段23の間には、ケース50の遮蔽部分52が残されており、また、帯電手段22と像書込手段23の間にケース50の遮蔽部分53が残されている。この遮蔽部分52、53、特に、開口51と像書込手段23の間の遮蔽部分52が像書込手段23中の有機EL材料からなる発光部へ外から紫外線が達するのを防いでいる。
像書込手段23は、有機EL素子アレイ61と、有機EL素子アレイ61を前面(像担持体20の設けられている側)から覆うレンズアレイとしての屈折率分布型ロッドレンズアレイ65と、屈折率分布型ロッドレンズアレイ65(以下、「ロッドレンズアレイ」ともいう。)が汚れた場合に、ふき取りを行うクリーニングパッド82とを有している。クリーニングパッド82は、図示を省略した把手により往復動される。
【0032】
図3は、像書込手段23を拡大して示す概略の斜視図である。図3においては、像書込手段23の細部が示されている。像担持体ユニット25に取り付けられた各像担持体(感光体ドラム)20に対して、像書込手段23を正確に位置決めするための機構が示されている。有機EL素子アレイ61は、長尺のハウジング60中に保持されている。長尺のハウジング60の両端に設けた位置決めピン69をケース50の対向する位置決め穴に嵌入させると共に、長尺のハウジング60の両端に設けたねじ挿入孔68を通して固定ねじをケース50のねじ穴にねじ込んで固定することにより、各像書込手段23が所定位置に固定される。
【0033】
像書込手段23は、ガラス基板62上に有機EL素子アレイ61の発光部63を載置し、同じガラス基板62上に形成されたTFT(薄膜トランジスター)71により駆動される。屈折率分布型ロッドレンズアレイ65は結像光学系を構成し、発光部63の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ84,85を俵積みしている。さらに、像書込手段23は、詳細を後述するハウジング60、カバー66、および固定板ばね67を有している。ハウジング60は、ガラス基板62の周囲を覆い、像担持体20に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ84,85から像担持体20に光線を射出する。ハウジング60のガラス基板62の端面と対向する面には、光吸収性の部材(塗料)が設けられている。
【0034】
図4は、像書込手段23の副走査方向の断面図である。像書込手段23には、ハウジング60中の屈折率分布型ロッドレンズアレイ65の後面に面して取り付けられた有機EL素子アレイ61と、ハウジング60の背面からその中の有機EL素子アレイ61を遮蔽する不透明なカバー66とが設けられている。また、固定板バネ67によりハウジング60背面に対してカバー66を押圧して、ハウジング60内を光密に密閉する。すなわち、ガラス基板62は、固定板バネ67によりハウジング60で光学的に密閉されている。固定板バネ67は、ハウジング60の長手方向に複数個所設けられている。像担持体20には、像面91が形成される。
【0035】
ケース50の内面に紫外線を吸収する黒色の塗料を塗布しておくと、有機EL素子アレイ61に対する紫外線遮蔽作用をより確実に行うことができ、有機EL発光素子の劣化を防止することができる。また、像書込手段23のハウジング60は不透明部材で形成され、その背面には不透明なカバー66により覆われている。このため、有機EL素子アレイ61の背面に入射する蛍光灯や太陽からの紫外線も、有機EL素子アレイ61の発光部63へ達することは防止される。ガラス基板62は、ハウジング60に接着剤83で固定されている。
【0036】
図5は、発光素子群を選択する際の概略構成を示す説明図である。図5で示すように、ロッドレンズアレイ65の出力光の出射側65aをCCDカメラ90に向けて固定する。
【0037】
図6は、本実施形態における、第一の発光素子群(図示せず)および第二の発光素子群(図示せず)の位置とレンズアレイとしてのロッドレンズアレイ65の仮想中心線CLとの位置関係の一例を示す説明図である。本例では、ロッドレンズアレイ65の仮想中心線CLと、図示しない第一の発光素子群および第二の発光素子群とが、第一の方向(以下、主走査方向)と並行するように設けられている。なお、本例では、ほぼ平行となるように設けられている。
第一の発光素子群の位置(直線A)はロッドレンズアレイ65の仮想中心線CLから0.1mmずれた位置、第二の発光素子群の位置(直線B)は仮想中心線CLから0.2mmずれた位置にある。なお、ここで説明した位置とは、主走査方向に直交する第二の方向(以下副走査方向)の位置関係を示している。
【0038】
この状態を図5に示すとおり、ロッドレンズアレイ65の出力光の出射側65aからCCDカメラ90により視認することによって、ガラス基板62上に実装されている発光部63による結像スポット群の位置と、ロッドレンズアレイ65の仮想中心線CLとの距離測定を行う。この際、CCDカメラ90は矢印Z方向に移動してピント調整を行う。前記距離測定が終了すると、前記ロッドレンズアレイ65の仮想中心線CLに近いほうの発光素子群が点灯できるように、切り替え手段を用いて切り替える。
従って、図6で説明した例では、第一の発光素子群の位置の方が第二の発光素子群の位置よりもロッドレンズアレイ65の仮想中心線CLに近いため、第一の発光素子群を点灯させることとなる。
