説明

ラインヘッド及び画像形成装置

【課題】 ラインヘッドにおける基板サイズをより小型化する。
【解決手段】 所定形状の基板上に一次元配列状に配置された複数の発光素子を外部から供給されたデータ信号及び制御信号に基づいて順次発光させるラインヘッドであって、前後2つの大ブロックに2分され、かつ当該各大ブロック内において複数の小ブロックに区分された発光素子と、基板上に大ブロックに対応して設けられ、制御信号に基づいて各小ブロックの何れかを選択する選択信号を生成する小ブロック選択回路と、基板上に発光素子に対応して設けられ、選択信号に基づいて発光素子にデータ信号を印加する複数の駆動回路と、基板上において選択信号を駆動回路に各々供給する複数の選択信号配線と、基板上において発光素子の配列方向に直行する方向における略同一位置に各大ブロックに対応して設けられ、データ信号を各小ブロック内の対応する駆動回路に各々供給する複数のデータ信号配線とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインヘッド及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタ等、電子写真方式の画像形成装置に組み込まれ、感光体の表面に静電潜像を形成(露光)する装置としてラインヘッドがある。このラインヘッドは、多数の発光素子を基板上に一次元状に配列させ、基板上にパターニングされた配線を介して各発光素子を駆動するものである。このようなラインヘッドの発光素子としては、発光ダイオード(LED)や有機EL素子等が用いられる。
【0003】
上記発光素子の駆動方式としては、アノード電極とカソード電極の電位を直接コントロールすることによって各発光素子への通電を制御する方式(パッシブ駆動方式)と、発光素子毎に設けられたスイッチング素子の動作を制御することにより各発光素子への通電を制御する方式(アクティブ駆動方式)とがある。例えば特開平11−274569号公報には、アクティブ駆動方式に基づいてスイッチング素子であるトランジスタを用いて発光素子であるLED素子を駆動する発光素子アレイ(上記ラインヘッドに相当するもの。)が開示されている。この発光素子アレイは、例えば図2の等価回路に示されているように、6つのLED素子14,24,34,44,54,64について各々設けられたアドレストランジスタ12,22,32,42,52,62のうち、3つのアドレストランジスタ12,22,32のゲート端子を一方の共通配線BLK1に接続する一方、他の3つのアドレストランジスタ42,52,62のゲート端子をもう一方の共通配線BLK2に接続し、かつ各共通配線BLK1,BLK2をシフトレジスタからなる選択信号回路16の出力端に接続し、さらに各アドレストランジスタ12,22,32,42,52,62のうち、2つのアドレストランジスタ12,42のソース端子をマトリクス配線MTX1に、他の2つのアドレストランジスタ22,52のソース端子をマトリクス配線MTX2に、また残りのアドレストランジスタ22,52のソース端子をマトリクス配線MTX3にそれぞれ接続し、これらマトリクス配線MTX1〜MTX3をデータ信号回路15の出力端に接続するものである。
【0004】
このような発光素子アレイは、図3のタイミングチャートに示されているように、選択信号回路16から出力された選択信号sel1,sel2によってON状態とされたアドレストランジスタ12,22,32,42,52,62のLED素子14,24,34,44,54,64にデータ信号回路15から出力されたデータ信号data1〜data3が印加され、各LED素子14,24,34,44,54,64は、このデータ信号data1〜data3のレベルに応じた輝度で発光する。
なお、図3のタイミングチャートに示されているように、この発光素子アレイでは3値のレベルを取り得るデータ信号data1〜data3を用いるが、データ信号としては2値のレベルを取り得るものを採用する場合もある。
【特許文献1】特開平11−274569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記発光素子アレイの駆動方式は、換言すると、6つのLED素子14,24,34,44,54,64を2つのブロックに分け、各ブロックを2つの選択信号sel1,sel2で選択する一方、各ブロックを構成する3つのLED素子(つまりLED素子14,24,34とLED素子44,54,64)に各々異なるデータ信号data1〜data3を供給するものである。このような駆動方式では、ブロック数に応じた共通配線数(つまり選択信号数)と、各ブロックを構成する発光素子数に応じたマトリクス配線(つまりデータ信号)とが必要になる。
【0006】
特開平11−274569号公報では、説明を簡単化するために各ブロックを3つのLED素子14,24,34(44,54,64)で構成した場合について説明しているが、実用に供されるラインヘッドにおける発光素子数は、要求される露光解像度にもよるが、1つのブロックが百を超える発光素子から構成される場合もある。また、このように多数の発光素子を有するラインヘッドでは各ブロックを構成する発光素子数も百を超える場合があり、したがってデータ信号を伝送するデータ配線(上記マトリクス配線に相当するもの。)の数も各ブロックを構成する発光素子数と同数だけ基板上に配線する必要がある。
【0007】
しかしながら、このように多数のデータ配線を基板上に配線する場合、基板サイズの制約や、マザー基板から得られる基板の取得枚数を向上させてコストアップを抑制する等の制約から、配線ピッチを狭ピッチ化して基板サイズを小型化する必要がある。例えば、上記データ配線は、基板上のレイアウトを最適化する観点から、基板上において発光素子の配列方向と平行に隣接して配線されるが、この場合においては、多数のデータ配線を基板上に配線するために発光素子の配列方向に直交する方向における基板幅が大きくなる。
