リチウムイオン電池及びモジュール
【課題】電池内部で温度を制御し、電池全体の温度分布を均一化できる構造を有するリチウムイオン電池を得ること。
【解決手段】リチウムイオン電池1は、冷却媒体Cが流れる冷却流路9の流路途中に配置されるものであり、電池容器5内で充放電部2に接続される一対の接続部4a、4bのうち、冷却流路9の上流側に発熱量の多い接続部4aを配置し、冷却流路9の下流側に発熱量の少ない接続部4bを配置する。これにより、下流側でのセル温度上昇を抑え、セル全体の温度分布を均一化する。
【解決手段】リチウムイオン電池1は、冷却媒体Cが流れる冷却流路9の流路途中に配置されるものであり、電池容器5内で充放電部2に接続される一対の接続部4a、4bのうち、冷却流路9の上流側に発熱量の多い接続部4aを配置し、冷却流路9の下流側に発熱量の少ない接続部4bを配置する。これにより、下流側でのセル温度上昇を抑え、セル全体の温度分布を均一化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池及びモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池は、出力密度が高く、従来からパソコンや携帯電話等の小型機器に用いられてきたが、近年になってHEV(ハイブリッド自動車)やEV(電気自動車)に用いられ始めており、また、これらより出力の大きい建設機械等の重機に搭載する試みも進められている。そして更に、太陽光発電や風力発電等の出力の不安定な発電設備の電力平準化用蓄電池としての用途を期待されている。これらの用途に用いる場合、単電池(セル)を複数組み合わせた組電池、即ち、モジュールとして電力供給システムの中に組み込むことになる。
【0003】
リチウムイオン電池は、電解質膜を正極と負極で挟んだ充放電部と、その充放電部と外部との間を電気的に接続する接続部とが電池容器に収容されて密封される構成を有している。接続部は、電池外部の外部端子を介して電流バスバー等に導通接続される構造となっており、充放電部の正極と負極にそれぞれ接続される電極タブと接続端子を有している。
【0004】
リチウムイオン電池は、充放電を行うと発熱が生じる。発熱の原因は、電池内部の各部材の電気抵抗である。その電気抵抗には、幾つかの種類があり、充放電部のイオン拡散抵抗や各部材自体の持つ電気抵抗、及び、各部材間の接触抵抗等がある。
【0005】
例えば、数10Ah級の大容量型のリチウムイオン電池になると、充放電部の発熱に加えて、接続部の発熱も大きくなる。電池容器に納める都合上、接続部をあまり大きくすることはできないので、電流の流れる面積を発熱が無視できるほど大きくすることは困難である。接続部の発熱量は、電池発熱熱量全体の2〜3割程度になることもある。
【0006】
発熱により充放電部の温度が高くなると、性能低下の加速や動作不具合の発生につながる。また、大容量型電池の場合、条件によってセル充放電部に温度差、即ち、温度分布のつくことがあり、その程度が大きいと充放電部に劣化の激しい部分とそうでない部分が生じ、劣化の激しくない部分の充放電量が大きくなってその部分もやがては劣化していくことになる。
【0007】
特許文献1および特許文献2は、角型電池の電極端子に接続する電流バスバーの周囲に冷却媒体を流す冷却方式において、電流バスバーに放熱フィンを設け、下流側の放熱フィンの放熱面積を大きくして下流側の温度上昇を抑える構造を提示している。
【0008】
また、特許文献3は、角型電池の周囲に放熱フィンを設け、その放熱フィンの数を冷却媒体の下流側で多くすることにより下流側の温度上昇を抑える構造を提示している。このように、温度の高い部位に冷却フィンを設け、その冷却フィンの放熱面積を温度が高い程大きくする構造は一般的に見られるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010-198930号公報
【特許文献2】特開2009-252417号公報
【特許文献3】特開2010-182580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した特許文献1〜3の技術は、いずれも電池の外部に設けられた構造物によって電池を冷却するものである。本発明者は、鋭意研究の結果、電池の内部で温度を制御し、電池全体の温度分布を均一化できる構造を有するリチウムイオン電池を見出した。
【0011】
本発明の目的は、電池内部で温度を制御し、電池全体の温度分布を均一化できる構造を有するリチウムイオン電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本発明のリチウムイオン電池は、冷却媒体が流れる冷却流路の流路途中に配置されるリチウムイオン電池であって、電池容器内で充放電部に接続される一対の接続部のうち、冷却流路の上流側に配置される接続部の方が、冷却流路の下流側に配置される接続部よりも発熱量が多い構成を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電池の冷却流路下流側の温度上昇を抑え、電池全体の温度分布を均一化できる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施の形態に係わるセルの基本構成を説明する図。
【図2】図1のセルを用いたモジュールの基本構成を説明する図。
【図3】セルの一実施例を示す図。
【図4】図3のセルを用いたモジュールの一実施例を示す図。
【図5】セルの一実施例を示す図。
【図6】図5のセルを用いたモジュールの一実施例を示す図。
【図7】セルの一実施例を示す図。
【図8】図7のセルを用いたモジュールの一実施例を示す図。
【図9】第2実施の形態に係わるモジュールの一実施例を示す図。
【図10】第2実施の形態に係わるモジュールの一実施例を示す図。
【図11】第2実施の形態に係わるモジュールの一実施例を示す図。
【図12】モジュールの構成を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本実施の形態について図面を用いて説明する。
[第1実施の形態]
図1は、本実施の形態に係わるセルの基本構成を説明する図であり、図1(a)は、電池容器のみを断面で示すセルの正面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。図2は、図1に示すセルを用いたモジュールの基本構成を説明する図である。
【0016】
リチウムイオン電池は、その構造によって幾つかの種類がある。代表的なものは、捲回円筒型、捲回扁平型、積層角型、ラミネート型である。捲回円筒型は、長い帯状に形成した電解質膜を同形状の正極及び負極で挟んで円筒形状に巻いた捲回体を円筒型ケースの中に入れ、電解質液を充填し、密封した構造のものである。捲回扁平型は、前記捲回体を扁平形状に巻き取り、扁平型ケースの中に収納した構造のものである。積層角型は、平板形状の電解質膜を同形状の正極及び負極で挟み、これを絶縁板を介して複数積層し、角型のケースに収納し、電解質液を充填して密封した構造のものである。ラミネート型は、平板形状の電解質膜を同形状の正極と負極で交互に挟み込んで積層し、電解質液を含浸させた後、絶縁樹脂膜を貼った外装被覆膜で挟んで、真空引きしながら周囲を熱溶着によってシールした構造のものである。