【0039】
図7は、図4に示した有機EL素子アレイ61の発光部63近傍の構成例を示す断面図である。有機EL素子アレイ61は、例えば0.5mm厚のガラス基板62上に、各発光部63の発光を制御する厚さ50nmのポリシリコンからなるTFT(薄膜トランジスター)71が、例えば千鳥配置の2列の発光部63各々に対応して欄外に設けられている。ガラス基板62上には、そのTFT71上のコンタクトホールを除いて厚さ100nm程度のSiO2からなる絶縁膜72が成膜され、コンタクトホールを介してTFT71に接続するように発光部63の位置に厚さ150nmのITOからなる陽極73が形成されている。
【0040】
次いで、発光部63以外の位置に対応する部分には厚さ120nm程度のSiO2からなる別の絶縁膜74が成膜され、その上に発光部63に対応する穴76を形成した厚さ2μmのポリイミドからなるバンク75が設けられる。そのバンク75の穴76内に、陽極73側から順に、厚さ50nmの正孔注入層77、厚さ50nmの発光層78が成膜され、その発光層78の上面と穴76の内面及びバンク75の外面を覆うように厚さ100nmのCaからなる陰極第1層79aと厚さ200nmのAlからなる陰極第2層79bとが順に成膜され、陰極79が形成されている。
【0041】
そして、その上に窒素ガス等の不活性ガス80を介して厚さ1mm程度のカバーガラス64でカバーされて有機EL素子アレイ61の発光部63が構成されている。発光部63からの発光はガラス基板62側に行われる。なお、発光層78に用いる材料、正孔注入層77に用いる材料については、公知の種々のものが利用でき、詳細な説明は省略する。このような有機EL発光素子は、発光素子をガラス基板上に容易に作製することができるので、製造コストを低減することができる。
【0042】
次に、発光素子群の切り替え手段について説明する。
図8は、切り替え手段による発光素子群の切り替えの例を示す説明図である。図8の例は、図7で説明した有機EL素子アレイ61の陰極79を発光素子群の切り替え手段の一部として用いるものである。ガラス基板62には、有機EL素子を用いた発光部63が形成されており、各発光部63はTFTなどで構成される駆動回路88にリード線92で接続されている。ガラス基板62には、発光素子群選択のための切り替え手段、本例では発光部63に接続される陰極79が形成されている。
【0043】
図9は、図8における回路構成を説明する回路図である。ラインヘッド110には、発光素子ライン101,102が設けられている。第一の発光素子群としての発光素子ライン101には、たとえばEL素子を用いた発光素子D00〜D23が配列されている。また、第二の発光素子群としての発光素子ライン102にも、EL素子を用いた発光素子D50〜D73が配列されている。また、ラインヘッド110には、正の電源線104、負の電源線105,106が設けられている。
【0044】
正の電源線104は、発光素子ライン101,102における各発光素子の陽極73(アノード)に共通して接続されている。また、負の電源線105は発光素子ライン101における各発光素子の陰極79(カソード)に接続され、負の電源線106は発光素子ライン102における各発光素子の陰極79(カソード)に接続されている。発光素子ライン101は、正の電源線104と負の電源線105との間に接続され、発光素子ライン102は正の電源線104と負の電源線106との間に接続される。なお、簡略化するために図9では図示を省略しているが、実際には、正の電源線104と各発光素子ライン101,102の発光素子D00〜D73の陽極73(アノード)との間には、個別に正の電源線104とのオンオフスイッチが設けられている。このオンオフスイッチは、たとえば電子スイッチで構成される。
【0045】
負の電源線105と負の電源線106との間には、切り替え手段103が接続されている。接触子103cが接点103a側に接続されている場合には、切り替え手段103により正の電源線104と負の電源線105との間に電圧が印加されて発光素子ライン101の各発光素子D00〜D23が点灯動作する。また、切り替え手段103の接触子103cが接点103b側に接続されている場合には、電源線104,106間に電圧が印加されて発光素子ライン102の各発光素子D50〜D73が点灯動作する。このように、図9の例では、各発光素子ライン101,102の発光素子D00〜D73の陰極79(カソード)側が共通に接続される負の電源線105,106を切り替え手段103で切り替えて選択することにより、発光素子ラインを選択している。
【0046】
この際に、正の電源線104は各発光素子ラインの発光素子の陽極73(アノード)に共通して接続されている。図9の例では、一方極性である正の電源線104は2ラインの発光素子ライン101,102で共通に接続した状態を維持し、他方極性である負の電源線105,106のみを切り替えている。このため、両極性の電源線とも切り替える場合と比較して、切り替え手段の構成を簡略化することが出来る。これによって、発光素子ラインの選択を簡便、かつ円滑に行うことが出来る。
【0047】
切り替え手段103は、図9に示されているような機械的な選択手段のほかに、トランジスターなどの電子的スイッチを用いる構成とすることが出来る。また、あらかじめ両方の電源線を接続しておき、レーザー、カッティング等の機械的手段を用いて選択することも可能である。