【0008】
また、データ配線の配線ピッチを狭ピッチ化した場合は、データ配線に寄生する静電容量寄生容量が当然に大きくなり、またデータ配線の線幅を細くした場合には抵抗値が大きくなる。この結果、データ配線の等価的な時定数が大きくなってデータ信号の立上り時間や立下り時間が大きくなるので、データ信号のレベルを高速に切り替えることが出来ず、よって発光素子の発光を高速に切り替えることが出来ない。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、以下の点を目的とするものである。
(1)ラインヘッドにおける基板サイズをより小型化する。
(2)データ配線が有する時定数をより小さくする。
(3)発光素子の発光をより高速に切り替える。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明では、ラインヘッドに係わる第1の手段として、所定形状の基板上に一次元配列状に配置された複数の発光素子を外部から供給されたデータ信号及び制御信号に基づいて順次発光させるラインヘッドであって、複数の大ブロックに分割され、かつ当該各大ブロック内において複数の小ブロックに区分された前記発光素子と、前記基板上に大ブロックに対応して設けられ、制御信号に基づいて各小ブロックの何れかを選択する選択信号を生成する小ブロック選択回路と、前記基板上に前記発光素子に対応して設けられ、前記選択信号に基づいて前記発光素子にデータ信号を印加する複数の駆動回路と、前記基板上において前記選択信号を駆動回路に各々供給する複数の選択信号配線と、前記基板上において各大ブロックに対応して設けられ、データ信号を各小ブロック内の対応する駆動回路に各々供給する複数のデータ信号配線とを具備する、という解決手段を採用する。
【0011】
また、ラインヘッドに係わる第2の手段として、上記第1の手段において、各大ブロックに対応するデータ信号を外部から入力するための外部接続端子を基板において発光素子の配列方向の少なくとも両端に設ける、という解決手段を採用する。
【0012】
ラインヘッドに係わる第3の手段として、上記第1または第2の手段において、各小ブロック選択回路を相互接続することにより単一の制御信号に基づいて各大ブロックの選択信号を生成する、という解決手段を採用する。
【0013】
ラインヘッドに係わる第4の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、小ブロック選択回路はシフトレジスタである、という解決手段を採用する。
【0014】
ラインヘッドに係わる第5の手段として、上記第1〜第4いずれかの手段において、発光素子は有機EL発光素子である、という解決手段を採用する。
【0015】
また、本発明では、画像形成装置に係わる手段として、感光体と、該感光体を一様に帯電させる帯電手段と、上記第1〜5いずれかのラインヘッドを備え、前記感光体を露光することにより形成対象画像の静電潜像を前記感光体上に形成する露光手段と、前記感光体上の静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、前記感光体上のトナー像を転写材に転写させる転写手段と、前記転写材上のトナー像を定着させる定着手段とを具備する、という解決手段を採用する。
なお、このような画像形成装置をカラー画像を形成するように構成しても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、基板上に一次元配列状態で設けられた複数の発光素子を例えば前後2つの大ブロックに区分し、かつ各大ブロックを各々独立して駆動するように構成されているので、基板におけるデータ信号配線の配線幅を、発光素子2を大ブロックG1,G2に区分しない従来の場合よりも狭くすることが可能である。したがって、基板においてデータ信号配線の配線幅方向における寸法を小さくすることが可能となり、よってマザー基板における基板の取り数を従来よりも増加させてラインヘッドのコストダウンを実現することができる。また、このようなラインヘッドを画像形成装置に用いた場合には、ラインヘッドの実装容積が減少するので、実装が容易となる。
【0017】
また、このようなラインヘッドにおいて、データ信号配線の配線幅を従来のままとした場合には、データ信号配線の線間ピッチを従来よりも倍にすることができるので、データ信号配線に寄生する寄生静電容量を半減することができる。一方、このように線間ピッチが倍化するので、データ信号配線の線幅を従来よりも広くすることが可能であり、これによってデータ信号配線の配線抵抗を低下することが可能である。そして、このような寄生静電容量や配線抵抗の低下によって寄生静電容量と配線抵抗とによって規定されるデータ信号配線の時定数が従来よりも小さくなるので、データ信号の立上り時間を従来の立上り時間よりも短くすることができるので、データ信号の繰返し周波数を従来よりも高周波化することが可能であり、よってラインヘッドの発光動作をより高速化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るラインヘッドの要部構成を示す図であり、(a)は基板レイアウト図、(b)は発光素子の構成を示す模式図である。なお、図1(b)において黒丸は、発光素子を示している。
【0019】