【0017】
リチウムイオン電池の単電池、即ち、セル1は、図1に示すように、捲回円筒型の内部構造を有している。電解質膜を正極と負極で挟んだシートを円筒形状に巻いた捲回体2が充放電部である。捲回体2の正極には、捲回軸方向一方側に正極全体の電流を集電する為の正極タブ(電極タブ)3aが接続されており、この正極タブ3aに、正極端子(電極端子)4aが接続されている。正極端子4aは、外部端子7aを介して電池外部との電気的接続を行うようになっている。本実施の形態では、正極タブ3aと正極端子4aによって、正極側の接続部が構成されている。
【0018】
また、捲回体2の負極には、捲回軸方向他方側に負極全体の電流を集電する為の負極タブ(電極タブ)3bが接続されており、この負極タブ3bに、負極端子(電極端子)4bが接続されている。負極端子4bは、外部端子7bを介して電池外部との電気的接続を行うようになっている。本実施の形態では、負極タブ3bと負極端子4bによって、負極側の接続部が構成されている。
【0019】
これらの部材、すなわち、正極側の接続部と負極側の接続部と捲回体2は、円筒型の電池容器5内に収納され、電池容器5の軸方向両端部が、それぞれ蓋体6a、6bによって封止されている。各蓋体6a、6bには、外部端子7a、7bが設けられており、正極端子4aと負極端子4bに電気的に接続されている。電池容器5内には、所定量の電解液(図示せず)が充填されている。
【0020】
上記構成を有するセル1は、充放電を行う際に、捲回体2、正極タブ3a、負極タブ3b、正極端子4a、負極端子4bにて発熱が生じる。大容量型のセルは、セル単独で用いられることは少なく、通常は、複数のセル1を、図2に示すように、組電池、即ち、モジュールとして用いる。モジュール8のモジュールケース9には、複数のセル1が収容されている。
【0021】
モジュールケース9に収納されたセル1の温度上昇を抑える為の一般的な方法は、モジュールケース9内に、空気などの冷却媒体を供給して、セル周囲に冷却媒体を流す冷却方法である。モジュールケース9は、冷却媒体が流れる冷却流路を構成する。
【0022】
冷却媒体の流し方としては、大きく分けて、セル1の軸に沿う方向に沿って流す方式と、セル1の軸に直交する方向に沿って流す方式の2種類がある。例えば、図2に示す方式、すなわちセル1の軸に沿う方向に冷却媒体を流す方式では、冷却媒体入口管9aからモジュールケース9内に冷却媒体Cが供給され、セル1の外周をセル1の軸に沿う方向に流れ、セル1の熱を吸収した後で、冷却媒体出口管9bからモジュールケース9の外部に排出される。冷却媒体Cは、下流側では、セル1の熱を吸収して温度の高い状態になっており、冷却能力が落ちている。従って、セル1は、下流側に移行するにしたがって冷却され難くなり、その部位のセル温度が高くなる。
【0023】
セル1の内部で発熱する箇所は、先に述べたように、充放電部2、正極タブ3a、正極端子4a、負極タブ3b、負極端子4bであり、正極タブ3a及び正極端子4aと、負極タブ3b及び負極端子4bは、互いにセル1の軸方向両側に離して配置されている。
【0024】
したがって、セル1の軸方向の発熱分布が均一の場合には、下流側に配置された部位の方が上流側に配置された部位よりも冷却され難く、上流側と比較して下流側の温度が高くなるおそれがある。
【0025】
そこで、モジュールケース9内でセル1の軸に沿う方向に冷却媒体を流す方式では、セル1の正極側と負極側の接続部の発熱量を変えて、正極側の接続部と負極側の接続部のうち、冷却能力の高い上流側に配置される接続部の発熱量を多くし、冷却能力の低い下流側に配置される接続部の発熱量を少なくする構成とした。
【0026】
図1及び図2に示す例では、正極側の接続部である正極タブ3a及び正極端子4aの発熱量の方が、負極側の接続部である負極タブ3b及び負極端子4bの発熱量よりも多くなるように構成されており、モジュールケース9内の上流側に正極側の接続部が配置され、モジュールケース9内の下流側に負極側の接続部が配置されている。
【0027】
このように、一方の接続部の発熱量を他方の接続部の発熱量よりも多くし、モジュールケース9内の上流側に発熱量の多い接続部を配置し、モジュールケース9内の下流側に発熱量の少ない接続部を配置することで、セル1の下流側の温度上昇を抑え、セル全体の温度分布を均一化できる。したがって、充放電部2の局部的な高温化に起因した劣化の促進を抑制し、電池寿命の短縮を防ぐことができる。
【0028】
正極側の接続部の発熱量と負極側の接続部との発熱量を変える方法として、例えば、正極側の接続部と負極側の接続部の電気抵抗を変える方法がある。モジュールケース9内の上流側に配置される接続部の電気抵抗を大きくし、モジュールケース9内の下流側に配置される接続部の電気抵抗を小さくすれば、上流側の発熱量が多くなり、下流側の発熱量が小さくなる。
【0029】
正極側の接続部と負極側の接続部の電気抵抗を変える方法としては、接続部の電流が流れる方向の断面積を変える方法や、接続部の接触抵抗を変える方法などがある。接触抵抗は、接続点数や接続部面積を変更することによって変えることができる。
【0030】
図3及び図4は、接続部の電流が流れる方向の断面積を正極側と負極側で変えた場合の例を示す図である。図3は、セルの一実施例を示す図であり、図3(a)は、電池容器のみを断面で示すセルの正面図、図3(b)は、A−A線断面、図3(c)は、B−B線断面である。図4は、図3のセルを用いたモジュールの一実施例を示す図である。
【0031】
セル1は、図3に示すように、正極端子14aに細径サイズのものが用いられ、負極端子14bに太径サイズのものが用いられており、正極端子14aの方が負極端子14bよりも、電流が流れる方向の断面積が小さい構成を有している。したがって、正極端子14aの方が負極端子14bよりも電気抵抗が大きく、発熱量も多くなっている。
【0032】
そして、上記構成を有するセル1は、図4に示すように、モジュールケース9内において冷却媒体の流れ方向に沿って延在するように配置され、発熱量の多い正極端子14aがモジュールケース9内の上流側に配置され、発熱量の少ない負極端子14bがモジュールケース9内の下流側に配置される。
【0033】
したがって、上流側で発熱量の多い正極端子14aを冷却能力の高い冷却媒体によって冷却することができ、下流側で発熱量の少ない負極端子14bを冷却能力の落ちた冷却媒体によって冷却することができる。したがって、正極端子14a側と負極端子14b側で温度のバランスを取ることができ、セル1の下流側の温度上昇を抑え、セル1の軸方向の温度分布を均一化することができる。したがって、充放電部2の局部的な高温化に起因した劣化の促進を抑制し、電池寿命の短縮を防ぐことができる。
【0034】
図5及び図6は、接続部の接触抵抗を冷却媒体の上流側と下流側で変えた場合の例を示す図である。図5は、セルの一実施例を示す図であり、電池容器のみを断面で示すセルの正面図である。そして、図6は、図5のセルを用いたモジュールの一実施例を示す図である。
【0035】
セル1は、図5に示すように、正極タブ13aの方が負極タブ13bよりも、タブ数が少ない構成を有しており、正極端子4aの方が負極端子4bよりも接続点数が少なく、接続部面積も小さくなっている。したがって、正極端子4aの方が負極端子4bよりも発熱量が多くなっている。