【0048】
図10は、本実施形態のラインヘッド110に用いるガラス基板62を示す平面図である。ガラス基板62には、有機EL素子を用いた発光部63が形成されており、各発光部63はTFT(Thin Film Transistor)などで構成される駆動回路88にリード線92で接続されている。ガラス基板62の両端には、発光素子群選択のための切り替え手段である駆動回路88に接続される配線93が形成されている。
【0049】
図11は、発光素子群の切り替えにおける回路構成の他の例を示す回路図である。図11において、発光素子ラインの選択用トランジスターであるトランジスターTr3,Tr4は、発光素子ライン101,102に共通のドライブトランジスターTr2に直列に接続されている。発光素子ライン101,102には、発光素子ライン101,102のセレクト信号Sel1,Sel2が供給される信号線108,109が接続されている。そして、セレクト信号Sel2が信号線109側から信号線108側に逆流しないようにインバーターINVが設けられている。
【0050】
図11の例では、正の電源線104は発光素子ライン101,102における各発光素子の陽極(アノード)に共通して接続されている。また、負の電源線105は発光素子ライン101における各発光素子の陰極(カソード)に接続され、負の電源線106は発光素子ライン102における各発光素子の陰極(カソード)に接続されている。各発光素子は負の電源線105,106に共通の電位で接続された状態を保持する。
【0051】
発光素子ラインを選択するために、信号線108からトランジスターTr3のゲートにセレクト信号Sel1が供給されると、発光素子ライン101の各発光素子が点灯する。この際に、信号線109からはセレクト信号Sel2が供給されないので、発光素子ライン102の発光素子は点灯しない。逆に、信号線108のセレクト信号Sel1を停止し、信号線109からセレクト信号Sel2が供給されると、発光素子ライン101の発光素子は消灯し、発光素子ライン102の発光素子が点灯する。
【0052】
このように、図11の例ではトランジスターTr3,Tr4が動作して各発光素子ライン101,102の陽極(アノード)側で切り替え制御を行うものである。すなわち、セレクト信号Sel1,Sel2が供給されるトランジスターTr3,Tr4は発光素子ラインを選択する切替手段として作用する。
【0053】
また、図11の例では、発光素子ラインを選択する切り替え手段をトランジスターTr3,Tr4で構成している。このため、選択方法を簡便に、あるいは、機械的スイッチと比較して発光素子ラインの切り替えの信頼性を高めることが可能となる。なお、発光素子を有機ELで、選択用のトランジスターTr3,Tr4をTFT(Thin Film Transistor)で形成する場合には、ラインヘッドに選択用のトランジスター(駆動回路)と発光素子群とを同じ製造技術を用いて一体に形成できるので、製造コストを低減することが可能となる。
【0054】
上述した第1実施形態の画像形成装置1によれば、図6に示したような複数の発光素子群を切り替えるための切り替え手段、図5に示したような発光素子群を選択するための工程を有している。詳述すると、発光素子を複数配列した第一の発光素子群および第二の発光素子群の内から、ロッドレンズアレイ65の仮想中心CLに近い発光素子群を選択(本例では、第一の発光素子群を選択)して発光させる。このため、発光部63とロッドレンズアレイ65とを精度良く位置合わせすることができ、光量が均一でスポット径も均一になるような像書込手段(ラインヘッド)23とすることが可能となる。
【0055】
図12のグラフに本実施形態の構成を用いた像書込手段(ラインヘッド)23の光量ばらつきを示す。図12の特性Daに示すように、図15に示す従来の像書込手段(ラインヘッド)23の光量ばらつきと比較して本実施形態の像書込手段(ラインヘッド)23の光量ばらつきが小さいことがわかる。
このように、本実施形態に示す像書込手段(ラインヘッド)23を用いた画像形成装置1は、光量ばらつきによる画像劣化の少ない良好な画像を得ることが可能となる。
また、複雑な機構を用いていないので、位置合わせに必要な部品を必要とせず、像書込手段(ラインヘッド)23の製造コストを低減することが可能となる。
【0056】
(第2実施形態)
次に、本発明にかかるラインヘッドが用いられる画像形成装置の第2実施形態について説明する。図13は、画像形成装置の縦断側面図である。図13において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリー構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機EL素子が設けられているラインヘッド167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラー172、給紙トレイ178が設けられている。現像装置161は、現像ロータリー161aが軸161bを中心として矢視A方向に回転する。現像ロータリー161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。前記4色の各像形成ユニットには、矢視B方向に回転する現像ローラー162a〜162d、矢視C方向に回転するトナー供給ローラー163a〜163d、およびトナーを所定の厚さに規制する規制ブレード164a〜164dが設けられている。