図1(a)に示すように、本ラインヘッドは、矩形状基板1と、この矩形状基板1上に形成された複数の発光素子2と、当該発光素子2を駆動するための回路部から構成されている。矩形状基板1は、長さL及び幅Wからなる帯状に形成されている。複数の発光素子2は、有機EL発光素子あるいはLEDであり、図示するように矩形状基板1の長手方向(長さLの方向)に一次元配列状(直線状)に設けられる。また、このように直線状に配列した複数の発光素子2は、図示するように2つの大ブロックG1,G2に区分されている。
【0020】
また、このように一列に配列された発光素子2は、図1(b)に示すように、上記大ブロックG1,G2に区分されると共に、各大ブロックG1,G2が合計40個の小ブロックg1〜g40に区分されている。これら小ブロックg1〜g40は、各々に例えば合計64個の発光素子2から構成されており、よって各大ブロックG1は、合計2560個の発光素子2から構成されている。すなわち、矩形状基板1の長手方向に一列に配列された合計5120個の発光素子2は、長手方向に2つの大ブロックG1,G2に区分されると共に、各大ブロックG1,G2内において同じく長手方向に合計40個の小ブロックg1〜g40に区分されている。
【0021】
ここで、本ラインヘッドは、上述したように電子写真方式の画像形成装置において感光体に静電潜像を露光するために用いられるものであり、発光素子2の総数(上記の場合は合計5120個)は、静電潜像の画素数(解像度)を規定するものである。したがって、発光素子2の総数は、画像形成装置に要求される解像度に応じて適宜設定される。
【0022】
回路部は、外部接続端子3A,3B、データ信号配線4A,4B、小ブロック選択回路5A,5B、駆動回路6及び選択信号配線7A,7Bから構成されている。外部接続端子3A,3Bは、図示するように矩形状基板1の両端部に各々設けられており、回路部を動作させるために必要な各種信号(データ信号及び制御信号)及び電源を外部から入力するためのものである。このような2つの外部接続端子3A,3Bのうち、矩形状基板1の左端に位置する外部接続端子3Aは、矩形状基板1において左側に位置する大ブロックG1の発光素子2に対応するものであり、一方、矩形状基板1の右端に位置する外部接続端子3Bは、矩形状基板1において右側に位置する大ブロックG2の発光素子2に対応するものである。
【0023】
データ信号配線4A,4Bは、上記各大ブロックG1,G2に対応して設けられており、外部接続端子3A,3Bに入力されたデータ信号を上記各小ブロックg1〜g40内の対応する駆動回路6に各々供給するためのものである。このデータ信号配線4A,4Bは、図示するように外部接続端子3A,3Bから上記発光素子2の配列方向(矩形状基板1の長手方向)に並行して設けられている。すなわち、大ブロックG1用のデータ信号配線4Aは、左端に位置する外部接続端子3Aから右側に向けて発光素子2の配列方向に並行に敷線され、一方、大ブロックG2用のデータ信号配線4Bは、右端に位置する外部接続端子3Bから左側に向けて、かつ矩形状基板1の幅方向(発光素子2の配列方向に直行する方向)において上記大ブロックG1用のデータ信号配線4Aと略同一位置に発光素子2の配列方向に並行して敷線されている。
【0024】
小ブロック選択回路5A,5Bは、上記外部接続端子3A,3B及びデータ信号配線4A,4Bと同様に大ブロックG1,G2に対応して設けられており、外部接続端子3A,3Bに入力された制御信号に基づいて40個の小ブロックg1〜g40の何れかを選択する選択信号を生成する。すなわち、小ブロック選択回路5Aは、外部接続端子3Aに入力された大ブロックG1用の制御信号に基づいて大ブロックG1内の小ブロックg1〜g40の何れかを選択する選択信号を生成し、一方、小ブロック選択回路5Bは、外部接続端子3Bに入力された大ブロックG2用の制御信号に基づいて大ブロックG2内の小ブロックg1〜g40の何れかを選択する選択信号を生成する。なお、このような小ブロック選択回路5A,5Bは、一列に配列された発光素子2に対して、図示するようにデータ信号配線4A,4Bを挟んで対峙するように直線状に設けられている。
【0025】
このような小ブロック選択回路5A,5Bは、例えば制御信号として入力されたスタートパルスSPをクロックCLKに同期して順次シフトするシフトレジスタであり、この場合の選択信号は、シフトレジスタの各段から出力されるパルス信号となる。
【0026】
駆動回路6は、上記発光素子2毎に設けられ、上記選択信号に基づいて発光素子2にデータ信号を印加する。このような駆動回路6は、図示するように一列に配列された発光素子2に対して、同じく一列に配列された状態で隣り合うように設けられている。
【0027】
選択信号配線7A,7Bは、上記各小ブロック選択回路5A,5Bから出力された各選択信号を各々対応する小ブロックg1〜g40内の各駆動回路6に供給するものである。すなわち、選択信号配線7Aは、小ブロック選択回路5Aから出力された選択信号を大ブロックG1内の各小ブロックg1〜g40に該当する各駆動回路6に供給する一方、選択信号配線7Bは、小ブロック選択回路5Bから出力された選択信号を大ブロックG2内の各小ブロックg1〜g40に該当する各駆動回路6に供給する。
【0028】
例えば小ブロックg1対応する選択信号配線7A,7Bは、当該小ブロックg1内の全ての各駆動回路6に選択信号を共通に供給する。このことは、他の小ブロックg2〜g402対応する選択信号配線7A,7Bについても全く同様である。なお、このような選択信号配線7A,7Bは、小ブロック選択回路5A,5Bが一列に配列された発光素子2及び駆動回路6に対してデータ信号配線4A,4Bを挟んで対峙するよう設けられているので、データ信号配線4A,4Bとは別の層に設けられている。
【0029】
図2は、本ラインヘッドの機能構成を示す回路図である。