【0036】
そして、上記構成を有するセル1は、図6に示すように、モジュールケース9内において冷却媒体の流れ方向に沿って延在するように配置され、発熱量の多い正極端子4a側が冷却媒体の上流側に配置され、発熱量の少ない負極側が冷却媒体の下流側に配置される。したがって、上流側で発熱量の多い正極端子4aを冷却能力の高い冷却媒体によって冷却することができ、下流側で発熱量の少ない負極端子4bを冷却能力の落ちた冷却媒体によって冷却することができる。したがって、正極端子4a側と負極端子4b側で温度のバランスを取ることができ、セル1の下流側の温度上昇を抑え、セル1の軸方向の温度分布を均一化することができる。したがって、充放電部2の局部的な高温化に起因した劣化の促進を抑制し、電池寿命の短縮を防ぐことができる。
【0037】
図7及び図8は、正極側の接続部の発熱量と負極側の接続部との発熱量を変える方法の一実施例を示す図である。図7は、セルの一実施例を示す図であり、図7(a)は、電池容器のみを断面で示す、セルの側面図、図7(b)は、A−A線断面、図7(c)は、B−B線断面である。そして、図8は、図7のセルを用いたモジュールの一実施例を示す図である。
【0038】
本実施例において特徴的なことは、正極端子14aと負極端子14bに、それぞれ熱伝導部材21、22を設けたことである。正負両極の発熱量を異なるものとし、さらに、正負両極と冷却媒体との間の熱伝導を確保することによって、温度分布均一化の効果をより発揮することができる。
【0039】
本実施例では、正極端子14aと電池容器5の内壁との間に正極側の熱伝導部材21が設けられ、負極端子14bと電池容器5の内壁との間に負極側の熱伝導部材22が設けられている。
【0040】
各熱伝導部材21、22は、それぞれの電極で発生した熱を、セル壁である電池容器5に伝える役割を持つ。熱伝導部材21と熱伝導部材22は、熱伝導量を微妙に調整することにより、正負両極の電極端子の発熱量の違いだけでは調整しきれない微妙なセル温度分布を更に均一化することが可能である。
【0041】
熱伝導部材21は、接続部である正極端子14aに一端が当接され、電池容器5の内壁に他端が当接されて、正極端子14aの熱を電池容器5に伝達する構成を有している。 具体的には、正極端子14aに外嵌されて当接される円筒部21aと、円筒部21aから放射状に突出して電池容器5の内壁に当接する複数のフィン部21bを有している。
【0042】
熱伝導部材22は、接続部である負極端子14bに一端が当接され、電池容器5の内壁に他端が当接されて、負極端子14bの熱を電池容器5に伝達する構成を有している。具体的には、負極端子14bに外嵌されて当接される円筒部22aと、円筒部22aから放射状に突出して電池容器5の内壁に当接する複数のフィン部22bを有している。
【0043】
熱伝導部材21、22は、互いに熱伝導量が異なっており、正極側の熱伝導部材21の方が、負極側の熱伝導部材22よりも、熱伝導量が多くなるように設定されている。したがって、正極端子14aと負極端子14bの発熱量の違いだけでは調整しきれない微妙なセル温度分布を調整することができ、セル1の軸方向の温度分布をさらに均一化することができる。
【0044】
なお、図7及び図8に示す構成では、熱伝導部材21、22を正極端子14aと負極端子14bに設ける場合を例に説明したが、正極端子14aと負極端子14bのいずれか一方にのみ設ける構成としてもよい。
【0045】
[第2実施の形態]
図9及び図12は、本実施の形態に係わるモジュールの一実施例を示す図である。
なお、第1実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0046】
冷却媒体Cをモジュールケース9内に流す方式として、上述の第1実施の形態のように、セル1の軸に沿う方向に流す方式の他に、図9及び図12に示すように、セル1の軸に交差する方向に流す方式がある。
【0047】
モジュール10は、モジュールケース9内に複数のセル1を収容している。各セル1−1、1−2、1−3は、冷却媒体Cが流れる上流側から下流側に向かって所定間隔をおいて配置されており、その軸が冷却媒体Cの流れる方向に直交する方向に沿って延在するように並列に配置されている。
【0048】
冷却媒体入口管9aからモジュールケース9内に供給された冷却媒体Cは、セル1の外周をセル1の軸に直交する方向に流れ、各セル1−1、1−2、1−3の熱を吸収した後で、冷却媒体出口管9bからモジュールケース9の外部に排出される。
【0049】
したがって、モジュールケース9内の冷却媒体上流側に配置されたセル(上流用セル)1−1よりも下流側に配置されたセル(下流用セル)1−3の温度が高くなるような温度分布になる。このように、冷却媒体Cが流れる冷却流路となるモジュールケース9内において、下流側の温度が高くなるという問題があった。
【0050】
そこで、モジュールケース9内でセル1の軸に直交する方向に冷却媒体を流す方式である、本実施の形態のモジュール10では、モジュールケース9内の上流側に配置されるセル1−1の接続部(上流用正極タブ33a、上流用負極タブ33b、上流用正極端子34a、上流用負極端子34b)の発熱量を多くし、下流側に配置されるセル1−3の接続部(下流用正極タブ53a、下流用負極タブ53b、下流用正極端子54a、下流用負極端子54b)の発熱量を少なくする構成とした。そして、セル1−1とセル1−3との間に配置されるセル(中流用セル)1−2は、接続部(中流用正極タブ43a、中流用負極タブ43b、中流用正極端子44a、中流用負極端子44b)の発熱量を、セル1−1の接続部の発熱量とセル1−3の接続部の発熱量との中間の発熱量とする構成とした。
【0051】
このように、モジュールケース9内の上流側に発熱量の多い接続部を有するセル1−1を配置し、モジュールケース9内の下流側に発熱量の少ない接続部を有するセル1−3を配置することで、下流側に配置されるセル1の温度上昇を抑え、モジュール全体の温度分布を均一化できる。したがって、下流側に配置されるセル1−3が高温化して劣化が促進されるのを抑制し、モジュール全体としての寿命の短縮を防ぐことができる。
【0052】
図10は、接続部の電流が流れる方向の断面積を上流側のセルと下流側のセルで変えた場合の例を示す図である。
【0053】
セル1−1には、正極端子34a及び負極端子34bに細径サイズの断面積を有するものが用いられ、セル1−2には、正極端子44a及び負極端子44bに中径サイズの断面積を有するものが用いられ、セル1−3には、正極端子54a及び負極端子54bに太径サイズの断面積を有するものが用いられている。
【0054】
したがって、セル1−1の正極端子34a及び負極端子34bの方が、セル1−2の正極端子44a及び負極端子44bよりも、電流が流れる方向の断面積が小さい構成を有しており、電気抵抗が大きく、発熱量も多くなっている。そして、セル1−2の正極端子44a及び負極端子44bの方が、セル1−3の正極端子54a及び負極端子54bよりも、電流が流れる方向の断面積が小さい構成を有しており、電気抵抗が大きく、発熱量も多くなっている。
【0055】