【0057】
さらに、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム165、一次転写部材166、有機EL素子を用いたラインヘッドで構成されている像書込手段167が設けられている。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モーター、例えばステップモーターにより現像ローラー162aとは逆方向の矢視D方向に駆動される。中間転写ベルト169は、従動ローラー170bと駆動ローラー170a間に張架されており、駆動ローラー170aが前記感光体ドラム165の駆動モーターに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モーターの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラー170aは感光体ドラム165とは逆方向の矢視E方向に回動される。
【0058】
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラーと排紙ローラー対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラー171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラー171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
【0059】
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラー172、加圧ローラー173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラー対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラー対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。さらに、電装品ボックス177、用紙を収納する給紙トレイ178、給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラー179が設けられている。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
【0060】
次に画像の形成について説明する。
先ず、イエロー(Y)の静電潜像を書き込み手段167(ラインヘッド)により感光体ドラム165に形成する。現像装置161では、イエローのトナーを現像ローラー162aの表面に担持させ、現像ローラー162aと感光体ドラム165との間に高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローのトナー像が形成される。イエローの画像が形成された感光体ドラム165は、時計回り(矢視D)に回転しながら中間転写ベルト169に圧接されることで、イエローのトナー像が中間転写ベルト169に転写され担持される。イエローのトナー像の転写が終了すると、現像ロータリー161aが矢視A方向(反時計回り)に90度回転し、中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。
次に、イエローと同じ工程を用いて、シアン(C)のトナー像(2面の画像)が感光体ドラム165に形成され、このトナー像が中間転写ベルト169に担持されているイエローのトナー像に重ねて転写されて担持される。以下、同様にして現像ロータリー161aを90度回転させる毎に、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返され、マゼンタ(M)、ブラック(K)のトナー像が中間転写ベルト169に重ねて転写され、4色のカラートナー像が形成される。
【0061】
4色のカラートナー像担持には中間転写ベルト169は4回転する。その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラー171の位置で用紙にカラートナー像を転写する。給紙トレイ178から給紙された用紙を用紙搬送路174で搬送し、二次転写ローラー171の位置で用紙の片面に前記カラートナー像を転写する。一方の面にカラートナー像が転写された用紙は、加熱ローラー172などの定着器で定着処理がなされた後、排紙ローラー対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラー171の位置に搬送されて、他面に前述の工程を用いて形成されたカラートナー像が転写される。なお、他面の転写は行なわれなくてもよい。
【0062】
なお、切り替え手段による発光素子群の切り替えは、上述の第1実施形態において図9〜図11を用いて説明した構成と同様であるので、本実施形態での説明は省略する。
【0063】