但し、この回路図では、説明を解り易くするために、発光素子2の個数を大幅に縮小する(合計24個)と共に、上述した回路部をより具体化した場合を示している。すなわち、この回路図に係るラインヘッドは、各大ブロックG1,G2を3つの小ブロックA1〜A3,B1〜B3から構成すると共に、各小ブロックA1〜A3,B1〜B3を4つの発光素子2から構成したものである。
【0030】
このようなラインヘッドでは、図示するように、スタートパルスSP1とクロックCLK1とが大ブロックG1用の制御信号として、またデータ信号Data10〜13が大ブロックG1用のデータ信号として外部から入力されると共に、スタートパルスSP2とクロックCLK2とが大ブロックG2用の制御信号として、またデータ信号Data20〜23が大ブロックG2用のデータ信号として外部から入力される。また、このラインヘッドには、外部から入力された正電源VDD及び負電源VSSが大ブロックG1,G2に共通に給電されるようになっている。
【0031】
この図において、符号D1〜D24は有機EL発光素子(発光素子)、DR1〜DR24は駆動回路、SR1、SR2はシフトレジスタ(小ブロック選択回路)、T1,T2は入力端子(外部接続端子)、HD1,HD2はデータ信号配線、HS1,HS2は選択信号配線である。各有機EL発光素子D1〜D24は、カソード端子が負電源VSSに共通接続される一方、アノード端子が駆動回路DR1〜DR24を介して正電源VDDに接続されている。
【0032】
駆動回路DR1〜DR24は、図示するように制御トランジスタと駆動トランジスタとから構成されている。これら制御トランジスタと駆動トランジスタとは、図示するようにFET(電界効果トランジスタ)である。制御トランジスタは、ゲート端子に入力された選択信号に基づいてON/OFFすることにより、データ信号配線HD1,HD2を介してソース端子に印加されたデータ信号Data20〜23の駆動トランジスタのゲート端子への供給を制御する。
【0033】
一方、駆動トランジスタは、ソース端子が正電源VDDに接続されると共に、ドレイン端子が有機EL発光素子D1〜D24のアノード端子に接続されており、制御トランジスタのON/OFF状態に応じて正電源VDDを有機EL発光素子D1〜D24のアノード端子に印加させる。
【0034】
シフトレジスタSR1、SR2は、各小ブロックA1〜A3,B1〜B3の個数(3個)に対応して、図示するように3段のDフリップ・フロップから構成されている。各シフトレジスタSR1、SR2について、1段目のDフリップ・フロップから出力される選択信号s10,s20は、小ブロックA1,B1を構成する各制御回路DR1〜DR4,DR21〜DR24に選択信号配線HS1,HS2を介して供給され、2段目のDフリップ・フロップから出力される選択信号s11,s21は、小ブロックA2,B2を構成する各制御回路DR5〜DR8,DR17〜DR20に選択信号配線HS1,HS2を介して供給され、3段目のDフリップ・フロップから出力される選択信号s12,s22は、小ブロックA3,B3を構成する各制御回路DR9〜DR12,DR13〜DR16に選択信号配線HS1,HS2を介して供給される。
【0035】
入力端子T1,T2は、図示するように大ブロックG1,G2に対応して設けられており、上記スタートパルスSP1,SP2、クロックCLK1,CLK2、データ信号Data10〜13,Data20〜23、正電源VDD及び負電源VSSを受け付けるものである。入力端子T1は、大ブロックG1用のスタートパルスSP1、クロックCLK1、データ信号Data10〜13、正電源VDD及び負電源VSSを受け付け、一方、入力端子T2は、大ブロックG2用のスタートパルスSP2、クロックCLK2、データ信号Data20〜23、正電源VDD及び負電源VSSを受け付ける。
【0036】
データ信号配線HD1,HD2は、上記入力端子T1,T2と同様に大ブロックG1,G2に対応して上記入力端子T1,T2と制御回路DR1〜DR12,DR13〜DR24との間に敷線されており、データ信号Data10〜13,Data20〜23を制御回路DR1〜DR12,DR13〜DR24に供給するためのものである。データ信号配線HD1は、大ブロックG1用のデータ信号Data10〜13を制御回路DR1〜DR12に供給する一方、データ信号配線HD2は、大ブロックG2用のデータ信号Data20〜23を制御回路DR13〜DR24に供給する。
【0037】
選択信号配線HS1,HS2は、上記シフトレジスタSR1、SR2と制御回路DR1〜DR12,DR13〜DR24との間に敷線されており、各選択信号を制御回路DR1〜DR12,DR13〜DR24に供給するためのものである。選択信号配線HS1は、大ブロックG1用のシフトレジスタSR1から出力された選択信号を制御回路DR1〜DR12に供給する一方、選択信号配線HS2は、大ブロックG2用のシフトレジスタSR2から出力された選択信号を制御回路DR13〜DR24に供給する。
【0038】
次に、このように回路構成されたラインヘッドの詳細動作について、図3に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、上述した回路構成から解るように、各大ブロックG1,G2に対応する回路構成は同一なので、以下の説明では代表として大ブロックG1の動作についてのみ説明する。
【0039】
最初に、このタイミングチャートでは、有機EL発光素子D1〜D24の動作時間が1〜8の小主走査期間に8区分されている。この小主走査期間の長さは、例えば10μsに設定されている。シフトレジスタSR1のデータ端子にスタートパルスSPが入力されると、このスタートパルスSPは、クロック信号CLK1の立上りに同期してシフトレジスタSR1に取り込まれて順次転送される。