各セル1−1、1−2、1−3は、図10に示すように、モジュールケース9内において冷却媒体の流れ方向に所定間隔をおいて順番に配置されており、発熱量の多い正極端子34a及び負極端子34bを有するセル1−1が最も上流側に配置され、その次に発熱量の多い正極端子44a及び負極端子44bを有するセル1−2がセル1−1の下流側に配置され、発熱量の最も少ない正極端子54a及び負極端子54bを有するセル1−3がセル1−2の下流側に配置される。
【0056】
したがって、発熱量の多い正極端子34a及び負極端子34bを有するセル1−1を、冷却能力の高い冷却媒体によって冷却することができ、発熱量の少ない正極端子54a及び負極端子54bを有するセル1−3を、冷却能力の落ちた冷却媒体によって冷却することができる。
【0057】
したがって、モジュールケース9内で上流側と下流側の温度のバランスを取ることができ、下流側のセル1−3の温度上昇を抑え、モジュール全体の温度分布を均一化できる。したがって、下流側に配置されるセル1−3が高温化して劣化が促進されるのを抑制し、モジュール全体としての寿命の短縮を防ぐことができる。
【0058】
図11は、図10に示す各セルの正極端子と負極端子に熱伝導部材を設けた場合の例を示す図である。
【0059】
セル1−1の正極端子34a及び負極端子34b(図10を参照)には、互いに同一の熱伝導量を有する熱伝導部材35a、35bが取り付けられている。そして、セル1−2の正極端子44a、44b(図10を参照)には、互いに同一の熱伝導量を有する熱伝導部材45a、45bが取り付けられている。熱伝導部材45a、45bは、セル1−1に設けられる熱伝導部材35a、35bよりも大きさが小さく、熱伝導量が少なくなるように構成されている。
【0060】
そして、セル1−3の正極端子54a及び負極端子54b(図10を参照)には、互いに同一の熱伝導量を有する熱伝導部材55a、55bが取り付けられている。熱伝導部材55a、55bは、セル1−2に設けられる熱伝導部材45a、45bよりも大きさが小さく、熱伝導量が少なくなるように構成されている。
【0061】
したがって、セル1−1の正極端子34a及び負極端子34bとその下流側のセル1−2の正極端子44a及び負極端子44bとの発熱量の違い、あるいは、セル1−2の正極端子44a及び負極端子44bとその下流側のセル1−3の正極端子54a及び負極端子54bとの発熱量の違いだけでは調整しきれない、微妙な温度分布を調整することができ、モジュール全体の温度分布をさらに均一化できる。
【0062】
なお、図11に示す構成では、図10に示す正極端子34a〜54aと負極端子34b〜54bに、熱伝導部材35a、35b、45a、45b、55a、55bを設ける場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、種々の組み合わせが可能であり、例えば、セル1−1〜1−3の一部にのみ設ける構成としてもよい。
【0063】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、リチウムイオン電池、及び、同電池を用いた組電池、即ち、モジュールの温度分布を均一化するためのものであり、特に、容量の大きい電力貯蔵用システムや移動体用の動力システムに対して適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 セル(リチウムイオン電池の単電池)
1−1 セル(上流用セル)
1−2 セル(中流用セル)
1−3 セル(下流用セル)
2 捲回体(充放電部)
3a、13a 正極タブ(電極タブ)
3b、13b 負極タブ(電極タブ)
4a 正極端子(電極端子)
4b 負極端子(電極端子)
5 電池容器
8 モジュール
9 モジュールケース(冷却流路)
21、22 熱伝導部材
33a 上流用正極タブ
33b 上流用負極タブ
34a 上流用正極端子
34b 上流用負極端子
43a 中流用正極タブ
43b 中流用負極タブ
44a 中流用正極端子
44b 中流用負極端子
53a 下流用正極タブ
53b 下流用負極タブ
54a 下流用正極端子
54b 下流用負極端子
C 冷却媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池及びモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池は、出力密度が高く、従来からパソコンや携帯電話等の小型機器に用いられてきたが、近年になってHEV(ハイブリッド自動車)やEV(電気自動車)に用いられ始めており、また、これらより出力の大きい建設機械等の重機に搭載する試みも進められている。そして更に、太陽光発電や風力発電等の出力の不安定な発電設備の電力平準化用蓄電池としての用途を期待されている。これらの用途に用いる場合、単電池(セル)を複数組み合わせた組電池、即ち、モジュールとして電力供給システムの中に組み込むことになる。
【0003】
リチウムイオン電池は、電解質膜を正極と負極で挟んだ充放電部と、その充放電部と外部との間を電気的に接続する接続部とが電池容器に収容されて密封される構成を有している。接続部は、電池外部の外部端子を介して電流バスバー等に導通接続される構造となっており、充放電部の正極と負極にそれぞれ接続される電極タブと接続端子を有している。
【0004】
リチウムイオン電池は、充放電を行うと発熱が生じる。発熱の原因は、電池内部の各部材の電気抵抗である。その電気抵抗には、幾つかの種類があり、充放電部のイオン拡散抵抗や各部材自体の持つ電気抵抗、及び、各部材間の接触抵抗等がある。
【0005】
例えば、数10Ah級の大容量型のリチウムイオン電池になると、充放電部の発熱に加えて、接続部の発熱も大きくなる。電池容器に納める都合上、接続部をあまり大きくすることはできないので、電流の流れる面積を発熱が無視できるほど大きくすることは困難である。接続部の発熱量は、電池発熱熱量全体の2〜3割程度になることもある。
【0006】
発熱により充放電部の温度が高くなると、性能低下の加速や動作不具合の発生につながる。また、大容量型電池の場合、条件によってセル充放電部に温度差、即ち、温度分布のつくことがあり、その程度が大きいと充放電部に劣化の激しい部分とそうでない部分が生じ、劣化の激しくない部分の充放電量が大きくなってその部分もやがては劣化していくことになる。
【0007】
特許文献1および特許文献2は、角型電池の電極端子に接続する電流バスバーの周囲に冷却媒体を流す冷却方式において、電流バスバーに放熱フィンを設け、下流側の放熱フィンの放熱面積を大きくして下流側の温度上昇を抑える構造を提示している。
【0008】
また、特許文献3は、角型電池の周囲に放熱フィンを設け、その放熱フィンの数を冷却媒体の下流側で多くすることにより下流側の温度上昇を抑える構造を提示している。このように、温度の高い部位に冷却フィンを設け、その冷却フィンの放熱面積を温度が高い程大きくする構造は一般的に見られるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010-198930号公報
【特許文献2】特開2009-252417号公報