上述した第2実施形態の画像形成装置によれば、前述の第1実施形態の効果に加えて、図13に示したように単一の像書き込み手段167で構成されているため、複数の像書き込み手段を用いた場合に比べて色ずれの少ない良好な画像を得ることが可能となる。
【0064】
以上、本発明のラインヘッドの位置決め方法、および位置決めされたラインヘッドを用いる画像形成装置をいくつかの実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されず種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0065】
1…画像形成装置、2…ハウジング本体、3…第1の開閉部材、3’…開閉蓋、4…第2の開閉部材、5…電装品ボックス、6…画像形成ユニット、7…送風ファン、9…転写ベルトユニット、9a…支持フレーム、9b…回動部、9c…ロックレバー、10…給紙ユニット、11…二次転写ユニット、12…定着ユニット、13…記録媒体搬送手段、14…駆動ローラー、15…従動ローラー、16…中間転写ベルト、16a…ベルト面、17…クリーニング手段、18…テストパターンセンサー、19…二次転写ローラー、20…像担持体、21…一次転写部材、22…帯電手段、23,110,167…像書込手段(ラインヘッド)、24…現像手段、25…像担持体ユニット、26…トナー貯留容器、27…トナー貯留部、29…トナー撹拌部材、30…仕切部材、31…トナー供給ローラー、32…ブレード、33…現像ローラー、34…規制ブレード、35…給紙カセット、36…ピックアップローラー、37…レジストローラー対、39…排紙ローラー対、40…両面プリント用搬送路、45…加熱ローラー、46…加圧ローラー、47…ベルト張架部材、49…耐熱ベルト、50…ケース、51…開口、52,53…遮蔽部分、60…ハウジング、61…有機EL素子アレイ、62…ガラス基板、63…発光部、64…カバーガラス、65…屈折率分布型ロッドレンズアレイ、66…カバー、67…固定板バネ、68…ねじ挿入孔、69…位置決めピン、71…TFT、82…クリーニングパッド、84,85…屈折率分布型ロッドレンズ、90…CCDカメラ、91…像面、101,102…発光素子ライン、103…切り替え手段、103a,103b…接点、103c…接触子、104…正の電源線、105,106…負の電源線、108,109…信号線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子が第一の方向に複数配置された第一の発光素子群と、
前記第一の発光素子群の前記発光素子と並行するように発光素子が前記第一の方向に複数配置された第二の発光素子群と、
前記第一の発光素子群または前記第二の発光素子群より射出された光が、結像位置に結像されるように設けられたレンズアレイと、
前記第一の発光素子群と前記第二の発光素子群とを切り替えて選択する切り替え手段と、を有し、
前記第一の発光素子群および前記第二の発光素子群のうち、前記第一の方向に沿った前記レンズアレイの仮想中心線に距離が近い一方が前記切り替え手段によって選択され、
選択された、前記第一の発光素子群または前記第二の発光素子群の一方から発光が行なわれていることを特徴とするラインヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のラインヘッドにおいて、
前記仮想中心線と前記第一の発光素子群および前記第二の発光素子群との前記距離の測定は、前記レンズアレイと、前記レンズアレイから射出された光が前記結像位置に結像された結像スポット群との位置を、前記光の射出側から視認することによって行われることを特徴とするラインヘッド。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のラインヘッドにおいて、
前記切り替え手段は、前記第一の発光素子群および第二の発光素子群の陰極に接続されていることを特徴とするラインヘッド。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のラインヘッドにおいて、
前記切り替え手段は、前記第一の発光素子群および第二の発光素子群の駆動回路に接続されていることを特徴とするラインヘッド。
【請求項5】
請求項4に記載のラインヘッドにおいて、
前記切り替え手段は、前記第一の発光素子群および第二の発光素子群の駆動回路と一体に形成されていることを特徴とするラインヘッド。
【請求項6】
像担持体の周辺に、帯電手段と、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のラインヘッドと、現像手段とを有する画像形成ステーションを2つ以上設け、転写媒体がそれぞれの前記画像形成ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
中間転写部材を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−840(P2011−840A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147333(P2009−147333)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】