【0040】
ここで、スタートパルスSPのパルス幅は、シフトレジスタSR1を構成する3つのDフリップ・フロップから出力される選択信号s10〜s12のうち、何れか1つだけがHレベルとなるように設定されている。例えば小主走査期間1において、時刻t0におけるクロック信号CLK1の立上りにおいてスタートパルスSPのHレベルが1段目のDフリップ・フロップに取り込まれ、1段目のDフリップ・フロップから出力される選択信号s10がHレベルとなる。そして、次のクロック信号CLK1の立上りで上記選択信号s10が2段目のDフリップ・フロップに取り込まれて、当該2段目のDフリップ・フロップから出力される選択信号s11がHレベルとなる。さらに、次のクロック信号CLK1の立上りで選択信号s11が3段目のDフリップ・フロップに取り込まれて、当該3段目のDフリップ・フロップから出力される選択信号s12がHレベルとなる。
【0041】
そして、各Dフリップ・フロップから出力された選択信号s10〜s12は、各小ブロックA1〜C1の駆動回路DR1〜DR12に供給される。タイミングチャートに示されているように、各選択信号s10〜s12は、時間差をもって駆動回路DR1〜DR12に入力されるので、ある小ブロックの制御トランジスタがオン状態となると、残りの他のブロックにおける制御トランジスタはオフ状態となる。
【0042】
このように選択信号s10〜s12によって選択されている小ブロックは、制御トランジスタがオン状態となり、よって駆動トランジスタのゲート端子にデータ信号Data10〜13が供給された状態となる。このため、データ信号Data10〜13の状態(HレベルまたはLレベル)に応じて駆動トランジスタのゲート端子の電位が設定され、選択された小ブロックの駆動トランジスタのオン/オフ状態が決定される。
【0043】
ここで、ある小ブロックが選択状態にあり、その後当該小ブロックを非選択状態に移行させると、データ信号Data10〜13は、選択状態にあった小ブロックの駆動トランジスタのゲート端子には供給されない状態となる。しかしながら、駆動トランジスタのゲートの電位は寄生容量によって選択時の電位を保たれるので、駆動トランジスタのオン/オフ状態は維持されることになる。つまり、任意の小ブロック内の各駆動トランジスタのオン/オフ状態は、次に当該小ブロックが選択されるまで維持される。
【0044】
そして、非選択状態にある小ブロックが選択状態に移行すると、データ信号Data10〜13の状態に応じて当該小ブロック内における駆動トランジスタのオン/オフ状態が決定される。以上説明した動作が総ての小ブロックについて順次、繰り返し行われることによって、各有機EL発光素子D1〜D24の点灯時間の制御が行われる。そして、この点灯時間によって感光体の露光光量が制御される。
【0045】
さて、上記タイミングチャートの小主走査期間1では、上述した各選択信号s10〜s12に基づいて、時刻t0において小ブロックA1が、次に時刻t1において小ブロックB1が、さらに時刻t2において小ブロックC1がそれぞれ選択される。他の小主走査期間2〜8においても同様に、各選択信号s10〜s12に基づいて、それぞれ対応した小ブロックA1〜C1のいずれかが選択される。
【0046】
データ信号Data10〜13は、前記のように各小ブロックA1〜C1内の個別の有機EL発光素子D1〜D24を選択する。タイミングチャートの矢印は、このデータ信号Data10〜13と有機EL発光素子D1〜D24との対応関係を示している。すなわち、小ブロックA1に関するデータ信号Data10〜13と有機EL発光素子D1〜D24との対応関係は、データ信号Data10→有機EL発光素子D1、データ信号Data11→有機EL発光素子D2、データ信号Data12→有機EL発光素子D3、データ信号Data13→有機EL発光素子D4となる。
【0047】
同様に小ブロックB1に関しては、データ信号Data10→有機EL発光素子D5、データ信号Data11→有機EL発光素子D6、データ信号Data12→有機EL発光素子D7、データ信号Data13→有機EL発光素子D8となる。更に、小ブロックC1に関しては、データ信号Data10→有機EL発光素子D9、データ信号Data11→有機EL発光素子D10、データ信号Data12→有機EL発光素子D11、データ信号Data13→有機EL発光素子D12となる。
【0048】
以下動作を説明する。まず小主走査期間1では、時刻t0で選択信号s10がHレベルとなり、小ブロックA1が選択される。これと同時にデータ信号Data10,Data13がHレベル、データ信号Data11,Data12がLレベルとなるので、有機EL発光素子D1,D4が点灯、有機EL発光素子D2,D3が非点灯する。時刻t1において選択信号s10がLレベルになった場合にも、制御トランジスタのゲートーソース間の寄生容量により電圧が保持されるため、有機EL発光素子D1〜D4の点灯状態は維持される。
【0049】
そして、時刻t1では選択信号s11がHレベルとなって小ブロックB1が選択されるが、この時データ信号は総てLレベルとなっている為に、対応する有機EL発光素子D5〜D8は非点灯となる。時刻t2になると選択信号s12はLレベルとなるが、有機EL発光素子D5〜D8は非点灯状態に維持される。
【0050】
更に、時刻t2では選択信号s12がHレベルとなって小ブロックC1が選択されるが、この時もデータ信号は総てLレベルとなっている為に、対応する有機EL発光素子D9〜D12は非点灯となる。時刻t3になると選択信号s12はLレベルとなるが、有機EL発光素子D9〜D12は非点灯状態に維持される。
【0051】