【特許文献3】特開2010-182580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した特許文献1〜3の技術は、いずれも電池の外部に設けられた構造物によって電池を冷却するものである。本発明者は、鋭意研究の結果、電池の内部で温度を制御し、電池全体の温度分布を均一化できる構造を有するリチウムイオン電池を見出した。
【0011】
本発明の目的は、電池内部で温度を制御し、電池全体の温度分布を均一化できる構造を有するリチウムイオン電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本発明のリチウムイオン電池は、冷却媒体が流れる冷却流路の流路途中に配置されるリチウムイオン電池であって、電池容器内で充放電部に接続される一対の接続部のうち、冷却流路の上流側に配置される接続部の方が、冷却流路の下流側に配置される接続部よりも発熱量が多い構成を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電池の冷却流路下流側の温度上昇を抑え、電池全体の温度分布を均一化できる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施の形態に係わるセルの基本構成を説明する図。
【図2】図1のセルを用いたモジュールの基本構成を説明する図。
【図3】セルの一実施例を示す図。
【図4】図3のセルを用いたモジュールの一実施例を示す図。
【図5】セルの一実施例を示す図。
【図6】図5のセルを用いたモジュールの一実施例を示す図。
【図7】セルの一実施例を示す図。
【図8】図7のセルを用いたモジュールの一実施例を示す図。
【図9】第2実施の形態に係わるモジュールの一実施例を示す図。
【図10】第2実施の形態に係わるモジュールの一実施例を示す図。
【図11】第2実施の形態に係わるモジュールの一実施例を示す図。
【図12】モジュールの構成を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本実施の形態について図面を用いて説明する。
[第1実施の形態]
図1は、本実施の形態に係わるセルの基本構成を説明する図であり、図1(a)は、電池容器のみを断面で示すセルの正面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。図2は、図1に示すセルを用いたモジュールの基本構成を説明する図である。
【0016】
リチウムイオン電池は、その構造によって幾つかの種類がある。代表的なものは、捲回円筒型、捲回扁平型、積層角型、ラミネート型である。捲回円筒型は、長い帯状に形成した電解質膜を同形状の正極及び負極で挟んで円筒形状に巻いた捲回体を円筒型ケースの中に入れ、電解質液を充填し、密封した構造のものである。捲回扁平型は、前記捲回体を扁平形状に巻き取り、扁平型ケースの中に収納した構造のものである。積層角型は、平板形状の電解質膜を同形状の正極及び負極で挟み、これを絶縁板を介して複数積層し、角型のケースに収納し、電解質液を充填して密封した構造のものである。ラミネート型は、平板形状の電解質膜を同形状の正極と負極で交互に挟み込んで積層し、電解質液を含浸させた後、絶縁樹脂膜を貼った外装被覆膜で挟んで、真空引きしながら周囲を熱溶着によってシールした構造のものである。
【0017】
リチウムイオン電池の単電池、即ち、セル1は、図1に示すように、捲回円筒型の内部構造を有している。電解質膜を正極と負極で挟んだシートを円筒形状に巻いた捲回体2が充放電部である。捲回体2の正極には、捲回軸方向一方側に正極全体の電流を集電する為の正極タブ(電極タブ)3aが接続されており、この正極タブ3aに、正極端子(電極端子)4aが接続されている。正極端子4aは、外部端子7aを介して電池外部との電気的接続を行うようになっている。本実施の形態では、正極タブ3aと正極端子4aによって、正極側の接続部が構成されている。
【0018】
また、捲回体2の負極には、捲回軸方向他方側に負極全体の電流を集電する為の負極タブ(電極タブ)3bが接続されており、この負極タブ3bに、負極端子(電極端子)4bが接続されている。負極端子4bは、外部端子7bを介して電池外部との電気的接続を行うようになっている。本実施の形態では、負極タブ3bと負極端子4bによって、負極側の接続部が構成されている。
【0019】
これらの部材、すなわち、正極側の接続部と負極側の接続部と捲回体2は、円筒型の電池容器5内に収納され、電池容器5の軸方向両端部が、それぞれ蓋体6a、6bによって封止されている。各蓋体6a、6bには、外部端子7a、7bが設けられており、正極端子4aと負極端子4bに電気的に接続されている。電池容器5内には、所定量の電解液(図示せず)が充填されている。
【0020】
上記構成を有するセル1は、充放電を行う際に、捲回体2、正極タブ3a、負極タブ3b、正極端子4a、負極端子4bにて発熱が生じる。大容量型のセルは、セル単独で用いられることは少なく、通常は、複数のセル1を、図2に示すように、組電池、即ち、モジュールとして用いる。モジュール8のモジュールケース9には、複数のセル1が収容されている。
【0021】
モジュールケース9に収納されたセル1の温度上昇を抑える為の一般的な方法は、モジュールケース9内に、空気などの冷却媒体を供給して、セル周囲に冷却媒体を流す冷却方法である。モジュールケース9は、冷却媒体が流れる冷却流路を構成する。
【0022】
冷却媒体の流し方としては、大きく分けて、セル1の軸に沿う方向に沿って流す方式と、セル1の軸に直交する方向に沿って流す方式の2種類がある。例えば、図2に示す方式、すなわちセル1の軸に沿う方向に冷却媒体を流す方式では、冷却媒体入口管9aからモジュールケース9内に冷却媒体Cが供給され、セル1の外周をセル1の軸に沿う方向に流れ、セル1の熱を吸収した後で、冷却媒体出口管9bからモジュールケース9の外部に排出される。冷却媒体Cは、下流側では、セル1の熱を吸収して温度の高い状態になっており、冷却能力が落ちている。従って、セル1は、下流側に移行するにしたがって冷却され難くなり、その部位のセル温度が高くなる。
【0023】
セル1の内部で発熱する箇所は、先に述べたように、充放電部2、正極タブ3a、正極端子4a、負極タブ3b、負極端子4bであり、正極タブ3a及び正極端子4aと、負極タブ3b及び負極端子4bは、互いにセル1の軸方向両側に離して配置されている。
【0024】
したがって、セル1の軸方向の発熱分布が均一の場合には、下流側に配置された部位の方が上流側に配置された部位よりも冷却され難く、上流側と比較して下流側の温度が高くなるおそれがある。
【0025】
そこで、モジュールケース9内でセル1の軸に沿う方向に冷却媒体を流す方式では、セル1の正極側と負極側の接続部の発熱量を変えて、正極側の接続部と負極側の接続部のうち、冷却能力の高い上流側に配置される接続部の発熱量を多くし、冷却能力の低い下流側に配置される接続部の発熱量を少なくする構成とした。
【0026】
図1及び図2に示す例では、正極側の接続部である正極タブ3a及び正極端子4aの発熱量の方が、負極側の接続部である負極タブ3b及び負極端子4bの発熱量よりも多くなるように構成されており、モジュールケース9内の上流側に正極側の接続部が配置され、モジュールケース9内の下流側に負極側の接続部が配置されている。
【0027】
このように、一方の接続部の発熱量を他方の接続部の発熱量よりも多くし、モジュールケース9内の上流側に発熱量の多い接続部を配置し、モジュールケース9内の下流側に発熱量の少ない接続部を配置することで、セル1の下流側の温度上昇を抑え、セル全体の温度分布を均一化できる。したがって、充放電部2の局部的な高温化に起因した劣化の促進を抑制し、電池寿命の短縮を防ぐことができる。
【0028】
正極側の接続部の発熱量と負極側の接続部との発熱量を変える方法として、例えば、正極側の接続部と負極側の接続部の電気抵抗を変える方法がある。モジュールケース9内の上流側に配置される接続部の電気抵抗を大きくし、モジュールケース9内の下流側に配置される接続部の電気抵抗を小さくすれば、上流側の発熱量が多くなり、下流側の発熱量が小さくなる。
【0029】
正極側の接続部と負極側の接続部の電気抵抗を変える方法としては、接続部の電流が流れる方向の断面積を変える方法や、接続部の接触抵抗を変える方法などがある。接触抵抗は、接続点数や接続部面積を変更することによって変えることができる。
【0030】
図3及び図4は、接続部の電流が流れる方向の断面積を正極側と負極側で変えた場合の例を示す図である。図3は、セルの一実施例を示す図であり、図3(a)は、電池容器のみを断面で示すセルの正面図、図3(b)は、A−A線断面、図3(c)は、B−B線断面である。図4は、図3のセルを用いたモジュールの一実施例を示す図である。
【0031】
セル1は、図3に示すように、正極端子14aに細径サイズのものが用いられ、負極端子14bに太径サイズのものが用いられており、正極端子14aの方が負極端子14bよりも、電流が流れる方向の断面積が小さい構成を有している。したがって、正極端子14aの方が負極端子14bよりも電気抵抗が大きく、発熱量も多くなっている。
【0032】
そして、上記構成を有するセル1は、図4に示すように、モジュールケース9内において冷却媒体の流れ方向に沿って延在するように配置され、発熱量の多い正極端子14aがモジュールケース9内の上流側に配置され、発熱量の少ない負極端子14bがモジュールケース9内の下流側に配置される。
【0033】
したがって、上流側で発熱量の多い正極端子14aを冷却能力の高い冷却媒体によって冷却することができ、下流側で発熱量の少ない負極端子14bを冷却能力の落ちた冷却媒体によって冷却することができる。したがって、正極端子14a側と負極端子14b側で温度のバランスを取ることができ、セル1の下流側の温度上昇を抑え、セル1の軸方向の温度分布を均一化することができる。したがって、充放電部2の局部的な高温化に起因した劣化の促進を抑制し、電池寿命の短縮を防ぐことができる。
【0034】
図5及び図6は、接続部の接触抵抗を冷却媒体の上流側と下流側で変えた場合の例を示す図である。図5は、セルの一実施例を示す図であり、電池容器のみを断面で示すセルの正面図である。そして、図6は、図5のセルを用いたモジュールの一実施例を示す図である。
【0035】
セル1は、図5に示すように、正極タブ13aの方が負極タブ13bよりも、タブ数が少ない構成を有しており、正極端子4aの方が負極端子4bよりも接続点数が少なく、接続部面積も小さくなっている。したがって、正極端子4aの方が負極端子4bよりも発熱量が多くなっている。
【0036】
そして、上記構成を有するセル1は、図6に示すように、モジュールケース9内において冷却媒体の流れ方向に沿って延在するように配置され、発熱量の多い正極端子4a側が冷却媒体の上流側に配置され、発熱量の少ない負極側が冷却媒体の下流側に配置される。したがって、上流側で発熱量の多い正極端子4aを冷却能力の高い冷却媒体によって冷却することができ、下流側で発熱量の少ない負極端子4bを冷却能力の落ちた冷却媒体によって冷却することができる。したがって、正極端子4a側と負極端子4b側で温度のバランスを取ることができ、セル1の下流側の温度上昇を抑え、セル1の軸方向の温度分布を均一化することができる。したがって、充放電部2の局部的な高温化に起因した劣化の促進を抑制し、電池寿命の短縮を防ぐことができる。
【0037】
図7及び図8は、正極側の接続部の発熱量と負極側の接続部との発熱量を変える方法の一実施例を示す図である。図7は、セルの一実施例を示す図であり、図7(a)は、電池容器のみを断面で示す、セルの側面図、図7(b)は、A−A線断面、図7(c)は、B−B線断面である。そして、図8は、図7のセルを用いたモジュールの一実施例を示す図である。
【0038】
本実施例において特徴的なことは、正極端子14aと負極端子14bに、それぞれ熱伝導部材21、22を設けたことである。正負両極の発熱量を異なるものとし、さらに、正負両極と冷却媒体との間の熱伝導を確保することによって、温度分布均一化の効果をより発揮することができる。
【0039】
本実施例では、正極端子14aと電池容器5の内壁との間に正極側の熱伝導部材21が設けられ、負極端子14bと電池容器5の内壁との間に負極側の熱伝導部材22が設けられている。
【0040】
各熱伝導部材21、22は、それぞれの電極で発生した熱を、セル壁である電池容器5に伝える役割を持つ。熱伝導部材21と熱伝導部材22は、熱伝導量を微妙に調整することにより、正負両極の電極端子の発熱量の違いだけでは調整しきれない微妙なセル温度分布を更に均一化することが可能である。
【0041】
熱伝導部材21は、接続部である正極端子14aに一端が当接され、電池容器5の内壁に他端が当接されて、正極端子14aの熱を電池容器5に伝達する構成を有している。 具体的には、正極端子14aに外嵌されて当接される円筒部21aと、円筒部21aから放射状に突出して電池容器5の内壁に当接する複数のフィン部21bを有している。
【0042】
熱伝導部材22は、接続部である負極端子14bに一端が当接され、電池容器5の内壁に他端が当接されて、負極端子14bの熱を電池容器5に伝達する構成を有している。具体的には、負極端子14bに外嵌されて当接される円筒部22aと、円筒部22aから放射状に突出して電池容器5の内壁に当接する複数のフィン部22bを有している。
【0043】
熱伝導部材21、22は、互いに熱伝導量が異なっており、正極側の熱伝導部材21の方が、負極側の熱伝導部材22よりも、熱伝導量が多くなるように設定されている。したがって、正極端子14aと負極端子14bの発熱量の違いだけでは調整しきれない微妙なセル温度分布を調整することができ、セル1の軸方向の温度分布をさらに均一化することができる。
【0044】
なお、図7及び図8に示す構成では、熱伝導部材21、22を正極端子14aと負極端子14bに設ける場合を例に説明したが、正極端子14aと負極端子14bのいずれか一方にのみ設ける構成としてもよい。
【0045】
[第2実施の形態]
図9及び図12は、本実施の形態に係わるモジュールの一実施例を示す図である。
なお、第1実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0046】
冷却媒体Cをモジュールケース9内に流す方式として、上述の第1実施の形態のように、セル1の軸に沿う方向に流す方式の他に、図9及び図12に示すように、セル1の軸に交差する方向に流す方式がある。