時刻t3では、再び小ブロックA1が選択され、以降同様の操作が繰り返される。この選択が一巡する期間が1小主走査期間となる。よって、例えば、有機EL発光素子D1は小ブロックA1に配置され、データ信号Data10に対応するので、小ブロックA1が選択される時刻t0、t3、t6、…のデータ信号Data10の状態で点灯/非点灯する。従って、図の例では、時刻t0〜t15では、データ信号Data10の状態はHレベルであり、時刻t18、t21ではLレベルとなっている。よって、有機EL発光素子D1は時刻t0から発光し、時刻t18以降で非点灯となる。
【0052】
もう一例を挙げると、有機EL発光素子D7は小ブロックB1に配置され、データ信号Data11に対応するので、小ブロックB1が選択される時刻t1、t4、t7、……のデータ信号Data11の状態で点灯/非点灯する。従って、図の例では、時刻t7,t10でのみデータ信号Data11の状態がHレベルであり、他の選択時刻ではLレベルとなっている。よって、有機EL発光素子D7は、時刻t7から発光し続け、時刻t13以降で非点灯となる。
なお、大ブロックG2についても、同様の動作をするので説明を省略する。
【0053】
続いて、上記ラインヘッドを用いた本発明の一実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0054】
最初に、図4に示すブロック図を参照して、本画像形成装置の画像データの処理に関する機能構成を説明する。
本画像形成装置の全体動作を制御する全体制御部には、CPU、画像処理回路等で構成されるデータ処理ブ9と、元画像データ等を記憶する記憶部10が設けられている。また、本画像形成装置は白黒画像に加えてカラー画像をも形成するものであり、画像を形成する際の原色である「黒」、「シアン」、「マゼンタ」、「イエロー」に対応する4つのラインヘッド11K、11C、11M、11Yが設けられている。
【0055】
ここで、上記ラインヘッド11K、11C、11M、11Yの符号の末尾に付されたアルファベットK、C、M、Yは、それぞれ画像を形成する際の原色である黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味している。このようなアルファベットK、C、M、Yの付記は、以下に説明する他の部材についても同様である。
【0056】
データ処理部9は、外部のホストコンピュータから画像形成装置に送信されて記憶部10に記憶されている元画像データ(ビットマップデータ)を読み出して、スクリーン処理、色変換処理、データ変換処理、データ転送処理を行うものである。スクリーン処理は、画像形成装置のプロセス条件とのマッチングを取り、階調再現性を確保することを目的として行われるものであり、万線パタ−ン、誤差拡散パターン、網点パターン等を組み合わせた処理である。色変換処理は、スクリーン処理された画像データを各ラインヘッド11K、11C、11M、11Yに対応した色に分解したデータに変換するものである。データ変換処理は、色変換処理された画像データを各ラインヘッド11K、11C、11M、11Yへの送信用データ信号に変換する処理である。データ転送処理は、上記送信用データを各ラインヘッド11K、11C、11M、11Yに転送する処理である。
【0057】
ここで、上述したように本実施形態に係るラインヘッドは、直線状に配列した複数の発光素子が2つの大ブロックG1,G2に区分されており、各大ブロックG1,G2は、図1あるいは図2に示したように、各々独立して駆動されるようになっている。したがって、データ処理部9におけるデータ変換処理では、このようなラインヘッドの構成に対応するために大ブロックG1用の送信用データ信号(つまり上述したデータ信号)と大ブロックG2用の送信用データ信号とを生成する。
【0058】
図5は、本実施形態に係る画像形成装置の機構構成を示す縦断側面図である。この画像形成装置は、同様な構成の4個のラインヘッド11K、11C、11M、11Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム12K、12C、12M、12Yの露光位置にそれぞれ配置したものであり、タンデム方式の画像形成装置として構成されている。
【0059】
この画像形成装置は、駆動ローラ13と従動ローラ14とテンションローラ15が設けられており、テンションローラ15によりテンションを加えて張架されて、図示矢印方向(反時計方向)へ循環駆動される中間転写ベルト16を備えている。この中間転写ベルト16に対して所定間隔で配置された4個の像担持体としての外周面に感光層を有する感光体12K、12C、12M、12Yが配置される。
【0060】
感光体ドラム12K、12C、12M、12Yは、中間転写ベルト16の駆動と同期して図示矢印方向(時計方向)へ回転駆動される。
【0061】
また、各感光体ドラム12K、12C、12M、12Yの周囲には、各感光体ドラム12K、12C、12M、12Yの外周面を一様に帯電させるコロナ帯電器17K、17C、17M、17Yと、このコロナ帯電器17K、17C、17M、17Yによって一様に帯電させられた各感光体ドラム12K、12C、12M、12Yの外周面を当該各感光体ドラム12K、12C、12M、12Yの回転に同期して順次ライン走査するラインヘッド11K、11C、11M、11Yが設けられている。
【0062】
また、各感光体ドラム12K、12C、12M、12Yの周囲には、上記ラインヘッド11K、11C、11M、11Yで形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与してトナー像とする現像装置18K、18C、18M、18Yと、この現像装置18K、18C、18M、18Yによって現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト16に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ19K、19C、19M、19Yと、転写された後に各感光体ドラム12K、12C、12M、12Yの表面に残留しているトナーを除去するクリーニング装置20K、20C、20M、20Yとが設けられている。
【0063】
ここで、各ラインヘッド11K、11C、11M、11Yは、上述した有機EL発光素子の配列方向が各感光体ドラム12K、12C、12M、12Yの母線に並行となるように固定されている。また、各ラインヘッド11K、11C、11M、11Yの発光エネルギーのピーク波長と各感光体ドラム12K、12C、12M、12Yの感度ピーク波長とは、略一致するように設定されている。
【0064】
現像装置18K、18C、18M、18Yは、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを各感光体ドラム12K、12C、12M、12Yに接触あるいは押厚させることにより、各感光体ドラム12K、12C、12M、12Yの電位レベルに応じて現像剤を付着させることによりトナー像として現像するものである。
【0065】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ19K、19C、19M、19Yに印加される一次転写バイアスにより中間転写ベルト16上に順次一次転写され、中間転写ベルト16上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ21において用紙等の記録媒体Pに二次転写され、定着部である定着ローラ対22を通ることで記録媒体P上に定着され、排紙ローラ対23によって、装置上部に形成された排紙トレイ24上へ排出される。なお、二次転写ローラ21は、中間転写ベルト16との間で二次転写部を形成するものである。
【0066】
なお、この機構構成において、符号25は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、26は給紙カセット25から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、27は二次転写ローラ21の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対、28は二次転写後に中間転写ベルト16の表面に残留しているトナーを除去するクリーニングブレードである。
【0067】
最後に、以上のような本実施形態の作用・効果について以下に説明する。
(1)本ラインヘッドは、図1に示したように、直線状に配列した複数(例えば合計5120個)の発光素子2を前後2つの大ブロックG1,G2に区分することによって各小ブロックg1〜g40(40個)を構成する発光素子2の個数を64個となり、よって1つの小ブロックにデータ信号を供給するデータ信号配線の本数は、発光素子2の個数と同数の64本である。これに対して、従来方法では、大ブロックに区分しないので、1つの小ブロックを構成する発光素子の個数は128個(64個×2)となり、よって1つの小ブロックにデータ信号を供給するデータ信号配線の本数は128本となる。
【0068】
しかも、このように複数の発光素子2を前後2つの大ブロックG1,G2に区分することによって、図2に示したように、データ信号(つまりデータ信号配線)を各大ブロックG1,G2で完全に独立させることができる。この結果、図1に示したように、データ信号配線4A,4Bを矩形状基板1の左右両端の外部接続端子3A,3Bから矩形状基板1の幅方向(発光素子2の配列方向に直行する方向)における略同一位置に、完全に分離した状態で敷線することが可能となる。
【0069】
この結果として、本ラインヘッドによれば、発光素子2を大ブロックG1,G2に区分しない従来の場合よりも矩形状基板1の幅方向におけるデータ信号配線4A,4Bの配線幅を半減させることができるので、矩形状基板1の幅Wを従来よりも狭くすることが可能であり、したがってマザー基板における矩形状基板1の取り数を従来よりも増加させて、ラインヘッドのコストダウンを実現することができる。
また、このようなラインヘッドを用いる画像形成装置側の効果としては、ラインヘッドの実装容積が減少するので、実装が容易になる。
【0070】
(2)一方、矩形状基板1における上記配線幅を例えば従来のままとした場合、図6に示すようにデータ信号配線4A,4Bの線間ピッチpを従来よりも倍にすることができるのでデータ信号配線4A,4Bに寄生する寄生静電容量を半減することができる。また、このように線間ピッチpが倍化するので、データ信号配線4A,4Bの線幅Sを従来よりも広くすることが可能であり、これによってデータ信号配線4A,4Bの配線抵抗を低下することが可能である。
【0071】
そして、このような寄生静電容量や配線抵抗の低下は、図7に示すように、データ信号配線4A,4B2伝送されるデータ信号(図3に示したようにパルス信号)のパルス特性を改善する。すなわち、寄生静電容量と配線抵抗とによって規定されるデータ信号配線4A,4Bの時定数が従来よりも小さくなるので、データ信号の立上り時間T1が従来の立上り時間T2よりも短くなる。この結果、データ信号の繰返し周波数を従来よりも高周波化することが可能であり、よってラインヘッドの発光動作をより高速化することが可能となる。
【0072】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、アクティブ駆動方式のラインヘッドについて説明したが、本発明はパッシブ駆動方式のラインヘッドにも適用可能である。