【0047】
モジュール10は、モジュールケース9内に複数のセル1を収容している。各セル1−1、1−2、1−3は、冷却媒体Cが流れる上流側から下流側に向かって所定間隔をおいて配置されており、その軸が冷却媒体Cの流れる方向に直交する方向に沿って延在するように並列に配置されている。
【0048】
冷却媒体入口管9aからモジュールケース9内に供給された冷却媒体Cは、セル1の外周をセル1の軸に直交する方向に流れ、各セル1−1、1−2、1−3の熱を吸収した後で、冷却媒体出口管9bからモジュールケース9の外部に排出される。
【0049】
したがって、モジュールケース9内の冷却媒体上流側に配置されたセル(上流用セル)1−1よりも下流側に配置されたセル(下流用セル)1−3の温度が高くなるような温度分布になる。このように、冷却媒体Cが流れる冷却流路となるモジュールケース9内において、下流側の温度が高くなるという問題があった。
【0050】
そこで、モジュールケース9内でセル1の軸に直交する方向に冷却媒体を流す方式である、本実施の形態のモジュール10では、モジュールケース9内の上流側に配置されるセル1−1の接続部(上流用正極タブ33a、上流用負極タブ33b、上流用正極端子34a、上流用負極端子34b)の発熱量を多くし、下流側に配置されるセル1−3の接続部(下流用正極タブ53a、下流用負極タブ53b、下流用正極端子54a、下流用負極端子54b)の発熱量を少なくする構成とした。そして、セル1−1とセル1−3との間に配置されるセル(中流用セル)1−2は、接続部(中流用正極タブ43a、中流用負極タブ43b、中流用正極端子44a、中流用負極端子44b)の発熱量を、セル1−1の接続部の発熱量とセル1−3の接続部の発熱量との中間の発熱量とする構成とした。
【0051】
このように、モジュールケース9内の上流側に発熱量の多い接続部を有するセル1−1を配置し、モジュールケース9内の下流側に発熱量の少ない接続部を有するセル1−3を配置することで、下流側に配置されるセル1の温度上昇を抑え、モジュール全体の温度分布を均一化できる。したがって、下流側に配置されるセル1−3が高温化して劣化が促進されるのを抑制し、モジュール全体としての寿命の短縮を防ぐことができる。
【0052】
図10は、接続部の電流が流れる方向の断面積を上流側のセルと下流側のセルで変えた場合の例を示す図である。
【0053】
セル1−1には、正極端子34a及び負極端子34bに細径サイズの断面積を有するものが用いられ、セル1−2には、正極端子44a及び負極端子44bに中径サイズの断面積を有するものが用いられ、セル1−3には、正極端子54a及び負極端子54bに太径サイズの断面積を有するものが用いられている。
【0054】
したがって、セル1−1の正極端子34a及び負極端子34bの方が、セル1−2の正極端子44a及び負極端子44bよりも、電流が流れる方向の断面積が小さい構成を有しており、電気抵抗が大きく、発熱量も多くなっている。そして、セル1−2の正極端子44a及び負極端子44bの方が、セル1−3の正極端子54a及び負極端子54bよりも、電流が流れる方向の断面積が小さい構成を有しており、電気抵抗が大きく、発熱量も多くなっている。
【0055】
各セル1−1、1−2、1−3は、図10に示すように、モジュールケース9内において冷却媒体の流れ方向に所定間隔をおいて順番に配置されており、発熱量の多い正極端子34a及び負極端子34bを有するセル1−1が最も上流側に配置され、その次に発熱量の多い正極端子44a及び負極端子44bを有するセル1−2がセル1−1の下流側に配置され、発熱量の最も少ない正極端子54a及び負極端子54bを有するセル1−3がセル1−2の下流側に配置される。
【0056】
したがって、発熱量の多い正極端子34a及び負極端子34bを有するセル1−1を、冷却能力の高い冷却媒体によって冷却することができ、発熱量の少ない正極端子54a及び負極端子54bを有するセル1−3を、冷却能力の落ちた冷却媒体によって冷却することができる。
【0057】
したがって、モジュールケース9内で上流側と下流側の温度のバランスを取ることができ、下流側のセル1−3の温度上昇を抑え、モジュール全体の温度分布を均一化できる。したがって、下流側に配置されるセル1−3が高温化して劣化が促進されるのを抑制し、モジュール全体としての寿命の短縮を防ぐことができる。
【0058】
図11は、図10に示す各セルの正極端子と負極端子に熱伝導部材を設けた場合の例を示す図である。
【0059】
セル1−1の正極端子34a及び負極端子34b(図10を参照)には、互いに同一の熱伝導量を有する熱伝導部材35a、35bが取り付けられている。そして、セル1−2の正極端子44a、44b(図10を参照)には、互いに同一の熱伝導量を有する熱伝導部材45a、45bが取り付けられている。熱伝導部材45a、45bは、セル1−1に設けられる熱伝導部材35a、35bよりも大きさが小さく、熱伝導量が少なくなるように構成されている。
【0060】
そして、セル1−3の正極端子54a及び負極端子54b(図10を参照)には、互いに同一の熱伝導量を有する熱伝導部材55a、55bが取り付けられている。熱伝導部材55a、55bは、セル1−2に設けられる熱伝導部材45a、45bよりも大きさが小さく、熱伝導量が少なくなるように構成されている。
【0061】
したがって、セル1−1の正極端子34a及び負極端子34bとその下流側のセル1−2の正極端子44a及び負極端子44bとの発熱量の違い、あるいは、セル1−2の正極端子44a及び負極端子44bとその下流側のセル1−3の正極端子54a及び負極端子54bとの発熱量の違いだけでは調整しきれない、微妙な温度分布を調整することができ、モジュール全体の温度分布をさらに均一化できる。
【0062】
なお、図11に示す構成では、図10に示す正極端子34a〜54aと負極端子34b〜54bに、熱伝導部材35a、35b、45a、45b、55a、55bを設ける場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、種々の組み合わせが可能であり、例えば、セル1−1〜1−3の一部にのみ設ける構成としてもよい。
【0063】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、リチウムイオン電池、及び、同電池を用いた組電池、即ち、モジュールの温度分布を均一化するためのものであり、特に、容量の大きい電力貯蔵用システムや移動体用の動力システムに対して適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 セル(リチウムイオン電池の単電池)
1−1 セル(上流用セル)
1−2 セル(中流用セル)
1−3 セル(下流用セル)
2 捲回体(充放電部)
3a、13a 正極タブ(電極タブ)
3b、13b 負極タブ(電極タブ)
4a 正極端子(電極端子)
4b 負極端子(電極端子)
5 電池容器
8 モジュール
9 モジュールケース(冷却流路)
21、22 熱伝導部材
33a 上流用正極タブ
33b 上流用負極タブ
34a 上流用正極端子
34b 上流用負極端子
43a 中流用正極タブ
43b 中流用負極タブ
44a 中流用正極端子