なお、パッシブ駆動方式の場合には、上述したようにシフトレジスタSR1、SR2(小ブロック選択回路)を用いることによりラインヘッド内で制御信号に基づいて選択信号を生成するのではなく、外部で生成した選択信号をラインヘッドに供給する場合がある。このような場合には、ラインヘッド内に小ブロック選択回路を設ける必要はない。
【0073】
(2)上記実施形態では、各大ブロックG1,G2用に設けられたシフトレジスタSR1、SR2を個別のスタートパルスSP1,SP2で駆動するラインヘッドについて説明したが、一方のシフトレジスタにおける3段目のDフリップ・フロップの出力(選択信号)を他方のシフトレジスタにおける1段目のDフリップ・フロップのデータ端子に入力するように構成し、1つのスタートパルスで両方のシフトレジスタSR1、SR2を駆動するようにしても良い。
【0074】
(3)また、上記シフトレジスタSR1、SR2を駆動するためのクロック信号CLK1,CLK2についても、矩形状基板1上で共通配線とすることにより、何れか一方のクロック信号で両方のシフトレジスタSR1、SR2を駆動するようにしても良い。すなわち、外部からラインヘッドに入力される制御信号については、矩形状基板1内の配線を工夫することにより、1系統だけ入力するようにすることが考えられる。
(4)上記実施形態では、大ブロックを2つとしたが、3以上に分割しても良い。この場合、外部接続端子は両端の短辺に設けても良く、あるいは、長辺に設けてても良く、両方でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施形態に係わるラインヘッドの基板レイアウト図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わるラインヘッドの回路図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わるラインヘッドの動作を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の画像データの処理に関するブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の機構構成を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わるラインヘッドの作用・効果を示す第1の模式図である。
【図7】本発明の一実施形態に係わるラインヘッドの作用・効果を示す第2の模式図である。
【符号の説明】
【0076】
1…矩形状基板 、2…発光素子 、3A,3B…外部接続端子 、4A,4B…データ信号配線 、5A,5B…小ブロック選択回路 、6…駆動回路 、7A,7B…選択信号配線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状の基板上に一次元配列状に配置された複数の発光素子を外部から供給されたデータ信号及び制御信号に基づいて順次発光させるラインヘッドであって、
複数の大ブロックに分割され、かつ当該各大ブロック内において複数の小ブロックに区分された前記発光素子と、
前記基板上に大ブロックに対応して設けられ、制御信号に基づいて各小ブロックの何れかを選択する選択信号を生成する小ブロック選択回路と、
前記基板上に前記発光素子に対応して設けられ、前記選択信号に基づいて前記発光素子にデータ信号を印加する複数の駆動回路と、
前記基板上において前記選択信号を駆動回路に各々供給する複数の選択信号配線と、
前記基板上において各大ブロックに対応して設けられ、データ信号を各小ブロック内の対応する駆動回路に各々供給する複数のデータ信号配線と、
を具備することを特徴とするラインヘッド。
【請求項2】
各大ブロックに対応するデータ信号を外部から入力するための外部接続端子を基板において発光素子の配列方向の少なくとも両端に設けることを特徴とする請求項1記載のラインヘッド。
【請求項3】
各小ブロック選択回路を相互接続することにより単一の制御信号に基づいて各大ブロックの選択信号を生成することを特徴とする請求項1または2記載のラインヘッド。
【請求項4】
小ブロック選択回路は、シフトレジスタであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のラインヘッド。
【請求項5】
発光素子は、有機EL発光素子であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のラインヘッド。
【請求項6】
感光体と、
該感光体を一様に帯電させる帯電手段と、
請求項1〜7いずれかに記載のラインヘッドを備え、前記感光体を露光することにより形成対象画像の静電潜像を前記感光体上に形成する露光手段と、
前記感光体上の静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、
前記感光体上のトナー像を転写材に転写させる転写手段と、
前記転写材上のトナー像を定着させる定着手段と
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
カラー画像を形成することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−103219(P2006−103219A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−294580(P2004−294580)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】