44b 中流用負極端子
53a 下流用正極タブ
53b 下流用負極タブ
54a 下流用正極端子
54b 下流用負極端子
C 冷却媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却媒体が流れる冷却流路の流路途中に配置されるリチウムイオン電池であって、
電池容器内で充放電部に接続される一対の接続部のうち、前記冷却流路の上流側に配置される接続部の方が、前記冷却流路の下流側に配置される接続部よりも発熱量が多い構成を有することを特徴とするリチウムイオン電池。
【請求項2】
前記冷却流路の上流側に配置される接続部の電気抵抗を、前記冷却流路の下流側に配置される接続部の電気抵抗よりも大きくしたことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項3】
前記各接続部は、前記充放電部の電極に接続される電極端子を有し、
前記冷却流路の上流側に配置される接続部の電極端子の断面積を、前記冷却流路の下流側に配置される接続部の電極端子の断面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項4】
前記各接続部は、前記充放電部の電極に接続される複数の電極タブを有し、
前記冷却流路の上流側に配置される接続部の電極タブの数を、前記冷却流路の下流側に配置される接続部の電極タブの数よりも少なくしたことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項5】
前記接続部に一端が当接され、前記電池容器の内壁に他端が当接されて、前記接続部の熱を前記電池容器に伝達する熱伝導部材が、前記冷却流路の上流側に配置される接続部と前記電池容器の内壁との間、若しくは、前記冷却流路の下流側に配置される接続部と前記電池容器の内壁との間の少なくとも一方に設けられることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項6】
前記熱伝導部材は、前記冷却流路の上流側に配置される接続部と前記電池容器の内壁との間、及び、前記冷却流路の下流側に配置される接続部と前記電池容器の内壁との間に設けられており、互いに熱伝導量が異なることを特徴とする請求項5に記載のリチウムイオン電池。
【請求項7】
前記充放電部は、帯状の正極と負極の間にセパレータを介在させて捲回された捲回体を有し、
前記一対の接続部は、前記捲回体の捲回軸方向一方側の端部に正極用の接続部が接続され、前記捲回体の捲回軸方向他方側の端部に負極用の接続部が接続されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池。
【請求項8】
前記正極用の接続部は、前記捲回体の正極に接続された複数の正極タブと、該複数の正極タブが接続される正極端子を有し、
前記負極用の接続部は、前記捲回体の負極に接続された複数の負極タブと、該複数の負極タブが接続される負極端子を有することを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン電池。
【請求項9】
冷却媒体が流れるモジュールケース内に複数のリチウムイオン電池が収容されたモジュールであって、
前記各リチウムイオン電池は、電池容器内で充放電部に接続される接続部を有しており、前記接続部の発熱量が多いリチウムイオン電池の方が、前記接続部の発熱量が少ないリチウムイオン電池よりも、前記モジュールケース内の上流側に配置されていることを特徴とするモジュール。
【請求項1】
冷却媒体が流れる冷却流路の流路途中に配置されるリチウムイオン電池であって、
電池容器内で充放電部に接続される一対の接続部のうち、前記冷却流路の上流側に配置される接続部の方が、前記冷却流路の下流側に配置される接続部よりも発熱量が多い構成を有することを特徴とするリチウムイオン電池。
【請求項2】
前記冷却流路の上流側に配置される接続部の電気抵抗を、前記冷却流路の下流側に配置される接続部の電気抵抗よりも大きくしたことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項3】
前記各接続部は、前記充放電部の電極に接続される電極端子を有し、
前記冷却流路の上流側に配置される接続部の電極端子の断面積を、前記冷却流路の下流側に配置される接続部の電極端子の断面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項4】
前記各接続部は、前記充放電部の電極に接続される複数の電極タブを有し、
前記冷却流路の上流側に配置される接続部の電極タブの数を、前記冷却流路の下流側に配置される接続部の電極タブの数よりも少なくしたことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項5】
前記接続部に一端が当接され、前記電池容器の内壁に他端が当接されて、前記接続部の熱を前記電池容器に伝達する熱伝導部材が、前記冷却流路の上流側に配置される接続部と前記電池容器の内壁との間、若しくは、前記冷却流路の下流側に配置される接続部と前記電池容器の内壁との間の少なくとも一方に設けられることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項6】
前記熱伝導部材は、前記冷却流路の上流側に配置される接続部と前記電池容器の内壁との間、及び、前記冷却流路の下流側に配置される接続部と前記電池容器の内壁との間に設けられており、互いに熱伝導量が異なることを特徴とする請求項5に記載のリチウムイオン電池。
【請求項7】
前記充放電部は、帯状の正極と負極の間にセパレータを介在させて捲回された捲回体を有し、
前記一対の接続部は、前記捲回体の捲回軸方向一方側の端部に正極用の接続部が接続され、前記捲回体の捲回軸方向他方側の端部に負極用の接続部が接続されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池。
【請求項8】
前記正極用の接続部は、前記捲回体の正極に接続された複数の正極タブと、該複数の正極タブが接続される正極端子を有し、
前記負極用の接続部は、前記捲回体の負極に接続された複数の負極タブと、該複数の負極タブが接続される負極端子を有することを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン電池。
【請求項9】
冷却媒体が流れるモジュールケース内に複数のリチウムイオン電池が収容されたモジュールであって、
前記各リチウムイオン電池は、電池容器内で充放電部に接続される接続部を有しており、前記接続部の発熱量が多いリチウムイオン電池の方が、前記接続部の発熱量が少ないリチウムイオン電池よりも、前記モジュールケース内の上流側に配置されていることを特徴とするモジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−8649(P2013−8649A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142288(P2011−142288)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]